説明

受信装置及びデータ取得方法

【課題】OFDM/SC−FDMA方式を用いた移動通信システム、適応変調・符号化を用いた移動通信システム、共有チャネルを用いた移動通信システムのエリアを評価すること。
【解決手段】受信装置に、基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信手段と、第1の信号に基づいて下りリンクの品質情報を求め、該下りリンクの品質情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は受信装置、データ取得方法に関し、特に移動通信システムにおける情報を取得する受信装置及びデータ取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムにおいては、無線通信における通信品質が、伝送特性やサービス品質に大きく影響する。すなわち、伝送特性を向上させ、かつ、十分なサービス品質を維持するために、ネットワークオペレータは、通信エリア内の通信品質を調査し、様々なパラメータを調節することにより、その通信品質を向上させる必要がある。ここで、通信品質とは、例えば、遅延プロファイルや受信SIR(Signal-to-Interference Ratio)等のことを指す。
【0003】
例えば、CDMA方式を用いた移動通信システムに関しては、通信エリア内の通信品質を調査するためのサービスエリア評価用データ取得方法及び装置ならびにサービスエリア評価システムが提示されている(例えば、特許文献1参照)。尚、CDMA方式においては、一般的に、個別チャネルを用いた通信が行われ、また、レイリーフェージングやシャドウフェージングといった受信レベルの変動に追従するためのリンク アダプテーション(Link Adaptation)の技術として、送信電力制御が用いられている。
【0004】
ところで、W−CDMAの後継となる通信方式、すなわちLTEが、W−CDMAの標準化団体3GPPにより検討され、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上りリンクについてはSC−FDMA(Single−Carrier Frequency Division Multiple Access)が検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
OFDMは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各周波数帯上にデータを載せて伝送を行うマルチキャリア方式であり、サブキャリアを周波数上に、一部重なりあいながらも互いに干渉することなく密に並べることで、高速伝送を実現し、周波数の利用効率を上げることができる。
【0006】
SC−FDMAは、周波数帯域を分割し、複数の端末間で異なる周波数帯域を用いて伝送することで、端末間の干渉を低減することができるシングルキャリア方式である。SC−FDMAでは、送信電力の変動が小さくなる特徴を持つことから、端末の低消費電力化及び広いカバレッジを実現できる。
【0007】
また、LTEは、上りリンク、下りリンクともに共有チャネルを用いた移動通信システムであり、また、そのLink Adaptation技術として、適応変調・符号化が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特願平11−193699
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】3GPP TR 25.814 (V7.0.0), "Physical Layer Aspects for Evolved UTRA," June 2006
【非特許文献2】3GPP TS 36.211 (V1.0.0), "Physical Channels and Modulation," March 2007
【非特許文献3】3GPP TS36.214, v 1.0.0, 2007-05
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、LTEを用いた移動通信システムにおいては通信方式としてOFDM/SC−FDMAが適用され、上述したCDMA方式を用いた移動通信システムとは通信方式が異なり、送信電力制御と適応変調・符号化といったLink Adaptation技術の違い、個別チャネルと共有チャネルといった通信に用いるチャネルの種類の違いが存在する。このため、特許文献1を用いたエリア評価用の受信方法、受信装置をそのまま活用することができないという問題点が存在する。
【0011】
そこで、本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、OFDM/SC−FDMA方式を用いた移動通信システム、適応変調・符号化を用いた移動通信システム、共有チャネルを用いた移動通信システムのエリアを評価することができるエリア評価用の受信装置及びデータ取得方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の受信装置は、
本発明の受信装置は、
基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信手段;
前記第1の信号に基づいて下りリンクの品質情報を求め、該下りリンクの品質情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出手段;、
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力手段;
を具備することを特徴の1つとする。
【0013】
本発明の他の受信装置は、
複数の基地局装置より送信される下りリンクの信号が局間で同期している場合に、
前記複数の基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信手段;
前記第1の信号に基づいて下りリンクの品質情報を求め、該下りリンクの品質情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出手段;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力手段;
を具備することを特徴の1つとする。
【0014】
本発明の他の受信装置は、
基地局装置と通信を行う通信手段;
前記基地局装置より送信される第2の信号を受信する受信手段;
前記第2の信号に含まれる情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出手段;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力手段;
を具備することを特徴の1つとする。
【0015】
本発明の他の受信装置は、
基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信手段;
前記第1の信号に基づいて、移動通信システムの周波数帯域全体に関する、前記第1の信号の受信電力、下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(第1の信号の受信電力/下りリンクの受信電力)、パスロスを算出する第1の算出手段;
前記第1の信号に基づいて、前記移動通信システムの周波数帯域の一部の周波数帯域に関する、前記第1の信号の受信電力、下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(第1の信号の受信電力/下りリンクの受信電力)、パスロスを算出する第2の算出手段;
前記第1の信号の受信電力、前記下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値、パスロスを出力する出力手段;
を具備することを特徴の1つとする。
【0016】
本発明の他の受信装置は、
基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信手段;
前記第1の信号に基づいて、パスロスを算出するパスロス算出手段;
前記パスロスに基づいて、上りリンクの送信電力の推定値、上りリンクのSIRの推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを算出する上りリンク品質情報算出手段;
前記上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのSIRの推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを出力する出力手段;
を具備することを特徴の1つとする。
【0017】
本発明の他の受信装置は、
基地局装置と通信を行う通信手段;
前記基地局装置より送信される第3の信号を受信する受信手段;
前記第3の信号に含まれる情報に基づいて、上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを算出する上りリンク品質情報算出手段;
前記上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを出力する出力手段;
を具備することを特徴の1つとする。
【0018】
本発明の他の受信装置は、
基地局装置より送信される第5の信号を受信する受信手段;
前記第5の信号の誤り率を算出する誤り率算出手段;
前記第5の信号の誤り率を出力する出力手段;
を具備することを特徴の1つとする。
【0019】
本発明のデータ取得方法は、
基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信ステップ;
前記第1の信号に基づいて、下りリンクの遅延プロファイルを算出する遅延プロファイル算出ステップ;
前記プロファイル算出手段により算出された下りリンクの遅延プロファイルに基づいて、伝搬路の遅延量またはサイクリック プリフィックス長の推定値を求める推定値算出ステップ;
前記伝搬路の遅延量またはサイクリック プリフィックス長の推定値を出力する出力ステップ;
を有することを特徴の1つとする。
【0020】
本発明の他のデータ取得方法は、
基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信ステップ;
前記第1の信号に基づいて下りリンクの品質情報を求めるステップ;
該下りリンクの品質情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出ステップ;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力ステップ;
を有することを特徴の1つとする。
【0021】
本発明の他のデータ取得方法は、
複数の基地局装置より送信される下りリンクの信号が局間で同期している場合に、
前記複数の基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信ステップ;
前記第1の信号に基づいて下りリンクの品質情報を求めるステップ;
該下りリンクの品質情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出ステップ;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力ステップ;
を有することを特徴の1つとする。
【0022】
本発明の他のデータ取得方法は、
前記基地局装置より送信される第2の信号を受信する受信ステップ;
前記第2の信号に含まれる情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出ステップ;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力ステップ;
を有することを特徴の1つとする。
【0023】
本発明の他のデータ取得方法は、
基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信ステップ;
前記第1の信号に基づいて、移動通信システムの周波数帯域全体に関する、前記第1の信号の受信電力、下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(第1の信号の受信電力/下りリンクの受信電力)、パスロスを算出する第1の算出ステップ;
前記第1の信号に基づいて、前記移動通信システムの周波数帯域の一部の周波数帯域に関する、前記第1の信号の受信電力、下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(第1の信号の受信電力/下りリンクの受信電力)、パスロスを算出する第2の算出ステップ;
前記第1の信号の受信電力、前記下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値、パスロスを出力する出力ステップ;
を有することを特徴の1つとする。
【0024】
本発明の他のデータ取得方法は、
基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信ステップ;
前記第1の信号に基づいて、パスロスを算出するパスロス算出ステップ;
前記パスロスに基づいて、上りリンクの送信電力の推定値、上りリンクのSIRの推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを算出する上りリンク品質情報算出ステップ;
前記上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのSIRの推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを出力する出力ステップ;
を有することを特徴の1つとする。
【0025】
本発明の他のデータ取得方法は、
基地局装置より送信される第3の信号を受信する受信ステップ;
前記第3の信号に含まれる情報に基づいて、上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを算出する上りリンク品質情報算出ステップ;
前記上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを出力する出力ステップ;
を有することを特徴の1つとする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施例によれば、OFDM/SC−FDMA方式を用いた移動通信システム、適応変調・符号化を用いた移動通信システム、共有チャネルを用いた移動通信システムのエリアを評価することができるエリア評価用の受信装置、データ取得方法を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施例に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】下りリンクのリファレンス信号の物理リソースへのマッピングの一例を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施例に係る基地局装置を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施例に係る基地局装置のベースバンド信号処理部を示す部分ブロック図である。
【図5】本発明の一実施例に係る受信装置を示すフロー図である。
【図6】本発明の一実施例に係る受信装置のベースバンド信号処理部における受信部の概略ブロック図である。
【図7】CQI算出の一例を示す説明図である。
【図8】CQI算出の一例を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施例に係る受信装置のベースバンド信号処理部における受信部の概略ブロック図である。
【図10】本発明の一実施例に係る受信装置のベースバンド信号処理部における遅延プロファイルの平均値の算出処理を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施例に係る受信装置のベースバンド信号処理部における遅延プロファイルの平均値の算出処理を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施例に係る受信装置におけるデータ取得方法を示すフロー図である。
【図13】本発明の一実施例に係る受信装置におけるデータ取得方法を示すフロー図である。
【図14】本発明の一実施例に係る受信装置におけるデータ取得方法を示すフロー図である。
【図15】本発明の一実施例に係る受信装置におけるデータ取得方法を示すフロー図である。
【図16】本発明の一実施例に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の一実施例に係る受信装置のベースバンド信号処理部における受信部の概略ブロック図である。
【図18】本発明の一実施例に係る受信装置を示すフロー図である。
【図19】本発明の一実施例に係る受信装置のベースバンド信号処理部における受信部の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施例1)
本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0029】
本発明の実施例に係るエリア評価用の受信装置は、基地局装置が下りリンクにおいて送信する信号を受信し、該信号に基づいて、下りリンク及び上りリンクの通信品質を算出し、該下りリンクの通信品質を出力する。従って、受信装置600におけるリファレンス信号の受信手段、下りリンクの通信品質を算出する算出手段及び上記測定結果を出力する出力手段に係る部分が主に説明される。
【0030】
本発明の実施例に係る受信装置600、基地局装置200が適用される無線通信システムについて、図1を参照して説明する。
【0031】
無線通信システム1000は、例えばEvolved UTRA and UTRAN(別名:Long Term Evolution,或いは,Super 3G)が適用されるシステムであり、基地局装置(eNB: eNode B)200と、基地局装置200と通信中である移動局100(100、100、100、・・・100、nはn>0の整数)と、基地局装置200が移動通信サービスを提供するエリアであるセル50内に位置する受信装置600とを備える。基地局装置200は、上位局、例えばアクセスゲートウェイ装置300と接続され、アクセスゲートウェイ装置300は、コアネットワーク400と接続される。尚、前記アクセスゲートウェイ装置300は、MME/SGW(Mobility Management Entity/Serving Gateway)と呼ばれてもよい。
【0032】
尚、基地局装置200は、図1においては、簡易化のため、そのセクタの数を1としているが、複数のセクタを有していてもよい。
【0033】
受信装置600は、基地局装置200とEvolved UTRA and UTRANを用いた通信を行っていてもよいし、行っていなくてもよい。受信装置600が基地局装置200とEvolved UTRA and UTRANを用いた通信を行う場合には、受信装置600と基地局装置200との間の通信において、移動局100nと基地局装置との間の通信処理と同等の処理が行われる。
【0034】
以下、移動局100(100、100、100、・・・100)については、同一の構成、機能、状態を有するので、以下では特段の断りがない限り移動局100として説明を進める。説明の便宜上、基地局装置と無線通信するのは移動局であるが、より一般的には移動端末も固定端末も含むユーザ装置(UE: User Equipment)でよい。
【0035】
無線通信システム1000は、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDM(周波数分割多元接続)、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。上述したように、OFDMは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各周波数帯上にデータを載せて伝送を行う方式である。SC−FDMAは、周波数帯域を分割し、複数の端末間で異なる周波数帯域を用いて伝送することで、端末間の干渉を低減することができる伝送方式である。
