説明

商品監視システム

電子式商品監視(EAS)システムであって、前記システムは、互いに独立しておよび自立して動作するとともに台座システム内に物理的に配された複数の独立した監視システムの組み合わせを含み、該監視システムの組み合わせは、 磁気EASタグ(アルミホイルを敷いたバックと他のファラデーシールドに影響されない)と磁気分離器を検知する第1のEASシステム、ファラデーシールドを検知する第2のEASシステム、音響−磁気EASタグを検知する第3のEASシステム、および、抗EAS妨害アラーム機構を少なくとも含む。本発明のEASシステムはさらに、保安領域に出入りする個人の数をカウントするカウンターを含み、アラームが本物かどうかを認証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
【0002】
この出願は、2009年6月15日に出願された、現在係属中の米国仮特許出願番号第61/186,985号の優先権の利益を主張するもので、その全開示は本明細書で引用することによって明示的に組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
(発明の分野)
この発明は、商品監視システムに関し、具体的には、複合の商品監視および検出システムを組み合わせた電子式商品監視(EAS)システムに関する。
【0004】
(関連技術の記載)
一般的に、異なる物理原理と技術原理に基づいて動作する複数のタイプのEASシステムが存在し、これらの各々は様々な利点や欠点を提供する。既知の個々のEASシステムの非限定的な排他的ではないリストの例は、電磁気EASシステム、無線周波数(RF)EASシステム、および、音響−磁気EASシステムを含む。遺憾なことであるが、最も事情に通じた万引き犯は、各々のシステムの欠点を熟知しており、全体的な監視能力の裏をかいて突破すべく、各々のシステムの弱点を悪用している。例えば、ほとんどのシステムは、アルミホイルを敷いたバックのなかに、EASタグが取り付けられた商品を入れることで回避可能であり、(またブースターバッグとしても知られている)バッグは、EASシステムのアンテナシステムからEASタグを分離するためにファラデーシールド(Faraday shield)またはケージとしての機能を果たし、EASタグを役に立たなくする。EASシステムを回避する他の周知の方法は、EASシステム送信器から送信信号を妨害する工程を含む。
【0005】
従って、技術の現在の状況と、例として先に列挙した現在の個々のEASシステムの短所を考慮すると、多数の個々の電子式商品監視システムを含むとともに組み合わせて、別々に実行された場合の各々の個々のシステムの弱点を克服する堅牢な監視システムをもたらし、全体的な監視能力を相乗的に改善するEASシステムへのニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の随意の例示的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、前記システムは、台座システム(pedestal system)内に物理的に配された複数の独立した監視システムの組み合わせを含み、該監視システムの組み合わせは、磁気EASタグと磁気分離器(magnetic detachers)を含む磁性材料を検知する磁気EASシステムとして構成された第1のEASシステム、ファラデーシールドを検知する抗ファラデーシールドEASシステムとして構成された第2のEASシステム、音響−磁気EASタグを検知する音響−磁気EASとして構成された第3のEASシステム、および、妨害対抗検出システムを含む。
【0007】
本発明の別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、台座システムは、複数の台座からなり、それぞれ第1、第2、第3のEASシステムの少なくとも1つの送受信機アンテナの少なくとも1つを収容する複数の台座の第1の台座、および、それぞれ第1、第2、第3のEASシステムの少なくとも別の送受信機アンテナの少なくとも1つを収容する複数の台座の第2の台座を含む。
【0008】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、台座システムは、少なくとも1つのトランシーバ台座からなる。
【0009】
本発明のさらに別の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、磁気EASシステムは複数の電磁システムを含む。
【0010】
本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、複数の電磁システムが複数の磁気センサーを含む。
【0011】
また、本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、複数の磁気センサーは、高透磁率の強磁性材料を有するコアと、コアに巻かれた伝導体からなる。
【0012】
また、本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、複数の磁気センサーの第1の磁気センサーは、第1の電磁システムを形成するために、複数の磁気センサーの第2の磁気センサーにつながれ、複数の磁気センサーの第3の磁気センサーは、第2の電磁システムを形成するために、複数の磁気センサーの第4の磁気センサーにつながれ、第1と第2の電磁システムは独立して機能する。
【0013】
本発明の別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、第1の磁気センサーは第1の信号を生成し、第2の磁気センサーは、第1の信号とは等しいが、EAS磁気タグおよび分離器のうちの1つが第1と第2の磁気センサーの両方からほぼ等しく離間して検知される際の誤ったアラームの抑止および防止については第1の信号とは正反対(opposite)の第2の信号を生成し、第3の磁気センサーは第3の信号を生成し、第4の磁気センサーは、第3の信号とは等しいが、EAS磁気タグおよび分離器のうちの1つが第3と第4の磁気センサーの両方からほぼ等しく離間して検知される際の誤ったアラームの抑止および防止については第3の信号とは正反対の第4の信号を生成し、第1の電磁システムは第1の監視ゾーンを生成し、第2の電磁システムは、第1の監視ゾーンとは異なる第2の監視ゾーンを生成し、第1の監視ゾーンと第2の監視ゾーンの領域は、EASシステムの完全な監視ゾーンを十分にカバーするように重なる。
【0014】
ここで、本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、ワイヤーはコアの長手方向の軸の長さ全体に沿ってコアに巻かれる。
【0015】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、抗ファラデーシールドEASシステムは、第1のインダクタコイルを有する第1の抗ファラデーシールドEASシステム、第2のインダクタコイルを有する第2の抗ファラデーシールドEASシステムからなり、第1の抗ファラデーシールドEASシステムは、第2の抗ファラデーシールドEASシステムにつなげられる。
【0016】
本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、第1のインダクタコイルは、第1の幅、第1の軸長さ、および、第1の軸中心を備えた第1の空芯を有し、第1のインダクタコイルは、第1の空芯の第1の長手軸全体に沿って第1の空芯に巻かれ、第2のインダクタコイルは、第2の幅、第2の軸長さ、および、第2の軸中心を備えた第2の空芯を有し、第2のインダクタコイルは、第2の空芯の第2の長手軸全体に沿って第2の空芯に巻かれ、第1の空芯は第2の空芯上に配され、第1の軸中心は第2の軸中心に並行に並べられる。
【0017】
本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、音響−磁気EASシステムの第1の巻線の第1の直線部分は、第1の軸中心を通り、音響−磁気EASシステムの第2の巻線の第2の直線部分は第2の軸中心を通る。
【0018】
本発明のさらに随意の代表的な態様は電子式商品監視(EAS)システムを提供し、音響−磁気EASシステムは、第1の上部コイルと第2の下部コイルを含み、第1の上部コイルの底部は第2の下部コイルの上方部分に重なり、第1の上部コイルと第2の下部コイルの角部は、ほぼ長方形の曲がった角部を有する。
【0019】
本発明の別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、磁気EASシステムは、入力アンテナ信号を増幅し、増幅した信号を出力するための、第1の増幅利得を備えた第1の増幅器、増幅した信号のノイズのフィルタ処理と、フィルタ処理された信号の生成のための低域フィルタ、オカレンス(occurrence)とノイズを区別するためにフィルタ処理した信号の変化速度を測定するための、および、変化速度が速い場合に差動信号を生成するための差動増幅器、差動信号を増幅し、第2の増幅した信号を出力するための、第2の増幅利得を備えた第2の増幅器、第2の増幅した信号を処理するための、および、感度閾値に基づいてアラームが生成されるかどうかを決定するマイクロプロセッサを含む。
【0020】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、差動増幅器は、第1の時間τを生成する第1のタイマーと、τ>>τであるτを生成する第2のタイマーとからなる作動入力段階をふくみ、第1のタイマーはRC回路の第1のセットからなり、第2のタイマーは、RCタイマーの第2のセットからなる。
【0021】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、マイクロコンピュータはA/D変換器を用いて、第2の増幅した信号を、アナログからデジタル化入力信号に変換し、デジタル化入力信号はサンプリングされ、読まれ、サンプリングされた平均として記憶され、および、設定時間T内にサンプリングされた平均の平均値で増加している傾向があるかどうかを測定し、もし、増加している傾向があり、サンプリングされた平均が感度閾値よりも大きい場合、マイクロコンピュータがアラームを生成する。
【0022】
本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、抗ファラデーシールドEASシステムは、以下のものからなる抗ファラデーシールドEAS信号処理回路を含み、抗ファラデーシールドEAS信号処理回路は、周波数選択器によって設定された所定の周波数で搬送波信号を生成するための信号生成器、生成された搬送波信号を増幅し、信号の送信用のアンテナに増幅した信号を出力するための、第1の増幅利得を備えた第1の増幅器、送信アンテナから送信された信号を受信するための受信機アンテナ、受信信号を増幅し、第2の増幅した信号を出力するための、第2の増幅利得を備えた第2の増幅器、第2の増幅した信号のノイズのフィルタ処理、および、フィルタ処理された信号の生成のための低域フィルタ、復調された信号を生成するために、フィルタ処理された信号を復調するための振幅復調器、オカレンスとノイズを区別するために復調された信号の変化速度を測定するための、および、変化速度が速い場合に差動信号を生成するための差動増幅器、差動信号を増幅し、第3の増幅した信号を出力するための、第3の増幅利得を備えた第3の増幅器、第3の増幅した信号を処理するための、および、感度閾値に基づいて、アラームが生成されるかどうかを決定するマイクロプロセッサからなる。
【0023】
本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、マイクロコンピュータはA/D変換器を用いて、第3の増幅した信号をアナログからデジタル化入力信号に変換し、デジタル化入力信号は読まれ、サンプリングされ、サンプリングされた平均として記憶され、マイクロプロセッサは、アラームが生成されるかどうかを決定するために、受け取った記憶されたサンプル平均を予め決められたシグネチャ信号と比較する。
【0024】
本発明の別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、音響−磁気EASシステムは、第1のコイルと第2のコイルを含むアンテナ、EASタグの監視ゾーンを定義する、第1の動作モードでのそれぞれの第1の信号と第2の信号の生成と送信のために、第1と第2のコイルにつながれたトランシーバモジュールを含み、第1と第2の信号は、正常動作中に維持されるそれぞれの第1と第2の信号位相特性を有し、それぞれの信号位相にはほとんど変化なく、第2の動作モードのトランシーバモジュールは、第1と第2のコイルからの監視ゾーンから信号を受信し、音響−磁気EASシステムはさらに、トランシーバモジュールからの受信信号を処理し、予め決められた条件に基づいてアラームを生成するためのマイクロプロセッサを含む。
【0025】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、第1のコイルと第2のコイルは部分的に重なり、共通の面内に位置付けられる。
【0026】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、生成された第1と第2の信号は、ほぼ同相のみのそれぞれ第1と第2の磁場である。
【0027】
本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、生成された第1と第2の信号は、ほぼ異相のみのそれぞれ第1と第2の磁場である。
【0028】
本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、生成された第1と第2の信号は、位相特性を備えたそれぞれ第1と第2の磁場であり、該位相特性は正常動作中に維持されるとともに、ほぼ同相の特性とほぼ異相の特性のみの1つを有し、動作中にはほとんど何の信号位相変化も起こさない。
【0029】
本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、トランシーバモジュールは、アンテナの第1と第2のコイルにつながれたトランシーバ回路からなる。
【0030】
本発明の別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、該システムは、台座システム内に物理的に配された複数の独立した監視システムを含み、該複数の独立した監視システムは、第1のEASシステムと、第1のEASシステムから独立し、かつ、自律した第2のEASシステムとを含む。
【0031】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、第1のEASシステムは第1の周波数で動作し、第2のEASシステムは、第1の周波数とは異なる第2の周波数で機能する。
【0032】
本発明の別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、第1のEASシステムは、磁石、磁性物体、磁気EASタグ、および、磁気分離器を含む磁性材料の検出のための磁気EASシステムと、ファラデーシールドの検出のために、磁気EASシステムから独立し、かつ、自律して機能する抗ファラデーシールドEASシステムからなる。
【0033】
本発明の別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、第2のEASシステムは音響−磁気EASシステムからなり、該音響−磁気EASシステムは、複数のアンテナ、EASタグの監視ゾーンを定義する信号の生成と送信のために、および、監視ゾーンから信号を受信するために、多くのアンテナにつながれた制御装置を含み、受信信号は、正常動作中に維持されるとともに、それぞれの信号位相にはほとんど変化を起こさない信号位相特性を有し、制御装置は監視ゾーンからの受信信号を処理し、予め決められた条件に基づいてアラームを生成し、監視ゾーンを定義する信号の生成と送信に影響を与えない。
【0034】
本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、複数のアンテナのアンテナは第1のコイルと第2のコイルからなる。
【0035】
本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、第1のコイルと第2のコイルは部分的に重なり、共通の面内に位置付けられる。
【0036】
本発明の別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、
送信された信号はほぼ同相のみの磁場である。
【0037】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、送信された信号はほぼ異相のみの磁場である。
【0038】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、送信された信号は位相特性を備えた磁場であり、該位相特性は正常動作中に維持されるとともに、ほぼ同相の特性とほぼ異相の特性のみの1つを有し、動作中にはほとんど何の信号位相変化も起こさない。
【0039】
本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、制御装置は、複数のアンテナにつながれたトランシーバ回路からなるトランシーバモジュールを含む。
【0040】
本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、複数のアンテナは複数のトランシーバアンテナであり、複数のトランシーバアンテナのトランシーバアンテナは第1のコイルと第2のコイルからなる。
【0041】
本発明のさらに随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、複数のアンテナは、複数の送信器アンテナと複数の受信機アンテナからなり、複数の送信器アンテナと受信機アンテナのアンテナは、第1のコイルと第2のコイルからなる。
【0042】
本発明の別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、受信信号は、複数の受信機アンテナからマルチプレクサによって取得(fetch)され、受信機アンテナからの受信信号は制御装置のマイクロプロセッサによって個々に処理される。
