説明

吐出部材、それを備える吐出容器および点眼容器

本発明は、内容液の逆流を防止して、無菌的な液滴の吐出(滴下)を実現することのできる吐出部材と、防腐剤などの配合をなくしまたは抑制することができ、スムーズな吐出を実現することのできる吐出容器および点眼容器と、を提供することを目的とする。本発明の吐出部材10は、吐出孔12を備える有底略筒状の吐出部11と、吐出部11内に固定されてその先端13aを吐出孔12から吐出部11外に露出してなる略円柱状の弁体支持部13と、吐出部11内に固定されてその先端14aを吐出孔12から吐出部11外に露出してなる弁体14と、を備える。弁体の先端14a部分は、上流側Uから液圧を受けていない状態で弁体支持部13に当接して吐出孔12を閉鎖し、上流側Uから液圧を受けると変形して弁体支持部13との間に流路を形成する。本発明の吐出容器30は、スクイズボトル31の口部31aに上記吐出部材10を取り付けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、スクイズボトルに充填された内容液を無菌的に吐出させるための、逆流防止効果を有する吐出部材と、口部に当該吐出部材を設けてなる、内溶液の無菌的な吐出が可能な吐出容器および点眼容器とに関する。
【背景技術】
点眼容器のように内容液を滴下させて使用する容器においては、例えば図13(a),(b)に示すように、容器本体92の口部92aに吐出部材90が取り付けられる。この吐出部材90は、容器本体92を押圧することによって、吐出孔91から内容液を液滴94の状態で吐出するものである。
しかしながら、図13に示す吐出部材90では、内容液の吐出後に、押圧により変形した容器本体92を復元すべく吐出口93から外気を取り入れることから、吐出口93に残留した内容液(点眼液など)95が容器本体92へと逆流するのにあわせて、吐出口93に付着した細菌などの微生物、埃、塵などが容器本体92内に侵入するという問題が生じる(図14(a),(b)参照)。特に、容器が点眼容器である場合には、角膜や瞼との接触によって吐出口93に細菌や埃が付着し易く、かかる問題を生じるおそれが極めて高い。
容器本体内に細菌や埃などが侵入すると内容液の腐敗、劣化などを引き起こすことから、点眼容器に収容される内容液(点眼液)には、防腐剤としての塩化ベンザルコニウム、パラベン類(パラオキシ安息香酸エステル類)などが配合されている。しかしながら、容器に収容される内容液の種類、用途などによっては防腐剤を含む処方が困難であったり、防腐剤を配合させることによって点眼液を使用する者にアレルギーなどの副作用が生じたりするおそれがある。
そこで、近年、防腐剤を使用しないこと、あるいはその使用量を極力少なくすることが検討されており、その一例として、防腐剤を使用せずに、小さな容器に極めて少量の点眼液のみを密封してなる、いわゆる使いきりの点眼容器が提供されている。しかしながら、使いきりの点眼容器にはコスト面の不利があることから、現状では特定の用途に限定されており、汎用されるものではない。
一方、特許文献1(特開2002−80055号公報)には、外層(外容器)と、その内面に剥離可能に設けられた内層(内容器)とを備える、いわゆるデラミネートボトルを採用したフィルタ付き吐出容器が記載されている。この吐出容器によれば、内容液の吐出後に吐出口から容器内部へ外気が流入するのを阻止できることから、内容液に細菌、埃などが混入するのを防止できる。しかしながら、内容液の吐出に伴う容器内圧の変化に応じて容易に変形する内容器を設ける必要があることから、製造コストが高くなるという問題がある。
また、特許文献2(特開2001−179017号公報)や特許文献3(特開2001−206454号公報)には、孔径が、細菌や埃などが通過することのできない大きさに設定された多孔性フィルタを吐出口に配置してなる抗菌性容器が記載されている。しかしながら、薬液などが染み込んだ状態で多孔性フィルタが乾燥すると、薬液中の溶質によってフィルタに目詰まりを生じるおそれがある。特に、容器の内容液が懸濁液である場合には目詰まりの問題がより一層生じ易くなる。さらに、上記特許文献2および上記特許文献3に記載の容器では、多孔質フィルタとして金属焼結体、樹脂焼結体などを用いているが、この場合、焼結体の微粒子が薬液中に混じって容器から吐出されるおそれもある。
そこで、点眼容器などの吐出容器において、吐出孔から内溶液(薬液)が逆流するのを防止して、無菌的な吐出(滴下)を実現することが求められている。
【発明の開示】
本発明の目的は、内容液の逆流を防止して、無菌的な液滴の吐出(滴下)を実現することのできる吐出部材と、内容液の腐敗や劣化を防止するための薬剤の配合をなくしまたは抑制することができ、内容液が懸濁液であっても目詰まりを生じることなく、スムーズな吐出を実現することのできる吐出容器および点眼容器と、を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る第1の吐出部材は、