【0036】
ここで、Evolved UTRA and UTRANにおける通信チャネルについて説明する。
【0037】
下りリンクについては、各移動局100で共有して使用される物理下りリンク共有チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared Channel)と、LTE用の下り制御チャネルである物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control Channel)とが用いられる。下りリンクでは、LTE用の下り制御チャネルである物理下りリンク制御チャネルにより、物理下りリンク共有チャネルにマッピングされるユーザの情報やトランスポートフォーマットの情報、すなわち、下りリンク スケジューリング情報(Downlink Scheduling Information)や、物理上りリンク共有チャネルにマッピングされるユーザの情報やトランスポートフォーマットの情報、すなわち、上りリンク スケジューリング グラント(Uplink Scheduling Grant)や、上りリンクの共有チャネルの送達確認情報などが通知される。また、物理下りリンク共有チャネルによりパケットデータが伝送される。パケットデータは、トランスポートチャネルとしては、下りリンク共有チャネル(DL-SCH: Downlink-Shared Channel)である。前記下りリンク スケジューリング情報は、Downlink Assignment InformationまたはDownlink Scheduling Grantと呼ばれてもよい。また、前記下りリンク スケジューリング情報や上りリンク スケジューリング グラントは、まとめて、下り制御情報(Downlink Control Information)と呼ばれてもよい。
【0038】
また、下りリンクにおいては、パイロット信号として、下りリンクのリファレンス信号(Downlink Reference Signal)が送信される。下りリンクのリファレンス信号は、二次元の直交系列(Orthogonal Sequence)と、二次元の擬ランダム系列(Pseudo Random Sequence)から構成される、二次元の系列である(例えば、非特許文献2参照)。あるいは、下りリンクのリファレンス信号は、二次元の擬ランダム系列(Pseudo Random Sequence)のみから構成されてもよい。Downlink Reference Signalの物理リソースへのマッピングの例を図2に示す。
【0039】
上りリンクについては、各移動局100で共有して使用される物理上りリンク共有チャネル(PUSCH: Physical Uplink Shared Channel)と、LTE用の上り制御チャネルとが用いられる。上り制御チャネルには、物理上りリンク共有チャネルと時間多重されるチャネルと、周波数多重されるチャネルの2種類がある。周波数多重されるチャネルは、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH: Physical Uplink Control Channel)と呼ばれる。なお、前記物理上りリンク共有チャネルと時間多重されるチャネルにマッピングされる制御信号は、前記物理上りリンク共有チャネルの一部として伝送されてもよい。上りリンクでは、LTE用の物理上りリンク制御チャネルにより、下りリンクにおける共有チャネルのスケジューリング、適応変復調・符号化(AMC: Adaptive Modulation and Coding)に用いるための下りリンクの品質情報(CQI: Channel Quality Indicator)及び下りリンクの共有チャネルの送達確認情報(HARQ ACK information)が伝送される。また、物理上りリンク共有チャネルによりパケットデータが伝送される。上記パケットデータは、トランスポートチャネルとしては、上りリンク共有チャネル(UL-SCH: Uplink-Shared Channel)である。
尚、上述したユーザデータとは、例えば、Web browsingやFTP、VoIP等によるIPパケットや、Radio Resource Control(RRC)の処理のための制御信号などのことであり、以下では、パケットデータとも呼ぶ。また、ユーザデータは、トランスポートチャネルとしての呼び方は、例えばDL−SCHやUL−SCHでよく、論理チャネルとしての呼び方は、例えば、個別トラヒックチャネル(DTCH: dedicated traffic channel)や個別制御チャネル(DCCH: dedicated control channel)でよい。
【0040】
図3を参照しながら、本発明の実施例に係る基地局装置200について説明する。
【0041】
本実施例に係る基地局装置200は、送受信アンテナ202と、アンプ部204と、送受信部206と、ベースバンド信号処理部208と、呼処理部210と、伝送路インタフェース212とを備える。
【0042】
下りリンクにより基地局装置200から移動局100に送信されるパケットデータは、基地局装置200の上位に位置する上位局、例えばアクセスゲートウェイ装置300から伝送路インタフェース214を介してベースバンド信号処理部208に入力される。
【0043】
ベースバンド信号処理部208では、PDCPレイヤーの送信処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(radio link control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤーの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えばHARQ(Hybrid Automatic Repeat request)の送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)処理が行われて、送受信部206に転送される。また、下りリンクの制御チャネルである物理下りリンク制御チャネルの信号や報知チャネルの信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変更等の送信処理が行われて、送受信部206に転送される。さらに、下りリンクのパイロット信号である下りリンクのリファレンス信号に関しても、ベースバンド信号処理部208において生成され、上述したパケットデータや制御チャネル、報知チャネルの信号と多重されて、送受信部206に転送される。
【0044】
送受信部206では、ベースバンド信号処理部208から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する周波数変換処理が施され、その後、アンプ部204で増幅されて送受信アンテナ202より送信される。
【0045】
一方、上りリンクにより移動局100から基地局装置200に送信されるデータについては、送受信アンテナ202で受信された無線周波数信号がアンプ部204で増幅され、送受信部206で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部208に入力される。
【0046】
ベースバンド信号処理部208では、入力されたベースバンド信号に含まれるパケットデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤーの受信処理、PDCPレイヤーの受信処理等がなされ、伝送路インタフェース212を介してアクセスゲートウェイ装置300に転送される。また、上記入力されたベースバンド信号に含まれる移動局100nから送信された下りリンクの品質情報や下りリンクの共有チャネルの送達確認情報に対して、FFT処理や誤り訂正復号処理が行われる。
【0047】
呼処理部210は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局200の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0048】
次に、ベースバンド信号処理部208の構成について、図4を参照してさらに詳細に説明する。
【0049】
ベースバンド信号処理部208は、レイヤー1処理部2081と、MAC(Medium Access Control)処理部2082と、RLC処理部2083とを備える。また、レイヤー1処理部2081は、送信処理部20811と、受信処理部20812と、制御チャネル信号生成部20813と、データチャネル信号生成部20814と、報知チャネル信号生成部20815と、リファレンス信号生成部20816と、上りリンクの復調処理部20817とを備える。
【0050】
ベースバンド信号処理部208におけるレイヤー1処理部2081とMAC処理部2082とRLC処理部2083と呼処理部210とは、互いに接続されている。また、レイヤー1処理部2081内の制御チャネル信号生成部20813と、データチャネル信号生成部20814と、報知チャネル信号生成部20815と、上りリンクの復調処理部20817と、MAC処理部2082とは互いに接続されている。
【0051】
レイヤー1処理部2081では、下りリンクで送信される信号のチャネル符号化やIFFT処理、上りリンクで送信される信号のチャネル復号化やFFT処理などが行われる。
【0052】
制御チャネル信号生成部20813において、下りリンクの制御チャネルPDCCHの信号生成、すなわち、ターボ符号や畳み込み符合等の符号化処理やインタリーブ処理等が行われ、送信処理部20811に入力される。データチャネル信号生成部20814において、下りリンクの共有チャネルであるDL-SCH(物理チャネルとしてはPDSCH)の信号生成、すなわち、ターボ符号や畳み込み符合等の符号化処理やインタリーブ処理等が行われ、送信処理部20811に入力される。報知チャネル信号生成部20815において、報知チャネル(BCH: broadcast channel)(物理チャネルとしては物理報知チャネル(P-BCH: Physical BCH)やダイナミック報知チャネル(D-BCH: Dynamic BCH))の信号生成、すなわち、ターボ符号や畳み込み符合等の符号化処理やインタリーブ処理等が行われ、送信処理部20811に入力される。ダイナミック報知チャネルは、物理下りリンク共有チャネルで送信される報知チャネル(BCH on PDSCH)とも呼ばれる。リファレンス信号生成部20816において、下りリンクのリファレンス信号の生成が行われ、送信処理部20811に入力される。そして、送信処理部20811において、上述した各信号が多重され、IFFT処理、CP付加処理等が行われ、送受信部206に入力される。
【0053】
一方、上りリンクで受信される信号、例えば、上りリンクの共有チャネルや下りリンクの品質情報、下りリンクの共有チャネルの送達確認情報等の信号は、送受信部206より、そのベースバンド信号が入力され、受信処理部20812において、CP除去処理、FFT処理、周波数等化処理、逆離散フーリエ変換(IDFT: inverse discrete Fourier transform)処理等が行われ、上りリンクの復調処理部20817において、畳み込み符号やターボ符号の復号化処理が行われ、その復号化処理後の信号がMAC処理部2082に入力される。
【0054】
MAC処理部2082は、レイヤー1処理部2081内の上りリンクの復調処理部20817より、移動局100nから報告された下りリンクの品質情報や下りリンクの共有チャネルの送達確認情報、上りリンクの共有チャネルの復号結果を受け取る。
【0055】
MAC処理部2082は、下りリンクのパケットデータのMAC再送制御、例えばHARQの送信処理や、スケジューリング処理、伝送フォーマットの選択処理、周波数リソースの割り当て処理等を行う。ここで、スケジューリング処理とは、当該サブフレームの下りリンクにおいて共有チャネルを用いてパケットデータの受信を行うユーザ装置を選別する処理のことを指す。また、伝送フォーマットの選択処理とは、スケジューリングにおいて選別された移動局が受信するパケットデータに関する変調方式や符号化率、データサイズを決定する処理のことを指す。上記変調方式、符号化率、データサイズの決定は、例えば、移動局から上りリンクにおいて報告されるCQIの値に基づいて行われる。さらに、周波数リソースの割り当て処理とは、スケジューリングにおいて選別された移動局が受信するパケットデータに用いられるリソースブロックを決定する処理のことを指す。リソースブロックの決定は、例えば、移動局から上りリンクにおいて報告されるCQIに基づいて行われる。移動局から報告されるCQIは、レイヤー1処理部2081より通知される。そして、MAC処理部2082は、上述したスケジューリング処理、伝送フォーマットの選択処理、周波数リソースの割り当て処理により決定される、物理下りリンク共有チャネルを用いて通信を行うユーザ(移動局)のIDや、そのパケットデータのトランスポートフォーマットの情報、すなわち、Downlink Scheduling Informationをレイヤー1処理部2081に通知する。また、MAC処理部2082は、該移動局に対して送信するパケットデータをレイヤー1処理部2081に送信する。
【0056】
また、MAC処理部2082は、上りリンクのパケットデータのMAC再送制御の受信処理や、スケジューリング処理、伝送フォーマットの選択処理、周波数リソースの割り当て処理等を行う。ここで、スケジューリング処理とは、所定のサブフレームにおいて共有チャネルを用いてパケットデータの送信を行う移動局を選別する処理のことを指す。また、伝送フォーマットの選択処理とは、スケジューリングにおいて選別された移動局が送信するパケットデータに関する変調方式や符号化率、データサイズを決定する処理のことを指す。変調方式、符号化率、データサイズの決定は、例えば、移動局から上りリンクにおいて送信されるサウンディング用リファレンス信号(Sounding RS)のSIRや基地局装置と移動局との間のパスロスに基づいて行われる。さらに、周波数リソースの割り当て処理とは、スケジューリングにおいて選別された移動局が送信するパケットデータの送信に用いられるリソースブロックを決定する処理のことを指す。リソースブロックの決定は、例えば、移動局から上りリンクにおいて送信されるサウンディング用リファレンス信号のSIRに基づいて行われる。そして、MAC処理部2082は、上述したスケジューリング処理、伝送フォーマットの選択処理、周波数リソースの割り当て処理により決定される、物理上りリンク共有チャネルを用いて通信を行うユーザ(移動局)のIDや、そのユーザデータのトランスポートフォーマットの情報、すなわち、UL Scheduling Grantを生成し、レイヤー1処理部2081に通知する。また、MAC処理部2082は、上りリンクの共有チャネル(UL-SCH)の復調結果に基づき、送達確認情報を生成し、その上りリンクの共有チャネル(UL-SCH)に対する送達確認情報をレイヤー1処理部2081に通知する。
【0057】
RLC処理部2083では、下りリンクのパケットデータに関する、分割・結合、RLC再送制御の送信処理等のRLC layerの送信処理や、上りリンクのデータに関する、分割・結合、RLC再送制御の受信処理等のRLC layerの受信処理が行われる。尚、RLC処理部2083においては、上記RLC layerの処理に加えて、PDCP layerの処理が行われてもよい。
【0058】
次に、本発明の実施例に係る受信装置600について、図5を参照して説明する。本実施例では、基地局装置200が下りリンクにおいて送信する信号を受信し、該信号に基づいて、下りリンクの通信品質を算出し、該下りリンク及び上りリンクの通信品質を出力する受信装置に係るため、それ以外の部分は省略している。
【0059】
同図において、受信装置600は、アンテナ602と、アンプ部604と、送受信部606と、ベースバンド信号処理部608と、外部入出力部610とを具備する。
【0060】
基地局装置200より送信された下りリンクの信号は、アンテナ602で受信され、該受信された無線周波数信号がアンプ部604で増幅される。アンプ部604で増幅された無線周波数信号は、送受信部606で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部608でFFT処理や、誤り訂正復号等の受信処理がなされる。
【0061】
また、ベースバンド信号処理部608では、下りリンクの信号に含まれる下りリンクのリファレンス信号に基づき、遅延プロファイルを算出し、伝搬路の遅延量の推定値またはサイクリック プリフィックス(CP: Cyclic prefix)長の期待値(推定値)を出力するCP長期待値(推定値)算出処理や、下りリンクの品質情報やスループット期待値(推定値)を算出する下りリンク品質算出処理や、上りリンクの送信電力期待値(推定値)やスループット期待値(推定値)等を算出する上りリンク品質算出処理や、リファレンス信号の受信レベルや下りリンクの受信レベル等を算出するメジャメント処理等が行われる。以下、期待値は推定値としてもよい。
【0062】
次に、ベースバンド信号処理部608の構成について、図6を参照して説明する。ベースバンド信号処理部608は、アナログ/ディジタル変換器(A/D)6080と、CP除去部6081と、FFT6082と、DeMUX6083と、データ信号復号部6084と、下りリファレンス信号受信部6085と、上りリンク品質測定部6086と、下りリンク品質測定部6087と、遅延プロファイル測定部6088と、リファレンス信号測定部6089と、誤り率取得部6090とを備える。
【0063】
アナログディジタル変換器(A/D)6080は、送受信部606より入力されたベースバンドのアナログ信号をディジタル信号に変換し、該ディジタル信号をCP除去部6081に入力する。
【0064】
CP除去部6081は受信シンボルからCPを除去し、有効シンボル部分を残し、有効シンボル部分をFFT6082に入力する。
【0065】
高速フーリエ変換部(FFT)6082は、入力された信号を高速フーリエ変換し、OFDM方式の復調を行い、復調された信号を分離部6083に入力する。
【0066】
分離部(DeMUX)6083は、受信信号から下りリンクのリファレンス信号と共通チャネルの信号とを分離し、下りリンクのリファレンス信号を下りリンクのリファレンス信号受信部6085に入力し、共通チャネルの信号をデータ信号復号部6084に入力する。
【0067】
下りリンクリファレンス信号受信部6085は、下りリンクのリファレンス信号に基づいてチャネル推定を行い、受信したデータ信号にどのようなチャネル補償がなされるべきか、を決定する、すなわち、チャネル推定値を算出する。下りリンクリファレンス信号受信部6085は、算出したチャネル推定値をデータ信号復号部6084に入力する。また、下りリンクリファレンス信号受信部6085は、下りリンクのリファレンス信号とチャネル推定値を、上りリンク品質測定部6086、下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089及び誤り率取得部6090に入力する。
【0068】
データ信号復号部6084は、下りリンクリファレンス信号部6085より入力されたチャネル推定結果を受け取り、該チャネル推定結果に基づいて、下りリンクのデータ信号を補償し、基地局装置200から送信されたデータ信号を復元する。ここで、データ信号とは、基地局装置200より送信された共通チャネルの信号のことである。ここで、共通チャネルには、より具体的には、Physical Broadcast Channel(P-BCH)やDynamic Broadcast Channel(D-BCH)、D-BCHのためのDL Scheduling Information、Paging indicator(PI: PCHのためのDL Scheduling Information)やPaging Channel(PCH)等が含まれる。そして、データ信号の復調結果を誤り率取得部6090に通知する。尚、前記共通チャネルは、論理チャネルとしては、Broadcast Control Channel(BCCH)やPaging Control Channel(PCCH)等である。
