説明

可動機械制御装置及び可動機械制御システム

【課題】
非常停止SWを備えた着脱可能な教示操作装置を有する可動機械制御システムにおいて、非常停止の原因が、非常停止SWの操作によるものか、回路の断線によるものかを容易に確認できない。
【解決手段】
並列回路部Kは、検出器32が教示操作装置50の接続を検出したときに閉成する半導体スイッチ41とコンデンサCの直列回路に対して並列に接続されたメーク接点RY1aを備える。パルス信号生成回路42は並列回路部Kに対して「H」信号、及びパルス信号を印加する。判定回路46は、「H」信号、及びパルス信号(論理信号)が印加された状態で並列回路部Kから出力される信号の論理状態に基づいて、ロボットRの非常停止が、並列回路部Kの断線によるものか、非常停止スイッチ52の操作によるものかを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動機械制御装置及び可動機械制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非常停止スイッチを有する教示操作装置とロボット制御装置からなる可動機械の制御システムでは、教示操作装置とロボット制御装置とが連結されていない状態において、ロボットを作動させることが行われている。具体的には、特許文献1では、上記の一般的な機能を備えると共に、教示操作装置をロボット制御装置から取り外しても、ロボットが非常停止して動作が止まらない仕組みをリレー接点や切り替えスイッチを用いて実現している。具体的には、特許文献1では、着脱スイッチをオン操作している場合に、教示操作装置のロボット制御装置との接続を解除した際には、非常停止手段による非常停止の作動を禁止することにより、ロボットを非常停止させないようにしている。
【0003】
又、特許文献2では、非常停止スイッチを備えた教示操作装置が、ロボット制御装置との着脱が可能なポートを経由して前記ロボット制御装置に対して有線接続される構成が開示されている。
【0004】
特許文献3では、ロボット制御装置の外部接続端子部に押しボタンスイッチを設けておき、前記押しボタンスイッチを押下中に、前記外部接続端子部に対して教示操作装置の接続、切り離しを行うと、非常停止指令信号が出力されないで、ロボットが停止しない構成が開示されている。
【0005】
特許文献1乃至特許文献3では、非常停止回路を備えた教示操作装置をロボット制御装置から取り外した際に、ロボットの動作を止めないで運用することは可能である。
なお、特許文献4では、接点とコンデンサの並列回路部を複数組設けると共に、前記並列回路部をそれぞれケーブルで直列に接続することにより、いずれかの接点が開いたのか、それとも各並列回路部を直列につなげるためのケーブル(接続線)が断線したのかを判定する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2672417号公報
【特許文献2】特許第4085952号公報
【特許文献3】実開平4−98594号公報
【特許文献4】特開昭59−3270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1乃至特許文献3では、非常停止スイッチを備えた着脱可能な教示操作装置がロボット制御装置に接続されている状態でロボットが非常停止した場合、ロボットシステム内において、非常停止スイッチが操作されたために非常停止となったのか、或いは、回路に断線が発生したために非常停止したのかを一望して確認することが難しい問題がある。
【0008】
本発明の目的は、非常停止スイッチを備えた着脱可能な操作装置が可動機械制御装置に接続されている状態で可動機械が非常停止した場合、非常停止スイッチが操作されたために非常停止となったのか、或いは、回路に断線が発生したために非常停止したのかを一望して確認することができる可動機械制御装置及び可動機械制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、操作装置が接続解除可能に接続される接続ポートと、可動機械を制御する制御部と、前記接続ポートに接続された前記操作装置が有する非常停止スイッチの操作に応じて開放動作するリレー手段を含む非常停止回路部を備え、前記リレー手段の開放動作により前記制御部を介して前記可動機械を停止させる可動機械制御装置において、前記操作装置の前記接続ポートとの接続を検出する検出手段と、前記非常停止回路部は、スイッチ回路部を備え、前記スイッチ回路部は、前記検出手段が前記操作装置の接続を検出したときに閉成する第1スイッチ手段とコンデンサの直列回路に対して並列に接続されたリレー接点とを備えた並列回路部を含み、前記リレー接点は、前記操作装置が接続されている場合は、前記非常停止スイッチの接点の開閉に同期して開閉し、前記検出手段が前記操作装置の接続されていない場合は閉成して、前記リレー手段を閉成することにより、前記可動機械を作動させるものであり、前記並列回路部に対して論理信号を印加する論理信号付与手段と、前記論理信号が印加された状態で前記並列回路部から出力される信号の論理状態に基づいて、前記可動機械の非常停止が前記スイッチ回路部の断線による前記可動機械の非常停止か、前記非常停止スイッチの操作による可動機械の非常停止かを判定する判定手段を備えることを特徴とする可動機械制御装置を要旨としている。