説明

同期システム、タイムマスタ装置、タイムスレーブ装置及び同期方法

【課題】非対称2重リング型のネットワーク等あらゆる接続形態の論理リングネットワークであっても、同期を確立することを目的とする。
【解決手段】タイムマスタ装置(M)は、通信時間を計測するための計測情報を送信する。また、タイムマスタ装置(M)は、計測情報を送信してからネットワークを巡って再び受信するまでの時間を計測する。各タイムスレーブ装置(Sx)は、計測情報を受信してから再び受信するまでの時間を計測する。各分岐装置(Cx)は、計測情報を受信してから再び受信するまでの時間を分岐先毎に計測する。各タイムスレーブ装置(Sx)は、各装置が計測した時間に基づき、遅延時刻を算出する。また、各タイムスレーブ装置(Sx)は、タイムマスタ装置(M)から同期時刻算出のタイミング情報を受信した時刻から遅延時間後の時刻を同期時刻として算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ネットワークに備えられた機器の処理のタイミングの同期をとる同期技術に関する。特に、本発明は、例えば、二重リング型ネットワークの同期技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のリングネットワークに関するネットワーク同期装置は、二重リングの両方向にフレームを送信し、その時間差を計測し、補正することで同期を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−69937号公報
【特許文献2】特開平8−214019号公報
【特許文献3】特開2004−320657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のリング型ネットワークに関するネットワーク同期装置は、対称型の二重リング型ネットワークの場合にのみ有効な同期方法である。ここで、対称型の二重リング型ネットワークとは、一方の伝送路と、他方の伝送路との2つのリング型の伝送路それぞれに備えられた機器が同一である二重リング型ネットワークのことである。つまり、従来のリング型ネットワークに関するネットワーク同期装置では、二重リング型ネットワークの一方の伝送路と他方の伝送路とに備えられた機器が異なる非対称型の二重リング型ネットワークにおいては、同期が確立できないという課題がある。
本発明は、あらゆる接続形態の論理リングネットワークであっても、同期を確立することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る同期システムは、
双方向の伝送路で構成されたツリー接続のネットワークにおける同期システムであって、
通信時間を計測するために送信した計測情報が上記ネットワークを巡り再び戻ってくるまでの時間であるマスタ往復時間の半分の時間と、上記ネットワークに接続された他の装置と同期するための所定の同期ポイントまでの時間と、の差であるオフセット時間を送信するタイムマスタ装置と、
上記計測情報を受信してから、上記計測情報を他のタイムスレーブ装置に送信し上記ネットワークを巡って再び戻ってくるまでの時間であるスレーブ往復時間の半分の時間と、上記タイムマスタ装置から受信した前記オフセット時間と、を加算した時間を用いて前記所定の同期ポイントにて同期するタイムスレーブ装置と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る同期システムによれば、マスタ往復時間とオフセット時間とに基づき同期ポイントにて同期するため、非対称型の二重リング型ネットワーク等、あらゆる接続形態の論理リングネットワークにおいて同期することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1に係る同期システムが同期処理を行うネットワークの接続形態の一例を示す図。
【図2】タイムマスタ装置10の機能を示す機能ブロック図。
【図3】タイムマスタ装置10の処理概要図。
【図4】タイムスレーブ装置20の機能を示す機能ブロック図。
【図5】タイムスレーブ装置20の処理概要図。
【図6】分岐装置30の機能を示す機能ブロック図。
【図7】分岐装置30の処理概要図。
【図8】同期用メッセージのフレームフォーマットの一例を示す図。
【図9】図1に示すネットワークの同期処理の処理概要を示す図。
【図10】図1に示すネットワークの同期処理の処理概要を示す図。
【図11】図1に示すネットワークの同期処理を行った場合の各タイムスレーブ装置20の補正時間、オフセット時間、遅延時間を示す図。
【図12】図1に示すネットワークにおいて、タイムマスタ装置10が同期情報を送信してから各タイムスレーブ装置20が同期情報を受信するまでの伝播時間を示す図。
【図13】分岐装置30が本線ネットワークから2つ以上の支線ネットワークへ分岐する場合の一例を示す図。
【図14】タイムマスタ装置10、タイムスレーブ装置20、分岐装置30のハードウェア構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
この実施の形態では、あらゆる接続形態の論理リングネットワークにおいて同期時刻を算出することができる同期システムについて説明する。
【0009】
図1は、この実施の形態に係る同期システムが同期処理を行うネットワークの接続形態の一例を示す図である。
図1に示すネットワークは、タイムマスタ装置10(M)、タイムスレーブ装置20(Sx)、分岐装置30(Cx、コンセントレータ)を備える。つまり、図1において、Mがタイムマスタ装置10である。また、S1、S2、S11、S12、S21、S22がタイムスレーブ装置20である。また、C1、C2が分岐装置30である。
タイムマスタ装置10は、基準時刻を示す装置である。
タイムスレーブ装置20は、タイムマスタ装置10の基準時刻に従い動作する装置である。
分岐装置30は、経路を分岐する装置である。
【0010】
図1において、タイムマスタ装置10(M)、タイムスレーブ装置20(S1、S2)は二重リング接続されている。また、分岐装置30(C1)によって、二重リング接続された伝送路の一方の伝送路の一部が分岐され、タイムスレーブ装置20(S11、S12)は双方向の伝送路でライン接続される。さらに、分岐装置30(C2)によって一方の伝送路の一部が分岐され、タイムスレーブ装置20(S21、S22)は双方向の伝送路でライン接続される。つまり、図1に示すネットワーク全体を見ると、ツリー接続といえるネットワークである。しかし、ライン接続されたネットワークが双方向の伝送路で接続されているため、図1に示すネットワークは非対称型の二重リング型ネットワークを形成している。
この実施の形態では、以上のように、あらゆる接続形態の混在したネットワークにおける同期処理について説明する。
【0011】
以下では、第1に、タイムマスタ装置10、タイムスレーブ装置20、分岐装置30の機能と動作について説明する。第2に、図1に示すネットワークを用いて、同期システムの動作の一例について説明する。そして、第3に、以下で説明する同期処理を行うことで、各タイムスレーブ装置20がタイムマスタ装置10の基準時刻に従い動作していること、すなわち同期がとれていることを示す。
【0012】
第1に、タイムマスタ装置10、タイムスレーブ装置20、分岐装置30の機能と動作について説明する。
まず、図2に基づき、タイムマスタ装置10の機能について説明する。図2は、タイムマスタ装置10の機能を示す機能ブロック図である。
タイムマスタ装置10は、基準時刻を示す装置である。タイムマスタ装置10が同期用メッセージ(以下に説明する計測情報、オフセット情報、同期情報)を生成してネットワークへ送信する。タイムマスタ装置10は、図1に示すように、2つの装置と接続される場合がある。タイムマスタ装置10が2つの装置と接続される場合、それぞれの装置とは異なるポートで接続される。ここでは、一方をINポート、他方をOUTポートと呼び、図1において、INとOUTとしてそれぞれのポートを示す。
タイムマスタ装置10は、マスタ送信部11、マスタ受信部12、ループバック部13、マスタ往復時間計測部14、マスタ記憶部15を備える。
マスタ送信部11は、通信時間を計測するための計測情報と、オフセット時間を含むオフセット情報と、同期時刻の基準値となる同期情報との同期用メッセージをネットワークへ通信装置を介して送信する。
マスタ受信部12は、ネットワークを巡って戻ってきた同期用メッセージを通信装置を介して受信する。
ループバック部13は、マスタ送信部11が計測情報を送信したポートと異なるポートからマスタ受信部12が計測情報を受信した場合、マスタ受信部12が計測情報を受信したポートへその計測情報を通信装置を介して送信(ループバック)する。言い換えると、マスタ送信部11が計測情報を送信した装置と異なる装置からマスタ受信部12が計測情報を受信した場合、マスタ受信部12が計測情報を受信したポートへその計測情報を通信装置を介して送信(ループバック)する。
マスタ往復時間計測部14は、マスタ送信部11が送信した計測情報がネットワークを巡って再び戻ってくるまでのマスタ往復時間を処理装置により計測する。つまり、マスタ送信部11が計測情報を送信してから、計測情報を送信したポートからマスタ受信部12が計測情報を受信するまでのマスタ往復時間を計測する。特に、マスタ往復時間計測部14は、マスタ送信部11が計測情報を送信してから、マスタ送信部11が計測情報を送信したポートと同一のポートから計測情報を受信するまでのマスタ往復時間を計測する。つまり、マスタ往復時間計測部14は、マスタ送信部11が計測情報を送信してから、マスタ送信部11が計測情報を送信した装置と同一の装置から計測情報を受信するまでのマスタ往復時間を計測する。
