受信装置、送信装置、受信方法、送信方法、プログラムおよび無線通信システム
【課題】周波数利用効率の高い伝送を行うことができる受信装置を提供すること。
【解決手段】同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信された信号を受信する受信装置において、受信した信号を、レイヤ各々に対応する周波数信号群にMIMO分離するMIMO分離部と、MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、レイヤに対応する情報の間で合成する合成部とを具備することを特徴とする。
【解決手段】同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信された信号を受信する受信装置において、受信した信号を、レイヤ各々に対応する周波数信号群にMIMO分離するMIMO分離部と、MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、レイヤに対応する情報の間で合成する合成部とを具備することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置、送信装置、受信方法、送信方法、プログラムおよび無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高度な伝送方式の無線通信システムへの導入が盛んに検討されている。例えば、複数の送信アンテナを使用したマルチアンテナ送信や、複数の基地局や送信ポイントを使用して協調して同一の移動局装置宛のデータを送信する協調マルチポイント送受信(CoMP:Coordinated Multi-Point transmission and reception)などが挙げられる。
【0003】
複数の送信アンテナを用いて1つのデータを送信する場合、各送信アンテナから送信された送信信号が受信時に同位相になるようなプリコーディング技術が適用される。例えば、2010年12月よりサービスが開始されたLTE(Long Term Evolution)システムでは、予め定義されたプリコーディング行列の集合から最も性能がよくなるプリコーディング行列のインデックス(PMI:Precoding Matrix Indicator)を選択し、移動局装置から基地局装置に選択したPMIをフィードバックすることでマルチアンテナ送信を実現している(非特許文献1参照)。理論的には、基地局装置から移動局装置の間の伝搬路行列を特異値分解(SVD:Singular Value Decomposition)して得られる1つまたは複数の特異値のうち、最大特異値に対応する右特異ベクトルがプリコーディング行列として最適であるとされている。例えば、特異値分解は式(a1)で表される。
【0004】
【数1】
【0005】
ただし、U、Vはそれぞれ逆行列がその随伴行列である受信アンテナ数×受信アンテナ数および送信アンテナ数×送信アンテナ数のサイズのユニタリ行列、Dは特異値行列と呼ばれ、特異値を対角要素に持つ、受信アンテナ数×送信アンテナ数のサイズの対角行列である。Hは基地局装置から移動局装置の間の受信アンテナ数×送信アンテナ数のサイズの複素数の伝搬路行列であり、式(a2)で表される。
【0006】
【数2】
【0007】
ただし、Nrは受信アンテナ数、Ntは送信アンテナ数を表しており、Hnmは、m番目の送信アンテナとn番目の受信アンテナの間の複素数で表される伝搬路特性を表す。
【0008】
次に、CoMPの場合について説明する。CoMPは、同一のデータを送信する地点が地理的に離れるため、技術的には上述のマルチアンテナ送信と同様のものを使用できるが、全送信地点で伝搬路情報(もしくはPMIのようなプリコーディング行列に関する情報)と送信データを共有した上で、送信ポイント間で同期させて送信する(例えば、非特許文献2)。ここでいう同期とは、基地局間で搬送周波数のずれが小さく、かつ移動局装置で受信する受信タイミングが合うことを意味している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】3GPP TS36.211 v.8.9.0
【非特許文献2】3GPP TR36.814 v.9.0.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述のプレコーディング行列を用いた送信においては、非特許文献1のように、予め定義されたプレコーディング行列の中から用いるものを選択することや、送信時の正確な伝搬路を予め得るのは不可能であることなどの理由から、受信電力が最大となるように波形合成される最適なプレコーディング行列を用いることができず、十分に周波数利用効率の高い伝送を行うことができないことがあるという問題がある。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、周波数利用効率の高い伝送を行うことができる受信装置、送信装置、受信方法、送信方法、プログラムおよび無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様は、同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信された信号を受信する受信装置において、受信した信号を、前記レイヤ各々に対応する周波数信号群にMIMO分離するMIMO分離部と、前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記レイヤに対応する情報の間で合成する合成部とを具備することを特徴とする。
【0013】
(2)また、本発明の他の態様は、上述の受信装置であって、前記レイヤ各々に割り当てられた周波数信号群は、前記ビット系列を伝送路符号化した符号化ビット系列に、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをしたビット系列に基づく周波数信号群であり、前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に基づくビットLLRに、前記レイヤ毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをしたビットLLRであること、を特徴とする。
【0014】
(3)また、本発明の他の態様は、上述の受信装置であって、前記レイヤ各々に割り当てられた周波数信号群は、周波数領域において、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをした信号であり、前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に、前記レイヤ毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをした信号であることを特徴とする。
【0015】
(4)また、本発明の他の態様は、上述の受信装置であって、前記インターリーブは、周波数方向のサイクリックシフトであることを特徴とする。
【0016】
(5)また、本発明の他の態様は、同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信する送信装置であって、前記周波数信号群は、前記レイヤ毎に異なる周波数信号群であることを特徴とする。
【0017】
(6)また、本発明の他の態様は、上述の送信装置であって、前記異なる周波数信号群は、前記ビット系列を伝送路符号化した符号化ビット系列に、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをしたビット系列に基づく周波数信号群であることを特徴とする。
【0018】
(7)また、本発明の他の態様は、上述の送信装置であって、前記異なる周波数信号群は、周波数領域において、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをした周波数信号群であることを特徴とする。
【0019】
(8)また、本発明の他の態様は、上述の送信装置であって、前記インターリーブは、周波数方向のサイクリックシフトであることを特徴とする。
【0020】
(9)また、本発明の他の態様は、他の送信装置と同一のビット系列に基づき生成された周波数信号群を送信する送信装置であって、前記周波数信号群は、前記他の送信装置が送信する周波数信号群と異なることを特徴とする。
【0021】
(10)また、本発明の他の態様は、同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信された信号を受信する受信方法であって、受信した信号を、前記レイヤ各々に対応する周波数信号群にMIMO分離する第1の過程と、前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記レイヤに対応する情報の間で合成する第2の過程とを有することを特徴とする。
【0022】
(11)また、本発明の他の態様は、複数のレイヤに信号を割り当てて送信する送信方法であって、同一のビット系列に基づき、前記レイヤ毎に異なる周波数信号群を生成する第1の過程を有することを特徴とする。
【0023】
(12)また、本発明の他の態様は、他の送信装置と同一のビット系列に基づき生成された周波数信号群を送信する送信方法であって、前記同一のビット系列に基づき、前記他の送信装置が送信する周波数信号群と異なる周波数信号群を生成する第1の過程を有することを特徴とする。
【0024】
(13)また、本発明の他の態様は、同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信された信号を受信する受信装置のコンピュータを、前記受信装置が受信した信号を、前記レイヤ各々に対応する周波数信号群にMIMO分離するMIMO分離部、前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記レイヤに対応する情報の間で合成する合成部として機能させるプログラムである。
【0025】
(14)また、本発明の他の態様は、複数のレイヤに信号を割り当てて送信する送信装置のコンピュータを、同一のビット系列に基づき、前記レイヤ毎に異なる周波数信号群を生成する信号生成部として機能させるプログラムである。
【0026】
(15)また、本発明の他の態様は、他の送信装置と同一のビット系列に基づき生成された周波数信号群を送信する送信装置のコンピュータを、前記同一のビット系列に基づき、前記他の送信装置が送信する周波数信号群と異なる周波数信号群を生成する信号生成部として機能させるプログラムである。
【0027】
(16)また、本発明の他の態様は、同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を複数の送信装置から送信し、前記複数の送信装置から送信された信号を受信する受信装置を具備する無線通信システムであって、前記受信装置は、受信した信号を、前記複数の送信装置各々に対応する周波数信号群にMIMO分離するMIMO分離部と、前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記送信装置各々に対応する情報の間で合成する合成部とを具備することを特徴とする。
【0028】
(17)また、本発明の他の態様は、上述の無線通信システムであって、前記送信装置各々に割り当てられた周波数信号群は、前記ビット系列を伝送路符号化した符号化ビット系列に、前記送信装置毎に異なるインターリーブをしたビット系列に基づく周波数信号群であり、前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に基づくビットLLRに、前記送信装置毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをしたビットLLRであること、を特徴とする。
【0029】
(18)また、本発明の他の態様は、上述の無線通信システムであって、前記送信装置各々に割り当てられた周波数信号群は、周波数領域において、前記送信装置毎に異なるインターリーブをした信号であり、前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に、前記送信装置毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをした信号であること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
この発明によれば、周波数利用効率の高い伝送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の第1の実施形態における無線通信システム10の構成を示す概念図である。
【図2】同実施形態における基地局装置100の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】同実施形態における移動局装置200の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】同実施形態における受信処理部206の構成を示す概略ブロック図である。
【図5】この発明の第2の実施形態における無線通信システム20の構成を示す概念図である。
【図6】同実施形態における基地局装置301−1の構成を示す概略ブロック図である。
【図7】この発明の第3の実施形態における無線通信システム10aの構成を示す概念図である。
【図8】同実施形態における移動局装置100aの構成を示す概略ブロック図である。
【図9】同実施形態における受信処理部206aの構成を示す概略ブロック図である。
【図10】この発明の第4の実施形態における移動局装置100bの構成を示す概略ブロック図である。
【図11】同実施形態における受信処理部206bの構成を示す概略ブロック図である。
【図12】同実施形態における送信アンテナと周波数スペクトルの関係の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態における無線通信システム10の構成を示す概念図である。図1に示すように、無線通信システム10は、M本の送信アンテナ1−1〜1−Mを備える基地局装置100と、N本の受信アンテナ2−1〜2−Nを備える移動局装置200を含んで構成される。
【0033】
図2は、本実施形態における基地局装置100の構成を示す概略ブロック図である。ただし、基地局装置100から移動局装置200への送信である下りリンクに関連する部分のみのブロック図としており、上りリンクの通信を行う部分などは省略している。基地局装置100は、M個のレイヤ各々に、同一のビット系列Tに基づき生成された周波数信号群であって、レイヤ毎に異なる周波数信号群を割り当てて生成した信号を、各レイヤに対応する送信アンテナ1−1〜1−Mを介して移動局装置200に送信する。
【0034】
基地局装置100は、符号化部101、コピー部102、M個のインターリーブ部103−1〜103−M、M個の変調部104−1〜104−M、参照信号生成部105、M個の周波数マッピング部106−1〜106−M、M個のIFFT(Inverse Fast Fourier Transform;逆高速フーリエ変換)部107−1〜107−M、M個のCP(Cyclic Prefix;サイクリックプレフィクス)挿入部108−1〜108−M、M個の無線送信部109−1〜109−M、インターリーブ系列生成部110、M本の送信アンテナ1−1〜1−Mを含んで構成される。なお、インターリーブ部103−1〜103−M、変調部104−1〜104−Mなど、符号に枝番が付いている各部は、枝番に対応するレイヤの信号を処理し、送信アンテナ1−1〜1−Mは、枝番に対応するレイヤの信号を送信する。例えば、IFFT部107−1は、第1のレイヤの信号を処理し、IFFT部107−Mでは、第Mのレイヤの信号が処理される。
