回路インターフェースのための電気的マイクロフィラメント
超小型電子回路のための電気的相互接続のためのデバイス及び方法が開示される。電気的相互接続の1つの方法(90)は、少なくとも2つのマイクロフィラメントがそれらの長さに沿って延びる導電性部分を含む、マイクロフィラメントの束を形成するステップ(92)を含む。方法はまた、マイクロフィラメントを超小型電子回路の基板の対応するボンドパッドに接合して、導電性部分とそれに対応するボンドパッドとの間に電気的接続を形成するステップ(94)を含むことができる。1つの超小型電子回路(10)は、対応するボンドパッド(14)に接合されて、対応するボンドパッドとマイクロフィラメントの導電性部分との間に電気的接続を形成するマイクロフィラメント(18)の束(16)を含むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許は、2005年12月12日に出願された米国特許仮出願第60/749,777号明細書「超高密度電気コネクタ」と、2005年12月12日に出願された米国特許仮出願第60/749,873号明細書「多素子プローブ・アレイ」との利益を主張する、2006年12月11日に出願された米国特許出願「回路インターフェースとの電気マイクロフィラメント」(代理人整理番号第00729−25731号)の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
現在製造されているほとんど全てのデバイスが電子回路を含んでいるように思われることがある。例えばマイクロプロセッサは、上級のコンピュータシステム、身体埋め込み型医療システム、料理用トースター、簡単な子供の玩具などの異なる品目を含む広範囲の製品の中に存在する。
【0003】
多くの電子システムにとって小型化の達成が大変望ましい。したがって、過去数十年間、電子システムの小型化で多くの向上が達成されてきた。例えばシリコン集積回路を含む超小型電子回路があらゆる所に出現した。集積回路は半導体材料の薄い基板上に製造される小型電子回路である。典型的には、単一の半導体ウエーハ上に複数の回路が製造され、次いで個々の回路がチップ又はダイと呼ばれるものに分離される。ダイのサイズは極めて多様であるが、各辺が約5mmから15mmのサイズが一般的である。ダイは典型的にはパッケージ内に置かれ、パッケージのリードフレームと半導体ダイのボンドパッドとの間に微細ワイヤが接続される。
【0004】
半導体に使用されるワイヤ及びボンディングパッドのスケールは比較的小さい。例えば、典型的なボンドパッドは一辺が約35マイクロメートルから50マイクロメートルの正方形のパッドである。ボンドパッドとデバイスのリードとの接続は、ボンドパッドとリードフレームのリード接続部との間に超音波接合された直径15マイクロメートルのボンドワイヤを介して行われる。残念ながら、このようなサイズでも、ある種の設計のチップではボンドパッドが占めるスペースは制約要因になっている。例えば、利用できる半導体面積の1/10がボンドパッドに失われることがある。半導体ダイとパッケージとの間の相互接続をより高密度にすることは困難であることは実証されており、典型的にはボンドパッドはワイヤボンドの形状寸法によりダイの各側に2列のパッドに限定される。
【0005】
単一のパッケージでの複数のダイの使用も一般的になっている。したがって、ダイ間のワイヤボンディング及びダイからパッケージまでのワイヤボンディングが共に必要であるため、相互接続に対する要求が高まっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、相互接続の密度を大幅に高めることができる新規の相互接続技術に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、先行技術に生来伴う問題点と不足を克服することに役立つ超小型電子回路のための電気的相互接続の方法を含む。一つの実施の形態では、この方法は、マイクロフィラメントのうちの少なくとも2つがそれらの長さに沿って延びる導電性部分を含む、マイクロフィラメントの束を形成するステップを含む。マイクロフィラメントは、導電性部分と超小型電子回路の基板上の対応するボンドパッドとの間に電気接続が形成されるように、超小型電子回路の基板に接合される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、添付図面に関連してなされる以下の説明と添付の特許請求の範囲から一層明白になる。これらの図面は単に本発明の例示的な実施の形態を示すものであり、したがってその範囲を限定するものと見なすべきではないことを理解されたい。本明細書に全体として記載され、図面に示される本発明の部品は多様な異なる構成で配置され、設計されることが可能であることが容易に理解されよう。それでもなお、本発明は添付図面を利用して追加の特定性及び詳細を伴って記載され、説明される。
【0009】
本発明の例示的な実施の形態の以下の詳細な説明は本明細書の一部をなしており、本発明を実施し得る例示的な実施の形態を例として示す添付図面を参照して行われる。これらの例示的な実施の形態は当業者が本発明を実施できるように十分に詳細に記載されるが、他の実施の形態も実現でき、本発明の趣旨と範囲から離れることなく本発明に対して様々な変更を行ってもよいことを理解されたい。したがって、本発明の実施の形態の以下の一層詳細な説明は、特許請求されている本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の機能及び特徴を説明し、本発明の最良の動作モードを開示し、かつ当業者が本発明を十分に実施可能であるように、説明目的のみのために、限定的ではなく提示されるものである。したがって、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ定義されるべきものである。本発明の以下の詳細な説明及び例示的な実施の形態は、添付図面を参照することによって最良に理解される。図中、本発明の要素及び機能は全体を通して番号で示される。
【0010】
図1を参照すると、本発明の第1の例示的な実施の形態による超小型電子回路の図が示されている。具体的には、図1は超小型電子回路10が、複数のボンドパッド14を含む超小型電子回路要素が配置された基板12を含むことを示している。マイクロフィラメント18の束16は基板への電気接続を行う。マイクロフィラメントの束は、長手方向に延びる導電性部分を有する信号搬送用マイクロフィラメントの第1のサブセット20を含む。例えば、導電性部分はマイクロフィラメントそれ自体であってもよく、又は以下に一層詳細に説明するように、マイクロフィラメント上に形成された導電性ストリップであってもよい。信号搬送用マイクロフィラメントの第1の端部26は束から散開されて、対応するボンドパッドに直接接合され、対応するボンドパッドと導電性部分との間の電気的接続が行われる。
【0011】
集積回路を有するシリコン基板が本発明の最も一般的な用途であるものと予測されるが、それに限定されない。本発明は、例えばハイブリッド超小型回路、その他の半導体(例えばGaAs)、絶縁基板上のデバイス及びプリント回路板を含む他の種類の超小型電子技術にも同様に応用可能である。更に、ボンドパッドは(例えば超音波ワイヤボンディングのための)平坦構造として示されているが、ボンドパッドは代替として、マイクロフィラメントが挿入される孔を介してメッキされることもできる。
【0012】
図2(a)及び図2(b)は、本発明の実施の形態に係るマイクロフィラメントの束16の横断面図を示している。マイクロフィラメントの束16は導電性であり、電子信号を搬送できるようにする信号搬送用マイクロフィラメントの第1のサブセット20を含む。マイクロフィラメントの第2のサブセットは絶縁用マイクロフィラメント22である。絶縁用マイクロフィラメントは信号搬送用マイクロフィラメントの間に配置される。例えば、信号搬送用マイクロフィラメントは少なくとも1つの絶縁用マイクロフィラメントによって互いに分離される。言い換えると、信号搬送用マイクロフィラメントは絶縁用マイクロフィラメントによって囲まれている。
【0013】
束16は、接触する環状断面のマイクロフィラメントの六角形の最密構成として示されているが、他の多くの配列及びマイクロフィラメント配置を使用できる。マイクロフィラメントは、(例えば図7に示すように)平坦な一次元の束内に直線的に配列されてもよく、又は(例えば図1及び図2に示すように)二次元の束に配列されてもよい。マイクロフィラメントは円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形又はその他の多角形の横断面を有していてもよい。更に、マイクロフィラメントは一定の横断面を有する必要はなく、一定でない横断面を有することができる。更に、束内のマイクロフィラメントの全部が同じ断面積又は直径を有する必要はない。しかし、ほぼ一定の断面直径のマイクロフィラメントを使用することが製造を簡略にし得ることが理解されよう。金属ロッド、マイクロワイヤ、絶縁マイクロワイヤ、ガラス繊維、アラミド繊維などを含む様々な種類のマイクロフィラメントを使用できる。例えば、以下に記載のような円筒面リソグラフィを使用して、機構をマイクロフィラメントの表面上に配置できる。
