説明

可変キャパシタを備えた電力変換器

第1電圧(V)のエネルギーを第2電圧(V)に変換するシステムであり、本システムは、電圧(V)のエネルギーソース(6)と、放電スイッチ(18)と、可変キャパシタ(202)および収集手段(208)を備え、また、上記放電スイッチ(218)と上記エネルギーソース(6)との間に設けられた充電スイッチ(212)と、上記可変キャパシタ(202)と上記収集手段(208)との間に設けられた転送スイッチ(216)とを備え、更に、制御手段を備え、該制御手段により、a)最初のステップで、一方で上記放電スイッチ(218)および上記転送スイッチ(216)が開いている間に、上記充電スイッチ(212)を閉じて上記キャパシタ(202)を充電し、c)続くステップで、上記充電スイッチ(212)が開いている間に上記放電スイッチ(218)が短時間だけ閉じ、上記可変キャパシタ(202)の少なくとも部分的な放電を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明、第1電位の電源ソースにより供給される電気エネルギーを、電気システムにより使用される別の電位の電気エネルギーに変換するように設計された小型の電力変換器(electrical converter)に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電源により供給される電気エネルギーは、例えば220Vの電圧であり、多くの電気製品、とりわけ携帯型電気製品は、低動作電圧、例えば12Vまたは14Vを必要とする。従って、これは、電力変換器とも称される電気エネルギー変換器の使用を必要とし、通常、このシステムは誘導型(inductive type)である。
【0003】
電力変換器は、次の原理に基づいて動作する。任意のソースからの所定電位または所定電流の電気エネルギーは別の形式で蓄積(store)され、そして、所望電位または所望電流の電気形式でリストア(restore)される。
【0004】
電気エネルギーは、公知の方法で磁気形式で電気/電気変換構造体(インダクタンス、変圧器)に蓄えられる。しかしながら、電磁気素子に基づくこれらの変換構造体は、良好な電気性能を提供するためには十分に大きくなければならない。もし誘導型電磁気系のサイズを小さくすれば、磁気素子に蓄えられるエネルギーに対して巻線による抵抗損失が極めて大きくなり、従って、効率が極めて低くなり、このことは、極めて低い効率が許容されない限り、例えばシリコン上に集積されたシステムなどの極めて小型のシステムでは全く魅力がない。
【0005】
また、これらの構造体は電流循環(current circulation)を必要とし、これはまた、細い配線(small wires)における温度上昇とエネルギー損失をもたらす。
【0006】
文献US6317342に可変キャパシタ(variable captor)を用いた電圧変換器が記載されている。この変換器は高エネルギー損失を発生させる。また、それは、必然的に共振動作し、電荷を転送させるために外部クロックを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的の一つは、良好な性能を備えた小型の電力変換システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、可変の空隙を有する少なくとも一つのキャパシタを用いた静電構造を用いた機械的形式(mechanical form)でエネルギーが蓄えられ、上記変換を生じさせる上記キャパシタの可動片(armatures)間に静電力が現れるシステムによって達成される。一定電荷での動作ステップはシステム損失を低減させ、それにより、その性能は、従来技術によるシステムで可能な性能を上回る。
【0009】
従って、上記変換は、静電力によって発生される機械的動作(mechanical movement)を含む。
【0010】
蓄積は、例えば運動エネルギー及び/又は位置エネルギーなどの機械的エネルギーの形式で行われ、位置エネルギーは、場合によっては、ビーム(beam)のたわみ(spring)または曲げ(bending)の圧縮(compression)のような機械的変形エネルギーである。
【0011】
本発明によるシステムは、可動片を備えた少なくとも一つの可変キャパシタを備え、前記キャパシタは、前記可動片を変位させることにより、例えばバネを変形させることにより、所定電圧の電気エネルギーを機械的エネルギーに変換する機能を有し、従って、機械的エネルギーが、前記バネに蓄えられ、そして、この機械的エネルギーが、前記可動片の新たな変位分だけ、他の電位の電気エネルギーに変換される。そして、前記静電構造体は、アクチュエータモードで使用され、そして、エネルギー変換モードで使用される。
【0012】
他の実施形態では、本システムは二つのキャパシタを備え、一つは、可動片を変位させる主機能を有し、他の一つは、とりわけ、電圧を修正する主機能を有する。
【0013】
本発明によるシステムは、電圧ステップダウンまたは電圧ステップアップで作動することができる。
【0014】
本発明によれば、極めて小型の変換器が可能である。電磁気変換器についての場合と異なり、静電変換を用いて、構造体の単位体積あたりのキャパシタンスは、そのサイズが減少されるにつれて増加し、従って、単位体積あたりの変換可能なエネルギーは高くなる。表面積は増加し、材料構造はより良好であり、空隙は低減される。
【0015】
また、静電システムにおいて、機械的力は、電流よりもエネルギーを蓄積するために電圧/電界によって生成され、従って、小さい断面積を有する配線における電流の循環に起因するエネルギー消費は存在せず、また温度上昇も存在しない。
【0016】
また、シリコンのような単結晶材料は、極めて小型のシステムの場合に使用されることができ、そして、変換システムの機械的減衰(mechanical damping)は極めて小さく、機械的Q値(mechanical quality factor)は非常に高く、その結果、極めて低い機械的損失が得られる。
【0017】
そして、携帯型電子機器での使用に適合した極めて小型の集積システムを作成することが可能になる。
【0018】
複数の電圧値の電気エネルギーへ変換させるために、複数のシステムを組み合わせることが可能である。
【0019】
とりわけ、一つの有利な変換システムは、二つの注目すべきモード:即ち、
− 電荷の電位が、電流循環を伴うことなく、徐々に変化する第1モードと、
− 電荷が、電位差を伴うことなく循環する第2モードで動作する。
【0020】
これらの二つのモードでの本システムの動作は、引き続いて、電荷転送(charge transfer)における無損失をもたらすことができる。変換システムにおいて消費される電力は、電流と電圧差の積に等しく、これらの二つのモードでは常にゼロであり、なぜならば、各モードにおける要素の一つは常にゼロだからである。そして、本発明によるシステムは、変換中の低エネルギー損失を達成する。
【0021】
また、いわゆる“スイッチドキャパシタ”システムが存在し、その動作原理は、固定された機械的構造を有する少なくとも二つのキャパシタによりエネルギーを転送することから構成され、それらの接続を並列と直列とに連続的にスイッチングさせることによっている。
【0022】
しかしながら、エネルギーは、ソースと、このソースに接続される直前のキャパシタとの間の電圧差が存在する場合にのみ転送される。その結果、消費によるエネルギー損失は、スイッチが電圧差により閉じられたときに発生する。
【0023】
