説明

口中ケア組成物

【課題】味などの使用感が良好で、口腔内に適用直後の消臭効果が高く、口臭抑制効果の持続性にも優れ、かつ長期保存時の色調の安定性やラッカーゼの保存安定性に優れた口中ケア組成物を提供する。
【解決手段】(A)シソ科植物抽出物を0.001〜5質量%、(B)ラッカーゼを0.001〜3質量%、(C)ラクトフェリンを0.01〜10質量%含有してなる口中ケア組成物。更に、(D)デキストラナーゼ及び/又はムタナーゼを含有する上記口中ケア組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、味などの使用感が良好で、適用直後の消臭効果が高く、口臭抑制効果の持続性にも優れ、長期保存後に組成物の色調の安定性が優れると共に、ラッカーゼの安定性が高い口中ケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
口臭は、口腔の汚れ(食物残渣、剥離粘膜など)が口臭の原因菌により分解されて発生するメチルメルカプタンや硫化水素などの揮発性硫化物が主要な成分である。
【0003】
従来、口臭を抑制する技術として、消臭力を有する植物抽出物を配合することでメチルメルカプタンなどの口臭原因物質を補足・消臭する方法(特許文献1,2;特公平1−204278号公報、特開昭61−240960号公報)、パパインなどのタンパク分解酵素等の酵素を配合し、口臭の原因となる口腔の汚れを除去する方法(特許文献3,4;特開昭52−38026号公報、特開昭60−58150号公報)、口臭抑制効果があることが知られているシンナミックアルデヒド、ベンズアルデヒドなどの香料成分を活用する方法(特許文献5;特開平11−228367号公報)が提案されている。しかし、これらの消臭剤は消臭力が弱く、効果が不十分であった。また、多量に配合した場合には、味などの使用感や長期保存後の変色の問題があった。
【0004】
消臭力を有する紅藻植物、褐藻植物、裸子植物、被子植物やフェノール性化合物などに酸化還元酵素、酸化還元剤を組み合わせることで消臭活性を高め、少量の配合で高い消臭力を引き出す方法が提案されている(特許文献6〜10;特開昭63−309269号公報、特開平1−16713号公報、特開平9−38183号公報、特開2008−43283号公報、特開2004−321077号公報)。更に、ローズマリー又はその抽出物とポリフェノールオキシダーゼ(ラッカーゼ)とウメガサソウ属の植物又はその抽出物の組み合わせにより、ラッカーゼの高温での保存安定性を向上させたチューインガム組成物が提案されている(特許文献11;特開2009−136240号公報)。しかし、これらの技術は、発生している口臭原因物質を補足する上では有効であるが、口臭抑制効果の持続性については未だ不十分であった。
【0005】
出願人は、シソ科植物又はその抽出物及びサンショウの種子又はその抽出物を組み合わせて配合することで適用直後の消臭効果と持続性に優れ、更にラッカーゼを配合することで口臭抑制効果がより高まる口腔内組成物を提案した(特許文献12;特開2005−289918号公報)。しかし、この技術では、ラッカーゼを配合すると、長期保存においてラッカーゼの保存安定性が低下し易く、この点に改善の余地があった。
【0006】
一方、ラクトフェリンを含有する粉末組成物(特許文献13;特開2003−137809号公報)、シソ科植物抽出物とラクトフェリンの組み合わせによる口臭除去剤(特許文献14;特開2004−67530号公報)、エピガロカテキンガレートとラクトフェリンを組み合わせた組成物(特許文献15;特開2005−533864号公報)が提案されている。特許文献16(特開2008−13458号公報)には、エピガロカテキンガレート又はその誘導体を有効成分とするバイオフイルム抑制剤が提案され、任意成分としてラクトフェリンやラッカーゼが利用可能であることが記載されている。特許文献17(特表2009−511078号公報)には、オキシダーゼ、過酸化水素を生成可能な基質を用いた組成物が提案され、生成する過酸化水素により、ホワイトニングや漂白、防腐剤などとしてオーラルケア製品等に利用され、歯周病治療などにも使用可能であることが記載され、過酸化水素を迅速に生成する共役酵素系の任意成分としてラッカーゼ、ラクトフェリンが配合可能なことが記載されている。しかし、これらの技術では、口臭抑制効果の持続性が不十分であった。
【0007】
特許文献18(特開2005−65750号公報)には、フェノール性化合物とそれを酸化することができる酵素を含み、排泄物の消臭を目的とした消臭剤含有組成物が提案され、フェノール性化合物の一例として植物起源のフェノール性化合物、それを酸化する酵素の一例としてラッカーゼ、動物飼料に配合する任意成分としてラクトフェリンが記載されている。しかし、この技術は、各成分の組み合わせ及び配合量などが不明確であり、十分な消臭効果、口臭抑制効果の持続性、及びラッカーゼの長期保存における安定化効果が得られるものではない。
【0008】
上記したように従来の口臭抑制の技術は、使用感、消臭効果、効果の持続性、経時保存安定性といった種々の課題があり、これら課題の全てが解消され、高い口臭抑制効果が発揮される上に使用感や保存安定性にも優れた口中ケア組成物の開発が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特公平1−204278号公報
【特許文献2】特開昭61−240960号公報
【特許文献3】特開昭52−38026号公報
