説明

可搬性通信媒体、電子機器および無線通信システム

【課題】 既存のICカード規格を維持しながら、データ転送の高速化に対応できるようにする。
【解決手段】 、ホスト機器1とICカード2とを互いに接続し、ホスト機器1とICカード2との間で有線通信を行なわせるためのコネクタをホスト機器1およびICカード2に設けるとともに、ホスト機器1とICカード2との間で無線通信を行う無線インタフェースが設け、ホスト機器1はICカード3の挿入を検出すると、ICカード3が無線インタフェースを有するかどうかの確認を行い、無線インタフェースがあれば、無線データ転送を行い、無ければ有線インタフェースでデータ転送を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可搬性通信媒体、電子機器および無線通信システムに関し、特に、通信機能を有するICカードなどに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
ノートブック型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽再生装置および携帯電話などの電子機器では、PCMCIAカード、CF(Compact Flash)カード、SDカードなどのPCカードの規格に準拠したカードスロットを有する機種が増加している。また、PCカード、SDカード、CFカードなどのICカードでは、フラッシュメモリやGPS、有線LAN、無線LANなど様々な機能を持ったものが提供されている。
【0003】
一方、近年の半導体技術の向上により、ICカードに搭載できるメモリ容量の大幅な増加、有線LANや無線LANの高速化などが急速に進んできている。特に最近では、より小型に実装できる技術が発達し、SDカードサイズでも、大容量メモリや高速無線LANなどを搭載することが可能となっている。例えば、非特許文献1に開示されているように、SDカードでは、最大4ビットまでのバス幅を持ち、最高で10Mバイト/秒程度のデータ転送速度まで対応することができる。
【0004】
また、例えば、特許文献1には、PCカード装置はインターフェースであるコネクタを備え、コネクタを介して情報処理装置のカードスロットにPCカード装置を装着することにより、接続される情報処理装置の状態に基づいて最適な制御が行えるようにする方法が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、位置検出器にて非接触式ICカードの位置を検知することにより、非接触式ICカードとの間で常に安定的かつ確実に非接触による通信が行えるようにする方法が開示されている。
【非特許文献1】Secure Digital Input/Output(SDIO) Card Specification,Version 1.00 October 2002 SD Association
【特許文献1】特開2003−157415号公報
【特許文献2】特開2003−223619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のICカードでは、これらICカードとPCなどのホスト側との間のインタフェースは規格化されているため、メモリ増加やLAN高速化などに十分追従できない場合がある。しかも、SDカードでは、最大4ビットまでのバス幅しか持たないので、最高でも10Mバイト/秒程度までしか対応できないという制約がある。このため、大容量データを転送する場合の待ち時間の増加を引き起こしたり、USB2.0やIEEE1394などの高速有線インタフェースやUWBなど高速無線インタフェースへ対応できないという問題があった。
【0006】
一方、インタフェースの電気特性規格や構造規格を変更して高速データ転送に対応させようとすると、既存のICカードとの互換性が保たれなくなるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、既存の規格を維持しながら、データ転送の高速化を図ることが可能な可搬性通信媒体および電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係る可搬性通信媒体によれば、互換性を確保するための規格に従って通信を行う第1の通信手段と、前記規格に依存することなく通信を行う第2の通信手段とを備えることを特徴とする。
これにより、既存の規格に従って通信を行うことが可能となるとともに、既存の規格よりも優れた通信スペックを可搬性通信媒体に持たせることが可能となる。このため、既存の可搬性通信媒体との互換性を保ちつつ、データ転送の高速化を図ることが可能となる。
【0008】
また、本発明の一態様に係る電子機器によれば、可搬性通信媒体を装着する装着手段と、互換性を確保するための規格に従って前記可搬性通信媒体と通信を行う第1の通信手段と、前記規格に依存することなく前記可搬性通信媒体と通信を行う第2の通信手段とを備えることを特徴とする。
これにより、既存の規格に従って可搬性通信媒体と通信を行うことが可能となるとともに、既存の規格よりも優れた通信スペックを可搬性通信媒体に持たせることが可能となる。このため、既存の可搬性通信媒体との互換性を保ちつつ、可搬性通信媒体との間でのデータ転送の高速化を図ることが可能となる。
【0009】
また、本発明の一態様に係る無線通信システムよれば、可搬性通信媒体とホスト機器とが設けられた無線通信システムにおいて、前記ホスト機器は、前記可搬性通信媒体と接続する第1のコネクタと、前記第1のコネクタを介して前記可搬性通信媒体と有線通信を行う第1有線通信部と、前記可搬性通信媒体と無線通信を行う第1無線通信部と、前記無線通信に用いられる第1のアンテナとを備え、前記可搬性通信媒体は、前記ホスト機器と接続する第2のコネクタと、前記第2のコネクタを介して前記ホスト機器と有線通信を行う第2有線通信部と、前記ホスト機器と無線通信を行う第2無線通信部と、前記無線通信に用いられる第2のアンテナとを備えることを特徴とする。
