説明

回線選択装置および回線選択方法

【課題】より適切な通話回線を利用すること。
【解決手段】発信時選択電話機に入力された電話番号に基づいて、複数の発信元電話機と複数の相手先電話機とを接続する複数の回線を算出するステップと、その複数の回線に対応する複数の通話料金に基づいてその複数の回線から最適回線を算出するステップと、その発信時選択電話機とその電話番号とに対応する発信時選択回線がその最適回線であるときに、その発信時選択回線を介してその発信時選択電話機とその複数の相手先電話機のうちのその電話番号が示している相手先電話機とを接続するステップと、その発信時選択回線がその最適回線でないときに、その最適回線に関する情報をその発信時選択電話機に通知するステップとを備えている。このとき、本発明による回線選択方法によれば、ユーザは、より多くの回線のうちからより安価な回線をより容易に選択することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回線選択装置および回線選択方法に関し、特に、発信元と相手先とを通話可能に接続する複数の回線からより適切な回線を選択するときに利用される回線選択装置および回線選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最も通話料金が安い回線を選択するLCR(Least Cost Routing)システムが知られている。そのLCRは、電話機にダイヤルされた電話番号に応じてもっとも通話料金が安い通信事業者を自動的に選択し、その選択された通信事業者のネットワークに接続するときに必要なアクセスコードをその電話番号に自動的に付加する。このとき、そのLCRは、一定の単位時間ごとに通話料金を検索しているために、利用者の回線仕様状況によっては選択された回線が最も安くなるとは限らない。LCRに類似のACR(Automatic Carrier Routing)と呼ばれるシステムが知られている。そのACRは、特定の通信事業者を自動的に選択するシステムであり、その特定の通信事業者と異なる他の事業者を選択することはできない。上記LCRよりもっと最適な回線を選択するシステムが望まれている。
【0003】
特開2000−295378号公報には、通話単位時間および単位料金が共に異なり、通話時間によって通話料金が安くなる事業者が異なるような料金体系にも対応して、通話料金が最低料金となる事業者を発信時に選択することができるようにした電話装置が開示されている。その電話装置は、通話時間や通話相手との距離などに応じて通話料金が異なる複数の電話通信事業者の回線の中から最低料金回線を自動的に選択する機能を備える電話装置であって、定められた長さの期間ごとに、その期間内で行われた各通話について、発信先電話番号、通話時間、発信曜日、発信時間などの通話情報を基に、前記複数の電話通信事業者の回線のそれぞれを使用した場合の通話料を算出し、当該算出された前記複数の電話通信事業者毎の通話料を前記電話通信事業者毎に積算した積算結果と、前記通話情報とを関連させた期間毎料金実績表を生成する期間毎料金実績表生成手段と、前記期間毎料金実績表生成手段で生成された前記期間毎料金実績表により、参照料金実績表を更新する参照料金実績表更新手段と、発信操作があったときに、その発信操作についての前記通話情報を基に前記参照料金実績表を検索して、通話料金が最低料金となると予測される電話通信事業者の回線を選択して、ダイヤル発信動作を行う手段とを備える。
【0004】
特開2001−45187号公報には、発信者は電話を発信する時の条件を意識することなく、最も通信料金の安い通信事業者の電話回線を使用して通話を行うことのできる電話回線網が開示されている。その電話回線網は、共通線信号方式を用いた電話回線網であって、前記電話回線網は、発信を行った発信端末の電話番号と該発信端末がダイヤルした着信端末の電話番号を通知して、通信料金が最も安くなる通信事業者の選択を行う電話サービス制御装置に対して問い合わせをして、その応答結果に基づいて通話回線を確立し、前記着信端末が応答した時点で、前記電話サービス制御装置に対して通話の開始を通知し、前記発信端末あるいは前記着信端末が切断した時点で前記電話サービス制御装置に対して通話の終了を通知することを特徴としている。
【0005】
特開2002−27153号公報には、利用者ごとに相違する利用状況を個別に診断して、利用者にとって最適な回線を選択できる通信装置が開示されている。その通信装置は、回線選択データを記憶するための回線選択データ記憶手段と、回線選択データ記憶手段で記憶された回線選択データを用いて、複数の回線の中から所望の回線を選択するための回線選択手段と、通話情報履歴を記憶するための通話情報履歴記憶手段と、通話情報履歴記憶手段で記憶された通話情報履歴を所定の診断装置へ送信するための通話情報履歴送信手段と、前記診断装置での診断結果を受信して、回線選択データ記憶手段で記憶された回線選択データを変更するための回線選択データ変更手段とを備えることを特徴としている。
【0006】
特開2003−174506号公報には、IP−VPN網により接続された事業所間よりPSTN網へ接続する際に、通信コストが最も低い接続ルートを自動選択する回線網接続方法が開示されている。その回線網接続方法は、企業におけるIP−VPN網に含まれる内線端末から、PSTN網内の加入者端末への最適接続ルートを自動選択する回線網接続方法であって、前記IP−VPN網に含まれる網制御部に記憶されたデータベースに基づいて、前記IP−VPN網に接続された各々の事業所の位置及び契約通信事業者を特定する事業所特定情報と、前記内線端末の発信した着信先番号に基づいて、前記データベースを用いて前記加入者端末に関する被呼者位置情報を生成する第1の行程と、前記事業所特定情報と前記被呼者位置情報とに基づいて、前記データベースを用いて前記各々の事業所から前記加入者端末に到る少なくとも2つの接続ルートを求める第2の行程と、前記第2の行程で求めた接続ルートの各々に関する接続コストを前記データベースに基づいて算出し、最も低コストの接続ルートを択一的に選択して前記最適接続ルートとする第3の行程とを含むことを特徴としている。
【0007】
特開2005−101968号公報には、通信料金が最低金額になる可能性の高い通信ルートを選択して通信処理を行う通信装置が開示されている。その通信装置は、ダイヤルされた相手先番号に応じて、予め設定された指示内容に従って通信ルートを選択する通信ルート選択手段と、この通信ルート選択手段によって選択された前記通信ルートを使用して通信処理を行う通信処理手段とを備えた通信装置であって、前記通信処理手段が前記通信処理を行う毎に、当該通信処理について相手先番号と通信時間とを含む処理内容を記憶する通信処理記憶手段と、通信ルート別に定められた割引前の時間当たりの通信料金を記憶する通信単価記憶手段と、通信ルート毎に定められた通信料金割引情報を記憶する割引情報記憶手段と、前記通信処理記憶手段に記憶されている前記処理内容、前記通信単価記憶手段に記憶されている前記通信料金、及び前記割引情報記憶手段に記憶されている前記通信料金割引情報に基づいて、所定累積期間内における割引後の全通信料金合計が最低金額となる各相手先番号に対する通信ルートの組み合わせパターンである最適パターンを判定する最適通信ルート判定手段と、前記最適通信ルート判定手段によって判定された前記最適パターンに基づいて、ダイヤルされた相手先番号に対する通信ルートが選択されるように、前記通信ルート選択手段が従う前記指示内容を設定する通信ルート設定手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