【0043】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は音響−磁気EASシステムを提供し、該音響−磁気EASシステムは、アンテナ、EASタグのための監視ゾーンを定義する信号の生成および送信のために、および、監視ゾーンから信号を受信するために、アンテナにつながれた制御装置を含み、送信された信号は信号位相特性を有し、該信号位相特性は正常動作中に維持されるともに、それぞれの信号位相にはほとんど何の変化も起こさず、制御装置は監視ゾーンからの受信信号を処理し、予め決められた条件に基づいてアラームを生成し、監視ゾーンを定義する信号の生成と送信に影響を与えない。
【0044】
本発明のさらなる別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、アンテナは単一コイルからなる。
【0045】
本発明のさらなる随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、送信信号は、ほぼ一定の位相を備えた磁場である。
【0046】
本発明のさらなる随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、制御装置は、アンテナにつながれたトランシーバ回路からなるトランシーバモジュールを含む。
【0047】
本発明のさらなる随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、アンテナは、複数のトランシーバアンテナであり、複数のトランシーバアンテナのトランシーバアンテナは、コイルからなる。
【0048】
本発明の別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、複数のアンテナは、複数の送信機アンテナと複数の受信機アンテナからなり、複数の送信機アンテナおよび複数の受信機アンテナは、コイルからなる。
【0049】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、受信信号は、マルチプレクサによって複数の受信機アンテナから取得され、受信機アンテナからの受信信号は、制御装置のマイクロプロセッサによって個々に処理される。
【0050】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、第1のEASシステムは、磁性物体を含む磁性材料および磁気EASタグの検出用の磁気EASシステムからなり、および第2のEASシステムは、ファラデーシールドの検出用の磁気EASシステムから独立し、かつ自律して機能する、抗ファラデーシールドEASシステムからなる。
【0051】
本発明のさらなる随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、磁気EASシステムは、複数の電磁システムを含む。
【0052】
本発明のさらなる随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、複数の電磁システムは、複数の磁気センサーを含む。
【0053】
本発明のさらなる随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、複数の磁気センサーは、高透磁率の強磁性体を有するコアと、およびコアに巻かれた伝導体からなる。
【0054】
本発明の別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、複数の磁気センサーの第1の磁気センサーは、第1の電磁システムを形成するめに、複数の磁気センサーの第2の磁気センサーにつながれ、複数の磁気センサーの第3の磁気センサーは、第2の電磁システムを形成するために、複数の磁気センサーの第4の磁気センサーにつながれ、第1と第2の電磁システムは独立して機能する。
【0055】
ここで、本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、第1の磁気センサーは、第1の信号を生成し、第2の磁気センサーは、第1の信号と等しいが、EAS磁気タグおよび分離器のうちの1つが第1と第2の磁気センサーの両方からほぼ等しく離間して検知される際の誤ったアラームの抑止および防止については、第1の信号とは正反対の、第2の信号を生成し、第3の磁気センサーは、第3の信号を生成し、第4の磁気センサーは、第3の信号と等しいが、EAS磁気タグおよび分離器のうちの1つが第3と第4の磁気センサーの両方からほぼ等しく離間して検知される際の誤ったアラームの抑止および防止については、第3の信号とは正反対の、第4の信号を生成し、第1の電磁システムは、第1の監視ゾーンを生成し、第2の電磁システムは、第1の監視ゾーンとは異なる第2の監視ゾーンを生成し、第1の監視ゾーンと第2の監視ゾーンの領域は、EASシステムの完全な監視ゾーンを十分にカバーするように重なる。
【0056】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、ワイヤーはコアの長手方向の軸の長さ全体に沿ってコアに巻かれる。
【0057】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、抗ファラデーシールドEASシステムは、第1のインダクタコイルを有する第1の抗ファラデーシールドEASシステム、第2のインダクタコイルを有する第2の抗ファラデーシールドEASシステムからなり、第1の抗ファラデーシールドEASシステムは、第2の抗ファラデーシールドEASシステムにつなげられる。
【0058】
本発明のさらなる随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、第1のインダクタコイルは、第1の幅、第1の軸長さ、および第1の軸中心を備えた第1の空芯を有し、第1のインダクタコイルは、第1の空芯の第1の長手軸全体に沿って第1の空芯に巻かれ、第2のインダクタコイルは、第2の幅、第2の軸長さ、および、第2の軸中心を備えた第2の空芯を有し、第2のインダクタコイルは、第2の空芯の第2の長手軸全体に沿って第2の空芯に巻かれ、第1の空芯は第2の空芯上に配され、第1の軸中心は第2の軸中心に平行に並べられる。
【0059】
本発明の別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、抗ファラデーシールドEASシステムは、単一のインダクタコイルからなる。
【0060】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、インダクタコイルは、幅、軸長さおよび軸中心を備えた空心を有し、インダクタコイルは、第1の空芯の長手方向の軸長さ全体に沿って空心に巻かれる。
【0061】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、第1のEASシステムは、磁性物体を含む磁性材料および磁気EASタグの検出用の磁気EASシステムおよびファラデーシールドを検出する抗ファラデーシールドEASシステムの1つのみからなり、第2のEASシステムは、音響−磁気EASタグを検知する1以上の音響−磁気EASシステムからなる。
【0062】
本発明のさらなる随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、音響−磁気EASシステムは、単一コイルからなるアンテナ、アンテナEASタグのための監視ゾーンを定義する信号を生成し送信するための、および監視ゾーンからの信号を受信するための、アンテナにつながれた制御装置を含み、送信信号は、正常動作の間維持され、その信号位相にほとんど変化が起こらず、信号位相特性を有し、および該制御装置は、監視ゾーンからの受信信号を処理し、予め決められた条件に基づいたアラームを生成し、監視ゾーンを定義する信号の生成および送信に影響を及ぼさない。
【0063】
本発明の別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、音響−磁気EASシステムは、第1のコイルおよび第2のコイルを含むアンテナと、第1の動作モードでそれぞれの第1信号および第2信号を生成し、送信するための第1のコイルおよび第2のコイルにつながれ、EASタグのための、監視ゾーンを定義するトランシーバモジュールとを含み、第1の信号および第2の信号は、正常動作の間に維持される、それぞれ、第1の信号位相特性および第2の信号位相特性を有し、それぞれの信号位相にほとんど変化が起こらず、第2の動作モードのトランシーバモジュールは、第1のコイルと第2のコイルからの監視ゾーンから信号を受信し、音響−磁気EASシステムはさらに、トランシーバモジュールからの受信信号を処理し、予め決められた条件に基づいてアラームを生成するためのマイクロプロセッサを含む。
【0064】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、第2のEASシステムは、音響−磁気EASシステムからなり、該音響−磁気EASシステムは、1以上の送信機アンテナループ並びに第1の受信機アンテナループおよび第2の受信機アンテナループからなる複数のアンテナを含み、第1の受信機アンテナループおよび第2の受信機アンテナループは、部分的に重なり合い、共通の面内に配置され、該音響−磁気EASシステムはさらに、EASタグのための監視ゾーンを定義する信号を生成し、送信するため、および監視ゾーンから第1の受信機信号および第2の受信機信号を受信するために、1以上の送信機アンテナループにつながれた制御装置を含み、送信信号は、正常動作の間維持される信号位相特性を有し、それぞれの信号位相にほとんど変化が起こらず、および制御装置は、監視ゾーンからの第1と第2の受信機信号を処理し、予め決められた条件に基づいてアラームを生成し、かつ、監視ゾーンを定義する信号の生成と送信に影響を与えず、該制御装置は、それぞれ、第1と第2の受信機アンテナループからの第1と第2の受信信号を、第1と第2のデジタル信号に変換する、第1と第2のアナログデジタル(A/D)変換器を有するマイクロプロセッサと、2つの異なる予め定められた時間で2回、それぞれ、第1と第2のデジタル信号を同時にサンプリングする第1と第2のサンプラーと、第1および第2の受信機アンテナループからの第1と第2の両方のサンプリングされたデジタル信号を操作し、その結果得られた操作を、予め決められた基準と比較する演算機構とを含む。
【0065】
本発明のさらなる随意の代表的な態様は、さらに次のものを含む電子式商品監視(EAS)システムを提供し、保安区域に、および保安区域から移動する存在を数えるためのカウント機構を含む。
【0066】
本発明の別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、カウント機構は、1以上の赤外線ゲートからなる。
【0067】
本発明のさらに別の随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、カウント機構は、デジタルビデオレコーダーからなる。
【0068】
本発明のさらなる随意の代表的な態様は、電子式商品監視(EAS)システムを提供し、カウント機構は、本物のアラームの確認および誤ったアラームの判定に使用される。
【0069】
本発明のこのように述べられた利点は、ほんの例示であり、本発明の制限として解釈されるべきでない。本発明のこれらの特徴および他の特徴、態様および利点は、以下に続く図面および特許請求の範囲と共に、好ましい制限しない代表的な実施形態の以下の詳述から当業者に明白になる。
【0070】
図面は、代表的な例証のみの目的のために使用され、本発明の限定の定義としては使用されないことを理解されたい。開示の全体にわたって、単語「代表的な」は、「例として、実例または例証として役立つ」ことを意図することがもっぱら意味される。「代表的な」と評された任意の実施形態は、必ずしも、他の実施形態よりも好ましい、または有利なものとして解釈されない。
【0071】
図面に関して、同様の参照文字が、その全体にわたって対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1A−1】本発明に係るにEASシステムの代表的な実例である。
【図1A−2】本発明に係るEASシステムの別の実施形態の代表的な実例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子式商品監視(EAS)システムであって、
前記システムは、
台座システム内に物理的に配された複数の独立した監視システムの組み合わせを含み、
前記監視システムの組み合わせは、
磁気EASタグと磁気分離器を含む磁性材料を検知する磁気EASシステムとして構成された第1のEASシステム、
ファラデーシールドを検知する抗ファラデーシールドEASシステムとして構成された第2のEASシステム、
音響−磁気EASタグを検知する音響−磁気EASシステムとして構成された第3のEASシステム、および、
妨害対抗検出システムを含むことを特徴とするEASシステム。
【請求項2】
台座システムは、複数の台座からなり、
それぞれ第1、第2、第3のEASシステムの少なくとも1つの送受信機アンテナの少なくとも1つを収容する複数の台座の第1の台座、および、
それぞれ第1、第2、第3のEASシステムの少なくとも別の送受信機アンテナの少なくとも1つを収容する複数の台座の第2の台座を含むことを特徴とする請求項1に記載のEASシステム。
【請求項3】
台座システムは、少なくとも1つのトランシーバ台座からなることを特徴とする請求項1に記載のEASシステム。
【請求項4】
磁気EASシステムは複数の電磁システムを含むことを特徴とする請求項1に記載のEASシステム。
【請求項5】
複数の電磁システムが複数の磁気センサーを含むことを特徴とする請求項4に記載のEASシステム。
【請求項6】
複数の磁気センサーは、高透磁率の強磁性材料を有するコアと、コアに巻かれた伝導体からなることを特徴とする請求項5に記載のEASシステム。
【請求項7】
複数の磁気センサーの第1の磁気センサーは、第1の電磁システムを形成するために、複数の磁気センサーの第2の磁気センサーにつながれ、
複数の磁気センサーの第3の磁気センサーは、第2の電磁システムを形成するために、複数の磁気センサーの第4の磁気センサーにつながれ、
第1と第2の電磁システムは独立して機能することを特徴とする請求項6に記載のEASシステム。
【請求項8】
第1の磁気センサーは第1の信号を生成し、第2の磁気センサーは、第1の信号とは等しいが、EAS磁気タグおよび分離器のうちの1つが第1と第2の磁気センサーの両方からほぼ等しく離間して検知される際の誤ったアラームの抑止および防止については第1の信号とは正反対の第2の信号を生成し、
第3の磁気センサーは第3の信号を生成し、第4の磁気センサーは、第3の信号とは等しいが、EAS磁気タグおよび分離器のうちの1つが第3と第4の磁気センサーの両方からほぼ等しく離間して検知される際の誤ったアラームの抑止および防止については第3の信号とは正反対の第4の信号を生成し、
第1の電磁システムは第1の監視ゾーンを生成し、第2の電磁システムは、第1の監視ゾーンとは異なる第2の監視ゾーンを生成し、第1の監視ゾーンと第2の監視ゾーンの領域は、EASシステムの完全な監視ゾーンを十分にカバーするように重なることを特徴とする請求項7に記載のEASシステム。
【請求項9】
ワイヤーはコアの長手方向の軸の長さ全体に沿ってコアに巻かれることを特徴とする請求項8に記載のEASシステム。
【請求項10】
抗ファラデーシールドEASシステムは、
第1のインダクタコイルを有する第1の抗ファラデーシールドEASシステム、
第2のインダクタコイルを有する第2の抗ファラデーシールドEASシステムからなり、
第1の抗ファラデーシールドEASシステムは、第2の抗ファラデーシールドEASシステムにつなげられることを特徴とする請求項1に記載のEASシステム。
【請求項11】
第1のインダクタコイルは、第1の幅、第1の軸長さ、および、第1の軸中心を備えた第1の空芯を有し、第1のインダクタコイルは、第1の空芯の第1の長手軸全体に沿って第1の空芯に巻かれ、
第2のインダクタコイルは、第2の幅、第2の軸長さ、および、第2の軸中心を備えた第2の空芯を有し、第2のインダクタコイルは、第2の空芯の第2の長手軸全体に沿って第2の空芯に巻かれ、
第1の空芯は第2の空芯上に配され、第1の軸中心は第2の軸中心に並行に並べられることを特徴とする請求項10に記載のEASシステム。
【請求項12】
音響−磁気EASシステムの第1の巻線の第1の直線部分は第1の軸中心を通り、音響−磁気EASシステムの第2の巻線の第2の直線部分は第2の軸中心を通ることを特徴とする請求項11に記載のEASシステム。
【請求項13】
音響−磁気EASシステムは、第1の上部コイルと第2の下部コイルを含み、第1の上部コイルの底部は第2の下部コイルの上方部分に重なり、第1の上部コイルと第2の下部コイルの角部は、ほぼ長方形の曲がった角部を有することを特徴とする請求項1に記載のEASシステム。
【請求項14】
磁気EASシステムは、
入力アンテナ信号を増幅し、増幅した信号を出力するための、第1の増幅利得を備えた第1の増幅器、
増幅した信号のノイズのフィルタ処理と、フィルタ処理された信号の生成のための低域フィルタ、
オカレンスとノイズを区別するためにフィルタ処理した信号の変化速度を測定するための、および、変化速度が速い場合に差動信号を生成するための差動増幅器、
差動信号を増幅し、第2の増幅した信号を出力するための、第2の増幅利得を備えた第2の増幅器、
第2の増幅した信号を処理するための、および、感度閾値に基づいてアラームが生成されるかどうかを決定するマイクロプロセッサーを含むことを特徴とする請求項1に記載のEASシステム。
【請求項15】
差動増幅器は、第1の時間τを生成する第1のタイマーと、τ>>τであるτを生成する第2のタイマーとからなる作動入力段階をふくみ、
第1のタイマーはRC回路の第1のセットからなり、第2のタイマーは、RCタイマーの第2のセットからなることを特徴とする請求項14に記載のEASシステム。
【請求項16】
マイクロコンピュータはA/D変換器を用いて、第2の増幅した信号を、アナログからデジタル化入力信号に変換し、
デジタル化入力信号はサンプリングされ、読み取られ、サンプリングされた平均として記憶され、および、設定時間T内にサンプリングされた平均の平均値が増加している傾向にあるかどうかを決定し、もし、増加している傾向があり、サンプリングされた平均が感度閾値よりも大きい場合、マイクロコンピュータがアラームを生成することを特徴とする請求項14に記載のEASシステム。