マスタ記憶部15は、マスタ受信部12が受信した同期用メッセージに含まれる補正時間を所定のタイミングで記憶装置に記憶する。詳細についてはタイムマスタ装置10の動作の説明において述べる。
【0013】
次に、図1と図3とに基づき、タイムマスタ装置10の動作について説明する。図3は、タイムマスタ装置10の処理概要図である。
図3においてタイムマスタ装置10が備えるプロトコル処理部は、同期用メッセージを生成し、ネットワークへ送出する機能を有する。つまり、プロトコル処理部は、上述したマスタ送信部11、マスタ受信部12、ループバック部13、マスタ往復時間計測部14、マスタ記憶部15を備える機能群の総称であり、プロトコル処理部は、同期用メッセージを生成し、ネットワークへ送出することに一定の処理時間を費やす。
ここでは、マスタ送信部11は、同期用メッセージをOUTポートに送信するとして説明する。OUTポートに送信されたメッセージは、図1において、M、C1、S11、C2、S21、S22、S21、C2、S12、C2、S11、C1、S1、S2を経て、INポートよりMに戻る。つまり、マスタ受信部12は、OUTポートに送信された同期用メッセージをINポートから受信する。
上述したように同期用メッセージには、計測情報(Measureフレーム)、オフセット情報(Offsetフレーム)、同期情報(Syncフレーム)がある。各メッセージの構成は、後述する。タイムマスタ装置10の動作は、送信する同期用メッセージの種別毎に、計測情報送信時処理と、オフセット情報送信時処理と、同期情報送信時処理とに分けられる。
【0014】
計測情報送信時処理について説明する。
マスタ送信部11は、補正時間を含んだ計測情報をOUTポートからネットワークへ送信する。そして、マスタ受信部12は、OUTポートから送信され、ネットワークを巡って戻ってきた計測情報をINポートから受信する。
ループバック部13は、計測情報をINポートから受信すると、計測情報をループバックし、INポートより送出する。ループバックされた計測情報は図1において、M、S2、S1、C1を経て、OUTポートよりMに戻る。つまり、マスタ受信部12は、再び計測情報をOUTポートから受信する。
ここで、マスタ往復時間計測部14は、マスタ送信部11が計測情報をOUTポートへの送信してから、計測情報をOUTポートから受信するまでのマスタ往復時間「T」を計測する。
そして、マスタ記憶部15は、OUTポートから受信した計測情報に含まれる補正時間をマスタ補正時間として記憶装置に記憶する。
【0015】
オフセット情報送信時処理について説明する。
上述した計測情報送信時処理が終了した後、マスタ送信部11は、マスタ往復時間計測部14が計測したマスタ往復時間と、マスタ記憶部15が記憶した補正時間を加算し、これを2で割った値(図3のB)を、所定の同期ポイント(図3のA)から減じてオフセット時間を算出する。そして、算出したオフセット時間を含むオフセット情報をOUTポートからネットワークへ送信する。
【0016】
同期情報送信時処理について説明する。
オフセット情報送信時処理が終了した後、マスタ送信部11は、同期情報を送信する。同期情報は、タイムスレーブ装置20が同期タイミングをとるためのメッセージであり、周期的に送信する。
【0017】
次に、図4に基づき、タイムスレーブ装置20の機能について説明する。図4は、タイムスレーブ装置20の機能を示す機能ブロック図である。
タイムスレーブ装置20は、タイムマスタの基準時刻に従い動作する装置である。タイムスレーブ装置20は、タイムマスタ装置10が送信した同期用メッセージから他の装置と処理のタイミングを同期するための同期時刻を算出する。
タイムスレーブ装置20は、スレーブ送信部21、スレーブ受信部22、スレーブ記憶部23、スレーブ往復時間計測部24、遅延時間算出部25、同期時刻算出部26を備える。
スレーブ送信部21は、タイムマスタ装置10のマスタ送信部11が送信した同期用メッセージを次の装置へ通信装置を介して送信する。
スレーブ受信部22は、タイムマスタ装置10のマスタ送信部11が送信した同期用メッセージを通信装置を介して受信する。
スレーブ記憶部23は、スレーブ受信部22が受信した同期用メッセージに含まれる補正時間、オフセット時間等を所定のタイミングで記憶装置に記憶する。詳細についてはタイムスレーブ装置20の動作の説明において述べる。
スレーブ往復時間計測部24は、計測情報をスレーブ受信部22が受信してから、計測情報をスレーブ受信部22が受信したポートから計測情報を送信するまでのスレーブ往復時間を処理装置により計測する。言い換えると、スレーブ往復時間計測部24は、計測情報をスレーブ受信部22が受信してから、計測情報をスレーブ受信部22が受信した装置へ計測情報をスレーブ送信部21が送信するまでのスレーブ往復時間を計測する。つまり、スレーブ往復時間計測部24は、INポートから計測情報をスレーブ受信部22が受信した場合には、INポートから計測情報をスレーブ送信部21が送信するまでのスレーブ往復時間を計測する。タイムスレーブ装置20がネットワークの終端でない場所に設けられている場合(例えば、図1のS1、S2、S11、S21)、スレーブ往復時間計測部24は、INポートから計測情報をスレーブ受信部22が受信してから、OUTポートから計測情報をスレーブ受信部22が再び受信して、INポートから計測情報をスレーブ送信部21が送信するまでのスレーブ往復時間を計測する。タイムスレーブ装置20がネットワークの終端に設けられている場合(例えば、図1のS12とS22)、スレーブ往復時間計測部24はINポートから計測情報をスレーブ受信部22が受信してから、INポートから計測情報をスレーブ送信部21がループバック(送信)するまでのスレーブ往復時間を計測する。
遅延時間算出部25は、遅延時間を処理装置により算出する。遅延時間算出部25が遅延時間を算出する方法については、タイムスレーブ装置20の動作の説明において述べる。
同期時刻算出部26は、スレーブ受信部22がINポートから同期情報を受信した時刻から遅延時間算出部25が算出した遅延時間後の時刻を同期時刻として処理装置により算出する。
【0018】
次に、図1と図5とに基づき、タイムスレーブ装置20の動作について説明する。図5は、タイムスレーブ装置20の処理概要図である。
図5においてタイムスレーブ装置20が備えるプロトコル処理部は、同期用メッセージを生成し、ネットワークへ送出する機能を有する。つまり、プロトコル処理部は、上述したスレーブ送信部21、スレーブ受信部22、スレーブ記憶部23、スレーブ往復時間計測部24、遅延時間算出部25、同期時刻算出部26を備える機能群の総称であり、プロトコル処理部は、同期用メッセージを生成し、ネットワークへ送出することに一定の処理時間を費やす。
タイムスレーブ装置20の動作は、受信する同期用メッセージの種別毎に、計測情報受信時処理と、オフセット情報受信時処理と、同期情報受信時処理とに分けられる。
【0019】
計測情報受信時処理について説明する。
スレーブ受信部22は、タイムマスタ装置10のマスタ送信部11が送信した計測情報をINポートから受信する。するとスレーブ往復時間計測部24は、スレーブ往復時間「T」の計測を開始する。また、スレーブ記憶部23は、計測情報をINポートから受信した際、計測情報に含まれる補正時間を第1の補正時間(図5のB)として記憶装置に記憶する。そして、スレーブ送信部21は、OUTポートから計測情報をネットワークへ送信する。
OUTポートから送信した計測情報を再びOUTポートからスレーブ受信部22が受信すると、スレーブ記憶部23は、計測情報に含まれる補正時間を第2の補正時間(図5のA)として記憶装置に記憶する。そして、スレーブ送信部21は、INポートから計測情報をネットワークへ送信する。また、スレーブ往復時間計測部24は、INポートから計測情報を出力する時に、スレーブ往復時間「T」の計測を終了する。なお、タイムスレーブ装置20がライン接続の終端に設けられた装置である場合、受信した計測情報をスレーブ送信部21はループバックする。つまり、スレーブ受信部22がINポートから受信した計測情報を、スレーブ送信部21がINポートから送信する。この場合、第2の補正時間には第1の補正時間と同じ補正時間を記憶し、スレーブ往復時間「T」は、計測情報を受信してから送信するまでの時間が記憶される。
【0020】
オフセット情報受信時処理について説明する。
スレーブ受信部22は、タイムマスタ装置10のマスタ送信部11が送信したオフセット情報をINポートから受信する。スレーブ記憶部23は、オフセット情報に含まれるオフセット時間をスレーブオフセット時間として記憶装置に記憶する。ここで、遅延時間算出部25は、スレーブ記憶部23が記憶した第2の補正時間から第1の補正時間を減じた時間(図5の「A−B」)とスレーブ往復時間とを足して2で割った時間と、スレーブオフセット時間とを足した時間を遅延時間(Delay値)として算出する。
また、OUTポートから送信したオフセット情報を再びOUTポートからスレーブ受信部22が受信した場合には特に処理を行わず、スレーブ送信部21はINポートからオフセット情報をネットワークへ送信する。
なお、タイムスレーブ装置20がライン接続の終端に設けられた装置である場合、受信したオフセット情報をスレーブ送信部21はループバックする。
【0021】
同期情報受信時処理について説明する。
スレーブ受信部22は、タイムマスタ装置10のマスタ送信部11が送信した同期情報を所定の周期でINポートから受信する。同期時刻算出部26は、同期情報を受信した時刻から、遅延時間後の時刻を同期時刻として算出する。ここで、算出された同期時刻は、タイムマスタ装置10における同期ポイントと一致する。算出された同期時刻とタイムマスタ装置10における同期ポイントとが一致することについては後述する。そして、スレーブ送信部21は、OUTポートから同期情報をネットワークへ送信する。