【0035】
基地局装置100では、伝送する情報ビットであるビット系列Tが符号化部101に入力される。符号化部101は、このビット系列Tに対してターボ符号やLDPC(Low Density Parity Check)符号などの誤り訂正符号化を行う。誤り訂正符号化されたビット系列(符号化ビット系列)は、コピー部102に入力される。コピー部102は、この符号化ビット系列を、送信に用いるアンテナの数だけ複製する。本実施形態では、送信アンテナの数をMとし、すべての送信アンテナ1−1〜1−Mから送信される符号化ビット系列は同一である。コピー部102では、インターリーブ部103−1からインターリーブ部103−Mに同一の符号化ビット系列が出力される。
【0036】
インターリーブ部103−1からインターリーブ部103−Mでは、インターリーブ系列生成部110から各々に通知されるインターリーブ系列に従い、符号化ビットのビット順の並び変えが行われる。ここで、インターリーブ系列生成部110が通知するインターリーブ系列は、インターリーブ部103−1からインターリーブ部103−Mの各々の間で異なる系列である。また、インターリーブ系列生成部110では、送信アンテナ本数や符号化ビット系列長、あるいはユーザ識別番号等の送信パラメータによって、生成するインターリーブ系列が一意に決定され、移動局装置200側でも該送信パラメータに基づき、同一のインターリーブ系列が生成される。なお、インターリーブ系列生成部110は、送信機会毎にインターリーブ系列を生成し、生成したインターリーブ系列を示す情報を、データ(ビット系列T)と共に移動局装置200に通知するようにしてもよい。
【0037】
インターリーブ以降の処理は、送信アンテナ1−1〜1−Mから伝送される信号に対して同様の信号処理を行うため、代表して送信アンテナ1−1から伝送される信号に対する信号処理(変調部104−1から無線送信部109−1)について説明し、その他の説明を省略する。インターリーブ部103−1によりビットの並び順を入れ替えられた符号化ビット系列は、変調部104−1に入力される。変調部104−1は、符号化ビット系列に、QPSK(Quaternary Phase Shift Keying;四相位相偏移変調)、16QAM(16-ary Quadrature Amplitude Modulation;16直交振幅変調)などの変調を施す。周波数マッピング部106−1には、変調部104−1により変調された変調信号と、参照信号生成部105より送受信装置で既知である参照信号(パイロット信号)とが入力される。
【0038】
ここで、ダウンリンクにおける参照信号、すなわち参照信号生成部105で生成される参照信号には、伝送に用いる帯域を決定する用途の参照信号と復調に用いる参照信号があり、例えばLTEやLTE−Aでは、Common−RS(Reference Signal)、CRS(Cell Specific RS)、CSI−RS(Channel State Information RS)、DM(De−Modulation)−RSと呼ばれるものがある。周波数マッピング部106−1では、入力された変調信号と参照信号が伝送に用いる周波数帯域に割り当てられ、前述の周波数信号群が生成される。
【0039】
IFFT部107−1では、周波数マッピング部106−1で生成された周波数信号群は、IFFTにより時間領域の信号へ変換される。CP挿入部108−1では、IFFT部107−1が生成した時間領域の信号に、CP(Cyclic Prefix;サイクリックプレフィックス)が挿入される。無線送信部109−1では、CP挿入部108−1によりCPが挿入された信号は、D/A(Digital/Analog;ディジタル/アナログ)変換でアナログ信号に変換された後、無線周波数にアップコンバートされる。無線送信部109−1は、アップコンバートした信号を、PA(Power Amplifier)で送信電力を増幅する等の処理が行なわれ、出力する。送信アンテナ1−1では、無線送信部109−1が出力した信号が、移動局装置200に送信される。
【0040】
同様に、第2のレイヤから第Mのレイヤに関しても同一のビット系列Tに基づく符号化ビット系列は、それぞれ異なるインターリーバ系列で並び換えられた後に、同様にして、送信信号の生成処理が行なわれ、送信される。すなわち、各レイヤの周波数信号群は、インターリーブ系列生成部110が生成するインターリーブ系列がレイヤ間で異なるために、レイヤ間で異なる周波数信号群となる。なお、本実施形態では、レイヤの数と、送信アンテナの数とを一致しており、各レイヤの信号を、各送信アンテナが送信するとして説明した。しかし、送信アンテナの数は、レイヤの数と同一か多ければよく、周波数マッピング部106−1〜106−Mが生成した周波数信号群に、送信アンテナ数×レイヤ数のプレコーディング行列を乗じて、送信するようにしてもよい。
【0041】
図3は、本実施形態における移動局装置200の構成を示す概略ブロック図である。移動局装置200は、N個の受信アンテナ2−1〜2−N、N個の無線受信部201−1〜201−N、N個のCP除去部202−1〜202−N、N個のFFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)部203−1〜203−N、N個の周波数デマッピング部204−1〜204−N、伝搬路推定部205、受信処理部206を含んで構成される。
【0042】
図3の移動局装置200では、受信アンテナ2−1から受信アンテナ2−Nを用いて、基地局装置100から送信された信号が受信される。送信アンテナ数Mと受信アンテナ数Nとは、異なっていても良いし、同一でも良い。また、受信アンテナは必ずしも複数でなくても良い。受信アンテナ2−1〜2−Nの各々で受信された信号は、同様の処理が行われるため、ここでは、代表して受信アンテナ2−1で受信された信号を処理するブロックについて説明し、その他のブロック(201−2〜201−N、202−2〜202−N、203−2〜203−N、204−2〜204−N)については、説明を省略する。
【0043】
無線受信部201−1では、受信アンテナ2−1が受信した信号がベースバンド周波数にダウンコンバートされ、A/D(Analogue to Digital)変換によってディジタル信号に変換され、CP除去部202−1に出力される。CP除去部202−1では、ディジタル信号からCPが除去され、FFT部203−1に出力される。FFT部203−1は、CPが除去された信号を、高速フーリエ変換することで、時間領域から周波数領域の信号に変換する。FFT部203−1では、この変換により得られた周波数領域の信号は、周波数デマッピング部204−1に出力される。周波数デマッピング部204−1では、伝送されたデータ信号と時間・周波数で多重されている参照信号が抽出され、データ信号は受信処理部206へ、参照信号は伝搬路推定部205へそれぞれ出力される。以上、受信アンテナ2−1に関して説明をおこなったが、上述のように、他の受信アンテナ2−2〜2−Nにて受信した信号についても、受信アンテナ1−1と同様の処理が施される。これにより、伝搬路推定部205には、周波数デマッピング部204−2から周波数デマッピング部204−Nで抽出された参照信号が入力される。また、受信処理部206には、周波数デマッピング部204−2から周波数デマッピング部204−Nで抽出されたデータ信号が入力される。
【0044】
伝搬路推定部205では、周波数デマッピング部204−1〜204−Nが抽出した参照信号に基づき、基地局装置100の送信アンテナ1−1〜1−Mと、移動局装置100の受信アンテナ2−1〜2−Nとの組み合わせ毎の伝搬路の周波数応答が推定され、受信処理部206に出力される。受信処理部206では、周波数デマッピング部204−1から周波数デマッピング部204−Nで抽出されたデータ信号から、伝搬路推定部205で推定された伝搬路の周波数応答を用いて、基地局装置100が送信したビット系列が復元され、ビット系列として出力される。受信処理部206では、ビット系列を復元する際に、干渉除去と、誤り訂正符号の復号とを繰り返し行うターボ等化が適用される。
【0045】
図4は、受信処理部206の構成を示す概略ブロック図である。受信処理部206は、N個のキャンセル部207−1〜207−N、MIMO(Multi-Input Multi-Output;多入力多出力)分離部208、M個のレイヤ処理部218−1〜218−M、合成部211、復号部212、コピー部213、レプリカ生成部216、重み生成部217を含んで構成される。レイヤ処理部218−1〜218−Mの各々は、送信アンテナ2−1〜2−Mのうち、それぞれの枝番に対応する信号の処理を行う。レイヤ処理部218−1〜218−Mの各々は、加算部219、復調部209、デインターリーブ部210、インターリーブ部214、シンボルレプリカ生成部215を含んで構成される。なお、以降では、復調部209、デインターリーブ部210、インターリーブ部214、シンボルレプリカ生成部215に、属するレイヤ処理部と同じ枝番を付し、レイヤ処理部218−1の復調部209は、復調部209−1というように表記する。
【0046】
周波数デマッピング部204−1〜204−Nが受信処理部206に出力したデータ信号は、それぞれ対応するキャンセル部207−1〜207−Nに入力される。すなわち、周波数デマッピング部204−1が出力したデータ信号は、キャンセル部207−1に入力され、周波数デマッピング部204−2で出力されたデータ信号は、キャンセル部207−2に入力される。また、伝搬路推定部205により推定された送信アンテナ毎の伝搬路の周波数応答はレプリカ生成部216と重み生成部217に入力される。
【0047】
キャンセル部207−1では、周波数デマッピング部204−1から入力されたデータ信号から、レプリカ生成部216より入力される受信アンテナ2−1の受信信号のレプリカが減算され、減算後の残留信号は、MIMO分離部208に出力される。同様に、キャンセル部207−2〜207−Nの各々も、周波数デマッピング部204−2〜207−Nのうち、対応するものから入力されたデータ信号から、レプリカ生成部216より入力される、対応する受信アンテナの受信信号のレプリカが減算され、減算後の残留信号は、MIMO分離部208に出力される。ただし、キャンセル部207−1〜207−Nでは、復号部212の出力がない繰り返しの1回目の処理では、何もせずに、入力されたデータ信号がそのままMIMO分離部208に出力される。
【0048】
重み生成部217では、送信アンテナ1−mと受信アンテナ2−nとの間の周波数応答推定値Hmnが入力され、各受信アンテナで受信した信号から送信アンテナ毎の信号に分離するための重みが生成される。ただし、mは送信アンテナのインデックスで1≦m≦Mを満たし、nは受信アンテナのインデックスで1≦n≦Nを満たす。また、生成する重みは、MMSE(Minimum Mean Square Error; 最小平均自乗誤差)重みやZF(Zero Forcing)重み等である。生成された重みは、MIMO分離部208に入力される。
【0049】
MIMO分離部208では、キャンセル部207−1〜207−Nが出力した残留信号に対して、重み生成部217より入力された重みを乗算することにより、送信アンテナ1−1〜1−M各々に対応するレイヤの信号にMIMO分離する。MIMO分離部208は、MIMO分離した信号を、レイヤ処理部218−1〜218−Mのうち、対応するものに出力する。例えば、MIMO分離された送信アンテナ1−1の信号は、レイヤ処理部218−1の加算部219−1に出力し、送信アンテナ1−2の信号は、レイヤ処理部218−2の加算部219−2に出力する。
【0050】
加算部219−1は、MIMO分離部208から入力された信号に、後述するシンボルレプリカ生成部215−1が生成したシンボルレプリカを加算し、その演算結果を復調部209−1に出力する。加算部219−2〜219−Mも、同様に、MIMO分離部208から入力された信号に、各々に対応するシンボルレプリカを加算する。復調部209−1〜209−Mの各々は、基地局装置100で施された変調方式に対応する復調を、対応する加算部219から入力された信号に対して行い、符号化ビット系列のビットLLR(LLR:Log Likelihood Ratio;対数尤度比)に変換する。復調部209−1〜209−Mの各々では、このビットLLRは、デインターリーブ部210−1〜210−Mのうち、対応するものに出力される。例えば、復調部209−1は、デインターリーブ部210−1に出力し、復調部209−2は、デインターリーブ部210−2に出力する。
【0051】
デインターリーブ部210−1〜210−Mでは、入力されたビットLLRに対して、基地局装置100のインターリーブ部103−1〜103−Mのうち、対応するインターリーブ部103で行ったインターリーブとは逆の並び換えを行ない、その結果が出力される。例えば、デインターリーブ部210−1では、インターリーブ部103−1の並び換えを元に戻す並び換えが行われ、デインターリーブ部210−2では、インターリーブ部103−2の並び換えを元に戻す並び換えが行われる。ここで、デインターリーブ部210−mの出力するビットLLRをλm(k)と表記する。ただし、λm(k)はm番目の送信アンテナ1−mにおけるインターリーブ前のk番目のビットに対応する符号化ビットのビットLLRである。デインターリーブ部210−mでは、λm(k)が、合成部211に出力される。合成部211には、送信アンテナ1−1〜1−M各々のビットLLRであるλ1(k)、λ2(k)、…、λM(k)が入力されるが、送信アンテナ1−1〜1−M各々より送信された符号化ビットは、基地局装置100のコピー部102でコピーされた同一のものである。そのため、これらのビットLLRは合成が可能である。合成部211は、次式(1)によって、これらのビットLLRが合成され、合成後のビットLLRであるλA(k)が算出される。
【0052】
【数3】
【0053】
ただし、本実施形態では式(1)に示した合成法としているが、LLRの合成時に重みづけ合成を行ってもよい。復号部212は、合成部211の出力λA(k)に対して、誤り訂正復号を施す。繰り返し回数が所定の回数に達したときなど、ターボ等化の繰り返し処理を続けて行わない場合には、復号部212は、誤り訂正復号結果のビットLLRを硬判定し、硬判定結果を、ビット系列Rとして出力する。
【0054】
一方、ターボ等化による繰り返し処理を続けて行う場合には、復号部212では、コピー部213に復号結果のビットLLRが出力される。コピー部213では、送信アンテナ1−1〜1−Mの数だけビットLLRが複製される。複製されたビットLLRの各々は、インターリーブ部214−1〜214−Mに入力される。インターリーブ部214−1〜214−Mの各々では、入力されたビットLLRに対して、基地局装置100のインターリーブ部103−1〜103−Mのうち、対応するインターリーブ部103で施したビットの並び換えと、同様の並び換えが施される。例えば、インターリーブ部214−1では、インターリーブ部103−1と同様の並び換えが行われ、インターリーブ部214−2では、インターリーブ部103−2と同様の並び換えが行われる。
【0055】
シンボルレプリカ生成部215−1〜215−Mでは、インターリーブ部214−1〜214−Mによりそれぞれの並び換えが行われたビットLLRに対して、基地局装置100で施された変調方式を用いて変調が施され、各送信アンテナ1−1〜1−Mから送信された信号のレプリカを生成する。なお、レプリカはビットLLRから生成される期待値に比例した振幅を有するソフトレプリカである。レプリカ生成部216では、シンボルレプリカ生成部215−1〜Mから出力される、すべての送信アンテナのレプリカおよび、伝搬路推定部205から入力される伝搬路推定値を用いて、受信アンテナ2−1〜2−Nの各々における受信信号レプリカが生成される。レプリカ生成部216で生成された受信信号レプリカは、キャンセル部207−1〜Nに入力され、キャンセル部207−1〜Nにて受信信号から減算される。これらの処理を繰り返すことにより、受信処理を行う。
