説明

受光装置

【課題】入力光に応じた信号を出力する受光装置に関し、簡単な構成で内部回路の検査を行なうことができる受光装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、入力光に応じた信号を出力する受光装置であって、入力光に応じた検出信号を出力する複数の受光素子(PDA、PDA´)と、複数の受光素子(PDA、PDA´)から出力された検出信号(VA、VA´)を比較し、比較結果に基づいて出力信号を出力する出力回路(16)と、テスト信号のレベルに応じて出力回路(16)に供給される複数の検出信号(VA、VA´)のいずれかを制御するテスト回路(111)とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は受光装置に係り、特に、入力光に応じた信号を出力する受光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被測定物の直線運動や回転運動等の動きを検出してコンピュータ等のデジタル機器に入力するための装置として、被測定物の動きに応じたパルスを発生するエンコード装置が従来から利用されている。
【0003】
エンコーダ装置は、開孔が並んだ方向の移動をする部材と、開孔を通過した光を検出する受光素子と、受光素子の各受光部の検出出力から出力パルスを発生する信号処理部を持つ構成とされている(特許文献1参照)。
【0004】
図6は従来の受光装置の一例のブロック構成図を示す。
【0005】
従来の受光装置1は、基準電圧回路11、フォトダイオードPDA、PDA´、入力回路12、13、カレントミラー回路14、15、コンパレータ16、抵抗RA、RA´から構成されている。
【0006】
基準電圧回路11は、端子T11に接続されており、端子T11に印加される電源電圧Vccから基準電圧Vrefを生成する。基準電圧回路11で生成された基準電圧Vrefは、フォトダイオードPDA及びフォトダイオードPDA´のカソードに印加される。
【0007】
フォトダイオードPDAとフォトダイオードPDA´とは、隣接して配置されており、受光装置1をモータなどに実装した時には、遮光板により一方に光が入射しているときには、他方は遮光された状態となるように配置されており、遮光板の移動に伴って、フォトダイオードPDAとフォトダイオードPDA´とに入射する光量が変化してフォトダイオードPDAに流れる電流量とフォトダイオードPDA´に流れる電流量とに差が生じる。
【0008】
フォトダイオードPDAは、アノードが入力回路12に接続されている。また、フォトダイオードPDA´は、アノードが入力回路13に接続されている。
【0009】
入力回路12は、npnトランジスタQAから構成されている。トランジスタQAは、ベースにフォトダイオードPDAのアノードが接続され、コレクタにカレントミラー回路14が接続され、エミッタに端子T12が接続されている。端子T12は、接地される。
【0010】
トランジスタQAは、フォトダイオードPDAの入射光量に応じた電流をカレントミラー回路14から引き込んでいる。
【0011】
カレントミラー回路14は、pnpトランジスタQ1、Q2から構成されており、トランジスタQAから引き込まれる電流に応じた電流をトランジスタQ2のコレクタから出力する。カレントミラー回路14の出力電流は、抵抗RAに供給される。抵抗RAは、カレントミラー回路14の出力電流に応じた電圧を、カレントミラー回路14を構成するトランジスタQ2のコレクタと抵抗RAとの接続点に発生する。カレントミラー回路14を構成するトランジスタQ2のコレクタと抵抗RAとの接続点はコンパレータ16の反転入力端子に接続されている。
【0012】
入力回路13は、npnトランジスタQA´から構成されている。トランジスタQA´は、ベースにフォトダイオードPDA´のアノードが接続され、コレクタにカレントミラー回路15が接続され、エミッタに接地された端子T12が接続されている。
【0013】
トランジスタQA´は、フォトダイオードPDA´の入射光量に応じた電流をカレントミラー回路14から引き込んでいる。
【0014】
カレントミラー回路15は、pnpトランジスタQ4、Q5から構成されており、トランジスタQA´から引き込まれる電流に応じた電流をトランジスタQ5のコレクタから出力する。カレントミラー回路15の出力電流は、抵抗RA´に供給される。抵抗RA´は、カレントミラー回路15の出力電流に応じた電圧VA´を、カレントミラー回路15を構成するトランジスタQ5のコレクタと抵抗RA´との接続点に発生する。
【0015】
カレントミラー回路15を構成するトランジスタQ5のコレクタと抵抗RA´との接続点はコンパレータ16の非反転入力端子に接続されている。コンパレータ16は、電圧VAと電圧VA´との差電圧を出力電圧Voutとして端子T13より出力する。
