説明

同期のために無線ネットワークを使用してメールサーバに接続し及びローカルリンクを使用してPCに接続することが可能なハンドヘルド装置

携帯電話又はPDA等のハンドヘルド装置。データサーバ及びクライアントサーバならびに携帯電話の音声メッセージ処理を含む。サーバは、IR、短距離無線、シリアルバス、又はEthernetを介してローカルコンピューティングシステムとTCP/IPスタックを通して通信する。データクライアントはインターネットへの音声ネットワーク又は無線を介して又はTCP/IPスタック及びワイドエリアネットワークを介してリモートサーバと通信する。予備のネットワーク帯域幅を情報の転送に使用する。該情報は、受信され後の参照に備えて格納され最終的にローカルコンピュータへ転送される電子メールとすることが可能。状態は、利用可能な記憶装置及びメッセージのサイズを知ることを含む。大きすぎるメッセージは後に取り出すよう記される。オンボードメモリは、RAM、ROM、及びローカルコンピューティングシステムで物理的に動作可能なリムーバブルモジュールを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドヘルド装置をモバイルメッセージング端末システムとして使用するためのシステム及び方法に関し、特に、ハンドヘルドプラットフォーム上に存在する多数の異なるメッセージタイプ及び機能を組み込んだメッセージングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、これと同一の名称、発明者、及び所有者の仮出願に関するものであり、その優先権を主張したものである。該仮出願は、2003年7月14日に出願され、出願番号が60/486,991号である。
【0003】
電子メール及びその他の情報のためにセルラー(音声)ネットワーク及びインターネットに様々な態様で接続される、ハンドヘルドパーソナルアシスタント(PDA)、携帯電話、モバイルラップトップ、及び固定型コンピュータハードウェアの使用が爆発的に増大している。セルラーネットワークは、アナログ式及びディジタル式を含み、ディジタル式は、多数の異なる形式及びプロトコルを含む。
【0004】
ディジタルセルラーネットワークの場合、より普及しているシステム及びプロトコルは、TDMA(時分割多元接続)、GSM(Global System for Mobile−TDMAシステム)、CDMA(符号分割多元接続)、及びその他の発展中のものを含む。当業界で周知のアナログ及びディジタルモバイル通信システムは、多数の刊行物に記載されている。基礎を説明した最近の書籍の1つが、William C.Y.Lee著の「Mobile Cellular Telecommunications」(特に第14〜17章、1995年McGraw-Hill,Inc.出版)である。
【0005】
既知の携帯電話装置は一般に、ディスプレイ、キーボード、バッテリー、計算プロセッサ、無線通信、I/O(入出力)接続、ソフトウェアオペレーティングシステム、I/Oドライバ、及び異なるプロトコルにより構成されたデータから情報を抽出するためのアプリケーションを有する。典型的には、I/Oは、ラップトップ又はパーソナルコンピュータシステムへのハードウェアシリアルポート接続を含む。
【0006】
例えば、Loughran等(Loughran)の米国特許出願第US2002/0129107 A1は、かかる一構成を説明している。この場合、GSM装置として構成された携帯電話がノートブックコンピュータに接続される。サーバは、セルラーネットワークを介して携帯電話へメッセージを送り、これにより電子メールが待機中であることを(ノートブックコンピュータの)ユーザに知らせる。携帯電話は、ノートブックの電源を投入することが可能であり、電子メールがダウンロードされる。ノートブックに対する携帯電話の接続は無線式とすることが可能であり、電子メールはソフトウェアアップグレードとすることが可能である。かかる場合、携帯電話は、必要となり得る様々なプロトコルで動作することが可能なものである。該携帯電話は、通知メッセージ(通常はGSM規格下のSMS(Short Message System))によって知らされることになる。
【0007】
しかし、Loughranの公報では、携帯電話は、常にノートブックコンピュータに取り付けられてその機能的な一部をなし、無線モデムI/O装置として作用する。その何れも、バッテリー電源の使用に基づくものである。
【0008】