【0014】
マイクロフィラメントの束16を使用することによって得られる1つの利点は、超小型電子回路の基板12上にボンドパッドを配置する際のフレキシビリティの増加を達成できることである。例えば、あるボンドパッドは基板の内側部分24(図1)に配置可能である。これは、ボンドワイヤの交差及び短絡の防止に役立つように典型的には基板の周囲の近傍に配置される従来のボンドパッドとは異なる。対照的に、本発明の実施の形態は、マイクロフィラメントの束に絶縁部分を含めることによって、異なるボンドパッドへの電気接続の短絡の回避に資することができる。
【0015】
本発明の実施の形態に係るマイクロフィラメントの代替の配置が図3に斜視図で示されている。超小型電子回路30は、互いにほぼ隣接して配置された複数のボンドパッド14を有する基板12を含む。マイクロフィラメントの束16は、信号搬送用マイクロフィラメント20の長手方向に延びる導電性部分とそれに対応するボンディングパッドとの間に電気接続を形成するように、基板に直接接合される。例えば、束の端部26は、複数のボンドパッドと相補的である三次元の相互嵌合面を規定するように互い違いに配置されることができるので、基板に接合される際に束が同時に複数の電気接続を行うことが可能になる。リソグラフィ技術を使用して、基板上に製造される例えば隆起領域、穴及びこれに類する幾何学的形状を含む、ボンドパッドの様々な配置を規定することができる。
【0016】
上記のようなマイクロフィラメントの束16を使用して複数の相互接続を行うと、ボンドパッドのためのスペースを低減できるので、ダイ面積効率の大幅な向上に役立つことができる。例えば15マイクロメートル又はそれ未満の直径が小さいマイクロフィラメントを使用することによって、ワイヤボンディングによる従来のボンドパッドと比較して高密度の相互接続を得ることができる。これによって、ボンディングパッドに使用されるダイ面積の縮小を促進することができる。ボンディングパッドに使用される半導体基板の面積が小さくなるので、所定の容積内により多くの回路を配置でき、逆に、同じ量の機能を保ちつつ、チップのサイズを縮小できる。
【0017】
マイクロフィラメントの束16の反対側の第2の端部は様々な方法で接続されることができる。例えば、図4に示すように、本発明の実施の形態にしたがって、リード接続部46を備えるリードフレーム44を有するパッケージ42内に基板12を配置することができる。マイクロフィラメントの第2の端部48はリードフレームのリード接続部に接続される。ボンドパッド14とリードフレームのリード接続部との間の電気的接続を行うために、マイクロフィラメントの2つ以上の束16が使用されてもよい。
【0018】
別の実例として、図5に示すように、マイクロフィラメントの束16の第2の端部48はコネクタ50に接続されることができる。例えば、図6に示されるように、第2の端部を、コネクタの本体52として機能して複数のコネクタピン54を収容する第2の基板に接合することによって、コネクタを形成することができる。
【0019】
更に別の実例が図7に示されており、簡略に記載されるように、この場合はマイクロフィラメントの束16の第2の端部48をコネクタ56内に形成可能である。束の第2の端部をコネクタにブリッジ接続することによって、パッケージ内のリードフレームの必要性を除去することさえできる。したがって、超小型電子回路用の完全に新規のパッケージング方式が考慮される。図5から図7に例示されているこの新規のパッケージング方式は、パッケージ上の従来のリードではなくコネクタによって提供される、超小型電子回路に対するインターフェースを有する。関連するコネクタを有する1つ又は複数のフィラメント束を超小型電子回路と共に含めることができる。異なる超小型電子回路間の相互接続は、従来のプリント回路板によってではなく、コネクタを互いに差し込むことによって行われる。この新規の方式は潜在的にコストを低減し、電子システムの信頼性を高め得る。
【0020】
コネクタ56を更に詳細に説明すると、コネクタは、マイクロフィラメントの第2の端部を互い違いに配置させて三次元の相互嵌合面を形成することによって、マイクロフィラメントの束から形成されることができる。信号搬送用フィラメント20は、接続コネクタの対応する電気接点に接線方向に係合するようにマイクロフィラメントの側面に配置された導電性接点58を含む。嵌合面の近傍のマイクロフィラメント部分60は、例えば接着によって固定されることができる。
【0021】
更に別の実例として、マイクロフィラメントの束の第2の端部48を第2の基板の対応するボンドパッドに直接接合することができる。例えば図8は、第2の基板12aが第1の基板12bの上に配置された積層型超小型電子回路を示している。第1の基板と第2の基板との間の電気的接続は、信号搬送用マイクロフィラメントを含むマイクロフィラメントの束16によって行われる。信号搬送用マイクロフィラメントの第1の端部26は第1の基板上の対応する第1のボンドパッド14に直接接合され、第2の端部48は第2の基板上の対応する第2のボンドパッド14’に直接接合される。いずれかの基板上のボンドパッドは(例えば第1の基板に関して図示し、図1に関して前述したように)基板の表面上に分散されてもよく、又は(例えば第2の基板に関して図示し、図3に関して前述したように)互いに実質的に隣接して配置されてもよい。
【0022】
一方、信号搬送用マイクロフィラメントに注目すると、長手方向に延びる導電性部分を設ける様々な方法が可能である。例えば、前述のように、マイクロフィラメントはマイクロワイヤ又は金属ロッドのような導電性材料でよい。或いは、マイクロフィラメントは、導電性部分が形成された非導電性の細長い基板でもよい。例えば、図9は導電性部分62が形成されたマイクロフィラメント18を示している。導電性部分は、ボンドパッド又はコネクタへの電気的接続を補助するため、又はコネクタの嵌合面として役立つようにマイクロフィラメントの端部の近傍に延長領域64を含むことができる。図10は、導電性部分が形成される別のマイクロフィラメントを示している。導電性部分の端部は、電気的接続を補助するための周囲リング66を含む。図11に示すように、マイクロフィラメントは複数の導電性部分62a、62b、62cを含んでもよい。マイクロフィラメントへの導電性部分の形成は、例えば円筒面リソグラフィを使用して達成可能である。円筒面リソグラフィ技術はヤコブセン等の米国特許第5,106,455号明細書、第5,269,882号明細書及び米国特許第5,273,622号に記載されている。
【0023】
例えば、各導電性部分62a、62b、62cは、対応する周囲リング66a、66b、66cを含むことができる。導電性部分はマイクロフィラメント18の表面上に形成されることができる。周囲リングが配置されるマイクロフィラメントの少なくとも端部において、絶縁材料68を導電性部分に重ねることができる。例えば絶縁材料をマスキング又はエッチングすることによって、周囲リングが配置される位置に対応する導電性部分における位置で、絶縁材料に一連の穴67が画定される。周囲リングが絶縁材料の上に形成され、対応する長手方向に延びる部分に対して一連の穴を通して接続が行われる。
【0024】
上記のように複数の導電性部分を有するマイクロフィラメントを使用することによって、以下に説明するように、相互接続の密度を更に高めることが可能になる。図12は、本発明の別の実施の形態による超小型電子回路を示している。超小型電子回路70は、超小型電子回路要素が配置された基板12と複数のボンドパッド14とを含む。基板には、複数の長手方向に延びる導電性部分62を有するマイクロフィラメント18が直接接合される。マイクロフィラメントは横方向に位置しているので、マイクロフィラメントの側面が基板に接触し、少なくとも1つの長手方向に延びる導電性部分がマイクロフィラメントの端部26の近傍の対応するボンドパッドに電気的に接触する。各導電性部分をそれに対応するボンドパッドと電気的に接続してもよい。単一のマイクロフィラメントが複数の電子接続を行うので、基板12での極めて高い接続密度が提供される。単一のマイクロフィラメントの接合で複数の電気的接続が可能になるので、効率的な製造が提供される。
【0025】
例えば図13に示すように、パッケージ化された超小型回路を接続するために、複数の導電性部分を有する単一のマイクロフィラメントを使用することも可能である。超小型回路の基板12はリードフレーム44を有するパッケージ42内に配置される。マイクロフィラメント18’は、(例えば前述のように導電性リング66を使用して)長手方向に延びる導電性部分間を電気的に接続するよう、(端部から離れた)中間部65の部分で基板12に接合されることができる。中間部から延びるマイクロフィラメント部分は、(例えばマイクロフィラメントの長さに沿って配置された広い間隔を隔てた導電性リングを使用して)リードフレームのリード接続部46との接続を行うことができる。或いは、マイクロフィラメント18”が一端の近傍で基板に接続され、リード接続部への接続が(例えば導電性リングを使用して)マイクロフィラメントの長さに沿って提供される。