特開2007−300650号公報には、通信の種類に応じて通信に使用する通信経路を自動で選択するようにして、ユーザが通信経路を選択する手間を省いて、使いやすくした通信装置が開示されている。その通信装置は、複数の無線装置と通信接続する無線通信接続手段と、複数の種類の通信を行う通信手段とを備えた通信装置であって、通信に関する情報に基づいて前記複数の無線装置のうち所定の無線装置を選択して呼制御を行うことを特徴としている。
【0009】
特開2008−141318号公報には、通話先に応じて通話料金の安い接続ルートで通話できるようにしたIP電話システムが開示されている。そのIP電話システムは、ウエブサーバ機能を有し、ブロードバンドルータに接続されたIP電話機を用いている。前記IP電話機は、電話帳データ送信手段と、端末認証手段と、ウエブ接続判定手段と、疑似着信制御手段と、接続ルート選択手段と、接続制御手段とを備えている。携帯電話から前記ブロードバンドルータを介して前記IP電話機のウエブサーバに接続があったことを前記ウエブ接続判定手段が検出した場合、前記端末認証手段は、携帯電話使用者のIDに基づいて登録端末か否かを認証する。登録端末であると認証した場合、前記疑似着信制御手段は、前記携帯電話に電話帳データ送信手段から電話帳データを送信する。前記電話帳データに基づいて前記携帯電話が選択した通話先の情報を受信すると、前記接続ルート選択手段は、携帯電話と通話先とから通話料金の安い接続ルートを選択する。前記接続制御手段は、前記接続ルート選択手段が選択した接続ルートに自IP電話機が含まれる場合、自IP電話機から前記携帯電話および通話先に通話発信して通話接続することを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−295378号公報
【特許文献2】特開2001−45187号公報
【特許文献3】特開2002−27153号公報
【特許文献4】特開2003−174506号公報
【特許文献5】特開2005−101968号公報
【特許文献6】特開2007−300650号公報
【特許文献7】特開2008−141318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
固定電話から電話した場合に、本当は携帯電話から電話を掛けたほうが安い場合がある。逆に、自分が選択した電話回線から相手先に電話を掛けたときに、相手が持っている別の電話番号に掛けたほうが安かった場合がある。より適切な回線を選択することが望まれている。
【0012】
本発明の課題は、より適切な回線を選択する回線選択装置および回線選択方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による回線選択装置は、回線組み合わせ作成部と最適組み合わせ検出部と発信切断部と使用回線通知部とを備えている。その回線組み合わせ作成部は、発信時選択電話機に入力された電話番号に基づいて、複数の発信元電話機と複数の相手先電話機とを接続する複数の回線を算出する。その複数の回線のうちの任意の回線は、その複数の発信元電話機のうちの1つの発信元電話機とその複数の相手先電話機のうちの1つの相手先電話機とを接続する。その最適組み合わせ検出部は、その複数の回線に対応する複数の通話料金に基づいてその複数の回線から最適回線を算出する。その複数の通話料金のうちのその任意の回線に対応する通話料金は、その任意の回線を介してその1つの発信元電話機とその1つの相手先電話機とを接続するときに、単位時間当たりにかかる料金を示している。その発信切断部は、その発信時選択電話機とその電話番号とに対応する発信時選択回線がその最適回線であるときに、その発信時選択回線を介してその発信時選択電話機とその複数の相手先電話機のうちのその電話番号が示している相手先電話機とを接続する。その使用回線通知部は、その発信時選択回線がその最適回線でないときに、その最適回線に関する情報をその発信時選択電話機に通知する。
【0014】
本発明による回線選択装置は、回線組み合わせ作成部と最適組み合わせ検出部と発信切断部と使用回線通知部とを備えている。その回線組み合わせ作成部は、発信時選択電話機に入力された電話番号に基づいて、その発信時選択電話機と複数の相手先電話機とを接続する複数の回線を算出する。その複数の回線のうちの任意の回線は、その発信時選択電話機とその複数の相手先電話機のうちの1つの相手先電話機とを接続する。その最適組み合わせ検出部は、その複数の回線に対応する複数の通話料金に基づいてその複数の回線から最適回線を算出する。その複数の通話料金のうちのその任意の回線に対応する通話料金は、その任意の回線を介してその発信時選択電話機とその1つの相手先電話機とを接続するときに、単位時間当たりにかかる料金を示している。その発信切断部は、その発信時選択電話機とその電話番号とに対応する発信時選択回線がその最適回線であるときに、その発信時選択回線を介してその発信時選択電話機とその複数の相手先電話機のうちのその電話番号が示している相手先電話機とを接続する。その使用回線通知部は、その発信時選択回線がその最適回線でないときに、その最適回線に関する情報をその発信時選択電話機に通知する。
【0015】
本発明による回線選択装置は、回線組み合わせ作成部と最適組み合わせ検出部と発信切断部と使用回線通知部とを備えている。その回線組み合わせ作成部は、発信時選択電話機に入力された電話番号に基づいて、複数の発信元電話機とその電話番号が示している相手先電話機とを接続する複数の回線を算出する。その複数の回線のうちの任意の回線は、その複数の発信元電話機のうちの1つの発信元電話機とその相手先電話機とを接続する。その最適組み合わせ検出部は、その複数の回線に対応する複数の通話料金に基づいてその複数の回線から最適回線を算出する。その複数の通話料金のうちのその任意の回線に対応する通話料金は、その任意の回線を介してその1つの発信元電話機とその相手先電話機とを接続するときに、単位時間当たりにかかる料金を示している。その発信切断部は、その発信時選択電話機とその電話番号とに対応する発信時選択回線がその最適回線であるときに、その発信時選択回線を介してその発信時選択電話機とその相手先電話機とを接続する。その使用回線通知部は、その発信時選択回線がその最適回線でないときに、その最適回線に関する情報をその発信時選択電話機に通知する。
【0016】