もう1つの最近の例であるLarikka等(Larikka)の米国特許出願第US2003/0045311 A1は、シリアル接続、IR、USB、又はBluetoothを介してパーソナルサーバ(コンピュータ)に永久的に接続される携帯電話について同様に説明している。この場合も、携帯電話は、モバイルネットワーク、セルラーネットワーク、及びパーソナルサーバ間のモデムI/O接続として作用している。ゲートウェイを介してモバイルネットワークに接続されたインターネットにわたるリモートサーバが存在する。Larikkaは、該システムを主に同期メッセージを送るために使用している。
【0009】
Loughranのシステムの場合のように、携帯電話は、ノートブック又はパーソナルサーバへのI/O装置として作用し、その両者は電源が投入された状態となる。
【0010】
上記の特許公報の何れの場合も、携帯電話はノートブック又はパーソナルサーバに接続され、それらコンピュータは何れも該携帯電話から電子メール又はデータをダウンロードするために接続され電源が投入されていなければならない。ラップトップのバッテリー電源は、常にオンになっており、枯渇しつつある。また、電話がラップトップに接続されていなければならないため、電話をラップトップから離れた位置に自由に移動させることができない。ラップトップは、持ち運ぶことはできるが、非常に重いものであり、シャツのポケットに入れて持ち運べる携帯電話と比較して可搬性及び便利さに劣るものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
当該分野における上述の引用例その他は、本発明のハンドヘルドメッセージングシステムの利点を実現したものではなく、本発明のハンドヘルドメッセージングシステムは、メッセージ、データ、及びその他のかかる情報のための、独立した、顕著に小さく、電力効率の良い、クライアント及びサーバとして動作させることができるものである。従来の発明は、特に大量のメモリが次第に安価で小型になっていく際に、本発明の多次元の性能を有さないものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の背景技術に鑑み、本発明は、電子メール又はデータサーバ及び/又は電子メール又はデータクライアントをボイスシステムと共に提供する容易に持ち運べる携帯電話サイズのハンドヘルド装置を提供するものである。ここで、「情報」はそれ単独では、特に区別しない限り、電子メール、データ、若しくはボイス情報、又はそれらの組み合わせを含むものと定義する。また、データは、特に定義しない限り、アプリケーション、テキスト、コードリスト、若しくはデータベース、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも何れかを指すものとする。
【0013】
電子メール又はデータ情報は、セルラーネットワークを介して受信されてハンドヘルド装置内に格納される。電子メール又はデータの存在は、携帯電話のディスプレイ上で監視することが可能である。ユーザは、ハンドヘルド装置を用いてメッセージの返信その他の操作を直接行うことが可能である。格納されている応答をトリガし、又は情報を削除することが可能である。キーパッドを使用して応答を作成することも可能である。応答は、リモートサーバに対するもの又はローカルコンピューティングシステムに対するものとすることが可能である。都合が良い場合には、ユーザは、無線又は優先接続を介してローカルコンピュータへ電子メール又はデータをダウンロードすることが可能である。
【0014】
インターネットへの通信リンク又はローカルコンピューティングシステムへの伝送リンクを介したクライアントとサーバとの間のハンドシェーキング(コマンドの双方向通信:情報を送信する準備が整ったこと、情報を送信したこと、情報を受信したこと、情報を格納したこと、送信のためのコマンド、エラーメッセージ、及び受信確認応答を知らせるもの)は、使用されるプロトコルの機能である。かかる事項は当業界で周知のことである。更に、これらのプロトコルと共に一般に使用される暗号化を本発明に有利に使用することが可能であり、また標準的なソフトウェアモジュールをモバイルメッセージング端末(MMT)にインストールしてかかる保護を必要に応じて達成することが可能である(かかる技術及びかかるモジュールの使用もまた当業界で周知のものである)。
【0015】
以下の詳細な説明は、例示的な実施形態、図面、及び使用方法に関して進めるが、本発明は、それら実施形態及び使用方法に限定することを意図したものではない、ということが当業者には理解されよう。本発明は、広範なものであり、特許請求の範囲に規定されたものとしてのみ画定されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、当業界で周知のようにインターネット130を介して通信する(120)電子メールサーバ110を示している。通信120は、電子メールプロトコルを実行する複数のインターネットサービスプロバイダ(ISP)のうちの1つを介した有線接続を介したものとすることが可能である。通信120はまた、当業界で周知の無線リンクを介したもの(例えばホットスポットにおけるWiFi又は標準的なプロトコルであるGSM,3G,CDMA,TDMAのうちの1つを実行するセルラーネットワークを介したもの)とすることが可能である。