【0026】
複数のマイクロフィラメントは、それぞれ複数の長手方向に延びる導電性部分を有しており、束に形成されて、上記の技術を用いて基板に直接接合されることができる。マイクロフィラメントを、隣接する信号搬送用マイクロフィラメントの導電性部分間の電気的短絡を防止するように配置することができる。或いは、前述のように、信号搬送用マイクロフィラメントの間に絶縁用マイクロフィラメントを含めることもできる。上記のマイクロフィラメントの束は極めて高密度の相互接続をもたらすことができる。
【0027】
最後に、本発明の別の実施の形態にしたがって、超小型電子回路の電気的相互接続の方法が図14に流れ図の形態で示されている。全体として90で示された方法は、マイクロフィラメントの束を形成するステップ92を含み、マイクロフィラメントのうちの少なくとも2つは長さに沿って延びる導電性部分を含む。
【0028】
マイクロフィラメントの束を形成するには様々な方法が可能である。例えば、長い連続したマイクロフィラメントを有するスプールから、細長い円筒形素子を切断することができる。別の例としては、細長い円筒形素子は、素材又はプリフォームから引抜き又は押出し加工されたガラス繊維であってよい。マイクロフィラメントをトラフに配置し、部分的に例えば接着剤によって互いに固着してもよい。マイクロフィラメントの端部を、トラフの端部に位置するストップを利用して所望の配列に位置させることができる。例えば、第1のマイクロフィラメントを製造用ジグ内に配置し、次いで以前に配置した細長い円筒形素子の上部に又は側面に沿ってマイクロフィラメントを追加し、製造用ジグのストップに沿って達するまでマイクロフィラメントをスライドさせることによって、束を積層してもよい。このように、製造用ジグは、(コネクタのための)三次元の相互嵌合面を画定し、又は(基板への接合のための)束の端部の散開部分の長さを規定することに役立つことができる。
【0029】
方法は更に、導電性部分とそれに対応するボンドパッドとの間の電気接続を形成するため、導電性部分を有する少なくとも2つのマイクロフィラメントを対応するボンドパッド位置で超小型電子回路に接合するステップ94をも含む。この接合は例えば、超音波溶接、はんだ付け、導電性エポキシによる接着、拡散接合及び同類の技術によって行うことができる。例えば、はんだをボンドパッドとマイクロフィラメントとの一方又は両方の上に置き、接合部を加熱して2つを互いに接合することができる。マイクロフィラメントは(例えば図1におけるように)基板上のいずれかの端部に配置してもよく、又は(図12におけるように)横方向に配置してもよい。別の実例として、マイクロフィラメントの端部から離れた位置で、例えば中央部で接続を行うこともできる。
【0030】
方法は更に、少なくとも2つのマイクロフィラメントの第2の端部を、前述のように第2の電子部品、例えば第2の超小型電子回路に接続するステップを含み得る。
また、方法は、束の第2の端部でコネクタを形成するステップを含み得る。例えば、第2の端部を互い違いに配置して、前述のように三次元の相互嵌合面を画定するようにしてもよい。コネクタを形成する際に、第2の端部の近傍でマイクロフィラメントの部分を互いに固定して、コネクタに構造的な一体性を付与することが有用である。同様の技術を使用して、組み合わせコネクタをマイクロフィラメントから製造することができる。マイクロフィラメントから製造されるコネクタは極めて微小なサイズを持つことができるので、一対の嵌め合いコネクタの差し込みは、嵌合治具の使用によって容易にされる。方法は更に、適合する(例えば、嵌め合い)コネクタを有する第2のマイクロフィラメント束にコネクタを差し込むステップを含む。
【0031】
ある程度要約し且つ繰り返すと、理解されるように、本発明の実施の形態は超小型電子回路の基板への電気接続の密度を高める。ボンドワイヤの交差又は短絡に起因する従来のワイヤボンディング式集積回路ダイに見られる歩留りの問題は、基板とパッケージのリードフレームとの間を接続するようにマイクロフィラメントの束を使用することによって回避できる。単一のパッケージでの基板間の接続はマイクロフィラメント束によって行うことができ、相互接続密度の向上がもたらされる。ボンドワイヤの短絡及び破断に起因する問題は、マイクロフィラメント束を使用することによって軽減され、信頼性が高まる。基板を相互接続するために嵌め合い可能なコネクタを使用するような新規の技術は、リードフレームの必要性を完全になくし得る。相互接続のためのその他の様々な構成も上記の教示から明らかになろう。
【0032】
上記の詳細な説明は、特定の例示的な実施の形態を参照して本発明を記載するものである。しかし、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更が可能であることが理解されよう。詳細な説明と添付図面は限定的なものではなく、単に例示的なものであると見なされ、このような修正又は変更は全て、本明細書に記載され且つ開示された本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0033】
一層具体的には、明細書には本発明の例示的な実施の形態が記載されてきたが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、これまでの詳細な説明に基づいて当業者によって理解されるように修正、省略、(例えば様々な実施の形態にわたる態様の)組み合わせ、適合化、及び/又は変形がなされた任意の全部の実施の形態を包含するものである。特許請求の範囲における限定は、特許請求の範囲で用いられる言語に基づいて広義に解釈されるべきものであり、上記の詳細な説明で記載され又は出願手続き中の実例に限定されるものではない。これらの実例は非限定的なものと解釈されるべきである。例えば、本開示で「好ましくは」という用語は非限定的な意味であり、「好ましいが、それには限定されない」という意味であるものとする。方法又は工程に関する請求項に記載の任意のステップは、任意の順序で実行され得、特許請求の範囲に記載の順序に限定されるものではない。手段と機能による限定又はステップと機能による限定は、請求項での特定の限定に対して以下の全部の条件、すなわち、a)「のための手段」又は「のためのステップ」が当該限定に明示されていること、b)対応する機能が当該限定に明確に明記されていること、c)当該機能をサポートする構造、材料又は作用が明細書中に記載されていることが存在する場合に限って用いられる。したがって、本発明の範囲は、上記の説明及び実例によってではなく、添付の請求項及びそれらの法的な均等物によってのみ決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態に係る超小型電子回路の斜視図である。
【図2a】本発明の実施の形態に係るマイクロフィラメントの束の側面断面図である。
【図2b】本発明の実施の形態に係るマイクロフィラメントの束の端面断面図である。
【図3】本発明の別の例示的な実施の形態に係る超小型電子回路の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る超小型電子回路のボンドパッドとリードフレームのリード接続部との間を接続するマイクロフィラメント束を有する超小型電子回路の上面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るコネクタ内で終端するマイクロフィラメント束を有する超小型電子回路の側面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るコネクタの側面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るコネクタ内に端部が形成されたマイクロフィラメント束の側面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るマイクロフィラメント束によって相互接続された積層型超小型電子回路の図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る長手方向に延びる導電性部分を有するマイクロフィラメントの側面斜視図である。
【図10】本発明の別の実施の形態に係る長手方向に延びる導電性部分を有するマイクロフィラメントの側面斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る複数の長手方向に延びる導電性部分を有するマイクロフィラメントの側面斜視図である。
【図12】本発明の別の実施の形態に係る超小型電子回路の斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る超小型電子回路のボンドパッドとリードフレームのリード接続部との間を接続する複数の長手方向に延びる導電性部分を備えるマイクロフィラメントを有する超小型電子回路の上面図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る超小型電子回路用の電気相互接続の方法の流れ図である。
【技術分野】
【0001】