【0069】
また、データ信号復号部6084は、P-BCHやD-BCHに含まれる情報を取得し、必要に応じて、受信装置600内部の各部に通知する。例えば、データ信号復号部6084は、P-BCH又はD-BCHに含まれる下りリンクのリファレンス信号の送信電力に関する情報を取得し、上りリンク品質測定部6086とリファレンス信号測定部6089に通知してもよい。また、例えば、データ信号復号部6084は、P-BCH又はD-BCHに含まれる上りリンクの送信電力制御関連の情報(P0)を取得し、上りリンク品質測定部6086に通知してもよい。
【0070】
上りリンク品質測定部6086は、下りリンクリファレンス信号受信部6085により入力されたチャネル推定値と下りリンクのリファレンス信号とを受け取る。そして、リファレンス信号測定部6089は、入力された下りリンクのリファレンス信号を用いて、パスロスを算出し、該パスロスに基づいて、上りリンクの送信電力の期待値、言い換えれば推定値、上りリンクのSIRの期待値、言い換えれば推定値、上りリンクのスループット期待値、言い換えれば推定値、UE Power Headroomを算出する。
【0071】
まず、パスロスの算出方法を説明する。まず、チャネル推定値と下りリンクのリファレンス信号を用いて、下りリンクのリファレンス信号の受信電力(RSRP: Reference Signal Received Power)を算出する。(下りリンクのリファレンス信号の受信電力の定義については、非特許文献3参照)。そして、下りリンクのリファレンス信号の受信電力と、基地局装置200における下りリンクのリファレンス信号の送信電力より、パスロスは以下のように算出される。
【0072】
パスロス=(下りリンクのリファレンス信号の送信電力)−(下りリンクのリファレンス信号の受信電力)
ここで、上記式のパスロスはdBを単位として計算される。
【0073】
尚、下りリンクのリファレンス信号の送信電力は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部110を経由して、外部より入力される値としてもよい。あるいは、下りリンクのリファレンス信号の送信電力は、P-BCH又はD-BCHに含まれる下りリンクのリファレンス信号の送信電力に関する情報に基づいて設定されてもよい。P-BCH又はD-BCHに含まれる下りリンクのリファレンス信号の送信電力に関する情報は、データ信号復号部6084より受け取る。
【0074】
また、受信装置600が、2本の受信アンテナを有する場合、下りリンクのリファレンス信号の受信電力と下りリンクのキャリアの受信電力を、以下の3通りの方法で測定してもよい。
(1) メインの1アンテナで測定した値を測定する方法
(2) 2アンテナで測定した値の平均値を測定する方法
(3) 2アンテナで測定した値の合計値を測定する方法
上記3通りの方法は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0075】
そして、上りリンク品質測定部6086は、上記パスロスに基づき、上りリンクで送信される信号の送信電力の期待値と、上りリンクのスループットの期待値と、UE Power Headroomを算出する。
【0076】
例えば、上りリンク品質測定部6086は、以下の式を用いて、物理上りリンク共有チャネルの送信電力の期待値を算出してもよい。
【0077】
送信電力の期待値 = min ( Pmax, 10*logM + P0 + a1 * PL + delta_mcs + f (delta_i))
Pmax: 移動局の最大送信電力(例えば、24dBmとする)
M: 割り当てられるリソースブロックの数。MPUSCHと呼ばれてもよい。
【0078】
P0: 報知チャネルにより通知される値。Po_PUSCHと呼ばれてもよい。
【0079】
a1: 係数。αと呼ばれてもよい。
【0080】
PL: パスロス
delta_mcs: RRC messageより通知される値。ΔTF(i)と呼ばれてもよい。尚、iは、時間方向の単位、例えば、サブフレーム番号を示すIndexである。
【0081】
delta_i: 補正パラメータ。iと呼ばれてもよい。
【0082】
f(*): delta_iを引数に持つ任意の関数
尚、Pmax、M、P0、a1、delta_mcs、delta_i及びf(*)は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。また、P0は、P-BCH又はD-BCHに含まれる上りリンクの送信電力制御関連の情報に基づいて設定されてもよい。上りリンクの送信電力制御関連の情報(P0)は、データ信号復号部6084より受け取る。
【0083】
尚、上述した送信電力の期待値を算出するための式は、あくまで一例であり、パスロスを引数に持つ、上記と異なる式を用いて、物理上りリンク共有チャネルの送信電力の期待値を算出してもよい。
【0084】
上述した例では、物理上りリンク共有チャネルの送信電力の期待値を算出したが、代わりに、同様の式を用いて、サウンディング用のリファレンス信号の送信電力や上りリンクの制御チャネル、ランダムアクセスチャネルの送信電力の期待値を算出してもよい。あるいは、サウンディング用のリファレンス信号の送信電力や上りリンクの制御チャネル、ランダムアクセスチャネルの送信電力の期待値を、上記物理上りリンク共有チャネルの送信電力の期待値にオフセットをかけることにより、算出してもよい。
【0085】
また、上記物理上りリンクの共有チャネルの送信電力の期待値に基づき、UE Power Headroom(UPH)の期待値を以下のように算出してもよい。
【0086】
UPHの期待値 = Pmax − (物理上りリンクの共有チャネルの送信電力の期待値)
(本式は、dB値で計算されることとする)
また、同様に、サウンディング用のリファレンス信号の送信電力や上りリンクの制御チャネル、ランダムアクセスチャネルの送信電力の期待値に基づき、それぞれのチャネルに関するUPHの期待値を算出してもよい。
【0087】
UPH(Sounding)の期待値 = Pmax −(サウンディング用のリファレンス信号の送信電力の期待値)
UPH(制御チャネル)の期待値 = Pmax −(上りリンクの制御チャネルの送信電力の期待値)
UPH(RACH)の期待値 = Pmax −(ランダムアクセスチャネルの送信電力の期待値)
尚、上述した送信電力の期待値やUPHの期待値は、周波数方向及び時間方向に平均化された値として測定されてもよい。時間方向に関しては、例えば、パラメータとして定義される平均化区間に基づいて算出されてもよい。すなわち、平均化区間が1msの場合に、1msで平均化した値を算出してもよい。さらに、1msで平均化した値を、さらに、以下の式に基づいてフィルタリングを行った後の値(Fn)を算出してもよい。
【0088】
式: Fn = (1-a)×Fn-1 + a×Mn
Fn: アップデートされたフィルタリング後の値
Fn-1: 古いフィルタリング後の値
a: フィルタリング係数
Mn: 1ms間の平均値
尚、フィルタリング係数aの値として、例えば、1/2(k/2) (k = 0, 1, 2, …, )といった値を設定することができる。平均化区間やフィルタリング係数aの値は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0089】
尚、上述した例においては、時間方向に平均したが、代わりに、受信装置600の位置情報に基づいて平均を行ってもよい。例えば、位置情報の平均化区間として100mが設定された場合には、受信装置600が100m移動する毎に、上述した送信電力の期待値やUPHの期待値の平均値を算出してもよい。尚、100mといった一次元のパラメータではなく、100m2といった二次元のパラメータを設定してもよい。尚、位置情報は、外部入出力部110より通知される。位置情報の平均化区間は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0090】
周波数方向に関しては、図7に示すように、システム帯域全体の周波数帯域に関する平均値を算出してもよいし、システム帯域の中心に位置する、言い換えればシステム帯域の中心周波数を含む1.08MHzの周波数帯域に関する平均値を算出してもよい。図7には、システム帯域の中心周波数を含む6個のリソースブロックの周波数帯域が示される。図7において、横軸は周波数である。システム帯域の中心に位置する1.08MHzの周波数帯域は、LTEにおいては同期チャネル(SCH: synchronization channel、または、Synchronization Signals)が送信される周波数帯域である。あるいは、リソースブロック毎に平均値を算出してもよいし、あるいは、より柔軟に、システム帯域内の任意に設定される周波数帯域に関する平均値を算出してもよい。あるいは、図8に示すように、複数のリソースブロックをグループ化した周波数帯域(以下、リソースブロックグループと呼ぶ)毎に平均値を算出してもよい。図8においては、5個のリソースブロックをグループ化して、1つのリソースブロックグループとしている。図8において、横軸は周波数である。上述した、周波数方向においてどのように平均化するかに関しては、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0091】
また、リソースブロック毎あるいはリソースブロックグループ毎に、上りリンクの送信電力の期待値又はUPHの期待値を算出する場合、パスロスが小さい方からM個(Mは、M>0の整数)のリソースブロックあるいはリソースブロックグループの上りリンクの送信電力の期待値又はUPHの期待値の値を算出してもよい。Mの値に関しても、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部110を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0092】
また、上りリンクのスループットの期待値は、上述した上りリンクの送信電力の期待値とパスロスと干渉レベルとに基づき、以下のように算出してもよい。
【0093】
まず、上りリンクの基地局装置200における上りリンクのSIRの期待値を以下のように算出する。
【0094】
上りリンクのSIRの期待値 =(上りリンクの送信電力の期待値) − (パスロス) − (干渉レベル)
尚、干渉レベルは、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。いずれの場合でも、干渉レベルの値は、上りリンクの送信電力の期待値が算出された周波数帯域幅に関して正規化された値とする。
【0095】
そして、例えば、表1に示すような参照テーブルと上りリンクのSIRの期待値とに基づき、上りリンクのスループットの期待値を算出してもよい。表1には、SIR[dB]の期待値と1リソースブロックあたりのスループット[Mbps]との関係が示される。
【0096】
【表1】

尚、表1においては、1リソースブロックあたりのスループットを算出しているが、システム帯域全体のスループットや、システム帯域内の任意の周波数帯域のスループットを算出する参照テーブルとしてもよい。
【0097】
また、上述したように、上りリンクの送信電力の期待値は、時間方向、周波数方向に平均した値を算出しており、上りリンクのSIRの期待値や上りリンクのスループットの期待値も同様に時間方向、周波数方向に平均した値を算出してもよい。
【0098】
すなわち、時間方向に関しては、平均化区間やフィルタリング係数aの値に基づき、時間方向に平均化された上りリンクのスループット期待値を算出してもよい。
【0099】
尚、上述した例においては、時間方向に平均したが、代わりに、受信装置600の位置情報に基づいて平均を行ってもよい。例えば、位置情報の平均化区間として100mが設定された場合には、受信装置600が100m移動する毎に、上述した上りリンクのSIRの期待値や上りリンクのスループットの期待値の平均値を算出してもよい。尚、100mといった一次元のパラメータではなく、100m2といった二次元のパラメータを設定してもよい。尚、位置情報は、外部入出力部610より通知される。位置情報の平均化区間は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0100】
また、周波数方向に関しては、システム帯域全体の周波数帯域に関するスループットの期待値、システム帯域の中心に位置する、言い換えればシステム帯域の中心周波数を含む1.08MHzの周波数帯域に関するスループットの期待値、システム帯域内の任意の周波数帯域に関するスループットの期待値、各リソースブロックに関するスループットの期待値、各リソースブロックに関するスループットの期待値を算出してもよい。また、リソースブロック毎あるいはリソースブロックグループ毎にスループットの期待値を算出する場合、スループットの期待値が大きい方からM個のリソースブロックあるいはリソースブロックグループのスループットの期待値を算出してもよい。
【0101】
この場合も、時間方向の平均化区間やフィルタリング係数aの値、周波数方向においてどのように平均化するか、Mの値に関しては、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0102】
また、上述した表1に記載の参照テーブルは、あくまで一例であり、上記以外の値を有する同様の参照テーブルを用いて、上述した算出処理を行ってもよい。
【0103】
尚、上りリンクの送信電力の期待値、上りリンクのSIRと上りリンクのスループットの期待値、UPHの期待値は、基地局装置200から送信される下りリンクのリファレンス信号を用いて測定を行うだけでなく、隣接する基地局装置から送信される下りリンクのリファレンス信号を用いて同様の測定を行ってもよい。また、基地局装置が複数のセクタを有する場合には、自基地局及び隣接する基地局の全セクタからの下りリンクのリファレンス信号に関して同様の測定を行ってもよい。更に言えば、リファレンス信号測定部1090は、受信装置600が受信可能な全ての基地局装置(あるいは、セクタ)からのリファレンス信号に基づいて、上りリンクの送信電力の期待値、上りリンクのSIRと上りリンクのスループットの期待値、UPHの期待値を算出してもよい。
【0104】
そして、上りリンク品質測定部6086は、上りリンクの送信電力の期待値と、上りリンクのSIRの期待値と、上りリンクのスループットの期待値と、UPHの期待値とを、外部入出力部610に通知する。
【0105】
外部入出力部610に通知された上りリンクの送信電力の期待値と、上りリンクのSIRの期待値と、上りリンクのスループットの期待値と、UPHの期待値は、後述するように、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力される。また、上りリンクの送信電力の期待値と、上りリンクのSIRの期待値と上りリンクのスループットの期待値、UPHの期待値は、受信装置600の位置情報とともに、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力されてもよい。このように、上りリンクの送信電力の期待値と、上りリンクのSIRの期待値と、上りリンクのスループットの期待値と、UPHの期待値を外部出力することにより、セル内の上りリンクの送信電力の期待値と、上りリンクのSIRの期待値と上りリンクのスループットの期待値、UPHの期待値を取得することが可能となる。すなわち、受信装置600が、基地局装置200より送信される下りリンクのリファレンス信号に基づき、上りリンクの送信電力の期待値と、上りリンクのSIRの期待値と、上りリンクのスループットの期待値と、UPHの期待値を評価することにより、無線通信システム1000の上りリンクの伝送効率、無線容量、セルカバレッジを評価することが可能となる。
【0106】
下りリンク品質測定部6087は、下りリンクリファレンス信号受信部6085より、チャネル推定値と下りリンクのリファレンス信号を受け取る。そして、リファレンス信号測定部6090は、チャネル推定値と下りリンクのリファレンス信号を用いて、下りリンクの品質情報(Channel quality indicator)と下りリンクのスループットの期待値を算出する。
【0107】
例えば、下りリンクの品質情報は、下りリンクのリファレンス信号のSIRに基づいて、表2に示すような参照テーブルを用いて下りリンクの品質情報を算出してもよい。表2には、CQIとSIR[dB]の値との関係が示される。あるいは、下りリンクの品質情報として、SIRそのものを算出してもよい。
【0108】
【表2】

あるいは、下りリンクの品質情報として、表3に示すような参照テーブルを用いて、所定の誤り率以下で受信可能であり、かつ、最大のペイロードサイズ(Payload size)を有するCQIの値を算出してもよい。表3には、CQIと、リソースブロック数(RB数)、変調(Modulation)及びペイロードサイズとの関係が示される。
【0109】
【表3】

尚、上述したSIRの値は、周波数方向及び時間方向に平均化された値として測定されてもよい。
【0110】
時間方向に関しては、例えば、パラメータとして定義される平均化区間に基づいて算出されてもよい。すなわち、平均化区間が1msの場合に、1msで平均化した値を算出してもよい。さらに、1msで平均化した値を、さらに、以下の式に基づいてフィルタリングを行った後の値(Fn)を算出してもよい。
【0111】
式:F=(1−a)・Fn−1+a・M
Fn: アップデートされたフィルタリング後の値
Fn-1: 古いフィルタリング後の値
a: フィルタリング係数
Mn: 1ms間の平均値
尚、フィルタリング係数aの値として、例えば、1/2(k/2) (k = 0, 1, 2, …, )といった値を設定することができる。平均化区間やフィルタリング係数aの値は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0112】
尚、上述した例においては、時間方向に平均したが、代わりに、受信装置600の位置情報に基づいて平均を行ってもよい。例えば、位置情報の平均化区間として100mが設定された場合には、受信装置600が100m移動する毎に、上述したSIRの平均値を算出してもよい。尚、100mといった一次元のパラメータではなく、100m2といった二次元のパラメータを設定してもよい。尚、位置情報は、外部入出力部610より通知される。位置情報の平均化区間は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0113】
周波数方向に関しては、図7を参照して説明したように、システム帯域全体の周波数帯域に関する平均値を算出してもよいし、システム帯域の中心に位置する1.08MHzの周波数帯域に関する平均値を算出してもよい。システム帯域の中心に位置する1.08MHzの周波数帯域は、LTEにおいてはSCHが送信される周波数帯域である。あるいは、リソースブロック毎に平均値を算出してもよいし、あるいは、より柔軟に、システム帯域内の任意に設定される周波数帯域に関する平均値を算出してもよい。あるいは、図8を参照して説明したように、複数のリソースブロックをグループ化した周波数帯域(以下、リソースブロックグループと呼ぶ)毎に平均値を算出してもよい。図8においては、5個のリソースブロックをグループ化して、1つのリソースブロックグループとしている。上述した、周波数方向においてどのように平均化するかに関しては、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0114】
また、リソースブロック毎あるいはリソースブロックグループ毎にSIRを算出する場合、SIRが大きい方からM個のリソースブロックあるいはリソースブロックグループのSIRの値を算出してもよい。上記Mの値に関しても、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0115】
また、下りリンクのスループットの期待値は、上述した下りリンクの品質情報(Channel quality indicator)に基づき、以下のように算出してもよい。
