説明

噴霧装置

【課題】スプレー缶の内圧を調整することにより、缶本体の破裂や爆発等を防止する。
【解決手段】液体及び圧縮ガスが充填されるタンク部10を有する装置本体2と、蓋体22により開口部21が封止されたガスボンベ3と、蓋体22の穿孔22aに突き立てられ蓋体22を閉塞する尖鋭体25を保持し蓋体22と接離可能に配設された保持体26と、保持体26を蓋体22側に付勢しガスボンベ3を閉塞させる第1の付勢部材27と、保持体26を蓋体22と離間する方向に操作しガスボンベ3を開放する操作レバー29と、タンク部10の内圧を受けて操作レバー29を保持体26が蓋体22と近接する方向へ付勢する感圧部材62と、操作レバー29を保持体26が蓋体22と離間する方向へ付勢する第2の付勢部材64とを備え、タンク部10の内圧に応じて操作レバー29を回動させて圧縮ガスの噴出量を調整し、装置本体2の内圧を制御する内圧制御手段6と、操作部材51を操作してタンク部10内の圧縮ガスと液体を噴霧する噴霧手段7とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスボンベが内蔵され、液体を霧状に噴霧させる噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりヘアケア用品、人体消臭制汗剤や殺虫剤等の噴霧装置として高圧ガスと噴射材とをスプレー缶に充填したエアゾール製品が広く用いられている。これらエアゾール製品は一般に、スプレー缶内に噴霧される目的成分が液状で充填されると共に噴射材として液化ガスが充填されて形成されている。スプレー缶の頂部には噴出釦を兼ねたノズルが形成され、ノズルの一端にはバルブを介してスプレー缶の底部まで延設され液状の目的成分をノズルまで導く導管が接続されている。そして、噴出釦を押すと、液化ガスの圧力で液体と液化ガスとの混合物が上昇し、微細孔が多数穿設されているノズルより噴出される。大気中に噴出された液化ガスは急激に気化し、膨張する性質があるため液状の目的成分は霧状に噴出される。
【0003】
目的成分の噴射材として用いられる液化ガスとしては、液化石油ガス(LPガス)やジメチルエーテル(DME)等が広く用いられ、スプレー缶内において高圧下で液状に保存されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−146393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしボンベ内に液化ガスと液体とを充填させるエアゾール缶においては、簡便に液体を噴霧することができるが、液化ガスが高圧下で充填されているため、高温下等におかれた場合に缶内の圧力が大きくなることで破裂や爆発等の事故を引き起こす危険がある。
【0006】
またエアゾール缶は、内圧が高まった場合にも缶本体が容易に損傷しないように金属等の強固な材料を用いて形成する必要がある。
【0007】
そこで、本発明はエアゾール缶の内圧を調整することにより、缶本体の破裂や爆発等を防止するとともに、缶本体が損傷した場合にも高圧ガスが一気に噴出することによる怪我や火傷等を防止することができる噴霧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明にかかる噴霧装置は、液体が充填されるとともに圧縮ガスが導入されるタンク部を有する装置本体と、上記圧縮ガスが充填され、蓋体により開口部が封止されたガスボンベと、上記蓋体に形成された穿孔に突き立てられることにより上記蓋体を閉塞する尖鋭体を上記ガスボンベと対向する一端側に保持し上記蓋体と接離可能に配設された保持体と、上記保持体を上記蓋体側に付勢しガスボンベを閉塞させる第1の付勢部材と、長手方向の一部に設けられた支点を境とした一端側で上記保持体と当接して上記保持体を上記蓋体と離間する方向に操作し上記ガスボンベを開放する操作レバーと、上記操作レバーの支点を境とした他端側と係合し上記タンク部の内圧を受けて上記操作レバーを上記保持体が上記蓋体と近接する方向へ回動付勢する感圧部材と、該感圧部材の付勢力に対抗して上記操作レバーを上記保持体が上記蓋体と離間する方向へ回動付勢する第2の付勢部材とを備え、上記タンク部の内圧に応じて上記操作レバーを回動させることにより圧縮ガスの噴出量を調整し、上記装置本体の内圧を制御する内圧制御手段と、一端が上記タンク部内に臨まされ、他端が上記装置本体外に臨まされた導管と、該導管を開閉操作する操作部材とを備え、該操作部材を操作することにより上記タンク部内に充填された圧縮ガスと共に上記液体を噴霧する噴霧手段とを有するものである。
【0009】
また、本発明にかかる噴霧装置は、液体が充填されるとともに圧縮ガスが導入されるタンク部を有する装置本体と、上記圧縮ガスが充填され、蓋体により開口部が封止されたガスボンベと、上記蓋体に形成された穿孔に突き立てられることにより上記蓋体を閉塞する尖鋭体を上記ガスボンベと対向する一端側に保持する保持体と、上記保持体を上記ガスボンベの蓋体と接離可能に収納するハウジングと、上記ハウジング内に収納され上記保持体を上記蓋体と離間する方向に所定の付勢力にて付勢する付勢部材と、上記ハウジングの上記保持体を介して上記付勢部材と反対側に設けられ上記タンク部の内圧に応じて上記保持体を上記蓋体側に付勢する感圧部材とを備え、上記タンク部の内圧に応じて圧縮ガスの噴出量を調整し上記装置本体内の内圧を制御する内圧制御手段と、一端が上記タンク部内に望まされ、他端が上記装置本体外に臨まされた導管と、該導管を開閉操作する操作部材とを備え、該操作部材を操作することにより上記タンク部内に充填された圧縮ガスと共に上記液体を噴霧する噴霧手段とを有するものである。
【発明の効果】
【0010】
このような噴霧装置によれば、圧縮ガスを噴出させることにより液体を噴霧させているうちに装置本体の内圧が高まると、操作レバー部材の一端を下方に回動させるため、第1の付勢バネの付勢力を受けた保持体がガスボンベを閉塞し、圧縮ガスの噴出を停止させる。また、圧縮ガスの噴出が停止され装置本体の内圧が下がると、第2の付勢バネの付勢力を受けて操作レバーの一端が上方に回動されるため、保持体がガスボンベより離間され圧縮ガスが噴出される。そして圧縮ガスが噴出されることにより装置本体内の内圧が高まると、再度ガスボンベが閉塞され圧縮ガスの噴出が停止される。
【0011】
このように、本発明にかかる噴霧装置は、装置本体の内圧の上昇を自動的に防止して内圧を一定に保つことができるため、内圧が過剰に高まることによる装置本体の破裂を引き起こす危険がない。したがって、本発明に係る噴霧装置は、装置本体を金属等の強固な材料を用いる必要が無く、例えばペットボトル等の安価な材料によっても製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明が適用された噴霧装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。この噴霧装置1は、図1及び図2に示すように、噴霧される液体が充填された装置本体2と、装置本体2内に導入されることにより装置本体2内の液体を噴霧させる炭酸ガスが充填された炭酸ガスカートリッジボンベ3と、装置本体2内の内圧に応じて炭酸ガスカートリッジボンベ3の開閉操作を行い炭酸ガスの噴出を規制して装置本体2の内圧を制御する内圧制御手段6と、装置本体2内に導入された炭酸ガスと共に液体を霧状に噴霧する噴霧手段7とを備える。
【0013】