本特許は、2005年12月12日に出願された米国特許仮出願第60/749,777号明細書「超高密度電気コネクタ」と、2005年12月12日に出願された米国特許仮出願第60/749,873号明細書「多素子プローブ・アレイ」との利益を主張する、2006年12月11日に出願された米国特許出願「回路インターフェースとの電気マイクロフィラメント」(代理人整理番号第00729−25731号)の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
現在製造されているほとんど全てのデバイスが電子回路を含んでいるように思われることがある。例えばマイクロプロセッサは、上級のコンピュータシステム、身体埋め込み型医療システム、料理用トースター、簡単な子供の玩具などの異なる品目を含む広範囲の製品の中に存在する。
【0003】
多くの電子システムにとって小型化の達成が大変望ましい。したがって、過去数十年間、電子システムの小型化で多くの向上が達成されてきた。例えばシリコン集積回路を含む超小型電子回路があらゆる所に出現した。集積回路は半導体材料の薄い基板上に製造される小型電子回路である。典型的には、単一の半導体ウエーハ上に複数の回路が製造され、次いで個々の回路がチップ又はダイと呼ばれるものに分離される。ダイのサイズは極めて多様であるが、各辺が約5mmから15mmのサイズが一般的である。ダイは典型的にはパッケージ内に置かれ、パッケージのリードフレームと半導体ダイのボンドパッドとの間に微細ワイヤが接続される。
【0004】
半導体に使用されるワイヤ及びボンディングパッドのスケールは比較的小さい。例えば、典型的なボンドパッドは一辺が約35マイクロメートルから50マイクロメートルの正方形のパッドである。ボンドパッドとデバイスのリードとの接続は、ボンドパッドとリードフレームのリード接続部との間に超音波接合された直径15マイクロメートルのボンドワイヤを介して行われる。残念ながら、このようなサイズでも、ある種の設計のチップではボンドパッドが占めるスペースは制約要因になっている。例えば、利用できる半導体面積の1/10がボンドパッドに失われることがある。半導体ダイとパッケージとの間の相互接続をより高密度にすることは困難であることは実証されており、典型的にはボンドパッドはワイヤボンドの形状寸法によりダイの各側に2列のパッドに限定される。
【0005】
単一のパッケージでの複数のダイの使用も一般的になっている。したがって、ダイ間のワイヤボンディング及びダイからパッケージまでのワイヤボンディングが共に必要であるため、相互接続に対する要求が高まっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、相互接続の密度を大幅に高めることができる新規の相互接続技術に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、先行技術に生来伴う問題点と不足を克服することに役立つ超小型電子回路のための電気的相互接続の方法を含む。一つの実施の形態では、この方法は、マイクロフィラメントのうちの少なくとも2つがそれらの長さに沿って延びる導電性部分を含む、マイクロフィラメントの束を形成するステップを含む。マイクロフィラメントは、導電性部分と超小型電子回路の基板上の対応するボンドパッドとの間に電気接続が形成されるように、超小型電子回路の基板に接合される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、添付図面に関連してなされる以下の説明と添付の特許請求の範囲から一層明白になる。これらの図面は単に本発明の例示的な実施の形態を示すものであり、したがってその範囲を限定するものと見なすべきではないことを理解されたい。本明細書に全体として記載され、図面に示される本発明の部品は多様な異なる構成で配置され、設計されることが可能であることが容易に理解されよう。それでもなお、本発明は添付図面を利用して追加の特定性及び詳細を伴って記載され、説明される。
【0009】
本発明の例示的な実施の形態の以下の詳細な説明は本明細書の一部をなしており、本発明を実施し得る例示的な実施の形態を例として示す添付図面を参照して行われる。これらの例示的な実施の形態は当業者が本発明を実施できるように十分に詳細に記載されるが、他の実施の形態も実現でき、本発明の趣旨と範囲から離れることなく本発明に対して様々な変更を行ってもよいことを理解されたい。したがって、本発明の実施の形態の以下の一層詳細な説明は、特許請求されている本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の機能及び特徴を説明し、本発明の最良の動作モードを開示し、かつ当業者が本発明を十分に実施可能であるように、説明目的のみのために、限定的ではなく提示されるものである。したがって、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ定義されるべきものである。本発明の以下の詳細な説明及び例示的な実施の形態は、添付図面を参照することによって最良に理解される。図中、本発明の要素及び機能は全体を通して番号で示される。
【0010】
図1を参照すると、本発明の第1の例示的な実施の形態による超小型電子回路の図が示されている。具体的には、図1は超小型電子回路10が、複数のボンドパッド14を含む超小型電子回路要素が配置された基板12を含むことを示している。マイクロフィラメント18の束16は基板への電気接続を行う。マイクロフィラメントの束は、長手方向に延びる導電性部分を有する信号搬送用マイクロフィラメントの第1のサブセット20を含む。例えば、導電性部分はマイクロフィラメントそれ自体であってもよく、又は以下に一層詳細に説明するように、マイクロフィラメント上に形成された導電性ストリップであってもよい。信号搬送用マイクロフィラメントの第1の端部26は束から散開されて、対応するボンドパッドに直接接合され、対応するボンドパッドと導電性部分との間の電気的接続が行われる。
【0011】
集積回路を有するシリコン基板が本発明の最も一般的な用途であるものと予測されるが、それに限定されない。本発明は、例えばハイブリッド超小型回路、その他の半導体(例えばGaAs)、絶縁基板上のデバイス及びプリント回路板を含む他の種類の超小型電子技術にも同様に応用可能である。更に、ボンドパッドは(例えば超音波ワイヤボンディングのための)平坦構造として示されているが、ボンドパッドは代替として、マイクロフィラメントが挿入される孔を介してメッキされることもできる。
【0012】
図2(a)及び図2(b)は、本発明の実施の形態に係るマイクロフィラメントの束16の横断面図を示している。マイクロフィラメントの束16は導電性であり、電子信号を搬送できるようにする信号搬送用マイクロフィラメントの第1のサブセット20を含む。マイクロフィラメントの第2のサブセットは絶縁用マイクロフィラメント22である。絶縁用マイクロフィラメントは信号搬送用マイクロフィラメントの間に配置される。例えば、信号搬送用マイクロフィラメントは少なくとも1つの絶縁用マイクロフィラメントによって互いに分離される。言い換えると、信号搬送用マイクロフィラメントは絶縁用マイクロフィラメントによって囲まれている。
【0013】
束16は、接触する環状断面のマイクロフィラメントの六角形の最密構成として示されているが、他の多くの配列及びマイクロフィラメント配置を使用できる。マイクロフィラメントは、(例えば図7に示すように)平坦な一次元の束内に直線的に配列されてもよく、又は(例えば図1及び図2に示すように)二次元の束に配列されてもよい。マイクロフィラメントは円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形又はその他の多角形の横断面を有していてもよい。更に、マイクロフィラメントは一定の横断面を有する必要はなく、一定でない横断面を有することができる。更に、束内のマイクロフィラメントの全部が同じ断面積又は直径を有する必要はない。しかし、ほぼ一定の断面直径のマイクロフィラメントを使用することが製造を簡略にし得ることが理解されよう。金属ロッド、マイクロワイヤ、絶縁マイクロワイヤ、ガラス繊維、アラミド繊維などを含む様々な種類のマイクロフィラメントを使用できる。例えば、以下に記載のような円筒面リソグラフィを使用して、機構をマイクロフィラメントの表面上に配置できる。
【0014】
マイクロフィラメントの束16を使用することによって得られる1つの利点は、超小型電子回路の基板12上にボンドパッドを配置する際のフレキシビリティの増加を達成できることである。例えば、あるボンドパッドは基板の内側部分24(図1)に配置可能である。これは、ボンドワイヤの交差及び短絡の防止に役立つように典型的には基板の周囲の近傍に配置される従来のボンドパッドとは異なる。対照的に、本発明の実施の形態は、マイクロフィラメントの束に絶縁部分を含めることによって、異なるボンドパッドへの電気接続の短絡の回避に資することができる。
【0015】
