説明

商品の決済システム及び商品の決済方法

【課題】商品の代金決済を簡単に行うことができるようにする。
【解決手段】小売店舗2内に設けられた商品3を顧客Uが購買する際に当該商品3の代金決済を行う商品3の決済システム1であって、商品3に商品用無線通信機4aが取り付けられ、商品用無線通信機4aと無線通信を行う無線用送受信機5が小売店舗2内に設けられており、商品用無線通信機4aと無線用送受信機5との無線通信が不能となった商品3に対し、代金決済を行う代金決済手段11を有する管理サーバ9を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店舗内に陳列された商品の代金決済を行う商品の決済システム及び商品の決済方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、小売店舗内に陳列された商品を顧客が買う際に当該商品の代金決済を行う商品の決済システムとして、例えば、特許文献1に示すものがある。
特許文献1は、商品の信用販売における購入金額の精算が可能な決済用データが記録されているクレジットカードから決済用データをICチップに書込み、精算時、当該ICチップから決済用データを読取り、購入商品から商品データを読取り、購入金額を集計して精算処理を行うPOSレジスタシステムにおいて、購入商品から商品データを読取る商品データ読取部と、当該ICチップから決済用データを読取り、かつ商品データ読取部で読取った商品データをICチップに書込む非接触リーダライタ部を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−299633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1ではクレジットカードから決算用データを読み込むことによって、商品の代金決済時に支払いを簡素化しようとするものであるが、商品データは1つ1つ読み込まなければならず、商品の代金決済を行う作業は大変なものとなっていた。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、小売店舗内の商品を顧客が買う際に商品の代金決済を簡単に行うことができる商品の決済システム及び商品の決済方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、小売店舗内に設けられた商品を顧客が買う際に当該商品の代金決済を行う商品の決済システムであって、前記商品に無線通信機が取り付けられ、前記無線通信機と無線通信を行う無線用送受信機が設けられており、前記無線通信機と前記無線用送受信機との無線通信が不能となった商品に対し、前記代金決済を行う代金決済手段を有する管理サーバを備えている。
【0006】
前記無線通信機には商品に関する商品情報が保存されていると共に、当該固有情報をネットワークを介して前記管理サーバに送信するように構成され、管理サーバにも商品の商品情報が保存されており、前記代金決済手段は、前記管理サーバに保存された商品情報と前記無線通信機から送信された商品の商品情報とを比較することによって無線通信が不能となった無線通信機が取り付けられた商品を抽出し、抽出した商品が代金決済を行うものとすることが好ましい。
【0007】
本発明の他の手段は、小売店舗内に設けられた商品を顧客が買う際に当該商品の代金決済を行う商品の決済方法であって、前記商品に無線通信を行うことができる無線通信機を取り付け、前記無線通信機と無線通信を行う無線用送受信機を前記小売店舗内に設けておき、前記商品に取り付けた無線通信機と前記無線用送受信機との間の無線通信が不能となったときに、商品の代金決済を行う点にある。
【発明の効果】
【0008】
請求項1及び請求項3によれば、商品に取り付けた無線通信機と無線用送受信機との無線通信を行い、当該無線通信が不能になったことを検知するだけで商品の代金決済を自動的にすることができ、商品の代金決済の作業を非常に楽にすることができる。