【0022】
次に、図6に基づき、分岐装置30の機能について説明する。図6は、分岐装置30の機能を示す機能ブロック図である。
分岐装置30は、経路を分岐する装置である。
分岐装置30は、分岐装置送信部31、分岐装置受信部32、分岐装置記憶部33、支線往復時間計測部34、本線往復時間計測部35、補正時間更新部36、オフセット時間更新部37を備える。
分岐装置送信部31は、タイムマスタ装置10のマスタ送信部11が送信した同期用メッセージを次の装置へ通信装置を介して送信する。
分岐装置受信部32は、タイムマスタ装置10のマスタ送信部11が送信した同期用メッセージを通信装置を介して受信する。
分岐装置記憶部33は、分岐装置受信部32が受信した同期用メッセージに含まれる補正時間、オフセット時間等を所定のタイミングで記憶装置に記憶する。詳細については分岐装置30の動作の説明において述べる。
支線往復時間計測部34は、計測情報を分岐装置受信部32が受信してから、計測情報が分岐先のネットワークである支線ネットワークを巡って再び分岐装置受信部32が受信し、分岐装置送信部31が再び計測情報を送信するまでの支線往復時間を処理装置により計測する。支線往復時間計測部34は、例えば、図1においてINポートから計測情報を分岐装置受信部32が受信してから、OUT1ポートから計測情報を分岐装置送信部31が送信してOUT1ポートから計測情報を分岐装置受信部32が再び受信して、OUT2ポートから計測情報を分岐装置送信部31が送信するまでの支線往復時間を計測する。
本線往復時間計測部35は、計測情報を分岐装置受信部32が受信してから、計測情報が本線ネットワークを巡って再び分岐装置受信部32が受信し、スレーブ送信部21が再び計測情報を送信するまでの本線往復時間を処理装置により計測する。本線往復時間計測部35は、例えば、INポートから計測情報を分岐装置受信部32が受信してから、OUT2ポートから計測情報を分岐装置受信部32が再び受信して、INポートから計測情報を分岐装置送信部31が送信するまでの本線往復時間を計測する。
補正時間更新部36は、計測情報に含まれる補正時間を所定の条件に基づき処理装置により更新する。補正時間更新部36の補正時間の更新方法については、分岐装置30の動作の説明において述べる。
オフセット時間更新部37は、オフセット情報に含まれるオフセット時間を所定の条件に基づき処理装置により更新する。オフセット時間更新部37のオフセット時間の更新方法については、分岐装置30の動作の説明において述べる。
【0023】
次に、図1と図7とに基づき、分岐装置30の動作について説明する。図7は、分岐装置30の処理概要図である。
分岐装置30の動作は、受信する同期用メッセージの種別毎に、計測情報受信時処理と、オフセット情報受信時処理と、同期情報受信時処理とに分けられる。
なお、以下の説明では、本線ネットワークから1つの支線ネットワークへ分岐する場合を想定する。ここで、OUT1ポートに接続されたネットワークを支線ネットワークとし、INポートとOUT2ポートとに接続されたネットワークを本線ネットワークとする。
【0024】
計測情報受信時処理について説明する。
分岐装置受信部32は、タイムマスタ装置10のマスタ送信部11が送信した計測情報をINポートから受信する。すると支線往復時間計測部34は、支線往復時間「T2」の計測を開始し、本線往復時間計測部35は、本線往復時間「T1」の計測を開始する。また、分岐装置記憶部33は、計測情報をINポートから受信した際、計測情報に含まれる補正時間を受信時補正時間として記憶装置に記憶する。そして、分岐装置送信部31は、OUT1ポートから計測情報を支線ネットワークへ送信する。
支線ネットワークを巡って再び戻ってきた計測情報をOUT1ポートから分岐装置受信部32が受信する。ここで、分岐装置記憶部33は、計測情報に含まれる補正時間を支線補正時間として記憶装置に記憶する。そして、分岐装置送信部31は、OUT2ポートから計測情報を本線ネットワークへ送信する。支線往復時間計測部34は、OUT2ポートから計測情報を送信する時に、支線往復時間「T2」の計測を終了する。また、補正時間更新部36は、分岐装置記憶部33が記憶した受信時補正値と支線往復時間「T2」とを加えた時間を新たな補正時間として計測情報に含まれる補正時間を更新する。
本線ネットワークを巡って再び戻ってきた計測情報をOUT2ポートから分岐装置受信部32が受信する。そして、分岐装置送信部31は、INポートから計測情報を本線ネットワークへ送信する。本線往復時間計測部35は、INポートへ送信する時に、本線往復時間「T1」の計測を終了する。
【0025】
オフセット情報受信時処理について説明する。
分岐装置受信部32は、タイムマスタ装置10のマスタ送信部11が送信したオフセット情報をINポートから受信する。分岐装置記憶部33は、オフセット情報に含まれるオフセット時間を分岐装置オフセット時間として記憶装置に記憶する。また、オフセット時間更新部37は、本線往復時間計測部35が計測した本線往復時間「T1」(図7のA)から分岐装置記憶部33が記憶した支線補正時間(図7のB)を減じて2で割った時間と、分岐装置オフセット時間とを足した時間を新たなオフセット時間としてオフセット情報のオフセット時間を更新する。つまり、「((T1−支線補正時間)/2)+分岐装置オフセット時間」を新たなオフセット時間とする。そして、分岐装置送信部31は、OUT1ポートからオフセット情報を支線ネットワークへ送信する。
支線ネットワークを巡って再び戻ってきたオフセット情報をOUT1ポートから分岐装置受信部32が受信する。ここで、オフセット時間更新部37は、分岐装置オフセット時間を新たなオフセット時間としてオフセット情報を更新する。そして、分岐装置送信部31は、OUT2ポートからオフセット情報を本線ネットワークへ送信する。
本線ネットワークを巡って再び戻ってきたオフセット情報をOUT2ポートから分岐装置受信部32が受信した場合には特に処理を行わず、分岐装置送信部31はINポートからオフセット情報を本線ネットワークへ送信する。
【0026】
同期情報受信時処理について説明する。
分岐装置受信部32は、タイムマスタ装置10のマスタ送信部11が送信した同期情報をINポートから受信した場合には特に処理を行わず、分岐装置送信部31は、OUT1ポートから同期情報を支線ネットワークへ送信する。
また、支線ネットワークを巡って再び戻ってきた同期情報をOUT1ポートから分岐装置受信部32が受信した場合には特に処理を行わず、分岐装置送信部31は、OUT2ポートから同期情報を本線ネットワークへ送信する。
また、本線ネットワークを巡って再び戻ってきた同期情報をOUT2ポートから分岐装置受信部32が受信した場合には特に処理を行わず、分岐装置送信部31は、INポートから同期情報を本線ネットワークへ送信する。
つまり、分岐装置30は、同期情報を受信した場合には特に処理を行わず、次の装置へ転送する。
【0027】
次に、図8に基づき、タイムマスタ装置10が送信する同期用メッセージのフレームフォーマットについて説明する。図8は、同期用メッセージのフレームフォーマットの一例を示す図である。
図8に示す同期用メッセージは、ヘッダ、フレーム種別、メッセージID(識別子)、ペイロードを備える。
ヘッダは、送信先アドレス等の情報が格納される。
フレーム種別は、計測情報であることを示すMeasure、オフセット情報であることを示すOffset、同期情報であることを示すSync等の識別子が格納される。
メッセージIDは、メッセージを一意に特定可能な識別子が格納される。各装置は、メッセージIDを参照することにより、以前に受信したメッセージと同一のメッセージであることを確認できる。
ペイロードは、計測情報の場合、補正時間が格納され、オフセット情報の場合、オフセット時間が格納される。つまり、上記説明において、計測情報に含まれる補正時間とは、計測情報のフレームのペイロードに格納された補正時間のことである。同様に、オフセット情報に含まれるオフセット時間とは、オフセット情報のフレームのペイロードに格納されたオフセット時間のことである。
【0028】
第2に、図1に示すネットワークを用いて、同期システムの動作の一例について説明する。
図9、図10は、図1に示すネットワークの同期処理の処理概要を示す図である。図9は、計測情報とオフセット情報の流れを示す図であり、図10は、同期情報の流れを示す図である。図9、図10では、上から下に向かって時間が進む。また、横向きの矢印に従って各同期用メッセージが移動する。横向きの矢印の中に記載された値は、計測情報を示す矢印であれば補正時間を示し、オフセット情報であればオフセット時間を示す。また、縦向きの矢印はマスタ往復時間、スレーブ往復時間、支線往復時間、本線往復時間を示す。
また、図11は、図1に示すネットワークの同期処理を行った場合の各タイムスレーブ装置20の補正時間、オフセット時間、遅延時間を示す図である。
以下、処理の順序に従い説明する。以下の説明においては、簡単のため各装置における送信、受信等の内部処理時間は0とする。
【0029】
(1)初めに計測情報が伝搬する。つまり、タイムマスタ装置10の計測情報送信時処理と、タイムスレーブ装置20の計測情報受信時処理と、分岐装置30の計測情報受信時処理とが実行される。ここでは、計測情報に含まれる補正時間は0とする。
タイムマスタ装置10(M)のマスタ送信部11は、所定の補正時間を含む計測情報をOUTポートからネットワークへ送信する。すると、計測情報は、分岐装置30(C1)に到達する。分岐装置30(C1)の分岐装置記憶部33は、受信時補正時間として計測情報に含まれる補正時間「0」を記憶する。そして、分岐装置30(C1)の分岐装置送信部31は、OUT1ポートから計測情報を送信する。