本発明の実施の形態に係るマイクロフィラメントの代替の配置が図3に斜視図で示されている。超小型電子回路30は、互いにほぼ隣接して配置された複数のボンドパッド14を有する基板12を含む。マイクロフィラメントの束16は、信号搬送用マイクロフィラメント20の長手方向に延びる導電性部分とそれに対応するボンディングパッドとの間に電気接続を形成するように、基板に直接接合される。例えば、束の端部26は、複数のボンドパッドと相補的である三次元の相互嵌合面を規定するように互い違いに配置されることができるので、基板に接合される際に束が同時に複数の電気接続を行うことが可能になる。リソグラフィ技術を使用して、基板上に製造される例えば隆起領域、穴及びこれに類する幾何学的形状を含む、ボンドパッドの様々な配置を規定することができる。
【0016】
上記のようなマイクロフィラメントの束16を使用して複数の相互接続を行うと、ボンドパッドのためのスペースを低減できるので、ダイ面積効率の大幅な向上に役立つことができる。例えば15マイクロメートル又はそれ未満の直径が小さいマイクロフィラメントを使用することによって、ワイヤボンディングによる従来のボンドパッドと比較して高密度の相互接続を得ることができる。これによって、ボンディングパッドに使用されるダイ面積の縮小を促進することができる。ボンディングパッドに使用される半導体基板の面積が小さくなるので、所定の容積内により多くの回路を配置でき、逆に、同じ量の機能を保ちつつ、チップのサイズを縮小できる。
【0017】
マイクロフィラメントの束16の反対側の第2の端部は様々な方法で接続されることができる。例えば、図4に示すように、本発明の実施の形態にしたがって、リード接続部46を備えるリードフレーム44を有するパッケージ42内に基板12を配置することができる。マイクロフィラメントの第2の端部48はリードフレームのリード接続部に接続される。ボンドパッド14とリードフレームのリード接続部との間の電気的接続を行うために、マイクロフィラメントの2つ以上の束16が使用されてもよい。
【0018】
別の実例として、図5に示すように、マイクロフィラメントの束16の第2の端部48はコネクタ50に接続されることができる。例えば、図6に示されるように、第2の端部を、コネクタの本体52として機能して複数のコネクタピン54を収容する第2の基板に接合することによって、コネクタを形成することができる。
【0019】
更に別の実例が図7に示されており、簡略に記載されるように、この場合はマイクロフィラメントの束16の第2の端部48をコネクタ56内に形成可能である。束の第2の端部をコネクタにブリッジ接続することによって、パッケージ内のリードフレームの必要性を除去することさえできる。したがって、超小型電子回路用の完全に新規のパッケージング方式が考慮される。図5から図7に例示されているこの新規のパッケージング方式は、パッケージ上の従来のリードではなくコネクタによって提供される、超小型電子回路に対するインターフェースを有する。関連するコネクタを有する1つ又は複数のフィラメント束を超小型電子回路と共に含めることができる。異なる超小型電子回路間の相互接続は、従来のプリント回路板によってではなく、コネクタを互いに差し込むことによって行われる。この新規の方式は潜在的にコストを低減し、電子システムの信頼性を高め得る。
【0020】
コネクタ56を更に詳細に説明すると、コネクタは、マイクロフィラメントの第2の端部を互い違いに配置させて三次元の相互嵌合面を形成することによって、マイクロフィラメントの束から形成されることができる。信号搬送用フィラメント20は、接続コネクタの対応する電気接点に接線方向に係合するようにマイクロフィラメントの側面に配置された導電性接点58を含む。嵌合面の近傍のマイクロフィラメント部分60は、例えば接着によって固定されることができる。
【0021】
更に別の実例として、マイクロフィラメントの束の第2の端部48を第2の基板の対応するボンドパッドに直接接合することができる。例えば図8は、第2の基板12aが第1の基板12bの上に配置された積層型超小型電子回路を示している。第1の基板と第2の基板との間の電気的接続は、信号搬送用マイクロフィラメントを含むマイクロフィラメントの束16によって行われる。信号搬送用マイクロフィラメントの第1の端部26は第1の基板上の対応する第1のボンドパッド14に直接接合され、第2の端部48は第2の基板上の対応する第2のボンドパッド14’に直接接合される。いずれかの基板上のボンドパッドは(例えば第1の基板に関して図示し、図1に関して前述したように)基板の表面上に分散されてもよく、又は(例えば第2の基板に関して図示し、図3に関して前述したように)互いに実質的に隣接して配置されてもよい。
【0022】
一方、信号搬送用マイクロフィラメントに注目すると、長手方向に延びる導電性部分を設ける様々な方法が可能である。例えば、前述のように、マイクロフィラメントはマイクロワイヤ又は金属ロッドのような導電性材料でよい。或いは、マイクロフィラメントは、導電性部分が形成された非導電性の細長い基板でもよい。例えば、図9は導電性部分62が形成されたマイクロフィラメント18を示している。導電性部分は、ボンドパッド又はコネクタへの電気的接続を補助するため、又はコネクタの嵌合面として役立つようにマイクロフィラメントの端部の近傍に延長領域64を含むことができる。図10は、導電性部分が形成される別のマイクロフィラメントを示している。導電性部分の端部は、電気的接続を補助するための周囲リング66を含む。図11に示すように、マイクロフィラメントは複数の導電性部分62a、62b、62cを含んでもよい。マイクロフィラメントへの導電性部分の形成は、例えば円筒面リソグラフィを使用して達成可能である。円筒面リソグラフィ技術はヤコブセン等の米国特許第5,106,455号明細書、第5,269,882号明細書及び米国特許第5,273,622号に記載されている。
【0023】
例えば、各導電性部分62a、62b、62cは、対応する周囲リング66a、66b、66cを含むことができる。導電性部分はマイクロフィラメント18の表面上に形成されることができる。周囲リングが配置されるマイクロフィラメントの少なくとも端部において、絶縁材料68を導電性部分に重ねることができる。例えば絶縁材料をマスキング又はエッチングすることによって、周囲リングが配置される位置に対応する導電性部分における位置で、絶縁材料に一連の穴67が画定される。周囲リングが絶縁材料の上に形成され、対応する長手方向に延びる部分に対して一連の穴を通して接続が行われる。
【0024】
上記のように複数の導電性部分を有するマイクロフィラメントを使用することによって、以下に説明するように、相互接続の密度を更に高めることが可能になる。図12は、本発明の別の実施の形態による超小型電子回路を示している。超小型電子回路70は、超小型電子回路要素が配置された基板12と複数のボンドパッド14とを含む。基板には、複数の長手方向に延びる導電性部分62を有するマイクロフィラメント18が直接接合される。マイクロフィラメントは横方向に位置しているので、マイクロフィラメントの側面が基板に接触し、少なくとも1つの長手方向に延びる導電性部分がマイクロフィラメントの端部26の近傍の対応するボンドパッドに電気的に接触する。各導電性部分をそれに対応するボンドパッドと電気的に接続してもよい。単一のマイクロフィラメントが複数の電子接続を行うので、基板12での極めて高い接続密度が提供される。単一のマイクロフィラメントの接合で複数の電気的接続が可能になるので、効率的な製造が提供される。
【0025】
例えば図13に示すように、パッケージ化された超小型回路を接続するために、複数の導電性部分を有する単一のマイクロフィラメントを使用することも可能である。超小型回路の基板12はリードフレーム44を有するパッケージ42内に配置される。マイクロフィラメント18’は、(例えば前述のように導電性リング66を使用して)長手方向に延びる導電性部分間を電気的に接続するよう、(端部から離れた)中間部65の部分で基板12に接合されることができる。中間部から延びるマイクロフィラメント部分は、(例えばマイクロフィラメントの長さに沿って配置された広い間隔を隔てた導電性リングを使用して)リードフレームのリード接続部46との接続を行うことができる。或いは、マイクロフィラメント18”が一端の近傍で基板に接続され、リード接続部への接続が(例えば導電性リングを使用して)マイクロフィラメントの長さに沿って提供される。
【0026】
複数のマイクロフィラメントは、それぞれ複数の長手方向に延びる導電性部分を有しており、束に形成されて、上記の技術を用いて基板に直接接合されることができる。マイクロフィラメントを、隣接する信号搬送用マイクロフィラメントの導電性部分間の電気的短絡を防止するように配置することができる。或いは、前述のように、信号搬送用マイクロフィラメントの間に絶縁用マイクロフィラメントを含めることもできる。上記のマイクロフィラメントの束は極めて高密度の相互接続をもたらすことができる。
【0027】
最後に、本発明の別の実施の形態にしたがって、超小型電子回路の電気的相互接続の方法が図14に流れ図の形態で示されている。全体として90で示された方法は、マイクロフィラメントの束を形成するステップ92を含み、マイクロフィラメントのうちの少なくとも2つは長さに沿って延びる導電性部分を含む。
【0028】