【特許文献4】特開昭60−58150号公報
【特許文献5】特開平11−228367号公報
【特許文献6】特開昭63−309269号公報
【特許文献7】特開平1−16713号公報
【特許文献8】特開平9−38183号公報
【特許文献9】特開2008−43283号公報
【特許文献10】特開2004−321077号公報
【特許文献11】特開2009−136240号公報
【特許文献12】特開2005−289918号公報
【特許文献13】特開2003−137809号公報
【特許文献14】特開2004−67530号公報
【特許文献15】特開2005−533864号公報
【特許文献16】特開2008−13458号公報
【特許文献17】特表2009−511078号公報
【特許文献18】特開2005−65750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、味などの使用感が良好で、口腔内に適用直後の消臭効果が高く、口臭抑制効果の持続性にも優れ、かつ長期保存時の色調の安定性やラッカーゼの保存安定性に優れた口中ケア組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、シソ科植物抽出物及びラッカーゼを組み合わせ、かつラクトフェリンを併用して各成分を適切な量で配合することにより、シソ科植物抽出物とラッカーゼとの併用による消臭効果がラクトフェリンの併用によって持続的かつ有効に発揮されることを見出した。更に、ラッカーゼは長期保存時に不安定化しやすい酵素であるが、ラクトフェリンを適切に併用することによって、ラッカーゼの長期保存安定性も向上し、保存後もその効果を有効に発揮させることができることを見出した。
【0012】
即ち、本発明では、錠菓、キャンディ、グミ等の口中ケア組成物において、(A)シソ科植物抽出物、(B)ラッカーゼ、及び(C)ラクトフェリンを適切に組み合わせて配合することにより、後述する実施例からも明らかなように、味などの使用感が良好で、口腔内に適用直後及び適用から長時間経過後まで持続的に口臭を除去、抑制することができ、しかも、長期保存時に色調の安定性やラッカーゼの安定性も高く、よって、これら特性の全てに優れた口中ケア組成物を得ることができる。このような本発明の作用効果は、上記(A)〜(C)成分のいずれかを欠く場合やその配合量が不適切な場合は成し得ず、本発明の目的を達成できない。
【0013】
本発明では、シソ科植物抽出物がローズマリー、セージ、シソ、ミント、タイム、メリッサから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
また、(C)成分/〔(A)成分+(B)成分〕の割合が質量比で0.01〜480であること、また更に、(A)成分を0.01〜3質量%、(B)成分を0.01〜2質量%、(C)成分を0.1〜3質量%配合することが好ましく、これらにより上記特性をより高めることができる。
更に、本発明組成物には(D)デキストラナーゼ及び/又はムタナーゼを配合することが好ましく、これにより歯垢抑制効果にも優れ、口腔衛生をより有効に維持することができる。
【0014】
従って、本発明は下記の口中ケア組成物を提供する。
請求項1:
(A)シソ科植物抽出物を0.001〜5質量%、(B)ラッカーゼを0.001〜3質量%、(C)ラクトフェリンを0.01〜10質量%含有してなることを特徴とする口中ケア組成物。
請求項2:
シソ科植物抽出物が、ローズマリー、セージ、シソ、ミント、タイム、メリッサから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の口中ケア組成物。
請求項3:
(C)成分/〔(A)成分+(B)成分〕が質量比で0.01〜480である請求項1又は2記載の口中ケア組成物。
請求項4:
(A)成分を0.01〜3質量%、(B)成分を0.01〜2質量%、(C)成分を0.1〜3質量%含有する請求項1、2又は3記載の口中ケア組成物。
請求項5:
更に、(D)デキストラナーゼ及び/又はムタナーゼを含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の口中ケア組成物。
請求項6:
錠菓、キャンディ又はグミとして調製される請求項1乃至5のいずれか1項記載の口中ケア組成物。
【発明の効果】
【0015】
本発明の口中ケア組成物は、味などの使用感が良好で、適用直後の消臭効果が高く、口臭抑制効果の持続性に優れ、かつ長期保存時に色調の安定性やラッカーゼの安定性が高く、保存後も効果を有効に発揮させることができ、口臭の予防又は抑制に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を更に詳しく説明する。本発明の口中ケア組成物は、(A)シソ科植物抽出物、(B)ラッカーゼ、(C)ラクトフェリンを配合してなることを特徴とする。
【0017】
(A)シソ科植物抽出物は、消臭成分として配合されるもので、ローズマリー、セージ、シソ、ミント、タイム、メリッサ、セージ、マジョラム、オレガノ、バジル、ナギナタコウジュ、ラベンダー、ベルガモットから選ばれる少なくとも1種のシソ科植物抽出物が使用でき、1種単独でも2種以上混合してもよい。中でもローズマリー、セージ、シソ、ミント、タイム、メリッサから選ばれる植物の抽出物が好ましく、とりわけローズマリー及び/又はセージの植物抽出物がより好ましい。
【0018】