【請求項17】
抗ファラデーシールドEASシステムは、以下のものからなる抗ファラデーシールドEAS信号処理回路を含み、
抗ファラデーシールドEAS信号処理回路は、
周波数選択器によって設定された所定の周波数で搬送波信号を生成するための信号生成器、
生成された搬送波信号を増幅し、信号の送信のためにアンテナに増幅した信号を出力するための、第1の増幅利得を備えた第1の増幅器、
送信アンテナから送信された信号を受信するための受信機アンテナ、
受信信号を増幅し、第2の増幅した信号を出力するための、第2の増幅利得を備えた第2の増幅器、
第2の増幅した信号のノイズのフィルタ処理、および、フィルタ処理された信号の生成のための低域フィルタ、
復調された信号を生成するために、フィルタ処理された信号を復調するための振幅復調器、
オカレンスとノイズを区別するために復調された信号の変化速度を測定するための、および、変化速度が速い場合に差動信号を生成するための差動増幅器、
差動信号を増幅し、第3の増幅した信号を出力するための、第3の増幅利得を備えた第3の増幅器、
第3の増幅した信号を処理するための、および、感度閾値に基づいて、アラームが生成されるかどうかを決定するマイクロプロセッサーからなることを特徴とする請求項1に記載のEASシステム。
【請求項18】
マイクロコンピュータはA/D変換器を用いて、第3の増幅した信号をアナログからデジタル化入力信号に変換し、
デジタル化入力信号は読み取られ、サンプリングされ、サンプリングされた平均として記憶され、
マイクロプロセッサーは、アラームが生成されるかどうかを決定するために、受け取った記憶されたサンプル平均を予め決められたシグネチャ信号と比較することを特徴とする請求項17に記載のEASシステム。
【請求項19】
音響−磁気EASシステムは、
第1のコイルと第2のコイルを含むアンテナ、
EASタグのための監視ゾーンを定義する、第1の動作モードでのそれぞれの第1の信号と第2の信号の生成と送信のために、第1と第2のコイルにつながれたトランシーバモジュールを含み、
第1と第2の信号は、正常動作中に維持されるそれぞれの第1と第2の信号位相特性を有し、それぞれの信号位相にはほとんど変化なく、
第2の動作モードのトランシーバモジュールは、第1と第2のコイルからの監視ゾーンから信号を受信し、
音響−磁気EASシステムはさらに、
トランシーバモジュールからの受信信号を処理し、予め決められた条件に基づいてアラームを生成するためのマイクロプロセッサーを含むことを特徴とする請求項1に記載のEASシステム。
【請求項20】
第1のコイルと第2のコイルは部分的に重なり、共通の面内に位置付けられることを特徴とする請求項19に記載のEASシステム。
【請求項21】
生成された第1と第2の信号は、ほぼ同相のみのそれぞれ第1と第2の磁場であることを特徴とする請求項20に記載のEASシステム。
【請求項22】
生成された第1と第2の信号は、ほぼ異相のみのそれぞれ第1と第2の磁場であることを特徴とする請求項20に記載のEASシステム。
【請求項23】
生成された第1と第2の信号は、正常動作中に維持されるとともにほぼ同相の特性とほぼ異相の特性のみの1つを有する、動作中にはほとんど何の信号位相変化も起こさない位相特性を備えたそれぞれ第1と第2の磁場であることを特徴とする請求項20に記載のEASシステム。
【請求項24】
トランシーバモジュールは、アンテナの第1と第2のコイルにつながれたトランシーバ回路からなることを特徴とする請求項20に記載のEASシステム。
【請求項25】
電子式商品監視(EAS)システムであって、
前記システムは、
台座システム内に物理的に配された複数の独立した監視システムを含み、
前記複数の独立した監視システムは、
第1のEASシステムと、
第1のEASシステムから独立し、かつ、自律した第2のEASシステムとを含むことを特徴とするシステム。
【請求項26】
第1のEASシステムは第1の周波数で動作し、
第2のEASシステムは、第1の周波数とは異なる第2の周波数で機能することを特徴とする請求項25に記載のEASシステム。
【請求項27】
第1のEASシステムは、
磁石、磁性物体、磁気EASタグ、および、磁気分離器を含む磁性材料の検出のための磁気EASシステムと、
ファラデーシールドの検出のために、磁気EASシステムから独立し、かつ、自律して機能する抗ファラデーシールドEASシステムとからなることを特徴とする請求項25に記載のEASシステム。
【請求項28】
第2のEASシステムは音響−磁気EASシステムからなり、
前記音響−磁気EASシステムは、
複数のアンテナ、
EASタグの監視ゾーンを定義する信号の生成と送信のために、および、監視ゾーンから信号を受信するために、多くのアンテナにつながれた制御装置を含み、
受信信号は、正常動作中に維持されるとともに、それぞれの信号位相にはほとんど変化を起こさない信号位相特性を有し、
制御装置は監視ゾーンからの受信信号を処理し、予め決められた条件に基づいてアラームを生成し、監視ゾーンを定義する信号の生成と送信に影響を与えないことを特徴とする請求項25に記載のEASシステム。
【請求項29】
複数のアンテナのアンテナは第1のコイルと第2のコイルからなることを特徴とする請求項28に記載のEASシステム。
【請求項30】
第1のコイルと第2のコイルは部分的に重なり、共通の面内に位置付けられることを特徴とする請求項29に記載のEASシステム。
【請求項31】
送信された信号はほぼ同相のみの磁場であることを特徴とする請求項29に記載のEASシステム。
【請求項32】
送信された信号はほぼ異相のみの磁場であることを特徴とする請求項29に記載のEASシステム。
【請求項33】
送信された信号は位相特性を備えた磁場であり、該位相特性は正常動作中に維持されるとともに、ほぼ同相の特性とほぼ異相の特性のみの1つを有し、動作中にはほとんど何の信号位相変化も起こさないことを特徴とする請求項29に記載のEASシステム。
【請求項34】
制御装置は、複数のアンテナにつながれたトランシーバ回路からなるトランシーバモジュールを含むことを特徴とする請求項29に記載のEASシステム。
【請求項35】
複数のアンテナは複数のトランシーバアンテナであり、複数のトランシーバアンテナのトランシーバアンテナは第1のコイルと第2のコイルからなることを特徴とする請求項34に記載のEASシステム。
【請求項36】
複数のアンテナは、複数の送信器アンテナと複数の受信機アンテナからなり、複数の送信器アンテナと受信機アンテナのアンテナは、第1のコイルと第2のコイルからなることを特徴とする請求項34に記載のEASシステム。
【請求項37】
受信信号は、複数の受信機アンテナからマルチプレクサーによって取得され、受信機アンテナからの受信信号は制御装置のマイクロプロセッサーによって個々に処理されることを特徴とする請求項36に記載のEASシステム。
【請求項38】
音響−磁気EASシステムは、
アンテナ、
EASタグのための監視ゾーンを定義する信号の生成および送信のために、および、監視ゾーンから信号を受信するために、アンテナにつながれた制御装置を含み、
送信された信号は、正常動作中に維持されるともにそれぞれの信号位相にはほとんど何の変化も起こらない信号位相特性を有し、および、
制御装置は監視ゾーンからの受信信号を処理し、予め決められた条件に基づいてアラームを生成し、監視ゾーンを定義する信号の生成と送信に影響を与えないことを特徴とする請求項26に記載のEASシステム。
【請求項39】
アンテナは単一コイルからなることを特徴とする請求項38に記載のEASシステム。
【請求項40】
送信信号は、ほぼ一定の位相を備えた磁場であることを特徴とする請求項38に記載のEASシステム。
【請求項41】
制御装置は、アンテナにつながれたトランシーバ回路からなるトランシーバモジュールを含むことを特徴とする請求項38に記載のEASシステム。
【請求項42】
アンテナは、複数のトランシーバアンテナであり、複数のトランシーバアンテナのトランシーバアンテナは、コイルからなることを特徴とする請求項41に記載のEASシステム。
【請求項43】
複数のアンテナは、複数の送信機アンテナと複数の受信機アンテナからなり、複数の送信機アンテナおよび複数の受信機アンテナは、コイルからなることを特徴とする請求項42に記載のEASシステム。
【請求項44】
受信信号は、マルチプレクサによって複数の受信機アンテナから取得され、受信機アンテナからの受信信号は、制御装置のマイクロプロセッサーによって個々に処理されることを特徴とする請求項42に記載のEASシステム。
【請求項45】
第1のEASシステムは、磁性物体を含む磁性材料および磁気EASタグの検出のための磁気EASシステムからなり、および、
第2のEASシステムは、ファラデーシールドの検出のための磁気EASシステムから独立し、かつ自律して機能する、抗ファラデーシールドEASシステムからなることを特徴とする請求項25に記載のEASシステム。
【請求項46】
磁気EASシステムは、複数の電磁システムを含むことを特徴とする請求項45に記載のEASシステム。
【請求項47】
複数の電磁システムは、複数の磁気センサーを含むことを特徴とする請求項46に記載のEASシステム。
【請求項48】
複数の磁気センサーは、高透磁率の強磁性体を有するコアと、コアに巻かれた伝導体からなることを特徴とする請求項47に記載のEASシステム。
【請求項49】
複数の磁気センサーの第1の磁気センサーは、第1の電磁システムを形成するめに、複数の磁気センサーの第2の磁気センサーにつながれ、
複数の磁気センサーの第3の磁気センサーは、第2の電磁システムを形成するために、複数の磁気センサーの第4の磁気センサーにつながれ、
第1と第2の電磁システムは独立して機能することを特徴とする請求項48に記載のEASシステム。
【請求項50】
第1の磁気センサーは、第1の信号を生成し、第2の磁気センサーは、第1の信号と等しいが、EAS磁気タグおよび分離器のうちの1つが第1と第2の磁気センサーの両方からほぼ等しく離間して検知される際の誤ったアラームの抑止および防止については、第1の信号とは正反対の、第2の信号を生成し、
第3の磁気センサーは、第3の信号を生成し、第4の磁気センサーは、第3の信号と等しいが、EAS磁気タグおよび分離器のうちの1つが第3と第4の磁気センサーの両方からほぼ等しく離間して検知される際の誤ったアラームの抑止および防止については、第3の信号とは正反対の、第4の信号を生成し、
第1の電磁システムは、第1の監視ゾーンを生成し、第2の電磁システムは、第1の監視ゾーンとは異なる第2の監視ゾーンを生成し、第1の監視ゾーンと第2の監視ゾーンの領域は、EASシステムの完全な監視ゾーンを十分にカバーするように重なることを特徴とする請求項49に記載のEASシステム。
【請求項51】
ワイヤーはコアの長手方向の軸の長さ全体に沿ってコアに巻かれることを特徴とする請求項50に記載のEASシステム。
【請求項52】
抗ファラデーシールドEASシステムは、
第1のインダクタコイルを有する第1の抗ファラデーシールドEASシステム、
第2のインダクタコイルを有する第2の抗ファラデーシールドEASシステムからなり、
第1の抗ファラデーシールドEASシステムは、第2の抗ファラデーシールドEASシステムにつなげられることを特徴とする請求項45に記載のEASシステム。
【請求項53】
第1のインダクタコイルは、第1の幅、第1の軸長さ、および、第1の軸中心を備えた第1の空芯を有し、第1のインダクタコイルは、第1の空芯の第1の長手軸全体に沿って第1の空芯に巻かれ、
第2のインダクタコイルは、第2の幅、第2の軸長さ、および、第2の軸中心を備えた第2の空芯を有し、第2のインダクタコイルは、第2の空芯の第2の長手軸全体に沿って第2の空芯に巻かれ、
第1の空芯は第2の空芯上に配され、第1の軸中心は第2の軸中心に平行に並べられることを特徴とする請求項52に記載のEASシステム。
【請求項54】
抗ファラデーシールドEASシステムは、単一のインダクタコイルからなることを特徴とする請求項45に記載のEASシステム。
【請求項55】
インダクタコイルは、幅、軸長さおよび軸中心を備えた空心を有し、インダクタコイルは、第1の空芯の長手方向の軸長さ全体に沿って空心に巻かれることを特徴とする請求項54に記載のEASシステム。
【請求項56】
第1のEASシステムは、磁性物体を含む磁性材料と磁気EASタグの検出のための磁気EASシステム、および、ファラデーシールドを検出する抗ファラデーシールドEASシステムの1つのみからなり、
第2のEASシステムは、音響−磁気EASタグを検知する1以上の音響−磁気EASシステムからなることを特徴とする請求項25に記載のEASシステム。
【請求項57】
音響−磁気EASシステムは、
単一コイルからなるアンテナ、
アンテナEASタグのための監視ゾーンを定義する信号の生成および送信のための、および、監視ゾーンからの信号を受信するための、アンテナにつながれた制御装置を含み、
送信信号は、正常動作の間維持され、その信号位相に殆ど変化がない、信号位相特性を有し、および、
該制御装置は、監視ゾーンからの受信信号を処理し、予め決められた条件に基づいてアラームを生成し、監視ゾーンを定義する信号の生成および送信に影響を及ぼさないことを特徴とする請求項56に記載のEASシステム。
【請求項58】
音響−磁気EASシステムは、
第1のコイルおよび第2のコイルを含むアンテナと、
EASタグのための監視ゾーンを定義する第1の動作モードでのそれぞれの第1の信号と第2の信号の生成および送信のために、第1のコイルおよび第2のコイルにつなげられたトランシーバモジュールとを含み、
第1の信号および第2の信号は、正常動作の間に維持されるそれぞれの第1の信号位相特性と第2の信号位相特性を有し、それぞれの信号位相にほとんど変化が起こらず、
第2の動作モードのトランシーバモジュールは、第1のコイルと第2のコイルからの監視ゾーンから信号を受信し、
音響−磁気EASシステムはさらに、
トランシーバモジュールからの受信信号を処理し、予め決められた条件に基づいてアラームを生成するためのマイクロプロセッサを含むことを特徴とする請求項56に記載のEASシステム。
【請求項59】
第2のEASシステムは、
音響−磁気EASシステムからなり、
該音響−磁気EASシステムは、
1以上の送信機アンテナループ並びに第1の受信機アンテナループおよび第2の受信機アンテナループからなる複数のアンテナを含み、
第1の受信機アンテナループおよび第2の受信機アンテナループは、部分的に重なり合い、共通の面内に配置され、
該音響−磁気EASシステムはさらに、
EASタグのための監視ゾーンを定義する信号を生成し、送信するための1以上の送信機アンテナループにつながれた制御装置を含み、
送信信号は、正常動作の間維持される信号位相特性を有し、それぞれの信号位相にほとんど変化を与えず、および、
制御装置は、監視ゾーンからの第1と第2の受信機信号を処理し、予め決められた条件に基づいてアラームを生成し、かつ、監視ゾーンを定義する信号の生成と送信に影響を与えず、
該制御装置は、
それぞれ、第1と第2の受信機アンテナループからの第1と第2の受信信号を、第1と第2のデジタル信号に変換する、第1と第2のアナログデジタル(A/D)変換器を有するプロセッサーと、
2つの異なる予め定められた時間で2回、それぞれ、第1と第2のデジタル信号を同時にサンプリングする第1と第2のサンプラーと、
第1および第2の受信機アンテナループからの第1と第2の両方のサンプリングされたデジタル信号を操作し、その結果得られた操作を、予め決められた基準と比較する演算機構とを含むことを特徴とする請求項25に記載のEASシステム。
【請求項60】
保安区域に、および、保安区域から移動する存在を数えるためのカウント機構をさらに含むことを特徴とする請求項25に記載のEASシステム。
【請求項61】
カウント機構は、1以上の赤外線ゲートからなることを特徴とする請求項60に記載のEASシステム。
【請求項62】
カウント機構は、デジタルビデオレコーダーからなることを特徴とする請求項60に記載のEASシステム。
【請求項63】
カウント機構は、本物のアラームの確認および誤ったアラームの判定に使用されることを特徴とする請求項60に記載のEASシステム。

【図1A−2】本発明に係るEASシステムのさらに別の実施形態の代表的な実例である。
【図1A−3】本発明に係るEASシステムのさらなる実施形態の代表的な実例である。
【図1A−4】本発明に係るEASシステムのさらなる実施形態の代表的な例証である。
【図1A−5】本発明に係るEASシステムのさらに別の実施形態の代表的な実例である。
【図1B】図1A−1のEASシステムの代表的な実例であり、図1Bは、本発明に係る代表的な「受信機」台座の前側側面を示す。
【図1C】図1A−1のEASシステムの代表的な実例であり、図1Cは、本発明に係る代表的な「送信機」台座の前側側面を示す。
【図1D】図1A−1のEASシステムの代表的な実例であり、図1Dは、本発明に係る代表的な「送信機」台座と「受信機」台座の背面を示す。
【図2A−1】本発明に係る電磁EASシステムのアンテナの代表的な実例である。
【図2A−2】EASタグの代表的な実例である。
【図2A−3】本発明に係る磁気EASタグの代表的な実例である。
【図2B】本発明に係る電磁EASシステムアンテナからのアンテナ信号を処理するための代表的な回路図である。
【図2C】本発明に係る電磁EASシステムアンテナからのアンテナ信号の処理するための代表的な回路図である。
【図2D】本発明に係るマイクロプロセッサによる電磁EASシステムからのアンテナ信号の処理のためのフローチャート図の代表的な実例である。
【図3A−1】本発明に係る抗ファラデーシールドEASシステムのアンテナの代表的な実例である。
【図3A−2】本発明に係る抗ファラデーシールドEASシステムのアンテナの別の実施形態の代表的な実例である。
【図3B】本発明に係る抗ファラデーシールドEASシステムからのアンテナ信号の処理のための代表的な回路図である。
【図3C】本発明に係るマイクロプロセッサによる抗ファラデーシールドEASシステムからのアンテナ信号の処理のためのフローチャート図の代表的な実例である。
【図4A−1】本発明に係る音響−磁気EASシステムのアンテナの代表的な実例である。
【図4A−2】本発明に係る音響−磁気EASシステムのアンテナの別の実施形態の代表的な実例である。
【図4B】本発明に係る音響−磁気EASシステムからのアンテナ信号の処理のための代表的な回路図である。
【図4C】本発明に係る音響−磁気EASシステムからのアンテナ信号の処理のための代表的な回路図である。