【0017】
インターネット130は、無線リンク140(WiFi式接続とすることも可能)を介して本発明のハンドヘルド装置150によりアクセスされる。該ハンドヘルド装置150は通信リンク160を介してラップトップコンピュータ170と通信する。このリンク160は、ユニバーサルシリアルバス(USB)、Ethernet、赤外線(IR)、及び/又は短距離無線Bluetooth(R)とすることが可能である。シリアルバスとして作用するUSB通信装置クラス(CDC)の抽象制御モデル(ACM:Abstract Control Model)又はEthernet制御モデル(ECM:Ethernet Control Model)は、好適な選択肢であると共に当業界で周知のものである。デバイスドライバ(様々な装置及び通信ポートを作動させるソフトウェア)は、好適な実施形態では、必要とされるあらゆるプロトコル変換を実行し、すなわち、メッセージに対するフレームの追加やフレームデータの除去等を実行する。
【0018】
また、リンク140は、後述するように、2ステージ構成とすることが可能であり、この場合には、ハンドヘルド装置は、インターネットをセルラーネットワークに接続するインターネットアクセス装置へ、該セルラーネットワークを介して通信する。かかる構成及び装置は、当業界で既知のものである。
【0019】
図2は、ハンドヘルド装置150上に存在するソフトウェア構成要素を示している。ワイドエリアネットワーク(WAN)230は、好ましくはディジタルボイスセルラーネットワークと通信することが意図されたリンク220と共に示されている。この構成では、セルラーネットワーク上の受信器及びプロトコル変換器247は、既知の技術を介して、インターネットに応答し、及びインターネットに対してインタフェイス接続140を提供することになる。該受信器は、ハンドヘルド装置150との間、及びインターネットとの間でやりとりされるデータの再フォーマットを行うことになる。ハンドヘルド装置150は、この場合もやはり、当業界で周知のように、一般的なTCP/IPフォーマットのデータストリームを受容するよう構成することが可能であり、またはFTPその他のフォーマットに適応させることも可能である。
【0020】
図2におけるスタック構成242,244は、インターネット上での情報交換を記述するために使用される周知のプロトコル層構造を示している。周知の7階層モデル(この場合には5階層モデル)では、その各層は、隣接する層のフォーマットを理解することしか必要としない。このため、周知のEudra、Outlook、又はGroupwiseシステムを含むことが可能な電子メールアプリケーションは、物理的な接続性を考慮することはなく、それはより下層が担うことである。各層は、より下層へとメッセージを送る際にフレーム化(framing)又はカプセル化(encapsulation)を加え、各層に上がってくるメッセージからそれを除去する。カプセル化されたデータは典型的には妨げられることがない。TCP/IP235,275は、アプリケーション層の電子メールクライアント242及び電子メールサーバ260との間のインタフェイスをそれぞれ行う。IP(データグラム層)235,275は、TCPとデバイスドライバ層との間でデータを変換し、この場合も、カプセル化及びカプセル化の解除を行う。デバイスドライバは、実際のハードウェア(無線、USB、Ethernetその他)を物理的に駆動する。
【0021】
更に図2を参照する。電子メールフォワードクライアント240及び電子メールローカルサーバ260が存在することに留意されたい。ハンドヘルド装置はサーバ及びクライアント機能の両方を提供する。
【0022】
電子メールクライアント240は、WANと直接通信して(245)、WAN接続のステータス及び利用可能性を監視することが可能である。これは、該接続がアクティブであり又はダイアルを必要とする場合等である。電子メールクライアント240は、電子メールサーバ10に接続して新しい電子メールメッセージについて該サーバに尋ね又は問い合わせるようにプログラムすることが可能である。次いで該クライアント240は、電子メールメッセージを送信するようサーバに命令することが可能であり、該電子メールメッセージがWANを介して受信されてハンドヘルド装置内に格納される(250)。SMTPサーバ、IMAPサーバ、sendmailサーバ、POP3(Post Office Protocol version 3)サーバその他の、かかる転送を取り扱うための既知の「ポリシー」が存在する。次いで、ハンドヘルド装置255内に格納されている送信対象の電子メールがWANを介してインターネット120上の受信者へ送信することが可能となる。該送信が完了すると、その記憶空間に他のメッセージは存在しない。典型的な1つの構成は、SMTPを実行するIPアドレスを有するTCPメッセージとして電子メールを構成することである。このプロトコルは、メッセージが正しく受信されたことの応答が送信されるまでサーバにメッセージコピーを保持する。しかし、当業界で周知のように、FTP(ファイル転送プロトコル)等の他の転送プロトコルを使用することも可能である。