【0010】
これにより、可搬性通信媒体をホスト機器に装着した状態で、可搬性通信媒体とホスト機器との間で有線通信を行うことが可能となるとともに、可搬性通信媒体とホスト機器との間で無線通信を行うことができる。このため、既存の規格を維持しながら、可搬性通信媒体とホスト機器との間でデータ転送を行うことが可能となるとともに、既存の規格よりも優れた通信スペックを可搬性通信媒体に持たせることが可能となり、既存の可搬性通信媒体との互換性を保ちつつ、可搬性通信媒体との間でのデータ転送の高速化を図ることが可能となる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る無線通信システムよれば、前記第1および第2のコネクタを介して前記ホスト機器と前記可搬性通信媒体とが接続された時に、前記第1および第2のアンテナが互いに対向するように、前記第1および第2のアンテナが前記ホスト機器および前記可搬性通信媒体にそれぞれ配置されていることを特徴とする。
これにより、第1および第2のアンテナの間で電波を効率よく送受信することが可能となり、可搬性通信媒体とホスト機器との間で無線通信を安定して行うことが可能となる。
【0012】
また、本発明の一態様に係る無線通信システムよれば、前記可搬性通信媒体を覆う導電性シールドと、前記第2のアンテナ上に配置されるようにして前記導電性シールドに設けられた開口部とをさらに備えることを特徴とする。
これにより、可搬性通信媒体から送出された電波がホスト機器の動作に悪影響を与えることを抑制しつつ、可搬性通信媒体とホスト機器との間で電波のやり取りを効率よく行わせることが可能となり、可搬性通信媒体とホスト機器との間で無線通信を安定して行うことが可能となる。
【0013】
また、本発明の一態様に係る無線通信システムよれば、前記第1および第2のコネクタを介して前記ホスト機器と前記可搬性通信媒体とが接続された時に、前記可搬性通信媒体の少なくとも一部が前記ホスト機器から突き出すように構成され、前記第2のアンテナは前記可搬性通信媒体が前記ホスト機器から突き出す部分に配置されていることを特徴とする。
【0014】
これにより、可搬性通信媒体から送出された電波がホスト機器の内部で放射されることを防止することができ、可搬性通信媒体から送出された電波がホスト機器の動作に悪影響を与えることを抑制しつつ、可搬性通信媒体とホスト機器との間で無線通信を安定して行うことが可能となる。
また、本発明の一態様に係る無線通信システムよれば、前記第1無線通信部は、局部発振信号を生成する局部発振器と、前記局部発振器にて生成された局部発振信号を通信信号に混合することにより、前記通信信号の周波数を変換する第1混合器と、前記局部発振器にて生成された局部発振信号を電源ライン上に重畳させる重畳器とを備え、前記第2無線通信部は、前記電源ラインから前記局部発振信号を分離する分離器と、前記分離器にて分離された局部発振信号を通信信号に混合することにより、前記通信信号の周波数を変換する第2混合器とを備えることを特徴とする。
【0015】
これにより、同一の局部発振器にて生成された局部発振信号を可搬性通信媒体とホスト機器の双方で共有することが可能となり、可搬性通信媒体とホスト機器との間でクロックの位相を精度よく一致させることが可能となることから、同期検波を安定して行わせることができる。このため、高速データ通信の場合においても、ノイズ耐性を向上させることが可能となり、BER特性の劣化を抑制することができる。
【0016】
また、本発明の一態様に係る無線通信システムよれば、前記第1無線通信部は、局部発振信号を生成する局部発振器と、前記局部発振器にて生成された局部発振信号をPN符号で拡散するPN符号拡散回路と、前記局部発振信号を通信信号に混合することにより、前記通信信号の周波数を変換する第1混合器と、前記PN符号拡散回路にて符号化された局部発振信号を電源ライン上に重畳させる重畳器とを備え、前記第2無線通信部は、前記PN符号拡散回路にて符号化された局部発振信号を前記電源ラインから分離する分離器と、前記分離器にて分離され、前記PN符号拡散回路にて符号化された局部発振信号の逆拡散を行うことにより、前記局部発振信号を再生するPN符号逆拡散回路と、前記PN符号逆拡散回路にて再生された局部発振信号を通信信号に混合することにより、前記通信信号の周波数を変換する第2混合器とを備えることを特徴とする。
【0017】
これにより、局部発振信号のピーク値を下げてから、局部発振信号を電源ラインに重畳させることが可能となる。このため、電源ラインから放射される不要輻射レベルのピーク値を抑制しつつ、同一の局部発振器にて生成された局部発振信号を可搬性通信媒体とホスト機器の双方で共有することが可能となり、ホスト機器の動作に悪影響を及ぼすことなく、BER特性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る可搬性通信媒体について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るICカードが挿入されたホスト機器の概略構成を示す斜視図である。