【0116】
【表4】

例えば、表4に示すような参照テーブルと下りリンクの品質情報に基づき、下りリンクのスループットの期待値を算出してもよい。表4には、CQIと1リソースブロックあたりのスループット[Mbps]との関係が示される。尚、表4においては、1リソースブロックあたりのスループットを算出しているが、システム帯域全体のスループットや、システム帯域内の任意の周波数帯域のスループットを算出する参照テーブルとしてもよい。
【0117】
また、上述したように、下りリンクの品質情報は、時間方向、周波数方向に平均した値を算出しており、下りリンクのスループットの期待値も同様に時間方向、周波数方向に平均した値を算出してもよい。すなわち、時間方向に関しては、平均化区間やフィルタリング係数aの値に基づき、時間方向に平均化された下りリンクのスループット期待値を算出してもよい。あるいは、時間方向に平均化する代わりに、受信装置600の位置情報に基づいて平均を行ってもよい。例えば、位置情報の平均化区間として100mが設定された場合には、受信装置600が100m移動する毎に、上述した下りリンクのスループットの期待値の平均値を算出してもよい。尚、100mといった一次元のパラメータではなく、100m2といった二次元のパラメータを設定してもよい。尚、位置情報は、外部入出力部610より通知される。位置情報の平均化区間は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0118】
また、周波数方向に関しては、システム帯域全体の周波数帯域に関するスループットの期待値、システム帯域の中心に位置する1.08MHzの周波数帯域に関するスループットの期待値、システム帯域内の任意の周波数帯域に関するスループットの期待値、各リソースブロックに関するスループットの期待値、各リソースブロックに関するスループットの期待値を算出してもよい。また、リソースブロック毎あるいはリソースブロックグループ毎にスループットの期待値を算出する場合、スループットの期待値が大きい方からM個のリソースブロックあるいはリソースブロックグループのスループットの期待値を算出してもよい。
【0119】
この場合も、時間方向の平均化区間やフィルタリング係数aの値、周波数方向においてどのように平均化するか、Mの値に関しては、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0120】
また、上述した表2、表3及び表4に記載の参照テーブルは、あくまで一例であり、上記以外の値を有する同様の参照テーブルを用いて、上述した算出処理を行ってもよい。
【0121】
尚、以下に、下りリンクにおいて、MIMO(Multiple Input Multiple Output)が適用されている場合の、下りリンクの品質情報(Channel quality indicator)と下りリンクのスループットの算出を記載する。
【0122】
MIMOが適用される場合には、伝搬環境の無線品質に応じて、送信されるストリーム数(ランク(RANK))が変動する。例えば、セル端のような無線品質が悪い場合には、ストリーム数を1として通信を行い、セルの中央のような無線品質が良い場合には、ストリーム数を2として通信を行うといった制御が行われる。この場合、より具体的には、例えば、移動局は、下りリンクのリファレンス信号に基づき、ストリーム数が1の場合と2の場合とでそれぞれSIR又は下りリンクの品質情報(Channel quality indicator)、スループットの期待値を算出し、スループットの期待値が最大となるようなストリーム数を基地局装置200に報告し、基地局装置200は、上記移動局より報告されたストリーム数に基づいて、下りリンクのストリーム数を制御するといった制御を行ってもよい。尚、閉ループ型のMIMOを適用する場合には、移動局は、上記ストリーム数だけでなく、最適なプリコーディング マトリクス(Precoding matrix)を選択し、基地局装置200に送信してもよい。
【0123】
尚、送信アンテナと受信アンテナの数がそれぞれ2本の場合には、ストリーム数は1と2だが、送信アンテナと受信アンテナの数がそれぞれ4本の場合には、ストリーム数は、1、2、3及び4のいずれかとなる。
【0124】
下りリンク品質測定部6087は、上述した、下りリンクの品質情報と、スループット期待値を算出する際に、ストリーム数(RANK)も算出してもよい。すなわち、MIMOを適用する場合には、下りリンク品質測定部6087は、下りリンクの品質情報と、スループット期待値と、ストリーム数(RANK)を算出する。
【0125】
尚、下りリンクの品質情報(Channel quality indicator)と下りリンクのスループットの期待値、ストリーム数(MIMOが適用される場合)は、基地局装置200から送信される下りリンクのリファレンス信号を用いて測定を行うだけでなく、隣接する基地局装置から送信される下りリンクのリファレンス信号を用いて同様の測定を行ってもよい。また、基地局装置が複数のセクタを有する場合には、自基地局及び隣接する基地局の全セクタからの下りリンクのリファレンス信号に関して同様の測定を行ってもよい。更に言えば、リファレンス信号測定部1090は、受信装置600が受信可能な全ての基地局装置(あるいは、セクタ)からのリファレンス信号に基づいて、下りリンクの品質情報(Channel quality indicator)と下りリンクのスループットの期待値、ストリーム数(MIMOが適用される場合)を算出してもよい。そして、下りリンク品質測定部6087は、下りリンクの品質情報(Channel quality indicator)と下りリンクのスループットの期待値と、ストリーム数(MIMOが適用される場合)とを、外部入出力部610に通知する。
【0126】
外部入出力部610に通知された上記下りリンクの品質情報(Channel quality indicator)と下りリンクのスループットの期待値とストリーム数(MIMOが適用される場合)は、後述するように、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力される。また、下りリンクの品質情報(Channel quality indicator)と下りリンクのスループットの期待値とストリーム数(MIMOが適用される場合)は、受信装置600の位置情報とともに、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力されてもよい。このように、下りリンクの品質情報(Channel quality indicator)と下りリンクのスループットの期待値とストリーム数(MIMOが適用される場合)を外部出力することにより、セル内の下りリンクのリファレンス信号の無線品質や下りリンクの共有チャネルのスループット期待値とストリーム数(MIMOが適用される場合)を取得することが可能となる。すなわち、受信装置600が基地局装置200より送信される下りリンクのリファレンス信号に基づき、下りリンクの品質情報(Channel quality indicator)と下りリンクのスループットの期待値とストリーム数(MIMOが適用される場合)を評価することにより、無線通信システム1000の下りリンクの伝送効率、無線容量を評価することが可能となる。
【0127】
遅延プロファイル部6088は、下りリンクリファレンス信号受信部6085より、下りリンクのリファレンス信号及びチャネル推定値を受け取る。そして、リファレンス信号に基づいて、下りリンクの遅延プロファイルを算出する。例えば、FFT処理後のリファレンス信号(チャネル推定値)をIFFT処理することにより、遅延プロファイルを算出してもよい。
【0128】
あるいは、FFT処理前の下りリンクの受信信号と、既知であるリファレンス信号の送信系列をIFFT処理した信号の時間相関をとることにより、遅延プロファイルを算出してもよい。この場合、図9に示すように、アナログディジタル変換器(A/D)6080から出力される下りリンクの受信信号(FFT処理前の下りリンクの受信信号)のコピーが遅延プロファイル部6088に入力される。
【0129】
尚、上記遅延プロファイルを算出する場合に、時間方向に平均化した遅延プロファイルを算出してもよい。尚、平均化区間は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0130】
あるいは、時間方向に平均化する代わりに、受信装置600の位置情報に基づいて平均を行ってもよい。例えば、位置情報の平均化区間として100mが設定された場合には、受信装置600が100m移動する毎に、遅延プロファイルの平均値を算出してもよい。尚、100mといった一次元のパラメータではなく、100m2といった二次元のパラメータを設定してもよい。尚、位置情報は、外部入出力部610より通知される。位置情報の平均化区間は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。そして、遅延プロファイル部6088は、CP長の期待値(予測値)を算出する。
【0131】
例えば、図10に示すように、遅延プロファイルを構成するパスの内、その受信レベルが所定の閾値以上であるパスを選択し、時間的に最も早く到来するパスと時間的に最も遅く到来するパスの時間差に基づいてCP長の期待値を算出してもよい。例えば、E-UTRAのCP長は、ショート サイクリック プリフィックス(Short CP(Short Cyclic prefix),ノーマル サイクリック プリフィックス(Normal cyclic prefix)とも言う)の場合に、4.6875μsec、ロング サイクリック プリフィックス(Long CP)の場合に16.6666μsecであるため、上記時間的に最も早く到来するパスと時間的に最も遅く到来するパスの時間差が4.6875μsec以上である場合にLong CPが最適であると判定し、そうでない場合にShort CPが最適であると判定してもよい。
【0132】
あるいは、CP長の期待値を算出する代わりに、上記時間的に最も早く到来するパスと時間的に最も遅く到来するパスの時間差を、伝搬路の遅延量の推定値として算出してもよい。この場合、本発明に係るエリア評価ツールを使用するユーザは、上記伝搬路の遅延量に基づき、容易にShort CPが最適であるか、Long CPが最適であるかを判定することが可能である。
【0133】
あるいは、図11に示すように、最も受信レベルが大きいパスを基準にしたFFTタイミングを定義し、FFTタイミングとShort CP長により構成されるウインドウ(Window)内の受信レベルとWindow外の受信レベルの比に基づいて、CP長の期待値を算出してもよい。例えば、Window外の受信レベルに対する、Window内の受信レベルの比が10以上である場合に、Short CPが最適であると判定し、そうでない場合にLong CPが最適であると判定してもよい。
【0134】
尚、パス選択のための閾値や、Window外の受信レベルとWindow内の受信レベルの比は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。また、閾値は絶対値でもよく、あるいは、相対値であってもよい。相対値の場合、その定義を、例えば、受信レベルが最大のパスの受信レベルからの比としてもよい。そして、遅延プロファイル測定部6088は、CP長の期待値または伝搬路の遅延量の推定値を外部入出力部610に通知する。
【0135】
外部入出力部610に通知されたCP長の期待値または伝搬路の遅延量の推定値は、後述するように、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力される。また、CP長の期待値または伝搬路の遅延量の推定値は、受信装置600の位置情報とともに、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力されてもよい。このように、CP長の期待値または伝搬路の遅延量の推定値を外部出力することにより、セル50におけるCP長が適切に設定されているか否かの評価を行うことができるとともに、共通チャネルに関係するパラメータ、例えば、セル50における最適なCP長を選択することが可能となる。
【0136】
リファレンス信号測定部6089は、下りリンクリファレンス信号受信部6085より、チャネル推定値と下りリンクのリファレンス信号を受け取る。そして、リファレンス信号測定部6089は、チャネル推定値と下りリンクのリファレンス信号を用いて、下りリンクのリファレンス信号の受信電力(RSRP: Reference Signal Received Power)、下りリンクのキャリアの受信電力(E-UTRA carrier Received Signal strength indicator (RSSI))、下りリンクのリファレンス信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(RSRP/RSSI)、パスロスを算出する。尚、前記RSRP/RSSIは、RSRQ(Reference Signal Received Quality)と呼ばれてもよい。
【0137】
ここで、下りリンクのキャリアの受信電力とは、サービングセルである基地局装置200からの全ての信号の受信電力と、隣接セルの全ての基地局装置からの信号の受信電力と、隣接する周波数からの干渉信号と、熱雑音電力等を含んだ値である。また、下りリンクのリファレンス信号の受信電力と、下りリンクのキャリアの受信電力の定義については、例えば、非特許文献3参照。
【0138】
また、パスロスは、上記下りリンクのリファレンス信号の受信電力と、基地局装置200における下りリンクのリファレンス信号の送信電力より、以下のように算出される。
【0139】
パスロス = (下りリンクのリファレンス信号の送信電力) −(下りリンクのリファレンス信号の受信電力)(本計算は、dB値で計算される)
尚、下りリンクのリファレンス信号の送信電力は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。あるいは、下りリンクのリファレンス信号の送信電力は、P-BCH又はD-BCHに含まれる下りリンクのリファレンス信号の送信電力に関する情報に基づいて設定されてもよい。P-BCH又はD-BCHに含まれる下りリンクのリファレンス信号の送信電力に関する情報は、データ信号復号部6084より受け取る。
【0140】
また、受信装置600が2本の受信アンテナを有する場合、上記下りリンクのリファレンス信号の受信電力と下りリンクのキャリアの受信電力を、以下の3通りの方法で測定してもよい。
(1)メインの1アンテナで測定した値を測定する方法
(2)2アンテナで測定した値の平均値を測定する方法
(3)2アンテナで測定した値の合計値を測定する方法
また、上記3通りの方法は、下りリンクのリファレンス信号の受信電力と下りリンクのキャリアの受信電力とで異なる方法を選択してもよいし、同じ方法を選択してもよい。この場合、上記下りリンクのリファレンス信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(RSRP/RSSI)は、上記3通りの方法のいずれかで算出された、下りリンクのリファレンス信号の受信電力と下りリンクのキャリアの受信電力とにより算出されることになる。また、パスロスも、上記3通りの方法のいずれかで算出された下りリンクのリファレンス信号の受信電力により算出されることになる。尚、上記3通りの方法は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0141】
尚、下りリンクのリファレンス信号の受信電力、下りリンクのキャリアの受信電力、下りリンクのリファレンス信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(RSRP/RSSI)、パスロスは、周波数方向及び時間方向に平均化された値として測定されてもよい。
【0142】
時間方向に関しては、例えば、パラメータとして定義される平均化区間に基づいて算出されてもよい。すなわち、平均化区間が200msの場合に、200msで平均化した値を算出してもよい。さらに、上記200msで平均化した値を、さらに、以下の式に基づいてフィルタリングを行った後の値(Fn)を算出してもよい。
【0143】
式:Fn = (1-a)×Fn-1 + a×Mn
Fn:アップデートされたフィルタリング後の値
Fn-1:古いフィルタリング後の値
a:フィルタリング係数
Mn:200ms間の平均値
尚、フィルタリング係数aの値として、例えば、1/2(k/2) (k= 0, 1, 2, …, )といった値を設定することができる。平均化区間やフィルタリング係数aの値は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0144】
あるいは、時間方向に平均化する代わりに、受信装置600の位置情報に基づいて平均を行ってもよい。例えば、位置情報の平均化区間として100mが設定された場合には、受信装置600が100m移動する毎に、下りリンクのリファレンス信号の受信電力、下りリンクのキャリアの受信電力、下りリンクのリファレンス信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(RSRP/RSSI)、パスロスの平均値を算出してもよい。尚、100mといった一次元のパラメータではなく、100m2といった二次元のパラメータを設定してもよい。尚、位置情報は、外部入出力部610より通知される。位置情報の平均化区間は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0145】
周波数方向に関しては、図7を参照して説明したように、システム帯域全体の周波数帯域に関する平均値を算出してもよいし、システム帯域の中心に位置する1.08MHzの周波数帯域に関する平均値を算出してもよい。上記システム帯域の中心に位置する1.08MHzの周波数帯域は、LTEにおいてはSCHが送信される周波数帯域である。あるいは、リソースブロック毎に平均値を算出してもよいし、あるいは、より柔軟に、システム帯域内の任意に設定される周波数帯域に関する平均値を算出してもよい。あるいは、図8を参照して説明したように、リソースブロックグループ毎に平均値を算出してもよい。図8においては、5個のリソースブロックをグループ化して、1つのリソースブロックグループとしている。尚、周波数方向に関しては、平均値としてもよいし、合計値としてもよい。上述した、周波数方向においてどのように平均化するかに関しては、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。また、平均値とするか、合計値とするかに関しても、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0146】
尚、上記下りリンクのリファレンス信号の受信電力、下りリンクのキャリアの受信電力、下りリンクのリファレンス信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(RSRP/RSSI)、パスロスは、基地局装置200から送信される下りリンクのリファレンス信号だけでなく、隣接する基地局装置から送信される下りリンクのリファレンス信号に関しても同様の測定を行ってもよい。また、基地局装置が複数のセクタを有する場合には、自基地局及び隣接する基地局の全セクタからの下りリンクのリファレンス信号に関して同様の測定を行ってもよい。更に言えば、リファレンス信号測定部6089は、受信装置600が受信可能な全ての基地局装置(あるいは、セクタ)からのリファレンス信号に基づいて、下りリンクのリファレンス信号の受信電力、下りリンクのキャリアの受信電力、下りリンクのリファレンス信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(RSRP/RSSI)、パスロスを算出してもよい。
【0147】
そして、リファレンス信号測定部6089は、上記下りリンクのリファレンス信号の受信電力、下りリンクのキャリアの受信電力、下りリンクのリファレンス信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(RSRP/RSSI)、パスロスを、外部入出力部610に通知する。