本発明による回線選択方法は、発信時選択電話機に入力された電話番号に基づいて、複数の発信元電話機と複数の相手先電話機とを接続する複数の回線を算出するステップと、その複数の回線に対応する複数の通話料金に基づいてその複数の回線から最適回線を算出するステップと、その発信時選択電話機とその電話番号とに対応する発信時選択回線がその最適回線であるときに、その発信時選択回線を介してその発信時選択電話機とその複数の相手先電話機のうちのその電話番号が示している相手先電話機とを接続するステップと、その発信時選択回線がその最適回線でないときに、その最適回線に関する情報をその発信時選択電話機に通知するステップとを備えている。その複数の回線のうちの任意の回線は、その複数の発信元電話機のうちの1つの発信元電話機とその複数の相手先電話機のうちの1つの相手先電話機とを接続する。その複数の通話料金のうちのその任意の回線に対応する通話料金は、その任意の回線を介してその1つの発信元電話機とその1つの相手先電話機とを接続するときに、単位時間当たりにかかる料金を示している。
【0017】
本発明による回線選択方法は、発信時選択電話機に入力された電話番号に基づいて、その発信時選択電話機と複数の相手先電話機とを接続する複数の回線を算出するステップと、その複数の回線に対応する複数の通話料金に基づいてその複数の回線から最適回線を算出するステップと、その発信時選択電話機とその電話番号とに対応する発信時選択回線がその最適回線であるときに、その発信時選択回線を介してその発信時選択電話機とその複数の相手先電話機のうちのその電話番号が示している相手先電話機とを接続するステップと、その発信時選択回線がその最適回線でないときに、その最適回線に関する情報をその発信時選択電話機に通知するステップとを備えている。その複数の回線のうちの任意の回線は、その発信時選択電話機とその複数の相手先電話機のうちの1つの相手先電話機とを接続する。その複数の通話料金のうちのその任意の回線に対応する通話料金は、その任意の回線を介してその発信時選択電話機とその1つの相手先電話機とを接続するときに、単位時間当たりにかかる料金を示している。
【0018】
本発明による回線選択方法は、発信時選択電話機に入力された電話番号に基づいて、複数の発信元電話機とその電話番号が示している相手先電話機とを接続する複数の回線を算出するステップと、その複数の回線に対応する複数の通話料金に基づいてその複数の回線から最適回線を算出するステップと、その発信時選択電話機とその電話番号とに対応する発信時選択回線がその最適回線であるときに、その発信時選択回線を介してその発信時選択電話機とその相手先電話機とを接続するステップと、その発信時選択回線がその最適回線でないときに、その最適回線に関する情報をその発信時選択電話機に通知するステップとを備えている。その複数の回線のうちの任意の回線は、その複数の発信元電話機のうちの1つの発信元電話機とその相手先電話機とを接続する。その複数の通話料金のうちのその任意の回線に対応する通話料金は、その任意の回線を介してその1つの発信元電話機とその相手先電話機とを接続するときに、単位時間当たりにかかる料金を示している。
【発明の効果】
【0019】
本発明による回線選択装置および回線選択方法によれば、ユーザは、より多くの回線から選択されたより適切な回線を確認することができ、その結果、より適切な回線を用いて通話することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明による回線選択装置が適用される環境を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明による回線選択装置を示すブロック図である。
【図3】図3は、パケット解析部を示すブロック図である。
【図4】図4は、所持電話検索部を示すブロック図である。
【図5】図5は、アドレス帳データを示す図である。
【図6】図6は、最適回線検索部を示すブロック図である。
【図7】図7は、回線組み合わせ作成部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照して、本発明による回線選択装置の実施の形態を記載する。その回線選択装置1が適用される環境は、図1に示されているように、複数の回線網と発信元環境2と相手先環境3とを備えている。その複数の回線網は、発信元環境2と相手先環境3とに情報伝達可能に接続されることにより、発信元環境2と相手先環境3とを通過可能に接続する回線を形成する。その回線は、その複数の回線網のうちの1つにより形成され、または、その複数の回線網のうちの複数が互いに接続されることにより形成される。その複数の回線網は、移動体通信網5と公衆網6と複数の事業者回線網7−1〜7−n(n=2,3,4,…)とIP電話回線網8とを含んでいる。
【0022】
発信元環境2は、回線選択装置1を備え、携帯電話機11とアナログ電話機12とIP電話機14とを備えている。携帯電話機11は、回線選択装置1を介さないで、無線通信を介して移動体通信網5に直接に接続されている。アナログ電話機12は、図示されていない入力装置とを備え、回線選択装置1に接続されている。アナログ電話機12は、その入力装置がユーザにより操作されたときに、その入力装置を介して入力された情報を回線選択装置1に出力する。アナログ電話機12は、さらに、回線選択装置1に制御されることにより、回線選択装置1により作成された音声案内をユーザに通知する。IP電話機14は、図示されていない入力装置とを備え、回線選択装置1に接続されている。IP電話機14は、その入力装置がユーザにより操作されることにより、その入力装置を介して入力された情報を示すパケットを回線選択装置1に出力する。IP電話機14は、さらに、回線選択装置1に制御されることにより、回線選択装置1により作成された音声案内をユーザに通知する。
【0023】
相手先環境3は、携帯電話機15とアナログ電話機16とIP電話機17とを備えている。携帯電話機15は、移動体通信網5に接続されている。アナログ電話機16は、公衆網6に接続されている。IP電話機17は、IP電話回線網8に接続されている。発信元環境2のユーザは、発信元環境2のうちのある発信元電話機がその複数の回線網から形成される回線を介して相手先環境3のうちのある相手先電話機に接続されているときに、その発信元電話機と相手先電話機とを用いて相手先環境3のユーザと通話することができる。
【0024】
図2は、回線選択装置1を示している。回線選択装置1は、アナログポート部20とLAN制御部21とWAN制御部22とを備えている。アナログポート部20は、音声を示す音声信号を双方向に伝送可能にアナログ電話機12に接続されている。LAN制御部21は、パケットを双方向に伝送可能にIP電話機14に接続されている。WAN制御部22は、その複数の回線網のいくつかに接続され、たとえば、IP電話回線網8に接続されている。WAN制御部22は、その複数の回線網のいくつかから形成される回線を介して、発信元環境2の電話機と相手先環境3の電話機とを通話可能に接続する。
【0025】
