回路基板ユニット、電子機器
【課題】 電子機器の部品を、限られたスペース内に効率的に配置する。また、電子機器の部品を、効果的に冷却する。
【解決手段】 メイン基板381aと電源基板381bとで、放熱フィン306一体型のヒートシンク307とシールド308とを挟んだ構造とする。放熱フィン306には、フード142dを被せ、冷却用の空気を集めるようにする。メイン基板381aの主要部品とヒートシンク307とは、部品毎に熱伝導率の異なる熱伝導部材を介して接触させ、熱分布が均衡するようにする。
【解決手段】 メイン基板381aと電源基板381bとで、放熱フィン306一体型のヒートシンク307とシールド308とを挟んだ構造とする。放熱フィン306には、フード142dを被せ、冷却用の空気を集めるようにする。メイン基板381aの主要部品とヒートシンク307とは、部品毎に熱伝導率の異なる熱伝導部材を介して接触させ、熱分布が均衡するようにする。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路基板ユニットおよび回路基板ユニットを備えた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器、特に、最終ユーザが個人であるような製品についての売れ行きは、機能に左右されるだけではなく、外観デザインにも影響を受ける。例えば、ゲーム、音楽再生、映像再生、通信等に用いられるエンタテインメント装置の場合、特に、外観デザインにより大きな影響を受ける。
【0003】このため、外観デザインは慎重に定められる。そして、デザインが決定されて、商品が市場に流通すると、そのデザイン自体がエンタテインメント装置のシンボルとしてアイデンティティを確立するため、外観デザインを変更することは望ましくない。また、外観デザインが同一であっても、サイズを安易に変更すると、例えば、外部付属品等のアクセサリの互換性が失われてしまう場合がある。したがって、外観デザインを具現化する筐体は、エンタテインメント装置のライフサイクルにおいて、基本的に同一であることが要求される。
【0004】しかし、電子機器の技術進歩の速度は、エンタテインメント装置のライフサイクルに比べてきわめて速い。そして、この種のエンタテインメント装置では、よりリアルで美しい動画の再生、高度なゲームの実行等において、先端技術を用いた、高性能なものが求められる傾向にある。
【0005】このため、発売当初に採用した部品よりもさらに高性能な部品を使用するように設計変更が求められる場合がある。また、エンタテインメント装置の利用形態が多様化し、ユーザから、新たな機能を有する装置、例えば、外部記憶装置、通信装置等の搭載が要求される場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような要求に応え、新たな装置等を追加する場合であっても、その装置等の格納スペースを確保する等の目的で、エンタテインメント装置の筐体を変更することは前述のように好ましくない。このとき、当初から、スペースに余裕を持たせた筐体としておくことも考えられる。しかし、エンタテインメント装置の性格上、可搬性を確保する必要があり、筐体はできるだけ小型になるように設計される。また、追加装置の必要性、あるいは、どのような装置を追加するかについては、市場の動向,ユーザの要望によって定まるため、事前に予定しにくい。このため、追加する装置のために特別のスペースを空けておくことは、一般的には行なわれない。したがって、新たな装置等を追加する場合には、その装置等を配置するスペースを確保するために、従来から備わっていた部品等を、従来よりも狭い、限られたスペース内に配置せざるを得ない。
【0007】しかし、従来から備わっているエンタテインメント装置の部品には、中央処理装置等、実行時に熱を発生するものがある。これらの部品は、熱による誤動作、寿命の短縮等を防ぐために、放熱等を適切に行って、冷却する必要がある。ところが、従来から備わっている部品を狭いスペース内に配置すると、冷却効率が悪くなってしまう。
【0008】本発明の第1の目的は、電子機器の部品を、限られたスペース内に効率的に配置する技術を提供することにある。