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、前記接続ポートに、前記スイッチ回路部が設けられていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2において、前記接続ポートのスイッチ回路部に含まれる並列回路部を第1並列回路部とし、前記接続ポートに対して接続解除可能に接続される操作装置を第1操作装置とし、第1操作装置が備える非常停止スイッチを第1非常停止スイッチとしたとき、第2非常停止スイッチの接点に対して並列に接続されたコンデンサを備える第2並列回路部を備える第2操作装置が、前記第1並列回路部と前記第2並列回路部とにより直列回路部を構成するように接続されて、前記直列回路部が前記判定手段に対して接続され、前記論理信号付与手段は、前記直列回路に対して論理信号を付与し、前記判定手段は、前記論理信号が印加された状態で前記直列回路部から出力される信号の論理状態に基づいて、前記可動機械の非常停止が前記直列回路部の断線による前記可動機械の非常停止か、前記第1又は第2非常停止スイッチの操作による可動機械の非常停止かを判定することを特徴とする請求項2に記載の可動機械制御システムを要旨としている。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3において、前記リレー手段には、第2スイッチ手段が直列に接続され、前記判定手段は、前記第1操作装置が前記接続ポートに接続されていないときに、前記直列回路部が断線したことを判定した際には、前記第2スイッチ手段を開放動作することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4のうちいずれか1項において、前記操作装置と、前記接続ポートとは有線、又は無線で接続解除可能にされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、非常停止スイッチを備えた操作装置が可動機械制御装置に接続されている状態で可動機械が非常停止した場合、非常停止スイッチが操作されたために非常停止となったのか、或いは、可動機械制御装置の回路に断線が発生したために非常停止したのかを一望して確認することができる効果を奏する。
【0014】
請求項2の発明によれば、接続ポートにスイッチ回路部が設けられているものにおいて、請求項1の発明を容易に実現できる。
請求項3の発明によれば、判定手段により、可動機械の非常停止が第1並列回路部と第2並列回路部の直列回路における断線による可動機械の非常停止か、第1、第2操作装置の非常停止スイッチの操作による可動機械の非常停止かを判定できる。
【0015】
請求項4の発明によれば、判定手段が、第1操作装置が前記接続ポートに接続されていないときに、直列回路部が断線したことを判定した際、第2スイッチ手段を開放動作し、その後、断線部分が自然に接続復旧した場合においても、可動機械を停止保持することができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、操作装置と、接続ポートとが、有線、又は無線で接続解除可能にされている可動機械制御システムにおいて、請求項3又は請求項4の作用効果を用意に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態のロボット制御装置のブロック回路図。
【図2】パルス信号生成回路の出力するパルス信号、インバータ43が出力する信号、端子Hbにおける信号、インバータ45が出力する波形をそれぞれ示す信号波形図。
【図3】検出器32、検出回路40、及び非常停止スイッチ52の各状態と図2の各t1〜t5の期間との対応説明図。
【図4】第2実施形態のロボット制御装置のブロック回路図。
【図5】第3実施形態のロボット制御装置のブロック回路図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明の可動機械制御システムをロボット制御システムに具体化した第1実施形態を図1、図2を参照して説明する。本実施形態では、ロボット制御システムは可動機械制御装置としてのロボット制御装置10と、操作装置としての教示操作装置50からなる。教示操作装置50は、可搬式であって持ち運びが可能である。
【0019】
非常停止回路部Jを備えたロボット制御装置10本体には可動機械としてのロボットRが接続されるとともに、接続ポート30が設けられている。前記接続ポート30はロボット制御装置10本体に設けられていてもよく、或いは、ロボット制御装置10の本体ケースの近くの位置に設置されていてもよい。なお、図1では説明の便宜上、接続ポート30はロボット制御装置10の外部に設けられた状態で図示されているが、接続ポート30は、ロボット制御装置10を構成するものである。
【0020】
前記接続ポート30は複数のコネクタCN1〜CN4を備えている。教示操作装置50は自信のコネクタCN5〜CN8に接続された通信線を介して接続ポート30のコネクタCN1〜CN4に対して着脱自在になっている。
【0021】
教示操作装置50には、非常停止スイッチ52が設けられている。非常停止スイッチ52は、他のスイッチに関係なく最優先でロボットRの動作を緊急停止させるための常閉接点52aを有する押しボタンスイッチにて構成されている。常閉接点52aの回路は、コネクタCN7〜CN8、及び通信線を介して接続ポート30のコネクタCN3,CN4に接続される。
【0022】
又、教示操作装置50と接続ポート30には、教示通信用のコネクタ(図示しない)がそれぞれ設けられている。教示操作装置50は、接続ポート30の教示通信用のコネクタに対して図示しない通信線を介して着脱自在になっている。教示操作装置50は、接続ポート30を経由して、図示しない操作キーの操作により教示データがロボット制御装置10に対して送信が可能である。