【0023】
更に図2を参照する。ローカルサーバ260は、PCに対して従来の電子メールサーバとして見えるように設定される。メッセージは、POP3等の標準的なプロトコルを使用してPCへダウンロードされ、SMTP等の標準的なプロトコルを使用してPCへアップロードされる。
【0024】
電子メールフォワードクライアントは、TCP/IPスタック235を使用して、この実施形態の場合には、WAN230を介してインターネット130と通信する。勿論、他のプロトコルが開発されているため、それらを本発明と共に有利に使用することも可能である。
【0025】
電子メールクライアント及び後述する電子メールサーバ260は、通常はハンドヘルド装置のオペレーティングシステムを介してバッテリーレベルを監視して、正しい送受信が達成できることを確実にする。バッテリーレベルが不足している場合には、通常は電子メールは送受信されず、ユーザはバッテリーを充電するよう警告されることになる。
【0026】
更に図2を参照する。ローカル電子メールサーバ260は、格納されている受信電子メールメッセージ250及び送信電子メールメッセージ255の両者にアクセスすることができる。ローカル電子メールブラウザ270によって、及び相互接続290を介しローカルPC接続280を介してラップトップにより設定されたTCP/IPスタック275内の情報によって決定されるように、ローカル電子メールサーバ260は、a) ローカルブラウザ270が受信電子メールメッセージ250及び送信電子メールメッセージ255の状態を調べることを可能にし、b) 受信電子メールをダウンロードし、及び必要に応じて記憶装置250から削除して、c) 電子メールメッセージを記憶装置250及び/又は記憶装置260からローカルフォルダ258の記憶領域へと転送し(この転送機構はローカルブラウザ270内に存在することが可能である)、d) 該ローカルブラウザから受信したメッセージ(これらメッセージはハンドヘルド装置のI/O上でユーザにより生成されたものである) を受信し、及びe) インターネットへ送信するための電子メールメッセージをローカルPCから受信するものとなる。これらの送信メッセージは、例えば、SMTP、POP3、IMAPといったあらゆるプロトコルで構成することが可能である。
【0027】
図3は、ブロック210内のオペレーティングソフトウェアへの論理的な接続を示す典型的なI/Oハードウェアを示している。同図は、全5層プロトコルを示しており、TCP/IP層が2層としてカウントされている。この場合、RF及びアンテナ225及びローカル相互接続ハードウェア282が第5層を形成している。更に、好適には、LCDディスプレイ272、キーパッドその他の既知の入力装置273、及びローカルPCへの物理接続282が存在する。前に示唆したようなこの接続は、有線USB、Ethernet、UART、若しくはその他のシリアル式の接続、又は無線IR若しくはその他の短距離無線とすることが可能である。
【0028】
図4Aを参照する。CPU300は、全てのメッセージの作成、送信、受信その他を含む、ハンドヘルド装置のための計算及び論理を実行する。バッテリー320は、全てのハードウェアモジュールに電力を供給する(380)。バッテリー形式は、携帯電話/PDAその他に関する当業界で周知のものである。図示するような主なハードウェアモジュール間における制御、データ、及びアドレス指定のための共通接続310が存在する。それらモジュールは、ディスプレイ272、キーパッド273、ローカルPCへの接続370、RAM350、ROM360、不揮発性記憶装置340、及びWAN接続のための物理的なRF/アンテナ330を含む。キャッシュ及び割り込みレジスタスタック等のかかる装置で一般的な他のハードウェアモジュールを当業界で周知のように有利に使用することも可能である。
【0029】
通信を制御するコンピュータは、好適な一実施形態では、情報を通信するために利用可能となったときに利用することを基礎として(on an as available basis)、予備の、又は未使用の、それ故利用可能なネットワーク帯域幅を使用するものとなる。
【0030】
