説明

吸気噴霧型ガスタービン及び高湿分空気利用型ガスタービン

【課題】圧縮機ケーシング内部の下部に蓄積したドレンを圧縮機から抽気配管を通じて圧縮機ケーシング外に排出して該抽気配管の流路の狭まりや流路詰まりを防止すると共に、ガスタービンロータを支承するすべり軸受の潤滑油のオイルシールのシール空気に抽気空気を用いる際に前記シール空気にドレンの混入を防止して潤滑油の劣化を抑制する吸気噴霧型ガスタービンを提供する。
【解決手段】圧縮機の吸気上流側に吸気に液滴を噴霧する吸気噴霧装置を設置し、圧縮機の途中段から圧縮空気を抽気する抽気配管を配設し、前記抽気配管の少なくとも一部の抽気配管を圧縮機の下部に位置するように配設し、前記一部の抽気配管を通じて抽気された抽気空気をすべり軸受に供給する潤滑油のオイルシールとして供給すると共に、タービン翼の冷却用冷媒として供給するように構成し、前記一部の抽気配管の途中にドレンを分離するドレンセパレータを設置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸気噴霧型ガスタービン及び高湿分空気利用型ガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンの運転において、夏季等の環境気温が高い場合には吸気密度の低下、及びガスタービン燃焼器で燃料と空気が燃焼する燃焼温度と環境気温との温度差の低下等によってガスタービンの出力が低下する。
【0003】
このようなガスタービンの出力低下の問題に対応する技術として、特開平9−236024号公報(特許文献1)に開示されているように、圧縮機に吸気する吸気中に水等の液滴を噴霧して吸気密度の上昇及び吸気の冷却を行ない、ガスタービンの出力を向上させる技術が吸気噴霧型ガスタービンとして開発されている。
【0004】
また、再公表特許WO98/48159号公報(特許文献2)に開示されているように、圧縮機の吸気中に液滴を噴霧すると共に、圧縮機を出た高圧空気を加湿装置で発生させた湿分で加湿して燃焼器に供給しガスタービンの出力を向上させる技術が高湿分利用型ガスタービンとして開発されている。
【0005】
ところで、吸気噴霧されたガスタービンでは、圧縮機の空気に含まれる水分の凝縮や、圧縮機から抽気する抽気空気内に含まれた水分の凝縮によってドレンが発生する可能性がある。
また、吸気噴霧した空気中で蒸発せずに液滴が残留した場合に、下記する課題が生じる可能性がある。
【0006】
特に高湿分空気を利用する吸気噴霧型ガスタービンでは吸入空気量に対する重量比で1%程度の液滴が吸入空気に含まれているため、下記の課題が生じる可能性がある。
【0007】
課題の1つは、ガスタービンの圧縮機内に吸気噴霧された液滴が蓄積する可能性が高くなる。ここで、圧縮機ケーシング内の下部に蓄積する水はドレンと呼ばれる。圧縮機内を浮遊する水等の液滴は空気より重いために圧縮機の動翼回転時の遠心力により圧縮機ケーシング内壁に付着するが、ガスタービン停止時に圧縮機内の空気温度が低下するため水分が凝縮し、凝縮した水分がケーシング内壁、圧縮機の翼面、回転軸等に付着する。これらの液滴やドレンは重力により圧縮機ケーシング内の下部に蓄積することになる。
【0008】
特開平11−72029号公報(特許文献3)には、圧縮機から空気を抽気する抽気空気内のドレンを除去するために抽気流路中にドレンセパレータを設置する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−236024号公報
【特許文献2】再公表特許WO98/48159号公報
【特許文献3】特開平11−72029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記した各特許文献に記載された吸気噴霧型ガスタービン、並びに高湿分利用型ガスタービンである吸気噴霧されたガスタービンにおいては、次の課題がある。
【0011】
課題の1つは、吸気噴霧されたガスタービンにおいて圧縮機ケーシング内の下部にドレンが蓄積することによって圧縮機から抽気空気を導く抽気配管内にドレンが蓄積して抽気配管内の流路の狭まりによる抽気空気の圧力損失の上昇、または流路詰まりにより抽気空気が供給困難になるという課題である。
【0012】
また、課題の他の1つは、ガスタービンのロータを支承するすべり軸受を潤滑する軸受潤滑油の劣化に関する課題である。通常、ガスタービンのロータはすべり軸受で支承されており、前記すべり軸受は潤滑油で潤滑されている。すべり軸受では潤滑油の漏れを防止するためオイルシールが設けられており、より確実に潤滑油の漏れを防止するためオイルシールにシール空気を供給している。
【0013】
このシール空気には圧縮機から抽気された抽気空気の一部を用いるが、吸気噴霧型ガスタービンでは圧縮機から抽気された抽気空気は湿度が高いため湿分が凝縮して水分が発生する可能性が高く、また高湿分利用型ガスタービンでは圧縮機の入口から噴霧した液滴が抽気空気を抽気する抽気部で蒸発しきらずに液滴の状態で残っている可能性があるため、液滴が圧縮機から抽気された抽気空気に混入し、この液滴がすべり軸受のオイルシールに供給するシール空気内に混入した場合に、すべり軸受の潤滑油に水分が混入して潤滑油が劣化する可能性が高くなるという課題がある。
【0014】
本発明の目的は、圧縮機ケーシング内部の下部に蓄積したドレンを圧縮機から抽気空気を抽気する抽気配管を通じて圧縮機ケーシング外に排出して抽気配管の流路の狭まりや流路詰まりを防止すると共に、ガスタービンロータを支承するすべり軸受の潤滑油のオイルシールのシール空気に圧縮機から抽気した抽気空気を用いる際に前記シール空気にドレンの液滴が混入することを防止して潤滑油の劣化を抑制する吸気噴霧型ガスタービン及び高湿分空気利用型ガスタービンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の吸気噴霧型ガスタービンは、圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された高圧空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器で発生した燃焼ガスによって駆動されるタービンと、前記圧縮機及び前記タービンを連結するタービンロータと、前記タービンロータを回転可能に支承するすべり軸受をそれぞれ備え、前記圧縮機の吸気上流側に該圧縮機の吸気に液滴を噴霧する吸気噴霧装置を設置し、前記圧縮機の途中段から圧縮空気の一部を抽気する複数の抽気配管を配設し、前記複数の抽気配管の少なくとも一部の抽気配管を前記圧縮機の下部に位置するように配設し、前記一部の抽気配管を通じて前記圧縮機から抽気された抽気空気を前記すべり軸受に供給する潤滑油のオイルシールのシール空気として供給すると共に、前記タービンに設置したタービン翼の冷却用冷媒として供給するように構成し、前記一部の抽気配管の経路の途中にこの抽気配管を流れる抽気空気に含まれたドレンを分離するドレンセパレータを設置したことを特徴とする。