【0023】
又、教示操作装置50には、接続検出用のループバック回路54が設けられている。ループバック回路54は、コネクタCN5,CN6、及び通信線を介して接続ポート30のコネクタCN1,CN2に接続される。
【0024】
接続ポート30には、前記コネクタCN1,CN2に接続された検出手段としての検出器32が設けられている。検出器32は、コネクタCN1側に確認信号を出力し、コネクタCN2側から前記確認信号が返ってきた場合には、教示操作装置50が接続されていると検出し、前記確認信号が返らない場合には、教示操作装置50が接続されていないことを検出する。
【0025】
接続ポート30において、コネクタCN3,CN4間には、例えば、MOSFETからなる半導体スイッチ34が接続されている。半導体スイッチ34は、教示操作装置50が接続ポート30に接続された際、前記非常停止スイッチ52の常閉接点52aと並列回路を構成する。コネクタCN3は、+V電源に接続されるとともに、コネクタCN4は、リレーRY1を介して接地されている。
【0026】
リレーRY1は、教示操作装置50が接続されている状態で、非常停止スイッチ52の常閉接点52aが閉のとき、或いは、教示操作装置50が接続されていないときに、半導体スイッチ34のオン作動により、コイルが励磁して、後述するブレーク接点RY1b、及びメーク接点RY1aをそれぞれ作動する。接続ポート30には、駆動回路38及び検出回路40が設けられている。駆動回路38は前記検出器32が教示操作装置50の接続がされていないことを検出すると、半導体スイッチ34のゲートを介して半導体スイッチ34をオン作動して、リレーRY1のコイルに電流を供給し、教示操作装置50の接続がされていることを検出すると半導体スイッチ34をオフ作動させる。又、前記+V電源には、リレーRY1のブレーク接点RY1bが接続されている。ブレーク接点RY1bは、前記検出回路40に接続されている。
【0027】
検出回路40は、リレーRY1のブレーク接点RY1bの開閉と、リレーRY1のコイルに電源が供給されているか否かの両方を確認し、リレーRY1のコイルに電源が供給されていないのに、ブレーク接点RY1bが開いているときには異常信号を駆動回路38に出力する。駆動回路38は前記異常信号が入力されている間は、前記検出器32の検出結果に依らず、半導体スイッチ34のオフ作動を継続させる。なお、ブレーク接点RY1bは、後述するメーク接点RY1aの溶着監視(バックチェック)をするためのものである。本実施形態のリレーRY1は、安全リレーにて構成されており、非常停止機能を提供するメーク接点RY1aに問題があると、コイルへの電源供給を止めた後も閉じるべきブレーク接点RY1bが閉じないことが保証されている。
【0028】
接続ポート30には、第1スイッチ手段としての半導体スイッチ41とコンデンサCの直列回路に対して、メーク接点RY1aとが並列に接続された並列回路部Kが設けられている。並列回路部Kの両端は、接続ポート30に設けられた端子Ha,Hbに接続されている。前記並列回路部Kは、スイッチ回路部に相当する。前記半導体スイッチ41は、例えば、MOSFETから構成されている。検出器32が教示操作装置50の接続を検出していない場合、半導体スイッチ41は、検出器32によりオフ作動される。又、半導体スイッチ41は、検出器32が教示操作装置50の接続を検出している場合、ゲートを介してオン作動する。
【0029】
ロボット制御装置10に設けられた+V電源と前記端子Haには、リレーRY2、ダイオードDの直列回路が接続されている。また、ロボット制御装置10において、前記端子Hbには、リレーRY3に連動して開閉するリレー接点RY3aが接続されている。ロボット制御装置10において、リレーRY3は運転準備駆動回路35に接続され、運転準備駆動回路35によりオンオフする。すなわち、ロボット制御装置10はロボットRを制御する図示しないCPU(中央処理装置)を備えており、ロボットRが制御されていないとき、すなわち動作(運転)していないときには、リレーRY3をオンして、リレー接点RY3aを閉成するための制御信号が該CPUから運転準備駆動回路35に入力される。又、ロボットRが動作(運転)しているときには、リレーRY3をオフして、リレー接点RY3aを開成するための制御信号が前記CPUから運転準備駆動回路35に入力される。
【0030】
リレーRY2は、接点RY1aが閉じていることで前記端子HaとHb間が導通しているとき、かつ、リレーRY3がオンしたときにオンする。
ここで、ダイオードDが設けられている理由は、リレーRY2がコイルのインダタクタ成分の出力によるダイオードDのカソード側に接続される回路の悪影響を抑えるためである。又、ダイオードDのカソード側、すなわち、前記端子Haには、パルス信号生成回路42がインバータ43を介して接続されている。パルス信号生成回路42は、パルス波形を出力する。パルス信号生成回路42は、論理信号付与手段に相当する。
【0031】
並列回路部Kの端子Hbはリレー接点RY3aを経て接地されるとともに、直流成分除去器44、インバータ45の直流回路を介して判定回路46に接続されている。判定回路46は、運転準備駆動回路35とパルス信号生成回路42にも接続され、判定手段に相当する。直流成分除去器44は、パルス信号生成回路42が生成したパルス波形が、+V電源やメーク接点RY1aの開閉により、並列回路部Kの電圧(すなわち、印加されたパルス波形のオフセット電圧)が変動するため、これを除去するためのものである。判定回路46は、インバータ45を介して入力された並列回路部Kからの信号と、パルス信号生成回路42が出力したパルス波形とを比較して、後述するロボットRの非常停止が断線による非常停止か、或いは、非常停止スイッチの操作による非常停止かを判定する。判定回路46の判定結果は、表示部48により表示される。
