説明

噴霧装置

【課題】電動ポンプを用いることなく原料液タンク等の液タンクの液を噴霧より確実に噴霧すること。
【解決手段】原料液タンク21と連通する出口通路22に原料液タンク21の液体を含浸する吸液媒体25を設け、吸液媒体25に含浸された液体を、振動子51による多孔噴霧プレート52の振動によって多孔噴霧プレート52の微細孔より噴霧する。出口通路22には開閉弁30を設け、オフ状態時に、液が吸液媒体25より外部へ漏洩することを防止する。更に、出口通路22を空気抜き口径とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、噴霧装置に関し、特に、化粧用、衛生用として用いられる薬剤液等の原料液を噴霧、更には原料液を電気分解して噴霧する噴霧装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧液や消毒液等の液体を電解して噴霧する電解液噴霧装置は、従来から様々な形態のものが知られている。このような噴霧装置は、一般に、ハウジングと、ハウジングに装着または収納され、原料液を蓄える原料液タンクと、原料液を電気分解する電解槽と、噴霧部とを有し、原料液タンクの原料液は、給液手段によって電解槽に送られ、電解槽で電気分解された後、噴霧部から人体や他の噴霧対象物に対して噴霧される。
【0003】
従来の電解液噴霧装置の一例(例えば、特許文献1)を、図6を、参照して説明する。この電解液噴霧装置は、電解質水溶液タンク(原料液タンク)502と、給液手段としてのポンプ506と、電解槽508と、噴霧部510とを有する。
【0004】
電解質水溶液タンク502に蓄えられた電解質水溶液(原料液)504は、電動ポンプ506によって電解槽508へ送られ、電解槽508によって電気分解される。電解槽508内の陽極側で生成される陽極電解水(酸性水)は、噴霧部510から外部に噴霧される。
【0005】
電解槽508内の陰極側で生成された陰極電解水(アルカリ水)は、排出管512を通って廃液タンク514に送られ、廃液516として一時的に廃液タンク514内に貯留される。
【特許文献1】特開2002‐52069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来の電解液噴霧装置は、電解質水溶液タンク502内の原料液504を電解槽508に供給する給液手段として電動ポンプ506を用いており、タンク502内の原料液504を電解質水溶液タンク502の配置位置の如何に拘らずポンプ吐出圧によって電解槽508に確実に供給できる。
【0007】
しかしながら、電動ポンプ506を用いると、噴霧装置全体の重量、外容積が大きくなり、コストも高くなる。また、電解槽508や電解槽508の作動を制御する制御装置の他に、電動ポンプ506にも電力を供給する必要があり、噴霧装置全体の電力消費量が多くなる。このことは、噴霧装置は携帯型で、電源が電池の場合、特に問題になる。更に、電動ポンプ506の作動音(騒音)や振動が発生するという問題もある。
【0008】
また、電動ポンプ506が用いられると、初回の液体注入時に電動ポンプ506および電動ポンプ506の液体通路を電解質溶液で満たすための時間が必要であるため、液体注入後に電解液を即時に噴霧できないといった問題が生じる。また、電動ポンプ506の液体通路は、洗浄することが困難であるため、不衛生である。更に、電動ポンプ506内に電解質溶液が残り、効率よく電解質溶液を使用できないといった問題もある。
【0009】
この発明が解決しようとする課題は、化粧用、衛生用として用いられ携帯性に優れた小型の噴霧装置において、電動ポンプを用いることなく原料液タンク等の液タンクの液を噴霧より確実に噴霧することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明による噴霧装置は、液を蓄える液タンクと、前記液タンクと連通する出口通路と、前記出口通路と前記液タンクとの連通と遮断を行う開閉弁とを有し、前記出口通路を空気抜き口としたことを特徴とする。
【0011】
この発明による噴霧装置は、液を蓄える液タンクと、前記液タンクと連通する出口通路の先端側に設けられ、前記液タンクよりの液体を含浸する吸液媒体と、前記出口通路の前記液タンク側において前記液タンクと前記吸液媒体との連通と遮断を行う開閉弁と、多数の微細孔を有し、一方の面にて前記吸液媒体に接触する多孔噴霧プレートと、前記多孔噴霧プレートを板厚方向に振動させる振動子とを有し、前記出口通路が空気抜き口とされ、前記吸液媒体に含浸された液体を前記振動子による前記多孔噴霧プレートの振動によって当該多孔噴霧プレートの微細孔より噴霧する。
