説明

哺乳動物に対して使用される人工呼吸器の調節の不具合を検出するための装置

本発明は、哺乳動物に対して使用される人工呼吸器の調節の不具合を検出するための装置に関する。哺乳動物に対して使用される人工呼吸器の調節の不具合を検出するための装置に関する。本装置(12)は、時間経過に従って、少なくとも2つの続く呼吸サイクルの間(各呼吸サイクルは呼吸開始時間を含む)、哺乳動物の呼吸プロセスに含まれる神経生理学的信号を測定する測定手段(40)、神経生理学的信号とは異なる呼吸開始信号(t)を受信する入力、神経生理学的信号を処理する処理手段(42)(この手段は各呼吸開始時間(t)に対し、各呼吸開始時間(t)と各呼吸開始時間(t)から拡大された期間、神経生理学的信号を処理するように構成されている)、前記処理信号により人工呼吸器の調節の不具合を検出する検出手段(44)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は哺乳動物に対して使用される人工呼吸器の調節の不具合を検出するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の中には、例えば、肺炎、肺水腫又は慢性肺疾患の二次感染からくる急性呼吸疾患を患う患者がいる。機械的な人工呼吸器が必要とされている。人工呼吸器又は人工呼吸器は、患者の吸気を検出するための手段、並びに、患者が吸気した空気の流れ及び圧力を増加させることにより患者の吸気を支援するための手段を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記支援は所定量のガスを提供する又は気道を加圧することからなる。どちらの場合でも、種々の設定はガスの流れを患者のニーズに適合させることが可能である。従って、この支援装置は患者の呼吸動作に適合させ、それらの間の“調和的”関係を形成させなければならない。即ちこの支援装置を使うときには、患者が肉体的安らぎを得、呼吸するときに不快を感じないようにしなければならない。仮に設定が不適切であった場合、例えばガスの流れが極めて強力、又はその反対に極めて弱いとき、患者は、不快を感じる又は呼吸する時に苦痛を感じる場合がある。
【0004】
患者と装置との間の、このタイプの非調和を検出するために、従来様々な方法が使われてきた。具体的には、単純に患者に聞く方法である。しかしながら、この方法は、患者が眠っている場合又は昏睡状態にある場合には実行することはできない。
【0005】
通気動作(activite ventilatoire)をモニタする方法が従来から知られていた。特に、種々の呼吸器筋肉グループの頻度及び使用をモニタする方法が知られていた。
【0006】
呼吸動作及び人工呼吸器の応答が調和しているかをモニタし、非同期性(asynchronisme)又は人工呼吸器の非効率な動作を検出することができる。
【0007】
最後に、複数の間接的生理学的要素(通気動作を測定するために使用される)を測定すること、そして、必要に応じて人工呼吸器の非同期動作を検出することは公知である。前記間接的生理学的要素は、例えば、楔入圧(la pression d'occlusion)、気道圧曲線(des courbes de pression des voies aeriennes)の形態、通気動作(le travail ventilatoire)である。
【0008】
実際に、これら要素は微妙であり、患者がもつ感覚(sensations)の間接的な指標を構成する。
【0009】
本発明は人工呼吸器の不適正な調節を検出することができる装置を提供することを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、哺乳動物に対して使用される人工呼吸器の適正調節を検出するための装置に関するもので、次の手段を有することを特徴とする。
―時間経過に従って、少なくとも2つの続く呼吸サイクルの間(各呼吸サイクルは呼吸開始時間を含む)、哺乳動物の呼吸プロセスに含まれる神経生理学的信号を測定する測定手段;
―神経生理学的信号とは異なる呼吸開始信号を受信するための入力;
―神経生理学的信号を処理する処理手段、この手段は各呼吸開始時間に対し、各呼吸開始時間を含み、各呼吸開始時間から前に拡大された期間、神経生理学的信号を処理するように構成されている;
―前記処理信号により人工呼吸器の調節の不具合を検出する検出手段。
【0011】
以上説明したように、本発明は、患者の異常神経筋活動又は神経活動により、機械的な人口呼吸器の調節の不具合を検出することを可能にする。このタイプのプロセスは信頼性のある検出を可能にする。即ち、患者の感覚から直接取得する検出である。
【0012】
具体的な実施例に基づくと、本装置は1つ又はそれ以上の次の特徴を持つ
―前記処理手段は、同一特定期間に亘る全サイクルに対して測定された、点から点への神経生理学的信号をback-averageするための手段を含む;
―前記測定手段は脳波記録装置(electroencephalographe)を含み、呼吸開始時間前に哺乳動物のpremotor potential を測定するのに使用される;