図1において、ホスト機器1には、ICカード2を抜き差し可能なカードスロット3が設けられている。なお、ホスト機器1としては、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピュータの他、ノートブック型パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽再生装置および携帯電話などの電子機器を挙げることができる。また、ICカード2としては、例えば、PCMCIAカード、CFカード、SDカードなどを挙げることができる。
【0019】
ここで、ホスト機器1およびICカード2には、ホスト機器1とICカード2とを互いに接続し、ホスト機器1とICカード2との間で有線通信を行なわせるためのコネクタが設けられている。ここで、カードスロット3は、PCカードなどの規格に準拠して構成され、ホスト機器1とICカード2との間で行われる有線通信は、USB2.0やIEEE1394などの高速有線インタフェースに対応して行うことができる。これにより、既存の規格を維持しながら、ホスト機器1とICカード2との間でデータ転送を行うことができ、既存のICカード2との互換性を保つことができる。
【0020】
また、ホスト機器1およびICカード2には、ホスト機器1とICカード2との間で無線通信を行う無線インタフェースが設けられている。ここで、ホスト機器1およびICカード2に設けられた無線インタフェースは、必ずしも既存の規格に従って構成する必要はなく、既存の規格の制約を受けることなく、データ転送速度を設定することができる。
そして、ホスト機器1にICカード3が挿入されると、ICカード3内蔵の無線装置とホスト機器1の無線装置が通信を行う。ここで、ホスト機器1はICカード3の挿入を検出すると、ICカード3が無線インタフェースを有するかどうかの確認を行い、無線インタフェースがあれば、無線データ転送を行い、無ければ有線インタフェースでデータ転送を行う。無線インタフェースの有無の確認は、有線インタフェースを経由して行う場合の他に、無線インタフェース経由でのみ行ってもよい。また、データ転送は無線インタフェースと同時に有線インタフェースで行ってもよい。
【0021】
これにより、無線インタフェースの有無にかかわらず、ホスト機器1とICカード2との間でデータ転送を行うことが可能となり、既存の規格に従ってホスト機器1とICカード2との間で通信を行うことが可能となるとともに、既存の規格よりも優れた通信スペックを無線インタフェースに持たせることが可能となる。このため、既存のICカード2との互換性を保ちつつ、ホスト機器1とICカード2との間でのデータ転送の高速化を図ることが可能となる。
【0022】
図2は、ICカードが挿入されたホスト機器の挿入部分の概略構成を示す断面図である。
図2において、図1のホスト機器1には、ホスト機器ケース11が設けられ、ホスト機器ケース11には、図1のICカード2を挿入するカードスロット3が設けられている。そして、カードスロット3内には、ホスト機器基板12が搭載され、ホスト機器基板12には、ICカード2を接続するコネクタ13が設けられている。また、ホスト機器基板12には、ICカード2との間で行なわれる無線通信の制御を行う通信IC14が実装されるとともに、ホスト機器1側で電波の送受信を行うアンテナ15が実装されている。
【0023】
一方、ICカード2には、ICカード基板22が搭載され、ICカード基板22には、ホスト機器1に接続するコネクタ23が設けられている。また、ICカード基板22には、ホスト機器1との間で行なわれる無線通信の制御を行う通信IC24が実装されるとともに、ICカード2側で電波の送受信を行うアンテナ25が実装されている。そして、通信IC24およびアンテナ25が実装されたICカード基板22は樹脂モールドケース21にて封止されている。ここで、コネクタ13、23は、USB2.0やIEEE1394などの既存の高速有線インタフェースの規格に適合するように構成されている。
【0024】
そして、ホスト機器1とICカード2との間でテータ転送を行う場合、ICカード2をカードスロット3内に挿入し、ICカード2のコネクタ23をホスト機器1のコネクタ13に嵌め込む。なお、コネクタ13、23を介してホスト機器1とICカード2とが接続された時に、アンテナ15、25が互いに対向するように、アンテナ15、25をホスト機器基板12およびICカード基板22にそれぞれ配置することが好ましい。
【0025】
そして、コネクタ13、23を介してホスト機器1とICカード2とが接続されると、ホスト機器1は、ICカード3が無線インタフェースを有するかどうかの確認を行い、無線インタフェースがあれば、アンテナ15、25を介した無線データ転送を行い、無ければコネクタ13、23を介した有線データ転送を行う。
図3は、図1のホスト機器およびICカードの概略構成を示すブロック図である。
【0026】
図3において、ホスト機器1には、電波の送受信を行うアンテナ15、局部発振信号を生成する局部発振器32、ベースバンド部33から出力された送信信号またはアンテナ15にて受信された受信信号に局部発振信号を混合する混合器31、ベースバンド信号処理を行うベースバンド部33、無線通信の制御を司る無線制御部34、ホスト機器1の制御を司るホスト制御部35が設けられている。
【0027】
一方、ICカード2には、電波の送受信を行うアンテナ25、局部発振信号を生成する局部発振器42、ベースバンド部43から出力された送信信号またはアンテナ25にて受信された受信信号に局部発振信号を混合する混合器41、ベースバンド信号処理を行うベースバンド部43、無線通信の制御を司る無線制御部44、ICカード2の制御を司るカード制御部45、カード制御部45が処理を実行する際のワークエリアを提供したり、その処理結果を記憶したりするRAM46、ICカード2を動作させるための各種制御プログラムを格納するROM47が設けられている。