【0012】
この発明による噴霧装置は、好ましくは、前記出口通路の口径をD、前記出口通路の通路長をLとすると、D/Lが1以上である。
【0013】
この発明による噴霧装置は、好ましくは、前記出口通路の上面が液タンク側に向けて上り勾配に傾斜している、あるいは前記出口通路が液タンク側に向けて上り勾配に傾斜している。
【0014】
この発明による噴霧装置は、更に、前記出口通路に前記液タンクよりの液体を電解する電解作用部が設けられており、電解液噴霧装置として機能する。
【発明の効果】
【0015】
この発明による噴霧装置によれば、一方の面をもって吸液媒体に接触した多孔噴霧プレートが振動子によって板厚方向に振動することにより、吸液媒体から液を吸引する吸引力(吸引圧)が吸液媒体に含浸(吸収)された液に作用し、吸液媒体に含浸されている液が多孔噴霧プレートの微細孔より前方へ噴霧される。
【0016】
これにより、液タンク内の液を圧送する電動ポンプを設ける必要がなくなる。電動ポンプを設けなければ、その分だけ、噴霧装置全体の重量、体積、コストを減少、低減させることができ、噴霧装置全体の電力消費も少なくなる。
【0017】
電動ポンプを省く場合には、液タンクの液が吸液媒体に円滑に導かれるよう、液タンクを吸液媒体の配置位置より高い高さ位置に配置し、圧力水頭の作用によって液タンク内の液が吸液媒体へ導かれるようにすることが好ましい。
【0018】
液タンクと吸液媒体との連通と遮断を行う開閉弁が設けられているから、多孔噴霧プレートが静止しているオフ状態において、開閉弁が閉弁していることにより、吸液媒体が含浸している液が吸液媒体より染み出して外部へ漏洩するような不具合を生じることがない。これにより、携帯時に、衣服やバッグ等を汚すことがない。
【0019】
液タンクに対する液の注入は、開閉弁が閉弁している状態で行われるから、最初は、出口通路は空気で満たされており、開閉弁が開弁することにより、液タンクの液が出口通路へ流れる。このとき、出口通路が空気抜き口径とされていることにより、出口通路の空気は、液タンクへ円滑に流れ出し、出口通路に空気が閉じ込められるエアーロック現象の発生が回避される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明による噴霧装置を電解液噴霧装置として適用した一実施形態を、図1を参照して説明する。
【0021】
電解液噴霧装置は、本体ハウジング10と、本体ハウジング10に着脱自在に取り付けられる給液ユニット(ハウジング)20とを有する。
【0022】
給液ユニット20は原料液を蓄える原料液タンク21を有する。原料液タンク21の底部側の前壁部には、横穴状の出口通路22が開口形成されている。出口通路22は一端22Aにて原料液タンク21の底部領域に直接連通している。
【0023】
出口通路22は、空気抜き口径、例えば、8mm以上の口径に設定されている。また、図3に示されているように、出口通路22の口径をD、出口通路22の通路長Lとすると、D/Lが1以上になるように、口径D、通路長Lを設定されている。
【0024】
出口通路22の他端、すなわち、先端22Bには、裏押キャップ23、前部キャップ24によって吸液媒体25が取り付けられている。
【0025】
吸液媒体25は、発泡ポリウレタン等の弾性を有する発泡樹脂により構成され、毛細管現象による液含浸性(液吸浸性)を有してあり、裏面10A側にて出口通路22に連通していることにより、出口通路22の液体を含浸(吸浸)する。
【0026】
この液タンク、通液路構造では、吸液媒体25の配置位置より高い高さ位置に原料液タンク21が配置されるから、原料液タンク21内の原料液が、タンク底部の液出口6aより、圧力水頭の作用によって液出口通路8、吸液媒体25に円滑に導かれる。
【0027】
裏押キャップ23には傾斜下面23Aを呈する突起部23Bが形成されている。突起部23Bは出口通路22内に位置し、傾斜下面23Aは出口通路22の傾斜天井面をなす。この傾斜下面23Aによる出口通路22の傾斜天井面は、原料液タンク21へ向けて上がり勾配、つまり、空気抜き勾配の傾斜面をなしている。
【0028】
出口通路22には当該出口通路22を上下方向に横切って延在する一対の棒状電極26(図1では、紙面の前後に重なっているので、その一つのみが描かれている)が取り付けられている。この一対の棒状電極26は、電極間に出口通路22内の原料液を満たされ、これを電気分解する。棒状電極26の電極ギャップは、0.2〜1.0mm程度に設定されていることが好ましい。
【0029】
