説明

呼吸状態検出装置

【課題】 この発明は、睡眠時の無呼吸や低呼吸が検出でき、被験者の身体の複数箇所での検出により、閉塞性無呼吸症(OSAS)と中枢性無呼吸症(CSAS)及び混合性無呼吸症(MSAS)を検出することもできる無呼吸、低呼吸検出装置を提供する。
【解決手段】 この発明は、被験者の身体の特定箇所、例えば胸部下に位置する寝具上に設けられ、胸部下における被験者の呼吸状態を示す胸部波形信号を検出する胸部呼吸波形検出手段と、被験者の胸部から所定の距離離れた被験者の部位下に位置する寝具上に設けられ、その位置における被験者の呼吸状態を示す比較波形信号を検出する比較呼吸波形検出手段と、前記胸部波形信号と前記比較波形信号とを比較し、その結果から被験者の睡眠時の無呼吸低呼吸を検出する無呼吸低呼吸検出手段とを具備することにある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被験者の呼吸に基づく信号を、被験者の身体の特定箇所または複数箇所、例えば頭部、頸部、胸部、腹部、脚部で検出し、これらの信号に基づいて被験者の無呼吸、低呼吸が検出でき、特に正常呼吸と閉塞性無呼吸症(OSAS:無呼吸症の95%)と中枢性無呼吸症(CSAS)及び混合性無呼吸症(MSAS)を区別検出することのできる呼吸状態検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される睡眠時無呼吸検出器は、圧力感知型の呼吸・体動センサと、音センサと、前記呼吸・体動センサ及び前記音センサから得られるデータを記録する記録器とによって構成される。前記呼吸・体動センサは、臥床状態における被験者の胸部の下に配置され、このセンサにかかる圧力の変化によって呼吸運動及び体動を検知するものである。また、音センサは、いびきなどの呼吸音を検知するものである。このような構成において、体動が連続して30秒以上認められない時間帯を睡眠と判定し、睡眠中に10秒以上続く無呼吸を睡眠時無呼吸と判定するものである。
【0003】
特許文献2に開示されている呼吸状態検出装置は、横臥している被験者の身体の下に配置したエアマットと、このエアマット内部の圧力変動を検出する圧力センサと、この圧力センサの出力信号から被験者の呼吸筋での呼吸運動による呼吸数、心拍数及びいびき信号等の生体信号を抽出して記録することによって被験者の無呼吸症状を検出する監視制御装置を有し、この監視制御装置が、横臥している被験者の姿勢を判定する姿勢判定手段と睡眠段階判定手段とを備えることを特徴とするものである。これによって、睡眠中の無呼吸症が姿勢及び睡眠の深さに深く関係していることに基づいて、圧力センサの出力信号レベルを自動的に調整する自動利得制御ユニットのゲイン(利得)の値を用いて被験者の姿勢を判定し、睡眠の深さを睡眠中の心拍数及び呼吸数から判定して、睡眠中の無呼吸を判定するようにしたものである。また、この装置では、心拍数及び呼吸数と同時に、鼾フィルタを通すことによって鼾信号を抽出している。
【特許文献1】特開平10−295695号公報
【特許文献2】特開2000−271103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される装置では、呼吸・体動センサによって睡眠と判定された後、音センサによって所定時間(10秒)以上音のない状態で無呼吸を判定することから、音センサが他の音を拾った場合に、無呼吸の判定が行われないという不具合がある。また、この装置では、閉塞性無呼吸(OSAS)の場合気道が閉塞することから、呼吸筋により横隔膜は呼吸周期で運動しているが、呼吸自体は行われていないので、エアマットには呼吸周期運動は伝達されている為、エアマット信号では正常呼吸か閉塞性無呼吸症(OSAS)と正常呼吸の区別を付けることが不可能であった。また、正常呼吸と中枢性無呼吸症(CSAS)の区別は可能であった。
【0005】