装置本体2は、略円筒形状の蓋体部9及びタンク部10が分離自在に結合されて形成されている。蓋体部9には、後述する噴霧手段7が形成され上面9aに噴霧手段7の操作釦が設けられている。また蓋体部9は、上面9aの略中央部に噴霧手段7のスプレーユニット51が配設されるユニット装着孔11が設けられ、またユニット装着孔11の周辺部に内圧制御手段6が収納される収納部12が設けられている。タンク部10は、噴霧される液体が貯留される貯留タンクとなっており、噴霧手段より延設された液体を引き上げる導管55が底部近傍まで臨まされている。そしてタンク部10は、後述する炭酸ガスカートリッジボンベ3より噴出された炭酸ガスが流入されることにより、この炭酸ガスと共に液体が導管55を通じて外部に噴出される。
【0014】
タンク部10内に充填される液体は、塗装用の塗料や化粧水、液状ファンデーション、殺虫剤のほか、醤油やドレッシング等の食品といった炭酸ガスとの相性が良好なあらゆる液体が好適に用いることができるが、特に炭酸ガスが混合されることにより品質が悪化しない液体であればよい。
【0015】
この蓋体部9とタンク部10との間には、炭酸ガスカートリッジボンベ3及び内圧制御手段6が設けられた配設板13が配設されている。この配設板13は、略円盤状をなし、装置本体2内に配設されることにより蓋体部9とタンク部10との間に挟持されている。この配設板13のタンク部10側には、炭酸ガスカートリッジボンベ3が収納されるボンベケース14が取り付けられる取付け壁15が突設され、また内圧制御手段6の可動軸61及び気密栓62が挿通される筒部16が突設されている。また配設板13の蓋体部9側には内圧制御手段6のレバー部材29を支持する一対の回動支持部17と、保持体26の移動をガイドするガイド壁18が突設され、略中央部に噴霧手段7より延設された液体を引き上げる導管55が挿通される挿通口19が開口され、さらに、後述する1次安全弁70が配設される中空突部20が突設されている。
【0016】
取付け壁15は、ボンベケース14と略同径の円筒状に形成され、後述する炭酸ガスカートリッジボンベ3の開口部21が挿入される凹部15aが形成されている。そして、取付け壁15の内周側にはネジ溝が切られ、炭酸ガスカートリッジボンベ3の開口部21に形成されたネジ溝と螺合されることにより、凹部15a内に炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22が臨まされる。また、取付け壁15の内周側の一部には噴出した炭酸ガスをタンク部10内に導くガス導入溝15bが形成されている。ガス導入溝15bは取付け壁15の立設方向に沿って形成されるとともに、取付け壁15を貫通しタンク部10内に臨まされるガス導入孔15cと連続されている。また、取付け壁15の凹部15aに螺合された炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22と配設板13との間にはクリアランス15dが形成されている。これにより、炭酸ガスカートリッジボンベ3から噴出した炭酸ガスは、クリアランス15dからガス導入溝15bを経てガス導入孔15cへ導かれ、タンク部10内へ噴出される。
【0017】
配設板13は、この取付け壁15の凹部15aの反対側に保持体26の移動をガイドするガイド壁18が設けられている。ガイド壁18は、保持体26の突部30が挿通される挿通孔18aが設けられ、突部30が挿通孔18aに沿って上下動されることにより保持体26の移動をガイドするものである。そして、配設板13は、取付け壁15の凹部15aとガイド壁18の挿通孔18aとを通す開口13aが穿設されている。開口13aは、ガイド壁18に挿入された保持体26の尖鋭体25が挿通することにより穿設されることにより尖鋭体25と同一の径で形成され、尖鋭体25を取付け壁15の凹部15a内に臨む炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22に導く。また、開口13aは、配設板13を滑りがよく、反発性があるポリエチレン等の材料を使用することによって、尖鋭体25の移動をガイドするとともに、蓋体22の穿孔22aから尖鋭体25を引き抜いたときにも開口13aとの間に間隙が形成されることなく炭酸ガスが蓋体部9側に流れることを防止することができる。
【0018】
レバー部材29を支持する回動支持部17は、レバー部材29に突設された回動突部43を回動自在に支持する円弧状の回動凹部17aが形成されている。
【0019】
ボンベケース14内に収納される炭酸ガスカートリッジボンベ3は、略筒状の金属筐体内に液化炭酸ガスが充填されている。また、炭酸ガスカートリッジボンベ3は、金属筐体の一端側に開口部21が形成されている。開口部21は蓋体22で覆われており、金属筐体内の炭酸ガスの噴出を防止している。また、開口部21は、蓋体22が後述する保持体26に保持されている尖鋭体25により穿孔22aが形成されるとともに、尖鋭体25が穿孔22aに突き立てられることにより閉塞される。
【0020】
このような炭酸ガスカートリッジボンベ3は、蓋体22に突き立てられている尖鋭体25が引き上げられることにより、蓋体22の穿孔22aから炭酸ガスが噴出する。また、炭酸ガスカートリッジボンベ3は、尖鋭体25が穿孔22a内に突き立てられることにより開口部21が閉塞され、炭酸ガスの噴出が防止される。
【0021】
このガスボンベカートリッジを収納するボンベケース14は、一端が開口された円筒体からなり、開口端近傍は配設板13に突設された取付け壁15と係合される係合部とされている。また、ボンベケース14は、外周部14aに炭酸ガスの噴出を防止する逆止弁23が設けられている。逆止弁23は、装置本体2のタンク部10内の炭酸ガスがボンベケース14より炭酸ガスカートリッジボンベ3内に噴出し、ボンベケース14の内圧が高まることを防止するものである。
【0022】
装置本体2の内圧を制御する内圧制御手段6は、炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22を開閉する尖鋭体25を保持する保持体26と、保持体26を炭酸ガスカートリッジボンベ3の開口部21側に付勢する保持体付勢バネ27と、保持体26を炭酸ガスカートリッジボンベ3の開口部21と離間する方向に操作して炭酸ガスを放出させるレバー部材29と、操作レバー29と係合し上記タンク部10内の内圧に応じて上記操作レバー29を回動操作する可動軸61と、可動軸61を筒部16内に摺動自在に支持する気密栓62と、可動軸61の摺動を制御する可動軸押さえ板63と、可動軸61をタンク部10側に付勢する可動軸付勢バネ64とを備える。
【0023】
尖鋭体25を保持し、炭酸ガスカートリッジボンベ3の開閉を行う保持体26は、図3及び図4に示すように、断面略凸字状に形成され、炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22に突き立てられる尖鋭体25が挿通、保持される突部30と、保持体26を炭酸ガスカートリッジボンベ3側に付勢する保持体付勢バネ27が係止される係止溝31が形成されたフランジ部32を有する。
【0024】
尖鋭体25を挿通、保持する突部30は、配設板13に形成されたガイド壁18の挿通孔18aに摺動自在に支持され、炭酸ガスカートリッジボンベ3と近接又は離間する方向への移動がガイドされている。また保持体26は、後述するレバー部材29と当接されることにより保持体付勢バネ27の付勢力に対抗して突部30が炭酸ガスカートリッジボンベ3より離間する方向へ操作可能とされている。
【0025】
炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22を閉塞する尖鋭体25は、尖端部25aが突部30の底面部30aより突出され、炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22に突き立てられている。これにより、尖鋭体25は、蓋体22に穿孔22aを開けるとともに、この穿孔22aを閉塞することにより炭酸ガスカートリッジボンベ3内に充填された炭酸ガスの流出を防止する。
【0026】