【0016】
図7は従来の一例の動作説明図を示す。
【0017】
従来の受光装置1では、フォトダイオードPDAへの入射光PAとフォトダイオードPDA´への入射光PA´とが同一の場合には、コンパレータ16の反転入力端子に印加される電圧VAとコンパレータ16の非反転入力端子に印加される電圧VA´とが略等しくなるので、出力端子T13から出力される出力電圧Voutは不定となる。
【0018】
また、フォトダイオードPDAへの入射光PAがフォトダイオードPDA´への入射光PA´より十分に大きければ、コンパレータ16の反転入力端子の電圧VAがコンパレータ16の非反転入力端子の電圧VA´より大きくなるので、コンパレータ16の出力はローレベルとなり、よって、出力端子T13から出力される出力電圧Voutはローレベルとなる。
【0019】
さらに、フォトダイオードPDA´への入射光PA´がフォトダイオードPDAへの入射光PAより十分に大きければ、コンパレータ16の非反転入力端子の電圧VA´がコンパレータ16の反転入力端子の電圧VAより大きくなるので、コンパレータ16の出力はハイレベルとなり、よって、出力端子T13から出力される出力電圧Voutはハイレベルとなる。
【特許文献1】特開平6−18290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかるに、従来の受光装置を検査する場合、フォトダイオードPDAへの入射光PAとフォトダイオードPDA´への入射光PA´とを調整する必要がある。このとき、フォトダイオードPDAとフォトダイオードPDA´とはそのピッチが数十μm、例えば、50μmと非常に近接して配置されているため、フォトダイオードPDAへの入射光PAとフォトダイオードPDA´への入射光PA´とを異ならせることは非常に困難であった。このため、例えば、パッケージング後、実際の使用状況と同様な状態で検査が行なわれ、ウェハ検査は行なわれていないのが実情であった。
【0021】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で内部回路の検査を行なうことができる受光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、入力光に応じた信号を出力する受光装置であって、入力光に応じた検出信号を出力する複数の受光素子(PDA、PDA´)と、複数の受光素子(PDA、PDA´)から出力された検出信号(VA、VA´)を比較し、比較結果に基づいて出力信号を出力する出力回路(16)と、テスト信号のレベルに応じて出力回路(16)に供給される複数の検出信号(VA、VA´)のいずれかを制御するテスト回路(111)とを有することを特徴とする。
【0023】
テスト回路(111)は、テスト信号(Vtest1、Vtest2、Vtest3)に応じた第1の電圧V11を生成する第1の電圧生成回路(R11、R12)と、テスト信号(Vtest1、Vtest2、Vtest3)から基準電圧(V12)を生成する第2の電圧生成回路(R13、D11、Q11)と、第1の電圧(V11)と基準電圧(V12)とを比較する比較回路(121)と、比較回路(121)の比較結果に応じて出力回路(16)に供給される検出信号を制御する制御回路(Q14、Q13)とを有することを特徴とする。
【0024】
テスト回路(111)は、テスト信号に応じて比較回路(121)への電源の供給を制御する電源制御回路(Q12)を有することを特徴とする。
【0025】
テスト回路(111)は、テスト信号(Vtest1、Vtest2、Vtest3)のレベルに応じて出力回路(16)に供給される複数の検出信号(VA、VA´)のいずれか一つの検出信号を接地レベルとすることを特徴とする。
【0026】
なお、上記参照符号はあくまでも参考であり、これによって特許請求の範囲が限定されるものではない。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、テスト信号のレベルに応じて出力回路に供給される複数の検出信号のいずれかを制御することによりテストを行なうことにより、入力光を調整することなく、テストを行なうことができ、また、一つのテスト端子で対応が可能となり、端子数を減少させることができ、省スペース化することができる等の特長を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
〔構成〕
図1は本発明の一実施例の回路構成図を示す。同図中、図6と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0029】
本実施例の受光装置100は、基準電圧回路11、入力回路12、13、カレントミラー回路14、15、コンパレータ16、フォトダイオードPDA、PDA´、抵抗RA、RA´に加えて、テスト回路111を設けた構成とされている。
