説明

合成アジュバントを含むワクチン組成物

実質的に均質な形態で提供される合成のグルコピラノシル脂質アジュバント(GLA)における有用な免疫アジュバント特性の知見に基づき、免疫応答を誘導または増強するためのワクチンおよび医薬組成物を含む、組成物および方法を開示する。化学的に組成が明らかな合成GLAは、天然物アジュバントを損なう汚染物質または活性の変動を生じることなく、ロット間で一致したワクチン成分をもたらす。また、GLAと、1種以上の抗原と、トール様受容体(TLR)アゴニストと、コアジュバントと、製薬用担体のような担体とを含む、ワクチンおよび医薬組成物も提供される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)抗原と、
(b)グルコピラノシル脂質アジュバント(GLA)
とを含む、ワクチン組成物。
【請求項2】
(a)トール様受容体(TLR)アゴニスト、
(b)サポニンまたはサポニン擬似体、
(c)油およびISCOMATRIXTMのうちの少なくとも1つを含む担体、
(d)イミダゾキノリン免疫応答修飾因子、
(e)二重ステムループ免疫修飾因子(dSLIM)、
(f)コアジュバント、および
(g)製薬的に許容される担体
からなる群より選択される少なくとも1つの追加の成分をさらに含む、請求項1に記載のワクチン組成物。
【請求項3】
(i)コアジュバントが存在する場合、これは、alum、植物アルカロイドおよび界面活性剤からなる群より選択され、その際、植物アルカロイドはトマチンから選択され、界面活性剤はサポニン、Polysorbate 80、Span 85およびステアリルチロシンから選択され、
(ii)TLRアゴニストが存在する場合、これは、リポ多糖、ペプチドグリカン、polyl:C、CpG、3M003、フラジェリン、真核リボソーム伸長および開始因子4aのリーシュマニアホモログ(LeIF)、ならびに少なくとも1種のC型肝炎抗原からなる群より選択され、
(iii)イミダゾキノリン免疫応答修飾因子が存在する場合、これは、レシキモド(R848)、イミキモドおよびガルジキモド(gardiquimod)からなる群より選択され、
(iv)コアジュバントが存在する場合、これは、サイトカイン、界面活性剤、およびブロックコポリマーまたは生物分解性ポリマーからなる群より選択され、
(v)製薬的に許容される担体が存在する場合、これは、リン酸カルシウム、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、リポソーム、および微粒子からなる群より選択される担体を含む、
請求項2に記載のワクチン組成物。
【請求項4】
GLAが3'-O-脱アシル化されていない、請求項1に記載のワクチン組成物。
【請求項5】
GLAが、3-アシル化モノホスホリルリピドAの誘導体であり、その際、アミン2位が単一のアシル鎖を含む、請求項1に記載のワクチン組成物。
【請求項6】
GLAが、
(i)非還元末端グルコサミンのヘキソサミン1位と還元末端グルコサミンのヘキソサミン6位との間でエーテル結合により非還元末端グルコサミンに結合した還元末端グルコサミンを有するジグルコサミン骨格と、
(ii)非還元末端グルコサミンのヘキソサミン4位に結合したO-ホスホリル基と、
(iii)6つ以下の脂肪族アシル鎖と、を含み、
その際、脂肪族アシル鎖の1つが、エステル結合により還元末端グルコサミンの3-ヒドロキシに結合し、
脂肪族アシル鎖の1つが、アミド結合により非還元末端グルコサミンの2-アミノに結合し、かつエステル結合により13炭素原子以上のアルカノイル鎖に結合したテトラデカノイル鎖を含み、
脂肪族アシル鎖の1つが、エステル結合により非還元末端グルコサミンの3-ヒドロキシに結合し、かつエステル結合により13炭素原子以上のアルカノイル鎖に結合したテトラデカノイル鎖を含む、請求項1に記載のワクチン組成物。
【請求項7】
GLAが、下記式:
【化1】