【図4D】本発明に係る受信信号の内部信号処理の代表的な実例である。
【図4E−1】本発明に係る図4Dにおいて例証した信号処理と組み合せて使用され得る音響−磁気システムのための様々な好ましいアンテナ構成の代表的な実例である。
【図4E−2】本発明に係る図4Dにおいて例証した信号処理と組み合せて使用され得る音響−磁気システムのための様々な好ましいアンテナ構成の代表的な実例である。
【図4E−3】本発明に係る図4Dにおいて例証された信号処理と共に使用され得る様々なアンテナ構成の模範的な図である。
【図4E−4】本発明に係る図4Dにおいて例証された信号処理と共に使用され得る様々なアンテナ構成の模範的な図である。
【図4F−1】本発明に係るマイクロプロセッサによる音響−磁気EASシステムからのアンテナ信号の処理のための模範的な概略のフローチャート図である。
【図4F−2】本発明に係るマイクロプロセッサによる音響−磁気EASシステムからのアンテナ信号の処理のための模範的な概略のフローチャート図である。
【図4G】本発明に係る妨害対抗の信号解析、タイミングおよび実例を含む、音響−磁気EASシステムのアンテナ信号の模範的な概略の信号グラフである。
【図4H】本発明に係る妨害対抗の信号解析、タイミングおよび実例を含む、音響−磁気EASシステムのアンテナ信号の模範的な概略の信号グラフである。
【図4I】本発明に係る妨害対抗の信号解析、タイミングおよび実例を含む、音響−磁気EASシステムのアンテナ信号の模範的な概略の信号グラフである。
【図4J】本発明に係る妨害対抗の信号解析、タイミングおよび実例を含む、音響−磁気EASシステムのアンテナ信号の模範的な概略の信号グラフである。
【図4K】本発明に係る妨害対抗の信号解析、タイミングおよび実例を含む、音響−磁気EASシステムのアンテナ信号の模範的な概略の信号グラフである。
【図4L】本発明に係る妨害対抗の信号解析、タイミングおよび実例を含む、音響−磁気EASシステムのアンテナ信号の代表的な概略の信号グラフである。
【図5A】本発明に係る計数器を備えた本発明の台座システムの模範的な図である。
【図5B】本発明に係る計数器を備えた本発明の台座システムの模範的な図である。
【図5C】本発明に係る計数器を備えた本発明の台座システムの模範的な図である。
【図5D】本発明に係る計数器を備えた本発明の台座システムの模範的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
添付の図面に関して以下に述べられる詳細な記載は、本発明の現在好ましい実施形態の記載として意図され、本発明が構築および/または利用され得る唯一の形態を表わすようには意図されない。
【0074】
実例の目的のために、プログラムおよび他の実行可能なプログラムコンポーネントは、そのようなプログラムおよびコンポーネントが異なる保管要素の中で様々な時間に存在することがあることが認識されるが、別々のブロックとして本明細書に示され、コンピューターのデータ処理によって実行される。さらに、フローチャート内の各々のブロックは、両方の方法機能、操作、または行為、および方法機能、操作、または行為を行なうための1つ以上の要素を表わし得る。加えて、実行に従って、対応する1つ以上の要素は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせで形成され得る。
【0075】
ほとんどのEASシステムは、特定周波数で連続的に(あるいはパルス中で)信号を送信する送信機アンテナ(通常入口/出口ゲートの2つの台座の1つ)を含み、それは、隣接した受信機アンテナ(通常、入口/出口ゲートの2つの台座の他方)によって拾い上げられる。さらに、ほとんどのEASシステムは、商品に通常付けられているタグ(281)(図2A−2)を含む。EASタグ(281)は、EASシステムの送信機アンテナによって発せられた特定周波数信号に応答するために調整されるエレクトロニクス(283)および(289)を含む。EASタグ(281)は、アラームを引き起こす監視信号を感知して作り出すトリガー装置として解釈され得る。EASタグ(281)の制限しない例は、磁気的に感知可能な装置、無線周波数(RF)の感知可能な装置、または他のものを含み得る。磁気感知装置の制限しない例は、フェライトコイルの形状である信号検出器であり、監視信号の制限しない例は、フェライトコイルによって検知される磁気信号であり得る。フェライトコイルは周知であり、様々なタイプのコイル構造を有する。
【0076】
取り付けられたEASタグ(281)を備えた商品が、(EASシステムの監視ゾーン内にもたらされた)送信機と受信機の台座間に通されると、EASタグ(281)は、送信機アンテナによって発せられた特定周波数信号に応答する。その後EASタグ(281)は、EASタグ信号を送信し、それは適切な反応を起動する(例えば、アラームを引き起こす)隣接した受信機アンテナによって拾い上げられる。
【0077】
EASタグによる送信のタイミングは異なり、EASシステムに依存する。制限しない例として、音響−磁気EASシステムは、連続信号ではなくパルス化された信号の送信によって作動する。EAS音響−磁気システムのEASタグが、音響−磁気システムの監視ゾーン内にもたらされる場合、EASタグは、送信機からRFパルスに応答し、EAS音響−磁気システム送信機から信号パルス間で特定周波数信号のみを発する。EASタグからの信号のこの放射は、EAS音響−磁気受信機によって検知され、一連の対応する行動(例えば、アラームを引き起こす)を決定するために、適切な信号特性(例えば信号周波数、振幅、繰返速度など)に関するコンピューターによって分析される。
【0078】
本発明は、基礎物理、技術および操作原理の違いに関わらず、台座システムの共有スペース内の多数の個々の電子式商品監視システムを含み、および、組み合わせる商品監視システムを提供する。組み合わされたシステムから結果として生じる相乗作用は、全体的な監視能力を改善して別々に実施されれば、各単独システムの欠点を克服する堅牢な監視システムを提供する。
【0079】
図1A−1は、本発明の1つの実施形態に係る電子式商品監視システムの模範的な概略の(あるいは「代表的な」)図である。示されるように、本発明の電子式商品監視(EAS)システム(100)は、台座システム(101)内に物理的に位置する、組み合わされた複数の独立した監視システムからなる。台座システム(101)は、1つまたは複数の個々の台座からなり、「送信する」台座、「受信する」台座、または「トランシーバ」台座として解釈され得る。
【0080】
図1B、1Cおよび1Dは、図1A−1にて示される本発明のEASシステム(100)の模範的な図であり、図1Bは「受信機」台座(103)の前側側面を示し、図1Cは「送信機」台座(105)の前側側面を示し、および図1Dは、「送信機」並びに「受信機」台座(103)および(105)の後側側面を示す。従って、図1A−1における台座システム(101)は、「受信する」台座(103)(図1B)内の受信電子基板に接続される各々の対応する受信アンテナへ信号を送信するため、台座(105)内の送信電子基板に接続された様々なシステムのための各々の送信アンテナで「送信する」台座(105)(図1C)として構成され得る。
【0081】
以下に詳述されるように、本発明の電子式商品監視(EAS)システム(100)が、複数の独立した監視システムを組み合わせるとすれば、「送信する」台座または「受信する」台座としての台座の単なる分類は、十分ではない。例えば、以下に更に詳述されるように、台座システム(101)内の電子式商品監視(EAS)システム(100)は、磁気EASタグ(285)(図2A−3)を検知する磁気EASシステム(200)(図2A)、磁気分離機、またはその監視ゾーン内の他の磁石を含む。磁気分離機の制限しない例が、EAS音響−磁気(AM)ハードタグの分離のため、AMステッカーラベルの解除(deactivating)のためなどに使用され得る、永久磁石であるということが注目されるべきである。以下に詳述されるように、本発明の磁気EASシステム(200)の利口な磁石検出器の配置は、一般に用いられている磁石の検出を抑止する。このシステムは、受信アンテナとしてのみ機能するアンテナでは受動的(passive)であり、それは、「送信する」台座(105)および「受信する」台座(103)の両方に含まれ得る。別の実施例(および以下に詳述される)のように、台座システム(101)内の電子式商品監視(EAS)システム(100)はまた、ファラデーシールド(Faraday shields)を「ブースターバッグ(booster bag)」の形で検知する抗ファラデーシールドEASシステム(anti−Faraday shielding EAS system)(300)(図3A−1および3A−2)を含む。この模範的な例では、システム(300)は、「送信する」台座(105)内に送信アンテナを、および「受信する」台座(103)内に受信アンテナを含む。最終的な例として、およびまた以下に詳述されるように、台座システム(101)内の電子式商品監視(EAS)システム(100)はまた、信号を送受信する音響−磁気EASシステム(400)(図4A−1および4A−2)を含む。すなわち、システム(400)は、「送信する」台座(105)内に送信アンテナを、および「受信する」台座(103)内に受信アンテナを含み得る。しかしながら、EASシステム(400)の場合、システムはまた、EASシステム(400)が単一の「トランシーバ」台座内の信号を受け取る第2の操作モードと同様に、信号を送信する第1モードで操作することができる場合、単一の「トランシーバ」台座へ構成され得る。従って、開示の全体にわたって、用語「送信機台座」、「受信機台座」または「トランシーバ台座」は、議論された特定のEASシステムの前後関係に照らして解釈されるべきである。
【0082】
図1A−1に関して、および上述のように、本発明の電子式商品監視(EAS)システム(100)は、基礎物理、技術および操作原理が台座システム(101)と異なる、組み合わせられた様々な、十分に独立した、自律的な、個々のEASシステムを有し、一方で各々のEASシステムに関する基礎物理、技術および操作原理における個々の違いを維持する。別の方法において述べた、本発明の電子式商品監視(EAS)システム(100)は、もしそれにより全体的な監視能力を相乗的に改善するために別々に実施されれば、各システムの弱点を克服する堅牢な監視システムを提供するので、個々のEASシステムによって利用可能にされた利点をすべて提供する。
【0083】
図1A−1においてさらに示したように、すべてのシステム用の(送信機、受信機またはトランシーバアンテナとしての)アンテナはすべて、台座システム(101)内部に物理的に配置され、およびすべては、各々の基礎物理、技術および操作原理に従って、独立して自律的に作動する。本発明の電子式商品監視(EAS)システム(100)は、互いにそれらの物理的な近い接近度により、アンテナシステム間の磁束干渉(flux interferences)を(無視できる量に)最小化した。すなわち、台座システム(101)内の各々の個々のシステムに関する各々の個々のアンテナの、例えば巻線などの形状、サイズ、位置、配向、数および方向決めに関する物理的な配置は、磁束干渉を最小化するために相互に配列されるが、各々の独立した自律的な操作上の原理を維持する。従って、台座の共有スペース内の様々なEASアンテナの相互配向、方向決め、および実際の物理的な配置は、最小の磁束干渉を達成するためのアンテナおよび台座配置と相応して異なるが、個々のEASシステムの独立した自律的な操作上の原理を維持する。制限しない例として、EASシステム(100)のEASアンテナは、無視できる磁束干渉を達成するために、より小さいが楕円形の台座が図1A−1、1B、1Cおよび1D内で示されるものの代わりに使用される場合、異なる配置および相互位置を有するが、個々のEASシステムの独立した自律的な操作上の原理を維持する。
【0084】
台座システム(101)内の電子式商品監視(EAS)システム(100)は、磁気EASタグ(285)(図2A−3)を検知する磁気EASシステム(200)(図2A)、またはその監視ゾーン内の磁気分離機のような他の磁石を含む。磁気分離機は、タグが取り付けられる商品からEASタグの開放および除去を可能にする、適切な磁気強度を有する強力な磁石である。磁気EASタグを遮断する(shield)試みにおいて、ファラデーケージ(例えば「ブースターバッグ」)が使用されても、システム(200)の配置は、取り付けられる磁気EASタグ(285)を備えた商品の検出を可能にする。図2A−3で示されるように、本発明は、プラスチック本体の内部の磁気要素(287)を含んでいる磁気EASタグ(285)を提供し、磁気EASシステム(200)によってその検出を可能にする。
【0085】
上述の通り、一般的に、EASタグ(281)は、EASシステムの電界中に外乱(disturbance)を引き起こすことができる装置であり、それは次々に、EASシステムにアラームを引き起こさせる。最も従来のEASシステムは、それらの電界を乱すEASタグ(281)内の同調回路によって引き起こされた電界の外乱に対してのみ敏感である。アラームに関する必要条件に依存するアラームを引き起こすために、この外乱はEASシステムによって処理される。本発明は、電界および磁界の両方に敏感な新システムを作り出すために、磁石(287)に対して敏感なシステムを加える。
【0086】
特に、図2A−3で示されるように、本発明は、インダクタ−コンデンサ(L−C)(283)および(289)、様々なループ(283)へ巻かれ、分路コンデンサ(289)で終了した長いコンダクタワイヤ(a length of conductor wire)で作られたタグ(285)を提供する。このコイル−コンデンサの組み合わせ(283)−(289)の周波数は、本発明の磁気EASタグ(285)がEASシステムに共振するように設定される。本発明は、コイル(283)の真ん中に配置された磁石(287)をさらに提供し、それは磁気EASタグ(285)の共振周波数における転位を作り出す。共振からのこの転位は、共振に本発明の磁気EASタグ(285)を設定するため、L−C (283)−(289)プロパティをそのように修正することにより直される。L−C回路(283)−(289)の共振の調節は、コイル(283)の中心に磁石(287)を埋め込み、およびそれによって誤ったアラームを回避するためにEASシステムの共振周波数に合わせられたL−C (283)−(289)を持ち続けることが可能となる。本発明の磁気EASタグ(285)は、通常のEASタグ(281)のように機能するが、本発明の磁気EASタグ(285)内に埋め込まれた磁石(287)のため、アルミホイルを敷いた(foil−lined)、または他のファラデーシールドの「電界」シールド効果に対して影響を受けない。
【0087】
さらに電子式商品監視(EAS)システム(100)に含まれるものは、万引き犯によって使用されるファラデーシールドを検知する、抗ファラデーシールドEASシステム(300)(図3A−1および3A−2)である。従って、磁気EASタグが使用されていないが、代わりに磁性がないEASタグ(例えば、RF EASタグ)がその効果を遮断するためにブースターバッグの内部で使用されれば、抗ファラデーシールドシステム(300)は遮断物質を検知し、店の人間に通知する。
【0088】
上記のシステムに加えて、本発明の電子式商品監視(EAS)システム(100)はまた、音響−磁気EASタグ(図示せず)を検知する音響−磁気EASシステム(400)(図4A−1および4A−2)を含む。本発明は、トランシーバ信号の妨害を防ぐ信号妨害防止ルーチン(signal jammer prevention routine)をさらに提供する。全てのシステムが合理的に広い台座システム(101)内に適合するように重なり合うことに注目すべきである。
【0089】
上述の通り、本発明の電子式商品監視(EAS)システム(100)は、台座システム(101)内に磁気EASシステム(200)を含み、それは複数の電磁システムを有する。図1A−1および2Aで示されるように、磁気EASシステム(200)は、複数の磁気センサーを含む複数の電磁システム(200A)および(200B)、並びにコアに巻きつけられたコンダクタからなり、複数の磁気センサーは、高透磁率を備えた強磁性材料を有する。第1の電磁システム(200A)および第2の電磁システム(200B)は、互いから完全に独立し、自律しており、および潜在的な検出穴または「ブラインドスポット(blind spot)」を除去するように重なり合う、独立した監視ゾーンを有している。その理由は以下に詳述される。
【0090】
一般に、第1の電磁システム(200A)は第1の監視ゾーン「A」を提供し、および第2の電磁システム(200B)は第1の監視ゾーン「A」とは異なる第2の監視ゾーン「B」を提供し、第1の監視ゾーン「A」および第2の監視ゾーン「B」の領域は、本発明の電子式商品監視(EAS)システム(100)の完全な監視ゾーンのための任意の可能な「ブラインドスポット」を完全にカバーするように重なり合う。
【0091】
より具体的には、第1の監視ゾーン「A」を提供する第1の電磁システム(200A)を形成するために、多くの磁気センサーの第1の磁気センサ(102)は、多くの磁気センサーの第2の磁気センサ(106)と組み合わせられ、第2の監視ゾーン「B」を提供する第2の電磁システム(200B)を形成するために、多くの磁気センサーの第3の磁気センサ(104)は、多くの磁気センサーの第4の磁気センサ(108)と組み合わせられる。
【0092】
システム(200)が受動的なシステムであるため、台座(101)内の他のEASシステムに関する、電磁気EASシステム(200)の第1および第2電磁システム(200A)および(200B)の位置(または物理的位置)は、他のシステムに対して影響を与えずに異なり得る。すなわち、電磁気EASシステム(200A)および(200B)はそれぞれ、それらの監視ゾーン「A」および「B」から磁気タグ信号を受け取る、「あるいは拾い上げる」だけである。さらに、計算の単純化、および最小あるいは0の検出「穴」またはブラインドスポットを有する、重なり合う監視ゾーンを保証することに関して最良の結果のため、電磁システム(200A)および(200B)の両方の代表的な磁気センサー(102)、(106)、(104)および(108)がそれらの軸中心を縦に配列することが一般に好ましく(しかし、制限なしで)、それら各々の端部は、例示された垂直の方向で互いから等しく引き離される。
【0093】