【0009】本発明の第2の目的は、電子機器の部品を、効果的に冷却する技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明によれば、回路素子を搭載する回路基板ユニットであって、それぞれ回路素子を搭載する複数の回路基板と、少なくとも1のヒートシンク部材とを有し、前記複数の回路基板は、間隔を空けて積層され、前記ヒートシンク部材は、1以上設けられる、前記回路基板間に構成される空間の少なくも1つに配置されることを特徴とする回路基板ユニットが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態として、本発明を電子機器であるエンタテインメント装置に適用した場合について、図面を参照して説明する。本発明は、エンタテインメント装置に限定されるものではない。ただし、エンタテインメント装置のような、大衆に広く普及させる目的から、外観、大きさ、使用部品等にある程度制約が課せられる装置に適用すると、本発明は、より効果的である。
【0012】本実施の形態におけるエンタテインメント装置の筐体100は、図1に示すように、3つの部分からなる。すなわち、筐体100は、上部筐体110、中央シャーシ140および下部筐体170により構成される。上部筐体110と下部筐体170とは、ともに、概略、扁平な直方体形状を呈している。上部筐体110、中央シャーシ140および下部筐体170は、図示しないボルトにより固定され、一体化されている。
【0013】上部筐体110は、上面部111、右側面部112、左側面部113および正面部114を有し、背面部側が空いた状態となっている箱型構造となっている。そして、正面部114には、ディスク型記録媒体の挿入のための開口部115等が設けられている。そして、右側面部112、左側面部113および正面部114には水平の凹凸部が複数設けられている。
【0014】なお、以下の説明において、メイン基板等の内部部品を含め、「前」または「正面」は本図における正面部114、「上」は本図における上面部111の方向を意味するものとする。「下」等の表現も、この方向を基準にするものとする。
【0015】中央シャーシ140は、背面部141および中間プレート142とを備えている。この中間プレート142は、筐体100内の空間を、上部筐体110側の収容空間と、下部筐体170側の収容空間とに区画している。この中間プレート142は、上部筐体110内に収容される各種機器を搭載している。中間プレート142に搭載される機器は、例えば、図2に示すようにディスクユニット310と、スロットユニット301と、電源ユニット302と、スイッチ・インレットユニット304である。また、中間プレート142には、貫通孔142bと貫通孔142cとが設けられている(図1参照)。そして、中間プレート142には、貫通孔142bを覆うかたちで、フード142dが設けられている。貫通孔142bからは、下部筐体170に設置される放熱フィン306(図2参照)が貫通して、その上部がフード142d内に納まっている。また、中間プレート142には、貫通孔142aが設けられ、冷却用ファン305が配置されている。スロットユニット301は、中間プレート142の上面に設けられた突起とねじ止めされることにより中間プレート142に固定されている。
【0016】ディスクユニット310は、CD、DVD等のディスク型記録媒体の再生を行う記録媒体駆動装置であり、出没可能なトレイ(図示せず)を有する。トレイには、ディスク型記録媒体が搭載される。ディスクユニット310は、トレイを収容して、トレイに搭載されているCD、DVD等のディスクの再生を行う再生部を内蔵している。
【0017】また、中央シャーシ140の背面部141には、図3に示すように切欠部143aが設けられている。この切欠部143aからスイッチ・インレットユニット304が外部に露出される。また、背面部141が冷却用ファン305と対向する位置には、排気口143bが設けられている。この他、下部背面部材144には、図3に示すように、各種通信端子521、522が配置される。また、背面部141には、着脱式外部記憶装置の挿入口となる開口部525が設けられている。開口部525は、通常の使用状態においては、図示しない蓋によって覆われる。
【0018】下部筐体170には、図4のように中央処理装置401を搭載したメインボード381が配置されている。また、下部筐体170には、メインボード381とともに、図5に示すように、着脱式外部記憶装置の格納ケース139と通気口190とが設けられている。
【0019】このように、例えば、筐体内部に外部記憶装置等の関連装置を内蔵可能とすることで、筐体内の回路基板等の配置スペースに制約が生じた場合に、本発明は特に効果的である。
