説明

同軸接続エレメント

発明は、同軸プラグソケット(2,3)を内部導体(9)内の回路担体(4)に接続するのに用いる同軸接続部品に関する。ソケット始端に生ずる軸方向及び半径方向の力を基板から遠ざけるべく、導電材料でできた弾性ベローズ(11)が部品内に組み込んである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸ジャックを回路担体へ接続する同軸接続エレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
高周波技術に使用する計測デバイスでは、計測ポートとして使用される同軸ジャックが計測デバイスの前面パネルに組み込まれ外部からアクセス可能であるが、通常は同軸線路部分を介して平面回路担体(基板)上に形成された実際の計測デバイス回路の印刷導体へ接続され、同軸線路のこの部分の内部導体は、例えば、半田付けにより回路担体の印刷導体に取り付けられる。同軸ジャックの外部導体に作用する力はハウジング内で吸収され、何故なら同軸ジャックとハウジングは螺子接続を介して互いに接続されているからである。対照的に、基板の内部導体と印刷導体との間の接続は機械的に非常に繊細である。内部導体内の極めて小さな軸方向及び半径方向の力でさえ、回路担体及び/又はその印刷導体を損傷することがある。この種の軸方向及び/又は半径方向の力は主に計測デバイスの同軸ジャックに対し計測ケーブルのプラグを螺子式に抜き差しするときにユーザにより生成され、何故ならジャックを非常に慎重に取り扱ったとしても、プラグを螺子式に抜き差しするときに内部導体が軸方向と半径方向に動かされ、内部導体のこれらの小さな動きがそのときに前記した如く回路担体へ損傷を及ぼすに十分であるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的はそれ故、内部導体による回路担体へのこの種損傷を防止する同軸接続エレメントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、独立請求項の前段に従う同軸接続エレメントに基づき請求項を特徴付ける機能により解決される。好都合な更なる展開が、従属請求項に特定してある。
【0005】
内部導体内に相互接続したベローズのお陰で、内部導体内に発生する軸方向及び/又は半径方向のどんな力も吸収され、かくして平坦な回路担体の内部導体と印刷導体との間の繊細な接続位置から遠ざかる。本発明になる接続エレメントは、好ましくは内部導体に組み込んだベローズに同軸ジャック内で直接一体化させ、かくして高周波計測デバイスに特に好適であり、ここで計測ケーブルは通常前面パネル上に装着される外部アクセス可能な同軸計測ポートに対し頻繁に螺子式に抜き差しされ、内部導体はかくして特に手荒に取り扱った場合に軸方向と半径方向の強い力にさらされる。ベローズにも拘わらず、本発明になる接続エレメントは極めて浅い熟慮をもって製造することができる。
【0006】
本発明になる導体は軸方向と半径方向に弾性的であり、事実外部からアクセス可能な同軸ジャックを用いた計測デバイスにおいて特に好都合であるが、内部導体が軸方向と半径方向への操作期間中に露出し、その他端にて繊細な基板回路へ接続されるジャックやプラグやプローブチップや類似物等の同軸システムと共に首尾よく使用することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
概略図を参照し、例示実装に基づいて以下本発明をより詳細に説明する。
【0008】
同軸ジャック2は、計測ポートとして使用され、その内部導体3はハウジング内部で平面回路担体4上に形成した計測デバイスの回路へ接続してあり、図1に断片的にのみ図示した高周波計測デバイスの前面パネル1内に装着してある。デバイス内部の内部導体の端部5は、例えば、半田付けにより回路担体4の印刷導体に接続してある。ジャック2の内部導体3は、絶縁材料でできた支持ディスク7を介して外部導体スリーブ6,8内に保持してある。
【0009】
ジャックの内部導体3を回路担体4の接続端5へ接続する内部導体9を収容する別の外部導体スリーブ8が、ジャック2の外部導体スリーブ6内に挿入してある。
【0010】
同軸接続エレメントの細部が、図2に寸法拡大して示してある。内部導体9は、外部導体スリーブ内に一体化した二つの支持体7,10間に同心保持し、対応支持体7,10内へ向け内部導体3,5に螺合させてある。それを中間部で分割し、その二つの半体14,15間に弾性ベローズ11を挿入する。内部導体半体14,15には、それぞれ端面穿設孔12が配設してあり、この穿設孔内にベローズ11から同軸方向に突出するピン様突起13が挿入してある。ベローズ11は、こうして内部導体半体14と15の間に保持される。
