説明

口出し装置

【課題】 口出し部にて糸端が口出しされた実ボビンをボビン搬送手段を介して各巻取ユニットに供給する自動ワインダーにおいて、異番手の実ボビンが混入しても、それぞれの巻取ユニットへ搬送する前に検出して、無駄な搬送を防止して駆動効率を向上可能な自動ワインダーの口出し装置を提供することである。
【解決手段】 糸が巻かれた実ボビン11から糸Yを吸引して引き出すサクションパイプ10Aと、引き出される糸の太さを検出する異番手検出センサ10Bとを備え、予め設定された糸番手と前記異番手検出センサ10Bにより検出される糸の太さに応じた糸番手とを比較して所定の制御を行う制御装置10Dを備える構成の口出し装置10とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実ボビンから糸を引き出して、自動ワインダーの各巻取ユニットへ供給するための口出し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の巻取ユニットを並列してなる自動ワインダーにあっては、一般に、精紡機で精紡された精紡ボビン(以後実ボビンと称する)を、ボビン供給部で搬送用のトレイに差し込んで装着し、口出し部にて口出しを行った後、実ボビン搬送コンベアを介して各巻取ユニットに搬送し、大径のパッケージに巻き取る構成としている。
【0003】
前記口出し部に配設されている口出し装置は、糸が巻かれた実ボビンから糸を吸引して引き出すサクションパイプと、引き出される糸の有無を検出する糸検出センサと、前記実ボビンと前記センサとの間に設置され糸を切断するカッターとを備えている。そして、実ボビンから糸端を引き出して吸引した後で、所定の長さで切断し、実ボビン上部に巻き付けた状態、もしくは、天穴部に挿入した状態として、それぞれの巻取ユニットへ搬送している。
【0004】
上記の自動ワインダーは、前記実ボビン搬送コンベアから受取る複数の実ボビンを順次巻き取って大径のパッケージを巻成しているので、それぞれの実ボビンが同一の糸種であることが肝要である。
【0005】
もし、糸種の異なる実ボビンが混入して、そのまま一個のパッケージに巻き取られると、その巻取パッケージは異種の糸が混入した不良パッケージとなる。
【0006】
そのために、それぞれの巻取ユニットにおいて、巻き取る糸の番手を検出して、異番手の糸を検出した際に、吸引除去する自動ワインダーも本出願人から既に出願されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−330740号公報(第1−3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
口出し部にて糸端が口出しされた実ボビンを各巻取ユニットに供給し、それぞれの巻取ユニットにて糸の番手を検出する構成の自動ワインダーでは、全ての巻取ユニットに異番手の実ボビンが搬送されてしまう虞があり、問題の拡大を防止できずに非効率的である。
【0008】
また、作業者(オペレータ)がボビン供給部へ実ボビンを供給する構成の自動ワインダーシステムの場合には、誤って異番手の実ボビンを供給してしまう虞もある。この場合でも、その誤りを出来るだけ早急に検知して知らせることが望ましい。
【0009】
本発明の目的は、上記問題を解決するために、口出し部にて糸端が口出しされた実ボビンをボビン搬送手段を介して各巻取ユニットに供給する自動ワインダーにおいて、異番手の実ボビンが混入しても、それぞれの巻取ユニットへ搬送する前に検出して、無駄な搬送を防止して駆動効率を向上可能な自動ワインダーの口出し装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、実ボビンから糸を引き出して、自動ワインダーの各巻取ユニットへ供給するための口出し装置であって、糸が巻かれた実ボビンから糸を吸引して引き出すサクションパイプと、引き出される糸の太さを検出する異番手検出センサとを備え、予め設定された糸番手と前記異番手検出センサにより検出される糸の太さに応じた糸番手とを比較して所定の制御を行う制御装置を備えていることを特徴としている。
【0011】
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、実ボビンの口出しを行う時に、その糸が異番手であることを直ちに検出して所定の制御を行うことができる。
【0012】
請求項2に係る発明は、前記所定の制御がアラームの発信であって、検出される糸の太さに応じた糸番手が予め設定された糸番手とは異なると判断した際に所定のアラームを発信することを特徴としている。
