説明

可変速型乗客コンベア及びその運転方法

【課題】本発明は、当初に乗り込んだ乗客に不安を抱かせることなく降ろすことができ、かつ当初の移動速度から高速の移動速度に増速させることができる可変速型乗客コンベアを提供することにある。
【解決手段】本発明は、低速運転から高速運転に増速させるに際し、一旦、低速運転と高速運転との間の中速運転に増速させて所定時間運転させた後に、高速運転に増速するようにしたのである。
このような運転を行うことで、低速運転から高速運転に増速させるに際し、低速運転や中速運転中に乗り込んだ乗客は、移動速度差が大きくならないうちに降りることができるので、降り動作の不安を減少させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可変速型乗客コンベア及びその運転方法に係り、特に、乗降時の速度差が大きい可変速型乗客コンベア及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、省エネルギーや乗客の輸送能力の向上を目的に、乗客の混雑度に応じて移動速度を3段以上に切換えて運転される可変速型乗客コンベアは、例えば、特許文献1に示すように、既に提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−224539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の可変速型乗客コンベアは、乗客の混雑により、例えば、当初の移動速度よりも高速度に増速させる必要が生じたとき、当初に乗り込んだ乗客が降りないうちに増速されると、当初に乗り込んだ乗客は降りる際に、乗り込み時点での移動速度との間に大きな移動速度差が生じているので、恐怖感を抱くことがある。その結果、乗客の降り動作に不安を抱かせることになり、これが心理的負担となって降り口で転倒する虞がある。
【0005】
本発明の目的は、当初の移動速度よりも高速度に増速させるに際し、当初に乗り込んだ乗客に不安を抱かせることなく降ろすことができる可変速型乗客コンベアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するために、当初の移動速度よりも高速の移動速度に増速させるに際し、一旦、当初の移動速度と高速の移動速度との中間の移動速度に増速させて所定時間運転させた後に、目的とする高速の移動速度に増速するようにしたのである。ここで、中間の移動速度とは、移動速度が既に多段に設定されている可変速型乗客コンベアの場合には、既に設定されている中間の移動速度でもよく、当初の移動速度と増速すべき高速の移動速度との1/2となる中間の移動速度でもよい。また、2段の移動速度が設定されている可変速型乗客コンベアの場合には、当初の移動速度と増速すべき高速の移動速度との1/2となる中間の移動速度である。
【0007】
このような中間の移動速度に増速させた後、所定時間経過後に目的とする高速の移動速度に増速させることで、当初に乗り込んだ乗客は移動速度差が大きくならない所定時間内に降りることができるので、大きな移動速度差による恐怖感を抱くことがなくなって降り動作の不安は減少する。そして、可変速型乗客コンベアとしては、最終的に当初の移動速度よりも高速の移動速度に増速させることができる。ところで、中間の移動速度に増速させた後に乗り込んだ乗客は、中間の移動速度と目的とする高速の移動速度との速度差が、当初の移動速度と中間の移動速度との速度差と同じとなるので、当初に乗り込んだ乗客と同じように、大きな移動速度差を感じることなく降りることができる。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明によれば、当初の移動速度よりも高速度に増速させるに際し、当初に乗り込んだ乗客に不安を抱かせることなく降ろすことができる可変速型乗客コンベアを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明による可変速型乗客コンベアの第1の実施の形態を、踏板に段差が生じない水平設置された可変速型電動道路について図1〜図3に基づいて説明する。
【0010】
可変速型電動道路1は、離間された階床間に設置された本体枠2と、この本体枠2内に案内されて循環移動する複数の踏板3と、前記本体枠2の長手方向両端部に設けられ前記踏板3への乗降を行う乗り口側床板4及び降り口側床板5と、前記複数の踏板3を無端状に連結する踏板チェーン6と、この無端状の踏板チェーン6を前記本体枠2の長手方向両端部で巻掛ける駆動スプロケット7及び従動スプロケット8と、前記駆動スプロケット7を回転駆動する駆動電動機9と、前記踏板3の移動方向両側の本体枠2に支持されて立設する欄干10と、この欄干10の周縁に案内されて前記踏板3と同期して移動する移動手摺11とを備えている。