そして、本発明の主題は、変換システムにより、第1電圧の電気エネルギーを前記第2電圧の電気エネルギーに変換するための方法であり、前記変換システムは、充電スイッチを通じて可変キャパシタに接続された前記第1電圧の少なくとも一つの電圧源と、前記可変キャパシタと並列に配置された放電スイッチと、前記第2電圧のエネルギーを収集する手段と、前記可変キャパシタと前記収集手段との間でエネルギーを転送する手段とを備え、前記可変キャパシタは、固定プレートと、前記固定プレートから離れる方向に移動可能であると共に前記固定プレートに向かう方向に移動可能な可動プレートと、前記可動プレートを、その初期位置に復帰させるための弾性手段とを備え、本方法は、完全な1つの変換サイクルについて、a)前記第1電圧で前記可変キャパシタを充電すると共に、前記放電スイッチが開いた状態を維持している間に前記充電スイッチを閉じて、前記キャパシタのキャパシタンスを増加させる前記可動プレートの変位を誘発させるステップと、b)一定電荷での前記キャパシタの動作を可能とするために、前記放電スイッチを開いた状態に保持している間に前記充電スイッチを開き、前記キャパシタのキャパシタンスが継続して増加するステップと、c)前記可変キャパシタの少なくとも部分的放電を可能とすると共に、前記可動要素の移動を反転させるために、前記放電スイッチを閉じるステップと、を備え、前記転送手段は、前記可動電極の移動中に前記キャパシタから前記収集手段へのエネルギー転送を提供する。
【0024】
本発明の他の主題は、第1電圧の電気エネルギーから第2電圧の電気エネルギーへの変換システムであり、充電スイッチを通じて可変キャパシタに接続された少なくとも一つの前記第1電圧の電圧源と、前記可変キャパシタと並列に配置された放電スイッチと、前記第2電圧のエネルギー収集手段と、(前記可変キャパシタと前記収集手段との間で)エネルギーを転送する手段とを備え、前記可変キャパシタは、固定プレートと、前記固定プレートから離れる方向に移動可能であると共に前記固定プレートに向かう方向に移動可能な可動プレートと、前記可動プレートを、その初期位置に復帰させるための弾性手段と、を備え、前記変換システムは、また、前記充電スイッチおよび前記放電スイッチを制御するための手段を備え、1つの変換サイクルについて、a)第1ステップで、前記放電スイッチが開かれると共に前記充電スイッチが閉じられて前記キャパシタを前記第1電圧で充電し、前記可動プレートが変位されて前記キャパシタのキャパシタンスを増加させ、b)第2ステップで、前記充電スイッチが開かれると共に前記放電スイッチ開かれた状態に保持されて、一定電荷での前記キャパシタの動作を可能とし、前記キャパシタのキャパシタンスが継続して増加し、c)第3ステップで、前記放電スイッチが閉じられて、少なくとも前記可変キャパシタの部分的な変位が前記可動要素の移動の反転をもたらし、前記転送手段が、前記可動電極の移動中に前記キャパシタから前記収集手段にエネルギーを転送する。
【0025】
有利には、前記スイッチは、前記キャパシタのキャパシタンスが最小であるときに前記充電スイッチが閉じられるように制御される。
【0026】
前記スイッチは、有利には、前記キャパシタのキャパシタンスが最大であるときに前記放電スイッチが閉じられるように、前記スイッチが制御される。
【0027】
例えば、前記キャパシタの電極のうちの一つは、転送スイッチまたはダイオードを通じて前記収集手段に接続されてもよい。前記転送スイッチまたはダイオードは、前記可変キャパシタンスにおける減少に相当する前記可変キャパシタの可動電極の移動フェーズ中に導通していてもよい。
【0028】
一実施形態において、前記可変キャパシタは第1キャパシタを構成し、本システムは、また、第2可変キャパシタを備え、該第2可変キャパシタは、少なくとも、固定プレートと、前記固定プレートから離間し前記固定プレートから離れる方向に移動可能な可動プレートとを備え、前記第1および第2キャパシタにおける前記可動プレートは動きが固定され、前記第2可変キャパシタは、転送スイッチまたはダイオードを通じて前記収集手段に接続される。前記第2キャパシタは、有利には、前記可動プレートの両側に配置された二つの固定プレートを備える。
【0029】
他の実施形態では、各キャパシタは固定プレートを備え、それぞれは、共通可動プレートの片側に配置されている。
【0030】
有利には、前記第1キャパシタの第1固定プレートは、前記第2キャパシタの第2固定プレートの表面上の可動プレートに対向する表面を提供する。
【0031】
放電スイッチ閉期間は、有利には、前記変換サイクルの期間の100分の1よりも小さい。
【0032】
例えば、前記放電スイッチは、前記可変キャパシタの前記可動プレートおよび前記固定プレート上に支持された要素から構成され、前記放電は、前記プレート上に支持された複数の要素を相互に接続することにより生じる。
【0033】
スイッチは、時間、または可動プレートの位置の値、または前記キャパシタのうちの一つのキャパシタンス、キャパシタの端子の電圧、またはキャパシタの端子の電圧の微分係数(derivative)に応じて制御される。
【0034】
本システムは、シリコンから製造された集積システムであってもよい。
【0035】
復帰手段は、例えば、バネ、ブレード、変形可能なビームの中から選択されてもよい。
【0036】
本発明の他の主題は、電気エネルギー変換アセンブリ(Electrical energy conversion assembly)であり、該電気エネルギー変換アセンブリは、本発明による少なくとも二つの変換システムを備え、当該アセンブリは、第1電圧の第1エネルギーを複数の第2電圧の複数の第2エネルギーに変換する機能を有し、本システムは、共通の可動電極を備えてもよい。
【0037】
本発明の他の主題は、本発明による少なくとも一つの電気エネルギー変換システムまたは本発明による変換アセンブリを備えた電子装置である。
【0038】
本発明は、後述の説明および添付の図面を参照することにより、より良く理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による変換システムの第1実施形態を図式的に示す図である。
【図2A】図1における本システムの特性をグラフにより示す図である。
【図2B】図1における本システムの特性をグラフにより示す図である。
【図2C】図1における本システムの特性をグラフにより示す図である。
【図2D】図1における本システムの特性をグラフにより示す図である。
【図3】図1におけるスイッチの異なる複数の状態をクロノグラフにより示す図である。
【図4】本発明による変換システムの第2実施形態を図式的に示す図である。
【図5A】図4における本システムの特性をグラフにより示す図である。
【図5B】図4における本システムの特性をグラフにより示す図である。
【図5C】図4における本システムの特性をグラフにより示す図である。
【図5D】図4における本システムの特性をグラフにより示す図である。
【図6】図4におけるスイッチの異なる複数の状態をクロノグラフにより示す図である。
【図7】本発明による、単一の可変キャパシタを備えた変換システムの第3実施形態を図式的に示す図である。
【図7A】図7における本システムの異なる複数の特性をグラフにより示すである。
【図7B】図7における本システムの異なる複数の特性をグラフにより示すである。
【図7C】図7における本システムの異なる複数の特性をグラフにより示すである。
【図7D】図7におけるスイッチの異なる複数の状態をクロノグラフにより示す図である。
【図8A】第3実施形態による変換システムの実施例の上面を示す図である。
【図8B】第3実施形態による変換システムの実施例の側面を示す図である。
【図9】第3実施形態による変換システム他の実施例の側面を示す図である。
【図10】図9における本システムの静電力に応じて固定−固定ビームの変形の変化(variation)を示す図である。
【図11】図9における本システムの固定−固定ビームについての変化振幅に応じた共振周波数の変化を示す図である。
【図12】図7における変換システムの変形例を図式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の説明において、本システムは、異なる複数のモード、即ち一定電圧モード(a constant voltage mode)および一定電荷モード(a constant charge mode)で動作するものとして説明される。しかしながら、これら二つのモードが重複することは可能であり、即ち、スイッチがどのように制御されるかに応じて、電圧が電荷と同時に変化することができ、逆も同様である。
【0041】
図3,6,7Dに示されれるクロノグラフにおいて、数字0は、スイッチが開いた状態を表し、数字1は、スイッチが閉じた状態を表す。
【0042】
図1は、第1実施形態による変換システムを図式的に示し、本変換システムは、第1可変キャパシタ2と、第2可変キャパシタ4と、所定電位Vの電気エネルギーソース6と、所定電位Vの電気エネルギー収集システム8とを備え、バッテリの形式で示されている。以下の説明では、上記収集システム8を、適宜、バッテリとして示す。
