説明

口腔用組成物

【課題】水の含有量が少なくかつ2価アルコールや3価アルコールを高濃度含有する口腔用組成物において、多価アルコール由来の香味を改善した口腔用組成物を提供する。
【解決手段】2価及び3価の多価アルコールを40質量%以上含有する口腔用組成物において、シクロデキストリンを特定量配合することによって多価アルコール由来の香味が効果的に改善される。さらに硫酸マグネシウムを配合した場合には、この効果がさらに高まる。また、アニオン性界面活性剤若しくは両性界面活性剤を配合した場合には、その活性剤由来の原料臭を効果的に改善し、また、口腔用組成物の外観、性状を改善することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高濃度の多価アルコールを含有する口腔用組成物の香味改善に関する。さらに詳しくは、水分含有量が少なくかつ多価アルコールを高濃度配合した組成物に特定量のシクロデキストリンや硫酸マグネシウムを配合することで香味を改善した口腔用組成物に関する。さらにイオン性界面活性剤を配合した場合、イオン性界面活性剤に由来する原料臭を大幅に低減させる効果が得られることを特徴とする口腔用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
乳酸菌を配合した口腔用組成物を使用することで歯周病や齲蝕の原因となる口腔内細菌の繁殖を抑制し、口腔内の衛生環境を整える試みがなされている。この技術は乳酸菌を口腔用組成物中で生菌状態に保つ必要があることが知られている。乳酸菌は水の存在下で経時的に死滅する傾向にあることが知られているため、乳酸菌を配合する口腔用組成物は水を出来る限り含有しない処方とする必要がある。
【0003】
一方、ビタミンCやポリフェノ−ル類などに抗炎症、殺菌効果があることは公知であるが、これら酸化に感受性のある物質も水の存在下で経時で効果が低下する傾向にあることが知られているため、できる限り水を含有しない処方とする必要がある。
【0004】
口腔用組成物の水の含有を極力避けるためには、水の代わりに2価アルコールや3価アルコールを主体とする多価アルコールを配合することが一般的に行なわれている。しかし、この場合2価アルコールや3価アルコールを多量に配合すると口腔用組成物の香味の嗜好性が極端に悪くなるという課題点が存在していた。
【0005】
この課題点に対して、たとえば、L−アスパルチル−L−フエニルアラニン低級アルキルエステルを配合する技術(特許文献1)、重曹を配合する技術(特許文献2)などが提案されている。しかし、これらの技術を以ってしても未だ十分な効果を得ることができず、より香味を改善した口腔用組成物の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭56−8310号公報
【特許文献2】特開2002−302429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、水の含有量が少なくかつ2価アルコールや3価アルコールを高濃度含有する口腔用組成物において、多価アルコール由来の香味を改善した口腔内組成物、さらにはイオン性界面活性剤の原料臭を低減した口腔用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことにシクロデキストリンを特定量配合することで口腔用組成物の香味を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、下記の態様を含むものである。
項1.2価アルコールおよび3価アルコールから選ばれる1種以上の多価アルコールを40質量%以上配合する口腔用組成物において、シクロデキストリンを、前記多価アルコールの合計の配合量に対して0.03〜0.3倍量配合することを特徴とする口腔用組成物。
項2.さらに硫酸マグネシウムを配合することを特徴とする項1に記載の口腔用組成物。
項3.多価アルコールが、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンから選ばれる1種以上であることを特徴とする項1又は2の何れかに記載の口腔用組成物。
項4.シクロデキストリンが、β―シクロデキストリンであることを特徴とする項1〜3の何れかに記載の口腔用組成物。
項5.さらに、イオン性界面活性剤を配合することを特徴とする項1〜4の何れかに記載の口腔用組成物。
項6.イオン性界面活性剤が、硫酸エステル系界面活性剤、スルホコハク酸系界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤から選ばれる1種以上であることを特徴とする項1〜5の何れかに記載の口腔用組成物。
項7.さらに、無水ケイ酸、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムから選ばれる1種以上を15質量%以上配合することを特徴とする項1〜6の何れかに記載の口腔用組成物。
さらに本発明は水を原料として配合しないことを特徴とする項1〜7の何れかに記載の口腔用組成物を提供する。
また本発明は、さらに糖アルコールを8〜50質量%配合する事を特徴とする項1〜7の何れかに記載の口腔用組成物を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の2価及び3価の多価アルコールを40質量%以上含有する口腔用組成物において、シクロデキストリンを特定量配合することによって多価アルコール由来の香味が効果的に改善される。さらに硫酸マグネシウムを配合した場合には、この効果がさらに高まる。また、アニオン性界面活性剤若しくは両性界面活性剤を配合した場合には、その活性剤由来の原料臭を効果的に改善し、また、口腔用組成物の外観、性状を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1と比較例1について苦味の評価を行なった結果を示す。
【図2】実施例1と比較例1について爽やかさの評価を行なった結果を示す。