―前記処理手段は、呼吸開始時直前に脳波計信号のスロープを算出するために構成される;
―前記検出装置は基準値とスロープを比較するための比較手段を含む;
―前記基準値は0である;
【0013】
―前記調節の不具合を検出する検出手段は、前記スロープ値が前記基準値より大きいときにインジケータをトリガーするためのトリガー手段を含む;
―前記インジケータは光表示器(un voyant lumineux)である;
―前記期間は、呼吸開始時に比して半分以上、前に延びている;
―前記測定手段は、筋電計(electromyographe)を含み、前記期間に亘って、筋電計信号の積分計算をするのに使用される;
―前記期間は、呼吸時に比して半分以上、遅れて延びている;
【0014】
―前記検出手段は、前記期間に亘って筋電計信号の2乗根の平均の時間変化を検出する検出手段を含む;
―装置は、呼吸開始信号tを受信するために入力に接続されている、患者の吸気を検出するためのセンサを備えている。また、このセンサは、神経生理学的信号を測定するための前記測定手段から切り離されている。
―前記センサは圧力低下センサ(capteur de depression)である。
―前記センサは前記測定手段から切り離されている。
【0015】
本発明は、次のものを含む人工呼吸器アセンブリに関する。
―人工呼吸器装置、及び、
―前記の調節の不具合を検出するための検出器。
【0016】
また、本発明は、哺乳動物に対して使用される人工呼吸器の調節の不具合を検出する方法を対象とし、次のステップを含むことを特徴とする。
―時間経過に従って、少なくとも2つの連続する呼吸サイクルの間(各呼吸サイクルは呼吸開始時間を含む)、哺乳動物の呼吸プロセスに含まれる神経生理学的信号を測定する測定ステップ;
―神経生理学的信号とは異なる呼吸開始信号(t)を受信する受信ステップ;
―各呼吸開始時間に対し、各呼吸開始時間を含み各呼吸開始時間から拡大された期間、神経生理学的信号を処理する処理ステップ;
―前記処理信号により人工呼吸器の調節の不具合を検出する検出ステップ。
【0017】
また、本発明は、命令を含むコンピュータソフトウェアに関する。前記ソフトウェアは、神経生理学的信号を測定する測定手段に接続されるコンピュータにロードされるときに、前記方法を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】患者が使用する人工呼吸器の概略図である。
【図2】電極構成の事例を示す人間の後頭部4分の3の斜視図である。
【図3】得られた脳波計信号の呼吸サイクル全体に亘って実行された平均を示す曲線である。
【図4】人工呼吸器支援に関する、検出された脳波計動作及び人間の斜角筋(scalene muscle)の筋電計動作を示す曲線の例である。
【図5】非調和のケースにおける図4の例と同様な例であって、人工呼吸器支援に関する、検出された脳波計動作及び人間の斜角筋(muscle scalene)の筋電計動作を示す曲線の例である。
【図6】本発明による装置の変形例で、図1と同様な概略図である。
【図7】複数呼吸サイクルに関する、人工呼吸器動作(activite ventilatoire)(上図)及び筋電計動作(activite electromyographique)(下図)を示す曲線の例である。
【図8】人工呼吸器動作(上図)及び筋電計動作(下図)の平均エンベロープをしめす曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明による装置を使う人工呼吸器アセンブリ8の一例である。
【実施例1】
【0020】
前記アセンブリ8は、機械的人工呼吸器10及びその支援装置10の調節の不具合を検出するために装置12を備えている。
【0021】
装置10は、所定の流量レートと所定圧力で患者にエアを送るためのタービン14を備えている。前記タービンの出力部では、バルブ16が備えられており、患者に前記タービン14により生成された加圧エアを供給したり、又は供給しなかったりする。前記タービン14及び前記バルブ16は制御ユニット18に接続されている。同制御ユニットは気圧センサ(capteur de depression)に接続されており、患者の吸入を検出する。
【0022】
前記タービン14は、患者の上部気道に配置されているマスク22に対し前記バルブ16の下流に接続されている。前記気圧センサ20は、例えば患者のマスク22の内側に配置されている。
【0023】
変形として、マスク22を気管内プローブで代替してもよい。
【0024】
制御ユニット18は調節ユニット24に接続され、装置18の複数の機能パラメータを変化させる。パラメータとは、特に、前記タービン14により生成された流量レート、エアフロー圧、バルブ16の切り替え回数及び従来技術で知られている他のパラメータである。
【0025】
更に、制御ユニット18は、患者の吸気開始を示す呼吸開始信号tを出力するための出力を備えている。
【0026】
調節の不具合を検出するための装置12は、吸入を示す神経生理学的信号を測定するための測定ユニット40を有し、時間経過に従って神経生理学的信号を出力するために使用される。
【0027】