マイクロフィラメントの束を形成するには様々な方法が可能である。例えば、長い連続したマイクロフィラメントを有するスプールから、細長い円筒形素子を切断することができる。別の例としては、細長い円筒形素子は、素材又はプリフォームから引抜き又は押出し加工されたガラス繊維であってよい。マイクロフィラメントをトラフに配置し、部分的に例えば接着剤によって互いに固着してもよい。マイクロフィラメントの端部を、トラフの端部に位置するストップを利用して所望の配列に位置させることができる。例えば、第1のマイクロフィラメントを製造用ジグ内に配置し、次いで以前に配置した細長い円筒形素子の上部に又は側面に沿ってマイクロフィラメントを追加し、製造用ジグのストップに沿って達するまでマイクロフィラメントをスライドさせることによって、束を積層してもよい。このように、製造用ジグは、(コネクタのための)三次元の相互嵌合面を画定し、又は(基板への接合のための)束の端部の散開部分の長さを規定することに役立つことができる。
【0029】
方法は更に、導電性部分とそれに対応するボンドパッドとの間の電気接続を形成するため、導電性部分を有する少なくとも2つのマイクロフィラメントを対応するボンドパッド位置で超小型電子回路に接合するステップ94をも含む。この接合は例えば、超音波溶接、はんだ付け、導電性エポキシによる接着、拡散接合及び同類の技術によって行うことができる。例えば、はんだをボンドパッドとマイクロフィラメントとの一方又は両方の上に置き、接合部を加熱して2つを互いに接合することができる。マイクロフィラメントは(例えば図1におけるように)基板上のいずれかの端部に配置してもよく、又は(図12におけるように)横方向に配置してもよい。別の実例として、マイクロフィラメントの端部から離れた位置で、例えば中央部で接続を行うこともできる。
【0030】
方法は更に、少なくとも2つのマイクロフィラメントの第2の端部を、前述のように第2の電子部品、例えば第2の超小型電子回路に接続するステップを含み得る。
また、方法は、束の第2の端部でコネクタを形成するステップを含み得る。例えば、第2の端部を互い違いに配置して、前述のように三次元の相互嵌合面を画定するようにしてもよい。コネクタを形成する際に、第2の端部の近傍でマイクロフィラメントの部分を互いに固定して、コネクタに構造的な一体性を付与することが有用である。同様の技術を使用して、組み合わせコネクタをマイクロフィラメントから製造することができる。マイクロフィラメントから製造されるコネクタは極めて微小なサイズを持つことができるので、一対の嵌め合いコネクタの差し込みは、嵌合治具の使用によって容易にされる。方法は更に、適合する(例えば、嵌め合い)コネクタを有する第2のマイクロフィラメント束にコネクタを差し込むステップを含む。
【0031】
ある程度要約し且つ繰り返すと、理解されるように、本発明の実施の形態は超小型電子回路の基板への電気接続の密度を高める。ボンドワイヤの交差又は短絡に起因する従来のワイヤボンディング式集積回路ダイに見られる歩留りの問題は、基板とパッケージのリードフレームとの間を接続するようにマイクロフィラメントの束を使用することによって回避できる。単一のパッケージでの基板間の接続はマイクロフィラメント束によって行うことができ、相互接続密度の向上がもたらされる。ボンドワイヤの短絡及び破断に起因する問題は、マイクロフィラメント束を使用することによって軽減され、信頼性が高まる。基板を相互接続するために嵌め合い可能なコネクタを使用するような新規の技術は、リードフレームの必要性を完全になくし得る。相互接続のためのその他の様々な構成も上記の教示から明らかになろう。
【0032】
上記の詳細な説明は、特定の例示的な実施の形態を参照して本発明を記載するものである。しかし、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更が可能であることが理解されよう。詳細な説明と添付図面は限定的なものではなく、単に例示的なものであると見なされ、このような修正又は変更は全て、本明細書に記載され且つ開示された本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0033】
一層具体的には、明細書には本発明の例示的な実施の形態が記載されてきたが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、これまでの詳細な説明に基づいて当業者によって理解されるように修正、省略、(例えば様々な実施の形態にわたる態様の)組み合わせ、適合化、及び/又は変形がなされた任意の全部の実施の形態を包含するものである。特許請求の範囲における限定は、特許請求の範囲で用いられる言語に基づいて広義に解釈されるべきものであり、上記の詳細な説明で記載され又は出願手続き中の実例に限定されるものではない。これらの実例は非限定的なものと解釈されるべきである。例えば、本開示で「好ましくは」という用語は非限定的な意味であり、「好ましいが、それには限定されない」という意味であるものとする。方法又は工程に関する請求項に記載の任意のステップは、任意の順序で実行され得、特許請求の範囲に記載の順序に限定されるものではない。手段と機能による限定又はステップと機能による限定は、請求項での特定の限定に対して以下の全部の条件、すなわち、a)「のための手段」又は「のためのステップ」が当該限定に明示されていること、b)対応する機能が当該限定に明確に明記されていること、c)当該機能をサポートする構造、材料又は作用が明細書中に記載されていることが存在する場合に限って用いられる。したがって、本発明の範囲は、上記の説明及び実例によってではなく、添付の請求項及びそれらの法的な均等物によってのみ決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態に係る超小型電子回路の斜視図である。
【図2a】本発明の実施の形態に係るマイクロフィラメントの束の側面断面図である。
【図2b】本発明の実施の形態に係るマイクロフィラメントの束の端面断面図である。
【図3】本発明の別の例示的な実施の形態に係る超小型電子回路の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る超小型電子回路のボンドパッドとリードフレームのリード接続部との間を接続するマイクロフィラメント束を有する超小型電子回路の上面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るコネクタ内で終端するマイクロフィラメント束を有する超小型電子回路の側面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るコネクタの側面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るコネクタ内に端部が形成されたマイクロフィラメント束の側面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るマイクロフィラメント束によって相互接続された積層型超小型電子回路の図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る長手方向に延びる導電性部分を有するマイクロフィラメントの側面斜視図である。
【図10】本発明の別の実施の形態に係る長手方向に延びる導電性部分を有するマイクロフィラメントの側面斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る複数の長手方向に延びる導電性部分を有するマイクロフィラメントの側面斜視図である。
【図12】本発明の別の実施の形態に係る超小型電子回路の斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る超小型電子回路のボンドパッドとリードフレームのリード接続部との間を接続する複数の長手方向に延びる導電性部分を備えるマイクロフィラメントを有する超小型電子回路の上面図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る超小型電子回路用の電気相互接続の方法の流れ図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超小型電子回路への電子接続のためのボンドパッドを備える基板を有する前記超小型回路のための電気的相互接続の方法(90)であって、
マイクロフィラメントのうちの少なくとも2つがそれらの長さに沿って延びる導電性部分を含む、前記マイクロフィラメントの束を形成するステップ(92)と、
前記少なくとも2つのマイクロフィラメントを対応するボンドパッドで前記超小型電子回路の基板に接合して、前記少なくとも2つのマイクロフィラメントの前記導電性部分と前記対応するボンドパッドとの間に電気的接続を形成するステップ(94)と
を含む方法。
【請求項2】
前記マイクロフィラメントの側面と前記超小型電子回路の基板とを接触させるように前記少なくとも2つのマイクロフィラメントを位置決めするステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つのマイクロフィラメントを第2の電子部品に接続するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記束の端部にコネクタを形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