保持体26の炭酸ガスカートリッジボンベ3と対向する端部に形成されているフランジ部32は、保持体26を付勢する保持体付勢バネ27等の付勢部材が係合される。この保持体付勢バネ27は、保持体26に係合された状態で保持体26が装置本体2の蓋体部9内に収納されることにより、一端を蓋体部9の上面部9aの内壁に当接され、他端をフランジ部32に当接される。これにより、保持体付勢バネ27は、保持体26を炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22側に付勢している。また、フランジ部32は、後述するレバー部材29の回動に伴ってレバー部材29の支持アーム41に押圧される突起部33が形成されている。保持体26は、突起部33がレバー部材29に押し上げられることにより、保持体付勢バネ27の付勢力に対向して尖鋭体25が炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22より離間する方向へ上昇される。
【0027】
以上のような構成を有する保持体26は、配設板13取り付けられ装置本体2内に収納されると、炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22と尖鋭体25が突設された底面部30aとが対向される。そして、保持体26は、保持体付勢バネ27により炭酸ガスカートリッジボンベ3側に付勢されるため、尖鋭体25が配設板13を挿通すると共に、蓋体22を穿孔するとともに尖端部25aが穿孔22aに突き立てられ炭酸ガスカートリッジボンベ3を閉塞する。
【0028】
そして、保持体26は、レバー部材29により、保持体付勢バネ27の付勢力に対抗して炭酸ガスカートリッジボンベ3と反対側に移動されると、蓋体22より尖鋭体25の尖端部25aが引き上げられるため、炭酸ガスを噴出させることができる。噴出した炭酸ガスは、配設板13の取付け壁15に形成されたガス導入溝15b及びガス導入孔15cを流れてタンク部10側に流れる。また、保持体26は、レバー部材29の付勢力が解かれると、保持体付勢バネ27の付勢力により炭酸ガスカートリッジボンベ3側に付勢されるため、尖鋭体25の尖端部25aが炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22に形成された穿孔22a内に突き立てられ、炭酸ガスの噴出量を減少させ、また炭酸ガスの噴出を停止する。
【0029】
なお、保持体26を炭酸ガスカートリッジボンベ3側に付勢する保持体付勢バネ27は、蓋体22の穿孔22aより炭酸ガスカートリッジボンベ3内に挿通された尖鋭体25の尖端部25aがボンベ内に充填された炭酸ガスにより押圧される圧力よりも大きな圧力で、保持体26を付勢する。すなわち、保持体26に保持された尖鋭体25は、蓋体22の穿孔22aより炭酸ガスカートリッジボンベ3内に突き立てられたときでも、ボンベ内のガス圧力により穿孔22aより押し出されることはない。したがって、ガスボンベカートリッジ3は、レバー部材29により保持体26が操作される前において、炭酸ガスカートリッジボンベ3内に充填された炭酸ガスの漏出が防止されている。
【0030】
保持体26を操作して炭酸ガスを噴出させるレバー部材29は、略H字状に形成された板状体からなり、長手方向の一端29a側に配設板13の回動支持部17に支持される一対の支持アーム41が設けられ、長手方向の他端29b側に内圧制御手段6と係合される一対の係合アーム42が設けられている。
【0031】
一対の支持アーム41には、上記回動支持部17の回動凹部17aに回動可能に支持される略円柱状の回動突部43が側方に突設されている。レバー部材29は、この回動突部43を支点に一端29a及び他端29b側がシーソー状に回動される。また、一対の支持アーム41の間にはレバー部材29の長手方向に沿って一端29a側が開放された略U字状の開口部44が形成されている。開口部44は、上記ガイド壁18及び挿通口19が位置されると共に、レバー部材29の略中央部に位置される挿通口19に対応してU字の内周側が円弧状とされている。また、一対の支持アーム41は、上記保持体26のフランジ部32の下方に位置されている。そして支持アーム41は、レバー部材29の他端29bが回動突部43を中心に下方に回動されると、反対に上昇してフランジ部32より下方に突出された突起部33に当接し、保持体26を上方に押し上げる。
【0032】
一対の係合アーム42も同様に、レバー部材29の長手方向に沿って他端29b側が 開放された略U字状の開口部45が形成されている。開口部45には、内圧制御手段6の可動軸61挿通され、この可動軸61によってレバー部材29の回動が規制され、炭酸ガスの噴出量が制御される。
【0033】
この可動軸61は、装置本体2のタンク部10内の内圧に応じて上下動することにより、レバー部材29を回動操作し、炭酸ガスの噴出量を制御して装置本体2の内圧を調整するものである。この可動軸61は、円柱状の軸本体61aと、軸本体61aの下端側に形成され軸本体61aよりも大径の基底部61bとからなる。また可動軸61は、配設板13のタンク部10側に突設された筒部16に摺動自在に挿入され、軸本体61aが筒部16の上部に形成された配設板13の挿通孔16aに挿通されている。なお、可動軸61は、基底部61bが挿通孔16aよりも大径とされることにより、筒部16の上方に移動したときに基底部61bが挿通孔16a周辺に係止されることにより筒部16からの抜け止めが図られている。
【0034】
配設板13の蓋体9側に臨まされている軸本体61aは、先端部がレバー部材29の開口部45を挿通するとともに、開口部45の周縁部に係合されることにより、可動軸61の上下動に応じてレバー部材29の他端29b側を回動させることができる。また軸本体61aの先端部には、可動軸61を所定の付勢力でタンク部10側に付勢する可動軸付勢バネ64の一端が係止される可動軸押さえ板63が取り付けられている。可動軸押さえ板63は、円盤状に形成され、中央部に軸本体61aの先端部が挿通される挿通孔が形成され、外周縁に可動軸付勢バネ64の先端部が係止される係止溝が形成されている。
【0035】
可動軸付勢バネ64は、一端を可動軸押さえ板63に係止され、他端を蓋体部9の上面9a内側に係止されることにより、可動軸61を所定の付勢力で装置本体2のタンク部10側に付勢する。そして可動軸付勢バネ64は、所定の付勢力にて可動軸61をタンク部10側に付勢することにより、可動軸61を蓋体9側に付勢するタンク部10内の内圧が可動軸61をタンク部10側に付勢する可動軸付勢バネ64の付勢力よりも大きい場合には可動軸61を上昇させ、タンク部10内の内圧が可動軸付勢バネ64の付勢力よりも小さい場合には可動軸61を下降させる。このように、内圧調整手段6は、可動軸付勢バネ64の付勢力を調整することにより可動軸61を上昇又は下降させる内圧を調整することができる。
【0036】
また、可動軸付勢バネ64は、レバー部材29の回動突部43が一端29a側に偏倚して形成されていることから、保持体26を炭酸ガスカートリッジボンベ3側へ付勢する保持体付勢バネ27の付勢力に比して大きな力で可動軸61及びレバー部材29の他端29b側をタンク部10側へ付勢している。したがって、可動軸付勢バネ64は、液体が装置本体外へ噴霧されることによりタンク部10の内圧が可動軸付勢バネ64の付勢力より低下すると、可動軸押さえ板63を介してレバー部材29の他端29bを下方へ回動させる。これにより、レバー部材29は、保持体付勢バネ27の付勢力に対抗して、一端29a側の支持アーム41が保持体26を上方に付勢することができ、尖鋭体25の尖端部25aを炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22の穿孔22aより引き抜き、炭酸ガスをタンク部10内に噴出させることができる。