同様に、特許文献1に開示される装置では、無呼吸の判定を単に呼吸数が検出されない時間から呼吸停止時間及び呼吸停止頻度を検出し、これらのデータから無呼吸を判定しているため、閉塞性無呼吸症(OSAS)と正常呼吸の区別を付けることが不可能であった。また、正常呼吸と中枢性無呼吸症(CSAS)の区別は可能であった。
【0006】
よって、この発明は、正常呼吸と閉塞性無呼吸症(OSAS)と中枢性無呼吸症(CSAS)及び75〜25%の呼吸低下を低呼吸とし低呼吸を検出することのできる呼吸状態検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、この発明は、被験者の臥床状態における被験者の身体の特定箇所、頭部、胸部、腹部のいずれか、または複数箇所下に配置され、例えば胸部下に位置する寝具上に設けられ、胸部下における被験者の呼吸状態を示す胸部波形信号を検出する胸部呼吸波形検出手段と、被験者の胸部から所定の距離離れた被験者の部位下に位置する寝具上に設けられ、その位置における被験者の呼吸状態を示す比較波形信号を検出する比較呼吸波形検出手段と、前記胸部波形信号と前記比較波形信号とを比較し、その結果から被験者の睡眠時の無呼吸、低呼吸を検出する無呼吸、検出手段とを具備することにある。尚、前記胸部呼吸波形検出手段及び比較呼吸波形検出手段は、脈動、鼾、咳等の他の生体生理データを検出する検出手段を兼ねることもできるものである。
【0008】
また、前記無呼吸検出手段は、前記胸部呼吸波形信号及び前記比較波形信号が所定の振幅を有すると共に、両信号の位相が、一方の信号の周期の所定割合以上である場合に、被験者が閉塞性無呼吸状態にあることを検出することが望ましい。
【0009】
また、前記被験者の頭部下に位置する寝具上に設けられ、頭部下における被験者の呼吸状態を示す頭部波形信号を検出する頭部波形検出手段をさらに具備し、前記無呼吸、低呼吸検出手段は、前記胸部呼吸波形信号及び前記比較波形信号が所定の振幅を有すると共に、前記頭部波形信号の振幅が所定値以下であり、且つ両信号の位相が、一方の信号の周期の所定割合以上である場合に、被験者が閉塞性無呼吸状態にあることを検出することが望ましい。
【0010】
さらに、前記無呼吸、低呼吸検出手段によって、被験者の閉塞性無呼吸状態が検出された場合に、検出開始時刻を記憶し、検出時刻と呼吸再開時間までの間の継続時間を計測して記憶する閉塞性無呼吸時間記憶手段を具備することが望ましい。
【0011】
さらにまた、前記無呼吸検出手段は、さらに、前記胸部呼吸波形信号及び前記比較波形信号の振幅が所定時間所定値以下の場合に、被験者が中枢性無呼吸状態にあることを検出することが望ましい。
【0012】
また、前記無呼吸検出手段は、さらに、前記胸部呼吸波形信号、前記比較波形信号及び前記頭部呼吸波形信号の振幅が所定時間所定値以下の場合に、被験者が中枢性無呼吸状態にあることを検出することが望ましい。
【0013】
さらに、前記無呼吸検出手段によって、被験者の中枢性無呼吸状態が検出された場合に、検出開始時刻を記憶し、検出時刻と呼吸再開時間までの間の継続時間を計測して記憶する中枢性無呼吸時間記憶手段を具備することが望ましい。
【0014】
さらにまた、被験者の例えば胸部から所定の距離離れた被験者の部位は腹部であり、比較呼吸波形検出手段は、比較波形信号として腹部波形信号を検出することが望ましい。しかしながら、被験者の胸部から所定の距離離れた被験者の部位は脚部であってもよい。
【0015】
また、前記無呼吸検出手段による検出結果を、病院、管理センター、介護センター等の監視システムに送信する送信手段を具備することが望ましい。
【0016】
また、前記無呼吸検出手段による検出結果を用いて、医療用ベッド、介護用ベッドに体位変換、覚醒機能を有する手段を駆動することが望ましい。
【0017】