図2Aで示されるように、監視ゾーン「A」からの検出を提供する電磁気EASシステム(200A)について、第1の磁気センサ(102)は、その監視領域(1)に基づいた第1の検出信号を作り出し、第2の磁気センサ(106)は、第1の信号に対する極性が等しいが、反対である(位相の不一致)、(その監視部分2に基づいた)第2の検出信号を作り出す。反対の極性の第1および第2検出信号は、EAS磁気タグ(285)が、各々第1および第2磁気センサー(102)および(106)の両方から等距離で十分に検知される場合、誤ったアラームの抑止および防止のためのものである。このスキームは、(さらに以下に詳述された)誤ったアラームを防ぐが、監視ゾーン「A」の重なり合う監視領域(1)と(2)の間で、ブラインドスポットまたは検出穴(以下に詳述)を作り出す。
【0094】
さらに図2Aで示したように、電磁気EASシステム(200B)の第3の磁気センサ(104)は、その監視領域3に基づいた第3の検出信号を作り出し、第4の磁気センサ(108)は、その監視領域4に基づいた第4の検出信号を作り出す。それらの組み合わせは、電磁気EASシステム(200B)の監視ゾーン「B」を構成する。EAS磁気タグ(285)が、各々第3および第4の磁気センサー(104)および(108)の両方から等距離で十分に検知される場合、第4の検出信号は、誤ったアラームの抑止および防止については、等しいが、第3の検出信号と極性が反対である。しかしながら、このスキームはまた、監視ゾーン「B」の重なり合う監視領域(3)と(4)の間でブラインドスポット(以下に詳述)を作り出す。
【0095】
一般に、等しいが反対の極性信号(または位相の不一致である信号)は、多数の周知の方法によって作り出されることがあり、その幾つかの制限しない例は、コアのまわりのコンダクタの異なる巻線方向(例えば、あるものは時計回りに、そして別のものは反時計回りに)、またはコアのまわりのコンダクタの異なる巻線接続方式を含み、等しいが反対の極性信号を結果として生じる。従って、例えば、電磁システム(200A)の磁気センサ(102)は、時計回りに巻かれる巻線を有し、同システム(200A)の磁気センサ(106)は、等しいが反対の極性電気信号を作り出すために反時計回りに巻かれる巻線を有し得る。別の特定の制限しない例として、両方の磁気センサー(102)および(106)は、同じ向きに巻かれるコンダクタを有するが、等しいが異なる極性電気信号を備えた出力信号に結果として生じるコンダクタ端接続(conductor end connections)を有する。コンダクタは、コアの実質的な縦の軸方向長さに沿って、コアに巻きつけられる。結果として生じる電気部品(最終的な磁気センサ)が出力信号の位相のための補正と電気的に等しい(例えば、十分に同一の電気的出力信号、例えば等しい電圧を提供する)限り、各々の磁気センサーを構成する個々の部品が、それぞれの態様において変わり得ることは注目されるべきである。すなわち、各磁気センサーの位相信号のための補正(correction)と共に、結果として生じる電気部品が電気的に等しい限り、コア、コンダクタ、およびコアに巻きつけられたコンダクタの巻数は、各磁気センサーのためのあらゆる態様(例えば、コアの長さ、透磁率、コンダクタの種類、巻回方向など)において異なり得る。
【0096】
図2Aを参照し、上述したように、誤ったアラームを防ぐため、対象物が両方の磁気センサー対と十分に等しい距離を有していることを検知する場合、本発明は、互いに取り消し合う等しいが反対の位相を備えた電気的な検出信号を作り出す、1組の磁気センサーを使用する。例えば、単一の磁気センサーが使用されれば(例えば、磁気センサ(102)のみを使用、および他は使用しない)、その後この単一の磁気センサ(102)は、その監視領域内および外で、磁気EASタグ(285)または他の磁性材料が組み合わされる任意の商品を検知し、アラームを引き起こす。例えば、磁気的にタグを付けられた商品は、店の人間によって店の中で(例えば、取り付けられたタグ(285)を備えた1個の衣料品は、店の裏にあちこちに移動される)、台座システム(101)の監視ゾーンの外へ移動され得る。この代表的な段階では、仮想上の単一の磁気センサ(102)は、タグ付きの商品の動きを検知し、誤ったアラームを引き起こす。それゆえ、磁気対象物を検知し、タグの付いた対象物の位置にかかわらずアラームを引き起こす単一の磁気センサーを使用する問題を克服するために、本発明は、等しいが反対の極性を備えた検出信号を生成する1組の磁気センサーを使用する。誤ったアラームを防ぐため、両方の磁気センサー対とほぼ等しい距離を有している対象物を検知する場合、作り出された等しいが反対の極性信号は、互いに相殺し合う(cancel)。
【0097】
台座システム(101)から遠い対象物は一般に、システム(200A)または(200B)内の個々の磁気センサーの各々からほぼ等しい距離を有する。従って、磁気EASタグ(285)および第1の磁気センサ(102)の間のはるかに長い距離、および同じEASタグ(285)および第2の磁気センサ(106)の間のはるかに長い距離は十分に等しく(D1はD2にほぼ等しい)、両方の各々第1および第2の磁気センサー対(102)および(106)のはるかに短い距離(近接近)を与えられる。対(102と106)によって作り出される信号が等しいが反対の位相になり、互いに相殺し合うので、そのような検出はアラームを引き起こさない。従って、これは、対象物が監視ゾーン内にあるかどうかにかかわらず、磁気対象物を検出し、誤ったアラームを引き起こす単一の磁気センサーを使用する問題を克服する。しかしながら、また上述されるように、等しいが反対の検出信号は、監視ゾーン内に検出穴を作り出す。
【0098】
磁気EASタグ(285)が監視ゾーン内にあるが(磁気センサー対の何れかの近くで)、両方の組の磁気センサー(例えば(102)と(106))から離れて等しく引き離された場合、(例えば、(102)と(106)により作り出された)検出信号の同じ相殺は監視ゾーン内に生じ、アラームを作動させることの無い監視ゾーン自体内に「ブラインドスポット」を作り出す。「ブラインドスポット」に関連した問題を未然に防ぐために、本発明は、重なり合う監視ゾーンを備えた、2つの電磁システム(200A)および(200B)を使用する。言い換えれば、第1の監視ゾーン「A」は、ゾーン「B」の監視領域(3)および(4)の潜在的なブラインドスポットをカバーするように第2の監視ゾーン「B」を重なり合わせ、第2の監視ゾーン「B」は、ゾーン「A」の監視領域(1)および(2)の潜在的なブラインドスポットをカバーするように第1の監視ゾーン「A」を重なり合わせる。
【0099】
上述のとおり、計算の単純性のため、及び検出の最小量を備えた監視ゾーンを重ね合わせることを保証することに関する、最良の結果のために、「穴部」またはブラインドスポット(blind spot)、電磁気システム(200A)および(200B)の両方の例示的な磁気センサー(102)、(106)、(104)及び(108)が互いに等しく離間されることが一般的に好ましく、それらの軸心が、図示された垂直の姿勢で長手方向に並べられることが好ましい。これは、監視部分及び領域の間で「穴部」またはブラインドスポットが検知されず、および監視ゾーンの外側の周りで磁気タグが移動した際に誤報がなく、個々の電磁気システム(200A)および(200B)によって、磁気EASタグから磁気信号(273)が検知され得るか、拾われ得る集合的な監視ゾーン(271)内で生じる。
【0100】
図1A−1に戻って参照し、および更に図3A−1を参照すると、本発明の電子的物品監視(EAS)システム(100)は、万引きによって使用される「ブースターバッグ」の形態のファラデーシールドを発見する抗ファラデーシールドEASシステム(図3A−1)をさらに含んでいる。従って、磁気EASタグまたは非磁性EASタグ(例えば、RF EASタグ)が、その効果をシールドするためにブースターバッグの内部で使用され置かれれば、抗ファラデーシールドシステム(300)は万引きを防いで、シールド材料を検知するであろう。
【0101】
抗ファラデーシールドEASシステム(300)は、第1誘導コイル(122)を有する第1抗ファラデーシールドEASシステム(300A)と、第2誘導コイル(126)を有する第2ファラデーシールドEASシステム(300B)とを備え、第1抗ファラデーシールドEASシステム(300A)は第2抗ファラデーシールドEASシステム(300B)と結合されている。第1誘導コイル(122)は、第1幅(152)、第1軸長(154)および第1軸心(113)を備えた第1空芯を有し、第1誘導コイル(122)は第1空芯の第1長手軸の全体に沿って第1空芯の周りに巻かれている。第2誘導コイル(126)は、第2幅(111)、第2軸長(109)および第2軸心(115)を備えた第2空芯を有し、第2誘導コイル(126)は、第2コアの第2長手軸の全体に沿って第2空芯の周りに巻かれている。この場合、両方の巻線(122)および(126)が同じ向きにあることは注目されるべきである。さらに例示した、第1空芯は第1軸心(113)と共に、第2空芯上に位置し、第1軸心(113)は第2軸心(115)と平行に(かつ、同一平面内)並べられる。図1A−1および4A−1に最良に例示されるとおり、音響−磁気EASシステム(400)の第1巻線(132)の第1ストレート・セクション(402)は、第1軸心(113)を介して通される。また、音響−磁気EASシステム(400)の第2巻線(134)の第2ストレート・セクション(404)は、第2軸心(115)を介して通される。この配置は、抗ファラデーシールドEASシステム(300)と音響−磁気EASシステム(400)の間のフラックス干渉を最小化する。
【0102】
抗ファラデーシールドEASシステム(300)が単一の延長された、分離されるか独立しているユニットとして機能することができる誘導コアから構成され得ることは注目されるべきである。しかしながら、音響−磁気EASシステム(400)のアンテナ(132)および(134)にその接近を与えられて、抗ファラデーシールドEASシステム(300)は、フラックス干渉を最小化するために第1及び第2抗ファラデーシールドEASシステム(300A)および(300B)に分割される。さらに、すべてのシステムのアンテナをフラックス干渉を中和する共振周波数に調整するために、第1および第2抗ファラデーシールドEASシステム(300A)及び(300B)の位置および配向は、音響−磁気EASシステム(400)のストレート・セクション(402)および(404)に沿って配列される。これは、アンテナ(132)および(134)の曲線部(140)、(142)、(144)、(146)、(148)および(150)の回避によるアンテナの計算および調整の困難さを除去する。さらに、音響−磁気EASシステム(400)のストレート・セクション(402)および(404)に沿った、第1及び第2抗ファラデーシールドEASシステム(300A)および(300B)の位置、配置および配向は、無視できるフラックス干渉と共に、「8」構成から「O」構成への切り替え、または逆に架設(システム(400)の動作の前)の間のアンテナ(132)および(134)の交換を可能にする。最後に、例示されるような第1および第2抗ファラデーシールドEASシステム(300A)及び(300B)の配置は、より長い監視ゾーン(監視ゾーンを通り抜ける各々の全長)を提供して、台座システム(100)の全長をカバーする。
【0103】
図1A−1及び4Aに最良に例示され、かつ上述したとおり、EASシステム(100)は音響−磁気EASシステム(400)をさらに含み、音響−磁気EASシステム(400)は第1上部コイル(あるいはループ)(132)および第2下部コイル(あるいはループ)(134)の底部と共に、音響−磁気EASシステム(400)は第2下部コイル(134)の頂部と重なる第1上部コイル(132)を有するアンテナを含む。第1上部コイル(132)と第2下部コイル(134)のコーナー(140)、(142)、(144)、(146)、(148)、および(150)は丸くされ、曲がったコーナーを備えた実質的に長方形の形態を形成している。
【0104】
仮設及び動作の前に、システム(400)がシステム(400)の動作中に互いに関して位相の異なる出力信号を出力する場合、2個のコイル(132)および(134)およびそれらの重なり合うスキームの使用が重要であることは注目されるべきである。加えて、2個のコイルおよびそれらの重なり合う使用はシステム(400)(仮設と動作前)が信号を出力するように構成する能力を提供する。当該信号は、またシステム(400)の動作中の単なる同相であるが、台座の共有スペース内の他のEASシステム用のアンテナの残りの物理的位置を再構成する必要がない。すなわち、単一のコイルのみ(図1A−2)では、システム(400)の動作中に同相である出力信号を生成するために使用されることがあるが、2個のコイル(132)および(134)ならびにそれらの重なり合うスキームの使用は、台座システム(101)内のEASシステム(100)全体の構成を一旦可能にし、同時にシステム(400)が位相の異なる信号を出力するか、あるいは他のEASシステムの他のアスペクトを修正せずに、その動作中に同相信号だけを出力するかを決定するために、EASシステム(100)を実行する仮設者にオプションを提供する。
【0105】
したがって、第1および第2コイル(132)及び(134)はEASタグのための監視ゾーンを定義して、第1動作モードへのそれぞれの第1信号および第2信号を生成し送信するように構成することができる。第1および第2信号は、それぞれの信号相の本質的な変化なしで、通常操作の間に維持されるそれぞれの最初と別信号位相特性を有し得る。言いかえれば、それらは同相のみであるか、あるいは、それらは位相の異なる信号を送信するように構成される。
【0106】
図1A−2〜1A−5は、本発明の他の実施形態に従う電子物品監視システムの例示的な概略図(あるいは「代表的な」)図である。図1A−2〜1A−5はEASシステム(111)、(113)、(115)および(117)の例示的な図であり、図1A−1に示され、かつ前述したEASシステム(100)と類似の対応する構成要素、あるいは等価の構成要素、相互接続および又は強調関係を含む。したがって、簡潔性、明瞭性、利便性のために、そして複製を回避するために、図1A−2〜1A−5の一般的な説明は、すべての対応する構成要素又は等価な構成要素あるいは図1A−1に示されるEASシステム(100)に関して上述した相互接続を繰り返すとは限らないだろう。
【0107】
図1A−2は、単一コイル(137)(また図4A−2)で構成されるアンテナを備えた音響−磁気EASシステムを含むEASシステム(111)の例示的な図である。制御装置(以下に詳述される)は、EASタグのための、および監視ゾーンから信号を受け取ることのための監視ゾーンを定義する信号の生成および送信のためにアンテナ(137)と結び付けられる。送信された信号は、信号の部分の本質的な変化なしで、通常操作の間に維持される信号の位相特性(例えば同相)を有している。制御装置は、監視ゾーンから受信信号を処理し、所定条件に、および監視ゾーンを定義する信号の生成および伝達の達成なしで基づいたアラームを生成する。
【0108】
図1A−3は、EASシステム(113)が単一の長く延びた抗ファラデーシールドEASシステム(300)として誘導コア(123)を使用する差異を備えた図1A−2のそれに似ているEASシステム(113)の例示的な図である。すなわち、単一のアンテナコイル(137)が同相信号を出力するために音響−磁気EASシステム(400)に使用される場合、フラックス干渉を最小化するために抗ファラデーシールドEASシステム(300)を半分に分割する必要はない。その代わりに、単一抗ファラデーシールドEASシステム(300C)(図3A−2)のみが使用されてもよい。また、さらに、フラックス干渉を中和するための共振周波数に全システムのアンテナを調整するために、抗ファラデーシールドEASシステムの位置および配向は音響−磁気EASシステムアンテナ(137)のストレート・セクション(471)(図4A−2)に沿って配列され得る。これは、アンテナ(137)の曲線部(150)、(118)、(170)および(172)の回避により計算し、アンテナの調整の際の困難さを除去する。最後に、例示されるような第1および第2抗ファラデーシールドEASシステム(300C)の配置は、より長い監視ゾーン(監視ゾーンを通り抜ける各々の全長)を提供して、台座システム(113)の全長をカバーするだろう。図1A−3及び3A−2に最良に例示した誘導コイル(125)は、幅(151)、軸長(171)および軸心(117)を備えた空芯(123)を有し、誘導コイル(125)は空芯(123)の長手軸全体に沿って空芯(123)に巻かれ、アンテナ(173)のストレート・セクション(471)は空芯(123)の軸心(117)を介して通される。
【0109】
図1A−4および図1A−5は、抗ファラデーシールドEASシステム(300)および電磁気EASシステム(200)を含む、それぞれのEASシステム(115)および(117)の例示的な図であり、図1A−4は1つの抗ファラデーシールドEASシステム(300C)(図3A−2)を使用し、図1A−5は2つの抗ファラデーシールドEASシステム(300A)および(300B)(図3A−1)を使用している。
【0110】
上述されるように、図1B、1Cおよび1Dは本発明のEASシステム(100)の例示的な図であり、異なる形状の台座システム(101)にインストールされ、図1Bは受信器台座(103)の前側側面を示し、図1Cは送信器台座(105)の前側側面を示し、および図1Dは送信器および受信器台座(103)および(105)の後部側を示す。図1B、1Cおよび1Dに示されるように、音響−磁気EASシステム(400)の電磁気EASシステム(200)、ストレート・セクション(402)および(404)の電磁石は、フラックス干渉を最小化する抗ファラデーシールドEASシステム(300)の誘導コア(122)および(126)の第1及び第2軸心(113)および(115)に沿って整列する。従って、図示された異なるEASシステムアンテナは個々のEASシステムの独立した、自律の動作上の原理を維持しつつ、最小のフラックス干渉を達成するために台座内の利用可能な共有スペースと釣り合った相互位置を有するように構成される。
【0111】
