説明

含窒素複素環化合物、その製造方法およびそれを用いた医薬組成物

【課題】PDGFを選択的に阻害し、かつ活性および安全性の高い化合物、その製造方法およびそれを用いた医薬組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(I−A)、


で表わされる含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩、それらの製造方法、およびそれらを有効成分として含有する医薬組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含窒素複素環化合物、その製造方法およびそれを用いた医薬組成物に関し、詳しくは、PDGF(platelet-derived growth factor:血小板由来増殖因子)選択的阻害作用を有する含窒素複素環化合物、その製造方法およびそれを用いた医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
PDGFは、血小板、マクロファージ、平滑筋細胞、内皮細胞、線維芽細胞から分泌され、生物の発生過程、創傷治癒過程といった生理的現象の他に、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、網膜症、悪性腫瘍、動脈硬化症およびPTCA(percutaneous transluminal coronary angioplasty)後の再狭窄などの疾患における悪性因子として重要な役割を果たしていることが知られている。例えば、腎炎においてPDGFはメサンギウム細胞に対する強力な増殖因子であり、その役割も大きく、腎機能低下に大きく関与している。
【0003】
現在、PDGFが関与するそれぞれの疾患に応じて、様々な治療薬の開発が進められている。PDGF阻害剤としては、受容体拮抗剤、PDGF産生阻害剤、受容体リン酸化阻害剤、シグナル伝達阻害剤が知られている。例えば、特許文献1には、PDGF受容体拮抗剤として、下記一般式、

で表される構造を基本骨格とする化合物を有効成分とすることを特徴とする治療薬が開示されている。その他、PDGF受容体リン酸化阻害剤としては、特許文献2に、下記一般式、

で表されるカルボスチリル化合物を基本骨格とする化合物を有効成分とすることを特徴とする治療薬が開示されている。
【特許文献1】特許3195363号公報
【特許文献2】特開2001−89471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在までに、PDGF阻害剤の研究は、数多く報告されており、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、網膜症、悪性腫瘍およびPTCA(percutaneous transluminal coronary angioplasty)後の再狭窄などの治療薬の開発が上述したものの他にも、数多く進められている。しかし、PDGFに対して選択的な阻害作用を有するものは少なく、活性に関しても未だ満足できるものではなかった。
【0005】
そこで本発明の目的は、PDGFを選択的に阻害し、かつ活性および安全性の高い化合物、その製造方法およびそれを用いた医薬組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の構造を有する含窒素複素環化合物が、PDGFによるメサンギウム細胞増殖および自己リン酸化において、選択的な阻害作用を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の含窒素複素環化合物は、下記一般式(I−A)、

[式中、R1aは、シアノ基、アルコキシ基および−NR7a8a(R7aおよびR8aはそれぞれ独立にアルキル基であり、R7aおよびR8aが隣接する窒素原子とともに下記一般式、

(式中、m1およびm2はそれぞれ独立に1〜5の整数、W1aは−CH2−または−O−である)で表わされる環を形成してもよい)からなる群から選択される置換基が置換されていてもよいアルキル基;置換基が置換されていてもよいフェニル基;−X1a−C(O)OR9a(X1aは単結合またはアルキレン、R9aは水素原子またはアルキル基である);下記一般式、

(式中、X2aはアルキレン、R10aはアルキル基である)で表わされる基;または水素原子であり、
2aは水素原子またはアルキル基であり、
3a、R4a、R5aおよびR6aはそれぞれ独立に、水素原子;アルコキシ基;ハロゲン原子;アルキル基;アミノ基;ニトロ基;−NH−C(O)R11a(R11aはアルキル基、アルコキシ基またはフェノキシ基である);下記一般式、

(式中、Y1aは酸素原子または硫黄原子、R12aは水素原子またはアルキル基、R13aおよびR14aはそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、水酸基、カルボキシル基およびピリジル基からなる群から選択される置換基が置換されていてもよいアルキル基;アルコキシ基;水酸基;フェニル基;水素原子;−X3a−NR15a16a(X3aは単結合またはアルキレン、R15aおよびR16aはそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、R15aおよびR16aが隣接する窒素原子とともに下記一般式、

(式中、m3およびm4はそれぞれ独立に1〜5の整数、W2aは−CH2−、−NH−または−O−であり、アルキル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基、アシル基、−C(O)OR17a(R17aはアルキル基である)および−NR18a19a(R18aおよびR19aはそれぞれ独立にアルキル基であり、R18aおよびR19aにより環を形成していてもよい)からなる群から選択される置換基が置換されていてもよい)で表わされる環を形成していてもよい);下記一般式、

(式中、m5およびm6は、それぞれ独立に0〜5の整数、X4aは単結合またはアルキレン、W3aは−NH−または−O−であり、m5およびm6が同時に0である場合は除く)で表わされる基(アルキル基が置換されていてもよく、該置換基により環を形成してもよい);−X5a−C(O)OR20a(X5aはアルキレン、R20aは水素原子またはアルキル基であり、X5aおよびR20aにより環を形成していてもよい)であり、R12aおよびR13aにより、R12aおよびR14aにより、またはR13aおよびR14aにより環を形成していてもよく、R13aおよびR14aにより環を形成した場合、隣接する窒素原子とともに下記一般式、

(式中、m7およびm8はそれぞれ独立に1〜5の整数、W4aは−CH2−、−NH−または−O−であり、置換基を有していてもよい)または下記一般式、

(式中、m9およびm10はそれぞれ独立に1〜5の整数であり、置換基を有していてもよい)で表わされる環を形成していてもよい)で表わされる基;下記一般式、

(式中、R21a、R22aおよびR23aはそれぞれ独立にアルキルであり、R21aおよびR22aにより、またはR21aおよびR23aにより環を形成してもよい)で表わされる基;または下記一般式、

(式中、R24aはアルキル基である)で表わされる基である]で表わされることを特徴とするもの、またはその医薬上許容される塩である。
【0008】
また、本発明の他の含窒素複素環化合物は、下記一般式(I−B)、

[式中、R1bは水素原子またはアルキル基、
2b、R3b、R4bおよびR5bはそれぞれ独立に水素原子、カルボキシル基、アミノ基、−C(O)−NHR6bまたは−NH−C(O)−NHR7b(R6bおよびR7bは−NR8b9b(R8b、R9bはアルキル基であり、R8bおよびR9bにより環を形成してもよい)が置換されていてもよいアルキル基である)である] で表わされることを特徴とするもの、またはその医薬上許容される塩である。
【0009】
更に、本発明の他の含窒素複素環化合物は、下記一般式(I−C)、

[式中、R1cは水素原子またはアルキル基、R2cは水素原子または−OR7c(R7cは水素原子またはアシル基である)、
3c、R4c、R5cおよびR6cはそれぞれ独立に水素原子、ニトロ基、アミノ基、または−NH−C(O)−NHR8c(R8cはアルキル基である)である] で表わされることを特徴とするもの、またはその医薬上許容される塩である。
【0010】
更にまた、本発明の他の含窒素複素環化合物は、下記一般式(I−D)、

[式中、R1d、R2d、R3dおよびR4dはそれぞれ独立に水素原子、ニトロ基、アミノ基または−NH−C(O)−NHR5d(R5dは−X1d−NR6d7d(X1dは単結合またはアルキレン、R6dおよびR7dはアルキル基であり、R6dおよびR7dにより、X1dおよびR6dにより、またはX1dおよびR7dにより環を形成してもよい)またはアルキル基である)である] で表わされることを特徴とするもの、またはその医薬上許容される塩である。
【0011】
更にまた、本発明の他の含窒素複素環化合物は、下記一般式(I−E)、

[式中、W1eは−NH−または−O−、W2eは=N−または=CH−、
1e、R2e、R3eおよびR4eはそれぞれ独立に水素原子、アミノ基または−NH−C(O)−NHR5e(R5eは−NR6e7e(R6e、R7eはアルキル基であり、R6eおよびR7eにより環を形成してもよい)が置換されていてもよいアルキル基である)である] で表わされることを特徴とするもの、またはその医薬上許容される塩である。
【0012】
本発明の製造方法は、上記含窒素複素環化合物(I−A)またはその医薬上許容される塩の製造方法であって、下記一般式(II−A)、

(式中、R1aは上記のものと同じである)で表わされる7−アザインドール誘導体またはその前駆体と、下記一般式(III−A)、

(式中、R2a、R3a、R4a、R5aおよびR6aは上記のものと同じである)で表わされるキノキサリン誘導体またはその前駆体と、を反応させる工程を含むことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の他の製造方法は、上記本発明の含窒素複素環化合物(I−D)またはその医薬上許容される塩の製造方法であって、下記一般式(II−D)、

で表わされる化合物と、下記一般式(III−D)、

(式中、R1d、R2d、R3dおよびR4dは上記のものと同じである)で表わされるキノキサリン誘導体またはその前駆体と、を反応させる工程を含むことを特徴とするものである。
【0014】
更に、本発明の他の製造方法は、上記本発明の含窒素複素環化合物(I−E)またはその医薬上許容される塩のうち、前記W1eが−NH−、W2eが=N−である化合物の製造方法であって、下記一般式(II−E)、

で表わされる化合物と、下記一般式(III−E)、

(式中、R1e、R2e、R3eおよびR4eは上記のものと同じである)で表わされるキノキサリン誘導体またはその前駆体と、を反応させる工程を含むことを特徴とするものである。
【0015】
本発明の医薬組成物は、上記本発明の含窒素複素環化合物(I−A)、(I−B)、(I−C)、(I−D)および(I−E)、またはそれらの医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とするものである。
【0016】
なお、本明細書において使用する各置換基等の定義は次の通りである。「アルキル基」は、直鎖でも分枝してもよく、環状であってもよい。炭素数は特に制限されるものではないが、好ましくは1〜12である。「アルコキシ基」のアルキル基部分は、上記アルキル基と同様に、直鎖でも分枝してもよく、環状であってもよく、炭素数は特に制限されるものではないが、好ましくは1〜12である。「アルキレン」は、直鎖でも分枝してもよく、炭素数は特に制限されるものではないが、好ましくは炭素数1〜12である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩は、PDGFを選択的に阻害し、それらを有効成分として含有する本発明の医薬組成物は、選択的なPDGF阻害作用を有する治療薬として、腎炎、平滑筋増殖阻害および再狭窄等の種々の疾患への応用が期待できる。また、本発明の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法として、本発明の製造方法を用いることにより、副生成物の生成を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好適実施形態について、詳細に説明する。
本発明の含窒素複素環化合物は、下記一般式(I−A)、