【0028】
ここで、コネクタ13、23を介してホスト機器1とICカード2とが接続されると、ホスト制御部35とカード制御部45とは有線にて接続される。そして、コネクタ13、23を介してホスト制御部35とカード制御部45との間でデータや制御信号のやり取りを行うことができる。
そして、コネクタ13、23を介してホスト機器1とICカード2とが接続されると、ホスト機器1は、ICカード2が無線インタフェースを有するかどうかの確認を行う。そして、無線インタフェースがあれば、アンテナ15、25を介した無線データ転送を行い、無ければコネクタ13、23を介した有線データ転送を行う。
【0029】
ここで、無線インタフェースにてホスト機器1からICカード2にデータ転送を行う場合、ホスト制御部35は無線制御部34を介して送信データをベースバンド部33に送る。そして、ベースバンド部33に送られた送信データは、ベースバンド部33にてベースバンド信号処理された後、混合器31に送られる。そして、送信データが混合器31に送られると、局部発振器32から出力された局部発振信号が送信データに混合され、送信データの周波数変換が行われた後、アンテナ15を介して送出される。
【0030】
そして、アンテナ15を介して送出された電波はアンテナ25にて受信され、混合器41に送られる。そして、アンテナ25にて受信された受信データが混合器41に送られると、局部発振器42から出力された局部発振信号が受信データに混合され、受信データの周波数変換が行われた後、ベースバンド部43に送られる。そして、ベースバンド部43に送られた受信データは、ベースバンド部43にてベースバンド信号処理された後、無線制御部44を介してカード制御部45に送られる。そして、カード制御部45は、ホスト機器1から送られたデータを受け取ると、そのデータの処理を行うとともに、必要に応じてRAM46に格納する。
【0031】
また、無線インタフェースにてICカード2からホスト機器1にデータ転送を行う場合、カード制御部45は、無線制御部44を介して送信データをベースバンド部43に送る。そして、ベースバンド部43に送られた送信データは、ベースバンド部43にてベースバンド信号処理された後、混合器41に送られる。そして、送信データが混合器41に送られると、局部発振器42から出力された局部発振信号が送信データに混合され、送信データの周波数変換が行われた後、アンテナ25を介して送出される。
【0032】
そして、アンテナ25を介して送出された電波はアンテナ15にて受信され、混合器31に送られる。そして、アンテナ15にて受信された受信データが混合器31に送られると、局部発振器32から出力された局部発振信号が受信データに混合され、受信データの周波数変換が行われた後、ベースバンド部33に送られる。そして、ベースバンド部33に送られた受信データは、ベースバンド部33にてベースバンド信号処理された後、無線制御部34を介してホスト制御部35に送られる。そして、ホスト制御部35は、ICカード2から送られたデータを受け取ると、そのデータの処理を行う。
【0033】
一方、無線インタフェースがない場合、コネクタ13、23を介してホスト制御部35とカード制御部45との間でデータや制御信号のやり取りを行う。
図4は、本発明の第2実施形態に係るICカードが挿入されたホスト機器の挿入部分の概略構成を示す断面図である。
図4において、ホスト機器ケース51には、ホスト機器基板52が搭載され、ホスト機器基板52には、ICカードを接続するコネクタ53が設けられている。また、ホスト機器基板52には、ICカードとの間で行なわれる無線通信の制御を行う通信IC54が実装されるとともに、ホスト機器側で電波の送受信を行うアンテナ55が実装されている。
【0034】
一方、ICカードには、ICカード基板62が搭載され、ICカード基板62には、ホスト機器に接続するコネクタ63が設けられている。また、ICカード基板62には、ホスト機器との間で行なわれる無線通信の制御を行う通信IC64が実装されるとともに、ICカード側で電波の送受信を行うアンテナ65が実装されている。ここで、コネクタ53、63は、USB2.0やIEEE1394などの既存の高速有線インタフェースの規格に適合するように構成されている。また、コネクタ53、63同士を互いに接続した時に、アンテナ65がホスト機器ケース51から突き出すようにICカード基板62に配置されている。そして、通信IC64およびアンテナ65が実装されたICカード基板62は、先端に樹脂ケース61aが結合された導電性シールドケース61bにて覆われている。
【0035】
ここで、コネクタ53、63同士を互いに接続した時に、ホスト機器ケース51からアンテナ65が突き出すように構成することにより、ICカードから送出された電波がホスト機器ケース51の内部で放射されることを防止することができる。このため、ICカードから送出された電波がホスト機器の動作に悪影響を与えることを抑制しつつ、ICカードとホスト機器との間で無線通信を安定して行うことが可能となる。
【0036】
図5は、本発明の第3実施形態に係るICカードが挿入されたホスト機器の挿入部分の概略構成を示す断面図である。
図5において、ホスト機器ケース71には、ホスト機器基板72が搭載され、ホスト機器基板72には、ICカードを接続するコネクタ73が設けられている。また、ホスト機器基板72には、ICカードとの間で行なわれる無線通信の制御を行う通信IC74が実装されるとともに、ホスト機器側で電波の送受信を行うアンテナ75が実装されている。
【0037】
