説明

噴霧生成装置

本発明は、加圧ガス流を受容するための収束軸方向ベイン(3)と、円筒状ベイン(5)と、発散軸方向ベイン(7)とから順に構成される主ベインを備える、特にベンチュリ型噴霧生成装置用の分別インジェクタであって、前記インジェクタは、処理液の流れを流入させるための、収束ベイン(3)から下流に開口する、ほぼ横断した二次ベイン(9)を更に備え、円筒状ベイン(5)の軸(zz’)の角度が収束ベイン(3)及び発散ベイン(5)の長手方向軸(xx’)に対してオフセットしていることを特徴とする分別インジェクタに関する。本発明は、インジェクション装置及びこうしたインジェクタを使用する噴霧生成装置にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象となる表面、特に部屋の壁並びに室内の様々な装置及び機器に消毒製品を噴霧することによって、除染を行なう装置に使用されるタイプのインジェクション装置を備えることを特に意図した分別インジェクタに関する。本発明は更に、処理対象となる室内に微細な液滴を生成及び噴射して、室内に「ドライミスト」と呼ばれるタイプのミストを形成するのに適した噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
汚染の原因となる、室内の空気中に浮遊する細菌は、室内の様々な表面及び物体に付着する傾向を有することが知られている。逆に、室内(例えば、手術室、クリーンルーム、又は各種のケアルームなど)の物体及び壁に生ずる細菌は、大気中に浮遊する傾向を有することが更に知られている。したがって、これらの部屋は、一方の壁及び物体と、他方の大気との間で継続的に交流が行なわれている状況にある。
【0003】
全体的な除染、すなわち、室内の大気並びに様々な壁及び物体の除染は、その空間内に消毒製品を噴霧することによって行なわれている。このような噴霧による消毒には、幾つかの難点があることが認識されている。
【0004】
第1に、形成される液滴の粒径が比較的大きい(3〜5mL/分の空気の流速では80〜200μmのオーダー)ため、液滴が単純に重力によって噴霧された部位の近くの表面に付着し、これは、噴霧インジェクタから遠い表面が処理されないことから無論のこと充分とはいえない。
【0005】
第2に、液滴の粒径が大きいために、液滴が集合して室内の壁及び物体の表面上に水分のフィルム、更には液溜まりを形成する傾向を有することがある。
【0006】
本出願人の名によるフランス特許第2 859 650号には、インジェクション装置を使用することによる噴霧液滴の分別の改良について提案されており、これにより2μm〜20μmのオーダーの寸法を有し、したがって、連続的なフィルムを形成するように互いに効果的に凝集することなく、部屋の空間全体に浮遊物として見られ、室内の壁及び物体に付着する性質を有する微細な液滴を得ることが可能となる。このようにして生成されたミストは「ドライミスト」と呼ばれる。
【0007】
すなわち、フランス特許第2 859 650号に基づくインジェクション装置は、
−前記液体を供給する手段に接続され、前記液体の第1の分別を実現するための手段及び膨張室を備える二次ベイン(secondary vein)と、
−前記液体の第2の分別を実現するための手段及び大気に対する出口オリフィスを備える、ガス流を生成するための手段に接続された主ベインと、
−前記二次ベインを前記主ベインに接合し、前記膨張室と前記液体の第2の分別を実現するための手段とを接続するための手段と、を備える。
【0008】
本発明の特に興味深い変形例によれば、インジェクション装置にはインジェクタ出口の下流に配置された超音波「共振器」が設けられることにより、そこから流出する流れ自体が断片化されて液滴のある種の「回折」を生じ、液滴を更に細かくする効果を有することから、液滴分配の均一性を更に高めることが可能である。
【0009】
このようなインジェクション装置は、部屋の空間全体に処理製品の微細な液滴を均一に分配することを可能にする一方で、幾つかの問題点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