【0148】
外部入出力部610に通知された上記下りリンクのリファレンス信号の受信電力、下りリンクのキャリアの受信電力、下りリンクのリファレンス信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(RSRP/RSSI)、パスロスは、後述するように、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力される。また、上記下りリンクのリファレンス信号の受信電力、下りリンクのキャリアの受信電力、下りリンクのリファレンス信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(RSRP/RSSI)、パスロスは、受信装置600の位置情報とともに、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力されてもよい。このように、下りリンクのリファレンス信号の受信電力、下りリンクのキャリアの受信電力、下りリンクのリファレンス信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(RSRP/RSSI)、パスロスを外部出力することにより、セル内の下りリンクのリファレンス信号の無線品質を取得することが可能となる。一般的に、上記下りリンクのリファレンス信号の受信電力、下りリンクのキャリアの受信電力、下りリンクのリファレンス信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(RSRP/RSSI)、パスロスは、ハンドオーバやセルリセレクション等の移動制御に用いられる。よって、受信装置600が受信可能な全ての基地局装置に関する、下りリンクのリファレンス信号の受信電力、下りリンクのキャリアの受信電力、下りリンクのリファレンス信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(RSRP/RSSI)、パスロスを評価することにより、無線通信システム1000の移動制御の特性を評価することが可能となる。
【0149】
誤り率取得部6090は、データ信号復号部6084より、P-BCHやD-BCH、D-BCHのためのDL Scheduling Information、PIやPCHの復調結果を受け取り、P-BCHやD-BCH、D-BCHのためのDL Scheduling Information、PIやPCHの誤り率をそれぞれ算出する。尚、上記誤り率を算出するための測定区間は、外部入出力部110より受け取る。例えば、外部入出力部610より、上記測定区間として1秒という値を受け取った場合には、P-BCHやD-BCH、D-BCHのためのDL Scheduling Information、PIやPCHの誤り率をそれぞれ1秒毎に算出する。そして、誤り率取得部6090は、上記P-BCHやD-BCH、D-BCHのためのDL Scheduling Information、PIやPCHの誤り率を外部入出力部610に通知する。
【0150】
あるいは、時間方向の測定区間の代わりに、受信装置600の位置情報に基づいた測定区間が指定されてもよい。例えば、位置情報の測定区間として100mが設定された場合には、受信装置600が100m移動する毎に、上記P-BCHやD-BCH、D-BCHのためのDL Scheduling Information、PIやPCHの誤り率を算出してもよい。尚、100mといった一次元のパラメータではなく、100m2といった二次元のパラメータを設定してもよい。尚、上記位置情報は、外部入出力部110より通知される。上記位置情報の平均化区間は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0151】
外部入出力部610に通知された上記P-BCHやD-BCH、D-BCHのためのDL Scheduling Information、PIやPCHの誤り率は、後述するように、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力される。また、上記P-BCHやD-BCH、D-BCHのためのDL Scheduling Information、PIやPCHの誤り率は、受信装置600の位置情報とともに、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力されてもよい。このように、P-BCHやD-BCH、D-BCHのためのDL Scheduling Information、PIやPCH等の共通チャネルの誤り率を外部出力することにより、共通チャネルの品質が適切に維持されているかの評価を行うことができるとともに、共通チャネルに関係するパラメータ、例えば、共通チャネルに割り当てる送信電力やリソースエレメントの数を最適化することが可能となる。また、リソースエレメントの数の代わりに、リソースブロックの数やサブキャリアの数、OFDMシンボルの数等を最適化してもよい。
【0152】
尚、図5、図6においては、基地局装置200から送信される下りリンクの信号の受信処理に関して記載を行っているが、基地局装置200と隣接する基地局装置から送信される下りリンクの信号に関しても同様に受信処理を行うことができる。
【0153】
外部入出力部610は、ベースバンド信号処理部608における上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089、誤り率取得部6090で測定した値を外部インタフェースに出力する。より具体的には、測定した値を数値データやグラフ画像として、モニタ画面上に出力したり、数値データとして、メモリやハードディスクといった記憶媒体に保存したりする。
【0154】
ここで、外部入出力部610は、位置情報を取得し、上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089、誤り率取得部6090で測定した値を、位置情報とともに、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力してもよい。ここで、位置情報は、例えば、外部入出力部610がGPS700等の位置情報を取得する装置と接続され、GPS700から取得されてもよい。
【0155】
尚、上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089、誤り率取得部6090で測定した値を、位置情報とともに出力する場合に、上記測定した値は、時間方向に平均した値でもよいし、位置情報に基づいて平均した値でもよい。
【0156】
また、上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089、誤り率取得部6090において、時間ではなく、位置情報に基づいて平均を行う場合には、GPS700から取得された位置情報が、外部入出力610経由で、上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089、誤り率取得部6090に通知される。
【0157】
また、外部入出力部610は、また、ベースバンド信号処理部608における上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089、誤り率取得部6090において用いられるパラメータを保持し、上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089、誤り率取得部6090に通知する。尚、パラメータは、装置内の内部パラメータとして保存されていてもよいし、外部インタフェースにより入力されてもよい。パラメータの詳細については、上述した通りである。
【0158】
次に、本実施例に係る受信装置600におけるデータ取得方法について、図12及び図13を参照して説明する。図13は、上述した測定値を位置情報に基づいて平均化する場合のデータ取得方法に関して説明する。
【0159】
図12を参照して説明を行う。
【0160】
受信装置600は、基地局装置200により送信される下りリンクのリファレンス信号を受信する(ステップS1202)。
【0161】
受信装置600は、受信した下りリンクのリファレンス信号に基づいて、上りリンク品質、下りリンク品質、遅延プロファイル、リファレンス信号測定結果及び誤り率の少なくとも1つを算出する(ステップS1204)例えば、上述したベースバンド信号処理部608における上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089、誤り率取得部6090は、各部において用いられるパラメータを保持し、該パラメータ及び下りリンクのリファレンス信号に基づいて、算出を行い、期待値を求める。
【0162】
受信装置600は、求めた上りリンク品質、下りリンク品質、遅延プロファイル、リファレンス信号測定結果及び誤り率の少なくとも1つを外部インタフェースに出力する(ステップS1206)。例えば、受信装置600は、モニタ画面や記憶媒体に出力する。
その結果、出力された上りリンク品質、下りリンク品質、遅延プロファイル、リファレンス信号測定結果及び誤り率の少なくとも1つを取得することができる。尚、上述した測定値は、時間的に平均化処理が行われた値であってもよい。
【0163】
位置情報に基づいて平均化する場合について、図13を参照して説明する。
【0164】
受信装置600は、基地局装置200により送信される下りリンクのリファレンス信号を受信する(ステップS1302)。
【0165】
受信装置600は、受信した下りリンクのリファレンス信号に基づいて、上りリンク品質、下りリンク品質、遅延プロファイル、リファレンス信号測定結果及び誤り率の少なくとも1つを算出する(ステップS1304)例えば、上述したベースバンド信号処理部608における上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089、誤り率取得部6090は、各部において用いられるパラメータを保持し、該パラメータ及び下りリンクのリファレンス信号に基づいて、算出を行い、期待値を求める。
【0166】
GPS700から取得された位置情報は、外部入出力610経由で、上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089、誤り率取得部6090に通知される。上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089、誤り率取得部6090算出値を出力するとともに、位置情報を出力する(ステップS1306)。
【0167】
受信装置600は、求めた上りリンク品質、下りリンク品質、遅延プロファイル、リファレンス信号測定結果及び誤り率の少なくとも1つを、位置情報とともに外部インタフェースに出力する(ステップS1308)。例えば、受信装置600は、モニタ画面や記憶媒体に出力する。
【0168】
その結果、出力された上りリンク品質、下りリンク品質、遅延プロファイル、リファレンス信号測定結果及び誤り率の少なくとも1つを、位置情報に基づいて平均化処理が行われた値として取得することができる。
【0169】
次に、本実施例に係る受信装置600における他のデータ取得方法について、図14及び図15を参照して説明する。本実施例においては、通信を行い、DL Scheduling Information又はUL Scheduling Grantを用いてスループットを測定する場合に関して説明を行う。尚、図15は、位置情報に基づいて平均化する場合のデータ取得方法に関して説明を行う。
【0170】
図14を参照して説明する。
【0171】
基地局装置200と通信を行う(ステップS1402)。
【0172】
受信装置600は、基地局装置200により送信されるDL Scheduling Information又はUL Scheduling Grantを受信する(ステップS1404)。
【0173】
受信装置600は、受信したDL Scheduling Information又はUL Scheduling Grantに基づいて、下りリンクのスループット又は上りリンクのスループットの少なくとも1つを算出する(ステップS1406)。
【0174】
受信装置600は、求めた下りリンクのスループット又は上りリンクのスループットの少なくとも1つを外部インタフェースに出力する(ステップS1408)。例えば、受信装置600は、モニタ画面や記憶媒体に出力する。
【0175】
その結果、出力された下りリンクのスループット又は上りリンクのスループットの少なくとも1つを取得することができる。尚、上記下りリンクのスループット又は上りリンクのスループットは、時間的に平均化処理が行われた値であってもよい。
【0176】
位置情報に基づいて平均化する場合について、図15を参照して説明する。
【0177】
基地局装置200と通信を行う(ステップS1502)。
【0178】
受信装置600は、基地局装置200により送信されるDL Scheduling Information又はUL Scheduling Grantを受信する(ステップS1504)。
【0179】
受信装置600は、受信したDL Scheduling Information又はUL Scheduling Grantに基づいて、下りリンクのスループット又は上りリンクのスループットの少なくとも1つを算出する(ステップS1506)。
【0180】
GPS700から取得された位置情報は、外部入出力610経由で、上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089、誤り率取得部6090に通知される。上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089、誤り率取得部6090算出値を出力するとともに、位置情報を出力する(ステップS1508)。
【0181】
受信装置600は、求めた下りリンクのスループット又は上りリンクのスループットの少なくとも1つを、位置情報とともに外部インタフェースに出力する(ステップS1408)。例えば、受信装置600は、モニタ画面や記憶媒体に出力する。
【0182】
その結果、出力された下りリンクのスループット又は上りリンクのスループットの少なくとも1つを、位置情報に基づいて平均化処理が行われた値として取得することができる。
【0183】
本発明の実施例によれば、下りリンクのスループットの期待値や上りリンクのスループットの期待値といった、ネットワークオペレータがセル設計を行う上で必要となる値を取得することが可能となり、上記値に基づいて、セル設計を行うことで、高品質で高効率のネットワークを実現することが可能となる。
(実施例2)
本発明の他の実施例に係るエリア評価用の受信装置について説明する。
【0184】
本実施例においては、無線通信システム1000内における複数の基地局装置が、お互いに同期して下りリンクの送信を行っている場合を考える。このような複数の基地局装置がお互いに同期して下りリンクの送信を行っていることを、単一周波数ネットワーク(SFN: Single Frequency Network)あるいは、マルチキャスト/ブロードキャスト 単一周波数ネットワーク(MBSFN: Multicast/Broadcast over Single Frequency Network)と呼ぶ。
【0185】
MBSFNの場合、例えば、同期して下りリンクの送信を行っている複数の基地局装置から同一の信号を送信した場合、移動局において、複数の基地局装置から送信される信号を比較的簡単に合成することが可能となる。このため、その伝送効率、伝送速度を向上させることができる。特に、上述した技術は、マルチキャスト(Multicast)やブロードキャスト(Broadcast)のように、基地局装置から不特定多数の移動局に対して、共通の信号を送信する場合に、有効である。
【0186】
本実施例に係る受信装置600、基地局装置200が適用される無線通信システムについて、図16を参照して説明する。
【0187】
無線通信システム1000は、例えばEvolved UTRA and UTRANが適用されるシステムであり、基地局装置200(200、200、200、200、200、200、200、・・・、200、mはm>0の整数)と、基地局装置200と通信中である移動局100(100、100、100、・・・、100、nはn>0の整数)と、基地局装置200が移動通信サービスを提供するエリアであるセル50(50、50、50、・・・、50、lはl>0の整数)内に位置する受信装置600とを備える。
【0188】
尚、基地局装置200は、図16においては、簡易化のため、そのセクタの数を1としているが、複数のセクタを有していてもよい。
【0189】
受信装置600は、基地局装置200とEvolved UTRA and UTRANを用いた通信を行っていてもよいし、行っていなくてもよい。受信装置600が基地局装置200とEvolved UTRA and UTRANを用いた通信を行う場合には、受信装置600と基地局装置200との間の通信において、移動局100nと基地局装置200との間の通信処理と同等の処理が行われる。
【0190】
本実施例に係る受信装置600は、上述した実施例1に係る受信装置と、ベースバンド信号処理部108のみが異なるため、ベースバンド信号処理部108に関して説明を行う。
【0191】
本実施例に係る受信装置600におけるベースバンド信号処理部108は、図17に示すように、アナログディジタル変換器(A/D)6080と、CP除去部6081と、高速フーリエ変換部(FFT)6082と、分離部(DeMUX)6083と、データ信号復号部6084と、下りリファレンス信号受信部6085と、下りリンク品質測定部6087と、遅延プロファイル測定部6088と、リファレンス信号測定部6089と、誤り率取得部6090とを備える。
【0192】
これら各部のうち、アナログディジタル変換器(A/D)6080、CP除去部6081、高速フーリエ変換部(FFT)6082及び分離部(DeMUX)6083の機能は上述した実施例と同様である。相違点は、送受信部606より入力される信号が、単一の基地局装置からの信号であるか、同期して下りリンクの送信を行っている複数の基地局装置からの信号であるかの違いである。但し、受信装置600は、一般に、下りリンクの信号内に、どの基地局装置からの信号が含まれているかを識別することはできない。
【0193】
データ信号復号部6084は、下りリンクリファレンス信号部6085よりチャネル推定結果を受け取り、チャネル推定結果に基づいて、下りリンクのデータ信号を補償し、同期して下りリンクの送信を行っている複数の基地局装置から送信されたデータ信号を復元する。ここで、データ信号とは、同期して下りリンクの送信を行っている複数の基地局装置より送信された共通チャネルの信号のことである。ここで、共通チャネルとは、より具体的には、P-BCH, D-BCH, Broadcast channel, Multicast Channel等のことである。そして、データ信号の復調結果を誤り率取得部6090に通知する。
【0194】
また、データ信号復号部6084は、P-BCHやD-BCHに含まれる情報を取得し、必要に応じて、受信装置600内部の各部に通知する。例えば、データ信号復号部6084は、P-BCH又はD-BCHに含まれる下りリンクのリファレンス信号の送信電力に関する情報を取得し、リファレンス信号測定部6089に通知してもよい。
【0195】
下りリンクリファレンス信号受信部6085は、下りリンクのリファレンス信号に基づいてチャネル推定を行い、受信したデータ信号にどのようなチャネル補償がなされるべきか、を決定する、すなわち、チャネル推定値を算出する。下りリンクリファレンス信号受信部6085は、算出したチャネル推定値をデータ信号復号部6084に入力する。また、下りリンクリファレンス信号受信部6085は、下りリンクのリファレンス信号とチャネル推定値を、下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089、誤り率取得部6090に入力する。尚、下りリンクのリファレンス信号は、同期して下りリンクの送信を行っている複数の基地局装置から送信されたリファレンス信号である。