【0016】
また本発明の吸気噴霧型ガスタービンは、圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された高圧空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器で発生した燃焼ガスによって駆動されるタービンと、前記圧縮機及び前記タービンを連結するタービンロータと、前記タービンロータを回転可能に支承するすべり軸受をそれぞれ備え、前記圧縮機の吸気上流側に該圧縮機の吸気に液滴を噴霧する吸気噴霧装置を設置し、前記圧縮機の低圧段から圧縮空気の一部を抽気する低圧段抽気配管及び前記圧縮機の高圧段から圧縮空気の一部を抽気する高圧段抽気配管をそれぞれ配設し、前記低圧段抽気配管を前記圧縮機の下部に位置するように配設し、前記低圧段抽気配管を通じて前記圧縮機から抽気された抽気空気を前記すべり軸受に供給する潤滑油のオイルシールのシール空気として供給するように構成し、前記高圧段抽気配管を通じて前記圧縮機から抽気された抽気空気を前記タービンに設置したタービン翼の冷却用冷媒として供給するように構成し、前記圧縮機の下部に配設された前記低圧段抽気配管の経路の途中にこの抽気配管を流れる抽気空気に含まれたドレンを分離するドレンセパレータを設置したことを特徴とする。
【0017】
本発明の高湿分空気利用型ガスタービンは、圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された高圧空気を加湿する加湿器と、前記加湿器で加湿された加湿空気をタービンの排出ガスと熱交換して昇温する再生熱交換器と、前記再生熱交換器で昇温された加湿空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器で発生した燃焼ガスによって駆動されるタービンと、前記圧縮機及び前記タービンを連結するタービンロータと、前記タービンロータを回転可能に支承するすべり軸受をそれぞれ備え、前記圧縮機の吸気上流側に該圧縮機の吸気に液滴を噴霧する吸気噴霧装置を設置し、前記圧縮機の途中段から圧縮空気の一部を抽気する複数の抽気配管を配設し、前記複数の抽気配管の少なくとも一部の抽気配管を前記圧縮機の下部に位置するように配設し、前記一部の抽気配管を通じて前記圧縮機から抽気された抽気空気を前記すべり軸受に供給する潤滑油のオイルシールのシール空気として供給すると共に、前記タービンに設置したタービン翼の冷却用冷媒として供給するように構成し、
前記一部の抽気配管の経路の途中にこの抽気配管を流れる抽気空気に含まれたドレンを分離するドレンセパレータを設置したことを特徴とする。
【0018】
また本発明の高湿分空気利用型ガスタービンは、圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された高圧空気を加湿する加湿器と、前記加湿器で加湿された加湿空気をタービンの排出ガスと熱交換して昇温する再生熱交換器と、前記再生熱交換器で昇温された加湿空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器で発生した燃焼ガスによって駆動されるタービンと、前記圧縮機及び前記タービンを連結するタービンロータと、前記タービンロータを回転可能に支承するすべり軸受をそれぞれ備え、前記圧縮機の吸気上流側に該圧縮機の吸気に液滴を噴霧する吸気噴霧装置を設置し、前記圧縮機の低圧段から圧縮空気の一部を抽気する低圧段抽気配管及び前記圧縮機の高圧段から圧縮空気の一部を抽気する高圧段抽気配管をそれぞれ配設し、前記低圧段抽気配管を前記圧縮機の下部に位置するように配設し、前記低圧段抽気配管を通じて前記圧縮機から抽気された抽気空気を前記すべり軸受に供給する潤滑油のオイルシールのシール空気として供給するように構成し、前記高圧段抽気配管を通じて前記圧縮機から抽気された抽気空気を前記タービンに設置したタービン翼の冷却用冷媒として供給するように構成し、前記圧縮機の下部に配設された前記低圧段抽気配管の経路の途中にこの抽気配管を流れる抽気空気に含まれたドレンを分離するドレンセパレータを設置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、圧縮機ケーシング内部の下部に蓄積したドレンを圧縮機から抽気空気を抽気する抽気配管を通じて圧縮機ケーシング外に排出して抽気配管の流路の狭まりや流路詰まりを防止すると共に、ガスタービンロータを支承するすべり軸受の潤滑油のオイルシールのシール空気に圧縮機から抽気した抽気空気を用いる際に前記シール空気にドレンの液滴が混入することを防止して潤滑油の劣化を抑制する吸気噴霧型ガスタービン及び高湿分空気利用型ガスタービンが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施例である吸気噴霧型ガスタービンを示す概要図。
【図2】第1実施例の吸気噴霧型ガスタービンのすべり軸受に設置したオイルシール機構を示す概要図。
【図3】第1実施例の吸気噴霧型ガスタービンに設置したドレンセパレータを備えた抽気配管の配置状況を示す概要図。
【図4】本発明の第2実施例である多段抽気タイプの吸気噴霧型ガスタービンを示す概要図。
【図5】本発明の第3実施例である高湿分利用型ガスタービンを示す概要図。
【図6】本発明の第4実施例である多段抽気タイプの高湿分利用型ガスタービンを示す概要図。
【図7】本発明の第5実施例である吸気噴霧型ガスタービンに設置したドレンセパレータを備えた抽気配管の配置状況を示す概要図。
【図8】本発明の第6実施例である吸気噴霧型ガスタービンを示す概要図。
【図9】本発明の第7実施例である吸気噴霧型ガスタービンを示す概要図。
【図10】本発明の第8実施例である高湿分利用型ガスタービンを示す概要図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例である吸気噴霧型ガスタービン及び高湿分利用型ガスタービンについて図面を用いて以下に説明する。
【実施例1】
【0022】
本発明の第1実施例である吸気噴霧型ガスタービンについて図1乃至図3を用いて説明する。
【0023】
図1は本発明の第1実施例である吸気噴霧型ガスタービンを示す概略構成図であり、図2は図1に示した第1実施例の吸気噴霧型ガスタービンのすべり軸受に設置したラビリンスシール機構を示す部分拡大図であり、図3は図1に示した第1実施例の吸気噴霧型ガスタービンに設置したドレンセパレータを備えた抽気配管の配置状況を示す部分拡大図である。
【0024】