第1に、当然のこととして、インジェクタの出口の下流に配置された超音波共振器は、噴霧装置に連結された支持部材によって定位置に保持されなければならない。ここで、この支持部材は、発射される噴霧噴流の適切な均一性に悪影響を与える、制御されない拡散を引き起こす効果を有することが観察されている。この問題点を抑制するため、支持部材はできるだけ薄く形成されるが、これにより支持部材は使用時に作用する衝撃及び他の応力に対して特に弱くなり、装置の上部に配置されることによってその脆弱性が更に高くなることからよりそうした傾向が強くなる。
【0011】
操作時には、液体スプレーの液滴が支持部材上に蓄積して液滴の形成に寄与し、この液滴が主噴流の微細な液滴とともに噴霧されることも観察されている。
【0012】
最後に、インジェクタのヘッドに共振器が存在することによって、噴霧手段が完全に格納されることが望ましい特定の処理機械においてその一体化が妨害されてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、ドライミストを生成し、超音波共振器を使用することなくこれを部屋の空間全体に均質かつ均一に分配するのに適した噴霧インジェクタを提案することにある。
【0014】
すなわち、本発明の目的は、加圧ガス流を受容するための収束軸方向ベインと、円筒状ベインと、発散軸方向ベインとから順に構成される主ベインを備えるタイプの、特にベンチュリ効果噴霧装置用の分別インジェクタであって、インクジェットは、処理液の流れを流入させるための、収束ベインの下流に開口する、ほぼ横断した少なくとも1つの二次ベインを更に備え、円筒状ベインの軸の角度が収束ベイン及び発散ベインの長手方向軸に対してオフセットしていることを特徴とする、分別インジェクタである。
【0015】
興味深い点として、二次ベインは発散ベインの上流部内に開口する。
【0016】
好ましくは、オフセット角は2°〜8°の間に含まれ、好ましくは約4°である。更に、収束ベイン及び発散ベインのそれぞれの長さは、好ましくはほぼ等しくなる。円筒状ベインの長さに関しては、その長さは収束ベインの長さの約半分に等しくてよく、より正確にはその長さの0.4倍のオーダーであってよい。
【0017】
本発明によれば、収束ベインの開口は40°〜50°の間に含まれてよく、好ましくは約46°であり、発散ベインの開口は10°〜20°の間に含まれてよく、好ましくは約15°である。
【0018】
最後に、収束ベインと発散ベインとを連結する円筒状ベインの直径は0.9〜1.5mmの間に含まれ、優先的には約1.3mmである。
【0019】
本発明の目的は、このようなインジェクタを実施することが可能なインジェクション装置を提案することにもある。
【0020】
すなわち、本発明の目的は、インジェクション装置の端部の一方において加圧ガス流が供給され、その他端において上記に述べたような分別インジェクタを受容する、円筒状軸方向通路が貫通した本体を備えるタイプのインジェクション装置であって、インジェクタの二次ベインに接続された分配室内に開口する、処理液を取り入れるための少なくとも1つの線が前記本体に設けられている、インジェクション装置である。
【0021】
優先的には、取り入れ線の軸は、軸方向通路の長手方向軸にほぼ垂直となる。更に、処理液を取り入れるための線の下流部分に、流速制御のための較正されたオリフィスが設けられる点は有利である。
【0022】
最後に、本発明によれば、分配室は、ガス流を供給するための軸方向通路が貫通した、インジェクタ上に支持された挿入体の外面と、本体に形成された陥凹部の内面との間に形成することができる。
【0023】
最後に、本発明の目的は、所定の作動時間間隔の後、大気中又は壁の表面及び物体の表面のあらゆる細菌を殺滅するのに適した自律的噴霧装置を提案することにある。
【0024】
したがって、本発明の目的は、インジェクション装置内に配置された、上記に述べたようなタイプの分別インジェクタを備える噴霧装置であって、電子制御手段によって制御される、インジェクタの主ベインに供給される空気流を加圧するための手段と、前記電子制御手段によって処理動作の際に分配される体積が測定される処理液を二次ベインに供給するための手段とを備える噴霧装置でもある。