一方、ICカードには、ICカード基板82が搭載され、ICカード基板82には、ホスト機器に接続するコネクタ83が設けられている。また、ICカード基板82には、ホスト機器との間で行なわれる無線通信の制御を行う通信IC84が実装されるとともに、ICカード側で電波の送受信を行うアンテナ85が実装されている。ここで、コネクタ73、83は、USB2.0やIEEE1394などの既存の高速有線インタフェースの規格に適合するように構成されている。そして、通信IC84およびアンテナ85が実装されたICカード基板82は、先端に樹脂ケース81aが結合された導電性シールドケース81bにて覆われている。ここで、導電性シールドケース81bには、アンテナ85の上部に配置された開口部86が形成されている。また、アンテナ75、85は、コネクタ73、83を互いに接続した時に、アンテナ75、85が互いに対向するように、ホスト機器基板72およびICカード基板82にそれぞれ配置されている。
【0038】
これにより、アンテナ85から送出された電波をアンテナ75に効率よく伝搬させることを可能としつつ、アンテナ85から送出された電波がホスト機器ケース71内の任意の方向に放出されることを防止することができる。このため、ICカードから送出された電波がホスト機器の動作に悪影響を与えることを抑制しつつ、ICカードとホスト機器との間で電波のやり取りを効率よく行わせることが可能となり、ICカードとホスト機器との間で無線通信を安定して行うことが可能となる。
【0039】
なお、ICカードを導電性シールドで覆う場合には、アンテナ位置上部に電波を通すための穴を空けるようにしてもよいし、導電性シールドにスリット状の切れ込みを入れてスリットアンテナとして機能させるようにしてもよい。
図6は、本発明の第4実施形態に係るホスト機器およびICカードの概略構成を示すブロック図である。
【0040】
図6において、ホスト機器101には、電波の送受信を行うアンテナ110、局部発振信号を生成する局部発振器112、ベースバンド部113から出力された送信信号またはアンテナ110にて受信された受信信号にPLL回路116からの出力を混合する混合器111、ベースバンド信号処理を行うベースバンド部113、無線通信の制御を司る無線制御部114、ホスト機器101の制御を司るホスト制御部115、局部発振信号の周波数逓倍動作を行うPLL回路116、局部発振器112にて生成された局部発振信号を電源ラインに重畳させる重畳回路117が設けられている。
【0041】
一方、ICカード102には、電波の送受信を行うアンテナ125、ベースバンド部123から出力された送信信号またはアンテナ120にて受信された受信信号にPLL回路122からの出力を混合する混合器121、ベースバンド信号処理を行うベースバンド部123、無線通信の制御を司る無線制御部124、ICカード102の制御を司るカード制御部125、カード制御部125が処理を実行する際のワークエリアを提供したり、その処理結果を記憶したりするRAM126、ICカード102を動作させるための各種制御プログラムを格納するROM127、電源ラインに重畳されている局部発振信号を分離する分離回路128が設けられている。
【0042】
ここで、コネクタ103を介してホスト機器101とICカード102とが接続されると、ホスト制御部115とカード制御部125とは有線にて接続されるとともに、重畳回路117と分離回路128とは電源ライン上で接続される。
そして、コネクタ103を介してホスト機器101とICカード102とが接続されると、ホスト機器101は、ICカード102が無線インタフェースを有するかどうかの確認を行う。そして、無線インタフェースがあれば、アンテナ110、120を介した無線データ転送を行い、無ければコネクタ103を介した有線データ転送を行う。
【0043】
ここで、無線インタフェースにてホスト機器101からICカード102にデータ転送を行う場合、局部発振器112にて生成された局部発振信号は、PLL回路116および重畳回路117の双方に供給される。そして、PLL回路116は、局部発振器112から局部発振信号を受け取ると、その局部発振信号を逓倍してから、混合器111に出力する。また、重畳回路117は、局部発振器112から局部発振信号が送られると、局部発振信号を電源ラインに重畳させ、コネクタ103を介して局部発振信号を分離回路128に送る。
【0044】
そして、分離回路128は、局部発振信号がコネクタ103を介して送られると、電源ラインに重畳されている局部発振信号を分離し、PLL回路122に送る。そして、PLL回路122は、離分回路128から局部発振信号を受け取ると、その局部発振信号を逓倍してから、混合器121に出力する。
一方、ホスト制御部115は無線制御部114を介して送信データをベースバンド部113に送る。そして、ベースバンド部113に送られた送信データは、ベースバンド部113にてベースバンド信号処理された後、混合器111に送られる。そして、送信データが混合器111に送られると、PLL回路116からの出力が送信データに混合され、送信データが搬送波に重畳された後、アンテナ110を介して送出される。
【0045】
そして、アンテナ110を介して送出された電波はアンテナ120にて受信され、混合器121に送られる。そして、アンテナ120にて受信された受信データが混合器121に送られると、PLL回路122からの出力が受信データに混合され、ホスト機器101から送られた信号が同期検波にて復調された後、ベースバンド部123に送られる。そして、ベースバンド部123に送られた受信データは、ベースバンド部123にてベースバンド信号処理された後、無線制御部124を介してカード制御部125に送られる。そして、カード制御部125は、ホスト機器101から送られたデータを受け取ると、そのデータの処理を行うとともに、必要に応じてRAM126に格納する。
