説明

可搬式越水防止装置

【課題】平常時にあっては美観上、また交通上の自由度を損なうことなく、且つ緊急時には容易に設置可能な可搬式越水防止装置を提供することである。
【解決手段】本発明は、可搬式越水防止装置において、地中に埋設され地上に開口を有し、所定間隔で配置される複数のポストホールと、平常時は前記ポストホールに収納され、緊急時に前記ポストホールから引き上げ可能な親杭と、前記ポストホールから引き上げた親杭と該ポストホールの隣のポストホールから引き上げた親杭との間に張る横矢板と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可搬式越水防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、堤防の天端が洪水時の水位よりも低いような場合、洪水時の水位よりも高くなる計画堤防を完成させるまでの間の緊急時対応として、堤防となる部材を運び込んで組み付けたり、すでに設置してある部材を堤防として用いたりする必要があった。
【0003】
特許文献1には、平常時には、縦に4枚並べた板のうち下から1枚目の板および3枚目の板をそれぞれ下から2枚目の板および4枚目の板に重なるように跳ね上げておいてガードレールとして利用可能とし、緊急時には、下から1枚目の板および3枚目の板を下に降ろして堰板として用いる防水防護柵が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−182027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、この特許文献1に記載の防水防護柵は、平常時にもガードレールとして常に天端に存在するものであるため、美観上、また交通上の自由度が低いといった問題があった。これに対応し、防水防護柵を取り外し可能とすることが考えられるが、取り外した防水防護柵はたとえば水防小屋に保管しておくことになり、緊急時にそれを運び出して設置するのは非常に困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、平常時にあっては美観上、また交通上の自由度を損なうことなく、且つ緊急時には容易に設置可能な可搬式越水防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の目的を達成するために、可搬式越水防止装置において、地中に埋設され地上に開口を有し、所定間隔で配置される複数のポストホールと、平常時は前記ポストホールに収納され、緊急時に前記ポストホールから引き上げ可能な親杭と、前記ポストホールから引き上げた親杭と該ポストホールの隣のポストホールから引き上げた親杭との間に張る横矢板と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、平常時にあっては美観上、また交通上の自由度を損なうことなく、且つ緊急時には容易に設置可能な可搬式越水防止装置を提供することができる。都市部における集中豪雨や洪水により市街地が冠水した場合、地下街や地下鉄入口から地下施設への浸水を防ぐ機能としても有効である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による可搬式越水防止装置の一実施形態の概要を示す斜視図であり、(a)は平常時における可搬式越水防止装置を収納した状態を示す斜視図であり、(b)は緊急時における可搬式越水防止装置を設置した状態を示す斜視図である。
【図2】本実施形態の可搬式越水防止装置におけるポストホールを示す図であり、(a)はポストホールの平面図であり、(b)はポストホールの正面図であり、(c)はポストホールの蓋を開けた状態での正面図である。
【図3】本実施形態の可搬式越水防止装置における親杭を示す図であり、(a)は親杭の平面図であり、(b)は(a)の正面図であり、(c)は(a)を反時計回りに90度回転させた平面図であり、(d)は(c)の正面図であり、(e)は(c)において親杭補強斜材を広げた状態の平面図であり、(f)は(e)の正面図である。
【図4】本実施形態の可搬式越水防止装置における横矢板を示す図であり、(a)は横矢板を構成する板のうち最下段の板の平面図であり、(b)は最下段の板の正面図であり、(c)は最下段の板の右側面図であり、(d)は横矢板を構成する板のうち下から2番目、3番目および4番目(最上段)の板の平面図であり、(e)は(c)の板の正面図であり、(f)は(c)の板の右側面図である。