【0020】メインボード381は、図6に示すようにメイン基板381aと電源用基板381bとで構成される。これらの基板381a、381bは、間壁を空けて積層される2層構造をなしている。そして、2つの基板の間の空間に放熱フィン306一体型のヒートシンク307と金属板製のシールド308とが配置されている。このように、回路基板を2層構造とし、ヒートシンクとシールドとをはさんだ構造とすることにより、限られたスペース内に効率的に必要な回路を収めることが可能となっている。もちろん、本発明は、2層構造に限られず、多層構造のメインボードに適用することができる。
【0021】メイン基板381aには、図7に示すように、主要な部品として、中央処理装置401と、主記憶装置402と、描画処理装置403とが配置されている。また、中央処理装置401の近傍には、温度センサ404が設けられている。さらに、電源基板381bとの電気的な接続に用いられるコネクタ部405がメイン基板381a上に設けられている。
【0022】メイン基板381aに配置された部品は、中央処理装置401をはじめとして、稼動中に熱を発生するものが多い。これらの熱の蓄積による温度上昇は、誤動作、寿命の短縮化等を招くため、ヒートシンク307、放熱フィン306、冷却用ファン305等の放熱対策が必要となる。
【0023】電源基板381bには、図8に示すように、エンタテインメント装置内の各装置に供給する電圧を制御するシステムコントローラ411と、メイン基板381aとの電気的な接続に用いられるコネクタ部412とが設けられている。
【0024】システムコントローラ411は、中央処理装置401近傍に設けられた温度センサ404が測定する温度を監視し、測定温度に応じた電圧を冷却用ファン305に供給する。すなわち、温度が高くなれば、冷却効果を高めるために、冷却用ファン305の回転速度が大きくなるように電圧を供給する。一方、温度が低くなれば、冷却用ファン305による騒音を低減するために、冷却用ファン305の回転速度が小さくなるように電圧を供給する。
【0025】なお、本図は、電源基板381bを上部から見た図を示しているが、システムコントローラ411とコネクタ部412とは、電源基板の裏側に配置されている。このため、本図においては、両者の配置位置を破線で示している。また、破線で示された円413は、後述するヒートシンク307のスペーサ414と接触する位置を示している。
【0026】ヒートシンク307は、放熱フィン306と一体となっている。図9は、ヒートシンク307を上部から見たときの概略図である。図10は、ヒートシンク307を横から見たときの概略図である。また、図11は、ヒートシンク307を前から見たときの概略図である。
【0027】これらの図に示されるように、放熱フィン306は、台形のフィンが複数並んで構成される。また、ヒートシンク307上には、電源基板381bとの隙間を確保するためのスペーサ414と、表面積を大きくし、放熱効果を高めるための突起部415とがそれぞれ複数設けられている。特に、突起部415は、多数設けられている。また、この突起部415は、熱源に接触する場合には、熱源から発生する熱を吸収して、ヒートシンク307本体に伝導する役割も担わせることができる。このため、突起部415は、先端に平坦面を有している。本図において突起部は円錐台形をしているが、これに限られない。例えば、円柱形としてもよい。なお、本例では、突起部415は、片面のみに設けているが、ヒートシンク307の両面に設けるようにしてもよい。
【0028】なお、放熱フィン306のフィンを台形としたのは、電源基板381bおよびフード142dに接することなく、なるべく大きな表面積を得ることができるに考慮したためである。もちろん台形に限られず、例えば、電源基板381bをいっそう小型化した場合には、図12に示すようなL字の形状として、さらに表面積を増やすようにすることができる。いずれの場合にも、薄いフィンを多数並べた形状であるため、放熱フィン306は、大きな表面積を得られるにもかかわらず、鋳造の際には、ダイキャストの工数が少なくて済む。このため、放熱フィン306と一体となっているヒートシンク307を低コストで製造することができる。
【0029】また、ヒートシンク307には、メイン基板381aのコネクタ部405(図7参照)と電源基板381bのコネクタ部412(図8参照)とを接続する信号線を通す穴416が設けられている。