回線選択装置1は、さらに、DTMF信号レシーバ23と受信番号解析部24と発信パケット解析部25と所持電話検索部26と最適回線検索部27と使用回線通知部28と発信切断部29とを備えている。DTMF信号レシーバ23は、アナログ電話機12がDTMF信号を生成したときに、そのDTMF信号が回線選択装置1に受信されるように、アナログポート部20を制御する。受信番号解析部24は、DTMF信号レシーバ23により受信されたDTMF信号を解析することにより、相手先電話番号と発信時選択回線とを算出する。その相手先電話番号は、そのDTMF信号が示す電話番号を示し、アナログ電話機12に入力された電話番号を示している。その発信時選択回線は、アナログ電話機12とその電話番号が示す電話機とを通話可能に接続する回線を示し、アナログ電話機12にその電話番号を入力することにより決定される回線を示している。発信パケット解析部25は、IP電話機14が発信パケットを生成したときにその発信パケットが回線選択装置1に受信されるように、LAN制御部21を制御する。発信パケット解析部25は、さらに、回線選択装置1がIP電話機14から発信パケットを受信したときに、その発信パケットを解析することにより発信時選択回線と相手先電話番号と発信時選択回線とを算出する。
【0026】
所持電話検索部26は、受信番号解析部24または発信パケット解析部25により算出された相手先電話番号に基づいて相手先環境情報を算出する。その相手先環境情報は、その相手先電話番号が示す電話機を有する相手先を示し、その複数の電話番号を示している。その複数の電話番号は、その相手先が有する複数の電話機に対応している。最適回線検索部27は、所持電話検索部26により算出された相手先環境情報に基づいて、最適回線を算出する。
【0027】
使用回線通知部28は、受信番号解析部24または発信パケット解析部25により算出された発信時選択回線と最適回線検索部27により算出された最適回線とに基づいて使用回線を算出する。すなわち、使用回線通知部28は、その発信時選択回線がその最適回線と同じであるかどうかを判別する。その使用回線は、その発信時選択回線がその最適回線であるときに、その最適回線を示している。
【0028】
使用回線通知部28は、その発信時選択回線がその最適回線と異なるときに、選択内容を作成する。その選択内容は、その発信時選択回線とその最適回線とを通知し、その発信時選択回線とその最適回線とのうちの1つの選択回線を選択することを促している。使用回線通知部28は、IP電話機14が操作されているときに、その選択内容がIP電話機14の受話器からユーザに通知されるように、かつ、その発信時選択回線とその最適回線とのうちの1つの選択回線をIP電話機14から収集するように、LAN制御部21を制御する。使用回線通知部28は、アナログ電話機12が操作されているときに、その選択内容がアナログ電話機12の受話器からユーザに通知されるように、かつ、その発信時選択回線とその最適回線とのうちの1つの選択回線をアナログ電話機12から収集するように、アナログポート部20を制御する。このとき、その使用回線は、その収集された選択回線を示している。
【0029】
発信切断部29は、その発信時選択回線が示す電話機が使用回線通知部28により算出された使用回線を利用可能であるかどうかを判別する。発信切断部29は、その電話機がその使用回線を利用可能でないときに、その電話機が相手先環境3の電話機に接続されないように、すなわち、その電話機が切断されるように、WAN制御部22を制御する。発信切断部29は、その電話機がその使用回線を利用可能であるときに、その電話機がその使用回線を介して相手先環境3の電話機に接続されるように、WAN制御部22を制御する。
【0030】
図3は、発信パケット解析部25を示している。発信パケット解析部25は、発信パケット受信部31と発信時使用回線解析部32と相手先電話番号データ解析部33とを備えている。発信パケット受信部31は、ユーザによりIP電話機14が操作されたときにIP電話機14により発信パケットが生成されたときに、回線選択装置1がその発信パケットを受信するように、LAN制御部21を制御する。その発信パケットは、IP電話機14と相手先電話番号とを示している。その相手先電話番号は、その発信パケットが生成されるときに、ユーザによりIP電話機14に入力された電話番号を示している。
【0031】
発信時使用回線解析部32は、発信パケット受信部31により受信された発信パケットに基づいて発信時選択回線を算出する。その発信時選択回線は、その発信パケットが生成された電話機を示し、すなわち、IP電話機14を示している。相手先電話番号データ解析部33は、発信パケット受信部31により受信された発信パケットに基づいて相手先電話番号を算出する。その相手先電話番号は、その発信パケットが生成された電話機に入力された電話番号を示している。
【0032】
図4は、所持電話検索部26を示している。所持電話検索部26は、非接続電話回線データ部41と接続電話回線データ部42とアドレス帳データ部43と発信元所持回線検索部44と相手先所持電話番号検索部45とを備えている。非接続電話回線データ部41は、非接続電話回線情報を記憶装置に記録している。その非接続電話回線情報は、発信元環境2にある複数の電話機のうちの回線選択装置1に接続されていない電話機を示し、たとえば、携帯電話機11を示している。非接続電話回線データ部41は、発信元環境2にある複数の電話機のうちの回線選択装置1に接続されていない電話機が増減したときに、回線選択装置1の入力装置を介して入力された情報に基づいてその非接続電話回線情報を更新する。接続電話回線データ部42は、接続電話回線情報を記憶装置に記録している。その接続電話回線情報は、発信元環境2にある複数の電話機のうちの回線選択装置1に接続されている電話機を示し、たとえば、アナログ電話機12とIP電話機14とを示している。接続電話回線データ部42は、発信元環境2にある複数の電話機のうちの回線選択装置1に接続されている電話機が増減したときに、回線選択装置1の入力装置を介して入力された情報に基づいてその接続電話回線情報を更新する。アドレス帳データ部43は、アドレス帳データを記憶装置に記録している。
【0033】
発信元所持回線検索部44は、非接続電話回線データ部41により記録されている非接続電話回線と接続電話回線データ部42により記録されている接続電話回線とを参照することにより、複数の発信元所持回線を算出する。その複数の発信元所持回線は、発信元環境2にあるすべての電話機を示している。相手先所持電話番号検索部45は、DTMF信号レシーバ23により相手先電話番号が算出されたときに、または、発信パケット解析部25により相手先電話番号が算出されたときに、アドレス帳データ部43により記録されているアドレス帳データを参照することにより、その相手先電話番号に基づいて複数の相手先所持電話番号を算出する。
【0034】