システム(400)のアンテナループが台座の内部の表面へ位置(例えば、永久取り付け)で固定され、調節のために移動させることができないので、最小の信号ノイズ(最小のフラックス干渉)用のEASシステム(100)の調整は、音響−磁気EASシステム(400)から始まる。システム(400)を回転する際に、制御装置(下記に詳述)の送信器ボードの誘導/容量は、システム(400)のアンテナコイルのインダクタンス(すなわち共振周波数)に合わせられる(一致する)。その後、抗ファラデーシールドEASシステム(300)が設置される。また、音響−磁気EASシステム(400)からの信号は、送信器台座からEASシステム(300)の受信器アンテナを含んでいる受信器台座に送信される。EASシステム(400)から送信された信号バースト(burst)は、EASシステム(300)に認識不可能であるので、単なる信号ノイズと見なされるか、検知され、それらは測定される。その後、この「信号ノイズ」を連続的に測定する間に、EASシステム(300)のアンテナの物理的な位置は、最小の検知ノイズ又は測定信号雑音位置に徐々に移動される。図で示された例示的な例では、EASシステム(300)のアンテナのためのこの位置は、EASシステム(400)アンテナのストレート・セクションに沿っていることが見出される。
【0112】
電磁気EASシステム(200)と異なり、抗ファラデーシールドシステム(300)および音響−磁気EASシステム(400)は受動的でなく、動作の伝送モードおよび受信モードの両方が可能であることは注目されるべきである。従って、1つのシステム(例えば、抗ファラデーシールドシステム(300))の伝達信号は、別のシステム(例えば、音響−磁気EASシステム(400))の受信能力または質に影響することがあり、影響を及ぼすことがある。すなわち、1つのシステムから(例えば、抗ファラデーシールドシステム(300)から)送信された信号は、単に別のシステム(例えば、音響−磁気EASシステム(400))の受信カウンター部への雑音である。限定しない例として、例示的な送信台座(105)(図1C)の抗ファラデーシールドシステム(300)は、受信台座(103)(図1B)のカウンター部抗ファラデーシールドシステム(300)に信号を送信することがある。しかしながら、音響−受信台座(103)(図1B)内の磁気EASシステム(400)は、また抗ファラデーシールドシステム(300)によって送信されるのと同じ信号を受け取るであろう、しかし、この信号は単にシステム(400)への雑音である。それは、音響−磁気EASシステム(400)の動作の受信性能または質に影響を及ぼし影響することがある。音響−磁気EASシステム(400)が例示的な送信台座(105)からその信号バーストを送信するとき、それは真実であり、それは、否定的にその受信動作を有効にする抗ファラデーシールドシステム(300)をまた含んでいる、対応する受信台座(103)によって受信される。音響−磁気EASシステム(400)から送信された信バーストは、単に受信台座(103)内の抗ファラデーシールドシステム(300)への雑音である。
【0113】
フラックス干渉および信号のノイズを最小化する、互いにアンテナの物理的な位置に対する考察に加えて、本発明は、またさらに信号干渉を少なくするために他の機構を提供する。本発明は「異質の」信号(すなわち、単に特定のEASシステムへの雑音である、非在来又は認識不可能な信号)を減ずるためにEASシステム内の減少スキームを提供するものであり、当該減少スキームは、他のEASシステムから送信され、適切な対応する送信するEASシステムから受信された、認識された「在来の」信号を向上させるスキームを押し上げている。減衰スキームの限定しない例は、特定のEASシステムの特定の「搬送」周波数(例えば音響−磁気EASシステム(400)のための約58kHzおよびEASシステム(300)のための別の動作周波数)に基づく信号をフィルタにかけるフィルタ回路又は特定のEASシステムに対して「在来」であり得る信号を押し上げるための増幅器を含み得る。回路トポロジーおよび信号処理のための各EASシステムの処理スキームは、以下に詳細に述べる。
【0114】
図2B及び2Dは、電磁気EASシステムアンテナ(200A)および(200B)からのアンテナ信号の処理のための例示的な概略の回路およびフローダイアグラムである。図2Bおよび2Dは電磁気EASシステム(200)のために使用される例示的な概略の回路トポロジーであり、図2Cは図2Bで示される2つの代わりの単一プロセッサの使用を示している。図2Dは、マイクロプロセッサによってアンテナ信号のさらなる処理を例示するフローダイアグラムである。
【0115】
図2Bで例示されるように、電磁気EAS信号処理回路(202)は、第1信号ライン(120)によって第1電磁気EASシステムアンテナ(200A)と結び付けられた、電磁気EAS信号処理回路(202A)、および第2信号ライン(118)によって第2電磁気EASシステムアンテナ(200B)と結び付けられた第2電磁気EAS信号処理回路(202B)と共に2つの同一の回路(202A)および(202B)で構成される。第1および第2電磁気EAS信号処理回路(202A)および(202B)が同一の場合、一般的な説明は、簡潔性、明瞭性、利便性のために、および、複製を回避するために、電磁気EAS信号処理回路(202B)に向けられる。
【0116】
図2Bを参照すると、電磁気EAS信号処理回路(202B)は、入ってくるアンテナ信号(利得係数に基づく)を増幅し、増幅信号を出力する増幅器(206)と共に基づいたソフトウェアになり得て、調整可能な第1増幅利得(208)を備えた第1増幅器(206)で構成される。同じように、さらに例示した、電磁気EAS信号処理回路(202B)は、また増幅信号の雑音とフィルタにかけられた信号の生成の信号処理のための低域フィルター(210)を含んでいる。発生と雑音を区別するために変化速度を決定し、当該変化速度が速い場合に差動信号を生成するために、異なる入力段(212)を持つ差動増幅器(218)が提供される。異なる入力段(212)は、例示的に第1RC回路からなる第1タイマー、および例示的に第2セットのRCタイマーからなる第2タイマーを有している。
【0117】
出力された差動信号は、差動信号を増幅し、第2増幅信号を出力するためのそれ自体の第2増幅利得(222)(それはまたソフトウェアベースであり得、調整可能である)を備えた第2増幅器(220)によってさらに処理される。この第2増幅段はマイクロコンピュータ(224)が信号を処理することを可能にするように要求される。電磁気EAS信号処理回路(202B)は、また第2増幅信号の処理のためにマイクロプロセッサ(224)を含んでいる、また感度閾値レベル(226)(それは調節用の可変抵反器として実行されることがあるか、ソフトウェアベースであり得る、そしてプロセッサ(224)に内蔵)に基づき、アラームが生成されるか否かを測定する。例示されなかったが、第2増幅器(220)から第2増幅信号は、さらなる処理用のマイクロコンピュータ(226)によってデジタル信号に変換されるアナログ信号である。デジタル信号へのアナログ信号の変換は周知で、アナログデジタル変換器(A/D)によってマイクロプロセッサの外部で実行される。
【0118】
差動増幅器(218)は、τ>>τのとき、第1時間τ、および第2時間τを生成する第2RCタイマー(216)を生成する第1RCタイマー(214)で構成される異なる入力段(212)(それはソフトウェアベースであり得る)を含んでいる。同じ入力信号はタイマー(214)によってτおよびτの時間を計る時間τから入ってくるアンテナ信号に重要な変化がある場合、測定タイマー(216)によるτで異なる入力段(212)によって分析することができる。異なる入力段(212)は、差動増幅器(218)のそれぞれの第1及び第2入力に両方の出力を供給する。差異が差動増幅器(218)に存在する場合(信号の変化速度が速く、τおよびτの時間に基づく)、差動増幅器(218)はさらに処理される増幅された差動信号を出力する。さもないと、出力は生成されない。
【0119】
さらに示されたように、マイクロコンピュータ(224)は第2増幅信号(第2増幅器(220)からの)を変換する。それは内部A/D変換器(図示せず)を使用して、デジタル化入力信号の中へのアナログである。例示的にマイクロプロセッサの動作上の行為のフローを例示する図2Dで最良に例示されるように、デジタル化入力信号は動作上の行為(205)で読まれ、サンプリングされる(毎秒約10サンプル)。サンプリングデータの平均は動作上の行為(207)で測定されて、動作上の行為(209)でサンプリングされた平均として格納される。それは図示された“Δ”で、図2Dにおいて参照符号(221A)、(221B)...(221N)によって参照される。動作上の行為(211)では、図2Dでの数字(221A)、(221B),...(221N)によって参照された平均の傾斜または傾向(223)に関して決定がなされる。参照符号(221A)〜(221N)によって参照される平均値における設定期間T内に増加している傾向(傾斜)(223)が存在することが測定され、かつ傾向が増加しており、サンプリングされた平均が感度閾値(225)(動作上の行為(213)での)より大きいとき、マイクロコンピュータはアラーム(動作上の行為(215)での)を生成する。さもないと、タイマーはリセットされる。上記のスキームは誤報を回避するために行なわれる。機能的な行為(215)でのアラームの生成が回路(280A)、(280B),...(280N)によって行なわれ得るのであり、様々な表示器(230A)〜(230N)は種々のスイッチ素子(228)(その全部はまたソフトウェアベースであり得る)によって動作されることは注目されるべきである。
【0120】
上述したように、図2Cは、図2Bで示される2台のプロセッサ(224)および(250)の代わりに単一・プロセッサ(224)の使用を例示する。すなわち、図2B内での電磁気EAS信号処理回路(202A)は、電磁気EASシステム(200A)からの信号を処理するためにマイクロコンピュータ(250)を使用する。しかし、図2Cで、電磁気EAS信号処理回路(202A)は電磁気EAS信号処理回路(202B)とプロセッサ(224)を共有する。
【0121】
図3B及び3Cは、抗ファラデーシールドEASシステム300からアンテナ信号の処理のための例示的な概略の回路およびフローダイアグラムである。図3Bおよび3Cの記載は、第1誘導コイル(122)を有する第1抗ファラデーシールドEASシステム(300A)と第2誘導コイル(126)を有する第2抗ファラデーシールドEASシステム(300B)を用いて提供され、第1抗ファラデーシールドEASシステム(300A)は第2抗ファラデーシールドEASシステム(300B)に結び付けられている。しかしながら、図3Bおよび3Cの記載が、抗ファラデーシールドEASシステム(300C)にも適用することは、当業者には容易に明白になるだろう。それにもかかわらず、これらの誘導コイル(システム(300A)及び(300B)、または代替的に(300C)を形成する)は、図3Bで送信器アンテナ(308)および受信器アンテナ(312)として表わされる。送信器アンテナ(308)および受信器・アンテナ(312)が単一のトランシーバアンテナに組み合わされ得ることは注目されるべきである。送信器台座におけるアンテナは連続的な信号を発し、受信台座におけるアンテナはその連続的な信号を受信する。
【0122】
図3Bで例示されるように、抗ファラデーシールドEASシステム(300)は周波数セレクター(304)によってセットされた所定周波数で搬送波信号を生成するために信号発生装置(302)を備えた抗ファラデーシールドEAS信号処理回路(301)を含んでいる。信号発生装置(302)は媒介正弦波を生成する発信器であり得る。また、周波数セレクター(304)はソフトウェアルーチンとして実行されることがあり、それは周知である。EASシステム(300)の動作のための所定周波数の非限定的な例は、他のシステムパラメタに依存して、約20kHz〜約30kHzまでの例示的な周波数範囲を含み得る。抗ファラデーシールドEAS信号処理回路(301)は、生成された搬送波信号を増幅し、アンテナ(308)に増幅信号を出力するために、第1増幅利得(306)(それは調整可能で、実行されたソフトウェアであり得る)を備えた第1増幅器(308)をさらに含んでいる。アンテナ(308)(それは送信器台座において誘導コイル(122)及び(126)を表す)は、送信信号(322)として増幅信号を送信する。さらに、受信アンテナ312(それは受信台座において誘導コイル(122)及び(126)を表す)が送信アンテナ(308)から送信された信号(322)を受信するために含まれている。抗ファラデーシールドEASシステム(300)の監視ゾーン内でファラデーシールド(ブースターバッグ(310)なしに送信された信号(322)(視覚的なプレゼンテーションおよび発明についてのよりよい理解用)の非限定的の例示的な形態がグラフ(330)として示される。抗ファラデーシールドEASシステム(300)の監視ゾーン内にファラデーシールド(ブースターバッグ(310))がある場合、信号はグラフ(322)に示される信号(303)として表わされ得る。グラフ(330)における信号形態のように、信号形態(303)は視覚的なプレゼンテーションおよび発明についてのよりよい理解のための非限定的の例示的な形態である。
【0123】
同じようにさらに例示した、抗ファラデーシールドEAS信号処理回路(301)は、受信信号の増幅および第2増幅信号の出力のために第2増幅利得(316)(それはソフトウェアベースであり得、調整可能である)を備えた第2増幅器(314)をさらに含んでいる。低域フィルター(318)は、第2増幅信号の雑音およびフィルタにかけられた信号の生成の信号処理に使用される。振幅復調器(320)も復調された信号を生成するフィルタにかけられた信号の復調のために使用される。抗ファラデーシールドEASシステムアンテナ(308)および(312)の監視ゾーン内にファラデーケージがない(ブースターバッグ(310)がない)ならば、復調された信号は滑らになる。一般に、復調は、アナログ信号(この場合、搬送波信号)からベースバンド・信号のオリジナル状態へ調節を移す行為である。受信器システム(312)が特定の特徴を備えた被変調搬送波信号を受信するので、復調は必要である。それはそのベースバンドに戻されなければならない。抗ファラデーシールドEASシステムアンテナ(308)および(312)の監視ゾーン内にファラデーケージ(ブースターバッグ(310))がある場合、例示的な信号(303)は、下落(グラフ(322)に示される)と共に受信器システム(312)(その後、それは(326)として参照された信号に復調器によって復調される(キャリアーが削除される))によって受信される。この信号(326)は例示的に応答またはファラデーシールド(ブースターバッグ(310))の「形態」を表わす。再び、図示された信号はすべて単なる視覚的な説明または一例にすぎない。それらは発明についてのよりよい理解のために示されたのであり、限定されるべきではない。
【0124】
抗ファラデーシールドEAS信号処理回路(301)は、発生と雑音を区別し復調信号における変化速度を測定し、及び変化速度が速い場合に差動信号を発生するために、さらに差動増幅器(218)を含んでいる。差動増幅器(218)は、τ>>τであり、第1時間τを生成する第1タイマー、および第2時間τを生成する第2タイマーを備えた異なる入力段(212)(それはソフトウェアベースであり得る)を含んでいる。異なる入力段(212)の回路トポロジーおよび機能は、上述のものと同一である。さらに図示されたように、差動信号を増幅し、第3増幅信号を出力するための第3増幅利得(222)(それはまたソフトウェアベースであり得、調整可能である)を備えた第3増幅器(220))。マイクロプロセッサ(224)は、第3増幅信号(信号は、プロセッサ内でアナログ/デジタル変換器(A/D)によってまず変換される)の処理のために使用され、感度閾値レベルに基づいてアラームが生成されるか否かを決定する。感度閾値レベルは、調整可能な抵抗器のように実行される調整可能な値である。それはソフトウェアベースになり得、プロセッサに内蔵され得る。
【0125】
図3Cに最良に示されるように、例示的にマイクロプロセッサ(224)の動作上の行為のフローを図示しており、デジタル化入力信号は動作上の行為(341)でサンプリングされ、動作上の行為(342)で読まれる。非限定的なサンプリング速度の例は、約250のサンプルについて読むマイクロプロセッサ(224)(A/D変換器経由)により、約毎秒2600サンプルである。その後、それはフィルタにかけられ、平均化される。サンプリングデータの平均250の数値は動作上の行為(344)で測定されて、ランダムアクセスメモリ(RAM)ユニットのようなマイクロプロセッサのメモリでの動作上の行為(346)でサンプリングされた平均として格納される。格納されたサンプリングされた平均(毎秒約10のフィルタにかけられた平均化されたサンプル)は、アンテナ(308)および(312)によって送信され、受信される信号の画像を「構成する」ためにマイクロコンピュータ(224)によって読まれ、集められるのに充分なデータを有している。動作上の行為(346)の格納された結果は、その後、学習された発生と比較される。すなわち、マイクロプロセッサ(224)は、受信格納されたサンプリング平均(346)と所定の信号の特徴と比較し、アラームが生成されるべきか否かを決定する。ニューラル・ネットワーク学習システム、プリプログラムされたアルゴリズム、ファジー理論または他のもののような周知のシステム(352)を介して、マイクロコンピュータ(224)が、基準信号の特徴として多数のファラデーシールド信号の特徴を教えられ、マイクロコンピュータ(224)内にプリプログラムされ、格納されることは注目されるべきである。ブースターバッグ(310)が抗ファラデーシールドEASシステムアンテナ(308)および(312)の監視ゾーンにもたらされる場合、読まれ、サンプリングされ、平均され、そして学習された特徴信号の参照と比較してアラームが生成されるべきか否かを決定する。従って、信号を定義するすべての信号特性、それゆえ、デジタル信号シグネチャは比較用のマイクロプロセッサ(224)に学習され、あらかじめ格納される。充分なサンプリングは、誤報を回避するように、あらかじめ格納された特徴との明瞭な一致を可能にするために、動作上の行為(346)で格納される。
【0126】