【0030】
図2はテスト回路111の回路構成図を示す。
【0031】
テスト回路111は、抵抗R11〜R13、ダイオードD11、NPNトランジスタQ11〜Q14、コンパレータ121から構成されている。抵抗R11、R12は、テスト端子T14と接地端子T12との間に直列に接続されている。抵抗R11と抵抗R12との接続点はコンパレータ121の非反転入力端子に接続されている。
【0032】
また、抵抗R13は、一端がテスト端子T14に接続され、他端がダイオードD11のアノードに接続されている。ダイオードD11のカソードは、トランジスタQ11のコレクタ及びトランジスタQ11、Q12のベースに接続されている。トランジスタQ11のエミッタは、接地端子T12に接続されている。また、トランジスタQ12は、コレクタ−エミッタがコンパレータ121と接地端子T12との間に接続されている。
【0033】
トランジスタQ11、Q12は、カレントミラー回路を構成しており、トランジスタQ11に流れる電流と同等の電流がトランジスタQ12に流れる。トランジスタQ12のコレクタ、エミッタは、コンパレータ121と接地端子T12との間に接続されており、コンパレータ121の電源の供給を制御しており、コンパレータ121の動作をオン/オフする。
【0034】
コンパレータ121は、抵抗R11と抵抗R12との接続点の電圧V11と抵抗R13とダイオードD11との接続点の電圧V12とを比較する。コンパレータ121は、電圧V11が電圧V12より大きければ、非反転出力端子をハイレベルとし、反転出力端子をローレベルとする。また、コンパレータ121は、電圧V11が電圧V12より小さければ、非反転出力端子をローレベルとし、反転出力端子をハイレベルとする。
【0035】
コンパレータ121の非反転出力端子は、トランジスタQ13のベースに接続されている。また、コンパレータ121の反転出力端子は、トランジスタQ14のベースに接続されている。
【0036】
トランジスタQ13は、コレクタがコンパレータ16の非反転入力端子に接続され、エミッタが接地端子T12に接続されている。また、トランジスタQ14は、コレクタがコンパレータ16の反転入力端子に接続され、エミッタが接地端子T12に接続されている。
【0037】
テスト端子T14には、テスト時に第1〜第3のテスト電圧Vtest1、Vtest2、Vtest3のいずれかが印加される。第1のテスト電圧Vtest1は、第1の閾値電圧をV1とすると、
0<=Vtest1<V1
に設定されている。
【0038】
第2のテスト電圧Vtest2は、第2の閾値電圧をV2(>V1)とすると、
V1<=Vtest2<V2
に設定されている。
【0039】
第3のテスト電圧Vtest3は、第3の閾値電圧をV3(>V2)とすると、
V2<=Vtest3<V3
に設定されている。
【0040】
テスト回路111は、テスト端子T14に第1のテスト電圧Vtest1が供給された状態では、ダイオードD11がオフし、カレントミラー回路を構成するトランジスタQ11、Q12がオフし、電源が供給されない状態となる。これによって、コンパレータ121の動作が停止状態となり、コンパレータ121の非反転出力及び反転出力はともにローレベルとなる。
【0041】
このため、トランジスタQ13、Q14は共にオフする。トランジスタQ13、Q14がともにオフすることにより、コンパレータ16の非反転入力端子、反転入力端子には、電圧VA´、VAがそのまま供給される。
【0042】
また、テスト端子T14に第2のテスト電圧Vtest2が供給された状態では、ダイオードD11がオンし、カレントミラー回路を構成するトランジスタQ11、Q12がオンし、電源が供給された状態となる。これによって、コンパレータ121が動作状態となる。また、このとき、例えば、抵抗R11、R13の設定により電圧V11が電圧V12より小さいとすると、コンパレータ121の非反転出力はローレベル、反転出力はハイレベルとなる。
【0043】
コンパレータ121の非反転出力がローレベル、反転出力がハイレベルとなることにより、トランジスタQ13はオフ、トランジスタQ14はオンする。
【0044】
トランジスタQ13がオフすることによりコンパレータ16の非反転入力端子には電圧VA´が供給され、トランジスタQ14がオンすることによりコンパレータ16の反転入力端子はローレベル、略接地レベルとされる。
【0045】
さらに、テスト端子T14に第3のテスト電圧Vtest3が供給された状態では、コンパレータ121は動作状態であり、電圧V11が電圧V12より大きくなる。これによって、コンパレータ121の非反転出力はハイレベル、反転出力はローレベルとなる。
【0046】