図1に示した本実施例の吸気噴霧型ガスタービンは、空気を圧縮して高圧空気を発生させる圧縮機1と、前記圧縮機1を内部に収容する圧縮機ケーシング2と、前記圧縮機1で圧縮された高圧空気と燃料16を混合して燃焼し高温の燃焼ガスを発生する燃焼器15と、前記燃焼器15で発生した高温高圧の燃焼ガスによって駆動されるタービン翼4を備えたタービン3と、前記タービン3を内部に収容するタービンケーシング5と、前記圧縮機1とタービン3を連結するタービンロータ21と、前記タービンロータ21を回転可能に支承するすべり軸受11と、前記タービンロータ21に連結されて電力を発生する発電機6をそれぞれ備えて構成されている。
【0025】
前記タービン翼4を備えたタービン3を駆動した後の燃焼ガスはタービンケーシング5から排出ガス12として外部に排出される。また、前記すべり軸受11には後述するがすべり軸受11に供給される潤滑油のシールを行う図2に示したオイルシール機構が設置されている。
【0026】
本実施例の吸気噴霧型ガスタービンには、圧縮機1の吸気上流側に該圧縮機1の吸気に液滴を噴霧する吸気噴霧装置7が設置されている。前記吸気噴霧装置7は、噴霧水8を空気によって微細化した液滴にして圧縮機1の吸気上流側に噴霧するものである。
【0027】
本実施例の吸気噴霧型ガスタービンの圧縮機ケーシング2には、圧縮機ケーシング2の途中段から圧縮機1で圧縮された圧縮空気の一部を抽気空気として抽気する複数の抽気配管9が配設されている。
【0028】
前記複数の抽気配管9のうち、少なくとも一部の抽気配管9aは前記圧縮機1の下部の位置となる圧縮機ケーシング2の下方に配設し、この抽気配管9aを通じて前記圧縮機1の途中段から圧縮空気の一部を抽気している。
【0029】
前記圧縮機1の下部に位置する抽気配管9aを通じて抽気された抽気空気は、前記すべり軸受11に供給される潤滑油のオイルシールのシール空気として供給すると共に、前記タービン3に設置したタービン翼4の冷却用冷媒として供給するように構成している。
【0030】
更に図3に示すように、圧縮機1の下部に位置する前記抽気配管9aの経路の途中には該抽気配管9aを流れる抽気空気に含まれたドレンを分離するドレンセパレータ10を設置した構成となっている。
【0031】
前記した構成の本実施例の吸気噴霧型ガスタービンにおいて、吸気噴霧装置7から圧縮機1の吸気上流側の吸気に液滴を噴霧し、この吸気噴霧された空気は圧縮機1によって吸気され圧縮される。
【0032】
圧縮機1で圧縮された高湿度の高圧空気の一部は圧縮機1の低圧段または高圧段から抽気配管9を通じて抽気空気としてそれぞれ抽気される。
【0033】
吸気噴霧された吸気噴霧型ガスタービンで圧縮機1によって圧縮された圧縮空気には、該圧縮空気に含まれる水分の凝縮による液滴の発生、または蒸発せずに残留した液滴が存在し、さらに液滴が蓄積してドレンとなる。
【0034】
これらの液滴やドレンの一部は圧縮機1から抽気される抽気空気と共に圧縮機ケーシング2に配設した複数の抽気配管9、9aを通じて流下するが、前記抽気配管9、9aのうち、圧縮機1の下部の位置に配設された抽気配管9aを通じて抽気された抽気空気に含まれた液滴やドレンは、前記抽気配管9aの途中に設けられたドレンセパレータ10によって分離され、ドレンタンク(図示せず)へ蓄積または排水される。
【0035】
ドレンセパレータ10によって液滴やドレンを分離された抽気空気はドレンセパレータ10の下流側の領域に位置する抽気配管9aを通じて該ドレンセパレータ10の下流に流下し、前記抽気配管9aが接続している前記すべり軸受11のオイルシールにシール空気として供給されると共に、前記抽気配管9aが接続しているタービン3に設置されたタービン翼4に冷却空気として供給されて前記タービン翼4の冷却に使用される。
【0036】
前記すべり軸受11には図2に示すようにオイルシール機構が設置されており、このオイルシール機構は前記すべり軸受11の両端のタービンロータ21に近接した位置に流路31aを形成したラビリンスシール31を夫々備えており、このすべり軸受11に供給される圧縮機1から抽気した圧縮空気の一部を抽気配管9a、又は後述する低圧段抽気配管91を通じてすべり軸受11に設置したラビリンスシール31に供給し、前記ラビリンスシール31に形成した流路31aからタービンロータ21の外面に沿って前記圧縮空気を噴出させることによって、すべり軸受11の内部で潤滑油が混入した空気をすべり軸受11の内部に留めさせて、前記潤滑油が混入した空気がすべり軸受11の外部に飛散することを防止するものである。
【0037】
前記抽気配管9aは、図3に示すように前記圧縮機1の下部の位置となる圧縮機ケーシング2の下方に配設されており、さらにドレンセパレータ10はこの抽気配管9aの最下部となる位置に配置されている。
【0038】
ところで本実施例の吸気噴霧型ガスタービンでは、吸気噴霧装置7から圧縮機1の吸気上流側に液滴を噴霧した吸気噴霧によって圧縮機1の内部の空気に含まれる湿分が多くなるため、ガスタービンを停止した場合に圧縮機1の内部の空気に含まれる湿分が凝縮してドレンとなり、圧縮機ケーシング2の内側下部に蓄積することになる。
【0039】
この圧縮機ケーシング2の内側下部に蓄積したドレンは、上述した本実施例の吸気噴霧型ガスタービンにおいては、複数の抽気配管9のうち、抽気配管9aを圧縮機1の下部となる位置に設置した構成を採用することによって、圧縮機ケーシング2の内側下部に蓄積された水分を圧縮機ケーシング2の内側から前記抽気配管9aを通じて圧縮機ケーシング2の外部に排出することが可能となる。
【0040】
この結果、圧縮機ケーシング2の内側下部に蓄積された水分が圧縮機1の動翼と接触することによる動翼回転方向の抵抗上昇によるガスタービンの出力低下、並びに、圧縮機1の動翼に加わる不連続な衝撃の発生をそれぞれ未然に回避されるので、吸気噴霧型ガスタービンの運転効率の向上と、吸気噴霧型ガスタービンの安全性を共に向上させることができる。
【0041】
また、本実施例の吸気噴霧型ガスタービンでは、吸気噴霧された圧縮機1の下部となる位置に設置した抽気配管9aを通じて圧縮機1から抽気される抽気空気は湿度が高く、また前記抽気配管9aは圧縮機1よりも低温に晒されているので、この抽気配管9a内で冷却されることによって水分が凝縮してドレンが該抽気配管9a内に蓄積する可能性があるが、前記ドレンセパレータ10が前記抽気配管9aの最下部の位置に設置されているため、この抽気配管9aの壁面に付着したドレンおよび液滴は重力によりドレンセパレータ10へ回収されることになる。
【0042】
したがって、本実施例の吸気噴霧型ガスタービンでは、前記抽気配管9a内におけるドレンおよび液滴の滞留を抑止して、抽気配管9aを流下する抽気空気の圧力の低下、及び抽気配管9aの流路詰まりを防ぐことができる。
【0043】
また、本実施例の吸気噴霧型ガスタービンでは、前記抽気配管9aに設置されたドレンセパレータ10によって、ドレンが分離された圧縮機1の抽気空気にはドレンや液滴の混入が非常に少ないことから、前記ドレンセパレータ10の下流側の抽気配管9aを通じてこの抽気空気をシール空気として前記すべり軸受11に用いられている潤滑油のオイルシールに供給する場合に、このシール空気を介して軸受潤滑油にドレンや液滴が混入して潤滑油が劣化する可能性を大幅に低減できる。