【0043】
第1キャパシタは、可変空隙(variable air gap)を有するキャパシタを形成する固定プレート2.1および可動プレート2.2とを備え、第2キャパシタ4は、固定プレート4.1および可動プレート4.2を備え、これらもまた可変空隙を有するキャパシタを形成する。
【0044】
示された例では、第2キャパシタ4は、可動プレート4.2の両側(each side)に配置された固定プレート4.1aおよび4.1bを備える。
【0045】
上記二つのキャパシタの可動プレート2.2および4.2は変位(displacement)が相互に固定されており、そして具体的には、第1キャパシタの固定プレート2.1に向かう方向の可動プレート2.2の移動は、第2キャパシタ4の固定プレート4.1aに向かう方向の可動プレート4.2の移動と、第2キャパシタ4から離れる方向の固定プレート4.1bの移動を引き起こし、そして、第1キャパシタの固定プレート2.1から離れる方向の可動プレート2.2の移動は、第2キャパシタのプレート4.1aから離れる方向の可動プレート4.2の移動と、第2キャパシタ4に向かう方向の固定プレート4.1bの移動を引き起こす。
【0046】
示される例では、可動プレート2.2および4.2は同じ位置(coincident)にある。以下の説明では、二つのキャパシタ2および4に共通の可動プレートを参照するのに参照符号2.2のみを用いる。
【0047】
また、単一の固定プレートを有する第2キャパシタ4を備えることも可能である。
【0048】
以下で述べられるように、静電力は、固定プレート2.1,4.1a,4.1bと可動プレート2.2との間に発生し、可動プレートの変位を引き起こし、従って、複数の弾性復帰手段(elastic return means)1(図示なし)が、可動プレートに作用するように備えられる。これらの復帰手段は、機械的エネルギーの形式で電気エネルギーを一時的に蓄積する手段を形成する。例えば、復帰手段は、その軸に対して直角に変形可能なビームまたは1または複数のバネから構成される。
【0049】
変形可能なビームの利点は、それが、例えばシリコン集積システムの場合において、マイクロ・エレクトロニック・プロセスにより容易に製造可能であることである。
【0050】
エネルギーソース(energy source)6は、可動プレート2.2と固定プレート2.1との間に接続され、スイッチ12が、エネルギーソース6と固定プレート2.1との間に備えられ、第1キャパシタ2のための充電スイッチを形成する。エネルギーソース6は、また、固定プレート4.1aおよび4.1bに対して並列に接続され、スイッチ14は、エネルギーソース6と固定プレート4.1aおよび4.1bとの間に備えられる。スイッチ14は、第2キャパシタ4についての充電スイッチを形成する。
【0051】
また、収集システム(collection system)8は、可動プレート2.2に接続されると共に、固定プレート4.1a,4.1bに接続され、転送スイッチ16は、バッテリ8と固定プレート4.1との間に備えられる。
【0052】
固定プレート2.1は、また、スイッチ18を通じて可動プレート2.2に接続され、第1キャパシタについての放電スイッチを形成する。
【0053】
第1キャパシタ2の端子の電圧は、Vで表され、第2キャパシタ4の端子の電圧はVで表され、固定プレート2.1によって可動プレート2.2上に作用される静電力はfe1で表され、固定プレート4.1によって可動プレート2.2上に作用される静電力はfe2で表され、弾性復帰手段によって作用される力はfで表される。
【0054】
可動プレート2.2の位置は、Z軸に沿ってマークされ、zで表され、この例では、zは、可動電極4.2(または2.2)が二つの固定電極4.1aおよび4.1bから等距離にあるときにゼロに等しく、バネは静止状態(rest state)にある。
【0055】
次に、図2Aから2Dにおける変換システムの異なる複数の特性のバリエーションを表すグラフ表現を参照して、電位Vの電気エネルギーをVよりも高い電位Vに変換するための本システムの動作を説明する。
【0056】
初期状態において、スイッチ12,14,16,18は開いており、第1および第2キャパシタは放電されている。時刻tにおいて、スイッチ12および14が閉じられる。これらのスイッチが閉じると、固定プレート2.1,4.1a,4.1bおよび可動プレート2.2が充電され、キャパシタ2,4が電気的に接続され、そして、電圧VおよびVが両方ともVに等しくなる。電流I1がスイッチ12を通じて循環(circulate)する。従って、静電力fe1およびfe2が、固定プレート2.1と可動プレート2.2との間、および固定プレート4.1a,4.1bと可動プレート2.2との間にそれぞれ発生する。fe2は、可動プレート2.2上での固定プレート4.1aおよび4.1bによって作用される静電力の結果として得られ、fe2は、可動プレート2.2が静止位置にあるときに最小である。プレート4.1a,4.1b等は、可動プレートがプレート4.1aに向けた移動(zは正)を開始したときに、結果(resultant)fe2がプレート4.1aに向けて可動プレート2.2を作用させるように選択され、この例では上方向への可動プレートの移動の初期設定は、印加される静電力fe1の結果として得られる。
【0057】
静電力fe1,fe2の和は、機械的力fの和よりも大きく、可動プレート2.2は固定プレート2.1,4.1aに向けて移動し、zは、図2Aに示されるように増加する。従って、エネルギーは、機械的形式(運動および位置エネルギー(kinetic and potential energy))で蓄積される。
【0058】
プレート2.1,4.1aおよび2.2が相互に向かう方向に移動するので、静電力fe1,fe2および機械的力fは、図2Bに示されるように増加する。
【0059】
スイッチ12は時刻tまで閉じられた状態とされる。エネルギーソース6から引き出される電気エネルギーは、弾性手段の変形により、この弾性手段に機械的位置エネルギーの形式で蓄積されるが、電極の速度はゼロではないので、電極の変位による運動形式でも蓄積される。蓄積されるエネルギー量は、期間t−tが長いほど大きくなる。
【0060】
初期状態では完全に放電されているキャパシタが充電されると、スイッチを閉じることにより電圧源から開始して、失われるエネルギーは、キャパシタに転送されるエネルギーに相当し、即ち、それが閉じられる時に1/2C×Vがスイッチで消費され、1/2C×Vが、充電されるべきキャパシタに効率的に転送され、一方、Vのエネルギーソースで消費されるエネルギーはC×Vに等しい。従って、スイッチ12が時刻tで閉じられるときにキャパシタのキャパシタンスが最小であることが好ましい。従って、この時刻tと時刻tとの間のフェーズにおいて転送されるエネルギーに対して失われるエネルギーの割合は、スイッチ12が開く時刻とスイッチが閉じる時刻とでの第1キャパシタ2のキャパシタンスC1の比が高いときに、より低くなる。
【0061】
本発明によれば、時刻tでの次ステップにおいて、スイッチ12が開かれ、そしてスイッチ18が開いた状態に保持され、そして電流Iが、図2Dに示されるようにゼロになる。そして、本システムは、一定電荷(constant charge)で動作し、静電力fe1の増加が止まる。これは、図2Bにおける水平状態(plateau)によって示されている。プレート2.2は、その動きを継続し、固定プレート2.1および4.1aに向けて移動する。電気電位および関連の電気エネルギーは、キャパシタ2のキャパシタンスが増加するにつれて(相互に向けて移動するプレート2.2および2.1により)、減少する。時刻tでキャパシタ2に蓄積される電気エネルギーは、弾性復帰手段に蓄積される機械的エネルギーに次第に変換される。
【0062】
時刻tでは、可動プレートが固定プレートに極めて接近しているとき、即ち、zが最大値に達したとき、第1キャパシタ2の固定プレート2.1からの電荷を見積もるために、スイッチ14は開き、スイッチ12は開いた状態を保持し、スイッチ18は閉じられ、静電力fe1がゼロになる。
【0063】