【0025】
優先的には、電子制御手段はマイクロコントローラによって構成することができ、処理液を供給するための手段は、処理液貯蔵リザーバから所定の体積の処理液を回収してこれをインジェクタの前記二次ベインに起因するベンチュリ効果によって処理液が抜き取られる一時貯蔵リザーバ内に供給するのに適した計量ポンプによって構成することができる。
【0026】
本発明の目的は、処理対象となる室内における少なくとも1つの除染効果を有する処理製品の噴霧に対して、上記に述べたもののような噴霧装置を適用することにもある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
非限定的な例として、本発明の一実施形態について添付図面を参照して以下に述べる。
【図1】本発明に基づく分別インジェクタを直径方向の断面で示した図。
【図2a】図1に示されるタイプのインジェクタを使用した、本発明に基づく噴霧装置において使用されるインジェクション装置の縦断面図。
【図2b】図2aに示されるインジェクション装置の斜視図。
【図3】それぞれ先行技術に基づくインジェクション装置、及び本発明に基づくインジェクション装置による、主ベイン内の推進剤ガスの圧力の関数として供給される流速を示すグラフ。
【図4】図2a及び2bに示されるタイプのインジェクション装置を実行する本発明に基づく噴霧装置の概略的な形態を表す図。
【図5】インジェクタの円筒部の軸とインジェクタの収束軸及び発散長手方向軸との間に形成される角度の関数として、本発明に基づくインジェクタの出口におけるガス/液体の流速を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、長手方向軸xx’を有する円筒体によって形成された、前面1aがより小さな直径を有する本発明に基づく分別インジェクタ1を示す。インジェクタ1には、3つの部分、具体的には、収束部3、これに続く円筒部5、その延長となる、外部に開口する発散部7からなるベンチュリ型の長手方向のフローベインが一方から他方に横断して形成されている。
【0029】
本発明の実施形態では、収束部3の開口は46°であり、入口オリフィスの直径は4.78mmである。収束部3の延長となる円筒部5は直径1.3mmであり、収束部の延長となる発散部7は開口が15°であり、2.27mmの出口オリフィスを有する。
【0030】
更に収束部3及び発散部7は、インジェクタ1の長手方向軸xx’と一致するそれぞれの軸線を有している。一方、円筒部5は、長手方向軸xx’に対して角度がオフセットして長手方向軸xx’に対して角度αをなす軸zz’を有し、角度αの値は本発明の実施形態では好ましくは4°のオーダーであるが、用途に応じて2°〜8°の範囲に含まれる。その周囲に円筒部5の軸zz’が長手方向軸xx’に対して回転させられる点Oは、円筒部5のほぼ中央、図に示される実施形態では、インジェクタ1の上流面1bから4.95mmの距離に位置している。
【0031】
インジェクタ1の本体には横断通路9が横断して形成されている。本実施形態では4本の通路があるが、1本の通路又は逆にそれよりも多くの通路を使用することもできる。円筒部5から下流において主ベイン内に開口するこれらの通路9は、下記に説明するように分配することが望ましい液体の供給及び流速制御手段と接続される。
【0032】
すなわち、多くの場合に空気からなるが、特定の具体的な用途では他の任意のガスによって構成されてもよい推進剤ガスは、例えば、本実施例ではベンチュリへの入口において3×10Paのオーダーの圧力を加えるのに適したコンプレッサ手段によって加圧された後、収束部3の入口に搬送され、ここで公知の要領でベンチュリ効果によってその速度が増大するとともに圧力が低下され、これにより、円筒部5の出口において、分配対象となる液体が室内に噴霧されるために横断通路9から吸引されて推進剤ガスと混合される。
【0033】
本発明によれば、円筒部5の軸zz’と収束部3及び発散部7の軸xx’との間のオフセット角αは、ガス流中に浮遊した液滴の特に効果的な分別をもたらす効果を有する。
【0034】
図2a及び2bは、本発明に基づくこうした分別インジェクタを利用したインジェクション装置を示す。
【0035】