【図3】実施例1と比較例1について活性剤臭の評価を行なった結果を示す。
【図4】実施例1と比較例1について嗜好性の評価を行なった結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
【0013】
本発明に用いる2価アルコールや3価アルコールは、口腔用組成物に使用できるものであれば特に限定されないが、たとえば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。この中でも、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンに対する効果が高い。2価アルコールや3価アルコールは、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができ、その合計配合量は40質量%以上であり、40〜65質量%がより好ましく、50〜65質量%が最も効果的で好ましい。
【0014】
本発明に用いるシクロデキストリンは、口腔用組成物に使用できるものであれば特に限定されない。たとえば、α―シクロデキストリン、β―シクロデキストリン、γ―シクロデキストリン等が挙げられ、特にβ―シクロデキストリンが好ましい。シクロデキストリンは、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができ、2価アルコールおよび3価アルコールの合計の配合量に対して0.03〜0.3倍量であることが好ましく、0.05〜0.2倍量がより好ましい。0.03倍量より少ないと口腔用組成物の異味、異臭が改善されない恐れがあり、0.3倍量を超えると口腔用組成物の外観、性状が悪化する恐れがあり好ましくない。配合量としては上記の配合比に合致すれば特に限定されるものではないが、1〜10質量%であり、好ましくは2〜6質量%である。
【0015】
本発明に用いる硫酸マグネシウムは、医薬品、食品、化粧品で使用できるものであれば特に限定されず、無水物及び水和物を問わない。配合量は7質量%以下であれば良く、5質量%以下が好ましい。硫酸マグネシウムを配合するとシクロデキストリンの効果を高めることができるため、シクロデキストリンの配合量を減じることができる。シクロデキストリンと硫酸マグネシウムの配合量の合計値が2価アルコールおよび3価アルコールの合計の配合量に対して0.03〜0.3倍量であることが好ましく、0.05〜0.2倍量がより好ましい。
【0016】
本発明に用いるイオン性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を意味し、口腔用組成物に使用できるものであれば特に限定されない。この中でもアニオン性界面活性剤に対する効果が高く、硫酸エステル系界面活性剤、スルホコハク酸系界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤に対する効果が顕著である。具体的には、硫酸エステル系界面活性剤としては、ラウリル硫酸エステルナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩やポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸エステルナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;スルホコハク酸系界面活性剤としてはラウリルスルホコハク酸ナトリウム;アミノ酸系界面活性剤としてはラウリルサルコシンナトリウム、ラウリルグルタミン酸ナトリウムなどが挙げられる。この中でも硫酸エステル系界面活性剤に対する効果が高い。これらイオン性界面活性剤は、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。
【0017】
本発明に用いる無水ケイ酸、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムは、医薬品、食品、化粧品に使用できるものであれば特に限定されない。これらは単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。配合量としては特に規定するものではないが、これらの合計の配合量は15質量%以上であることが好ましく、15〜40質量%がさらに好ましく15〜30質量%が最も好ましい。
【0018】
本発明に用いる糖アルコールとしては医薬品、食品、化粧品で使用できるものであれば特に限定されない。たとえばエリスリトール、トレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ガラクチトール、タリトール、マルチト−ル、ラクチト−ルなどが挙げられ、このうち、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトールが好ましく、キシリトール、エリスリトール、ソルビトールが最も好ましい。これらは単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。配合量としては特に規定するものではないが、これらの合計の配合量は8〜50質量%以上であることが好ましく、8〜35質量%がさらに好ましく8〜30質量%が最も好ましい。
【0019】
本発明の口腔用組成物は水の含有量は0〜10質量%である。組成物中に含まれる水の量は少ないほど良好な効果が得られ、好ましくは0〜8質量%、より好ましくは0〜5質量%である。これらの水は、水を原料として配合するものの他、グリセリンなどのように水を必須として含有する原料を配合することにより組成物中に混入する水も含まれる。最も好ましいものは水を原料として配合しない口腔用組成物である。この場合、配合する原料によって異なるが、多い場合で約8質量%、通常、約5質量%の水が組成物中に含まれる。なお、水分含有量は第十五改正日本薬局方の2.48水分測定法(カールフィッシャー法)に記載の容量滴定法により測定することができる。