底部に吐出孔を備える有底略筒状または略椀状の吐出部と、当該吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる略円柱状の弁体支持部と、上記吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる弾性体製の弁体と、を備え、
上記弁体の先端部分が、上記吐出孔側を下流側としたときに上流側から液圧を受けていない状態で上記弁体支持部に当接して吐出孔を閉鎖し、かつ上流側から液圧を受けると変形して弁体支持部との間に流路を形成することを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明に係る第2の吐出部材は、
底部に吐出孔を備える有底略筒状または略椀状の吐出部と、当該吐出孔の近傍で吐出部内に固定されてなる略円盤状の弁体支持部と、上記吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる弾性体製の弁体と、を備え、
上記弁体の先端部分が、上記吐出孔側を下流側としたときに上流側から液圧を受けていない状態で上記弁体支持部に当接して吐出孔を閉鎖し、かつ上流側から液圧を受けると変形して弁体支持部との間に流路を形成することを特徴とする。
本発明に係る第1および第2の吐出部材において、吐出孔の閉鎖と開放とを制御する弁体は、弾性体からなるものである。この弁体は、上流側から液圧を受けていない状態で弁体支持部に当接することにより、吐出孔を閉鎖する。一方、上流側から液圧を受けると変形して、弁体支持部との間に隙間(流路)を形成することにより、吐出孔を開放する。吐出孔が開放されることで、当該吐出孔と、吐出部の上流側(吐出部材に連結されるスクイズボトルなど)とが連通することから、吐出孔からの薬液などの吐出(滴下)を実現することができる。
本発明に係る第1および第2の吐出部材において、吐出孔からの薬液などの吐出を実現するには、吐出部材に連結されるスクイズボトルに圧を加えればよい。かかる操作によって、弁体の上流側からスクイズボトルに収容された内容液(薬液など)による液圧がかかり、弁体が変形して吐出孔が開放される。一方、スクイズボトルに圧を加えるのを止めると、通常、変形を受けたスクイズボトルがその形状を復元させるために外気を流入させようとする。しかしながら、スクイズボトルは瓶型の搾り出し容器であって、例えば練り歯磨きを収容するチューブと同様に、ボトル本体からその内容物(内容液)を搾り出すものであることから、ボトルを押圧前の形状に復元しようとして吐出孔に負荷される陰圧が本来的に小さい。しかも、本発明の吐出部材では、その弁体が、上流側から液圧を受けると変形して、弁体支持部との間に隙間(流路)を形成するといった構造を備えることから、ボトルが復元しようとする陰圧は、むしろ変形を受けた弁体の復元動作を加速する作用を示すことになる。従って、弁体の変形に伴って吐出孔に生じた隙間(流路)は、スクイズボトルへの加圧(およびそれに伴う弁体への液圧の負荷)を止めることによって直ちに塞がれることになり、本発明の吐出部材では弁体が逆止弁として作用する。
それゆえ、本発明に係る第1および第2の吐出部材によれば、吐出孔から吐出された液体の逆流と、それに伴う細菌、埃などの侵入を防止することができる。かかる吐出部材は、例えばスクイズボトルを用いた点眼容器の吐出部に適用するのに好適である。
なお、本発明に係る吐出部材は、外層(外容器)と、その内面に剥離可能に設けられた内層(内容器)とを備える、いわゆるデラミネートボトルの吐出部として使用することも可能である。この場合も、スクイズボトルの吐出部として使用する場合と同じく、吐出孔から吐出された液体の逆流と、それに伴う細菌、埃などの侵入を防止するという作用効果を得ることができる。
上記目的を達成するための本発明に係る吐出容器は、スクイズボトルの口部に上記第1または第2の吐出部材を備えるものである。
すなわち、本発明に係る第1の吐出容器は、
スクイズボトルの口部に、底部に吐出孔を備える有底略筒状または略椀状の吐出部と、当該吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる略円柱状の弁体支持部と、上記吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる弾性体製の弁体とを有する吐出部材を備え、
上記弁体の先端部分が、スクイズボトル側から液圧を受けていない状態で上記弁体支持部に当接して吐出孔を閉鎖し、かつスクイズボトル側から液圧を受けると変形して弁体支持部との間に流路を形成することを特徴とする。
また、本発明に係る第2の吐出容器は、
スクイズボトルの口部に、底部に吐出孔を備える有底略筒状または略椀状の吐出部と、当該吐出孔の近傍で吐出部内に固定されてなる略円盤状の弁体支持部と、上記吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる弾性体製の弁体とを有する吐出部材を備え、
上記弁体の先端部分が、スクイズボトル側から液圧を受けていない状態で上記弁体支持部に当接して吐出孔を閉鎖し、スクイズボトル側から液圧を受けると変形して弁体支持部との間に流路を形成することを特徴とする。