【0032】
前記リレーRY2のメーク接点RY2aは、交流電源ACと制御部としてのサーボユニット47との間に設けられ、閉じたときにサーボユニット47によるロボットRの作動を停止させる。又、前記メーク接点RY2aは、閉成したときには、サーボユニット47によるロボットRの作動制御が可能になる。前記リレーRY2はリレー手段に相当する。又、+V電源からリレーRY2、端子Ha、並列回路部K、端子Hbを経由して接地されているまでの回路は、非常停止回路部Jを構成する。
【0033】
(作用)
さて上記のように構成されたロボット制御システムの作用を説明する。
教示操作装置50が接続ポート30に接続されている状態で、先に、コネクタCN5・CN1間、コネクタCN6・CN2間の接続を解除する。
【0034】
この結果、検出器32は、半導体スイッチ41をオフ作動させる。又、このときの検出器32の検出に基づいて、駆動回路38は半導体スイッチ34をオン作動させる。このため、リレーRY1に励磁電流が供給されて、メーク接点RY1aが閉成される。このとき既にリレー接点RY3aが閉成されていれば、メーク接点RY1aが閉成された結果、リレーRY2に励磁電流が供給されるため、メーク接点RY2aが閉成されることにより、サーボユニット47のロボットRに対する制御が許容される。
【0035】
この後、コネクタCN7・CN3間、コネクタCN8・CN4間の接続を解除して、教示操作装置50を接続ポート30から取り外す。このため、本実施形態では、教示操作装置50が接続ポート30に接続された状態はもちろんのこと、非常停止スイッチ52を備えた教示操作装置50が接続ポート30から取り外された状態においても、ロボットRの動作を止めないで運用することが可能である。
【0036】
次に、教示操作装置50を接続ポート30に接続する場合、まず、コネクタCN7,CN8を、通信線を介して接続ポート30のコネクタCN3,CN4に接続する。
この後、コネクタCN5・CN1間、コネクタCN6・CN2間を通信線を介して接続する。このコネクタ間が接続されると、すなわち、教示操作装置50が接続ポート30に接続されると、検出器32は、半導体スイッチ41をオン作動する。又、このときの検出器32の検出に基づいて、駆動回路38は半導体スイッチ34をオフ作動させる。この状態では、非常停止スイッチ52が操作されない限り、既にリレー接点RY3aが閉成されていれば、リレーRY1に励磁電流が供給されるため、メーク接点RY2aが閉成されて、サーボユニット47のロボットRに対する制御が許容される。又、半導体スイッチ41のオン作動と、メーク接点RY1aとの閉成により、並列回路部Kが有効化される。
【0037】
この状態で、非常停止スイッチ52が操作されると、常閉接点52aが開放されてリレーRY1への励磁電流が遮断される。このため、メーク接点RY1aが開放される。なお、半導体スイッチ41はオン作動しているが、コンデンサCには、直流が流れないため、半導体スイッチ41とコンデンサCの直流回路には電流が流れない。このため、リレーRY2の励磁電流が遮断される。この結果、メーク接点RY2aが開放されることにより、サーボユニット47によるロボットRの作動制御が停止する。すなわち、ロボットRは非常停止する。
【0038】
次に上記のように教示操作装置50が接続ポート30に接続された状態でのロボット制御システムの作用を説明する。
上記のように教示操作装置50が接続ポート30に接続された状態で、パルス信号生成回路42、及び判定回路46は下記の作動を行う。
【0039】
図2の(a)、(b)、(c)は、端子Haにおいて、パルス信号生成回路42からパルス信号を入力してインバータ43が出力する波形、端子Hbにおける波形、インバータ45が出力する波形をそれぞれ示す。
【0040】
パルス信号生成回路42は、常に「H(ハイ、以下同じ)」と「L(ロー、以下同じ))」信号を交互に出力している。この信号は、インバータ43により反転されて、+V電源からのオフセット電圧にパルス波形が重畳され、並列回路部Kの端子Haに入力される(図2の(a)の信号を参照)。
【0041】
このとき、端子Hbでの信号は、運転準備駆動回路35によりリレー接点RY3aが開成している期間、すなわち、ロボットRが運転されていない期間のみ観測が可能である。この期間において、メーク接点RY1aが閉成されていると、端子Hbでの信号は、端子Haと同じ波形となり、インバータ45の出力側には、生成したパルス信号の論理と同じ信号が出力されて判定回路46に入力される(図2のt1の区間参照)。
【0042】
上記の説明のt1の区間が生ずる例は、図3に示すように、2種類の場合である。1つは、検出器32が教示操作装置50の接続ポート30への接続が「有」として作動し、検出回路40がリレーRY1のメーク接点RY1aの溶着を「無」(正常)として検出し、非常停止スイッチ52が操作されていない場合である。他の1つは、検出器32が教示操作装置50の接続ポート30への接続が「無」として作動し、検出回路40がリレーRY1のメーク接点RY1aの溶着を「無」(正常)として検出している場合である。
【0043】
また、運転準備駆動回路35は、ロボットRが運転されていないとき、リレーRY3をオンして、リレー接点RY3aを閉成するための制御信号が該CPUから入力がされている期間(すなわち、ロボットRが運転されていない期間)中は、判定回路46に、判定作動のための信号の出力を保持する。