【0196】
下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル部6088、リファレンス信号測定部6089の機能は、基本的に、上述した実施例1と同一であるため、その説明を省略する。相違点は、下りリンクリファレンス信号受信部6085より入力される下りリンクのリファレンス信号が、単一の基地局装置から送信されたリファレンス信号ではなく、同期して下りリンクの送信を行っている複数の基地局装置から送信されたリファレンス信号である点である。
【0197】
誤り率取得部6090は、データ信号復号部6084より、P-BCHやD-BCH、Mutlichcast Channel, Broadcast channelの復調結果を受け取り、P-BCHやD-BCH、Mutlichcast Channel, Broadcast channelの誤り率をそれぞれ算出する。尚、誤り率を算出するための測定区間は、外部入出力部610より受け取る。例えば、外部入出力部610より、測定区間として1秒という値を受け取った場合には、P-BCHやD-BCH、Mutlichcast Channel,Broadcast channelの誤り率をそれぞれ1秒毎に算出する。そして、誤り率取得部6090は、P-BCHやD-BCH、Mutlichcast Channel,Broadcast channelの誤り率を外部入出力部110に通知する。
【0198】
あるいは、時間方向に測定区間の代わりに、受信装置600の位置情報に基づいた測定区間が指定されてもよい。例えば、位置情報の測定区間として100mが設定された場合には、受信装置600が100m移動する毎に、上記P-BCHやD-BCH、Mutlichcast Channel, Broadcast channelの誤り率を算出してもよい。尚、100mといった一次元のパラメータではなく、100m2といった二次元のパラメータを設定してもよい。尚、位置情報は、外部入出力部610より通知される。位置情報の平均化区間は、エリア測定装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0199】
外部入出力部610に通知されたP-BCHやD-BCH、Mutlichcast Channel,Broadcast channelの誤り率は、後述するように、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力される。また、P-BCHやD-BCH、Mutlichcast Channel, Broadcast channelの誤り率は、受信装置600の位置情報とともに、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力されてもよい。このように、P-BCHやD-BCH、Mutlichcast Channel, Broadcast channel等の共通チャネルの誤り率を外部出力することにより、共通チャネルの品質が適切に維持されているかの評価を行うことができるとともに、共通チャネルに関係するパラメータ、例えば、共通チャネルに割り当てる送信電力やリソースエレメントの数を最適化することが可能となる。また、リソースエレメントの数の代わりに、リソースブロックの数やサブキャリアの数、OFDMシンボルの数等を最適化してもよい。
(実施例3)
実施例1においては、受信装置600は、基本的に、下りリンクのリファレンス信号を受信し、下りリンクのリファレンス信号に基づいて、様々な測定を行い、その測定結果を外部インタフェースに出力していた。
【0200】
しかしながら、特に上りリンクに関しては、受信装置600は、基地局装置200における上りリンクの信号の受信SIRを精度良く算出することは困難であるため、結果として、上りリンクのスループットの期待値を精度良く算出することができないという問題点があった。また、下りリンクにおいても、受信装置600は、基地局装置200内のスケジューラ(MAC処理部)の動作を知ることができないため、受信装置600で算出される下りリンクのスループットの期待値と、実際の下りリンクのスループットが一致するかどうかは不明である。
【0201】
このような問題点を解決するため、受信装置600が基地局装置200と接続を行い、実際に上りリンク及び下りリンクの通信を行うことにより、上りリンクのスループットの期待値及び下りリンクのスループットの期待値を算出することができる。より具体的には、基地局装置200より送信されるUL Scheduling Grant及びDL Scheduling Informationを受信し、UL Scheduling Grant及びDL Scheduling Information内の情報に基づいて、上りリンクのスループットの期待値及び下りリンクのスループットの期待値を算出することが可能となる。
【0202】
UL Scheduling Grantには、例えば、上りリンクの共有チャネルに関する、上りリンクのリソースの割り当て情報、UEのID、データサイズ、変調方式、上りリンクの送信電力情報、アップリンクMIMO(Uplink MIMO)におけるデモジュレーションレファレンスシグナル(Demodulation Reference Signal)の情報等が含まれる。上りリンクのリソースの割当情報、データサイズに基づいて、上りリンクのスループットの期待値を算出することが可能となる。
【0203】
また、Downlink Scheduling Informationには、例えば、下りリンクの共有チャネルに関する、下りリンクのリソースブロック(Resource Block)の割り当て情報、UEのID、ストリームの数、プリコーディングベクトル(Precoding Vector)に関する情報、データサイズ、変調方式、HARQ(hybrid automatic repeat request)に関する情報等が含まれる。下りリンクのリソースブロックの割り当て情報、データサイズ、ストリーム数に基づいて、下りリンクのスループットの期待値を算出することが可能となる。
【0204】
以下に詳細に説明を行う。
【0205】
基地局装置200に関しては、実施例1と同一であるため、その説明を省略する。
【0206】
本実施例に係る受信装置600について、図18を参照して説明する。本実施例は、基地局装置200と接続し、通信を行うことにより、上りリンク及び下りリンクの通信品質を算出し、上記通信品質を出力する受信装置に係るため、それ以外の部分は省略している。
【0207】
受信装置600は、アンテナ602と、アンプ部604と、送受信部606と、ベースバンド信号処理部608と、外部入出力部610と、呼処理部612と、アプリケーション部614とを具備する。
【0208】
アンテナ602、アンプ部604及び送受信部606は、実施例1と同一であるため、その説明を省略する。
【0209】
次に、ベースバンド信号処理部608の構成について、図19を参照して説明する。
【0210】
ベースバンド信号処理部608は、アナログ/ディジタル変換器(A/D)6080と、CP除去部6081と、FFT6082と、DeMUX6083と、データ信号復号部6084と、下りリファレンス信号受信部6085と、上りリンク品質測定部6086と、下りリンク品質測定部6087と、リファレンス信号測定部6089と、MAC処理部6091と、RLC処理部6092と、信号生成部6093と、送信処理部6094とを備える。
【0211】
アナログディジタル変換器(A/D)6080は、送受信部606より転送されたベースバンドのアナログ信号をディジタル信号に変換し、該ディジタル信号をCP除去部6081に入力する。
【0212】
CP除去部6081は受信シンボルからCPを除去し、有効シンボル部分を残し、有効シンボル部分をFFT6082に入力する。
【0213】
高速フーリエ変換部(FFT)6082は、入力された信号を高速フーリエ変換し、OFDM方式の復調を行い、復調された信号を分離部6083に入力する。
【0214】
分離部(DeMUX)6083は、受信信号から下りリンクのリファレンス信号と報知チャネルの信号と下りリンクの制御チャネルの信号と下りリンクの共有チャネルの信号とを分離し、下りリンクのリファレンス信号を下りリンクのリファレンス信号受信部6085に入力し、報知チャネルの信号、下りリンクの制御チャネルの信号及び下りリンクの共有チャネルの信号をデータ信号復号部6084に入力する。
【0215】
下りリンクリファレンス信号受信部1085は、下りリンクのリファレンス信号に基づいてチャネル推定を行い、受信したデータ信号にどのようなチャネル補償がなされるべきか、を決定する、すなわち、チャネル推定値を算出する。下りリンクリファレンス信号受信部6085は、上記チャネル推定値をデータ信号復号部6084に送信する。また、下りリンクリファレンス信号受信部6085は、下りリンクのリファレンス信号と上記チャネル推定値を、上りリンク品質測定部6086、下りリンク品質測定部6087及びリファレンス信号測定部6089に入力する。
【0216】
データ信号復号部6084は、下りリンクリファレンス信号受信部6085よりチャネル推定結果を受け取り、チャネル推定結果に基づいて、下りリンクのデータ信号を補償し、基地局装置200から送信されたデータ信号を復元する。ここで、データ信号とは、基地局装置200より送信された報知チャネル、下りリンクの制御チャネル、下りリンクの共有チャネルの信号のことである。報知チャネルとは、P-BCHやD-BCHのことを指す。また、下りリンクの制御チャネルには、DL Scheduling InformationやUL Scheduling Grant、上りリンクの共有チャネルのための送達確認情報が含まれる。そして、データ信号復号部1084は、上記データ信号の復調結果を、上りリンク品質測定部6086と、下りリンク品質測定部6087と、MAC処理部6091とに通知する。
【0217】
また、データ信号復号部6084は、P-BCHやD-BCHに含まれる情報を取得し、必要に応じて、受信装置600内部の各部に通知する。例えば、データ信号復号部6084は、P-BCH又はD-BCHに含まれる下りリンクのリファレンス信号の送信電力に関する情報を取得し、上りリンク品質測定部6086とリファレンス信号測定部6089に通知してもよい。また、例えば、データ信号復号部6084は、P-BCH又はD-BCHに含まれる上りリンクの送信電力制御関連の情報(P0)を取得し、上りリンク品質測定部6086に通知してもよい。
【0218】
上りリンク品質測定部6086は、下りリンクリファレンス信号受信部6085より、チャネル推定値と下りリンクのリファレンス信号を受け取り、データ信号復号部より下りリンクのデータ信号の復号結果を受け取る。
【0219】
以下では、上りリンク品質測定部1086の機能の内、実施例1の上りリンク品質測定部1086に記載されていない機能のみを記載する。
【0220】
上りリンク品質測定部1086は、上記データ信号に含まれるUL Scheduling Grantに含まれる情報の内、上りリンクのリソースの割当情報と、データサイズとに基づいて、上りリンクのスループットの期待値を算出する。ここで、上りリンクのリソースの割り当て情報とは、周波数リソースの割り当て情報である。より具体的には、1リソースブロックあたりのスループットの期待値を以下のように算出してもよい。
【0221】
スループットの期待値 = データサイズ(bits)×1000 / リソースブロック数 [bit/second]
ここで、「×1000」は、1サブフレームが1msであることを仮定している。
【0222】
上りリンクのスループットの期待値は、実施例1における上りリンクのスループットの期待値と同様に、時間方向、周波数方向に平均した値を算出してもよい。また、位置情報に基づいた平均を行ってもよい。
また、上記では1リソースブロックあたりのスループットの期待値を算出したが、代わりに、周波数方向のリソースの割り当て情報や、時間方向のリソースの割り当て情報を考慮して算出してもよい。すなわち、実際にUL Scheduling Grantが送信された頻度と、実際に割り当てられた送信帯域に基づいて、スループットの期待値を算出してもよいし、周波数方向及び時間方向のリソースが全て当該受信装置600に割り当てられた場合のスループットの期待値を算出してもよい。あるいは、外部入出力部610を介して外部より設定される、仮の周波数方向のリソース及び時間方向のリソース(割り当て頻度)を仮定して、上記スループットの期待値を算出してもよい。
【0223】
また、本実施例においては、受信装置600は、基地局装置200と通信を行っているため、上りリンク品質測定部1086は、上りリンクの送信電力の期待値を算出する式において、delta_mcsに、RRC messageより通知される値を設定してもよい。また、delta_iに、UL Scheduling Grantにより通知される値を設定してもよい。
【0224】
下りリンク品質測定部6087は、下りリンクリファレンス信号受信部6085より、チャネル推定値と下りリンクのリファレンス信号を受け取り、データ信号復号部6084より下りリンクのデータ信号の復号結果を受け取る。
【0225】
以下では、下りリンク品質測定部6087の機能の内、実施例1の下りリンク品質測定部1087に記載されていない機能のみを記載する。
【0226】
下りリンク品質測定部6087は、データ信号に含まれるDL Scheduling Informationに含まれる情報の内、下りリンクのリソースブロックの割当情報と、データサイズと、ストリーム数とに基づいて、下りリンクのスループットの期待値を算出する。より具体的には、1リソースブロックあたりのスループットの期待値を以下のように算出してもよい。
【0227】
スループットの期待値 = データサイズ(bits)×1000 / リソースブロック数 [bit/second]
ここで、「×1000」は、1サブフレームが1msであることを仮定している。
【0228】
下りリンクのスループットの期待値は、実施例1における下りリンクのスループットの期待値と同様に、時間方向、周波数方向に平均した値を算出してもよい。また、位置情報に基づいた平均を行ってもよい。
また、上記では1リソースブロックあたりのスループットの期待値を算出したが、代わりに、周波数方向のリソースの割り当て情報や、時間方向のリソースの割り当て情報を考慮して算出してもよい。すなわち、実際にDL Scheduling Informationが送信された頻度と、実際に割り当てられた送信帯域に基づいて、スループットの期待値を算出してもよいし、周波数方向及び時間方向のリソースが全て当該受信装置600に割り当てられた場合のスループットの期待値を算出してもよい。あるいは、外部入出力部610を介して外部より設定される、仮の周波数方向のリソース及び時間方向のリソース(割り当て頻度)を仮定して、上記スループットの期待値を算出してもよい。
リファレンス信号測定部6089は、実施例1におけるリファレンス信号測定部6089と基本的に同一である。以下では、その相違点を記載する。
【0229】
リファレンス信号測定部6089は、サービングセルである基地局装置及び隣接する基地局装置からの下りリンクのリファレンス信号に関する、下りリンクのリファレンス信号の受信電力、下りリンクのキャリアの受信電力、下りリンクのリファレンス信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(RSRP/RSSI)、パスロスを測定し、該測定結果を、呼処理部612に通知する。
【0230】
MAC処理部6091は、データ信号復号部6084より、復号されたDonwlink Scheduling InformationやUL Scheduling Grant、上りリンクの共有チャネルに対する送達確認情報、下りリンクの共有チャネルを受信する。
【0231】
MAC処理部6091は、UL Scheduling Grantに基づき、上りリンクのユーザデータの送信フォーマットの決定や、MACレイヤーにおける再送制御(HARQ)等の送信処理を行う。すなわち、データ信号復号部6084より受信したUL Scheduling Grantにより、基地局装置200から、上りリンクにおいて共有チャネルを用いた通信を行うことを指示された場合には、受信装置600内のデータバッファに存在するパケットデータに関して、送信フォーマットの決定や再送制御(HARQ)等の送信処理を行い、そのパケットデータを信号生成部6093に与える。
【0232】
MAC処理部6091は、下りリンクに関しては、例えば、データ信号復号部6084より受信したDL Scheduling Informationに基づき、下りリンクのパケットデータのMAC再送制御の受信処理等を行う。
【0233】
また、MAC処理部6091は、MACレイヤーにおける上りリンク及び下りリンクのスループットを測定し、上記測定結果を外部入出力部に通知してもよい。
【0234】
尚、上記MACレイヤーにおけるスループットは、時間方向に平均化されてもよい。時間方向に関しては、例えば、パラメータとして定義される平均化区間に基づいて算出されてもよい。すなわち、上記平均化区間が1sの場合に、1sで平均化した値を算出してもよい。さらに、上記1sで平均化した値を、さらに、以下の式に基づいてフィルタリングを行った後の値(Fn)を算出してもよい。
【0235】
式:Fn = (1-a)×Fn-1 + a×Mn
Fn:アップデートされたフィルタリング後の値
Fn-1:古いフィルタリング後の値
a:フィルタリング係数
Mn:1s間の平均値
尚、フィルタリング係数aの値として、例えば、1/2(k/2) (k = 0, 1, 2, …, )といった値を設定することができる。上記平均化区間やフィルタリング係数aの値は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0236】
尚、上述した例においては、時間方向に平均したが、代わりに、受信装置600の位置情報に基づいて平均を行ってもよい。例えば、位置情報の平均化区間として100mが設定された場合には、受信装置600が100m移動する毎に、上述したMACレイヤーのスループットの平均値を算出してもよい。尚、100mといった一次元のパラメータではなく、100m2といった二次元のパラメータを設定してもよい。尚、位置情報は、外部入出力部610より通知される。位置情報の平均化区間は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部6110を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0237】
尚、MAC処理部6091は、MACレイヤーのスループットを算出する際に、周波数方向のリソースの割り当て情報や、時間方向のリソースの割り当て情報を考慮して算出してもよい。すなわち、MACレイヤーのスループットそのものを算出してもよいし、周波数方向及び時間方向のリソースが全て当該受信装置600に割り当てられた場合のMACレイヤーのスループットを算出してもよい。あるいは、外部入出力部610を介して外部より設定される、仮の周波数方向のリソース及び時間方向のリソース(割り当て頻度)を仮定して、上記MACレイヤースループットを算出してもよい。
【0238】
MAC処理部6091は、MACレイヤーのスループットを外部入出力部610に通知する。
【0239】
RLC(Radio Link Control)処理部6092は、上りリンクに関しては、パケットデータの分割・結合、RLC(radio link control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤーの送信処理を行い、下りリンクに関しては、パケットデータの分割・結合、RLC再送制御の受信処理等のRLCレイヤーの受信処理を行う。なお、RLC処理部6092においては、上記RLCレイヤーの処理に加えて、PDCPレイヤーの処理が行われてもよい。
【0240】
また、RLC処理部6092は、RLCレイヤーにおける上りリンク及び下りリンクのスループットを測定し、測定結果を外部入出力部に通知してもよい。