【0046】
また、無線インタフェースにてICカード102からホスト機器101にデータ転送を行う場合、局部発振器112にて生成された局部発振信号は、PLL回路116および重畳回路117の双方に供給される。そして、PLL回路116は、局部発振器112から局部発振信号を受け取ると、その局部発振信号を逓倍してから、混合器111に出力する。また、重畳回路117は、局部発振器112から局部発振信号が送られると、局部発振信号を電源ラインに重畳させ、コネクタ103を介して局部発振信号を分離回路128に送る。
【0047】
そして、分離回路128は、局部発振信号がコネクタ103を介して送られると、電源ラインに重畳されている局部発振信号を分離し、PLL回路122に送る。そして、PLL回路122は、離分回路128から局部発振信号を受け取ると、その局部発振信号を逓倍してから、混合器121に出力する。
一方、カード制御部125は、無線制御部124を介して送信データをベースバンド部123に送る。そして、ベースバンド部123に送られた送信データは、ベースバンド部123にてベースバンド信号処理された後、混合器121に送られる。そして、送信データが混合器121に送られると、PLL回路122からの出力が送信データに混合され、送信データが搬送波に重畳された後、アンテナ120を介して送出される。
【0048】
そして、アンテナ120を介して送出された電波はアンテナ110にて受信され、混合器111に送られる。そして、アンテナ110にて受信された受信データが混合器111に送られると、PLL回路122からの出力が受信データに混合され、ICカード102から送られた信号が同期検波にて復調された後、ベースバンド部113に送られる。そして、ベースバンド部113に送られた受信データは、ベースバンド部113にてベースバンド信号処理された後、無線制御部114を介してホスト制御部115に送られる。そして、ホスト制御部115は、ICカード102から送られたデータを受け取ると、そのデータの処理を行う。
【0049】
これにより、同一の局部発振器122にて生成された局部発振信号をICカード102とホスト機器101の双方で共有することが可能となり、ICカード102とホスト機器101との間でクロックの位相を精度よく一致させることが可能となることから、同期検波を安定して行わせることができる。このため、高速データ通信の場合においても、ノイズ耐性を向上させることが可能となり、BER特性の劣化を抑制することができる。
【0050】
図7は、本発明の第5実施形態に係るホスト機器およびICカードの概略構成を示すブロック図である。
図7において、ホスト機器201には、電波の送受信を行うアンテナ210、局部発振信号を生成する局部発振器212、ベースバンド部213から出力された送信信号またはアンテナ210にて受信された受信信号にPLL回路216からの出力を混合する混合器211、ベースバンド信号処理を行うベースバンド部213、無線通信の制御を司る無線制御部214、ホスト機器201の制御を司るホスト制御部215、局部発振信号の周波数逓倍動作を行うPLL回路216、局部発振器212にて生成された局部発振信号を電源ラインに重畳させる重畳回路217およびPN符号化を行うPN符号拡散回路218が設けられている。
【0051】
一方、ICカード202には、電波の送受信を行うアンテナ225、ベースバンド部223から出力された送信信号またはアンテナ220にて受信された受信信号にPLL回路222からの出力を混合する混合器221、ベースバンド信号処理を行うベースバンド部223、無線通信の制御を司る無線制御部224、ICカード202の制御を司るカード制御部225、カード制御部225が処理を実行する際のワークエリアを提供したり、その処理結果を記憶したりするRAM226、ICカード202を動作させるための各種制御プログラムを格納するROM227、電源ラインに重畳されている局部発振信号を分離する分離回路228およびPN逆符号化を行うPN符号逆拡散クロック再生回路229が設けられている。
【0052】
ここで、コネクタ203を介してホスト機器201とICカード202とが接続されると、ホスト制御部215とカード制御部225とは有線にて接続されるとともに、重畳回路217と分離回路228とは電源ライン上で接続される。
そして、コネクタ203を介してホスト機器201とICカード202とが接続されると、ホスト機器201は、ICカード202が無線インタフェースを有するかどうかの確認を行う。そして、無線インタフェースがあれば、アンテナ210、220を介した無線データ転送を行い、無ければコネクタ203を介した有線データ転送を行う。
【0053】
ここで、無線インタフェースにてホスト機器201からICカード202にデータ転送を行う場合、局部発振器212にて生成された局部発振信号は、PLL回路216およびPN符号拡散回路218の双方に供給される。
そして、PLL回路216は、局部発振器212から局部発振信号を受け取ると、その局部発振信号を逓倍してから、混合器211に出力する。また、PN符号拡散回路218は、局部発振器212から局部発振信号が送られると、局部発振信号をPN符号化し、PN符号化された局部発振信号を重畳回路217に送る。そして、重畳回路217は、PN符号化された局部発振信号が送られると、PN符号化された局部発振信号を電源ラインに重畳させ、PN符号化された局部発振信号をコネクタ203を介して分離回路228に送る。
【0054】