【0030】シールド308は、ヒートシンク307に覆い被さるような形状をしており、メイン基板からの放射雑音を遮蔽する目的で設けられている。図13は、シールド308を上から見た図である。本図に示すように、シールド308は、放熱フィン306とヒートシンク307の突起部415を通すための貫通孔417と、ヒートシンク307の突起部415を通すための貫通孔418との2つの大きな貫通孔と、ヒートシンク307のスペーサを通すための小さな貫通孔419とが設けられている。また、貫通孔418は、シールドの上部に配置される電源基板裏側に設けられたシステムコントローラ411とヒートシンク307の突起部415に接触させ、システムコントローラ411が発生する熱をヒートシンク307に伝達できるようにしている。このとき、システムコントローラ411と、ヒートシンク307あるいはヒートシンクの突起部415とは、熱伝導部材を介して接触するようにしてもよい。
【0031】図14は、シールド308を横から見た図である。本図に示すように、シールド308の前後の端には、メイン基板381aに固定するための脚部308aが設けられている。また、この脚部308aによりメイン基板381a上に空間が確保される。シールド308の左右の端には、強度を高めるための折り込み部308bが設けられている。また、この折り込み部308bは、作業者保護の役割も担っている。
【0032】図15は、シールド308をヒートシンク307に覆い被せたものを上から見たときの図で、図16は、横から見たときの図である。これらの図に示すように、ヒートシンク307上の放熱フィン306と、スペーサ414、突起部415および貫通孔416とが、シールド308に設けた複数の貫通孔を通って、上部に現れている。シールド308とヒートシンク307とは、図示しない複数のカシメ部により固定され、一体化されている。
【0033】シールド308とヒートシンク307とが一体化したものを、メイン基板381aと電源基板381bとではさんで、メインボード381を形成したものが前述の図6である。本図に示すようにシールド308の脚部がメイン基板381aの縁付近に図示しないネジで固定される。また、ヒートシンク307に設けられたスペーサに電源基板381bが図示しないネジで固定される。
【0034】図17は、メインボード381の断面図である。本図に示すように、ヒートシンク307と、メイン基板381a上の中央処理装置401、主記憶装置402、描画処理装置403とは、熱伝導部材420を介して接触している。中央処理装置401等の部品は、特に発熱が大きいため、熱伝導率の高い熱伝導部材420を介してヒートシンク307に熱を伝達するようにして、より放熱効果を高めるようにしてある。熱伝導部材420としては、例えば、シート状に形成された高熱伝導ラバーを用いることができる。このような、少なくとも厚さ方向に弾性を有する部材を用いることにより、中央処理装置401等との密着度を高めるとともに、中央処理装置401を保護することができるようになる。
【0035】このとき、図7に示すように、中央処理装置401は、描画処理装置403よりも前部、すなわち、冷却用の空気の吸い込み口である通気口190に近い位置にある。したがって、描画処理装置403の方が、中央処理装置401よりも位置的に冷却されにくくなっていると考えられる。このため、メイン基板381周辺の熱分布が不均衡になるおそれがある場合には、描画処理装置403に接している熱伝導部材420を分割して、中央処理装置401に接している熱伝導部材420よりも、熱伝導率の高い熱伝導部材を用いて、熱がヒートシンク307に伝わりやすいようにしてもよい。
【0036】こうすることにより、メイン基板381周辺の熱分布が不均衡になるのを防いでいる。また、熱分布が均衡することで、中央処理装置401付近に設けられている温度センサ404の測定温度を用いて、描画処理装置403付近の温度も予測することができるようになる。
【0037】なお、ヒートシンク307の熱伝導部材に接する領域には、放熱フィン306への熱伝導を促進するために、ヒートパイプ421を設けるようにしてもよい。図18は、熱伝導部材420とヒートパイプ421とを設けたヒートシンクを下側から見た図を示している。本図に示すように、ヒートパイプ421は、熱伝導部材420の沿って、放熱フィン306の位置に達するように設けると効果的である。本図において、破線部分(420)は、熱伝導部材420が配置される領域であり、破線部分(306)は、上面の対応する位置に放熱フィン306が配置されている領域である。
【0038】メインボード381と中間プレートとは、図19に示すような位置関係で固定される。メイン基板381a上に設けられた中央処理装置401等の動作により、熱が発生するが、この熱は、ヒートシンク307に伝導し、さらに放熱フィン306に伝導する。
