可逆性感熱記録媒体および印字/消去装置
【課題】物品に必要な情報を記載し、物品の表面に固定した後、必要に応じて移動させても物品の表面を汚損せずに繰り返し貼替えができ、媒体を給紙トレイ等に積み重ねても媒体同士が固着することがない可逆性感熱記録媒体および印字/消去装置を提供する。
【解決手段】支持体と当該支持体上に可逆性感熱層を少なくとも一部に有する矩形体である可逆性感熱記録媒体であって、給紙力よりも小さい固定力を有する固定部材を給紙する辺と対向する辺から可逆性感熱記録媒体内の初期給紙動作距離までの範囲に設けた可逆性感熱記録媒体を主たる構成にする。
【解決手段】支持体と当該支持体上に可逆性感熱層を少なくとも一部に有する矩形体である可逆性感熱記録媒体であって、給紙力よりも小さい固定力を有する固定部材を給紙する辺と対向する辺から可逆性感熱記録媒体内の初期給紙動作距離までの範囲に設けた可逆性感熱記録媒体を主たる構成にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可逆性記録媒体の搬送に関し、詳しくは、可逆性記録媒体にマグネット部材、ゴム部材、吸盤状ゴム部材を可逆性記録媒体の表面に貼付した後、剥がしてもこの記録媒体を汚損あるいは損傷せずに、更にこの記録媒体を可逆性記録装置内の搬送経路に積み重ねたとしても重送することなく連続給紙性に優れ、スベリ性に優れた可逆性記録媒体および印字/消去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子供与性呈色性化合物(以下、発色剤またはロイコ染料という)と電子受容性化合物(以下、顕色剤という)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られており、OA(Office automation)化の進展と共にファクシミリ、ワードプロセッサ、科学計測機などの出力用紙として、また最近ではプリペイドカードやポイントカードなどの磁気感熱カードとしても広く使用されている。
【0003】
これら実用化されている従来の記録媒体においても、リサイクルや使用量の減量化などの見直しが迫られているが、不可逆的な発色であるため、一度記録した画像を消去して繰り返し使用することはできない。また新しい情報は画像が記録されていない部分に追記が可能なぐらいであり、これら記録媒体の記録可能な部分の面積は限られている。そのため、記録する情報量を減らし、あるいは記録エリアがなくなった時点でカードを作り直しているのが実状である。近年盛んに論じられているゴミ問題や森林破壊問題を背景に、何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録媒体の使用が望まれていた。
【0004】
これらの要望から様々な可逆性感熱記録媒体が提案されてきた。例えば、透明・白濁の変化(散乱率の変化)による物理的変化を利用した高分子材料と低分子材料との相分離タイプの可逆性感熱記録媒体が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
また、新たに化学的変化を利用した染料タイプの可逆性感熱記録媒体も提案されている。このようなものとして、具体的には、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールの組合せを用いるもの(例えば、特許文献3参照)、顕色剤にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化合物を用いるもの(例えば、特許文献4参照)、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に含有するもの(例えば、特許文献5〜7参照)、顕色剤にアスコルビン酸誘導体を用いたもの(例えば、特許文献8参照)、顕色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いるもの(例えば、特許文献9、10参照)などが提案されている。
【0006】
さらに、顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基を含有する有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物と、発色剤であるロイコ染料とを組み合わせることによって、発色と消色とを、加熱−冷却条件により行わせて、その発色状態と消色状態を、常温下において安定に保持させることが可能であり、しかも発色と消色を繰り返すことが可能な可逆性感熱発色組成物およびこれを記録層に用いた可逆性感熱記録媒体などが開発されている(例えば、特許文献11〜13参照)。
【0007】
このような熱可逆性記録媒体(以降単に「記録媒体」ということがある)は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを支持体とし、磁気記録層を有しているものが多く、主にポイントカード市場などで使われている。その一方で、薄手の支持体上に可逆性感熱記録層を設け、その支持体の反対面に接着層を介し、様々な基材に熱と圧力によってラミネートされた可逆性感熱記録媒体も多く使用されている。例えば、接着層付きの可逆性感熱記録シート(例えば特許文献14参照)、接着層付きの可逆性感熱記録媒体(特許文献15参照)、可逆性感熱記録フィルム(特許文献16)、可逆性感熱記録カード(特許文献17)等が挙げられる。これらはさらに、光メモリ、接触式IC、非接触式IC、磁気記録等と組み合わされており、これらのほとんどは基本的には基材が厚く、大きさが制限されているカードであり、これらの構造の記録媒体はカード用途に制限され、入出チケット、冷凍食品用容器、工業製品、各種薬品容器等のステッカー、物流管理用途、製造工程管理用途などの大きな表示面積あるいは多様な表示には不向きである。
【0008】
また、近年、ICモジュールを内包し、外部のリーダ、ライタを介してデータを非接触で送受信するカードも普及し始めている。同様な用途で非接触式ICラベルの提案もなされている。例えば、非接触ICを各種印刷物に貼り付けた用途(特許文献18〜20)、非接触式ICラベルの構造と主要な用途(特許文献21〜23)などを挙げることができる。しかし、これらには、繰り返し使用できる非接触ICの機能と繰り返し表示できる機能とを組み合わせたものはほとんど利用されていないのが実情である。
【0009】
そこで、たとえば可逆性感熱記録シートにICタグラベルを貼って、ICタグラベルのくりかえして内部情報を書き換え、しかも可逆性感熱記録シートへICタグラベル内に記録されている情報を可視画像として表示出来るような、上記に挙げた特許文献で開示されている可逆性感熱記録媒体と非接触ICとの組合せカードも考えられる。
【0010】
しかし、この可逆性感熱記録シート、または、ICタグラベル付可逆性感熱記録シートは、粘着テープやカードケースを使って、物品に固定されているので、粘着物が残ったり、繰り返し使用ができなくなり、またケースの取出しによるキズの発生等で繰り返し使用ができなくなったり、さらには可逆性感熱記録シート本体の繰り返し使用ができないという問題が発生する。
【0011】
また、シート状磁石(マグネットフィルム)上に可逆性記録層を有するシート状の可逆性感熱記録媒体を重ねて一体化した感熱記録ラベルが提案されている(例えば特許文献24、25参照)。しかしながら、該感熱記録ラベルは、マグネットフィルムと可逆性感熱記録媒体が同一面に重ねて一体形成されている。
【0012】
このような一体形成された場合、1枚1枚を可逆性感熱記録装置で消去印字することは可能であるとしても、給紙トレイにマグネットフィルム付き可逆性感熱記録媒体を複数枚積み重ねた場合には、感熱記録ラベル同士のマグネットによる磁力で貼り付き、1枚づつ搬送することは不可能であった。同様に、粘着性を有するゴムシート上に可逆性記録層を有するシート状の可逆性感熱記録媒体を重ねて一体化した情報記録シートが提案されている(特許文献26参照)が、このような情報記録シートも、粘着性を有するゴムシートと可逆性感熱記録媒体が同一面に重ねて一体形成されているような場合でも、複数枚積み重ねた場合には、そのシート同士の粘着力の貼付により、1枚づつ搬送することは不可能であった。
【特許文献1】特開昭63−107584号公報
【特許文献2】特開平4−78573号公報
【特許文献3】特開昭60−193691号公報
【特許文献4】特開昭61−237684号公報
【特許文献5】特開昭62−138556号公報
【特許文献6】特開昭62−138568号公報
【特許文献7】特開昭62−140881号公報
【特許文献8】特開昭63−173684号公報
【特許文献9】特開平2−188293号公報
【特許文献10】特開平2−188294号公報
【特許文献11】特開平5−124360号公報
【特許文献12】特開平6−210954号公報
【特許文献13】特開平10−95175号公報
【特許文献14】特開2000−94866号公報
【特許文献15】特開2000−251042号公報
【特許文献16】特開2001−63228号公報
【特許文献17】特開2002−103654号公報
【特許文献18】特開平11−277961号公報
【特許文献19】特開平11−277963号公報
【特許文献20】特開2002−123805号公報
【特許文献21】特開2002−269526号公報
【特許文献22】特開2000−251046号公報
【特許文献23】特開平11−134460号公報
【特許文献24】特開2003−316268号公報
【特許文献25】特開2003−316267号公報
【特許文献26】特開2004−237591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、従来技術の有する欠点を克服し、記録媒体を物品に貼り付けた後、必要に応じて剥がしても物品の表面を汚損することなく繰り返し貼付可能であり、更に記録媒体を記録装置(書込/消去装置)内の搬送経路、例えば給紙トレイに複数積層しても媒体同士が貼りついた重送状態で搬送されずに、連続給紙可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
更に、マグネット部材(B1)付の可逆性記録媒体の場合には、搬送路の例えば給紙トレイ近傍あるいは内側などに磁力発生源を設け、ゴム部材(B2)付可逆性記録媒体の場合にはスベリ性のよい材質またはスベリ性のよい材料を被膜させた可逆性記録装置(情報の書込/読出装置、以下、単に「記録装置」という)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、支持体と当該支持体上に可逆性感熱層を少なくとも一部に有する矩形の可逆性感熱記録媒体であって、給紙力よりも小さい固定力を有する固定部材を、前記可逆性感熱記録媒体の給紙が開始される辺と対向する辺から初期給紙動作距離までの範囲内に設けた可逆性感熱記録媒体であることを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体において、前記固定部材は、マグネット部材、ゴム部材または吸盤状ゴム部材の少なくとも1つであり、当該部材は固着層を介して前記可逆性感熱記録媒体と一体化されている特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の可逆性感熱記録媒体において、前記固着層は接着層であることを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の可逆性感熱記録媒体において、前記固定部材が前記マグネット部材、ゴム部材または吸盤状ゴム部材から選択される2以上の場合に、当該2以上から構成される前記固定部材の各部材の設定位置は異なることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項2から4のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体において、前記固定部材の長さがサーマルヘッドの長さ以上であることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5に記載の可逆性感熱記録媒体において、前記固定部材の端部が鋭角の切り込み部または曲面部であることを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体において、さらに非接触ICタグラベルを有することを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の可逆性記録媒体において、前記非接触ICタグラベルは前記部材と異なる位置に設けることを特徴とする。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の可逆性感熱記録媒体において、前記非接触ICタグラベルは可逆性感熱記録媒体内に配設され前記固定部材と略同程度の厚みを有することを特徴とする。
【0024】
請求項10に記載の発明は、固定部材として少なくともマグネット部材が用いられた請求項1から9のいずれか1項に記載の可逆性記録媒体に使用される印字または消去の少なくとも1つをする印字/消去装置であって、搬送路に磁力を発生させる磁力発生手段が設けられ、前記磁力発生手段により発生された磁力を前記可逆性感熱記録媒体の重ねた枚数によって調整する磁力調整部を設けている印字/消去装置であることを特徴とする。
【0025】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の印字/消去装置において、非接触ICタグラベルの判読部に前記磁力発生手段が設けられ、前記磁力発生手段は、その固定強度を調整可能とすることを特徴とする。
【0026】
請求項12に記載の発明は、請求項10または11に記載の印字/消去装置において、前記搬送路がゴム材の静摩擦係数より低い材質で設けられていることを特徴とする。
【0027】
請求項13に記載の発明は、請求項10から12のいずれか1項に記載の印字/消去装置において、前記搬送路はフッ素系樹脂で被膜されていることを特徴とする。
【0028】
請求項14に記載の発明は、請求項10から13のいずれか1項に記載の印字/消去装置において、前記可逆性感熱記録媒体が複数枚重なって給紙されるのを防止する前記可逆性感熱記録媒体の分離機構を設けたことを特徴とする。
【0029】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の印字/消去装置において、前記分離装置は前記可逆性記録媒体と接しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、記録媒体を物品の表面に貼付後に、必要に応じて剥離しても物品の表面を汚損あるいは損傷せずに繰り返し貼付ができ、更に記録媒体を積層しても記録媒体同士が積層状態のままにはならずに記録装置内に連続給紙可能な記録媒体の搬送方法およびこのような搬送性を有し、記録の書込、消去、読出可能な可逆性記録装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本実施形態の可逆性記録媒体の搬送方法等について、実施の形態により詳細に説明する。
【0032】
本実施形態は、可逆性記録媒体を物品の表面に貼付し、必要に応じて剥離しても物品の表面を汚損せずに繰り返し貼付可能であり、このような記録媒体を複数積層しても、この記録媒体同士が貼りついたままの状態で重送することもなく連続給紙することができる記録媒体である。
【0033】
すなわち、本実施形態では、可逆性記録装置内で連続給紙することはできず、強度T1kg/cm2<給紙力T2kgとなる特定の部材、たとえばマグネット部材(B1)、ゴム部材(B2)または吸盤状ゴム部材(B3)などの部材(可逆性感熱記録媒体の位置固定のための部材:特定部材)を給紙開始位置の辺と対向する辺から、可逆性感熱記録媒体の初期給紙動作距離L以下の範囲に設けることが望ましい。特に同じ位置に設けるよりも、異なる位置に設けることがより望ましい。
【0034】
特定の部材としては、他に、ピンやフック、あるいはピンやフックが差し込める固定するために使用できる穴でもよく、前記した可逆性感熱記録媒体の位置固定のための部材のB1〜B3、あるいはピンなどの特定部材の他の例から選択される2つ以上の特定の部材を用いたり、1つの特定の部材が複合の機能を有していても良い。
【0035】
更に、この特定の部材の長さが可逆性記録装置に使用されるサーマルヘッドの長さ以上であり、また、部材端部が89°から1°の角度を持った切り込みまたは曲面であればより好ましく、連続給紙することが容易となる。
【0036】
更に、非接触ICタグラベルDを可逆性感熱記録媒体と一体に設ける場合には、部材高さと同じ高さ(厚み)の非接触ICタグラベルDを設けるか、複数の部材間に段差の無いように非接触ICタグラベルDを設け、より好ましく連続給紙が可能であることが好ましい。
【0037】
特に、同じ位置に前記部材を設けてもよいが、異なる位置に設けると非接触ICタグラベルの破損防止にも貢献し、またこのように異なる位置に設けた場合には同じ位置にないため重ならず、重送なく連続給紙することが可能である。
【0038】
更に、マグネット部材(B1)がついた可逆性記録媒体を書替える読込/書込装置(書替装置)では、この装置の搬送路にマグネットが設けられ、シート枚数による磁力調整を設けることにより、より好ましく連続給紙することが可能であることが望ましい。特に、搬送路は、非磁石材料を用いることがより望ましい。
【0039】
更に、ゴム部材がついた可逆性記録媒体の読込/書込装置では、この装置の搬送路がゴム材の静止摩擦係数より低い材質であること、より好ましくは搬送路がフッ素系樹脂で被膜されていることにより、より好ましく連続給紙することが可能である。
【0040】
つまり、(1)支持体上に強度T1kg/sq<給紙力T2kgとなるマグネット部材(B1)を初期給紙動作距離L以下の部分に設けたことで、従来の全面に設けるより、容易に給紙しやすく、給紙以降の搬送に影響が無く、物品に十分な張り合わせと容易な剥離とを可能にした。
【0041】
マグネット部材(B1)の色は特に限定されることはなく、透明、半透明であってもよく、マグネット部材(B1)は顔料や着色剤で着色されていても良い。
【0042】
マグネット部材(B1)の厚みは特に限定されないが、好ましく4cm以下、より好ましくは3cm以下、更に好ましくは2cm以下、更には1cm以下であることが好ましく、更には1mm以上、より好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.01mm以上、もっと好ましくは0.001mm以上である。マグネット部材(B1)の形状は、凹凸があっても良く、三角形、四角形、五角形、六角形であってもよく、特に限定はされない。マグネット部材(B1)の大きさは、媒体よりも小さければ限定されることは無いが、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下、更に好ましくは40%以下、もっと好ましくは30%以下である。マグネット部材(B1)を可逆性記録媒体へ貼り合わせる方法は、粘着層や接着層を介してもよく、ホットメルト型の接着剤で接着してもよく、両面テープなどの感圧接着剤で接着してもよく、クリップやホッチキスなどの係止手段で留めてもよく、限定されない。
【0043】
(2)支持体上に強度T1kg/sq<給紙力T2kgとなるゴム部材(B2)を初期給紙動作距離L以下の部分に設けたことで、従来の全面に設けるより、容易に給紙しやすく、給紙以降の搬送に影響が無く、物品に十分な張り合わせと容易な剥離を可能にした。
【0044】
ゴム部材(B2)の色、厚さおよび形状などは、前記マグネット部材(B1)と同様であり、特に限定されず、又ゴム部材(B2)を可逆性記録媒体へ貼り合わせる方法は、前記マグネット部材(B1)と同様であり、特に限定されない。
【0045】