で表わされることを特徴とするものである。式中、R1aは、シアノ基、アルコキシ基および−NR7a8a(R7aおよびR8aはそれぞれ独立にアルキル基である。R7aおよびR8aが隣接する窒素原子とともに下記一般式、

(式中、m1およびm2はそれぞれ独立に1〜5の整数である。W1aは−CH2−または−O−である。)で表わされる環を形成してもよい。)からなる群から選択される置換基が置換されていてもよいアルキル基;置換基、好ましくはシアノ基が置換されていてもよいフェニル基;−X1a−C(O)OR9a(X1aは単結合またはアルキレンである。R9aは水素原子またはアルキル基である。);下記一般式、

(式中、X2aはアルキレンである。R10aはアルキル基である。)で表わされる基;または水素原子である。
【0019】
1aがシアノ基、アルコキシ基および−NR7a8a(R7aおよびR8aは上記のものと同じである)からなる群から選択される置換基が置換されていてもよいアルキル基であるものが好ましい。
【0020】
2aは水素原子またはアルキル基である。R2aが水素原子であるものが好ましい。
【0021】
3a、R4a、R5aおよびR6aはそれぞれ独立に、水素原子;アルコキシ基;ハロゲン原子;アルキル基;アミノ基;ニトロ基;−NH−C(O)R11a(R11aはアルキル基、アルコキシ基またはフェノキシ基である。);下記一般式、

(式中、Y1aは酸素原子または硫黄原子である。R12aは水素原子またはアルキル基である。R13aおよびR14aはそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、水酸基、カルボキシル基およびピリジル基からなる群から選択される置換基が置換されていてもよいアルキル基;アルコキシ基;水酸基;フェニル基;水素原子;−X3a−NR15a16a(X3aは単結合またはアルキレンである。R15aおよびR16aはそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基である。R15aおよびR16aが隣接する窒素原子とともに下記一般式、

(式中、m3およびm4はそれぞれ独立に1〜5の整数である。W2aは−CH2−、−NH−または−O−である。アルキル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基、アシル基、−C(O)OR17a(R17aはアルキル基である)および−NR18a19a(R18aおよびR19aはそれぞれ独立にアルキル基であり、R18aおよびR19aにより環を形成していてもよい)からなる群から選択される置換基が置換されていてもよい。)で表わされる環を形成していてもよい。);下記一般式、

(式中、m5およびm6は、それぞれ独立に0〜5の整数である。X4aは単結合またはアルキレンである。W3aは−NH−または−O−である。m5およびm6が同時に0である場合は除く。)で表わされる基(アルキル基が置換されていてもよく、該置換基により環を形成してもよい。);−X5a−C(O)OR20a(X5aはアルキレンである。R20aは水素原子またはアルキル基である。X5aおよびR20aにより環を形成していてもよい。)である。R12aおよびR13aにより、R12aおよびR14aにより、またはR13aおよびR14aにより環を形成していてもよい。R13aおよびR14aにより環を形成した場合、隣接する窒素原子とともに下記一般式、

(式中、m7およびm8はそれぞれ独立に1〜5の整数である。W4aは−CH2−、−NH−または−O−であり、置換基を有していてもよい。)または下記一般式、

(式中、m9およびm10はそれぞれ独立に1〜5の整数であり、置換基を有していてもよい)で表わされる環を形成していてもよい。)で表わされる基;下記一般式、

(式中、R21a、R22aおよびR23aはそれぞれ独立にアルキルである。R21aおよびR22aにより、またはR21aおよびR23aにより環を形成してもよい。)で表わされる基;または下記一般式、

(式中、R24aはアルキル基である)で表わされる基である。
【0022】
3aが水素原子、R5aが水素原子またはハロゲン原子、R6aが水素原子であるものが好ましく、R5aが水素原子であるものがより好ましい。
【0023】
4aがアミノ基;ニトロ基;−NH−C(O)R11a(R11aは上記のものと同じである);下記一般式、

(式中、Y1a、R12a、R13aおよびR14aは上記のものと同じである)で表わされる基;または下記一般式、

(式中、R21a、R22aおよびR23aは上記のものと同じである)で表わされる基であるものが好ましく、R4aが下記一般式、

(式中、Y1aは酸素原子である。R12a、R13aおよびR14aは上記のものと同じである)で表わされる基であるものがより好ましく、R12aおよびR13aが水素原子、前記R14aがアルキル基または下記一般式、

で表わされる基であるものが特に好適である。
【0024】
本発明の他の含窒素複素環化合物は、下記一般式(I−B)、

で表されることを特徴とするものである。式中、R1bは、水素原子またはアルキル基である。R2b、R3b、R4bおよびR5bはそれぞれ独立に水素原子、カルボキシル基、アミノ基、−C(O)−NHR6bまたは−NH−C(O)−NHR7b(R6bおよびR7bは−NR8b9b(R8b、R9bはアルキル基であり、R8bおよびR9bにより環を形成してもよい)が置換されていてもよいアルキル基である。)である。
【0025】
1bが炭素数1〜6のアルキル基であり、R2b、R4bおよびR5bが水素原子であるものが好適である。なお、R3bが−NH−C(O)−NHR7b(R7bは上記のものと同じである)であるものが好ましい。ここで、R7bが炭素数1〜12のアルキル基であるものがより好ましい。
【0026】
また、本発明の他の含窒素複素環化合物は、下記一般式(I−C)、

で表されることを特徴とするものである。式中、R1cは水素原子またはアルキル基である。R2cは水素原子または−OR7c(R7cは水素原子またはアシル基である。)である。R3c、R4c、R5cおよびR6cはそれぞれ独立に水素原子、ニトロ基、アミノ基、または−NH−C(O)−NHR8c(R8cはアルキル基である)である。
【0027】
前記R1cが炭素数1〜6のアルキル基であり、R3c、R5cおよびR6cが水素原子であるものが好適である。また、R2cが水酸基であるものが好ましい。更に、R4cが−NH−C(O)−NHR8c(R8cは炭素数1〜12のアルキル基である)であるものも好ましい。
【0028】
更に、本発明の他の含窒素複素環化合物は、下記一般式(I−D)、

で表されることを特徴とするものである。式中、R1d、R2d、R3dおよびR4dはそれぞれ独立に水素原子、ニトロ基、アミノ基または−NH−C(O)−NHR5d(R5dは−X1d−NR6d7d(X1dは単結合またはアルキレン、R6dおよびR7dはアルキル基であり、R6dおよびR7dにより、X1dおよびR6dにより、またはX1dおよびR7dにより環を形成してもよい)またはアルキル基である。)である。
【0029】
1d、R3dおよびR4dが水素原子であるものが好ましく、R2dが−NH−C(O)−NHR5d(R5dは上記のものと同じである)であるものも好ましい。
【0030】
更にまた、本発明の他の含窒素複素環化合物は、下記一般式(I−E)、

で表されることを特徴とするものである。式中、W1eは−NH−または−O−である。W2eは=N−または=CH−である。R1e、R2e、R3eおよびR4eはそれぞれ独立に水素原子、アミノ基または−NH−C(O)−NHR5e(R5eは−NR6e7e(R6e、R7eはアルキル基であり、R6eおよびR7eにより環を形成してもよい)が置換されていてもよいアルキル基である。)である。
【0031】
1e、R3eおよびR4eが水素原子、R2eが−NH−C(O)−NHR5e(R5eは上記のものと同じである)であるものが好ましい。
【0032】
本発明の含窒素複素環化合物において、その医薬上許容される塩とは、特に制限されるものではなく、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびアスコルビン酸塩等を挙げることができる。なお、水和物、溶媒和物等であってもよい。
【0033】
本発明の含窒素複素環化合物(I−A)の合成方法は特に制限されるものではなく、既知の反応を組み合わせることにより、合成することができるが、好ましくは、本発明の製造方法により合成することが反応条件および収率等の点で有利である。本発明の製造方法は、上記本発明の含窒素複素環化合物(I−A)またはその医薬上許容される塩を製造するにあたり、下記一般式(II−A)、

(式中、R1aは上記のものと同じである)で表わされる7−アザインドール誘導体またはその前駆体と、下記一般式(III−A)、

(式中、R2a、R3a、R4a、R5aおよびR6aは上記のものと同じである)で表わされるキノキサリン誘導体またはその前駆体と、を反応させる工程を含む。
【0034】
かかる反応をブレンステッド酸存在下にて行うことが好ましく、ブレンステッド酸として、酢酸またはトリフルオロ酢酸を好適に用いることができる。なお、反応溶液に二酸化マンガンを好適に添加することができ、二酸化マンガンを添加することにより、酸化反応をより進行させることができる。
【0035】
以下、上記含窒素複素環化合物(I−A)の合成方法に関し、詳しく説明する。まず、7−アザインドール誘導体(II−A)は、下記反応スキーム1に従い、既知の方法により合成することができる。即ち、未置換の7−アザインドールを、無水ジメチルホルムアミド等の溶媒に溶解させ、水素化ナトリウムを加え、アルキルハライド(R1aX)と反応させ、定法に従い、適宜精製することにより、目的の7−アザインドール誘導体(II−A)を得ることができる。
【0036】
反応スキーム1

【0037】
次いで、得られた7-アザインドール誘導体(II−A)を原料とし、下記反応スキーム2に従い、目的化合物を合成することができる。なお、下記反応スキーム2において、キノキサリン(III−A−1)は、置換基を有していないが、目的の化合物の置換基に対応させた置換基が導入したものを用いることにより、所望の目的化合物を合成することができる。
【0038】
反応スキーム2