【0044】
同様に、本実施例の吸気噴霧型ガスタービンでは、前記抽気配管9aに設置されたドレンセパレータ10によって、ドレンが分離された圧縮機1の抽気空気にはドレンや液滴の混入が非常に少ないことから、前記ドレンセパレータ10の下流側の抽気配管9aを通じてこの抽気空気をタービン3のタービン翼4を冷却する冷却媒体として供給する場合に、この冷却媒体を介してドレンや液滴がタービン翼4に衝突する熱衝撃を受ける可能性や、スケール堆積の可能性を大幅に低減できる。
【0045】
本実施例によれば、圧縮機ケーシング内部の下部に蓄積したドレンを圧縮機から抽気空気を抽気する抽気配管を通じて圧縮機ケーシング外に排出して抽気配管の流路の狭まりや流路詰まりを防止すると共に、ガスタービンロータを支承するすべり軸受の潤滑油のオイルシールのシール空気に圧縮機から抽気した抽気空気を用いる際に前記シール空気にドレンの液滴が混入することを防止して潤滑油の劣化を抑制する吸気噴霧型ガスタービンが実現できる。
【実施例2】
【0046】
図4は本発明の第2実施例である吸気噴霧型ガスタービンを示す概略構成図であり、本実施例では、本発明を多段抽気タイプの吸気噴霧型ガスタービンに適用したものである。
【0047】
図4に示した本実施例の多段抽気タイプの吸気噴霧型ガスタービンは、図1乃至図3に示した第1実施例の吸気噴霧型ガスタービンと基本的な構成は同じであるので、両者に共通した構成及び作用の説明は省略し、相違する部分についてのみ以下に説明する。
【0048】
図4に示した本実施例の多段抽気タイプの吸気噴霧型ガスタービンにおいては、圧縮機1から抽気空気を抽気する抽気配管が圧縮機1を内部に備えた圧縮機ケーシング2の低圧側の下部に取り付けられた低圧段抽気配管91と、圧縮機ケーシング2の高圧側の下部に取り付けられた高圧段抽気配管92とが配設されており、前記低圧段抽気配管91の途中にドレンセパレータ101が設置された構成となっている。
【0049】
吸気噴霧された空気は圧縮機1より吸気されて圧縮される。圧縮された高湿度の空気の一部は圧縮機ケーシング2の低圧側に取り付けられた低圧段抽気配管91および高圧段側の圧縮機ケーシング2に取り付けられた高圧段抽気配管92によりそれぞれ抽気される。
【0050】
前記低圧段抽気配管91を通じて圧縮機1から抽気された低圧段抽気は、すべり軸受11の潤滑油のオイルシールのシール空気に使用するためにすべり軸受11に供給され、前記高圧段抽気配管92を通じて圧縮機1から圧縮機1から抽気された高圧段抽気は、タービン3に備えられたタービン翼4の冷却の冷媒として使用するためにタービン3に供給される。
【0051】
ここで低圧段抽気配管91を通じて圧縮機1から抽気された高湿度圧縮空気内の液滴およびドレンはドレンセパレータ101により分離され、ドレンタンクへ蓄積または排水される。
【0052】
前記圧縮機1から低圧段抽気を抽気する前記低圧段抽気配管91のうち、少なくとも一部の低圧段抽気配管91は圧縮機1の下部の位置となる圧縮機ケーシング2の下方に配設されており、さらにドレンセパレータ101が前記低圧段抽気配管91の最下部となる位置に配置されている。
【0053】
ただし、前記高圧段抽気配管92を通じて圧縮機1から抽気された高圧段抽気は十分に液滴が蒸発しているため、この高圧段抽気配管92にドレンセパレータは設けていない。
【0054】
本実施例の多段抽気タイプの吸気噴霧型ガスタービンでは、タービン3に備えられたタービン翼4の冷却に用いる高圧段抽気を圧縮機1から抽気する高圧段抽気配管92と、すべり軸受11の潤滑油のオイルシールのシール空気に用いる低圧段抽気を圧縮機1から抽気する低圧段抽気配管91とを分けて配設しており、シール空気に用いる低圧段抽気配管91のみにドレンセパレータ101を設けている。
【0055】
本実施例によれば、圧縮機ケーシング内部の下部に蓄積したドレンを圧縮機から抽気空気を抽気する抽気配管を通じて圧縮機ケーシング外に排出して抽気配管の流路の狭まりや流路詰まりを防止すると共に、ガスタービンロータを支承するすべり軸受の潤滑油のオイルシールのシール空気に圧縮機から抽気した抽気空気を用いる際に前記シール空気にドレンの液滴が混入することを防止して潤滑油の劣化を抑制する吸気噴霧型ガスタービンが実現できるという効果に加えて、前記低圧段抽気配管91及び前記高圧段抽気配管92が接続される圧縮機1の圧縮機ケーシング2にそれぞれ設けられた抽気口は、これらの圧縮機ケーシング2に設けた抽気口から抽気した時点で、すべり軸受11の潤滑油のオイルシールに供給するシール空気として適した圧力、及びタービン翼4の冷却で冷媒として使用される空気として適した圧力となるようにそれぞれ設計されているため、前記低圧段抽気配管91及び前記高圧段抽気配管92を通じて圧縮機1から抽気した後に抽気空気の圧力を調整する機構を必要としないという利点と、無駄な圧力損失が生じず効率の低下が抑制されるという利点がある。
【0056】
また、ドレンセパレータ101はタービン翼4の冷却に用いる抽気空気が流入しない分、実施例1のドレンセパレータ10より小型化が可能となり、機器のコストが低減される利点がある。
【実施例3】
【0057】
図5は本発明の第3の実施例である高湿分空気利用ガスタービンを示す概略構成図である。
【0058】
図5に示した本実施例の高湿分空気利用ガスタービンは図1乃至図3に示した第1実施例の吸気噴霧型ガスタービンと基本的な構成は類似しているので、両者に共通した構成及び作用の説明は省略し、相違する部分についてのみ以下に説明する。
【0059】
本実施例の高湿分空気利用ガスタービンにおいては、圧縮機1で圧縮された圧縮機吐出空気を加湿する加湿器13と、前記加湿器13によって加湿された圧縮空気と前記タービン3から排出された排出ガス12との熱交換を行う再生熱交換器14が設置されており、この再生熱交換器14によって排出ガス12との熱交換により昇温し加湿された圧縮空気は前記燃焼器15に燃焼用空気として供給される構成となっている。
【0060】
本実施例の高湿分空気利用ガスタービンでは、吸気噴霧装置7によって噴霧水8を空気によって微細化した液滴にして圧縮機1の吸気上流側に噴霧し、吸気噴霧された高湿分空気が圧縮機1に吸気されて圧縮される。
【0061】
圧縮機1によって圧縮された高湿度の空気の一部は、すべり軸受11の潤滑油のオイルシールに用いるシール用空気、及びタービン3に備えられたタービン翼4を冷却する冷却用の冷媒として、圧縮機1の低圧段又は高圧段に接続され、圧縮機1の下部となる位置に設置した抽気配管9aを通じて抽気される。
【0062】
ここで、前記抽気配管9aを通じて圧縮機1から抽気された高湿度の圧縮空気内の液滴およびドレンは、抽気配管9aの途中に設置されたドレンセパレータ10により分離され、ドレンタンクへ蓄積または排水される。
【0063】