シソ科植物抽出物は、公知のものが使用できる。例えばローズマリー、セージ、シソ、ミント、タイム、メリッサなど上記シソ科植物の葉及び茎を原料としたものを粉砕し、極性溶媒及び/又は非極性溶媒(例えば、水、エチルエーテル、エチレンクロライド、ジオキサン、アセトン、エタノール、メタノール、酢酸エチル、プロピレングリコール等の極性溶媒、あるいはn−ヘキサン、石油エーテル、リグロイン、シクロヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、トルエン、ベンゼン等の非極性溶媒、又はこれらの混合溶媒)で抽出することにより得られた抽出エキス、及びその抽出残渣から選ばれる原料に対し、溶媒抽出処理を行って得られた抽出物、並びに、上記植物より単離されるカルノソール、カルノジン酸、7,11,12−トリヒドロキシ−6,10−(エポキシメタノ)アビエタ−8,11,13−トリエン−20−オン(ロズマノール)、及びこれらの塩等の消臭有効成分(特開昭59−203445号公報、特開昭57−204278号公報、特開昭59−1033665号公報参照)である。また、抽出物を乾燥させて粉末にし、デキストリン、エリスリトール、トレハロース等の賦形剤を加えて粉末化したものを用いてもよい。錠菓には粉末化した抽出物の使用が好ましく、キャンディ又はグミには、抽出液及び粉末化した抽出物の使用が好ましい。
【0019】
なお、上記溶媒抽出処理に用いる溶媒は、上記公報に記載されているように、有機溶媒でも無機溶媒でも差し支えなく、また有機溶媒と無機溶媒との混合溶媒でもよい。有機溶媒の具体例としては、エチルエーテル、エチレンクロライド、ジオキサン、アセトン、エタノール、メタノール、酢酸エチル、プロピレングリコール、n−ヘキサン、石油エーテル、リグロイン、シクロヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。また、無機溶媒としては水、それに酸、アルカリ又はこれらの塩の水溶液が使用でき、具体的には塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。なお、これらの酸、アルカリ又はこれらの塩は2モル以下の濃度で使用することが好ましい。好ましい溶媒は、水、炭素数1〜3の低級アルコール、多価アルコールである。特に、抽出溶媒は、水、エタノール、水/エタノール混合液が好ましい。また、以上に挙げた溶媒の使用量は、原料に対し等容量以上とすることが好ましい。
【0020】
シソ科植物抽出物としては、豊玉香料(株)製、小川香料(株)製などの市販品を使用できる。
シソ科植物抽出物の配合量は、適用直後に優れた消臭効果を発揮する点で、純分換算で組成全体の0.001〜5%(質量%、以下同様)、好ましくは0.01〜3%である。0.001%未満では消臭効果が十分発揮されず、5%を超えると味などの使用感に劣ったり、長期保存時の変色の原因となる。
【0021】
(B)成分のラッカーゼは、E.C.1.10.3.2に分類される酵素である。代表的な酵素反応例として、漆樹液中のラッカーゼによってウルシオールが酸化され、漆が形成されることが知られている。ラッカーゼは、漆以外にも多くの植物中、担子菌をはじめとした菌類中、微生物中に広く存在し、芳香族化合物の酸化反応を触媒する酵素である。本発明において、ラッカーゼはその起源に関わりなく使用することができる。
【0022】
ラッカーゼとしては、市販品として、例えば天野エンザイム(株)製のラッカーゼダイワY120等を用いることができる。これは、360,000単位/gのラッカーゼ純分を30%含有し、残り70%をデキストリンで賦形したものである。
また、ラッカーゼは、安定化のためカルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等のカルボン酸基をもつ高分子化合物などでコーティングしたもの、ゼラチンなどでカプセル化したものなどを用いることもできる。
【0023】
ラッカーゼの配合量は、(A)成分の消臭効果を高め、かつ口臭抑制効果の持続性を高める点で、組成物全体の3〜11,000単位/g、特に30〜7,500単位/gが好ましい。360,000単位/gのラッカーゼを基準とした場合、配合量は純分換算で組成物全体の0.001〜3%、好ましくは0.01〜2%である。配合量が0.001%未満では(A)成分の消臭効果が十分に向上せず満足な消臭効果が発揮されず、3%を超えると味などの使用性に劣ったり、長期保存時に変色が起こる。なお、ラッカーゼ1単位とは、4−アミノアンチピリンとフェノールにpH4.5、30℃で作用するとき、ラッカーゼが触媒する酸化縮合反応により生成するキノンイミン色素の505nmにおける吸光度を、反応初期1分間に0.1増加させるラッカーゼ量である。
【0024】
更に本発明では、(C)ラクトフェリンを配合するもので、これにより組成物中のラッカーゼの長期保存安定性を向上させることができ、かつ口腔内細菌の生育を抑制して消臭効果の持続性を向上させることができる。
【0025】
ラクトフェリンは、動物の体内で広く分布している分子量約8万の鉄結合性の糖タンパク質である。ラクトフェリンの生物学的機能としては、抗菌作用、抗ウィルス作用、生態防御作用及び内毒素中和作用など多様な作用が報告されている。