【0039】
反応スキーム2における反応の条件としては、例えば、以下の2つを挙げることができる。
第一の反応条件は、まず、各当量の7−アザインドール誘導体(II−A)およびキノキサリン(III−A−1)を、5〜10%トリフルオロ酢酸−無水ジメチルホルムアミド混合溶液に溶解させ、適宜、加熱を行い反応させる。反応は、付加反応および酸化反応からなり、当該条件により、付加反応および酸化反応は進行するが、付加反応が進行した後、二酸化マンガンを加え、適宜、加熱を行い反応させることにより、酸化反応がより進行し、収率を向上させることができる。反応終了後、定法に従い適宜精製することにより、目的の化合物(IV−A)を得ることができる。
【0040】
第二の反応条件は、まず、各当量の7−アザインドール誘導体(II−A)およびキノキサリン(III−A−1)を、5〜10%トリフルオロ酢酸−無水ジメチルホルムアミド混合溶液に溶解させ、適宜、加熱を行い反応させる。水を加え、析出した結晶を濾取する。得られた粗結晶に3%過酸化水素水および2mol/L水酸化ナトリウム水溶液の混合液を加え、再び加熱を行い反応させる。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、定法に従い、適宜精製することにより、目的の化合物(IV−A)を得ることができる。
【0041】
また、本発明の含窒素複素環化合物(I−A)は、7−アザインドール誘導体(II−A)またはその前駆体と、キノキサリン誘導体(III−A)またはその前駆体と、を反応させることを特徴とする本発明の製造方法を用いなくとも、下記スキーム3に示すように、1,2−フェニレンジアミン誘導体(V−A)およびα―ケトカルボン酸化合物(VI−A)を使用し、例えば、以下の2つの反応条件により合成することができる。
【0042】
反応スキーム3

【0043】
第一の反応条件は、1,2−フェニレンジアミン誘導体(V−A)およびα―ケトカルボン酸化合物(VI−A)をエタノールと2mol/L塩酸の混合溶媒に溶解させ、2−メルカプトエタノールを加え、数時間加熱還流させ反応させる。反応終了後、適宜、精製を行い、目的の化合物(VII−A)を得ることができる。
【0044】
第二の反応条件は、1,2−フェニレンジアミン誘導体(V−A)およびα―ケトカルボン酸化合物(VI−A)を2mol/L硫酸に溶解させ、数時間加熱還流させ反応させる。反応終了後、適宜、精製を行い、目的の化合物(VII−A)を得ることができる。
【0045】
上記合成方法は、R4aとR5aとがそれぞれ入れ代わって置換されたものが副生成物として生じる。R4aとR5aとが同じ置換基である場合には、そのような副生成物を生じることはないが、異なる場合には、副生成物が生じ、精製が困難となる。7−アザインドール誘導体(II−A)またはその前駆体と、キノキサリン誘導体(III−A)またはその前駆体と、を反応させることを特徴とする本発明の製造方法においては、このような問題を生じることはなく、目的化合物を、副生成物を生じることなく得ることができる。
【0046】
本発明の含窒素複素環化合物(I−D)も、含窒素複素環化合物(I−A)の合成方法と同様な操作により合成することができる。本発明の含窒素複素環化合物(I−D)に関する製造方法は、下記一般式(II−D)、

で表わされる化合物と、下記一般式(III−D)、

(式中、R1d、R2d、R3dおよびR4dは上記のものと同じである)で表わされるキノキサリン誘導体またはその前駆体と、を反応させる工程を含む。
【0047】
上記本発明の製造方法と同様に、かかる反応をブレンステッド酸存在下にて行うことが好ましく、ブレンステッド酸として、酢酸またはトリフルオロ酢酸を好適に用いることができる。なお、反応溶液に二酸化マンガンを好適に添加することができる。
【0048】
本発明の含窒素複素環化合物(I−E)も、含窒素複素環化合物(I−A)の合成方法と同様な操作により合成することができる。この含窒素複素環化合物(I−E)におけるW1eが−NH−、W2eが=N−である場合に、上記合成方法5−Aおよび5−Bにより合成を行うと、上記と同様な副生成物を生じるため、本発明の製造方法を用いることが好ましい。
【0049】
本発明の含窒素複素環化合物(I−E)(但し、W1eが−NH−、W2eが=N−である)に関する製造方法は、下記一般式(II−E)、

で表わされる化合物と、下記一般式(III−E)、

(式中、R1e、R2e、R3eおよびR4eは上記のものと同じである)で表わされるキノキサリン誘導体またはその前駆体と、を反応させる工程を含むことを特徴とするものである。
【0050】
上記本発明の製造方法と同様に、かかる反応をブレンステッド酸存在下にて行うことが好ましく、ブレンステッド酸として、酢酸またはトリフルオロ酢酸を好適に用いることができる。なお、反応溶液に二酸化マンガンを好適に添加することができる。
【0051】
本発明の医薬組成物は、上記本発明の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とするものである。本発明の医薬組成物はPDGF阻害剤として好適であり、腎炎治療薬、平滑筋増殖阻害薬または再狭窄治療薬として有用である。
【0052】
本発明の医薬組成物の形態は、特に限定されず、必要に応じて適宜選択することができる。例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤または液剤のような経口剤、または、注射剤、外用剤または坐剤のような非経口剤が挙げられ、定法に従い、製剤とすることができる。
【0053】
本発明の医薬組成物を腎炎治療薬、平滑筋増殖阻害薬、再狭窄治療薬として用いる場合に、患者の年齢、性別、体重または疾患の程度により異なるが、通常、成人に対して、1日あたり0.1mg〜2gの範囲で、1日1回〜複数回投与する。
【実施例】
【0054】
実施例に従い、本発明を詳細に説明する。
本発明の含窒素複素環化合物を適宜、下記手順を用い合成した。なお、合成方法1は7−アザインドール誘導体(II−A)の合成方法であり、合成方法2〜5に示す各種方法において夫々の目的化合物を得た。
合成方法1
各種置換7-アザインドールの合成

7−アザインドールの約10倍量の無水ジメチルホルムアミド溶液に、3当量の水素化ナトリウムを加え、室温で1時間攪拌した後、3当量のアルキルハライドを加え、さらに室温で攪拌した。TLCにて反応完結を確認した後、反応液に水を加え、適当な有機溶媒にて抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機溶媒を減圧下濃縮して得られる残渣を、必要に応じてカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物を得た。
【0055】
合成方法2

合成方法2−A:適宜置換基を導入した各当量の7−アザインドール誘導体およびニトロキノキサリンを約20倍量の5〜10%トリフルオロ酢酸−無水ジメチルホルムアミドに溶解し、約80℃で攪拌した。TLCにて付加反応完結を確認した後、基質の3倍量の二酸化マンガンを加え、同温度で攪拌した。再びTLCにて酸化反応完結を確認した後、セライトを用い残渣を熱時濾過した。有機溶媒を減圧下濃縮し、得られた残渣を結晶化、再結晶など適当な精製法により目的物を得た。
【0056】
合成方法2−B:適宜置換基を導入した各当量の7−アザインドール誘導体およびニトロキノキサリンを20倍量の5〜10%トリフルオロ酢酸−無水ジメチルホルムアミドに溶解し、約80℃で攪拌した。TLCにて付加反応完結を確認した後、水を加え、析出した結晶を濾取した。得られた粗結晶に約20倍量の3%過酸化水素水および2mol/L水酸化ナトリウム水溶液の混合液を加え、再び80℃で攪拌した。TLCにて酸化反応完結を確認した後、反応液を酢酸で中和し、析出した結晶を濾取し目的物を得た。
【0057】
合成方法3

合成方法3−A:適宜置換基を導入した合成方法2で得られたニトロ基置換化合物を10倍量の無水ジメチルホルムアミドに溶解させ、1/5グラム当量の10%パラジウム炭素およびトリエチルアミン(基質1mmolに対して8mL)、ギ酸(基質1mmolに対して1mL)を加え、加熱還流した。TLCにて反応完結を確認した後、セライトを用いて触媒を濾別し、有機溶媒を減圧下濃縮した。得られた残渣を結晶化、再結晶など適当な精製法により目的物を得た。
【0058】
合成方法3−B:適宜置換基を導入した合成方法2で得られたニトロ基置換化合物および10%グラム当量の10%パラジウム炭素を20倍量の2mol/L水酸化ナトリウム水溶液および無水メタノールの混合溶液(1:1)に添加し、水素雰囲気下、室温で攪拌した。TLCにて反応完結を確認した後、触媒を濾別し、有機溶媒を減圧下濃縮後、酢酸で中和した。析出した結晶を濾取し、メタノールなど適当な有機溶媒で洗浄し、目的物を得た。
【0059】
合成方法4

合成方法4−A:適宜置換基を導入した合成方法3で得られたアミノ基置換化合物を10倍量の無水Nメチルピロリドンなど適当な溶媒に溶解させ、3当量のクロロギ酸フェニルおよびジイソプロピルエチルアミンを加え、室温で攪拌した。TLCにて原料の消失を確認した後、水を加え、析出したフェニルカーバメートを濾取し、その後、無水ジメチルホルムアミドなど適当な反応溶媒を用い、各種対応するアミンを添加し攪拌するか、あるいは反応系内に10当量の各種対応するアミンを加え、室温で攪拌した。TLCにて反応完結を確認した後、反応液に水を加え、析出した結晶を濾取して、残渣をメタノールなど適当な有機溶媒で洗浄して目的物を得た。
【0060】
合成方法4−B:適宜置換基を導入した合成方法3で得られたアミノ基置換化合物を10倍量の無水テトラヒドロフランなど適当な溶媒に溶解させ、3当量のトリホスゲンおよびジイソプロピルエチルアミンを加え、室温で攪拌した。10当量の各種対応するアミンを加え、室温で攪拌した。TLCにて反応完結を確認した後、反応液に水を加え、析出した結晶を濾取して、残渣をメタノールなど適当な有機溶媒で洗浄して目的物を得た。
【0061】
合成方法5

合成方法5−A:適宜置換基を導入した1,2−フェニレンジアミン誘導体(1.6mmol)および2−(7−アザトリメチルインドール−3−イル)−2−オキソ酢酸誘導体(0.8mmol)をエタノール(10mL)と2mol/L塩酸(9.2mL)の混合溶媒に溶解し、2−メルカプトエタノール(0.84mL)を加え、100℃で数時間還流させた。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加えて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製(CH2Cl2:MeOH=20:1)することにより、目的化合物を得た。
【0062】
合成方法5−B:適宜置換基を導入した1,2−フェニレンジアミン誘導体(0.25mmol)と2−(7−アザトリメチルインドール−3−イル)−2−オキソ酢酸誘導体(0.5mmol)を2mol/L硫酸(6mL)に溶解し、120℃、数時間還流させた。反応後室温に戻した後、沈殿物を濾取、水で洗浄した。減圧乾燥により目的化合物を得た。
【0063】
以下に、実施例として、合成した化合物、その合成方法および物性値を示す。
下記一般式(I−A−1)、

