説明

吐水装置

【課題】確実に止水をすることができる吐水装置を提供する。
【解決手段】吐水部と、放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部と、前記センサ部からの検知信号に基づいて前記吐水部からの吐水を制御する制御部と、記憶手段と、を備え、前記センサ部から放射される電波の少なくとも一部は、前記吐水部から吐水される吐水流により反射され、前記制御部は、前記吐水部から吐水しているだけの時の水流状態から得られた信号に基づき決定され前記記憶手段に格納された閾値と、前記センサ部からの検知信号の値と、を比較して前記吐水部からの吐止水を制御することを特徴とする吐水装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐水装置に関し、より具体的には、手洗い場やトイレ、キッチンなどに設けられ、マイクロ波などの電波センサを用いて吐水流の止水をする吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体を検知して自動的に吐水を制御する吐水装置としては、人体や人の手を被検知体として、その被検知体からの反射電波の強度をもとに被検知体の有無を検知し、被検知体を検知しなくなったら、止水をする吐水装置があった。
【0003】
マイクロ波などの送信波が被検知体に当たると反射波あるいは透過波を生じる。この反射波あるいは透過波を受信することにより、人体などの被検知体を検知することができ、水栓装置などに使用される。
【0004】
放射したマイクロ波の人体からの反射波を受信して、そのドップラー周波数信号のパワースペクトルを求め、そのピーク値と所定の閾値とを比較することにより、人体を検知する人体検知装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−80150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、被検知体(人体や人の手)からの反射マイクロ波の強度だけで判断する場合、手を吐水流から抜き、人体が水栓装置から離れても、吐水流のみを被検知体として誤検知して、吐水が止まらないことがあった。また、吐水の使用中に、人の手などからの反射強度が弱くなると止水してしまうことがあった。
【0006】
本発明は、吐水流のみを検知したり、吐水の使用中に検知しなくなる等の誤検知を防止して、確実に止水しまたは吐水を継続することができる吐水装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、吐水部と、放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部と、前記センサ部からの検知信号に基づいて前記吐水部からの吐水を制御する制御部と、記憶手段と、を備え、前記センサ部から放射される電波の少なくとも一部は、前記吐水部から吐水される吐水流により反射され、前記制御部は、前記吐水部から吐水しているだけの時の水流状態から得られた信号に基づき決定され前記記憶手段に格納された閾値と、前記センサ部からの検知信号の値と、を比較して前記吐水部からの吐止水を制御することを特徴とする吐水装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吐水流のみの場合と使用中の吐水の違いを比較することによって、使用後に吐水流のみとなったときに、確実に止水をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の吐水装置の構成を表す図であり、(a)は上面図、(b)は側断面図である。この吐水装置は、センサ部100および制御部200を備えており、給水ホース10、吐水口(スパウト)30、陶器製の受水部40等とともに水栓装置を構成している。なお、以降の各図面については、既出の図面に関して説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0010】
センサ部100は、マイクロ波あるいはミリ波などの高周波の電波を放射(送信)し、放射した電波の被検知体からの反射波を受信して、被検知体の有無を検知し、その検知信号を出力する高電波センサである。
【0011】
図2及び図3は、センサ部100と制御部200の2つの具体例のブロック図である。
【0012】
センサ部100には、アンテナ112、送信部114、受信部116、ミキサ部118が設けられている。送信部114に接続されたアンテナ112からは、高周波、マイクロ波あるはミリ波などの10kHz〜100GHzの周波数帯の電波が放射される。具体的には、アンテナ112からは、例えば10.525GHzの周波数を有する送信波T1が放射される。人体などの被検知体からの反射波または透過波T2は、アンテナ112を経由して受信部116に入力される。ここで、アンテナは、図2に表したように送信側と受信側とを共通としてもよく、または、図3に表したように、送信部114にはアンテナ112aを接続し、受信部116にはアンテナ112bを接続してもよい。
送信波の一部と受信波とは、ミキサ部118にそれぞれ入力されて合成され、ドップラー効果が反映された出力信号が出力される。ミキサ部118から出力された検出信号は、制御部200に出力される。制御部200には、フィルタ210、周波数検出部220、判定部230、記憶手段240、バルブ250が設けられている。ミキサ部118から出力された検出信号は、まずフィルタ210において高周波数成分が取り除かれる。この際のフィルタリング周波数は、例えば100Hzとすることができる。