【0044】
判定回路46は、前記運転準備駆動回路35からの前記信号の入力に応じて、パルス信号生成回路42が出力した「L」信号と、入力した「L」信号の「立ち下がり」、及び「立ち上がり」をそれぞれ比較する。そして、判定回路46は、両方が「L」であれば断線は無いと判定する。この判定結果は表示部48に出力されて、表示部48により表示される。
【0045】
ここで、メーク接点RY1aが開放状態の場合、並列に接続されたコンデンサCの微分作用により、端子Hbでの信号波形は微分波形となる。
この微分波形は、直流成分除去器44を通りインバータ45で反転されて、図2の(c)にt2の区間で示す波形となる。判定回路46は、この信号波形とパルス信号生成回路42の信号波形とを比較に基づいてメーク接点RY1aの開放,閉成状態に依らず、並列回路部Kの接続線L1,L2の断線の有無を判定し、表示部48にその判定結果を出力する。なお、t2の期間では、断線はないものと判定回路46は判定することになる。
【0046】
上記の説明のt2の区間が生ずる例は、図3に示すように、2種類の場合である。1つは、検出器32が教示操作装置50の接続ポート30への接続が「有」として作動し、検出回路40がリレーRY1のメーク接点RY1aの溶着を「無」(正常)として検出し、非常停止スイッチ52が操作されている場合である。他の1つは、検出器32が教示操作装置50の接続ポート30への接続が「有」として作動し、検出回路40がリレーRY1のメーク接点RY1aの溶着を「有」(故障)として検出している場合である。
【0047】
また、運転準備駆動回路35は、ロボットRが運転されているときは、リレー接点RY3aを開成するための制御信号が該CPUから運転準備駆動回路35に入力される。このため、リレー接点RY3aを開成するための制御信号が入力がされている期間(すなわち、ロボットRが運転されていない期間)中は、運転準備駆動回路35は、判定回路46に、判定を行わせないための信号の出力を保持する。すなわち、この場合は、判定回路46の判定は中断する。また、前記リレー接点RY3aは閉成されるため、図2の(b)において、t3の期間中は端子Hbは零の電位となる。
【0048】
図2において、t4の期間は、t2の期間と同様に、ロボットRが運転がされていないときを示している。このt4期間中に、並列回路部Kの回路を構成する接続線L1,L2に断線があった場合、リレーRY2には励磁電流が供給されないため、ロボットRは非常停止する。なお、接続線L1,L2は、それぞれ並列回路部Kの入力側及び出力側の接続線である。本実施形態では、接続線L1は、ダイオードDのカソード側から並列回路部K間の接続線となる。又、接続線L2は、並列回路部Kから直流成分除去器44迄の接続線となる。
【0049】
このように、並列回路部Kの接続線L1,L2に断線があると、端子Hbでは、端子Haから重畳されたパルス信号を受け取ることができないため、直流成分除去器44の出力は「L」信号のままとなり、インバータ45の出力側は「H」信号が出力されて、判定回路46に入力される。判定回路46は、パルス信号生成回路42が出力した「L」信号と、入力した「H」信号とを比較して、並列回路部Kの接続線L1,L2が断線していると判定する。この判定結果は表示部48に出力されて、表示部48により表示される。
【0050】
上記の説明のt4の区間が生ずる例は、図3に示すように、2種類の場合である。1つは、検出器32が教示操作装置50の接続ポート30への接続が「有」として作動し、検出回路40がリレーRY1のメーク接点RY1aの溶着を「有」(故障)として検出している場合である。他の1つは、検出器32が教示操作装置50の接続ポート30への接続が「有」として作動し、検出回路40がリレーRY1のメーク接点RY1aの溶着を「無」(正常)として検出し、かつ、非常停止スイッチ52が操作された場合である。
【0051】
図2において、t5の区間は、前記リレー接点RY3aが開成、メーク接点RY1aが開成(すなわち、)、半導体スイッチ41がオフ状態の場合である。このような状態は、図3に示すように、教示操作装置50が接続ポート30に接続されていない状態で、かつ、リレーRY1のメーク接点RY1aが溶着して故障状態の場合である。この場合、パルス信号生成回路42からパルス信号が出力されるため、判定回路46ではインバータ45から図2に示すような信号が入力される。
【0052】
さて、本実施形態は下記の効果がある。
(1) 本実施形態のロボット制御システム及びロボット制御装置10は、教示操作装置50の接続ポート30との接続を検出する検出器32(検出手段)を備えるとともに、非常停止回路部Jは、並列回路部K(スイッチ回路部)を備えている。又、並列回路部Kは、検出器32が教示操作装置50の接続を検出したときに閉成する半導体スイッチ41(第1スイッチ手段)とコンデンサCの直列回路に対して並列に接続されたメーク接点RY1a(リレー接点)とを備えている。そして、メーク接点RY1aは、教示操作装置50が接続されている場合は、非常停止スイッチ52の常閉接点52aの開閉に同期して開閉し、検出器32が教示操作装置50の接続されていない場合は閉成して、リレーRY2を閉成することにより、ロボットRを作動させる。又、ロボット制御装置10は、並列回路部Kに対して「H」信号、及びパルス信号(論理信号)を印加するパルス信号生成回路42(論理信号付与手段)を備えている。さらに、ロボット制御装置10は、「H」信号、及びパルス信号(論理信号)が印加された状態で並列回路部Kから出力される信号の論理状態に基づいて、ロボットRの非常停止が並列回路部Kの断線によるロボットRの非常停止か、非常停止スイッチ52の操作によるロボットRの非常停止かを判定する判定回路46(判定手段)を備える。