で表わされる化合物を上記合成方法のうち、下記表1に示す合成方法に準じて合成した。化合物の置換基、合成方法、収率およびNMRデータを以下の表1に示す。
【0064】
【表1】

【0065】
下記一般式(I−A−2)、

で表わされる化合物を上記合成方法のうち、下記表2〜4に示す合成方法により合成した。化合物の置換基、合成方法、収率およびNMRデータを以下の表2〜4に示す。なお、合成方法未記載の化合物の合成方法に関しては後述する。
【0066】
【表2】

【0067】
【表3】

【0068】
【表4】

【0069】
下記一般式(I−A−3)、

で表わされる化合物を上記合成方法のうち、下記表5〜8に示す合成方法により合成した。化合物の置換基、合成方法、収率およびNMRデータを以下の表5〜8に示す。
【0070】
【表5】

【0071】
【表6】

【0072】
【表7】

【0073】
【表8】

【0074】
下記一般式(I−A−4)、

で表わされる化合物を上記合成方法のうち、下記表9〜22に示す合成方法により合成した。化合物の置換基、合成方法、収率およびNMRデータを以下の表9〜22に示す。なお、合成方法未記載の化合物の合成方法に関しては後述する。
【0075】
【表9】

【0076】
【表10】

【0077】
【表11】

【0078】
【表12】

【0079】
【表13】

【0080】
【表14】

【0081】
【表15】

【0082】
【表16】

【0083】
【表17】

【0084】
【表18】

【0085】
【表19】

【0086】
【表20】

【0087】
【表21】

【0088】
【表22】

【0089】
下記一般式(I−A−5)、

で表わされる化合物を上記合成方法のうち、下記表23〜25に示す合成方法により合成した。化合物の置換基、合成方法、収率およびNMRデータを以下の表23〜25に示す。なお、合成方法未記載の化合物の合成方法に関しては後述する。
【0090】
【表23】

【0091】
【表24】

【0092】
【表25】

【0093】
下記一般式(I−A−6)、

で表わされる化合物を上記合成方法のうち、下記表26〜31に示す合成方法により合成した。化合物の置換基、合成方法、収率およびNMRデータを以下の表26〜31に示す。なお、合成方法未記載の化合物の合成方法に関しては後述する。
【0094】
【表26】

【0095】
【表27】

【0096】
【表28】

【0097】
【表29】

【0098】
【表30】

【0099】
【表31】

【0100】
下記一般式(I−A−7)、

で表わされる化合物を上記合成方法のうち、下記表32〜39に示す合成方法により合成した。化合物の置換基、合成方法、収率およびNMRデータを以下の表32〜39に示す。
【0101】
【表32】

【0102】
【表33】

【0103】
【表34】

【0104】
【表35】

【0105】
【表36】

【0106】
【表37】

【0107】
【表38】

【0108】
【表39】

【0109】
下記一般式(I−B−1)、

で表わされる化合物を上記合成方法のうち、下記表40に示す合成方法により合成した。化合物の置換基、合成方法、収率およびNMRデータを以下の表40に示す。なお、合成方法未記載の化合物の合成方法に関しては後述する。
【0110】
【表40】

【0111】
下記一般式(I−C−1)、

で表わされる化合物を上記合成方法のうち、下記表41に示す合成方法により合成した。化合物の置換基、合成方法、収率およびNMRデータを以下の表41に示す。なお、合成方法未記載の化合物の合成方法に関しては後述する。
【0112】
【表41】

【0113】
下記一般式(I−D−1)、

で表わされる化合物を上記合成方法のうち、下記表42に示す合成方法により合成した。化合物の置換基、合成方法、収率およびNMRデータを以下の表42に示す。なお、合成方法未記載の化合物の合成方法に関しては後述する。
【0114】
【表42】

【0115】
下記一般式(I−E−1)、

で表わされる化合物を上記合成方法のうち、下記表43に示す合成方法により合成した。化合物の置換基、合成方法、収率およびNMRデータを以下の表43に示す。なお、合成方法未記載の化合物の合成方法に関しては後述する。
【0116】
【表43】