【0056】
このように、本実施形態では、複数のレイヤで送信された信号を、MIMO分離した後に、合成部211で合成している。これにより、送信側(基地局装置100)で把握している伝搬路推定値に依存せずに、効率良く合成することができ、周波数利用効率の高い伝送を行うことができる。
さらに、本実施形態では、マルチアンテナを用いた伝送において、同一のビット系列を送信する際に、送信側(基地局装置100)において受信側(移動局装置200)と伝搬路情報を共有してプリコーディングベクトルを乗算するような処理が必要ないため、伝搬路推定誤差の影響を受けにくく、良好な伝搬特性を実現できる。そのため、周波数利用効率の高い伝送を行うことができる。また、伝搬路情報を共有しないで良好な伝搬特性の送信ダイバーシチが実現できるため、伝搬路の時変動に強く、高速移動時でも伝搬特性の劣化が少ない。また、周波数選択性が強い伝搬環境においても、送信されるビット系列が各アンテナで異なる伝搬路を通るため、符号化利得を向上させることができる。
【0057】
なお、本実施形態では、基地局装置100において、各レイヤの信号を、それぞれ対応する送信アンテナから送信する構成としたが、周波数マッピング部106−1〜106−Mの出力に対して、プレコーディング行列を乗算して、各送信アンテナから送信する信号を生成する構成としてもよい。そのような構成としても、本実施形態と同様に、複数のレイヤで送信された信号を、MIMO分離した後に合成部で合成することで、効率良く合成することができる。
【0058】
[第2の実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本実施形態における無線通信システム20の構成を示す概念図である。無線通信システム20は、下りリンクにおいて、協調マルチポイント送受信(CoMP)を行う。すなわち、2局の基地局装置301−1、301−2が、1局の移動局装置302に同一のデータを送信している。ここで、第1の基地局装置301−1と、第2の基地局装置301−2とは、同様の構成であるが、各々が備えるインターリーバにおける並び換えのパターンが異なるものとなっている。すなわち、基地局装置301−1は、1つ目のレイヤの信号を送信し、基地局装置301−2は、2つ目のレイヤの信号を送信する。そして、これら2つのレイヤには、同一のビット系列に基づき生成された信号であって、互いに異なる信号が割り当てられている。また、移動局装置302は、第1の実施形態における移動局装置200と同様の構成である。
【0059】
図6は、基地局装置301−1の構成を示す概略ブロック図である。基地局装置301−1は、符号化部401、インターリーブ系列生成部402、インターリーブ部403、変調部404、参照信号生成部405、周波数マッピング部406、IFFT部407、CP挿入部408、無線送信部409、送信アンテナ4を含んで構成する。協調する基地局(ここでは、基地局装置301−2)から通知された情報ビット系列Tが符号化部401により符号化される。図6で、通知される情報は符号化前の情報ビット系列としているが、各基地局で符号化処理を行うことによる計算量増大を防ぐため、符号化後の符号化ビット系列を基地局間で共有する構成としてもよい。
【0060】
次に、協調する基地局から通知されるインターリーブ系列に基づいて、協調する全ての基地局が異なるインターリーブ系列を用いるように、インターリーブ系列がインターリーブ系列生成部402により決定される。ここでインターリーブ系列生成部402は、協調する基地局間でインターリーブ系列を通知し合うことですべての基地局が異なるインターリーブ系列を用いるように設定されてもよいし、通知を行なわず、基地局識別番号(セルID)や符号化ビット系列長等の送受信装置で既知のパラメータによって一意に決定するようにしてもよい。生成されたインターリーブ系列は、インターリーブ部403に入力される。
【0061】
インターリーブ部403では、入力されたインターリーブ系列を用いて、符号化部401により符号化された符号化ビット系列の時間順が並び替えられる。インターリーブが施された符号化ビット系列は、変調部404に入力される。変調部404では、入力された符号化ビット系列に対して、QPSKや16QAMなどの変調が行われ、変調シンボルが生成される。参照信号生成部405では、協調する基地局と共有した参照信号系列から、他の基地局と互いに直交する参照信号が生成される。これは、移動局装置302で協調している全ての基地局からの伝搬路特性を推定できるようにするためである。
【0062】
次に、周波数マッピング部406では、変調部403から出力された変調シンボルと、参照信号生成部405から出力された参照信号がシステム帯域内の任意の周波数にマッピングすされ(配置される)。例えば、変調シンボルの配置位置は、無線資源を各移動局にどのように割り当てるかを決定するスケジューラが決定する方法を用いることが一般的であるが、システム帯域内の任意の周波数に配置すればその他の方法を用いてもよい。また、参照信号は、予めシステムで定義された配置位置としてもよく、移動局装置302で分離できる方法であれば時間多重でも符号多重でもよい。次に、この周波数マッピングにより得られた周波数信号は、IFFT部407において時間信号に変換される。CP挿入部408では、この時間信号に、CPが挿入される。最後に、無線送信部409で、このCPが挿入された時間信号に対して、D/A変換、アップコンバージョンが行われ、送信アンテナ4から送信される。
【0063】
ここで、協調する基地局装置と共有するビット系列、インターリーブ系列、参照信号系列の共有方法については、例えばLTEなどで仕様化されている有線のX2インターフェースを用いて共有してもよいし、IP(Internet Protocol)ネットワークを介して共有してもよい。また、RRH(Remote Radio Head)や張り出しアンテナのように局間を光ファイバで接続していればそのファイバを用いて共有してもよい。また、本実施形態では基地局装置間で協調したが、複数の送信ポイント(リレー局装置やフェムト基地局装置、ピコ基地局装置など)で協調して同一データを送信する方法であれば如何なる方式でも適用できる。また、3局以上の基地局装置でも同様に適用可能である。
【0064】
移動局装置302の構成は、前述のように、図3の移動局装置200と同一である。すなわち、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、複数のレイヤで送信された信号を、MIMO分離した後に、合成部211で合成している。これにより、送信側(基地局装置301−1、301−2)で把握している伝搬路推定値に依存せずに、効率良く合成することができ、周波数利用効率の高い伝送を行うことができる。
【0065】
また、このようにすることで、協調通信の際の局間の波形レベルで同相に合成できる程度の高精度な同期は必要なく、実装が簡易になる。また、送信側と受信側とで伝搬路状態を共有する必要がなくなるため、フィードバックに係る制御情報は不要となり、効率よく協調通信を行うことが可能である。また、少なくとも2つの異なるインターリーブ系列を用いて各基地局装置が送信することで高い符号化利得が得られるため、波形レベルの合成より伝送特性も高い。
【0066】
なお、本実施形態では、基地局装置301−1、301−2の各々から、各レイヤの信号を送信する構成としたが、周波数マッピング部406の出力に対して、プレコーディング行列を乗算して、送信する信号を生成する構成としてもよい。または、協調する基地局のうちのいずれかにおいて、基地局装置100と同様に周波数マッピング部106−1〜106−Mによるマッピングが行われ、その結果に対してプレコーディング行列を乗算して、各基地局から送信する信号を生成する構成としてもよい。これらのような構成としても、本実施形態と同様に、複数のレイヤで送信された信号を、MIMO分離した後に合成部で合成することで、効率良く合成することができる。
【0067】
[第3の実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態における無線通信システム10aは、マルチアンテナを用いた上りリンク(移動局装置100aから基地局装置200aへの伝送)におけるCSI(Channel State Information)を共有しない送信ダイバーシチ伝送を行なう。なお、伝送方式は上記実施形態の様なOFDM(Orthogonal Freqency Division Multiplexing)ではなく、DFT−S−OFDM(Discrete Fourier Transform Spread OFDM)である場合について説明を行なう。図7は、本実施形態における無線通信システム10aの構成を示す概念図である。図7に示すように、無線通信システム10aは、M本の送信アンテナ1−1〜1−Mを備える移動局装置100aと、N本の受信アンテナ2−1〜2−Nを備える基地局装置200aとを含んで構成される。
【0068】
図8は、本実施形態における送信装置である移動局装置100aの構成を示す概略ブロック図である。ただし、移動局装置100aから基地局装置200aへの送信である上りリンクに関連する部分のみのブロック図としており、下りリンクの通信を行う部分などは省略している。図2の基地局装置100の構成とほぼ同様であるが、変調部104−1〜104−M各々の出力が、DFT部501−1〜501−Mを介して周波数マッピング部106−1〜106−Mに入力される点が異なる。DFT部501−1〜501−Mは、変調部104−1〜104−M各々が生成した変調シンボルの系列に対して、離散フーリエ変換を施して、周波数領域の信号(データスペクトル)を生成する。
【0069】
このように、移動局装置100aでは、変調シンボルに離散フーリエ変換(DFT)を適用することで、送信信号の時間波形が、OFDMと比較して低PAPR(Peak to Average Power Ratio)となる利点が得られる。また参照信号生成部105で生成される参照信号もダウンリンクとは異なり、復調に用いる参照信号であるDM(De−Modulation)−RSだけでなく、伝送に用いる帯域を決定する用途の参照信号であるSRS(Sounding RS)も生成され、周波数マッピング部106−1〜106−Mでそれぞれ時間と周波数のリソースに配置される。なお、周波数マッピング部106−1〜106−Mでのデータスペクトルの配置は、OFDMの場合と同様、連続であっても非連続であってもよい。
【0070】
基地局装置200aは、図8の移動局装置100aにより送信された信号を受信し、その構成は、図3の移動局装置200と同様である。ただし、図3内の受信処理部206に代えて、受信処理部206aを有する点が異なる。図9は、受信処理部206aの構成を示す概略ブロック図である。受信処理部206aの構成は、図4に示す受信処理部206とほぼ同様であるが、レイヤ処理部218−1〜218−Mに代えて、レイヤ処理部218a−1〜218a−Mを有する点が異なる。これらレイヤ処理部218a−1〜218a−Mの各々がレイヤ処理部218−1〜218−Mと異なる点は、3点ある。
【0071】
1つ目は、加算部219の出力がIDFT部502により逆離散フーリエ変換(Inverse DFT)された後、復調部209に入力される点である。2つ目は、シンボルレプリカ生成部215aの出力がDFT部503により離散フーリエ変換された後、レプリカ生成部216および加算部219に入力される点である。最後に3つ目は、シンボルレプリカ生成部215aにおけるシンボルレプリカ生成法である。シンボルレプリカ生成部215のように、OFDM信号の場合、シンボルレプリカ生成部215に入力されるビットLLRを、直接シンボルレプリカの期待値とする。しかし、シンボルレプリカ生成部215aでは、DFT−S−OFDM、すなわちシングルキャリア伝送であるので、IDFTによる変調シンボルの逆拡散が存在するため、シンボルレプリカ生成部215aに入力されるビットLLRの平均値を各シンボルレプリカの期待値とする点が異なる。
【0072】
基地局装置200aは、図4の移動局装置200と同様に、複数のレイヤで送信された信号を、MIMO分離した後に、合成部211で合成している。これにより、送信側(移動局装置100a)で把握している伝搬路推定値に依存せずに、効率良く合成することができ、周波数利用効率の高い伝送を行うことができる。このように、シングルキャリア伝送を用いた場合も、第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】
[第4の実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第4の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第1および第2の実施形態と同様に、同一のビット系列に異なるインターリーブ系列によるインターリーブを適用して複数の異なる信号を生成し、これらの信号を空間的に多重して送信する場合について説明したが、本実施形態では、同様の効果を得る方法として、周波数領域でインターリーブ(スペクトルの並べ替え)を行なう方法を用いる。以下にその構成例について説明を行う。
【0074】
本実施形態における無線通信システム10bは、図7の無線通信システム10aと同様に、M本の送信アンテナ1−1〜1−Mを有する移動局装置100bと、N本の受信アンテナ2−1〜2−Nを有する基地局装置200bとを含んで構成される。図10は、移動局装置100bの構成を示す概略ブロック図である。移動局装置100bは、符号化部101、インターリーブ部103、変調部104、DFT部501、コピー部504、サイクリックシフト量決定部505、M個のサイクリックシフト部506−1〜506−M、参照信号生成部105、M個の周波数マッピング部106−1〜106−M、M個のIFFT部107−1〜107−M、M個のCP挿入部108−1〜108−M、M個の無線送信部109−1〜109−M、M本の送信アンテナ1−1〜1−Mを含んで構成される。図10において図8の各部に対応する部分には同一の符号(101、103〜109、501、1−1〜1−M)を付け、その説明を省略する。
【0075】
移動局装置100bでは、符号化部101の出力はコピー部ではなくインターリーブ部103に入力される。インターリーブ部103では、符号化部101の出力(符号化ビット系列)に対して、所定のインターリーブが適用される。変調部104では、インターリーブが適用された符号化ビット系列が変調される。DFT部501は、該変調結果に対して、離散フーリエ変換が施される。コピー部504では、離散フーリエ変換による処理結果を構成する各シングルキャリアスペクトルがM個ずつコピーされ、それぞれサイクリックシフト部506−1〜502−Mに入力される。
【0076】
サイクリックシフト量決定部505では、サイクリックシフト部506−1〜506−Mの各々において、行うサイクリックシフトのシフト量を決定する。このとき、サイクリックシフト量決定部505は、サイクリックシフト部506−1〜506−Mにおいて、互いに異なるシフト量となるように、シフト量を決定する。サイクリックシフト部506−1〜506−Mは、サイクリックシフト量決定部505から入力されるサイクリックシフト量に従い、各サイクリックシフト部で異なるサイクリックシフトを適用する。ここでサイクリックシフトとは周波数領域での巡回シフトを示し、例えばコピー部504から入力されるシングルキャリアスペクトルがS(k)(0≦k≦NDFT−1)、サイクリックシフト量決定部505から入力されるサイクリックシフト量がΔの場合サイクリックシフト部506−1〜506−Mの出力S’(k)(0≦k≦NDFT−1)は次式(2)で表わされる。