【0013】
ミキサ部118から出力された検出信号は、周波数の低いベースラインに周波数の高い信号が重畳した波形を有する。高周波数成分には、ドップラー効果に関する情報が含まれる。すなわち、人体などの被検知体が移動すると、ドップラー効果によって反射波の波長がシフトする。ドップラー周波数ΔF(Hz)は、下記の式(1)により表すことができる。

ΔF=Fs−Fb=2×Fs×v/c 式(1)

但し、Fs:送信周波数(Hz)
Fb:反射周波数(Hz)
v:物体の移動速度(m/s)
c:光速(=300×10m/s)

センサ部100に対して被検知体が相対的に移動すると、式(1)で表されるように、その速度vに比例した周波数ΔFを含む出力信号を得ることができる。出力信号は周波数スペクトラムを有し、スペクトラムのピークに対応するピーク周波数と移動体の速度vとの間には相関関係がある。従って、ドップラー周波数ΔFを測定することにより速度vを求めることができる。なお、日本においては、人体を検知する目的には10.50〜10.55GHzまたは24.05〜24.25GHzの周波数が使用できる。
【0014】
センサ部100は、その電波の最大指向方向と、吐水口30からの吐水流の接線方向とが略直交するように、受水部40に設置されている。なお、センサ部100の指向方向範囲は、例えば、上記最大指向方向に対して上下左右にそれぞれ35°〜40°の範囲内とすることが望ましい。
一方、制御部200は、吐水口30から吐水される吐水流の乱れをセンサ部100からの検知信号に基づいて検知し、吐水流の乱れが所定の範囲内になると、吐水口30からの吐水を停止させる。すなわち、判定部230は、記憶手段240に格納された所定の閾値と、検知信号と、を比較し、その結果に基づいてバルブ250を開閉する。
【0015】
図4は、センサ部100の電波の最大指向方向と吐水流の接線方向とのなす角θを説明する模式図である。
また、図5は、吐水流の接線とセンサ部100の最大指向方向とのなす角θに対する検知信号の高周波側成分の電圧特性を示すグラフ図である。
【0016】
吐水口30からの吐水流については、検知信号の全周波数帯域を0〜100Hzとした場合、50Hz以上の高周波側の成分も多く含まれる。この検知信号においての高周波側成分の電圧値は、図5に表したように、吐水流の流れ(接線方向)に対して、電波の最大指向方向が略直交するときに小さくなる。より具体的には、θが約80°〜約120°であるときに小さくなる。従って、センサ部100から放射される電波の最大指向方向と、吐水部から吐水される吐水流と、が略直交をなすようにセンサ部100を配置することによって、吐水流が乱されていない時の検知信号においての高周波側成分を極力小さくして検知することができる。
【0017】
一方、吐水流が乱された場合、例えば、吐水流が人の手に当たって飛散した水は色々な方向に飛散し、センサ部100に対して、接近または離遠する方向にも飛散する。この場合には、上記のように最大指向方向が吐水流と略直交をなすようにセンサ部100を配置しても、低周波側成分のみならず、吐水流の乱れに対応して高周波側成分の検知信号が得られる。
【0018】
吐水流の方向と電波の最大放射方向とが略直交でない場合には、吐水流のみの検知信号と、吐水流が人の手などにあたっている状態の検知信号と、にあまり差異が生じないことがあった。これに対して、吐水流の方向と電波の最大放射方向とを略直交とすることにより、吐水流のみの検知信号においては高周波成分が表れず、吐水流に手などがあたって乱れが生じている場合には検知信号に高周波成分が表れる。つまり、吐水流のみの検知信号と、吐水流が手などにより乱されている時の検知信号と、に明確な差異が生ずる。このため、吐水流に手などがあたっている時には吐水を継続し、吐水流のみの検知信号が得られたら止水する、というような制御が可能となる。
【0019】
図6は、吐水中のみの場合と吐水を使用中の場合の水栓装置を表す模式図であり、(a)は吐水が使用されていない場合(吐水流が乱されいない場合)、(b)は吐水が使用されている例として人が手を洗っている場合(吐水流が乱されている場合)である。
【0020】
また、図7は、検知信号のパワースペクトルを表すグラフ図であり、(a)は吐水流が乱されていない状態(図6(a)の場合に相当)、(b)は人が吐水を手に当てている状態(吐水流が乱されている状態)、(c)はコップに水溜めをしている状態(吐水流が乱されている状態)をそれぞれ表す。
【0021】
吐水流の流れ(接線方向)に対して、センサ部100の電波の最大指向方向が略直交するように配置した場合、図7に表したように、検知信号のパワースペクトルにおいて、乱されていない吐水流(吐水部から吐水しているだけの時の水流状態)のみの検知信号(図7(a))と、手洗いや水溜めで使用されて乱された吐水流の検知信号(図7(b)および(c))と、を明確に区別できる。
【0022】
すなわち、図7(a)、(b)、(c)のパワースペクトルにおいて、ピークが表れる周波数帯はそれぞれ異なる。例えば、図7(a)に示す吐水流のみの検知信号のパワースペクトルでは、20Hz〜30Hzの周波数帯域に最大のピークを有する。これに対し、図7(b)に示す、手洗い時(吐水が人の手に当たっている場合)の検知信号のパワースペクトルでは、0〜30Hzの周波数帯域に非常に大きなピークが複数あり、40Hz〜50Hzの周波数帯域にもピークができる。これは、吐水流が手などに当たって流れが乱れたり、周囲に飛散することにより生じたものと考えられる。また、図7(c)に表したように水溜め時(コップに水溜めをした場合)の検知信号のパワースペクトルでは、0〜10Hzの周波数帯域に最大のピークを有し、30Hz以上の周波数帯域にはパワースペクトルがほとんど現れない。これは、吐水流による検知信号のピークが消滅したためと考えられる。