請求項2によれば、商品情報を用いるだけで、代金決済を行う商品か否かを容易に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態における商品の決済システムの全体構成図である。
【図2】(a)管理サーバに商品の商品情報が保存されている例を示したもので、(b)送信用固有情報が管理サーバに入力された例を示したもので、(c)管理用固有情報と送信用固有情報とを比較した結果を示したものである。
【図3】商品とクレジットカードとを関連付けた例を示したものである。ある。
【図4】商品の納入から商品の代金決済までの流れをまとめたものである。
【図5】商品の納入から商品の代金決済までの流れの変形例である。
【図6】第2実施形態における商品の決済システムの変形例の全体構成図である。
【図7】第2実施形態における商品の決済システムの変形例において商品の納入から商品の代金決済までの流れをまとめたものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1は、商品の決済システムの全体構成図を示したものである。
本発明の商品の決済システム1は、コンビニエンスストア、スーパマーケットなどの小売店舗2に置いた商品3を顧客Uに販売する際に、無線通信を用いて商品3の代金の決済(代金決済という)を行うものである。この商品3の決済システム1は、商品3に取り付けた無線通信機4a(商品用無線通信機)と、顧客Uが買い物する時に持つ無線通信機4b(顧客用無線通信機)と、商品用無線通信機4a及び顧客用無線通信機4bと無線通信可能な無線用送受信機5とを備えている。
【0011】
商品用無線通信機4aは、後述するように商品3が商品販売エリアE1にあるか否かを検知するためもので、顧客用無線通信機4bは顧客Uが携帯して持ち運ぶことにより商品販売エリアE1に居るか否かを検知するためもものである。
商品用無線通信機4a及び顧客用無線通信機4bは、例えば、自ら電波を発信するアクティブ型の無線機である。この商品用無線通信機4aには、商品3に関する情報(商品情報)が保存されている。即ち、商品用無線通信機4aには、商品3を特定するための固有情報(ID)、商品3の名称、商品3の価格等の商品情報が保存されている。
【0012】
商品用無線通信機4aは、自ら保持している商品情報を無線通信によって無線用送受信機5に定期的に送信するように構成されている。顧客用無線通信機4bは自らの存在を示す電波(例えば、ビーコン)を無線用送受信機5に定期的に送信するように構成されている。
無線用送受信機5は、小売店舗2内に設置されている。無線用送受信機5は、商品3に取り付けた商品用無線通信機4a及び顧客用無線通信機4bと無線通信が行えるようになっている。また、小売店舗2内において商品販売エリアE1外であって会計エリアE2(代金決済エリア)にあるときは、商品3に取り付けた商品用無線通信機4a及び顧客用無線通信機4bと、無線用送受信機5とは無線通信が不能、即ち、無線通信が途絶えるようになっている。なお、商品用無線通信機4a及び顧客用無線通信機4bと無線用送受信機5との無線通信範囲は、ほぼ商品販売エリアE1の大きさと同じに設定されている。
【0013】
図1に示すように、小売店舗2内は、大別して商品3を置いて商品3を販売する商品販売エリアE1と、この商品販売エリアE1と隣接していて商品3の会計(代金決済)を行う会計エリアE2とに区分されている。
商品販売エリアE1には、商品3を陳列する商品陳列棚6が設置され、商品陳列棚6に様々な商品3が置かれている。商品販売エリアE1に無線用送受信機5が置かれている。なお、無線用送受信機5は、商品販売エリアE1の中心に設置することが好ましい。
【0014】
商品販売エリアE1と会計エリアE2とは、小売店舗2内に設けられたゲート(仕切壁など)7により分けられており、会計エリアE2内では、商品3に取り付けた商品用無線通信機4a及び顧客用無線通信機4bと、無線用送受信機5との通信が途絶えるようにゲート7には電波シールドが設けられている。