計測情報は、タイムスレーブ装置20(S11)に到達する。タイムスレーブ装置20(S11)のスレーブ記憶部23は、第1の補正時間として計測情報に含まれる補正時間「0」を記憶する。そして、タイムスレーブ装置20(S11)のスレーブ送信部21は、計測情報を送信する。
計測情報は、分岐装置30(C2)に到達する。分岐装置30(C2)の分岐装置記憶部33は、受信時補正時間として計測情報の補正時間「0」を記憶する。そして、分岐装置30(C2)の分岐装置送信部31は、OUT1ポートから計測情報を送信する。
計測情報は、タイムスレーブ装置20(S21)に到達する。タイムスレーブ装置20(S21)のスレーブ記憶部23は、第1の補正時間として計測情報の補正時間「0」を記憶する。そして、タイムスレーブ装置20(S21)のスレーブ送信部21は、計測情報を送信する。
計測情報は、タイムスレーブ装置20(S22)に到達する。タイムスレーブ装置20(S22)のスレーブ記憶部23は、第1の補正時間として計測情報の補正時間「0」を記憶する。そして、タイムスレーブ装置20(S22)のスレーブ送信部21は、計測情報を送信する。ここで、タイムスレーブ装置20(S22)は、ライン接続されたネットワークの終端の装置であるから、計測情報をループバックする。つまり、タイムスレーブ装置20(S22)は、INポートから受信した計測情報をINポートから送信する。したがって、タイムスレーブ装置20(S22)のスレーブ記憶部23は、第2の補正時間として計測情報の補正時間「0」を記憶する。また、タイムスレーブ装置20(S22)のスレーブ往復時間計測部24は、スレーブ往復時間として計測情報の受信時から送信時までの時間を計測する。ここでは、上述の通り内部処理時間は0とするため、タイムスレーブ装置20(S22)のスレーブ往復時間計測部24は、スレーブ往復時間として「0」を計測する。
タイムスレーブ装置20(S22)にループバックされた計測情報は、再びタイムスレーブ装置20(S21)に到達する。タイムスレーブ装置20(S21)のスレーブ記憶部23は、第2の補正時間として計測情報の補正時間「0」を記憶する。また、タイムスレーブ装置20(S21)のスレーブ往復時間計測部24は、スレーブ往復時間として「Ds21」を計測する。そして、タイムスレーブ装置20(S21)のスレーブ送信部21は、計測情報を送信する。
【0030】
計測情報は、分岐装置30(C2)に到達する。分岐装置30(C2)の分岐装置記憶部33は、計測情報に含まれる補正時間「0」を支線補正時間として記憶する。分岐装置30(C2)の支線往復時間計測部34は、支線往復時間として「D21」を計測する。また、分岐装置30(C2)の補正時間更新部36は、分岐装置30(C2)の分岐装置記憶部33が記憶した受信時補正値「0」と計測した支線往復時間「D21」とを加えた時間「D21」を新たな補正時間として計測情報に含まれる補正時間を更新する。そして、分岐装置30(C2)の分岐装置送信部31は、OUT2ポートから計測情報を送信する。ここで、分岐装置30(C2)が送信した計測情報に含まれる補正時間は「D21」である。
計測情報は、タイムスレーブ装置20(S12)に到達する。タイムスレーブ装置20(S12)のスレーブ記憶部23は、第1の補正時間として「D21」を記憶する。そして、タイムスレーブ装置20(S22)は、ライン接続されたネットワークの終端の装置であるから、計測情報をループバックする。したがって、タイムスレーブ装置20(S12)のスレーブ記憶部23は、第2の補正時間として計測情報の補正時間「D21」を記憶する。また、タイムスレーブ装置20(S12)のスレーブ往復時間計測部24は、スレーブ往復時間として「0」を計測する。
【0031】
タイムスレーブ装置20(S12)にループバックされた計測情報は、再び分岐装置30(C2)に到達する。分岐装置30(C2)の本線往復時間計測部35は、本線往復時間として「D22」を計測する。そして、分岐装置30(C2)の分岐装置送信部31は、INポートから計測情報を送信する。
計測情報は、再びタイムスレーブ装置20(S11)に到達する。計測情報を受信すると、タイムスレーブ装置20(S11)のスレーブ記憶部23は、第2の補正時間として計測情報の補正時間「D21」を記憶する。また、タイムスレーブ装置20(S11)のスレーブ往復時間計測部24は、スレーブ往復時間として「Ds11」を計測する。そして、タイムスレーブ装置20(S11)のスレーブ送信部21は、計測情報を送信する。
計測情報は、再び分岐装置30(C1)に到達する。分岐装置30(C1)の分岐装置記憶部33は、計測情報に含まれる補正時間「D21」を支線補正時間として記憶する。また、分岐装置30(C1)の支線往復時間計測部34は、支線往復時間として「D11」を計測する。また、分岐装置30(C1)の補正時間更新部36は、分岐装置30(C1)の分岐装置記憶部33が記憶した受信時補正値「0」と計測した支線往復時間「D11」とを加えた時間「D11」を新たな補正時間として計測情報に含まれる補正時間を更新する。そして、分岐装置30(C2)の分岐装置送信部31は、OUT2ポートから計測情報を送信する。ここで、分岐装置30(C1)が送信した計測情報に含まれる補正時間は「D11」である。
計測情報は、タイムスレーブ装置20(S1)に到達する。計測情報を受信すると、タイムスレーブ装置20(S1)のスレーブ記憶部23は、第1の補正時間として「D11」を記憶する。そして、タイムスレーブ装置20(S1)のスレーブ送信部21は、計測情報を送信する。
計測情報は、タイムスレーブ装置20(S2)に到達する。計測情報を受信すると、タイムスレーブ装置20(S2)のスレーブ記憶部23は、第1の補正時間として「D11」を記憶する。そして、タイムスレーブ装置20(S2)のスレーブ送信部21は、計測情報を送信する。
【0032】
タイムスレーブ装置20(S2)から送信された計測情報は、タイムマスタ装置10(M)に到達する。ここで、タイムマスタ装置10(M)のマスタ受信部12は、計測情報をINポートから受信する。つまり、計測情報をマスタ送信部11が送信したOUTポートとは異なるポートであるINポートから受信する。すなわち、計測情報をマスタ送信部11が送信した分岐装置30(C1)とは異なる装置であるタイムスレーブ装置20(S2)から受信する。そのため、タイムマスタ装置10(M)のループバック部13は、計測情報をループバックする。つまり、タイムマスタ装置10(M)のループバック部13は、計測情報を受信したINポートから再び計測情報をネットワークへ送信する。
計測情報は、再びタイムスレーブ装置20(S2)に到達する。タイムスレーブ装置20(S2)のスレーブ記憶部23は、第2の補正時間として「D11」を記憶する。また、タイムスレーブ装置20(S2)のスレーブ往復時間計測部24は、スレーブ往復時間として「Ds2」を計測する。そして、タイムスレーブ装置20(S2)のスレーブ送信部21は、計測情報を送信する。
計測情報は、再びタイムスレーブ装置20(S1)に到達する。タイムスレーブ装置20(S1)のスレーブ記憶部23は、第2の補正時間として「D11」を記憶する。また、タイムスレーブ装置20(S1)のスレーブ往復時間計測部24は、スレーブ往復時間として「Ds1」を計測する。そして、タイムスレーブ装置20(S2)のスレーブ送信部21は、計測情報を送信する。
計測情報は、分岐装置30(C1)に到達する。分岐装置30(C1)の本線往復時間計測部35は、本線往復時間として「D12」を計測する。そして、分岐装置30(C1)の分岐装置送信部31は、INポートから計測情報を送信する。
そして、計測情報は、タイムマスタ装置10(M)に到達する。つまり、タイムマスタ装置10(M)のマスタ受信部12は、計測情報をマスタ送信部11が送信したOUTポートと同じポートであるOUTポートから受信する。すなわち、計測情報をマスタ送信部11が送信した分岐装置30(C1)と同じ装置である分岐装置30(C1)から受信する。そのため、タイムマスタ装置10(M)のマスタ往復時間計測部14は、マスタ往復時間として「Dm」を計測する。また、タイムマスタ装置10(M)のマスタ記憶部15は、計測情報に含まれる補正時間をマスタ補正時間として記憶する。
【0033】
(2)オフセット情報が伝搬する。つまり、タイムマスタ装置10のオフセット情報送信時処理と、タイムスレーブ装置20のオフセット情報受信時処理と、分岐装置30のオフセット情報受信時処理とが実行される。
タイムマスタ装置10(M)のマスタ送信部11は、マスタ往復時間計測部14が計測したマスタ往復時間「Dm」と、マスタ記憶部15が記憶したマスタ補正時間を加算し、これを2で割った値(図3のB)を、所定の同期ポイント(図3のA)から減じてオフセット時間として算出する。ここでは、算出されたオフセット時間を「Offset」とする。そして、オフセット時間「Offset」を含むオフセット情報をOUTポートからネットワークへ送信する。
オフセット情報は、分岐装置30(C1)に到達する。分岐装置30(C1)の分岐装置記憶部33は、オフセット情報に含まれるオフセット時間「Offset」を分岐装置オフセット時間として記憶する。また、分岐装置30(C1)のオフセット時間更新部37は、本線往復時間「D12」から支線補正時間「D21」を減じて2で割った時間「(D12−D21)/2(=Oc1)」と、分岐装置オフセット時間「Offset」とを足した時間「Offset+Oc1」を新たなオフセット時間としてオフセット情報のオフセット時間を更新する。そして、分岐装置30(C1)の分岐装置送信部31は、OUT1ポートからオフセット情報を送信する。つまり、分岐装置30(C1)が送信したオフセット情報に含まれるオフセット時間は「Offset+Oc1」である。