【図5】本実施形態の可搬式越水防止装置における横矢板固定用部材を示す図であり、(a)は横矢板固定用部材の平面図であり、(b)は横矢板固定用部材の正面図であり、(c)は横矢板固定用部材の右側面図である。
【図6】本実施形態の可搬式越水防止装置の設置時の親杭近傍を示す斜視図である。
【図7】図6の破線で囲んだ部分Aを拡大して示す斜視図である。
【図8】図6の破線で囲んだ部分Bを拡大して示す斜視図である。
【図9】図6の破線で囲んだ部分Cを拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明による可搬式越水防止装置の一実施形態の概要を示す斜視図であり、(a)は平常時における可搬式越水防止装置を収納した状態を示す斜視図であり、(b)は緊急時における可搬式越水防止装置を設置した状態を示す斜視図である。
【0012】
図1(a)を参照して分かるように、平常時の河川100の水位は、堤防101の天端102よりも低く、河川100の水が堤内地に流れ込むことはない。
【0013】
一方、大雨などにより河川100の水位が上昇する緊急時になると、堤防101の天端102よりも高くなってしまう虞がある(図1(b)参照)。本実施形態の可搬式越水防止装置は、このような場合に、河川100の水位よりも高い横矢板22を形成し、河川100の水が堤内地に流れ込むことを防ぐ。
【0014】
本実施形態の可搬式越水防止装置は、天端102にポストホール10を所定間隔で埋設して配置し、図1(a)に示す平常時にはポストホール10内に親杭21を収納し、図1(b)に示す緊急時にはポストホール10内の親杭21を引き上げて、立て込み、隣り合った親杭21の間に、4枚の板22−1、22−2、22−3、22−4を面を広げるように高さ方向に接いでなる横矢板22を嵌め込んで張り、このとき一番下(最下段)の板22−1の下方を横矢板固定用部材11の溝35(詳しくは後述する)に嵌め込む。また、親杭21は、河川100の水による圧力に耐え得るように親杭補強斜材23によって支えられる。
【0015】
以下、本発明の可搬式越水防止装置の各部材について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図2は、本実施形態の可搬式越水防止装置におけるポストホールを示す図であり、(a)はポストホールの平面図であり、(b)はポストホールの正面図であり、(c)はポストホールの蓋を開けた状態での正面図である。
【0017】
このポストホール10は、図1(a)および(b)に示すように、横矢板22の幅に応じた所定間隔で天端102に埋設して配置される。
【0018】
図2(a)に示すように、ポストホール10はヒンジ12で取り付けられた蓋13を有する箱状の形状であり、ヒンジ12で回動させて蓋13を閉めることによって、ポストホール10内の親杭21が露出しない状態にすることができる。蓋13には蓋開閉用穴14が設けてあり、フックを有する棒や指などをこの蓋開閉用穴14に引っ掛けて持ち上げ、図2(c)に示すようにヒンジ12で回動させて蓋13を開けることができる。
【0019】
本実施形態では、2つの親杭固定ピン15を設けており、この2つの親杭固定ピン15はチェーン15aによって蓋13の下面に吊り下げられている。
【0020】
また、ポストホール10は横矢板固定用溝11aを有する。天端102に埋設されたポストホール10の隣り合ったもの同士の間には上述の横矢板固定用部材11が埋設され、ポストホール10の横矢板固定用溝11aは、横矢板固定用部材11の溝35と位置合わせされており、最下段の板である板22−1の下方が嵌め込まれる。
【0021】
図3は、本実施形態の可搬式越水防止装置における親杭を示す図であり、(a)は親杭の平面図であり、(b)は(a)の正面図であり、(c)は(a)を反時計回りに90度回転させた平面図であり、(d)は(c)の正面図であり、(e)は(c)において親杭補強斜材を広げた状態の平面図であり、(f)は(e)の正面図である。
【0022】
親杭21は、横矢板22を嵌め込む溝28を有する親杭片21aおよび21bを背中合わせに固着させた形状をしている。溝28の横矢板22を嵌め込む個所には遮水材であるゴムパッキン25を設けて遮水性を高めてある。
【0023】