本発明に係る第1および第2の吐出容器において、スクイズボトルの口部に取り付けられている吐出部材は本発明に係る第1または第2の吐出部材であって、前述のように、スクイズボトルに圧を加えることによって、弁体を変形させて吐出孔から内容液を吐出(滴下)させることができる。また、スクイズボトルに圧を加えるのを止めて、弁体への液圧の負荷をなくすと、吐出孔が直ちに塞がれて、弁体が逆止弁として作用することになる。従って、本発明に係る第1および第2の吐出容器によれば、一旦吐出された内容液がスクイズボトルに逆流したり、それに伴って細菌などの微生物、埃、塵などがスクイズボトル内へ侵入したりするのを高度に防止することができる。また、その結果、内容液の腐敗または劣化を防止するための薬剤(例えば防腐剤)の配合をなくしたり、あるいはその配合を極力少なくしたりすることができる。さらに、本発明の吐出容器は、吐出部に多孔性フィルタを用いるものではないことから、吐出孔での目詰まりを生じることがない。それゆえ、たとえ内容液が懸濁液であってもスムーズな吐出を実現することができる。
本発明に係る第1および第2の吐出容器は、いずれも、
(I)スクイズボトルがその口部を密封する薄膜を備え、かつ、上記吐出部が、その内部にあって尖端をスクイズボトル側に向けてなる中空の穿刺針を備えており、吐出部をスクイズボトルにねじ込みまたは嵌め合わせることによって、上記薄膜に上記穿刺針が刺通されるものであってもよく、あるいは、
(II)吐出部が、その内部に、上記スクイズボトルの内壁と当接して、吐出部とスクイズボトルとの間を封鎖する内栓を備えており、吐出部をスクイズボトルにねじ込みもしくは嵌め合わせることによって、または吐出部とスクイズボトルとのねじ嵌めもしくは嵌め合わせを緩めることによって、内栓とスクイズボトルの内壁との間に流路が形成されるものであってもよい。
スクイズボトルが上記(I)の薄膜を備える場合には、吐出容器を使用する前においてスクイズボトルの内容液を気密的に保存することができることから、無菌状態を保証することができる。一方、吐出部が上記(II)の内栓を備える場合には、吐出容器を使用する前において内容液の無菌状態を保証することができるほか、吐出容器の使用を中断する場合にも、内栓とスクイズボトルの内壁との間の流路を閉鎖することによって、再び内容液を気密的に保存することができる。
本発明に係る第1および第2の吐出容器は、いずれも、点眼液を収容する点眼容器として好適である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る第1の吐出部材の一実施形態を示す断面図である。
図2は、本発明に係る吐出容器の一実施形態を示す断面図である。
図3A〜Cは、図2に示す吐出容器の使用状態を示す断面図である。
図4は、本発明に係る吐出容器の他の実施形態を示す断面図である。
図5A〜Cは、図4に示す吐出容器の使用状態を示す断面図である。
図6は、本発明に係る吐出容器のさらに他の実施形態を示す断面図である。
図7は、図6に示す吐出容器の使用状態を示す断面図である。
図8は、本発明に係る吐出容器のさらに他の実施形態を示す断面図である。
図9は、図8に示す吐出容器の使用状態を示す断面図である。
図10は、本発明に係る第1の吐出部材の他の実施形態を示す断面図である。
図11は、本発明に係る第2の吐出部材の一実施形態を示す断面図である。
図12は、本発明に係る第2の吐出部材の他の実施形態を示す断面図である。
図13は、(a)は従来の点眼容器の一例を示す正面図であって、(b)はその吐出部材の拡大断面図である。
図14は、従来の点眼容器における問題点を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明に係る吐出部材およびそれを備える吐出容器および点眼容器についての実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1に示す吐出部材10は、本発明に係る第1の吐出部材の一実施形態であって、有底略筒状である吐出部11と、吐出部11内に固定されてその先端13aを吐出孔12から吐出部11外に露出してなる、略円柱状の弁体支持部13と、吐出部11の吐出孔12近傍における内壁面に固定されて、その先端14aを吐出孔12から吐出部11外に露出してなる弁体14と、を備えている。
弁体支持部13は筒体15に連接しており、その筒体15を吐出部11の内壁面に溶着することによって、弁体支持部の先端13aが吐出孔12で吐出部11外に露出した状態となるように固定されている。筒体15には孔15aが設けられており、この孔15aが筒体15内から吐出孔12側への内容液の流路となっている。また、筒体15は、その開口端15bの内周面に設けられたねじ部15cを用いて、スクイズボトル31の口部31aに設けられたねじ部31bと螺合している。