上述したように、スイッチ18が閉じるときに消費されるエネルギーは、スイッチ12が開くときの時刻とスイッチ12が閉じるときの時刻とでのキャパシタ2のキャパシタンスの変分(variation)が増加するほど減少する。この時刻tと時刻tとの間の一定電荷フェーズは、は、スイッチ18が閉じられるときに失われるキャパシタに蓄積された電気エネルギーを減少させる。
【0064】
上述の動作の一変形例によれば、キャパシタ2は、時刻tと時刻tとの間の期間で部分的に放電される。部分的放電のケースにおける電圧Vの変分は、図2C’に示されている。可動プレートは、以下に説明するように、その平衡位置に向けて移動し、電圧Vが、サイクルの終わりで、さらに正確には次のサイクルの開始時刻t01でVに概ね等しいように、キャパシタ2の部分的放電レベルが存在することが理解される。これは、第1に着目サイクル(the cycle considered)についてのエネルギー損失を制限し、時刻t01での次サイクルの開始でのスイッチ12の閉成に関連したエネルギー損失を解消する賢明な手段を提供する。
【0065】
キャパシタ2は、スイッチ18が再度開いた後の時刻tでの復帰力fが静電力の和よりも大きくなるように、十分に放電しなければならない。そして、復帰手段により作用される復帰力fは、可動プレート2.2を、その初期位置に移動させ、固定電極2.1および4.1aから離れさせる。
【0066】
有利には、プレート2.1および2.2が接触限界(contact limit)にあるときに、スイッチ18が閉じられることが可能である。
【0067】
ダメージを防止するために、安全な距離が可動プレートと固定プレートとの間に設けられる。しかしながら、その作動を制御しなければならない追加のスイッチを用いることなく、蓄積された電荷が自動的に排除されるように、可動プレートが、電気的導電ストップ(electrically conducting stop)と接触する状態になることが可能である。このストップとの接触は、それが可動プレート2.2からの機械的エネルギーを消費しないように生じ、システムにダメージを与えない。
【0068】
その平衡位置への復帰(return)と、従って固定プレート4.1aから離れる方向へのその移動に起因して、可動プレート2.2は、第2キャパシタ4の端子の電位を増加させる。可動プレート4.2が、その平衡位置に復帰するにつれ、第2キャパシタのキャパシタCが減少する。固定プレート4.1は、スイッチ14が開くことにより(スイッチ16は、また、開いた状態に保持される)、他の回路から電気的に絶縁され、その電荷Qは変化せず、従って次の式を得る。
=Q/C (I)
従って、Cの減少は、一定電荷QでVを増加させる。
【0069】
従って、原理上、このフェーズは損失がない。
【0070】
時刻tでの次のステップでは、弾性復帰手段の変形フェーズ中に機械的形式で蓄積されたエネルギーは、電位Vでバッテリ8にリストア(restore)される。これを達成するために、電位Vが電位Vに到達したときにスイッチが閉じる。電位Vが制限され、そして、電荷が、固定プレート4.1からバッテリ8へ転送される。原理上、このフェーズも損失がなく、なぜならば、スイッチ16が閉じるときにスイッチ16の端子の電圧がゼロ(二つの端子で電位V)だからである。
【0071】
電荷は、上述のフェーズの期間中に入力電位Vから出力電位Vへ転送(transfer)された。実際には、第2キャパシタ4は電荷キャリア(charge carrier)として働き、そして、第1キャパシタ2は、これらの電荷を電位Vから電位Vへ変化させるのに必要な追加のエネルギーを提供する。
【0072】
可動プレート2.2は、残りの運動エネルギーにより、図2Aに示されるように、サイクルの終わりの時刻tで初期位置にはない。
【0073】
電位Vの電気エネルギーを電位Vの電気エネルギーに変換するためのステップは、1つの変換サイクルを構成する。本発明による変換器は、連続モード(continuous mode)または過渡モード(transient mode)の何れかで作動することができ、共振周波数周辺での連続モードでしか動作することができない現状技術による変換器とは異なる。本発明では、エネルギーは、迅速かつ任意の時刻に低エネルギー損失で転送されることができる。
【0074】
また、時刻tとtとの間のキャパシタの放電は、初期位置間の機械的移動の1/100よりも小さい期間で、時刻tと時刻tとの間に初期位置に戻るときに、非常に速やかに発生する。
【0075】
本発明では、サイクルは、次々に連鎖して連続的に実施され(可動要素の機械的共振で動作し、そして、機械的共振で動作せず)、または、アプリケーションに依存する時間で、各サイクル間で経過する中間の時間で、任意的に実施される。
【0076】
本発明では、スイッチの賢明な制御は、好ましくは、可動要素を復帰させるために機械的構成要素の緩和時間(relaxation time)と両立するように選択されることに留意されたい。現在の技術による装置とは異なり、このタイプの賢明な制御は、本発明によるシステムが、その機械的共振周波数外で動作することを可能にする。
【0077】
連続的動作は、電気的損失を低減する利点を有する。上述したように、電気エネルギーは、完全に放電されたキャパシタが充電されている間に消費されて失われ、そして、図2Dに示されるように、サイクル(t)の始めでIについての電流ピークにより具現されている。しかしながら、新たなサイクルが、第1サイクルの直後の時刻t01で中断することなく開始するときに、第2キャパシタ2が、スイッチ18が閉じられるときに意図的に完全に放電されなければ、スイッチ12が閉じられるときにキャパシタ2を充電する必要がない。そして、図2Dに示されされるような消費電流ピークが存在しない。従って、第2サイクル中に電気的損失は存在しない。その結果、それに続くサイクルは、スイッチ12の二つの側面でのこの事前充電現象に起因した電気的損失を何ら伴うことなく発生し、残りの全ては、キャパシタ2の部分的(partial)または全て(total)の放電に関連する損失である。
【0078】
第1キャパシタは、共振に関連するトランジスタを用いて、または較正された時間を有するトランジスタを用いて、部分的に放電されることができる。
【0079】
逆に、非同期動作の場合には、サイクルの始めでの損失は各時間で存在し、なぜならば、第1キャパシタが再充電される必要があるからである。
【0080】
図1における第1実施形態における二つの固定電極4.1aおよび4.1bの使用は、変換装置の制御性を改善する利点を有している。
【0081】
二つの固定プレート4.1aおよび4.1bによって可動プレート4.2上に作用される静電力の結果である静電力fe2は、電荷がC2上で一定に保持されているときに(スイッチ14および16が開いている)、可動プレート4.2の位置zに直接的に比例する。
【0082】
一方、固定プレート2.1と可動プレート2.2との間の静電力である静電力fe1は、一定電荷で一定であり、それは、キャパシタ2の全(total)または部分的(partial)放電の場合である。もし放電が完全でなければ、fe2と比較して無視できると考えられる残りの静電力fe1resが存在する。
【0083】
従って、次のように書き表すことができる。
e2=kfe2
=k
ここで、kfe2は、比例係数であり、kは、弾性手段の剛性係数(stiffness constant)である。
【0084】
従って、時刻tで開始して、可動プレート2.2は、弾性手段の復帰力およびfe2により作用される。kfe2をkよりも小さく選択することにより、fe1がゼロまたは約ゼロである場合に、可動プレート2.2に印加される力の結果(resultant)は、可動プレートが、プレート4.1aより離れる方向に移動してその平衡位置に復帰することを可能にすることは明らかである。
【0085】
図4は、本発明による電気変換器の第2実施形態を示し、可動プレートは、二つの可変キャパシタの固定プレート間に配置されている。
【0086】