記憶装置340はリムーバブル記憶装置とすることが可能であり、これにより、記憶装置自体を取り外してPCその他のコンピュータへ持っていき、データ又は電子メールをダウンロードすることが可能となる。更に、リムーバブル記憶装置に、遠隔場所を宛先とした更新されたソフトウェア、電子メール、及びデータを遠隔地でロードし、これをハンドヘルド装置内に戻し、該ハンドヘルド装置上でユーザの決定に応じて前記電子メールを送信し及び前記データを使用することが可能である。
【0031】
記憶装置340,350,360に使用される記憶装置は、一般に利用可能なあらゆるタイプのものとすることが可能であるが、フラッシュメモリが明らかな選択肢であることは確実である。これは、フラッシュメモリが、バッテリーによるバックアップを必要としないからである。より高記録密度(denser)ROM、RAM、又はその他の揮発性及び不揮発性記憶装置が開発された際にそれらを使用することも可能である。更に、図4に示す従来のモジュールの一部を組み合わせたチップが利用可能となった際に、かかるチップをハンドヘルド装置の設計に組み込むことが可能である。
【0032】
更に、本発明は、典型的な携帯電話の音声能力を含む。かかる能力332は、周知のものであり、本書では簡単にしか説明しないこととする。オーディオはRF330から抽出される。音声システムはモバイルメッセージング端子(MMT)とは別個に構成することが可能であるが、好適な実施形態ではMMTが携帯電話内に埋め込まれる。この場合、携帯電話コントローラ333は、CPU300をMMTと共有することになり、ハンドセット、スピーカ、及びマイクロフォン334は、図示のように、バス310から又はコントローラ333から引き出すことが可能である。
【0033】
ディスプレイ272及びキーパッド273は、携帯電話コントローラ333又はバス310から直接に(336)音声機能を機能させることが可能である。パーソナルデータアクセサリ(PDA)の機能のような追加機能が携帯電話内に埋め込まれている場合には、MMTは、スタンドアロンで、又は何れかの機能に埋め込まれた形で、利用することが可能である。例えば、MMT内に格納されている電子メール又はデータの状態をディスプレイ上で見ることが可能であり、以前に格納された応答をキー入力してトリガし、キーパッドを使用して何れかの応答を編集し次いで送信することが可能である。これらの応答は、インターネットを介したリモートサーバに対するもの、又はUSBを介したローカルコンピューティングシステムに対するものとすることが可能である。かかる実施は当業界で周知のものである。
【0034】
図4Bは、本発明の好適な一実施形態のより詳細なハードウェア/ソフトウェアブロック図を示している。図示の携帯電話MMT装置400は、TCP/IP層403上の電子メールアプリケーションを介して対応するTCP/IPスタック405上の電子メールサーバ5280へと、ラップトップ又はノートブックPC420と通信する。周知のように、PC内のメッセージ経路は、USBコントローラ5110を下ってMMT内の対応するUSBコントローラ5210へと物理的に続き、及び電子メールサーバ5280へと上がる。CPU404は、MMTに接続されてその動作全体を制御する。既述のように、カプセル化及びフレーム化が下層で追加され、該層を通ってメッセージが上がるときに除去される。
【0035】
MMTは、ハードウェアモジュール406、システムレベルソフトウェアモジュール及びドライバ408、並びにアプリケーションレベルモジュール410と共に図示されている。この構成は、おおよそ当業界で周知の5層通信プロトコルの構成である。図4B内のラベルは自明のものであるが、FATファイルシステム5400は、あらゆる適当なファイルシステムとすることが可能であり、CODEC5620は周知の頭字語である。破線の矢印5800,5810,5820,5830,5840,5850は、等価なカプセル化されたメッセージの場所を示しており、実際の相互接続を示すものではない。
【0036】
図5は、典型的なポストオフィスプロトコル(POP3)サーバのフローチャートである。該サーバは、POP規格によりソケット110にプリセットされる。ボックス500は、POPアプリケーションをタスク動作又はスレッドとして実行することを示している。スレッドは、システムソフトウェアの開発者には周知であるように、他の処理により駆動及び/又は共有することが可能である。これは、当業界で周知のように、割り込み、フラグ、クロックその他を用いることが可能である。
【0037】
図6は、シンプルメール転送プロトコル(SMTP)サーバを示している。かかる動作もまた周知のものである。
【0038】