市販のラクトフェリンは、哺乳類(例えば人、牛、羊、山羊、馬等)の初乳、移行乳、常乳、末期乳等、又はこれらの乳の処理物である脱脂乳、ホエー等から常法(例えば、イオン交換クロマトグラフィー等)により分離したラクトフェリン、植物(トマト、イネ、タバコ)から生産されたラクトフェリンであり、本発明では、市販品を使用しても、或いは公知の方法により調製したものを使用してもよい。本発明においては、ラクトフェリンとして特にウシ由来のものが好ましく使用される。ウシ由来の市販ラクトフェリンとしては、森永乳業(株)から発売されている「森永ラクトフェリン」、日本新薬(株)から発売されている「ラクトフェリン」等があり、これらを好適に使用できる。
【0026】
ラクトフェリンの配合量は、口臭抑制効果の持続性を高め、ラッカーゼの保存安定性を高める点で、組成物全体に対して純分換算で0.01〜10%であり、特に0.1〜3%が好ましい。配合量が0.01%に満たないと、口臭抑制効果の持続性に劣ったり、ラッカーゼの長期保存安定性が低下し、10%を超えると長期保存時に変色の原因となる。
【0027】
本発明では、(A)、(B)、及び(C)成分の含有量がそれぞれ上記範囲において、360,000単位/g品のラッカーゼを基準とした場合、(C)/〔(A)+(B)〕の割合が質量比で0.01〜480、特に0.05〜150であることが、適用直後の消臭効果、口臭抑制効果の持続性、ラッカーゼの保存安定性において優れた効果を得るために有効である。上記割合が0.01未満では、口臭抑制効果の持続性やラッカーゼの長期保存安定性に劣る場合があり、480を超えると味などの使用感や、適用直後の消臭効果に劣る場合があり、また長期保存時に変色が起こる場合がある。
【0028】
本発明の組成物には、更に(D)成分として、口腔衛生の維持に有用な酵素を配合することが望ましい。配合可能な酵素の種類については、例えば、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、リゾチーム、溶菌酵素、プロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼなどが挙げられ、これらの中から少なくとも1種を単独で又は組み合わせて用いることができる。特に、口臭の原因の一つである歯垢の形成抑制作用や歯垢除去作用による消臭効果向上の観点から、(D)デキストラナーゼ及び/又はムタナーゼを好適に用いることができる。
【0029】
酵素の配合量は、酵素の種類と力価に応じた有効量とすることができる。デキストラナーゼの配合量は、12,000単位品を基準とした場合、優れた消臭効果を得る点で、組成物の0.01〜5%が好ましく、特に0.03〜3%がより好ましい。0.01%未満では、デキストラナーゼの歯垢への作用による消臭効果の向上が満足に得られない場合があり、5%を超えると味などの使用感に劣る場合がある。なお、デキストラナーゼ1単位とは、デキストランを基質として40℃、pH5で反応を行った場合に、1分間当たりにグルコース1μmolに相当する遊離還元糖を生じるデキストラナーゼの量である。
また、ムタナーゼの配合量は、6,000単位品を基準とした場合、優れた消臭効果を得る点で、組成物の0.01〜5%が好ましく、特に0.03〜3%がより好ましい。0.01%未満では、ムタナーゼの歯垢への作用による消臭効果の向上が満足に得られない場合があり、5%を超えると味などの使用感に劣る場合がある。なお、ムタナーゼ1単位とは、ムタンを基質として40℃、pH5で反応を行った場合に、1分間当たりにグルコース1μmolに相当する遊離還元糖を生じるムタナーゼの量である。
【0030】
本発明組成物の剤型は特に限定されず、口腔内に適用できるものであればよいが、菓子・食品形態であることが好ましく、適用直後の消臭効果、口臭抑制効果の持続性、及びいつでもどこでも使用可能な簡便性、携帯性の点から、錠菓、キャンディ、グミのいずれかであることが特に好ましく、とりわけ長期保存時の色調の安定性やラッカーゼの保存安定性の点から錠菓又はキャンディが好ましい。
【0031】
本発明において錠菓とは、糖質を主原料とし、打錠機等で圧縮成型したものであり、糖衣してあってもよい。錠菓は常法で製造することができ、特に限定されないが、例えば、各成分を混合し、打錠機等で5〜20kNで圧縮することにより製造することができる。
【0032】
本発明においてキャンディとしては、キャラメル、ヌガー等のソフトキャンディ、ドロップ、タフィ等のハードキャンディ等が挙げられ、特に限定されないが、高い機能性実感付与の点でハードキャンディが好ましい。ハードキャンディは常法で製造することができ、特に限定されないが、例えば、機能成分及び香料以外の原料に水を加えて140〜200℃で煮詰めた後、70〜130℃まで冷却し、機能成分及び香料を添加し、更に冷却、成型する方法で製造することができる。特に、機能成分及び香料以外の原料に水を加えて140〜200℃で煮詰めた後に、70〜100℃まで冷却し、機能成分及び香料を添加し、更に冷却、成型する方法で製造することが好ましい。
【0033】
本発明においてグミとは、賦形剤及び増粘剤を含有する咀嚼弾性のある食品であり、糖衣してあってもよい。グミの製造方法は常法で製造することができ、特に限定されないが、例えば、増粘剤に水を加えて膨潤して加温した後、別に100〜150℃で煮詰めておいた賦形剤溶液を100℃以下に冷却したものを混合して、それを50〜80℃程度まで冷却して機能成分及び香料を混合し、更に冷却、成型する方法で製造することができる。特に、機能成分及び香料を混合する時に温度を50〜70℃まで冷却して、機能成分及び香料を混合した後に、更に冷却、成型する方法で製造することが好ましい。
【0034】