また、装置12は、処理ユニット42を含む。同処理ユニットは測定ユニット40に接続しており、神経生理学的信号を受信する。同処理ユニット42は呼吸開始信号tを受信する入力を備えている。この入力は前記装置10の対応する出力に接続されている。
【0028】
装置12は装置10の調節の不具合を示す情報を医師に伝えるための手段44を備えている。
【0029】
第1実施例によると、神経生理学的信号を測定するための手段40は脳波記録装置により形成される。前記脳波記録装置は、例えば、患者の頭皮、特に補足運動野(aire motrice)、即ち前運動野(cortex premotor)に配置する3つの電極46A、46B,46Cを備えている。更に正確には、又、好ましくは、図2に示されているように、電極46A、46B,46Cは頭皮のC3‐A+、C4‐A+及びCz‐A+に配置される。これらの位置は国際10-20システム基準で決められている。
【0030】
自明なことであるが、脳波記録装置は信号を受信し、フィルターするための手段50、増幅手段52、信号を例えば、2000Hzでデジタル化するためのサンプリング手段54を備えている。又、対応するサンプリングタイムでサンプルされた値を電子的に記憶するための記憶手段56を備えている。
【0031】
前記処理手段42は、複数の呼吸サイクルに亘って記憶されたサンプル値をback average(retro moyennage)するための手段60を備えている。例えば、それらはソフトウェアを使うマイクロプロセッサから構成されている。更に正確に言えば、図3に示されているように、処理手段を使って、記憶された信号の、点から点への、種々の連続期間I、I、Iの間の算術平均が得られる点から点への、種々の連続期間I、I、Iの間の算術平均が得られる。各期間I、I、Iは呼吸サイクルに対応している。各期間I、I、Iは対応する呼吸サイクルの呼吸開始時間tに関係して決められ、前記時間tを含んでいる。呼吸サイクルは完全な吸気と呼気から形成される時間である。
【0032】
図3において、曲線Pはセンサ20により測定された圧力を表す。他方曲線Sは同時刻に受信された脳波形信号を表す。
【0033】
信号が平均化される期間I、I、Iを表す。
【0034】
それらは呼吸開始時間tを含み、同一の時間幅を持つ。
【0035】
と表記された平均信号は、期間I、I、Iの信号を平均化することにより得られる。3つの電極46A、46B,46Cの各々に対してこのタイプの平均信号Iが決められる。好ましくは、平均は10以上のサイクル数nに亘って計算される。例えば、50及び100の間の数である。80であると有利である。
【0036】
平均化期間I、I、Iは、呼吸サイクル期間にほぼ等しい。好ましくは2秒と4秒の間である。更に好ましくは実質的に3秒である。
【0037】
平均化期間I、I、Iは、呼吸開始時間tを含む。この期間は呼吸開始時間tに対して前半分以上に延びていると有利である。呼吸開始時間tに対して2/3以上に延びていることが望ましい。更に正確には、その期間の開始時点が呼吸開始時tに先立つ1.5秒から3.5秒であることが好ましい。開始時点がほぼ2.5秒前であることが好ましい。
【0038】
前記期間は呼吸開始時点tから0.2秒と0.7秒の間に終了する。0.5秒であると好ましい。
【0039】
更に、前記処理手段42は、呼吸開始時tの前に観察される平均化された脳波計信号のスロープを算出するための手段を有している。
【0040】
調節の不具合を検出する検出手段44は平均化信号Iのスロープと基準値とを比較する比較手段70を備えており、基準値よりスロープ値が大きいときにはインジケータ(例えば光表示器)をトリガーする。
【0041】
実際には、前記基準値は、例えば、0である。
【0042】
インジケータと同様に、検出手段44が、平均化信号I及び各信号Iに対して計算されたスロープ値を記憶し、表示する手段を備えると有利である。
【0043】
図4及び5には、患者のセンサ46A、46B,46Cから取得された、3つの平均信号値SA、SB、SCの事例が示されている。図4には患者が人工呼吸器と調和している場合が、図5には患者が人工呼吸器と調和がとれていない場合が示されている。
【0044】
患者と人工呼吸器との間で調和がとれている時には、呼吸開始時t以前には如何なるpremotor potential(potentiel premoteur)も観察されない。premotor potentialとは呼吸開始時寸前に測定された潜在的な脳波計信号である。
【0045】
これとは対照的に、調和がとれていない時には、premotor potentialは、呼吸開始時t以前に、徐々に増加する。従って、調和がとれていない場合には、premotor potentialは、動作のための皮質準備活動(preparation corticale du mouvement)を示し、呼吸開始時tより前に確立する。
【0046】
前記装置はこのpremotor potentialを検出することができるので、人工呼吸器と患者との間の非調和を検出することができる。
【0047】
