説明

吸入噴霧剤を含まないエアロゾル製剤

本発明は、定義した液滴サイズを調整するための、少なくとも一つの不活性で不揮発性の助剤物質を含んだ吸入噴霧剤を含まないエアロゾル製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、定義した液滴サイズを調整するための、1以上の不活性で不揮発性の賦形剤を含んだ、噴霧剤を含まない吸入用のエアロゾル製剤に関する。
【0002】
(発明の背景)
薬は、これに限定されるわけではないがとりわけ呼吸器疾患、例えばぜんそく又はCOPDを治療する場合に、吸入により投与される。粉末製剤及び噴霧剤を含んだエアロゾル製剤以外の適切な薬物製剤は、特に噴霧剤を含まない活性物質の水溶液又は水アルコール溶液も含む。
この種の噴霧剤を含まない溶液製剤は、先行技術で知られている。エタノール製剤は、例えばWO97/01329で開示されている一方、水系システムはWO98/27959で開示されている。
【0003】
吸入による薬の投与において、選択した製剤に関わりなく吸入される粒子の大きさが格別重要である。ある範囲のサイズにある粒子のみが意図される作用箇所、例えば肺の深枝に到達することができ、そこで所望の治療効果を達成する。一方で、吸入される粒子は、一定の上限を超えるべきではない。更に、肺の最適な深さに達するために、エアロゾルの粒径は、一定の下限よりも小さくならないことが望ましい。好ましくは、エアロゾルの粒径は、0.5μmより大きく、肺胞に堆積させるために好ましくは1μmより大きく、及び気管支に堆積させるために特に好ましくは2μmより大きいサイズであるべきである。
特に、揮発性のエアロゾルは、それらの液滴が吸入の間蒸発し及びその結果としてその直径が急に減少する特性を有する。
本発明の目的は、供給されるエアロゾル成分の最小粒径が下限値を有する、エアロゾル溶液製剤を提供することである。
【0004】
(発明の詳細な説明)
驚くべき事に、この目的が不活性で不揮発性の賦形剤をエアロゾル溶液製剤に添加した場合に達成できることが見出された。
従って、本発明は、水、エタノール及び水−エタノール混合物から選択される溶媒中の1以上の活性成分に加えて、製剤中の不揮発性成分の合計濃度が≧3質量%になるような量で不活性で不揮発性の賦形剤を少なくとも一つ含む、吸入するための噴霧剤を含まない溶液製剤に関する。
本発明の目的のため、溶媒が蒸発した後に残るであろう全ての懸濁された又は溶解した成分は、不揮発性の成分の合計濃度を構成する。活性成分及びいかなる防腐剤及び錯化剤が存在するほかに、主に不活性で不揮発性の賦形剤が存在する。
【0005】
本発明の製剤の範囲内で、不活性で不揮発性の賦形剤は、本発明の製剤の溶媒中に溶解した、部分的に溶解した又は懸濁した形態で存在してもよい化合物である。本発明の溶液製剤の範囲内で使用できる不活性で不揮発性の賦形剤の例は、例えば単糖類、二糖類、オリゴ糖及び多糖類、ポリアルコール又は塩を含む。単糖類は、好ましくは、グルコース及びアラビノースから選択され、これらの内グルコースが特に好ましい。二糖類は、好ましくは、ラクトース、サッカロース、マルトース及びトレハロースから選択され、二糖類の内ラクトースが特に好ましい。オリゴ糖及び多糖類は、好ましくはデキストランから選択される。ポリアルコールは、好ましくは、ソルビトール(sorbitolol)、マンニトール、キシリトール及びグリセロールから選択され、ポリアルコールの内グリセロールが特に好ましい。塩は、好ましくは、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム及び塩化カルシウムから選択され、これらの塩の内、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム及び塩化マグネシウムが好ましく、とりわけ塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム及び炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。
【0006】
本発明の製剤は、香りをマスキングするための粘膜活性物質(mucoactive substance)として、精油を含んでも良い。この関係で特に好ましいのは、ユーカリ油、エゾマツ油、松葉油又はペパーミント油である。
使用される不活性で不揮発性の賦形剤は、上記塩から選択される特に好ましい化合物である一方で、以下の賦形剤は特に好ましいものである:塩化ナトリウム。塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム及び塩化マグネシウム。
好ましくは、本発明の溶液製剤の不揮発性成分の合計濃度は、≧3質量%、特に好ましくは≧5質量%、より好ましくは≧10質量%である。記号“≧”は、“以上”、例えば“3質量%以上”を表す。
不揮発性成分の最大濃度は、20質量%の範囲を超えるべきではない。
【0007】
特に好ましいのは、適切な吸入器で噴霧した後に、≧0.5μm、肺胞に堆積させるために好ましくは≧1μm、及び気管支に堆積させるために特に好ましくは≧2μmの粒子径を有する薬物製剤である。
本発明の薬物製剤は、溶媒として純水、純エタノール又はエタノールと水の混合物を含む。エタノール−水混合物を使用する場合、これら混合物におけるエタノールのパーセンテージ量は、好ましくは5から99%エタノールの範囲にあり、特に好ましくは10から96%エタノールの範囲にある。本発明の目的に対して最も特に好ましい薬物製剤は、溶媒としての純水、純エタノール又は50から92%、特に好ましくは69から91%エタノールを含んだエタノール−水混合物を含む。
所望の場合には、エタノール及び水の他に、他の共溶媒を使用しても良い。これらは、好ましくは、アルコール又はエーテル、例えばイソプロパノール又はテトラヒドロフランから選択される。しかしながら、本発明に従い、追加の溶媒を使用しないことが好ましい。
【0008】
通常、本発明の製剤は、薬理学的に許容される酸をpH調整のために含む。本発明の製剤のpHは、本発明に従い、好ましくは2.0から6.5、好ましくは2.2から5.0、特に好ましくは約2.5から4.5の範囲にある。
使用される薬理学的に許容される酸は、無機酸又は有機酸であっても良い。好ましい無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及びリン酸から選択される。特に適切な有機酸の例は、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及びプロピオン酸から選択される。好ましい無機酸は、塩酸及び硫酸である一方、塩酸が本発明で特に重要である。有機酸の内、アスコルビン酸、フマル酸及びクエン酸が好ましい一方で、クエン酸が本発明で特に好ましい。特に酸の酸性にする特性に加えて、例えば風味付け又は酸化防止として他の特性を有する酸、例えばクエン酸又はアスコルビン酸の場合、特定した酸の混合物を任意で使用しても良い。
薬理学的に許容される塩基を、任意でpHの正確な滴定の為に使用しても良い。適切な塩基は、例えばアルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属カーボネートを含む。好ましいアルカリ金属イオンはナトリウムである。このような塩基を使用する場合、完成した薬物製剤に結果として含まれる結果物の塩が、上記酸と薬理学的に適合性のあることを確実にするように注意を払わなければならない。
【0009】