錠菓、キャンディ及びグミの主原料は、賦形剤、甘味剤等であり、更には必要により、香料、増粘剤や、後述の各種成分などを添加できる。
【0035】
賦形剤としては、スクロース、グルコース、デキストロース、転化糖、フラクトース、デキストリン等の糖類、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、還元パラチノース、還元水飴等の糖アルコール、パラチノース、トレハロース、オリゴ糖などが挙げられ、これらの1種又は2種以上が含有される。中でも、非う蝕性を有する点から、糖アルコール、トレハロース、パラチノースが好ましい。特に、錠菓では成型性、風味の点から糖アルコール、トレハロース、パラチノースの少なくとも1種を含有するのが好ましく、グミでは成型性、風味の点から、糖アルコール、トレハロース、パラチノースの少なくとも1種を含有するのが好ましく、キャンディでは、低吸湿性の点から、還元パラチノース、還元水飴の少なくとも1種を含有するのが好ましい。これら賦形剤の配合量は組成全体の50〜99%、特に65〜99%が好ましい。
【0036】
錠菓、グミ及びキャンディには、上記賦形剤に加えて、ステビア、スクラロース、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム等の甘味料を含有することができる。配合量は0.001〜3%であることが好ましい。
【0037】
グミに使用する増粘剤は、ゼラチン、コラーゲン、グルコマンナン、寒天等、カラゲーナンなどのゲル化剤から選ばれる少なくとも一種が好適であり、特に、食感の点から、ゼラチンがより好ましい。増粘剤の配合量は組成全体の2〜40%、特に5〜30%が好ましい。
なお、ゼラチン又はコラーゲンは、牛、豚、鳥、又は魚などに由来し、その由来は限定されず、また、ゼラチンの処理方法及び分子量や等電点などその物理化学的諸性質に関しても限定されず、市販品を使用でき、例えば新田ゼラチン社製のもの等を使用できる。
【0038】
本発明の口中ケア組成物に配合される香料としては、天然香料、合成香料などの油性香料や粉末香料の1種又は2種以上を使用することができるが、特に限定されない。例えば天然香料として、マスティック油、パセリ油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、レモン油、コリアンダー油、オレンジ油、マンダリン油、ライム油、ローレル油、カモミール油、カルダモン油、キャラウェイ油、ベイ油、レモングラス油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートローズ、オレンジフラワー、シトラス油、ミックスフルーツ油、ストロベリー油、シナモン油、クローブ油、グレープ油等が挙げられる。
単品香料としては、アネトール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルアンスラニレート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチノンアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルフェイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等が挙げられる。単品香料及び/又は天然香料も含む調合香料として、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、ヨーグルトフレーバー、フルーツミックスフレーバー等が挙げられる。また、香料の形態は、精油、抽出物、固形物、又はこれらを噴霧乾燥した粉体でも構わない。香料の配合量は組成物全体の0.001〜15%、特に0.001〜10%とすることが好ましい。
【0039】
本発明の口中ケア組成物には、必要に応じて、その他の添加剤、例えば、乳化剤、酸味料、光沢剤、滑沢剤、pH調整剤、着色剤、保存料、除電剤等を、更に錠菓には崩壊剤、結合剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜添加してもよい。
【0040】
乳化剤としては、非イオン界面活性剤として、糖又は糖アルコールの脂肪酸エステルであるショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、マルトトリイトール脂肪酸エステル、マルトテトレイトール脂肪酸エステル、マルトペンタイトール脂肪酸エステル、マルトヘキサイトール脂肪酸エステル、マルトヘプタイトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステルなどが挙げられる。その他、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが使用可能である。脂肪酸は炭素数12〜18のものを用いることが好ましい。
更に、両性界面活性剤として2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ラウリルメチルアミノ酢酸ベタインなどを配合できる。アニオン界面活性剤としてN−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ミリストイルサルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシンナトリウム、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、N−ミリストイルメチルタウリンナトリウムなどのN−メチル−N−アシルタウリンナトリウムなどを配合することが可能である。