【0053】
この結果、非常停止スイッチ52を備えた教示操作装置50がロボット制御装置10に接続されている状態でロボットRが非常停止した場合、非常停止スイッチ52が操作されたために非常停止となったのか、或いは、回路に断線が発生したために非常停止したのかを一望して確認できる。
【0054】
(2) 本実施形態の実施形態では、接続ポート30に、並列回路部K(スイッチ回路部)が設けられている。この結果、本実施形態では接続ポート30に並列回路部Kが設けられているものにおいて、上記(1)効果を容易に実現できる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、本発明の可動機械制御システムを、ロボット制御システムに具体化した第2実施形態を図4を参照して説明する。第2実施形態では第1実施形態と同一構成については同一符号を付して異なる構成を中心に説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態で説明した並列回路部Hは、第1並列回路部に相当し、教示操作装置50は、第1操作装置に相当する。又、非常停止スイッチ52は、第1非常停止スイッチに相当する。
【0056】
本実施形態のロボット制御システムでは、第1実施形態のロボット制御装置10の近傍又は、教示操作装置50に対して固定式の教示操作装置60がさらに設けられているところが異なっている。教示操作装置60は、第2操作装置に相当する。
【0057】
教示操作装置60には、第2非常停止スイッチとしての非常停止スイッチ62が設けられている。非常停止スイッチ62は、他のスイッチに関係なく最優先でロボットRの動作を緊急停止させるための常閉接点62aを有する押しボタンスイッチにて構成されている。常閉接点62aはコンデンサC1と並列に接続されている。常閉接点62aとコンデンサC1とは第2並列回路部としての並列回路部K1を構成している。
【0058】
並列回路部K1の一方の端子Hdは、並列回路部Kの端子Hbに接続されるとともに、他方の端子Heは、端子Hcを介して直流成分除去器44に接続されている。この結果、並列回路部K,K1は直列回路部を構成する。そして、この直列回路部は、直流成分除去器44、インバータ45、介して判定回路46に接続されている。ここで、判定回路46の断線検出の対象の接続線の中で、接続線L1は第1実施形態と同様であり、接続線L2は並列回路部K,K1間の接続線を意味し、接続線L3は並列回路部K1から直流成分除去器44迄の接続線を指す。
【0059】
教示操作装置60とロボット制御装置10には、教示通信用のコネクタ(図示しない)がそれぞれ設けられている。教示操作装置60は、ロボット制御装置10の教示通信用のコネクタに対して図示しない通信線を介して通信が可能であるととともに、図示しない操作キーの操作により教示データがロボット制御装置10に対して送信が可能である。
【0060】
又、非常停止回路部Jにおいて、+V電源と、リレーRY2間には、第2スイッチ手段として、例えば、MOSFETからなる半導体スイッチ49が接続されている。半導体スイッチ49は、判定回路46によりオンオフ制御される。判定回路46は、断線を検出した際に、半導体スイッチ49をオフ作動させるとともに、断線を検出しない場合には、半導体スイッチ49をオン作動させる。
【0061】
(作用)
さて、上記のように構成された第2実施形態のシステムの作用を説明する。
本実施形態では、教示操作装置50が接続ポート30に接続されていない状態、及び接続された状態において、検出器32の検出による半導体スイッチ41のオンオフ動作、並びに半導体スイッチ34のオンオフ動作は同じである。従って、本実施形態では、教示操作装置50が接続ポート30に接続された状態はもちろんのこと、教示操作装置50が接続ポート30から取り外された状態においても、ロボットRの動作を止めないで運用することが可能である。
【0062】
又、教示操作装置50が接続ポート30に接続された状態において、非常停止スイッチ52、62が操作された場合、或いは、教示操作装置50が接続ポート30に接続されていない状態において、非常停止スイッチ62が操作された場合、リレーRY2への電流供給が遮断されるため、ロボットRは非常停止する。
【0063】
又、本実施形態では、第1実施形態と同様に、パルス信号生成回路42は作動するとともに、判定回路46は、ロボットRが非常停止した際に、断線による非常停止であるのか、又は非常停止スイッチ52,62の操作による非常停止であるのかを判定する。判定回路46の判定処理は、第1実施形態と同様のアルゴリズムで行う。
【0064】
そして、並列回路部K,K1からなる直列回路部の接続線L1〜L3に断線があると、判定回路46が判定したとき、判定回路46は半導体スイッチ49をオフ作動する。
上記のように半導体スイッチ49がオフ作動することにより、断線部分が自然に接続復旧した場合においても、リレーRY2に励磁電流が供給されることがなく、ロボットRの停止を保持することができる。このため、ロボットRを確実に停止保持した後において、断線した箇所のメンテナンスを行うことができる。判定回路46の判定結果は第1実施形態と同様に表示部48により表示される。
【0065】
第2実施形態は、下記の特徴がある。