オフセット情報は、タイムスレーブ装置20(S11)に到達する。タイムスレーブ装置20(S11)のスレーブ記憶部23は、スレーブオフセット時間としてオフセット情報に含まれるオフセット時間「Offset+Oc1」(Oc1=(D12−D21)/2)を記憶する。また、タイムスレーブ装置20(S11)の遅延時間算出部25は、第2の補正時間「D21」から第1の補正時間「0」を減じた時間「D21」とスレーブ往復時間「Ds11」とを足して2で割った時間「(D21+Ds11)/2」と、オフセット時間「Offset+(D12−D21)/2」とを足した時間「(Ds11/2)+Offset+(D12/2)」を遅延時間として算出する。そして、タイムスレーブ装置20(S11)のスレーブ送信部21は、オフセット情報を送信する。
【0034】
オフセット情報は、分岐装置30(C2)に到達する。分岐装置30(C2)の分岐装置記憶部33は、オフセット情報に含まれるオフセット時間「Offset+Oc1」を分岐装置オフセット時間として記憶する。また、オフセット時間更新部37は、本線往復時間「D22」から支線補正時間「0」を減じて2で割った時間「D22/2(=Oc2)」と、分岐装置オフセット時間「Offset+Oc1」とを足した時間「Offset+Oc1+Oc2」を新たなオフセット時間としてオフセット情報のオフセット時間を更新する。そして、分岐装置30(C2)の分岐装置送信部31は、OUT1ポートからオフセット情報を送信する。つまり、分岐装置30(C2)が送信したオフセット情報に含まれるオフセット時間は「Offset+Oc1+Oc2」である。
オフセット情報は、タイムスレーブ装置20(S21)に到達する。オフセット情報を受信すると、タイムスレーブ装置20(S21)のスレーブ記憶部23は、スレーブオフセット時間としてオフセット情報に含まれるオフセット時間「Offset+Oc1+Oc2」(Oc1=(D12−D21)/2,Oc2=D22/2)を記憶する。また、タイムスレーブ装置20(S21)の遅延時間算出部25は、第2の補正時間「0」から第1の補正時間「0」を減じた時間「0」とスレーブ往復時間「Ds21」とを足して2で割った時間「Ds21/2」と、オフセット時間「Offset+(D12−D21)/2+D22/2」とを足した時間「(Ds21/2)+Offset+(D12−D21+D22)/2」を遅延時間として算出する。そして、タイムスレーブ装置20(S21)のスレーブ送信部21は、オフセット情報を送信する。
オフセット情報は、タイムスレーブ装置20(S22)に到達する。タイムスレーブ装置20(S22)のスレーブ記憶部23は、スレーブオフセット時間としてオフセット情報に含まれるオフセット時間「Offset+Oc1+Oc2」を記憶する。また、タイムスレーブ装置20(S22)の遅延時間算出部25は、第2の補正時間「0」から第1の補正時間「0」を減じた時間「0」とスレーブ往復時間「0」とを足して2で割った時間「0」と、オフセット時間「Offset+(D12−D21)/2+D22/2」とを足した時間「Offset+(D12−D21+D22/2)」を遅延時間として算出する。
【0035】
タイムスレーブ装置20(S22)は、ライン接続の終端に設けられた装置であるから、オフセット情報をループバックする。オフセット情報は、タイムスレーブ装置20(S21)に到達する。タイムスレーブ装置20(S21)は、受信したオフセット情報について特に処理を行わず、ネットワークへ送信する。
オフセット情報は、分岐装置30(C2)に到達する。分岐装置30(C2)のオフセット時間更新部37は、記憶した分岐装置オフセット時間「Offset+Oc1」を新たなオフセット時間としてオフセット情報のオフセット時間を更新する。そして、分岐装置30(C2)の分岐装置送信部31は、OUT2ポートからオフセット情報を送信する。つまり、分岐装置30(C2)が送信したオフセット情報に含まれるオフセット時間は「Offset+Oc1」である。
オフセット情報は、タイムスレーブ装置20(S12)に到達する。タイムスレーブ装置20(S12)のスレーブ記憶部23は、スレーブオフセット時間としてオフセット情報に含まれるオフセット時間「Offset+Oc1」(Oc1=(D12−D21)/2)を記憶する。また、タイムスレーブ装置20(S12)の遅延時間算出部25は、第2の補正時間「D21」から第1の補正時間「D21」を減じた時間「0」とスレーブ往復時間「0」とを足して2で割った時間「0」と、オフセット時間「Offset+(D12−D21)/2」とを足した時間「Offset+(D12−D21)/2」を遅延時間として算出する。
【0036】
タイムスレーブ装置20(S12)は、ライン接続の終端に設けられた装置であるから、オフセット情報をループバックする。すると、オフセット情報は、分岐装置30(C2)に到達する。分岐装置30(C2)は、受信したオフセット情報について特に処理を行わず、ネットワークへ送信する。
オフセット情報は、タイムスレーブ装置20(11)に到達する。タイムスレーブ装置20(S11)も、受信したオフセット情報について特に処理を行わず、ネットワークへ送信する。
オフセット情報は、分岐装置30(C1)に到達する。オフセット情報が分岐装置30(C1)を経由する際、分岐装置30(C1)のオフセット時間更新部37は、記憶した分岐装置オフセット時間「Offset」を新たなオフセット時間としてオフセット情報のオフセット時間を更新する。そして、分岐装置30(C1)の分岐装置送信部31は、OUT2ポートからオフセット情報を送信する。つまり、分岐装置30(C1)が送信したオフセット情報に含まれるオフセット時間は「Offset」である。
オフセット情報は、タイムスレーブ装置20(S1)に到達する。タイムスレーブ装置20(S1)のスレーブ記憶部23は、スレーブオフセット時間としてオフセット情報に含まれるオフセット時間「Offset」を記憶する。また、タイムスレーブ装置20(S1)の遅延時間算出部25は、第2の補正時間「D11」から第1の補正時間「D11」を減じた時間「0」とスレーブ往復時間「Ds1」とを足して2で割った時間「Ds1/2」と、オフセット時間「Offset」とを足した時間「Ds1/2+Offset」を遅延時間として算出する。そして、タイムスレーブ装置20(S1)のスレーブ送信部21は、オフセット情報を送信する
オフセット情報は、タイムスレーブ装置20(S2)に到達する。タイムスレーブ装置20(S2)のスレーブ記憶部23は、スレーブオフセット時間としてオフセット情報に含まれるオフセット時間「Offset」を記憶する。また、タイムスレーブ装置20(S2)の遅延時間算出部25は、第2の補正時間「D11」から第1の補正時間「D11」を減じた時間「0」とスレーブ往復時間「Ds2」とを足して2で割った時間「Ds2/2」と、オフセット時間「Offset」とを足した時間「Ds2/2+Offset」を遅延時間として算出する。そして、タイムスレーブ装置20(S2)のスレーブ送信部21は、オフセット情報を送信し、オフセット情報がタイムマスタ装置10(M)に到達する。
【0037】
(3)同期情報が伝搬する。つまり、タイムマスタ装置10の同期情報送信時処理と、タイムスレーブ装置20の同期情報受信時処理と、分岐装置30の同期情報受信時処理とが実行される。
タイムマスタ装置10(M)のマスタ送信部11は、同期情報を送信する。すると、分岐装置30(C1)を経由してタイムスレーブ装置20(S11)に到達する。さらに、分岐装置30(C2)を経由してタイムスレーブ装置20(S21とS22)に到達する。また、さらに、タイムスレーブ装置20(S22)からタイムスレーブ装置20(S21)と分岐装置30(C2)とを経由してタイムスレーブ装置20(S12)に到達する。さらに、分岐装置30(C2)とタイムスレーブ装置20(11)と分岐装置30(C1)とを経由して、タイムスレーブ装置20(S1とS2)へ到達し、最終的にタイムマスタ装置10(M)へ戻る。
同期情報が分岐装置30(C1とC2)を経由する際、分岐装置30(C1とC2)は、受信した同期情報について特に処理を行わず、ネットワークへ送信する。また、各タイムスレーブ装置20の同期時刻算出部26は、同期情報をINポートから受信してから遅延時間後を同期時刻として算出する。
タイムマスタ装置10、タイムスレーブ装置20、分岐装置30が以上の動作を行うことで、各タイムスレーブ装置20の同期をとることができる。
【0038】
第3に、以上で説明した同期処理を行うことで、各タイムスレーブ装置20がタイムマスタ装置10の基準時刻に従い動作していること、すなわち同期がとれていることを示す。
図12は、タイムマスタ装置10(M)が同期情報を送信してから各タイムスレーブ装置20が同期情報を受信するまでの伝播時間を示す図である。
各タイムスレーブ装置20までの伝播時間と、各タイムスレーブ装置20が算出した遅延時間とを足すと、いずれのタイムスレーブ装置20でも「(Dm+D11)/2+Offset」となる。つまり、いずれも同じ時間である。したがって、各タイムスレーブ装置20が算出した同期時刻は同じ時刻であることがわかる。
【0039】
以上のように、この実施の形態に係る同期システムは、非対称型の二重リング型ネットワークであっても、すべての装置が同じ時間タイミングを刻むことができる。また、この実施の形態に係る同期システムは、どのような接続形態のネットワークのであっても、すべての装置が同じ時間タイミングを刻むことができる。つまり、この実施の形態に係る同期システムは、ネットワークの接続形態を認識することなく、すべての装置が同じ時間タイミングを刻むことができる。
【0040】
なお、上記タイムマスタ装置10のマスタ送信部11は、ネットワーク稼動時(ネットワーク構成時)に計測情報とオフセット情報とを送信するとともに、ネットワーク稼動後は同期情報のみを送信するとしても構わない。つまり、ネットワーク稼動時に各タイムスレーブ装置20の遅延時間を計測しておき、ネットワーク稼動後は、所定の間隔で各装置を同期させるとしても構わない。