【0011】
前記駆動電動機9には、前記踏板3の移動速度、云い代えれば可変速型電動道路1の運転速度を例えば、0〜40m/minに変化させることができるように、インバータ装置12を介して電力が供給されている。前記インバータ装置12は、制御装置13からの前記踏板3の移動速度の変更指示の信号を受けて前記駆動電動機9の回転数を制御すると共に、制御装置13は、タイマー14で設定した時間にしたがって前記インバータ装置12にプログラムされた移動速度の変更指示信号を出力し、あるいは、操作員による切換えスイッチ15の操作によって前記インバータ装置12に移動速度の変更指示信号を出力するように構成されている。
【0012】
上記構成において、インバータ装置12、制御装置13、タイマー14、切換えスイッチ15が、本発明による踏板の移動速度を切換える速度切換え手段に相当する。
【0013】
次に、上記構成の可変速型電動道路1における運転パターンを図1に基づいて説明する。
〔運転パターン1〕
乗客の輸送量を向上させるために、最高の移動速度40m/minで運転する可変速型電動道路1において、起動後、乗客がいない場合には、省エネルギー運転を行うために、踏板3の移動を停止している。このような停止運転が続く中で、多数の乗客の乗り込みが予想される時間が近づいたので、タイマー14や切換えスイッチ15からの信号を制御装置13が受けて、インバータ装置12に移動速度の変更指示信号を出力すると、インバータ装置12は、駆動電動機9の回転数を増速してa→b→cの順に踏板3の移動速度を40m/minの高速運転に立ち上げる。そして、d→eで運転後、乗客の利用時間が過ぎた時、再び省エネルギー運転を行うために、e→f→gの順に40m/minで移動している踏板3の移動を停止する。
【0014】
このとき、40m/minの速度で移動する踏板3に乗り込む乗客は、降りる際も踏板3の移動速度が40m/minと変わらないので、移動速度差を感じることなくそのまま降りることができる。
〔運転パターン2〕
乗客の輸送量を向上させるために、最高の移動速度40m/minで運転する可変速型電動道路1において、起動後、乗客がいない場合には、省エネルギー運転を行うために、踏板3をa→hの順に例えば20m/minで低速運転している。このような状態が続く中で、多数の乗客の乗り込みが予想される時間が近づいたのでタイマー14や切換えスイッチ15の操作により、移動速度を20m/minからh→i→j→dの順に40m/minの高速運転に立ち上げる。そして、d→eで運転後、乗客の利用時間が過ぎた時、再び省エネルギー運転を行うために、e→f→kの順に40m/minで移動している踏板3を再び20m/minで運転し、その後、k→lで運転を停止する。
【0015】
このとき、乗客は、40m/minの速度で移動する踏板3に乗り込み、降りる際も踏板3の移動速度が40m/minと変わらないので、移動速度差を感じることなくそのまま降りることができる。
〔運転パターン3〕
乗客の輸送量を向上させるために、最高の移動速度40m/minで運転する可変速型電動道路1において、起動後、乗客がいない場合には、省エネルギー運転を行うために、踏板3をa→hの順に例えば20m/minで低速運転している。このような状態が続く中で、乗客が乗り込んでも、閑散時であるために40m/minに速度変換はしない。したがって、乗客は20m/minで移動する踏板3に乗り込み、20m/minで移動する踏板3から降りるので、移動速度差を感じることなくそのまま降りることができる。
【0016】
しかしながら、当初の移動速度20m/minで移動する踏板3に仮に乗客が乗っているときに、多数の乗客の乗り込みが予想される時間が近づいたのでタイマー14や切換えスイッチ15の操作により、移動速度を20m/minからh→i→j→dの順に高速の移動速度40m/minに立ち上げた場合、20m/minで乗り込んだ乗客は、40m/minで移動する踏板3から降りなければならず、20m/minの大きな移動速度差を感じて恐怖感を抱くことがある。その結果、乗客の降り動作に不安を抱かせることになり、これが心理的負担となる。
【0017】
そこで、踏板3を20m/minで運転中に、高速の移動速度40m/minに立ち上げる指示があった場合、直ちに40m/minに増速せず、h→i→mの順に、一旦、当初の移動速度20m/minと増速すべき高速の移動速度40m/minとの中間の移動速度である例えば30m/minに増速させ、30m/minのまま所定時間経過まで運転を続ける。そして所定時間経過後に、m→n→eの順に高速の移動速度40m/minに立ち上げるようにしたのである。ところで、所定時間とは、基本的には乗り口側の踏板3が降り口側に至るに必要な時間に余裕時間を加えた時間である。