なお、会計エリアE2に持ち込まれた商品用無線通信機4a及び顧客用無線通信機4bの電波が無線用送受信機5に届かないようにすれば、必ずしもゲート7に電波シールドを設けなくても良い。ゲート7には、商品販売エリアE1から会計エリアE2に入るための開閉扉8が設けられている。なお、会計エリアE2は複数の仕切壁7によって区画されていることが好ましい。
【0015】
図1に示すように、顧客Uが顧客用無線通信機4bを持って小売店舗2内に入り、商品販売エリアE1内で商品3を商品陳列棚6から取って、当該商品3を買い物籠に入れて買い物を行い、商品3の会計を行うときは、商品3及び顧客用無線通信機4bを持った顧客Uが商品販売エリアE1から会計エリアE2に移動する。
会計エリアE2では、商品3に取り付けた商品用無線通信機4aと無線用送受信機5との無線通信が途絶えると共に、顧客用無線通信機4bと無線用送受信機5との無線通信が途絶えることになる。
【0016】
このように、無線通信が途絶えたことをもって、買い物籠に入れた商品3を検知することができるようになっている。
即ち、商品3を持った顧客Uが商品販売エリアE1に居て商品用無線通信機4a及び顧客用無線通信機4bと無線用送受信機5との無線通信(データのやりとり)が行える状態では、会計が済んでいない状態であり、一方、商品3を持った顧客Uが商品販売エリアE1から外に出て会計エリアE2に入ると、商品用無線通信機4a及び顧客用無線通信機4bと無線用送受信機5との無線通信が途絶え、商品3の会計を行うようになっている。
【0017】
なお、顧客Uが会計エリアE2に入ったとき、商品用無線通信機4aと無線用送受信機5との無線通信が途絶えるのと略同じ時刻に、顧客用無線通信機4bと無線送受信機5との無線通信が途絶えるため、このことにより、顧客Uと当該顧客Uが買い物した商品3とを紐付けすることができる。
以下、商品の決済システムについて詳しく説明する。商品の決済システム1の説明に合わせて商品の決済方法についても説明する。
【0018】
商品3の決済システム1は、商品用無線通信機4aと無線用送受信機5との他に商品3を管理する管理サーバ9と、顧客Uが支払いを行うための支払手段10とを備えている。
図2(a)に示すように、管理サーバ9には、商品3に関する情報(商品情報)が保存されている。
例えば、管理サーバ9には、商品3を特定するための固有情報(ID)、商品3の名称、商品3の価格、決済の有無等の決済関連情報が保存されている。なお、説明の便宜上、管理サーバ9に保存された商品3の商品情報は管理用固有情報とし、商品用無線通信機4aに保存された商品情報は送信用固有情報とする。
【0019】
商品販売エリアE1に設置された無線用送受信機5と、管理サーバ9とはネットワーク13を介してアクセス可能となっている。無線用送受信機5は、商品用無線通信機4aから送信された商品情報(例えば、固有情報)を受信すると、ネットワーク13を介して管理サーバ9に送信するようになっている。また、無線用送受信機5は、顧客用無線通信機4bと通信を行ったことを管理サーバ9に通知するようになっている。
【0020】
一方、管理サーバ9は、送信用固有情報を受信すると、送信用固有情報と当該管理サーバ9に保存されている管理用固有情報との突き合わせを行って、受信した送信用固有情報と同じ内容の管理用固有情報があると、当該送信用固有情報を有する商品3は商品販売エリアE1にあると判断する。そして、管理サーバ9は、商品販売エリアE1に商品3があると判断すると商品3の代金決済は行われていないとする。
【0021】
また、管理サーバ9内に保存された管理用固有情報と同じ送信用固有情報を受信しなかった場合、管理サーバ9は、当該送信用固有情報を有する商品3は商品販売エリアE1から出ていると判断する。そして、管理サーバ9は、商品販売エリアE1に商品3が無いと判断すると、商品3の代金決済の決定をする。
即ち、管理サーバ9は、商品用無線通信機4aと無線用送受信機5との無線通信が不能となった商品3に対し、代金決済を行う代金決済手段11を有している。
【0022】