【0041】
また、タイムマスタ装置10のマスタ送信部11は、計測情報とオフセット情報と同期情報とをOUTポートとINポートとの両方へ送信しても構わない。つまり、上記説明においては、図1において、OUTポート側に接続された分岐装置30(C1)へのみ計測情報とオフセット情報と同期情報とを送信した。しかし、OUTポート側に接続された分岐装置30(C1)だけでなく、INポート側に接続されたタイムスレーブ装置20(S2)へも計測情報とオフセット情報と同期情報とを送信しても構わない。
この場合、各タイムスレーブ装置20の遅延時間算出部25は、OUTポートへ送信された計測情報とOUTポートへ送信されたオフセット情報とに基づき算出された情報から遅延時間(第1の遅延時間)を算出するとともに、INポートへ送信された計測情報とINポートへ送信されたオフセット情報とに基づき算出された情報から遅延時間(第2の遅延時間)を算出する。
また、各タイムスレーブ装置20の同期時刻算出部26は、OUTポートへ送信された同期情報を受信した時刻から第1の遅延時間後の時刻を同期時刻(第1の同期時刻)として算出するとともに、OUTポートへ送信された同期情報を受信した時刻から第2の遅延時間後の時刻を同期時刻(第2の同期時刻)として算出する。
つまり、この実施の形態に係る同期システムは、二重リングのいずれの方向に対しても同期時刻を算出するとしても構わない。
【0042】
また、タイムスレーブ装置20は、いずれのINポートとOUTポートとのいずれのポートから初めに同期情報を受信したかを判定するポート判定部を備えていても構わない。この場合、タイムスレーブ装置20の同期時刻算出部26は、同期情報を受信した時刻から、ポート判定部が同期情報を受信したと判定した装置から初めに受信した計測情報とオフセット情報とに基づき算出された遅延時間後の時刻を同期時刻として算出する。つまり、同期情報をINポートから受信したとポート判定部が判定した場合には、同期情報を受信した時刻から、INポートから初めに受信した(言い換えると、マスタ送信部11がOUTポートへ送信した)計測情報とオフセット情報とに基づき算出された遅延時間後の時刻を同期時刻として算出する。
【0043】
また、以上の説明では、分岐装置30は、本線ネットワークから1つの支線ネットワークへ分岐する場合を想定して説明した。しかし、分岐装置30はこれに限られず、本線ネットワークから2つ以上の支線ネットワークへ分岐するとしても構わない。本線ネットワークから2つ以上の支線ネットワークへ分岐する場合には、分岐装置30が複数の分岐装置30から構成されると仮定して、上記動作を適用することができる。
図13は、分岐装置30が本線ネットワークから2つ以上の支線ネットワークへ分岐する場合の一例を示す図である。図13(a)が実際のネットワーク構成であり、図13(b)が1つの分岐装置30が複数の分岐装置30から構成されると仮定した場合のネットワーク構成を示す図である。
図13(a)に示すように、分岐装置30(C)がINポート、OUT1ポート、OUT2ポート、OUT3ポートを備える場合に、OUT1ポートより先のネットワークを第1の支線ネットワークとし、OUT2ポートより先のネットワークを第2の支線ネットワークとし、INポートおよびOUT3ポートを本線ネットワークとする。また、同期用メッセージをINポートから受信し、次にOUT1ポートから第1の支線ネットワークへ送信し第1の支線ネットワークを巡って再びOUT1ポートから受信し、次にOUT2ポートから第2の支線ネットワークへ送信し第2の支線ネットワークを巡って再びOUT2ポートから受信し、そしてOUT3ポートから本線ネットワークへ送信して再びOUT3ポートから受信する。
この場合に、図13(b)に示すように分岐装置30(C)が、分岐装置30(Ca)と分岐装置30(Cb)とであると仮定することができる。つまり、図13(b)において、破線で囲まれた部分が分岐装置30(C)である。分岐装置30(Ca)は、INポートとOUT3ポートと、架空のXポートを有する。分岐装置30(Cb)は、架空のYポートと、OUT1ポートとOUT2ポートとを有する。また、分岐装置30(Ca)と分岐装置30(Cb)との間は架空のXポートとYポートとで接続されている。架空のXポートとYポートとの間の伝播時間は0である。
このように考えることで、上記にて説明した分岐装置30が本線ネットワークから1つの支線ネットワークへ分岐する場合の同期処理の動作を適用して、分岐装置30が本線ネットワークから2つの支線ネットワークへ分岐する場合の同期処理を行うことができる。また、分岐装置30が本線ネットワークから3つ以上の支線ネットワークへ分岐する場合であっても、1つの分岐装置30が複数の分岐装置30であると考えることで、上記にて説明した分岐装置30が本線ネットワークから1つの支線ネットワークへ分岐する場合の同期処理の動作を適用することができる。
【0044】
以上の説明をまとめると、この実施の形態に係る同期システムは、装置間を双方向の伝送路で接続し、二重リングもしくはラインもしくは分岐装置30を介してツリー状に形成された物理配線上を、通信データが全装置を一巡もしくは往復して送信者に戻ってくることで通信を終える論理リング型のネットワークにおいて、
(a)フレームの送信機能をもつ装置のなかからネットワークで唯一の時間管理者(タイムマスタ装置10)を選択するためのタイムマスタ選択手段を備え、
タイムマスタ装置10に選択された装置は、
(b1)計測フレーム、オフセットフレーム、同期フレームを送信するフレーム生成手段と、
(b2)計測フレームの送信から受信までの時間を計測するタイムマスタ時間計測手段と、
(b3)(b2)の結果に基づきオフセット値を計算するオフセット値算出手段と、
(b4)計測フレームの受信ポートを観測し、計測フレームを送信したポートと異なるポートから最初に受信を検知した場合、同フレームのループバックを実行するループバック要求手段とを備え、
タイムマスタ装置10に選択されなかったタイムスレーブ装置20は、
(c1)計測フレームを受信してから、同ポートへの計測フレームの送信までの時間を計測するタイムスレーブ時間計測手段と、
(c2)計測フレームに含まれる補正データを記録する計測補正値記録手段と、
(c3)オフセットフレームに含まれるオフセット値を記録するオフセット値記録手段と、
(c4)(c1)から(c3)までの結果に基づき同期遅延値を計算する遅延値算出手段と、
(c5)同期フレームを受信してから(c4)の遅延値後にクロックをリセットする同期補正手段とを備え、
分岐装置30は、
(d1)計測フレームの各経路の往復時間を計測する分岐装置時間計測手段と、
(d2)計測フレームに含まれる補正データを記録する計測補正値記録手段と、
(d3)オフセットフレームに含まれるオフセット値を記録するオフセット値記録手段と、
(d4)(d1)、(d2)に基づき計測フレームの補正データを変更する計測補正値変更手段と、
(d5)(d1)、(d3)に基づきオフセットフレームのオフセット値を変更するオフセット値変更手段とを備えることを特徴とする。
【0045】
また、上記ネットワーク同期システムは、計測フレーム、オフセットフレームをネットワーク構成時に行い、通常通信時は同期フレームのみを定期的に発信することを特徴とする。
さらに、上記ネットワーク同期装置は、上記手段を、両リング方向にそれぞれ備えることを特徴とする。
また、さらに、上記ネットワーク同期装置は、同期フレームの受信ポートを監視し、ポートの変更を検知し(c5)を自動的に切替えることを特徴とする。
【0046】
また、この実施の形態に係る同期システムは、タイムマスタ装置10がマスタ往復時間を計測し、タイムスレーブ装置20がスレーブ往復時間を計測し、分岐装置30が支線往復時間と本線往復時間とを計測し、タイムスレーブ装置20がこれらのマスタ往復時間とスレーブ往復時間と支線往復時間と本線往復時間とから遅延時間を算出していることを特徴とする。
さらに、この実施の形態に係る同期システムは、タイムマスタ装置10、タイムスレーブ装置20、分岐装置30が上記動作をすることにより、ネットワークを3つの種類のパケットを通過させるだけで、同期をとることができることを特徴とする。
【0047】
この発明に係る同期システムは、二重リング型ネットワークの本線ネットワークと、上記本線ネットワークの一方のリングから分岐し、双方向の伝送路で構成された支線ネットワークとを備える非対称二重リング型のネットワークであって、所定の情報を送信するタイムマスタ装置と、上記タイムマスタ装置が送信した情報に基づき他の装置と処理のタイミングを同期するための同期時刻を算出する複数のタイムスレーブ装置と、本線ネットワークと支線ネットワークとの分岐位置に設けられる分岐装置との複数の装置を備えるネットワークにおける同期システムであり、
上記タイムマスタ装置は、
通信時間を計測するための計測情報を送信するマスタ送信部と、
上記マスタ送信部が送信した計測情報が上記ネットワークを巡って再び戻ってくるまでのマスタ往復時間を計測するマスタ往復時間計測部とを備え、
上記複数のタイムスレーブ装置の各タイムスレーブ装置は、
上記計測情報を受信してから、上記計測情報を受信した装置へ送信するまでのスレーブ往復時間を計測するスレーブ往復時間計測部を備え、
上記分岐装置は、
上記計測情報を受信してから、支線ネットワークから上記計測情報を再び受信して送信するまでの支線往復時間を計測する支線往復時間計測部と、
上記計測情報を受信してから、本線ネットワークから上記計測情報を再び受信して送信するまでの本線往復時間を計測する本線往復時間計測部とを備え、
上記各タイムスレーブ装置は、さらに、