変換器は、可変空隙を有するキャパシタを形成する固定プレート102.1および可動プレート102.2から構成された第1キャパシタ102と、可変空隙キャパシタを形成する固定プレート104.1および可動プレート102.2から構成された第2キャパシタ104とを備える。また、本変換器は、電圧Vのエネルギーソース6、グランドと可動プレート102.2に接続された第1端子、スイッチ112を通じて固定プレート102.1に接続されると共にダイオード114を通じて固定プレート104.1に接続された第2端子を備える。また、本変換器は、電圧Vの電気エネルギー収集器108を備え、以下では、これをバッテリと称す。ダイオード116は、固定プレート104.1と収集器108との間に配置される。
【0087】
また、固定プレート102.1は、スイッチ118を通じてグランドに接続される。
【0088】
可動プレート102.2は、最大面(largest surface)と直交するz軸に沿って移動して固定プレート102.1,104.1から離れる方向に移動する。弾性手段120は可動プレートをフレーム(図示なし)に接続し、そして、この可動プレートを、その平衡位置に復帰させることができる。示された例では、弾性手段はバネである。zがゼロの平衡位置は、静電力が固定プレート102.1,104.1と可動プレート102.2との間に印加されない可動プレート102.2の位置である。
【0089】
可動プレート102.2に対向する固定プレート102.1の表面積が、可動プレート102.2に対向する固定プレート104.1の表面積よりも大きいことが予定される。従って、プレート102.1によって作用される静電引力は、可動電極102.1がその平衡位置に近いときに、同じ印加電圧について、プレート104.1によって印加される静電引力よりも強い。
【0090】
は、第1キャパシタ102の両端子での電位差であり、Vは、第2キャパシタ104の両端子での電位差である。
【0091】
等表面積を有するプレートの場合では、動きを引き起こすためには非対称構造を有することが有利であり、これは、平衡位置をシフトさせること、即ち、可動電極102.2が電極104.1よりも電極102.1に近いことにより実施される。このシフトは、VがVに等しいときの初期位置が、例えば、電極102.1と104.1との間の中間位置であるように行われる。しかしながら、対称構造は依然として本発明の範囲内である。
【0092】
次に、図5Aないし5Dを参照すると共に、図6におけるスイッチ112の状態を示す時間ダイアグラムを参照して、図4による変換器の動作を説明する。
【0093】
初期状態では、スイッチ112は開いており、第2キャパシタ104の固定プレート104.1のみが、ダイオード114を通じて、電圧V,V=Vで二極化(polarize)されている(ダイオード電圧を除く)。プレート104.1は電荷を運び、その結果、静電力が、固定プレート104.1と可動プレート102.2との間に現われる。その結果、可動プレート102.2が、固定プレート104.1に向けて移動し、従ってz座標が、図5Aに示されるように、t=0では負になる。
【0094】
次のステップでは、スイッチ112が閉じられ、そして、プレート102.1も電圧Vになり、V=Vである。そして、また、静電力が固定プレート102.1と可動プレート102.2との間に現われる。可動プレート102.2に対向する固定プレート102.1の表面積は、プレート104.1の表面積よりも大きく、従って、固定プレート102.1によって可動プレート102.2上に作用される引力は、固定プレート104.1により作用される引力よりも大きく、可動プレート102.2は、その変位方向(displacement direction)を変更し、そして、固定プレート104.1から離れる方向に移動することにより、固定プレート102.1に向けて移動する。この分離動作(separation movement)は、ダイオード114のブロッキング(blocking)を引き起こし、そして、一定電荷で第2キャパシタ104の端子での電圧Vの増加をもたらし、ダイオード114および116はブロックされ、それに続いて、キャパシタの端子の電圧Vが値V(図5C参照)に到達したときにダイオード116が導通し、そして、第2キャパシタ104の固定プレート104.1からバッテリ108への電荷の転送が行われ、なぜならば、キャパシタが一定電圧Vで減少するときに電荷が減少するからである。
【0095】
次のステップでは、スイッチ112が再び開かれる。その慣性により、可動プレート102.2は、最大位置zに向けて、その変位を継続する。スイッチ112が開いているので、キャパシタ102に蓄積された電荷量は一定を維持し、そして電圧Vは、図5Bに示されるように、相互に向けて移動するキャパシタ102のプレート102.1および102.2による電気的容量(electrical capacity)の増加のために減少する。
【0096】
従って、蓄積された電気エネルギーは、弾性復帰手段120に蓄積される機械的位置エネルギー(mechanical potential energy)が増加するにつれて減少する。
【0097】
可動プレート102.2が最大位置zにある場合、スイッチ118が閉じられ、そして、固定プレート102.1は、接地されているために、ゼロ電位である。
【0098】
そして、可動プレート102.2が固定プレート102.1に向けて移動するときに復帰バネ120に蓄積されたエネルギーは、運動エネルギーの形式でリストア(restore)され、それが負のz値に到達するまで、固定プレート104.1に向けた可動プレート102.2の変位を発生させる。可動プレート102.2がその最小位置zに到達したときには、新たなサイクルが開始し、そして、スイッチ112が閉じられ、上述したような変換サイクルが再び開始する。
【0099】
図4に示される変換器の一変形例によれば、スイッチ18が、他の実施形態に関して上述したもののようなキャパシタ102の部分的変位を許容する手段で置き換えられる。キャパシタ102は、可動プレート102.2の移動の反転を可能とするために十分に放電されなければならない。このような部分的な放電は、次のサイクルにおけるスイッチ112での損失を低減させることができる。これを達成するために、電極1102.2は、スイッチ112が閉じられている時間に電圧Vに到達することを可能とするために、十分な電荷を維持しなければならない。
【0100】
図5Dは、図4のシステムにおける異なる複数の電流のバリエーションを示す。
【0101】
バネに蓄積された位置エネルギーは、可動プレート102.2を、その平衡位置に戻すことができ、そして、このエネルギーは、次のサイクルで電気エネルギーに変換される。
【0102】
この実施形態は、連続動作の場合、即ち第2サイクルにおいて少ない損失が存在する場合の第1実施形態と同じ利点を有する。第1サイクルを実施することは、プレート102.1から更に離れた位置(その初期位置を超えた位置)に可動プレート102.1を位置させることができる。そして、電極102.2と電極104.1との間のキャパシタンスが増加され、より高い電荷(Q=CV)が電極104.1に転送されて、バッテリ108に転送され、そしてその結果、より多くの電荷量が各サイクルにおいて転送される。
【0103】
そして、共振モードとも称される連続モードでは、スイッチ112は、電極102.1と電極102.2との間のキャパシタンスが非常に小さい場合、非常に小さい値のzで閉じられることができ、そして、スイッチ112が閉じるときには、より少ない損失が存在し、そして、おそらくは、残りの電荷が電極102.1に残留していれば、第1実施形態を参照して説明したように、損失は全くない。
【0104】
図7は、本発明による電気変換システムの第3実施形態を示し、機能が時間で変化する単一の可変キャパシタを備える。
【0105】
本変換システムは、固定電極202.1および可変電極202.2から構成された可変キャパシタ202を備える。電圧Vのエネルギーソース206は、第一に、電荷スイッチと称されるスイッチ212を通じて上記キャパシタの可動電極202.2に接続され、第二に、上記キャパシタの固定電極202.1に接続される。放電スイッチと称されるスイッチ218は、可変キャパシタ202と並列に配置される。電圧Vのエネルギー収集器208は、第一に、スイッチ216を通じてキャパシタ202の可動プレート202.2に接続され、第二に、上記キャパシタの固定プレート202.1に接続される。
【0106】
また、弾性復帰手段220は、その初期位置に上記可動プレートを戻すために備えられ、その例に示されるように、これらの弾性手段は、バネの形式で図式的に示されている。