【0023】
以上説明した各状態のパワースペクトルの差異を利用して、吐水の継続や止水を制御できる。すなわち、所定の周波数帯において、吐水しているだけの時の検知信号よりも大きい第1の閾値と、吐水しているだけの時の検知信号よりも小さい第2の閾値と、を設定する。例えば、40〜50Hzの周波数帯における信号強度が所定の閾値(第1の閾値)を超えている場合には、図7(b)に表したように、吐水流に手などがあたっていると判断し、吐水を継続することができる。また、20〜30Hzの周波数帯における信号強度が所定の閾値(第2の閾値)を下回る場合には、図7(c)に表したように、コップなどにより水溜めが実行されていると判断し、吐水を継続することができる。
【0024】
そして、20〜30Hzの周波数帯における信号強度が所定の閾値(第2の閾値)を上回り、40〜50Hzの周波数帯における信号強度が所定の閾値(第1の閾値)を下回る場合には、図7(a)に表したように、吐水流のみの検知信号が得られていると判断して止水することができる。
【0025】
なお、図7(a)、(b)、(c)に表したパワースペクトルは一例に過ぎず、吐水流のみ、あるいは吐水流に人の手などがあたったり、コップなどに水溜めをしている時のパワースペクトルは、本発明を適用する際に適宜設定することができる。また、吐水の継続や止水のために信号強度の閾値を設ける周波数帯の数についても、1つまたは2つのみには限定されず、3つ以上の周波数帯についてそれぞれ閾値を設け、これら閾値を基準にして吐水の継続または止水の判断をしてもよい。
【0026】
これらの閾値は、制御部200の記憶手段240に適宜格納されている。判定部230は、センサ部100から取得した検知信号と、記憶手段240に格納されている閾値と、を比較して止水をするか否かを判定し、バルブ250の開閉を制御する。
【0027】
また、これらの閾値は、予め決定して記憶手段240に格納しておいてもよく、または、吐水装置が設置されて使用される環境において、学習により閾値を適宜決定して記憶手段240に格納してもよい。
【0028】
閾値を予め決定する場合、例えば、吐水装置を設計する際に予め実験などにより閾値を決定して、記憶手段240に格納することができる。または、吐水装置を工場で製造し出荷する前、あるいは吐水装置を現場に設置した際に、吐水させて閾値を決定し、記憶手段240に格納してもよい。
【0029】
一方、学習により閾値を決定する場合は、例えば、吐水装置を現場に設置して稼働を開始した後に、制御部200(図2、図3参照)が、所定の時間毎に吐水部に吐水させ、その状態での検知信号に基づいて閾値を決定し、記憶手段240に格納することができる。この場合、このような閾値の決定と格納は、吐水装置の使用頻度が低い時間帯(例えば、夜間)などに実行するとよい。また、吐水装置の使用頻度が低い時間帯を制御部200(図2、図3参照)が学習し、このようにして決定された使用頻度が低い時間帯に閾値の決定と格納を実行してもよい。または、吐水や止水のいずれか一方または両方を所定の回数だけ実行した場合に、閾値を新たに決定し格納するようしてもよい。
【0030】
吐水装置の稼働開始後に、閾値を適宜学習するようにすれば、例えば、供給水圧が変動し、吐水流から得られる検知信号のレベルが変動したような場合でも、常に最適の閾値に基づいて動作させることができる。
【0031】
図8は、制御部200による止水制御の手順を説明するフローチャートである。
まず、制御部200は、センサ部100から検知信号を取得する(ステップS1)。次に、制御部200は、上記取得した検知信号を、吐水のみの場合の検知信号(図7(a)参照)と比較する(ステップS2)。
【0032】
その結果、上記取得検知信号が、乱されていない吐水流のみの検知信号とは異なると判定した場合には(ステップS3でNO)、上記ステップS1に戻って、再び検知信号を取得する。また、上記取得検知信号が、手やコップなどで乱されていない吐水流のみの検知信号と実質的に同一であると判定した場合には(ステップS3でYES)、吐水の使用が終了したものとして、バルブ250を閉じて止水をする(ステップS4)。
従って、吐水流が乱されている場合、すなわち吐水流が使用によって変化しているときの検知信号が継続している間は、制御部200は、バルブ250を開いたままにして吐水を継続し、吐水流のみの検知信号と実質的に同一の検知信号が得られたときに、初めてバルブ250を閉じて止水をする。このように、吐水が変化している検知信号が得られている期間は吐水を継続することにより、手洗い中やコップの水溜め中に、途中で止水してしまうことがない。また、吐水流を人体や人の手と誤検知して、吐水の使用が終了しても吐水を継続してしまうことがない。
【0033】
図8のステップS3の判定は、例えば以下の手法による。
すなわち、図7に関して前述したように、吐水しているだけの時の検知信号よりも大きい第1の閾値と、吐水しているだけの時の検知信号よりも小さい第2の閾値と、を設定する。そして、センサ部100から取得した検知信号と、これら第1及び第2の閾値と、を比較することにより、吐水流のみであるか否かを判定することができる。
