説明

可変速同期発電電動機の制御方法

【課題】可変速同期発電電動機による可変速揚水発電システムの発電運転時の低回転速度領域における可変速幅を拡大して効率を向上した運転が出来る制御方法を得る。
【解決手段】ポンプ水車2に結合され発電運転モードまたは揚水運転モードに切り替えて運転される可変速同期発電電動機1を含み、その励磁電流を変化させることにより、可変速同期発電電動機が出力する電力が電力指令値に一致するように、かつ回転数が上限値と下限値の間に入るように制御する可変速同期発電電動機の制御方法において、発電運転モードでは、下限値を可変速同期発電電動機が出力する有効電力により変化させ、有効電力が小さい場合に有効電力が大きい場合よりも下限値を小さくするように可変速幅を拡大すると共に、発電運転モードにおける負荷増加制御における流量変動での回転速度低下に対応して可変速幅の拡大量を調整するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ポンプ水車に結合され、発電運転モードまたは揚水運転モードに切り替えて運転される可変速同期発電電動機の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の可変速同期発電電動機は、一般的には同期速度を中心に、その上下一定の速度、即ち、可変速幅で運転出来るようになっている。
又、例えば特許文献1に示すように発電運転での可変速幅下限を有効電力の量に応じて可変速幅拡大量を調整して運転出来る提案がなされている。
しかし、上記特許文献1における可変速幅拡大は負荷増制御における流量増加が考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4480777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、ポンプ水車のポンプ運転時の入力はガイドベーンの開度を変えても殆ど変わらず、回転数のほぼ2.5〜3乗に比例して変化することはよく知られている。
可変速揚水発電システムは揚水運転時にもAFC運転を実現するために導入されるので、それに適用される可変速同期発電電動機の可変速幅は、揚水運転時のAFC容量から決まってくる。
例えば、同期速度にて300MWのポンプ入力を必要とし、その入力は回転数の3乗に比例するポンプ水車を想定し、その可変速幅を同期速度の上下10%に設定すれば、300MW×(1.1−0.9)=399.3MW−218.7MW=180.6MWのAFC容量が確保出来ることになる。
可変速同期発電電動機を定格速度の±10%で運転するには、可変周波数電力変換器は定格周波数の±10%の周波数(滑り周波数と呼ばれる)の電圧を可変速同期発電電動機の回転子巻線に印加することが必要になる。50Hz系統であれば±5Hzの周波数の励磁電圧を出せなければならない。
【0005】
このことから、可変周波数電力変換器の所要最大出力電圧は、399.3MWの揚水運転するのに必要な励磁電流に回転子巻線のインピーダンスを乗じた電圧となる。何故ならば、励磁電流の大きさは399.3MW入力のときに最大となり、回転子インピーダンスは印加される周波数にほぼ比例するので+5Hzの時に最大となるからである。
最小ポンプ入力218.7MWの運転時の回転数は−5%になるので、回転子の励磁周波数も−の最大になり回転子巻線のインピーダンスも最大になるが、励磁電流が少なく可変周波数電力変換器の出力電圧も少なくて済むので、励磁装置の所要最大出力電圧を決定する要因にはならない。
【0006】
一般に、可変速同期発電電動機の回転速度は、所要のAFC容量を確保するために採用した可変速幅の範囲内で運転されている。即ち、可変速幅はポンプ水車の水車出力に関係なく水車出力の全域において同期速度に対して上下一定の可変速幅の値に固定されている。
従って、ポンプ水車の水車効率はポンプ水車性能特性から、回転速度が低いほど高いことがわかっているので出来るだけ低い回転速度で運転するのが好ましいのはわかっているが
、回転速度は可変速幅の下限により制限されているので可変速幅の下限の速度に固定して運転するケースが多い。
【0007】
一方、ポンプ水車の水車出力即ち可変速同期発電電動機の電気出力が低い場合には、励磁電流の大きさが小さくて済むので、励磁電圧には余裕があり、更に回転数を下げて励磁電圧を大きく出来る。即ち、出力が低い場合には回転速度は更に下げることが可能である。