【0020】
本発明の口腔用組成物には、上記の成分以外にも他の成分を配合することができる。例えば、ノニオン性界面活性剤、甘味剤、粘結剤、香味剤、薬効剤、pH調整剤、着色剤、エタノール等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0021】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド類、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどが挙げられる。これらのノニオン性界面活性剤は、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合できる。
【0022】
甘味剤としては、例えば、サッカリン、サッカリンナトリウム、アセスルファームカリウム、ステビアエキス、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、タウマチン、アスパラチルフェニルアラニルメチルエステル、キシリトール、パラチノース、パラチニット、エリスリトール、マルチトール、メトキシシンナミックアルデヒド、キシリット、スクラロ−スなどを配合することができる。これらの甘味剤は、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができ、口腔用組成物全量に対して通常0.01〜1質量%配合することができる。
【0023】
粘結剤としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、カラゲナン、アルギン酸ナトリウム等のアルカリ金属アルギネート、キサンタンガム、トラガカントガム、カラヤガム、アラビアガム、ジェランガム等のガム類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成粘結剤などを配合することができる。これらは、単独または2種以上を適宜組み合わせて配合することができ、口腔用組成物全量に対して0.001〜30質量%配合することができる。
【0024】
香味剤としては、メントール、カルボン酸、アネトール、オイゲノール、サリチル酸メチル、リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、シトロネール、α−テルピネオール、メチルアセタート、シトロネニルアセタート、メチルオイゲノール、シネオール、リナロール、エチルリナロール、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、珪皮油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、ピメント油などの香料が挙げられる。これらの香味剤は、単独または2種以上を組み合わせて配合することができ、口腔用組成物全量に対して0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜1質量%程度の割合で配合することができる。
【0025】
薬効剤としては、たとえば、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどのカチオン系殺菌剤;トリクロサン、イソプロピルメチルフェノールなどのノニオン系殺菌剤;デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテックエンザイム)などの酵素;トラネキサム酸やイプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシルアラントイン、ジヒドロコレステロール、グリチルリチン塩類、グリチルレチン酸などの坑炎症剤;チアミン類、リボフラビン類、ピリドキシン類、ビタミンB12類、葉酸、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD類、ビタミンE類、ビタミンKなどのビタミン類;その他、グリセロフォスフェート、クロロフィル、塩化ナトリウム、カロペプタイドドデシルジアミノエチルグリシン、フッ素、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、また、ヒノキチオ−ル、オウバク、オウゴンエキス、カミツレ、チンキなどの天然エキス成分が挙げられ、これらを単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
【0026】
本発明の口腔用組成物は、練歯磨剤、液体歯磨剤、洗口液、塗布剤、ジェル剤、軟膏剤、パスタ剤等の通常の剤形にすることができ、塗布容器に充填して使用することもできる。なかでも、練歯磨剤、ジェル剤、塗布剤が好ましく、練歯磨剤がもっとも好ましい。
【0027】
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。なお、各例中の配合量は、特に規定がない限り質量%を示す。
【実施例】
【0028】
実施例1
香味改善効果・活性剤臭低減効果の評価
専門パネル10名に対して絶対評価を行うことで香味改善効果及び活性剤臭低減効果を評価した。実施例1および比較例1に示した練歯磨きを常法に従い調製した後に約2cm直径のラミネートチューブに充填した。評価者は、評価直前に各練歯磨きを指定のハブラシに約0.5g取り、常法に従って1分間ブラッシングを行った。その後30mlの水で口をすすぎ、歯磨中および歯磨後の使用感を各々の評価項目ごとに5段階で評価し点数付けした。評価項目は、苦味(弱い5〜強い1)、爽やかさ(強い5〜弱い)、活性剤臭(弱い5〜弱い1)嗜好性(好き5〜嫌い1)とした。評価結果はヒストグラムで分布を確認すると共に、各々の平均値を算出し、それらの結果から両者を比較した。結果を表1および図1〜4に示す。
【0029】
【表1】

【0030】