コネクタを形成するステップが、
前記束の前記端部に三次元の相互嵌合面を画定するように、前記マイクロフィラメントの端部を互い違いに位置決めするステップと、
前記束の前記端部近傍の前記マイクロフィラメント部分を互いに固定して前記コネクタを形成するステップと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項6】
適合するコネクタを有するマイクロフィラメントの第2の束に前記コネクタを嵌め込むステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
マイクロフィラメントの束を形成するステップが、各マイクロフィラメントが少なくとも1つの隣接するマイクロフィラメントに接触するように前記マイクロフィラメントを配置するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
マイクロフィラメントの束を形成するステップが、導電性部分を有する前記少なくとも2つのマイクロフィラメントの各々を複数の絶縁性マイクロフィラメントで囲むステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
マイクロフィラメントの束を形成するステップが、前記導電性部分を前記少なくとも2つのマイクロフィラメントの外表面上に形成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
超小型電子回路(10)であって、
複数のボンドパッド(14)を含む超小型電子回路が配置された基板(12)と、
マイクロフィラメントの少なくとも第1のサブセットが、長手方向に延びる導電性部分を有する信号搬送用マイクロフィラメント(20)である、前記マイクロフィラメントの束(16)と、
を備え、前記信号搬送用マイクロフィラメントがそれに対応するボンドパッドに直接接合されて、前記対応するボンドパッドと、前記信号搬送用マイクロフィラメントの前記長手方向に延びる導電性部分との間が電気的に接続される超小型電子回路。
【請求項11】
前記信号搬送用マイクロフィラメントの第1の端部(26)が前記基板に接合される、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項12】
前記マイクロフィラメントの第2のサブセットが絶縁性マイクロフィラメント(22)である、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項13】
前記信号搬送用マイクロフィラメントが少なくとも1つの絶縁性マイクロフィラメントによって互いに分離される、請求項11に記載の超小型電子回路。
【請求項14】
前記長手方向に延びる導電性部分が前記マイクロフィラメントの端部の近傍に配置された周囲リング(66)を含む、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項15】
前記複数のボンドパッドの少なくとも1つが前記基板の内側(24)に配置される、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項16】
リード接続部(46)を備えるリードフレーム(44)を有し、前記基板が内部に配置されるパッケージを更に備え、
前記信号搬送用マイクロフィラメントが前記リードフレームの対応するリード接続部に接合されて、前記信号搬送用マイクロフィラメントの前記長手方向に延びる導電性部分と、前記リードフレームの前記リード接続部との間が電気的に接続される、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項17】
前記マイクロフィラメントの束の第2の端部(48)がコネクタ(50)に形成される、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項18】
前記束の前記第2の端部が互い違いに配置されて、三次元の相互嵌合面を画定する、請求項17に記載の超小型電子回路。
【請求項19】
複数の第2のボンドパッド(14’)を含む超小型電子回路が配置された第2の基板(12b)を更に備え、
前記信号搬送用マイクロフィラメントがそれに対応する第2のボンドパッドに直接接合されて、前記長手方向に延びる導電性部分と前記対応する第2のボンドパッドとの間が電気的に接続される、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項20】
前記少なくとも1つの信号搬送用マイクロフィラメントが、複数の長手方向に延びる導電性部分を含み、前記少なくとも1つの信号搬送用マイクロフィラメントが前記複数の長手方向に延びる導電性部分と前記対応する複数のボンドパッドとの間を電気的に接続する、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項21】
前記基板がシリコン基板である、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項22】
前記基板がプリント回路板である、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項23】
前記ボンドパッドが孔を介してメッキされる、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項24】
前記マイクロフィラメントが、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形及び多角形からなる形状群から選択される断面を有する、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項25】
前記マイクロフィラメントが、マイクロワイヤ、絶縁性マイクロワイヤ及びガラス繊維からなるフィラメント構造群から選択される、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項26】
前記マイクロフィラメントが15マイクロメートル未満の断面直径を有する、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項27】
全部の前記マイクロフィラメントの断面寸法が実質的に等しい、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項28】
超小型電子回路(70)であって、
複数のボンドパッド(14)を含む超小型電子回路要素が配置された基板(12)と、
複数の長手方向に延びる導電性部分(62)を有し、前記複数の長手方向に延びる導電性部分の少なくとも1つがそれに対応するボンドパッドと電気的に接触するように、マイクロフィラメントの第1の端部(26)の近傍で前記基板に直接接合された少なくとも1つのマイクロフィラメント(18)と
を備える超小型電子回路。
【請求項29】
前記複数の長手方向に延びる導電性部分の各々が、それに対応するボンドパッドと電気的に接触する、請求項28に記載の超小型電子回路。
【請求項30】
前記複数の長手方向に延びる導電性部分の各々が、前記少なくとも1つのマイクロフィラメントの周囲に配置された導電性リングを備える、請求項28に記載の超小型電子回路。
【請求項31】
前記マイクロフィラメントの第2の端部が結合されるコネクタ(56)を更に備える、請求項28に記載の超小型電子回路。
【請求項32】
複数の第2のボンドパッド(14’)を含む超小型電子回路が配置された第2の基板(12b)を更に備え、
前記マイクロフィラメントが、前記複数の長手方向に延びる導電性部分の少なくとも1つがそれに対応する第2のボンドパッドと電気的に接触するように、前記マイクロフィラメントの第2の端部の近傍で前記第2の基板に直接接合される、請求項28に記載の超小型電子回路。
【請求項1】
超小型電子回路への電子接続のためのボンドパッドを備える基板を有する前記超小型回路のための電気的相互接続の方法(90)であって、
マイクロフィラメントのうちの少なくとも2つがそれらの長さに沿って延びる導電性部分を含む、前記マイクロフィラメントの束を形成するステップ(92)と、
前記少なくとも2つのマイクロフィラメントを対応するボンドパッドで前記超小型電子回路の基板に接合して、前記少なくとも2つのマイクロフィラメントの前記導電性部分と前記対応するボンドパッドとの間に電気的接続を形成するステップ(94)と
を含む方法。
【請求項2】
前記マイクロフィラメントの側面と前記超小型電子回路の基板とを接触させるように前記少なくとも2つのマイクロフィラメントを位置決めするステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つのマイクロフィラメントを第2の電子部品に接続するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記束の端部にコネクタを形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