【0117】
以下、上記本発明の化合物のうち、表中に合成方法未記載の化合物を含む合成方法に関し詳述する。
化合物1−1の合成
6-methoxy -3-(1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)quinoxalin-2(1H)-oneの合成
1−メチル−7−アザインドール0.20g(1.5mmol)と6−メトキシキノキサリン2(1H)−オン0.17g(1mmol)の1,2−ジクロロエタン5mL懸濁液に、トリフルオロ酢酸0.5mLを加え、一晩加熱還流した。反応混合物を室温に戻し水を加えた後、飽和炭酸水素ナトリウムを加えアルカリ性としたのち析出物を濾取し、オレンジの固体として標記化合物を80mg(収率17%)得た。
【0118】
化合物1−2の合成
(1)2-Bromo-1-(1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-ethanoneの合成
アルゴン雰囲気下、7−アザインドール(4.2g,35.5mmol)を二硫化炭素(213mL)に溶解させ、塩化アルミニウム(36g)を加え、50℃に加熱し、ブロモアセチルブロマイド(4.6mL,53.3mmol)をゆっくり滴下し、更に3時間を攪拌した。反応液を氷冷下にて冷やし、水(約200mL)をゆっくり加え、2時間攪拌した。沈殿物を濾取した後、水で洗浄し、減圧乾燥した。2−ブロモ−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エタノンを薄茶色固体として得た(7.97g, 94%)。
1H-NMR(CDCl3, 200MHz)δ:4.70(s, 2H), 7.29(dd, 1H, J=4.7, 7.8Hz), 8.36(dd, 1H, J=1.3, 4.7Hz), 8.46(dd, 1H, J=1.3, 7.8Hz), 8.64(s, 1H), 12.7(s, 1H).
【0119】
(2)Oxo-(1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-acetic acid methyl esterの合成
アルゴン雰囲気下、2−ブロモ−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エタノン(174mg, 0.73mmol)を無水メタノール(1mL)と無水ジメチルスルホキシド(1mL)混合溶媒に溶解し、二酸化セレン(81mg, 0.73mmol)を加え、6時間攪拌還流した。反応後水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を減圧濃縮した後残渣をシリカゲルカラムで精製(酢酸エチル:ヘキサン=2:1)することにより、無色油状のオキソ−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−酢酸メチルエステルを(58mg、収率39%)得た。
1H-NMR(CDCl3, 200MHz)δ:3.91(s, 3H), 7.33(dd, 1H, J=4.8, 7.8Hz), 8.40 (dd, 1H, J=1.5, 4.8Hz), 8.47(dd, 1H, J=1.5, 7.8Hz), 8.61(s, 1H), 13.0(s, 1H).
【0120】
(3)6,7-Dichloro-3-(1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)quinoxalin-2(1H)-oneの合成
オキソ−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−酢酸メチルエステルから上記表記載の合成方法に従い合成した(123mg, 収率74%)。
【0121】
化合物1−3の合成
6,7-Diamino-3-(1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)quinoxalin-2(1H)-oneの合成
オキソ−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−酢酸メチルエステルから上記表記載の合成方法に従い合成した。
【0122】
化合物1−4の合成
6,7-Dimethyl-3-(1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)quinoxalin-2(1H)-oneの合成
オキソ−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−酢酸メチルエステルから上記表記載の合成方法に従い合成した。
【0123】
化合物1−5の合成
6-Amino-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)quinoxalin-2(1H)-oneの合成
3−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル) −6−ニトロキノキサリン−2(1H)−オン450mg(1.41mmol)から上記表記載の合成方法に従い合成した。
【0124】
化合物1−6の合成
(1)6-Nitroquinoxalin-2(1H)-oneの合成
2−ヒドロキシキノキサリン2.2g(15mmol)の濃硫酸溶液25mLに、氷冷下、亜硝酸カリウム1.5g(15.0mmol)を加え、同温度で0.5時間攪拌した。反応液に氷水500mLを加え、析出した結晶を濾取し、結晶を水で洗浄して表記化合物を2.53g(収率88%)得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 200MHz)δ:7.45 (d, J=9.1Hz, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.39 (dd, J=2.5, 9.1Hz, 1H), 8.55 (d, J=2.5Hz, 1H), 12.92 (brs, 1H)
【0125】
(2)3-(1-Methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-6-nitroquinoxalin-2(1H)-oneの合成
6−ニトロキノキサリン2(1H)−オンから上記表記載の合成方法に従い合成した。
【0126】
化合物2−20の合成
tert-butyl 3-(1,2-dihydro-7-nitro-2-oxoquinoxalin-3-yl)-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridine-1-carboxylateの合成
7−ニトロ−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)キノキサリン2(1H)−オン600mg(1.95mmol)、ジ−tert-ブチルジカーボネート1.27g(5.85mmol)、トリエチルアミン0.82mL(5.85mmol)の無水ジメチルホルムアミド20mL懸濁液に4−ジメチルアミノピリジン120mgを添加し、60℃で1時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、有機溶媒を減圧下濃縮した。得られた残渣をジエチルエーテルに懸濁し、析出した結晶を濾取し、表記化合物588mg(収率74%)を得た。
【0127】
化合物2−21の合成
(1)6-fluoro-7-nitroquinoxalin-2(1H)-oneの合成
6−フルオロキノキサリン2(1H)−オン5.00g(30.5mmol)、氷酢酸110mLを加え室温で攪拌しながら、発煙硝酸0.82mLと氷酢酸4.7mLの混合液を滴下した。室温で20時間攪拌後、水を加え、析出した結晶を濾取し、表記化合物を1.9g(収率30%)得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 200MHz)δ:8.04 (d, J=9.8Hz, 1H), 7.99 (d, J=5.3Hz, 1H), 8.19 (s, 1H), 12.61 (brs, 1H)
【0128】
(2)6-fluoro-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-7-nitroquinoxalin-2(1H)-oneの合成
得られた6−フルオロ−7−ニトロキノキサリン2(1H)−オンから上記表記載の合成方法に従い合成した。
【0129】
化合物2−22の合成
(1)6-chloro-7-nitroquinoxalin-2(1H)-oneの合成
化合物2−21と同様にして、6−クロロキノキサリン−2(1H)−オンから、表記化合物を得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 200MHz)δ:7.89 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 12.66 (br s, 1H)
【0130】
(2)6-chloro-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-7-nitroquinoxalin-2(1H)-oneの合成
得られた6−クロロ−7−ニトロキノキサリン2(1H)−オンから上記表記載の合成方法に従い合成した。
【0131】
化合物4−1の合成
2-cyclohexyl-N-(1,2-dihydro-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-2-oxoquinoxalin-7-yl)acetamideの合成
シクロヘキシル酢酸31mg(0.22mmol)、DMF(一滴)のジクロロメタン5mL溶液に塩化チオニル125mg(1mmol)を加え、30分間還流した。溶媒留去後、7−アミノ−3−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)キノキサリン2(1H)−オン58mg(0.2mmol)およびトリエチルアミン20mg(0.2mmol)のDMF4mL溶液を加え10分間室温で超音波照射した。希炭酸水素ナトリウム水を加え析出した固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:2→1:3)で分離精製することで表記化合物を15mg(収率18%)得た。
【0132】
化合物4−2の合成
3-cyclohexyl-N-(1,2-dihydro-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-2-oxoquinoxalin-7-yl)propanamideの合成
化合物4−1と同様にして、2−シクロヘキシルプロピオン酸から、表記化合物を得た。
【0133】
化合物4−3および4−87の合成
phenyl 1,2-dihydro-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-2-oxoquinoxalin-7-ylcarbamate、phenyl 1,2-dihydro-1-methyl-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-2-oxoquinoxalin-7-ylcarbamateの合成
表記化合物は、対応するアミンとの反応を行わないことを除き、合成方法4−Aと同様の方法により合成した。即ち、それぞれの基質を10倍量の無水Nメチルピロリドンなど適当な溶媒に溶解させ、3当量のクロロギ酸フェニルおよびジイソプロピルエチルアミンを加え、室温で攪拌した。TLCにて原料の消失を確認した後、水を加え、析出したフェニルカーバメートを濾取し、残渣をメタノールなどの適当な有機溶媒で洗浄して目的物を得た。
【0134】
化合物4−10および4−11の合成
7-(3-(cyclohexylmethyl)-2-oxoimidazolidin-1-yl)-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)quinoxalin-2(1H)-one、(7Z)-7-(3-(cyclohexylmethyl)oxazolidin-2-ylideneamino)-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)quinoxalin-2(1H)-oneの合成
シクロヘキサンカルボキシアルデヒド3.6mL(30.0mmol)、2−クロロエチルアミン1.16g(10.0mmol)、無水エタノール12mL溶液に10%パラジウム炭素100mgを添加し、室温で2時間攪拌した。触媒を濾別し、有機溶媒を減圧下濃縮した。無水エタノールに溶解後、ジエチルエーテルを加え、析出した結晶を濾取し、N−(2−クロロエチル)−N−(シクロヘキシルメチル)アミン塩酸塩を358mg(収率16.8%)得た。
【0135】
7−アミノ−3−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)キノキサリン2(1H)−オン100mg(0.35mmol)の無水テトラヒドロフラン懸濁液3mLにトリホスゲン102mg(0.35mmol)、ジイソプロピルエチルアミン0.2mL(1.04mmol)を添加し、60℃で3時間攪拌した後、反応液に、N−(2−クロロエチル)−N−(シクロヘキシルメチル)アミン塩酸塩220mg(1.04mmol)、ジイソプロピルエチルアミン0.3mL(1.56mmol)を加え、室温で0.5時間攪拌した。反応液に水を加え、有機層をクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。
【0136】
残渣の無水テトラヒドロフラン5mL懸濁液にDBU0.5mLを添加し、1.5時間加熱還流した。反応液に水を加え、有機層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を減圧下濃縮し、酢酸エチルを加え析出した結晶を濾取後、クロロホルム−メタノールから再結晶し、7−[3−(シクロヘキシルメチル)−2−オキソイミダゾリジン−1−イル]−3−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)キノキサリン2(1H)−オンを28.1mg(収率17.8%)得た。濾液を濃縮し、得られた粗精製物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=4:1→ジクロロメタン:メタノール=14:1)にて精製して、7−{[(2Z)−3−(シクロヘキシルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−イリデン]アミノ}−2−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−キノキサリン2(1H)−オンを47.7mg(収率30.2%)得た。
【0137】
化合物4−27および4−28の合成
1-(cyclohexylmethyl)-3-(1,2-dihydro-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-2-oxoquinoxalin-7-yl)thiourea、1-(1,2-dihydro-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-2-oxoquinoxalin-7-yl)-3-phenylthioureaの合成
それぞれの基質をN-メチルピロリドンなど適当な溶媒に溶解させ、1当量の各種対応するイソチオシアネートおよびジイソプロピルエチルアミンを加え、室温で撹拌した。反応が完結しない場合は温度を上昇させ、100℃で撹拌した。反応液にメタノールを加え、析出した結晶を濾取して、残渣をメタノールなどの適当な有機溶媒で洗浄して目的物を得た。
【0138】
化合物5−1の合成
1-(cyclohexylmethyl)-3-(1,2-dihydro-2-oxo-3-(1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)quinoxalin-7-yl)ureaの合成