表1及び図1〜4に示したとおり、β―シクロデキストリンを配合することで爽やかさを低減させずに苦味を大幅に抑制し、さらには活性剤臭を顕著に改善できることがわかった。この結果、嗜好性も大幅に向上し、有意な技術であることがわかった。
【0031】
実施例1と同様の方法を用いて、実施例1〜6及び比較例1〜2における使用感および外観及び性状について5段階で評価し点数付けした。使用感の評価項目は、香味改善効果(ある5〜ない1)、原料臭低減効果(ある5〜ない1)とし、外観及び性状は目視で判断した。(良い5〜悪い1)。評価結果は各々の評価項目ごとに平均値を算出し、下記に従って2段階に分類した。
○ 評価点の平均値が 3.5以上
× 評価点の平均値が 3.5未満
評価結果を表2に示す。
【0032】
【表2】

【0033】
表2に示した通り、2価及び3価の多価アルコールの配合量の合計値に対して0.006倍量のβ―シクロデキストリンを配合しても香味改善効果や原料臭低減効果は得られなかったが、0.03倍量以上のβ―シクロデキストリンを配合すると、香味改善効果および原料臭低減効果が得られることが判った。また、2価及び3価の多価アルコールの配合量の合計値に対して0.32倍量のβ―シクロデキストリンを配合すると組成部の外観や性状が悪くなることが判った。
【0034】
処方例1
常法に従って、ジェル剤を調製した。
成分 配合量
濃グリセリン 30
1、3−ブチレングリコール 50
水添澱粉分解物 5
シクロデキストリン混合物 4
(α-:60%、β-:30%、γ-:10%)
キサンタンガム 0.2
安息香酸メチル 0.1
ソルビトール 残部
合計 100.0
【0035】
処方例2
常法に従って、ジェル剤を調製した。
成分 配合量
濃グリセリン 25
1,3−ブチレングリコール 15
エリスリトール 15
マンニトール 10
β―シクロデキストリン 8
ポリアクリル酸ナトリウム 2
安息香酸ナトリウム 0.5
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.5
プルラン 0.2
香料 0.2
ソルビトール 残部
合計 100.0
【0036】
処方例3
常法に従って、ジェル剤を調製した。
成分 配合量
キシリトール 15
還元澱粉糖化物 15
濃グリセリン 15
1,3−ブチレングリコール 15
ポリエチレングリコール400 10
α―シクロデキストリン 6
β―シクロデキストリン 6
ポリアクリル酸ナトリウム 0.9
アルギン酸ナトリウム 0.1
ソルビトール 残部
合計 100.0
【0037】
処方例4
常法に従って、ジェル剤を調製した。
成分 配合量
還元澱粉糖化物 25
濃グリセリン 25
1,3−ブチレングリコール 20
ポリエチレングリコール400 15
β―シクロデキストリン 2
硫酸マグネシウム 1
ポリアクリル酸ナトリウム 0.9
アルギン酸ナトリウム 0.2
ソルビトール 残部
合計 100.0
【0038】
処方例5
常法に従って、軟膏剤を調製した。
成分 配合量
還元澱粉糖化物 25
濃グリセリン 30
プロピレングリコール 10
β―シクロデキストリン 8
硫酸マグネシウム 6
ポリアクリル酸ナトリウム 1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(E.O.60) 0.5
香料 0.1
ソルビトール 残部
合計 100.0
【0039】
処方例6
常法に従って、パスタ剤を調製した。
成分 配合量
濃グリセリン 20
1,3−ブチレングリコール 20
モノステアリン酸グリセリル 15
水添澱粉分解物 15
シクロデキストリン混合物 6
(α-:60%、β-:30%、γ-:10%)
硫酸マグネシウム 6
ヒドロキシエチルセルロース 5
ソルビトール 残部
合計 100.0

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2価アルコールおよび3価アルコールから選ばれる1種以上の多価アルコールを40質量%以上配合する口腔用組成物において、シクロデキストリンを、前記多価アルコールの合計の配合量に対して0.03〜0.3倍量配合することを特徴とする口腔用組成物。
【請求項2】
さらに硫酸マグネシウムを配合することを特徴とする請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項3】
多価アルコールが、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の口腔用組成物。
【請求項4】
シクロデキストリンがβ―シクロデキストリンであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の口腔用組成物。
【請求項5】
さらに、イオン性界面活性剤を配合することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の口腔用組成物。
【請求項6】
イオン性界面活性剤が、硫酸エステル系界面活性剤、スルホコハク酸系界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の口腔用組成物。
【請求項7】
さらに、無水ケイ酸、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムから選ばれる1種以上を15質量%以上配合することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の口腔用組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−68607(P2011−68607A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221783(P2009−221783)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000106324)サンスター株式会社 (200)
【Fターム(参考)】