前記抽気配管9aは圧縮機1の下部の位置となる圧縮機ケーシング2の下方に配設されており、さらにドレンセパレータ10はこの抽気配管9aの最下部に配置されている。
【0064】
ドレンセパレータ10によって水分の除去された抽気空気は、すべり軸受11に供給される潤滑油のオイルシールのシール空気、またはタービン3に設置されたタービン翼4の冷却用冷媒として使用される。
【0065】
本実施例においては、圧縮機1から吐出された高圧の圧縮空気は加湿器13で加湿され、該加湿器13を経て再生熱交換器14に供給される。
【0066】
前記再生熱交換器14ではタービン3から排出された排気ガス12と熱交換を行って昇温した加湿された空気は燃焼器15に燃焼用空気として送られ、前記燃焼器15で燃料16と混合させて燃焼し高温の燃焼ガスを発生させ、前記燃焼器15で発生させた高温の燃焼ガスで駆動されるタービン翼4を備えたタービン3で仕事をしたのち、タービン3から排出ガス12として前記再生熱交換器14を通過して放出される。
【0067】
本実施例の高湿分空気利用ガスタービンでは、吸気噴霧装置7によって噴霧された液滴によって吸気噴霧時の吸気内液滴量が吸入空気量に対する重量比で1%以上と非常に高いため、圧縮機1から抽気した抽気内の湿度が非常に高いことに加え、圧縮機1内に未蒸発で残留している液体が存在する可能性がある。
【0068】
そのため、本実施例の高湿分利用型ガスタービンでは、前記した様に、抽気配管9aの抽気口を圧縮機ケーシング2の下側に取り付け、さらにドレンセパレータ10を抽気配管9aの最下部に設置する構成を採用することによって、
圧縮機ケーシング2の下方に蓄積された水分が圧縮機1の動翼との接触により動翼回転方向の抵抗が上昇して出力低下を引き起こす課題、圧縮機1の動翼に不連続な衝撃が加わることにより圧縮機1の動翼に強度的な影響を与える課題、抽気配管9a内で圧縮機から抽気した抽気空気が冷却されて水分の凝縮や圧縮機1内に既存の液滴によりドレンが蓄積して抽気圧力の低下や流路詰まりを引き起こす課題、すべり軸受11の潤滑油のシール空気にドレンや液滴が混入して潤滑油が劣化する課題、圧縮機からの抽気空気でタービン翼4を冷却する際に液滴がタービン翼4に衝突時して発生する熱衝撃の課題、或いはスケールが堆積する課題を抑制することが可能となる。
【0069】
上記した課題は本実施例のような高湿分空気利用型ガスタービンにおいて本実施例の構成は特に有用となる。
【0070】
本実施例では吸気噴霧型ガスタービンで吸気噴霧量の多い例として高湿分利用型ガスタービンを例に説明した。吸気噴霧ガスタービン技術の向上により、その他にも吸入空気に重量比で1%以上の液滴を含むガスタービンの例も考えられるが、これらのように吸入空気に重量比で1%以上の液滴を含むガスタービンすべてにおいて本発明は特に有効である。
【0071】
本実施例によれば、圧縮機ケーシング内部の下部に蓄積したドレンを圧縮機から抽気空気を抽気する抽気配管を通じて圧縮機ケーシング外に排出して抽気配管の流路の狭まりや流路詰まりを防止すると共に、ガスタービンロータを支承するすべり軸受の潤滑油のオイルシールのシール空気に圧縮機から抽気した抽気空気を用いる際に前記シール空気にドレンの液滴が混入することを防止して潤滑油の劣化を抑制する高湿分空気利用型ガスタービンが実現できる。
【実施例4】
【0072】
図6は本発明の第4の実施例である高湿分利用型ガスタービンを示す概略構成図であり、本実施例では、本発明を多段抽気タイプの高湿分利用型ガスタービンに適用したものである。
【0073】
図6に示した本実施例の高湿分利用型ガスタービンは、図5に示した第3実施例の高湿分利用型ガスタービンと基本的な構成は同じであるので、両者に共通した構成及び作用の説明は省略し、相違する部分についてのみ以下に説明する。
【0074】
図6に示した本実施例の高湿分利用型ガスタービンにおいては、圧縮機1から抽気空気を抽気する抽気配管が圧縮機1を内部に備えた圧縮機ケーシング2の低圧側の下部に取り付けられた低圧段抽気配管91と、圧縮機ケーシング2の高圧側の下部に取り付けられた高圧段抽気配管92とが配設されており、前記低圧段抽気配管91の途中にドレンセパレータ101が設置された構成となっている。
【0075】
吸気噴霧された空気は圧縮機1より吸気され、圧縮される。圧縮された高湿度の空気の一部は圧縮機ケーシング2の低圧側に取り付けられた低圧段抽気配管91および高圧段側の圧縮機ケーシング2に取り付けられた高圧段抽気配管92により抽気される。
【0076】
前記低圧段抽気配管91を通じて圧縮機1から抽気された低圧段抽気は、すべり軸受11の潤滑油のオイルシールのシール空気として使用するためにすべり軸受11に供給され、前記高圧段抽気配管92を通じて圧縮機1から圧縮機1から抽気された高圧段抽気92は、タービン3に備えられたタービン翼4の冷却の冷媒として使用するためにタービン3に供給される。
【0077】
ここで低圧段抽気配管91を通じて圧縮機1から抽気された高湿度圧縮空気内の液滴およびドレンはドレンセパレータ101により分離され、ドレンタンクへ蓄積または排水される。
【0078】
前記圧縮機1から低圧段抽気を抽気する前記低圧段抽気配管91のうち、少なくとも一部の低圧段抽気配管91は圧縮機1の下部の位置となる圧縮機ケーシング2の下方に配設されており、さらにドレンセパレータ101が前記低圧段抽気配管91の最下部となる位置に配置されている。
ドレンセパレータ10により水分の除去された抽気空気は、すべり軸受11に供給される潤滑油のオイルシールのシール空気として使用される。
【0079】
ただし、前記高圧段抽気配管92を通じて圧縮機1から抽気された高圧段抽気は十分に液滴が蒸発しているため、この高圧段抽気配管92にドレンセパレータは設けていない。
【0080】
本実施例においては、圧縮機1から吐出された高圧の圧縮空気は加湿器13で加湿され、該加湿器13を経て再生熱交換器14に供給される。
【0081】
前記再生熱交換器14ではタービン3から排出された排気ガス12と熱交換を行って昇温した加湿された空気は燃焼器15に燃焼用空気として送られ、前記燃焼器15で燃料16と混合させて燃焼し高温の燃焼ガスを発生させ、前記燃焼器15で発生させた高温の燃焼ガスで駆動されるタービン翼4を備えたタービン3で仕事をしたのち、タービン3から排出ガス12として前記再生熱交換器14を通過して放出される。
【0082】
本実施例の高湿分空気利用ガスタービンでは、吸気噴霧装置7によって噴霧された液滴によって吸気噴霧時の吸気内液滴量が吸入空気量に対する重量比で1%以上と非常に高いため、圧縮機1から抽気した抽気内の湿度が非常に高いことに加え、圧縮機1内に未蒸発で残留している液体が存在する可能性がある。
【0083】
そのため、本実施例の高湿分利用型ガスタービンでは、前記した様に、低圧段抽気配管91及び高圧段抽気配管92の抽気口を圧縮機ケーシング2の下側に取り付け、さらにドレンセパレータ101を低圧段抽気配管91の最下部に設置する構成を採用することによって、