(3)支持体上に強度T1kg/sq<給紙力T2kgとなる吸盤状ゴム部材(B3)を初期給紙動作距離L以下の部分に設けたことで、従来の全面に設けるより、容易に給紙しやすく、給紙以降の搬送に影響が無く、物品に十分な張り合わせと容易な剥離を可能にした。吸盤状ゴム部材(B3)の色、厚さ、形状および可逆性記録媒体への固定方法(貼付方法)は前記マグネット部材(B1)と同様であり特に限定されない。
【0046】
(4)上記の部材は、すべて特定の位置に存在するのでなく、すべて異なる位置に配置することで、支持体同士の貼り付き(付着)が分散される。
【0047】
(5)上記のエリアは、エッジの段差がある一定量を越すと消去印字ができないため、ヘッド方向全面に部材を初期給紙動作距離以下の部分に積層等して設けると、容易に給紙しやすく、給紙以降の搬送に影響が無く、物品に十分な張り合わせと容易な剥離を可能にすることができる。部材長さはヘッド幅と同等以上であればよく、この条件を満たす限りはその長さに限定されることはない。
【0048】
また、搬送に影響なければ、部材の長さがサーマルヘッド長より10%程度短くてもよく、より好ましくは8%短くてもよく、更に好ましくは6%短くてもよく、もっと好ましくは4%短くても良い。なお本実施形態では、固定部材を有する感熱記録媒体は固定部材を用いてあるいは介して感熱記録媒体を壁、車体などに固定することができるが、可逆性感熱記録媒体を搬送する場合には、複数の可逆性感熱記録媒体をその固定部材の固着力を利用して重ねるかまたはコンパクトに纏めて搬送可能となっている。
【0049】
(6)上記(3)の対策では一部の辺が大きな段差を持つ為、エッジ部を鋭角に、たとえば89°から1°の範囲内に設定した部材を初期給紙動作距離以下の部分に積層貼合せて設けたことで、容易に給紙しやすく、給紙以降の搬送に影響が無く、物品に十分な張り合わせと容易な剥離を可能にした。エッジに角度を設けるがこれによって搬送をより良好ましいため、そのエッジ部分の角度を89°から1°がよく、好ましくは86°から2°、更に好ましくは83°から3°、もっと好ましくは80°から3°の範囲である。エッジの切り口は水平(直平面的)に切り込まれていてもよく、Rなど曲面として形成されていても良い。
【0050】
(7)上記可逆性記録媒体において、同様な機能を持たせる為にはマグネット(B1)、粘着性を有したゴム(B2)、吸盤上ゴム(B3)を部分的に積層貼合せて設けた周辺に非接触ICタグラベル(D)を設け、このICタグ機能を保持して、容易に給紙し、給紙以降の搬送にも影響が無く、物品(可逆性感熱記録媒体を固定する物)に十分な張り合わせと容易な剥離を可能にした。
【0051】
(8)、(9)上記可逆性記録媒体において、全面印字と消去とができるように、部材を部分的に貼付または係止して設けた間に非接触ICタグラベル(D)を設けるか、ICタグラベルと同じ厚みに調整した部材を設け、これによって可逆性感熱記録媒体の全面印字と消去が可能になり、書替装置(印字・消去装置)に容易に給紙しやすく、給紙以降の搬送に影響が無く、物品に十分な張り合わせと容易な剥離を可能にした。
【0052】
(10)非接触ICタグラベル(D)は、すべて特定の位置にあるのでなく、すべて異なることで、ICチップが重なることなく、ICチップ破損の虞を低減できるが、同時に、支持体のコシが分散されて、支持体同士の貼り付きが同様に分散される。
【0053】
(11)、(12)マグネット部材(B1)付可逆性記録媒体の書替装置(印字・消去装置)において、積み重ねられたマグネット部材(B1)付可逆性記録媒体が例えば残り2枚になった時、最後の1枚目と2枚目のくっつき(磁力吸着)による重送のままの搬送を防止するため、給紙トレイにマグネットを設けることで最後の2枚の張り付きを防止することができる。
【0054】
給紙トレイに設けられたマグネットの位置は、給紙トレイの表側であっても裏側であってもよいが、好ましくは給紙側の反対に設けたほうが良い。給紙トレイに設けられたマグネットの位置は、特に限定しないが、好ましくは給紙口付近より中央部、より好ましくは中央部より上部のほうがよい。給紙トレイに設けられたマグネットの厚みは特に限定しないが、好ましく30cm以下、より好ましくは25cm以下、更に好ましくは20cm以下、もっと好ましくは15cm以下である。
【0055】
形状は、凹凸があってもよく、三角形、四角形、五角形、六角形であってもよく、特に限定はされない。大きさは、媒体よりも小さければよく、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、更に好ましくは60%以下、もっと好ましくは50%以下である。マグネット部材(B1)を可逆性記録媒体へ貼り合わせる方法は、粘着層や接着層を介してもよく、ホットメルトで接着してもよく、両面テープで接着してもよく、クリップやホッチキスで留めてもよく、成型時に埋め込んでもよく、一体成型してもよく、特に限定されるものではない。
【0056】
(13)、(14)上記の粘着性を有したゴム部材(B2)付、吸盤状ゴム部材(B3)付可逆性記録媒体の印字消去装置において、粘着性を有したゴム部材(B2)付可逆性記録媒体が重なりくっつきによる重送を防止するため、搬送路がゴム材の静摩擦係数より低い材質である、好ましくはフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂で被膜することである、更に給紙トレイに可逆性記録媒体を1枚貼り付けることで、貼り付きを防止することができる。
【0057】
(15)、(16)上記で示したマグネット部材(B1)付、ゴム部材(B2)付、吸盤上ゴム部材(B3)付可逆性記録媒体の印字消去装置においてシートの重送生じたとき、搬送するシートが浮き上がるため、押えロールなどの分離ロールを給紙ロール手前に設けることで重送したシートをはがすことができる。
【0058】
本実施形態の可逆性感熱記録媒体(A)について以下に示す。
【0059】
可逆性感熱記録媒体は、第一に、温度変化(熱流速の履歴)によって目に見える変化を可逆的に起こす材料であり、このような目に見える変化は、光学的な変化とその他の形状の変化とに分けられるが、本実施形態では主に光学的な変化を起こす材料を使用する。光学的な変化には、透過率、反射率、吸収波長、散乱度などの変化があり、実際の熱可逆記録材料はこれらの変化の組合せであり、この変化により表示される。
【0060】
より具体的には、熱により透明度や色調が可逆的に変化する材料が本実施形態で使用される記録媒体に用いられ、これらの範囲にあるならばなんでも良いが、例えば常温より高い第一の特定温度で第一の色の状態となり、第一の特定温度よりも高い第二の特定温度で加熱し、その後冷却することにより第二の色の状態となるもの、等が挙げられる。特に第一の特定温度と第二の特定温度とで色の状態が変化するものが好適に用いられる。
【0061】
これらの例としては、第一の特定温度で透明状態となり、第二の特定温度で白濁状態となるもの(特開昭55−154198号公報)、第二の特定温度で発色し、第一の特定温度で消色するもの(特開平4−224996号、特開平4−247985号、特開平4−267190号などの公報)、第一の特定温度で白濁状態となり、第二の特定温度で透明状態となるもの(特開平3−169590号公報)、第一の特定温度で黒、赤、青等に発色し、第二の特定温度で消色するもの(特開平2−188293号、特開平2−188294号公報)等が挙げられる。この中で特に樹脂母材中に高級脂肪酸のような有機低分子物質を分散した系とロイコ染料と長鎖アルキル顕色剤を用いた系が好ましい。
【0062】
第二にロイコ染料として、この種の可逆感熱記録媒体に用いられる化合物を1種または2種以上用いることができ、たとえば、フタリド化合物、アザフタリド化合物、フルオラン化合物など公知の染料前駆体である。
【0063】
長鎖アルキル顕色剤としては、代表例として、たとえば特開平5−124360号公報、特開平6−210954号公報、特開平10−95175号公報などに記載の記録層である。ここで用いる顕色剤は、分子内にロイコ染料を発色させる顕色能をもつ構造、たとえばフェノール性水酸基、カルボン酸基、リン酸基などと、分子間の凝集力を制御する構造、たとえば長鎖炭化水素基が連結した構造を一つ以上もつ化合物である。連結部分にはヘテロ原子を含む2価以上の連結基を介していても良く、また長鎖炭化水素基中にも同様の連結基および/または芳香族基が含まれていても良い。このような可逆性顕色剤の具体例はたとえば特開平9−290563号公報、特開平11−188969号公報に記載に示され、1種または2種以上を混合して用いても良い。
【0064】
可逆感熱記録層には、必要に応じて塗布特性や発色消色特性を改善したり制御するための添加剤を用いることができる。これらの添加剤には、たとえば界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、発色安定化剤、消色促進剤などがある。
【0065】
可逆感熱記録層は、ロイコ染料、顕色剤、種々の添加剤をバインダー樹脂とともに形成する。このとき用いられる樹脂は支持体上にこれらの材料を結着できれば良く、従来公知の樹脂が1種または2種以上を混合して用いられる。なかでも、繰り返し時の耐久性を向上させるため、熱や紫外線、電子線などによって硬化可能な樹脂が好ましく用いられ、とくにイソシアネート系化合物などを架橋剤として用いた熱硬化型の樹脂、例えばアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などがとくに好ましく用いられる。
【0066】
しかし、本実施形態はこれらの化合物に限定されるものではない。また、架橋をさせた場合、記録層のゲル分率は30%以上であることが好ましい。これよりも低いと架橋状態が十分でなく耐久性に劣る。この値は50%以上であると更に好ましく、特に好ましくは70%以上である。記録層中の発色成分と樹脂の割合は、発色成分1重量部に対して0.1から10重量部が好ましく、これより少ないと記録層の熱強度が不足し、これより多い場合には発色濃度が低下して問題となる。
【0067】
また、本実施形態におけるバインダー樹脂が架橋状態にあるのか非架橋状態にあるのかを区別する方法として、塗膜を溶解性の高い溶媒中に浸すことによって区別することが出来る。すなわち、非架橋状態にあるバインダー樹脂は、溶媒中に該樹脂が溶けだし溶質中には残らなくなるためである。
【0068】
硬化剤は、特に限定されるものではないが、好ましくはイソシアネート系硬化剤が用いられる。イソシアネート系硬化剤の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)等、およびこれらのトリメチロールプロパンなどによるアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプおよびブロック化イソシネート類等が挙げられる。
【0069】
中でも特にヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく、このアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプが好ましく用いられる。ただし、硬化剤は添加した全量が架橋反応をしていても、していなくても良い。すなわち、未反応硬化剤が存在していても良い。この種の架橋反応は経時的に進行するため、未反応の硬化剤が存在していることは架橋反応が全く進行していないことを示すのではなく、未反応の硬化剤が検出されることにより架橋状態にある樹脂が存在することが示唆されるからである。また更に、架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよい。
【0070】
可逆性感熱記録層は、ロイコ染料、顕色剤(顕−減色剤)、種々の添加剤、バインダー樹脂ならびに塗液溶媒よりなる混合物を均一に混合分散させて調製した塗液を用いて形成する。塗液調製に用いられる溶媒の具体例としてはアルコール類、ケトン類、エーテル類、グリコールエーテル類、エステル類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等を例示することができるが、本実施形態はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0071】
塗液調製はペイントシェーカー、ボ−ルミル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サンドミル、ダイノミル、コロイドミル等公知の塗液分散装置を用いて行うことができる。又、上記塗液分散装置を用いて各材料を溶媒中に分散しても良いし、各々単独で溶媒中に分散して混ぜ合わせても良い。更に加熱溶解して急冷または除冷によって析出させても良い。
【0072】
塗工方法については特に制限はなく、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工、スプレー塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ塗工、ダイ塗工等公知の方法を用いることができる。
【0073】
保護層(厚さ0.1〜10μm)の材料としては、熱や紫外線、電子線(特開平02−566号公報に記載)などによって硬化可能な樹脂が好ましく用いられる。
【0074】
その中でも紫外線により効果可能な樹脂を用いることが望ましい。紫外線や電子線で硬化させる樹脂としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系のオリゴマーや各種単官能、多官能のアクリレート、メタクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマーが挙げられる。また、紫外線を用いて架橋させる場合には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。また、熱によって架橋する場合ではイソシアネート系化合物などを架橋剤として用いた熱硬化型の樹脂、例えばアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙げられる。
【0075】
また、バック層には上記樹脂の他に希釈溶剤、有機/無機フィラーや滑剤、着色顔料、帯電防止剤等を用いても良い。
【0076】
これらの中には、有機若しくは無機のフィラー紫外線吸収剤、滑剤、着色顔料などを含有することができる。無機フィラーの具体例としては、炭酸塩、ケイ酸塩、金属酸化物、硫酸化合物等が挙げられ、有機フィラーの具体例としては、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等が挙げられる。紫外線吸収剤の具体例としては、サリシレート構造、シアノアクリレート構造、ベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造などを有する化合物が挙げられる。滑剤の具体例としては、合成ワックス類、植物性ワックス類、動物性ワックス類、高級アルコール類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル類、アミド類などが挙げられる。ただし本実施形態は、これらの化合物に限定されるものではない。
【0077】
上記記載の分散装置、塗工方法を用いて塗膜を作製することができる。
【0078】
記録層と保護層の接着性向上、保護層の塗布による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層への移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設けることが好ましく(特開平1−133781号公報に記載)、これによって発色画像の保存性が改善できる。また、記録層の上に設置される保護層、中間層には、酸素透過性の低い樹脂を用いることにより記録層中の発色剤および顕色剤の酸化を防止または低減することが可能になる。
【0079】
中間層は主に樹脂からなり、下記のような熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、可視光線硬化樹脂、UV(紫外線)硬化樹脂、EB(電子線)硬化樹脂が使用可能である。即ち、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられ、必要に応じてフィラーを含んでいてもよい。また、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
【0080】
中間層の膜厚は0.1〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜3μmである。また、中間層中のフィラーの含有量は体積分率で1〜95%、より好ましくは5〜75%である。中間層中に前記保護層中に用いられた有機紫外線吸収剤を含有しても良く、その含有量はバインダー100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲が好ましい。
【0081】
中間層の塗液に用いられる溶媒、塗液の分散装置、中間層の塗工方法、中間層の乾燥・硬化方法等は、前記記録層、保護層で用いられた公知の方法を用いることができる。
【0082】
また、発色感度の向上、接着性の向上のためにアンダー層を設けても良い。また、レーザー記録が可能にするためレーザー光を吸収して光を熱に変換する光熱変換層を設けても良い。
【0083】
また、可逆性感熱記録フィルムは、カールの問題から記録層面とは反対の裏面にバック層を設けても良い。バック層は記録層面側の樹脂の収縮によるカールを抑えるために設けるもので、熱や紫外線、電子線などによって硬化可能な樹脂が好ましく用いられる。その中でも紫外線により効果可能な樹脂を用いることが望ましい。紫外線や電子線にて硬化させる樹脂としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系のオリゴマーや各種単官能、多官能のアクリレート、メタクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマーが挙げられる。
【0084】
また、紫外線を用いて架橋させる場合には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。また、熱によって架橋する場合ではイソシアネート系化合物などを架橋剤として用いた熱硬化型の樹脂、例えばアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙げられる。
【0085】
また、バック層には上記樹脂の他に希釈溶剤、有機/無機フィラーや滑剤、着色顔料、帯電防止剤等を用いても良い。
【0086】
バック層はシートの記録層面の収縮を抑えるために設けるもので表面層とバック層面の収縮のバランスが取れるように塗布することが望ましく、表面層とバック層を塗布後にシートが平らになるように塗布されていることが望ましい。
【0087】
上記以外に、記録膜を加熱することにより液晶配向をランダムとし、それに伴って二色性色素をランダム配向させて加熱部分を着色し、一方、記録膜の両側から電位を加えると液晶が垂直配向(ホメオトロピック配向)して着色が消えて透明になるという原理を応用した液晶と二色性色素を含有するドロプレットが分散された高分子媒体膜を有する可逆記録媒体や(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、および(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める変色温度調節剤からなり、消色状態からの加熱により発色状態を呈し、発色状態からの降温により消色する、加熱発色型の可逆記録媒体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0088】
<ICタグ>