そして、分離回路228は、PN符号化された局部発振信号がコネクタ203を介して送られると、電源ラインに重畳されているPN符号化された局部発振信号を分離し、PN符号逆拡散クロック再生回路229に送る。そして、PN符号逆拡散クロック再生回路229は、PN符号化された局部発振信号を受け取ると、PN逆符号化を行うことにより、元の局部発振信号を復元し、PLL回路222に送る。そして、PLL回路222は、PN符号逆拡散クロック再生回路229から局部発振信号を受け取ると、その局部発振信号を逓倍してから、混合器221に出力する。
【0055】
一方、ホスト制御部215は無線制御部214を介して送信データをベースバンド部213に送る。そして、ベースバンド部213に送られた送信データは、ベースバンド部213にてベースバンド信号処理された後、混合器211に送られる。そして、送信データが混合器211に送られると、PLL回路216からの出力が送信データに混合され、送信データが搬送波に重畳された後、アンテナ210を介して送出される。
【0056】
そして、アンテナ210を介して送出された電波はアンテナ220にて受信され、混合器221に送られる。そして、アンテナ220にて受信された受信データが混合器221に送られると、PLL回路222からの出力が受信データに混合され、ホスト機器201から送られた信号が同期検波にて復調された後、ベースバンド部223に送られる。そして、ベースバンド部223に送られた受信データは、ベースバンド部223にてベースバンド信号処理された後、無線制御部224を介してカード制御部225に送られる。そして、カード制御部225は、ホスト機器201から送られたデータを受け取ると、そのデータの処理を行うとともに、必要に応じてRAM226に格納する。
【0057】
また、無線インタフェースにてICカード202からホスト機器201にデータ転送を行う場合、局部発振器212にて生成された局部発振信号は、PLL回路216およびPN符号拡散回路218の双方に供給される。PLL回路216は、局部発振器212から局部発振信号を受け取ると、その局部発振信号を逓倍してから、混合器211に出力する。また、PN符号拡散回路218は、局部発振器212から局部発振信号が送られると、局部発振信号をPN符号化し、PN符号化された局部発振信号を重畳回路217に送る。そして、重畳回路217は、PN符号化された局部発振信号が送られると、PN符号化された局部発振信号を電源ラインに重畳させ、PN符号化された局部発振信号をコネクタ203を介して分離回路228に送る。
【0058】
そして、分離回路228は、PN符号化された局部発振信号がコネクタ203を介して送られると、電源ラインに重畳されているPN符号化された局部発振信号を分離し、PN符号逆拡散クロック再生回路229に送る。そして、PN符号逆拡散クロック再生回路229は、PN符号化された局部発振信号を受け取ると、PN逆符号化を行うことにより、元の局部発振信号を復元し、PLL回路222に送る。そして、PLL回路222は、PN符号逆拡散クロック再生回路229から局部発振信号を受け取ると、その局部発振信号を逓倍してから、混合器221に出力する。
【0059】
一方、カード制御部225は、無線制御部224を介して送信データをベースバンド部223に送る。そして、ベースバンド部223に送られた送信データは、ベースバンド部223にてベースバンド信号処理された後、混合器221に送られる。そして、送信データが混合器221に送られると、PLL回路222からの出力が送信データに混合され、送信データが搬送波に重畳された後、アンテナ220を介して送出される。
【0060】
そして、アンテナ220を介して送出された電波はアンテナ210にて受信され、混合器211に送られる。そして、アンテナ210にて受信された受信データが混合器211に送られると、PLL回路222からの出力が受信データに混合され、ICカード202から送られた信号が同期検波にて復調された後、ベースバンド部213に送られる。そして、ベースバンド部213に送られた受信データは、ベースバンド部213にてベースバンド信号処理された後、無線制御部214を介してホスト制御部215に送られる。そして、ホスト制御部215は、ICカード202から送られたデータを受け取ると、そのデータの処理を行う。
【0061】
これにより、局部発振信号のピーク値を下げてから、局部発振信号を電源ラインに重畳させることが可能となる。このため、電源ラインから放射される不要輻射レベルのピーク値を抑制しつつ、同一の局部発振器212にて生成された局部発振信号をICカード202とホスト機器201の双方で共有することが可能となり、ホスト機器201の動作に悪影響を及ぼすことなく、BER特性を向上させることができる。
【0062】
なお、上述した実施形態では、可搬性通信媒体の一例としてICカードを例にとって説明したが、ICカード以外にも、USBメモリやLANカードなどに適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1実施形態に係るホスト機器の概略構成を示す斜視図。
【図2】図1のホスト機器およびICカードの概略構成を示す断面図。
【図3】図1のホスト機器およびICカードの概略構成を示すブロック図。
【図4】第2実施形態に係るホスト機器およびICカードの構成を示す断面図。
【図5】第3実施形態に係るホスト機器およびICカードの構成を示す断面図。
【図6】第4実施形態のホスト機器およびICカードの構成を示すブロック図。
【図7】第5実施形態のホスト機器およびICカードの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0064】