【0037】
また可動軸61を筒部16内に支持する気密栓62は、可動軸61を筒部16からの落下を防止するとともに、タンク部10内に導入された炭酸ガスが筒部16及び挿通孔16aを介して蓋体部9側に漏れることを防止してタンク部10内の内圧制御を確実に行うためのものである。この気密栓62は、本端部10内の圧力に応じて可動軸61の基底部61bとともに筒部16内を伸縮しながら上下動する可撓部62aと、筒部16の先端部に接着され筒部16からの炭酸ガスの漏洩防止を図る接着部62bとを有する。そして気密栓62は、タンク部10内に炭酸ガスが導入され、内圧が上記可動軸付勢バネ64の付勢力よりも高まると、この内圧により可動軸付勢バネ64の付勢力に対抗して、可撓部62aが可動軸61の基底部61bとともに筒部16内を押し上げられ、また、内圧が可動軸付勢バネ64の付勢力よりも下がると、可動軸付勢バネ64の付勢力によって可動軸61の基底部61bとともに筒部16内を押し下げられる。
【0038】
このような内圧制御手段6は、タンク部10内に充填された炭酸ガス及び液体が噴霧されることにより、タンク部10の内圧が可動軸押さえ板63に係止されている可動軸付勢バネ64の付勢力より下がると、可動軸押さえ板63が可動軸付勢バネ64に付勢されて可動軸61が筒部16を下降する。なお、このとき気密栓62は可撓部62aが蛇腹状に収縮される。可動軸押さえ板63が下降することにより、レバー部材29は、他端29b側の係合アーム42が可動軸61とともに押し下げられ、他端29b側が下方へ、一端29aが上方へ回動される。これにより保持体26の尖鋭体25が炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22より引き抜かれて炭酸ガスがタンク部10内に噴出される。
【0039】
一方、内圧制御手段6は、炭酸ガスがタンク部10内に噴出されることによりタンク部10内の内圧が高まると、気密栓62の可撓部62aが伸長しながら可動軸61が筒部16を上昇し、軸本体61aの先端部が可動軸付勢バネ64の付勢力に対抗して上昇する。このため、軸本体61aの先端部と係合されているレバー部材29は、他端29b側が上方に、一端29a側が下方に回動する。レバー部材29の一端29aに設けられた支持アーム41が突起部33に当接することにより上方に移動されていた保持体26は、レバー部材29の一端29aが下方に回動することにより、保持体付勢バネ27の付勢力によって炭酸ガスカートリッジボンベ3側へ移動する。これにより、保持体26に保持された尖鋭体25の尖端部25aが蓋体22の穿孔22aに突き立てられ、炭酸ガスの噴出量が減少又は噴出が停止される。したがって、タンク部10は、炭酸ガスの供給が減少又は停止し内圧の上昇が防止される。
【0040】
そして、タンク部10内の炭酸ガスが放出され、内圧が下がると可動軸付勢バネ64がレバー部材29の他端29bを下方に回動付勢し、保持体26を上方に移動させて再度、炭酸ガスカートリッジボンベ3より炭酸ガスを噴出させる。
【0041】
このように、内圧制御手段6は、タンク部10内に充填された液体が噴霧されることによるタンク部10の内圧の昇降に応じて炭酸ガスカートリッジボンベ3の開閉操作を行う。したがって、内圧制御手段6は、液体が噴霧されている間、装置本体2の内圧を一定に制御することができる。
【0042】
また、ユーザによるスプレーヘッド51の押圧操作が解除され、液体の噴霧が停止されると、タンク部10内の内圧が可動軸付勢バネ64の付勢力よりも高まり、可動軸61の上昇に伴ってレバー部材29の一端29aが下方に回動し、保持体26の尖鋭体25が炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22に突き立てられて炭酸ガスの放出が停止される。したがって、装置本体2の内圧が上昇することはない。
【0043】
以上のような内圧制御手段6を備えた噴霧装置1によれば、実使用時及び不使用時における装置本体2内の内圧が常時一定に維持することができる。そして噴霧装置1は、可動軸付勢バネ64の付勢力を調整することにより装置本体の内圧を低く(例えば2〜3気圧)維持することができるため、装置本体2の内圧が過剰に上昇して破裂を引き起こす危険がない。したがって、本発明が適用された噴霧装置1は、装置本体2を金属等の強固な材料を用いる必要が無く、例えばペットボトル等の安価な材料によって製造することも可能となる。
【0044】
炭酸ガスと共にタンク部内に充填された液体を噴霧する噴霧手段7は、操作釦となるスプレーヘッド51と、スプレーバルブが構成されるスプレーユニット52と、スプレーヘッド51及びスプレーユニット52及びの間に嵌装されるユニットキャップ53と有する。
【0045】
スプレーヘッド51は、装置本体2の蓋体部9上に設けられ、ユニットキャップ53を介してスプレーユニット52と連結されている。そしてスプレーヘッド51は、ユーザによって押圧操作されることにより、スプレーユニット52を開放する。またスプレーヘッド51は、噴霧ノズル54が形成され、タンク部10内に延設された導管55及びスプレーユニット52を介して上昇された液体が噴霧ノズル54より圧縮ガスと共に噴霧される。
【0046】
このスプレーヘッド51によって押圧操作されるスプレーユニット52は、スプレーバルブが形成されたバルブアッセンブリー52aを備える。バルブアッセンブリー52aは、導管55の上部と連結されることにより装置本体2のタンク部10に充填された液体をスプレーヘッド51に導く円筒状の連結部56が設けられるとともに、この連結部56の上部が上記スプレーヘッド51の噴霧ノズル54と連結されている。
【0047】
このような噴霧手段7は、常態においてスプレーユニット52及びスプレーヘッド51は、常時、上方に押し上げられ、タンク部10内に充填された炭酸ガス及び液体の噴出が停止されている。
【0048】
そして、噴霧手段7は、スプレーヘッド51が押圧操作されることによりスプレーユニット52のバルブアッセンブリー52aが連結部56を開放する。装置本体2のタンク部10は、予めガスカートリッジボンベ3より炭酸ガスが供給され大気中よりも高圧(例えば2〜3気圧)に保たれているため、連結部56が開放されることによりタンク部10内に充填された炭酸ガス及び液体が噴霧ノズル54より噴霧される。
【0049】
タンク部10内に充填された炭酸ガスが装置本体外へ放出されると、装置本体10の内圧が下がるため、内圧制御手段6によってレバー部材29の他端29bが回動突部43を支点に下方に回動される。これによりレバー部材29の一端29a側に形成された支持アーム41が上昇して保持体26のフランジ部32に形成された突起部33を押圧する。したがって、保持体26は保持体付勢バネ27の付勢力に対抗して上昇され、保持体26に保持されている尖鋭体25の尖端部25aが炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22の穿孔22aより抜き出されるため、炭酸ガスが噴出しタンク部10内に供給される。その後、タンク部10の内圧が高圧(例えば2〜3気圧)に達すると、内圧制御手段6によってレバー部材29が回動操作され、炭酸ガスカートリッジボンベ3からの炭酸ガスの噴出が停止し、タンク部10の内圧が一定に保たれる。
【0050】
ユーザによるスプレーヘッド51の押圧操作が解除されると、スプレーユニット52のバルブアッセンブリー52aは、導管55を閉塞し液体の噴霧を停止する。
【0051】