親杭片21aおよび21bを背中合わせにした個所には貫通孔27が設けてあり、ポストホール10に埋め込まれた親杭21を引き上げる際には、この貫通孔27に指を通すなどして持ち上げることができる。
【0024】
また、親杭片21aおよび21bには貫通孔26が設けてあり、溝28に横矢板22を嵌め込んで、この貫通孔26と後述する最下段の板22−1の貫通孔31とを位置合わせし、そこに親杭固定ピン15を挿し込んで貫通させた状態にすることにより、親杭21および横矢板22の位置固定をし、親杭21のポストホール10への落下を防止することができる。
【0025】
可搬式越水防止装置を設置した状態で河川100の水位が上昇すると、親杭21および横矢板22には水圧がかかる。そこで、本実施形態ではこの水圧対策として親杭補強斜材23を設けている。この親杭補強斜材23は、軸23aを回転軸にして回動自在に設けられており、親杭21をポストホール10に収納する際にはこの親杭補強斜材23を閉じた状態(図3(d)参照)にし、可搬式越水防止装置を設置時には、河川100とは反対の側に親杭補強斜材23を回動させて広げた状態(3(f)参照)にし、水圧に対する支えとする。
【0026】
図4は、本実施形態の可搬式越水防止装置における横矢板を示す図であり、(a)は横矢板を構成する板のうち最下段の板の平面図であり、(b)は最下段の板の正面図であり、(c)は最下段の板の右側面図であり、(d)は横矢板を構成する板のうち下から2番目、3番目および4番目(最上段)の板の平面図であり、(e)は(c)の板の正面図であり、(f)は(c)の板の右側面図である。
【0027】
本実施形態では、横矢板22を4枚の板22−1、22−2、22−3および22−4で構成している。これにより、横矢板22の可搬性を向上するとともに、所定の親杭21とその隣の親杭21との間に横矢板22を嵌め込む作業をしやすくする。板の枚数は4枚に限られるものではなく、必要に応じて増減することができる。
【0028】
板22−1は、所定の親杭21とその隣の親杭21との間に嵌め込まれたときに、貫通孔26と位置合わせして親杭固定ピン15を挿入する貫通孔31を有する。また、板22−1の上部にはホゾ穴30を設けている。
【0029】
板22−2、22−3および22−4は同一の構造であり、下部に、下段の板のホゾ穴30に嵌挿するホゾ32を有し、上部に、上段の板のホゾ32が嵌挿されるホゾ穴30を有する。
【0030】
図5は、本実施形態の可搬式越水防止装置における横矢板固定用部材を示す図であり、(a)は横矢板固定用部材の平面図であり、(b)は横矢板固定用部材の正面図であり、(c)は横矢板固定用部材の右側面図である。
【0031】
横矢板固定用部材11は上部に溝35を有する。横矢板固定用部材11は、所定のポストホール10とその隣のポストホール10との間の天端11に平常時から埋設され、横矢板固定用部材11の溝35はポストホール10の横矢板固定用溝11aと位置合わせされ、緊急時に可搬式越水防止装置を設置する際には板22−1の下方が溝35や横矢板固定用溝11aに嵌め込まれる。
【0032】
図6は、本実施形態の可搬式越水防止装置の設置時の親杭近傍を示す斜視図である。
【0033】
また、図7は、図6の破線で囲んだ部分Aを拡大して示す斜視図である。
【0034】
また、図8は、図6の破線で囲んだ部分Bを拡大して示す斜視図である。
【0035】
さらに、図9は、図6の破線で囲んだ部分Cを拡大して示す斜視図である。
【0036】
従来のように、洪水などの緊急時に、親杭を別の場所(たとえば水防小屋)から運び入れて設置するのは不利であることから、本実施形態の可搬式越水防止装置は、親杭21を天端102の地中に埋込む方式としている。すなわち、ポストホール10に支柱(親杭21)を埋め込んでおき、大雨などで洪水が発生した緊急時にその支柱を引上げて親杭21とする。ポストホール10から引き上げた親杭21は親杭固定ピン15にてポストホール10内への落下を防止する(図9参照)とともに、洪水時の水圧対策として親杭補強斜材23を補強材として用いる(図8参照)。横矢板22を嵌め込むスリット部分である溝28にはゴムパッキン25を設けて遮水性を高める(図7参照)。
【0037】
横矢板22は、地中から引き上げた親杭21の溝28に嵌め込むとともにその隣の親杭21の溝28に嵌め込むことによって、親杭21とその隣の親杭21との間に嵌め込んで固定する。