これに注目し、発電運転時においてその出力が小さい場合には可変速幅の下限を下げて運転すればより水車効率の高い運転が出来るというメリットがある。
揚水運転時においても、同様に低揚水入力運転の場合即ち回転数が低い場合には可変速幅の下限を大きく出来るので、更に小さな揚水入力での運転が可能になる。言い換えればAFC容量を更に大きく出来るメリットも生じる。
よって、ポンプ水車の水車出力の全域に亘って一定の可変速幅で運転するということは、水車出力の低い領域での効率向上の機会を逸していると言えるし、揚水運転時の場合にはAFC容量の拡大の機会を逸していると言える。
言い換えれば、可変速同期発電電動機による可変速揚水発電システムには、水車運転時又は揚水運転時の低回転速度領域の発電効率や揚水AFC容量を改善出来るという課題があった。
【0008】
この課題を解決する案として特許文献1に示す提案がなされている。
特許文献1によれば、可変速同期発電電動機の回転数を制御する手段において、回転数の指令値を電力指令値に対応して変更出来るよう構成されているので、回転数の指令値を可変速幅の下限速度に固定するのではなく、電力指令値が低い時には、可変速幅の下限を超えて更に低い回転数指令値を出すことが出来る。
一般に可変速同期発電電動機の発電運転時の励磁電流は概略その出力に比例すると考えられるので、電力指令値に比例して回転数指令値を変更するようにすれば、出力の全域において自動的に高効率運転をすることが出来る。
【0009】
しかしながら、一般的に発電所の発電電力は、電力需要に応じた電力指令値に基づいて、定期的に変化している。このため、電力増指令に対し、交流励磁装置で可変速同期発電電動機の実電力を制御するとき、実電力が一定に増加しても、図8に示すように水車の実電力増加に伴う流量変化は一定ではなく、中間から高負荷領域において、大きく変化する。
このため、中間から高負荷領域において、実電力に対応する流量を大きく変化させるためには水車の出力が追従する必要がある。
しかし、水車は機械系のため、追従が遅く、実電力に対応した流量を流すことができないため、水車出力が追従するまでの間、可変速同期発電電動機の回転エネルギーを放出することで実出力を維持し、回転数が低下するという事象があった。この結果、可変速幅の下限を過渡的に下回るという問題点があった。
【0010】
この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、可変速同期発電電動機の発電運転時の低回転速度領域における可変速幅を拡大して効率を向上した運転ができ、中間負荷から高負荷領域における回転数の低下による可変速幅下限からの逸脱を防止する制御方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、ポンプ水車に結合され発電運転モードまたは揚水運転モードに切り替えて運転される可変速同期発電電動機を含み、その励磁電流を変化させることにより、前記可変速同期発電電動機が出力する電力が電力指令値に一致するように、かつ回転数が上限値と下限値の間に入るように制御する可変速同期発電電動機の制御方法において、前記発電
運転モードでは、前記下限値を前記可変速同期発電電動機が出力する有効電力により変化させ、有効電力が小さい場合に有効電力が大きい場合よりも前記下限値を小さくするように可変速幅を拡大すると共に、前記発電運転モードにおける負荷増加制御における流量変動での回転速度低下に対応して前記可変速幅の拡大量を調整するようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、可変速同期発電電動機の回転数の指令値を電力指令及び流量変化に対応して変更出来るよう構成したので、回転数の指令値を可変速幅の下限速度に固定するのではなく、電力指令値が低い時には、可変速幅の下限を超えて更に低い回転数指令値を出すことが出来、中間負荷から高負荷領域を含む全域において可変速幅を逸脱することなく自動的に高効率運転をすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1を示す制御ブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1の動作例を示す説明図である。