支払手段10は、商品3の代金決済を顧客U側で実行するためのものであって、例えば、顧客Uが持っているクレジットカード等の番号を含むクレジット情報を読み込むと共に、顧客Uが携帯した顧客用無線通信機4aを特定するための固有情報を読み込む読込装置(リーダ)10で構成されている。
このリーダ10は会計エリアE2に設置されている。リーダ10によって読み込まれたクレジットカードの番号(クレジット情報)がネットワーク13を介して管理サーバ9に通知されるようになっている。なお、会計エリアE2が複数区切られている場合は、区切られた各エリア内にリーダ10を設置することが好ましい。
【0023】
なお、顧客用無線通信機4aには、当該顧客用無線通信機4aを特定するための2次元コード又は3次元コードが設けられていて、当該コードをリーダ10に読み込ませると共に、クレジット情報を読み込ませることによって、当該顧客用無線通信機4aとクレジット情報との紐付けが行われるようになっている。
ゆえに、商品3と、顧客U(顧客用無線通信機4a)と、顧客Uが所有するクレジット情報とが関連付けられることから、会計エリアE2にて商品3の代金決済を行うことが可能となる。
【0024】
次に、管理サーバ9(代金決済手段11)、商品用無線通信機4a、顧客用無線通信機4b、無線用送受信機5、リーダの詳しい動作について図3を用いて説明する。なお、説明の便宜上、商品用無線通信機4aからは商品3の固有情報を送信するものとし、送信用固有情報のうちの固有情報を送信用固有情報、管理商品情報のうちの固有情報を管理固有情報として説明する。
【0025】
図2(a)に示すように、管理サーバ9に商品販売エリアE1に置かれた商品3の固有情報を含む管理用固有情報が保存されていたとする。ここで、商品販売エリアE1にある全ての商品3に取り付けた商品用無線通信機4aと無線用送受信機5との無線通信を行う。即ち、略同時刻に商品販売エリアE1にある全ての商品(商品用無線通信機4a)と無線用送受信機5との無線通信を行う。
【0026】
その結果、図2(b)に示す送信用固有情報が無線用送受信機5を介して管理サーバ9に入力されたとする。なお、顧客用無線通信機4bと無線用送受信器5とも無線通信を頻繁に行う。
ここで、代金決済手段11は、図2(a)に示す管理サーバ9に保存された管理用固有情報と商品用無線通信機4aから送信された図2(b)に示す送信用固有情報とを比較する。
【0027】
そして、代金決済手段11は、管理用固有情報と送信用固有情報とを比較して、受信することができなかった送信用固有情報を抽出する。
代金決済手段11は、例えば、図2(a)に示す管理用固有情報と、図3(b)に示す送信用固有情報とを比較したときは、図2(c)に示すように、3つの送信用固有情報(「1A280008」,「1A280009」,「1A280010」)が管理サーバ9にて受信できなかったものであると抽出して、このように抽出された3つの送信用固有情報を有する商品3について代金決済を行うことを決定する。図2(c)において送信用固有情報が管理サーバ9にて受信できた場合を受信有「有」とし、受信できなかった場合を受信無「無」として表示している。
【0028】
言い換えれば、代金決済手段11は、顧客Uが商品販売エリアE1にある商品3を買い物籠に入れて所定時間後に商品販売エリアE1から会計エリアE2に運び出して、当該商品3が商品販売エリアE1から無くなる[商品の有無、「無」]と、商品販売エリアE1から無くなった当該商品3(運び出された商品3)に対して代金決済の決定を行う。なお、代金決済手段11は、商品販売エリアE1から無くならない場合[商品の有無、「有」]の場合は、商品3の代金決済を行わない。
【0029】
つまり、代金決済手段11は、管理用固有情報と送信用固有情報とを比較して無線通信が不能となった商品用無線通信機4aが取り付けられた商品3を抽出することにより、抽出された商品3が代金決済をするものと決定する。
なお、上述したように、顧客Uは顧客用無線通信機4bを持って商品用無線通信機4aを有する商品とを一緒に会計エリアE2に入ることから、商品用無線通信機4による無線通信が途切れたタイミングと、顧客用無線通信機4bの無線通信が途切れたタイミングとが略同じとなるため、会計エリアE2に入った商品3と顧客Uとの紐付けは容易にすることができる。つまり、図2(c)に示した3つの商品3は、同一の顧客Uが買ったとみなすことができる。