【0077】
【数4】
【0078】
なお、本実施形態では周波数領域でのサイクリックシフトが、時間波形のPAPRに影響を与えないことを踏まえ、サイクリックシフトを行っているが、PAPRが問題とならなければ、周波数スペクトルをインターリーブする構成としてもよい。このようにして得られた周波数信号を周波数信号群と定義する。サイクリックシフト部506−1〜506−Mの出力は、周波数マッピング部106−1〜106−Mのうち、対応するものに入力される。以降は、図8の移動局装置100aと同様の処理が行なわれ、送信アンテナ1−1〜1−Mから送信される。
【0079】
本実施形態における基地局装置200bの構成は、図3の基地局装置200と基本的には同様となるが、受信処理部206に変えて、受信処理部206bを有する点が異なる。図11は、受信処理部206bの構成を示す概略ブロック図である。図11において図9の各部に対応する部分には同一の符号(207〜210、212、214、215a、216、217、502、503)を付け、その説明を省略する。図9と異なる処理について以下に説明を行う。
【0080】
MIMO分離部208では、分離された各レイヤの信号は、デサイクリックシフト部507−1〜507−Mのうち、それぞれ対応するものに入力される。例えば、送信アンテナ1−1に対応するレイヤの信号は、デサイクリックシフト部507−1に入力される。デサイクリックシフト部507−1〜507−Mの各々では、MIMO分離部208から入力された信号に対して、図10のサイクリックシフト部506−1〜506−Mのうち、対応するもので適用されたサイクリックシフトを元に戻す処理が行われる。例えば、MIMO分離部208から入力されるシングルキャリアスペクトルがG(k)(0≦k≦NDFT−1)であり、サイクリックシフト部506−1におけるサイクリックシフト量がΔの場合、デサイクリックシフト部507−1の出力G’(k)(0≦k≦NDFT−1)は次式(3)で表わされる。
【0081】
【数5】
【0082】
なお、基地局装置200bでサイクリックシフトではなく周波数インターリーブを適用している場合は、デインターリーブを行うことで周波数スペクトルの順番を元に戻す処理が行なわれる。デサイクリックシフト部507−1〜507−Mの出力は合成部508に入力される。合成部508では、デサイクリックシフト部507−1〜507−Mから入力されるスペクトルが合成(加算)される。スペクトルの順序が揃っているため、受信エネルギーを合成することができる。合成部508の出力は加算部219に入力される。
【0083】
またここで、N本の送信アンテナから送信された各周波数スペクトルはそれぞれ異なる周波数で受信されることになる。つまり、同一スペクトルがN個のサブキャリアで受信されることになる。さらに受信アンテナ数がM本の場合、同一スペクトルがMN箇所で受信されることになる。これは受信アンテナ数がMNであったと考えることができるため、MIMO分離部208で乗算する重みを変更することで特性改善を図ることができる。例えば、M=3の場合、図12に示されるように、点線の四角で囲んだ周波数のスペクトルはそれぞれの送信アンテナから異なる周波数で送信されている。この場合、この周波数の振幅を計算するための連立方程式を受信アンテナあたり3本作ることができ、これを各受信アンテナで構成することができるため、3N個の連立方程式、すなわち受信アンテナ数を3Nとみなすことができる。
【0084】
また、復号部212の出力は、コピー部ではなくインターリーブ部214に入力され、DFT部503の出力がコピー部509に入力される。コピー部509では、DFT部503が生成したシンボルレプリカの周波数スペクトルをM個ずつコピーされ、それぞれサイクリックシフト部505−1〜505−Mのうち、対応するものに入力される。サイクリックシフト部505−1〜505−Mの各々では、コピー部509から入力された周波数スペクトルに対して、図10のサイクリックシフト部506−1〜506−Mのうち、対応するものと同じサイクリックシフト量が適用され、サイクリックシフトされた信号はレプリカ生成部216に入力される。
【0085】
本実施形態では、シングルキャリア伝送を用いた場合に、送信機の複数の送信アンテナから同じ情報を異なるスペクトルで送信する例について説明を行った。シングルキャリア伝送を用いた場合も、第1や第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに異なるビットインターリーブを行なわずに、周波数スペクトルに対して異なるサイクリックシフトを適用することで、ビットLLRを合成するのではなく、周波数スペクトルの合成を行うことができる。この結果、ビットLLRを合成する場合に比べて、IDFTや復調の回数を削減できる。
【0086】
なお、インターリーブではなくサイクリックシフトを用いる送信方法はシングルキャリア伝送のみならず、OFDMのようなマルチキャリア伝送にも当然適用可能である。さらにOFDMの場合は、周波数領域のサイクリックシフトではなく、周波数インターリーブを適用してもPAPR特性が変わらないという効果がある。
【0087】
なお、第1から第4の実施形態では、各送信アンテナまたは協調する基地局装置で同一の変調方式を適用することを前提に説明したが、インターリーブと変調方式を送信アンテナ毎または基地局毎に異なるものとしても良いし、インターリーブは同じものとし、変調方式のみをアンテナ毎または基地局毎に異なるものとしても良く、同様の効果が得られる。ただし、変調方式を変更する場合には、復調処理とシンボルレプリカ生成も送信で使用した変調方式に応じて処理をする必要がある。また、システマティックビットが存在する符号化方法であれば、アンテナ毎または基地局毎に符号化方法を変更しても良い。符号化率においても同様にアンテナ毎または基地局毎に変更しても良い。さらに、送信アンテナ数または基地局数が3以上の場合に、2つの異なるインターリーブと2つの異なる変調方式を用いるなどといった方法も用いることができ、このような第1から第4の実施形態の一部を組み合わせた形態も本発明に含まれる。
アンテナ数や協調する基地局数についても、限定はなく、各アンテナまたは基地局でデータ送信に使用するサブキャリア数を異なる値にしたり、異なる位置にしたりすることも可能である。また、DFT−S−OFDMに対し、周波数領域でクリッピング(周波数成分の欠落)を行うシステムでの適用も可能である。
【0088】
本発明に関わる移動局装置および基地局装置で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0089】
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における移動局装置および基地局装置の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置および基地局装置の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0090】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、携帯電話装置を移動局装置とする移動通信システムに用いて好適であるが、これに限定されない。
【符号の説明】
【0092】
1−1〜1−M、4…送信アンテナ
2−1〜2−N…受信アンテナ
10、10a、10b…無線通信システム
100、200a、100b…基地局装置
101…符号化部
102…コピー部
103−1〜103−M…インターリーブ部
104−1〜104−M…変調部
105…参照信号生成部
106−1〜106−M…周波数マッピング部
107−1〜107−M…IFFT部
108−1〜108−M…CP挿入部
109−1〜109−M…無線送信部
110…インターリーブ系列生成部
200、100a…移動局装置
201−1〜201−N…無線受信部
202−1〜202−N…CP除去部
203−1〜203−N…FFT部
204−1〜204−N…周波数デマッピング部
205…伝搬路推定部
206、206a、206b…受信処理部
207−1〜207−N…キャンセル部
208…MIMO分離部
209−1〜209−M…復調部
210−1〜210−M…デインターリーブ部
211…合成部
212…復号部
213…コピー部
214−1〜214−M…インターリーブ部
215−1〜215−M、215a−1〜215a−M…シンボルレプリカ生成部
216…レプリカ生成部
217…重み生成部
218−1〜218−M、218a−1〜218a−M…レイヤ処理部
219−1〜219−M…加算部
301−1、301−2…基地局装置
302…移動局装置
401…符号化部
402…インターリーブ系列生成部
403…インターリーブ部
404…変調部
405…参照信号生成部
406…周波数マッピング部
407…IFFT部
408…CP挿入部
409…無線送信部
501−1〜501−M…DFT部
502−1〜502−M…IDFT部
503−1〜503−M…DFT部
504…コピー部
505…サイクリックシフト量決定部
506−1〜506−M…サイクリックシフト部
507−1〜507−M…デイクリックシフト部
508…合成部
509…コピー部
510−1〜510−M…サイクリックシフト部
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置、送信装置、受信方法、送信方法、プログラムおよび無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高度な伝送方式の無線通信システムへの導入が盛んに検討されている。例えば、複数の送信アンテナを使用したマルチアンテナ送信や、複数の基地局や送信ポイントを使用して協調して同一の移動局装置宛のデータを送信する協調マルチポイント送受信(CoMP:Coordinated Multi-Point transmission and reception)などが挙げられる。
【0003】
複数の送信アンテナを用いて1つのデータを送信する場合、各送信アンテナから送信された送信信号が受信時に同位相になるようなプリコーディング技術が適用される。例えば、2010年12月よりサービスが開始されたLTE(Long Term Evolution)システムでは、予め定義されたプリコーディング行列の集合から最も性能がよくなるプリコーディング行列のインデックス(PMI:Precoding Matrix Indicator)を選択し、移動局装置から基地局装置に選択したPMIをフィードバックすることでマルチアンテナ送信を実現している(非特許文献1参照)。理論的には、基地局装置から移動局装置の間の伝搬路行列を特異値分解(SVD:Singular Value Decomposition)して得られる1つまたは複数の特異値のうち、最大特異値に対応する右特異ベクトルがプリコーディング行列として最適であるとされている。例えば、特異値分解は式(a1)で表される。
【0004】
【数1】
【0005】
ただし、U、Vはそれぞれ逆行列がその随伴行列である受信アンテナ数×受信アンテナ数および送信アンテナ数×送信アンテナ数のサイズのユニタリ行列、Dは特異値行列と呼ばれ、特異値を対角要素に持つ、受信アンテナ数×送信アンテナ数のサイズの対角行列である。Hは基地局装置から移動局装置の間の受信アンテナ数×送信アンテナ数のサイズの複素数の伝搬路行列であり、式(a2)で表される。
【0006】
【数2】
【0007】
ただし、Nrは受信アンテナ数、Ntは送信アンテナ数を表しており、Hnmは、m番目の送信アンテナとn番目の受信アンテナの間の複素数で表される伝搬路特性を表す。
【0008】
次に、CoMPの場合について説明する。CoMPは、同一のデータを送信する地点が地理的に離れるため、技術的には上述のマルチアンテナ送信と同様のものを使用できるが、全送信地点で伝搬路情報(もしくはPMIのようなプリコーディング行列に関する情報)と送信データを共有した上で、送信ポイント間で同期させて送信する(例えば、非特許文献2)。ここでいう同期とは、基地局間で搬送周波数のずれが小さく、かつ移動局装置で受信する受信タイミングが合うことを意味している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】3GPP TS36.211 v.8.9.0
【非特許文献2】3GPP TR36.814 v.9.0.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述のプレコーディング行列を用いた送信においては、非特許文献1のように、予め定義されたプレコーディング行列の中から用いるものを選択することや、送信時の正確な伝搬路を予め得るのは不可能であることなどの理由から、受信電力が最大となるように波形合成される最適なプレコーディング行列を用いることができず、十分に周波数利用効率の高い伝送を行うことができないことがあるという問題がある。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、周波数利用効率の高い伝送を行うことができる受信装置、送信装置、受信方法、送信方法、プログラムおよび無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様は、同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信された信号を受信する受信装置において、受信した信号を、前記レイヤ各々に対応する周波数信号群にMIMO分離するMIMO分離部と、前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記レイヤに対応する情報の間で合成する合成部とを具備することを特徴とする。
【0013】
(2)また、本発明の他の態様は、上述の受信装置であって、前記レイヤ各々に割り当てられた周波数信号群は、前記ビット系列を伝送路符号化した符号化ビット系列に、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをしたビット系列に基づく周波数信号群であり、前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に基づくビットLLRに、前記レイヤ毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをしたビットLLRであること、を特徴とする。
【0014】
(3)また、本発明の他の態様は、上述の受信装置であって、前記レイヤ各々に割り当てられた周波数信号群は、周波数領域において、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをした信号であり、前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に、前記レイヤ毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをした信号であることを特徴とする。
【0015】
(4)また、本発明の他の態様は、上述の受信装置であって、前記インターリーブは、周波数方向のサイクリックシフトであることを特徴とする。
【0016】
(5)また、本発明の他の態様は、同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信する送信装置であって、前記周波数信号群は、前記レイヤ毎に異なる周波数信号群であることを特徴とする。
【0017】
(6)また、本発明の他の態様は、上述の送信装置であって、前記異なる周波数信号群は、前記ビット系列を伝送路符号化した符号化ビット系列に、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをしたビット系列に基づく周波数信号群であることを特徴とする。