本発明の製剤は、他の成分として錯化剤又は防腐剤を含んでも良い。錯化剤は、本発明の範囲において、錯結合(complex bonds)の一部になることができる分子を意味する。好ましくは、これらの化合物は、錯カチオン、最も好ましくは金属カチオンの効果を有するべきである。本発明の製剤は、好ましくはエデト酸(EDTA)又はその公知の塩の一つ、例えばナトリウムEDTA又はジナトリウムEDTAを錯化剤として含む。好ましくは、エデト酸ジナトリウムを、任意でその水和物、より好ましくはその二水和物の形態で使用する。錯化剤を本発明の製剤中で使用する場合、その含有量は、好ましくは本発明の製剤100ml当たり1から50mgの範囲、より好ましくは100ml当たり2から15mgの範囲である。好ましくは、本発明の製剤は、本発明の製剤100ml当たり約4から12mg、より好ましくは100ml当たり約10mgの量で錯化剤を含む。
【0010】
エデト酸二ナトリウムに関する記載は、また錯化特性を有しかつそれらの代わりに使用できる、EDTA又はその塩に類似する他の可能な添加剤、例えばニトリロ三酢酸及びその塩に対して同じように適用する。
防腐剤を添加して、病原菌の汚染から製剤を守ることができる。適切な防腐剤は先行技術で知られているもの、特に塩化ベンザルコニウム、又は安息香酸又はベンゾエート、例えば先行技術で知られる濃度でのナトリウムベンゾエートである。好ましくは、塩化ベンザルコニウムが本発明の製剤に添加される。塩化ベンザルコニウムの量は、本発明の製剤100ml当たり1mgから50mg、好ましくは100ml当たり約2から15mg、より好ましくは100ml当たり約3から12mg、特に好ましくは100ml当たり約4から10mgである。
【0011】
本発明に従って塩化ベンザルコニウムを、他の防腐剤の混合剤中に使用しても良い。
本発明の製剤の範囲内で使用しても良い活性物質は、抗コリン作用薬、ベータミメティック(betamimetic)、副腎皮質ステロイド、PDE4-インヒビター、LTD4-アンタゴニスト、ドーパミンアゴニスト及びH1-抗ヒスタミン剤から好ましく選択される;これら活性物質の1以上はいずれの場合でも存在して良い。
本発明の薬物の組み合わせにおける活性物質として使用してもよい抗コリン作用薬は、チオトロピウム塩、オキシトロピウム塩、フルトロピウム塩、イプラトロピウム塩、グリコピロニウム塩及びトロスピウム塩から好ましく選択される。上記ビス塩(bis salt)において、カチオンチオトロピウム、オキシトロピウム、フルトロピウム、イプラトロピウム、グリコピロニウム及びトロスピウムは、薬理学的に活性な成分を構成する。上記塩に対するいかなる参照も、対応したカチオンチオトロピウム、オキシトロピウム、フルトロピウム、イプラトロピウム、グリコピロニウム及びトロスピウムに対する参照を当然に含む。ビス塩により、本発明に従って、カチオンチオトロピウム、オキシトロピウム、フルトロピウム、イプラトロピウム、グリコピロニウム及びトロスピウムの他に、対イオン(アニオン)として、クロライド、ブロミド、ヨーダイト、サルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサラート、サクシネート、ベンゾエート、又はp-トルエンスルホネートを含む化合物を意味する一方で、クロライド、ブロミド、ヨーダイド、スルフェート、メタンスルホネート又はp-トルエンスルホネートが対イオンとして好ましい。全ての塩の内で、クロライド、ブロミド、ヨーダイド及びメタンスルホネートが特に好ましい。
【0012】
特に、チオトロピウム塩、オキシトロピウム塩又はイプラトロピウム塩を含む薬物の組み合わせが重要である一方で、各ブロミドが本発明により特に重要である。チオトロピウムブロミドが特に重要である。上記塩は、任意でその溶媒和物又は水和物、好ましくは水和物の形態で、本発明による薬物の組み合わせ中に存在しても良い。チオトロピウムブロミドの場合において、本発明の薬物の組み合わせは、好ましくは、WO02/30928で知られる結晶性チオトロピウムブロミド一水和物の形態で好ましく含む。
上記抗コリン作用薬は、任意でキラル炭素中心を有してもよい。この場合において、本発明の薬物の組み合わせは、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物又はラセミ体の形態で抗コリン作用薬を含んでも良い一方で、鏡像異性的に純粋な抗コリン作用薬を好ましく使用する。
【0013】
チオトロピウム塩を使用する場合、本発明の薬物製剤におけるチオトロピウムカチオンの濃度は、好ましくは製剤100g当たり0.01gから100g当たり0.06gである。0.015/100gから0.055g/100gの量が好ましい一方で、0.02g/100gから0.05g/100gの量がより好ましい。製剤100g当たり0.023g±0.001gから製剤100g当たり0.045±0.001gの量が最も好ましい。
イプラトロピウム塩を使用する場合、本発明の薬物製剤中のイプラトロピウムカチオンの濃度は、好ましくは製剤100g当たり0.20gから製剤100g当たり1.58gである。0.30g/100gから1.45g/100gの量が好ましく、0.40g/100gから1.32g/100gの量がより好ましい。製剤100g当たり0.46±0.02gから製剤100g当たり0.92±0.02gの量が最も好ましい。
オキシトロピウム塩を使用する場合、本発明の薬物製剤中のオキシトロピウムカチオンの濃度は、好ましくは製剤100g当たり0.20gから製剤100g当たり1.58gである。0.30g/100gから1.45g/100gの量が好ましく、0.40g/100gから1.32g/100gの量がより好ましい。製剤100g当たり0.46±0.02gから製剤100g当たり0.92±0.02gの量が最も好ましい。
【0014】
本発明の他の好ましい態様において、本発明の薬物の組み合わせに含まれる抗コリン作用薬は以下の式の塩から選択され、任意でそのラセミ体、エナンチオマー又は水和物の形態であっても良い:
【化1】

(式中、X-は、単一の負電荷を有するアニオン、好ましくはフルオライド、クロライド、ブロミド、ヨーダイド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサラート、サクシネート、ベンゾエート及びp-トルエンスルホネートから選択されるアニオン、好ましくはブロミドを表す)。
【0015】
以下の式のエナンチオマーを含む薬物の組み合わせが特に重要である:
【化2】

(式中X-は、上記の意味を有する)。
【0016】
上記抗コリン作用薬が本発明の薬物製剤中に存在する場合の濃度は、本発明により100g当たり4から2000mg、好ましくは100gあたり約8から1600mgである。特に好ましくは、100gの本発明の製剤は、上記抗コリン作用薬を約80から約1360mg(薬理学的に活性なカチオンに基づいて)含む。上記ブロミドを使用する場合、本発明の組成物中におけるその濃度は、通常薬物製剤100gあたり約5から2500mg、好ましくは100gあたり約10から2000mgである。特に好ましくは、本発明の製剤100gは、約100から1700mgの上記ブロミドの1つを含む。
【0017】