【0034】
あるいは、検知信号のパワースペクトルのピーク値を比較する方法を用いることもできる。
以下、この方法について説明する。まず、取得した検知信号の全周波数帯域(0〜100Hz)を、例えば10Hzごとに合計10個の周波数帯域に分け(分割周波数帯域)、取得した検知信号にフィルタリング等の処理をすることによって、それぞれの周波数帯域信号成分のパワースペクトル(または電圧)を求め、さらにそれらのピーク値(または積算値)を求める。
【0035】
また、吐水のみの検知信号についても、同様に10Hzごとの周波数帯域に分け、それぞれの周波数帯域信号成分のパワースペクトル(または電圧)のピーク値(または積算値)をあらかじめ記憶しておく。
【0036】
そして、両検知信号の対応する周波数帯域成分のピーク値(または積算値)をそれぞれ比較し、例えば、その差が所定の範囲内にある周波数帯域が所定の個数以上あれば、吐水のみの検知信号と判定し、所定の個数未満の場合には、吐水を使用中の検知信号である(吐水流のみの検知信号でなく、吐水の使用により変化した検知信号である)と判定する。
【0037】
あるいは、簡易に、取得した検知信号の全周波数帯域(0〜100Hz)においてのピーク値(または積算値)を、あらかじめ記憶してある吐水のみの検知信号の全周波数帯域(0〜100Hz)においてのピーク値(または積算値)と比較し、その差が所定の範囲内であれば、吐水のみの検知信号と判定し、所定の範囲を超える場合には、吐水を使用中の検知信号であると判定する。
【0038】
第1の実施の形態によれば、吐水流のみの検知信号と使用中の水の検知信号とを比較することにより、手洗いなどの使用後に、確実に止水をすることができる。なお、検知信号の分割周波数帯域幅は、上記の10Hzに限らず、所望の幅に設定することが可能であり、これに伴って分割周波数帯域の個数も上記の10個に限らず、所望の個数に設定することが可能である。
【0039】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施形態では、検知信号を比較して吐水のみであるか否かを判定する手順として、検知信号の全周波数帯域の内の特定の1つの周波数帯域(分割周波数帯域)の信号成分を比較することにより、吐水流のみの検知信号であるか否かを判定する。この比較をする周波数帯域としては、吐水流のみの場合と吐水を使用中の場合の違いが顕著となる帯域を設定する。
【0040】
図9は、第2の実施の形態においての検知信号の比較および止水判定の手順を説明するための検知信号のパワースペクトルを示すグラフ図であり、(a)は吐水流のみの場合の検知信号、(b)は吐水が手に当たっている場合(吐水を使用中の場合)の検知信号のパワースペクトルをそれぞれ表す。
【0041】
図9では、比較する特定の周波数帯域として、60Hz〜70Hzの周波数帯域を設定している。つまり、制御部200は、検知信号の比較手順(図8のステップS2)において、取得した検知信号の60Hz〜70Hzの周波数帯域成分のみを比較することとなる。この60Hz〜70Hzの周波数帯域では、吐水流のみの場合には、パワースペクトルがほとんど現れないが、吐水流が手に当たっているときには、比較的大きなパワースペクトルが現れ、その違いが顕著である。
【0042】
この60Hz〜70Hzの周波数帯域では、吐水流のみの場合よりも、吐水が手に当たっているときの検知信号のパワースペクトルが大きくなることが判っている。このため、制御部200による止水判定の手順(図8のステップS3参照)は、例えば、以下のようにする。
【0043】
吐水流のみの場合の検知信号について1つの閾値(第1の閾値)をあらかじめ設定しておき、取得した検知信号の60Hz〜70Hzの周波数帯域成分の検知信号を上記の閾値と比較し、上記の閾値を超えていれば、吐水を使用中の検知信号である(吐水流のみの検知信号ではない)と判定し、上記の閾値以下であれば、吐水流のみの検知信号であると判定する。
【0044】
または、取得した検知信号の60Hz〜70Hzの周波数帯域成分のパワースペクトル(あるいは電圧)の積算値を算出し、この積算値を、あらかじめ設定してある閾値と比較してもよい。
【0045】
あるいは、取得した検知信号の60Hz〜70Hzの周波数帯域成分のパワースペクトル(あるいは電圧)の複数の極大点の値を加算し、この加算値を、あらかじめ設定してある閾値と比較してもよい。
【0046】
さらに、上記の閾値については、固定値を用いることの他、必要に応じて補正できるようにしてもよい。閾値補正の手順としては、例えば、制御部200に閾値補正動作モードを設け、吐水流のみの検知信号を複数回取得して、それらの60Hz〜70Hzの周波数帯域成分の実測値に応じて、適正な値に閾値を補正する。
【0047】
図10は、第2の実施の形態においての検知信号の比較および止水判定の手順を説明するための検知信号のパワースペクトルを示すグラフ図であり、(a)は吐水流のみの場合の検知信号、(b)はコップに水溜めをしている場合(吐水を使用中の場合)の検知信号のパワースペクトルを表す。
【0048】
図10では、比較する特定の周波数帯域として、20Hz〜30Hzの周波数帯域を設定している。この20Hz〜30Hzでは、吐水流のみの場合には、パワースペクトルが現れるが、コップに水溜めをしているときには、パワースペクトルがほとんど現れず、その違いが顕著である。
【0049】