圧縮機ケーシング2の下方に蓄積された水分が圧縮機1の動翼との接触により動翼回転方向の抵抗が上昇して出力低下を引き起こす課題、圧縮機1の動翼に不連続な衝撃が加わることにより圧縮機1の動翼に強度的な影響を与える課題、低圧段抽気配管91及び高圧段抽気配管92内で圧縮機から抽気した抽気空気が冷却されて水分の凝縮や圧縮機1内に既存の液滴によりドレンが蓄積して抽気圧力の低下や流路詰まりを引き起こす課題、すべり軸受11の潤滑油のシール空気にドレンや液滴が混入して潤滑油が劣化する課題、圧縮機からの抽気空気でタービン翼4を冷却する際に液滴がタービン翼4に衝突時して発生する熱衝撃の課題、或いはスケールが堆積する課題を抑制することが可能となる。
【0084】
本実施例によれば、圧縮機ケーシング内部の下部に蓄積したドレンを圧縮機から抽気空気を抽気する抽気配管を通じて圧縮機ケーシング外に排出して抽気配管の流路の狭まりや流路詰まりを防止すると共に、ガスタービンロータを支承するすべり軸受の潤滑油のオイルシールのシール空気に圧縮機から抽気した抽気空気を用いる際に前記シール空気にドレンの液滴が混入することを防止して潤滑油の劣化を抑制する高湿分空気利用型ガスタービンが実現できる。
【0085】
また、本実施例の高湿分空気利用型ガスタービンでは、ドレンセパレータ101にはタービン翼4の冷却に用いる抽気空気が流入しない構成となっているので、更にドレンセパレータ101の小型化が可能となり、機器のコストが低減できるという利点がある。
【0086】
本実施例では吸気噴霧型ガスタービンで吸気噴霧量の多い例として高湿分利用型ガスタービンを例に説明した。吸気噴霧ガスタービン技術の向上により、その他にも吸入空気に重量比で1%以上の液滴を含むガスタービンの例も考えられるが、これらのように吸入空気に重量比で1%以上の液滴を含むガスタービンすべてにおいて本発明は特に有効である。
【実施例5】
【0087】
図7は図1に示した吸気噴霧型ガスタービンの抽気配管として採用された第6実施例である吸気噴霧型ガスタービンに備えられた抽気配管の構成を示す部分図である。
【0088】
図7に示した本実施例の吸気噴霧型ガスタービンは、図1に示した第1実施例の吸気噴霧型ガスタービンと基本的な構成は同じであるので、両者に共通した構成及び作用の説明は省略し、相違する部分についてのみ以下に説明する。
【0089】
図7に示したように、本実施例の吸気噴霧型ガスタービンに備えられた抽気配管93は、圧縮機1の下部の位置となる圧縮機ケーシング2の下方に配設された該抽気配管93の途中に設置したドレンセパレータ10に至る領域の抽気配管93に、ドレンセパレータ10が設置されている位置が低くなるように傾斜を付けて配設されている。
【0090】
このように抽気配管93に傾斜を付けて配設することで、抽気配管93内のドレンはドレンセパレータ10の設置されている下流側へ効率よく流れるため、抽気配管93に水分が蓄積する可能性を軽減することが可能となる。
【0091】
尚、本実施例の傾斜を付けた抽気配管93は、第1実施例乃至第4実施例のいずれにも適用することが可能である。
【0092】
本実施例によれば、圧縮機ケーシング内部の下部に蓄積したドレンを圧縮機から抽気空気を抽気する抽気配管を通じて圧縮機ケーシング外に排出して抽気配管の流路の狭まりや流路詰まりを防止すると共に、ガスタービンロータを支承するすべり軸受の潤滑油のオイルシールのシール空気に圧縮機から抽気した抽気空気を用いる際に前記シール空気にドレンの液滴が混入することを防止して潤滑油の劣化を抑制する吸気噴霧型ガスタービン及び高湿分空気利用型ガスタービンが実現できるという効果に加えて、傾斜を付けた抽気配管を配設したことによって、抽気配管93に水分が蓄積する可能性を軽減することが可能となる利点がある。
【実施例6】
【0093】
図8は本発明の第6実施例である吸気噴霧型ガスタービンを示す概略構成図である。
【0094】
図8に示した本実施例の吸気噴霧型ガスタービンは、図1に示した第1実施例の吸気噴霧型ガスタービンと基本的な構成は同じであるので、両者に共通した構成及び作用の説明は省略し、相違する部分についてのみ以下に説明する。
【0095】
図8に示した本実施例の吸気噴霧型ガスタービンにおいては、ドレンセパレータ10によるドレン除去効果を高めるために、ドレンセパレータ10に至る上流側の抽気配管94の長さを長く形成したものである。前記抽気配管94の長さの範囲は、抽気空気を冷却し得る最低3m以上の長さとしたものである。
【0096】
また、前記抽気配管94の長さは、抽気空気の圧力損失が小さい範囲となる20m以下の長さとすることが望ましい。
【0097】
つまり、圧縮機1から抽気配管94を通じて抽気した抽気空気の温度が高温の場合、ドレンセパレータ10により抽気空気に含まれたドレンを分離しても、抽気空気がドレンセパレータ10を通過した下流側の領域の抽気配管内で抽気空気が冷却されることにより抽気空気中に再びドレンや液滴が発生し、発生したドレンや液滴がすべり軸受けの潤滑油のオイルシールに用いられるシール空気に混入することで軸受潤滑油にドレンや液滴が混入することによる潤滑油の劣化の可能性や、前記抽気空気を供給してタービン翼4を冷却する際に該抽気空気中に含まれる再び発生したドレンや液滴がタービン翼4に衝突して発生する熱衝撃を受ける可能性や、スケールが堆積する可能性がより高くなる。
【0098】
そこで、本実施例ではドレンセパレータ10の上流側の領域に配設される抽気配管94として管長が3m以上の長さのものを採用し、ドレンセパレータ10に流入する圧縮機1から抽気した抽気空気をドレンセパレータ10の上流に位置する前記抽気配管94内で十分に冷却することで、ドレンセパレータ10の下流側の領域に位置する抽気配管94で抽気空気が配管内で冷却されて再びドレンや液滴が発生する可能性を回避することができる。
【0099】
また、前記抽気配管94は、抽気空気の圧力損失を抑制するために20m以下の長さとすることが望ましい。
【0100】
尚、本実施例では、第1実施例の抽気配管9に本実施例として管長の長い抽気配管94を適用した例を示したが、第2実施例の低圧段抽気配管91、第3実施例の抽気配管9、第4実施例の低圧段抽気配管91、及び第5実施例5の抽気配管93のいずれにも適用することが可能である。
【0101】
本実施例によれば、圧縮機ケーシング内部の下部に蓄積したドレンを圧縮機から抽気空気を抽気する抽気配管を通じて圧縮機ケーシング外に排出して抽気配管の流路の狭まりや流路詰まりを防止すると共に、ガスタービンロータを支承するすべり軸受の潤滑油のオイルシールのシール空気に圧縮機から抽気した抽気空気を用いる際に前記シール空気にドレンの液滴が混入することを防止して潤滑油の劣化を抑制する吸気噴霧型ガスタービン及び高湿分空気利用型ガスタービンが実現できるという効果に加えて、ドレンセパレータ10上流側の抽気配管94の配管を長く形成して自然放熱により抽気空気を冷却しているので、冷却器を設置して強制的にドレンセパレータ上流の抽気空気を冷却するものと比較して構造が簡素化され、低コストに出来るという利点がある。