なお、装置本体2の配設板13にはタンク部10内に炭酸ガスが過剰に供給されて内圧が高まった場合に、炭酸ガスを装置本体2外へ逃す1次安全弁70及び2次安全弁71が設けられている。1次安全弁70は、Oリング75と、金属球76と、付勢バネ77と、中空突部20を封止するキャップ78とを備え、これらが配設板13の蓋体部9側に突設された中空突部20内に配設されている。金属球76は、一端を中空突部20の状態に取り付けられたキャップ78に係止された付勢バネ77の他端が当接されることにより、常時中空突部20の下方に付勢されている。また、キャップ78には中空突部20に流入した炭酸ガスを外部に排出する中空部78aが形成されている。
【0052】
1次安全弁70が配設される中空突部20は、配設板13のタンク部10側に臨むガス排出孔20aが形成されている。ガス排出孔20aは、中空突部20内に配設された金属球76が付勢バネ77によって下方に付勢されることにより、常態において閉塞されている。
【0053】
そして、1次安全弁70は、スプレーユニット52のスプレーバルブが閉塞され炭酸ガスが放出されない場合に、装置本体2のタンク部10内に炭酸ガスが過剰に供給されて内圧が高まると、タンク部10の気圧によってガス排出孔20aを閉塞していた金属球76が付勢バネ77の付勢力に対抗して持ち上げられ、炭酸ガスが中空突部20側へ流入される。中空突部20内に流入した炭酸ガスは、キャップ78に形成された中空部78aより装置本体2の蓋体部9側に放出され、蓋体部9の上面9aに穿設されたガス抜け穴79より外部に排出される。装置本体2のタンク部10内の内圧が下がると、金属球76が付勢バネ77に付勢され、中空突部20のガス排出孔20aを閉塞する。
【0054】
また、2次安全弁71は、断面略T字状のピンであり、配設板13に穿設された第2の排出孔80に圧入されている。この2次安全弁71は、スプレーユニット52のスプレーバルブが閉塞され炭酸ガスが放出されない場合に、装置本体2のタンク部10内に炭酸ガスが過剰に供給されて内圧が高まり、かつ1次安全弁70によっては内圧の低下が追いつかない場合等に、タンク部10内の気圧に押されて第2の排出孔80から外れ、炭酸ガスを蓋体部9側に放出させる。蓋体部9側に放出された炭酸ガスは、蓋体部9の上面9aに穿設されたガス抜け穴79より外部に排出される。
【0055】
次いで、以上のような構成を有する噴霧装置1の実使用時における動作を説明する。使用時において噴霧装置1は、予め炭酸ガスカートリッジボンベ3が取付け壁15の凹部15a内に装着され、保持体26の尖鋭体25によって蓋体22に穿孔22aが穿設されている。
【0056】
また、炭酸ガスカートリッジボンベ3が保持体26の尖鋭体25によって穿孔されることにより、タンク部10内に炭酸ガスが導入され内圧が大気中よりも高圧(例えば2〜3気圧)とされている。したがってレバー部材29は、タンク部10内の内圧によって上方に押し上げられた可動軸61によって他端29b側が上方に、一端29aが下方に回動付勢されている。これにより保持体付勢バネ27によって保持体26が炭酸ガスカートリッジボンベ3側へ付勢されることにより、尖鋭体25の尖端部25aが穿孔22aに突き立てられて炭酸ガスの噴出が防止され、タンク部10内の内圧が2〜3気圧程度に維持されている。
【0057】
次いで、ユーザによってスプレーヘッド51の噴霧ノズル54がを噴霧対象に向けて装置本体2のタンク部10が把持される。そして、ユーザによってスプレーヘッド51が押圧されると、図5に示すように、スプレーユニット52が下方に移動されるとともに、バルブアッセンブリー52aのスプレーバルブが開口され、タンク部10内の炭酸ガスと共に液体が導管55を通じて噴霧ノズル54より噴霧される。
【0058】
炭酸ガスが装置本体2外へ噴出されることによりタンク部10内に内圧が降下すると、可動軸付勢バネ64の付勢力によって可動軸押さえ板63が下方に付勢され、可動軸61が押し下げられる。これによりレバー部材29の他端29bが下方に、一端29aが上方に回動付勢されるため、保持体26は、突起部33がレバー部材29の支持アーム41によって上方に押し上げられ、炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22より離間される。これにより、保持体26に支持されている尖鋭体25の尖端部25aが炭酸ガスカートリッジボンベ3蓋体22の穿孔22aより引き上げられるため、ボンベ内に圧縮されている炭酸ガスが噴出される。
【0059】
噴出された炭酸ガスは、蓋体22と配設板13との間のクリアランス15dより凹部15aの一部に設けられたガス導入溝15b及びガス導入孔15cを介して装置本体2のタンク部10内に導入される。したがって、噴霧装置1は、タンク部10の内圧が2〜3気圧程度に維持され、所定の噴霧量を維持することができる。
【0060】
また、炭酸ガスがタンク部10内に噴出され、内圧が過剰に高まると、配設板13の筒部16よりタンク部10内に臨まされている内圧制御手段6の可動軸61は、内圧によって基底部61bが押されて、可動軸付勢バネ64の付勢力に対抗して筒部16を気密栓62とともに押し上げられていく。可動軸61が上方に押し上げられることにより、可動軸61の軸本体61aに係合されたレバー部材29の他端29b側に設けられた係合アーム42も上方に回動されるため、レバー部材29の一端29aが下方に回動される。これにより保持体26は、レバー部材29の支持アーム41からの押圧力が解除されるため保持体付勢バネ27の付勢力によって炭酸ガスカートリッジボンベ3側に移動される。そして保持体26の尖鋭体25は、尖端部25aが蓋体22の穿孔22aに突き立てられ、炭酸ガスの噴出量を減少させ、又は炭酸ガスの噴出を停止させる。したがって、タンク部10は、炭酸ガスの噴出量が減少又は停止されることにより内圧が過剰に高圧となることを防止することができる。
【0061】
ユーザによるスプレーヘッド51の押圧操作が解除されると、炭酸ガスの噴出が停止されるため、炭酸ガスカートリッジボンベ3からの炭酸ガスの導入によりタンク部10の内圧が上昇する。したがって、タンク部10の内圧に可動軸61が押し上げられ、レバー部材29の他端29bが上方に回動されるとともに一端29aが下方に回動され、保持体26への押圧力が解除される。これにより保持体26が保持体付勢バネ6427の付勢力によって下方に付勢され、尖鋭体25は、尖端部25aが炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22の穿孔22aに突き立てられ、炭酸ガスカートリッジボンベ3を閉塞する。
【0062】
このように本発明が適用された噴霧装置1は、タンク部10の内圧の昇降に応じてレバー部材29を回動させ、このレバー部材29の回動に応じて保持体26を炭酸ガスカートリッジボンベ3に近接離間させるように操作する。これにより噴霧装置1は、噴霧中又は噴霧停止中とを問わず、タンク部10の内圧を常に一定に維持することができる。また、このタンク部10は、タンク部10の内圧の昇降に応じてレバー部材29を回動操作する可動軸付勢バネ64の強度を調整することにより、内圧及び噴霧量を増加又は減少させることができる。
【0063】
また、噴霧装置1によれば、保持体26が保持体付勢バネ27により炭酸ガスカートリッジボンベ3側に付勢されることにより、蓋体22が尖鋭体25により穿孔、閉塞されているため、装置本体2を落下等させた場合でも、炭酸ガスカートリッジボンベ3内の炭酸ガスの噴出や気化熱による凍傷等の危険がなく、安全に取り扱うことができる。
【0064】
さらに、噴霧装置1は、液体の噴霧が停止されている状態では、炭酸ガスの装置本体2内への供給が停止されているため、装置本体2のタンク部10内の気圧は低く(例えば2〜3気圧)保たれている。したがって、装置本体2が高温下等におかれた場合に装置本体2内の圧力が大きくなることで破裂や爆発等の事故を引き起こす危険がない。また装置本体2は、タンク部10の内圧が高まった場合にも装置本体2が容易に損傷しないように金属等の強固な材料を用いて形成する必要がなく、例えばペットボトル等の剛性の低い材料で形成することもできる。
