説明

合成樹脂製フタ付きハンガーの構造及び溶着方法

【課題】 合成樹脂製フタ付ハンガーの耐荷重強化とネジレに対する強度を高める構造と、本体上ブタと下ブタの結合を強固にする溶着方法を提供することである。
【解決手段】従来適用されている嵌合用リブセットでの結合の他に、組合せ用クロスリブセットを設置して、それらの組合せ用クロスリブセットを組合せる。さらに、その組合せリブセットの位置を下ブタの高周波溶着位置きめ部にて高周波溶着を施す。この方法により、ハンガー本体の上ブタと下ブタの結合が強化され、耐荷重と耐ネジレ強度を増大することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
合成樹脂製衣料用ハンガーの構造と溶着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂製衣料用ハンガーにおいて、耐荷重を高め、ネジレに対しさらに強く、その上、軽量化を図りつつ、嵌合強度や本体同志の溶着力を高めるための方法が模索されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フタ付ハンガーは衣類の形状を保持し易く,また、軽量化により単価を軽減するために開発されたものである。しかしながら,耐荷重やネジレに対する強度、さらに本体の結合強度等に関して問題点が多々ある。それらの問題点を一挙に解決できるような生産方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ハンガー本体上ブタ1、下ブタ4に嵌合用のリブセット2,5の他、補強用の組合せ用のクロスリブセット3、6を設置する。
【0005】
組合せ用クロスリブセット3、6の結合によりハンガー本体上ブタ1と下ブタ4の結合を強化する.
【0006】
組合せ用クロスリブセット3,6の位置を高周波溶着で溶着してハンガー本体上ブタ1と下ブタ4の結合をさらに固定化する。
【0007】
組合せ用リブセット3,6の結合により強化されたハンガー本体上ブタ1と下ブタ4は、通常の嵌合用リブセット2、5のみでの結合よりハンガー本体上ブタ1と下ブタ4の密着度を高める効果を得られる.
【発明の効果】
【0008】
ハンガー本体上ブタと下ブタに設けられた、組合せ用クロスリブ3と組合せ用クロスリブ受け6を高周波溶着することにより、結合強度が従来の結合方法に較べ格段高められる。
【0009】
組合せ用クロスリブ3と組合せ用クロスリブ受け6との高周波溶着による結合により、ネジレに対する強度、耐荷重が大幅に増大できる。
【実施例】
【0010】
図1及び図2で示されるように、フタ付ハンガーのハンガー本体上ブタ1、ハンガー本体下ブタ4に複数の嵌合用リブ2、及びそれらを受ける嵌合用リブ受け5を設ける。
【0011】
更に、図3及び図4で確認できる通り、設置された嵌合用リブセット2、5の他に、複数の組合せ用クロスリブ3と、組合せ用リブ受け6を設置する。
【0012】
図5のように、組合せ用クロスリブセット3、6を嵌合用リブセット2、5と同様に隙間無く組合せる。このことにより、従来の単純な嵌合用リブセット2、5のみの組合せより格段に結合強度が高まる。
【0013】
図6が示す通り、ハンガー本体下ブタ4の高周波溶着位置きめ部8の位置が確認された後、同位置にて高周波溶着を施し、ハンガー本体上ブタ1、下ブタ4を固定する。
【0014】
図6で判別できる通り、高周波溶着が施される場所は、組合せ用クロスリブセット3、6が設置されている箇所である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ハンガー本体上ブタ1の形状と嵌合用リブ2の設置を示す側面図である。
【図2】ハンガー本体下ブタ4の形状と嵌合用リブ受け5の設置を示す側面図である。
【図3】ハンガー本体上ブタ16を下方向から見た図で、組合せ用クロスリブ3の設置とその形状を示す図である。
【図4】ハンガー本体下ブタ4を上方向から見た図で、組合せ用クロスリブ受け6の設置とその形状を示す図である。
【図5】ハンガー本体袖部内部で組合せ用クロスリブセット3,6がどのように組み合わさっているかを示す状態を側面から見た図である。
【図6】ハンガー本体袖部を下方向から見た図で、高周波溶着位置きめ部8と組合せ用クロスリブセット3,6が正面内部でどのように組み合わさっているがを示す図である。
【符号の簡単な説明】
【0016】
1.ハンガー本体上ブタ 5.嵌合用リブ受け
2.嵌合用リブ 6.組合せ用クロスリブ受け
3.組合せ用クロスリブ 7.フック挿入部
4.ハンガー本体下ブタ 8.高周波溶着位置きめ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体が上下に分割された部材で構成される曲線を持つ、合成樹脂製衣料用ハンガーにおいて、ハンガー上ブタ、本体下ブタの内部に複数の嵌合用リブとそれらのリブを受ける嵌合用リブ受けを設置して、それらを嵌合させ一体化し固定する機構を持たせる。 また、そのハンガー上ブタと下ブタの一体化を強固にするため前記のリブ及びリブ受けの他に、複数のクロスリブとその受け部を設ける。嵌合されたハンガー本体上ブタと下ブタをクロスリブ設置部のハンガー本体下ブタに設けられた高周波溶着位置決め箇所で高周波溶着をすることにより完全に分割されていたハンガー本体を一体化することが出来る。高周波溶着と従来の嵌合工法に加え、クロスリブによる組合せ方式を使用して固定するためハンガー本体上ブタと下ブタの結合が強固になり、ハンガー本体の肉厚を薄くすることが出来るため軽く機能性に富み、上下に対する耐荷重を増大し、その上ネジレに対して強固な構造を有する合成樹脂製衣料用ハンガーを製産するための構造と結合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−215968(P2007−215968A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−69943(P2006−69943)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(593209057)
【Fターム(参考)】