【0038】
図7に示すように、溝28に嵌め込まれた横矢板22は、溝28の両脇に設けたゴムパッキン28が密着し、遮水性が向上される。
【0039】
また、横矢板22は、たとえば樹脂製にすることによって軽量化し可搬性を向上するのが望ましい。
【0040】
横矢板22は、平常時には天端102に敷設し、ジョギングやサイクリングなどの道路の一部として用いることもできる。このようにしておけば、横矢板22をたとえば水防小屋に保管しておく場合と比べて、緊急時に可搬式越水防止装置を設置する際の横矢板22を運ぶ距離を短縮でき、可搬式越水防止装置のスムーズな設置を行うことができる。
【0041】
親杭補強斜材23は、図8に示すように、軸23aによって親杭21に固定されている。軸23aは、たとえばヒンジによって、親杭補強斜材23を回動させる際の回転軸となる。親杭21をポストホール10に収納する際には、軸23aを軸にして親杭補強斜材23を親杭21に沿わせるように閉じる。このようにすることによって、ポストホール10の大きさを、親杭補強斜材23を広げた状態ほど大きくする必要がなく、親杭21とほぼ同等の大きさにすることができる。
【0042】
図9に示すように、親杭21は、ポストホール10から引き上げられた際に、貫通孔26に親杭固定ピン15を挿入することによって、再びポストホール10内に落下しないようにされる。このとき、溝28に横矢板22が嵌め込まれている場合(図9の親杭片21b)には、貫通孔26と、横矢板22の板22−1の貫通孔31とを位置合わせし、これらを貫通するように親杭固定ピン15を挿入する。一方、溝28に横矢板22が嵌め込まれていない場合(図9の親杭片21a)には、貫通孔26のみを貫通するように親杭固定ピン15を挿入する。
【0043】
親杭21の貫通孔26に親杭固定ピン15を挿入して固定したとき、親杭21の下部は、ポストホール10から抜け切らずに、長さDだけ地中すなわちポストホール10内に残るようにするのが望ましい。長さDはたとえば20cm程度でよく、このようにすることにより、構造上、親杭21とポストホール10とを一体化することができ、水圧に対する抵抗力を高めることができる。
【0044】
また、本実施形態では、横矢板22と地面との間の遮水性を高め、かつ水圧による横矢板22の堤内地側への変位を防ぐため、横矢板22の接地部分にはあらかじめ横矢板固定用部材11を埋設しておき、横矢板固定用部材11の溝35に、横矢板22の板22−1の下部を嵌挿する。
【0045】
本実施形態の可搬式越水防止装置によれば、洪水時などの越流防止に用いることができ、また、緊急時の設置に際しては、経験・熟練を必要とせず、初めてでも簡単に施工可能であるという効果を奏する。
【0046】
上述した本実施形態の可搬式越水防止装置の設置手順を以下に説明する。
【0047】
まず、蓋開閉用穴14を利用してポストホール10の蓋13を開ける。続いて、貫通孔27を利用して親杭21を引き上げる。引き上げた親杭21は、貫通孔26に親杭固定ピン15を挿入することによってポストホール10内に落下しないようにしておくのがよい。
【0048】
続いて、所定の親杭21とその隣の親杭21との間に、上方から板22−1を嵌め込む。このとき、板22−1の貫通孔31に対応する親杭固定ピン15を一旦貫通孔26から抜き取り、板22−1の下部を横矢板固定用部材11の溝35に嵌め込むとともに貫通孔31と貫通孔26との位置合わせをしてから、貫通孔26および31に親杭固定ピン15を挿入する。
【0049】
その後、当該所定の親杭21とその隣の親杭21との間に、上方から板22−2を嵌め込み、板22−1のホゾ穴30に板22−2のホゾ32を嵌め込み、順に、当該所定の親杭21とその隣の親杭21との間に、上方から板22−3を嵌め込み、板22−2のホゾ穴30に板22−3のホゾ32を嵌め込み、当該所定の親杭21とその隣の親杭21との間に、上方から板22−4を嵌め込み、板22−3のホゾ穴30に板22−4のホゾ32を嵌め込んで横矢板22を形成し、本実施形態の可搬式越水防止装置の設置が完了する。
【0050】
以下に、本実施形態の可搬式越水防止装置の各構成に対する要求性能の一例を記す。
【0051】
(1)親杭21
強度:設置後の高さは1m程度を想定しているが、この場合満水時には下端に10(kN/m)の水圧が生じるので、これに耐えうる強度が必要。