従って、この20Hz〜30Hzの周波数帯域についての制御部200による止水判定の手順(図8のステップS3参照)は、例えば、図9の場合と同様に以下のようにする。
【0050】
吐水流のみの場合の検知信号について1つの閾値(第2の閾値)を設定しておき、取得した検知信号の20Hz〜30Hzの周波数帯域成分の検知信号(あるいは積算値または複数の極大点の値の加算値)を上記の閾値と比較し、上記の閾値を超えていれば、吐水流のみの検知信号であると判定し、上記の閾値以下であれば、吐水を使用中の検知信号である(吐水流のみの検知信号でない)と判定する。
【0051】
第2の実施の形態によれば、吐水流のみの場合と吐水を使用中の場合の違いが顕著となる1つの周波数帯域(分割周波数帯域)のみで検知信号の比較をすることにより、検知信号の全周波数帯域について比較をする必要がないので、制御部200での演算処理時間を短くでき、メモリの負荷を軽減できる。なお、比較をする周波数帯域幅は、上記の10Hzに限らず、所望の幅に設定することが可能である。
【0052】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施形態では、検知信号を比較して吐水のみであるか否かを判定する手順として、検知信号の全周波数帯域の内の特定の2つの周波数帯域の信号成分を比較することにより、吐水のみの検知信号であるか否かを判定する。この比較をする2つの周波数帯域には、例えば第2の実施の形態と同様に、吐水流のみの場合と吐水を使用中の場合の違いが顕著となる帯域を設定する。
【0053】
図11は、第3の実施の形態における検知信号の比較および止水判定の手順を説明するための検知信号のパワースペクトルを示す図であり、(a)は吐水流のみの場合の検知信号、(b)は吐水が手に当たっている場合(吐水を使用中の場合)の検知信号のパワースペクトルを表す。
【0054】
図11では、比較する特定の周波数帯域として、60Hz〜70Hzの周波数帯域と、20Hz〜30Hzの周波数帯域の2つを設定している。つまり、制御部200は、検知信号の比較手順(図8のステップS2)において、取得した検知信号の60Hz〜70Hzの周波数帯域成分と20Hz〜30Hzの周波数帯域成分のみを比較することとなる。60Hz〜70Hzの周波数帯域では、吐水流のみの場合には、パワースペクトルがほとんど現れないが、吐水流が手に当たるとパワースペクトルが現れる。また、20Hz〜30Hzの周波数帯域では、吐水流のみの場合にもパワースペクトルが現れるが、吐水流が手に当たると極めて大きなパワースペクトルが現れ、両検知信号の差分値として大きな値が得られる。
【0055】
制御部200による比較判定手順(図8のステップS2,S3参照)としては、例えば、吐水流のみの場合の検知信号について2つの閾値(60Hz〜70Hzの周波数帯域についての第1の閾値、および20Hz〜30Hzの周波数帯域についての第2の閾値)をあらかじめ設定しておき、取得した検知信号の60Hz〜70Hzの周波数帯域成分の検知信号を第1の閾値と比較するとともに、取得した検知信号の20Hz〜30Hzの周波数帯域成分の検知信号を第2の閾値と比較する。
【0056】
そして、例えば、2つの内のいずれかの周波数帯域において、上記の閾値を超えていれば、吐水を使用中の検知信号である(吐水流のみの検知信号ではない)と判定し、2つ周波数帯域のいずれにおいても閾値以下であれば、吐水流のみの検知信号であると判定する。なお、取得した検知信号のそれぞれの周波数帯域成分について、パワースペクトル(あるいは電圧)の積算値または複数の極大点の値を加算値を用いてもよい。
【0057】
図12は、第3の実施の形態においての検知信号の比較および止水判定の手順を説明するための検知信号のパワースペクトルを示すグラフ図であり、(a)は吐水流のみの場合の検知信号、(b)はコップに水溜めをしている場合(吐水を使用中の場合)の検知信号のパワースペクトルを表す。
【0058】
図12では、比較する特定の周波数帯域として、20Hz〜30Hzの周波数帯域と、0〜10Hzの周波数帯域の2つを設定している。20Hz〜30Hzでは、吐水流のみの場合には、パワースペクトルが現れるが、コップに水溜めをしているときには、パワースペクトルがほとんど現れないない。また、0〜10Hzの周波数帯域では、吐水流のみの場合にもパワースペクトルが現れるが、コップに水溜めをしているときには極めて大きなパワースペクトルが現れ、両検知信号(あるいは両積分値)の差分値として大きな値が得られる。
【0059】
制御部200による比較判定手順(図8のステップS2,S3参照)は、例えば、図11の場合と同様とする。吐水流のみの場合の検知信号について2つの閾値(20Hz〜30Hzの周波数帯域についての第1の閾値、および0〜10Hzの周波数帯域についての第2の閾値)をあらかじめ設定しておき、取得した検知信号の20Hz〜30Hzの周波数帯域成分の検知信号を第1の閾値と比較するとともに、取得した検知信号の0〜10Hzの周波数帯域成分の検知信号を第2の閾値と比較する。
【0060】
そして、例えば、20Hz〜30Hzの周波数帯域において取得検知信号が第1の閾値に満たないか、または0〜10Hzの周波数帯域において取得検知信号が第2の閾値を超えていれば、吐水を使用中の検知信号である(吐水流のみの検知信号ではない)と判定する。また、20Hz〜30Hzの周波数帯域において取得検知信号が第1の閾値以上であり、かつ0〜10Hzの周波数帯域において取得検知信号が第2の閾値以下であれば、吐水流のみの検知信号であると判定する。
【0061】