【0065】
また、本発明が適用された噴霧装置は、以下のような構成を備えていてもよい。なお、以下に説明する噴霧装置においては、上述した噴霧装置1に記載した部材については同一の符号を付してその詳細を省略する。
【0066】
この噴霧装置100は、図6〜図8に示すように、噴霧される液体が充填されるとともに圧縮ガスが導入される装置本体101と、装置本体101内に充填された液体を噴霧させる炭酸ガスが充填された炭酸ガスカートリッジボンベ3と、装置本体101の内圧に応じて炭酸ガスカートリッジボンベ3の開閉動作を行い圧縮ガスの噴出量を調整して装置本体101の内圧を制御する内圧制御手段102と、装置本体101内に導入された炭酸ガスと共に液体を霧状に噴霧する噴霧手段7とを備える。
【0067】
装置本体101は、略円筒形状の蓋体部110及びタンク部111が分離自在に結合されて形成されている。蓋体部110には、後述する噴霧手段7が形成され上面110aに分手段103の操作釦が設けられている。また蓋体部110は、上面110aの略中央部に、炭酸ガスの内圧制御手段102のハウジング120が配設されるハウジング装着孔112と、噴霧手段7のスプレーユニット52が配設されるユニット装着孔113とが設けられている。これらハウジング装着孔112及びユニット装着孔112は、いずれも中空円筒状に設けられ、ハウジング120又はスプレーユニット52を蓋体部110内に収納保持する。
【0068】
タンク部111は、噴霧される液体が貯留される貯留タンクとなっており、噴霧手段7のスプレーユニット52より延設され液体を引き上げる導管55が底部近傍まで臨まされている。そしてタンク部111は、後述する炭酸ガスカートリッジボンベ3より噴出された炭酸ガスが流入されることにより、この炭酸ガスと共に液体が導管55を通じて外部に噴出される。
【0069】
なお、タンク部111内に充填される液体は、塗装用の塗料や化粧水、液状ファンデーション、殺虫剤のほか、醤油やドレッシング等の食品といった炭酸ガスとの相性が良好なあらゆる液体が好適に用いることができるが、特に炭酸ガスが混合されることにより品質が悪化しない液体であればよい。
【0070】
次いで装置本体101の内圧に応じて炭酸ガスボンベカートリッジ3を開閉操作して装置本体101の内圧を制御する内圧制御手段102について説明する。内圧制御手段102は、ハウジング装着孔112に収納、保持されるハウジング120と、ハウジング内に収納され炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22の開閉を行う尖鋭体122を保持する保持体121と、保持体121を炭酸ガスカートリッジボンベ3から離間する方向に付勢する保持体付勢バネ123と、装置本体101の内圧に応じて保持体121を炭酸ガスカートリッジボンベ3側に付勢する気密栓124とを備える。
【0071】
ハウジング120は、全体を略中空円筒状に形成され、長手方向の一端側に炭酸ガスカートリッジボンベ3の開口部21が接続される接続部126が設けられ、他端側に保持体121及び保持体付勢バネ123が収納される収納部127が設けられて、これら接続部126と収納部127とが隔壁128によって仕切られている。隔壁128は、収納部127側の略中央部に収納部127に配設された保持体121の尖鋭体122が挿通する挿通孔129が突設されている。挿通孔129は、尖鋭体122の挿通をガイドするガイド壁129aを有すると共に、挿入された尖鋭体122が隔壁128を突っ切ることにより尖鋭体122を接続部126側に挿通させる開口129bが穿設されている。
【0072】
接続部126は、内周壁にネジ溝が形成され、炭酸ガスカートリッジボンベ3の開口部21に形成された形成されたネジ溝と螺合される。ハウジング120は、接続部126に炭酸ガスカートリッジボンベ3が接続されることにより、挿通孔129の開口129bを介して、収納部127に収納された保持体121の尖鋭体122を炭酸ガスカートリッジボンベ3側に臨ませている。また、接続部126は、炭酸ガスカートリッジボンベ3から噴出された炭酸ガスを本体部110内に導入させる導入路130が形成されている。
【0073】
収納部127は、保持体121と、保持体121を炭酸ガスカートリッジボンベ3と離間する方向に付勢する保持体付勢バネ123とが収納されるとともに、本体部110の内圧に応じて収縮する気密栓124によって封止されることにより密閉されている。保持体121は、一端が開放され他端が閉塞されたた略中空円筒形状をなし、中空部133に炭酸ガスカートリッジボンベ3を閉塞する尖鋭体122が設けられている。尖鋭体122は、保持体121の中区部133の開放端より突出して形成されている。保持体121は、中空部133にハウジング120の収納部127に突設された挿通孔129が挿通される。これにより、中空部133に設けられた尖鋭体122は、挿通孔129を挿通し、開口129bより接続部126に接続された炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22に突き立てられることにより、保持体121の上下動に伴い穿孔22aの開閉を行う。
【0074】
また収納部127は、挿通孔129に保持体付勢バネ123が配設されている。保持体付勢バネ123は、例えばコイルバネが用いられ、挿通孔129に挿通されることにより、一端が隔壁128に支持され、他端が保持体121の中空部133内に挿入され中空部133の閉塞端に当接されている。これにより保持体付勢バネ123は、保持体121を炭酸ガスカートリッジボンベ3と反対側に所定の付勢力で付勢している。
【0075】
これら保持体121及び保持体付勢バネ123が収納された収納部127を密閉する気密栓124は、タンク部111の内圧に応じて保持体121を炭酸ガスカートリッジボンベ3側に付勢し、炭酸ガスの噴出を制御するものである。この気密栓124は、タンク部111の圧力に応じて収納部127内に膨出し保持体121を付勢する可撓部124aと、ハウジング120の収納部127側先端に接着され収納部127を密閉する接着部124bとを有する。そして気密栓124は、タンク部111内に炭酸ガスが導入され、内圧が上記保持体付勢バネ123の付勢力よりも高まると、この内圧により保持体付勢バネ123の付勢力に対抗して、可撓部124aが収納部127内に膨出して保持体121を炭酸ガスカートリッジボンベ3側へ付勢する。また、気密栓124は、タンク部111の内圧が保持体付勢バネ123の付勢力よりも下がると、可撓部124aが収縮して保持体121への付勢力が解かれる。これにより保持体121は保持体付勢バネ123の付勢力によって炭酸ガスカートリッジボンベ3から離間する方向へ移動される。
【0076】
このような内圧制御手段102は、ハウジング120が蓋体部110のハウジング装着孔112に装着されることにより、接続部126に形成された炭酸ガスの導入路130がタンク部111に臨まされ、またハウジング装着孔112の周囲に形成されたスリット112aを介してタンク部111と気密栓124の可撓部124aとが連続され、タンク部111の内圧に応じて伸縮可能とされている。また、保持体121は、保持体付勢バネ123の付勢力によって常時、所定の付勢力、例えば1.5気圧に相当する付勢力にて炭酸ガスカートリッジボンベ3から離間する方向に付勢されるとともに、タンク部111の内圧が2〜3気圧程度になると気密栓124の可撓部124aが収納部127側へ膨出し炭酸ガスカートリッジボンベ3側へ付勢され、尖鋭体122が蓋体を閉塞することにより炭酸ガスの噴出が停止されている。したがって、タンク部111は常時、2〜3気圧程度の内圧に維持されている。
【0077】