【0041】
これらの中では、乳化剤として特に非イオン界面活性剤が、口腔粘膜刺激性など使用感の面から好ましく、とりわけ糖又は糖アルコールの脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルがより好ましい。これら界面活性剤の配合は任意であるが、配合する場合、配合量は0.01〜3%が好ましい。
【0042】
また、酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸などの有機酸を配合することができる。酸味料を配合する場合、その配合量は0.001〜5%が好ましい。
また、滑沢剤としてはグリセリン脂肪酸エステル等を配合できる。
【0043】
更に、着色剤としてベニバナ赤色素、クチナシ黄色素、クチナシ青色素、シソ色素、紅麹色素、赤キャベツ色素、ニンジン色素、ハイビスカス色素、カカオ色素、スピルリナ青色素、クマリンド色素などの天然色素や赤色3号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号などの法定色素、リボフラビン、銅クロロフィンナトリウム、二酸化チタンなどが挙げられる。pH調整剤としてクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸などの有機酸とそのナトリウム塩やカリウム塩、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどのリン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩などが挙げられる。保存料として安息香酸及びその塩、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなどのパラベン類(パラオキシ安息香酸エステル)、ソルビン酸及びその塩などが挙げられる。光沢剤としてシェラック、カルナウバロウ、キャンデリラロウなどのワックス類及びステアリン酸カルシウムなどを、また、除電剤、流動化剤として微粒子ニ酸化ケイ素などを配合することができる。これらの配合は任意であるが、配合する場合、着色剤は0.00001〜3%、その他の成分は0.01〜5%が好ましい。
【0044】
更に、錠菓においては崩壊剤としてアルファー化デンプン、アルギン酸ナトリウム、クロスポピドン、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カラヤガムなどを配合することができる。これらを配合する場合、配合量は0.1〜10%が好ましい。
【実施例】
【0045】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下に示す%は特に記載のない限りいずれも質量%を意味する。
【0046】
〔実施例、比較例〕
表1〜17に示す組成の口中ケア組成物を下記方法で錠菓、グミ又はキャンディの剤型に調製し、下記方法で評価した。結果を表1〜17に示す。なお、(A)成分及び(B)成分の配合量(%)の表中の記載については、上段に配合量を、下段の括弧内に純分換算値を示し、(C)成分は純分換算した値を表中に示した。また、(C)/〔(A)+(B)〕は、(A)及び(B)成分、(C)成分のそれぞれの純分換算値を用いて計算した値を示す。
【0047】
<錠菓組成物の調製>
表1〜6に示す組成に従い、全成分を均一に混合した後、打錠機〔(株)富士薬品機械製〕を用いて、約10kNの圧力で重量1g、直径13mmφの錠菓を1kg作製した。
【0048】
<キャンディ組成物の調製>
表7〜11に示す組成に従い、機能成分及び香料以外の各成分を混合し、賦形剤量の50%程度の水を加え、加熱溶解し、更に約180℃で加熱し濃縮した。その後、ゆっくりとかき混ぜながら放冷し、80℃前後にて機能成分及び香料を加えて均一に混合し、約3g/粒となるように成型し、キャンディを1kg作製した。
【0049】
<グミ組成物の調製>
表12〜16に示す組成に従い、水でゼラチンを膨潤して80℃に加熱した後に、120℃で溶解し濃縮した糖質液を80℃に冷却して添加混合した。その後、ゆっくりとかき混ぜながら放冷し、60℃にて機能成分及び香料を加えて均一に混合し、更に冷却後、約3g/粒となるように成型し、グミを1kg作製した。
【0050】
実験;
口臭の強い男女20名を対象に、サンプル(口中ケア組成物。以下、同様。)3gを適用し、下記評価を行った。評価法、評価基準は以下の通りである。
【0051】
(1)使用感(味)の評価
使用中の味を以下の基準で評価した。
5点:全く異味を感じない
4点:ほとんど異味を感じない
3点:わずかに異味を感じる
2点:かなり異味を感じる
1点:非常に異味を感じる
以上の基準にて評価した結果から平均点を算出し、下記の通り評価した。○以上を良好なレベルと判断した。
◎:4.5点以上
○:4点以上4.5点未満
△:3点以上4点未満
×:3点未満
【0052】
(2)適用直後(使用直後)の消臭効果の評価
使用者がサンプル3gを適用し、口中からなくなった直後に口閉し、1分後の口腔内の呼気をテドラーバックに200mL採取した。この採取サンプル(呼気)の口臭の強さについて、専門評価者1名によって摂取前の呼気と臭気強度を比較し、以下の基準で評価した。
5点:著しく抑制された
4点:抑制された
3点:わずかに抑制された
2点:変わらなかった
1点:摂取前より強くなった
以上の基準にて評価した結果から平均点を算出し、以下の基準にて評価した。○以上を良好なレベルと判断した。
◎:4.5点以上
○:4点以上4.5点未満
△:3点以上4点未満
×:3点未満
【0053】
(3)口臭抑制効果の持続性の評価
サンプル3gを適用後、60分経過後の口臭抑制実感を下記の基準にて評価した。
7点:非常に感じる
6点:かなり感じる
5点:やや感じる
4点:どちらともいえない
3点:あまり感じない
2点:ほとんど感じない
1点:全く感じない
以上の基準にて評価した結果から平均点を算出し、以下の基準にて評価した。○以上を良好なレベルと判断した。
◎:6点以上
○:5点以上6点未満
△:4点以上5点未満
×:4点未満
【0054】
(4)長期保存後の安定性(変色)の評価
サンプル約50gを容量150mLのアルミパウチに封入し、5℃及び室温に1年間保存した。1年保存後に取り出して、外観の色調の変化を評価した。5℃に1年間保存した対照品と比較して、以下の基準にて評価した。○以上を良好なレベルと判断した。
◎:対照と比較して変化無し
○:対照と比較してごくわずかに変色が認められるが、単独での識別が困難で問
題ないレベル
△:対照と比較してやや変色が認められる
×:対照と比較して著しい変色が認められる
【0055】
(5)ラッカーゼの長期保存安定性の評価
サンプル約50gを容量150mLのアルミパウチに封入し、室温に1年間保存した。保存開始前及び室温1年保存後に、以下の方法でラッカーゼ活性を測定した。
250mmol/Lのフェノール溶液1mL、9mmol/Lの4−アミノアンチピリン溶液1mL、1mol/Lの酢酸緩衝液(pH4.5)500μLをガラスセル(光路長1cm)に入れて混合し、パラフィルムで蓋をして、30℃に設定したセルホルダー中で10分間予熱した。これに予め30℃で予熱したサンプル溶液500μLを加え、数回吸引・排出を繰り返し混合した。吸光度計((株)島津製作所製UV−160A)で測定された、反応開始10秒後から40秒後までの30秒間における505nmの吸光度変化から、以下の式で酵素活性を算出した。それをもとに以下の式でラッカーゼ長期保存安定性を算出した。
【0056】
酵素活性(U/mL)=(ΔOD×2)/0.1×3×1/0.5×D
=ΔOD×120×D
ΔOD:505nmにおける30秒間の吸光度変化
D:サンプル溶液の希釈倍数
ラッカーゼ長期保存安定性(%)=
〔(室温1年保存後の総活性値)/(保存開始時の総活性値)〕×100
以上の計算式にて算出したラッカーゼ長期保存安定性を、以下の基準にて評価した。○以上を良好なレベルと判断した。
◎:ラッカーゼ長期保存安定性が70%以上
○:ラッカーゼ長期保存安定性が50%以上70%未満
△:ラッカーゼ長期保存安定性が30%以上50%未満
×:ラッカーゼ長期保存安定性が30%未満
【0057】
(5)歯垢形成抑制効果の評価
表6、表11、表16に示す組成物3gを、リン酸ナトリウムバッファー(pH7)30mLで抽出し、サンプルとした。このサンプル1mLを、1.5%ショ糖を添加した1.5倍濃度のTSB〔トリプチック ソイ ブロス(Tryptic Soy Broth)〕培地2mLに混和し、これを試験管に入れるとともに、予め嫌気培養したストレプトコッカス・ミュータンス菌を接種後、傾斜して37℃にて18時間嫌気培養し、試験管壁に付着した菌量を測定した。コントロールとして、前述のバッファー1mLを添加して同様の実験を行い、そのときの菌量(X0)とサンプルを添加した場合の菌量(Xs)より、歯垢形成抑制率を次式より求めた。
歯垢形成抑制率(%)=〔(X0−Xs)/X0〕×100
X0:リン酸バッファーを用いた菌量
Xs:サンプルを用いた菌量
【0058】
以上の計算式にて算出した歯垢形成抑制率を、以下の基準にて評価した。○以上を良好なレベルと判断した。
◎:歯垢形成抑制率が70%以上
○:歯垢形成抑制率が50%以上70%未満
△:歯垢形成抑制率が30%以上50%未満
×:歯垢形成抑制率が30%未満
【0059】
本評価で使用した原料の詳細は以下の通りである。
ローズマリー抽出物(10%品):
水抽出物で、デキストリンで賦形〔豊玉香料(株)製〕
ローズマリー抽出物(30%品):
水・エタノール抽出物で、デキストリンで賦形〔豊玉香料(株)製〕
セージ抽出物(50%品):水抽出物で、デキストリンで賦形〔豊玉香料(株)製〕
ミント抽出物(50%品):
ミントポリフェノール50(商品名)水抽出物で、デキストリンで賦形〔小川香料(株)製〕
シソ抽出物(50%品):水抽出物で、デキストリンで賦形〔豊玉香料(株)製〕
タイム抽出物(50%品):水抽出物で、デキストリンで賦形〔豊玉香料(株)製〕
メリッサ抽出物(50%品):水抽出物で、デキストリンで賦形〔豊玉香料(株)製〕
ラッカーゼ(30%品):
ラッカーゼダイワY120(商品名 108,000単位品)360,000単位
/gの固形純分30%を、デキストリンで賦形〔天野エンザイム(株)製〕
ラクトフェリン(97%品):〔森永乳業(株)製〕
デキストラナーゼ(12,000単位品):〔三菱化学フードテック(株)製〕
ムタナーゼ(6,000単位品):〔天野エンザイム(株)製〕
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
【表3】