第3の実施の形態によれば、吐水流のみの場合と吐水を使用中の場合の違いが顕著となる2つの周波数帯域で比較することにより、吐水を使用しているときと使用していないときの違いがより明確となり、より正確な判定ができる。なお、比較をする周波数帯域の個数は2つに限らず、3つ以上の複数の周波数帯域を設定することも可能である。
【0062】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
本実施形態では、吐水流のみの検知信号が所定の時間継続したら、止水をする。
【0063】
図13は、第4の実施の形態においての制御部200による止水制御の手順を説明するフローチャートである。制御部200は、センサ部100から検知信号を取得し(図11のステップS1)、上記取得した検知信号を、吐水のみの場合の検知信号(図5(a)参照)と比較する(ステップS2)。
【0064】
その結果、上記取得検知信号が吐水のみの検知信号であると判定した場合には(ステップS3でYES)、吐水のみの検知信号であると判定してから所定の時間を経過しているか否かを、例えばタイマーを参照して判定する。
【0065】
そして、所定の時間を経過していなければ(ステップS10でNO)、ステップS1に戻って再び検知信号を取得する。一方、所定の時間を経過していれば(ステップS10でYES)、バルブ250を閉じて止水をする(ステップS4)。なお、取得検知信号が吐水のみの検知信号とは異なると判定した場合には(ステップS3でNO)、タイマーをリセットした上で、ステップS1に戻る。
【0066】
以上のように第4の実施の形態によれば、吐水流のみの検知信号が、所定時間継続した場合に止水をすることにより、吐水の使用途中で止水してしまうことをより確実に防止できる。その一方で、吐水流のみの検知信号が所定の時間継続するということは、実際には使用後であって使用者がいないのに吐水したままになっている場合などが考えられ、このような場合に止水をすることにより、使用中でないときに無駄な吐水を継続することを防止できる。
【0067】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
コップの水溜め時においてコップを放置したままにした場合や、洗面ボウルが詰まって水が溢れだしている状態、あるいは吐水部の故障や破損などにより吐水流が乱れた状態が継続する場合などには、吐水流のみの場合の検知信号とは異なるものであるが、同じパターンの検知信号が継続してセンサ部100から出力されることがある。このような場合には、コップを放置したときなどの検出信号が吐水流のみの検知信号とは異なるために、止水をせずに吐水を継続してしまうことがある。そこで、第5の実施の形態では、吐水のみの検知信号と異なる検知信号であっても、同じパターンの検知信号が所定の時間継続したら、止水をする。
【0068】
図14は、本発明の第5の実施の形態においての制御部200による止水制御の手順を説明するフローチャートである。制御部200は、センサ部100から検知信号を取得し(図12のステップS1)、上記取得した検知信号を、吐水のみの場合の検知信号と比較し(ステップS2)、上記取得検知信号が吐水のみの検知信号であると判定した場合には(ステップS3でYES)、バルブ250を閉じて止水をする(ステップS4)。
【0069】
一方、取得検知信号が前回の取得検知信号のパターンと同じか否かを判定し(ステップS20)、同じであると判定した場合には(ステップS20でYES)、所定の時間を経過したか否かを、例えばタイマーにより判定する(ステップS21)。
【0070】
そして、所定の時間を経過していれば(ステップS21でYES)、バルブ250を閉じて止水をし(ステップS4)、所定の時間を経過していなければ(ステップS21でNO)、上記ステップS1に戻って、再び検知信号を取得する。なお上記ステップS21で、今回の取得検知信号が前回の取得検知信号のパターンとは異なると判定した場合には(ステップS21でNO)、上記のタイマーをリセットした上で、上記ステップS1に戻る。
【0071】
以上のように第5の実施の形態によれば、吐水流のみの検知信号とは異なる検知信号が、同じパターンで所定の時間継続したら、止水をすることにより、無駄な吐水の継続を防止できる。
【0072】
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。
図15は、センサ部100から得られる検知信号のレベルを例示するグラフ図である。すなわち、同図の縦軸は、センサ部100から得られる検知信号の電圧値を表し、横軸は時間を表す。
検知信号を特定の周波数に限定しなくとも、吐水流に手が当たった状態では検知信号のレベルは大きく、これに対して、吐水部から吐水しているだけの時の水流状態(吐水流のみ)の検知信号のレベルは小さい。そして、吐水をコップなどに水溜めしている状態での検知信号のレベルは、さらに小さくなる。
従って、図15に例示した如く、これらの検知信号のレベルの間に、第1の閾値と第2閾値とを適宜決定することにより、吐止水の制御が可能である。つまり、第1の閾値として、吐水しているだの時の水流状態における検知信号よりも大きい値を設定し、第2の閾値として、吐水しているだけの時の水流状態における検知信号よりも小さい値を設定する。
図16は、第1の閾値に基づいて止水制御するフローチャートである。