【0018】
(7)また、本発明の他の態様は、上述の送信装置であって、前記異なる周波数信号群は、周波数領域において、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをした周波数信号群であることを特徴とする。
【0019】
(8)また、本発明の他の態様は、上述の送信装置であって、前記インターリーブは、周波数方向のサイクリックシフトであることを特徴とする。
【0020】
(9)また、本発明の他の態様は、他の送信装置と同一のビット系列に基づき生成された周波数信号群を送信する送信装置であって、前記周波数信号群は、前記他の送信装置が送信する周波数信号群と異なることを特徴とする。
【0021】
(10)また、本発明の他の態様は、同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信された信号を受信する受信方法であって、受信した信号を、前記レイヤ各々に対応する周波数信号群にMIMO分離する第1の過程と、前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記レイヤに対応する情報の間で合成する第2の過程とを有することを特徴とする。
【0022】
(11)また、本発明の他の態様は、複数のレイヤに信号を割り当てて送信する送信方法であって、同一のビット系列に基づき、前記レイヤ毎に異なる周波数信号群を生成する第1の過程を有することを特徴とする。
【0023】
(12)また、本発明の他の態様は、他の送信装置と同一のビット系列に基づき生成された周波数信号群を送信する送信方法であって、前記同一のビット系列に基づき、前記他の送信装置が送信する周波数信号群と異なる周波数信号群を生成する第1の過程を有することを特徴とする。
【0024】
(13)また、本発明の他の態様は、同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信された信号を受信する受信装置のコンピュータを、前記受信装置が受信した信号を、前記レイヤ各々に対応する周波数信号群にMIMO分離するMIMO分離部、前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記レイヤに対応する情報の間で合成する合成部として機能させるプログラムである。
【0025】
(14)また、本発明の他の態様は、複数のレイヤに信号を割り当てて送信する送信装置のコンピュータを、同一のビット系列に基づき、前記レイヤ毎に異なる周波数信号群を生成する信号生成部として機能させるプログラムである。
【0026】
(15)また、本発明の他の態様は、他の送信装置と同一のビット系列に基づき生成された周波数信号群を送信する送信装置のコンピュータを、前記同一のビット系列に基づき、前記他の送信装置が送信する周波数信号群と異なる周波数信号群を生成する信号生成部として機能させるプログラムである。
【0027】
(16)また、本発明の他の態様は、同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を複数の送信装置から送信し、前記複数の送信装置から送信された信号を受信する受信装置を具備する無線通信システムであって、前記受信装置は、受信した信号を、前記複数の送信装置各々に対応する周波数信号群にMIMO分離するMIMO分離部と、前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記送信装置各々に対応する情報の間で合成する合成部とを具備することを特徴とする。
【0028】
(17)また、本発明の他の態様は、上述の無線通信システムであって、前記送信装置各々に割り当てられた周波数信号群は、前記ビット系列を伝送路符号化した符号化ビット系列に、前記送信装置毎に異なるインターリーブをしたビット系列に基づく周波数信号群であり、前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に基づくビットLLRに、前記送信装置毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをしたビットLLRであること、を特徴とする。
【0029】
(18)また、本発明の他の態様は、上述の無線通信システムであって、前記送信装置各々に割り当てられた周波数信号群は、周波数領域において、前記送信装置毎に異なるインターリーブをした信号であり、前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に、前記送信装置毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをした信号であること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
この発明によれば、周波数利用効率の高い伝送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の第1の実施形態における無線通信システム10の構成を示す概念図である。
【図2】同実施形態における基地局装置100の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】同実施形態における移動局装置200の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】同実施形態における受信処理部206の構成を示す概略ブロック図である。
【図5】この発明の第2の実施形態における無線通信システム20の構成を示す概念図である。
【図6】同実施形態における基地局装置301−1の構成を示す概略ブロック図である。
【図7】この発明の第3の実施形態における無線通信システム10aの構成を示す概念図である。
【図8】同実施形態における移動局装置100aの構成を示す概略ブロック図である。
【図9】同実施形態における受信処理部206aの構成を示す概略ブロック図である。
【図10】この発明の第4の実施形態における移動局装置100bの構成を示す概略ブロック図である。
【図11】同実施形態における受信処理部206bの構成を示す概略ブロック図である。
【図12】同実施形態における送信アンテナと周波数スペクトルの関係の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態における無線通信システム10の構成を示す概念図である。図1に示すように、無線通信システム10は、M本の送信アンテナ1−1〜1−Mを備える基地局装置100と、N本の受信アンテナ2−1〜2−Nを備える移動局装置200を含んで構成される。
【0033】
図2は、本実施形態における基地局装置100の構成を示す概略ブロック図である。ただし、基地局装置100から移動局装置200への送信である下りリンクに関連する部分のみのブロック図としており、上りリンクの通信を行う部分などは省略している。基地局装置100は、M個のレイヤ各々に、同一のビット系列Tに基づき生成された周波数信号群であって、レイヤ毎に異なる周波数信号群を割り当てて生成した信号を、各レイヤに対応する送信アンテナ1−1〜1−Mを介して移動局装置200に送信する。
【0034】
基地局装置100は、符号化部101、コピー部102、M個のインターリーブ部103−1〜103−M、M個の変調部104−1〜104−M、参照信号生成部105、M個の周波数マッピング部106−1〜106−M、M個のIFFT(Inverse Fast Fourier Transform;逆高速フーリエ変換)部107−1〜107−M、M個のCP(Cyclic Prefix;サイクリックプレフィクス)挿入部108−1〜108−M、M個の無線送信部109−1〜109−M、インターリーブ系列生成部110、M本の送信アンテナ1−1〜1−Mを含んで構成される。なお、インターリーブ部103−1〜103−M、変調部104−1〜104−Mなど、符号に枝番が付いている各部は、枝番に対応するレイヤの信号を処理し、送信アンテナ1−1〜1−Mは、枝番に対応するレイヤの信号を送信する。例えば、IFFT部107−1は、第1のレイヤの信号を処理し、IFFT部107−Mでは、第Mのレイヤの信号が処理される。
【0035】
基地局装置100では、伝送する情報ビットであるビット系列Tが符号化部101に入力される。符号化部101は、このビット系列Tに対してターボ符号やLDPC(Low Density Parity Check)符号などの誤り訂正符号化を行う。誤り訂正符号化されたビット系列(符号化ビット系列)は、コピー部102に入力される。コピー部102は、この符号化ビット系列を、送信に用いるアンテナの数だけ複製する。本実施形態では、送信アンテナの数をMとし、すべての送信アンテナ1−1〜1−Mから送信される符号化ビット系列は同一である。コピー部102では、インターリーブ部103−1からインターリーブ部103−Mに同一の符号化ビット系列が出力される。
【0036】
インターリーブ部103−1からインターリーブ部103−Mでは、インターリーブ系列生成部110から各々に通知されるインターリーブ系列に従い、符号化ビットのビット順の並び変えが行われる。ここで、インターリーブ系列生成部110が通知するインターリーブ系列は、インターリーブ部103−1からインターリーブ部103−Mの各々の間で異なる系列である。また、インターリーブ系列生成部110では、送信アンテナ本数や符号化ビット系列長、あるいはユーザ識別番号等の送信パラメータによって、生成するインターリーブ系列が一意に決定され、移動局装置200側でも該送信パラメータに基づき、同一のインターリーブ系列が生成される。なお、インターリーブ系列生成部110は、送信機会毎にインターリーブ系列を生成し、生成したインターリーブ系列を示す情報を、データ(ビット系列T)と共に移動局装置200に通知するようにしてもよい。
【0037】
インターリーブ以降の処理は、送信アンテナ1−1〜1−Mから伝送される信号に対して同様の信号処理を行うため、代表して送信アンテナ1−1から伝送される信号に対する信号処理(変調部104−1から無線送信部109−1)について説明し、その他の説明を省略する。インターリーブ部103−1によりビットの並び順を入れ替えられた符号化ビット系列は、変調部104−1に入力される。変調部104−1は、符号化ビット系列に、QPSK(Quaternary Phase Shift Keying;四相位相偏移変調)、16QAM(16-ary Quadrature Amplitude Modulation;16直交振幅変調)などの変調を施す。周波数マッピング部106−1には、変調部104−1により変調された変調信号と、参照信号生成部105より送受信装置で既知である参照信号(パイロット信号)とが入力される。
【0038】
ここで、ダウンリンクにおける参照信号、すなわち参照信号生成部105で生成される参照信号には、伝送に用いる帯域を決定する用途の参照信号と復調に用いる参照信号があり、例えばLTEやLTE−Aでは、Common−RS(Reference Signal)、CRS(Cell Specific RS)、CSI−RS(Channel State Information RS)、DM(De−Modulation)−RSと呼ばれるものがある。周波数マッピング部106−1では、入力された変調信号と参照信号が伝送に用いる周波数帯域に割り当てられ、前述の周波数信号群が生成される。
【0039】
IFFT部107−1では、周波数マッピング部106−1で生成された周波数信号群は、IFFTにより時間領域の信号へ変換される。CP挿入部108−1では、IFFT部107−1が生成した時間領域の信号に、CP(Cyclic Prefix;サイクリックプレフィックス)が挿入される。無線送信部109−1では、CP挿入部108−1によりCPが挿入された信号は、D/A(Digital/Analog;ディジタル/アナログ)変換でアナログ信号に変換された後、無線周波数にアップコンバートされる。無線送信部109−1は、アップコンバートした信号を、PA(Power Amplifier)で送信電力を増幅する等の処理が行なわれ、出力する。送信アンテナ1−1では、無線送信部109−1が出力した信号が、移動局装置200に送信される。
【0040】
同様に、第2のレイヤから第Mのレイヤに関しても同一のビット系列Tに基づく符号化ビット系列は、それぞれ異なるインターリーバ系列で並び換えられた後に、同様にして、送信信号の生成処理が行なわれ、送信される。すなわち、各レイヤの周波数信号群は、インターリーブ系列生成部110が生成するインターリーブ系列がレイヤ間で異なるために、レイヤ間で異なる周波数信号群となる。なお、本実施形態では、レイヤの数と、送信アンテナの数とを一致しており、各レイヤの信号を、各送信アンテナが送信するとして説明した。しかし、送信アンテナの数は、レイヤの数と同一か多ければよく、周波数マッピング部106−1〜106−Mが生成した周波数信号群に、送信アンテナ数×レイヤ数のプレコーディング行列を乗じて、送信するようにしてもよい。
【0041】
図3は、本実施形態における移動局装置200の構成を示す概略ブロック図である。移動局装置200は、N個の受信アンテナ2−1〜2−N、N個の無線受信部201−1〜201−N、N個のCP除去部202−1〜202−N、N個のFFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)部203−1〜203−N、N個の周波数デマッピング部204−1〜204−N、伝搬路推定部205、受信処理部206を含んで構成される。
【0042】
図3の移動局装置200では、受信アンテナ2−1から受信アンテナ2−Nを用いて、基地局装置100から送信された信号が受信される。送信アンテナ数Mと受信アンテナ数Nとは、異なっていても良いし、同一でも良い。また、受信アンテナは必ずしも複数でなくても良い。受信アンテナ2−1〜2−Nの各々で受信された信号は、同様の処理が行われるため、ここでは、代表して受信アンテナ2−1で受信された信号を処理するブロックについて説明し、その他のブロック(201−2〜201−N、202−2〜202−N、203−2〜203−N、204−2〜204−N)については、説明を省略する。
【0043】
無線受信部201−1では、受信アンテナ2−1が受信した信号がベースバンド周波数にダウンコンバートされ、A/D(Analogue to Digital)変換によってディジタル信号に変換され、CP除去部202−1に出力される。CP除去部202−1では、ディジタル信号からCPが除去され、FFT部203−1に出力される。FFT部203−1は、CPが除去された信号を、高速フーリエ変換することで、時間領域から周波数領域の信号に変換する。FFT部203−1では、この変換により得られた周波数領域の信号は、周波数デマッピング部204−1に出力される。周波数デマッピング部204−1では、伝送されたデータ信号と時間・周波数で多重されている参照信号が抽出され、データ信号は受信処理部206へ、参照信号は伝搬路推定部205へそれぞれ出力される。以上、受信アンテナ2−1に関して説明をおこなったが、上述のように、他の受信アンテナ2−2〜2−Nにて受信した信号についても、受信アンテナ1−1と同様の処理が施される。これにより、伝搬路推定部205には、周波数デマッピング部204−2から周波数デマッピング部204−Nで抽出された参照信号が入力される。また、受信処理部206には、周波数デマッピング部204−2から周波数デマッピング部204−Nで抽出されたデータ信号が入力される。
【0044】