上記マスタ往復時間計測部が計測したマスタ往復時間と、上記スレーブ往復時間計測部が計測したスレーブ往復時間と、上記支線往復時間計測部が計測した支線往復時間と、上記本線往復時間計測部が計測した本線往復時間とに基づき遅延時間を算出する遅延時間算出部を備え、
上記タイムマスタ装置のマスタ送信部は、同期時刻の基準値となる同期情報を送信し、
上記各タイムスレーブ装置は、さらに、
上記同期情報を受信した時刻から上記遅延時間後の時刻を同期時刻として算出する同期時刻算出部
を備えることを特徴とする。
【0048】
また、上記タイムマスタ装置のマスタ送信部は、補正時間を含んだ計測情報を送信し、
上記各タイムスレーブ装置は、さらに、
上記計測情報を受信した場合に、上記計測情報に含まれる補正時間を第1の補正時間として記憶するとともに、上記計測情報を再び受信した場合に、上記計測情報に含まれる補正時間を第2の補正時間として記憶するスレーブ記憶部を備え、
上記分岐装置は、さらに、
上記計測情報を受信した場合に、上記計測情報に含まれる補正時間を受信時補正時間として記憶するとともに、上記支線ネットワークを上記計測情報が巡って、上記計測情報を再び受信した場合に、上記計測情報に含まれる補正時間を支線補正時間として記憶する分岐装置記憶部と、
上記計測情報を支線ネットワークから再び受信した場合、上記分岐装置記憶部が記憶した受信時補正時間に上記支線ネットワーク往復時間を加えた時間を新たな補正時間として上記計測情報の補正時間を更新する補正時間更新部を備え、
上記タイムマスタ装置のマスタ送信部は、上記マスタ送信部が送信した計測情報が上記装置を巡って再び戻って場合に上記計測情報に含まれる補正時間と上記マスタ往復時間とを足して2で割った時間を、所定の時間を示す同期ポイントから減じた時間であるオフセット時間を含むオフセット情報を送信し、
上記各タイムスレーブ装置のスレーブ記憶部は、上記オフセット情報を受信した場合に、上記オフセット情報に含まれるオフセット時間をスレーブオフセット時間として記憶し、
上記分岐装置の分岐装置記憶部は、上記オフセット情報を受信した場合に、上記オフセット情報に含まれるオフセット時間を分岐装置オフセット時間として記憶し、
上記分岐装置は、さらに、
上記オフセット情報を支線ネットワークへ送信する場合に、上記本線ネットワーク往復時間から支線補正時間を減じて2で割った時間と、分岐装置オフセット時間とを足した時間を新たなオフセット時間として上記オフセット情報を更新するとともに、支線ネットワークから上記オフセット情報を再び受信した場合、上記分岐装置オフセット時間を新たなオフセット時間として上記オフセット情報を更新するオフセット時間更新部とを備え、
上記各タイムスレーブ装置の遅延時間算出部は、上記スレーブ記憶部が記憶した第2の補正時間から第1の補正時間を減じた時間と上記スレーブ往復時間とを足して2で割った時間と、上記スレーブ記憶部が記憶したスレーブオフセット時間とを足して遅延時間を算出する
ことを特徴とする。
【0049】
また、上記タイムマスタ装置のマスタ送信部は、ネットワーク稼動時に計測情報とオフセット情報とを送信するとともに、ネットワーク稼動後は同期情報のみを送信する
ことを特徴とする請求項2記載の同期システム。
【0050】
また、上記タイムマスタ装置は、上記二重リング型ネットワークの本線ネットワークに設けられ、第1の装置と第2の装置との2つの装置と接続され、
上記タイムマスタ装置は、さらに、
上記マスタ送信部が計測情報を上記第1の装置へ送信した場合に、上記計測情報を上記第2の装置から受信すると、上記計測情報を上記第2の装置へ送信するループバック部を備え、
上記マスタ往復時間計測部は、上記マスタ送信部が計測情報を上記第1の装置へ送信した場合に、上記計測情報を上記第1の装置から受信するまでの時間をマスタ往復時間として計測する
ことを特徴とする。
【0051】
また、上記タイムマスタ装置のマスタ送信部は、計測情報とオフセット情報と同期情報とを上記第1の装置と上記第2の装置との両方へ送信し、
上記各タイムスレーブ装置の遅延時間算出部は、上記第1の装置へ送信された計測情報と上記第1の装置へ送信されたオフセット情報とに基づき算出された情報から第1の遅延時間を算出するとともに、上記第2の装置へ送信された計測情報と上記第2の装置へ送信されたオフセット情報とに基づき算出された情報から第2の遅延時間を算出し、
上記各タイムスレーブ装置の同期時刻算出部は、上記第1の装置へ送信された同期情報を受信した時刻から上記第1の遅延時間後の時刻を第1の同期時刻として算出するとともに、上記第2の装置へ送信された同期情報を受信した時刻から上記第2の遅延時間後の時刻を第2の同期時刻として算出する
ことを特徴とする。
【0052】
また、上記複数のタイムスレーブ装置の所定のタイムスレーブ装置は、上記二重リング型ネットワークの本線ネットワークに設けられ、第3の装置と第4の装置との2つの装置と接続され、
上記所定のタイムスレーブ装置は、さらに、
同期情報を上記第3の装置と上記第4の装置とのいずれの装置から初めて受信したかを判定するポート判定部を備え、
上記各タイムスレーブ装置の同期時刻算出部は、上記同期情報を受信した時刻から、上記ポート判定部が上記同期情報を受信したと判定した装置から初めて受信した計測情報とオフセット情報とに基づき算出された遅延時間後の時刻を同期時刻として算出する
ことを特徴とする。
【0053】
また、同期システムは、
双方向の伝送路で構成されたツリー接続の仮想リングネットワークを備え、所定の情報を送信するタイムマスタ装置と、上記タイムマスタ装置が送信した情報に基づき他の装置と処理のタイミングを同期するための同期時刻を算出する複数のタイムスレーブ装置とを備えるネットワークにおける同期システムであって、
上記タイムマスタ装置は、
通信時間を計測するための計測情報の送信と、各スレーブ装置との同期をとるための同期フレームを送信するマスタ送信部と、
上記マスタ送信部が送信した計測情報が上記ネットワークを巡って再び戻ってくるまでのマスタ往復時間を計測するマスタ往復時間計測部とを備え、
上記マスタ送信部は、
上記マスタ往復時間計測部が計測したマスタ往復時間に基づき、上記マスタ送信部が同期フレームを送信した時刻から同期時刻までの時間とマスタ往復時間の半分との差となるオフセット時間を送信し、
上記複数のタイムスレーブ装置は各々、
上記計測情報を受信してから、上記計測情報を受信した装置へ送信するまでのスレーブ往復時間を計測するスレーブ往復時間計測部と、
上記同期フレームの受信時刻から上記オフセット時間とスレーブ往復時間の半分とを遅延した時刻を、そのタイムスレーブ装置自身の同期時刻として算出する同期時刻算出部とを備えることを特徴とする。
【0054】
また、上記同期システムのタイムマスタ装置は、
双方向の伝送路で構成されたツリー接続の仮想リングネットワークを備え、所定の情報を送信するタイムマスタ装置と、上記タイムマスタ装置が送信した情報に基づき他の装置と処理のタイミングを同期するための同期時刻を算出する複数のタイムスレーブ装置とを備えるネットワークにおける上記タイムマスタ装置であって、
通信時間を計測するための計測情報の送信と、各スレーブ装置との同期をとるための同期フレームを送信するマスタ送信部と、
上記マスタ送信部が送信した計測情報が上記ネットワークを巡って再び戻ってくるまでのマスタ往復時間を計測するマスタ往復時間計測部とを備え、
上記マスタ送信部は、
上記マスタ往復時間計測部が計測したマスタ往復時間に基づき、上記同期フレームの受信時刻から上記オフセット時間とスレーブ往復時間の半分とを遅延した時刻を、上記各タイムスレーブ装置の同期時刻と設定させるために、上記マスタ送信部が同期フレームを送信した時刻から同期時刻までの時間とマスタ往復時間の半分との差となるオフセット時間を送信することを特徴とする。
【0055】
また、上記同期システムのタイムスレーブ装置は、
双方向の伝送路で構成されたツリー接続の仮想リングネットワークを備え、所定の情報を送信するタイムマスタ装置と、上記タイムマスタ装置が送信した情報に基づき他の装置と処理のタイミングを同期するための同期時刻を算出する複数のタイムスレーブ装置とを備えるネットワークにおける同期システムの上記タイムスレーブ装置であって、
タイムマスタ装置が送信した計測情報を受信してから、上記計測情報を受信した装置へ送信するまでのスレーブ往復時間を計測するスレーブ往復時間計測部と、
上記タイムマスタ装置が送信した、同期フレームを送信した時刻から同期時刻までの時間とマスタ往復時間の半分との差となるオフセット時間を受信後、上記同期フレームの受信時刻から上記オフセット時間とスレーブ往復時間の半分とを遅延した時刻を、自身の同期時刻として算出する同期時刻算出部と
を備えることを特徴とする。
【0056】
また、上記同期システムにおける同期方法は、
双方向の伝送路で構成されたツリー接続の仮想リングネットワークを備え、所定の情報を送信するタイムマスタ装置と、上記タイムマスタ装置が送信した情報に基づき他の装置と処理のタイミングを同期するための同期時刻を算出する複数のタイムスレーブ装置とを備えるネットワークにおける同期方法であって、
上記タイムマスタ装置が、上記タイムスレーブ装置に対して通信時間を計測するための計測情報を送信するステップと、
上記タイムマスタ装置が、送信した計測情報が上記ネットワークを巡って再び戻ってくるまでのマスタ往復時間を計測するステップと、
各タイムスレーブ装置が、上記計測情報を受信してから、再び上記計測情報を受信し送信するまでのスレーブ往復時間を計測するステップと、
上記タイムマスタ装置が、上記計測したマスタ往復時間に基づき、上記タイムマスタ装置が同期フレームを送信した時刻から同期時刻までの時間とマスタ往復時間の半分との差となるオフセット時間を送信するステップと、