センサ部100から検知信号を取得し(ステップS1)、これを記憶手段240に格納された第1の閾値と比較する(ステップS30)。本実施形態においては、検知信号は特定の周波数帯にフィルタリングされたものである必要はない。そして、検知信号が第1の閾値よりも大きい場合(ステップS32:YES)には、吐水流が手などに当たっている状態であるので、吐水を継続し、検知信号の取得と比較とを繰り返す。
一方、検知信号が第1の閾値以下となった場合(ステップS32:NO)は、吐水流が手などに当たった状態ではないので、止水する(ステップS4)。このように、センサ部100から得られる検知信号を特定の周波数帯にフィルタリングしなくても、吐止水の制御が可能である。
【0073】
図17は、第2の閾値に基づいて吐水制御するフローチャートである。
本具体例においても、検知信号を取得し(ステップS1)、これを記憶手段240に格納された第2の閾値と比較する(ステップS40)。本具体例においても、検知信号は特定の周波数帯にフィルタリングされたものである必要はない。そして、検知信号が第2の閾値よりも小さい場合(ステップS42:YES)には、コップなどによる水溜めが実行されている状態であるので、吐水を継続し、検知信号の取得と比較とを繰り返す。
一方、検知信号が第2の閾値以上となった場合(ステップS42:NO)は、コップなどが取り払われ、吐水流のみの状態であるので、吐水する(ステップS4)。本具体例においても、検知信号を特定の周波数帯にフィルタリングしなくても、吐止水の制御が可能である。
【0074】
図18は、第1の閾値と第2の閾値の両方を考慮した吐止水の制御を説明するためのグラフ図である。

例えば、吐水流に手などが当たった状態から、手などが取り払われて吐水流のみの状態に遷移した場合には、図18に太実線で表したように、検知信号は第1の閾値よりも大きなレベルから、第1の閾値と第2の閾値との間のレベルへ、と変化する。なお、この場合の検知信号も、特定の周波数帯にフィルタリングしたものである必要は必ずしもない。 一方、吐水流をコップなどに水溜めしている状態から、コップなどを取り払って吐水流のみの状態に遷移した場合には、図18に細実線で表したように、検知信号は、第2の閾値よりも小さいレベルから、第1の閾値と第2の閾値との間のレベルへ、と変化する。
【0075】
従って、これらいずれの場合も、検知信号が第1の閾値と第2の閾値との間のレベルに変化してから所定時間が経過したら、止水を実行すればよい。このようにすれば、吐水装置で手洗いする場合も、コップなどに水溜めする場合も、これら動作が終了すると、確実に止水させることができる。
【0076】
図19は、第1の閾値と第2の閾値の両方を考慮した吐止水の制御のもうひとつの具体例を説明するためのグラフ図である。
吐水装置の使用態様によっては、例えば、吐水流に手などが当たった状態から、コップなどにより水溜めする状態に遷移することもあり得る。この場合、検知信号は、図19に太実線で表したように、第1の閾値よりも大きいレベルから第2の閾値よりも小さなレベルへと変化する。
一方、吐水流をコップなどにより水溜めしている状態から、吐水流が手などに当たっている状態に遷移することもあり得る。この場合、検知信号は、図19に細実線で表したように、第2の閾値よりも小さなレベルから第1の閾値よりも大きなレベルへと変化する。 これらいずれの場合も、止水せずに、吐水を継続させることが望ましい。このためには、検知信号が第1の閾値と第2の閾値との間のレベルにある状態が所定時間継続しない場合には、吐水をそのまま継続するようにすればよい。このようにすれば、検知信号のレベルが第1及び第2の閾値を順次跨いだような場合に、不必要な止水をせず、吐水を継続させて快適な使用感を与えることができる。
【0077】
なお、本実施形態における第1の閾値や第2の閾値についても、第1実施形態に関して前述したものと同様に、吐水装置の設計段階や製造段階または現場への設置施工時に決定して記憶手段240に格納しておいてもよく、または吐水装置の稼働開始後に、制御部200により学習して適宜決定し記憶手段240に格納してもよい。
【0078】
以上、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの実施の形態に限定されない。センサ部の構成および配置、制御部での検知信号の比較手順および止水判定手順などに関して当業者が設計変更をしたものであっても本発明の主旨を逸脱しない限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、センサ部100から取得した検知信号からフィルタを介して特定の周波数帯の信号を取り出し、その信号に基づいて吐水流の状態を判定する方法と、センサ部100から取得した検知信号をフィルタを介さずに所定の閾値と比較して吐水流の状態を判定する方法と、を組み合わせることもできる。このようにすれば、吐水流の状態について、より精度の高い判定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施の形態の吐水装置の構成を表す模式図である。
【図2】センサ部100と制御部200の具体例のブロック図である。