図7は、電子メールフォワーダのフローチャートである。同図におけるラベルは自明のものである。同図は、図2の電子メールクライアント242とWAN230との間の直接状態の接続(direct status connection)を示している。また、バッテリー電源のチェック処理702が示されている。
【0039】
図8は、電子メールのフェッチ処理に対応するフローチャートである。この場合も、バッテリーレベルがチェックされ、ブロック800は、MMT内の利用可能な記憶空間を調べ、それを受信されることになる電子メールのサイズと比較する。十分な記憶空間が存在しない場合には、MMTは記憶空間が利用可能になるまで待機する。
【0040】
図9は、音声又はセルラーネットワーク430へのWAN接続440を、ボイスメールサーバ410、及び該セルラーネットワークをインターネット120に相互接続するインターネットアクセス機構480と共に示している。
【0041】
プロンプト及びコマンドに関するユーザ及びハンドヘルドMMT装置の相互作用は、PDA、携帯電話、及びその類で一般に見られるシナリオの何れかに従うものとすることが可能である。かかる設計は当業界で周知のものである。
【0042】
上述の実施形態は本書では例示として提示したものであり、その多くの変形例及び代替例が考え得る、ということが理解されよう。したがって、本発明は、特許請求の範囲に規定するものとしてのみ広範に解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明を組み込んだ通信システムのブロック図である。
【図2】組み合わせソフトウェアブロック図である。
【図3】ハンドヘルド装置のハードウェアブロック図である。
【図4A】本発明の好適な一実施形態のハードウェアブロック図である。
【図4B】本発明の好適な一実施形態のソフトウェア/ハードウェアブロック図である。
【図5】POPサーバのフローチャートである。
【図6】SMTPサーバのフローチャートである。
【図7】電子メールフォワード手段のフローチャートである。
【図8】電子メールフェッチ手段のフローチャートである。
【図9】セルラーネットワークを使用するシステムのブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークを介してリモートサーバへ情報を通信する手段と、
ローカルコンピューティングシステムクライアントを用いて情報を転送する手段と、
前記リモートサーバと通信するよう構成された情報クライアントと、
前記ローカルコンピューティングシステムクライアントと通信するよう構成された情報サーバと、
ハンドヘルド装置内に情報を格納する手段と
を含む、ハンドヘルド装置。
【請求項2】
ハンドヘルド装置への送信が意図された情報について前記リモートサーバに問い合わせる手段と、
ハンドヘルド装置への送信が意図された前記リモートサーバにおける前記情報の状態を表示する手段と、
ハンドヘルド装置内に格納されている情報の状態を表示する手段と、
前記通信する手段と前記転送する手段との両者を介して応答を構成し及び命令を起動させる手段であって、情報の送信、受信、応答、若しくは格納、又はそれらの組み合わせが行われる手段と
を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
利用可能な記憶空間と該装置内に格納することになるメッセージのサイズとを判定する手段を更に含み、大きすぎるメッセージの存在が回避される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記転送する手段がリムーバブル記憶手段を含み、該リムーバブル記憶手段により情報が格納され又は格納することが可能となり、該リムーバブル記憶手段が、ハンドヘルド装置から取り外されて、読み込み又は書き込みのために前記コンピュータティングシステムに挿入される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記転送する手段が、USB、Ethernet、短距離無線、赤外線、及び従来のあらゆるUARTからなる群から選択された1つ又は2つ以上のタイプを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記通信される情報が、予備のネットワーク帯域幅又は容量を使用して、利用可能となったときに利用することを基礎として、転送される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記情報クライアントと通信するTCP/IPスタック層と、
該TCP/IPスタック層と通信するワイドエリアネットワークモジュールと、
該ワイドエリアネットワークモジュールと通信する無線通信装置及び無線通信用のアンテナとを更に含み、