[式中、R1、R3、R5およびR6はC11-C20アルキルであり;R2およびR4はC12-C20アルキルである]
を有する、請求項1に記載のワクチン組成物。
【請求項8】
抗原が、少なくとも1種のポリペプチド抗原、または少なくとも1種のポリペプチド抗原をコードする核酸配列に機能的に結合したプロモーターを含む少なくとも1種の組換え発現構築物を含む、請求項1に記載のワクチン組成物。
【請求項9】
抗原が、(i)感染症に関連する少なくとも1種の感染病原体、(ii)癌に関連する少なくとも1種のエピトープ、生体分子、細胞もしくは組織、または(iii)自己免疫疾患に関連する少なくとも1種のエピトープ、生体分子、細胞もしくは組織に由来する、またはこれと免疫学的に交差反応性である、請求項1に記載のワクチン組成物。
【請求項10】
被験者において所望の抗原特異的免疫応答を誘導または増強する方法であって、この方法は、(a)抗原と、(b)グルコピラノシル脂質アジュバント(GLA)とを含む組成物を上記被験者に投与し、その際、上記抗原が、(i)感染症に関連する少なくとも1種の感染病原体、(ii)癌に関連する少なくとも1種のエピトープ、生体分子、細胞もしくは組織、または(iii)自己免疫疾患に関連する少なくとも1種のエピトープ、生体分子、細胞もしくは組織に由来する、またはこれと免疫学的に交差反応性であり、これによって所望の抗原特異的免疫応答を誘導または増強することを含む、上記方法。
【請求項11】
前記組成物が、
(a)トール様受容体(TLR)アゴニスト、
(b)サポニンまたはサポニン擬似体、
(c)油およびISCOMATRIXTMのうちの少なくとも1つを含む担体、
(d)イミダゾキノリン免疫応答修飾因子、
(e)二重ステムループ免疫修飾因子(dSLIM)、
(f)コアジュバント、および
(g)製薬的に許容される担体
からなる群より選択される少なくとも1つの追加の成分をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
(i)コアジュバントが存在する場合、これは、alum、植物アルカロイドおよび界面活性剤からなる群より選択され、その際、植物アルカロイドはトマチンから選択され、界面活性剤はサポニン、Polysorbate 80、Span 85およびステアリルチロシンから選択され、
(ii)TLRアゴニストが存在する場合、これは、リポ多糖、ペプチドグリカン、polyl:C、CpG、3M003、フラジェリン、真核リボソーム伸長および開始因子4aのリーシュマニアホモログ(LeIF)、ならびに少なくとも1種のC型肝炎抗原からなる群より選択され、
(iii)イミダゾキノリン免疫応答修飾因子が存在する場合、これは、レシキモド(R848)、イミキモドおよびガルジキモド(gardiquimod)からなる群より選択され、
(iv)コアジュバントが存在する場合、これは、サイトカイン、界面活性剤、およびブロックコポリマーまたは生物分解性ポリマーからなる群より選択され、
(v)製薬的に許容される担体が存在する場合、これは、リン酸カルシウム、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、リポソーム、および微粒子からなる群より選択される担体を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
GLAが3'-O-脱アシル化されていない、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
GLAが、3-アシル化モノホスホリルリピドAの誘導体であり、その際、アミン2位が単一のアシル鎖を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
GLAが、
(i)非還元末端グルコサミンのヘキソサミン1位と還元末端グルコサミンのヘキソサミン6位との間でエーテル結合により非還元末端グルコサミンに結合した還元末端グルコサミンを有するジグルコサミン骨格と、
(ii)非還元末端グルコサミンのヘキソサミン4位に結合したO-ホスホリル基と、
(iii)6つ以下の脂肪族アシル鎖と、を含み、
その際、脂肪族アシル鎖の1つが、エステル結合により還元末端グルコサミンの3-ヒドロキシに結合し、
脂肪族アシル鎖の1つが、アミド結合により非還元末端グルコサミンの2-アミノに結合し、かつエステル結合により13炭素原子以上のアルカノイル鎖に結合したテトラデカノイル鎖を含み、
脂肪族アシル鎖の1つが、エステル結合により非還元末端グルコサミンの3-ヒドロキシに結合し、かつエステル結合により13炭素原子以上のアルカノイル鎖に結合したテトラデカノイル鎖を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
GLAが、下記式:
【化2】