コネクタを形成するステップが、
前記束の前記端部に三次元の相互嵌合面を画定するように、前記マイクロフィラメントの端部を互い違いに位置決めするステップと、
前記束の前記端部近傍の前記マイクロフィラメント部分を互いに固定して前記コネクタを形成するステップと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項6】
適合するコネクタを有するマイクロフィラメントの第2の束に前記コネクタを嵌め込むステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
マイクロフィラメントの束を形成するステップが、各マイクロフィラメントが少なくとも1つの隣接するマイクロフィラメントに接触するように前記マイクロフィラメントを配置するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
マイクロフィラメントの束を形成するステップが、導電性部分を有する前記少なくとも2つのマイクロフィラメントの各々を複数の絶縁性マイクロフィラメントで囲むステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
マイクロフィラメントの束を形成するステップが、前記導電性部分を前記少なくとも2つのマイクロフィラメントの外表面上に形成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
超小型電子回路(10)であって、
複数のボンドパッド(14)を含む超小型電子回路が配置された基板(12)と、
マイクロフィラメントの少なくとも第1のサブセットが、長手方向に延びる導電性部分を有する信号搬送用マイクロフィラメント(20)である、前記マイクロフィラメントの束(16)と、
を備え、前記信号搬送用マイクロフィラメントがそれに対応するボンドパッドに直接接合されて、前記対応するボンドパッドと、前記信号搬送用マイクロフィラメントの前記長手方向に延びる導電性部分との間が電気的に接続される超小型電子回路。
【請求項11】
前記信号搬送用マイクロフィラメントの第1の端部(26)が前記基板に接合される、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項12】
前記マイクロフィラメントの第2のサブセットが絶縁性マイクロフィラメント(22)である、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項13】
前記信号搬送用マイクロフィラメントが少なくとも1つの絶縁性マイクロフィラメントによって互いに分離される、請求項11に記載の超小型電子回路。
【請求項14】
前記長手方向に延びる導電性部分が前記マイクロフィラメントの端部の近傍に配置された周囲リング(66)を含む、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項15】
前記複数のボンドパッドの少なくとも1つが前記基板の内側(24)に配置される、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項16】
リード接続部(46)を備えるリードフレーム(44)を有し、前記基板が内部に配置されるパッケージを更に備え、
前記信号搬送用マイクロフィラメントが前記リードフレームの対応するリード接続部に接合されて、前記信号搬送用マイクロフィラメントの前記長手方向に延びる導電性部分と、前記リードフレームの前記リード接続部との間が電気的に接続される、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項17】
前記マイクロフィラメントの束の第2の端部(48)がコネクタ(50)に形成される、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項18】
前記束の前記第2の端部が互い違いに配置されて、三次元の相互嵌合面を画定する、請求項17に記載の超小型電子回路。
【請求項19】
複数の第2のボンドパッド(14’)を含む超小型電子回路が配置された第2の基板(12b)を更に備え、
前記信号搬送用マイクロフィラメントがそれに対応する第2のボンドパッドに直接接合されて、前記長手方向に延びる導電性部分と前記対応する第2のボンドパッドとの間が電気的に接続される、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項20】
前記少なくとも1つの信号搬送用マイクロフィラメントが、複数の長手方向に延びる導電性部分を含み、前記少なくとも1つの信号搬送用マイクロフィラメントが前記複数の長手方向に延びる導電性部分と前記対応する複数のボンドパッドとの間を電気的に接続する、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項21】
前記基板がシリコン基板である、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項22】
前記基板がプリント回路板である、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項23】
前記ボンドパッドが孔を介してメッキされる、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項24】
前記マイクロフィラメントが、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形及び多角形からなる形状群から選択される断面を有する、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項25】
前記マイクロフィラメントが、マイクロワイヤ、絶縁性マイクロワイヤ及びガラス繊維からなるフィラメント構造群から選択される、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項26】
前記マイクロフィラメントが15マイクロメートル未満の断面直径を有する、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項27】
全部の前記マイクロフィラメントの断面寸法が実質的に等しい、請求項10に記載の超小型電子回路。
【請求項28】
超小型電子回路(70)であって、
複数のボンドパッド(14)を含む超小型電子回路要素が配置された基板(12)と、
複数の長手方向に延びる導電性部分(62)を有し、前記複数の長手方向に延びる導電性部分の少なくとも1つがそれに対応するボンドパッドと電気的に接触するように、マイクロフィラメントの第1の端部(26)の近傍で前記基板に直接接合された少なくとも1つのマイクロフィラメント(18)と
を備える超小型電子回路。
【請求項29】
前記複数の長手方向に延びる導電性部分の各々が、それに対応するボンドパッドと電気的に接触する、請求項28に記載の超小型電子回路。
【請求項30】
前記複数の長手方向に延びる導電性部分の各々が、前記少なくとも1つのマイクロフィラメントの周囲に配置された導電性リングを備える、請求項28に記載の超小型電子回路。
【請求項31】
前記マイクロフィラメントの第2の端部が結合されるコネクタ(56)を更に備える、請求項28に記載の超小型電子回路。
【請求項32】
複数の第2のボンドパッド(14’)を含む超小型電子回路が配置された第2の基板(12b)を更に備え、
前記マイクロフィラメントが、前記複数の長手方向に延びる導電性部分の少なくとも1つがそれに対応する第2のボンドパッドと電気的に接触するように、前記マイクロフィラメントの第2の端部の近傍で前記第2の基板に直接接合される、請求項28に記載の超小型電子回路。
【図1】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−519611(P2009−519611A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545751(P2008−545751)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/047432
【国際公開番号】WO2007/070533
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(508177024)レイセオン・サルコス・エルエルシー (22)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/047432
【国際公開番号】WO2007/070533
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(508177024)レイセオン・サルコス・エルエルシー (22)
【Fターム(参考)】
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