正常に呼吸している場合では、特定波形と比較波形、例えば腹部波形とは、略同位相で検出されるが、閉塞性無呼吸(OSAS)の場合気道が閉塞することから、呼吸筋により横隔膜は呼吸周期で運動しているが、呼吸自体は行われていないので、胸部波形と腹部波形とは、所定値以上の位相差を有するようになる。このため、本願発明にかかる呼吸状態検出装置では、無呼吸に伴い2つの波形の位相差が大きい場合(例えば、一方の波形と他方の波形の波長の位相差が、−75°〜+75°の範囲内にない場合)、閉塞性無呼吸症(OSAS)と判定するものである。また、全ての波形の振幅が所定値以下の場合には中枢性無呼吸症(CSAS)と判定することができるものである。
【0018】
さらに、前記寝具は、体位変換装置、振動装置、鳴動装置等の外部刺激装置を具備し、前記無呼吸検出手段による検出結果に基づいて、前記外部刺激装置を駆動する駆動手段を具備することが望ましい。これによって、無呼吸状態が検出された場合に、被験者に外部刺激を与えることができるので、被験者の無呼吸状態を回避することができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、被験者の少なくとも2カ所において呼吸に基づく波形信号を検出し、それぞれの波形信号の振幅と位相差によって正常呼吸と閉塞性無呼吸症(OSAS)と、中枢性無呼吸症(CSAS)を検出することができるので、それぞれの無呼吸症に適した対応を可能にするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の実施例について図面により説明する。
【0021】
本願発明にかかる呼吸状態検出装置1は、例えば、図1示すように、ベッド、布団等の寝具2上であって、被験者3の腹部下に配された腹部センサパネル4と、被験者3の胸部下に配された胸部センサパネル5と、前記被験者3の頭部下に置かれた頭部センサパネル6と、これら腹部センサパネル4、胸部センサパネル5及び頭部センサパネル6とが接続されるコントロールユニット7とによって構成される。
【0022】
前記コントロールユニット7では、例えば図2に示すように、前記腹部センサパネル4、前記胸部センサパネル5及び前記頭部センサパネル6のそれぞれが増幅回路8a,8b,8cを介してAD変換回路9に接続され、デジタル信号として中央演算処理装置(CPU)へ入力される。そして、所定のプログラムにしたがって処理された後、閉塞性無呼吸症(OSAS)及び中枢性無呼吸症(CSAS)の検出結果を、外部記録回路11を介して図示しない外部プリンタやディスプレイに表示すると共に、CD、DVD、FD、HD,MD等に記録し、また、外部通信回路12を介して、ナースセンター、介護センター、医療施設等に送信することができるようになっているものである。尚、13は、コントロールユニット7等を制御するためのスイッチ回路である。さらに、14は、前記ベッド等の寝具2に備えられた体位変換装置、振動装置、鳴動装置等の外部刺激装置20を駆動するための外部刺激装置駆動回路である。
【実施例1】
【0023】
実施例1では、前記腹部センサパネル4及び前記胸部センサパネル5によって検出される腹部呼吸波形信号(以下、腹波形)及び胸部呼吸波形信号(以下、胸波形)に基づいて正常呼吸と閉塞性無呼吸症(OSAS)及び中枢性無呼吸症(CSAS)を検出する。
【0024】
まず、図3のデータ抽出フローチャート100において、閉塞性無呼吸症(OSAS)及び中枢性無呼吸症(CSAS)を検出するために必要なデータが抽出される。具体的には、ステップ110においてタイマtがスタート(開始)され、ステップ120においてカウントnに1が加算される。ステップ130において前記腹部センサパネル4及び前記胸部センサパネル5からのデジタル処理された信号から、波形抽出フィルタ処理によって腹波形及び胸波形が抽出され、ステップ140において最初の腹波形のボトムWbb(1)が抽出され、そのときの時間が腹波形ボトム時間T0(1)に入力記憶される。同様に、ステップ160において胸波形のボトムWcb(1)が抽出され、ステップ170において、そのときの時間が胸波形ボトム時間T1(1)に入力記憶される。そして、ステップ180では、腹波形のピークWbp(1)が抽出され、ステップ190で胸波形のピークWcp(1)が抽出される。そして、ステップ120に進んで、カウントに1が加算され、同様の処理が繰り返され、Wbb(1),Wbb(2)・・・、T0(1),T0(2)・・・、Wcb(1),Wcb(2)・・・、T1(1),T1(2)・・・、Wbp(1),Wbp(2)・・・、Wcp(1),Wcp(2)・・・が順次抽出される。