本実施形態の非接触ICタグラベル(D)は、回路基板上に、IC回路とアンテナ回路を形成して設けられる。IC回路とアンテナ回路は電気的に導通されている。回路基板用の基板材は、一般的な紙フェノール、ガラスエポキシ、コンポジット等のリジッドタイプ、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、紙、合成紙等のフレキシブルタイプ、および両者の複合タイプが使用できる。配線回路は金属導線をコイル状にしたものを前記基板材上に接着剤を用いて設置したり、加熱加圧してフィルムを変形させて設置して設ける方法、銅やアルミ等の金属を張った基板材の金属部分をエッチングして設ける方法、銀などの導電性の金属で形成された金属箔を基板上に転写して設ける方法、および導電ペースト塗料を用いてシルクスクリーン印刷で印刷、乾燥して基板上に設ける方法が挙げられる。
【0089】
非接触ICタグラベル(D)は、上記により配線回路を形成した基板上にIC回路を実装し、アンテナ回路とIC回路を電気的に導通接続して形成される。基板へのIC回路の実装は、TAB(tape automated bonding)、COB(Chip on board)やフリップチップ実装が用いられる。IC回路の実装やアンテナ回路との接続には、通常のはんだ付けや、導電性接着剤が使用できるが、加工の際、回路基板材が耐えうる温度条件のものを採用する必要がある。IC回路層は実装されたIC回路や配線回路の保護のために、エポキシ樹脂などで包埋(パッケージング)して用いることもできる。IC回路層の厚みは、エポキシ樹脂で包埋後150μm〜1mmである。
【0090】
また、保護のために、IC回路露出面に、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム等の保護フィルムで接着することもできる。
【0091】
非接触ICタグラベル(D)を可逆性記録媒体(A)に接着する、または、保護フィルムを接着する接着剤層は、本製造工程中の積層貼合時に接着力を保有するものが使用できる。通常は常温もしくは加熱した状態で加圧接着できるものである。EVA(エチレン−ビニル酢酸)系接着剤など一般的なヒートシーラーが使用できる。
【0092】
一般には、接着層もしくは粘着層の主成分としては天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、S−I−S−ブロックポリマー系、EVA系の材料であることが好ましい。これらは、用途に応じて混合して使用したり、各種添加剤を加えてもよい。さらに、その接着強度も、必要に応じて設定することができ、基材表面の微細な襞の部分である程度の接着強度を確保し得るようにできるものであれば、非接触ICタグの脱着が容易で、繰り返し使用することができるようになる。また、接着強度が大で、取り付け後の剥離が困難なものであれば、半永久的に使用が可能となる。本実施形態の可逆性の情報の視認可能な非接触式ICシートは、必要に応じて粘着性もしくは接着性を有する面の上面に型紙等の剥離可能なシートを積層してもよい。
【0093】
また、接着面以外の面を易接着、撥水、撥油、帯電防止等、必要に応じて各種処理を施してもよい。
【0094】
非接触ICタグラベル(D)と可逆性記録媒体(A)とを貼付する粘着剤層の種類や厚さ(塗工層)は、被着体の種類や使用される環境、接着の強度等により種々選択が可能である。一般に用いられる水系もしくは溶剤系の粘着剤を塗工し、乾燥して形成でき、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系等が使用でき、これらの合成高分子粘着剤は、有機溶媒溶液や、ディスパージョンやエマルジョンなどの水に分散された原料を使用可能である。
【0095】
IC回路の凹凸の影響を受けないようにする為、接着層もしくは粘着層は、IC回路側に設ける。
【0096】
保護フィルムは、滑性を持たせるために、可逆性感熱記録の保護層を構成してもよい。また、付加機能として感熱層、可逆性感熱層、インクジェット層、印刷層を設けてもよい。
【0097】
ICタグラベルは、可逆性記録媒体(A)に貼付して使用するため、シート状であることが好ましい。特に、ヘッドの幅方向全幅にラベル加工していることが望ましく、さらに、本件のマグネット(B1)または、粘着性を有したゴム(B2)加工したものでヘッド幅と同等以上であればその長さに限定されることはない。また、搬送に影響なければ、部材の長さがサーマルヘッド長より10%短くてもよく、より好ましくは8%短くてもよく、更に好ましくは6%短くてもよく、もっと好ましくは4%短くても良い。
【0098】
また、アンテナ部とICチップは突起物が存在したり、平滑でなくてもよいが、突起部が無く平滑面であることがより望ましい。また、一般的なアンテナ部とICチッブからなるICタグを金属面に貼り合せて使用すると磁束が金属により遮断されることがあり、十分な起電力を確保できないということもあり、ICタグラベルが高透磁率コアとアンテナコイル、または高透磁率コア、アンテナコイルと導電性金属から構成されているタイプを用いても良い。このようなタイプでは、薄膜化が困難であるが金属面に使用しても十分な起電力を得ることが出来るためシートに用いる利点が大きい。
【0099】
また同じ位置に設けるよりは、コシの異なるシートができ貼り付きが分散できるため、異なる位置に設けることが望ましい。
【0100】
<マグネット部材(B1)付可逆性記録媒体>
本実施形態の可逆性感熱記録媒体に使用されるマグネット部材(B1)は、好ましくは、紙状またはフィルム状のように成形したシート状磁石であり、薄肉(最大で好ましい厚みは5〜0.1mm、厚いと可逆性感熱記録装置の搬送不良になる、薄いとマグネット効果がないものになる)で、折り曲げ(50φ以下の曲げでも回復するレベル、大きいと可逆性感熱記録装置の搬送不良になる)可能な永久磁石が望ましい。強度としては、マグネット同士で破断方向にテンションゲージで引っ張るときの強度T1を測定し、運用時の給紙力T2と比較して小さくなるように磁力を調整する。
【0101】
可逆性感熱記録媒体の全面に張り合わせた場合、可逆性感熱記録装置の給紙部で張り付いて搬送しないが、部分的に張り合わせ部が無いと容易に可逆性感熱記録シートがズレて、給紙しやすくなり、特に、初期動作距離Lより小さい長さに加工すると次のシート(あるいは他の可逆性感熱記録媒体)に影響が無く、容易に分離することができる。
【0102】
特に次の搬送ロールに達するまでの距離以下にマグネットを設けることが、一旦給紙部の給紙コロの動作が完了するので、搬送不良対策に望ましい。また、ヘッドの幅方向全面にラベルとして加工していれば、画像表示エリアが拡大するので望ましい。上記非接触ICタグラベル(D)が貼付されるときには、通信に阻害ないエリア内に設ける。
【0103】
また、同じ位置に設けるよりも異なる位置にあることが望ましく、このように配置すると可逆性感熱記録媒体同士の貼り付きが分散できる。なお本明細書中、マグネットという文言には、記録媒体は含まれておらず、本実施形態の可逆性感熱記録媒体を表示体として用いる場合に、本実施形態の可逆性記録媒体を車体上、壁などに固定するために用いる磁力を用いた位置の固定具を言う。
【0104】
<粘着性を有したゴム部材(B2)(B3)付可逆性記録媒体>
本実施形態の可逆性感熱記録媒体に使用されるゴム部材(B2)(B3)は、シート状に成形したゴムを、粘着材を介して貼付可能なものであり、自在に折り曲げ可能である。強度は、このゴムと可逆性感熱記録表面と剥離しにくく、可逆性感熱記録表面に張り付けた方向にテンションゲージで引っ張るときの最大強度T1が、運用時の給紙力T2と比較して小さくなるように粘着力を調整したゴム部材である。それ以上である場合には、剥離紙を常時セットして運用することにより上記条件を満たすようにするために、剥離紙の確保が必要となる。
【0105】
ゴム部材(B2)(B3)に使用されるゴムとしては、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン‐ブタジエン共重合体、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴムなどの合成ゴム、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、フッ素系などの熱可塑性エラストマーなどを主成分とするゴムを挙げることができる。特に耐候性などを考慮してシリコーンゴムを主成分とするゴムが適している。好ましい厚みの範囲は、5〜0.01mm程度であり、厚いと可逆性感熱記録装置の搬送不良になり、これより薄いと粘着効果がないものになるが、シートとしての強度が100g/cm2程度の強度を保持できるなら薄くても良い。
【0106】
可逆性感熱記録媒体の全面に張り合わせる場合、可逆性感熱記録媒体の書込み/消去装置の給紙部において張り付いて搬送しないが、部分的に張り合わせ部が無いと容易に可逆性感熱記録シートがズレて、給紙しやすくなる。
【0107】
特に可逆性感熱記録媒体の初期動作距離Lより小さい長さに加工したものは次のシートとに影響が無く、容易に分離するので好ましい。すなわち、一旦給紙部の給紙コロの動作が完了し、次の搬送ロールに達するまでの距離以下にゴムを設けることができるため、搬送不良対策に望ましい。また、ヘッドの幅方向全面にラベル加工していることが望ましい。これによって、画像表示エリアが拡大する。
【0108】
上記非接触ICタグラベル(D)が貼付されたときは、それが設けられた周辺か、上部に設ける。
【0109】
強度が比較的弱い素材は、吸盤上に加工し接着剤や粘着剤(C)で可逆性感熱記録シート(A)に貼る。
【0110】
また、同じ位置に設けるよりは、貼付が分散できるため、異なる位置に設けることが望ましい。
【0111】
さらに、ゴム部材以外の、クリップやピンなどの固定具でも良い。
【0112】
上記2つ以上の部材を選択してもよい。
【0113】
<可逆性記録装置>
本実施形態の可逆性記録媒体、または、非接触ICタグ付き可逆性記録媒体を用いて発色画像を形成させるために、例えば前記した第一や第二の可逆性記録媒体を用いた例で説明すると、いったん発色温度以上に加熱したのち急冷するようにすればよい。具体的には、例えばサーマルヘッドやレーザー光を用いて短時間で加熱すると感熱記録層が局部的に加熱した後に、これらの熱供給を停止すると直ちに熱が拡散し急激な冷却が起こり、発色状態として固定できる。
【0114】
一方、消色させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱すればよい。長時間加熱すると可逆性感熱記録媒体の広い範囲で昇温し、その後の冷却は比較的遅くなるため、その過程で消色となる。この場合の加熱方法には、熱ローラー、熱スタンプ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用いて長時間加熱してもよい。
【0115】
また、可逆性感熱記録媒体を消色温度域に加熱するために、サーマルヘッドを用いる場合には、その印加電圧やパルス幅を調節することによって、印加エネルギーを記録時よりやや低めに設定させればよい。この方法を用いれば、サーマルヘッドだけで記録・消去ができ、いわゆるオーバーライトが可能になる。もちろん、熱ローラー、熱スタンプによって消色温度域に加熱して消去することもできる。このような場合のプラテンロールの硬度は10〜80、好ましくは20〜70であることが望ましい。80を越すと、ICチップなどの凸を吸収しなくなり、10未満では、装置の耐久性がなく、印字消去の当たりムラが発生する。
【0116】
本実施形態の非接触ICタグ付き可逆性記録媒体は、可逆性感熱記録部と情報記憶部の両方の記録媒体を設けることにより、情報記憶部に記憶された情報を可逆性感熱記録部に表示したりすることによって、特別な装置がなくても情報を確認することができ、利便性が向上する。その際に用いられる記憶部は非接触IC方式の情報読取/情報書込装置が好ましく用いられる。磁気記録方式は、磁気による書込み/読み出しなどのエラー、その低メモリ性、改ざんしやすさなどの問題があり、接触式IC方式は、接触による接点の劣化の問題等があり、また光メモリは、可とう性の問題があるなど、非接触IC方式が好ましく用いられる。
【0117】
そこで、本実施形態の可逆性記録媒体は、ロール状、シート状に加工され、可逆性記録媒体(A)として、非接触IC回路部(D)を貼付したり、可逆性記録媒体にエッチングなどの2次加工がされる。加工された可逆性記録媒体は、シート状のものであり、これは、入場チケット、冷凍食品用容器、工業製品、各種薬品容器等のステッカーなどに、物流管理用途、製造工程管理、文書管理用途などの情報を含んで表示される媒体として使用され、たとえばA4サイズなどの一般文書サイズに加工されたシート状のものとして広く用いることができる。
【0118】
本実施形態の可逆性記録装置は、上記した機構を、単独で、または2種以上複合して形成されている。本実施形態のマグネット部材(B1)付可逆性記録媒体に使用されるマグネットは、給紙が開始される辺と対向する辺の近傍である搬送の後方位置に設けられており、これによって本実施形態の可逆性記録装置は、シート状の可逆性感熱記録媒体を搬送方向に引っ張って安定した給紙の分離と搬送を行うことができる。
【0119】
なお厚みを有するマグネットでは給紙しにくくなることがあるが、仮にこれが先頭部に位置している場合でもシート状の感熱記録媒体を張架するようにして搬送を効率よくすることができる場合がある。本実施形態の可逆性記録装置はマグネット部材(B1)などの固定手段付可逆性記録媒体をシート状の1枚ごとに分離する場合、上記機構によって前記シート状の記録媒体が張架した状態となるため他のシートと分離しやすくなる。また、ICタグのアンテナの位置が固定できることで、安定して、ICタグとの交信ができる。磁石としては、永久磁石や電磁石で、必要なときに本実施形態のマグネット付き(B1)可逆性記録媒体のマグネットと引き合い、位置が固定化されることによって、交信ミスが防止される。
【0120】
同様に、本実施形態の粘着性を有したゴム(B2)(B3)付可逆性記録媒体に使用されるゴムは、給紙の開始される辺に対して対向する搬送の後方位置に設けられ、シートを張る状態に維持して安定した他の可逆性記録媒体とを給紙段階で分離し、かつ搬送することができる可逆性感熱記録装置である。他の記録媒体との分離は、前記シートが張り付いた状態となるため後方を押える分離装置を設けることによって達成される。分離装置の前記ゴム(B2)(B3)と接触する部位の材質としては、可逆性記録媒体に張り付かないでキズが発生しにくいPTFE(たとえばテフロン(登録商標))などのフッ素系樹脂製のロールがよい。
【0121】
また、搬送を容易にする為、前記ゴム(B2)(B3)部材と接触する当該装置の接触部位をフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂で被膜した可逆性記録装置である。また、印字エリア(可逆性感熱記録媒体の印字領域)が一部に限定されている場合、印字あるいは消去するためのサーマルヘッド、消去ロールなどの熱印加手段は、シート状の可逆性感熱記録媒体の印字部あるいは消去部を自動的にこのシート面と分離(解除)して搬送する機構も有していてもよい。このような機構により搬送時の悪影響を防止することができる。
【0122】
強度T1:マグネットは、マグネット同士の引張強度をテンションゲージで測定した最大値である。
ゴムは、可逆性記録媒体表面に密着した状態での引張強度をテンションゲージで測定した最大値である。
給紙力T2:可逆性記録媒体を引っ張る力をテンションゲージで測定した最大値である。
初期給紙移動距離L:給紙ロールの次にくるロール間距離(図11)である。
【0123】
[実施例]
可逆性記録装置は、PCC社製RSP−1(給紙力T2=1500g、初期移動L=6cm(給紙ロールから次のロールまでの距離L)、三和ニューテック社製RP3100(給紙力T2=900g、初期移動L=4cm)である。
【0124】
[実施例1]
<可逆性記録媒体(A)>
(1)塗布する支持体
125μm厚の白濁ポリエステルフィルム(帝人デュポン社製、テトロンフィルムU2L98W)である。
(2)記録層
−記録層液の調整−
1、顕色剤:下記化学式(1)で表される化合物 3部
【0125】
【化1】
【0126】
2、ジアルキル尿素(日本化成社製、ハクリーンSB) 1部
3、アクリルポリオール50%溶液(三菱レーヨン社製、LR327) 9部
4、メチルエチルケトン 70部
上記組成物を、ボールミルを用いて平均粒径約1μmまでなるように粉砕分散した。
5、2―アニリノ―3―メチル―6ジブチルアミノフルオラン 1部
6、イソシアネート(日本ポリウレタン社製、コロネートHL) 3部
顕色剤を粉砕分散した分散液に上記組成物を加え、良く攪拌し記録層塗布液を調製した。
【0127】
−可逆性記録媒体の作成−
上記組成の記録層塗布液を光熱変換層、隠蔽層が塗布されているフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で2分間乾燥後、60℃24時間キュアーを行って膜厚約10g/m2の記録層を設けた。
【0128】
(3)中間層
−中間層液の調整−
1、アクリルポリオール樹脂50%溶液(三菱レーヨン社製、LR327) 3部
2、酸化亜鉛微粒子30%分散液(住友セメント社製、ZS303) 7部
3、イソシアネート(日本ポリウレタン社製、コロネートHL) 1.5部
4、メチルエチルケトン 7部
上記組成物を加え良く攪拌し中間層塗布液を調整した。
前記記録層塗布済みフィルム上に、中間層塗布液をワイヤーバーで塗布し90℃で1分間乾燥後、60℃で48時間加熱し、膜厚約1μmの塗布膜を作成した。
【0129】
(4)保護層
−保護層液の調整−
1、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製、KAYARADDPHA) 3部
2、ウレタンアクリレートオリゴマー
(根上工業社製、アートレジンUN−3320HA) 3部
3、ジペンタエリスリトールカプロラクトンのアクリル酸エステル
(日本化薬社製、KAYARAD DPCA−120) 3部
4、シリカ(水澤化学工業社製、P−526) 1部
5、光重合開始剤(日本チバガイギー社製、イルガキュア184) 0.5部
6、イソプロピルアルコール 11部
7、滑剤(東レダウ社製 ST102PA) 0.001部
上記組成物を加え良く攪拌して保護層塗布液を作成した。
前記、記録層と中間層の塗布済みフィルム上に、保護層塗布液をワイヤーバーで塗布し加熱乾燥後、80W/cmの紫外線ランプで架橋(硬化)させ、膜厚約4.5μmの塗布膜を作成した。
【0130】
(5)バック層
−バック層液の調整−
保護層液と同様の組成物で作成し、バック層塗布液とした。
前記、記録層と中間層と保護層の塗布済みフィルムの逆面に、バック層塗布液をワイヤーバーで塗布し加熱乾燥後、80W/cmの紫外線ランプで架橋させ、膜厚約9μmの塗布膜を作成し、A4シートに仕上げ加工した。
【0131】
<マグネット(B1)>
強度T1=0.2kg/sq(0.2kg/cm2)(テンションゲージで測定)に調整して三菱化学メディア社製マグネットシートMHS−A4003Dを200mm×60mmサイズ(L(60)≧60)に加工し、日東電工社製アクリル系両面テープNO5601(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側にマグネットを貼り付け、マグネット付き可逆性記録媒体を作成した(図1)。
【0132】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(以下、単に「PCC社製RSP−1」ということがある。)(速度1IPS(=1インチ/s=2.54cm/s))を用いて10枚連続印字消去したが、重送することなく搬送した。50φに曲げても(50φのロールに巻きつけても)運用に影響なかった。
【0133】
[実施例2]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0134】