【0241】
尚、RLCレイヤーにおけるスループットは、時間方向に平均化されてもよい。
【0242】
時間方向に関しては、例えば、パラメータとして定義される平均化区間に基づいて算出されてもよい。すなわち、平均化区間が1sの場合に、1sで平均化した値を算出してもよい。さらに、上記1sで平均化した値を、さらに、以下の式に基づいてフィルタリングを行った後の値(Fn)を算出してもよい。
【0243】
式:Fn = (1-a)×Fn-1 + a×Mn
Fn:アップデートされたフィルタリング後の値
Fn-1:古いフィルタリング後の値
a:フィルタリング係数
Mn:1s間の平均値
尚、フィルタリング係数aの値として、例えば、1/2(k/2) (k = 0, 1, 2, …, )といった値を設定することができる。平均化区間やフィルタリング係数aの値は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0244】
尚、上述した例においては、時間方向に平均したが、代わりに、受信装置600の位置情報に基づいて平均を行ってもよい。例えば、位置情報の平均化区間として100mが設定された場合には、受信装置600が100m移動する毎に、上述したRLCレイヤーのスループットの平均値を算出してもよい。尚、100mといった一次元のパラメータではなく、100m2といった二次元のパラメータを設定してもよい。尚、位置情報は、外部入出力部610より通知される。位置情報の平均化区間は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0245】
尚、RLC処理部6092は、RLCレイヤーのスループットを算出する際に、周波数方向のリソースの割り当て情報や、時間方向のリソースの割り当て情報を考慮して算出してもよい。すなわち、RLCレイヤーのスループットそのものを算出してもよいし、周波数方向及び時間方向のリソースが全て当該受信装置600に割り当てられた場合のRLCレイヤーのスループットを算出してもよい。あるいは、外部入出力部610を介して外部より設定される、仮の周波数方向のリソース及び時間方向のリソース(割り当て頻度)を仮定して、上記RLCレイヤースループットを算出してもよい。
【0246】
RLC処理部6092は、RLCレイヤーのスループットを外部入出力部610に通知する。
【0247】
信号生成部6093は、上りリンクで送信する上りリンクの共有チャネルやSounding RS、上りリンクの制御チャネル、例えば、下りリンクの品質情報や下りリンクの共有チャネルの送達確認情報等の信号生成処理、例えば、符号化やデータ変調等の処理を行う。
【0248】
送信処理部6094は、DFT処理やIFFT処理、CP挿入処理等の送信処理を行う。
【0249】
外部入出力部610は、ベースバンド信号処理部608における上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、リファレンス信号測定部6089、MAC処理部6091、RLC処理部6092、呼処理部612、アプリケーション部614で測定した値を外部インタフェースに出力する。より具体的には、測定した値を数値データやグラフ画像として、モニタ画面上に出力したり、数値データとして、メモリやハードディスクといった記憶媒体に保存したりする。
【0250】
また、外部入出力部610は、呼処理部612より、当該タイミングにおけるサービングセルに関する情報を受け取る。外部入出力部610は、上記測定した値を、サービングセルに関する情報とともに外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力してもよい。
【0251】
さらに、外部入出力部610は、位置情報を取得し、上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089で測定した値を、位置情報とともに、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力してもよい。ここで、位置情報は、例えば、外部入出力部110がGPS700等の位置情報を取得する装置と接続され、上記GPS700から取得されてもよい。
【0252】
尚、上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、リファレンス信号測定部6089、MAC処理部6091、RLC処理部6092、アプリケーション部614で測定した値を、位置情報とともに出力する場合に、測定した値は、時間方向に平均した値でもよいし、位置情報に基づいて平均した値でもよい。
【0253】
また、上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、リファレンス信号測定部6089、MAC処理部6091、RLC処理部6092、アプリケーション部614において、時間ではなく、位置情報に基づいて平均を行う場合には、GPS700から取得された位置情報が、外部入出力610経由で、上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、リファレンス信号測定部6089、MAC処理部6091、RLC処理部6092、アプリケーション部614に通知される。
【0254】
また、外部入出力部610は、また、ベースバンド信号処理部608における上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、リファレンス信号測定部6089、MAC処理部6091、RLC処理部6092、アプリケーション部614において用いられるパラメータを保持し、上りリンク品質測定部6086や下りリンク品質測定部6087、リファレンス信号測定部6089、MAC処理部6091、RLC処理部6092、アプリケーション部614に通知する。尚、パラメータは、装置内の内部パラメータとして保存されていてもよいし、外部インタフェースにより入力されてもよい。
【0255】
呼処理部612は、通信チャネルの設定やハンドオーバ、解放等の呼処理や、受信装置600の状態管理を行う。
【0256】
また、呼処理部612は、ベースバンド信号処理部608内のリファレンス信号測定部6089より、サービングセルである基地局装置及び隣接する基地局装置からの下りリンクのリファレンス信号に関する測定結果を受け取る。そして、下りリンクのリファレンス信号に基づき、メジャメント リポート(Measurement report)を作成し、ベースバンド信号処理部608、送受信部606、アンプ部604、アンテナ602経由で基地局装置200に通知する。
【0257】
呼処理部612は、上述したメジャメントリポートの内容を外部入出力部610に出力する。外部入出力部610に通知された上記メジャメントリポートの内容は、後述するように、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力される。また、上記メジャメントリポートの内容は、受信装置600の位置情報とともに、グラフ画像や数値データとして外部(モニタ画面や記憶媒体)に出力されてもよい。このように、メジャメントリポートの内容を外部出力することにより、ハンドオーバの品質が適切に維持されているかの評価を行うことができるとともに、ハンドオーバに関係するパラメータ、例えば、ハンドオーバのためのヒステリシスやTime to trigger等のパラメータを最適化することが可能となる。
【0258】
呼処理部612は、ベースバンド信号処理部608の各部、及び、外部入出力部610に、現在のサービングセルの情報等を逐次通知する。
【0259】
アプリケーション部614は、物理レイヤーやMACレイヤー、RLCレイヤーより上位のレイヤーに関する処理等を行う。
【0260】
アプリケーション部614は、受信装置600が基地局装置200と通信を継続するために、所定のサーバへのファイルのアップロードや所定のサーバからのファイルのダウンロードを行う。
【0261】
また、アプリケーション部614は、TCPレイヤーにおける上りリンク及び下りリンクのスループットを測定し、測定結果を外部入出力部に通知してもよい。
【0262】
尚、TCPレイヤーにおけるスループットは、時間方向に平均化されてもよい。時間方向に関しては、例えば、パラメータとして定義される平均化区間に基づいて算出されてもよい。すなわち、上記平均化区間が1sの場合に、1sで平均化した値を算出してもよい。さらに、上記1sで平均化した値を、さらに、以下の式に基づいてフィルタリングを行った後の値(Fn)を算出してもよい。
【0263】
式:Fn = (1-a)×Fn-1 + a×Mn
Fn:アップデートされたフィルタリング後の値
Fn-1:古いフィルタリング後の値
a:フィルタリング係数
Mn:1s間の平均値
尚、フィルタリング係数aの値として、例えば、1/2(k/2) (k = 0, 1, 2, …, )といった値を設定することができる。平均化区間やフィルタリング係数aの値は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部110を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0264】
尚、上述した例においては、時間方向に平均したが、代わりに、受信装置600の位置情報に基づいて平均を行ってもよい。例えば、位置情報の平均化区間として100mが設定された場合には、受信装置600が100m移動する毎に、上述したTCPレイヤーのスループットの平均値を算出してもよい。尚、100mといった一次元のパラメータではなく、100m2といった二次元のパラメータを設定してもよい。尚、位置情報は、外部入出力部610より通知される。位置情報の平均化区間は、受信装置内部のパラメータとしてもよく、あるいは、外部入出力部610を経由して、外部より入力される値としてもよい。
【0265】
尚、アプリケーション部614は、上記TCPレイヤーのスループットを算出する際に、周波数方向のリソースの割り当て情報や、時間方向のリソースの割り当て情報を考慮して算出してもよい。すなわち、TCPレイヤーのスループットそのものを算出してもよいし、周波数方向及び時間方向のリソースが全て受信装置600に割り当てられた場合のTCPレイヤーのスループットを算出してもよい。あるいは、外部入出力部610を介して外部より設定される、仮の周波数方向のリソース及び時間方向のリソース(割り当て頻度)を仮定して、上記TCPレイヤースループットを算出してもよい。
【0266】
さらに、アプリケーション部114は、上りリンク及び下りリンクにおける、TCPレイヤーのDumpデータを取得し、上記Dumpデータから、TCPのSequence numberの時間変化や、Duplicate ACK、TCP再送等に関するデータを取得してもよい。
【0267】
そして、アプリケーション部614は、上りリンク及び下りリンクのTCPレイヤーのスループット、TCPのSequence numberの時間変化や、Duplicate ACK、TCP再送等に関するデータを、外部入出力部610に通知する。
(実施例4)
本実施例に係るエリア評価用の受信装置は、上述した実施例に係る受信装置において、異なる受信能力を有する複数の受信手段を有するようにしたものである。受信能力とは、例えば、受信アンテナの数、複数の受信アンテナを有する場合のアンテナ間の距離、複数の受信アンテナを有する場合のアンテナ間の利得差、受信アルゴリズム、MIMOにおける信号分離アルゴリズムであるようにしてもよい。
【0268】
具体的には、図5及び図18を参照して説明した受信装置において複数のベースバンド処理部を備える。各ベースバンド処理部は、異なる受信能力を備える。この場合、上りリンク品質測定部6086、下りリンク品質測定部6087、遅延プロファイル測定部6088、リファレンス信号測定部6089及び誤り率取得部6090は、受信能力に基づいて、それぞれ上りリンク品質、下りリンク品質、遅延プロファイル、リファレンス信号測定結果及び誤り率を算出し、複数の出力結果を出力する。また、この場合においても、受信装置600の位置情報を取得し、位置情報と関連づけて、上りリンク品質、下りリンク品質、遅延プロファイル、リファレンス信号及び誤り率を出力するようにしてもよい。
【0269】
このように複数の受信能力を備えることにより、各受信能力のエリア評価を同時に行い、かつ、上記受信能力の実効的な能力差を把握することが可能となる。このような評価結果に基づいて、エリア設計を行うことにより、結果として、効率の良いシステムを提供することが可能となる。
【0270】
尚、上述した実施例においては、Evolved UTRA and UTRAN(別名:Long Term Evolution,或いは,Super 3G)が適用されるシステムにおける例を記載したが、本発明に係る移動局、基地局装置、移動通信システム及び通信制御方法は、共有チャネルを用いた通信を行う全てのシステムにおいて適用することが可能である。例えば、3GPPにおけるWCDMAやHSDPA、HSUPA、3GPP2における1x-EV−DO,UMBにおいても適用することができる。
【0271】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0272】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【0273】
本国際出願は、2007年8月14日に出願した日本国特許出願2007−211590号に基づく優先権を主張するものであり、2007−211590の全内容を本国際出願に援用する。
【0274】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に、以下の項目を開示する。
(1) 基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信手段;
前記第1の信号に基づいて、下りリンクの遅延プロファイルを算出する遅延プロファイル算出手段;
前記プロファイル算出手段により算出された下りリンクの遅延プロファイルに基づいて、伝搬路の遅延量またはサイクリック プリフィックス長の推定値を求める推定値算出手段;
前記伝搬路の遅延量またはサイクリック プリフィックス長の推定値を出力する出力手段;
を備えることを特徴とする受信装置。
(2) 基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信手段;
前記第1の信号に基づいて下りリンクの品質情報を求め、該下りリンクの品質情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出手段;
を具備することを特徴とする受信装置。
(3) (2)に記載の受信装置であって、
前記基地局装置が複数の送信アンテナを有する場合に、
前記下りリンクの品質情報はMIMOのストリーム数(ランク)を含むことを特徴とする受信装置。
(4) 複数の基地局装置より送信される下りリンクの信号が局間で同期している場合に、
前記複数の基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信手段;
前記第1の信号に基づいて下りリンクの品質情報を求め、該下りリンクの品質情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出手段;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力手段;
を具備することを特徴とする受信装置。
(5) 基地局装置と通信を行う通信手段;
前記基地局装置より送信される第2の信号を受信する受信手段;
前記第2の信号に含まれる情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出手段;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力手段;
を具備することを特徴とする受信装置。
(6) (5)に記載の受信装置において:
前記第2の信号は、下りリンク スケジューリング情報であることを特徴とする受信装置。
(7) (5)に記載の受信装置において:
前記推定値算出手段は、RLC、MAC、TCPにおけるスループットの推定値を算出することを特徴とする受信装置。
(8) (2)に記載の受信装置において:
前記下りリンクの品質情報及び下りリンクのスループットは、移動通信システムの周波数帯域全体の無線品質情報及びスループット又は前記移動通信システムの周波数帯域の一部の周波数帯域の無線品質情報及びスループットであることを特徴とする受信装置。
(9) 基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信手段;
前記第1の信号に基づいて、移動通信システムの周波数帯域全体に関する、前記第1の信号の受信電力、下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(第1の信号の受信電力/下りリンクの受信電力)、パスロスを算出する第1の算出手段;
前記第1の信号に基づいて、前記移動通信システムの周波数帯域の一部の周波数帯域に関する、前記第1の信号の受信電力、下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(第1の信号の受信電力/下りリンクの受信電力)、パスロスを算出する第2の算出手段と、
前記第1の信号の受信電力、前記下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値、パスロスを出力する出力手段;
を具備することを特徴とする受信装置。
(10) (9)に記載の受信装置において:
前記移動通信システムの周波数帯域の一部の周波数帯域とは、前記移動通信システムの周波数帯域の中心周波数を含む1.08MHzの周波数帯域であることを特徴とする受信装置。
(11) 基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信手段;
前記第1の信号に基づいて、パスロスを算出するパスロス算出手段;
前記パスロスに基づいて、上りリンクの送信電力の推定値、上りリンクのSIRの推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを算出する上りリンク品質情報算出手段;
前記上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのSIRの推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを出力する出力手段;
を具備することを特徴とする受信装置。
(12) 基地局装置と通信を行う通信手段;
前記基地局装置より送信される第3の信号を受信する受信手段;
前記第3の信号に含まれる情報に基づいて、上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを算出する上りリンク品質情報算出手段;
前記上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを出力する出力手段;
を具備することを特徴とする受信装置。
(13) (12)に記載の受信装置において:
前記第3の信号は、上りリンク スケジューリング グラントであることを特徴とする受信装置。
(14) (12)に記載の受信装置において:
前記上りリンク品質情報算出手段は、上りリンクのRLC、MAC、TCPにおけるスループットの推定値を算出することを特徴とする受信装置。
(15) (11)に記載の受信装置において:
前記第4の信号は、上りリンクの共有チャネル、サウンディング用のリファレンス信号、上りリンクの制御チャネル、ランダムアクセスチャネルの少なくとも1つであることを特徴とする受信装置。
(16) (11)に記載の受信装置において:
前記上りリンクの送信電力の推定値は、
Pmaxを移動局の最大送信電力、Mを割り当てられるリソースブロックの数、P0を報知チャネルにより通知される値、a1を係数、PLをパスロス、delta_mcsをRRC messageより通知される値、delta_iを補正パラメータ、f(*)をdelta_iを引数に持つ任意の関数とした場合に、