(1) 本実施形態のシステムは、判定回路46(判定手段)により、ロボットRの非常停止が並列回路部K,K1の直列回路における断線による非常停止か、教示操作装置50,60の非常停止スイッチ52,62の操作による可動機械の非常停止かを判定できる。
【0066】
(2) 本実施形態では、リレーRY2には、半導体スイッチ49が直列に接続され、判定回路46は、教示操作装置50(第1操作装置)が接続ポート30に接続されていないときに、並列回路部K,K1からなる直列回路部が断線したことを判定した際には、半導体スイッチ49をオフ作動(開放動作)する。この結果、本システムによれば、教示操作装置50が接続ポート30に接続されていないときに、判定回路46が、直列回路部が断線したことを判定した際、半導体スイッチ49をオフ作動し、その後、断線部分が自然に接続復旧した場合においても、ロボットRを停止保持することができる。
【0067】
(3) 本実施形態では、ロボット制御装置10の近傍、又は直接固定された固定式の教示操作装置60が設けられている。このことは、可搬式の教示操作装置50が接続ポート30に接続されていない場合に有利である。例えば、可搬式の教示操作装置50が接続ポート30に接続されていない状態で、接続線L1、端子Ha等で地落故障があった場合、教示操作装置60の非常停止スイッチ62を操作することにより、可動しているロボット制御装置10を非常停止することができる利点がある。
【0068】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図5を参照して説明する。
第1実施形態では、教示操作装置50と、接続ポート30間を通信線を介して接続したが、第3実施形態では、無線接続可能に構成したところが異なっている。具体的には、教示操作装置50の代わりに、教示操作装置50Aが設けられている。教示操作装置50Aには、非常停止スイッチ52の常閉接点52aの開閉を検出する開閉検出部53が設けられるとともに、無線通信が可能な送受信装置55が設けられている。開閉検出部53は、常閉接点52aの開閉状態を常時検出し、その検出結果を送受信装置55に出力する。送受信装置55は、後述する接続ポート30Aと通信を確立した際に、開閉検出部53の開閉検出結果を接続ポート30Aに送信する。
【0069】
一方、ロボット制御装置10は、接続ポート30の代わりに接続ポート30Aが設けられている。なお、図5に示すように、第2実施形態の接続ポート30の構成と同一構成又は相当する構成については、同一符号を付す。
【0070】
接続ポート30Aには、教示操作装置50Aの送受信装置55と通信が可能な送受信装置33が設けられている。送受信装置33は、1つの教示操作装置50Aと通信を確立した状態では他の教示操作装置との通信の確立が不能になっている。
【0071】
送受信装置33が、前述のように1つの教示操作装置50Aと通信を確立すると、送受信装置33は接続が確立したこと示す信号を検出器32Aに出力する。この結果、検出手段としての検出器32Aは、教示操作装置50Aとの接続を検出する。又、検出器32Aは、前記接続が確立したことを示す信号を入力しない場合には、教示操作装置50Aとの接続がされていないものとして検出する。
【0072】
又、駆動回路38は前記検出器32Aが教示操作装置50Aの接続がされていない状態及び接続されている状態のいずれの状態においても、教示操作装置50Aから常閉接点52aの開を示す信号を送受信装置33が受信しない限り、半導体スイッチ34のゲートを介して半導体スイッチ34をオン作動してリレーRY1(コイル)に電流を供給する。
【0073】
又、検出回路40は、送受信装置33から常閉接点52aが開を示す信号があった場合、リレーRY1のブレーク接点RY1bの開閉状態を確認する。そして、検出回路40は、駆動回路38が半導体スイッチ34をオン作動していないのに(すなわち、リレーRY1のコイルに電源が供給されていないのに)、ブレーク接点RY1bが開いているときには、監視結果として異常信号を後述する表示部48に出力し、その旨を表示部48に表示させる。
【0074】
教示操作装置50Aと通信が確立した状態で、送受信装置33から検出器32Aを介して駆動回路38に常閉接点52aの開を示す信号の入力があった場合、駆動回路38は半導体スイッチ34をオフ作動させる。この結果、リレーRY1の励磁電流が遮断されて、メーク接点RY1aが開放されることにより、リレーRY2には励磁電流が供給されないため、ロボットRは非常停止する。
【0075】
第3実施形態のロボット御システムの他の構成及び機能は、第2実施形態と同一構成及び同機能を有する。上記構成により第3実施形態では、第2実施形態と同様の作用効果を実現できる。
【0076】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記各実施形態では、半導体スイッチ34,41,49は、MOSFETにより構成したが、バイポーラトランジスタ等により構成してもよい。
【0077】
・ 前記第1乃至第3実施形態では、教示データをロボット制御装置10に付与することができる教示操作装置を操作装置としたが、操作装置は教示操作装置に限定するものではなく、接続ポート30に着脱自在に接続するとともに非常停止スイッチを備える操作装置であればよい。
【0078】
・ 前記実施形態では、判定回路46の判定結果を表示部48で表示するようにしたが、報知手段としては、表示装置以外に、音声でその結果の旨を知らせる音声発生装置、或いは、印刷装置等に変更してもよい。
【0079】