図5は、アドレス帳データ部43により記録されているアドレス帳データを示している。そのアドレス帳データ47は、複数の電話番号48を複数の相手先環境情報49に対応づけている。すなわち、複数の電話番号48のうちの任意の電話番号は、複数の相手先環境情報49のうちの1つの相手先環境情報に対応している。複数の相手先環境情報49のうちのある電話番号に対応する相手先環境情報は、その電話番号に対応する電話機を有する相手先を示し、その相手先が有する複数の電話機を示し、その複数の電話機に対応する複数の電話番号を示している。
【0035】
アドレス帳データ部43は、相手先環境3の電話機が増減したときに、または、発信元環境2のユーザが電話をかける相手が増減したときに、回線選択装置1の入力装置を介して入力された情報に基づいてアドレス帳データ47を更新する。
【0036】
相手先所持電話番号検索部45は、DTMF信号レシーバ23により相手先電話番号が算出されたときに、または、発信パケット解析部25により相手先電話番号が算出されたときに、アドレス帳データ47を参照することにより、複数の相手先環境情報49からその相手先電話番号に対応する相手先環境情報を選択し、その相手先環境情報が示す複数の相手先所持電話番号を算出する。
【0037】
図6は、最適回線検索部27を示している。最適回線検索部27は、通話料金データ部51と回線組み合わせ作成部52と組み合わせ料金検索部53と最適組み合わせ検出部54とを備えている。通話料金データ部51は、通話料金データを記憶装置に記録している。その通話料金データは、その複数の回線網の組み合わせにより形成される複数の回線を複数の通話料金に対応づけている。その複数の通話料金のうちのある回線に対応する通話料金は、その回線を介して通話するときに単位時間当たりにかかる料金を示している。回線組み合わせ作成部52は、所持電話検索部26により算出された複数の発信元所持回線と複数の相手先所持電話番号とに基づいて、複数の利用可能回線を示している。その複数の利用可能回線の各々は、その複数の回線網から選択された回線網の組み合わせを示している。
【0038】
組み合わせ料金検索部53は、通話料金データ部51により記録される通話料金データを参照することにより、回線組み合わせ作成部52により算出された複数の利用可能回線に基づいて、その複数の利用可能回線に対応する複数の通話料金を算出する。その複数の通話料金のうちのある利用可能回線に対応する通話料金は、その利用可能回線が利用されたときに、単位時間当たりにかかる料金を示している。最適組み合わせ検出部54は、組み合わせ料金検索部53により算出された複数の通話料金に基づいて、その複数の通話料金の最小値を算出し、最適回線を算出する。その最適回線は、その複数の利用可能回線のうちのその最小値に対応する回線を示している。
【0039】
図7は、回線組み合わせ作成部52を示している。回線組み合わせ作成部52は、組み合わせ作成検出部61と相手先状況検索部62と組み合わせ判断部63とを備えている。組み合わせ作成検出部61は、所持電話検索部26により算出された発信元所持回線と相手先所持電話番号とに基づいて、選択可能回線を算出する。その選択可能回線は、その発信元所持回線が示す複数の電話機とその相手先所持電話番号が示す複数の電話機とを通話可能に接続することができるすべての回線を示している。その回線の各々は、その複数の回線網から選択されるいくつかの回線網の組み合わせから形成されている。相手先状況検索部62は、所持電話検索部26により算出された相手先所持電話番号に基づいて、相手先環境3がIP電話機17を備えているかどうかを判別する。相手先状況検索部62は、相手先環境3がIP電話機17を備えているときに、IP電話機17が利用可能であるかどうかを示すIP電話機利用可能性を作成する。
【0040】
組み合わせ判断部63は、組み合わせ作成検出部61により算出された選択可能回線と相手先状況検索部62により作成されたIP電話機利用可能性とに基づいて、互いに異なる複数の利用可能回線を算出する。その複数の利用可能回線は、その発信元所持回線が示す複数の電話機とその相手先所持電話番号が示す複数の電話機とを現在通話可能に接続することができるすべての回線を示している。すなわち、その複数の利用可能回線は、IP電話機17が利用可能であることをそのIP電話機利用可能性が示すときに、その複数の選択可能回線を示している。その複数の利用可能回線は、IP電話機17が利用可能でないことをそのIP電話機利用可能性が示すときに、その発信元所持回線が示す複数の電話機とその相手先所持電話番号が示す複数の電話機のうちのIP電話機17を除く電話機とを通話可能に接続することができるすべての回線を示している。
【0041】
なお、回線選択装置1は、コンピュータにより実現されることもできる。このとき、
回線選択装置1は、図示されていないCPUと記憶装置と入力装置と出力装置と通信装置とリムーバルメモリドライブとを備えている。そのCPUは、回線選択装置1にインストールされるコンピュータプログラムを実行することにより、その記憶装置と入力装置と出力装置と通信装置とリムーバルメモリドライブとを制御する。その記憶装置は、そのコンピュータプログラムを記録し、そのCPUにより生成される情報を一時的に記録する。その入力装置は、ユーザに操作されることにより情報を生成し、その情報をそのCPUに出力する。その入力装置としては、キーボードが例示される。その出力装置は、そのCPUにより生成される情報をユーザに認識可能に出力する。その出力装置としては、ディスプレイが例示される。
【0042】
その通信装置は、その通信ネットワークを介してそのCPUにより生成された情報を他のコンピュータに送信し、その通信ネットワークを介して他のコンピュータから受信された情報をそのCPUに出力する。その通信装置は、さらに、回線選択装置1にインストールされるコンピュータプログラムを他のコンピュータからダウンロードすることに利用される。そのリムーバルメモリドライブは、記録媒体が挿入されたときに、その記録媒体に記録されているデータを読み出すことに利用される。そのリムーバルメモリドライブは、さらに、コンピュータプログラムが記録されている記録媒体が挿入されたときに、そのコンピュータプログラムを回線選択装置1にインストールするときに利用される。その記録媒体としては、フラッシュメモリ、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク)、磁気テープ(ビデオテープ)、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスクが例示される。
【0043】
そのインターフェースは、そのコンピュータに接続される外部機器により生成される情報をそのCPUに出力し、そのCPUにより生成された情報をその外部機器に出力する。その外部機器は、アナログポート部20とLAN制御部21とWAN制御部22とを含んでいる。
【0044】
回線選択装置1にインストールされるコンピュータプログラムは、回線選択装置1に複数の機能をそれぞれ実現させる複数のコンピュータプログラムから形成されている。その複数の機能は、DTMF信号レシーバ23と受信番号解析部24と発信パケット解析部25と所持電話検索部26と最適回線検索部27と使用回線通知部28と発信切断部29とを含んでいる。