前記情報クライアントから、前記無線通信装置、前記ワイドエリアネットワークモジュール、及び前記TCP/IPスタック層を介して、情報の送受信が行われる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記情報サーバと通信するTCP/IPスタック層と、
該TCP/IPスタック層と通信するローカルコンピュータシステムモジュールと、
該ローカルコンピュータシステムモジュールと通信するローカルハードウェアシステムとを更に含み、
前記情報サーバから、前記ローカルハードウェアシステム、前記ローカルコンピュータシステムモジュール、及び前記TCP/IPスタック層を介して、音声及びデータ情報の送受信が行われる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
ハンドヘルド装置を介してインターネットからコンピューティングシステムへ通信するための方法であって、
無線ネットワークを介して情報の双方向通信を行い、
コンピューティングシステムを用いて音声及びデータ情報を転送し、
第1に無線ネットワークを介してリモートサーバと通信される情報を制御し、該制御が情報クライアントにより行われ、
第2に前記コンピューティングシステムとの間で通信される情報を制御し、
前記ハンドヘルド装置内に前記音声及びデータ情報を格納する、
という各ステップを含む方法。
【請求項10】
前記ハンドヘルド装置に送信することが意図された情報について前記リモートサーバに問い合わせ、
前記ハンドヘルド装置に送信することが意図された前記リモートサーバにおける情報の状態を表示し、
前記ハンドヘルド装置内に格納されている情報の状態を表示し、
前記通信する手段と前記転送する手段との両者を介して応答を構成し及び命令を起動させて、情報の送信、受信、応答、又は格納が行われる、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
利用可能な記憶空間と前記装置内に格納することになるメッセージのサイズとを判定するステップを更に含み、これにより大きすぎるメッセージの存在を回避する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記転送ステップが、情報が格納され又は格納することが可能となる記憶装置を、前記ハンドヘルド装置から取り外して、読み込み又は書き込みのために前記コンピュータティングシステムに挿入する、というステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記情報が電子メールを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
TCP/IPスタック層を介して前記情報クライアントと通信し、
ワイドエリアネットワークモジュールを介して前記TCP/IPスタック層と通信し、
無線通信装置及びアンテナを介して前記ワイドエリアネットワークモジュールと通信し、前記無線通信装置、前記ワイドエリアネットワークモジュール、及び前記TCP/IPスタック層を介して前記情報クライアントから情報の送受信が行われる、
という各ステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
TCP/IPスタック層を介して前記情報サーバと通信し、
ローカルコンピュータシステムモジュールを介して前記TCP/IPスタック層と通信し、
ローカルハードウェアシステムを介して前記ローカルコンピュータシステムモジュールと通信し、前記ローカルハードウェアシステム、前記ローカルコンピュータシステムモジュール、及び前記TCP/IPスタック層を介して前記情報サーバから情報の送受信が行われる、
という各ステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
通信される情報の第1及び第2の制御が、予備のネットワーク帯域幅又は容量を使用して、利用可能となったときに利用することを基礎として、情報を転送することを含む、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−535200(P2007−535200A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520310(P2006−520310)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/022642
【国際公開番号】WO2005/008984
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(506016325)ムーア コンピューター コンサルタンツ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】