【0039】このとき、筐体前面の通気口190および前面に設けられたスロットの隙間等から取り込まれた空気は、図の矢印で示されるように、放熱フィン306の各フィンの間を通って放熱フィン306の熱を奪う。そして、フード142dによって、メインボード381方向に集められ、冷却用ファン305から排気される。このようにフード142dによって、メインボード381に供給される風量が増加され、中央処理装置401等に対する空冷効率を高めることができる。もちろん、冷却用ファン305の効果によって、メインボード381の冷却に必要な量を確保できれば、フード142dを省略するようにしてもよい。このときは、中間プレート142の加工処理が省けるようになる。
【0040】なお、本実施の形態に係るエンタテインメント装置は、その一つの用途として、ゲーム装置として使用することができる。本実施の形態に係るエンタテインメント装置は、本体1と、それに付属するコントローラと、テレビ受信装置等のディスプレイ装置とでゲーム装置を構成する。なお、本実施の形態に係るエンタテインメント装置は、ゲーム装置に限らず、音響再生装置、映像再生装置、通信装置、計算装置等としても用いることができる。
【0041】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、電子機器の部品を、限られたスペース内に効率的に配置することができる。また本発明によれば、電子機器の部品を、効果的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、エンタテインメント装置の筐体100の3つの構成部材の形状を示す説明図。
【図2】は、エンタテイメント装置の筐体100の上部筐体を取り外した状態を示す斜視図。
【図3】は、エンタテイメント装置の筐体100の背面を示す斜視図。
【図4】は、エンタテインメント装置の全体構成を示す断面図。
【図5】は、エンタテイメント装置の筐体100の中間プレートを取り外した状態を示す斜視図。
【図6】は、メインボード381の側面図。
【図7】は、メイン基板381aの主要な部品の概略配置図。
【図8】は、電源基板381bの主要な部品の概略配置図。
【図9】は、ヒートシンク307を上から見たときの概略図。
【図10】は、ヒートシンク307を横から見たときの概略図。
【図11】は、ヒートシンク307を前から見たときの概略図。
【図12】は、L字型の放熱フィン306を使用したときのメインボード381を横から見たときの概略図。
【図13】は、シールド308を上から見たときの概略図。
【図14】は、シールド308を横から見たときの概略図。
【図15】は、ヒートシンク307にシールド308を覆い被せて一体化したものを上から見たときの概略図。
【図16】は、ヒートシンク307にシールド308を覆い被せて一体化したものを横から見たときの概略図。
【図17】は、メインボード381の断面図。
【図18】は、ヒートシンク307を下から見たときの概略図。
【図19】は、メインボード381と中間プレート142の位置関係と空気の流れを説明する説明図。
【符号の説明】
100…筐体、110…上部筐体
140…中央シャーシ、141…背面部、142…中間プレート
170…下部筐体、190…通気口
301…スロットユニット、302…電源ユニット
304…スイッチ・インレットユニット、305…冷却用ファン
306…放熱フィン、307…ヒートシンク、308…シールド
310…ディスクユニット
381…メインボード
401…中央処理装置、402…主記憶装置、403…描画処理装置
404…温度センサ、405…コネクタ部、
411…システムコントローラ、412…コネクタ部
414…スペーサ、415…突起部
420…熱伝導部材、421…ヒートパイプ
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路基板ユニットおよび回路基板ユニットを備えた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器、特に、最終ユーザが個人であるような製品についての売れ行きは、機能に左右されるだけではなく、外観デザインにも影響を受ける。例えば、ゲーム、音楽再生、映像再生、通信等に用いられるエンタテインメント装置の場合、特に、外観デザインにより大きな影響を受ける。