弁体14は、上流側Uから液圧を受けると吐出部11の外側(弁体14の先端14aにおける外周面側)に撓むようにして変形し、弁体支持部13との間に流路を形成する。この弁体14の形成材料として熱可塑性エラストマーを使用し、吐出部11の形成材料として熱可塑性樹脂を使用することによって、両者を一体成形することができる。熱可塑性エラストマー製の弁体は一般に粘着力が大きく、ブロッキングし易いことから、弁体と吐出部とを別々に成形するには困難を伴うところ、弁体14と吐出部11とを一体成形することによって、その製造を容易なものとすることができ、生産生を向上させることができる。弁体と吐出部とを一体成形する方法としては、例えば多色成形やインサート成形が挙げられる。
筒体15は、その内部に中空の穿刺針(中空針)18を備えており、中空針18の尖端はスクイズボトル側(上流側U)に向けられている。
図2に示す吐出容器30は、本発明に係る吐出容器の一実施形態であって、スクイズボトル31の口部31aに図1に示す吐出部材10を備えるものである。
吐出容器30の未使用時において、スクイズボトルの口部31aの外周面に設けられたねじ部31bは、筒体15のねじ部15cと浅く螺合しており、それゆえ、筒体15内部の中空針18は、スクイズボトルの口部31aに取り付けられた内栓17の薄膜16を突き破らない状態で保持されている(図2)。一方、吐出容器30を使用する際には、スクイズボトルのねじ部31bと、筒体のねじ部15cとをさらに深く螺合させることによって、内栓の薄膜16が中空針18によって突き破られる(図3A)。その結果、スクイズボトル31の内部と、吐出部材10の内部とが連通することになる。
吐出容器30からの内容液の吐出(滴下)は、スクイズボトル31を押圧することによって達成される(図3B)。すなわち、スクイズボトル31を押圧すると、スクイズボトルに収容された内容液(図示せず)は、中空針18や弁体支持部13の孔13aを通過し、下流側Dの吐出孔12へと達して、弁体14の先端14a部分に液圧を負荷する。弁体14は、通常、弁体支持部13に当接して吐出孔12を閉鎖しているものの、上流側Uから液圧がかかると変形して、弁体支持部13との間に流路を形成する。従って、かかる流路から内溶液が通過することによって、吐出孔12にて液滴dが吐出される。一方、上流側Uからの液圧の負荷を止めると、弁体14は速やかに元の形状に戻り、すなわち弁体支持部13に当接することから、吐出孔12に形成された流路が閉鎖される。
瓶型の搾り出し容器であるスクイズボトル31は、それ自体が可撓性を有するものであり、その底部に蛇腹部32を有することから、ボトルを押圧してその内容液を吐出した後において、ボトルの形状を押圧前の状態に復元しようとする作用が小さい。しかも、弁体14は、上流側Uからの液圧の負荷を止めると速やかに弁体支持部13に当接して流路を閉鎖することから、吐出孔12からの内容液の逆流が確実に防止され、空気の流入も生じない。従って、吐出操作を終えた後のボトル31は、本来ならば押圧前のボトル31’の形状に復元しようとするところ、その蛇腹部32を縮めた状態で保たれる(図3B,図3C)。
図4に示す吐出容器35は、本発明に係る吐出容器の他の実施形態であって、スクイズボトル36の口部36aに図1に示す吐出部材10を備えるものである。
吐出容器35の未使用時には、スクイズボトルの口部36aの外周面に設けられたねじ部36bと、筒体15のねじ部15cとが浅く螺合しており、図2に示す場合と同様に、筒体15内部の中空針18が、内栓17の薄膜16を突き破らない状態で保持されている(図4)。一方、吐出容器35の使用時には、図3A〜図3Cに示す場合と同様に、スクイズボトルのねじ部36bと筒体のねじ部15cとが深く螺合して、薄膜16が中空針18によって突き破られる(図5A)。
吐出容器35からの内容液の吐出(滴下)は、スクイズボトル36を押圧することによって達成される。スクイズボトル36の押圧に伴って弁体14に液圧が負荷されること、弁体14の変形に伴って流路が形成され、吐出孔12からの液滴dが吐出されること(図5B)、スクイズボトル36の押圧を止めると弁体14が速やかに弁体支持部13に当接して流路を閉鎖すること、その結果、吐出孔12からスクイズボトル36内への空気の流入が生じないこと、およびボトル36’の復元力が小さく、しかも吐出孔12からの空気の流入が生じない結果、スクイズボトル36の押圧を止めても蛇腹部37を縮めた状態が保たれること(図5C)については、図2、図3A〜Cに示す吐出容器30の場合と同様である。
図6および図8に示す吐出部材60,65は、いずれも吐出部材10の内部に、中空針18に代えて内栓61,63を備えており、筒体15のねじ部15cとスクイズボトル31のねじ部31bとの螺合状態を調節することによって、スクイズボトル15の口部栓62,64を開閉するものである。
図6に示す吐出部材60では、スクイズボトルのねじ部31bと筒体のねじ部15cとを浅く螺合した状態で、口部栓62が内栓61によって閉鎖されており、スクイズボトルのねじ部31bと筒体のねじ部15cとを締めて、その螺合状態を深くすることによって、口部栓62を開放することができる(図7)。