1 ホスト機器、2 ICカード、3 カードスロット、11、51、71 ホスト機器ケース、12、52、72 ホスト機器基板、13、23、53、63、73、83 コネクタ、14、24、54、64、74、84 通信IC、15、25、55、65、75、85、110、120、210、220 アンテナ、21 樹脂モールドケース、22、62 ICカード基板、31、41、111、121、211、221 混合器、32、42、112、122、212 局部発振器、33、43、113、123、213、223 ベースバンド部、34、44、114、124、214、224 無線制御部、35、115、215 ホスト制御部、45、125、225 カード制御部、46、126、226 RAM、47、127、227 RAM、61a、81a 樹脂ケース、61b、81b 導電性シールドケース、86 開口部、116、122、216、222 PLL、117、217 重畳回路、128、228 分離回路、218 PN符号拡散回路、229 PN符号逆拡散クロック再生回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互換性を確保するための規格に従って通信を行う第1の通信手段と、
前記規格に依存することなく通信を行う第2の通信手段とを備えることを特徴とする可搬性通信媒体。
【請求項2】
可搬性通信媒体を装着する装着手段と、
互換性を確保するための規格に従って前記可搬性通信媒体と通信を行う第1の通信手段と、
前記規格に依存することなく前記可搬性通信媒体と通信を行う第2の通信手段とを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
可搬性通信媒体とホスト機器とが設けられた無線通信システムにおいて、
前記ホスト機器は、
前記可搬性通信媒体と接続する第1のコネクタと、
前記第1のコネクタを介して前記可搬性通信媒体と有線通信を行う第1有線通信部と、
前記可搬性通信媒体と無線通信を行う第1無線通信部と、
前記無線通信に用いられる第1のアンテナとを備え、
前記可搬性通信媒体は、
前記ホスト機器と接続する第2のコネクタと、
前記第2のコネクタを介して前記ホスト機器と有線通信を行う第2有線通信部と、
前記ホスト機器と無線通信を行う第2無線通信部と、
前記無線通信に用いられる第2のアンテナとを備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
前記第1および第2のコネクタを介して前記ホスト機器と前記可搬性通信媒体とが接続された時に、前記第1および第2のアンテナが互いに対向するように、前記第1および第2のアンテナが前記ホスト機器および前記可搬性通信媒体にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項3記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記可搬性通信媒体を覆う導電性シールドと、
前記第2のアンテナ上に配置されるようにして前記導電性シールドに設けられた開口部とをさらに備えることを特徴とする請求項4記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記第1および第2のコネクタを介して前記ホスト機器と前記可搬性通信媒体とが接続された時に、前記可搬性通信媒体の少なくとも一部が前記ホスト機器から突き出すように構成され、前記第2のアンテナは前記可搬性通信媒体が前記ホスト機器から突き出す部分に配置されていることを特徴とする請求項3記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記第1無線通信部は、
局部発振信号を生成する局部発振器と、
前記局部発振器にて生成された局部発振信号を通信信号に混合することにより、前記通信信号の周波数を変換する第1混合器と、
前記局部発振器にて生成された局部発振信号を電源ライン上に重畳させる重畳器とを備え、
前記第2無線通信部は、
前記電源ラインから前記局部発振信号を分離する分離器と、
前記分離器にて分離された局部発振信号を通信信号に混合することにより、前記通信信号の周波数を変換する第2混合器とを備えることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記第1無線通信部は、
局部発振信号を生成する局部発振器と、
前記局部発振器にて生成された局部発振信号をPN符号で拡散するPN符号拡散回路と、
前記局部発振信号を通信信号に混合することにより、前記通信信号の周波数を変換する第1混合器と、
前記PN符号拡散回路にて符号化された局部発振信号を電源ライン上に重畳させる重畳器とを備え、
前記第2無線通信部は、
前記PN符号拡散回路にて符号化された局部発振信号を前記電源ラインから分離する分離器と、
前記分離器にて分離され、前記PN符号拡散回路にて符号化された局部発振信号の逆拡散を行うことにより、前記局部発振信号を再生するPN符号逆拡散回路と、
前記PN符号逆拡散回路にて再生された局部発振信号を通信信号に混合することにより、前記通信信号の周波数を変換する第2混合器とを備えることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項記載の無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−91958(P2006−91958A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−272885(P2004−272885)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】