そして、内圧制御手段102は、タンク部111内に充填された炭酸ガス及び液体が噴霧されることにより、タンク部10の内圧が下がり、気密栓124の可撓部124aによる保持体121への付勢力が保持体付勢バネ123の付勢力より下がると、保持体付勢バネ123によって保持体121が炭酸ガスカートリッジボンベ3より離間する方向へ移動する。これにより保持体121の尖鋭体122が炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22より引き抜かれて炭酸ガスが接続部126に設けられた導入路130を介してタンク部111内に導入される。
【0078】
一方、内圧制御手段102は、炭酸ガスがタンク部111内に噴出されることによりタンク部111の内圧が高まると、気密栓124の可撓部124aが収納部127内に膨張しながら保持体121を炭酸ガスカートリッジボンベ3側に押圧する。そして、可撓部124aの付勢力が保持体付勢バネ123の付勢力より上がると、保持体付勢バネの付勢力に対抗して保持体121を炭酸ガスカートリッジボンベ3側に押し下げていく。これにより、保持体121に保持された尖鋭体122の尖端部122aが蓋体22の穿孔22aに突き立てられ、炭酸ガスの噴出量が減少又は噴出が停止される。したがって、本体部11は、炭酸ガスの供給が減少又は停止し内圧の上昇が防止される。
【0079】
そして、タンク部111内の炭酸ガスが放出され、内圧が下がると気密栓124の可撓部124aが収納部127内に膨出し、保持体121を炭酸ガスカートリッジボンベ3側に移動させて再度、炭酸ガスカートリッジボンベ3より炭酸ガスを噴出させる。
【0080】
このように、内圧制御手段102は、タンク部111内に充填された液体が噴霧されることによるタンク部111の内圧の昇降に応じて炭酸ガスカートリッジボンベ3の開閉操作を行う。したがって、内圧制御手段102は、液体が噴霧されている間、装置本体101の内圧を一定に制御することができる。
【0081】
また、ユーザによるスプレーヘッド51の押圧操作が解除され、液体の噴霧が停止されると、タンク部111内の内圧によって膨出された気密栓124の可撓部124aの付勢力が保持体付勢バネ123の付勢力よりも高まり、保持体121が炭酸ガスカートリッジボンベ3側へ移動され、保持体121の尖鋭体122が炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22に突き立てられて炭酸ガスの放出が停止される。したがって、装置本体2の内圧が上昇することはない。
【0082】
炭酸ガスと共にタンク部内に充填された液体を噴霧する噴霧手段7は、操作釦となるスプレーヘッド51と、スプレーバルブが構成されるスプレーユニット52と、スプレーヘッド51及びスプレーユニット52及びの間に嵌装されるユニットキャップ53と有する。
【0083】
スプレーヘッド51は、装置本体101の蓋体部110上に設けられ、ユニットキャップ53を介してスプレーユニット52と連結されている。そしてスプレーヘッド51は、ユーザによって押圧操作されることにより、スプレーユニット52を開放する。またスプレーヘッド51は、噴霧ノズル54が形成され、タンク部111内に延設された導管55及びスプレーユニット52を介して上昇された液体が噴霧ノズル54より圧縮ガスと共に噴霧される。
【0084】
このスプレーヘッド51によって押圧操作されるスプレーユニット52は、スプレーバルブが形成されたバルブアッセンブリー52aを備え、蓋体部110に設けられたユニット装着孔113内に収納、保持されている。バルブアッセンブリー52aは、導管55の上部と連結されることにより装置本体101のタンク部111に充填された液体をスプレーヘッド51に導く円筒状の連結部56が設けられるとともに、この連結部56の上部が上記スプレーヘッド51の噴霧ノズル54と連結されている。
【0085】
このような噴霧手段7は、常態においてスプレーユニット52及びスプレーヘッド51は、常時、上方に押し上げられ、タンク部111内に充填された炭酸ガス及び液体の噴出が停止されている。
【0086】
そして、噴霧手段7は、スプレーヘッド51が押圧操作されることによりスプレーユニット52のバルブアッセンブリー52aが連結部56を開放する。装置本体101のタンク部111は、予めガスカートリッジボンベ3より炭酸ガスが供給され大気中よりも高圧(例えば2〜3気圧)に保たれているため、連結部56が開放されることによりタンク部111内に充填された炭酸ガス及び液体が噴霧ノズル54より噴霧される。
【0087】
タンク部111内に充填された炭酸ガスが装置本体外へ放出されると、装置本体111の内圧が下がるため、内圧制御手段102によって保持体121が保持体付勢バネ27の付勢力により炭酸ガスカートリッジボンベ3より離間する方向に付勢され、保持体121に保持されている尖鋭体121の尖端部121aが炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22の穿孔22aより抜き出されるため、炭酸ガスが噴出しタンク部111内に供給される。その後、タンク部111の内圧が高圧(例えば2〜3気圧)に達すると、内圧制御手段102によって、保持体121が炭酸ガスカートリッジボンベ3側に押圧され、炭酸ガスカートリッジボンベ3からの炭酸ガスの噴出が停止し、タンク部111の内圧が一定に保たれる。 ユーザによるスプレーヘッド51の押圧操作が解除されると、スプレーユニット52のバルブアッセンブリー52aは、導管55を閉塞し液体の噴霧を停止する。
【0088】
なお、装置本体101のユニット装着孔113には、炭酸ガスが過剰に供給されて本体部110の内圧が高まった場合に、炭酸ガスを装置本体外へ逃がす1次安全弁70及び2次安全弁71が設けられている。1次安全弁70は、ユニット装着孔113の側壁に形成されたスリーブ134内に配設されている。また2次安全弁71は、断面略T字状のピンであり、蓋体部110の上面110aに穿設された排出孔に圧入されている。
【0089】
次いで、以上のような構成を有する噴霧装置100の実使用時における動作を説明する。使用時において噴霧装置100は、予め炭酸ガスカートリッジボンベ3がハウジング120の接続部126内に装着されると共に、保持体121の尖鋭体122によって蓋体22に穿孔22aが穿設されている。
【0090】
また、炭酸ガスカートリッジボンベ3が保持体121の尖鋭体122によって穿孔されることにより、タンク部111内に炭酸ガスが導入され内圧が大気中よりも高圧(例えば2〜3気圧程度)とされている。したがって、内圧制御手段102は本体部110の内圧を受けた気密栓124に保持体121が炭酸ガスカートリッジボンベ3側へ押圧され、尖鋭体122の尖端部122aが穿孔22aに突き立てられて炭酸ガスの噴出が防止され、タンク部111内の内圧が2〜3気圧程度に維持されている。
【0091】
次いで、ユーザによってスプレーヘッド51の噴霧ノズル54がを噴霧対象に向けて装置本体101のタンク部111が把持される。そして、ユーザによってスプレーヘッド51が押圧されると、スプレーユニット52が下方に移動されるとともに、バルブアッセンブリー52aのスプレーバルブが開口され、タンク部111内の炭酸ガスと共に液体が導管55を通じて噴霧ノズル54より噴霧される。
【0092】
炭酸ガスが装置本体101外へ噴出されることによりタンク部111内に内圧が降下すると、気密栓124の可撓部124aへの押圧が解かれ、逆に保持体付勢バネ123の付勢力によって保持体121は、上方に押し上げられ、炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22より離間される。これにより、保持体121に支持されている尖鋭体122の尖端部122aが炭酸ガスカートリッジボンベ3蓋体22の穿孔22aより引き上げられるため、ボンベ内に圧縮されている炭酸ガスが噴出される。