【0107】
以下では、図7Dの時間ダイアグラムに対応する図7Aないし7Cにおける図表現を用いて本システムの動作を説明する。
【0108】
時刻tの前では、全てのスイッチが開いており、静電構造は完全に放電されている。電圧Vはゼロである。
【0109】
時刻tで、スイッチ212が閉じられ、可変キャパシタ202が電圧Vに速やかに充電され、この充電時間は、電極202.2の機械的移動の期間と比較して短い。この充電は速いので、エネルギーソースVで消費されるエネルギーの半分は、キャパシタンス202に転送され、他の半分は、スイッチ212で消費される。有利には、スイッチ212はキャパシタンス202が可能な限り小さくなった瞬間に閉じられ、なぜならば、消費されるエネルギーは、1/2CVに等しいからである。
【0110】
キャパシタ202の端子の電圧の存在により、時刻tとtとの間に、静電力が電極202.1と202.2との間に現われる(ステップ1)。この静電力は、電極202.1,202.2を相互に向かう方向に移動させ、そして、キャパシタ202のキャパシタンスを増加させる。そして、キャパシタおよび復帰手段に蓄積される機械的および電気的エネルギーが増加される。電極202.2の変位は、弾性要素(バネ)に蓄積される運動エネルギーおよび機械的位置エネルギーを増加させ、そして、Cincreasedと称されるキャパシタンスの増加は、蓄積される電気エネルギーを増加させ、なぜならば、E=1/2Cincreasedだからである。この静電構造に蓄積されたエネルギーの全体的増加は、エネルギーソースVに由来し、実際上、無損失である。
【0111】
時刻tでは、スイッチ212が開く。この時点でキャパシタンス212に蓄積される電荷は、Qt1=Ct1と表される。
【0112】
ステップ2では、電極202.1は、一定電荷(Q=Qt1=Ct1)でその移動を継続する。キャパシタ202の端子の電圧Vは、上記キャパシタンスが増加するので(V=Qt1/Cincreased)、減少し、従って対応の電気エネルギーが減少する(E=1/2Qt1V)。実際には、時刻tでキャパシタ202に蓄積される電気エネルギーは、機械的エネルギーに徐々に変換される(弾性要素に蓄積される機械的エネルギーを増加させる)。
【0113】
時刻tで、有利には、電極202.2が、電極202.1に最接近している時刻で、換言すると、キャパシタのキャパシタンスが最大(Cmax)であり、従ってキャパシタ202に蓄積される電気エネルギーが最小となるときに、E=1/2Qt12/Cmaxであるので、スイッチ218は、電極202.2が移動する機械的期間(mechanical period)の前に短時間だけ閉じられ、従ってキャパシタ202に蓄積された電荷の一部を放電させる。
【0114】
ステップ4の最初に、スイッチ218は時刻tで再び開く。キャパシタ202に蓄積された電荷の減少は、電極202.1から離れる方向に移動して復帰(returning)する電極202.2に作用する電気的力と機械的力の新たな平衡をもたらす。全てのスイッチが開いているので、この復帰(return)は、ステップ4において一定電荷で発生する。キャパシタ202のキャパシタンスが減少しているので、その単位の電圧が増加し、なぜならば、V=Q/Cだからである。
【0115】
時刻tで、好ましくは、キャパシタ202の端子の電位が出力電圧Vに到達したときに、スイッチ216が閉じられる。そして、スイッチ216は、それらの端子間の電位差がゼロになる瞬間に閉じ、そして、上記キャパシタの上記二つの端子の電位がVに等しいので、このスイッチ216の閉成に関連する損失は概ねゼロである。電極202.2は、一定電圧で(Vで)、電極202.1から離れる方向の移動を継続する。電極202.2に蓄積される電荷の一部は、収集器208に転送され、そして、キャパシタ202上の電荷が減少する。
【0116】
時刻tから開始すると、スイッチ216は、出力に転送される電気エネルギー、即ち、Etransferred=1/2(Ct5−Ct4)Vを最小化するために、好ましくは、キャパシタ202のキャパシタンスが最小値に到達した瞬間に開く。
【0117】
可動電極202.2は、電極202.1に向けて移動し、そして、キャパシタンス202が一定電荷で増加し、そして、これらの端子の電圧が減少し、電圧Vが減少する。
【0118】
時刻tで、好ましくは、キャパシタ202の端子の電圧VがVに到達した瞬間に、スイッチ212が閉じる。そして、このスイッチは、これらの端子間の電位差がゼロになるときに閉じられ、電位は各側面でVに等しくなる。従って、このスイッチの閉成に関連した損失は概ねゼロである。サイクルの連鎖は、スイッチ212の閉成に関連した損失を抑える。損失は開始遷移時tで発生し、なぜならば、キャパシタンス212は、初期状態では完全に放電されており、それはもはやt01での場合ではないからである。
【0119】
図12は、図7の本システムの変形例を示し、転送スイッチ216がダイオード214で置き換えられている。このシステムは、とりわけ、図7のシステムと同様に動作する。キャパシタ202のキャパシタの低減に対応する可動電極202.1の移動フェーズにおいて、電圧Vが、ダイオード電圧を除いて、電圧Vよりも大きくなったときに、ダイオード214が導通して収集器208に向けた電荷の転送を可能とする。
【0120】
全ての実施形態について、スイッチは、例えば、時間の関数として制御されてもよく、キャパシタンスまたは電圧測定の関数として制御されてもよく、または、電圧のゼロ微分係数(zero derivative)に応じて制御されてもよい。また、可動プレートの位置を検出する位置センサを使用することが可能である。
【0121】
上述した本発明の全ての実施形態は、電圧ステップアップまたはステップダウンで動作してもよい。出力収集手段における電圧レベルを検出する手段、および充電および放電スイッチについて旧来の作用を及ぼす機能を有するレギュレーションデバイスおよび他の手段が備えられても良い。例えば、変換サイクルの数が増加または減少されてもよい。
【0122】
示されている例では、本システムは、少なくとも一つの明確な電極(第1および第2実施形態)を有する二つのキャパシタ、または単一のキャパシタを備えてもよい。各キャパシタは、例えば、振動エネルギーから電気エネルギーへの変換の分野において公知の、インタ・デジテート状(inter-digitated)の櫛型のキャパシタの形式で、並列の複数のキャパシタから構成されていることに注意されたい。第1実施形態では、各第2キャパシタについて一つの第1キャパシタ12を備える必要がなく、そのエネルギーを、入力電位とは異なる電位の電気エネルギーに変換する複数の第2キャパシタについて機械的エネルギーに電気エネルギーを変換するための一つのキャパシタ2を備えることが全く可能である。
【0123】
従って、本発明は、極めて小さなシステムの場合であっても高い効率を維持することができ、従って、ナノワットのオーダーの極めて低電力のシステムに適しており、また、1ワットのオーダーの中間電力システムにも適している。
【0124】
従って、本発明は、とりわけ、例えば、携帯電話やラップトップコンピュータのような携帯型電子機器など、全ての低電力システムに適用可能である。
【0125】
本発明は、とりわけ、このタイプの機器に有益である。これらの電子機器は、通常、異なる電源電圧で動作する複数の構成要素を備えている。現時点では、面倒な変換システムが各構成要素について使用されなければならない。本発明では、集積された変換システムが、各電圧について作成され、それは、また、ジュール効果に起因する熱の発生が極めて少ないか、全く発生されない。また、単一の作動キャパシタは、とりわけ第1実施形態の場合において複数の電圧レベルでの変換を実施するために使用することができる。
【0126】
本システムは、エネルギーを供給すべき機器の外部に存在する既存の従来システム(例えば携帯電話充電器)とは異なり、サイズを増加させることなく、電子機器に統合されることができる。
【0127】
図8Aおよび8Bは、第3実施形態による変換システムの実施例を示す。
【0128】
本システムは、固定電極202.1が例えばメタライゼーション(metallization)によって形成された印刷回路タイプの支持体(support)216を備える。