この装置は本体11を有し、その前部にはインジェクタ本体13が螺着され、インジェクタ本体13の内部には、本発明に基づくインジェクタ1がその長手方向軸xx’が本体11の長手方向軸と一致するようにして配置されている。
【0036】
インジェクタ本体11には中央長手方向通路12が貫通しており、その内部にはインジェクタ1を定位置に保持する円筒状スペーサー14が配置されている。このスペーサーには、収束部3の入口と同じ直径を有し、一端が収束部3の入口内部に開口し、他端に取り入れ先端部17によって加圧ガスが供給される中央長手方向通路15が貫通している。
【0037】
本体11の中間部には通孔19が形成されており、その内面とスペーサー14の外面との間に分配室21を形成することが可能になっている。分配室21は、長手方向通路22によってインジェクタ1の横断通路9と連通している。
【0038】
本体1の中間部分には横断ネジ穴が更に貫通しており、その内部に本体11の長手方向軸xx’に対して対称的に配置された2本の管状の処理液供給要素23が螺入されている。これらの管状要素には、分配室21内に開口し、較正されたベイン27上で終端する中央通路25が貫通しており、これにより分配室21内に流入する処理液の流速を制御することが可能となっている。様々な処理条件、特に処理対象となる様々な部屋の特定の体積に装置を容易に適用させるため、2本の較正されたベイン27は、例えば異なる通路の断面、特に0.15mm及び0.60mmのオーダーの断面を有してよく、これにより一方若しくは他方又は両方の較正されたベインを使用することが可能となり、0.15mm、0.60mm又は0.75mmの全体の通過面積を有することが可能となる。
【0039】
本発明によれば、中央ベインによって到達するガスは収束部3を通過し、ここでベンチュリ効果により圧力が低下した後、円筒部5においてその軸外角度のため、横断通路9から液体が吸引される際に渦流を生じ、流入する液体が更に分別される。
【0040】
本発明に基づくインジェクタ1の手段によってこのように実現される分別により、ミストを形成する液滴が極めて微細であり、かつ互いに凝集することなく、更に空間内に均一に効果的に分配されてドライミストを形成するようなミストを生成することが可能となることが観察されている。
【0041】
本発明は、インジェクタの出口における液体/ガスの流速を増大させることが可能であり、このことは装置からより遠く離れた領域に流れが達することが可能であり、その濡れ効果が制限又は更には消失するという利点を有することから興味深いものである。図5のグラフは、インジェクタを離れる液体/ガスの速度を、インジェクタの円筒部5の軸がインジェクタの長手方向軸xx’となす角度αの関数として示している。本実施形態では、4°のオフセット角αにおいて速度は最大値となるが、2°〜8°の間に含まれるオフセット角αにおいても速度の増大が得られることが観察される。
【0042】
本発明は、特に共振器が省略されているために、主ベイン内で推進されるガスの圧力を低下させることが可能である点からも特に興味深い。すなわち、共振器を使用した先行技術のインジェクション装置に従えば、主ベイン内の最適作動圧は、一般に2.8×10Pa〜3.2×10Paの間に含まれるが、本発明に基づくインジェクタでは、この圧力は1.5×10Pa〜3.5×10Paの間に含まれ、好ましくは約2×10Paである。このような構成が顕著な利点を有する点は認識されるはずである。
【0043】
実際、この構成は必要とされるエネルギー、したがって主ベインに流入するガス流を加圧するための手段の出力、したがって使用されるコンプレッサの出力を低減することを可能とし、同時にこれによって生じる騒音、並びに更にその嵩及びコストを低減することを可能にするものである。
【0044】
更に、ベンチュリ型のインジェクション装置を使用した先行技術に基づく除染装置では、主ベイン中のガス圧、特に空気圧の値を高い精度で調節しなければならないことが知られており、これにより実際の使用時には設置における重大な較正の問題を生ずる場合があり、このことは使用する場所においてしばしば調節を行なわなければならないことを意味する。事実、主ベイン内のガスの流速の変化をこのベイン中の圧力の関数として示す図3の曲線aに示されるように、2.8×10Paのオーダーの圧力である作動圧では、例えば0.75×10Paのわずかな圧力の低下によって、流速が30mL/分の値から50mL/分のオーダーの値にまで動くことが観察されており、これは最初の値の約66%に相当する変化である。