【図3】この発明の実施の形態2における水車出力と流量の関係を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態2の動作例を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態3の動作例を説明図である。
【図6】この発明の実施の形態4を示す制御ブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態4の動作例を示す説明図である。
【図8】可変速同期発電電動機に対する電力指令値を増加させた時の水車流量の変化例を示す説明図である。
【0014】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1を示す制御ブロック図で、図1において、可変速同期発電電動機1は、その回転子をポンプ水車2によって駆動され、その固定子巻線は発電機母線3及び主変圧器4を通じて電力系統5に接続されている。
交流励磁装置6は励磁変圧器7を経由して発電機母線3から給電され、系統周波数と回転数の差に相当する周波数を持った交流励磁電流を可変速同期発電電動機1の回転子巻線に供給する。
電力変換器8は発電機母線3に接続された計器用変成器9の2次側信号から可変速同期発電電動機1の出力を検出する。
電力制御回路10は電力変換器8で検出された出力が電力指令値設定器11の信号に合致するような制御信号を発生し、その制御信号を交流励磁装置6に与えその出力で可変速同期発電電動機1の出力を調整する。
可変速同期発電電動機1の出力はその回転数を下げてエネルギーの放出、或いはその回転数を上昇させ系統からのエネルギーを吸収することにより瞬時に調整出来る。これが可変速同期発電電動機の最大の特徴である。
【0015】
可変速同期発電電動機1が調整した電力に相当する出力をポンプ水車2が調整すれば回転数は電力調整前の値に回復する。
一般にポンプ水車の出力制御は水路系及び機械系の遅れがあるので、可変速同期発電電動機1の出力制御よりは遅れる。
回転数設定器12は発電運転において各出力に対して最高効率となるような回転数を最適回転数として設定するものであり、電力指令値設定器11の値に応じた最適回転数指令値を出力し、実回転数検出器20からの実回転数との偏差信号を速度制御回路13に与える。回転速度制御回路13はサーボモータ14及びガイドベーン検出器15によりポンプ水車2のガイドベーン開度を調整してその回転数が最適回転数になるように制御する。
尚、最適回転数は出力が大きい領域では落差に応じて多少変化するので落差検出器16から落差信号を回転数設定器12に与え最適回転数を落差によって補正する。
ポンプ水車1の水車効率は回転数の他にガイドベーン開度、落差にも左右される。
ガイドベーン開度設定器17は、電力指令値が大きいほどガイドベーン開度を大きくし、落差検出器16からの落差信号が高いほどガイドベーン開度を小さくすると水車効率の良い運転が出来る。
ガイドベーン開度設定器17からのガイドベーン開度信号にガイドベーン開度検出器15で検出したガイドベーン開度が一致するようにサーボモータ14を制御してポンプ水車2のガイドベーン開度を最適な値に制御する。
電力制御回路10には系統周波数検出器18で検出した系統周波数と基準周波数設定器19からの基準周波数を取り込み、電力指令値と実電力の偏差に速度垂下率特性を付加した制御信号を交流励磁装置6に与え、可変速同期発電電動機1が電力系統5の状態に適した出力を自動的に出せるような構成にしてある。
【0016】
次に動作について説明する。
可変速揚水発電用ポンプ水車2の水車効率は回転数が低いほど良好である。従って、最適回転数の設定は従来から図1の回転数設定器12に示す様に可変速同期発電電動機1の可変速幅の下限に設定されている。
回転数設定器12を、具体例として同期速度600r/min、可変速幅±4%、出力300MWの可変
速同期発電電動機1の最適回転数について図4に拡大して詳しく説明する。
最適回転数は従来から図2のAに示すように電力指令値に無関係に可変速幅の下限である576r/min一定に設定されている。
一方、図1の交流励磁装置6の性能の一つに許容最大出力電圧があり、可変速同期発電電動機1の可変速幅はこの電圧によって決まっていると言える。
【0017】
諸量の関係は以下の通りとなる