【図3】センサ部100と制御部200の具体例のブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態においてのセンサ部100の電波の最大指向方向と吐水流の接線方向とのなす角θを説明する模式図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態においての吐水流の接線とセンサ部100の最大指向方向とのなす角θに対する検知信号の高周波側成分の電圧特性を示すグラフ図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態においての吐水中のみの場合と吐水を使用中の場合の水栓装置を表す模式図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態においての検知信号のパワースペクトルを表すグラフ図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態においての制御部200による止水制御の手順を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態においての検知信号の比較および止水判定の手順を説明するための検知信号のパワースペクトルを示すグラフ図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態においての検知信号の比較および止水判定の手順を説明するための検知信号のパワースペクトルを示すグラフ図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態においての検知信号の比較および止水判定の手順を説明するための検知信号のパワースペクトルを示すグラフ図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態においての検知信号の比較および止水判定の手順を説明するための検知信号のパワースペクトルを示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態においての制御部200による止水制御の手順を説明するフローチャートである。
【図14】本発明の第5の実施の形態においての制御部200による止水制御の手順を説明するフローチャートである。
【図15】センサ部100から得られる検知信号のレベルを例示するグラフ図である。
【図16】第1の閾値に基づいて止水制御するフローチャートである。
【図17】第2の閾値に基づいて吐水制御するフローチャートである。
【図18】第1の閾値と第2の閾値の両方を考慮した吐止水の制御を説明するためのグラフ図である。
【図19】第1の閾値と第2の閾値の両方を考慮した吐止水の制御のもうひとつの具体例を説明するためのグラフ図である。
【符号の説明】
【0080】
10 給水ホース、 30 吐水口、 40 受水部、100 センサ部、112、112a、112b アンテナ、114 送信部、116 受信部、118 ミキサ部、200 制御部、210 フィルタ、220 周波数検出部、230 判定部、240 記憶手段、250 バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐水部と、
放射した電波の反射波によって被検知体に関する情報を取得するセンサ部と、
前記センサ部からの検知信号に基づいて前記吐水部からの吐水を制御する制御部と、
記憶手段と、
を備え、
前記センサ部から放射される電波の少なくとも一部は、前記吐水部から吐水される吐水流により反射され、
前記制御部は、前記吐水部から吐水しているだけの時の水流状態から得られた信号に基づき決定され前記記憶手段に格納された閾値と、前記センサ部からの検知信号の値と、を比較して前記吐水部からの吐止水を制御することを特徴とする吐水装置。
【請求項2】
前記閾値は、予め決定され、前記記憶手段に格納されていることを特徴とする請求項1記載の吐水装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記吐水部から吐水しているだけの時の水流状態から得られた信号に基づき前記閾値を決定し前記記憶手段に格納することを特徴とする請求項1記載の吐水装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記閾値の決定と格納を、所定の時間毎に実行することを特徴とする請求項3記載の吐水装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記閾値の決定と格納を、使用者が前記吐水装置を使用する頻度が相対的に低い時間帯に実行することを特徴とする請求項3記載の吐水装置。
【請求項6】
前記制御部は、吐水部からの吐水または止水の少なくともいずれかを所定の回数実行したら、前記閾値の決定と格納を実行することを特徴とする請求項3記載の吐水装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記吐水部からの吐水を継続させている状態が所定の時間を超えたら前記吐水部からの吐水を停止させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の吐水装置。
【請求項8】
前記検知信号は、被検知体の移動速度を反映したドップラー成分を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の吐水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−79446(P2009−79446A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250831(P2007−250831)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】