【0093】
噴出された炭酸ガスは、ハウジング120の接続部126に設けられた導入路130を介して装置本体101のタンク部111内に導入される。したがって、噴霧装置100は、タンク部111の内圧が2〜3気圧程度に維持され、所定の噴霧量を維持することができる。
【0094】
また、炭酸ガスがタンク部111内に噴出され、内圧が高まると、内圧制御手段102の気密栓124は、内圧によって可撓部124aが収納部127内に押圧されて、保持体付勢バネ123の付勢力に対抗して保持体121を炭酸ガスカートリッジボンベ3側へ押し下げていく。保持体121が炭酸ガスカートリッジボンベ3側へ押し下げられることにより、保持体121の尖鋭体122は、尖端部122aが蓋体22の穿孔22aに突き立てられ、炭酸ガスの噴出量を減少させ、又は炭酸ガスの噴出を停止させる。したがって、タンク部111は、炭酸ガスの噴出量が減少又は停止されることにより内圧が過剰に高圧となることを防止することができる。
【0095】
ユーザによるスプレーヘッド51の押圧操作が解除されると、炭酸ガスの噴出が停止されるため、炭酸ガスカートリッジボンベ3からの炭酸ガスの導入によりタンク部111の内圧が上昇する。したがって、タンク部111の内圧に気密栓124の可撓部124aハウジング120の収納部127内に押圧され、保持体121が炭酸ガスカートリッジボンベ3側へ移動される。これにより、尖鋭体122は、尖端部122aが炭酸ガスカートリッジボンベ3の蓋体22の穿孔22aに突き立てられ、炭酸ガスカートリッジボンベ3を閉塞する。
【0096】
このように本発明が適用された噴霧装置100は、タンク部111の内圧の昇降に応じて気密栓124の可撓部124aを伸縮させ、この可撓部124aの伸縮に応じて保持体121を炭酸ガスカートリッジボンベ3に近接離間させるように操作する。これにより噴霧装置100は、噴霧中又は噴霧停止中とを問わず、タンク部111の内圧を常に一定に維持することができる。また、このタンク部111は、タンク部111の内圧の昇降に応じて気密栓124の可撓部124aを伸縮させる保持体付勢バネ123の強度を調整することにより、内圧及び噴霧量を増加又は減少させることができる。
【0097】
また、噴霧装置100によれば、保持体121が気密栓124により炭酸ガスカートリッジボンベ3側に付勢されることにより、蓋体22が尖鋭体122により穿孔、閉塞されているため、装置本体101を落下等させた場合でも、炭酸ガスカートリッジボンベ3内の炭酸ガスの噴出や気化熱による凍傷等の危険がなく、安全に取り扱うことができる。
【0098】
さらに、噴霧装置100は、液体の噴霧が停止されている状態では、炭酸ガスの装置本体101内への供給が停止されているため、装置本体101のタンク部111内の気圧は低く(例えば2〜3気圧)保たれている。したがって、装置本体101が高温下等におかれた場合に装置本体101内の圧力が大きくなることで破裂や爆発等の事故を引き起こす危険がない。また装置本体101は、タンク部111の内圧が高まった場合にも装置本体101が容易に損傷しないように金属等の強固な材料を用いて形成する必要がなく、例えばペットボトル等の剛性の低い材料で形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明が適用された噴霧装置を示す外観斜視図である。
【図2】本発明が適用された噴霧装置を示す分解斜視図である。
【図3】本発明が適用された噴霧装置を示す分解斜視図である。
【図4】本発明が適用された噴霧装置を示す一部断面図である。
【図5】本発明が適用された噴霧装置を示す分解斜視図である。
【図6】本発明が適用された他の噴霧装置を示す外観斜視図である。
【図7】本発明が適用された他の噴霧装置を示す分解斜視図である。
【図8】本発明が適用された他の噴霧装置を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0100】
1 噴霧装置、2 装置本体、3 炭酸ガスカートリッジボンベ、6 内圧制御手段、9 蓋体部、10 タンク部、13 配設板、15 取付け壁、16 筒部、17 回動支持部、18 ガイド壁、20 中空突部、22 蓋体、22a 穿孔、25 尖鋭体、25a 尖端部、26 保持体、27 保持体付勢バネ、29 レバー部材、32 フランジ部、33 突起部、41 支持アーム、42 係合アーム、51 スプレーヘッド、52 スプレーユニット、54 噴霧ノズル、55 導管、61 可動軸、62 気密栓、63 可動軸押さえ板、64 可動軸付勢バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が充填されるとともに圧縮ガスが導入されるタンク部を有する装置本体と、
上記圧縮ガスが充填され、蓋体により開口部が封止されたガスボンベと、
上記蓋体に形成された穿孔に突き立てられることにより上記蓋体を閉塞する尖鋭体を上記ガスボンベと対向する一端側に保持し上記蓋体と接離可能に配設された保持体と、上記保持体を上記蓋体側に付勢しガスボンベを閉塞させる第1の付勢部材と、長手方向の一部に設けられた支点を境とした一端側で上記保持体と当接して上記保持体を上記蓋体と離間する方向に操作し上記ガスボンベを開放する操作レバーと、上記操作レバーの支点を境とした他端側と係合し上記タンク部の内圧を受けて上記操作レバーを上記保持体が上記蓋体と近接する方向へ回動付勢する感圧部材と、該感圧部材の付勢力に対抗して上記操作レバーを上記保持体が上記蓋体と離間する方向へ回動付勢する第2の付勢部材とを備え、上記タンク部の内圧に応じて上記操作レバーを回動させることにより圧縮ガスの噴出量を調整し、上記装置本体の内圧を制御する内圧制御手段と、
一端が上記タンク部内に臨まされ、他端が上記装置本体外に臨まされた導管と、該導管を開閉操作する操作部材とを備え、該操作部材を操作することにより上記タンク部内に充填された圧縮ガスと共に上記液体を噴霧する噴霧手段とを有する噴霧装置。
【請求項2】
上記圧縮ガスは、炭酸ガスであること特徴とする請求項1記載の噴霧装置。
【請求項3】
液体が充填されるとともに圧縮ガスが導入されるタンク部を有する装置本体と、
上記圧縮ガスが充填され、蓋体により開口部が封止されたガスボンベと、
上記蓋体に形成された穿孔に突き立てられることにより上記蓋体を閉塞する尖鋭体を上記ガスボンベと対向する一端側に保持する保持体と、上記保持体を上記ガスボンベの蓋体と接離可能に収納するハウジングと、上記ハウジング内に収納され上記保持体を上記蓋体と離間する方向に所定の付勢力にて付勢する付勢部材と、上記ハウジングの上記保持体を介して上記付勢部材と反対側に設けられ上記タンク部の内圧に応じて上記保持体を上記蓋体側に付勢する感圧部材とを備え、上記タンク部の内圧に応じて圧縮ガスの噴出量を調整し上記装置本体内の内圧を制御する内圧制御手段と、
一端が上記タンク部内に望まされ、他端が上記装置本体外に臨まされた導管と、該導管を開閉操作する操作部材とを備え、該操作部材を操作することにより上記タンク部内に充填された圧縮ガスと共に上記液体を噴霧する噴霧手段とを有する噴霧装置。
【請求項4】
上記圧縮ガスは炭酸ガスであることを特徴とする請求項3記載の噴霧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−150170(P2006−150170A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−340935(P2004−340935)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(501435129)株式会社メジャー通信 (9)
【Fターム(参考)】