tert-ブチル3−(7−アミノ−1,2−ジヒドロ−2−オキソキノキサリン3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−カルボキシレート100mg(0.27mmol)を原料に、合成方法4−Aに準じて合成したウレアの1,2−ジクロロエタン溶液5mLに、トリフルオロ酢酸1mLを添加し、60℃で1時間、80℃で0.5時間攪拌した。室温に冷却後、析出した結晶を濾取し、表記化合物を49.1mg(2工程収率45%)得た。
【0139】
化合物5−20の合成
{3-{6-[3-(cyclohexylmethyl)ureido]-3-oxo-3,4-dihydroquinoxaline-2-yl]-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-1-yl}acetic Acidの合成
{3−{6−[3−(シクロヘキシルメチル)ウレイド]−3−オキソ−3,4−ジヒドロキノキサリン2−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}酢酸メチルエステル200mg(1.43mmol)のメタノール5mL、水5mLの混合液に水酸化ナトリウム100mgを加え室温で15時間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸を加え、析出した結晶を濾取し、水、ジエチルエーテルで洗浄して表記化合物を172mg(収率88.4%)得た。
【0140】
化合物5−21の合成
methyl 4-{3-{6-[3-(cyclohexylmethyl)ureido]-3-oxo-3,4-dihydroquinoxaline-2-yl]-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-1-yl}butanoic acidの合成
化合物5−20と同様にして、[3−(6−{[(シクロヘキシルメチルアミノ)カルボニル]アミノ}−3−ヒドロキシキノキサリン2−yl)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]ブタン酸エチルエステルから表記化合物を合成した。
【0141】
化合物5−22の合成
1-(cyclohexylmethyl)-3-(1,2-dihydro-3-(1-(2-(4-methylpiperazin-1-yl)-2-oxoethyl)-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-2-oxoquinoxalin-7-yl)ureaの合成
[3-(6-{[(シクロヘキシルメチルアミノ)カルボニル]アミノ}-3-ヒドロキシキノキサリン2-yl)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-イル]酢酸 60mg(0.12mmol)、ジイソプロピルエチルアミン 0.1mLの無水ジメチルホルムアミド溶液 1.2mLにジエチルシアノフォスフェート 0.08mL(0.5mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液にアミノメチルシクロヘキサン 0.3mLを加え、さらに3.8時間攪拌した。反応液をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1→5:1→クロロホルム:メタノール:トリエチルアミン=17:3:1)にて精製して表記化合物を31.5mg(収率47.2%)得た。
【0142】
化合物6−1の合成
1-(1,2-Dihydro-2-oxo-3-(1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)quinoxalin-7-yl)-3-pentylureaの合成
tert-ブチル3−(7−アミノ−1,2−ジヒドロ−2−オキソキノキサリン3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−カルボキシレート100mg(0.27mmol)を原料に、合成方法4−Aに準じて合成したウレアの1,2−ジクロロエタン溶液5mLに、トリフルオロ酢酸1mLを添加し、80℃で0.5時間攪拌した。室温に冷却後、析出した結晶を濾取し、表記化合物を39.2mg(2工程収率38%)得た。
【0143】
化合物7−38の合成
(1)6-Nitroquinoxalin-2(1H)-oneの合成
2−ヒドロキシキノキサリン2.2g(15mmol)の濃硫酸溶液25mLに、氷冷下、亜硝酸カリウム1.5g(15.0mmol)を加え、同温度で0.5時間攪拌した。反応液に氷水500mLを加え、析出した結晶を濾取し、結晶を水で洗浄して表記化合物を2.53g(収率88%)得た。
【0144】
(2)3-(1-Methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-6-nitroquinoxalin-2(1H)-oneの合成
得られた6−ニトロキノキサリン2(1H)−オン300mg(2.3mmol)から合成方法2−Aに準じて合成し、3−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル) −6−ニトロキノキサリン2(1H)−オンを490mg(収率67%)得た。
【0145】
(3)6-Amino-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)quinoxalin-2(1H)-oneの合成
引き続き、得られた3−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル) −6−ニトロキノキサリン2(1H)−オン450mg(1.41mmol)を合成方法3−Aに準じて合成し、表記化合物を402mg(収率98%)得た。
【0146】
(4)1-(cyclohexylmethyl)-3-(1,2-dihydro-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-2-oxoquinoxalin-6-yl)ureaの合成
得られた6−アミノ−3−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)キノキサリン2(1H)−オンから、合成方法4−Aに準じて合成し、表記化合物を得た。
【0147】
化合物7−39の合成
1-(1,2-Dihydro-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-2-oxoquinoxalin-6-yl)-3-(2-(piperidin-1-yl)ethyl)ureaの合成
6−アミノ−3−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)キノキサリン2(1H)−オンから、合成方法4−Aに準じて合成し、表記化合物を得た。
【0148】
化合物B−1の合成
(1)methyl 4-formyl-3-nitrobenzoateの合成
4−メチル−3−ニトロ安息香酸5.00g(27.6mmol)、炭酸ナトリウム6.9gの無水ジメチルホルムアミド溶液50mLにヨウ化メチル2.6mLを加え、60℃で15時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後に無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を減圧下濃縮して得られた粗精製物とジメチルホルムアミドジメチルアセタール4.0mLを100℃で15時間攪拌した。反応液にジメチルホルムアミドジメチルアセタール4.0mLおよび無水ジメチルホルムアミド20.0mLを追加し、同温度で6時間攪拌した。引き続き、反応液を過ヨウ素酸ナトリウム17.7gの無水テトラヒドロフラン50%水溶液140mLに滴下し、室温で15時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後に無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を減圧下濃縮し、得られた粗精製物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製後、得られた結晶をジエチルエーテル−ヘキサンから再結晶して表記化合物を3.50g(収率61%)得た。
1H-NMR(CDCl3, 200MHz)δ:4.02 (s, 3H), 8.01 (d, J=8.0Hz, 1H), 8.42 (dd, J=1.5, 8.0Hz, 1H), 8.75 (d, J=1.5Hz, 1H), 10.5 (s, 1H)
【0149】
(2)methyl 4-(1,3-dioxolan-2-yl)-3-nitrobenzoateの合成
4−ホルミル−3−ニトロ安息香酸メチルエステル3.50g(16.7mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物317mg(1.67mmol)、エチレングリコール1.14g(18.4mmol)のトルエン溶液4.0mLを1時間加熱還流した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を減圧下濃縮後に、得られた粗精製物をジエチルエーテル−ヘキサンから再結晶して表記化合物を3.82g(収率90%)得た。
1H-NMR(CDCl3, 200MHz)δ:3.97 (s, 3H), 3.99-4.08 (m, 4H), 6.51 (s, 1H), 7.88 (d, J=8.0Hz, 1H), 8.26 (dd, J=1.9, 8.0Hz, 1H), 8.52 (d, J=1.9Hz, 1H)
【0150】
(3)methyl 3-amino-4-(1,3-dioxolan-2-yl)benzoateの合成
4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−3−ニトロ安息香酸メチルエステル3.82g(15.1mmol)の無水メタノール溶液20mLに10%パラジウム炭素382mgを加え、水素雰囲気下、室温で30分間攪拌した。不溶物を濾別し、有機溶媒を減圧下濃縮して得た粗精製物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製して表記化合物を1.67g(収率49%)得た。
【0151】
(4)methyl 4-(2-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)acetamido)-3-(1,3-dioxolan-2-yl)benzoateの合成
3−アミノ−4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)安息香酸メチルエステル1.67g(7.48mmol)、(1−メチル-1H-ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセチルクロライド塩酸塩2.48g(10.7mmol)、トリエチルアミン5.2mLの塩化メチレン溶液をエチレングリコール1.14g(18.4mmol)のトルエン溶液4.0mLを2時間攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を減圧下濃縮後に、得られた粗精製物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチル)にて精製して表記化合物を 866mg(収率29%)得た。
1H-NMR(CDCl3, 200MHz)δ:3.97 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 4.08 (m, 4H), 5.85 (s, 1H), 7.35-7.39 (m, 3H)
【0152】
(5)methyl 4-formyl-3-{[(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)acetyl]amino}benzoateの合成
4−(2−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド)−3−(1,3−ジオキソラン−2−イル)安息香酸メチルエステル866mg(2.19mmol)、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩280mg(1.1mmol)、水2mLのアセトン溶液16mLを14時間加熱還流した。有機溶媒を減圧下濃縮後、得られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を減圧下濃縮後に、得られた粗精製物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチル)にて精製して表記化合物を663mg(収率86.2%)得た。
1H-NMR(CDCl3, 200MHz)δ:3.40-3.50 (m, 4H), 3.91-3.94 (m, 8H), 5.19 (s, 1H), 7.21 (dd, J=4.7, 7.9Hz, 1H), 7.40 (d, J=8.0Hz, 1H), 7.74 (dd, 1.6, 8.0Hz, 1H), 7.93 (dd, 1.5, 7.9Hz, 1H), 8.39 (dd, J=1.5, 4.7Hz, 1H), 8.55 (brs, 1H), 8.85 (s, 1H)
【0153】
(6)methyl 3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-2-oxo-1,2-dihydroquinoline-7-carboxylateの合成
4−ホルミル−3−{[(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセチル]アミノ}安息香酸メチルエステル330mg(0.94mmol)、ナトリウムメトキシド101mg(1.88mmol)の無水メタノール懸濁液13mLを1時間加熱還流した。室温に冷却後、反応液に1mol/L塩酸を加え、析出した結晶を濾取して表記化合物を237mg(収率75.6%)得た。
1H-NMR(CDCl3, 200MHz)δ:3.92 (s, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 7.06 (dd, J=4.8, 7.8Hz, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.66 (d, J=8.0Hz, 1H), 7.83 (dd, 1.5, 8.0Hz, 1H), 7.93 (dd, 1.5, 7.8Hz, 1H), 8.36 (dd, J=1.5, 4.8Hz, 1H), 9.36 (s, 1H), 9.82 (s, 1H), 11.11 (brs, 1H)
【0154】
(7)3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-2-oxo-1,2-dihydroquinoline-7-carboxylic acidの合成
3−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−7−カルボン酸メチルエステル236mg(0.71mmol)の無水メタノール溶液5mLに水酸化ナトリウム100mg(2.5mmol)の水溶液5mLを室温で1時間、80℃で1時間加熱攪拌した。有機溶媒を減圧下濃縮後、反応液に1mol/L塩酸を加え、析出した結晶を濾取して表記化合物を250mg(定量的収率)得た。
【0155】
化合物B−2の合成
7-amino-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)quinolin-2(1H)-oneの合成