【0030】
代金決済手段11によって商品3の代金決済が決定すると、管理サーバ9に保存された商品情報のうち、代金決済となった商品3に対応する代金決済の有無が書き換えられる(代金決済未「×」から代金決済完了「○」)。これによって、どの商品3が代金決済を行ったか否かが分かるようになっている。
代金決済手段11は、商品3の代金決済が決定すると、顧客Uと代金を決済する商品3との関連付けを行う。即ち、顧客Uが会計エリアE2にてクレジットカードの番号を含むクレジット情報をリーダ10に読み込ませると、当該クレジット情報はネットワーク13を介して管理サーバ9(代金決済手段11)に入力される。代金決済手段11は、リーダ10から送られてきたクレジット情報と代金決済を決定した商品3との関連付けを行った後、クレジット会社等に商品3に対する代金の請求を行うことにより、商品3に対してクレジット決済を行う。クレジット決済が行われるとクレジット会社を介して顧客Uに代金が請求されることとなる。
【0031】
例えば、図2(c)に示すように、3つの商品3について顧客Uが会計エリアE2にて会計を済ませたとすると、代金決済手段11は、図3に示すように、代金決済を決定した3つの商品3と顧客Uが所有するクレジット情報(クレジット番号)との関連づけを行う。
図4は、商品の決済システムにおいて商品の納入から商品の代金決済までの流れをまとめたものである。
【0032】
図4に示すように、商品3を小売店舗2に納入すると共に(S1)、商品3の商品情報を管理サーバ9に保存する(S2)。
商品3が商品販売エリアE1に置かれると、定期的(例えば、数秒単位、数分単位)に商品3に取り付けた商品用無線通信機4aと無線用送受信機5との無線通信を繰り返し行う(S3)。さらに、顧客用無線通信機4bと無線用送受信機5との無線通信も繰り返し行う(S4)
商品用無線通信機4aと無線用送受信機5との無線通信が繰り返し行われる毎に無線用送受信機5は、少なくとも商品3の送信用固有情報を管理サーバ9に送信する(S5)。加えて、顧客用無線通信機4bと無線用送受信器5との無線通信を行ったことを管理サーバ9に通知する(S6)。
【0033】
一方、顧客Uが買い物籠に入れた商品3の会計を行うときには、商品販売エリアE1から会計エリアE2に移動して会計エリアE2に入ると、管理サーバ9(代金決済手段11)は、無線用送受信機5(商品用無線通信機4a)から送信された送信用固有情報に基づいて商品3の代金決済の決定、即ち、決済を行う商品を決定する(S7)。
ここで、顧客用無線通信機4bと無線用送受信器5との無線通信も同時に途切れることから、決済を行う商品と顧客用無線通信機4b(顧客U)との紐付けが行われる(S8)。
【0034】
会計エリアE2に入った顧客Uは、クレジットカードをリーダ10に通すと共に、顧客用無線通信機4bの固有情報をリーダ10に読み込ませ、これにより、クレジットカードのクレジット情報と、商品3との紐付けを行う(S9)。
管理サーバ9(代金決済手段11)は、クレジット情報を用いて代金決済をを行う(S10)。即ち、代金決済手段11は、クレジット会社等に商品の代金を請求する。
【0035】
以上、商品3の決済システム1は、小売店舗2内に設けられた商品3を顧客Uが買う際に当該商品3の代金決済を行う商品3の決済システム1であって、商品3に商品用無線通信機4aが取り付けられ、商品用無線通信機4aと無線通信を行う無線用送受信機5が設けられており、商品用無線通信機4aと無線用送受信機5との無線通信が不能となった商品3に対し、代金決済を行う代金決済手段11を有する管理サーバ9を備えている。
【0036】
これによれば、商品販売エリアE1から商品3が無くなったことを商品用無線通信機4aと無線用送受信機5との無線通信によって検知するだけで、商品3に対する代金決済を行うことができ、商品3の決済を非常に簡単に行うことができる。