【0003】このため、外観デザインは慎重に定められる。そして、デザインが決定されて、商品が市場に流通すると、そのデザイン自体がエンタテインメント装置のシンボルとしてアイデンティティを確立するため、外観デザインを変更することは望ましくない。また、外観デザインが同一であっても、サイズを安易に変更すると、例えば、外部付属品等のアクセサリの互換性が失われてしまう場合がある。したがって、外観デザインを具現化する筐体は、エンタテインメント装置のライフサイクルにおいて、基本的に同一であることが要求される。
【0004】しかし、電子機器の技術進歩の速度は、エンタテインメント装置のライフサイクルに比べてきわめて速い。そして、この種のエンタテインメント装置では、よりリアルで美しい動画の再生、高度なゲームの実行等において、先端技術を用いた、高性能なものが求められる傾向にある。
【0005】このため、発売当初に採用した部品よりもさらに高性能な部品を使用するように設計変更が求められる場合がある。また、エンタテインメント装置の利用形態が多様化し、ユーザから、新たな機能を有する装置、例えば、外部記憶装置、通信装置等の搭載が要求される場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような要求に応え、新たな装置等を追加する場合であっても、その装置等の格納スペースを確保する等の目的で、エンタテインメント装置の筐体を変更することは前述のように好ましくない。このとき、当初から、スペースに余裕を持たせた筐体としておくことも考えられる。しかし、エンタテインメント装置の性格上、可搬性を確保する必要があり、筐体はできるだけ小型になるように設計される。また、追加装置の必要性、あるいは、どのような装置を追加するかについては、市場の動向,ユーザの要望によって定まるため、事前に予定しにくい。このため、追加する装置のために特別のスペースを空けておくことは、一般的には行なわれない。したがって、新たな装置等を追加する場合には、その装置等を配置するスペースを確保するために、従来から備わっていた部品等を、従来よりも狭い、限られたスペース内に配置せざるを得ない。
【0007】しかし、従来から備わっているエンタテインメント装置の部品には、中央処理装置等、実行時に熱を発生するものがある。これらの部品は、熱による誤動作、寿命の短縮等を防ぐために、放熱等を適切に行って、冷却する必要がある。ところが、従来から備わっている部品を狭いスペース内に配置すると、冷却効率が悪くなってしまう。
【0008】本発明の第1の目的は、電子機器の部品を、限られたスペース内に効率的に配置する技術を提供することにある。
【0009】本発明の第2の目的は、電子機器の部品を、効果的に冷却する技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明によれば、回路素子を搭載する回路基板ユニットであって、それぞれ回路素子を搭載する複数の回路基板と、少なくとも1のヒートシンク部材とを有し、前記複数の回路基板は、間隔を空けて積層され、前記ヒートシンク部材は、1以上設けられる、前記回路基板間に構成される空間の少なくも1つに配置されることを特徴とする回路基板ユニットが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態として、本発明を電子機器であるエンタテインメント装置に適用した場合について、図面を参照して説明する。本発明は、エンタテインメント装置に限定されるものではない。ただし、エンタテインメント装置のような、大衆に広く普及させる目的から、外観、大きさ、使用部品等にある程度制約が課せられる装置に適用すると、本発明は、より効果的である。
【0012】本実施の形態におけるエンタテインメント装置の筐体100は、図1に示すように、3つの部分からなる。すなわち、筐体100は、上部筐体110、中央シャーシ140および下部筐体170により構成される。上部筐体110と下部筐体170とは、ともに、概略、扁平な直方体形状を呈している。上部筐体110、中央シャーシ140および下部筐体170は、図示しないボルトにより固定され、一体化されている。
【0013】上部筐体110は、上面部111、右側面部112、左側面部113および正面部114を有し、背面部側が空いた状態となっている箱型構造となっている。そして、正面部114には、ディスク型記録媒体の挿入のための開口部115等が設けられている。そして、右側面部112、左側面部113および正面部114には水平の凹凸部が複数設けられている。