【0013】
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、口出し装置で異番手を検出すると、直ちにそのアラーム信号を発信するので、巻取りユニットへ搬送する前に検知して対処することができる。
【0014】
請求項3に係る発明は、前記所定の制御が吸引時間の延長であって、検出される糸の太さに応じた糸番手が予め設定された糸番手とは異なると判断した際に、前記サクションパイプの吸引時間を延長することを特徴としている。
【0015】
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、ボビンの巻き終わりの糸端部分のみが異番手である場合に、その異番手部分を除去して、正常な本巻き部分を露出したボビンとして送り出すことができる。
【0016】
請求項4に係る発明は、前記制御装置は、検出される糸の太さに応じた糸番手が予め設定された糸番手とは異なると判断した際に、該当する実ボビンをバイパスラインへ払い出す構成としていることを特徴としている。
【0017】
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、異番手の不良ボビンを自動的に払い出して貯蔵することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、口出し装置とボビン搬送手段を有する自動ワインダーにおいて、糸が巻かれた実ボビンから糸を吸引して引き出すサクションパイプと、引き出される糸の太さを検出する異番手検出センサとを備え、予め設定された糸番手と前記異番手検出センサにより検出される糸の太さに応じた糸番手とを比較して所定の制御を行う制御装置を備えた構成の口出し装置としたので、口出し部にて異番手を検出可能となり、巻取ユニットへ搬送する前に検知して搬送を停止することができ無駄な搬送を防止して、自動ワインダーの駆動効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る口出し装置の実施の形態について、図1から図3に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明に係る口出し装置示す側面図である。図2は本発明に係わる口出し装置を備える自動ワインダーの全体平面図であり、図3は自動ワインダーの巻取ユニットを示す斜視図である。
【0021】
まず、本発明に係わる口出し装置を備える自動ワインダーについて図2および図3により説明する。
【0022】
図2に示すように、複数の巻取ユニットを並列してなる自動ワインダーWは、複数の巻取ユニットu1、u2、u3・・・に加えて、ボビン供給部5、口出し部6、実ボビン搬送コンベア1A、空ボビン排出コンベア1B、ボビン抜取部4等を含めて、実ボビン11を搬送して大径のパッケージに巻き取る自動ワインダーシステムを構成している。
【0023】
トレイ12に装着される実ボビン11は、ボビン供給装置BAから一本一本順次ボビン供給部5へ送り出されて、該ボビン供給部5に到達するトレイ12に装着される。また、トレイ12に装着された実ボビン11は、口出し部6に搬送されて所定の口出し装置により糸端が引き出され、実ボビン搬送コンベア1Aへ送り出されて各巻取ユニットへ搬送される構成である。
【0024】
各巻取ユニットにて巻取が完了したボビンは空ボビン11eとなる。各巻取ユニットu1、u2、u3・・・から排出された空ボビン11eはトレイ12に挿立した状態で、空ボビン排出コンベア1Bへ送り出されて、機台端のボビン処理部Cへ搬送される。
【0025】
ボビン処理部Cに搬送された空ボビン11eはボビン抜取部4で抜き取られるが、抜き取った空ボビン11eは、前記ボビン抜取部4から機台後方に置かれたボックスBCに落とし込んで回収することができる。また、ボビンが抜き取られて空となったトレイ12は、ボビン搬送路を経由して前記ボビン供給部5に搬送されて新たな実ボビン11が装着され、再度実ボビン搬送コンベア1Aへ送り出される構成である。
【0026】
空ボビン排出コンベア1Bは平ベルト2により構成される搬送コンベアであり、該搬送コンベア上を搬送されたトレイ12は、図示しないガイド部材により案内されてボビン処理ライン3に入る。ボビン処理ライン3上に配設されているトレイ残糸検出装置(不図示)により空ボビン11eか、残糸を有する半玉ボビン11hか、もしくは極少残糸付ボビン11bかを検出して、空ボビン11eかまたは極少残糸付ボビン11bであればボビン抜取部4にて引き抜かれ、例えば前記ボビン抜取部4の前方に置かれたボックスBBに落とし込まれて回収される。また、半玉ボビン11hはそのまま前記口出し部6に送り込まれて再利用される。