[式中、R1、R3、R5およびR6はC11-C20アルキルであり;R2およびR4はC12-C20アルキルである]
を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
抗原が、少なくとも1種のポリペプチド抗原、またはポリペプチド抗原をコードする核酸配列に機能的に結合したプロモーターを含む少なくとも1種の組換え発現構築物を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
抗原が、(i)感染症に関連する少なくとも1種の感染病原体、(ii)癌に関連する少なくとも1種のエピトープ、生体分子、細胞もしくは組織、または(iii)自己免疫疾患に関連する少なくとも1種のエピトープ、生体分子、細胞もしくは組織に由来する、またはこれと免疫学的に交差反応性である、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
免疫応答を誘導または増強するための医薬組成物であって、
(a)グルコピラノシル脂質アジュバント(GLA)と、
(b)製薬的に許容される担体または賦形剤
とを含む、上記組成物。
【請求項20】
前記組成物が、
(a)トール様受容体(TLR)アゴニスト、
(b)サポニン、
(c)油およびISCOMATRIXTMのうちの少なくとも1つを含む担体、
(d)イミダゾキノリン免疫応答修飾因子、
(e)二重ステムループ免疫修飾因子(dSLIM)、
(f)コアジュバント、および
(g)製薬的に許容される担体
からなる群より選択される少なくとも1つの追加の成分をさらに含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
(i)コアジュバントが存在する場合、これは、alum、植物アルカロイドおよび界面活性剤からなる群より選択され、その際、植物アルカロイドはトマチンから選択され、界面活性剤はサポニン、Polysorbate 80、Span 85およびステアリルチロシンから選択され、
(ii)TLRアゴニストが存在する場合、これは、リポ多糖、ペプチドグリカン、polyl:C、CpG、3M003、フラジェリン、真核リボソーム伸長および開始因子4aのリーシュマニアホモログ(LeIF)、ならびに少なくとも1種のC型肝炎抗原からなる群より選択され、
(iii)イミダゾキノリン免疫応答修飾因子が存在する場合、これは、レシキモド(R848)、イミキモドおよびガルジキモド(gardiquimod)からなる群より選択され、
(iv)コアジュバントが存在する場合、これは、サイトカイン、界面活性剤、およびブロックコポリマーまたは生物分解性ポリマーからなる群より選択され、
(v)製薬的に許容される担体が存在する場合、これは、リン酸カルシウム、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、リポソーム、および微粒子からなる群より選択される担体を含む、
請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
GLAが、
(i)非還元末端グルコサミンのヘキソサミン1位と還元末端グルコサミンのヘキソサミン6位との間でエーテル結合により非還元末端グルコサミンに結合した還元末端グルコサミンを有するジグルコサミン骨格と、
(ii)非還元末端グルコサミンのヘキソサミン4位に結合したO-ホスホリル基と、
(iii)6つ以下の脂肪族アシル鎖と、を含み、
その際、脂肪族アシル鎖の1つが、エステル結合により還元末端グルコサミンの3-ヒドロキシに結合し、
脂肪族アシル鎖の1つが、アミド結合により非還元末端グルコサミンの2-アミノに結合し、かつエステル結合により13炭素原子以上のアルカノイル鎖に結合したテトラデカノイル鎖を含み、
脂肪族アシル鎖の1つが、エステル結合により非還元末端グルコサミンの3-ヒドロキシに結合し、かつエステル結合により13炭素原子以上のアルカノイル鎖に結合したテトラデカノイル鎖を含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項23】
GLAが、下記式:
【化3】

[式中、R1、R3、R5およびR6はC11-C20アルキルであり;R2およびR4はC12-C20アルキルである]、
【化4】

[式中、R1、R3、R5およびR6はC11-C20アルキルであり;R2およびR4はC12-C20アルキルである]
を有する、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項24】
請求項19に記載の医薬組成物を投与することを含む、被験者において非特異的免疫応答を刺激する方法。
【請求項25】
(a)グルコピラノシル脂質アジュバント(GLA)、および製薬的に許容される担体または賦形剤を含む組成物と、
(b)第2の容器中の抗原
とを含むキットであって、上記免疫学的組成物が上記抗原と接触していない、上記キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−504914(P2010−504914A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529280(P2009−529280)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/021017
【国際公開番号】WO2008/153541
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(509082352)インフェクティアス ディジーズ リサーチ インスティチュート (2)
【Fターム(参考)】