送信電力の期待値 = min ( Pmax, 10*logM + P0 + a * PL + ΔTF + f (delta_i))
により算出されることを特徴とする受信装置。
(17) (1)に記載の受信装置において:
前記第1の信号は、下りリンクのリファレンス信号又は共通パイロットチャネルであることを特徴とする受信装置。
(18) 基地局装置より送信される第5の信号を受信する受信手段;
前記第5の信号の誤り率を算出する誤り率算出手段;
前記第5の信号の誤り率を出力する出力手段;
を具備することを特徴とする受信装置。
(19) (18)に記載の受信装置において:
前記第5の信号は、物理報知チャネル、ダイナミック報知チャネル、ダイナミック報知チャネルのための下りリンク スケジューリング情報、ページング インジケータ、ページングチャネル情報の少なくとも1つであることを特徴とする受信装置。
(20) (1)に記載の受信装置において:
前記受信手段は、異なる受信能力を有する複数の受信手段を有し、
前記出力手段は、前記複数の受信手段に基づいて複数の出力結果を出力することを特徴とする受信装置。
(21) (20)に記載の受信装置において:
前記受信能力とは、受信アンテナの数、複数の受信アンテナを有する場合のアンテナ間の距離、複数の受信アンテナを有する場合のアンテナ間の利得差、受信アルゴリズム、MIMOにおける信号分離アルゴリズムであることを特徴とする受信装置。
(22) (1)に記載の受信装置において:
前記受信装置の位置情報を取得する位置情報取得手段
を具備し、
前記出力手段は、前記出力結果を位置情報と関連づけて出力することを特徴とする受信装置。
(23) 基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信ステップ;
前記第1の信号に基づいて、下りリンクの遅延プロファイルを算出する遅延プロファイル算出ステップ;
前記プロファイル算出手段により算出された下りリンクの遅延プロファイルに基づいて、伝搬路の遅延量またはサイクリック プリフィックス長の推定値を求める推定値算出ステップ;
前記伝搬路の遅延量またはサイクリック プリフィックス長の推定値を出力する出力ステップ;
を有することを特徴とするデータ取得方法。
(24) 基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信ステップ;
前記第1の信号に基づいて下りリンクの品質情報を求めるステップ;
該下りリンクの品質情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出ステップ;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力ステップ;
を有することを特徴とするデータ取得方法。
(25) 複数の基地局装置より送信される下りリンクの信号が局間で同期している場合に、
前記複数の基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信ステップ;
前記第1の信号に基づいて下りリンクの品質情報を求めるステップ;
該下りリンクの品質情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出ステップ;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力ステップ;
を有することを特徴とするデータ取得方法。
(26) 前記基地局装置より送信される第2の信号を受信する受信ステップ;
前記第2の信号に含まれる情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出ステップ;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力ステップ;
を有することを特徴とするデータ取得方法。
(27) 基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信ステップ;
前記第1の信号に基づいて、移動通信システムの周波数帯域全体に関する、前記第1の信号の受信電力、下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(第1の信号の受信電力/下りリンクの受信電力)、パスロスを算出する第1の算出ステップ;
前記第1の信号に基づいて、前記移動通信システムの周波数帯域の一部の周波数帯域に関する、前記第1の信号の受信電力、下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(第1の信号の受信電力/下りリンクの受信電力)、パスロスを算出する第2の算出ステップ;
前記第1の信号の受信電力、前記下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値、パスロスを出力する出力ステップ;
を有することを特徴とするデータ取得方法。
(28) 基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信ステップ;
前記第1の信号に基づいて、パスロスを算出するパスロス算出ステップ;
前記パスロスに基づいて、上りリンクの送信電力の推定値、上りリンクのSIRの推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを算出する上りリンク品質情報算出ステップ;
前記上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのSIRの推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを出力する出力ステップ;
を有することを特徴とするデータ取得方法。
(29) 基地局装置より送信される第3の信号を受信する受信ステップ;
前記第3の信号に含まれる情報に基づいて、上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを算出する上りリンク品質情報算出ステップ;
前記上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを出力する出力ステップ;
を有することを特徴とするデータ取得方法。
【符号の説明】
【0275】
50(50、50、50、・・・、50) セル
100(100、100、100、・・・、100) ユーザ装置
200(200、200、200、・・・、200) 基地局装置
202 送受信アンテナ
204 アンプ部
206 送受信部
208 ベースバンド信号処理部
2081 レイヤー1処理部
20811 受信処理部
20812 送信処理部
20813 制御チャネル信号生成部
20814 データチャネル信号生成部
20815 報知チャネル信号生成部
20816 リファレンス信号生成部
20817 上りリンクの復調処理部
2082 MAC処理部
2083 RLC処理部
2084 同期外れ判定部
210 呼処理部
212 伝送路インターフェース
300 アクセスゲートウェイ装置
400 コアネットワーク
500 物理上りリンク共有チャネル
600 受信装置
602 アンテナ
604 アンプ部
606 送受信部
608 ベースバンド信号処理部
6080 アナログディジタル変換器(A/D)
6081 CP除去部
6082 高速フーリエ変換部(FFT)
6083 分離部(DeMUX)
6084 データ信号復号部6084
6085 下りリファレンス信号受信部
6086 上りリンク品質測定部
6087 下りリンク品質測定部
6088 遅延プロファイル測定部
6089 リファレンス信号測定部
6090 誤り率取得部
6091 MAC処理部
6092 RLC処理部
6093 信号生成部
6094 送信処理部
610 外部入出力部
612 呼処理部
614 アプリケーション部
700 GPS(Global Positioning System)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信手段;
前記第1の信号に基づいて下りリンクの品質情報を求め、該下りリンクの品質情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出手段;
を具備することを特徴とする受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の受信装置であって、
前記基地局装置が複数の送信アンテナを有する場合に、
前記下りリンクの品質情報はMIMOのストリーム数(ランク)を含むことを特徴とする受信装置。
【請求項3】
複数の基地局装置より送信される下りリンクの信号が局間で同期している場合に、
前記複数の基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信手段;
前記第1の信号に基づいて下りリンクの品質情報を求め、該下りリンクの品質情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出手段;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力手段;
を具備することを特徴とする受信装置。
【請求項4】
基地局装置と通信を行う通信手段;
前記基地局装置より送信される第2の信号を受信する受信手段;
前記第2の信号に含まれる情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出手段;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力手段;
を具備することを特徴とする受信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の受信装置において:
前記第2の信号は、下りリンク スケジューリング情報であることを特徴とする受信装置。
【請求項6】
請求項4に記載の受信装置において:
前記推定値算出手段は、RLC、MAC、TCPにおけるスループットの推定値を算出することを特徴とする受信装置。
【請求項7】
請求項1に記載の受信装置において:
前記下りリンクの品質情報及び下りリンクのスループットは、移動通信システムの周波数帯域全体の無線品質情報及びスループット又は前記移動通信システムの周波数帯域の一部の周波数帯域の無線品質情報及びスループットであることを特徴とする受信装置。
【請求項8】
基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信手段;
前記第1の信号に基づいて、移動通信システムの周波数帯域全体に関する、前記第1の信号の受信電力、下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(第1の信号の受信電力/下りリンクの受信電力)、パスロスを算出する第1の算出手段;
前記第1の信号に基づいて、前記移動通信システムの周波数帯域の一部の周波数帯域に関する、前記第1の信号の受信電力、下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(第1の信号の受信電力/下りリンクの受信電力)、パスロスを算出する第2の算出手段と、
前記第1の信号の受信電力、前記下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値、パスロスを出力する出力手段;
を具備することを特徴とする受信装置。
【請求項9】
請求項8に記載の受信装置において:
前記移動通信システムの周波数帯域の一部の周波数帯域とは、前記移動通信システムの周波数帯域の中心周波数を含む1.08MHzの周波数帯域であることを特徴とする受信装置。
【請求項10】
基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信手段;
前記第1の信号に基づいて、パスロスを算出するパスロス算出手段;
前記パスロスに基づいて、上りリンクの送信電力の推定値、上りリンクのSIRの推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを算出する上りリンク品質情報算出手段;
前記上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのSIRの推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを出力する出力手段;
を具備することを特徴とする受信装置。
【請求項11】
基地局装置と通信を行う通信手段;
前記基地局装置より送信される第3の信号を受信する受信手段;
前記第3の信号に含まれる情報に基づいて、上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを算出する上りリンク品質情報算出手段;
前記上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを出力する出力手段;
を具備することを特徴とする受信装置。
【請求項12】
請求項11に記載の受信装置において:
前記第3の信号は、上りリンク スケジューリング グラントであることを特徴とする受信装置。
【請求項13】
請求項11に記載の受信装置において:
前記上りリンク品質情報算出手段は、上りリンクのRLC、MAC、TCPにおけるスループットの推定値を算出することを特徴とする受信装置。
【請求項14】
請求項10に記載の受信装置において:
前記第4の信号は、上りリンクの共有チャネル、サウンディング用のリファレンス信号、上りリンクの制御チャネル、ランダムアクセスチャネルの少なくとも1つであることを特徴とする受信装置。
【請求項15】
請求項10に記載の受信装置において:
前記上りリンクの送信電力の推定値は、
Pmaxを移動局の最大送信電力、Mを割り当てられるリソースブロックの数、P0を報知チャネルにより通知される値、a1を係数、PLをパスロス、delta_mcsをRRC messageより通知される値、delta_iを補正パラメータ、f(*)をdelta_iを引数に持つ任意の関数とした場合に、
送信電力の期待値 = min ( Pmax, 10*logM + P0 + a * PL + ΔTF + f (delta_i))
により算出されることを特徴とする受信装置。
【請求項16】
基地局装置より送信される第5の信号を受信する受信手段;
前記第5の信号の誤り率を算出する誤り率算出手段;
前記第5の信号の誤り率を出力する出力手段;
を具備することを特徴とする受信装置。
【請求項17】
請求項16に記載の受信装置において:
前記第5の信号は、物理報知チャネル、ダイナミック報知チャネル、ダイナミック報知チャネルのための下りリンク スケジューリング情報、ページング インジケータ、ページングチャネル情報の少なくとも1つであることを特徴とする受信装置。
【請求項18】
請求項1ないし17のいずれか1項に記載の受信装置において:
前記受信手段は、異なる受信能力を有する複数の受信手段を有し、
前記出力手段は、前記複数の受信手段に基づいて複数の出力結果を出力することを特徴とする受信装置。
【請求項19】
請求項18に記載の受信装置において:
前記受信能力とは、受信アンテナの数、複数の受信アンテナを有する場合のアンテナ間の距離、複数の受信アンテナを有する場合のアンテナ間の利得差、受信アルゴリズム、MIMOにおける信号分離アルゴリズムであることを特徴とする受信装置。
【請求項20】
請求項1ないし17のいずれか1項に記載の受信装置において:
前記受信装置の位置情報を取得する位置情報取得手段
を具備し、
前記出力手段は、前記出力結果を位置情報と関連づけて出力することを特徴とする受信装置。
【請求項21】
基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信ステップ;
前記第1の信号に基づいて下りリンクの品質情報を求めるステップ;
該下りリンクの品質情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出ステップ;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力ステップ;
を有することを特徴とするデータ取得方法。
【請求項22】
複数の基地局装置より送信される下りリンクの信号が局間で同期している場合に、
前記複数の基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信ステップ;
前記第1の信号に基づいて下りリンクの品質情報を求めるステップ;
該下りリンクの品質情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出ステップ;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力ステップ;
を有することを特徴とするデータ取得方法。
【請求項23】
前記基地局装置より送信される第2の信号を受信する受信ステップ;
前記第2の信号に含まれる情報に基づいて、下りリンクのスループットの推定値を算出する推定値算出ステップ;
前記下りリンクのスループットの推定値を出力する出力ステップ;
を有することを特徴とするデータ取得方法。
【請求項24】
基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信ステップ;
前記第1の信号に基づいて、移動通信システムの周波数帯域全体に関する、前記第1の信号の受信電力、下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(第1の信号の受信電力/下りリンクの受信電力)、パスロスを算出する第1の算出ステップ;
前記第1の信号に基づいて、前記移動通信システムの周波数帯域の一部の周波数帯域に関する、前記第1の信号の受信電力、下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値(第1の信号の受信電力/下りリンクの受信電力)、パスロスを算出する第2の算出ステップ;
前記第1の信号の受信電力、前記下りリンクの受信電力、前記第1の信号の受信電力を下りリンクの受信電力で除算した値、パスロスを出力する出力ステップ;
を有することを特徴とするデータ取得方法。
【請求項25】
基地局装置より送信される第1の信号を受信する受信ステップ;
前記第1の信号に基づいて、パスロスを算出するパスロス算出ステップ;
前記パスロスに基づいて、上りリンクの送信電力の推定値、上りリンクのSIRの推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを算出する上りリンク品質情報算出ステップ;
前記上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのSIRの推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを出力する出力ステップ;
を有することを特徴とするデータ取得方法。
【請求項26】
基地局装置より送信される第3の信号を受信する受信ステップ;
前記第3の信号に含まれる情報に基づいて、上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを算出する上りリンク品質情報算出ステップ;
前記上りリンクの第4の信号の送信電力の推定値、上りリンクのスループットの推定値、UE Power Headroomを出力する出力ステップ;
を有することを特徴とするデータ取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−257263(P2012−257263A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−157285(P2012−157285)
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【分割の表示】特願2009−528094(P2009−528094)の分割
【原出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】