本発明の他の好ましい態様において、本発明の製剤に含まれる抗コリン薬は、トロペノール2,2-ジフェニルプロピオネートメトブロミド、スコピン2,2-ジフェニルプロピオネートメトブロミド、スコピン2-フルオロ-2,2-ジフェニルアセテートメトブロミド、トロペノール2-フルオロ-2,2-ジフェニルアセテートメトブロミド、トロペノール3,3',4,4'-テトラフルオロベンジレートメトブロミド、スコピン3,3',4,4'-テトラフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノール4,4'-ジフルオロベンジレートメトブロミド、スコピン4,4'-ジフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノール3,3'-ジフルオロベンジレートメトブロミド、スコピン3,3'-ジフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノール9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、トロペノール9-フルオロ-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、スコピン9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、スコピン9-フルオロ-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、トロペノール9-メチル-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、スコピン9-メチル-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン2,2-ジフェニルプロピオネートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9-メチル-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9-メチル-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピンメチル4,4'-ジフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノール9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド、スコピン9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド、トロペノール9-メチル-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド、スコピン9-メチル-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド、トロペノール9-エチル-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド、トロペノール9-ジフルオロメチル-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド及びスコピン9-ヒドロキシメチル-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミドから選択される。上記ブロミドの代わりに、本発明の組成物は、例えば対応したフルオライド、クロライド、ヨーダイト、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサラート、サクシネート、ベンゾエート及びp-トルエンスルホネートを含んでもよく、これらの内ブロミドが特に重要である。
上記化合物は、任意でこれらのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物又はラセミ体の形態で存在してもよく、及び任意でその水和物及び/又は溶媒和物の形態で存在しても良い。
【0018】
上記抗コリン作用薬が本発明の薬物製剤中に含まれる場合の濃度は、本発明に従って100g当たり約4から2000mg、好ましくは約8から1600mgである。特に好ましくは本発明の製剤100gは、約80から約1360mg(薬理学的に活性なカチオンに基づいて)の上記抗コリン作用薬を含む。上記ブロミドを使用する場合、本発明の組成物中のその濃度は、通常100gの薬物製剤あたり約5から2500mg、好ましくは100gあたり10から2000mgである。特に好ましくは、本発明の製剤100gは、上記ブロミドの1つを約100から1700mg含む。
【0019】
本発明で使用するベータミメティックは、好ましくは、任意でこれらのラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態にあってよく、任意でこれらの薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物又は水和物であって良い、アルブテロール、アルフォルモテロール(arformoterol)、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメファモール、サルメテロール、ソテレノール、スルホンテロール、テルブタリン、チアラミド、トルブテロール、ジンテロール、CHF-1035、HOKU-81、KUL-1248、3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンジル-スルホンアミド、5-[2-(5,6-ジエチル-インダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン、4-ヒドロキシ-7-[2-{[2-{[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]-スルホニル}エチル]-アミノ}エチル]-2(3H)-ベンゾチアゾロン、1-(2-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[3-(4-メトキシベンジル-アミノ)-4-ヒドロキシフェニル]-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-n-ブチルオキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-{4-[3-(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-2-メチル-2-ブチルアミノ}エタノール、5-ヒドロキシ-8-(1-ヒドロキシ-2-イソプロピルアミノブチル)-2H-1,4-ベンズオキサジン-3-(4H)-オン、1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル)-2-tert.-ブチルアミノ)エタノール、6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-メトキシ-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン、6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(エチル4-フェノキシアセテート)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン、6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-フェノキシ-酢酸)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン、8-{2-[1,1-ジメチル-2-(2,4,6-トリメチルフェニル)-エチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン、6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン、6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-イソプロピル-フェニル)-1,1ジメチル-エチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン、8-{2-[2-(4-エチル-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-1-ヒドロキシエチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン、8-{2-[2-(4-エトキシ-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン、4-(4-{2-[2-ヒドロキシ-2-(6-ヒドロキシ-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジン-8-イル)-エチルアミノ]2-メチル-プロピル}-フェノキシ)-酪酸、8-{2-[2-(3,4-ジフルオロ-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン、1-(4-エトキシ-カルボニルアミノ-3-シアノ-5-フルオロフェニル)-2-(tert.