【0063】
【表4】

【0064】
【表5】

【0065】
【表6】

【0066】
【表7】

【0067】
【表8】

【0068】
【表9】

【0069】
【表10】

【0070】
【表11】

【0071】
【表12】

【0072】
【表13】

【0073】
【表14】

【0074】
【表15】

【0075】
【表16】

【0076】
表1〜16の結果より、本発明の組成物は、味などの使用感が良好で、適用直後から長時間にわたって口臭を抑制することができ、長期保存時に色調の安定性やラッカーゼの安定性が高いことが確認できた。
【0077】
次に、表17に示す組成(実施例90〜98)の製剤を上記と同様の製法にて調製し、同様の容器に入れ、上記の評価法に準じて評価を行った。結果を表17に示す。
【0078】
【表17】

【0079】
表17の結果から、本発明の組成物は、味などの使用感が良好であり、適用直後から長時間にわたって口臭を抑制し、長期保存時に色調の安定性やラッカーゼの安定性が高いことが確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)シソ科植物抽出物を0.001〜5質量%、(B)ラッカーゼを0.001〜3質量%、(C)ラクトフェリンを0.01〜10質量%含有してなることを特徴とする口中ケア組成物。
【請求項2】
シソ科植物抽出物が、ローズマリー、セージ、シソ、ミント、タイム、メリッサから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の口中ケア組成物。
【請求項3】
(C)成分/〔(A)成分+(B)成分〕が質量比で0.01〜480である請求項1又は2記載の口中ケア組成物。
【請求項4】
(A)成分を0.01〜3質量%、(B)成分を0.01〜2質量%、(C)成分を0.1〜3質量%含有する請求項1、2又は3記載の口中ケア組成物。
【請求項5】
更に、(D)デキストラナーゼ及び/又はムタナーゼを含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の口中ケア組成物。
【請求項6】
錠菓、キャンディ又はグミとして調製される請求項1乃至5のいずれか1項記載の口中ケア組成物。

【公開番号】特開2011−219386(P2011−219386A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87731(P2010−87731)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】