【0027】
空となったトレイ12はボビン処理ライン3をさらに搬送され、ボビン供給部5へと搬送される。ボビン供給部5は、振動式パーツフィーダー等のボビン供給装置BAにより、実ボビン11を1個ずつ分離して落下させトレイ12上に落とし込んで装着する部である。実ボビン11を挿立した状態のトレイ12が、口出し部6を経由して、糸端が口出しされた状態で、各巻取ユニットにボビンを運搬する搬送路である実ボビン搬送コンベア1Aへと供給される。
【0028】
口出し部6には、後述する口出し装置10が配設されており、該口出し装置10により実ボビン11の底部に巻かれたボトムバンチの切断、ボビンの糸層外周に巻かれたバックワインド糸の切断及び自動ワインダーWの各巻取ユニットで自動糸継ぎができるようにボビンの糸端の所定長さをボビンの天穴に挿入する口出し処理が行われる。又、口出しできなかったボビンは、バイパスライン7へと送られ、再度口出し処理等が行われる。
【0029】
口出し処理の成功した実ボビン11は、トレイ12に挿立した状態で実ボビン搬送コンベア1Aへ搬送される。実ボビン搬送コンベア1Aで搬送されたトレイ12は、自動ワインダーWの各巻取ユニットへと搬送される。
【0030】
ボビン供給部5には、ボビン供給装置BAから供給されるボビンを検知する検知手段SAが設けられており、ボビン抜取部4には、空ボビン11eや半玉ボビン11hや極少残糸付ボビン11b等のボビンを検知する検知手段SBが設けられている。
【0031】
これらのボビン処理部Cに配設される各部材の制御や、実ボビン搬送コンベア1Aおよび空ボビン排出コンベア1B等のボビン搬送手段の駆動と停止の制御は、予め駆動プログラムとして制御部10Dに設定しておくことができる。例えば、前記検知手段SA、SBからの検知信号を前記制御部10Dに入力し、その結果により、実ボビン搬送コンベア1Aと空ボビン排出コンベア1Bとの駆動と停止を制御する構成とすることができる。
【0032】
つぎに、図3より各巻取ユニットにおけるパッケージ巻成動作について説明する。巻取ユニットu1に実ボビン搬送コンベア1Aを介して搬送されるボビン11は、トレイ12が巻取ユニットu1のガイド板13,14,15に案内され、回転円盤22に乗り移り、ボビン取り込み口16からボビン待機路18に導入されて、巻取位置23に至る。
【0033】
ノズル21から噴射される圧空により、巻取位置23に載置されたボビン11から、前記口出し装置により引き出されている糸端がボビン上方に吹き上げられる。吹き上げられた糸端を中継ぎパイプ24が吸引保持し、上方へ旋回し図示しない糸継装置によりパッケージ側糸端と糸継ぎし、綾振りドラム25によりトラバースされながらパッケージ26に巻き取る構成である。
【0034】
ボビン待機路18に満杯のボビンが貯留されると、余剰ボビンは前記満杯となった最後尾のトレイに干渉してボビン待機路18には取り込まれずに、送り出し口17から実ボビン搬送コンベア1A上を次の巻取ユニットへ搬送される。巻取位置23にて巻き返しが終了したボビンはレバー20によりボビン排出路19へ排出され、空ボビン排出コンベア1Bへ送り出される。
【0035】
前記実ボビン搬送コンベア1Aは全ての巻取ユニットを巡回するサークルコンベア状の構成であって、どの巻取ユニットにも取り込まれない余剰の実ボビンをリザーブしておくことが可能な構成とされている。
【0036】
つぎに、図1により口出し部6に設置される口出し装置10について説明する。
【0037】
前記口出し装置10は、実ボビン11から糸Yを引き出して、自動ワインダーWの各巻取ユニットへ供給するための糸端処理装置であって、所定の位置に停止された実ボビン11から糸Yを吸引して引き出すサクションパイプ10Aと、該サクションパイプ10Aに吸引される糸Yの太さを検出する異番手検出センサ10Bと、前記サクションパイプ10Aの途中に配設されサクションパイプ内の糸を切断するカッター10Cとを備えている。さらに制御装置10Dを介して、予め所定の糸番手を設定すると共に、設定された糸番手と吸引される糸Yの太さに応じた糸番手とを比較して所定の制御を行う構成としている。
【0038】
前記カッター10Cの下部には伸縮自在な蛇腹ホース10Eを介して筒体10Fが装着されている。前記筒体10Fは、実ボビン11の外層の糸巻面に沿って上下に往復移動可能な程度の内径を有しており、シリンダー10Gにより摺動するスライドガイド10Hを介して低下して、実ボビン11の糸巻面から巻き終わりの糸端を吸引し、そのまま解舒しながら待機位置へ上昇する。