Vex≦Vr・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式1
但し、
Vr:交流励磁装置6の定格出力電圧
Vex:励磁電圧
Vex=If・(Rf+j・2・π・fex・Lf)・・・・・・・・・・・・式2
但し
If:励磁電流=交流励磁装置6の出力電流(A)
Rf:可変速同期発電電動機1の回転子巻線の抵抗(Ω)
Lf:可変速同期発電電動機1の回転子巻線のインダクタンス(H)
fex:励磁電流Ifの周波数(滑り周波数とも言う)(Hz)
fex=fs-f0・N/Ns ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式3
但し、
fs:系統周波数(Hz)
fo:系統の基準周波数(50Hz 又は 60Hz)
Ns:可変速同期発電電動機1の同期速度(r/min)
N:可変速同期発電電動機1の回転速度(r/min)
【0018】
交流励磁装置6の出力電圧を一定値に固定していても、可変速同期発電電動機1の出力が小さい場合には励磁電流が少なくてすむので、式2から滑り周波数fexを大きく出来る
ことがわかる。
例えば可変速同期発電電動機1の出力0の時に可変速幅下限4%を6.5%まで拡大出来るとして、励磁電流Ifの大きさはほぼ出力に比例すると考えると図2のBのような新最適回転数カーブを得ることが出来る。
B:N1=15×Pref(pu)+561(rpm)
【0019】
次に、中間負荷から高負荷領域における流量増加に対応した回転数低下を考える。
この場合、可変速幅から逸脱する回転数低下が例えばαr/minであるとすれば、中間負荷
から高負荷領域における最適回転数を、可変速同期発電電動機1の出力により求められた新最適回転数カーブBに、αr/min低下する負荷点で、図2に示すようにαr/minを加算した新最適回転数Cとして運転出来るように制御する。
このように制御すれば、回転数の指令値を可変速幅の下限速度に固定するのではなく、電力指令値が低い時には、可変速幅の下限を超えて更に低い回転数指令値を出すことが出来、部分負荷時の発電効率を向上させることが出来る。
一般に可変速同期発電電動機の発電運転時の励磁電流は概略その出力に比例すると考えられるので、電力指令値に比例して回転数指令値を変更し、中間負荷から高負荷領域では、流量変化を考慮するようにすれば、出力の全域において可変速幅を逸脱することなく自動的に高効率運転をすることが出来る。
【0020】
以上のようにこの発明の実施の形態1によれば、ポンプ水車2に結合され発電運転モードまたは揚水運転モードに切り替えて運転される可変速同期発電電動機1を含み、その励磁電流を変化させることにより、可変速同期発電電動機が出力する電力が電力指令値に一致するように、かつ回転数が上限値と下限値の間に入るように制御する可変速同期発電電動機の制御方法において、発電運転モードでは、下限値を可変速同期発電電動機が出力する有効電力により変化させ、有効電力が小さい場合に有効電力が大きい場合よりも下限値を小さくするように可変速幅を拡大すると共に、発電運転モードにおける負荷増加制御における流量変動での回転速度低下に対応して可変速幅の拡大量を調整するようにしたもので、可変速同期発電電動機の発電運転時の低回転速度領域における可変速幅を拡大して効率を向上した運転ができ、中間負荷から高負荷領域における回転数の低下による可変速幅下限からの逸脱を防止することが出来る。
【0021】
実施の形態2.
上記実施の形態1では電力指令値と流量変化を考慮して最適回転数を設定する場合を述べたが、流量変化は、有効落差が最低の場合、すなわち、流量変化が最大となる場合を前提としており、図3に示すように有効落差が大きくなれば、流量変化は小さくなるので、その分可変速幅を更に拡大するように補正し部分負荷時の発電効率を向上することが出来る。
図4に実施の形態2としての具体例を示す。
有効落差が最低有効落差の場合には、実施の形態1の場合の新最適回転数Cと変わらないが、有効落差が最低落差より高い場合にはその差に比例して新最適回転数Cを下方に補正した新最適回転数Dとするようにしたものである。
すなわち、この実施の形態2は、可変速同期発電電動機1の流量変動が有効落差に応じて変化することに対応して、可変速幅の拡大量を調整するようにしたものであり、部分負荷時の発電効率をより向上させることが出来る。
【0022】
実施の形態3.