【0045】
これに対して、本発明に基づく噴霧装置の同様のパラメータを示す曲線b)では、概ね作動圧、すなわち約2×10Paにおける同様の圧力低下によって3mL/分のオーダーの流速の低下が生じるが、これは上記の値よりも約7倍小さい。
【0046】
したがって、本発明は、このタイプの装置の動作の均一性を特に効果的に向上させることを可能にするものであり、特に、その場において予め完全に行なわれなければならない多くの較正及び調節を回避することを可能にするものである。
【0047】
図4は、本発明に基づく分別インジェクタを使用したインジェクション装置を実施する、噴霧装置の一例を概略的な形態で示したものである。
【0048】
この装置では、インジェクション装置11の後部に、詳細にはマイクロコントローラ32などの電子的制御手段によって駆動されるコンプレッサ30によって加圧空気が供給される。このマイクロコントローラは、制御コンソール33とインターフェースしており、処理動作を駆動するうえでマイクロコントローラにとって必要とされる、部屋の容積などの各種のパラメータを使用者がマイクロコントローラに供給することが可能である。
【0049】
処理液はカートリッジ34内に貯蔵されており、ここからマイクロコントローラ32によって決定される、処理動作を行なうために必要とされる体積Vが、マイクロコントローラ32によって動作が制御された、例えば蠕動ポンプなどの計量ポンプ36によって回収されて、一時貯蔵タンク38に供給される。このタンクは、管状要素23の入口に接続されている。所望の体積Vがタンク38に移されると、マイクロコントローラ32が処理を開始するためにコンプレッサ30を始動する命令を出し、リザーバ38が空となった時点でマイクロコントローラがこれを停止させる。
【0050】
無論、本発明に基づくインジェクタは、異なる構造及び配置を有する除染装置とともに使用することができる。本発明に基づくインジェクタは除染以外の他の領域においても用途を見いだすことができるものであり、ドライミストを形成するのに適した微細な液滴を生成することが求められる最も異なる用途と組み合わせて使用することが可能である。
【0051】
〔実施の態様〕
(1) 加圧ガス流を受容するための収束軸方向ベイン(3)と、円筒状ベイン(5)と、発散軸方向ベイン(7)とから順に構成される主ベインを備えるタイプの、特にベンチュリ効果噴霧装置用の分別インジェクタであって、前記インジェクタは、処理液の流れを流入させるための、前記収束ベイン(3)の下流に開口する、ほぼ横断した少なくとも1つの二次ベイン(9)を更に備え、前記円筒状ベイン(5)の軸(zz’)の角度が前記収束ベイン(3)及び発散ベイン(5)の長手方向軸(xx’)に対してオフセットしていることを特徴とする、分別インジェクタ。
(2) 前記二次ベイン(9)が、前記発散ベイン(7)の上流部内に開口することを特徴とする、実施態様1に記載の分別インジェクタ。
(3) オフセット角(α)が2°〜8°の間に含まれ、好ましくは約4°に等しいことを特徴とする、実施態様1又は2に記載の分別インジェクタ。
(4) 前記収束ベイン(3)及び発散ベイン(7)のそれぞれの長さがほぼ等しいことを特徴とする、実施態様1〜3のいずれかに記載の分別インジェクタ。
(5) 前記円筒状ベイン(5)の長さが前記収束ベイン(3)の長さの約半分に等しく、より正確には該長さの0.4倍のオーダーであることを特徴とする、実施態様1〜4のいずれかに記載の分別インジェクタ。
(6) 前記収束ベイン(3)の開口が40°〜50°の間に含まれ、好ましくは約46°であることを特徴とする、実施態様1〜5のいずれかに記載の分別インジェクタ。
(7) 前記発散ベイン(5)の開口が10°〜20°の間に含まれ、好ましくは約15°であることを特徴とする、実施態様1〜6のいずれかに記載の分別インジェクタ。