【0025】
前記データ抽出フローチャート100と同時に、例えば図4に示すような無呼吸検出フローチャート200が実行され、閉塞性無呼吸症(OSAS)及び中枢性無呼吸症(CSAS)が検出される。
【0026】
まずステップ210において、腹−胸波形位相T1が演算される。これは、前記腹波形ボトム時間T0(n)と胸波形ボトム時間T1(n)に基づいて、例えば数式T1=T1(n)−T0(n)によって、演算される。
【0027】
次にステップ220において、腹波形又は胸波形の一方の波形の周期(この実施例1では腹波形の周期)T2が演算される。これは、腹波形のボトム時間T0(n)とT0(n−1)に基づいて、例えば数式T2=T0(n)−T0(n−1)によって、演算される。
【0028】
そして、ステップ230において、前記位相差が一方の波形(腹波形)の周期T2に対してどれくらいのズレを有しているかを示す因子P(位相差)として、数式P=T1/T2×360によって演算される。
【0029】
また、ステップ240では、腹波形振幅Hが演算される。これは、腹波形ピークWbp(n)と腹波形ボトムWbb(n)に基づいて、例えば数式H=Wbp(n)−Wbb(n)によって演算される。
【0030】
さらに、ステップ250では、胸波形振幅Mが演算される。これは、胸波形ピークWcp(n)と胸波形ボトムWcb(n)に基づいて、例えば数式M=Wcp(n)−Wcb(n)によって演算される。
【0031】
ステップ260,270,340では、前記腹波形振幅H及び胸波形振幅Mが共にそれぞれの閾値Href,Mref以上か否かの判定を行う。この判定により、前記腹波形振幅H及び胸波形振幅Mが共にそれぞれの閾値Href,Mref以上の場合には、ステップ280へ進み、共に閾値Href,Mrefより小さい場合には、ステップ350に進み、それ以外の場合には、ステップ210へ回帰するように判定される。
【0032】
ステップ280では、前記位相差P(度)が−α〜+αの間の範囲(例えば、−75°<P<+75°)内にある場合には、ステップ210へ回帰し、前記範囲外にある場合には、ステップ290に進んで、そのときの時間を記憶する(To(n)←t)。さらにステップ300において、前記範囲外にある時間Toが所定時間Trefより長くなった場合、ステップ310に進んで、閉塞性無呼吸症(OSAS)と判定する。このように、腹波形振幅H及び胸波形振幅Mが所定の大きさの振幅を有すると共に、それらの位相差Pが所定値以上に大きい状況が所定時間継続した場合に、閉塞性無呼吸症(OSAS)が判定されるものである。これは、閉塞性無呼吸症(OSAS)の場合気道が閉塞することから、呼吸筋による横隔膜は呼吸周期で運動するものの基本呼吸周期に変化が生じ、実際の吸引・排気動作とのずれが生じるため、これが判定可能となるものである。
【0033】
そして、ステップ320において閉塞性無呼吸症(OSAS)が発現した時間(継続時間)Toが計測され、前記発生時間To(n)及び継続時間Toがステップ330におい
て記憶され、ステップ210に回帰し、処理が継続されるものである。
【0034】
また、前記ステップ260,270,340の判定により、前記腹波形振幅H及び胸波形振幅Mがそれぞれの閾値Href,Mrefより小さい場合には、ステップ350において、中枢より呼吸信号が伝達されないことに起因した無呼吸症、中枢性無呼吸症(CSAS)であることが判定される。そして、この場合も、ステップ360において継続時間が計測され、ステップ370において発生時間及び継続時間が記憶され、ステップ210に回帰し、処理が継続されるものである。