前記検出手段から出力される情報に基づいて、医師は調節ユニット24により支援装置10の設定を修正することができる。変形例として、制御ループが前記検出手段と支援装置10との間で確立される。この設定はpremotor potentialの検出されたスロープ値に従って、自動的に修正される。
【実施例2】
【0048】
図6において112と示された装置を使った別の実施例では、神経生理学的信号を測定するための測定手段が筋電計140で置き換えられる。前記筋電計は1つ又はそれ以上の電極146を備えている。それらは、呼吸筋に設置される。即ち、呼吸により活性化される筋肉である。例えば、患者の首又は顔(特に鼻の外壁)の筋肉である。これら電極はこれら筋肉の電気信号を検出することができる。例えば、第1実施例では斜角筋上に、第2実施例では鼻の開口部を制御する鼻翼筋(muscle alaenasi)上に、これら電極が設けられる。第1実施例では、電極146はマスク22の内側に直接設けて、患者のエア供給を確保するとよい図4及び5の下側信号は、斜角筋の筋電計の記録を示す。
【0049】
前記したように、装置112は、筋電形140と“調節の不具合を示す情報を表示する手段”144に接続する処理ユニット142を備えている。
【0050】
自明なことであるが、筋電計140は信号を受信し、フィルターするための手段150と、増幅手段152、“例えば、10,000Hz”のサンプリング手段154を備えている。フィルタリングは20Hzと3kHzの間で実行される。前記したようにするため、筋電計140は対応するサンプリングタイムでサンプルされた値を電子的に記憶するための記憶手段156を備えている。
【0051】
処理手段142はサンプルされた値をback-averageするための手段160を備えている。
【0052】
図7を参照すると、この実施例では、処理手段142を使って、信号の平方根、及び、各サイクルの呼吸開始時間tに関係して定義された期間J、J、J、…Jの間に亘って所定サイクル数nの前記2乗根の点から点への算術平均が計算されている。
【0053】
実際、この実施例ではx軸に対して対称であるから、それを2乗して非対称として、非0平均値を計算することが必要である
【0054】
可動時間ウィンドウ上で、各期間J、J、J、…Jに対して平均2乗法を実行するとよい。1ミリ秒で、前記期間を含み、各期間のエンベロプを取得することが好ましい。
【0055】
平均期間J、J、J、…Jは、最大でも、呼吸サイクル期間に等しい。好ましくは2秒と4秒の間である。更に好ましくは実質的に3秒である。前記期間は、呼吸開始時間tを含む。この期間は呼吸開始時間tに対して前に半分以上に延びる。呼吸開始時間tに対して2/3以上に延びると有利である。更に正確には、その期間の開始時点が呼吸開始時tに先立つ0.5秒から1.5秒である。開始時点がほぼ1秒前であることが好ましい。
【0056】
前記期間は呼吸開始時点tから1秒と3秒の間に終了する。実質的に2秒であると好ましい。
【0057】
前記処理手段142は、先立つnサイクルの筋電計のペースを表す平均エンベロープを算出するための手段162を有している。図8に、この平均エンベロープを示す。スケールは1秒である。複数の期間J、J、J、…Jのエンベロープは、このように平均化されて、平均化エンベロープを得る。即ち、10より大きい、50と100の間、有利には80に等しい期間J、J、J、…J
【0058】
調節の不具合を検出するための検出手段144は、算出された平均エンベロープ値の変化を検出するための検出手段170を備えている。
【0059】
複数の測定時間に対して、前記平均エンベロープが記憶される。前記検出手段170は、期間J、J、J、…Jの期間に記憶される平均エンベロープの複数の値を比較するために使われる。
【0060】
平均エンベロープは1時間当たり2乃至15の頻度で計算されることが好ましい。1時間当たり実質的に5回の頻度で計算されると更にこのましい。
【0061】
変形例として、平均エンベロープはオンデマンドで計算される。例えば、病院スタッフによる。
【0062】
エンベロープ値について所定時間の間に変化がないならば、前記手段172は調節の不具合を表すインジケータをトリガーしない。
【0063】
これとは対照的に、仮に前記値が所定時間の間に変化があるならば、特に、平均エンベロープの積分において増加(図8に示す)するならば、トリガー手段はインジケータをトリガーするように構成される。
【0064】
調和がある場合、積分値は一定にとどまることが分かった。これとは反対に、非調和の場合、積分は増加する。
【0065】
もちろん、本発明は説明した実施例に限定されない。
【0066】
特に、エアフローを患者に供給する供給の仕方はこれまでに説明したものに限定されない。投与するガス量、気道への圧力という形で実施することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物に対して使用される人工呼吸器の調節の不具合を検出するための装置(12;112)であって、以下のものを備えている装置。
―時間経過に従って、少なくとも2つの続く呼吸サイクルの間(各呼吸サイクルは呼吸開始時間を含む)、哺乳動物の呼吸プロセスに含まれる神経生理学的信号を測定する測定手段(40;140);