伝搬路推定部205では、周波数デマッピング部204−1〜204−Nが抽出した参照信号に基づき、基地局装置100の送信アンテナ1−1〜1−Mと、移動局装置100の受信アンテナ2−1〜2−Nとの組み合わせ毎の伝搬路の周波数応答が推定され、受信処理部206に出力される。受信処理部206では、周波数デマッピング部204−1から周波数デマッピング部204−Nで抽出されたデータ信号から、伝搬路推定部205で推定された伝搬路の周波数応答を用いて、基地局装置100が送信したビット系列が復元され、ビット系列として出力される。受信処理部206では、ビット系列を復元する際に、干渉除去と、誤り訂正符号の復号とを繰り返し行うターボ等化が適用される。
【0045】
図4は、受信処理部206の構成を示す概略ブロック図である。受信処理部206は、N個のキャンセル部207−1〜207−N、MIMO(Multi-Input Multi-Output;多入力多出力)分離部208、M個のレイヤ処理部218−1〜218−M、合成部211、復号部212、コピー部213、レプリカ生成部216、重み生成部217を含んで構成される。レイヤ処理部218−1〜218−Mの各々は、送信アンテナ2−1〜2−Mのうち、それぞれの枝番に対応する信号の処理を行う。レイヤ処理部218−1〜218−Mの各々は、加算部219、復調部209、デインターリーブ部210、インターリーブ部214、シンボルレプリカ生成部215を含んで構成される。なお、以降では、復調部209、デインターリーブ部210、インターリーブ部214、シンボルレプリカ生成部215に、属するレイヤ処理部と同じ枝番を付し、レイヤ処理部218−1の復調部209は、復調部209−1というように表記する。
【0046】
周波数デマッピング部204−1〜204−Nが受信処理部206に出力したデータ信号は、それぞれ対応するキャンセル部207−1〜207−Nに入力される。すなわち、周波数デマッピング部204−1が出力したデータ信号は、キャンセル部207−1に入力され、周波数デマッピング部204−2で出力されたデータ信号は、キャンセル部207−2に入力される。また、伝搬路推定部205により推定された送信アンテナ毎の伝搬路の周波数応答はレプリカ生成部216と重み生成部217に入力される。
【0047】
キャンセル部207−1では、周波数デマッピング部204−1から入力されたデータ信号から、レプリカ生成部216より入力される受信アンテナ2−1の受信信号のレプリカが減算され、減算後の残留信号は、MIMO分離部208に出力される。同様に、キャンセル部207−2〜207−Nの各々も、周波数デマッピング部204−2〜207−Nのうち、対応するものから入力されたデータ信号から、レプリカ生成部216より入力される、対応する受信アンテナの受信信号のレプリカが減算され、減算後の残留信号は、MIMO分離部208に出力される。ただし、キャンセル部207−1〜207−Nでは、復号部212の出力がない繰り返しの1回目の処理では、何もせずに、入力されたデータ信号がそのままMIMO分離部208に出力される。
【0048】
重み生成部217では、送信アンテナ1−mと受信アンテナ2−nとの間の周波数応答推定値Hmnが入力され、各受信アンテナで受信した信号から送信アンテナ毎の信号に分離するための重みが生成される。ただし、mは送信アンテナのインデックスで1≦m≦Mを満たし、nは受信アンテナのインデックスで1≦n≦Nを満たす。また、生成する重みは、MMSE(Minimum Mean Square Error; 最小平均自乗誤差)重みやZF(Zero Forcing)重み等である。生成された重みは、MIMO分離部208に入力される。
【0049】
MIMO分離部208では、キャンセル部207−1〜207−Nが出力した残留信号に対して、重み生成部217より入力された重みを乗算することにより、送信アンテナ1−1〜1−M各々に対応するレイヤの信号にMIMO分離する。MIMO分離部208は、MIMO分離した信号を、レイヤ処理部218−1〜218−Mのうち、対応するものに出力する。例えば、MIMO分離された送信アンテナ1−1の信号は、レイヤ処理部218−1の加算部219−1に出力し、送信アンテナ1−2の信号は、レイヤ処理部218−2の加算部219−2に出力する。
【0050】
加算部219−1は、MIMO分離部208から入力された信号に、後述するシンボルレプリカ生成部215−1が生成したシンボルレプリカを加算し、その演算結果を復調部209−1に出力する。加算部219−2〜219−Mも、同様に、MIMO分離部208から入力された信号に、各々に対応するシンボルレプリカを加算する。復調部209−1〜209−Mの各々は、基地局装置100で施された変調方式に対応する復調を、対応する加算部219から入力された信号に対して行い、符号化ビット系列のビットLLR(LLR:Log Likelihood Ratio;対数尤度比)に変換する。復調部209−1〜209−Mの各々では、このビットLLRは、デインターリーブ部210−1〜210−Mのうち、対応するものに出力される。例えば、復調部209−1は、デインターリーブ部210−1に出力し、復調部209−2は、デインターリーブ部210−2に出力する。
【0051】
デインターリーブ部210−1〜210−Mでは、入力されたビットLLRに対して、基地局装置100のインターリーブ部103−1〜103−Mのうち、対応するインターリーブ部103で行ったインターリーブとは逆の並び換えを行ない、その結果が出力される。例えば、デインターリーブ部210−1では、インターリーブ部103−1の並び換えを元に戻す並び換えが行われ、デインターリーブ部210−2では、インターリーブ部103−2の並び換えを元に戻す並び換えが行われる。ここで、デインターリーブ部210−mの出力するビットLLRをλm(k)と表記する。ただし、λm(k)はm番目の送信アンテナ1−mにおけるインターリーブ前のk番目のビットに対応する符号化ビットのビットLLRである。デインターリーブ部210−mでは、λm(k)が、合成部211に出力される。合成部211には、送信アンテナ1−1〜1−M各々のビットLLRであるλ1(k)、λ2(k)、…、λM(k)が入力されるが、送信アンテナ1−1〜1−M各々より送信された符号化ビットは、基地局装置100のコピー部102でコピーされた同一のものである。そのため、これらのビットLLRは合成が可能である。合成部211は、次式(1)によって、これらのビットLLRが合成され、合成後のビットLLRであるλA(k)が算出される。
【0052】
【数3】
【0053】
ただし、本実施形態では式(1)に示した合成法としているが、LLRの合成時に重みづけ合成を行ってもよい。復号部212は、合成部211の出力λA(k)に対して、誤り訂正復号を施す。繰り返し回数が所定の回数に達したときなど、ターボ等化の繰り返し処理を続けて行わない場合には、復号部212は、誤り訂正復号結果のビットLLRを硬判定し、硬判定結果を、ビット系列Rとして出力する。
【0054】
一方、ターボ等化による繰り返し処理を続けて行う場合には、復号部212では、コピー部213に復号結果のビットLLRが出力される。コピー部213では、送信アンテナ1−1〜1−Mの数だけビットLLRが複製される。複製されたビットLLRの各々は、インターリーブ部214−1〜214−Mに入力される。インターリーブ部214−1〜214−Mの各々では、入力されたビットLLRに対して、基地局装置100のインターリーブ部103−1〜103−Mのうち、対応するインターリーブ部103で施したビットの並び換えと、同様の並び換えが施される。例えば、インターリーブ部214−1では、インターリーブ部103−1と同様の並び換えが行われ、インターリーブ部214−2では、インターリーブ部103−2と同様の並び換えが行われる。
【0055】
シンボルレプリカ生成部215−1〜215−Mでは、インターリーブ部214−1〜214−Mによりそれぞれの並び換えが行われたビットLLRに対して、基地局装置100で施された変調方式を用いて変調が施され、各送信アンテナ1−1〜1−Mから送信された信号のレプリカを生成する。なお、レプリカはビットLLRから生成される期待値に比例した振幅を有するソフトレプリカである。レプリカ生成部216では、シンボルレプリカ生成部215−1〜Mから出力される、すべての送信アンテナのレプリカおよび、伝搬路推定部205から入力される伝搬路推定値を用いて、受信アンテナ2−1〜2−Nの各々における受信信号レプリカが生成される。レプリカ生成部216で生成された受信信号レプリカは、キャンセル部207−1〜Nに入力され、キャンセル部207−1〜Nにて受信信号から減算される。これらの処理を繰り返すことにより、受信処理を行う。
【0056】
このように、本実施形態では、複数のレイヤで送信された信号を、MIMO分離した後に、合成部211で合成している。これにより、送信側(基地局装置100)で把握している伝搬路推定値に依存せずに、効率良く合成することができ、周波数利用効率の高い伝送を行うことができる。
さらに、本実施形態では、マルチアンテナを用いた伝送において、同一のビット系列を送信する際に、送信側(基地局装置100)において受信側(移動局装置200)と伝搬路情報を共有してプリコーディングベクトルを乗算するような処理が必要ないため、伝搬路推定誤差の影響を受けにくく、良好な伝搬特性を実現できる。そのため、周波数利用効率の高い伝送を行うことができる。また、伝搬路情報を共有しないで良好な伝搬特性の送信ダイバーシチが実現できるため、伝搬路の時変動に強く、高速移動時でも伝搬特性の劣化が少ない。また、周波数選択性が強い伝搬環境においても、送信されるビット系列が各アンテナで異なる伝搬路を通るため、符号化利得を向上させることができる。
【0057】
なお、本実施形態では、基地局装置100において、各レイヤの信号を、それぞれ対応する送信アンテナから送信する構成としたが、周波数マッピング部106−1〜106−Mの出力に対して、プレコーディング行列を乗算して、各送信アンテナから送信する信号を生成する構成としてもよい。そのような構成としても、本実施形態と同様に、複数のレイヤで送信された信号を、MIMO分離した後に合成部で合成することで、効率良く合成することができる。
【0058】
[第2の実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本実施形態における無線通信システム20の構成を示す概念図である。無線通信システム20は、下りリンクにおいて、協調マルチポイント送受信(CoMP)を行う。すなわち、2局の基地局装置301−1、301−2が、1局の移動局装置302に同一のデータを送信している。ここで、第1の基地局装置301−1と、第2の基地局装置301−2とは、同様の構成であるが、各々が備えるインターリーバにおける並び換えのパターンが異なるものとなっている。すなわち、基地局装置301−1は、1つ目のレイヤの信号を送信し、基地局装置301−2は、2つ目のレイヤの信号を送信する。そして、これら2つのレイヤには、同一のビット系列に基づき生成された信号であって、互いに異なる信号が割り当てられている。また、移動局装置302は、第1の実施形態における移動局装置200と同様の構成である。
【0059】
図6は、基地局装置301−1の構成を示す概略ブロック図である。基地局装置301−1は、符号化部401、インターリーブ系列生成部402、インターリーブ部403、変調部404、参照信号生成部405、周波数マッピング部406、IFFT部407、CP挿入部408、無線送信部409、送信アンテナ4を含んで構成する。協調する基地局(ここでは、基地局装置301−2)から通知された情報ビット系列Tが符号化部401により符号化される。図6で、通知される情報は符号化前の情報ビット系列としているが、各基地局で符号化処理を行うことによる計算量増大を防ぐため、符号化後の符号化ビット系列を基地局間で共有する構成としてもよい。
【0060】
次に、協調する基地局から通知されるインターリーブ系列に基づいて、協調する全ての基地局が異なるインターリーブ系列を用いるように、インターリーブ系列がインターリーブ系列生成部402により決定される。ここでインターリーブ系列生成部402は、協調する基地局間でインターリーブ系列を通知し合うことですべての基地局が異なるインターリーブ系列を用いるように設定されてもよいし、通知を行なわず、基地局識別番号(セルID)や符号化ビット系列長等の送受信装置で既知のパラメータによって一意に決定するようにしてもよい。生成されたインターリーブ系列は、インターリーブ部403に入力される。
【0061】
インターリーブ部403では、入力されたインターリーブ系列を用いて、符号化部401により符号化された符号化ビット系列の時間順が並び替えられる。インターリーブが施された符号化ビット系列は、変調部404に入力される。変調部404では、入力された符号化ビット系列に対して、QPSKや16QAMなどの変調が行われ、変調シンボルが生成される。参照信号生成部405では、協調する基地局と共有した参照信号系列から、他の基地局と互いに直交する参照信号が生成される。これは、移動局装置302で協調している全ての基地局からの伝搬路特性を推定できるようにするためである。
【0062】
次に、周波数マッピング部406では、変調部403から出力された変調シンボルと、参照信号生成部405から出力された参照信号がシステム帯域内の任意の周波数にマッピングすされ(配置される)。例えば、変調シンボルの配置位置は、無線資源を各移動局にどのように割り当てるかを決定するスケジューラが決定する方法を用いることが一般的であるが、システム帯域内の任意の周波数に配置すればその他の方法を用いてもよい。また、参照信号は、予めシステムで定義された配置位置としてもよく、移動局装置302で分離できる方法であれば時間多重でも符号多重でもよい。次に、この周波数マッピングにより得られた周波数信号は、IFFT部407において時間信号に変換される。CP挿入部408では、この時間信号に、CPが挿入される。最後に、無線送信部409で、このCPが挿入された時間信号に対して、D/A変換、アップコンバージョンが行われ、送信アンテナ4から送信される。
【0063】
ここで、協調する基地局装置と共有するビット系列、インターリーブ系列、参照信号系列の共有方法については、例えばLTEなどで仕様化されている有線のX2インターフェースを用いて共有してもよいし、IP(Internet Protocol)ネットワークを介して共有してもよい。また、RRH(Remote Radio Head)や張り出しアンテナのように局間を光ファイバで接続していればそのファイバを用いて共有してもよい。また、本実施形態では基地局装置間で協調したが、複数の送信ポイント(リレー局装置やフェムト基地局装置、ピコ基地局装置など)で協調して同一データを送信する方法であれば如何なる方式でも適用できる。また、3局以上の基地局装置でも同様に適用可能である。
【0064】
移動局装置302の構成は、前述のように、図3の移動局装置200と同一である。すなわち、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、複数のレイヤで送信された信号を、MIMO分離した後に、合成部211で合成している。これにより、送信側(基地局装置301−1、301−2)で把握している伝搬路推定値に依存せずに、効率良く合成することができ、周波数利用効率の高い伝送を行うことができる。
【0065】
また、このようにすることで、協調通信の際の局間の波形レベルで同相に合成できる程度の高精度な同期は必要なく、実装が簡易になる。また、送信側と受信側とで伝搬路状態を共有する必要がなくなるため、フィードバックに係る制御情報は不要となり、効率よく協調通信を行うことが可能である。また、少なくとも2つの異なるインターリーブ系列を用いて各基地局装置が送信することで高い符号化利得が得られるため、波形レベルの合成より伝送特性も高い。
【0066】