各電極に印加される電力の極性は、制御部(図不示)により所定の時間間隔で互いに切り換えられる。極性を所定時間毎に切り換えることにより、陰極側と陽極側との原料液が効率良く混合される。極性切り換え時間間隔は、2〜1200回/分が好ましく、120回〜600回/分が更に好ましい。
【0030】
本体ハウジング10内には噴霧部50が設けられている。本体ハウジング10の前部には噴霧部50の前方に位置する噴霧口55が開口している。
【0031】
噴霧部50は、上端部51Aを本体ハウジング2より支持(図示省略)されたピエゾ振動子51と、ピエゾ振動子51の下端部(自由端)51Bに取り付けられた多孔噴霧プレート52とを有する。
【0032】
多孔噴霧プレート52は、図2に示されているように、孔径が18〜24μm程度の微細孔53を多数貫通形成され、一方の面(裏面)のうち、多数の微細孔53を設けられている部分にて吸液媒体25の先端面25Bに軽く接触している。また、多孔噴霧プレート25のうち、多数の微細孔53が設けられている部分が本体ハウジング10の噴霧口55に位置的に対応する。
【0033】
ピエゾ振動子51は、交流電圧あるいはパルス電圧を印加されることにより、励振し、多孔噴霧プレート52を板厚方向に振動させる。
【0034】
給液ユニット20には出口通路22の一端22A、つまり、原料液タンク21に対する開口端22Aを開閉する開閉弁30が設けられている。開閉弁30は、ゴム状弾性体等により構成され、正面に環状リップ部31を形成されている。
【0035】
開閉弁30は、水平移動するスライド弁であり、図1に示されているように、環状リップ部31にて出口通路22の開口端22Aの周りのタンク壁による弁座面27に着座することにより、原料液タンク21と出口通路22、吸液媒体25との連通を遮断(閉弁)し、図1に示されているより図1にて右方に移動することにより、環状リップ部31が弁座面27より離間し、原料液タンク21と出口通路22、吸液媒体25との連通を確立(開弁)する。
【0036】
開閉弁30は、ベローズ部32を一体に有し、ベローズ部32の端部32Aによって給液ユニット20に気密に固定連結されている。開閉弁30には弁駆動プランジャ33の先端部33Aが気密に固定連結されている。弁駆動プランジャ33は、ベローズ部32内にあり、中心部に形成されたガイド孔34が給液ユニット20に形成されたガイド軸部28に軸線方向(図1にて左右方向)に摺動可能に嵌合している。
【0037】
弁駆動プランジャ33と給液ユニット20との間には圧縮コイルばね35が取り付けられている。圧縮コイルばね35は、弁駆動プランジャ33を、図1にて左方、すなわち閉弁方向に付勢している。
【0038】
給液ユニット20にはピン36によって回動レバー37の下端37Aが回動可能に取り付けられている。回動レバー37はピン36を枢点として略左右方向に回動可能になっている。
【0039】
回動レバー37は、上端37Bにフォーク部38を一体に有する。フォーク部39は、弁駆動プランジャ33の後端部33Bに形成されたフランジ部39と係合し、回動レバー37の図1にて時計廻り方向の回動により、弁駆動プランジャ33を、圧縮コイルばね35のばね力に抗して図1にて左方、すなわち開弁方向に移動させる。
【0040】
本体ハウジング10には電気スイッチ61が取り付けられている。電気スイッチ61は、オン・オフスイッチであり、図示省略の制御回路によって棒状電極26とピエゾ振動子51に対する電圧印加をオン・オフする。
【0041】
電気スイッチ61はプシュ式のアクチュエータロッド62を有する手動式のものであり、アクチュエータロッド62の先端に押しボタン63が取り付けられている。
【0042】
電気スイッチ61は、押しボタン63によってアクチュエータロッド62を押し込まれると、オンし、内部に設けられているラッチ部(図示省略)のラッチ作用によってオン状態と押しボタン63の押込移動状態を維持し、もう一度、押しボタン63によってアクチュエータロッド62を押し込まれると、ラッチ部のラッチ作用を解除してオフすると共に押しボタン63の押込移動状態を解除する。
【0043】
押しボタン63にはプシュロッド64が一体形成されている。プシュロッド64は、アクチュエータロッド62の動作方向(水平方向)と同方向に延びて本体ハウジング10のガイド面部11上をスライドする水平部64Aと、水平部64Aの先端に起立形成された起立部64Bとを有する横転L形をなしている。
【0044】