【0018】
このような運転パターン3を採ることで、当初の移動速度20m/minで移動する踏板3に乗り込み、30m/minに増速した踏板3から降りる乗客は、移動速度差が10m/minと低減できるので、大きな移動速度差を感じることはない。その結果、乗客の降り動作に不安を抱かせることなく、心理的負担を抱かせることなくそのまま降りることができる。さらに、中間の移動速度30m/minに増速した踏板3に乗り込んだ乗客は、高速の移動速度40m/minに増速されても、移動速度差が10m/minと、当初の移動速度20m/minで乗り込んだ乗客と同じになるので、大きな移動速度差を感じることはない。
【0019】
ところで、運転パターン2,3において、省エネルギー運転を20m/minの低速運転で行うことを説明したが、乗降客が少ない時間が長時間続く施設に設置される可変速型乗客コンベアにおいては、省エネルギー運転を10m/min程度の低速運転で行う場合もある。
【0020】
次に、上述の運転パターン3を図3に示すフローにしたがって説明する。
【0021】
可変速型電動道路1の起動時点が閑散時か否かを判断し(1)、制御装置13のタイマー14による速度変更プログラムを設定しておき、あるいは切換えスイッチ15の操作の判断を行う。起動時点が混雑時と重なる時は、直ちに移動速度40m/minの高速運転を行い(6)、閑散時であれば移動速度20m/minの低速運転(2)、即ち、省エネルギー運転を行う。次に、低速運転中に混雑時の時間となったあるいは混雑時が近づいてタイマー14又は切換えスイッチ15から増速指令があったか否かを制御装置13が判断し(3)、増速指令がなければ、低速運転(2)を続け、増速指令があった場合には、増速すべき高速運転の移動速度40m/minと当初の低速運転20m/minの中間の移動速度30m/minで中間運転を行う(4)。その後、中間の移動速度で所定時間経過したか否かを制御装置13が判断し(5)、経過していない場合には中間運転(4)を継続し、経過した場合には移動速度を40m/minに増速させて高速運転を行う(6)。そして、高速運転(6)中に制御装置13が再度閑散時か否かを判断し(7)、閑散時でなければ40m/minでの高速運転を続け(6)、閑散時であれば当初の移動速度20m/minでの低速運転を行う(8)。そして、営業運転の間、低速運転(8)から、増速指令があったか否かを判断し(3)、これを繰り返して最終的には運転を停止させる。
【0022】
図4は、本発明による可変速型乗客コンベアの第2の実施の形態である可変速型電動道路である。
【0023】
図2に示す第1の実施の形態は、増速指令をタイマー14や切換えスイッチ15の操作によって行うものであるが、図4に示す第2の実施の形態は、第1の実施の形態におけるタイマー14や切換えスイッチ15をなくし、代わりに乗客の有無を検出して図1に示す運転パターン3での可変速運転を行うようにしたものである。
【0024】
具体的な構成を図4に基づいて説明する。尚、図2と同一符号は同一部品を示すので、再度の詳細な説明は省略する。
【0025】
制御装置13に運転速度の切換えを指示する信号を出力するために、乗り口側床板4側に設置した乗り口側誘導柵16と降り口側床板5側に設置した降り口側誘導柵17に、夫々乗客の進行方向に従って第1乗客検出センサ18A,第2乗客検出センサ18B及び第1降客検出センサ19A,第2降客検出センサ19Bを設け、これらで検出した信号から乗客検出装置20及び降客検出装置21によって乗客数あるいは乗客の移動速度を測定し、この測定結果を制御装置13に出力して運転速度の切換えを行うようにしたのである。
【0026】
乗客の有無を検出して可変速運転を行う動作を説明する。まず、起動後、第1乗客検出センサ18Aと第2乗客検出センサ18Bで乗客を検出し、乗客を検出しない時は省エネルギー運転を行うために、運転を停止あるいは10〜20m/minでの低速運転を行う。この停止あるいは低速運転を行っているときに、乗客を検出し、その乗客が第1乗客検出センサ18Aを横切ってから第2乗客検出センサ18Bを横切るまでの時間が長いときは閑散時と見なす。そして、運転が停止している時は、20m/minでの低速運転を行い、10〜20m/minでの省エネルギー運転を行っている時は、そのままの移動速度での運転を継続させる。
【0027】
停止あるいは低速運転中に乗客が乗り口側誘導柵12内に進入し、そのとき、第1乗客検出センサ18Aを横切ってから第2乗客検出センサ18Bを横切るまでの時間が短いときは混雑時と見なして停止あるいは低速運転から、直ちに高速の移動速度40m/minでの高速運転に切換え、乗客を高速で輸送する。