【0014】なお、以下の説明において、メイン基板等の内部部品を含め、「前」または「正面」は本図における正面部114、「上」は本図における上面部111の方向を意味するものとする。「下」等の表現も、この方向を基準にするものとする。
【0015】中央シャーシ140は、背面部141および中間プレート142とを備えている。この中間プレート142は、筐体100内の空間を、上部筐体110側の収容空間と、下部筐体170側の収容空間とに区画している。この中間プレート142は、上部筐体110内に収容される各種機器を搭載している。中間プレート142に搭載される機器は、例えば、図2に示すようにディスクユニット310と、スロットユニット301と、電源ユニット302と、スイッチ・インレットユニット304である。また、中間プレート142には、貫通孔142bと貫通孔142cとが設けられている(図1参照)。そして、中間プレート142には、貫通孔142bを覆うかたちで、フード142dが設けられている。貫通孔142bからは、下部筐体170に設置される放熱フィン306(図2参照)が貫通して、その上部がフード142d内に納まっている。また、中間プレート142には、貫通孔142aが設けられ、冷却用ファン305が配置されている。スロットユニット301は、中間プレート142の上面に設けられた突起とねじ止めされることにより中間プレート142に固定されている。
【0016】ディスクユニット310は、CD、DVD等のディスク型記録媒体の再生を行う記録媒体駆動装置であり、出没可能なトレイ(図示せず)を有する。トレイには、ディスク型記録媒体が搭載される。ディスクユニット310は、トレイを収容して、トレイに搭載されているCD、DVD等のディスクの再生を行う再生部を内蔵している。
【0017】また、中央シャーシ140の背面部141には、図3に示すように切欠部143aが設けられている。この切欠部143aからスイッチ・インレットユニット304が外部に露出される。また、背面部141が冷却用ファン305と対向する位置には、排気口143bが設けられている。この他、下部背面部材144には、図3に示すように、各種通信端子521、522が配置される。また、背面部141には、着脱式外部記憶装置の挿入口となる開口部525が設けられている。開口部525は、通常の使用状態においては、図示しない蓋によって覆われる。
【0018】下部筐体170には、図4のように中央処理装置401を搭載したメインボード381が配置されている。また、下部筐体170には、メインボード381とともに、図5に示すように、着脱式外部記憶装置の格納ケース139と通気口190とが設けられている。
【0019】このように、例えば、筐体内部に外部記憶装置等の関連装置を内蔵可能とすることで、筐体内の回路基板等の配置スペースに制約が生じた場合に、本発明は特に効果的である。
【0020】メインボード381は、図6に示すようにメイン基板381aと電源用基板381bとで構成される。これらの基板381a、381bは、間壁を空けて積層される2層構造をなしている。そして、2つの基板の間の空間に放熱フィン306一体型のヒートシンク307と金属板製のシールド308とが配置されている。このように、回路基板を2層構造とし、ヒートシンクとシールドとをはさんだ構造とすることにより、限られたスペース内に効率的に必要な回路を収めることが可能となっている。もちろん、本発明は、2層構造に限られず、多層構造のメインボードに適用することができる。
【0021】メイン基板381aには、図7に示すように、主要な部品として、中央処理装置401と、主記憶装置402と、描画処理装置403とが配置されている。また、中央処理装置401の近傍には、温度センサ404が設けられている。さらに、電源基板381bとの電気的な接続に用いられるコネクタ部405がメイン基板381a上に設けられている。
【0022】メイン基板381aに配置された部品は、中央処理装置401をはじめとして、稼動中に熱を発生するものが多い。これらの熱の蓄積による温度上昇は、誤動作、寿命の短縮化等を招くため、ヒートシンク307、放熱フィン306、冷却用ファン305等の放熱対策が必要となる。
【0023】電源基板381bには、図8に示すように、エンタテインメント装置内の各装置に供給する電圧を制御するシステムコントローラ411と、メイン基板381aとの電気的な接続に用いられるコネクタ部412とが設けられている。