【0045】
本発明による回線選択方法の実施の形態は、回線選択装置1により実行される。発信元環境2のユーザは、相手先環境3の相手先と通話しようとするときに、携帯電話機11とアナログ電話機12とIP電話機14とから1つの発信元電話機を選択し、携帯電話機15とアナログ電話機16とIP電話機17とから1つの相手先電話機を選択する。ユーザは、アナログ電話機12を選択したときに、その選択された相手先電話機を示す電話番号をアナログ電話機12に入力する。アナログ電話機12は、その電話番号が入力されたときに、その電話番号を示すDTMF信号を生成し、回線選択装置1に出力する。ユーザは、IP電話機14を選択したときに、その選択された相手先電話機を示す電話番号をIP電話機14に入力する。IP電話機14は、その電話番号が入力されたときに、その電話番号とIP電話機14とを示す発信パケットを生成し、回線選択装置1に出力する。
【0046】
回線選択装置1は、アナログ電話機12からそのDTMF信号が受信されたときに、そのDTMF信号を解析することにより、相手先電話番号と発信時選択回線とを算出する。回線選択装置1は、IP電話機14から発信パケットが受信されたときに、その発信パケットを解析することにより、相手先電話番号と発信時選択回線とを算出する。その相手先電話番号は、アナログ電話機12またはIP電話機14に入力された電話番号を示している。その発信時選択回線は、アナログ電話機12またはIP電話機14にその電話番号を入力することにより決定される回線を示し、アナログ電話機12またはIP電話機14のうちのその電話番号が入力された発信時選択電話機を示している。
【0047】
回線選択装置1は、アドレス帳データ47を参照することにより、複数の相手先環境情報49からその算出された相手先電話番号に対応する相手先環境情報を選択し、その相手先環境情報が示す複数の相手先所持電話番号を算出する。回線選択装置1は、さらに、非接続電話回線データ部41により記録されている非接続電話回線と接続電話回線データ部42により記録されている接続電話回線とを参照することにより、複数の発信元所持回線を算出する。その複数の発信元所持回線は、発信元環境2にあるすべての電話機を示している。
【0048】
回線選択装置1は、その算出された発信元所持回線と相手先所持電話番号とに基づいて、選択可能回線を算出する。その選択可能回線は、その発信元所持回線が示す複数の電話機とその相手先所持電話番号が示す複数の電話機とを通話可能に接続することができるすべての回線を示している。その回線の各々は、その複数の回線網から選択されるいくつかの回線網の組み合わせから形成されている。回線選択装置1は、その算出された相手先所持電話番号に基づいて、相手先環境3がIP電話機17を備えているかどうかを判別する。回線選択装置1は、相手先環境3がIP電話機17を備えているときに、WAN制御部22を制御することにより、IP電話機17が利用可能であるかどうかを示すIP電話機利用可能性を作成する。
【0049】
回線選択装置1は、その算出された選択可能回線とそのIP電話機利用可能性とに基づいて、互いに異なる複数の利用可能回線を算出する。その複数の利用可能回線は、その発信元所持回線が示す複数の電話機とその相手先所持電話番号が示す複数の電話機とを現在通話可能に接続することができるすべての回線を示している。すなわち、その複数の利用可能回線は、IP電話機17が利用可能であるときに、その複数の選択可能回線を示している。その複数の利用可能回線は、IP電話機17が利用可能でないときに、その発信元所持回線が示す複数の電話機とその相手先所持電話番号が示す複数の電話機のうちのIP電話機17を除く電話機とを通話可能に接続することができるすべての回線を示している。
【0050】
回線選択装置1は、通話料金データ部51により記録される通話料金データを参照することにより、その算出された複数の利用可能回線に対応する複数の通話料金を算出する。回線選択装置1は、その複数の通話料金の最小値を算出し、その複数の利用可能回線のうちのその最小値に対応する最適回線を算出する。
【0051】
回線選択装置1は、その発信時選択回線がその最適回線と異なるときに、その発信時選択回線とその最適回線とが表示されている選択内容を作成する。回線選択装置1は、IP電話機14が操作されているときに、LAN制御部21を制御することにより、その選択内容をIP電話機14の受話器からユーザに通知させる。回線選択装置1は、アナログ電話機12が操作されているときに、アナログポート部20を制御することにより、その選択内容をアナログ電話機12の受話器からユーザに通知させる。
【0052】
ユーザは、アナログ電話機12にその選択内容が通知されたときに、アナログ電話機12の入力装置を操作することにより、その発信時選択回線と最適回線とから1つの選択回線を選択する。アナログ電話機12は、その1つの選択回線が選択されると、その選択回線を示す回答を回線選択装置1に出力する。ユーザは、IP電話機14にその選択内容が通知されたときに、IP電話機14の入力装置を操作することにより、その発信時選択回線と最適回線とから1つの選択回線を選択する。IP電話機14は、その1つの選択回線が選択されると、その選択回線を示す回答を回線選択装置1に出力する。回線選択装置1は、その回答を受信すると、ユーザに操作されている電話機がその選択回線を利用可能であるかどうかを判別する。
【0053】
回線選択装置1は、その電話機がその選択回線を利用可能でないときに、その電話機が相手先環境3の電話機に接続されないように、すなわち、その電話機が切断されるように、WAN制御部22を制御する。たとえば、回線選択装置1は、アナログ電話機12またはIP電話機14がユーザに操作されている場合で、その選択回線が携帯電話機11を利用するものであるときに、相手先環境3の電話機に接続されないように、アナログ電話機12またはIP電話機14を制御する。回線選択装置1は、その電話機がその選択回線を利用可能であるときに、その電話機がその選択回線を介して相手先環境3の電話機に接続されるように、WAN制御部22を制御する。
【0054】
回線選択装置1は、その発信時選択回線とその最適回線とが同じであるときに、ユーザに操作されている電話機がその最適回線を介して相手先環境3の電話機に接続されるように、WAN制御部22を制御する。
【0055】
このような動作によれば、ユーザは、ユーザに操作されている電話機に選択内容が通知されないときに、利用可能な複数の回線ごとに通話料金をユーザ自身が別途に調査する必要なく、その発信時選択回線が最も安価な回線であることをより容易に確認することができる。ユーザは、さらに、ユーザに操作されている電話機に選択内容が通知されたときに、その選択内容を確認することにより、利用可能な複数の回線ごとに通話料金をユーザ自身が別途に調査する必要なく、最も安価な回線をより容易に確認することができる。ユーザは、さらに、発信元環境2のうちの回線選択装置1に接続されていない電話機を非接続電話回線データ部41により記録しておくことにより、その接続されていない電話機を利用する回線を含めた複数の利用可能回線のうちから、最も安価な回線をより容易に確認することができる。ユーザは、さらに、相手先環境3の複数の電話機をアドレス帳データ47として記録しておくことにより、その複数の電話機を利用する回線を含めた複数の利用可能回線のうちから、最も安価な回線をより容易に確認することができる。