上記実施の形態1では電力指令値と流量変化を考慮して最適回転数を設定する場合を述べたが、流量変化による過渡的な影響を受ける場合は、出力が増加中のみであり、可変速同期発電電動機1が一定出力で運転している場合には、流量変化の影響を考慮した最適回転数とする必要は必ずしも無い。
このため、図5に示すように出力増加中のみ流量変化を考慮した最適回転数Eとし、出力指令が一定になった後は、電力指令値のみによる最適回転数とすることで回転速度の下限を下げ、可変速幅を拡大するように補正するものである。
すなわち、この実施の形態3は、電力指令値が変動中の流量増加制御に対応して、出力増加中のみ、回転速度目標値を高くし、電力指令値が一定になった後は元に戻すようにした
ものであり、部分負荷時の発電効率をより向上させることが出来る。
【0023】
実施の形態4.
上記実施の形態1では電力指令値と流量変化を考慮して最適回転数を設定する場合を述べたが、流量変化による過渡的な影響を受ける場合の回転速度の低下を抑制出来る手段として、図6に示すように、流量変化による回転速度の低下が問題となる中間負荷から高負荷領域における電力指令増加中は、交流励磁装置6にて回転速度を制御する切替回路21を設ける。
この切替回路21により、回転速度低下が問題となる区間Fは、図7に示すように交流励磁装置6にて電力制御を実施する回路に戻し、回転速度を最適回転数に追従させることが出来る。
この結果、中間負荷から高負荷領域における電力指令増加中は、有効電力の即応性が落ちるデメリットはあるものの、最適回転数を設定して部分負荷時の発電効率を向上することが出来る。
すなわち、この実施の形態4は、電力指令値が変動している間は励磁系で回転速度を制御し、電力指令値が一定の間は励磁系にて有効電力を制御するようにしたものであり、部分負荷時の発電効率をより向上させることが出来る。
なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0024】
1:可変速同期発電電動機
2:ポンプ水車
3:発電機母線
4:主変圧器
5:電力系統
6:交流励磁装置
7:励磁変圧器
8:電力変換器
9:計器用変成器
10:電力制御回路
11:電力指令値設定器
12:回転数設定器
13:速度制御回路
14:サーボモータ
15:ガイドベーン開度検出器
16:落差検出器
17:ガイドベーン開度設定器
18:系統周波数検出器
19:基準周波数設定器
20:実回転数検出器
21:切替回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ水車に結合され、発電運転モードまたは揚水運転モードに切り替えて運転される可変速同期発電電動機を含み、その励磁電流を変化させることにより、前記可変速同期発電電動機が出力する電力が電力指令値に一致するように、かつ回転数が上限値と下限値の間に入るように制御する可変速同期発電電動機の制御方法において、
前記発電運転モードでは、前記下限値を前記可変速同期発電電動機が出力する有効電力により変化させ、有効電力が小さい場合に有効電力が大きい場合よりも前記下限値を小さくするように可変速幅を拡大すると共に、
前記発電運転モードにおける負荷増加制御における流量変動での回転速度低下に対応して前記可変速幅の拡大量を調整するようにしたことを特徴とする可変速同期発電電動機の制御方法。
【請求項2】
前記可変速同期発電電動機の流量変動が有効落差に応じて変化することに対応して、前記可変速幅の拡大量を調整するようにしたことを特徴とする請求項1記載の可変速同期発電電動機の制御方法。
【請求項3】
前記電力指令値が変動中の流量増加制御に対応して、出力増加中のみ、回転速度目標値を高くし、前記電力指令値が一定になった後は元に戻すようにしたことを特徴とする請求項1記載の可変速同期発電電動機の制御方法。
【請求項4】
前記電力指令値が変動している間は励磁系で回転速度を制御し、前記電力指令値が一定の間は励磁系にて有効電力を制御するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の可変速同期発電電動機の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−78195(P2013−78195A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216155(P2011−216155)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(511238158)日立三菱水力株式会社 (14)
【Fターム(参考)】