なお、本実施形態では、基地局装置301−1、301−2の各々から、各レイヤの信号を送信する構成としたが、周波数マッピング部406の出力に対して、プレコーディング行列を乗算して、送信する信号を生成する構成としてもよい。または、協調する基地局のうちのいずれかにおいて、基地局装置100と同様に周波数マッピング部106−1〜106−Mによるマッピングが行われ、その結果に対してプレコーディング行列を乗算して、各基地局から送信する信号を生成する構成としてもよい。これらのような構成としても、本実施形態と同様に、複数のレイヤで送信された信号を、MIMO分離した後に合成部で合成することで、効率良く合成することができる。
【0067】
[第3の実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態における無線通信システム10aは、マルチアンテナを用いた上りリンク(移動局装置100aから基地局装置200aへの伝送)におけるCSI(Channel State Information)を共有しない送信ダイバーシチ伝送を行なう。なお、伝送方式は上記実施形態の様なOFDM(Orthogonal Freqency Division Multiplexing)ではなく、DFT−S−OFDM(Discrete Fourier Transform Spread OFDM)である場合について説明を行なう。図7は、本実施形態における無線通信システム10aの構成を示す概念図である。図7に示すように、無線通信システム10aは、M本の送信アンテナ1−1〜1−Mを備える移動局装置100aと、N本の受信アンテナ2−1〜2−Nを備える基地局装置200aとを含んで構成される。
【0068】
図8は、本実施形態における送信装置である移動局装置100aの構成を示す概略ブロック図である。ただし、移動局装置100aから基地局装置200aへの送信である上りリンクに関連する部分のみのブロック図としており、下りリンクの通信を行う部分などは省略している。図2の基地局装置100の構成とほぼ同様であるが、変調部104−1〜104−M各々の出力が、DFT部501−1〜501−Mを介して周波数マッピング部106−1〜106−Mに入力される点が異なる。DFT部501−1〜501−Mは、変調部104−1〜104−M各々が生成した変調シンボルの系列に対して、離散フーリエ変換を施して、周波数領域の信号(データスペクトル)を生成する。
【0069】
このように、移動局装置100aでは、変調シンボルに離散フーリエ変換(DFT)を適用することで、送信信号の時間波形が、OFDMと比較して低PAPR(Peak to Average Power Ratio)となる利点が得られる。また参照信号生成部105で生成される参照信号もダウンリンクとは異なり、復調に用いる参照信号であるDM(De−Modulation)−RSだけでなく、伝送に用いる帯域を決定する用途の参照信号であるSRS(Sounding RS)も生成され、周波数マッピング部106−1〜106−Mでそれぞれ時間と周波数のリソースに配置される。なお、周波数マッピング部106−1〜106−Mでのデータスペクトルの配置は、OFDMの場合と同様、連続であっても非連続であってもよい。
【0070】
基地局装置200aは、図8の移動局装置100aにより送信された信号を受信し、その構成は、図3の移動局装置200と同様である。ただし、図3内の受信処理部206に代えて、受信処理部206aを有する点が異なる。図9は、受信処理部206aの構成を示す概略ブロック図である。受信処理部206aの構成は、図4に示す受信処理部206とほぼ同様であるが、レイヤ処理部218−1〜218−Mに代えて、レイヤ処理部218a−1〜218a−Mを有する点が異なる。これらレイヤ処理部218a−1〜218a−Mの各々がレイヤ処理部218−1〜218−Mと異なる点は、3点ある。
【0071】
1つ目は、加算部219の出力がIDFT部502により逆離散フーリエ変換(Inverse DFT)された後、復調部209に入力される点である。2つ目は、シンボルレプリカ生成部215aの出力がDFT部503により離散フーリエ変換された後、レプリカ生成部216および加算部219に入力される点である。最後に3つ目は、シンボルレプリカ生成部215aにおけるシンボルレプリカ生成法である。シンボルレプリカ生成部215のように、OFDM信号の場合、シンボルレプリカ生成部215に入力されるビットLLRを、直接シンボルレプリカの期待値とする。しかし、シンボルレプリカ生成部215aでは、DFT−S−OFDM、すなわちシングルキャリア伝送であるので、IDFTによる変調シンボルの逆拡散が存在するため、シンボルレプリカ生成部215aに入力されるビットLLRの平均値を各シンボルレプリカの期待値とする点が異なる。
【0072】
基地局装置200aは、図4の移動局装置200と同様に、複数のレイヤで送信された信号を、MIMO分離した後に、合成部211で合成している。これにより、送信側(移動局装置100a)で把握している伝搬路推定値に依存せずに、効率良く合成することができ、周波数利用効率の高い伝送を行うことができる。このように、シングルキャリア伝送を用いた場合も、第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】
[第4の実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第4の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第1および第2の実施形態と同様に、同一のビット系列に異なるインターリーブ系列によるインターリーブを適用して複数の異なる信号を生成し、これらの信号を空間的に多重して送信する場合について説明したが、本実施形態では、同様の効果を得る方法として、周波数領域でインターリーブ(スペクトルの並べ替え)を行なう方法を用いる。以下にその構成例について説明を行う。
【0074】
本実施形態における無線通信システム10bは、図7の無線通信システム10aと同様に、M本の送信アンテナ1−1〜1−Mを有する移動局装置100bと、N本の受信アンテナ2−1〜2−Nを有する基地局装置200bとを含んで構成される。図10は、移動局装置100bの構成を示す概略ブロック図である。移動局装置100bは、符号化部101、インターリーブ部103、変調部104、DFT部501、コピー部504、サイクリックシフト量決定部505、M個のサイクリックシフト部506−1〜506−M、参照信号生成部105、M個の周波数マッピング部106−1〜106−M、M個のIFFT部107−1〜107−M、M個のCP挿入部108−1〜108−M、M個の無線送信部109−1〜109−M、M本の送信アンテナ1−1〜1−Mを含んで構成される。図10において図8の各部に対応する部分には同一の符号(101、103〜109、501、1−1〜1−M)を付け、その説明を省略する。
【0075】
移動局装置100bでは、符号化部101の出力はコピー部ではなくインターリーブ部103に入力される。インターリーブ部103では、符号化部101の出力(符号化ビット系列)に対して、所定のインターリーブが適用される。変調部104では、インターリーブが適用された符号化ビット系列が変調される。DFT部501は、該変調結果に対して、離散フーリエ変換が施される。コピー部504では、離散フーリエ変換による処理結果を構成する各シングルキャリアスペクトルがM個ずつコピーされ、それぞれサイクリックシフト部506−1〜502−Mに入力される。
【0076】
サイクリックシフト量決定部505では、サイクリックシフト部506−1〜506−Mの各々において、行うサイクリックシフトのシフト量を決定する。このとき、サイクリックシフト量決定部505は、サイクリックシフト部506−1〜506−Mにおいて、互いに異なるシフト量となるように、シフト量を決定する。サイクリックシフト部506−1〜506−Mは、サイクリックシフト量決定部505から入力されるサイクリックシフト量に従い、各サイクリックシフト部で異なるサイクリックシフトを適用する。ここでサイクリックシフトとは周波数領域での巡回シフトを示し、例えばコピー部504から入力されるシングルキャリアスペクトルがS(k)(0≦k≦NDFT−1)、サイクリックシフト量決定部505から入力されるサイクリックシフト量がΔの場合サイクリックシフト部506−1〜506−Mの出力S’(k)(0≦k≦NDFT−1)は次式(2)で表わされる。
【0077】
【数4】
【0078】
なお、本実施形態では周波数領域でのサイクリックシフトが、時間波形のPAPRに影響を与えないことを踏まえ、サイクリックシフトを行っているが、PAPRが問題とならなければ、周波数スペクトルをインターリーブする構成としてもよい。このようにして得られた周波数信号を周波数信号群と定義する。サイクリックシフト部506−1〜506−Mの出力は、周波数マッピング部106−1〜106−Mのうち、対応するものに入力される。以降は、図8の移動局装置100aと同様の処理が行なわれ、送信アンテナ1−1〜1−Mから送信される。
【0079】
本実施形態における基地局装置200bの構成は、図3の基地局装置200と基本的には同様となるが、受信処理部206に変えて、受信処理部206bを有する点が異なる。図11は、受信処理部206bの構成を示す概略ブロック図である。図11において図9の各部に対応する部分には同一の符号(207〜210、212、214、215a、216、217、502、503)を付け、その説明を省略する。図9と異なる処理について以下に説明を行う。
【0080】
MIMO分離部208では、分離された各レイヤの信号は、デサイクリックシフト部507−1〜507−Mのうち、それぞれ対応するものに入力される。例えば、送信アンテナ1−1に対応するレイヤの信号は、デサイクリックシフト部507−1に入力される。デサイクリックシフト部507−1〜507−Mの各々では、MIMO分離部208から入力された信号に対して、図10のサイクリックシフト部506−1〜506−Mのうち、対応するもので適用されたサイクリックシフトを元に戻す処理が行われる。例えば、MIMO分離部208から入力されるシングルキャリアスペクトルがG(k)(0≦k≦NDFT−1)であり、サイクリックシフト部506−1におけるサイクリックシフト量がΔの場合、デサイクリックシフト部507−1の出力G’(k)(0≦k≦NDFT−1)は次式(3)で表わされる。
【0081】
【数5】
【0082】
なお、基地局装置200bでサイクリックシフトではなく周波数インターリーブを適用している場合は、デインターリーブを行うことで周波数スペクトルの順番を元に戻す処理が行なわれる。デサイクリックシフト部507−1〜507−Mの出力は合成部508に入力される。合成部508では、デサイクリックシフト部507−1〜507−Mから入力されるスペクトルが合成(加算)される。スペクトルの順序が揃っているため、受信エネルギーを合成することができる。合成部508の出力は加算部219に入力される。
【0083】
またここで、N本の送信アンテナから送信された各周波数スペクトルはそれぞれ異なる周波数で受信されることになる。つまり、同一スペクトルがN個のサブキャリアで受信されることになる。さらに受信アンテナ数がM本の場合、同一スペクトルがMN箇所で受信されることになる。これは受信アンテナ数がMNであったと考えることができるため、MIMO分離部208で乗算する重みを変更することで特性改善を図ることができる。例えば、M=3の場合、図12に示されるように、点線の四角で囲んだ周波数のスペクトルはそれぞれの送信アンテナから異なる周波数で送信されている。この場合、この周波数の振幅を計算するための連立方程式を受信アンテナあたり3本作ることができ、これを各受信アンテナで構成することができるため、3N個の連立方程式、すなわち受信アンテナ数を3Nとみなすことができる。
【0084】
また、復号部212の出力は、コピー部ではなくインターリーブ部214に入力され、DFT部503の出力がコピー部509に入力される。コピー部509では、DFT部503が生成したシンボルレプリカの周波数スペクトルをM個ずつコピーされ、それぞれサイクリックシフト部505−1〜505−Mのうち、対応するものに入力される。サイクリックシフト部505−1〜505−Mの各々では、コピー部509から入力された周波数スペクトルに対して、図10のサイクリックシフト部506−1〜506−Mのうち、対応するものと同じサイクリックシフト量が適用され、サイクリックシフトされた信号はレプリカ生成部216に入力される。
【0085】
本実施形態では、シングルキャリア伝送を用いた場合に、送信機の複数の送信アンテナから同じ情報を異なるスペクトルで送信する例について説明を行った。シングルキャリア伝送を用いた場合も、第1や第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに異なるビットインターリーブを行なわずに、周波数スペクトルに対して異なるサイクリックシフトを適用することで、ビットLLRを合成するのではなく、周波数スペクトルの合成を行うことができる。この結果、ビットLLRを合成する場合に比べて、IDFTや復調の回数を削減できる。
【0086】
なお、インターリーブではなくサイクリックシフトを用いる送信方法はシングルキャリア伝送のみならず、OFDMのようなマルチキャリア伝送にも当然適用可能である。さらにOFDMの場合は、周波数領域のサイクリックシフトではなく、周波数インターリーブを適用してもPAPR特性が変わらないという効果がある。
【0087】
なお、第1から第4の実施形態では、各送信アンテナまたは協調する基地局装置で同一の変調方式を適用することを前提に説明したが、インターリーブと変調方式を送信アンテナ毎または基地局毎に異なるものとしても良いし、インターリーブは同じものとし、変調方式のみをアンテナ毎または基地局毎に異なるものとしても良く、同様の効果が得られる。ただし、変調方式を変更する場合には、復調処理とシンボルレプリカ生成も送信で使用した変調方式に応じて処理をする必要がある。また、システマティックビットが存在する符号化方法であれば、アンテナ毎または基地局毎に符号化方法を変更しても良い。符号化率においても同様にアンテナ毎または基地局毎に変更しても良い。さらに、送信アンテナ数または基地局数が3以上の場合に、2つの異なるインターリーブと2つの異なる変調方式を用いるなどといった方法も用いることができ、このような第1から第4の実施形態の一部を組み合わせた形態も本発明に含まれる。
アンテナ数や協調する基地局数についても、限定はなく、各アンテナまたは基地局でデータ送信に使用するサブキャリア数を異なる値にしたり、異なる位置にしたりすることも可能である。また、DFT−S−OFDMに対し、周波数領域でクリッピング(周波数成分の欠落)を行うシステムでの適用も可能である。
【0088】
本発明に関わる移動局装置および基地局装置で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0089】
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における移動局装置および基地局装置の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置および基地局装置の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0090】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、携帯電話装置を移動局装置とする移動通信システムに用いて好適であるが、これに限定されない。
【符号の説明】
【0092】
1−1〜1−M、4…送信アンテナ
2−1〜2−N…受信アンテナ
10、10a、10b…無線通信システム
100、200a、100b…基地局装置
101…符号化部
102…コピー部
103−1〜103−M…インターリーブ部
104−1〜104−M…変調部
105…参照信号生成部
106−1〜106−M…周波数マッピング部