【0056】
このような動作によれば、ユーザは、その発信時選択回線が最も安価な回線であるときに、電話番号の入力から通話までの間に操作が必要でなく、最も安価な回線を用いてより容易に通話することができる。ユーザは、さらに、その発信時選択回線が最も安価な回線でない場合でも、その選択内容を用いて最も安価な回線を選択することにより、最も安価な回線を用いてより容易に通話することができる。
【0057】
このような回線選択方法によれば、ユーザは、その選択内容が電話機から通知された場合で、選択回線の選択後に切断されたときに、その選択内容に示された最も安価な回線が利用されるように電話をかけ直すことにより、利用可能な複数の回線ごとに通話料金をユーザ自身が別途に調査する必要なく、最も安価な回線を利用してより容易に通話することができる。ユーザは、さらに、その選択内容が電話機から通知された場合で、その発信時選択回線を選択したときに、より安価な回線を利用することができないが、そのかけ直しをすることなく、より容易に通話することができる。
【0058】
なお、本発明による回線選択装置は、既述の実施の形態における選択内容が他の選択内容に置換されることもできる。その選択内容は、複数の番号に対応する複数の選択肢が表示されている。その複数の選択肢は、回線組み合わせ作成部52により算出された複数の利用可能回線に対応している。その複数の選択肢のうちのある利用可能回線に対応する選択肢は、さらに、組み合わせ料金検索部53により算出された複数の通話料金のうちのその利用可能回線に対応する通話料金を示している。ユーザは、その複数の番号のうちの所望の回線に対応する番号を入力することにより、その複数の利用可能回線から1つの選択回線を選択する。このような選択内容によれば、ユーザは、より多くの選択肢から選択回線を選択することができる。このような選択内容によれば、ユーザは、さらにその複数の通話料金を確認することにより、より適切に選択回線を選択することができる。たとえば、ユーザは、最も安価な回線が携帯電話機11を利用するものであるときに、携帯電話機11を用いない回線のうちから最も安価な回線を選択することができる。
【0059】
なお、本発明による回線選択装置は、発信元環境2にある複数の電話機のうちの回線選択装置1に接続されている電話機がディスプレイを備えているときに、既述の実施の形態における選択内容を示す選択画面がそのディスプレイに表示されるようにその電話機を制御することもできる。このとき、ユーザは、その選択画面を閲覧することにより、既述の実施の形態における回線選択装置1と同様にして、最も安価な回線をより容易に確認することができ、より適切な回線をより容易に選択して相手先と通話することができる。
【0060】
なお、回線選択装置1は、発信元環境2が1つの電話機を有するときに、かつ、相手先環境3が複数の電話機を有するときに、適用されることもできる。さらに、回線選択装置1は、発信元環境2が複数の電話機を有するときに、かつ、相手先環境3が1つの電話機を有するときに、適用されることもできる。発信元環境2と相手先環境3とを通話可能に接続する回線は、1つの発信元電話機から1つの相手先電話機までを接続する回線に比較して、発信元環境2が複数の電話機を有するときに、または、相手先環境3が複数の電話機を有するときに、より多い。すなわち、回線選択装置1は、より多くの回線から適切な回線を検索することができ、その結果、より適切な回線を選択することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 :回線選択装置
2 :発信元環境
3 :相手先環境
5 :移動体通信網
6 :公衆網
7−1〜7−n:複数の事業者回線網
8 :IP電話回線網
11:携帯電話機
12:アナログ電話機
14:IP電話機
15:携帯電話機
16:アナログ電話機
17:IP電話機
20:アナログポート部
21:LAN制御部
22:WAN制御部
23:DTMF信号レシーバ
24:受信番号解析部
25:発信パケット解析部
26:所持電話検索部
27:最適回線検索部
28:使用回線通知部
29:発信切断部
31:発信パケット受信部
32:発信時使用回線解析部
33:相手先電話番号データ解析部
41:非接続電話回線データ部
42:接続電話回線データ部
43:アドレス帳データ部
44:発信元所持回線検索部
45:相手先所持電話番号検索部
47:アドレス帳データ
48:複数の電話番号
49:複数の相手先環境情報
51:通話料金データ部
52:回線組み合わせ作成部
53:組み合わせ料金検索部
54:最適組み合わせ検出部
61:組み合わせ作成検出部
62:相手先状況検索部
63:組み合わせ判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信時選択電話機に入力された電話番号に基づいて、複数の発信元電話機と複数の相手先電話機とを接続する複数の回線を算出する回線組み合わせ作成部と、
前記複数の回線に対応する複数の通話料金に基づいて前記複数の回線から最適回線を算出する最適組み合わせ検出部と、
前記発信時選択電話機と前記電話番号とに対応する発信時選択回線が前記最適回線であるときに、前記発信時選択回線を介して前記発信時選択電話機と前記複数の相手先電話機のうちの前記電話番号が示す相手先電話機とを接続する発信切断部と、
前記発信時選択回線が前記最適回線でないときに、前記最適回線に関する情報を前記発信時選択電話機に通知する使用回線通知部とを具備し、
前記複数の回線のうちの任意の回線は、前記複数の発信元電話機のうちの1つの発信元電話機と前記複数の相手先電話機のうちの1つの相手先電話機とを接続し、
前記複数の通話料金のうちの前記任意の回線に対応する通話料金は、前記任意の回線を介して前記1つの発信元電話機と前記1つの相手先電話機とを接続するときに、単位時間当たりにかかる料金を示す
回線選択装置。
【請求項2】
請求項1において、
複数の電話番号を複数の相手先通信環境情報に対応づけるテーブルを参照することにより、前記複数の相手先通信環境情報のうちの前記電話番号に対応する相手先通信環境情報を算出する相手先所持電話番号検索部をさらに具備し、
前記相手先通信環境情報は、前記複数の相手先電話機を示す
回線選択装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記使用回線通知部は、前記複数の回線から前記発信時選択電話機により選択された選択回線を前記発信時選択電話機から収集し、
前記発信切断部は、