【0039】
糸Yは、L型に屈曲したサクションパイプ10A内を挿通して上部水平部に設けられる異番手検出センサ10Bにより検知される。この時に前記サクションパイプ10Aの屈曲部に設けるガイドプレート10MのV字状溝により糸Yが所定位置に案内されている。そのために、糸Yは屈曲部付近でサクションパイプ10Aの内壁に密着することなく、前記サクションパイプ10Aが連接されるブロワ等の吸引流により速やかに、また容易に吸引される。
【0040】
前記ガイドプレート10Mに案内されて所定の位置に規制されて吸引される糸Yの存在を前記異番手検出センサ10Bが検知した後、さらに所定時間吸引を続行して糸押さえレバー10Jをアクチュエータ10Kにより駆動して、糸Yをボビン頂部に押え付けるようにして糸Yの解舒(吸引)を停止する。また、糸Yの吸引を停止した状態で前記カッター10Cを駆動して糸Yを切断する。
【0041】
糸Yを切断するカッター10Cは所謂シャッターカッターであって、糸Yを切断する際に、可動刃が前記サクションパイプ10Aの内部を塞いで吸引を阻止する構成である。そのために、カッター10Cを作動した状態では、糸Yが切断されると共に、実ボビン11に連なる糸Yに吸引力が作用しない状態となる。この状態で、トレイ12の下部に設けた吸引手段10Lを作動すると、トレイ12の中心部を貫通するように穿孔された空気流路12aを介してボビンの天穴に吸引力が発生するので、切断された糸Yが落下して前記ボビンの天穴に吸引される。
【0042】
切断された糸Yがボビンの天穴に吸引される時は、糸押さえレバー10Jが糸Yを押えているので、それ以上引き出されることはなく、糸Yが切断された位置までの長さの糸が吸引されることになる。そのために、必要とされる吸引長さに応じた位置に前記カッター10Cを配設している。
【0043】
上記したように、糸の太さを検出する異番手検出センサ10Bは糸Yの有無を検知する機能も当然有している。また、糸の太さを検出して糸Yが異番手であると判定するには、一定時間連続して糸の太さが異なっていることを検出することが必要となる。これは、紡績糸は通常、スラブやネップと称する部分的な糸欠点を有しているためである。前記の部分的な糸欠点は長さの短い太さムラであり、異番手の場合は長い連続した太さムラとなるので、糸の太さを所定時間連続して検出した後で異番手かどうかを判定する制御が必要となる。
【0044】
これらの糸番手の設定や異番手判定の制御は、前記制御装置10Dを介して行う構成としている。また、検出される糸Yの太さに応じた糸番手が予め設定された糸番手とは異なると判断した際に所定のアラームを発信する構成とすることも、検出される糸の太さに応じた糸番手が予め設定された糸番手とは異なると判断した際に、前記サクションパイプ10Aの吸引時間を延長する構成とすることも任意に設定して制御することができる。
【0045】
そのために、異番手を検出した時にアラームを発信するように設定しておれば、自動ワインダーWに供給される実ボビン11の口出し処理を行う際に、直ちに正しい糸番手か異番手かを検知可能であり、各巻取ユニットへ搬送する前に検知することができ、その旨をオペレータに報知することができる。
【0046】
また、異番手を検出するとサクションパイプ10Aの吸引時間を所定時間延長する構成としておれば、ボビンの巻き終わりの糸の太さが変動して、細かったり太かったりして、本巻き部の糸Yと番手が異なっていても、その変動部分を解舒して正常な糸番手を検知するまで吸引を続行するような制御を行うことも可能であって、正常な糸番手となる糸の太さを検知した後で糸を切断し、正常な本巻き部を露出した実ボビン11を搬送することができるので、自動運転が容易となり好適である。
【0047】
さらに、異番手のボビンを払い出すバイパスラインを設けておき、検出される糸Yの太さに応じた糸番手が予め設定された糸番手とは異なると判断した際に、該当する実ボビンを前記バイパスラインへ払い出す構成とすることもできる。この構成であれば、一人のオペレータが複数台の自動ワインダーを管理することができ、所定時間毎に巡回して、払い出された異番手のボビンを処理すればよい。
【0048】
バイパスラインは、前述した口出しできなかったボビンを払い出すバイパスライン7を用いてもよいし、また、異番手ボビン払い出し用の専用のバイパスラインを別に設けてもよい。これらのバイパスラインへの払い出しは、所定時間吸引した後で糸番手が予め設定された番手と異なる場合に払い出す構成とすればよく、巻き終わりの糸のみが異なる糸番手の場合、もしくは、巻き終わり部分に他の糸が混入している場合等に、その異番手部分を解舒して正常な本巻き部分を有するボビンとして各巻取ユニットに搬送することができ好適である。