図5は、商品の決済システムにおいて商品の納入から商品の代金決済までをまとめたものである。なお、図4と異なる部分のみ説明する。他の部分は図4に示した内容と同じである。
【0037】
図5に示すように、上述した説明では、商品3が発注された際に、商品情報を入力するとしているが、この変形例では、商品3が商品販売エリアE1に置かれたときに、商品情報を取得することとしている。
具体的には、商品3が商品販売エリアE1に置かれると(S1)、商品用無線通信機4aと無線用送受信機5との無線通信が行われ(S11)、まず、商品用無線通信機4aから商品情報(固有情報、商品3の名称、商品3の価格等)を無線用送受信機5が取得して、当該無線用送受信機5は、取得した商品情報を管理サーバ9に送信する(S12)。
【0038】
管理サーバ9は、無線用送受信機5から送信された送信用商品情報を管理用商品情報として保存する(S13)。管理サーバ9が管理用商品情報を保存した後は、定期的に商品3に取り付けた商品用無線通信機4aと無線用送受信機5との無線通信を繰り返し行い(S3)、上述したようにS4〜S10と同様な処理を行う。
図5の変形例では、送信用商品情報を無線通信により取得していたため、商品情報を管理サーバ9に入力する一部の作業を省略することができる。
【0039】
[第2実施形態]
第1実施形態では、顧客Uが顧客用無線通信機4bを持って商品3の買い物を行っていたが、これに代え、図6及び図7に示す第2実施形態は、顧客Uが顧客用無線通信機4bを持たなくても商品3と顧客Uとを紐付けすることができる商品の決済システムを示したものである。
【0040】
図6に示すように、小売店舗2内には、第1実施形態と同じように商品販売エリアE1と会計エリアE2とが存在しているが、会計エリアE2には1つの決済手段10が設けられている。即ち、図6では、会計エリアE2は、第1実施形態と異なり、ゲート7によって複数区切られてはおらず、会計を行う場所は、1つの小売店舗2内に1箇所である。
そのため、顧客Uが商品3の会計をする場合は、ゲート7に設けられた開閉扉8に並び、一人ずつ会計エリアE2にて商品3の会計をすることになる。
【0041】
顧客Uが商品3を持って商品販売エリアE1から会計エリアE2に入ることにより、商品用無線通信機4aと無線用送受信器5との無線通信は途切れることになるが、一人ずつ会計エリアE2にて商品3の会計をするものであるため、商品3と顧客Uとの紐付けをしなくても無線通信が途切れた商品3は会計エリアE2に入った一人の顧客Uが購入する商品であることが管理サーバ9側で把握することができる。
【0042】
図7は、第2実施形態の商品の決済システムにおいて商品の納入から商品の代金決済までの流れをまとめたものである。
図7に示すように、商品3を小売店舗2に納入すると共に(S20)、商品3の商品情報を管理サーバ9に保存する(S21)。
商品3が商品販売エリアE1に置かれると、定期的(例えば、数秒単位、数分単位)に商品3に取り付けた商品用無線通信機4aと無線用送受信機5との無線通信を繰り返し行う(S22)。
【0043】
商品用無線通信機4aと無線用送受信機5との無線通信が繰り返し行われる毎に無線用送受信機5は、少なくとも商品3の送信用固有情報を管理サーバ9に送信する(S23)。
一方、顧客Uが買い物籠に入れた商品3の会計を行うときには、商品販売エリアE1から会計エリアE2に移動して会計エリアE2に入ると、管理サーバ9(代金決済手段11)は、無線用送受信機5(商品用無線通信機4a)から送信された送信用固有情報に基づいて商品3の代金決済の決定、即ち、決済を行う商品を決定する(S24)。
【0044】
会計エリアE2に入った顧客Uは、クレジットカードをリーダ10に通し、これにより、クレジットカードのクレジット情報と、商品3との紐付けを行う(S25)。
管理サーバ9(代金決済手段11)は、無線用送受信機5(商品用無線通信機4a)から送信された送信用固有情報に基づいて商品3の代金決済の決定を行うと共に、クレジット情報を用いて代金決済をを行う(S26)。即ち、代金決済手段11は、クレジット会社等に商品の代金を請求する。