プシュロッド64の起立部64Bの上端には半円状の押し部64Cが形成されている。回動レバー37の中間部には突起部37Cが形成されている。突起部37Cはプシュロッド64の押し部62Cと正対向している。これにより、押しボタン63が押されると、プシュロッド64の押し部64Cが回動レバー37の突起部37Cに当たり、回動レバー37を図1にて時計廻り方向に回動させる。この回動レバー37の時計廻り方向の回動によって弁駆動プランジャ33が圧縮コイルばね35のばね力に抗して図1にて右方に移動する。
【0045】
つぎに、上述の構成による電解液噴霧装置の作用について説明する。
【0046】
押しボタン63が押されると、電気スイッチ61がオン状態になると、一対の棒状電極26に電圧が印加されると共に、ピエゾ振動子51に交流電圧あるいはパルス電圧が印加され、ピエゾ振動子51が励振する。これにより、多孔噴霧プレート23が板厚方向に振動する。
【0047】
また、押しボタン63が押されると同時に、回動レバー37がプシュロッドによって押されて図1にて時計廻り方向に回動し、弁駆動プランジャ33が圧縮コイルばね35のばね力に抗して図1にて右方に移動する。これにより、開閉弁30も同方向に移動し、リップ部31が弁座面27より離間し、原料液タンク21と出口通路22、吸液媒体25とが連通する。
【0048】
これにより、原料液タンク21の原料液が出口通路22に流れ、原料液は電圧印されている棒状電極26によって電気分解されて電解液となって吸液媒体25に含浸される。
【0049】
このとき、原料液タンク21に対する原料液の注入後、最初のオン動作時で、開閉弁30によって閉じられていた出口通路22が空気で満たされていても、出口通路22が空気抜き口径、例えば、8mm以上の口径で、しかも、出口通路22の口径Dと通路長Lとの比D/Lが1以上であることにより、出口通路22の空気は、原料液タンク21へ円滑に速やかに流れ出し、出口通路22に空気が閉じ込められるエアーロック現象が発生することがない。
【0050】
更に、裏押キャップ23の突起部23Bの傾斜下面23Aによって出口通路22の傾斜天井面が、原料液タンク21へ向けて上がり勾配の傾斜面をなしているから、出口通路22の空気が、原料液タンク21へ、より一層、円滑に速やかに流れ出し、出口通路22に空気が閉じ込められるエアーロック現象が発生することがない。
【0051】
なお、これらの空気抜き効果は、棒状電極26による電気分解時に出口通路22に発生するガスに対しても同様に得られる。
【0052】
多孔噴霧プレート23は、交流電圧あるいはパルス電圧の印加によって超音波あるいはそれに近い振動数で、板厚方向に10μm程度の振幅で振動しており、一方の面が吸液媒体25の先端面25Bに接触していることにより、吸液媒体25に振動が伝えられ、吸液媒体25に含浸している電解液に対して吸引力(吸引圧)が作用する。
【0053】
これにより、吸液媒体25に含浸している電解液は、先端面25B側への吸引作用を受け、多孔噴霧プレート52の微細孔53を通る際に微細液滴になり、多孔噴霧プレート53の前方にある噴霧口55より本体ハウジング10の前方に拡散噴霧される。
【0054】
上述したように、本実施形態の電解液噴霧装置は、多孔噴霧プレート52の振動によって吸液媒体25に含浸している電解液に対して吸引圧が作用するから、この吸引圧によって原料液タンク21の原料液が、出口通路22を通り、途中で、棒状電極26によって電気分解され、電解液となって吸液媒体25に吸浸される。
【0055】
これにより、原料液タンク21の原料液を、棒状電極26による電解部、噴霧部50に圧送する電動ポンプを設ける必要がなくなる。
【0056】
電動ポンプを必要としないことにより、電解液噴霧装置1全体の重量、体積、コストを減少、低減させることができ、噴霧装置全体の電力消費も少なくなる。電力消費量の低減は、携帯型の電解液噴霧装置で、電源が乾電池の場合、電池交換の頻度を少なくできる。また、電動ポンプの作動音(騒音)や振動の問題も解消される。
【0057】
また、電動ポンプによる場合には、初回の液体注入時に電動ポンプおよび電動ポンプの液体通路を電解質溶液で満たすための時間が必要であり、液体注入後に電解液を即時に噴霧できないといった問題があるが、電動ポンプを必要としないことにより、このような問題も解消される。更に、電動ポンプ内に電解質溶液が残り、効率よく電解質溶液を使用できないといった問題も解消される。
【0058】
押しボタン63がもう一度押されて電気スイッチ61がオフ状態になると、一対の棒状電極26に対する電圧印加と、ピエゾ振動子51に対する電圧印加が停止され、多孔噴霧プレート23が静止する。
【0059】