一方、図8に示す吐出部材65では、スクイズボトルのねじ部31bと筒体のねじ部15cとを深く螺合した状態で、口部栓64が内栓63によって閉鎖されており、スクイズボトルのねじ部31bと筒体のねじ部15cとを緩めて、その螺合状態を浅くすることによって、口部栓64を開放することができる(図9)。
図10に示す吐出部材20は、本発明に係る第1の吐出部材の他の実施形態であって、有底略筒状である吐出部21と、吐出部21内に固定されてその先端13aを吐出孔22から吐出部21外に露出してなる、略円柱状の弁体支持部13と、吐出部21の吐出孔22近傍における内壁面に固定されて、その先端24aを吐出孔22から吐出部21外に露出してなる弁体24と、を備えている。
図10に示す吐出部材20において、弁体24は、吐出部21と一体成形されるものではなく、単独で成形した後、吐出孔22の近傍にて吐出部の先端21aで挟持させることによって固定されるものである。なお、弁体は、スクイズボトルの押圧に伴う液圧によって十分に変形することが求められることから、その硬度が低く、柔軟性の高い材料が用いられる。このような材料を概ね粘着性が高いものであることから、弁体を吐出部の所定の位置に配置する際には、弁体がブロッキングを生じないように注意する必要がある。
なお、図10に示す吐出部材20は、弁体24と吐出部21との接合部の形態が異なるほかは、図1に示す吐出部材10と同様である。
図11に示す吐出部材40は、本発明に係る第2の吐出部材の一実施形態であって、有底略筒状である吐出部41と、吐出孔42の近傍で吐出部41内に固定されてなる略円盤状の弁体支持部43と、吐出部41内に固定されてその先端を吐出孔42から吐出部41外に露出してなる弁体44と、を備えている。
弁体支持部43は筒体45に連接しており、その筒体45を吐出部41の内壁面に溶着することによって、孔43aを有する弁体支持部43の先端部分が吐出孔42の近傍に配置され、固定されている。筒体の孔45aは、筒体45内から吐出孔42側への内容液の流路となっている。筒体45は、その開口端45bの内周面に設けられたねじ部45cを用いて、スクイズボトル31の口部31aに設けられたねじ部31bと螺合している。
弁体44は、上流側Uから液圧を受けると吐出部41の外側に撓むようにして変形し、弁体支持部43との間に流路を形成する。この弁体44の形成材料として熱可塑性エラストマーを使用し、吐出部41の形成材料として熱可塑性樹脂を使用することによって、両者を一体成形することができる。弁体と吐出部とを一体成形する方法としては、前述の場合と同様である。
なお、図11に示す吐出部材40は、弁体44と吐出部41の形態が異なるほかは、図1に示す吐出部材10と同様である。
図12に示す吐出部材50は、本発明に係る第2の吐出部材の他の実施形態であって、有底略筒状である吐出部51と、吐出孔52の近傍で吐出部51内に固定されてなる略円盤状の弁体支持部43と、吐出部51内に固定されてその先端を吐出孔52から吐出部51外に露出してなる弁体54と、を備えている。
図12に示す吐出部材50において、弁体54は、吐出部51と一体成形されるものではなく、単独で成形した後、吐出孔52の近傍にて吐出部の先端51aで挟持させることによって固定されるものである。図12に示す吐出部材50は、弁体54と吐出部51との接合部の形態が異なるほかは、図11に示す吐出部材40と同様である。
図10〜図12に示す吐出部材20,40,50についても、図1に示す吐出部材10と同様に、スクイズボトル31,36の口部に取り付けることによって使用することができる。
本発明の吐出部材における弁体は、上流側(スクイズボトル側)からの液圧によって容易に変形するもの(具体的には、伸張変形と、それに伴う撓みを生じるもの)であることが必要となる。弁体を形成するのに用いられる弾性体には、例えば熱可塑性エラストマー、天然ゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムなどのゴム;ゲル状物質などが挙げられる。
弁体を形成する弾性体の具体例は次のとおりである。熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、マレイン酸変性などの変性SEBS、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン/ブチレンブロック共重合体(SEB)、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(SEP)などのスチレン系エラストマー;エチレン−プロピレンブロック共重合体などのオレフィン系エラストマー;ポリウレタン系エラストマー;およびこれらの混合物が挙げられる。スチレン系の熱可塑性エラストマーの中では、例えばクラレプラスチックス(株)(Kuraray Plastics Co.,Ltd.)製の「セプトン(Septon)(登録商標)コンパウンド」などが好適である。ゲル状物質としては、例えば直鎖の炭化水素系高分子(オレフィン系エラストマー)からなるグル〔(株)コスモ計器(Cosmo Instrument Co.,Ltd.)製の商品名「コスモゲル」など〕;シリコーン−ウレタン系ゲル〔ケミテック(株)(Chemitech Co.,Ltd.)製の商品名「ケミテックゲル」など〕が挙げられる。弁体を形成する弾性体は、発泡体(但し、弾性体中の孔が不連続であるもの)であってもよく、添加物によってその硬度を後述する範囲に設定したものであってもよい。