【0045】
以上のように、第2実施形態では、代金決済手段11は、無線用送受信器5を介して管理サーバ9に入力された商品用固有情報と管理サーバ9に保存された管理用固有情報との突き合わせにより代金決済を行う商品3を決定するが、代金決済手段11は、代金決済を決定した商品3は顧客Uが買い物したものとし、顧客Uがクレジット決済を行うとにより、商品3の代金決済を行うことができる。
【0046】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上述した実施形態では、支払手段10としてクレジットカードの例を示しているが、商品3の代金を支払うために顧客Uと商品3とを結び付けるものであればなんでもよく、例えば、電子マネーのカードであってもよい。電子マネーの場合は、会計エリアE2にあるリーダに電子マネーのカードを読み込ませることによって商品3の代金決済を行うことができる。
【0047】
上述した実施形態では、商品用無線通信機4aから商品の固有情報を管理サーバ9に送信していたが、商品を特定することができれば固有情報だけでなく、価格、商品名などを送信してもよいし、それ以外の商品情報を送信してもよい。
また、複数の小売店舗での商品を管理サーバ9で管理する場合には、予め小売店舗を特定できる店舗情報と商品とを関連付けて管理サーバ9に保存しておくと共に、無線用送受信5から商品情報を管理サーバ9に送信する場合に店舗情報を送信することによって小売店舗及び商品を特定するようにすることが好ましい。
【0048】
上記の実施形態では、無線通信機4(4a,4b)は、自ら電波を発信するアクティブ型の無線機であったが、自ら電波を発信せず無線用送受信機5からの電波によって情報を送信するパッシブ型の無線機であってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 決済システム
2 小売店舗
3 商品
4 無線通信機
5 無線用送受信機
6 商品陳列棚
7 ゲート
8 開閉扉
9 管理サーバ
10 支払手段
11 代金決済手段
E1 商品販売エリア
E2 会計エリア
U 顧客

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小売店舗内に設けられた商品を顧客が購買する際に当該商品の代金決済を行う商品の決済システムであって、
前記商品に無線通信機が取り付けられ、前記無線通信機と無線通信を行う無線用送受信機が前記小売店舗内に設けられており、
前記無線通信機と前記無線用送受信機との無線通信が不能となった商品に対し、前記代金決済を行う代金決済手段を有する管理サーバを備える商品の決済システム。
【請求項2】
前記無線通信機には商品に関する商品情報が保存されていると共に、当該固有情報をネットワークを介して前記管理サーバに送信するように構成され、管理サーバにも商品の商品情報が保存されており、
前記代金決済手段は、前記管理サーバに保存された商品情報と前記無線通信機から送信された商品の商品情報とを比較することによって無線通信が不能となった無線通信機が取り付けられた商品を抽出し、抽出した商品が代金決済を行うものとすることを特徴とする請求項1に記載の商品の決済システム。
【請求項3】
小売店舗内に設けられた商品を顧客が購買する際に当該商品の代金決済を行う商品の決済方法であって、
前記商品に無線通信を行うことができる無線通信機を取り付け、前記無線通信機と無線通信を行う無線用送受信機を前記小売店舗内に設けておき、前記商品に取り付けた無線通信機と前記無線用送受信機との間の無線通信が不能となったときに、商品の代金決済を行う商品の決済方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−78909(P2012−78909A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221094(P2010−221094)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】