<マグネット(B1)>
強度T1=0.1kg/sq(テンションゲージで測定)に調整してコクヨ社製マグネットシート(マクー364W)を150mm×60mm(厚み0.5mm)サイズに加工し、日東電工社製アクリル系両面テープNo.500(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側にマグネットを貼り付け、マグネット付き可逆性感熱記録シートを作成した(図1参照)。
【0135】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送することなく搬送した。また50φのロールに巻きつけて50φに曲げても運用には影響なかった。
【0136】
[実施例3]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0137】
<粘着性を有したゴム(B2)>
コクヨ社製ヒッツキシート(ター372T)を50mm×10mm(厚み0.6mm)サイズに加工し、可逆性感熱記録シート表面との強度T1=0.9kg/sq(テンションゲージにて測定)に調整して直接上記可逆性感熱記録シートのバック層面側に貼り付け、粘着性を有したゴム可逆性記録媒体を作成した(図2参照)。
【0138】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送することなく搬送した。また50φに曲げても運用には影響なかった。
【0139】
[実施例4]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0140】
<吸盤ゴム(B3)>
コクヨ社製吸盤F−VBX103Bを利用して加工し、直接上記可逆性記録媒体のバック層面側に貼り付け、粘着性を有したゴム付可逆性記録媒体を作成した。
【0141】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)ののパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送することなく搬送した。また50φに曲げても運用には影響なかった。
【0142】
[実施例5]
実施例1のマグネット付き可逆性記録媒体を使用する。
【0143】
20枚を図1の(a=10,20,30,40,50)×(b=10,20,40,60)の位置に作成した。
【0144】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)ののパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で20枚連続印字消去したが、重送することなく搬送した。また50φに曲げても運用には影響なかった。
【0145】
[実施例6]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0146】
<粘着性を有したゴム(B2)>
東レシリコーン社製RTVゴムをシート状50mm×10mm(厚み0.5mm)サイズに直接上記可逆性記録媒体のバック層面側に貼り付け加工し、可逆性記録媒体表面との強度T1=0.8kg/sq(テンションゲージで測定)に調整して、粘着性を有したゴム付可逆性記録媒体を作成した(図2)。
【0147】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0148】
[実施例7]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0149】
<マグネット(B1)>
強度T1=0.2kg/sq(テンションゲージで測定)に調整して三菱化学メディア社製マグネットシートを210mm×10mmサイズに加工し、日東電工社製アクリル系両面テープNO5601(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側にマグネットを貼り付け、マグネット付可逆性記録媒体を作成した(図3)。
【0150】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送なく搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0151】
さらにマグネットエリア上の印字も可能になった。
【0152】
[実施例8]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0153】
<粘着性を有したゴム(B2)>
東レシリコーン社製RTVゴムをシート状210mm×5mm(厚み0.5mm)サイズに直接上記可逆性記録媒体のバック層面側に貼り付け加工し、可逆性記録媒体表面との破断強度1kg/sq(テンションゲージで測定)に調整して、粘着性を有したゴム付可逆性記録媒体を作成した(図4)。
【0154】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0155】
さらに粘着エリア上の印字も可能になった。
【0156】
[実施例9]
実施例1のマグネット付可逆性記録媒体を使用する。
【0157】
ただし、周辺に同じ厚みのポリエステルシートXを貼り付け、段差を無くした(図5)。
【0158】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0159】
さらにマグネットエリア上の印字も可能になった。
【0160】
[実施例10]
実施例8の周辺に同じ厚みのポリエステルシートXを貼り付けたマグネット付可逆性記録媒体を使用する。
【0161】
ただし、図6(断面)のように3°にエッジ加工したものを貼り付けた(図6)。
【0162】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送なく搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0163】
さらにマグネットエリア上のエッジ周辺も切れ目無く印字も可能になった。
【0164】
[実施例11]
実施例8のゴム付可逆性記録媒体を使用する。
【0165】
ただし、図7(断面)のように接線が85°にエッジ加工したものを加工した(図7)。
【0166】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0167】
さらに粘着エリア上のエッジ周辺も切れ目無く印字も可能になった。
【0168】
[実施例12]
実施例1のマグネット付可逆性記録媒体を使用する。
【0169】
<非接触ICタグラベル(D)>
藤井社製13.56MhzIcodeSLIのカード形状の非接触ICタグを日東電工社製アクリル系両面テープNO500(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側に貼り付け、非接触式ICタグ付可逆性記録媒体を作成した(図8)。
【0170】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0171】
[実施例13]
実施例12のマグネットと非接触ICタグ付き可逆性記録媒体とを使用する。
【0172】
20枚を図1の(c=10,20,30,40,50)×(d=10,20,40,60)の位置に作成した。
【0173】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で20枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0174】
[実施例14]
実施例9のマグネット付可逆性記録媒体を使用する。
【0175】
<非接触ICタグラベル(D)>
藤井社製13.56Mhz IcodeSLIのカード形状の非接触ICタグを日東電工社製アクリル系両面テープNO500(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側に貼り付け、非接触式ICタグ付可逆性記録媒体を作成した(図9)。
【0176】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0177】
さらにマグネットエリア上の印字も可能になった。
【0178】
[実施例15]
実施例8のゴム付可逆性記録媒体を使用する。
【0179】
<非接触ICタグラベル(D)>
日立製作所社製μチップの2×7形状の非接触ICタグを日東電工社製アクリル系両面テープNO500(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側に貼り付け、その上にゴム加工した非接触式ICタグ付可逆性記録媒体を作成した(図10)。
【0180】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0181】
さらにゴムエリア上の印字も可能になった。
【0182】
[実施例16]
実施例1−15のプリンタの給紙部にマグネットを設けて、実施例1のマグネット付可逆性記録媒体の重なり枚数を減少させてマグネットの磁力を弱くして、シートの重送を防止した。従来の押えロールを設けてマグネット付可逆性記録媒体のシートの重なりをはがす機能を持たせる重送を防止する機能では1/25発生したが、本機では0/25で発生しなかった。
【0183】
[実施例17]
実施例1−15のプリンタのICタグ判読するアンテナの横に電磁石を設け、実施例10の非接触ICタグとマグネット付可逆性記録媒体を使用した。アンテナ部に移動したとき、電磁石をONにしてシートを固定して非接触ICタグと交信した。安定した交信が可能になった。
【0184】
[実施例18]
実施例1−15のプリンタの搬送路にフッ素コーティングして、実施例3のゴム付可逆性記録媒体を使用したところ、画像が鮮明に得られた。
【0185】
[実施例19]
実施例1−15のプリンタの給紙部の手前200mmにテフロン(登録商標)加工下20φの形状のロールを設置して、実施例1のマグネット付可逆性記録媒体を使用した。これにより、マグネット付可逆性記録媒体が、給紙して次のシートが張り付いてくるため押えるロールで、シートの重なりをはがす機能を持たせることができ、重送が防止された。
【0186】
[実施例20]
実施例19のプリンタの給紙部(M)の手前200mmにテフロン(登録商標)加工下20φの形状の分離ロール(R)を設置して、シートとの隙間を1mm明け、実施例1のマグネット付可逆性記録媒体を使用した。これにより、マグネット付可逆性記録媒体が、給紙され次のシートが張り付いてくるため分離ロール(R)で、シートの重なりを剥がす機能を持たせて重送を防止した。実施例17に比べ、搬送時における搬送の安定性がよく画像が鮮明であった(図11)。
【0187】
[比較例1]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0188】
<マグネット(B1)>
強度T1=0.1kg/sq(テンションゲージで測定)に調整してコクヨ社製マグネットシート(マクー364W)をA4(厚み0.5mm)サイズに加工し、日東電工社製アクリル系両面テープNO500(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側にマグネットを貼り付け、マグネット付可逆性記録媒体を作成した(図12)。
【0189】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できた。しかしながら、給紙力T2=1.5kg(A4)のPCC社製RSP−1(速度1IPS)で10枚連続で印字・消去を試みた結果、重送により搬送しなかったため印字・消去できなかった。
【0190】
[比較例2]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0191】
<粘着性を有したゴム(B2)>
コクヨ社製ヒッツキシート(ター372T)を210mm×145mm(L(60)≧145でNG条件下)(厚み0.6mm)サイズに加工し、可逆性記録媒体表面との破断強度T1=2kg/sq(テンションゲージで測定)に調整して直接上記可逆性記録媒体のバック層面側に貼り付け、粘着性を有したゴム付可逆性記録媒体を作成した(図12)。
【0192】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できたが、給紙力T2=1.5kg(A4)のPCC社製RSP−1(速度1IPS)で10枚連続印字消去を試みた結果、重送により搬送しなかったため印字・消去できなかった。
【0193】
[比較例3]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0194】
<マグネット(B1)>
破断強度T1=0.5kg/sq(テンションゲージにて測定)に調整してコクヨ社製マグネットシート(マクー364W)を210mm×250mm(L(60)≧250NG)(厚味0.5mm)サイズに加工し、日東電工社製アクリル系両面テープNO500(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側にマグネットを貼り付け、マグネット付可逆性記録媒体を作成した(図13)。
【0195】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できたが、給紙力T2=1.5kg(A4)、初期移動6cmのPCC社製RSP−1(速度1IPS)で10枚連続印字消去を試みた結果、重送により搬送しなかったため消去印字できなかった。
【0196】
[比較例4]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0197】
<マグネット(B1)>
破断強度T1=10kg/sq(テンションゲージにて測定)に調整して NIROKU製作所社製マグネットシート(サマコバ磁石)を210mm×60mm(L(60)≧60)(厚み0.5mm)サイズに加工し、日東電工社製アクリル系両面テープNO500(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側にマグネットを貼り付け、マグネット付可逆性記録媒体を作成した(図13)。
【0198】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できたが、給紙力T2=1.5kg(A4)、初期移動6cmのPCC社製RSP−1(速度1IPS)で10枚連続印字消去を試みた結果、重送により搬送しなかったため消去印字できなかった。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】本実施形態のマグネット付き可逆性感熱記録(シート状)媒体において固定部材としてマグネットを配置した例を示す平面図と断面図である。
【図2】本実施形態の粘着性ゴム付き可逆性感熱記録媒体(シート状)において固定部材として粘着性ゴムを配置した例を示す平面図と断面図である。
【図3】本実施形態のマグネット付き可逆性感熱記録媒体(シート状)における固定部材としてマグネットを配置した他の例を示す平面図と断面図である。
【図4】本実施形態の粘着性ゴム付き可逆性感熱記録媒体(シート状)における粘着性ゴムの配置の他の例を示す平面図および断面図である。
【図5】本実施形態のマグネット付き可逆性感熱記録媒体(シート状)の段差を無くしたマグネットの配置例を示す断面図である。
【図6】本実施形態のマグネット付き可逆性感熱記録媒体(エッジ加工したシート状)におけるマグネットの配置を示す断面図である。
【図7】本実施形態のゴム付可逆性記録媒体(エッジ加工したシート状)を示す断面図である。
【図8】本実施形態の非接触式ICタグ付可逆性記録媒体の構成例を示す平面図である。
【図9】本実施形態のカード形状の非接触ICタグ付可逆性記録媒体を示す平面図である。
【図10】本実施形態のゴム加工した非接触式ICタグ付可逆性記録媒体の配置を示す平面図である。
【図11】本実施形態のマグネット付可逆性記録媒体を使用した記録媒体の重送の防止搬送を示す断面図である。
【図12】本実施形態のバック層面側にマグネットを貼り付けた可逆性記録媒体の構成を示す平面および断面図である。
【図13】従来例のマグネット付可逆性記録媒体を示す平面および断面図である。
【符号の説明】
【0200】
A 可逆性感熱記録シート
B1 マグネット
B2 ゴム
C 粘着/接着層
D 非接触ICタグタグラベル
L 初期給紙動作距離
M 給紙ロール
R 分離ロール
X ダミーシート
a、b 部材位置距離
c、d 非接触ICタグタグラベル位置距離
【技術分野】
【0001】
本発明は、可逆性記録媒体の搬送に関し、詳しくは、可逆性記録媒体にマグネット部材、ゴム部材、吸盤状ゴム部材を可逆性記録媒体の表面に貼付した後、剥がしてもこの記録媒体を汚損あるいは損傷せずに、更にこの記録媒体を可逆性記録装置内の搬送経路に積み重ねたとしても重送することなく連続給紙性に優れ、スベリ性に優れた可逆性記録媒体および印字/消去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子供与性呈色性化合物(以下、発色剤またはロイコ染料という)と電子受容性化合物(以下、顕色剤という)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られており、OA(Office automation)化の進展と共にファクシミリ、ワードプロセッサ、科学計測機などの出力用紙として、また最近ではプリペイドカードやポイントカードなどの磁気感熱カードとしても広く使用されている。
【0003】
これら実用化されている従来の記録媒体においても、リサイクルや使用量の減量化などの見直しが迫られているが、不可逆的な発色であるため、一度記録した画像を消去して繰り返し使用することはできない。また新しい情報は画像が記録されていない部分に追記が可能なぐらいであり、これら記録媒体の記録可能な部分の面積は限られている。そのため、記録する情報量を減らし、あるいは記録エリアがなくなった時点でカードを作り直しているのが実状である。近年盛んに論じられているゴミ問題や森林破壊問題を背景に、何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録媒体の使用が望まれていた。
【0004】
これらの要望から様々な可逆性感熱記録媒体が提案されてきた。例えば、透明・白濁の変化(散乱率の変化)による物理的変化を利用した高分子材料と低分子材料との相分離タイプの可逆性感熱記録媒体が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
また、新たに化学的変化を利用した染料タイプの可逆性感熱記録媒体も提案されている。このようなものとして、具体的には、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールの組合せを用いるもの(例えば、特許文献3参照)、顕色剤にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化合物を用いるもの(例えば、特許文献4参照)、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に含有するもの(例えば、特許文献5〜7参照)、顕色剤にアスコルビン酸誘導体を用いたもの(例えば、特許文献8参照)、顕色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いるもの(例えば、特許文献9、10参照)などが提案されている。
【0006】
さらに、顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基を含有する有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物と、発色剤であるロイコ染料とを組み合わせることによって、発色と消色とを、加熱−冷却条件により行わせて、その発色状態と消色状態を、常温下において安定に保持させることが可能であり、しかも発色と消色を繰り返すことが可能な可逆性感熱発色組成物およびこれを記録層に用いた可逆性感熱記録媒体などが開発されている(例えば、特許文献11〜13参照)。