前記発信時選択電話機が前記選択回線に接続されることができるときに、前記選択回線を介して前記発信時選択電話機と前記複数の相手先電話機のうちの1つの選択相手先電話機とを接続し、
前記発信時選択電話機が前記選択回線に接続されることができないときに、前記発信時選択電話機が前記複数の相手先電話機に接続されないように前記発信時選択電話機を制御する
回線選択装置。
【請求項4】
発信時選択電話機に入力された電話番号に基づいて、前記発信時選択電話機と複数の相手先電話機とを接続する複数の回線を算出する回線組み合わせ作成部と、
前記複数の回線に対応する複数の通話料金に基づいて前記複数の回線から最適回線を算出する最適組み合わせ検出部と、
前記発信時選択電話機と前記電話番号とに対応する発信時選択回線が前記最適回線であるときに、前記発信時選択回線を介して前記発信時選択電話機と前記複数の相手先電話機のうちの前記電話番号が示す相手先電話機とを接続する発信切断部と、
前記発信時選択回線が前記最適回線でないときに、前記最適回線に関する情報を前記発信時選択電話機に通知する使用回線通知部とを具備し、
前記複数の回線のうちの任意の回線は、前記発信時選択電話機と前記複数の相手先電話機のうちの1つの相手先電話機とを接続し、
前記複数の通話料金のうちの前記任意の回線に対応する通話料金は、前記任意の回線を介して前記発信時選択電話機と前記1つの相手先電話機とを接続するときに、単位時間当たりにかかる料金を示す
回線選択装置。
【請求項5】
発信時選択電話機に入力された電話番号に基づいて、複数の発信元電話機と前記電話番号が示す相手先電話機とを接続する複数の回線を算出する回線組み合わせ作成部と、
前記複数の回線に対応する複数の通話料金に基づいて前記複数の回線から最適回線を算出する最適組み合わせ検出部と、
前記発信時選択電話機と前記電話番号とに対応する発信時選択回線が前記最適回線であるときに、前記発信時選択回線を介して前記発信時選択電話機と前記相手先電話機とを接続する発信切断部と、
前記発信時選択回線が前記最適回線でないときに、前記最適回線に関する情報を前記発信時選択電話機に通知する使用回線通知部とを具備し、
前記複数の回線のうちの任意の回線は、前記複数の発信元電話機のうちの1つの発信元電話機と前記相手先電話機とを接続し、
前記複数の通話料金のうちの前記任意の回線に対応する通話料金は、前記任意の回線を介して前記1つの発信元電話機と前記相手先電話機とを接続するときに、単位時間当たりにかかる料金を示す
回線選択装置。
【請求項6】
発信時選択電話機に入力された電話番号に基づいて、複数の発信元電話機と複数の相手先電話機とを接続する複数の回線を算出するステップと、
前記複数の回線に対応する複数の通話料金に基づいて前記複数の回線から最適回線を算出するステップと、
前記発信時選択電話機と前記電話番号とに対応する発信時選択回線が前記最適回線であるときに、前記発信時選択回線を介して前記発信時選択電話機と前記複数の相手先電話機のうちの前記電話番号が示す相手先電話機とを接続するステップと、
前記発信時選択回線が前記最適回線でないときに、前記最適回線に関する情報を前記発信時選択電話機に通知するステップとを具備し、
前記複数の回線のうちの任意の回線は、前記複数の発信元電話機のうちの1つの発信元電話機と前記複数の相手先電話機のうちの1つの相手先電話機とを接続し、
前記複数の通話料金のうちの前記任意の回線に対応する通話料金は、前記任意の回線を介して前記1つの発信元電話機と前記1つの相手先電話機とを接続するときに、単位時間当たりにかかる料金を示す
回線選択方法。
【請求項7】
請求項6において、
複数の電話番号を複数の相手先通信環境情報に対応づけるテーブルを参照することにより、前記複数の相手先通信環境情報のうちの前記電話番号に対応する相手先通信環境情報を算出するステップをさらに具備し、
前記相手先通信環境情報は、前記複数の相手先電話機を示す
回線選択方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記複数の回線から前記発信時選択電話機により選択された選択回線を前記発信時選択電話機から収集するステップと、
前記発信時選択電話機が前記選択回線に接続されることができるときに、前記選択回線を介して前記発信時選択電話機と前記複数の相手先電話機のうちの1つの選択相手先電話機とを接続するステップと、
前記発信時選択電話機が前記選択回線に接続されることができないときに、前記発信時選択電話機が前記複数の相手先電話機に接続されないように前記発信時選択電話機を制御するステップ
とをさらに具備する回線選択方法。
【請求項9】
発信時選択電話機に入力された電話番号に基づいて、前記発信時選択電話機と複数の相手先電話機とを接続する複数の回線を算出するステップと、
前記複数の回線に対応する複数の通話料金に基づいて前記複数の回線から最適回線を算出するステップと、
前記発信時選択電話機と前記電話番号とに対応する発信時選択回線が前記最適回線であるときに、前記発信時選択回線を介して前記発信時選択電話機と前記複数の相手先電話機のうちの前記電話番号が示す相手先電話機とを接続するステップと、
前記発信時選択回線が前記最適回線でないときに、前記最適回線に関する情報を前記発信時選択電話機に通知するステップとを具備し、
前記複数の回線のうちの任意の回線は、前記発信時選択電話機と前記複数の相手先電話機のうちの1つの相手先電話機とを接続し、
前記複数の通話料金のうちの前記任意の回線に対応する通話料金は、前記任意の回線を介して前記発信時選択電話機と前記1つの相手先電話機とを接続するときに、単位時間当たりにかかる料金を示す
回線選択方法。
【請求項10】
発信時選択電話機に入力された電話番号に基づいて、複数の発信元電話機と前記電話番号が示す相手先電話機とを接続する複数の回線を算出するステップと、
前記複数の回線に対応する複数の通話料金に基づいて前記複数の回線から最適回線を算出するステップと、
前記発信時選択電話機と前記電話番号とに対応する発信時選択回線が前記最適回線であるときに、前記発信時選択回線を介して前記発信時選択電話機と前記相手先電話機とを接続するステップと、
前記発信時選択回線が前記最適回線でないときに、前記最適回線に関する情報を前記発信時選択電話機に通知するステップとを具備し、
前記複数の回線のうちの任意の回線は、前記複数の発信元電話機のうちの1つの発信元電話機と前記相手先電話機とを接続し、
前記複数の通話料金のうちの前記任意の回線に対応する通話料金は、前記任意の回線を介して前記1つの発信元電話機と前記相手先電話機とを接続するときに、単位時間当たりにかかる料金を示す
回線選択方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−199847(P2012−199847A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63594(P2011−63594)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】