-ブチルアミノ)エタノール、2-ヒドロキシ-5-(1-ヒドロキシ-2-{2-[4-(2-ヒドロキシ-2-フェニル-エチルアミノ)-フェニル]-エチルアミノ}-エチル)-ベンズアルデヒド、N-[2-ヒドロキシ-5-(1-ヒドロキシ-2-{2-[4-(2-ヒドロキシ-2-フェニル-エチルアミノ)-フェニル]-エチルアミノ}-エチル)-フェニル]-ホルムアミド、8-ヒドロキシ-5-(1-ヒドロキシ-2-{2-[4-(6-メトキシ-ビフェニル-3-イルアミノ)-フェニル]-エチルアミノ}-エチル)-1H-キノリン-2-オン、8-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(6-フェネチル-ヘキシルアミノ)-エチル]-1H-キノリン-2-オン、5-[2-(2-{4-[4-(2-アミノ-2-メチル-プロポキシ)-フェニルアミノ]-フェニル}-エチルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン、[3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-5-メチル-フェニル]-ハルンストッフ(harnstoff)、4-(2-{6-[2-(2,6-ジクロロ-ベンジルオキシ)-エトキシ]-ヘキシルアミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-ヒドロキシメチル-フェノール、3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンジルスルホンアミド、3-(3-{7-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘプチルオキシ}-プロピル)-ベンジルスルホンアミド、4-(2-{6-[4-(3-シクロペンタンスルホニル-フェニル)-ブトキシ]-ヘキシルアミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-ヒドロキシメチル-フェノール、N-アダマンタン-2-イル-2-(3-{2-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-プロピル}-フェニル)-アセトアミドから選択される化合物である。本発明のベータミメティックの好ましい酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩から選択される。
【0020】
本発明の製剤における上記ベータミメティックの濃度は、100g当たり約0.1から1600mg、好ましくは100g当たり約0.5から1000mg、特に好ましくは100g当たり0.75から200mgである。特に好ましくは、100gの本発明の製剤は、上記ベータミメティックを約1から約100mg含む(各場合において上記化合物の遊離塩基に基づく)。
【0021】
本発明で使用する副腎皮質ステロイドは、任意でそのラセミ体、エナンチオマー又はジアステレオマーの形態にあってよく、及びその塩、誘導体、溶媒和物及び/又は水和物の形態であって良い、プレドニゾロン、プレドニゾン、ブチキソコルトプロピオネート、フルニソリド、ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレゾニド、ロフレポニド、デキサメタゾン、ベタメタゾン、デフラザコルト、RPR-106541、NS-126、ST-26、(S)-フルオロメチル6,9-ジフルオロ-17-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11-ヒドロキシ-16-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17-カルボチオネート、(S)-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3S-イル)6,9-ジフルオロ-11-ヒドロキシ-16-メチル-3-オキソ-17-プロピオニルオキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17-カルボチオネート及びエチプレドノール-ジクロロアセテートから好ましく選択される化合物である。ステロイドに対するいかなる参照も、存在し得るそのいかなる塩又は誘導体、水和物又は溶媒和物に対する参照を含む。ステロイドの可能性のある塩及び誘導体の例は以下のものでも良い:アルカリ金属塩、例えばナトリウム又はカリウム塩、スルホベンゾエート、ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、プロピオネート、二水素ホスフェート、パルミテート、ピバレート又はフロエート(furoate)。
本発明の製剤における上記ステロイドの濃度は、通常は、100g当たり約10から1800mg、好ましくは100g当たり約100から1500mg、特に好ましくは100g当たり200から1000mgである。特に好ましくは、100gの本発明の製剤は、約400から約700mgの上記ステロイドを含む。
【0022】
本発明で使用するPDE4-インヒビターは、任意でそのラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマーであってよく、任意でその薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物又は水和物であっても良い、エンプロフィリン、セオフィリン、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、トフィミラスト、プマフェントリン(pumafentrin)、リリミラスト(lirimilast)、アロフィリン、アチゾラム、D-4418、ベイ-198004、BY343、CP-325.366、D-4396(Sch-351591)、AWD-12-281(GW-842470)、NCS-613、CDP-840、D-4418、PD-168787、T-440、T-2585、V-11294A、Cl-1018、CDC-801、CDC-3052、D-22888、YM-58997、Z-15370、N-(3.5-ジクロロ-1-オキソ-ピリジン-4-イル)-4-ジフルオロメトキシ-3-シクロプロピルメトキシベンズアミド、(-)p-[(4aR*,10bS*)-9-エトキシ-1,2,3,4,4a,10b-ヘキサヒドロ-8-メトキシ-2-メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン-6-イル]-N,N-ジイソプロピルベンズアミド、(R)-(+)-1-(4-ブロモベンジル)-4-[(3-シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-2-ピロリドン、3-(シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-1-(4-N'-[N-2-シアノ-S-メチル-イソチオウレイド]ベンジル)-2-ピロリドン、シス[4-シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)シクロヘキサン-1-カルボン酸]、2-カルボメトキシ-4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン、シス[4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オール]、(R)-(+)-エチル[4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)ピロリジン-2-イリデン]アセテート、(S)-(-)-エチル[4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)ピロリジン-2-イリデン]アセテート、9-シクロペンチル-5,6-ジヒドロ-7-エチル-3-(2-チエニル)-9H-ピラゾロ[3,4-c]-1,2,4-トリアゾロ[4.3-a]ピリジン及び9-シクロペンチル-5,6-ジヒドロ-7-エチル-3-(tert-ブチル)-9H-ピラゾロ[3,4-c]-1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリジンから好ましく選択される化合物である。本発明で好ましいものは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩から選択されるPDE4-インヒビターの酸付加塩である。
本発明の製剤における上記PDE4-インヒビターの濃度は、100g当たり約1から1500mg、好ましくは100g当たり約10から1200mg、特に好ましくは100g当たり100から1000mgである。特に好ましくは、100gの本発明の製剤は、約150から約800mgの上記PDE4-インヒビターを含む(各場合において、上記化合物の遊離塩基に基づいて)。
【0023】
本発明で使用するLTD4-アンタゴニストは、任意でそのラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマーであって良く、任意でその薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態であって良い、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルカスト、MCC-847(ZD-3523)、MN-001、MEN-91507(LM-1507)、VUF-5078、VUF-K-8707、L-733321、1-(((R)-(3-(2-(6,7-ジフルオロ-2-キノリニル)エテニル)フェニル)-3-(2-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン-酢酸、1-(((1(R)-3(3-(2-(2.3-ジクロロチエノ[3.2-b]ピリジン-5-イル)-(E)-エテニル)フェニル)-3-(2-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン-酢酸及び[2-[[2-(4-tert-ブチル-2-チアゾリル)-5-ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸から好ましく選択される化合物である。本発明で好ましいものは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩から選択されるLTD4-アンタゴニストの酸付加塩である。LTD4-アンタゴニストを形成できるであろう塩又は誘導体は以下のものを意味する、例えば:アルカリ金属塩、例えばナトリウム又はカリウム塩、アルカリ土類金属塩、スルホベンゾエート、ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、プロピオネート、二水素ホスフェート、パルミテート、ピバレート又はフロエート。
本発明の製剤における上記LTD4-アンタゴニストの濃度は、通常100g当たり約0.1から1600mg、好ましくは100g当たり約0.5から1000mg、特に好ましくは100g当たり0.75から200mgである。
【0024】
本発明で使用するドーパミンアゴニストは、任意でそのラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態であって良く、任意でその薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態にあって良い、ブロモクリプチン、カベルゴリン、アルファ-ジヒドロエルゴクリプチン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソール、ロキシンドール、ロピニロール、タリペキソール、テルグリド及びビオザンから好ましく選択される化合物である。本発明で好ましいものは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩から選択されるドーパミンアゴニストの酸付加塩である。
本発明の製剤における上記ドーパミンアゴニストの濃度は、通常100gに対して約0.1から1500mg、好ましくは100gに対して約1から1000mg、特に好ましくは100gに対して5から750mgである(各場合において、上記化合物の遊離塩基に基づいて)。
【0025】
本発明で使用するH1-抗ヒスタミン薬は、任意でそのラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態であって良く、任意でその薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態にあって良い、エピナスチン、セチリジン、アゼラスチン、フェキソフェナジン、レボカバスチン、ロラタジン、ミゾラスチン、ケトチフェン、エメダスチン、ジメチンデン、クレマスチン、バミピン、セクスクロルフェニラミン(cexchlorpheniramine)、フェニラミン、ドキシラミン、クロルフェノキサミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、エバスチン、デスロラチジン及びメクロジンから好ましく選択される化合物である。本発明で好ましいものは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩から選択されるH1-抗ヒスタミン薬の酸付加塩である。
本発明の製剤における上記H1-抗ヒスタミン薬の濃度は、通常100g当たり1から1500mg、好ましくは100g当たり約10から1000mg、特に好ましくは100g当たり20から800mgである(各場合において、上記化合物の遊離塩基に基づいて)。
【0026】
他の側面において、本発明は、種々の原因の閉塞性肺疾患、種々の原因の肺気腫、制限的肺疾患(restrictive pulmonary disease)、間質性肺疾患(interstitial pulmonary disease)、嚢胞性線維症、種々の原因の気管支炎、気管支拡張症、ARDS(成人呼吸窮迫症候群)及び全ての形態の肺水腫(pulmonary oedema)を含む群から選択される呼吸器疾患(respiratory complaints)を治療するための薬物を調製するための、本発明の薬物製剤の使用に関する。
好ましくは、本発明の薬物の組み合わせは、気管支ぜんそく、小児ぜんそく、重症のぜんそく、急性ぜんそく発作、慢性気管支炎及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)から選択される閉塞性換気障害を治療するための医薬組成物を調製するために上記特定したように使用される一方で、本発明は気管支ぜんそく及びCOPDを治療するための薬物を調製するために使用することが特に好ましい。