(8) 前記円筒状ベインの直径が0.9〜1.5mmの間に含まれ、優先的には約1.3mmであることを特徴とする、実施態様1〜7のいずれかに記載の分別インジェクタ。
(9) インジェクション装置の端部の一方において加圧ガス流が供給され、その他端において実施態様1〜8のいずれかに記載の分別インジェクタ(1)を受容する、円筒状軸方向通路(15)が貫通した本体(11)を備えるタイプのインジェクション装置であって、前記インジェクタ(1)の前記二次ベイン(9)に接続された分配室(21)内に開口する、処理液を取り入れるための少なくとも1つの線(23)が前記本体に設けられている、インジェクション装置。
(10) 前記取り入れ線(23)の軸が、前記軸方向通路(15)の長手方向軸(xx’)にほぼ垂直であることを特徴とする、実施態様9に記載のインジェクション装置。
【0052】
(11) 前記処理液を取り入れるための前記線の下流部分に、流速制御のための較正されたオリフィス(27)が設けられていることを特徴とする、実施態様9又は10に記載のインジェクション装置。
(12) 前記分配室(21)が、ガス流を供給するための軸方向通路が貫通した、前記インジェクタ(1)上に支持された挿入体(14)の外面と、前記本体(11)に形成された陥凹部(19)の内面との間に形成されることを特徴とする、実施態様9〜11のいずれかに記載のインジェクション装置。
(13) 実施態様9〜11のいずれかに記載のインジェクション装置内に配置された、実施態様1〜8のいずれかに記載の分別インジェクタを備える噴霧装置であって、電子制御手段(32)によって制御される、前記インジェクタ(1)の前記主ベインに供給される空気流を加圧するための手段(3)と、前記電子制御手段(32)によって処理動作の際に分配される体積(V)が測定される処理液を前記二次ベイン(9)に供給するための手段(36、38)と、を備える、噴霧装置。
(14) 前記電子制御手段が、マイクロコントローラ(32)によって構成されることを特徴とする、実施態様13に記載の噴霧装置。
(15) 前記処理液を供給するための手段が、処理液貯蔵リザーバから所定の体積(V)の処理液を回収して、前記処理液を、前記インジェクタ(1)の前記二次ベイン(9)に起因するベンチュリ効果によって処理液が抜き取られる一時貯蔵リザーバ(38)内に供給するのに適した計量ポンプ(36)によって構成されることを特徴とする、実施態様13又は14に記載の噴霧装置。
(16) 処理対象となる室内における少なくとも1つの除染効果を有する処理製品の噴霧に対する実施態様13〜15のいずれかに記載の噴霧装置の適用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧ガス流を受容するための収束軸方向ベイン(3)と、円筒状ベイン(5)と、発散軸方向ベイン(7)とから順に構成される主ベインを備えるタイプの、特にベンチュリ効果噴霧装置用の分別インジェクタであって、前記インジェクタは、処理液の流れを流入させるための、前記収束ベイン(3)の下流に開口する、ほぼ横断した少なくとも1つの二次ベイン(9)を更に備え、前記円筒状ベイン(5)の軸(zz’)の角度が前記収束ベイン(3)及び発散ベイン(5)の長手方向軸(xx’)に対してオフセットしていることを特徴とする、分別インジェクタ。
【請求項2】
前記二次ベイン(9)が、前記発散ベイン(7)の上流部内に開口することを特徴とする、請求項1に記載の分別インジェクタ。
【請求項3】
オフセット角(α)が2°〜8°の間に含まれ、好ましくは約4°に等しいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の分別インジェクタ。
【請求項4】
前記収束ベイン(3)及び発散ベイン(7)のそれぞれの長さがほぼ等しいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分別インジェクタ。
【請求項5】
前記円筒状ベイン(5)の長さが前記収束ベイン(3)の長さの約半分に等しく、より正確には該長さの0.4倍のオーダーであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分別インジェクタ。