【0129】
可動電極202.2は、固定電極202.1に対向して配置され、曲げ変形(deforming in bending)が可能な金属ブレードの形式で、機械的ビーム218の支持端(suspend end)218.2によって形成されている。
【0130】
ビーム218は、極めて良好な精度で固定電極から可動電極を離すために、支持体216上に固定された2行のスペーサ220上に、第1の縦端(longitudinal end)218.1によって固定されている。
【0131】
スペーサ220が固定された領域(zone)219は、ビーム218の電位が受容可能なようにメタル化され、スペーサ220は導電性を有し、印刷された回路は絶縁されている。
【0132】
例えば、ビーム218は、ステンレススチールから作成される。ビームは、それに向けて近くに移動するときに、変形後に固定電極202.1と平行になるような形状で、第1縦端218.1と反対の第2縦端218.2を有する。
【0133】
例えば、二つのスペーサ220を隔てる距離d1は1cmに等しい。電極の先(tip)の長さd2は3cmに等しく、そして、固定電極202.1と可動電極202.2との間の空隙は100μmに等しい。
【0134】
次に、一例として、このタイプのシステムが変換することができるエネルギー/電力比を計算する。
【0135】
入力電圧V=24Vであり、出力電圧V=5Vの場合を考える。
【0136】
可動電極202.2が5Vの電位の固定電極202.1から0.1μmの地点に到達し、そしてそれが15μmの距離に離れるように、スイッチ212が時間tの間に閉じられ、スイッチ214が閉じられるものとし、転送されるVでのエネルギーEtransferredは、次のように表される。
transferred=1/2(Cmax−Cmin)V
【0137】
【数1】

【0138】
従って、サイクルあたり、Etransferred=110nJである。
【0139】
そして、ビームを10kHzで共振させるようにビーム厚とビーム材を選択することにより、1秒あたり約10000サイクルを実施することが可能であり、エネルギーソースVから出力Vに10000×110×10−9=1.1mWのエネルギーを転送することが可能である。
【0140】
その結果、キャパシタンスCmaxを最大化し、従ってサイクルあたりの変換可能なエネルギーを最大化するためには、小さな空隙を有することが有利である(Cmax/Cmin=dmax/dminを高く保持した状態で)。この利点は、その構造がマイクロ・エレクトロニック・プロセスを用いて作成される場合にとりわけ有用である。
【0141】
また、高電力を変換する必要がある場合には、高い共振周波数を有することは有利である。
【0142】
また、ビームが、機械的損失を最小化する高いQ値(quality factor)を有する場合にも有利である。
【0143】
図9は、第3実施形態による変換システムの他の実施例を示す。
【0144】
この例では、ビーム218は、固定電極からの可動電極の正確な間隔を提供するシム(shims)により、その縦端218.1,218.1のそれぞれの部分で支持(suspend)されている。ビームは、固定−固定ブレード型(fixed-fixed blade type)である。
【0145】
従って、可動電極202.2は、ビームの中央部分で形成され、固定電極202.1は、メタライゼーション(metallization)により支持体上に形成されている。
【0146】
例として、二つのシム(shims)間のビームの長さd3は6cmである。静止した状態で可動電極と固定電極との間の距離は100μmである。
【0147】
このシステムは、図8Aおよび8Bに示されたシステムと非常に類似しており、唯一の違いは、ビーム変形モードである。ビーム厚に対して振幅ビーム変形が小さい場合には、その挙動は、図8Aおよび8Bに示されるシステムと同じである。ビームの変形振幅がビーム厚に対して大きい場合、その挙動は、著しく非線形であり、換言すると、その中心での変形(空隙変化)は、もはや印加される静電力に比例せず、その形状は、図10に示されるようである。図10に示される曲線は、静電力に応じた変形(deformation)Defの変化を示し、Aで示される線形領域を含み、その後にBで示される非線形領域が続く。線形領域から非線形領域への転換(changeover)は、点線Cで示され、概ねビーム厚に等しい変形に相当する。
【0148】
変形が小さい場合、換言すると、ビームの厚さと比較して変形が小さい場合には、メインモードは、変形が印加力に比例する曲げモード(bending mode)である。一方、変形が大きい場合には、換言すると、変形がビーム厚よりも大きい場合には、メインモードは、力が変形の3乗(cube)で変化する引っ張りモード(tension mode)(弦のような)である。
【0149】
この非線形性は、可動電極の作動(actuation)を促進することができる。可動電極が固定電極から遠くに離れている場合、適用可能な静電力は制限される(静電力は、電界「E=V/空隙」に比例する)。従って、より大きな距離にあるときに適正な柔軟性のあるビームを有することは、静電力が制限されていても、それをより近くに移動させることを可能とする。一方、可動電極が固定電極の極めて近くに移動した場合、印加される静電力は非常に大きくなる。この場合、より堅くなるビームを有することは、動作を阻害せず、同一変位について、機械的形式で、より多くのエネルギーを蓄積することを可能にする。
【0150】
そして、線形領域よりもわずかに大きく初期の空隙を選択すること、換言すると、ビーム厚よりもわずかに大きく初期の空隙を選択することは有利である。
【0151】
また、ビームの非線形性は、図11に示すような変形の振幅に共振周波数を依存させる。図11における曲線は、振動振幅Vibに応じた共振周波数の変化を示し、それは、Dで示される線形領域を有し、この線形領域の後にEで示される非線形領域が続いている。
【0152】
共振周波数に関するその効果により、非線形領域は、また、電力転送を調整(regulate)することができる。スイッチ制御に作用を及ぼすことにより、ビームの変形振幅を修正することができ、従って、共振周波数、ひいては電荷転送周波数、またはエネルギーソースVから出力Vへ伝送される電力を変化させることができる。変形振幅を修正するのに必要なことの全ては、例えば、スイッチ212の閉時間(closing time)を変えることにより、ビームへ入力されるエネルギーの量を変えることである。
【0153】
共振周波数を最初に調節することは、第1に、連続モード(従って低損失モード)のままで、変換される電力を調整することを可能にし、そして、第2に、スイッチのスイッチングの回数を制限することを可能にし、従って転送されるべき電力が低いときに関連の損失が小さく、そのことは、低変換電力でも、良好な効率(概ね一定の転送された電力/損失比)を維持するのに役立つ。
【0154】
当業者であれば、本発明による変換システムの他の実施形態を想起することができる。例えば、二つの電極間の対向面を変化させることにより、他方の電極に対して水平方向に移動可能な電極を備えたキャパシタのような他のタイプの可変キャパシタを使用することも可能である。
【符号の説明】
【0155】
2 第1可変キャパシタ
2.1 固定プレート
2.2 可動プレート
4 第2キャパシタ
4.1a,4.1b 固定プレート
4.2 可動プレート
6 電気エネルギーソース
8 電気エネルギー収集システム
12,14,16,18 スイッチ
202:可変キャパシタ
202.1:固定電極
202.2:可変電極
206:エネルギーソース
208:エネルギー収集器
212,216,218:スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変換システムにより、第1電圧(V)の電気エネルギーを前記第2電圧(V)の電気エネルギーに変換するための方法であり、前記変換システムは、充電スイッチ(212)を通じて可変キャパシタ(202)に接続された前記第1電圧(V)の少なくとも一つの電圧源(6)と、前記可変キャパシタと並列に配置された放電スイッチ(18)と、前記第2電圧(V)のエネルギーを収集する手段(208)と、前記可変キャパシタ(202)と前記収集手段(208)との間でエネルギーを転送する手段(216)とを備え、前記可変キャパシタは、固定プレートと、前記固定プレートから離れる方向に移動可能であると共に前記固定プレートに向かう方向に移動可能な可動プレートと、前記可動プレートを、その初期位置に復帰させるための弾性手段とを備え、本方法は、完全な1つの変換サイクルについて、