【実施例7】
【0102】
図9は本発明の第7実施例である吸気噴霧型ガスタービンを示す概略構成図である。
【0103】
図9に示した本実施例の吸気噴霧型ガスタービンは、図1に示した第1実施例の吸気噴霧型ガスタービンと基本的な構成は同じであるので、両者に共通した構成及び作用の説明は省略し、相違する部分についてのみ以下に説明する。
【0104】
図9に示した本実施例の吸気噴霧型ガスタービンは、ドレンセパレータ10の上流側の抽気配管95の途中に冷却器17を設けた構成である。本実施例の吸気噴霧型ガスタービン1において、抽気配管95に設置する冷却器17は、空冷式または水冷式のラジエータや、熱交換器等が考えられる。
【0105】
ここで、圧縮機1から抽気した抽気空気をすべり軸受11の潤滑油のオイルシールのシール空気として使用する場合に、冷却器17ですべり軸受11の作動温度である50℃〜70℃まで抽気空気を冷却することになる。
【0106】
ドレンセパレータ10の上流側の抽気配管95に冷却器17を設けることでドレンセパレータ10に流入する圧縮機1から抽気された抽気空気をあらかじめ十分に冷却しておくことにより、抽気空気の温度が高温の場合に、実施例5で示したように圧縮機抽気でドレンセパレータ10を通過後に発生したドレンや液滴により、圧縮機抽気がドレンセパレータ10を通過した後の抽気配管内で抽気空気が冷却されて再びドレンが発生する可能性を低減することができるため、軸受潤滑油にドレンや液滴が混入して潤滑油が劣化する可能性や、圧縮機抽気空気でタービン翼4を冷却する際に液滴がタービン翼4へ衝突時して発生する熱衝撃を受ける可能性や、スケールが堆積する可能性を低減することができる。
【0107】
尚、本実施例では、抽気配管95に冷却器17を設置した構成を示したが、第1実施例の抽気配管9a、第2実施例の低圧段抽気配管91、第3実施例の抽気配管9、第4実施例の低圧段抽気配管91、及び第5実施例の抽気配管93のいずれにも本実施例の冷却器17を設置することが可能である。
【0108】
本実施例によれば、圧縮機ケーシング内部の下部に蓄積したドレンを圧縮機から抽気空気を抽気する抽気配管を通じて圧縮機ケーシング外に排出して抽気配管の流路の狭まりや流路詰まりを防止すると共に、ガスタービンロータを支承するすべり軸受の潤滑油のオイルシールのシール空気に圧縮機から抽気した抽気空気を用いる際に前記シール空気にドレンの液滴が混入することを防止して潤滑油の劣化を抑制する吸気噴霧型ガスタービンが実現できるという効果に加えて、抽気配管の途中に冷却器17を設置して強制的に抽気空気の冷却を行なうことにより、抽気空気を冷却する信頼性を向上できるという利点がある。
【実施例8】
【0109】
図10は本発明の第8実施例である高湿分空気利用ガスタービンを示す概略構成図である。
【0110】
図10に示した本実施例の高湿分空気利用ガスタービンは、図5に示した第3実施例の高湿分空気利用ガスタービンと基本的な構成は同じであるので、両者に共通した構成及び作用の説明は省略し、相違する部分についてのみ以下に説明する。
【0111】
図10に示した本実施例の高湿分空気利用ガスタービンにおいては、ドレンセパレータ10の上流となる抽気配管95の途中に抽気空気を冷却する冷却器として熱交換器171を設置し、この熱交換器171に供給する冷媒に噴霧水81を用いた構成である。本実施例では噴霧水81は熱交換器171を通過したのち吸気噴霧装置71に供給されるように構成されている。
【0112】
尚、本実施例では、第3実施例の高湿分空気利用型ガスタービンの抽気配管9aに本実施例として噴霧水81を用いた熱交換器171を設置したものを示したが、第1実施例の抽気配管9、第2実施例の低圧段抽気配管91、第4実施例の低圧段抽気配管91、及び第5実施例の抽気配管93のいずれにも本実施例の噴霧水を用いた熱交換器171を設けることが可能である。
【0113】
本実施例によれば、圧縮機ケーシング内部の下部に蓄積したドレンを圧縮機から抽気空気を抽気する抽気配管を通じて圧縮機ケーシング外に排出して抽気配管の流路の狭まりや流路詰まりを防止すると共に、ガスタービンロータを支承するすべり軸受の潤滑油のオイルシールのシール空気に圧縮機から抽気した抽気空気を用いる際に前記シール空気にドレンの液滴が混入することを防止して潤滑油の劣化を抑制する吸気噴霧型ガスタービン及び高湿分空気利用型ガスタービンが実現できるという効果に加えて、抽気配管95を通じて抽気した抽気空気を抽気配管95に設置した熱交換器171で噴霧水81との熱交換により冷却することによって、噴霧水81の温度が上昇して吸気噴霧装置7から吸気に噴霧する噴霧水の液滴径を小さくし、この噴霧水が圧縮機1内で蒸発し易くなることから、圧縮機1内の空気の密度を高めて圧縮機1の動力を上昇させることができるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は吸気噴霧型ガスタービン及び高湿分空気利用型ガスタービンに適用可能である。
【符号の説明】
【0115】
1:圧縮機、2:圧縮機ケーシング、3:タービン、4:タービン翼、5:タービンケーシング、6:発電機、7:吸気噴霧装置、10:ドレンセパレータ、11:すべり軸受、12:排出ガス、13:加湿器、14:再生熱交換器、15:燃焼器、16:燃料、17:冷却器、171:熱交換器、18:冷却水、21:タービンロータ、31:ラビリンスシール、31a:流路、71:吸気噴霧装置、8:噴霧水、81:噴霧水、9:抽気配管、9a:抽気配管、91:低圧段抽気配管、92高圧段抽気配管、93抽気配管、94:抽気配管、95:抽気配管、96:抽気配管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された高圧空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器で発生した燃焼ガスによって駆動されるタービンと、前記圧縮機及び前記タービンを連結するタービンロータと、前記タービンロータを回転可能に支承するすべり軸受をそれぞれ備え、
前記圧縮機の吸気上流側に該圧縮機の吸気に液滴を噴霧する吸気噴霧装置を設置し、
前記圧縮機の途中段から圧縮空気の一部を抽気する複数の抽気配管を配設し、
前記複数の抽気配管の少なくとも一部の抽気配管を前記圧縮機の下部に位置するように配設し、
前記一部の抽気配管を通じて前記圧縮機から抽気された抽気空気を前記すべり軸受に供給する潤滑油のオイルシールのシール空気として供給すると共に、前記タービンに設置したタービン翼の冷却用冷媒として供給するように構成し、
前記一部の抽気配管の経路の途中にこの抽気配管を流れる抽気空気に含まれたドレンを分離するドレンセパレータを設置したことを特徴とする吸気噴霧型ガスタービン。
【請求項2】
圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された高圧空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器で発生した燃焼ガスによって駆動されるタービンと、前記圧縮機及び前記タービンを連結するタービンロータと、前記タービンロータを回転可能に支承するすべり軸受をそれぞれ備え、
前記圧縮機の吸気上流側に該圧縮機の吸気に液滴を噴霧する吸気噴霧装置を設置し、
前記圧縮機の低圧段から圧縮空気の一部を抽気する低圧段抽気配管及び前記圧縮機の高圧段から圧縮空気の一部を抽気する高圧段抽気配管をそれぞれ配設し、
前記低圧段抽気配管を前記圧縮機の下部に位置するように配設し、
前記低圧段抽気配管を通じて前記圧縮機から抽気された抽気空気を前記すべり軸受に供給する潤滑油のオイルシールのシール空気として供給するように構成し、
前記高圧段抽気配管を通じて前記圧縮機から抽気された抽気空気を前記タービンに設置したタービン翼の冷却用冷媒として供給するように構成し、
前記圧縮機の下部に配設された前記低圧段抽気配管の経路の途中にこの抽気配管を流れる抽気空気に含まれたドレンを分離するドレンセパレータを設置したことを特徴とする吸気噴霧型ガスタービン。
【請求項3】
圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された高圧空気を加湿する加湿器と、前記加湿器で加湿された加湿空気をタービンの排出ガスと熱交換して昇温する再生熱交換器と、前記再生熱交換器で昇温された加湿空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器で発生した燃焼ガスによって駆動されるタービンと、前記圧縮機及び前記タービンを連結するタービンロータと、前記タービンロータを回転可能に支承するすべり軸受をそれぞれ備え、
前記圧縮機の吸気上流側に該圧縮機の吸気に液滴を噴霧する吸気噴霧装置を設置し、
前記圧縮機の途中段から圧縮空気の一部を抽気する複数の抽気配管を配設し、
前記複数の抽気配管の少なくとも一部の抽気配管を前記圧縮機の下部に位置するように配設し、
前記一部の抽気配管を通じて前記圧縮機から抽気された抽気空気を前記すべり軸受に供給する潤滑油のオイルシールのシール空気として供給すると共に、前記タービンに設置したタービン翼の冷却用冷媒として供給するように構成し、
前記一部の抽気配管の経路の途中にこの抽気配管を流れる抽気空気に含まれたドレンを分離するドレンセパレータを設置したことを特徴とする高湿分空気利用型ガスタービン。
【請求項4】
請求項1に記載の吸気噴霧型ガスタービンにおいて、
前記吸気噴霧装置は圧縮機の吸気量に対して重量比で1%以上の液滴を噴霧することを特徴とする吸気噴霧型ガスタービン。
【請求項5】
圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された高圧空気を加湿する加湿器と、前記加湿器で加湿された加湿空気をタービンの排出ガスと熱交換して昇温する再生熱交換器と、前記再生熱交換器で昇温された加湿空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを発生する燃焼器と、前記燃焼器で発生した燃焼ガスによって駆動されるタービンと、前記圧縮機及び前記タービンを連結するタービンロータと、前記タービンロータを回転可能に支承するすべり軸受をそれぞれ備え、
前記圧縮機の吸気上流側に該圧縮機の吸気に液滴を噴霧する吸気噴霧装置を設置し、
前記圧縮機の低圧段から圧縮空気の一部を抽気する低圧段抽気配管及び前記圧縮機の高圧段から圧縮空気の一部を抽気する高圧段抽気配管をそれぞれ配設し、
前記低圧段抽気配管を前記圧縮機の下部に位置するように配設し、
前記低圧段抽気配管を通じて前記圧縮機から抽気された抽気空気を前記すべり軸受に供給する潤滑油のオイルシールのシール空気として供給するように構成し、
前記高圧段抽気配管を通じて前記圧縮機から抽気された抽気空気を前記タービンに設置したタービン翼の冷却用冷媒として供給するように構成し、
前記圧縮機の下部に配設された前記低圧段抽気配管の経路の途中にこの抽気配管を流れる抽気空気に含まれたドレンを分離するドレンセパレータを設置したことを特徴とする高湿分空気利用型ガスタービン。
【請求項6】
請求項2に記載の吸気噴霧型ガスタービンにおいて、
前記吸気噴霧装置は圧縮機の吸気量に対して重量比で1%以上の液滴を噴霧することを特徴とする吸気噴霧型ガスタービン。
【請求項7】
請求項1、請求項2、請求項4、及び請求項6のいずれか1項に記載の吸気噴霧型ガスタービンにおいて、
前記ドレンセパレータの上流側に位置する前記抽気配管は、前記圧縮機の下部の前記抽気配管の位置よりも前記ドレンセパレータの位置が低くなるように傾斜を付けて配設されていることを特徴とする吸気噴霧型ガスタービン。
【請求項8】
請求項3又は請求項5に記載の高湿分空気利用型ガスタービンにおいて、
前記ドレンセパレータの上流側に位置する前記抽気配管は、前記圧縮機の下部の前記抽気配管の位置よりも前記ドレンセパレータの位置が低くなるように傾斜を付けて配設されていることを特徴とする高湿分空気利用型ガスタービン。
【請求項9】
請求項1、請求項2、請求項4、及び請求項6のいずれか1項に記載の吸気噴霧型ガスタービンにおいて、
前記圧縮機と前記ドレンセパレータとの間に配設された前記抽気配管又は低圧段抽気配管は、3m以上の長さの抽気配管を使用していることを特徴とする吸気噴霧型ガスタービン。
【請求項10】
請求項3又は請求項5に記載の高湿分空気利用型ガスタービンにおいて、
前記圧縮機と前記ドレンセパレータとの間に配設された前記抽気配管又は低圧段抽気配管は、3m以上の長さの抽気配管を使用していることを特徴とする高湿分空気利用型ガスタービン。
【請求項11】
請求項1、請求項2、請求項4、及び請求項6のいずれか1項に記載の吸気噴霧型ガスタービンにおいて、
前記圧縮機と前記ドレンセパレータとの間に配設された前記抽気配管又は低圧段抽気配管に、この抽気配管又は低圧段抽気配管を流れる抽気空気を冷却する冷却器を設置したことを特徴とする吸気噴霧型ガスタービン。
【請求項12】
請求項3又は請求項5に記載の高湿分空気利用型ガスタービンにおいて、
前記圧縮機と前記ドレンセパレータとの間に配設された前記抽気配管又は低圧段抽気配管に、この抽気配管又は低圧段抽気配管を流れる抽気空気と前記吸気噴霧装置に取り込まれる噴霧水とを熱交換させる熱交換器を設置して、前記熱交換器での熱交換によって昇温した噴霧水を前記吸気噴霧装置から液滴として前記圧縮機の吸気上流側に噴霧するようにしたことを特徴とする高湿分空気利用型ガスタービン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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