【請求項6】
前記収束ベイン(3)の開口が40°〜50°の間に含まれ、好ましくは約46°であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の分別インジェクタ。
【請求項7】
前記発散ベイン(5)の開口が10°〜20°の間に含まれ、好ましくは約15°であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の分別インジェクタ。
【請求項8】
前記円筒状ベインの直径が0.9〜1.5mmの間に含まれ、優先的には約1.3mmであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の分別インジェクタ。
【請求項9】
インジェクション装置の端部の一方において加圧ガス流が供給され、その他端において請求項1〜8のいずれか一項に記載の分別インジェクタ(1)を受容する、円筒状軸方向通路(15)が貫通した本体(11)を備えるタイプのインジェクション装置であって、前記インジェクタ(1)の前記二次ベイン(9)に接続された分配室(21)内に開口する、処理液を取り入れるための少なくとも1つの線(23)が前記本体に設けられている、インジェクション装置。
【請求項10】
前記取り入れ線(23)の軸が、前記軸方向通路(15)の長手方向軸(xx’)にほぼ垂直であることを特徴とする、請求項9に記載のインジェクション装置。
【請求項11】
前記処理液を取り入れるための前記線の下流部分に、流速制御のための較正されたオリフィス(27)が設けられていることを特徴とする、請求項9又は10に記載のインジェクション装置。
【請求項12】
前記分配室(21)が、ガス流を供給するための軸方向通路が貫通した、前記インジェクタ(1)上に支持された挿入体(14)の外面と、前記本体(11)に形成された陥凹部(19)の内面との間に形成されることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載のインジェクション装置。
【請求項13】
請求項9〜11のいずれか一項に記載のインジェクション装置内に配置された、請求項1〜8のいずれか一項に記載の分別インジェクタを備える噴霧装置であって、電子制御手段(32)によって制御される、前記インジェクタ(1)の前記主ベインに供給される空気流を加圧するための手段(3)と、前記電子制御手段(32)によって処理動作の際に分配される体積(V)が測定される処理液を前記二次ベイン(9)に供給するための手段(36、38)と、を備える、噴霧装置。
【請求項14】
前記電子制御手段が、マイクロコントローラ(32)によって構成されることを特徴とする、請求項13に記載の噴霧装置。
【請求項15】
前記処理液を供給するための手段が、処理液貯蔵リザーバから所定の体積(V)の処理液を回収して、前記処理液を、前記インジェクタ(1)の前記二次ベイン(9)に起因するベンチュリ効果によって処理液が抜き取られる一時貯蔵リザーバ(38)内に供給するのに適した計量ポンプ(36)によって構成されることを特徴とする、請求項13又は14に記載の噴霧装置。
【請求項16】
処理対象となる室内における少なくとも1つの除染効果を有する処理製品の噴霧に対する請求項13〜15のいずれか一項に記載の噴霧装置の適用。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2012−515071(P2012−515071A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544901(P2011−544901)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000022
【国際公開番号】WO2010/094845
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(511169830)
【氏名又は名称原語表記】Gloster Europe
【住所又は居所原語表記】Rue Pierre et Marie Curie, F−31670 Labege FRANCE
【Fターム(参考)】