107−1〜107−M…IFFT部
108−1〜108−M…CP挿入部
109−1〜109−M…無線送信部
110…インターリーブ系列生成部
200、100a…移動局装置
201−1〜201−N…無線受信部
202−1〜202−N…CP除去部
203−1〜203−N…FFT部
204−1〜204−N…周波数デマッピング部
205…伝搬路推定部
206、206a、206b…受信処理部
207−1〜207−N…キャンセル部
208…MIMO分離部
209−1〜209−M…復調部
210−1〜210−M…デインターリーブ部
211…合成部
212…復号部
213…コピー部
214−1〜214−M…インターリーブ部
215−1〜215−M、215a−1〜215a−M…シンボルレプリカ生成部
216…レプリカ生成部
217…重み生成部
218−1〜218−M、218a−1〜218a−M…レイヤ処理部
219−1〜219−M…加算部
301−1、301−2…基地局装置
302…移動局装置
401…符号化部
402…インターリーブ系列生成部
403…インターリーブ部
404…変調部
405…参照信号生成部
406…周波数マッピング部
407…IFFT部
408…CP挿入部
409…無線送信部
501−1〜501−M…DFT部
502−1〜502−M…IDFT部
503−1〜503−M…DFT部
504…コピー部
505…サイクリックシフト量決定部
506−1〜506−M…サイクリックシフト部
507−1〜507−M…デイクリックシフト部
508…合成部
509…コピー部
510−1〜510−M…サイクリックシフト部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信された信号を受信する受信装置において、
受信した信号を、前記レイヤ各々に対応する周波数信号群にMIMO分離するMIMO分離部と、
前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記レイヤに対応する情報の間で合成する合成部と
を具備することを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記レイヤ各々に割り当てられた周波数信号群は、前記ビット系列を伝送路符号化した符号化ビット系列に、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをしたビット系列に基づく周波数信号群であり、
前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に基づくビットLLRに、前記レイヤ毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをしたビットLLRであること、
を特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記レイヤ各々に割り当てられた周波数信号群は、周波数領域において、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをした信号であり、
前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に、前記レイヤ毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをした信号であること、
を特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
前記インターリーブは、周波数方向のサイクリックシフトであることを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信する送信装置であって、
前記周波数信号群は、前記レイヤ毎に異なる周波数信号群であること
を特徴とする送信装置。
【請求項6】
前記異なる周波数信号群は、前記ビット系列を伝送路符号化した符号化ビット系列に、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをしたビット系列に基づく周波数信号群であることを特徴とする請求項5に記載の送信装置。
【請求項7】
前記異なる周波数信号群は、周波数領域において、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをした周波数信号群であることを特徴とする請求項5に記載の送信装置。
【請求項8】
前記インターリーブは、周波数方向のサイクリックシフトであることを特徴とする請求項7に記載の送信装置。
【請求項9】
他の送信装置と同一のビット系列に基づき生成された周波数信号群を送信する送信装置であって、
前記周波数信号群は、前記他の送信装置が送信する周波数信号群と異なること
を特徴とする送信装置。
【請求項10】
同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信された信号を受信する受信方法であって、
受信した信号を、前記レイヤ各々に対応する周波数信号群にMIMO分離する第1の過程と、
前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記レイヤに対応する情報の間で合成する第2の過程と
を有することを特徴とする受信方法。
【請求項11】
複数のレイヤに信号を割り当てて送信する送信方法であって、
同一のビット系列に基づき、前記レイヤ毎に異なる周波数信号群を生成する第1の過程を有することを特徴とする送信方法。
【請求項12】
他の送信装置と同一のビット系列に基づき生成された周波数信号群を送信する送信方法であって、
前記同一のビット系列に基づき、前記他の送信装置が送信する周波数信号群と異なる周波数信号群を生成する第1の過程を有することを特徴とする送信方法。
【請求項13】
同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信された信号を受信する受信装置のコンピュータを、
前記受信装置が受信した信号を、前記レイヤ各々に対応する周波数信号群にMIMO分離するMIMO分離部、
前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記レイヤに対応する情報の間で合成する合成部
として機能させるプログラム。
【請求項14】
複数のレイヤに信号を割り当てて送信する送信装置のコンピュータを、
同一のビット系列に基づき、前記レイヤ毎に異なる周波数信号群を生成する信号生成部
として機能させるプログラム。
【請求項15】
他の送信装置と同一のビット系列に基づき生成された周波数信号群を送信する送信装置のコンピュータを、
前記同一のビット系列に基づき、前記他の送信装置が送信する周波数信号群と異なる周波数信号群を生成する信号生成部
として機能させるプログラム。
【請求項16】
同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を複数の送信装置から送信し、前記複数の送信装置から送信された信号を受信する受信装置を具備する無線通信システムであって、
前記受信装置は、受信した信号を、前記複数の送信装置各々に対応する周波数信号群にMIMO分離するMIMO分離部と、
前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記送信装置各々に対応する情報の間で合成する合成部と
を具備することを特徴とする無線通信システム。
【請求項17】
前記送信装置各々に割り当てられた周波数信号群は、前記ビット系列を伝送路符号化した符号化ビット系列に、前記送信装置毎に異なるインターリーブをしたビット系列に基づく周波数信号群であり、
前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に基づくビットLLRに、前記送信装置毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをしたビットLLRであること、
を特徴とする請求項16に記載の無線通信システム。
【請求項18】
前記送信装置各々に割り当てられた周波数信号群は、周波数領域において、前記送信装置毎に異なるインターリーブをした信号であり、
前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に、前記送信装置毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをした信号であること、
を特徴とする請求項16に記載の無線通信システム。
【請求項1】
同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信された信号を受信する受信装置において、
受信した信号を、前記レイヤ各々に対応する周波数信号群にMIMO分離するMIMO分離部と、
前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記レイヤに対応する情報の間で合成する合成部と
を具備することを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記レイヤ各々に割り当てられた周波数信号群は、前記ビット系列を伝送路符号化した符号化ビット系列に、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをしたビット系列に基づく周波数信号群であり、
前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に基づくビットLLRに、前記レイヤ毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをしたビットLLRであること、
を特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記レイヤ各々に割り当てられた周波数信号群は、周波数領域において、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをした信号であり、
前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に、前記レイヤ毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをした信号であること、
を特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
前記インターリーブは、周波数方向のサイクリックシフトであることを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信する送信装置であって、
前記周波数信号群は、前記レイヤ毎に異なる周波数信号群であること
を特徴とする送信装置。
【請求項6】
前記異なる周波数信号群は、前記ビット系列を伝送路符号化した符号化ビット系列に、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをしたビット系列に基づく周波数信号群であることを特徴とする請求項5に記載の送信装置。
【請求項7】
前記異なる周波数信号群は、周波数領域において、前記レイヤ毎に異なるインターリーブをした周波数信号群であることを特徴とする請求項5に記載の送信装置。
【請求項8】
前記インターリーブは、周波数方向のサイクリックシフトであることを特徴とする請求項7に記載の送信装置。
【請求項9】
他の送信装置と同一のビット系列に基づき生成された周波数信号群を送信する送信装置であって、
前記周波数信号群は、前記他の送信装置が送信する周波数信号群と異なること
を特徴とする送信装置。
【請求項10】
同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信された信号を受信する受信方法であって、
受信した信号を、前記レイヤ各々に対応する周波数信号群にMIMO分離する第1の過程と、
前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記レイヤに対応する情報の間で合成する第2の過程と
を有することを特徴とする受信方法。
【請求項11】
複数のレイヤに信号を割り当てて送信する送信方法であって、
同一のビット系列に基づき、前記レイヤ毎に異なる周波数信号群を生成する第1の過程を有することを特徴とする送信方法。
【請求項12】
他の送信装置と同一のビット系列に基づき生成された周波数信号群を送信する送信方法であって、
前記同一のビット系列に基づき、前記他の送信装置が送信する周波数信号群と異なる周波数信号群を生成する第1の過程を有することを特徴とする送信方法。
【請求項13】
同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を、複数のレイヤ各々に割り当てて送信された信号を受信する受信装置のコンピュータを、
前記受信装置が受信した信号を、前記レイヤ各々に対応する周波数信号群にMIMO分離するMIMO分離部、
前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記レイヤに対応する情報の間で合成する合成部
として機能させるプログラム。
【請求項14】
複数のレイヤに信号を割り当てて送信する送信装置のコンピュータを、
同一のビット系列に基づき、前記レイヤ毎に異なる周波数信号群を生成する信号生成部
として機能させるプログラム。
【請求項15】
他の送信装置と同一のビット系列に基づき生成された周波数信号群を送信する送信装置のコンピュータを、
前記同一のビット系列に基づき、前記他の送信装置が送信する周波数信号群と異なる周波数信号群を生成する信号生成部
として機能させるプログラム。
【請求項16】
同一のビット系列に基づき生成された複数の異なる周波数信号群を複数の送信装置から送信し、前記複数の送信装置から送信された信号を受信する受信装置を具備する無線通信システムであって、
前記受信装置は、受信した信号を、前記複数の送信装置各々に対応する周波数信号群にMIMO分離するMIMO分離部と、
前記MIMO分離された周波数信号群に基づく情報を、前記送信装置各々に対応する情報の間で合成する合成部と
を具備することを特徴とする無線通信システム。
【請求項17】
前記送信装置各々に割り当てられた周波数信号群は、前記ビット系列を伝送路符号化した符号化ビット系列に、前記送信装置毎に異なるインターリーブをしたビット系列に基づく周波数信号群であり、
前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に基づくビットLLRに、前記送信装置毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをしたビットLLRであること、
を特徴とする請求項16に記載の無線通信システム。
【請求項18】
前記送信装置各々に割り当てられた周波数信号群は、周波数領域において、前記送信装置毎に異なるインターリーブをした信号であり、
前記合成部が合成する情報は、前記MIMO分離部が分離した周波数信号群に、前記送信装置毎に異なるインターリーブを元に戻すデインターリーブをした信号であること、
を特徴とする請求項16に記載の無線通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−178727(P2012−178727A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40680(P2011−40680)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】
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