上記例示の弾性体について、より具体的な性状は特に限定されるものではないが、弁体の変形性能を良好なものとする上で、弾性体の硬さは、JIS A硬度(JIS K 6301−5.2「スプリング式硬さ試験」に記載の方法で測定したスプリング硬さHs(A型))で0〜40の範囲にあることが好ましい。弾性体の硬さ(JIS A)は、上記範囲の中でも特に30以下であるのが好ましく、より好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下である。また、材料の入手可能性や弁体の強度などの観点から、2以上であってもよい。
弁体の液圧による変形の程度を示す指標としては、上記の硬さのほかに、例えば弾性体の圧縮弾性率などが挙げられる。弁体を形成する弾性体は、液圧の負荷、除圧を繰り返し行っても破損することがないように、その圧縮永久歪み率CS(JIS K 7301、測定条件:70℃×22時間)が50以下であるのが好ましい。
吐出部材が点眼容器の吐出部である場合において、一般的な点眼動作での点眼液の滴下速度が0.05mL/秒程度であることを考慮すれば、弁体を変形させるのに要する圧は0.01〜0.2MPa程度であるのが好ましい。
図1および図11に示す吐出部材10,40のように、弁体14,44を吐出部11,41の吐出孔近傍に一体成形によって固定させる場合には、上記例示の弾性体材料の中から熱可塑性を有する材料を選択すればよい。一方、図10および図12に示す吐出部材20,50のように、吐出孔22,52の近傍にて弁体24,54を吐出部の先端21a,51aで挟持させ、固定する場合には、弁体形成用の弾性体材料を熱可塑性材料に限定する必要はない。
本発明に係る吐出部材は、吐出孔または弁体よりも上流側に通液フィルタを有していてもよい。通液フィルタは、一定以上の液圧を付加することによって液体の透過が許容されるフィルタであることから、かかるフィルタを設けることによって、万一、吐出部の吐出孔近傍に残留する内容液中に細菌、埃などが侵入(逆流)するという事態が生じたとしても、当該内容液がスクイズボトルの内部にまで侵入することは防止できる。すなわち、通液フィルタは、吐出部材に接続しているスクイズボトル内に汚染物質が侵入するのを防止するという観点から好適である。
通液フィルタの孔径が0.1〜0.45μm程度(すなわち、小孔径のもの)である場合には、懸濁液を収容するスクイズボトルに本発明の吐出部材を適用するのが困難になるものの、細菌、埃などがスクイズボトルに侵入する事態をより一層確実に防止することができる。一方、通液フィルタの孔径が10〜20μm程度(すなわち、比較的大孔径のもの)である場合には、懸濁液を収容するスクイズボトルにも本発明の吐出部材を適用することができる。この場合において、懸濁液による通液フィルタの目詰まりを考慮する必要はなく、むしろ懸濁液の成分が吐出孔の近傍で沈殿するのを抑制するという新たな効果を得ることができる。また、かかる孔径の比較的大きな通液フィルタであっても、細菌、埃などの侵入を抑止することについて一定の効果を得ることができる。
本発明に使用可能な通液フィルタとしては、これに限定されるものではないが、例えばジャパンゴアテックス(株)(Japan Gore−tex Inc.)の親水性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜、日本ミリポア(Millipore)社の親水性デュラポア(Durapore)(登録商標,ポリビニリデンフルオライド(PVDF)製)、同社の親水性ポリエーテルスルホン(PES)膜などが挙げられる。
本発明に係る吐出部材および吐出容器においては、後述する吐出孔などへの抗菌処理と併せて、またはこれに代えて、吐出部の外表面に被せるキャップに抗菌処理を施してもよい。抗菌処理の対象となるキャップの部位は、これに限定されるものではないが、その内表面のうち吐出孔と接する部位、またはキャップの内部に配置される吸収材などが挙げられる。
本発明の吐出部材は、吐出孔側から上流側への逆流を生じないものであることから、吐出操作を終えた後の残留液は、吐出部内に流入せずに、吐出孔の周りに残存することになる。そこで、例えば内部に吸収材33aを備えるキャップ33を使用して、吐出操作を終えた後に吐出孔12近傍に滞留する内容液(残留液)を吸収材33aで吸い取らせることによって、再度の滴下操作の際に当該残留液が吐出されないようにすることができる(図2、図4、図6および図8参照)。
また、吸収材は、吐出孔と直接に接触させずに、キャップの内表面で押しのけられた吐出孔の残留液がキャップ内表面の周囲に設けられた吸収材に吸収されるように設計してもよい。