【0028】
また、閑散時の低速運転で先行した乗客が乗っている間中に、後続の乗客が第1乗客検出センサ18Aを横切ってから第2乗客検出センサ18Bを横切るまでの時間が短いときは、当然、混雑時と見なされて40m/minでの高速運転を行う。しかし、上述のように、20m/minの低速運転中に乗った乗客が増速された40m/minの高速で降りる場合には大きな移動速度差を感じて恐怖感を抱くので、乗客検出装置20から混雑時である信号を受けた制御装置13は、直ちに40m/minでの高速運転を行わずに、30m/minでの中速運転への切換え信号をインバータ装置12に出力して駆動電動機9を増速させる。そして、この中速運転中に、降り口側の第1降客検出センサ19Aと第2降客検出センサ19Bで先行した乗客あるいは先行した乗客の移動速度を検出するまで行い、その後、降客検出装置21からの信号を受けた制御装置13はインバータ装置12に40m/minでの高速運転への変更指示を出力する。
【0029】
ところで、降り口側において、第2降客検出センサ19Bから第1降客検出センサ19Aの順に乗客を検出した時は、降り口側から乗り込もうとする乗客であることを制御装置13で判断して、その乗客に放送で警告を発するようにすることもできる。
【0030】
以上説明したように各実施の形態によれば、低速運転から高速運転に切換えるに際し、所定時間中速運転させることで、低速運転中に乗った当初の乗客は、大きな移動速度差を感じることなく降りることができる。さらに、中間速度で乗った後続する乗客は高速運転中に降りることになるが、その速度差は低速運転と中速運転との速度差と同じとなるので、当初に乗った乗客と同じように、大きな移動速度差を感じることなく降りることができる。
【0031】
ところで、上記実施の形態は、可変速型乗客コンベアとして水平設置された可変速型電動道路について説明したが、傾斜設置された可変速型電動道路やエスカレーターにも適用できることは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による可変速型乗客コンベアの移動速度を示す運転パターン図。
【図2】本発明による可変速型乗客コンベアの第1の実施の形態である水平設置された可変速型電動道路を示す概略図。
【図3】本発明による可変速型乗客コンベアの第1の実施の形態である水平設置された可変速型電動道路の運転パターンの一例を示すフローチャート。
【図4】本発明による可変速型乗客コンベアの第2の実施の形態である水平設置された可変速型電動道路を示す概略図。
【符号の説明】
【0033】
1…可変速型電動道路、2…本体枠、3…踏板、4…乗り口側床板、5…降り口側床板、7…駆動スプロケット、9…駆動電動機、12…インバータ装置、13…制御装置、14…タイマー、15…切換えスイッチ、16…乗り口側誘導柵、17…降り口側誘導柵、18A…第1乗客検出センサ、18B…第2乗客検出センサ、19A…第1降客検出センサ、19B…第2降客検出センサ、20…乗客検出装置、21…降客検出装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状に連結されて循環移動する複数の踏板と、これら踏板を駆動する駆動電動機と、この駆動電動機に回転数の切換え指示を出力して前記踏板の移動速度を切換える速度切換え手段とを備えた可変速型乗客コンベアにおいて、前記速度切換え手段は、速度切換え信号を入力する制御装置と、この制御装置からの出力信号を入力して前記駆動電動機の回転数を切換えるインバータ装置とを備え、かつ前記制御装置は、前記踏板の移動速度を当初の移動速度よりも高速の移動速度に増速させる信号を入力した時、一旦、当初の移動速度と増速すべき高速の移動速度との中間の移動速度で所定時間運転させた後、前記高速の移動速度に増速させる信号を前記インバータ装置に出力するように構成されていることを特徴とする可変速型乗客コンベア。
【請求項2】
前記速度切換え手段は、前記制御装置に速度切換え信号を出力する切換えスイッチを備えていることを特徴とする請求項1記載の可変速型乗客コンベア。
【請求項3】
前記速度切換え手段は、タイマーによって前記制御装置が前記インバータ装置に速度切換え信号を出力するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の可変速型乗客コンベア。
【請求項4】