【0027】
COPD(慢性閉塞性肺疾患)又はα1-プロテナーゼインヒビター欠乏症にその原因を有する肺気腫の治療のための医薬組成物を調製するため、本発明の薬物の組み合わせを使用することも好ましい。
アレルギー性肺胞炎、有毒物質の仕事関連により引き起こされる制限的肺疾患、例えば石綿症若しくは珪肺症、又は肺腫瘍により起こる制限、例えばリンファンジオシスカルシオマトーサ(lymphangiosis carcinomatosa)、細気管支肺胞上皮癌及びリンパ腫から選択される制限的肺疾患を治療するための医薬組成物を調製するために、本発明の薬物の組み合わせを使用することも好ましい。
感染、例えばウイルス、バクテリア、菌類、原虫、蠕虫又は他の病原体の感染により起こる肺炎、種々の要因、例えば吸引及び左心不全により起こる肺炎、放射線誘発肺炎又は線維症、膠原病、例えば紅斑性狼瘡、全身性強皮症又はサルコイドーシス、肉芽腫症、例えばベックス病(Boeck's disease)、突発性間質性肺炎又は突発性肺線維症(IPF)から選択される間質性肺疾患を治療するための医薬組成物を調製するために、本発明の薬物の組み合わせを使用することも好ましい。
【0028】
嚢胞性線維症又は嚢胞性線維症を治療するための医薬組成物を調製するために、本発明の薬物の組み合わせを使用することも好ましい。
気管支炎、例えばバクテリア又はウイルス感染により起こる気管支炎、アレルギー性気管支炎及び中毒性気管支炎(toxic bronchitis)を治療するための医薬組成物を調製するため、本発明の薬物の組み合わせを使用することも好ましい。
気管支拡張症を治療するための医薬組成物を調製するため、本発明の薬物の組み合わせを使用することも好ましい。
ARDS(成人呼吸窮迫症候群)を治療するための医薬組成物を調製するため、本発明の薬物の組み合わせを使用することも好ましい。
【0029】
肺水腫、例えば有毒物質及び異物を吸引又は吸入した後の中毒性肺水腫を治療するための医薬組成物を調製するため、本発明の薬物の組み合わせを使用することも好ましい。
ぜんそく又はCOPDを治療するための医薬組成物を調製するため、本発明の薬物製剤を使用することが特に好ましい。特に重要であるのは、炎症性及び閉塞性の肺の病気の一日一回の治療、特にぜんそく又はCOPDの一日一回の治療のための医薬組成物を調製するための上記使用である。
さらに、本発明は、1以上の上記本発明の薬物製剤を治療効量投与することを特徴とする、上記病気の治療方法に関する。
【0030】
本発明は、吸引により投与できるこれら化合物の液体活性物質製剤に関する;本発明の液体製剤は高い品質を満たさなければならない。本発明の製剤は、経口又は鼻腔経路で吸入して良い。肺における活性物質の最適な分布を達成するため、適切な吸入器を用いて投与される、噴霧剤ガスを含まない液体製剤を使用することが理解される。このような製剤を、経口又は鼻腔経路で吸入してよい。治療目的のために要求される投与量で少量の液体製剤を数秒間で治療目的の吸入に適したエアロゾルに噴霧することができる吸入器が特に適切である。本発明の範囲内で、好ましいネブライザーは、100μlより少ない量、好ましくは50μlより少ない量、最も好ましくは25μlより少ない量の活性物質溶液を、一吹き又は二吹きで20μmより小さい、好ましくは10μmより小さい平均粒径(又は粒子直径)を有するエアロゾルを形成するために噴霧できるものであり、これによりエアロゾルの吸入できる部分は、既に治療に有効な品質に対応する。
吸入のための定量の液体医薬組成物の噴霧剤を含まない投与用のこの種の装置は、例えば国際特許出願WO91/14468“噴霧装置及び方法”及びWO97/12687図6a及び6b及び付随する説明に詳細に記載されている。この種のネブライザーにおいて、医薬溶液は、最大0.5MPa(500bar)の高圧を用いて肺に到達することになるエアロゾルに転換され、スプレーされる。本明細書の範囲内で、前記文献の完全な内容が参照により明確に取り込まれる。
【0031】
この種の吸入器において、溶液の製剤は容器に貯蔵される。使用される活性物質製剤が貯蔵された場合に十分に安定で、かつ同時に、可能ならばいかなるさらなる処理を用いることなく、それらの医学的な目的に従ってこれらを直接投与できるようになっていることが必須である。さらに、これらは、吸入器又は溶液若しくは製造されたエアロゾルの薬学的な性質にダメージを与えるように吸入器に影響し得るいかなる成分も含んではならない。
溶液を噴霧するために、特別なノズルを、例えばWO94/07607又はWO99/16530又はWO99/16530で記載されているように使用する。これら両方の公報は、参照により明確に本明細書に取り込まれる。
本明細書で記載された吸入器を用いて溶液を適切に噴霧できるようにするために必要とされる高い基準を満たす、式1の化合物の水、エタノール又は水-エタノール製剤を提供することが本発明の目的である。本発明の活性物質製剤は、十分に高い薬剤の品質のものでなければならず、即ちこれらは数年、好ましくは少なくとも1年、より好ましくは2年の貯蔵時間に亘り薬学的に安定であるべきである。
【0032】
さらに、これら噴霧剤を含まない溶液の製剤は、吸入器を使用する圧力下で噴霧できるものでなければならず、エアロゾルにより供給される組成物は特定された範囲内で再生可能に製造される。
本発明の薬物製剤は、本明細書で記載された種類の吸入器で好ましく使用され、本発明の噴霧剤を含まないエアロゾルを製造する。この点で、出願人は、前記特許文献を再度明確に言及し、これにより参照する。
最初に記載したように、好ましい吸入器のさらなる改良した態様が、WO97/12687に開示されている(特に図6a及び6b及び記載の関連した一説を参照されたい)。このネブライザー(Respimat(登録商標))を有利に使用して、本発明の吸入できるエアロゾルを生成できる。9から15cm長さ及び2から4cm幅よりも小さい管状かつ手頃なサイズのため、患者は装置をどこにでも持ち運びできる。ネブライザーは、高圧で小さなノズルを通して医薬製剤の定義した容積をスプレーして、吸入できるエアロゾルを生成する。
【0033】
好ましい噴霧器は、以下により特徴付けられる上部のハウジング部、ポンプハウジング、ノズル、保持留め具、スプリングハウジング、スプリング及び貯蔵容器で構成される:
−上部のハウジング部に固定され、及び一端でノズル又はノズル配置を有するノズル本体を有するポンプハウジング、
−バルブ本体を有する中空のピストン、
−中空体が固定されかつ上部のハウジング部に配置されたパワーテイクオフフランジ、
−上部のハウジング部に配置された保持留め具機構、
−回転ベアリングを用いて上部のハウジング部に回転できるように取り付けられた、その中に配置されたスプリングを有するスプリングハウジング、
−軸方向でスプリングハウジング上に設置された下部のハウジング部。
【0034】
バルブ本体を有する中空のピストンは、WO97/12687に開示された装置に対応する。ピストンはポンプハウジングのシリンダー中に部分的に突き出て、シリンダー中で軸方向に動くことができるように配置される。特に上記国際出願中の図1-4とりわけ図3及び関連した記載の一文が参照される。スプリングが解放される瞬間、バルブ本体を有する中空のピストンは、その高圧限度、液体上における5から60MPa(約50から600バール)、好ましくは10から60MPa(約100から600バール)で、活性物質溶液の測定された量を出す。10から50μlの容積が好ましく、10から20μlの容積がより好ましい一方で、1作動当たり15μlの容積が特に好ましい。
バルブ本体は、ノズル本体に面した中空ピストンの末端に好ましく配置される。