コンパレータ121の非反転出力がハイレベル、反転出力がローレベルとなることにより、トランジスタQ13はオン、トランジスタQ14はオフする。
【0047】
トランジスタQ13がオンすることによりコンパレータ16の非反転入力端子はローレベル、略接地レベルとなり、トランジスタQ14がオフすることによりコンパレータ16の反転入力端子に電圧VAがそのまま印加されることになる。
【0048】
このように、一つのテスト端子T14に印加するテスト電圧Vtest1、Vtest2、Vtest3を切り替えることにより、コンパレータ16の非反転入力端子及び反転入力端子の状態を電圧VA、VA´を制御することなく変えることができる。これによって、フォトダイオードPDA、PDA´への入射光PA、PA´を均一にしたままでテストを行なうことができる。
【0049】
〔動作〕
図3は本発明の一実施例の動作説明図を示す。
【0050】
本実施例の受光装置100の動作を説明する。
【0051】
まず、フォトダイオードPDAへの入射光PA、及び、フォトダイオードPDA´への入射光PA´を均一な状態として、テスト端子T14に第1テスト電圧Vtest1を印加する。
【0052】
この場合、テスト回路111のトランジスタQ13、Q14は共にオフであるので、コンパレータ16の反転入力端子には電圧VAがコンパレータ16の非反転入力端子には電圧VA´がそのまま供給される。このとき、入射光PA、PA´は均一であるので、電圧VA、VA´は略等しくなる。よって、回路が正常な状態であれば、コンパレータ16の出力は不定状態となり、したがって、出力端子T13の出力電圧Voutは不定となる。
【0053】
また、テスト端子T14に第2のテスト電圧Vtest2を印加すると、テスト回路111のトランジスタQ13はオフ、トランジスタQ14はオンするので、コンパレータ16の反転入力端子はローレベルとなり、コンパレータ16の非反転入力端子には電圧VA´がそのまま供給される。これによって、回路が正常な状態であれば、コンパレータ16の出力はハイレベルとなり、したがって、出力端子T13の出力電圧Voutはハイレベルとなる。
【0054】
さらに、テスト端子T14に第3のテスト電圧Vtest2を印加すると、テスト回路111のトランジスタQ13はオン、トランジスタQ14はオフするので、コンパレータ16の反転入力端子には電圧VAがそのまま供給され、コンパレータ16の非反転入力端子はローレベルとなる。これによって、回路が正常な状態であれば、コンパレータ16の出力はローレベルとなり、したがって、出力端子T13の出力電圧Voutはローレベルとなる。
【0055】
〔検査方法〕
次に受光装置100の検査方法について説明する。
【0056】
図4は検査システムのブロック構成図を示す。
【0057】
検査システム200は、検査装置211、ドライブ回路212、プローブ213−1〜213−4、照明装置214から構成されており、受光装置100をウェハ300上に搭載された状態で検査する。ウェハ300上には、多数の受光装置100が搭載されている。
【0058】
検査装置211は、予め設定されたプログラムによりドライブ回路212及び照明装置214を制御し、受光装置100の検査を行なう。ドライブ回路212は、検査装置211からの制御信号によりプローブ213−1、213−2、213−4に電圧を印加するとともに、プローブ213−3の電圧を検出し、検査装置211に供給する。プローブ213−1は、受光装置100の端子T11に接触する。プローブ213−2は、受光装置100の端子T12に接触する。プローブ213−3は、受光装置100の端子T13に接触する。プローブ213−4は、受光装置100の端子T14に接触する。
【0059】
次に、検査時の動作を説明する。
【0060】
図5は検査装置211の検査時のフローチャートを示す。
【0061】
検査装置211は、まず、ステップS1−1で照明装置214を駆動し、ウェハ300全体に均一に光を照射する。
【0062】
検査装置211は、ステップS1−2で端子T11に電源電圧Vccを印加し、端子T12を接地し、ステップS1−3でテスト端子T14に第2のテスト電圧Vtest2を印加する。これによって、コンパレータ16の反転入力端子をローレベルとし、コンパレータ16の非反転入力端子に電圧VA´を印加できる。このため、受光装置100が正常な状態であれば、コンパレータ16の出力はハイレベルとなり、出力端子T13の出力電圧Voutはハイレベルとなる。
【0063】
検査装置211は、ステップS1−4で出力端子T13の出力電圧Voutを監視し、ステップS1−5で出力端子T13の出力電圧Voutがハイレベルであれば、次に、ステップS1−6でテスト端子T14に第3のテスト電圧Vtest3を印加する。これによって、コンパレータ16の非反転入力端子をローレベルとし、コンパレータ16の反転入力端子に電圧VAを印加できる。このため、受光装置100が正常な状態であれば、コンパレータ16の出力はローレベルとなり、出力端子T13の出力電圧Voutはローレベルとなる。