上記タイムマスタ装置が、各スレーブ装置との同期をとるための同期フレームを送信するステップと、
上記各タイムスレーブ装置が、上記同期フレームの受信時刻から上記オフセット時間とスレーブ往復時間の半分とを遅延した時刻を、そのタイムスレーブ装置自身の同期時刻として算出するステップ
を有する。
【0057】
次に、上記実施の形態におけるタイムマスタ装置10、タイムスレーブ装置20、分岐装置30のハードウェア構成について説明する。
図14は、タイムマスタ装置10、タイムスレーブ装置20、分岐装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。
図14に示すように、タイムマスタ装置10、タイムスレーブ装置20、分岐装置30は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、LCD901(Liquid Crystal Display)、タッチパネル902、通信ボード915、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
【0058】
ROM913、磁気ディスク装置920は、不揮発性メモリの一例である。RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913とRAM914とは、記憶装置の一例である。通信ボード915とタッチパネル902とは、入力装置の一例である。また、通信ボード915は、出力装置の一例である。さらに、通信ボード915は、通信装置の一例である。また、さらに、LCD901は、表示装置の一例である。
【0059】
磁気ディスク装置920又はROM913などには、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0060】
タイムマスタ装置10のプログラム群923には、上記の説明において「マスタ送信部11」、「マスタ受信部12」、「ループバック部13」、「マスタ往復時間計測部14」、「マスタ記憶部15」等として説明した機能を実行するプログラムやその他のプログラムが記憶されている。また、同様に、タイムスレーブ装置20のプログラム群923には、上記説明において「スレーブ送信部21」、「スレーブ受信部22」、「スレーブ記憶部23」、「スレーブ往復時間計測部24」、「遅延時間算出部25」、「同期時刻算出部26」、「ポート判定部」等として説明した機能を実行するプログラムやその他のプログラムが記憶されている。さらに、同様に、分岐装置30のプログラム群923には、上記説明において「分岐装置送信部31」、「分岐装置受信部32」、「分岐装置記憶部33」、「支線往復時間計測部34」、「本線往復時間計測部35」、「補正時間更新部36」、「オフセット時間更新部37」等として説明した機能を実行するプログラムやその他のプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
タイムマスタ装置10のファイル群924には、上記の説明において「マスタ往復時間」、「同期ポイント」等として説明した情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「ファイル」や「データベース」の各項目として記憶される。また、同様に、タイムスレーブ装置20のファイル群924には、上記の説明において「スレーブ往復時間」、「第1の補正時間」、「第2の補正時間」、「オフセット時間」、「遅延時間」、「同期時刻」等として説明した情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「ファイル」や「データベース」の各項目として記憶される。さらに、同様に、分岐装置30のファイル群924には、上記の説明において「支線往復時間」、「本線往復時間」、「受信時補正時間」、「支線補正時間」、「分岐装置オフセット時間」等として説明した情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「ファイル」や「データベース」の各項目として記憶される。「ファイル」や「データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPU911の動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPU911の動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、上記の説明におけるフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、その他光ディスク等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0061】
また、上記の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。また、「〜装置」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。さらに、「〜処理」として説明するものは「〜ステップ」であっても構わない。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、ROM913等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、上記で述べた「〜部」としてコンピュータ等を機能させるものである。あるいは、上記で述べた「〜部」の手順や方法をコンピュータ等に実行させるものである。
【符号の説明】
【0062】
10 タイムマスタ装置、11 マスタ送信部、12 マスタ受信部、13 ループバック部、14 マスタ往復時間計測部、15 マスタ記憶部、20 タイムスレーブ装置、21 スレーブ送信部、22 スレーブ受信部、23 スレーブ記憶部、24 スレーブ往復時間計測部、25 遅延時間算出部、26 同期時刻算出部、30 分岐装置、31 分岐装置送信部、32 分岐装置受信部、33 分岐装置記憶部、34 支線往復時間計測部、35 本線往復時間計測部、36 補正時間更新部、37 オフセット時間更新部、901 LCD、902 タッチパネル、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 オペレーティングシステム、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向の伝送路で構成されたツリー接続のネットワークにおける同期システムであって、
通信時間を計測するために送信した計測情報が上記ネットワークを巡り再び戻ってくるまでの時間であるマスタ往復時間の半分の時間と、上記ネットワークに接続された他の装置と同期するための所定の同期ポイントまでの時間と、の差であるオフセット時間を送信するタイムマスタ装置と、
上記計測情報を受信してから、上記計測情報を他のタイムスレーブ装置に送信し上記ネットワークを巡って再び戻ってくるまでの時間であるスレーブ往復時間の半分の時間と、上記タイムマスタ装置から受信した前記オフセット時間と、を加算した時間を用いて前記所定の同期ポイントにて同期するタイムスレーブ装置と、
を備えることを特徴とする同期システム。
【請求項2】
双方向の伝送路で構成されたツリー接続のネットワークに接続された、タイムマスタ装置と複数のタイムスレーブ装置とを有する同期システムのタイムマスタ装置であって、
通信時間を計測するために送信した計測情報が上記ネットワークを巡り再び戻ってくるまでの時間であるマスタ往復時間の半分の時間と、上記複数のタイムスレーブ装置と同期するための所定の同期ポイントまでの時間と、の差であるオフセット時間を送信することを特徴とするタイムマスタ装置。
【請求項3】
双方向の伝送路で構成されたツリー接続のネットワークに接続された、タイムマスタ装置と複数のタイムスレーブ装置とを有する同期システムのタイムスレーブ装置であって、
上記タイムマスタ装置から通信時間を計測するために送信された計測情報を受信してから、上記計測情報を他のタイムスレーブ装置に送信し上記ネットワークを巡り再び戻ってくるまでの時間であるスレーブ往復時間の半分の時間と、上記タイムマスタ装置から受信したオフセット時間と、を加算した時間を用いて所定の同期ポイントにて上記タイムマスタ装置と同期することを特徴とするタイムスレーブ装置。
【請求項4】
双方向の伝送路で構成されたツリー接続のネットワークに接続された、タイムマスタ装置と複数のタイムスレーブ装置との同期方法であって、
通信時間を計測するために送信した計測情報が上記ネットワークを巡って再び戻ってくるまでの時間であるマスタ往復時間の半分の時間と、上記複数のタイムスレーブ装置と同期するための所定の同期ポイントまでの時間と、の差であるオフセット時間を送信するステップと、
上記計測情報を受信してから、上記計測情報を他のタイムスレーブ装置に送信し上記ネットワークを巡って再び戻ってくるまでの時間であるスレーブ往復時間の半分の時間と、上記タイムマスタ装置から受信した前記オフセット時間と、を加算した時間を用いて前記所定の同期ポイントにて同期するステップと、
を有する同期方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−48477(P2013−48477A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−238474(P2012−238474)
【出願日】平成24年10月30日(2012.10.30)
【分割の表示】特願2011−261169(P2011−261169)の分割
【原出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】