【0007】
このような熱可逆性記録媒体(以降単に「記録媒体」ということがある)は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを支持体とし、磁気記録層を有しているものが多く、主にポイントカード市場などで使われている。その一方で、薄手の支持体上に可逆性感熱記録層を設け、その支持体の反対面に接着層を介し、様々な基材に熱と圧力によってラミネートされた可逆性感熱記録媒体も多く使用されている。例えば、接着層付きの可逆性感熱記録シート(例えば特許文献14参照)、接着層付きの可逆性感熱記録媒体(特許文献15参照)、可逆性感熱記録フィルム(特許文献16)、可逆性感熱記録カード(特許文献17)等が挙げられる。これらはさらに、光メモリ、接触式IC、非接触式IC、磁気記録等と組み合わされており、これらのほとんどは基本的には基材が厚く、大きさが制限されているカードであり、これらの構造の記録媒体はカード用途に制限され、入出チケット、冷凍食品用容器、工業製品、各種薬品容器等のステッカー、物流管理用途、製造工程管理用途などの大きな表示面積あるいは多様な表示には不向きである。
【0008】
また、近年、ICモジュールを内包し、外部のリーダ、ライタを介してデータを非接触で送受信するカードも普及し始めている。同様な用途で非接触式ICラベルの提案もなされている。例えば、非接触ICを各種印刷物に貼り付けた用途(特許文献18〜20)、非接触式ICラベルの構造と主要な用途(特許文献21〜23)などを挙げることができる。しかし、これらには、繰り返し使用できる非接触ICの機能と繰り返し表示できる機能とを組み合わせたものはほとんど利用されていないのが実情である。
【0009】
そこで、たとえば可逆性感熱記録シートにICタグラベルを貼って、ICタグラベルのくりかえして内部情報を書き換え、しかも可逆性感熱記録シートへICタグラベル内に記録されている情報を可視画像として表示出来るような、上記に挙げた特許文献で開示されている可逆性感熱記録媒体と非接触ICとの組合せカードも考えられる。
【0010】
しかし、この可逆性感熱記録シート、または、ICタグラベル付可逆性感熱記録シートは、粘着テープやカードケースを使って、物品に固定されているので、粘着物が残ったり、繰り返し使用ができなくなり、またケースの取出しによるキズの発生等で繰り返し使用ができなくなったり、さらには可逆性感熱記録シート本体の繰り返し使用ができないという問題が発生する。
【0011】
また、シート状磁石(マグネットフィルム)上に可逆性記録層を有するシート状の可逆性感熱記録媒体を重ねて一体化した感熱記録ラベルが提案されている(例えば特許文献24、25参照)。しかしながら、該感熱記録ラベルは、マグネットフィルムと可逆性感熱記録媒体が同一面に重ねて一体形成されている。
【0012】
このような一体形成された場合、1枚1枚を可逆性感熱記録装置で消去印字することは可能であるとしても、給紙トレイにマグネットフィルム付き可逆性感熱記録媒体を複数枚積み重ねた場合には、感熱記録ラベル同士のマグネットによる磁力で貼り付き、1枚づつ搬送することは不可能であった。同様に、粘着性を有するゴムシート上に可逆性記録層を有するシート状の可逆性感熱記録媒体を重ねて一体化した情報記録シートが提案されている(特許文献26参照)が、このような情報記録シートも、粘着性を有するゴムシートと可逆性感熱記録媒体が同一面に重ねて一体形成されているような場合でも、複数枚積み重ねた場合には、そのシート同士の粘着力の貼付により、1枚づつ搬送することは不可能であった。
【特許文献1】特開昭63−107584号公報
【特許文献2】特開平4−78573号公報
【特許文献3】特開昭60−193691号公報
【特許文献4】特開昭61−237684号公報
【特許文献5】特開昭62−138556号公報
【特許文献6】特開昭62−138568号公報
【特許文献7】特開昭62−140881号公報
【特許文献8】特開昭63−173684号公報
【特許文献9】特開平2−188293号公報
【特許文献10】特開平2−188294号公報
【特許文献11】特開平5−124360号公報
【特許文献12】特開平6−210954号公報
【特許文献13】特開平10−95175号公報
【特許文献14】特開2000−94866号公報
【特許文献15】特開2000−251042号公報
【特許文献16】特開2001−63228号公報
【特許文献17】特開2002−103654号公報
【特許文献18】特開平11−277961号公報
【特許文献19】特開平11−277963号公報
【特許文献20】特開2002−123805号公報
【特許文献21】特開2002−269526号公報
【特許文献22】特開2000−251046号公報
【特許文献23】特開平11−134460号公報
【特許文献24】特開2003−316268号公報
【特許文献25】特開2003−316267号公報
【特許文献26】特開2004−237591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、従来技術の有する欠点を克服し、記録媒体を物品に貼り付けた後、必要に応じて剥がしても物品の表面を汚損することなく繰り返し貼付可能であり、更に記録媒体を記録装置(書込/消去装置)内の搬送経路、例えば給紙トレイに複数積層しても媒体同士が貼りついた重送状態で搬送されずに、連続給紙可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
更に、マグネット部材(B1)付の可逆性記録媒体の場合には、搬送路の例えば給紙トレイ近傍あるいは内側などに磁力発生源を設け、ゴム部材(B2)付可逆性記録媒体の場合にはスベリ性のよい材質またはスベリ性のよい材料を被膜させた可逆性記録装置(情報の書込/読出装置、以下、単に「記録装置」という)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、支持体と当該支持体上に可逆性感熱層を少なくとも一部に有する矩形の可逆性感熱記録媒体であって、給紙力よりも小さい固定力を有する固定部材を、前記可逆性感熱記録媒体の給紙が開始される辺と対向する辺から初期給紙動作距離までの範囲内に設けた可逆性感熱記録媒体であることを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体において、前記固定部材は、マグネット部材、ゴム部材または吸盤状ゴム部材の少なくとも1つであり、当該部材は固着層を介して前記可逆性感熱記録媒体と一体化されている特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の可逆性感熱記録媒体において、前記固着層は接着層であることを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の可逆性感熱記録媒体において、前記固定部材が前記マグネット部材、ゴム部材または吸盤状ゴム部材から選択される2以上の場合に、当該2以上から構成される前記固定部材の各部材の設定位置は異なることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項2から4のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体において、前記固定部材の長さがサーマルヘッドの長さ以上であることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5に記載の可逆性感熱記録媒体において、前記固定部材の端部が鋭角の切り込み部または曲面部であることを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体において、さらに非接触ICタグラベルを有することを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の可逆性記録媒体において、前記非接触ICタグラベルは前記部材と異なる位置に設けることを特徴とする。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の可逆性感熱記録媒体において、前記非接触ICタグラベルは可逆性感熱記録媒体内に配設され前記固定部材と略同程度の厚みを有することを特徴とする。
【0024】
請求項10に記載の発明は、固定部材として少なくともマグネット部材が用いられた請求項1から9のいずれか1項に記載の可逆性記録媒体に使用される印字または消去の少なくとも1つをする印字/消去装置であって、搬送路に磁力を発生させる磁力発生手段が設けられ、前記磁力発生手段により発生された磁力を前記可逆性感熱記録媒体の重ねた枚数によって調整する磁力調整部を設けている印字/消去装置であることを特徴とする。
【0025】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の印字/消去装置において、非接触ICタグラベルの判読部に前記磁力発生手段が設けられ、前記磁力発生手段は、その固定強度を調整可能とすることを特徴とする。
【0026】
請求項12に記載の発明は、請求項10または11に記載の印字/消去装置において、前記搬送路がゴム材の静摩擦係数より低い材質で設けられていることを特徴とする。
【0027】
請求項13に記載の発明は、請求項10から12のいずれか1項に記載の印字/消去装置において、前記搬送路はフッ素系樹脂で被膜されていることを特徴とする。
【0028】
請求項14に記載の発明は、請求項10から13のいずれか1項に記載の印字/消去装置において、前記可逆性感熱記録媒体が複数枚重なって給紙されるのを防止する前記可逆性感熱記録媒体の分離機構を設けたことを特徴とする。
【0029】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の印字/消去装置において、前記分離装置は前記可逆性記録媒体と接しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、記録媒体を物品の表面に貼付後に、必要に応じて剥離しても物品の表面を汚損あるいは損傷せずに繰り返し貼付ができ、更に記録媒体を積層しても記録媒体同士が積層状態のままにはならずに記録装置内に連続給紙可能な記録媒体の搬送方法およびこのような搬送性を有し、記録の書込、消去、読出可能な可逆性記録装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本実施形態の可逆性記録媒体の搬送方法等について、実施の形態により詳細に説明する。
【0032】
本実施形態は、可逆性記録媒体を物品の表面に貼付し、必要に応じて剥離しても物品の表面を汚損せずに繰り返し貼付可能であり、このような記録媒体を複数積層しても、この記録媒体同士が貼りついたままの状態で重送することもなく連続給紙することができる記録媒体である。
【0033】
すなわち、本実施形態では、可逆性記録装置内で連続給紙することはできず、強度T1kg/cm2<給紙力T2kgとなる特定の部材、たとえばマグネット部材(B1)、ゴム部材(B2)または吸盤状ゴム部材(B3)などの部材(可逆性感熱記録媒体の位置固定のための部材:特定部材)を給紙開始位置の辺と対向する辺から、可逆性感熱記録媒体の初期給紙動作距離L以下の範囲に設けることが望ましい。特に同じ位置に設けるよりも、異なる位置に設けることがより望ましい。
【0034】
特定の部材としては、他に、ピンやフック、あるいはピンやフックが差し込める固定するために使用できる穴でもよく、前記した可逆性感熱記録媒体の位置固定のための部材のB1〜B3、あるいはピンなどの特定部材の他の例から選択される2つ以上の特定の部材を用いたり、1つの特定の部材が複合の機能を有していても良い。
【0035】
更に、この特定の部材の長さが可逆性記録装置に使用されるサーマルヘッドの長さ以上であり、また、部材端部が89°から1°の角度を持った切り込みまたは曲面であればより好ましく、連続給紙することが容易となる。
【0036】
更に、非接触ICタグラベルDを可逆性感熱記録媒体と一体に設ける場合には、部材高さと同じ高さ(厚み)の非接触ICタグラベルDを設けるか、複数の部材間に段差の無いように非接触ICタグラベルDを設け、より好ましく連続給紙が可能であることが好ましい。
【0037】
特に、同じ位置に前記部材を設けてもよいが、異なる位置に設けると非接触ICタグラベルの破損防止にも貢献し、またこのように異なる位置に設けた場合には同じ位置にないため重ならず、重送なく連続給紙することが可能である。
【0038】
更に、マグネット部材(B1)がついた可逆性記録媒体を書替える読込/書込装置(書替装置)では、この装置の搬送路にマグネットが設けられ、シート枚数による磁力調整を設けることにより、より好ましく連続給紙することが可能であることが望ましい。特に、搬送路は、非磁石材料を用いることがより望ましい。
【0039】
更に、ゴム部材がついた可逆性記録媒体の読込/書込装置では、この装置の搬送路がゴム材の静止摩擦係数より低い材質であること、より好ましくは搬送路がフッ素系樹脂で被膜されていることにより、より好ましく連続給紙することが可能である。
【0040】
つまり、(1)支持体上に強度T1kg/sq<給紙力T2kgとなるマグネット部材(B1)を初期給紙動作距離L以下の部分に設けたことで、従来の全面に設けるより、容易に給紙しやすく、給紙以降の搬送に影響が無く、物品に十分な張り合わせと容易な剥離とを可能にした。
【0041】
マグネット部材(B1)の色は特に限定されることはなく、透明、半透明であってもよく、マグネット部材(B1)は顔料や着色剤で着色されていても良い。
【0042】
マグネット部材(B1)の厚みは特に限定されないが、好ましく4cm以下、より好ましくは3cm以下、更に好ましくは2cm以下、更には1cm以下であることが好ましく、更には1mm以上、より好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.01mm以上、もっと好ましくは0.001mm以上である。マグネット部材(B1)の形状は、凹凸があっても良く、三角形、四角形、五角形、六角形であってもよく、特に限定はされない。マグネット部材(B1)の大きさは、媒体よりも小さければ限定されることは無いが、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下、更に好ましくは40%以下、もっと好ましくは30%以下である。マグネット部材(B1)を可逆性記録媒体へ貼り合わせる方法は、粘着層や接着層を介してもよく、ホットメルト型の接着剤で接着してもよく、両面テープなどの感圧接着剤で接着してもよく、クリップやホッチキスなどの係止手段で留めてもよく、限定されない。
【0043】
(2)支持体上に強度T1kg/sq<給紙力T2kgとなるゴム部材(B2)を初期給紙動作距離L以下の部分に設けたことで、従来の全面に設けるより、容易に給紙しやすく、給紙以降の搬送に影響が無く、物品に十分な張り合わせと容易な剥離を可能にした。
【0044】
ゴム部材(B2)の色、厚さおよび形状などは、前記マグネット部材(B1)と同様であり、特に限定されず、又ゴム部材(B2)を可逆性記録媒体へ貼り合わせる方法は、前記マグネット部材(B1)と同様であり、特に限定されない。
【0045】
(3)支持体上に強度T1kg/sq<給紙力T2kgとなる吸盤状ゴム部材(B3)を初期給紙動作距離L以下の部分に設けたことで、従来の全面に設けるより、容易に給紙しやすく、給紙以降の搬送に影響が無く、物品に十分な張り合わせと容易な剥離を可能にした。吸盤状ゴム部材(B3)の色、厚さ、形状および可逆性記録媒体への固定方法(貼付方法)は前記マグネット部材(B1)と同様であり特に限定されない。
【0046】
(4)上記の部材は、すべて特定の位置に存在するのでなく、すべて異なる位置に配置することで、支持体同士の貼り付き(付着)が分散される。
【0047】
(5)上記のエリアは、エッジの段差がある一定量を越すと消去印字ができないため、ヘッド方向全面に部材を初期給紙動作距離以下の部分に積層等して設けると、容易に給紙しやすく、給紙以降の搬送に影響が無く、物品に十分な張り合わせと容易な剥離を可能にすることができる。部材長さはヘッド幅と同等以上であればよく、この条件を満たす限りはその長さに限定されることはない。
【0048】
また、搬送に影響なければ、部材の長さがサーマルヘッド長より10%程度短くてもよく、より好ましくは8%短くてもよく、更に好ましくは6%短くてもよく、もっと好ましくは4%短くても良い。なお本実施形態では、固定部材を有する感熱記録媒体は固定部材を用いてあるいは介して感熱記録媒体を壁、車体などに固定することができるが、可逆性感熱記録媒体を搬送する場合には、複数の可逆性感熱記録媒体をその固定部材の固着力を利用して重ねるかまたはコンパクトに纏めて搬送可能となっている。
【0049】
(6)上記(3)の対策では一部の辺が大きな段差を持つ為、エッジ部を鋭角に、たとえば89°から1°の範囲内に設定した部材を初期給紙動作距離以下の部分に積層貼合せて設けたことで、容易に給紙しやすく、給紙以降の搬送に影響が無く、物品に十分な張り合わせと容易な剥離を可能にした。エッジに角度を設けるがこれによって搬送をより良好ましいため、そのエッジ部分の角度を89°から1°がよく、好ましくは86°から2°、更に好ましくは83°から3°、もっと好ましくは80°から3°の範囲である。エッジの切り口は水平(直平面的)に切り込まれていてもよく、Rなど曲面として形成されていても良い。
【0050】
(7)上記可逆性記録媒体において、同様な機能を持たせる為にはマグネット(B1)、粘着性を有したゴム(B2)、吸盤上ゴム(B3)を部分的に積層貼合せて設けた周辺に非接触ICタグラベル(D)を設け、このICタグ機能を保持して、容易に給紙し、給紙以降の搬送にも影響が無く、物品(可逆性感熱記録媒体を固定する物)に十分な張り合わせと容易な剥離を可能にした。
【0051】
(8)、(9)上記可逆性記録媒体において、全面印字と消去とができるように、部材を部分的に貼付または係止して設けた間に非接触ICタグラベル(D)を設けるか、ICタグラベルと同じ厚みに調整した部材を設け、これによって可逆性感熱記録媒体の全面印字と消去が可能になり、書替装置(印字・消去装置)に容易に給紙しやすく、給紙以降の搬送に影響が無く、物品に十分な張り合わせと容易な剥離を可能にした。
【0052】
(10)非接触ICタグラベル(D)は、すべて特定の位置にあるのでなく、すべて異なることで、ICチップが重なることなく、ICチップ破損の虞を低減できるが、同時に、支持体のコシが分散されて、支持体同士の貼り付きが同様に分散される。
【0053】
(11)、(12)マグネット部材(B1)付可逆性記録媒体の書替装置(印字・消去装置)において、積み重ねられたマグネット部材(B1)付可逆性記録媒体が例えば残り2枚になった時、最後の1枚目と2枚目のくっつき(磁力吸着)による重送のままの搬送を防止するため、給紙トレイにマグネットを設けることで最後の2枚の張り付きを防止することができる。
【0054】
給紙トレイに設けられたマグネットの位置は、給紙トレイの表側であっても裏側であってもよいが、好ましくは給紙側の反対に設けたほうが良い。給紙トレイに設けられたマグネットの位置は、特に限定しないが、好ましくは給紙口付近より中央部、より好ましくは中央部より上部のほうがよい。給紙トレイに設けられたマグネットの厚みは特に限定しないが、好ましく30cm以下、より好ましくは25cm以下、更に好ましくは20cm以下、もっと好ましくは15cm以下である。
【0055】