【0035】
尚、記憶されたそれぞれの無呼吸症の発生時間及び継続時間は、無呼吸症の種類と共に、外部記録回路11に記録され、また外部通信回路12を介して所定の場所に送信されるものである。
【0036】
図5(a)は、正常時の腹波形Wbと胸波形Wcの状態を示す。この状態において、両波形の位相はほぼ等しく、振幅H,Mの大きさも十分である。図5(b)は、閉塞性無呼吸症(OSAS)が発現した状態を示す。この状態において、腹波形Wbと胸波形Wcは、振幅H,Mは所定の大きさを有しているが、両波形は位相のズレT1を有する。図5(c)は、中枢性無呼吸症(CSAS)が発現した状態を示す。この状態におちえ、腹波形Wbと胸波形Wcの振幅H,Mは共に所定の大きさを有さない。
【実施例2】
【0037】
実施例2は、上記腹波形Wb及び胸波形Wcの他に、図1及び図2に示すように、頭部呼吸波形(以下、頭部波形)Whを判定材料として加えたものである。この場合、図6(a)及び図7の表で示すように、呼吸が正常な状態にある場合は、腹波形Wb、胸波形Wc及び頭部波形Whが所定の振幅を有すると共に、それらの位相はほぼ同じ状態となっている。特に位相差P(度)においては、±75°の範囲内に収まっている状態を正常として判定することができる。
【0038】
また、図6(b)及び図7の表で示すように、閉塞性無呼吸症(OSAS)が発現した場合、腹波形Wbと胸波形Wcは、振幅H,Mは所定の大きさを有しているが、両波形は位相のズレT1を有し、さらに頭部波形Whの振幅は所定値以下となる。これにより、閉塞性無呼吸症(OSAS)は、腹波形Wb及び胸波形Wcの振幅が共にそれぞれの閾値以上であり、且つ腹波形Wb及び胸波形Wcの位相差P(度)が所定範囲(−75<P<+75)以外にあり、且つ頭部波形Wbの振幅が閾値以下である場合に、判定される。このように、実施例2では、頭部波形Whによる判定が付加されるため、上記実施例1よりもさらにきめ細かく閉塞性無呼吸症(OSAS)の判定を行うことができるものである。
【0039】
さらに、図6(c)及び図7の表で示すように、中枢性無呼吸症(CSAS)は、全ての波形Wb,Wc,Whの振幅がそれぞれの閾値以下となった場合に、判定されるものである。
【0040】
また、上記実施例1及び実施例2において無呼吸状態が検出された場合には、外部刺激装置駆動回路14を駆動させて、体位変換装置、振動装置、鳴動装置等の外部刺激装置20を駆動し、無呼吸状態の被験者に刺激を与えることにより、無呼吸状態を脱出させるようにすることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本願発明の呼吸状態検出装置の説明図である。
【図2】本願発明の呼吸状態検出装置の概略構成図である。
【図3】本願発明の呼吸状態検出装置のデータ抽出の一例を示したフローチャート図である。
【図4】本願発明の呼吸状態検出装置の無呼吸検出の一例を示したフローチャート図である。
【図5】実施例1に係る呼吸状態検出装置において、(a)は正常な状態な波形を示したものであり、(b)は閉塞性無呼吸症が発現した場合の波形を示したものであり、(c)は、中枢性無呼吸症(CSAS)が発現した場合の波形を示したものである。
【図6】実施例2に係る呼吸状態検出装置において、(a)は正常な状態な波形を示したものであり、(b)は閉塞性無呼吸症が発現した場合の波形を示したものであり、(c)は、中枢性無呼吸症(CSAS)が発現した場合の波形を示したものである。
【図7】実施例2に係る呼吸状態検出装置の無呼吸判定を示した表である。
【符号の説明】
【0042】
1 呼吸状態検出装置
2 寝具
3 被験者
4 腹部センサパネル
5 胸部センサパネル
6 頭部センサパネル