【0011】
ベローズ11は中空であり、好ましくは、外面を金メッキした薄肉箔状ニッケル材料で構成してある。この弾性薄壁ベローズを製造すべく、先ずアルミニウムからなる半加工品を必要な輪郭をもって製作し、次にその外面に化学反応的(galvanic manner)仕方でもって薄いニッケル被覆を塗布する。最終的には、これに金メッキする。
【0012】
次に内部アルミニウム半加工品を食刻して取り除き、金メッキされたニッケルでできた波形の外部被覆を有する極めて薄壁化したベローズとする。ベローズ11の軸方向突出ピン状保持部分13は、中空ピンと同じ仕方で製造することもできる。
【0013】
ベローズ11の輪郭は、好ましくは、同軸の外部導体スリーブ8内のベローズ位置でさえ特定の標準的特性インピーダンス、例えば、50オームが備わるよう選択する。これは、高周波電磁問題向けの三次元シュミレータを用いて計算し実施することができる。
【0014】
弾性ベローズは、半径方向の限界端までだけでなく軸方向にも弾性態様にて変形させることができ、こうしてユーザによるジャック2に対する計測ケーブルの螺子式の抜き差し期間中に内部導体3に作用する力を吸収することができる。ベローズは、この種の力が基板4と共に接続位置にてジャックの内部導体3から内部導体端5へ伝わるのを阻止する。
【0015】
本発明は、提示した例示的実装に限定はされない。説明したエレメントは、必要に応じて互いに組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】計測装置の内部に組み込んだ回路担体(基板)を有する計測デバイスの同軸ジャック間接続の一部透視図
【図2】本文脈に使用する同軸接続エレメントの細部の拡大図
【符号の説明】
【0017】
1 前面パネル
2 同軸ジャック
3 内部導体
4 回路担体
5 内部導体端部
6,8 外部導体スリーブ
7 支持ディスク(支持要素)
9 内部導体
10 支持体(支持要素)
11 弾性ベローズ
12 端面穿設孔
13 同軸突出ピン状突起
14,15 内部導体半体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路担体(4)に同軸ジャック(2,3)を接続する同軸接続エレメントであり、前記接続エレメントは外部導体スリーブ(8)内に設けられた内部導体(9)を備え、前記内部導体(9)内に導電材料でできた弾性ベローズ(11)が挿入されたものであって、
前記ベローズ(11)は、同軸突出ピン状突起(13)によって、分離された内部導体(9)の端面穿設孔(12)内に差し込まれることを特徴とする接続エレメント。
【請求項2】
前記同軸外部導体スリーブ(8)内でも前記ベローズの前記位置にて特定標準的特性インピーダンスが得られるように、前記ベローズ(11)の輪郭を選択したことを特徴とする請求項1に記載の接続エレメント。
【請求項3】
前記恒久的弾性ベローズ(11)は、薄壁化された金メッキのニッケル材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の接続エレメント。
【請求項4】
前記ベローズ(11)を保持する前記内部導体部分(9)を、一定の軸距離に配置した絶縁材料からなる二つの支持要素(7,10)間の外部導体スリーブ(8)内に保持したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の接続エレメント。
【請求項5】
前記接続エレメントを、同軸ジャック(2)の接続端に組み込んだことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の接続エレメント。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−513939(P2008−513939A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531668(P2007−531668)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/009896
【国際公開番号】WO2006/029847
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(501172372)ローデ ウント シュワルツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディット ゲゼルシャフト (39)
【氏名又は名称原語表記】Rohde & Schwarz GmbH & Co.KG
【Fターム(参考)】