吸収材の具体例としては、例えばウレタンや発泡ポリエチレンなどからなるスポンジ;不織布、脱脂綿、ガーゼなどからなる布地;紙;ヒドロゲルなどが挙げられる。スポンジの形成には、例えばウレタンや発泡ポリエチレンなどの、従来公知の種々の材料を用いればよい。スポンジに抗菌処理を施すには、例えばスポンジ作製後に抗菌剤などの薬剤を塗布などの手段によってスポンジの表面に付着させたり、ウレタンやポリエチレンに抗菌剤などの薬剤をあらかじめ練り込んだりしておくのが好ましい。また、吸収材の素材自体にあらかじめ抗菌活性を有しているものを用いてもよい。
上記布、紙、ヒドロゲルなどに対する抗菌処理としては、例えばこれらにシランカップリングやセレニウムコーティングなどの処理を施す方法が挙げられる。ヒドロゲルの具体例としては、例えば(メタ)アクリルアミド系などの高分子と水膨潤性粘土鉱物とを組み合わせてなるもの(特開2002−53629号公報、同−53762号公報参照)が挙げられる。
本発明の吐出部材および吐出容器において、吐出部、キャップおよびスクイズボトルを形成する樹脂としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられる。特にPEやPPは医薬的に安全な素材であることから、本発明の吐出容器が点眼容器のような薬液を収容するものである場合に特に好適である。
吐出部、キャップおよびスクイズボトルを形成する樹脂には、吐出操作後において吐出孔の近傍などに残存する液や、スクイズボトル内に収容される内容液についての腐敗などを防止する効果をより一層高めるという観点から、あらかじめ防腐剤などを練り込んでおいてもよい。防腐剤の具体例としては、第4級アンモニウム塩(例えば、イヌイ(株)(Inui Corp.)製の商品名「ダイマー38(Dimer38)」、同社製の「ダイマー136(Dimer136)」)などが挙げられる。
また、吐出部、キャップおよびスクイズボトルの形成後に、その内表面などに防腐剤を塗布などの手段によって付着させたり、吐出部材、キャップおよびスクイズボトルの形成時にシランカップリングなどによる表面処理を施しておいたりしてもよい。吐出部などを形成する樹脂の素材自体に抗菌活性を有するものを用いてもよい。
本発明に係る吐出部材の弁体、吐出部(特に吐出孔)および弁体支持部は、これに限定されるものではないが、抗菌処理が施されたものであるのが好ましい。抗菌処理が施されていることにより、内容液の吐出処理後において吐出孔の近傍に滞留する内容液(残留液)に対して、細菌の繁殖などを防止する作用を発揮させることができる。
抗菌処理の対象は吐出部材の構成に応じて適宜選定すればよいが、前述の部位のほかにも、吐出部(または吐出孔)を覆うキャップの表面(吐出部と接触する内表面など)や、当該キャップの内部に配置される吸水材(スポンジ、布、紙、ヒドロゲルなど)などについても、抗菌処理の対象とすることができる。
抗菌処理は、弁体などを形成する熱可塑性エラストマーなどの弾性材料、吐出部や吐出孔を形成する樹脂材料、上記吸収材の形成材料などにあらかじめ防腐剤、抗菌剤などの薬剤を配合したり、あらかじめ成形された弁体や吐出部などの表面に上記薬剤を塗付などの手段によって付着させたり、弁体、吐出部、キャップなどの形成材料にシランカップリングやセレニウムコーティングなどの表面処理を施したりすることによって達成される。(メタ)アクリルアミド系などの高分子と水膨潤性粘土鉱物とを組み合わせてなるヒドロゲルには、その表面にセレニウムをコーティングすることで抗菌処理を施すことができる。
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記特許請求の範囲に含まれるものである。
産業上の利用分野
以上のように、本発明の吐出部材、吐出容器および点眼容器は、内容液の逆流を防止しつつ、無菌的な液滴の吐出(滴下)を実現でき、内容液の腐敗や劣化を防止するための薬剤の配合をなくしまたは抑制でき、さらには、内容液が懸濁液であっても目詰まりを生じることなく、スムーズな吐出を実現できるものとして、例えば、点眼液を収容する点眼容器などの医療用容器の分野において、実用上有利に使用できる。
【図1】

【図2】




【図4】




【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に吐出孔を備える有底略筒状または略椀状の吐出部と、当該吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる略円柱状の弁体支持部と、上記吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる弾性体製の弁体と、を備え、
上記弁体の先端部分が、上記吐出孔側を下流側としたときに上流側から液圧を受けていない状態で上記弁体支持部に当接して吐出孔を閉鎖し、かつ上流側から液圧を受けると変形して弁体支持部との間に流路を形成することを特徴とする吐出部材。
【請求項2】
底部に吐出孔を備える有底略筒状または略椀状の吐出部と、当該吐出孔の近傍で吐出部内に固定されてなる略円盤状の弁体支持部と、上記吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる弾性体製の弁体と、を備え、