7 コントロールユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の横隔膜から頸部の範囲に位置する寝具上に設けられ、横隔膜から頸部の範囲における被験者の呼吸状態を示す胸部波形信号を検出する胸部呼吸波形検出手段と、
被験者の胸部から所定の距離離れた被験者の部位下に位置する寝具上に設けられ、その位置における被験者の呼吸状態を示す比較波形信号を検出する比較呼吸波形検出手段と、
前記胸部波形信号と前記比較波形信号とを比較し、その結果から被験者の睡眠時の無呼吸を検出する無呼吸検出手段とを具備することを特徴とする呼吸状態検出装置。
【請求項2】
前記無呼吸検出手段は、前記胸部呼吸波形信号及び前記比較波形信号が所定の振幅を有すると共に、両信号の位相が、一方の信号の周期の所定割合以上である場合に、被験者が閉塞性無呼吸状態にあることを検出することを特徴とする請求項1記載の呼吸状態検出装置。
【請求項3】
前記被験者の頭部下に位置する寝具上に設けられ、頭部下における被験者の呼吸状態を示す頭部波形信号を検出する頭部波形検出手段をさらに具備し、
前記無呼吸検出手段は、前記胸部呼吸波形信号及び前記比較波形信号が所定の振幅を有すると共に、前記頭部波形信号の振幅が所定値以下であり、且つ両信号の位相が、一方の信号の周期の所定割合以上である場合に、被験者が閉塞性無呼吸状態にあることを検出することを特徴とする請求項1記載の呼吸状態検出装置。
【請求項4】
前記無呼吸検出手段によって、被験者の閉塞性無呼吸状態が検出された場合に、検出開始時刻を記憶し、検出時刻と呼吸再開時間までの間の継続時間を計測して記憶する閉塞性無呼吸時間記憶手段を具備することを特徴とする請求項2又は3記載の呼吸状態検出装置。
【請求項5】
前記無呼吸検出手段は、さらに、前記胸部呼吸波形信号及び前記比較波形信号の振幅が所定時間所定値以下の場合に、被験者が中枢性無呼吸状態にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の呼吸状態検出装置。
【請求項6】
前記無呼吸検出手段は、さらに、前記胸部呼吸波形信号、前記比較波形信号及び前記頭部呼吸波形信号の振幅が所定時間所定値以下の場合に、被験者が中枢性無呼吸状態にあることを検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の呼吸状態検出装置。
【請求項7】
前記無呼吸検出手段によって、被験者の中枢性無呼吸状態が検出された場合に、検出開始時刻を記憶し、検出時刻と呼吸再開時間までの間の継続時間を計測して記憶する中枢性無呼吸時間記憶手段を具備することを特徴とする請求項5又は6記載の呼吸状態検出装置。
【請求項8】
被験者の胸部から所定の距離離れた被験者の部位は腹部であり、比較呼吸波形検出手段は、比較波形信号として腹部波形信号を検出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の呼吸状態検出装置。
【請求項9】
前記無呼吸検出手段による検出結果を、病院、管理センタ、介護センタ等の監視システムに送信する送信手段を具備することを特徴とする前段請求項いずれか一つに記載の呼吸状態検出装置。
【請求項10】
前記寝具は、体位変換装置、振動装置、鳴動装置等の外部刺激装置を具備し、
前記無呼吸検出手段による検出結果に基づいて、前記外部刺激装置を駆動する駆動手段を具備することを特徴とする請求項1から9いずれか一つに記載の呼吸状態検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−20891(P2006−20891A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202538(P2004−202538)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(597007927)アドバンスドメディカル株式会社 (5)
【出願人】(501378620)
【出願人】(504265385)
【Fターム(参考)】