・ 第2実施形態の教示操作装置60の代わりに、教示データを入力を目的としていない操作装置であって、非常停止スイッチとコンデンサC1にて並列回路部を有するものに変更してもよい。
【0080】
・ 第2、第3実施形態において、半導体スイッチ49を省略してもよい。
・ 第2実施形態では、ロボット制御装置10に対して着脱しない固定式の教示操作装置60を1つ設けたが、1つに限定されるものではない。教示操作装置60と同一構成の並列回路部K1を備えた固定式の教示操作装置をロボット制御装置10に対して2つ以上接続するようにしてもよい。この場合、各操作装置の並列回路部は互いに直列に接続して、直流成分除去器44、インバータ45、判定回路46に接続するものとする。
【0081】
この場合においても、第2実施形態と同様に、各並列回路部に接続される接続線に地落故障があった際、判定回路46により、半導体スイッチ49がオフ作動することにより、ロボットRを非常停止することができる。
【0082】
・ 前記各実施形態では、可動機械をロボットRにしたが、ロボットに限定されるものではなく、制御装置により制御動作する機械であってもよい。
・ 第2実施形態の接続ポート30,教示操作装置50の構成を第3実施形態の接続ポート30A,教示操作装置50Aの構成に置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0083】
10…ロボット制御装置(可動機械制御装置)、
30…接続ポート、32…検出器(検出手段)、
41…半導体スイッチ(第1スイッチ手段)、
42…パルス信号生成回路(論理信号付与手段)、46…判定回路(判定手段)、47…サーボユニット(制御部)、49…半導体スイッチ(第2スイッチ手段)、50…教示操作装置(操作装置)、52…非常停止スイッチ、
52a…常閉接点、J…非常停止回路部、K…並列回路部、スイッチ回路部、
R…ロボット(可動機械)、RY1a…メーク接点(リレー接点)、
RY2…リレー(リレー手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作装置が接続解除可能に接続される接続ポートと、可動機械を制御する制御部と、前記接続ポートに接続された前記操作装置が有する非常停止スイッチの操作に応じて開放動作するリレー手段を含む非常停止回路部を備え、前記リレー手の開放動作により前記制御部を介して前記可動機械を停止させる可動機械制御装置において、前記操作装置の前記接続ポートとの接続を検出する検出手段と、前記非常停止回路部は、スイッチ回路部を備え、前記スイッチ回路部は、前記検出手段が前記操作装置の接続を検出したときに閉成する第1スイッチ手段とコンデンサの直列回路に対して並列に接続されたリレー接点とを備えた並列回路部を含み、前記リレー接点は、前記操作装置が接続されている場合は、前記非常停止スイッチの接点の開閉に同期して開閉し、前記検出手段が前記操作装置の接続されていない場合は閉成して、前記リレー手段を閉成することにより、前記可動機械を作動させるものであり、前記並列回路部に対して論理信号を印加する論理信号付与手段と、前記論理信号が印加された状態で前記並列回路部から出力される信号の論理状態に基づいて、前記可動機械の非常停止が前記スイッチ回路部の断線による前記可動機械の非常停止か、前記非常停止スイッチの操作による可動機械の非常停止かを判定する判定手段を備えることを特徴とする可動機械制御装置。
【請求項2】
前記接続ポートに、前記スイッチ回路部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の可動機械制御装置。
【請求項3】
前記接続ポートのスイッチ回路部に含まれる並列回路部を第1並列回路部とし、前記接続ポートに対して接続解除可能に接続される操作装置を第1操作装置とし、第1操作装置が備える非常停止スイッチを第1非常停止スイッチとしたとき、第2非常停止スイッチの接点に対して並列に接続されたコンデンサを備える第2並列回路部を備える第2操作装置が、前記第1並列回路部と前記第2並列回路部とにより直列回路部を構成するように接続されて、前記直列回路部が前記判定手段に対して接続され、
前記論理信号付与手段は、前記直列回路に対して論理信号を付与し、
前記判定手段は、前記論理信号が印加された状態で前記直列回路部から出力される信号の論理状態に基づいて、前記可動機械の非常停止が前記直列回路部の断線による前記可動機械の非常停止か、前記第1又は第2非常停止スイッチの操作による可動機械の非常停止かを判定することを特徴とする請求項2に記載の可動機械制御システム。
【請求項4】
前記リレー手段には、第2スイッチ手段が直列に接続され、
前記判定手段は、前記第1操作装置が前記接続ポートに接続されていないときに、前記直列回路部が断線したことを判定した際には、前記第2スイッチ手段を開放動作することを特徴とする請求項3に記載の可動機械制御システム。
【請求項5】
前記操作装置と、前記接続ポートとは有線、又は無線で接続解除可能にされていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の可動機械制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−197858(P2011−197858A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62003(P2010−62003)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【出願人】(000005197)株式会社不二越 (625)
【Fターム(参考)】