形状は、凹凸があってもよく、三角形、四角形、五角形、六角形であってもよく、特に限定はされない。大きさは、媒体よりも小さければよく、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、更に好ましくは60%以下、もっと好ましくは50%以下である。マグネット部材(B1)を可逆性記録媒体へ貼り合わせる方法は、粘着層や接着層を介してもよく、ホットメルトで接着してもよく、両面テープで接着してもよく、クリップやホッチキスで留めてもよく、成型時に埋め込んでもよく、一体成型してもよく、特に限定されるものではない。
【0056】
(13)、(14)上記の粘着性を有したゴム部材(B2)付、吸盤状ゴム部材(B3)付可逆性記録媒体の印字消去装置において、粘着性を有したゴム部材(B2)付可逆性記録媒体が重なりくっつきによる重送を防止するため、搬送路がゴム材の静摩擦係数より低い材質である、好ましくはフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂で被膜することである、更に給紙トレイに可逆性記録媒体を1枚貼り付けることで、貼り付きを防止することができる。
【0057】
(15)、(16)上記で示したマグネット部材(B1)付、ゴム部材(B2)付、吸盤上ゴム部材(B3)付可逆性記録媒体の印字消去装置においてシートの重送生じたとき、搬送するシートが浮き上がるため、押えロールなどの分離ロールを給紙ロール手前に設けることで重送したシートをはがすことができる。
【0058】
本実施形態の可逆性感熱記録媒体(A)について以下に示す。
【0059】
可逆性感熱記録媒体は、第一に、温度変化(熱流速の履歴)によって目に見える変化を可逆的に起こす材料であり、このような目に見える変化は、光学的な変化とその他の形状の変化とに分けられるが、本実施形態では主に光学的な変化を起こす材料を使用する。光学的な変化には、透過率、反射率、吸収波長、散乱度などの変化があり、実際の熱可逆記録材料はこれらの変化の組合せであり、この変化により表示される。
【0060】
より具体的には、熱により透明度や色調が可逆的に変化する材料が本実施形態で使用される記録媒体に用いられ、これらの範囲にあるならばなんでも良いが、例えば常温より高い第一の特定温度で第一の色の状態となり、第一の特定温度よりも高い第二の特定温度で加熱し、その後冷却することにより第二の色の状態となるもの、等が挙げられる。特に第一の特定温度と第二の特定温度とで色の状態が変化するものが好適に用いられる。
【0061】
これらの例としては、第一の特定温度で透明状態となり、第二の特定温度で白濁状態となるもの(特開昭55−154198号公報)、第二の特定温度で発色し、第一の特定温度で消色するもの(特開平4−224996号、特開平4−247985号、特開平4−267190号などの公報)、第一の特定温度で白濁状態となり、第二の特定温度で透明状態となるもの(特開平3−169590号公報)、第一の特定温度で黒、赤、青等に発色し、第二の特定温度で消色するもの(特開平2−188293号、特開平2−188294号公報)等が挙げられる。この中で特に樹脂母材中に高級脂肪酸のような有機低分子物質を分散した系とロイコ染料と長鎖アルキル顕色剤を用いた系が好ましい。
【0062】
第二にロイコ染料として、この種の可逆感熱記録媒体に用いられる化合物を1種または2種以上用いることができ、たとえば、フタリド化合物、アザフタリド化合物、フルオラン化合物など公知の染料前駆体である。
【0063】
長鎖アルキル顕色剤としては、代表例として、たとえば特開平5−124360号公報、特開平6−210954号公報、特開平10−95175号公報などに記載の記録層である。ここで用いる顕色剤は、分子内にロイコ染料を発色させる顕色能をもつ構造、たとえばフェノール性水酸基、カルボン酸基、リン酸基などと、分子間の凝集力を制御する構造、たとえば長鎖炭化水素基が連結した構造を一つ以上もつ化合物である。連結部分にはヘテロ原子を含む2価以上の連結基を介していても良く、また長鎖炭化水素基中にも同様の連結基および/または芳香族基が含まれていても良い。このような可逆性顕色剤の具体例はたとえば特開平9−290563号公報、特開平11−188969号公報に記載に示され、1種または2種以上を混合して用いても良い。
【0064】
可逆感熱記録層には、必要に応じて塗布特性や発色消色特性を改善したり制御するための添加剤を用いることができる。これらの添加剤には、たとえば界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、発色安定化剤、消色促進剤などがある。
【0065】
可逆感熱記録層は、ロイコ染料、顕色剤、種々の添加剤をバインダー樹脂とともに形成する。このとき用いられる樹脂は支持体上にこれらの材料を結着できれば良く、従来公知の樹脂が1種または2種以上を混合して用いられる。なかでも、繰り返し時の耐久性を向上させるため、熱や紫外線、電子線などによって硬化可能な樹脂が好ましく用いられ、とくにイソシアネート系化合物などを架橋剤として用いた熱硬化型の樹脂、例えばアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などがとくに好ましく用いられる。
【0066】
しかし、本実施形態はこれらの化合物に限定されるものではない。また、架橋をさせた場合、記録層のゲル分率は30%以上であることが好ましい。これよりも低いと架橋状態が十分でなく耐久性に劣る。この値は50%以上であると更に好ましく、特に好ましくは70%以上である。記録層中の発色成分と樹脂の割合は、発色成分1重量部に対して0.1から10重量部が好ましく、これより少ないと記録層の熱強度が不足し、これより多い場合には発色濃度が低下して問題となる。
【0067】
また、本実施形態におけるバインダー樹脂が架橋状態にあるのか非架橋状態にあるのかを区別する方法として、塗膜を溶解性の高い溶媒中に浸すことによって区別することが出来る。すなわち、非架橋状態にあるバインダー樹脂は、溶媒中に該樹脂が溶けだし溶質中には残らなくなるためである。
【0068】
硬化剤は、特に限定されるものではないが、好ましくはイソシアネート系硬化剤が用いられる。イソシアネート系硬化剤の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)等、およびこれらのトリメチロールプロパンなどによるアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプおよびブロック化イソシネート類等が挙げられる。
【0069】
中でも特にヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく、このアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプが好ましく用いられる。ただし、硬化剤は添加した全量が架橋反応をしていても、していなくても良い。すなわち、未反応硬化剤が存在していても良い。この種の架橋反応は経時的に進行するため、未反応の硬化剤が存在していることは架橋反応が全く進行していないことを示すのではなく、未反応の硬化剤が検出されることにより架橋状態にある樹脂が存在することが示唆されるからである。また更に、架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよい。
【0070】
可逆性感熱記録層は、ロイコ染料、顕色剤(顕−減色剤)、種々の添加剤、バインダー樹脂ならびに塗液溶媒よりなる混合物を均一に混合分散させて調製した塗液を用いて形成する。塗液調製に用いられる溶媒の具体例としてはアルコール類、ケトン類、エーテル類、グリコールエーテル類、エステル類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等を例示することができるが、本実施形態はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0071】
塗液調製はペイントシェーカー、ボ−ルミル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サンドミル、ダイノミル、コロイドミル等公知の塗液分散装置を用いて行うことができる。又、上記塗液分散装置を用いて各材料を溶媒中に分散しても良いし、各々単独で溶媒中に分散して混ぜ合わせても良い。更に加熱溶解して急冷または除冷によって析出させても良い。
【0072】
塗工方法については特に制限はなく、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工、スプレー塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ塗工、ダイ塗工等公知の方法を用いることができる。
【0073】
保護層(厚さ0.1〜10μm)の材料としては、熱や紫外線、電子線(特開平02−566号公報に記載)などによって硬化可能な樹脂が好ましく用いられる。
【0074】
その中でも紫外線により効果可能な樹脂を用いることが望ましい。紫外線や電子線で硬化させる樹脂としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系のオリゴマーや各種単官能、多官能のアクリレート、メタクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマーが挙げられる。また、紫外線を用いて架橋させる場合には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。また、熱によって架橋する場合ではイソシアネート系化合物などを架橋剤として用いた熱硬化型の樹脂、例えばアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙げられる。
【0075】
また、バック層には上記樹脂の他に希釈溶剤、有機/無機フィラーや滑剤、着色顔料、帯電防止剤等を用いても良い。
【0076】
これらの中には、有機若しくは無機のフィラー紫外線吸収剤、滑剤、着色顔料などを含有することができる。無機フィラーの具体例としては、炭酸塩、ケイ酸塩、金属酸化物、硫酸化合物等が挙げられ、有機フィラーの具体例としては、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等が挙げられる。紫外線吸収剤の具体例としては、サリシレート構造、シアノアクリレート構造、ベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造などを有する化合物が挙げられる。滑剤の具体例としては、合成ワックス類、植物性ワックス類、動物性ワックス類、高級アルコール類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル類、アミド類などが挙げられる。ただし本実施形態は、これらの化合物に限定されるものではない。
【0077】
上記記載の分散装置、塗工方法を用いて塗膜を作製することができる。
【0078】
記録層と保護層の接着性向上、保護層の塗布による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層への移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設けることが好ましく(特開平1−133781号公報に記載)、これによって発色画像の保存性が改善できる。また、記録層の上に設置される保護層、中間層には、酸素透過性の低い樹脂を用いることにより記録層中の発色剤および顕色剤の酸化を防止または低減することが可能になる。
【0079】
中間層は主に樹脂からなり、下記のような熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、可視光線硬化樹脂、UV(紫外線)硬化樹脂、EB(電子線)硬化樹脂が使用可能である。即ち、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられ、必要に応じてフィラーを含んでいてもよい。また、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
【0080】
中間層の膜厚は0.1〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜3μmである。また、中間層中のフィラーの含有量は体積分率で1〜95%、より好ましくは5〜75%である。中間層中に前記保護層中に用いられた有機紫外線吸収剤を含有しても良く、その含有量はバインダー100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲が好ましい。
【0081】
中間層の塗液に用いられる溶媒、塗液の分散装置、中間層の塗工方法、中間層の乾燥・硬化方法等は、前記記録層、保護層で用いられた公知の方法を用いることができる。
【0082】
また、発色感度の向上、接着性の向上のためにアンダー層を設けても良い。また、レーザー記録が可能にするためレーザー光を吸収して光を熱に変換する光熱変換層を設けても良い。
【0083】
また、可逆性感熱記録フィルムは、カールの問題から記録層面とは反対の裏面にバック層を設けても良い。バック層は記録層面側の樹脂の収縮によるカールを抑えるために設けるもので、熱や紫外線、電子線などによって硬化可能な樹脂が好ましく用いられる。その中でも紫外線により効果可能な樹脂を用いることが望ましい。紫外線や電子線にて硬化させる樹脂としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系のオリゴマーや各種単官能、多官能のアクリレート、メタクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマーが挙げられる。
【0084】
また、紫外線を用いて架橋させる場合には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。また、熱によって架橋する場合ではイソシアネート系化合物などを架橋剤として用いた熱硬化型の樹脂、例えばアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙げられる。
【0085】
また、バック層には上記樹脂の他に希釈溶剤、有機/無機フィラーや滑剤、着色顔料、帯電防止剤等を用いても良い。
【0086】
バック層はシートの記録層面の収縮を抑えるために設けるもので表面層とバック層面の収縮のバランスが取れるように塗布することが望ましく、表面層とバック層を塗布後にシートが平らになるように塗布されていることが望ましい。
【0087】
上記以外に、記録膜を加熱することにより液晶配向をランダムとし、それに伴って二色性色素をランダム配向させて加熱部分を着色し、一方、記録膜の両側から電位を加えると液晶が垂直配向(ホメオトロピック配向)して着色が消えて透明になるという原理を応用した液晶と二色性色素を含有するドロプレットが分散された高分子媒体膜を有する可逆記録媒体や(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、および(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める変色温度調節剤からなり、消色状態からの加熱により発色状態を呈し、発色状態からの降温により消色する、加熱発色型の可逆記録媒体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0088】
<ICタグ>
本実施形態の非接触ICタグラベル(D)は、回路基板上に、IC回路とアンテナ回路を形成して設けられる。IC回路とアンテナ回路は電気的に導通されている。回路基板用の基板材は、一般的な紙フェノール、ガラスエポキシ、コンポジット等のリジッドタイプ、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、紙、合成紙等のフレキシブルタイプ、および両者の複合タイプが使用できる。配線回路は金属導線をコイル状にしたものを前記基板材上に接着剤を用いて設置したり、加熱加圧してフィルムを変形させて設置して設ける方法、銅やアルミ等の金属を張った基板材の金属部分をエッチングして設ける方法、銀などの導電性の金属で形成された金属箔を基板上に転写して設ける方法、および導電ペースト塗料を用いてシルクスクリーン印刷で印刷、乾燥して基板上に設ける方法が挙げられる。
【0089】
非接触ICタグラベル(D)は、上記により配線回路を形成した基板上にIC回路を実装し、アンテナ回路とIC回路を電気的に導通接続して形成される。基板へのIC回路の実装は、TAB(tape automated bonding)、COB(Chip on board)やフリップチップ実装が用いられる。IC回路の実装やアンテナ回路との接続には、通常のはんだ付けや、導電性接着剤が使用できるが、加工の際、回路基板材が耐えうる温度条件のものを採用する必要がある。IC回路層は実装されたIC回路や配線回路の保護のために、エポキシ樹脂などで包埋(パッケージング)して用いることもできる。IC回路層の厚みは、エポキシ樹脂で包埋後150μm〜1mmである。
【0090】
また、保護のために、IC回路露出面に、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム等の保護フィルムで接着することもできる。
【0091】
非接触ICタグラベル(D)を可逆性記録媒体(A)に接着する、または、保護フィルムを接着する接着剤層は、本製造工程中の積層貼合時に接着力を保有するものが使用できる。通常は常温もしくは加熱した状態で加圧接着できるものである。EVA(エチレン−ビニル酢酸)系接着剤など一般的なヒートシーラーが使用できる。
【0092】
一般には、接着層もしくは粘着層の主成分としては天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、S−I−S−ブロックポリマー系、EVA系の材料であることが好ましい。これらは、用途に応じて混合して使用したり、各種添加剤を加えてもよい。さらに、その接着強度も、必要に応じて設定することができ、基材表面の微細な襞の部分である程度の接着強度を確保し得るようにできるものであれば、非接触ICタグの脱着が容易で、繰り返し使用することができるようになる。また、接着強度が大で、取り付け後の剥離が困難なものであれば、半永久的に使用が可能となる。本実施形態の可逆性の情報の視認可能な非接触式ICシートは、必要に応じて粘着性もしくは接着性を有する面の上面に型紙等の剥離可能なシートを積層してもよい。
【0093】
また、接着面以外の面を易接着、撥水、撥油、帯電防止等、必要に応じて各種処理を施してもよい。
【0094】
非接触ICタグラベル(D)と可逆性記録媒体(A)とを貼付する粘着剤層の種類や厚さ(塗工層)は、被着体の種類や使用される環境、接着の強度等により種々選択が可能である。一般に用いられる水系もしくは溶剤系の粘着剤を塗工し、乾燥して形成でき、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系等が使用でき、これらの合成高分子粘着剤は、有機溶媒溶液や、ディスパージョンやエマルジョンなどの水に分散された原料を使用可能である。
【0095】
IC回路の凹凸の影響を受けないようにする為、接着層もしくは粘着層は、IC回路側に設ける。
【0096】
保護フィルムは、滑性を持たせるために、可逆性感熱記録の保護層を構成してもよい。また、付加機能として感熱層、可逆性感熱層、インクジェット層、印刷層を設けてもよい。
【0097】
ICタグラベルは、可逆性記録媒体(A)に貼付して使用するため、シート状であることが好ましい。特に、ヘッドの幅方向全幅にラベル加工していることが望ましく、さらに、本件のマグネット(B1)または、粘着性を有したゴム(B2)加工したものでヘッド幅と同等以上であればその長さに限定されることはない。また、搬送に影響なければ、部材の長さがサーマルヘッド長より10%短くてもよく、より好ましくは8%短くてもよく、更に好ましくは6%短くてもよく、もっと好ましくは4%短くても良い。