防食性:常時は地中設置を考慮するため、雨水や地下水により腐食しない材料であること。
施工性:簡単に組み立て、設置ができること。
これら要求性能を満たすため、親杭21の素材軽量形鋼やFRP(繊維強化プラスチック)などを用いるのがよい。
【0052】
(2)横矢板22
強度:満水時は下端に10(kN/m)の水圧が生じるので、これに耐えうる強度が必要。
防水性:漏水のないこと。
施工性:簡単に親杭21に取り付け、設置ができること。
その他:満水時の浮力に耐え得ること。
これら要求性能を満たすため、横矢板22の塩化ビニル樹脂プレートなどを用いるのがよい。また、横矢板22の代わりに、布を用いてもよく、この場合、高強度止水シートなどなどを用いてもよい。また、満水時の浮力に耐え得る構成として、横矢板22として浮力が小さい部材を用いるようにしてもよいし、横矢板22の最上段の板22−4の上部と親杭21の上部とを固定する部材を設けるようにしてもよい。
【0053】
(3)その他
親杭21と横矢板22、横矢板22と地面、横矢板22を構成する4枚の板同士の各部材には、それぞれ接続面が発生するが、この個所から漏水がない構造とする必要がある。これに対応し、本実施形態では、「ゴムパッキン25」、「横矢板固定用部材11の溝35」、「ホゾ32およびホゾ穴30」を用いて各部材間の遮水性を高めている。
【0054】
以上、説明した本発明の可搬式越水防止装置によれば、集中豪雨や洪水により都市部が冠水した場合、地下街や地下鉄入口から地下施設への浸水を防ぐ機能としても有効である。
【符号の説明】
【0055】
100 河川
101 堤防
102 堤防天端
10 ポストホール
11 横矢板固定用部材
13 蓋
15 親杭固定ピン
21 親杭
22 横矢板
22−1、22−2、22−3、22−4 板
23 親杭補強斜材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設され地上に開口を有し、所定間隔で配置される複数のポストホールと、
平常時は前記ポストホールに収納され、緊急時に前記ポストホールから引き上げ可能な親杭と、
前記ポストホールから引き上げた親杭と該ポストホールの隣のポストホールから引き上げた親杭との間に張る横矢板と、
を備えたことを特徴とする可搬式越水防止装置。
【請求項2】
前記親杭の溝および該親杭の隣の親杭の溝に前記横矢板を嵌め込むことによって該横矢板を張ることを特徴とする請求項1に記載の可搬式越水防止装置。
【請求項3】
前記親杭の溝および該親杭の隣の親杭の溝の、前記横矢板を嵌め込む個所に遮水材を設けていることを特徴とする請求項1に記載の可搬式越水防止装置。
【請求項4】
前記横矢板が複数の板を高さ方向に接いでなることを特徴とする請求項1に記載の可搬式越水防止装置。
【請求項5】
前記横矢板を構成する複数の板の接ぎ個所がホゾで接いでなることを特徴とする請求項4に記載の可搬式越水防止装置。
【請求項6】
前記ポストホールが前記親杭を収納したときに前記ポストホールの開口を閉じる蓋を有することを特徴とする請求項1に記載の可搬式越水防止装置。
【請求項7】
前記親杭が、前記ポストホールに収納されるときには閉じ、前記ポストホールから引き上げて設置するときには、水圧がかかる側の反対側に広げることが可能な親杭補強斜材を有することを特徴とする請求項1に記載の可搬式越水防止装置。
【請求項8】
前記横矢板の下部と地面との間に横矢板固定用部材を埋設し、前記横矢板固定用部材に設けた溝に前記横矢板の下部を嵌め込んで設置することを特徴とする請求項1に記載の可搬式越水防止装置。
【請求項9】
前記ポストホールから引き上げた親杭を固定する親杭固定ピンを設けたことを特徴とする請求項1に記載の可搬式越水防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−47150(P2011−47150A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195036(P2009−195036)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(501254955)川崎地質株式会社 (11)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【出願人】(390039114)株式会社田中 (21)
【Fターム(参考)】