図4B〜4Dは、2つのアンテナコイル(あるいはループ)を有するアンテナを備えた音響−磁気EASシステム(400)のアンテナ信号の処理のための例示的な概略の回路、フローチャートおよび信号のグラフ線図である。音響−磁気EASシステム(400)は、コントロールボックスと結び付けられたアンテナを含んでいる。それは図示された台座システム(101)の外部に物理的に位置し得る。コントロールボックス(図4B)は、EASシステム(400)のアンテナと連結するトランシーバモジュールを含み、送信と受信アンテナの両方としてアンテナが機能することを可能にするアンテナと結び付けられたトランシーバ回路を含む。
【0127】
コントロールボックスのトランシーバモジュール内のトランシーバ回路は、1つ以上の送信器台座(410)および(412)と結び付けられ得る送信ボード(TXボード)(406)を含んでいる。さらに、コントロールボックスのトランシーバモジュール内のトランシーバ回路は、1つ以上の受信器台座(414)、(411)、(413)及び(415)と結び付けられ得る受信器・ボード(RXボード)(424)およびTXボード(406)を含んでいる。全トランシーバモジュールはEASシステム(400)信号を処理するために、TXボード(406)とRXボード(424)の結合によって単一のマイクロプロセッサ(416)を共有することができる。
【0128】
EASシステム(400)アンテナと結び付けられたトランシーバモジュールは、対応するEASタグのための監視ゾーンを定義して、第1動作モードへの信号の発生および伝達を可能にする。生成され送信された信号は、信号相の実質的な変化なしに、EASシステム(400)の通常動作の間に維持される信号特性を有している。第2動作モードでは、トランシーバモジュールは、受信信号を処理し、所定の条件に基づいたアラームを生成するマイクロプロセッサ(416)と共に、受信器台座でEASシステム(400)アンテナを使用して、監視ゾーンから信号を受信する。
【0129】
図1A−1〜1A−3に関して上述されるように、音響−磁気EASシステム(400)は第1ループ(132)および第2ループ(134)を備えるアンテナを含んでいる。あるいは、代替的に、アンテナは単に1つの単一ループ(137)を備える。1又は2のループアンテナの任意の組み合わせが台座システム内に予期される。例えば、送信器台座は1つの単一ループアンテナ(137)を有し得る。しかし、関連する受信器台座は2つのアンテナループ(例えば第1ループ(132)および第2ループ(134))を含んでいる。2つのループが伝達(関連する受信器台座で使用されるループの数にかかわらず)に使用されれば、生成された送信器信号は位相特性を備えた第1及び第2磁界を備えるであろう。当該第1及び第2磁界は、通常動作の間に維持され、動作中の実質的な信号の相の変更なしに、実質的に同相及び位相の異なる特徴のいずれか1つのみを有する。架設者は一方の同相のみ(通常動作中いつでも維持される)、あるいは位相の異なるもの(通常動作中いつでも維持される)のいずれかの送信ループ信号を選ぶために選択し得る。従って、通常操作中に、EAS音響−磁気アンテナは、動作中の相の変更または変化なしに、同相のみまたは位相の異なるもののみのうちの1つである信号を送信する。他方では、もし単一のループアンテナ(137)が使用されれば、その後、送信された信号はすべて明らかに同相になるだろう。図4Bおよび4Cで例示されるように、2つのアンテナループが使用される場合、送信器の複数の各々のアンテナの第1及び第2ループ(132)および(134)の両方、ならびに受信器台座とトランシーバ回路が結び付けられることは注目されるべきである。
【0130】
図4Bと4C内でさらに示すように、音響−磁気EASシステム(400)は、複数の送信機および受信機の台座を駆動可能な妨害対抗能力を含む音響−磁気EAS信号処理回路(または制御ボックス)(401)を含む。2つの送信機台座TXlとTX2(410と412)、および、4つの受信機台座(RXl、RX2、RX3、および、RX4)(414、411、413、および、415)のみが示される。明瞭化と便宜上のために、および、重複を避けるために、2つのアンテナループを備える単一の送信機台座TXl(410)と、2つのアンテナループを備える単一の受信機台座RXl(414)のみが記載に用いられる。受信機RXボード(424)上のCPU(416)は、典型的な58kHzの周波数搬送波信号を生成し、該信号は、送信機TXボード(406)上の低域フィルター(418)によって処理され、増幅器(420)によって増幅され、および、複数の送信機台座(例えば、TXl(410))によって送信される準備の整ったデマルチプレクサー(422)によって個々の信号(例えば、台座のアンテナループ当たり1つの信号)に逆多重化される。送信機台座TXl(410)内の整合回路(matching circuit)(801)(図4C)は、Txアンテナコイル1を共鳴に合わせる。いくつかのコンデンサー(コンデンサーバンク)は、TXl(410)内のTxアンテナコイル1(例えば、ループ(132))とTxアンテナコイル2(例えば、ループ(134))を、共振周波数に合わせるために使用される。
【0131】
図4Cでさらに示されるように、それぞれの送信機コイルTxコイル1(ループ(132))とTxコイル2(ループ(134))によって生成された信号(431と433)は、受信機台座(例えば、RXl(414))のうちの受信機コイルRxコイル1(受信機台座内のループ(132))とRxコイル2(受信機台座内のループ(134))によって受信される。すべてのアンテナおよびコイルはトランシーバとして機能するが、簡略化のため、および、理解を容易にするために、送受信アンテナとして機能するものとして記載される。受信した送信信号(431と433)は、増幅器(803)によって増幅され(図4C)、帯域通過フィルタ(805)によってフィルタ処理され、受信機台座(例えば、RXl(414))のうちの受信機コイルRxコイル1(受信機台座内のループ(132))とRxコイル2(受信機台座内のループ(134))のドライバ回路(807)に与えられる。ドライバ回路(807)からのドライブ信号は、マルチプレクサMUX(432)への(RX増幅器(430)の二重チャネル出力を介した)増幅した信号出力によって、RXl増幅器(430)の二重入力チャネルに入力され、電圧制御増幅器(434)の二重入力チャネルに入力される。MUX(432)のセレクタライン(selector line)(435)によって、複数のRX増幅器出力のうちの1つ(この代表的な例では、それは、電圧制御増幅器(430)である)の選択と入力は、電圧制御増幅器(434)への二重入力チャネルのために選択可能である。電圧制御増幅器(434)は様々なアンテナからの様々な電圧入力を制御し、任意の環境ノイズを補正するために、(その利得ライン(437)を介して)異なる電圧レベル信号を生成する。電圧制御増幅器(434)の二重出力チャネルは、受信した送信信号を処理するために、CPU(416)に入力される。マイクロプロセッサまたはCPU(416)は、電圧制御増幅器(434)から受信した信号を処理し、受信機アンテナCPU(433)によるさらなる処理(以下に詳述される)のために、処理結果にも基づいて様々なインジケータ信号(indicarot signal)を受信機アンテナに送り戻す。当然のことながら、記載された各々の構成要素に関する入力/出力チャネルの数は、受信機台座ごとのアンテナループの数に比例する。例えば、受信機台座RXl(414)が単一のアンテナループのみ(例えば、アンテナループ(137))を含む場合、記載された構成要素は1つの入力チャネルと1つの出力チャネルを有することになる。別の例として、受信機台座RXl(414)が2つの送信機コイルRxコイル1(ループ(132))とRxコイル2(ループ(134))の代わりに、4つのアンテナループを有していた場合、記載された構成要素は4つの入力/出力チャネルを有するであろう。
【0132】
図4Dは、CPU(416)による、電圧制御増幅器(434)からの受信信号の信号処理の代表的な例である。先に記載されたように、音響−磁気EASシステム(400)の送信アンテナについての送信機領域位相の関係は、インストールプロセス中に選択され、その後の動作中、ほぼ一定に維持される。よく知られているように、少なくとも理論上は、タグまたはマーカーが、定位相を備えた送信信号の結果として生成される監視ゾーンを通り抜けるとともに、監視ゾーン内のタグ配向によって検出されないことは可能である。したがって、理論上、タグまたはマーカーが、ほとんど定位相から生成されるまたは形成される監視ゾーン内のその配向によって検出されず、したがって、監視ゾーン内に「検出の穴」をもたらす可能性は存在する。図4Dで示されたCPU(416)による信号処理は、定位相を備えた信号によって生成される監視ゾーン内に検出されないタグが発生する可能性を取り除くものである。図4Dで示されたCPU(416)の信号処理は、電圧制御増幅器(434)の二重出力チャネルから入力されたデジタル信号値の操作を含むことで、受信機台座の受信機アンテナループからの受信信号間の、同相のおよび異相の関係を計算し、それによって、任意のタグの配向を検出するとともに監視ゾーン内の可能な検出の穴を取り除く。
【0133】
図4Dで示されるように、CPU(416)は、さらなる信号処理のために、電圧制御増幅器(434)の二重出力チャネルからのアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル(A/D)変換器(441と443)を含む。その後、デジタル化信号は、Rxコイル1(ループ(132))のための各々のサンプラーユニット(445)と、Rxコイル2(ループ(134))のためのサンプラーユニット(447)によって、同時にサンプリングされる。サンプリングレートは、単位時間当たりのアンテナの動作周波数の約N倍である。例えば、ほとんどの音響−磁気EASシステムについては、送信信号の動作周波数は約58kHzである。したがって、この代表的かつ非制限的な例では、サンプルレートNは、4x58KHzまたは毎秒232キロ−サンプル、または、毎秒232,000サンプルになる。その後、CPU(416)は、それぞれのアンテナアレイサンプル(449と451)に、上記のようなM個のサンプルを保存する。すなわち、サンプラー(445)からのRxコイル1(ループ132)に関するMのデジタル化したサンプル信号は、アンテナアレイサンプル(449)内に保存され、サンプラー(447)からのRxコイル2(ループ134)に関するMのデジタル化したサンプル信号は、アンテナアレイサンプル(451)内に保存される。保存されるサンプルMの数の選択は、選択されるアレイサイズ次第である。すなわち、Mの数値はアレイのサイズに比例している。この非限定的な例では、アレイ(449と451)のサイズは、512ユニットであり、従って、512のサンプルが各サンプラーから選択され、それぞれのアンテナアレイサンプル(449と451)に保存される。その後、CPU(416)は、同相信号値(いわゆる「O」構成)(O Configuration)を計算するために、加算器(ADDER)(453)を介して、アレイ(449と451)からのそれらのMサンプルを加え、同相「O」構成アレイ(457)に値を保存し、および、異相信号値(いわゆる「8」構成)を計算するために、減算(SUBSTRACT)機能(455)を介して、同じものを引き、異相または「8」構成アレイ(459)内に結果を保存する。受信機台座の受信機アンテナループからの受信信号間の計算された同相および異相の関係がその後に用いられる(分析される)ことで、タグまたはマーカーの検出を(任意のタグ配向にかかわらず)を測定し、監視ゾーン内の任意の潜在的な検出の穴を取り除く。
【0134】
図4F−1と4F−2で示されるフローチャートと、図4G乃至図4L(これらのすべてについては以下に詳細に記載される)のタイミングおよび信号分析グラフとから明らかなように、受信データ上の「O」および「8」構成をサンプルする、保存する、および、計算するCPU(416)の操作上または機能上の行為は、予め定義された予約時刻に2度行なわれる。すなわち、CPU(416)が、操作上の実行(451)として図4F−1で典型的に示される実際の操作的な機能的な行為によって、タグからデータを受信するために時間を定められたり、時間を記録されたりする場合(図4Gの予め決められた予約時間t3で典型的に示される)に、サンプリング、保存、および、計算は第1の予め決められた予約時刻に行なわれる。CPU(416)が、操作上の実行(460)として図4F−1で典型的に示される実際の操作的な機能的な行為によって、環境ノイズまたは背景ノイズを受信するために時間を定められたり、時間を記録されたりする場合(すなわち、CPU(416)がこの予約時刻にタグ信号を受信すると予測されない)に(図4Gの予め決められた予約時間t5で典型的に示される)、第2のサンプリング、保存、および、計算は第2の予め決められた予約時刻に行われる。他に記載されるように、操作上の行為(454)の結果は、(t3で受信するように時間を定められた)タグからのデータに関連するそれぞれのアレイ(457と459)内の「O」および「8」構成のデータであり、操作上の行為(460)の結果は、(t5で受け取るよう時間を定められた)環境信号からの、それぞれのアレイ(457と459)内の「O」および「8」構成のデータである。当然のことながら、アレイの限定的な数しか示されていないのは、明瞭さと説得のためである。実際に、本発明は、多くのアレイを用いることで、図4F−1の(操作上の行為(465と467)を含む)操作上の行為(456と462)の多くのサイクルの信号情報をすべて保存する。加えて、図4Bで示されるように、CPU(416)は、さらなる信号情報とプログラム情報を保存する1つ以上の内部および外部メモリを含む。非限定的な上記のようなメモリの例は、示されたランダムアクセスメモリRAM(439)または電気的消去再書き込み可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)(441)を含む。
【0135】
図4Bに戻って参照すると、CPU(416)によって算出された検出に基づいて、プロセッサー(416)は、その後、双方向ハイブリッドマルチプレクサ/デマルチプレクサMUX/DEMUX(436)を介して、インジケータ信号を要素(809)と通信させ、該要素は、受信機台座(例えば、RX1(414))内のCPU(433)を駆動させ、オーディオおよびビジュアルアラームインジケーターを含む要素の限定されない例などの、様々なインジケータ要素を駆動させる。要素(809)は周知の双方向インターフェースであり、外部の環境ノイズからの妨害のないクリーン信号の受信および転送を可能にする。要素(809)の制限しない例は、周知のRS485集積回路(IC)インターフェースを含み得る。
【0136】
図4E−1および4E−2は、CPU(416)の上記の信号処理と連動して使用され得る様々な好ましいアンテナ構成の典型的な例である。特に、CPU(416)による上記信号処理は、図4E−1および4E−2の両方において例示されるアンテナ構成に適用可能である。図4E−1は、2つの面内の重なる送信機アンテナループTX−Aを備える1つ以上の送信機台座およびを2つの面内の重なる受信機アンテナループRX−Aを備える1つ以上の受信機台座を例示する。図4E−2は、1つの単一送信機アンテナループTX−Bを備える1つ以上の送信機台座および2つの面内の重なる受信機アンテナループRX−Aを備える1つ以上の受信機台座を例示する。両方の例(図4E−1および4E−2)において、受信機アンテナ構成RX−Aは、図4Bおよび4Cにおいて例示される、2つのループ受信機アンテナと同一であり、それらのそれぞれの信号は処理され、上述される図4Dに従って、さらなる処理のためにCPU(416)に入力される。従って、図4E−1および4E−2の両方を共に参照して、本発明の音響−磁気EASシステム(400)は、1つ以上のループ(TX−A及び/又はTX−B)を有する送信機アンテナを備える1つ以上の送信機台座、および2つのループ(RX−A)を有する受信機アンテナを備える1つ以上の受信機台座を含み得る。あるいは、本発明の音響−磁気EASシステム(400)は、(単一ループアンテナTX−Bのように機能する)アンテナTX−Aの2つのループの1つのみを使用する、(送信するための)第1動作モードを有し、両方のループ(RX−A)を使用する、送信された信号の、(受信するための)第2動作モードを有する1つ以上の送信機を含み得る。
【0137】
図4E−3および4E−4は、CPU(416)の上記の信号処理と連動して使用され得る他のアンテナ構成の典型的な例である。すなわち、(図4E−3および4E−4の両方における)受信機アンテナRX−Bが、単一ループのみを有するならば、CPU(416)による算出は、送信機アンテナにおけるループ、図4E−3に示される単一ループTX−Bまたは図4E−4に示されるダブルループTX−Aのループ数にかかわらず、「0」構成のみという結果となる。しかしながら、「0」構成のみからの監視ゾーンの結果として生じる検出は、上述されるように、潜在的な検出穴を恐らく含み得る。
【0138】
図4F−1および4F−2は、本発明に従うCPU(416)またはコンピューターの動作上の機能的行為のフローチャートの典型的な例であり、図4Gから4Lは、本発明の音響−磁気EASシステムのタイミングおよび信号分析の図表の代表的な例である。公知のように、一般に、ほとんどの音響−磁気EASシステムは、約58.4kHzの周波数で作動し、バーストにおける信号を送信する。従来の音響−磁気EASシステムは、正常な速度で信号を送信するが、タグの検出後、送信速度を2倍にする(信号バーストの数を2倍にする)。本発明は実質的に一定なバースト速度「P」で信号を送信する。すなわち、本発明は、単位時間当たり、「P」バーストで信号を送信し、この送信速度を維持する。従って、図4F−1に示されるように、動作上行為(463)で、CPU(416)は、送信信号のバーストカウントを、いくらかの値「P」に設定することにより準備される。この制限しない典型的な例において、バーストカウント(Burst Count)は、P=6のバーストパルスで信号を送信するために設定され得、各バーストパルスは、1.6ミリ秒(ms)の持続時間を有し、各バーストパルスは、(もし電源周波数が60Hzであると)11.1ミリ秒ずつ分離した。言いかえれば、バーストカウントPが、動作上行為(463)での数値6と等しくなるように設定される、制限しない典型的な例において、((465)および(467)を含む)動作上行為(450)から(462)は、図4F−2内に例示される(464)から(474)の動作上行為の実行の開始前に、6回実行される。図4F−1に示される((465)および(467)を含む)動作上行為(450)から(462)の、「P」実行サイクル後に、(図4F−2に示される)動作上行為(464)から(474)は、その後、実行される。この制限しない典型的な例において、CPU(416)は、(図4F−2に示される)動作上行為(464)から(474)を実行するために、約20ミリ秒割り当てられる。それ以外に明記すると、本発明のシステム(400)のCPU(416)は、バーストカウントPを選択される値に再設定する前に、約20ミリ秒待つ。従って、受信信号のタイプに基づいた送信信号バーストの速度を変える、従来の音響−磁気方式とは異なり、本発明は、送信信号バーストの速度を設定し維持する。上述されるように、各「P」サイクル全体にわたって集められたすべてのデータは、図4Dに例示されるような複数のアレイ(またはメモリー)に保存される(2つのアレイのみが明瞭さのために例示される)。