【0098】
また、アンテナ部とICチップは突起物が存在したり、平滑でなくてもよいが、突起部が無く平滑面であることがより望ましい。また、一般的なアンテナ部とICチッブからなるICタグを金属面に貼り合せて使用すると磁束が金属により遮断されることがあり、十分な起電力を確保できないということもあり、ICタグラベルが高透磁率コアとアンテナコイル、または高透磁率コア、アンテナコイルと導電性金属から構成されているタイプを用いても良い。このようなタイプでは、薄膜化が困難であるが金属面に使用しても十分な起電力を得ることが出来るためシートに用いる利点が大きい。
【0099】
また同じ位置に設けるよりは、コシの異なるシートができ貼り付きが分散できるため、異なる位置に設けることが望ましい。
【0100】
<マグネット部材(B1)付可逆性記録媒体>
本実施形態の可逆性感熱記録媒体に使用されるマグネット部材(B1)は、好ましくは、紙状またはフィルム状のように成形したシート状磁石であり、薄肉(最大で好ましい厚みは5〜0.1mm、厚いと可逆性感熱記録装置の搬送不良になる、薄いとマグネット効果がないものになる)で、折り曲げ(50φ以下の曲げでも回復するレベル、大きいと可逆性感熱記録装置の搬送不良になる)可能な永久磁石が望ましい。強度としては、マグネット同士で破断方向にテンションゲージで引っ張るときの強度T1を測定し、運用時の給紙力T2と比較して小さくなるように磁力を調整する。
【0101】
可逆性感熱記録媒体の全面に張り合わせた場合、可逆性感熱記録装置の給紙部で張り付いて搬送しないが、部分的に張り合わせ部が無いと容易に可逆性感熱記録シートがズレて、給紙しやすくなり、特に、初期動作距離Lより小さい長さに加工すると次のシート(あるいは他の可逆性感熱記録媒体)に影響が無く、容易に分離することができる。
【0102】
特に次の搬送ロールに達するまでの距離以下にマグネットを設けることが、一旦給紙部の給紙コロの動作が完了するので、搬送不良対策に望ましい。また、ヘッドの幅方向全面にラベルとして加工していれば、画像表示エリアが拡大するので望ましい。上記非接触ICタグラベル(D)が貼付されるときには、通信に阻害ないエリア内に設ける。
【0103】
また、同じ位置に設けるよりも異なる位置にあることが望ましく、このように配置すると可逆性感熱記録媒体同士の貼り付きが分散できる。なお本明細書中、マグネットという文言には、記録媒体は含まれておらず、本実施形態の可逆性感熱記録媒体を表示体として用いる場合に、本実施形態の可逆性記録媒体を車体上、壁などに固定するために用いる磁力を用いた位置の固定具を言う。
【0104】
<粘着性を有したゴム部材(B2)(B3)付可逆性記録媒体>
本実施形態の可逆性感熱記録媒体に使用されるゴム部材(B2)(B3)は、シート状に成形したゴムを、粘着材を介して貼付可能なものであり、自在に折り曲げ可能である。強度は、このゴムと可逆性感熱記録表面と剥離しにくく、可逆性感熱記録表面に張り付けた方向にテンションゲージで引っ張るときの最大強度T1が、運用時の給紙力T2と比較して小さくなるように粘着力を調整したゴム部材である。それ以上である場合には、剥離紙を常時セットして運用することにより上記条件を満たすようにするために、剥離紙の確保が必要となる。
【0105】
ゴム部材(B2)(B3)に使用されるゴムとしては、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン‐ブタジエン共重合体、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴムなどの合成ゴム、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、フッ素系などの熱可塑性エラストマーなどを主成分とするゴムを挙げることができる。特に耐候性などを考慮してシリコーンゴムを主成分とするゴムが適している。好ましい厚みの範囲は、5〜0.01mm程度であり、厚いと可逆性感熱記録装置の搬送不良になり、これより薄いと粘着効果がないものになるが、シートとしての強度が100g/cm2程度の強度を保持できるなら薄くても良い。
【0106】
可逆性感熱記録媒体の全面に張り合わせる場合、可逆性感熱記録媒体の書込み/消去装置の給紙部において張り付いて搬送しないが、部分的に張り合わせ部が無いと容易に可逆性感熱記録シートがズレて、給紙しやすくなる。
【0107】
特に可逆性感熱記録媒体の初期動作距離Lより小さい長さに加工したものは次のシートとに影響が無く、容易に分離するので好ましい。すなわち、一旦給紙部の給紙コロの動作が完了し、次の搬送ロールに達するまでの距離以下にゴムを設けることができるため、搬送不良対策に望ましい。また、ヘッドの幅方向全面にラベル加工していることが望ましい。これによって、画像表示エリアが拡大する。
【0108】
上記非接触ICタグラベル(D)が貼付されたときは、それが設けられた周辺か、上部に設ける。
【0109】
強度が比較的弱い素材は、吸盤上に加工し接着剤や粘着剤(C)で可逆性感熱記録シート(A)に貼る。
【0110】
また、同じ位置に設けるよりは、貼付が分散できるため、異なる位置に設けることが望ましい。
【0111】
さらに、ゴム部材以外の、クリップやピンなどの固定具でも良い。
【0112】
上記2つ以上の部材を選択してもよい。
【0113】
<可逆性記録装置>
本実施形態の可逆性記録媒体、または、非接触ICタグ付き可逆性記録媒体を用いて発色画像を形成させるために、例えば前記した第一や第二の可逆性記録媒体を用いた例で説明すると、いったん発色温度以上に加熱したのち急冷するようにすればよい。具体的には、例えばサーマルヘッドやレーザー光を用いて短時間で加熱すると感熱記録層が局部的に加熱した後に、これらの熱供給を停止すると直ちに熱が拡散し急激な冷却が起こり、発色状態として固定できる。
【0114】
一方、消色させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱すればよい。長時間加熱すると可逆性感熱記録媒体の広い範囲で昇温し、その後の冷却は比較的遅くなるため、その過程で消色となる。この場合の加熱方法には、熱ローラー、熱スタンプ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用いて長時間加熱してもよい。
【0115】
また、可逆性感熱記録媒体を消色温度域に加熱するために、サーマルヘッドを用いる場合には、その印加電圧やパルス幅を調節することによって、印加エネルギーを記録時よりやや低めに設定させればよい。この方法を用いれば、サーマルヘッドだけで記録・消去ができ、いわゆるオーバーライトが可能になる。もちろん、熱ローラー、熱スタンプによって消色温度域に加熱して消去することもできる。このような場合のプラテンロールの硬度は10〜80、好ましくは20〜70であることが望ましい。80を越すと、ICチップなどの凸を吸収しなくなり、10未満では、装置の耐久性がなく、印字消去の当たりムラが発生する。
【0116】
本実施形態の非接触ICタグ付き可逆性記録媒体は、可逆性感熱記録部と情報記憶部の両方の記録媒体を設けることにより、情報記憶部に記憶された情報を可逆性感熱記録部に表示したりすることによって、特別な装置がなくても情報を確認することができ、利便性が向上する。その際に用いられる記憶部は非接触IC方式の情報読取/情報書込装置が好ましく用いられる。磁気記録方式は、磁気による書込み/読み出しなどのエラー、その低メモリ性、改ざんしやすさなどの問題があり、接触式IC方式は、接触による接点の劣化の問題等があり、また光メモリは、可とう性の問題があるなど、非接触IC方式が好ましく用いられる。
【0117】
そこで、本実施形態の可逆性記録媒体は、ロール状、シート状に加工され、可逆性記録媒体(A)として、非接触IC回路部(D)を貼付したり、可逆性記録媒体にエッチングなどの2次加工がされる。加工された可逆性記録媒体は、シート状のものであり、これは、入場チケット、冷凍食品用容器、工業製品、各種薬品容器等のステッカーなどに、物流管理用途、製造工程管理、文書管理用途などの情報を含んで表示される媒体として使用され、たとえばA4サイズなどの一般文書サイズに加工されたシート状のものとして広く用いることができる。
【0118】
本実施形態の可逆性記録装置は、上記した機構を、単独で、または2種以上複合して形成されている。本実施形態のマグネット部材(B1)付可逆性記録媒体に使用されるマグネットは、給紙が開始される辺と対向する辺の近傍である搬送の後方位置に設けられており、これによって本実施形態の可逆性記録装置は、シート状の可逆性感熱記録媒体を搬送方向に引っ張って安定した給紙の分離と搬送を行うことができる。
【0119】
なお厚みを有するマグネットでは給紙しにくくなることがあるが、仮にこれが先頭部に位置している場合でもシート状の感熱記録媒体を張架するようにして搬送を効率よくすることができる場合がある。本実施形態の可逆性記録装置はマグネット部材(B1)などの固定手段付可逆性記録媒体をシート状の1枚ごとに分離する場合、上記機構によって前記シート状の記録媒体が張架した状態となるため他のシートと分離しやすくなる。また、ICタグのアンテナの位置が固定できることで、安定して、ICタグとの交信ができる。磁石としては、永久磁石や電磁石で、必要なときに本実施形態のマグネット付き(B1)可逆性記録媒体のマグネットと引き合い、位置が固定化されることによって、交信ミスが防止される。
【0120】
同様に、本実施形態の粘着性を有したゴム(B2)(B3)付可逆性記録媒体に使用されるゴムは、給紙の開始される辺に対して対向する搬送の後方位置に設けられ、シートを張る状態に維持して安定した他の可逆性記録媒体とを給紙段階で分離し、かつ搬送することができる可逆性感熱記録装置である。他の記録媒体との分離は、前記シートが張り付いた状態となるため後方を押える分離装置を設けることによって達成される。分離装置の前記ゴム(B2)(B3)と接触する部位の材質としては、可逆性記録媒体に張り付かないでキズが発生しにくいPTFE(たとえばテフロン(登録商標))などのフッ素系樹脂製のロールがよい。
【0121】
また、搬送を容易にする為、前記ゴム(B2)(B3)部材と接触する当該装置の接触部位をフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂で被膜した可逆性記録装置である。また、印字エリア(可逆性感熱記録媒体の印字領域)が一部に限定されている場合、印字あるいは消去するためのサーマルヘッド、消去ロールなどの熱印加手段は、シート状の可逆性感熱記録媒体の印字部あるいは消去部を自動的にこのシート面と分離(解除)して搬送する機構も有していてもよい。このような機構により搬送時の悪影響を防止することができる。
【0122】
強度T1:マグネットは、マグネット同士の引張強度をテンションゲージで測定した最大値である。
ゴムは、可逆性記録媒体表面に密着した状態での引張強度をテンションゲージで測定した最大値である。
給紙力T2:可逆性記録媒体を引っ張る力をテンションゲージで測定した最大値である。
初期給紙移動距離L:給紙ロールの次にくるロール間距離(図11)である。
【0123】
[実施例]
可逆性記録装置は、PCC社製RSP−1(給紙力T2=1500g、初期移動L=6cm(給紙ロールから次のロールまでの距離L)、三和ニューテック社製RP3100(給紙力T2=900g、初期移動L=4cm)である。
【0124】
[実施例1]
<可逆性記録媒体(A)>
(1)塗布する支持体
125μm厚の白濁ポリエステルフィルム(帝人デュポン社製、テトロンフィルムU2L98W)である。
(2)記録層
−記録層液の調整−
1、顕色剤:下記化学式(1)で表される化合物 3部
【0125】
【化1】
【0126】
2、ジアルキル尿素(日本化成社製、ハクリーンSB) 1部
3、アクリルポリオール50%溶液(三菱レーヨン社製、LR327) 9部
4、メチルエチルケトン 70部
上記組成物を、ボールミルを用いて平均粒径約1μmまでなるように粉砕分散した。
5、2―アニリノ―3―メチル―6ジブチルアミノフルオラン 1部
6、イソシアネート(日本ポリウレタン社製、コロネートHL) 3部
顕色剤を粉砕分散した分散液に上記組成物を加え、良く攪拌し記録層塗布液を調製した。
【0127】
−可逆性記録媒体の作成−
上記組成の記録層塗布液を光熱変換層、隠蔽層が塗布されているフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で2分間乾燥後、60℃24時間キュアーを行って膜厚約10g/m2の記録層を設けた。
【0128】
(3)中間層
−中間層液の調整−
1、アクリルポリオール樹脂50%溶液(三菱レーヨン社製、LR327) 3部
2、酸化亜鉛微粒子30%分散液(住友セメント社製、ZS303) 7部
3、イソシアネート(日本ポリウレタン社製、コロネートHL) 1.5部
4、メチルエチルケトン 7部
上記組成物を加え良く攪拌し中間層塗布液を調整した。
前記記録層塗布済みフィルム上に、中間層塗布液をワイヤーバーで塗布し90℃で1分間乾燥後、60℃で48時間加熱し、膜厚約1μmの塗布膜を作成した。
【0129】
(4)保護層
−保護層液の調整−
1、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製、KAYARADDPHA) 3部
2、ウレタンアクリレートオリゴマー
(根上工業社製、アートレジンUN−3320HA) 3部
3、ジペンタエリスリトールカプロラクトンのアクリル酸エステル
(日本化薬社製、KAYARAD DPCA−120) 3部
4、シリカ(水澤化学工業社製、P−526) 1部
5、光重合開始剤(日本チバガイギー社製、イルガキュア184) 0.5部
6、イソプロピルアルコール 11部
7、滑剤(東レダウ社製 ST102PA) 0.001部
上記組成物を加え良く攪拌して保護層塗布液を作成した。
前記、記録層と中間層の塗布済みフィルム上に、保護層塗布液をワイヤーバーで塗布し加熱乾燥後、80W/cmの紫外線ランプで架橋(硬化)させ、膜厚約4.5μmの塗布膜を作成した。
【0130】
(5)バック層
−バック層液の調整−
保護層液と同様の組成物で作成し、バック層塗布液とした。
前記、記録層と中間層と保護層の塗布済みフィルムの逆面に、バック層塗布液をワイヤーバーで塗布し加熱乾燥後、80W/cmの紫外線ランプで架橋させ、膜厚約9μmの塗布膜を作成し、A4シートに仕上げ加工した。
【0131】
<マグネット(B1)>
強度T1=0.2kg/sq(0.2kg/cm2)(テンションゲージで測定)に調整して三菱化学メディア社製マグネットシートMHS−A4003Dを200mm×60mmサイズ(L(60)≧60)に加工し、日東電工社製アクリル系両面テープNO5601(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側にマグネットを貼り付け、マグネット付き可逆性記録媒体を作成した(図1)。
【0132】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(以下、単に「PCC社製RSP−1」ということがある。)(速度1IPS(=1インチ/s=2.54cm/s))を用いて10枚連続印字消去したが、重送することなく搬送した。50φに曲げても(50φのロールに巻きつけても)運用に影響なかった。
【0133】
[実施例2]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0134】
<マグネット(B1)>
強度T1=0.1kg/sq(テンションゲージで測定)に調整してコクヨ社製マグネットシート(マクー364W)を150mm×60mm(厚み0.5mm)サイズに加工し、日東電工社製アクリル系両面テープNo.500(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側にマグネットを貼り付け、マグネット付き可逆性感熱記録シートを作成した(図1参照)。
【0135】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送することなく搬送した。また50φのロールに巻きつけて50φに曲げても運用には影響なかった。
【0136】
[実施例3]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0137】
<粘着性を有したゴム(B2)>
コクヨ社製ヒッツキシート(ター372T)を50mm×10mm(厚み0.6mm)サイズに加工し、可逆性感熱記録シート表面との強度T1=0.9kg/sq(テンションゲージにて測定)に調整して直接上記可逆性感熱記録シートのバック層面側に貼り付け、粘着性を有したゴム可逆性記録媒体を作成した(図2参照)。
【0138】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送することなく搬送した。また50φに曲げても運用には影響なかった。
【0139】
[実施例4]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0140】
<吸盤ゴム(B3)>
コクヨ社製吸盤F−VBX103Bを利用して加工し、直接上記可逆性記録媒体のバック層面側に貼り付け、粘着性を有したゴム付可逆性記録媒体を作成した。
【0141】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)ののパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送することなく搬送した。また50φに曲げても運用には影響なかった。
【0142】
[実施例5]
実施例1のマグネット付き可逆性記録媒体を使用する。
【0143】
20枚を図1の(a=10,20,30,40,50)×(b=10,20,40,60)の位置に作成した。
【0144】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)ののパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で20枚連続印字消去したが、重送することなく搬送した。また50φに曲げても運用には影響なかった。
【0145】
[実施例6]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0146】
<粘着性を有したゴム(B2)>
東レシリコーン社製RTVゴムをシート状50mm×10mm(厚み0.5mm)サイズに直接上記可逆性記録媒体のバック層面側に貼り付け加工し、可逆性記録媒体表面との強度T1=0.8kg/sq(テンションゲージで測定)に調整して、粘着性を有したゴム付可逆性記録媒体を作成した(図2)。
【0147】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0148】
[実施例7]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0149】
<マグネット(B1)>
強度T1=0.2kg/sq(テンションゲージで測定)に調整して三菱化学メディア社製マグネットシートを210mm×10mmサイズに加工し、日東電工社製アクリル系両面テープNO5601(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側にマグネットを貼り付け、マグネット付可逆性記録媒体を作成した(図3)。
【0150】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送なく搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0151】
さらにマグネットエリア上の印字も可能になった。