上記弁体の先端部分が、上記吐出孔側を下流側としたときに上流側から液圧を受けていない状態で上記弁体支持部に当接して吐出孔を閉鎖し、かつ上流側から液圧を受けると変形して弁体支持部との間に流路を形成することを特徴とする吐出部材。
【請求項3】
スクイズボトルの口部に、底部に吐出孔を備える有底略筒状または略椀状の吐出部と、当該吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる略円柱状の弁体支持部と、上記吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる弾性体製の弁体とを有する吐出部材を備え、
上記弁体の先端部分が、スクイズボトル側から液圧を受けていない状態で上記弁体支持部に当接して吐出孔を閉鎖し、かつスクイズボトル側から液圧を受けると変形して弁体支持部との間に流路を形成することを特徴とする吐出容器。
【請求項4】
上記スクイズボトルがその口部を密封する薄膜を備え、かつ、上記吐出部が、その内部にあって尖端をスクイズボトル側に向けてなる中空の穿刺針を備えており、
吐出部をスクイズボトルにねじ込みまたは嵌め合わせることによって、上記薄膜に上記穿刺針が刺通される請求項3記載の吐出容器。
【請求項5】
上記吐出部が、その内部に、上記スクイズボトルの内壁と当接して、吐出部とスクイズボトルとの間を封鎖する内栓を備えており、
吐出部をスクイズボトルにねじ込みもしくは嵌め合わせることによって、または吐出部とスクイズボトルとのねじ嵌めもしくは嵌め合わせを緩めることによって、内栓とスクイズボトルの内壁との間に流路が形成される請求項3記載の吐出容器。
【請求項6】
スクイズボトルの口部に、底部に吐出孔を備える有底略筒状または略椀状の吐出部と、当該吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる略円柱状の弁体支持部と、上記吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる弾性体製の弁体とを有する吐出部材を備え、
上記弁体の先端部分が、スクイズボトル側から液圧を受けていない状態で上記弁体支持部に当接して吐出孔を閉鎖し、かつスクイズボトル側から液圧を受けると変形して弁体支持部との間に流路を形成することを特徴とする点眼容器。
【請求項7】
スクイズボトルの口部に、底部に吐出孔を備える有底略筒状または略椀状の吐出部と、当該吐出孔の近傍で吐出部内に固定されてなる略円盤状の弁体支持部と、上記吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる弾性体製の弁体とを有する吐出部材を備え、
上記弁体の先端部分が、スクイズボトル側から液圧を受けていない状態で上記弁体支持部に当接して吐出孔を閉鎖し、スクイズボトル側から液圧を受けると変形して弁体支持部との間に流路を形成することを特徴とする吐出容器。
【請求項8】
上記スクイズボトルがその口部を密封する薄膜を備え、かつ、上記吐出部が、その内部にあって尖端をスクイズボトル側に向けてなる中空の穿刺針を備えており、
吐出部をスクイズボトルにねじ込みまたは嵌め合わせることによって、上記薄膜に上記穿刺針が刺通される請求項7記載の吐出容器。
【請求項9】
上記吐出部が、その内部に、上記スクイズボトルの内壁と当接して、吐出部とスクイズボトルとの間を封鎖する内栓を備えており、
吐出部をスクイズボトルにねじ込みもしくは嵌め合わせることによって、または吐出部とスクイズボトルとのねじ嵌めもしくは嵌め合わせを緩めることによって、内栓とスクイズボトルの内壁との間に流路が形成される請求項7記載の吐出容器。
【請求項10】
スクイズボトルの口部に、底部に吐出孔を備える有底略筒状または略椀状の吐出部と、当該吐出孔の近傍で吐出部内に固定されてなる略円盤状の弁体支持部と、上記吐出部内に固定されてその先端を吐出孔から吐出部外に露出してなる弾性体製の弁体とを有する吐出部材を備え、
上記弁体の先端部分が、スクイズボトル側から液圧を受けていない状態で上記弁体支持部に当接して吐出孔を閉鎖し、スクイズボトル側から液圧を受けると変形して弁体支持部との間に流路を形成することを特徴とする点眼容器。

【国際公開番号】WO2005/023665
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【発行日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513687(P2005−513687)
【国際出願番号】PCT/JP2004/012864
【国際出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000206956)大塚製薬株式会社 (230)
【出願人】(591016334)大塚テクノ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】