このときには、電気スイッチ61のラッチ解除によって押しボタン63が元に位置に戻り、圧縮コイルばね35のばね力によって弁駆動プランジャ33が圧縮コイルばね35のばね力に抗して図1にて左方に移動する。これにより、開閉弁30が同方向に移動し、環状リップ部31をもって弁座面27に着座し、原料液タンク21と出口通路22、吸液媒体25との連通が遮断される。
【0060】
このように、多孔噴霧プレート23が静止しているオフ状態では、開閉弁30によって原料液タンク21と出口通路22、吸液媒体25との連通が遮断されるから、原料液タンク21内の原料液による圧力水頭が吸液媒体25に作用しなくなり、出口通路22の原料液タンク21側が塞がれていることと相まって、吸液媒体25が含浸している液が吸液媒体25より染み出して外部へ漏洩することがない。これにより、携帯時に、衣服やバッグ等を汚すことがない。
【0061】
なお、出口通路22は、他の実施形態として、空気抜き性の改善のために、図4に示されているように、出口通路22の上面22Cが原料液タンク21側に向けて上り勾配に傾斜していてもよい。また、出口通路22自体が原料液タンク21側に向けて上り勾配に傾斜していてもよい。
【0062】
上述の実施形態では電解液噴霧装置としたが、本発明による噴霧装置は、電解液の噴霧に限られることはなく、種々の噴霧装置として適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明による噴霧装置の一実施形態に係る電解液噴霧装置の要部の縦断面図である。
【図2】本発明による噴霧装置の一実施形態に係る電解液噴霧装置の噴霧部の斜視図である。
【図3】本発明による噴霧装置の一実施形態に係る電解液噴霧装置の要部の部分的な縦断面図である。
【図4】本発明による噴霧装置の他の実施形態の要部の部分的な縦断面図である。
【図5】本発明による噴霧装置の他の実施形態の要部の部分的な縦断面図である。
【図6】従来の電解液噴霧装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
10 本体ハウジング
11 ガイド面部
20 給液ユニット
21 原料液タンク
22 出口通路
23 裏押キャップ
24 前部キャップ
25 吸液媒体
26 棒状電極
27 弁座面
28 ガイド軸部
30 開閉弁
31 環状リップ部
32 ベローズ部
33 弁駆動プランジャ
34 ガイド孔
35 圧縮コイルばね
36 ピン
37 回動レバー
38 フォーク部
39 フランジ部
50 噴霧部
51 ピエゾ振動子
52 多孔噴霧プレート
53 微細孔
55 噴霧口
61 電気スイッチ
62 アクチュエータロッド
63 押しボタン
1 プシュロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液を蓄える液タンクと、
前記液タンクと連通する出口通路と、
前記出口通路と前記液タンクとの連通と遮断を行う開閉弁とを有し、
前記出口通路を空気抜き口としたことを特徴とする噴霧装置。
【請求項2】
液を蓄える液タンクと、
前記液タンクと連通する出口通路の先端側に設けられ、前記液タンクよりの液体を含浸する吸液媒体と、
前記出口通路の前記液タンク側において前記液タンクと前記吸液媒体との連通と遮断を行う開閉弁と、
多数の微細孔を有し、一方の面にて前記吸液媒体に接触する多孔噴霧プレートと、
前記多孔噴霧プレートを板厚方向に振動させる振動子とを有し、
前記出口通路が空気抜き口とされ、
前記吸液媒体に含浸された液体を前記振動子による前記多孔噴霧プレートの振動によって当該多孔噴霧プレートの微細孔より噴霧する噴霧装置。
【請求項3】
前記出口通路の口径をD、前記出口通路の通路長をLとすると、D/Lが1以上である請求項1または2記載の噴霧装置。
【請求項4】
前記出口通路の上面が液タンク側に向けて上り勾配に傾斜している請求項1〜3の何れか1項の噴霧装置。
【請求項5】
前記出口通路が液タンク側に向けて上り勾配に傾斜している請求項1〜3の何れか1項の噴霧装置。
【請求項6】
前記出口通路に前記液タンクよりの液体を電解する電解作用部が設けられている請求項1〜5の何れか1項記載の噴霧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−29773(P2007−29773A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−212339(P2005−212339)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(000177612)株式会社ミクニ (332)
【Fターム(参考)】