【0139】
図4F−1および4F−2および4Gに最良に例示されるように、動作上行為(450)で、図4Gに例示される典型的な位相ラインA、B、およびCでの入力ラインは同期され、同期の一部として、送信機TXlからの送信は、位相ラインの典型的なゼロ交差で行なわれる。送信信号の同期は、互いに妨害しないように、およびタグおよびノイズ信号の適切な読み取りのために行われることを留意されたい。例えば、位相ラインA上で機能する一方の物理的位置における第1システムは、他方の近くの物理的位置において(例えば)位相ラインC上で機能する第2の異なるシステムによって同時に送信される信号がないように、同期されなければならない。さらなる例として、信号パルスの送信の開始は、ゼロ交差で開始するために、例えば、位相ラインAに対するt1の持続時間のための時間T1の開始時、または(位相ラインC上の別のシステムに対する)時間t5の終了時に同期される。一旦すべての信号のためのすべてのタイミングが同期されれば、動作上行為(452)で、t1の持続時間を有する第1信号パルスバーストTxは、送信機台座TX1を介して時間T1で送信される(図4Gおよび4H)。同期におけるさらなる遅延を必要とするシステムのために、動作上行為(452)後に、t1がゼロ交差の典型的な開始時に始まらないが、ある程度の時間Δ1によって変換される(遅延される)ように、Δ1の随意の遅延が挿入され得ることを留意されたい。
【0140】
すべての時間は、図4Gから4Lまでに関連して以下のように記載される。図4Gに最良に例示されるように、t1は、パルス持続時間であり(図4F−1における動作上行為(452))、t2は、パルスの定着位相または期間である(図4F−1における動作上行為(405))。マイクロプロセッサ(416)が、音響−磁気EASシステム(400)の監視ゾーン内にあり得るタグから信号を受信するために、待ち、聞き、検出するための、期間t3が蓄えられる(図4F−1における動作上行為(454))。位相Cに示されるような別のシステムが、それ自体のパルスを送信するために、持続時間t4は蓄えられ(図4F−1における動作上行為(458))、t5は、マイクロプロセッサ(416)が環境ノイズを待ち、聞き、検出するために蓄えられる時間である(図4F−1における動作上行為(460))。
【0141】
図4Hは、タグ信号送信のない音響−磁気EASシステムのための信号方式を例示する。例示されるように、t3にタグ信号はない。図4Iは、同じことを例示するが、期間t3内にある、タグ応答を含む。図4Jは、2つの独立した音響−磁気EASシステム(400)のための典型的な信号方式の例示であり、該システムは、同期により、タグ送信なし(タグの存在なし)で、ゼロ交差でおよび時間t1およびt4での信号の送信を開始する。図4Kは、図4Jに示されるような典型的な信号方式の例示であるが、位相ラインA上の期間t3で、システム1内からのタグ応答を含む。最終的に、図4Lは、ジャマーによって妨害もされる、タグ付きの(時間t3でのタグ出力)システム動作を示す、典型的な信号方式の例示である。例示されるように、ジャマー信号はタグ信号に似ているが、バーストよりもむしろ時間において連続的である。ジャマー信号は、(システムがタグから信号を予期している)時間t3、および時間t5で(最低でも)検出され、バックグラウンドまたは周囲の信号の検出のためだけに蓄えられることを留意されたい。従って、ジャマー信号は、連続信号であり、バーストにおいて存在せず、システム全体に関連する事象の時間のシーケンスと同期されず、それが信号の検出を可能にしている。すべての時間tl、t2、t3、...tnは、プログラム可能であり、変更され得、これはまた、すべての信号、信号特性または特徴(例えば、パルスの開始および終了、パルスの数、パルスの幅、パルスの強度、持続時間、振幅、時間、周波数、位相、反復など)に適用することを留意されたい。
【0142】
図4Dに戻って(および図4Gから4Lと組み合わせて)参照すると、動作上行為(452)後、動作上行為(405)で、マイクロコンピューター(416)は、tlで開始したパルスが、定着する時間を有するために、t2の持続時間の間待つ。その後、動作上行為(454)で、受信信号はサンプリングされる(図4Dおよび4E−1から4E−4に関連して詳細に記載される)。すなわち、これは、受信信号がタグまたはジャマー装置からの信号であり得る場合の、持続時間t3である。動作上行為(456)で、マイクロコンピューター(416)はサンプリングされた結果(タグまたはジャマーの信号)を保存し、動作上行為(458)で待つ。この待機は持続時間t4のためであり、他のシステムがそれらのそれぞれのパルスを送信するのに十分な時間を提供する。動作上行為(460)で、マイクロコンピュータは、さらなるデータ、しかしこの場合は、持続時間t5のための受信機アンテナからのノイズ(または恐らくジャマー信号)のためのデータをサンプリングし、動作上行為(462)で受信されたデータを保存する(図4Dおよび4E−1から4E−4に関連して詳しく記載される)。上記処理動作機能は、典型的なカウンター機構制御(463)、(465)、および(467)に従って、「P」回繰り返される。
【0143】
動作上行為(464)で、保存されたすべての信号は、フィルタ処理され、動作上行為(466)で、それらは分析される。動作上行為(468)で、一致するアラーム基準が満たされるかが決定される。すなわち、可能なタグ信号が、動作上行為(454)での持続時間t3で拾い上げられたかどうかが決定される。タグ信号が受信されなかったことが決定されると、その後、ジャマー信号が受信されたかどうかが動作上行為(470)で決定される。言いかえれば、ジャマー信号が、動作上行為(454)(持続時間t3)及び/又は動作上行為(460)(持続時間t5)で拾い上げられたかどうかが決定される。それ以外に明記すると、動作上行為(470)で、ジャマーアラーム基準への一致が存在するかどうかが決定される。図4Lに関連して上述されるように、これは、システムが時間t3および時間t5でタグからの信号バーストを予期する状態、システムがノイズを聞いている状態の、時間t3および時間t5の連続信号の検出であり得る。従って、アラームが正常であり、ジャマー情報がコンピューターに転送される状態で、(もしコンピューターが、動作上行為(474)で決定されるそのような情報を要求している場合に)動作上行為(472)は、実行される。もしタグ信号が(動作上行為(468)で)受信され、ジャマー信号が(動作上行為(470)で)検出されると、アラームは、動作上行為(472)で発生し、外部のコンピューターと通信する。
【0144】
図5Aから5Dは、本発明に従うカウンターを備えた台座システムの典型的な例示である。例示されるように、本発明はさらに、台座システムによって定義される監視ゾーンに入り監視ゾーンから出る個人の数をカウントするカウンター機構を提供し、該カウンター機構は、その後、小売店、空港ターミナル、または他の場所のような保安区域に入り、保安区域から出る人の数を数えるために処理される。
【0145】
カウントを実行するための多数の方法があり、その制限しない1つの例は、もし破られたならば、結果的にカウントされる、赤外線ゲートの使用を含む。例えば、図5Aから5Dに例示されるように、赤外線ゲートは、第1台座システム(512)の第1側面(510)に位置付けされる、第1赤外線発光ダイオード(LED)(506)および第2赤外線LED(508)から成る、一連の横に並置された赤外線エミッター(502)を含み得る。典型的に例示された赤外線ゲートはさらに、第1台座システム(512)の第1側面(510)に対向する第2台座システム(516)の第2側面(514)に位置付けされる、(図5Cに示され、赤外線受信機(518)および(520)として参照される)同等の一連の横に並置された赤外線受信機(504)を含み得る。図5Cに例示されるように、赤外線LEDエミッター(508)および(506)は、一連の横に並置された赤外線受信機(518)および(520)の視野の線内にそれぞれ横に並列され、第1および第2赤外光(524)および(526)は、赤外線エミッター(502)から送信され、赤外線受信機(504)によって受信される。対象物(522)が方向(530)に移動しており、中間の台座を介して通され、赤外線受信機(518)および(520)の視野の線に入るとき、対象物(522)は、放射された赤外光(例えば、赤外光(526))のうちの1つの受信が、対応する赤外線受信機(例えば、(520))に達し、それによって、赤外線ゲートを破るのを阻止する。もし対象物(522)が例示される第1方向(530)に移動していると、その後、第2赤外光(526)は最初に壊れ、次に、第1赤外光(524)は、対象物が同じ方向(530)に移動し続けるとともに、壊れる。したがって、赤外線ゲートの妨害のシーケンス(赤外線放射光(524)および(526))は、監視ゾーンを通って保安区域を出るまたは保安区域に入る対象物の移動方向を決定する。その後、情報は、保安区域に入り、保安区域を出る人の数を測定するためにCPU(416)によって処理され得る。
【0146】
図5Dは、連結するまたは連鎖のカウンター機構を備える複数の台座の典型的な例示である。例示されるように、複数の台座の第1および第2の台座システムRX/TX−1およびRX/TX−2は、第1赤外線ゲート(560)を形成し、該第2の、および第3の台座RX/TX−2およびRX/TX−3は、第2赤外線ゲート(562)を形成する。第3および最後(第4)の台座RX/TX−3およびRX/TX−4は、第3赤外線ゲート(564)を形成する。さらに例示されるように、内部の各台座システムは、一連の赤外線エミッター(502)および赤外線受信機(504)と連結されるCPU(540)を含み得、簡単な増幅器(542)は、CPU(540)と赤外線エミッター(502)の間で連結され、一連の赤外線エミッター(502)を駆動させる。対象物(522)が任意の赤外線ゲート(560)、(562)、(564)内で移動するとき、CPU(540)への入力は、(上述されるように)対象物のカウントおよび方向性の移動のための、高(例えば、「1」)に引かれ、その後、その情報はさらなる処理のためのCPU(416)に与えられる。
【0147】
本発明のEAS台座システムと連動して使用され得る、公知のカウンターの別の制限しない例は、ソフトウェア分析を備えるデジタルビデオレコーダー(DVR)であり、ここで、保護区域を横断する特定のサイズの対象物の画像は、カウントされ、DVRの内部メモリへ保存される。その後、これらのデータは、抽出され得るか、本発明の商品監視システムへ取り込まれ得、CPU(416)によってさらに処理される。カウンターの使用は、もし人が実際に保護区域を横断すれば、アラームを確認することにより、システムアラームの信頼性をかなり増加させ、もし人が保護区域を横断したと決定されたならば、本発明の商品監視システムは、CPU(416)がアラームの発生または送信を可能にするのを許可する。もし人が保護区域を横断していないことが決定された場合、アラームはオペレータープレファレンスに依存して、許可されるか無効にされるようにプログラムされ得る。
【0148】
本発明は構造的特徴及び又は方法の行為に特有の言語においてかなり詳細に述べられているが、添付された請求項に定義される発明が、記載される特定の特徴または行為に必ずしも限定されないことが理解されるであろう。もっと正確に言えば、特定の特徴および行為は、請求される発明を実行する好ましい形態として開示される。それ以外に明記すると、本明細書に使用される語法と用語が、要約と同様に、記載の目的のためであり、限定するものとして考えられるべきではないことが理解されるであろう。したがって、本発明の典型的な例示となる実施形態が記載されているが、多数の変更および代替の実施形態が当業者に思い出されるであろう。例えば、磁気センサー(102)、(104)、(106)、および(108)は、他の公知のタイプの磁気検出器と取り替えられ得る。そのような変更および代替の実施形態は熟考され、本発明の精神および範囲から逸脱することなしになされ得る。
【0149】
全開示の全体にわたって、左、右、前、後ろ、最上部、最下部、転送、逆戻り、右回り、左回り、上、下、または上部の、下部の、後部の、前部の、縦の、横の、傾斜の、近位の、遠位の、平行の、垂直の、横軸の、縦軸の、などの他の同類の用語などのラベルは、便宜上のために使用され、任意の特定の固定された方向または配向を意味するようには意図されない。代わりに、それらは対象物の様々な部分の間の相対的位置及び/又は方向/配向を反映するために使用される。
【0150】
加えて、本開示(および特に、請求項)の全体にわたる、「第1(first)」、「第2(second)」、「第3(third)」などのメンバーへの参照は、シリアルまたは数の制限を示すためには使用されないが、代わりに、グループの様々なメンバーを識別するか同定するために使用される。
【0151】
さらに、特定の機能を実行する「ための手段(means for)」、または特定の機能を実行する「ための工程(step for)」を明確に述べない請求項における任意の要素は、アメリカ合衆国法典第35巻、第112条、第6パラグラフに規定されるような「手段」または「工程」節として解釈されない。特に、本明細書の請求項における「〜の工程(step of)」、「〜の行為(act of)」、「〜の動作(operation of)」、または「〜の動作上行為(operational act of)」の使用は、アメリカ合衆国法典第35巻、第112条、第6パラグラフの条項を行使するように意図されない。
【図1A−1】
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【図1A−2】
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【図1A−3】
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【図1A−4】
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【図1A−5】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A−1】
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【図2A−2】
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【図2A−3】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A−1】
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【図3A−2】
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【図3B】
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【図4A−1】
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【図4A−2】
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【図4D】
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【図4E−1】
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【図4E−2】
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【図4E−3】
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【図4E−4】
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【図4F−2】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図2D】
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【図3C】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4F−1】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図4J】
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【図4K】
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【図4L】
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【図5D】
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【公表番号】特表2012−530325(P2012−530325A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516221(P2012−516221)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/038739
【国際公開番号】WO2010/148038
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(511304981)
【Fターム(参考)】