ノズル本体中のノズルは、好ましくは微細構造にされており、即ちマイクロエンジニアリングにより製造される。微細構造にされたノズル本体は、例えばWO99/16530に開示されており、その内容、とりわけそこに開示された図1及び関連した記載が本明細書で参照される。
ノズル本体は、例えば2つのガラスシート及び/又は共にしっかりと固定されたシリコンからなり、その少なくとも一つは、ノズルの入り口末端をノズルの出口末端につなぐ1以上の微細構造にした通路を有する。ノズル出口末端で、2から10μmの深さ及び5から15μmの幅の丸い又は丸くない開口部が少なくとも一つ存在し、深さは好ましくは4.5から6.5μmであり、長さは7から9μmである。
【0035】
多くのノズル開口部、好ましくは2つのノズル開口部が存在する場合、ノズル本体中のノズルのスプレーする方向は互いに平行であって良く、又はノズル開口の方向において互いに対して傾いていても良い。ノズル本体が出口末端で少なくとも2つの開口部を有する場合において、スプレーの方向は、20度から160度の角度で、好ましくは60から150度の角度で、最も好ましくは80から100度の角度で互いに対して傾いて良い。
ノズル開口部は、好ましくは10から200μmの間隔で、より好ましくは10から100μmの間隔で、さらにより好ましくは30から70μmの間隔で配置される。50μmの間隔が最も好ましい。
従って、スプレーの方向は、ノズル開口部のあたりで変わる。
【0036】
既に記載したように、液体医薬製剤は、最大0.6MPa(600バール)、好ましくは0.2から0.3MPa(200から300バール)の入り口圧力でノズル本体を押し、ノズル開口物を介して吸入可能なエアロゾルに細分化される。エアロゾルの好ましい粒径は、最大で20μm、好ましくは3から10μmである。
保持留め具機構は、スプリング、好ましくは機械エネルギーを貯蔵するものとしての、円筒螺旋圧縮スプリング(cylindrical helical compression spring)を含む。スプリングは、パワーテイクオフフランジ上でスプリング部材として作用し、その動きは保持部材の位置により決定される。パワーテイクオフフランジの運動は、上部の停止及び下部の停止により正確に制限される。スプリングは増速器(stepping-up gear)、例えばらせんの滑り装置(helical sliding gear)を介して、上部のハウジング部が下部のハウジング部中のスプリングハウジングに対して回された場合発生する外部トルクにより好ましくぴんと張られる。この場合において、上部のハウジング部及びパワーテイクオフフランジは、シングルスピード又はマルチスピードスプラインギア(spline gear)を含む。
【0037】
連動した保持表面を有する保持部材は、パワーテイクオフフランジ周囲の環状の配置で配置される。これは、例えば本質的に放射状に弾力的に変形しやすいプラスチック又は金属の輪で構成される。輪は、噴霧器の軸直角平面で配置される。スプリングを止めた後、保持部材の保持表面は、パワーテイクオフフランジの経路へ滑るように動き、スプリングが解放されることを防止する。保持部材はボタンを用いて作動させる。作動ボタンは保持部材につなげられ又は連結されている。保持留め具機構を作動させるため、作動ボタンを輪の平面に対して平行に動かし、好ましくは噴霧器中に動かし、変形可能なリングをそれにより輪の平面に変形させる。保持留め具機構の構造の詳細は、WO97/20590に開示されている。
下部のハウジング部は、スプリングハウジングに対して軸方向に押され、ベアリング、軸用の駆動部及び液体のための貯蔵容器をカバーする。
【0038】
噴霧器が操作された場合、ハウジングの上部は底部に対して回転し、底部はスプリングハウジングと共に得る。スプリングはその間に圧縮され、らせんのスライディングギアを用いてバイアスがかけられ、留め具機構は自動的に連動する。回転の角度は、好ましくは360度の分数、例えば180度である。スプリングが引っ張られたと同時に、上部ハウジング部におけるパワーテイクオフ部品は所定量に従って動き、中空ピストンはポンプハウジング中のシリンダー内部に引き戻され、その結果として貯蔵容器からいくらかの液体がノズル前部の高圧チャンバー(high pressure chamber)に吸い上げられる。
所望の場合、噴霧される液体を含んだ多くの取り替え可能な貯蔵容器を、次々に噴霧器に取り替えて使用できる。貯蔵容器は本発明の水性エアロゾル製剤を含む。
噴霧方法は、作動ボタンをゆっくりと押すことにより開始される。結果として留め具機構は、パワーテイクオフ部品に対する経路を開く。バイアスをかけられたスプリングは、ポンプハウジング中のシリンダーにピストンを押し込む。液体は、スプレーの形態で噴霧器のノズルから出てくる。
【0039】
構成のさらなる詳細がPCT出願WO97/12683及びWO97/20590に開示され、本明細書で参照される。
噴霧器(ネブライザー)の部品は、それらの機能に対して適切な材料で製造される。噴霧器のハウジング、機能が認められる場合には、他の部品は、例えば射出成形により好ましくはプラスチックで製造される。医学用途に対して、生理的に許容される材料が使用される。
WO97/12687の図a/bは、本発明の水性エアロゾル製剤を有利に吸入することができるRespimat(登録商標)ネブライザーを示す。図6aは、引っ張られた状態のスプリングを有する噴霧器の縦断面図を示し、図6bは、解放されたスプリングを有する噴霧器の縦断面図を示す。
【0040】
上部ハウジング部(51)はポンプハウジング(52)を含み、その末端で噴霧器のノズルに対するホルダー(53)が配置される。ホルダー中にノズル本体(54)及びフィルター(55)がある。保持留め具機構のパワーテイクオフフランジ(56)中に固定された中空ピストン(57)は、ポンプハウジングのシリンダー中に部分的に突き出ている。その末端で、中空ピストンはバルブ本体(58)を有する。中空ピストンはガスケット(59)により密封される。上部ハウジング部の内部に、スプリングがゆるんだ場合にパワーテイクオフフランジがその上で静止するストップ(the stop)(60)がある。パワーテイクオフフランジ上に、スプリングが引っ張られた状態にある場合にパワーテイクオフフランジがその上で静止するストップ(61)が配置される。スプリングが引っ張られた後、保持部材(62)が、上部ハウジング部のストップ(61)と支持体(63)の間に滑り込む。作動ボタン(64)は保持部材に連結される。上部ハウジング部はマウスピース(65)内で終わり、取り外し可能な保護キャップ(66)で閉じられる。
【0041】
圧縮スプリング(68)を有するスプリングハウジング(67)は、スナップ式の取っ手(69)及び回転式のベアリングを用いて上部ハウジング部に回転自在に配置される。下部ハウジング部(70)をスプリングハウジング上に押し込む。スプリングハウジングの内部には、噴霧される液体(72)の為の交換式の貯蔵容器(71)がある。貯蔵容器はストッパー(73)で閉じられ、中空ピストンはストッパーを通って貯蔵容器中に突き出て及びその末端を液体の中に浸している(活性物質溶液の供給)。
機械的計測のための軸(74)は、スプリングハウジングの外側に配置される。ドライブピニオン(drive pinion)(75)は、軸の末端で上部ハウジング部に面して配置される。軸上にはスライダー(76)がある。
【0042】
上記ネブライザーは、本発明のエアロゾル製剤を噴霧して吸入に適したエアロゾルを形成するために適切である。
本発明の製剤が上記技術(Respimat(登録商標))を用いて噴霧される場合、噴霧器(パフ(puffs))の全体の作動の少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%における発射される質量は、この品質の25%以下、好ましくは20%以下の許容範囲を有する定義された品質に対応しなければならない。好ましくは、5から30mgの間、より好ましくは5から20mgの間の製剤が、一吹きあたりの定義された質量として供給される。