【0152】
[実施例8]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0153】
<粘着性を有したゴム(B2)>
東レシリコーン社製RTVゴムをシート状210mm×5mm(厚み0.5mm)サイズに直接上記可逆性記録媒体のバック層面側に貼り付け加工し、可逆性記録媒体表面との破断強度1kg/sq(テンションゲージで測定)に調整して、粘着性を有したゴム付可逆性記録媒体を作成した(図4)。
【0154】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0155】
さらに粘着エリア上の印字も可能になった。
【0156】
[実施例9]
実施例1のマグネット付可逆性記録媒体を使用する。
【0157】
ただし、周辺に同じ厚みのポリエステルシートXを貼り付け、段差を無くした(図5)。
【0158】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0159】
さらにマグネットエリア上の印字も可能になった。
【0160】
[実施例10]
実施例8の周辺に同じ厚みのポリエステルシートXを貼り付けたマグネット付可逆性記録媒体を使用する。
【0161】
ただし、図6(断面)のように3°にエッジ加工したものを貼り付けた(図6)。
【0162】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送なく搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0163】
さらにマグネットエリア上のエッジ周辺も切れ目無く印字も可能になった。
【0164】
[実施例11]
実施例8のゴム付可逆性記録媒体を使用する。
【0165】
ただし、図7(断面)のように接線が85°にエッジ加工したものを加工した(図7)。
【0166】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0167】
さらに粘着エリア上のエッジ周辺も切れ目無く印字も可能になった。
【0168】
[実施例12]
実施例1のマグネット付可逆性記録媒体を使用する。
【0169】
<非接触ICタグラベル(D)>
藤井社製13.56MhzIcodeSLIのカード形状の非接触ICタグを日東電工社製アクリル系両面テープNO500(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側に貼り付け、非接触式ICタグ付可逆性記録媒体を作成した(図8)。
【0170】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0171】
[実施例13]
実施例12のマグネットと非接触ICタグ付き可逆性記録媒体とを使用する。
【0172】
20枚を図1の(c=10,20,30,40,50)×(d=10,20,40,60)の位置に作成した。
【0173】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で20枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0174】
[実施例14]
実施例9のマグネット付可逆性記録媒体を使用する。
【0175】
<非接触ICタグラベル(D)>
藤井社製13.56Mhz IcodeSLIのカード形状の非接触ICタグを日東電工社製アクリル系両面テープNO500(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側に貼り付け、非接触式ICタグ付可逆性記録媒体を作成した(図9)。
【0176】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0177】
さらにマグネットエリア上の印字も可能になった。
【0178】
[実施例15]
実施例8のゴム付可逆性記録媒体を使用する。
【0179】
<非接触ICタグラベル(D)>
日立製作所社製μチップの2×7形状の非接触ICタグを日東電工社製アクリル系両面テープNO500(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側に貼り付け、その上にゴム加工した非接触式ICタグ付可逆性記録媒体を作成した(図10)。
【0180】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できる。給紙力T2=1.5kg(A4)のパナソニックコミュニケーションズ株式会社製RSP−1またはRSP−2(速度1IPS)で10枚連続印字消去したが、重送無く搬送した。50φに曲げても運用には影響なかった。
【0181】
さらにゴムエリア上の印字も可能になった。
【0182】
[実施例16]
実施例1−15のプリンタの給紙部にマグネットを設けて、実施例1のマグネット付可逆性記録媒体の重なり枚数を減少させてマグネットの磁力を弱くして、シートの重送を防止した。従来の押えロールを設けてマグネット付可逆性記録媒体のシートの重なりをはがす機能を持たせる重送を防止する機能では1/25発生したが、本機では0/25で発生しなかった。
【0183】
[実施例17]
実施例1−15のプリンタのICタグ判読するアンテナの横に電磁石を設け、実施例10の非接触ICタグとマグネット付可逆性記録媒体を使用した。アンテナ部に移動したとき、電磁石をONにしてシートを固定して非接触ICタグと交信した。安定した交信が可能になった。
【0184】
[実施例18]
実施例1−15のプリンタの搬送路にフッ素コーティングして、実施例3のゴム付可逆性記録媒体を使用したところ、画像が鮮明に得られた。
【0185】
[実施例19]
実施例1−15のプリンタの給紙部の手前200mmにテフロン(登録商標)加工下20φの形状のロールを設置して、実施例1のマグネット付可逆性記録媒体を使用した。これにより、マグネット付可逆性記録媒体が、給紙して次のシートが張り付いてくるため押えるロールで、シートの重なりをはがす機能を持たせることができ、重送が防止された。
【0186】
[実施例20]
実施例19のプリンタの給紙部(M)の手前200mmにテフロン(登録商標)加工下20φの形状の分離ロール(R)を設置して、シートとの隙間を1mm明け、実施例1のマグネット付可逆性記録媒体を使用した。これにより、マグネット付可逆性記録媒体が、給紙され次のシートが張り付いてくるため分離ロール(R)で、シートの重なりを剥がす機能を持たせて重送を防止した。実施例17に比べ、搬送時における搬送の安定性がよく画像が鮮明であった(図11)。
【0187】
[比較例1]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0188】
<マグネット(B1)>
強度T1=0.1kg/sq(テンションゲージで測定)に調整してコクヨ社製マグネットシート(マクー364W)をA4(厚み0.5mm)サイズに加工し、日東電工社製アクリル系両面テープNO500(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側にマグネットを貼り付け、マグネット付可逆性記録媒体を作成した(図12)。
【0189】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できた。しかしながら、給紙力T2=1.5kg(A4)のPCC社製RSP−1(速度1IPS)で10枚連続で印字・消去を試みた結果、重送により搬送しなかったため印字・消去できなかった。
【0190】
[比較例2]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0191】
<粘着性を有したゴム(B2)>
コクヨ社製ヒッツキシート(ター372T)を210mm×145mm(L(60)≧145でNG条件下)(厚み0.6mm)サイズに加工し、可逆性記録媒体表面との破断強度T1=2kg/sq(テンションゲージで測定)に調整して直接上記可逆性記録媒体のバック層面側に貼り付け、粘着性を有したゴム付可逆性記録媒体を作成した(図12)。
【0192】
これにより、各種コンテナなどに固定でき、容易に剥離できたが、給紙力T2=1.5kg(A4)のPCC社製RSP−1(速度1IPS)で10枚連続印字消去を試みた結果、重送により搬送しなかったため印字・消去できなかった。
【0193】
[比較例3]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0194】
<マグネット(B1)>
破断強度T1=0.5kg/sq(テンションゲージにて測定)に調整してコクヨ社製マグネットシート(マクー364W)を210mm×250mm(L(60)≧250NG)(厚味0.5mm)サイズに加工し、日東電工社製アクリル系両面テープNO500(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側にマグネットを貼り付け、マグネット付可逆性記録媒体を作成した(図13)。
【0195】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できたが、給紙力T2=1.5kg(A4)、初期移動6cmのPCC社製RSP−1(速度1IPS)で10枚連続印字消去を試みた結果、重送により搬送しなかったため消去印字できなかった。
【0196】
[比較例4]
実施例1の可逆性記録媒体を使用する。
【0197】
<マグネット(B1)>
破断強度T1=10kg/sq(テンションゲージにて測定)に調整して NIROKU製作所社製マグネットシート(サマコバ磁石)を210mm×60mm(L(60)≧60)(厚み0.5mm)サイズに加工し、日東電工社製アクリル系両面テープNO500(C)で上記可逆性記録媒体のバック層面側にマグネットを貼り付け、マグネット付可逆性記録媒体を作成した(図13)。
【0198】
これにより、金属製コンテナなどに固定でき、容易に剥離できたが、給紙力T2=1.5kg(A4)、初期移動6cmのPCC社製RSP−1(速度1IPS)で10枚連続印字消去を試みた結果、重送により搬送しなかったため消去印字できなかった。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】本実施形態のマグネット付き可逆性感熱記録(シート状)媒体において固定部材としてマグネットを配置した例を示す平面図と断面図である。
【図2】本実施形態の粘着性ゴム付き可逆性感熱記録媒体(シート状)において固定部材として粘着性ゴムを配置した例を示す平面図と断面図である。
【図3】本実施形態のマグネット付き可逆性感熱記録媒体(シート状)における固定部材としてマグネットを配置した他の例を示す平面図と断面図である。
【図4】本実施形態の粘着性ゴム付き可逆性感熱記録媒体(シート状)における粘着性ゴムの配置の他の例を示す平面図および断面図である。
【図5】本実施形態のマグネット付き可逆性感熱記録媒体(シート状)の段差を無くしたマグネットの配置例を示す断面図である。
【図6】本実施形態のマグネット付き可逆性感熱記録媒体(エッジ加工したシート状)におけるマグネットの配置を示す断面図である。
【図7】本実施形態のゴム付可逆性記録媒体(エッジ加工したシート状)を示す断面図である。
【図8】本実施形態の非接触式ICタグ付可逆性記録媒体の構成例を示す平面図である。
【図9】本実施形態のカード形状の非接触ICタグ付可逆性記録媒体を示す平面図である。
【図10】本実施形態のゴム加工した非接触式ICタグ付可逆性記録媒体の配置を示す平面図である。
【図11】本実施形態のマグネット付可逆性記録媒体を使用した記録媒体の重送の防止搬送を示す断面図である。
【図12】本実施形態のバック層面側にマグネットを貼り付けた可逆性記録媒体の構成を示す平面および断面図である。
【図13】従来例のマグネット付可逆性記録媒体を示す平面および断面図である。
【符号の説明】
【0200】
A 可逆性感熱記録シート
B1 マグネット
B2 ゴム
C 粘着/接着層
D 非接触ICタグタグラベル
L 初期給紙動作距離
M 給紙ロール
R 分離ロール
X ダミーシート
a、b 部材位置距離
c、d 非接触ICタグタグラベル位置距離
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と当該支持体上に可逆性感熱層を少なくとも一部に有する矩形の可逆性感熱記録媒体であって、
給紙力よりも小さい固定力を有する固定部材を、前記可逆性感熱記録媒体の給紙が開始される辺と対向する辺から初期給紙動作距離までの範囲内に設けたことを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
【請求項2】
前記固定部材は、マグネット部材、ゴム部材または吸盤状ゴム部材の少なくとも1つであり、当該部材は固着層を介して前記可逆性感熱記録媒体と一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項3】
前記固着層は接着層であることを特徴とする請求項2に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項4】
前記固定部材が前記マグネット部材、ゴム部材または吸盤状ゴム部材から選択される2以上の場合に、当該2以上から構成される前記固定部材の各部材の設定位置は異なることを特徴とする請求項2または3に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項5】
前記固定部材の長さがサーマルヘッドの長さ以上であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項6】
前記固定部材の端部が鋭角の切り込み部または曲面部であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項7】
さらに非接触ICタグラベルを有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項8】
前記非接触ICタグラベルは前記固定部材と異なる位置に設けることを特徴とする請求項7に記載の可逆性記録媒体。
【請求項9】
前記非接触ICタグラベルは可逆性感熱記録媒体内に配設され、前記固定部材と略同程度の厚みを有することを特徴とする請求項7または8に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項10】
固定部材として少なくともマグネット部材が用いられた請求項1から9のいずれか1項に記載の可逆性記録媒体に使用される印字または消去の少なくとも1つをする印字/消去装置であって、
搬送路に磁力を発生させる磁力発生手段が設けられ、前記磁力発生手段により発生された磁力を前記可逆性感熱記録媒体の重ねた枚数によって調整する磁力調整部を設けていることを特徴とする印字/消去装置。
【請求項11】
非接触ICタグラベルの判読部に前記磁力発生手段が設けられ、前記磁力発生手段は、その固定強度を調整可能とする請求項10に記載の印字/消去装置。
【請求項12】
前記搬送路がゴム材の静摩擦係数より低い材質で設けられていることを特徴とする請求項10または11に記載の印字/消去装置。
【請求項13】
前記搬送路はフッ素系樹脂で被膜されていることを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の印字/消去装置。
【請求項14】
前記可逆性感熱記録媒体が複数枚重なって給紙されるのを防止する前記可逆性感熱記録媒体の分離機構を設けたことを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の印字/消去装置。
【請求項15】
前記分離装置は前記可逆性記録媒体と接しないことを特徴とする請求項14に記載の印字/消去装置。
【請求項1】
支持体と当該支持体上に可逆性感熱層を少なくとも一部に有する矩形の可逆性感熱記録媒体であって、
給紙力よりも小さい固定力を有する固定部材を、前記可逆性感熱記録媒体の給紙が開始される辺と対向する辺から初期給紙動作距離までの範囲内に設けたことを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
【請求項2】
前記固定部材は、マグネット部材、ゴム部材または吸盤状ゴム部材の少なくとも1つであり、当該部材は固着層を介して前記可逆性感熱記録媒体と一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項3】
前記固着層は接着層であることを特徴とする請求項2に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項4】
前記固定部材が前記マグネット部材、ゴム部材または吸盤状ゴム部材から選択される2以上の場合に、当該2以上から構成される前記固定部材の各部材の設定位置は異なることを特徴とする請求項2または3に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項5】
前記固定部材の長さがサーマルヘッドの長さ以上であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項6】
前記固定部材の端部が鋭角の切り込み部または曲面部であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項7】
さらに非接触ICタグラベルを有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項8】
前記非接触ICタグラベルは前記固定部材と異なる位置に設けることを特徴とする請求項7に記載の可逆性記録媒体。
【請求項9】
前記非接触ICタグラベルは可逆性感熱記録媒体内に配設され、前記固定部材と略同程度の厚みを有することを特徴とする請求項7または8に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項10】
固定部材として少なくともマグネット部材が用いられた請求項1から9のいずれか1項に記載の可逆性記録媒体に使用される印字または消去の少なくとも1つをする印字/消去装置であって、
搬送路に磁力を発生させる磁力発生手段が設けられ、前記磁力発生手段により発生された磁力を前記可逆性感熱記録媒体の重ねた枚数によって調整する磁力調整部を設けていることを特徴とする印字/消去装置。
【請求項11】
非接触ICタグラベルの判読部に前記磁力発生手段が設けられ、前記磁力発生手段は、その固定強度を調整可能とする請求項10に記載の印字/消去装置。
【請求項12】
前記搬送路がゴム材の静摩擦係数より低い材質で設けられていることを特徴とする請求項10または11に記載の印字/消去装置。
【請求項13】
前記搬送路はフッ素系樹脂で被膜されていることを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の印字/消去装置。
【請求項14】
前記可逆性感熱記録媒体が複数枚重なって給紙されるのを防止する前記可逆性感熱記録媒体の分離機構を設けたことを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の印字/消去装置。
【請求項15】
前記分離装置は前記可逆性記録媒体と接しないことを特徴とする請求項14に記載の印字/消去装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−68507(P2008−68507A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248734(P2006−248734)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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