【0049】
前記異番手検出センサ10Bは糸Yの有無と糸の太さを検出可能なセンサであればよく、投光手段と受光手段を備える光電式センサでも静電容量式センサでもよい。
【0050】
上記の実施の形態は、1品種のボビンを供給してパッケージを巻成する1ラインのボビン搬送ラインに適応したボビン搬送手段の一例であるが、この閉ループとなる一連のボビン搬送ラインを複数並列して構築することで、複数品種のボビンに対応して、それぞれのボビン搬送ラインを構成することができる。
【0051】
そのために、本発明に係わる口出し装置10を複数品種の糸を巻き取る自動ワインダーに適応することも可能であり、それぞれのボビン搬送ライン毎にそれぞれの口出し装置を設置して、それぞれ独立して制御する構成とすればよい。
【0052】
上記したように、本発明によれば、口出し装置とボビン搬送手段を有する自動ワインダーにおいて、糸が巻かれた実ボビンから糸を吸引して引き出すサクションパイプと、引き出される糸の太さを検出する異番手検出センサとを備え、予め設定された糸番手と前記異番手検出センサにより検出される糸の太さに応じた糸番手とを比較して所定の制御を行う制御装置とを備えた構成の口出し装置としたので、口出し部にて異番手を検出可能となり、巻取ユニットへ搬送する前に検知して搬送を停止することができ無駄な搬送を防止して、自動ワインダーの駆動効率を向上することができる。
【0053】
前記異番手検出センサ10Bと前記カッター10Cとの両方を実ボビン11と前記サクションパイプ10Aとの間に配設することも可能であるが、前記異番手検出センサ10Bと前記カッター10Cとを共に前記サクションパイプ10A内に配設する構成とすれば、糸Yを吸引保持した状態で、糸番手の検出と糸の切断を確実に行うことができ好適である。さらに、実ボビン11の直上に全ての装置を内蔵するサクションパイプ10Aを設置可能となるので装置全体をコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る口出し装置示す側面図である。
【図2】本発明に係わる口出し装置を備える自動ワインダーの全体平面図である。
【図3】自動ワインダーの巻取ユニットを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
1A 実ボビン搬送コンベア(ボビン搬送手段)
1B 空ボビン排出コンベア(ボビン搬送手段)
6 口出し部
10 口出し装置
10A サクションパイプ
10B 異番手検出センサ
10C カッター
10D 制御装置
11 実ボビン
12 トレイ
W 自動ワインダー
u1、u2、u3 巻取ユニット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
実ボビンから糸を引き出して、自動ワインダーの各巻取ユニットへ供給するための口出し装置であって、
糸が巻かれた実ボビンから糸を吸引して引き出すサクションパイプと、引き出される糸の太さを検出する異番手検出センサとを備え、予め設定された糸番手と前記異番手検出センサにより検出される糸の太さに応じた糸番手とを比較して所定の制御を行う制御装置を備えていることを特徴とする口出し装置。
【請求項2】
前記所定の制御がアラームの発信であって、検出される糸の太さに応じた糸番手が予め設定された糸番手とは異なると判断した際に所定のアラームを発信することを特徴とする請求項1に記載の口出し装置。
【請求項3】
前記所定の制御が吸引時間の延長であって、検出される糸の太さに応じた糸番手が予め設定された糸番手とは異なると判断した際に、前記サクションパイプの吸引時間を延長することを特徴とする請求項1に記載の口出し装置。
【請求項4】
前記制御装置は、検出される糸の太さに応じた糸番手が予め設定された糸番手とは異なると判断した際に、該当する実ボビンをバイパスラインへ払い出す構成としていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の口出し装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−298601(P2006−298601A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−124724(P2005−124724)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】