本発明の製剤は、上記以外の吸入器、例えばジェット気流吸入器(jet-stream inhaler)を用いて噴霧することもできる。以下は、本発明の製剤を使用して良い器具の例である。これらは例えば、国際特許出願WO 02/51466、WO 03/49792及びWO 04/22242 (Chrysalis)、国際特許出願WO 94/14543, WO 00/35524、WO 00/38770及びWO 00/64590 (Battelle / Ventaira)の器具、US 20060048772、US 20050224076 及びWO 05/42075 (Pari)の器具、WO 94/16755、WO 94/16717、WO 96/13291、WO 96/13161、WO 98/22169、WO 98/33480、WO 98/48878 及びWO 02/74375 (Aradigm) の器具、更にEP 1211628 (Canon)の器具である。
【0043】
本発明は、上記本発明の医薬製剤の一つ及びこの医薬製剤を噴霧するために適切な吸入器から成る吸入キットにも関する。本発明は、好ましくは、上記本発明の医薬製剤の一つ及び上記Respimat(登録商標)吸入器から成る吸入キットに関する。
以下に与えられる製剤の例は、本発明の対象を、例示の方法で示される組成物に制限することなく説明する役割を果たす。
以下の製剤の例において、BACは塩化ベンザルコニウムを、EDTAはエデト酸二ナトリウム二水和物を意味する。特定されたパーセンテージは質量パーセントである一方で、エタノール含有量は容積パーセントで与えられる。
【0044】
A)チオトロピウムブロミド製剤
100gの薬物製剤(HClを用いて2.9±0.2にそれぞれpH調製された)は、精製水又は注射のための水に以下を含む:
【表1】

*遊離カチオンに基づいて
【0045】
B)イプラトロピウムブロミド製剤
100gの薬物製剤(HClを用いて3.2±0.4にそれぞれpH調製された)は、精製水又は注射のための水に以下を含む:
【表2】

*イプラトロピウムブロミド一水和物に基づいて
【0046】
C)フェノテロール製剤
100gの薬物製剤(HClを用いて3.2±0.4にそれぞれpH調製された)は、精製水又は注射のための水に以下を含む:
【表3】

*ヒドロブロミドに基づいて
【0047】
液滴サイズの決定
粒径分布又は平均容積直径(volumic diameter)は、28.3l/minの容積フローを有し、約23℃/約100%の相対湿度の気候条件下で、Sympatecにより製造された粒径測定機器、モデルHelosBFを用いたレーザー回折により決定される。
約100%の相対湿度を生成するために、圧縮した大気源を水を満たした湿潤装置に連結する。圧縮された大気は、水を満たした湿潤装置を流れ、結果として水分を蓄積する。湿潤装置の出口は、ホースを介して大気流れ中の大気の現状の湿度を解析する湿度センサーに連結される。湿度センサーは、ホースによりRespimat(登録商標)吸入器に対するアダプターに連結される。これは、変形したサンプル導入ポート(modified Sample Induction Port)に連結される。変形したサンプル導入ポートは、粒径測定装置の測定領域に導入され、実際の測定チャンバーを構成する。気流を生成するため、変形したサンプル導入ポートの出口は、適切なアダプターを介して吸引器に連結される一方で、キャッチング装置(catching apparatus)がこれらの間に割り込み、測定する間放出された投与量をキャッチする。吸引器は真空源に連結されている。
【0048】
平均容積直径の粒径分布を決定するため、粒径測定装置を、R3レンズ、焦点距離100mmで操作する。チャンネル30に対する>0.1%の光学濃度(optical concentration)が、測定のためのトリガー条件としてセットされる。評価は、関連する物質パラメーターを用いてMIE理論を用いて行う。
【0049】
測定の実行:
Respimat(登録商標)吸入器に張力をかけ、マウスピース、ロックナット及びノズルを拭き取って乾燥させ、次いでアダプターに配置する。湿度供給源に接続し、約100%r.h.の恒湿である。リファレンス測定を行う。Respimat(登録商標)吸入器のトリガーボタンを動作することにより、エアロゾルが生成する。供給されたエアロゾルは、粒径測定装置で決定され、その粒径分布又は平均容積直径が計算される。
以下の表は、上で与えられた製剤例に関して測定された液滴サイズを示す。
【0050】
【表4】

*D(v;50) は平均容積直径を意味する;
比較により、以下の値が、いかなる付加的な不活性賦形剤を用いない製剤に対して決定された。
【0051】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水、エタノール及び水エタノール混合物から選択される溶媒中における1以上の活性物質の他に、少なくとも一つの不活性で不揮発性の賦形剤を、製剤における不揮発性の成分の合計濃度が≧3wtとなるような量で含む、吸入のための溶液製剤。
【請求項2】
活性物質が、抗コリン作用薬、ベータミメティック、副腎皮質ステロイド、PDE4-インヒビター、LTD4-アンタゴニスト、ドーパミンアゴニスト及びH1-抗ヒスタミン薬から選択される、請求項1に記載の溶液製剤。
【請求項3】
製剤が、不活性で不揮発性の賦形剤を、活性物質及びいかなる防腐剤及び錯化剤の他に含む、請求項1に記載の溶液製剤。
【請求項4】
単糖類、二糖類、オリゴ糖及び多糖類、ポリアルコール又は塩を不活性で不揮発性の賦形剤として使用する、請求項1から3のいずれか1項に記載の溶液製剤。
【請求項5】
製剤中の不揮発性成分の合計濃度が≧5質量%、好ましくは≧10質量%である、請求項1から4のいずれか1項に記載の溶液製剤。
【請求項6】
製剤が溶媒として純水を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の溶液製剤。
【請求項7】
製剤がエタノール又はエタノールと水の混合物を溶媒として含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の溶液製剤。
【請求項8】
製剤が、溶媒としてエタノールと水の混合物を含み、エタノールの質量によるパーセンテージ割合が、5から99%、好ましくは10から96%の範囲にある、請求項7に記載の溶液製剤。
【請求項9】
本発明の製剤のpHが2.0から6.5の範囲にある、請求項1から8のいずれか1項に記載の溶液製剤。
【請求項10】
種々の原因の閉塞性肺疾患、種々の原因の肺気腫、制限的肺疾患(restrictive pulmonary disease)、間質性肺疾患(interstitial pulmonary disease)、嚢胞性線維症、種々の原因の気管支炎、気管支拡張症、ARDS(成人呼吸窮迫症候群)及び全ての形態の肺水腫(pulmonary oedema)を含む群から選択される呼吸器疾患(respiratory complaints)を治療するための医薬組成物を調製するための、請求項1から9のいずれか1項に記載の薬物製剤の使用。

【公表番号】特表2009−537586(P2009−537586A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511447(P2009−511447)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054489
【国際公開番号】WO2007/134966
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】