3−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−7−カルボン酸144.9mg(0.16mmol)、トリエチルアミン0.2mLのtert-ブタノール5mLにジフェニル燐酸アジド0.2mL(0.91mmol)を加え、7.5時間加熱還流した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を2mol/L水酸化ナトリウム水溶液で1時間加熱還流した後、酢酸で中和し、析出した結晶を濾取して表記化合物を39.7mg(収率57.8%)得た。
【0156】
化合物B−3の合成
N-cyclohexylmethyl-3-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-2-oxo-1,2-dihydroquinoline-7-carboxamideの合成
3−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−7−カルボン酸100mg(0.31mmol)、N,N−カルボジイメダゾールの無水ジメチルホルムアミド溶液3mLを60℃で30分間加熱攪拌した。室温に冷却後、氷冷下、アジ化ナトリウム66.1mg(1.01mmol)を加え、120℃で30分間加熱攪拌した。反応液にアミノメチルシクロヘキサン0.3mLを加え、同温度で15分間攪拌し、その後室温で1.75時間攪拌した。反応液に水を加え、析出した粗精製物をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1)にて精製して表記化合物を8.5mg(収率26.5%)得た。
【0157】
化合物B−6も化合物B−3と同様に合成した。
【0158】
化合物C−1の合成
(1)6-nitro-quinoline 1-oxideの合成
6−ニトロキノリン3.37g(19.4mmol)のクロロホルム60mL溶液を−10℃に冷却してm−クロロ過安息香酸(純度65%) 5.29g(19.9mmol)を加え、冷媒を除去して20時間撹拌した。希炭酸水素ナトリウム水を加え、クロロホルムで5回抽出し、有機層を希炭酸水素ナトリウム水で7回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を減圧下濃縮後に、得られた粗精製物に少量のメタノールを加え、析出した固体をろ取することで表記化合物を3.28g(収率89%)得た。
【0159】
(2)2-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)quinolin-6-amineの合成
6−ニトロキノリン 1−オキシド 380mg(2mmol)、1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン260mg(2mmol)、トリフルオロ酢酸3mLおよび無水酢酸5mLの1,2−ジクロロエタン10mL溶液を4日間還流した。飽和炭酸水素ナトリウム水30mLを加え析出した固体をろ取した。この固体をDMF12mLに溶解し、10%パラジウム炭素0.24gを加え、水素雰囲気下、室温で22時間激しく撹拌した。触媒をろ別し、ろ液に水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、有機層を水で2回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去後の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:2→1:4)にて分離精製し、表記化合物を202mg(収率37%)得た。
【0160】
化合物C−2の合成
(1)6-nitro-1-oxyquinolin-3-olの合成
6−ニトロキノリン1.04g(6mmol)および30%過酸化水素水2mLの酢酸10mL溶液を60℃で3日間撹拌した。水10mLを加え析出している固体をろ別した。この固体をDMF30mLに溶解させ、メタノール50mL加えることで析出した固体をろ取した。この固体をクロロホルム20mLに分散させ、超音波照射、加熱還流、熱時ろ過することで表記化合物を178mg(収率14%)得た。
【0161】
(2)2-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)-6-nitroquinolin-3-yl acetateの合成
6−ニトロ−1−オキシキノリン−3−オール177mg(0.86mmol)、1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン123mg(0.95mmol)、トリフルオロ酢酸0.3mLおよび無水酢酸1.5mLの1,2−ジクロロエタン1.5mL溶液を24時間還流した。飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、クロロホルムで3回抽出し、有機層を水で2回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去後の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=70:1)にて分離精製し、表記化合物を297mg(収率95%)得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.45 ( 3H, s), 4.01 ( 3H, s), 7.28 ( 1H, dd, J = 4.8, 8.0 Hz), 8.04 ( 1H, s), 8.07 ( 1H, s), 8.19 ( 1H, d, J = 9.3 Hz), 8.41 ( 1H, dd, J = 2.5, 9.3 Hz), 8.46 ( 1H, dd, J = 1.5, 4.8 Hz), 8.69 ( 1H, d, J = 2.5 Hz), 9.05 ( 1H, dd, J = 1.5, 8.0 Hz).
【0162】
(3)6-amino-2-(1-methyl-1H-pyrrolo[2,3-b]pyridin-3-yl)quinolin-3-yl acetateの合成
2−(1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−6−ニトロキノリン−3−イル アセテート297mg(0.82mmol)および10%パラジウム炭素のクロロホルム20mL−メタノール10mL懸濁液を水素雰囲気、室温で3日間激しく撹拌した。触媒をろ別し、溶媒留去後の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=80:1→50:1)にて分離精製し、表記化合物を47mg(収率17%)得た。
【0163】
化合物E−1の合成
7-amino-3-(3,4-dimethoxyphenyl)quinoxalin-2(1H)-oneの合成
6−ニトロキノキサリン2(1H)−オン260mg(1.37mmol)、1,2−ジメトキシベンゼン414mg(3.01mmol)およびトリフルオロ酢酸2mLの1,2−ジクロロエタン26mL溶液を3日間還流した。DMF4mLと飽和炭酸水素ナトリウム水50mLを加え析出した固体をろ取した。この固体をDMF10mLに溶解し、10%パラジウム炭素0.08gを加え、水素雰囲気下、室温で24時間激しく撹拌した。触媒をろ別し、ろ液に過酸化水素水1mL−メタノール9mLを加え、70℃で1時間撹拌した。反応液を水100mLに注ぎ、析出した固体をろ取することで、表記化合物を198mg(収率49%)得た。
【0164】
化合物E−3の合成
7-amino-3-(3,4-dimethoxyphenyl)-2H-chromen-2-oneの合成
3,4−ジメトキシフェニル酢酸1.21g(6mmol)、2,4−ジニトロアルデヒド1.21g(6mmol)およびトリエチルアミン4.17mL(30mmol)の無水酢酸30mL溶液を18時間還流した。溶媒を留去することで得られたタール状物にメタノールを加え、不溶物をろ別したろ液に10%パラジウム炭素0.5gを加え、水素雰囲気下、室温で18時間時間激しく撹拌した。触媒をろ別し、溶媒留去後の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1→80:1)にて分離精製し、表記化合物を125mg(収率7%)得た。
【0165】
化合物E−4の合成
7-amino-3-(3,4-dimethoxyphenyl)quinolin-2(1H)-oneの合成
3,4−ジメトキシフェニル酢酸1.21g(6mmol)および2,4−ジニトロアルデヒド1.21g(6mmol)の無水酢酸1.84g(18mmol)溶液に室温でトリエチルアミン0.84mL(6mmol)を滴下し、室温で1時間、60℃で1時間15分撹拌した。水27mLを加え、60℃で15分撹拌した。室温にした後、炭酸カリウム0.8mol/L水60mL滴下し、60℃で30分撹拌した。氷冷しながら塩酸でpHを3とし、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去後に得られた茶色油状物にメタノール30mLと10%パラジウム炭素0.2gを加え、水素雰囲気下、室温で18時間時間激しく撹拌した。触媒をろ別し、溶媒留去後の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1→80:1)にて分離精製し、表記化合物を73mg(収率4%)得た。
【0166】
合成した化合物を用い、以下の薬理試験を行った。
ヒトメサンギウム細胞(NHMC)を用いた増殖阻害試験
96ウェルカルチャープレートに、NHMC(20%含有RPMI1640培地)を4×103cells/wellの条件で播種し、一晩放置した。血清不含RPMI1640培地に交換し、さらに一晩放置した。試験直前に培地を0.5%FBS含有RPMI1640培地に置換した。次に、無刺激およびコントロールには溶媒のDMSO(終濃度0.1%)を、それ以外のウェルにはサンプル(終濃度0.001〜10μmol/L)を添加し、60分間インキュベーションした。その後、recombinant human PDGF−BB(終濃度10ng/mL) を添加し、48時間CO2インキュベーター内で培養した。培養終了20時間前に、BrdU(終濃度10μmol/L) を添加した。培養終了後、培地を除去しハンクス液にて洗浄した。
【0167】
次に、細胞固定液を加え30分間固定した。固定液を除去し、1%BSA−PBSにて60分間ブロッキングを行った。次に、酵素標識anti−BrdU抗体(終濃度0.05U/mL)を添加し、60分間放置した。洗浄後、発色基質液(21g/L citric acid monohydrate、8.6g/L NaOH、2mg/10mL 3,3’,5,5’- tetramethylbenzidine、15%DMSO、0.05%H2O2)を添加後、15〜20分間放置した。1mol/LのH2SO4を添加して反応停止後、450−630nmの吸光度を測定した。阻害率は、各々の吸光度から以下の計算式にて算出した。
阻害率(%)= { 1−(A−C )/(B−C)}×100
上記式中、Aはサンプル添加ウェルの吸光度、Bはコントロールウェルの吸光度、Cは無刺激ウェルの吸光度である。また、無刺激ウェルを阻害率100%として、50%阻害率濃度(IC50)を算出した。得られた結果を下記表44〜47に示す。
【0168】
PDGFRβ、KDR、EGFR、c−MetおよびIGF−IR自己リン酸化測定試験
ヒト大動脈平滑筋細胞(AOSMC)をタイプIコラーゲンコート12ウェルプレートに8×104個の条件で播種し、D−MEM/F−12培地(10%FBS)中で一晩培養した。次いで、0.1%FBS D−MEM/F−12培地に交換し、一晩培養した。新鮮な培地に置換後、無刺激およびコントロールウェルには、溶媒のDMSO(終濃度0.1%) を、それ以外のウェルには各濃度(終濃度:0.00001〜10μmol/L)に希釈したサンプルを添加した。CO2インキュベータ内で2時間放置後、室温でPDGF−BB (終濃度:50ng/mL) にて5分間刺激した。培地を除去後、1mLの冷PBS(−)(100μmol/L Na3VO4) で洗浄した。次いで、細胞溶解緩衝液(50mM Tris-HCl (pH7.5)、150mM NaCl、1% Igepal CA-630、0.5% deoxycholate、0.1% sodium dodecyl sulfate、50mM NaF、1mM Na3VO4、1/100量 Inhibitor cocktail)を添加し、4℃で30分間以上放置した。細胞溶解液を回収し、12,000rpm、4℃で15分間遠心後、上清をELISA(enzyme-linked immunosorbent assay) サンプルとした。
【0169】
ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)をタイプIコラーゲンコート12ウェルプレートに1×105個を播種し、D−MEM/F−12培地(10% FBS、20ng/mL acidic-FGF、50U/mL heparin)中で一晩培養した。新鮮な培地に置換後、無刺激およびコントロールウェルには、溶媒のDMSO(終濃度0.1%)を、それ以外のウェルには各濃度(終濃度:0.00001〜10μmol/L)に希釈したサンプルを添加した。CO2インキュベータ内で2時間放置後、rhVEGF(終濃度:10ng/mL)にて5分間刺激した。以下、ヒト大動脈平滑筋細胞と同様に細胞を溶解し、サンプルを調製した。
【0170】
ヒト表皮癌細胞(A−431)をタイプIコラーゲンコート12ウェルプレートに2×105個を播種し、サブコンフルエントな状態になるまでD−MEM培地(10% FBS、4.5g glucose)中で培養した。試験前日に、FBS無添加のD−MEM培地(4.5g glucose)に置換し、一晩培養した。新鮮な培地に置換後、無刺激およびコントロールウェルには、溶媒のDMSO(終濃度0.1%)を、それ以外のウェルには終濃度10μmol/Lとなるようにサンプルを添加した。CO2インキュベータ内で2時間放置後、rhEGF(終濃度:50ng/mL)を添加し室温で3分間もしくはrhHGF(終濃度:100ng/mL)を添加し10分間刺激した。以下、ヒト大動脈平滑筋細胞と同様に細胞を溶解し、サンプルを調製した。
【0171】
ヒト乳癌細胞(MCF−7)を12ウェルプレートに2×105個を播種し、サブコンフルエントな状態になるまでD−MEM/F−12培地(10%FBS)中で培養した。試験前日に、FBS無添加のD−MEM/F−12培地に置換し、一晩培養した。新鮮な培地に置換後、無刺激およびコントロールウェルには、溶媒のDMSO(終濃度0.1%)を、それ以外のウェルには終濃度10μmol/Lとなるようにサンプルを添加した。CO2インキュベータ内で2時間放置後、rhIGF−I(終濃度:100ng/mL)を添加し、3分間刺激した。以下、ヒト大動脈平滑筋細胞と同様に細胞を溶解し、サンプルを調製した。
【0172】
各増殖因子受容体に対する抗体(anti−PDGFR、anti−KDR、anti−EGFR、anti−Met、anti−IGF−IR)をELISA用プレートに添加しCO2インキュベータ内で5〜8時間放置した。各ウェルを洗浄液(0.05%tween20-PBS)で洗浄後、1%BSA−PBSにて1時間ブロッキングした。洗浄したのち、PDGF、VEGF、EGF、HGFもしくはIGF−Iで刺激した細胞の溶解液を細胞溶解用緩衝液で適宜希釈し、各ウェルに添加して、4℃で一晩放置した。洗浄液で洗浄後、ペルオキシダーゼ標識anti−phosphotyrosine(PY20)antibodyを添加した。室温で1時間反応後、洗浄した。発色基質液(21g/L citric acid monohydrate、8.6g/L NaOH、2mg/mL 3,3’,5,5’- tetramethyl -benzidine、15% DMSO、0.05% H2O2)を添加し、室温で10〜15分間放置した。1mol/L H2SO4 にて反応停止後、450nmの波長で吸光度を測定した。自己リン酸化阻害率は、各々の吸光度から以下の計算式にて算出した。
阻害率(%)= { 1−(A−C )/(B−C)}×100
上記式中、Aはサンプル添加ウェルの吸光度、Bはコントロールウェルの吸光度、Cは無刺激ウェルの吸光度である。得られた結果を下記表44〜47に併せて示す。
【0173】
【表44】