a)前記第1電圧(V)で前記可変キャパシタ(202)を充電すると共に、前記放電スイッチが開いた状態を維持している間に前記充電スイッチ(212)を閉じて、前記キャパシタのキャパシタンスを増加させる前記可動プレートの変位を誘発させるステップと、
b)一定電荷での前記キャパシタの動作を可能とするために、前記放電スイッチ(218)を開いた状態に保持している間に前記充電スイッチ(212)を開き、前記キャパシタ(202)のキャパシタンスが継続して増加するステップと、
c)前記可変キャパシタ(202)の少なくとも部分的放電を可能とすると共に、前記可動要素の移動を反転させるために、前記放電スイッチ(218)を閉じるステップと、を備え、
前記転送手段は、前記可動電極の移動中に前記キャパシタから前記収集手段へのエネルギー転送を提供する方法。
【請求項2】
第1電圧(V)の電気エネルギーから第2電圧(V)の電気エネルギーへの変換システムであり、充電スイッチ(12;112;212)を通じて可変キャパシタ(2;102;202)に接続された少なくとも一つの前記第1電圧(V)の電圧源と、前記可変キャパシタと並列に配置された放電スイッチ(18;118;218)と、前記第2電圧(V)のエネルギー収集手段(8;108;208)と、前記可変キャパシタ(202)と前記収集手段(208)との間でエネルギーを転送する手段(4;16;104;116;216)とを備え、前記可変キャパシタ(202)は、固定プレートと、前記固定プレートから離れる方向に移動可能であると共に前記固定プレートに向かう方向に移動可能な可動プレートと、前記可動プレートを、その初期位置に復帰させるための弾性手段と、を備え、
前記変換システムは、また、前記充電スイッチおよび前記放電スイッチを制御するための手段を備え、1つの変換サイクルについて、
a)第1ステップで、前記放電スイッチが開かれると共に前記充電スイッチが閉じられて前記キャパシタを前記第1電圧(V)で充電し、前記可動プレートが変位されて前記キャパシタのキャパシタンスを増加させ、
b)第2ステップで、前記充電スイッチが開かれると共に前記放電スイッチ開かれた状態に保持されて、一定電荷での前記キャパシタの動作を可能とし、前記キャパシタのキャパシタンスが継続して増加し、
c)第3ステップで、前記放電スイッチが閉じられて、少なくとも前記可変キャパシタの部分的な変位が前記可動要素の移動の反転をもたらし、
前記転送手段が、前記可動電極の移動中に前記キャパシタから前記収集手段にエネルギーを転送する変換システム。
【請求項3】
前記スイッチは、前記キャパシタ(2;102;202)のキャパシタンスが最小であるときに前記充電スイッチ(12;112;212)が閉じられるように制御される請求項2記載の変換システム。
【請求項4】
前記スイッチは、前記キャパシタ(2;102;202)のキャパシタンスが最大であるときに前記充電スイッチ(18;118;218)が閉じられるように制御される請求項2記載の変換システム。
【請求項5】
前記キャパシタの電極のうちの一つ(202.2)は、転送スイッチまたはダイオード(216)を通じて前記収集手段(208)に接続された請求項2記載の変換システム。
【請求項6】
前記転送スイッチまたはダイオード(216)は、前記可変キャパシタンスにおける減少に相当する前記可変キャパシタの可動電極(202.2)の移動フェーズ中に導通している請求項5記載の変換システム。
【請求項7】
前記可変キャパシタは第1キャパシタ(2,102)を構成し、本システムは、また、第2可変キャパシタ(4,104)を備え、該第2可変キャパシタは、少なくとも、固定プレート(4.1;104.1)と、前記固定プレートから離れる方向に移動可能な可動プレート(4.2;102.2)とを備え、前記第1および第2キャパシタにおける前記可動プレートは動きが固定され、前記第2可変キャパシタ(4,104)は、転送スイッチまたはダイオード(16,116)を通じて前記収集手段(8)に接続された請求項2記載の変換システム。
【請求項8】
前記第2キャパシタ(4)は、前記可動プレート(4.2)の両側に配置された二つの固定プレート(4.1a,4.1b)を備えた請求項7記載の変換システム。
【請求項9】
各キャパシタは固定プレート(102.1,104.1)を備え、それぞれは、共通可動プレート(102.2)の片側に配置された請求項7記載の変換システム。
【請求項10】
前記第1キャパシタ(102)の第1固定プレート(102.1)は、前記第2キャパシタ(104)の第2固定プレート(104.1)の表面上の可動プレート(102.2)に対向する表面を備えた請求項9記載の変換システム。
【請求項11】
前記放電スイッチ(18;118;218)の閉期間は、前記変換サイクルの期間の100分の1よりも小さい請求項2記載の変換システム。
【請求項12】
前記放電スイッチ(18;118;218)は、前記可変キャパシタ(2;102;202)の前記可動プレートおよび前記固定プレート上に支持された要素から構成され、前記放電は、前記プレート上に支持された複数の要素を相互に接続することにより生じる請求項2ないし11の何れか1項記載の変換システム。
【請求項13】
スイッチは、時間、可動プレートの位置の値、前記キャパシタのうちの一つのキャパシタンス、キャパシタの端子の電圧、またはキャパシタの端子の電圧の微分係数に応じて制御される請求項1ないし11の何れか1項記載の変換システム。
【請求項14】
当該システムは、シリコンから製造された集積システムである請求項2ないし13の何れか1項記載の変換システム。
【請求項15】
前記復帰手段は、バネ、ブレード、変形可能なビームの中から選択されたものである請求項2ないし14の何れか1項記載の変換システム。
【請求項16】
電気エネルギー変換アセンブリであり、当該電気エネルギー変換アセンブリは、請求項2ないし15の何れか1項による少なくとも二つの変換システムを備え、当該アセンブリは、第1電圧の第1エネルギーを複数の第2電圧の複数の第2エネルギーに変換する機能を有する電気エネルギー変換アセンブリ。
【請求項17】
当該システムは、共通の可動電極を備えた請求項16記載の電気エネルギー変換アセンブリ。
【請求項18】
請求項2ないし15の何れか1項による少なくとも一つの電気エネルギー変換システムまたは請求項16または17の何れか1項による変換アセンブリを備えた電子装置。

【図1】
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【図2A−3】
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【図4】
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【図5A−6】
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【図7】
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【図7A−7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−507478(P2011−507478A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538794(P2010−538794)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/068179
【国際公開番号】WO2009/083541
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(502124444)コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ (383)
【Fターム(参考)】