―神経生理学的信号とは異なる呼吸開始信号(t)を受信するための入力;
―神経生理学的信号を処理する処理手段(42;142)、この手段は各呼吸開始時間(t)に対し、各呼吸開始時間(t)を含み各呼吸開始時間(t)から前に拡大された期間、神経生理学的信号を処理するように構成されている;
―前記処理信号により人工呼吸器の調節の不具合を検出する検出手段(44;144)。
【請求項2】
前記処理手段(42;142)は、同一特定期間に亘る全サイクルに対して測定された、点から点への神経生理学的信号をback-averageするための手段(60;1160)を含むことを特徴とする請求項1に記載された装置(12;112)。
【請求項3】
前記測定手段は脳波記録装置(40)を含み、呼吸開始時間(t)前に哺乳動物のpremotor potential を測定するのに使用されることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載された装置(12)。
【請求項4】
前記処理手段は、呼吸開始時間(t)直前に脳波計信号のスロープを算出するために構成されていることを特徴とする請求項3に記載された装置(12)。
【請求項5】
前記検出装置(44)は基準値とスロープを比較するための比較手段(70)を含むことを特徴とする請求項4に記載された装置。
【請求項6】
前記基準値は0であることを特徴とする請求項5に記載された装置(12)。
【請求項7】
前記調節の不具合を検出する検出手段(44)は、前記スロープ値が前記基準値より大きいときにインジケータをトリガーするためのトリガー手段(72)を含むことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載された装置。
【請求項8】
前記インジケータは光表示器であることを特徴とする請求項7に記載された装置。
【請求項9】
前記期間は、呼吸開始時(t)に比して半分以上、前に延びている請求項3乃至8のいずれか一項に記載された装置(12)。
【請求項10】
前記測定手段は、筋電計(144)を含み、前記期間(t)に亘って筋電計信号の積分計算をするのに使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載された装置(112)。
【請求項11】
前記期間は、呼吸開始時(t)に比して半分以上、遅れて延びていることを特徴とする請求項10に記載された装置(112)。
【請求項12】
前記検出手段(144)は、前記期間に亘って筋電計信号の2乗根の平均の時間変化を検出する検出手段(170)を含むことを特徴とする請求項10または請求項11に記載された装置(112)。
【請求項13】
呼吸開始信号(t)を受信するために入力に接続されている、患者の吸気を検出するためのセンサを備えており、このセンサは、神経生理学的信号を測定するための前記測定手段(40,140)から切り離されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載された装置。
【請求項14】
前記センサは圧力センサであることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記センサ(40,140)は前記測定手段から切り離されていることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の装置。
【請求項16】
―人工呼吸器装置(10)、及び、
―前記の調節の不具合を検出するための検出器(12)、
を備える人工呼吸器アセンブリ(8)。
【請求項17】
哺乳動物に使用される人工呼吸器の不適正な調節を検出するための方法であって、次のステップを含むことを特徴とする方法。
―時間経過に従って、少なくとも2つの連続する呼吸サイクルの間(各呼吸サイクルは呼吸開始時間を含む)、哺乳動物の呼吸プロセスに含まれる神経生理学的信号を測定する測定ステップ;
―神経生理学的信号とは異なる呼吸開始信号(t)を受信する受信ステップ;
―各呼吸開始時(t)に対し、各呼吸開始時(t)を含み各呼吸開始時(t)から拡大された期間、神経生理学的信号を処理する処理ステップ;
―前記処理信号により人工呼吸器の調節の不具合を検出する検出ステップ。
【請求項18】
神経生理学的信号を測定する測定手段に接続しているコンピュータに実行されるときに、請求項17の方法を実行する命令を含むコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−542391(P2009−542391A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518921(P2009−518921)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001148
【国際公開番号】WO2008/006963
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(504317743)ユニベルシテ ピエール エ マリー キュリー(パリ シズエム) (18)
【Fターム(参考)】