【0174】
【表45】

【0175】
【表46】

【0176】
【表47】

【0177】
マウス抗GBM腎炎に対する化合物4−84の薬効評価
5−6週齢のC57BL/6Nマウスにヤギγグロブリンを1mg/マウスの用量で免疫した。5日後にマウスの体重で群分けを実施し、各群の体重がほぼ一定となるようにランダムに割り付けた。化合物4−84を腹腔内投与し、直後にマウス抗GBM血清を0.15mL静脈注射した。化合物4−84はその後4日間連日投与し、最終日に尿中蛋白排泄量を蛋白定量用キット(トネインTPII、大塚製薬(株)製)で測定した。血清クレアチニン値ならびに尿中クレアチニン値を自動分析装置(東芝メディカルシステムズ(株)製)により測定し、クレアチニンクリアランスを算出した。また、腎炎を惹起していないマウスを正常マウス群、腎炎を惹起し化合物を投与していないマウスをコントロール群とし、同様に測定した。得られた結果を下記表48に示す。
【0178】
【表48】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I−A)、

[式中、R1aは、シアノ基、アルコキシ基および−NR7a8a(R7aおよびR8aはそれぞれ独立にアルキル基であり、R7aおよびR8aが隣接する窒素原子とともに下記一般式、

(式中、m1およびm2はそれぞれ独立に1〜5の整数、W1aは−CH2−または−O−である)で表わされる環を形成してもよい)からなる群から選択される置換基が置換されていてもよいアルキル基;置換基が置換されていてもよいフェニル基;−X1a−C(O)OR9a(X1aは単結合またはアルキレン、R9aは水素原子またはアルキル基である);下記一般式、

(式中、X2aはアルキレン、R10aはアルキル基である)で表わされる基;または水素原子であり、
2aは水素原子またはアルキル基であり、
3a、R4a、R5aおよびR6aはそれぞれ独立に、水素原子;アルコキシ基;ハロゲン原子;アルキル基;アミノ基;ニトロ基;−NH−C(O)R11a(R11aはアルキル基、アルコキシ基またはフェノキシ基である);下記一般式、

(式中、Y1aは酸素原子または硫黄原子、R12aは水素原子またはアルキル基、R13aおよびR14aはそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、水酸基、カルボキシル基およびピリジル基からなる群から選択される置換基が置換されていてもよいアルキル基;アルコキシ基;水酸基;フェニル基;水素原子;−X3a−NR15a16a(X3aは単結合またはアルキレン、R15aおよびR16aはそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、R15aおよびR16aが隣接する窒素原子とともに下記一般式、

(式中、m3およびm4はそれぞれ独立に1〜5の整数、W2aは−CH2−、−NH−または−O−であり、アルキル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基、アシル基、−C(O)OR17a(R17aはアルキル基である)および−NR18a19a(R18aおよびR19aはそれぞれ独立にアルキル基であり、R18aおよびR19aにより環を形成していてもよい)からなる群から選択される置換基が置換されていてもよい)で表わされる環を形成していてもよい);下記一般式、

(式中、m5およびm6は、それぞれ独立に0〜5の整数、X4aは単結合またはアルキレン、W3aは−NH−または−O−であり、m5およびm6が同時に0である場合は除く)で表わされる基(アルキル基が置換されていてもよく、該置換基により環を形成してもよい);−X5a−C(O)OR20a(X5aはアルキレン、R20aは水素原子またはアルキル基であり、X5aおよびR20aにより環を形成していてもよい)であり、R12aおよびR13aにより、R12aおよびR14aにより、またはR13aおよびR14aにより環を形成していてもよく、R13aおよびR14aにより環を形成した場合、隣接する窒素原子とともに下記一般式、

(式中、m7およびm8はそれぞれ独立に1〜5の整数、W4aは−CH2−、−NH−または−O−であり、置換基を有していてもよい)または下記一般式、

(式中、m9およびm10はそれぞれ独立に1〜5の整数であり、置換基を有していてもよい)で表わされる環を形成していてもよい)で表わされる基;下記一般式、

(式中、R21a、R22aおよびR23aはそれぞれ独立にアルキルであり、R21aおよびR22aにより、またはR21aおよびR23aにより環を形成してもよい)で表わされる基;または下記一般式、

(式中、R24aはアルキル基である)で表わされる基である]で表わされることを特徴とする含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
前記R1aがシアノ基、アルコキシ基および−NR7a8a(R7aおよびR8aは上記のものと同じである)からなる群から選択される置換基が置換されていてもよいアルキル基である請求項1記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項3】
前記R2aが水素原子である請求項1または2記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項4】
前記R3aが水素原子、前記R5aが水素原子またはハロゲン原子、前記R6aが水素原子である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項5】
前記R5aが水素原子である請求項4記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項6】
前記R4aがアミノ基;ニトロ基;−NH−C(O)R11a(R11aは上記のものと同じである);下記一般式、

(式中、Y1a、R12a、R13aおよびR14aは上記のものと同じである)で表わされる基;または下記一般式、

(式中、R21a、R22aおよびR23aは上記のものと同じである)で表わされる基である請求項1〜5のうちいずれか一項記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項7】
前記R4aが下記一般式、

(式中、Y1aは酸素原子、R12a、R13aおよびR14aは上記のものと同じである)で表わされる基である請求項6記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項8】
前記R12aおよびR13aが水素原子、前記R14aがアルキル基または下記一般式、

で表わされる基である請求項7記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項9】
下記一般式(I−B)、

[式中、R1bは水素原子またはアルキル基、
2b、R3b、R4bおよびR5bはそれぞれ独立に水素原子、カルボキシル基、アミノ基、−C(O)−NHR6bまたは−NH−C(O)−NHR7b(R6bおよびR7bは−NR8b9b(R8b、R9bはアルキル基であり、R8bおよびR9bにより環を形成してもよい)が置換されていてもよいアルキル基である)である] で表わされることを特徴とする含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項10】
前記R1bが炭素数1〜6のアルキル基、前記R2b、R4bおよびR5bが水素原子である請求項9記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項11】
前記R3bが−NH−C(O)−NHR7b(R7bは上記のものと同じである)である請求項9または10記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項12】
前記R7bが炭素数1〜12のアルキル基である請求項11記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項13】
下記一般式(I−C)、

[式中、R1cは水素原子またはアルキル基、R2cは水素原子または−OR7c(R7cは水素原子またはアシル基である)、
3c、R4c、R5cおよびR6cはそれぞれ独立に水素原子、ニトロ基、アミノ基、または−NH−C(O)−NHR8c(R8cはアルキル基である)である] で表わされることを特徴とする含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項14】
前記R1cが炭素数1〜6のアルキル基、前記R3c、R5cおよびR6cが水素原子である請求項13記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項15】
前記R2cが水酸基である請求項13または14記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項16】
前記R4cが−NH−C(O)−NHR8c(R8cは炭素数1〜12のアルキル基である)である請求項13〜15のうちいずれか一項記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項17】
下記一般式(I−D)、

[式中、R1d、R2d、R3dおよびR4dはそれぞれ独立に水素原子、ニトロ基、アミノ基または−NH−C(O)−NHR5d(R5dは−X1d−NR6d7d(X1dは単結合またはアルキレン、R6dおよびR7dはアルキル基であり、R6dおよびR7dにより、X1dおよびR6dにより、またはX1dおよびR7dにより環を形成してもよい)またはアルキル基である)である] で表わされることを特徴とする含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項18】
前記R1d、R3dおよびR4dが水素原子である請求項17記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項19】
前記R2dが−NH−C(O)−NHR5d(R5dは上記のものと同じである)である請求項17または18記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項20】
下記一般式(I−E)、

[式中、W1eは−NH−または−O−、W2eは=N−または=CH−、
1e、R2e、R3eおよびR4eはそれぞれ独立に水素原子、アミノ基または−NH−C(O)−NHR5e(R5eは−NR6e7e(R6e、R7eはアルキル基であり、R6eおよびR7eにより環を形成してもよい)が置換されていてもよいアルキル基である)である] で表わされることを特徴とする含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項21】
前記R1e、R3eおよびR4eが水素原子、R2eが−NH−C(O)−NHR5e(R5eは上記のものと同じである)である請求項20記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項22】
請求項1〜8のうちいずれか一項記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法であって、下記一般式(II−A)、

(式中、R1aは上記のものと同じである)で表わされる7−アザインドール誘導体またはその前駆体と、下記一般式(III−A)、

(式中、R2a、R3a、R4a、R5aおよびR6aは上記のものと同じである)で表わされるキノキサリン誘導体またはその前駆体と、を反応させる工程を含むことを特徴とする含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法。
【請求項23】
前記反応をブレンステッド酸存在下にて行う請求項22記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法。
【請求項24】
前記ブレンステッド酸が酢酸またはトリフルオロ酢酸である請求項23記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法。
【請求項25】
反応溶液に二酸化マンガンを添加する請求項23または24記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法。
【請求項26】
請求項17〜19のうちいずれか一項記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法であって、下記一般式(II−D)、

で表わされる化合物と、下記一般式(III−D)、

(式中、R1d、R2d、R3dおよびR4dは上記のものと同じである)で表わされるキノキサリン誘導体またはその前駆体と、を反応させる工程を含むことを特徴とする含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法。
【請求項27】
前記反応をブレンステッド酸存在下にて行う請求項26記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法。
【請求項28】
前記ブレンステッド酸が酢酸またはトリフルオロ酢酸である請求項27記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法。
【請求項29】
反応溶液に二酸化マンガンを添加する請求項27または28記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法。
【請求項30】
請求項20または21記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩のうち、前記W1eが−NH−、W2eが=N−である化合物の製造方法であって、下記一般式(II−E)、

で表わされる化合物と、下記一般式(III−E)、

(式中、R1e、R2e、R3eおよびR4eは上記のものと同じである)で表わされるキノキサリン誘導体またはその前駆体と、を反応させる工程を含むことを特徴とする含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法。
【請求項31】
前記反応をブレンステッド酸存在下にて行う請求項30記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法。
【請求項32】
前記ブレンステッド酸が酢酸またはトリフルオロ酢酸である請求項31記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法。
【請求項33】
反応溶液に二酸化マンガンを添加する請求項31または32記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法。
【請求項34】
請求項1〜21のうちいずれか一項記載の含窒素複素環化合物またはその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする医薬組成物。
【請求項35】
PDGF阻害剤である請求項34記載の医薬組成物。
【請求項36】
腎炎治療薬である請求項35記載の医薬組成物。
【請求項37】
平滑筋増殖阻害薬である請求項35記載の医薬組成物。
【請求項38】
再狭窄治療薬である請求項35記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2007−99642(P2007−99642A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−288718(P2005−288718)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000003665)株式会社ツムラ (43)
【Fターム(参考)】