無端状に連結されて循環移動する複数の踏板と、これら踏板を駆動する駆動電動機と、この駆動電動機に回転数の切換え指示を出力して前記踏板の移動速度を切換える速度切換え手段とを備えた可変速型乗客コンベアにおいて、前記速度切換え手段は、乗り口側に設けた乗り口側乗客検出装置と、この乗り口側乗客検出装置による乗客検出人数が所定数以上になった時、一旦、当初の移動速度と増速すべき高速の移動速度との中間の移動速度で所定時間運転させた後、前記高速の移動速度に増速させる指示を出力する制御装置と、この制御装置からの出力によって前記駆動電動機の回転数を切換えるインバータ装置とを有することを特徴とする可変速型乗客コンベア。
【請求項5】
無端状に連結されて循環移動する複数の踏板と、これら踏板を駆動する駆動電動機と、この駆動電動機に回転数の切換え指示を出力して前記踏板の移動速度を切換える速度切換え手段とを備えた可変速型乗客コンベアにおいて、前記速度切換え手段は、乗り口側に設けた乗り口側乗客検出装置と、降り口側に設けた降り口側乗客検出装置と、前記乗り口側乗客検出装置による乗客検出人数が所定数以上になった時、一旦、当初の移動速度と増速すべき高速の移動速度との中間の移動速度で所定時間運転させた後、前記高速の移動速度に増速させる指示を出力すると共に前記降り口側乗客検出装置による乗客検出人数が所定数以下になった時、増即された高速の移動速度以下に減速させる指示を出力する制御装置と、この制御装置からの出力によって前記駆動電動機の回転数を切換えるインバータ装置とを有することを特徴とする可変速型乗客コンベア。
【請求項6】
移動速度を切換えて運転する可変速型乗客コンベアの運転方法において、当初の移動速度から高速の移動速度に増速させるに際し、一旦、当初の移動速度と高速の移動速度との中間の移動速度に増速させて所定時間運転させた後に、高速の移動速度に増速するようにしたことを特徴とする可変速型乗客コンベアの運転方法。
【請求項7】
移動速度を3段以上に切換えて運転する可変速型乗客コンベアの運転方法において、当初の移動速度から2段以上上位の移動速度に増速させるに際し、1段上位毎の移動速度に増速させて夫々所定時間運転させながら最終的に前記2段以上上位の移動速度に増速するようにしたことを特徴とする可変速型乗客コンベアの運転方法。
【請求項8】
移動速度を3段以上に切換えて運転する可変速型乗客コンベアの運転方法において、当初の移動速度から2段以上上位の移動速度に増速させるに際し、各段における中間の移動速度に増速させて夫々所定時間運転させながら最終的に前記2段以上上位の移動速度に増速するようにしたことを特徴とする可変速型乗客コンベアの運転方法。
【請求項9】
前記所定時間は、往路側の踏板が乗り口側から降り口側に至るのに必要な時間に余裕時間を加えた時間であることを特徴とする請求項6,7又は8記載の可変速型乗客コンベアの運転方法。
【請求項10】
移動速度を3段以上に切換えて運転する可変速型乗客コンベアの運転方法において、当初の移動速度から2段上位の移動速度に増速させる際に、当初の移動速度で運転中に乗り込んだ乗客がいる場合には、一旦、当初の移動速度と2段上位の移動速度との中間の移動速度に増速させて当初の乗客が降りる際に必要な時間運転させ、その後、前記2段上位の移動速度に増速するようにしたことを特徴とする可変速型乗客コンベアの運転方法。
【請求項11】
乗客の閑散時には低速で運転し、乗客の混雑時には高速で運転し、乗客の閑散時と混雑時の間は中速で運転するように、踏板の移動速度を3段に切換えて運転する可変速型乗客コンベアの運転方法において、低速運転から高速運転に増速させるに際し、低速運転中に乗り込んだ乗客がいる場合には、一旦、中速運転に増速させて当初の乗客が降りる際に必要な時間運転させ、その後、高速運転に増速させ、かつ乗客数の減少により運転速度を漸減させるようにしたことを特徴とする可変速型乗客コンベアの運転方法。
【請求項12】
3段以上に踏板の移動速度を切換えて運転する可変速型乗客コンベアの運転方法において、当初の移動速度から2段上位の移動速度に増速させるに際し、当初の移動速度で乗り込んだ乗客がいる場合には、一旦、当初の移動速度と2段上位の移動速度との中間の移動速度に増速させて当初の乗客が降りる際に必要な時間運転させ、その後、前記2段上位の移動速度に増速させると共に、当初の移動速度で乗り込んだ乗客がいない場合には、当初の移動速度から2段上位の移動速度に増速さるようにしたことを特徴とする可変速型乗客コンベアの運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−106541(P2007−106541A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298523(P2005−298523)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】