【0064】
検査装置211は、ステップS1−7で出力端子T13の出力電圧Voutを監視し、ステップS1−8で出力端子T13の出力電圧Voutがローレベルであれば、ステップS1−9で受光装置100は正常な状態であると判断して処理を終了する。また、検査装置211は、ステップS1−5で出力端子T13の出力電圧Voutがローレベル又はステップS1−8で出力端子T13の出力電圧Voutがハイレベルであると判定されると、受光装置100にエラーがあると判断して、ステップS1−10でエラー通知を行なう。
【0065】
なお、検査後、検査装置211により正常であると判定された受光装置100はウェハ300から切断され、リードフレームに搭載される。リードフレームに搭載された後、端子T11〜T14がリードにワイヤボンディングなどによって配線される。このとき、テスト端子T14、T12は、接地レベルとされるリードに配線される。これによって、製品時には、テスト端子T14は、接地レベルとされ、トランジスタQ13、Q14を常時オフ状態とし、テスト回路111は非動作状態とされる。
【0066】
〔効果〕
本実施例によれば、フォトダイオードPDA、PDA´に均一な光を照射した状態で、テスト端子T14に印加する電圧を第2のテスト電圧Vtest2と第3のテスト電圧Vtest3とで切り替え、出力端子T13から出力される出力電圧Voutを検出することにより、受光装置100の内部回路の検査を行うことができる。よって、微妙な光量の制御が不要となり簡単に検査を行なうことができる。また、本実施例によれば、ウェハ検査を簡単に実現できる。
【0067】
〔その他〕
なお、本実施例では、2つのフォトダイオードPDA、PDA´が搭載された受光装置100を例に説明を行なったが、1つ或いは3つ以上のフォトダイオードが搭載された受光装置についても同様に内部回路の検査を行なうことができることは言うまでもない。また、本実施例では、受光素子としてフォトダイオードを例に説明を行なったが、受光素子はフォトダイオードに限定されるものではなく、フォトトランジスタなどの他の受光素子でも同様な検査を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施例のブロック構成図である。
【図2】テスト回路111の回路構成図である。
【図3】本発明の一実施例の動作説明図である。
【図4】検査システムのブロック構成図である。
【図5】検査装置211の検査時のフローチャートである。
【図6】従来の一例のブロック構成図である。
【図7】従来の一例の動作説明図である。
【符号の説明】
【0069】
100 受光装置
PDA、PDA´ フォトダイオード
11 基準電圧回路、12、13 入力回路、14、15 カレントミラー回路
16 コンパレータ
RA、RA´ 抵抗
T14 テスト端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力光に応じた信号を出力する受光装置であって、
前記入力光に応じた検出信号を出力する複数の受光素子と、
前記複数の受光素子から出力された検出信号を比較し、比較結果に基づいて出力信号を出力する出力回路と
テスト信号のレベルに応じて前記出力回路に供給される前記複数の検出信号のいずれかを制御するテスト回路とを有することを特徴とする受光装置。
【請求項2】
前記テスト回路は、前記テスト信号に応じた第1の電圧を生成する第1の電圧生成回路と、
前記テスト信号から基準電圧を生成する第2の電圧生成回路と、
前記第1の電圧と前記基準電圧とを比較する比較回路と、
前記比較回路の比較結果に応じて前記出力回路に供給される検出信号を制御する制御回路とを有することを特徴とする請求項1記載の受光装置。
【請求項3】
前記テスト回路は、前記テスト信号に応じて前記比較回路への電源の供給を制御する電源制御回路を有することを特徴とする請求項2記載の受光装置。
【請求項4】
前記テスト回路は、前記テスト信号のレベルに応じて前記出力回路に供給される前記複数の検出信号のいずれか一つの検出信号を接地レベルとすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の受光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−12905(P2007−12905A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−192402(P2005−192402)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】