【0024】システムコントローラ411は、中央処理装置401近傍に設けられた温度センサ404が測定する温度を監視し、測定温度に応じた電圧を冷却用ファン305に供給する。すなわち、温度が高くなれば、冷却効果を高めるために、冷却用ファン305の回転速度が大きくなるように電圧を供給する。一方、温度が低くなれば、冷却用ファン305による騒音を低減するために、冷却用ファン305の回転速度が小さくなるように電圧を供給する。
【0025】なお、本図は、電源基板381bを上部から見た図を示しているが、システムコントローラ411とコネクタ部412とは、電源基板の裏側に配置されている。このため、本図においては、両者の配置位置を破線で示している。また、破線で示された円413は、後述するヒートシンク307のスペーサ414と接触する位置を示している。
【0026】ヒートシンク307は、放熱フィン306と一体となっている。図9は、ヒートシンク307を上部から見たときの概略図である。図10は、ヒートシンク307を横から見たときの概略図である。また、図11は、ヒートシンク307を前から見たときの概略図である。
【0027】これらの図に示されるように、放熱フィン306は、台形のフィンが複数並んで構成される。また、ヒートシンク307上には、電源基板381bとの隙間を確保するためのスペーサ414と、表面積を大きくし、放熱効果を高めるための突起部415とがそれぞれ複数設けられている。特に、突起部415は、多数設けられている。また、この突起部415は、熱源に接触する場合には、熱源から発生する熱を吸収して、ヒートシンク307本体に伝導する役割も担わせることができる。このため、突起部415は、先端に平坦面を有している。本図において突起部は円錐台形をしているが、これに限られない。例えば、円柱形としてもよい。なお、本例では、突起部415は、片面のみに設けているが、ヒートシンク307の両面に設けるようにしてもよい。
【0028】なお、放熱フィン306のフィンを台形としたのは、電源基板381bおよびフード142dに接することなく、なるべく大きな表面積を得ることができるに考慮したためである。もちろん台形に限られず、例えば、電源基板381bをいっそう小型化した場合には、図12に示すようなL字の形状として、さらに表面積を増やすようにすることができる。いずれの場合にも、薄いフィンを多数並べた形状であるため、放熱フィン306は、大きな表面積を得られるにもかかわらず、鋳造の際には、ダイキャストの工数が少なくて済む。このため、放熱フィン306と一体となっているヒートシンク307を低コストで製造することができる。
【0029】また、ヒートシンク307には、メイン基板381aのコネクタ部405(図7参照)と電源基板381bのコネクタ部412(図8参照)とを接続する信号線を通す穴416が設けられている。
【0030】シールド308は、ヒートシンク307に覆い被さるような形状をしており、メイン基板からの放射雑音を遮蔽する目的で設けられている。図13は、シールド308を上から見た図である。本図に示すように、シールド308は、放熱フィン306とヒートシンク307の突起部415を通すための貫通孔417と、ヒートシンク307の突起部415を通すための貫通孔418との2つの大きな貫通孔と、ヒートシンク307のスペーサを通すための小さな貫通孔419とが設けられている。また、貫通孔418は、シールドの上部に配置される電源基板裏側に設けられたシステムコントローラ411とヒートシンク307の突起部415に接触させ、システムコントローラ411が発生する熱をヒートシンク307に伝達できるようにしている。このとき、システムコントローラ411と、ヒートシンク307あるいはヒートシンクの突起部415とは、熱伝導部材を介して接触するようにしてもよい。
【0031】図14は、シールド308を横から見た図である。本図に示すように、シールド308の前後の端には、メイン基板381aに固定するための脚部308aが設けられている。また、この脚部308aによりメイン基板381a上に空間が確保される。シールド308の左右の端には、強度を高めるための折り込み部308bが設けられている。また、この折り込み部308bは、作業者保護の役割も担っている。
【0032】図15は、シールド308をヒートシンク307に覆い被せたものを上から見たときの図で、図16は、横から見たときの図である。これらの図に示すように、ヒートシンク307上の放熱フィン306と、スペーサ414、突起部415および貫通孔416とが、シールド308に設けた複数の貫通孔を通って、上部に現れている。シールド308とヒートシンク307とは、図示しない複数のカシメ部により固定され、一体化されている。
【0033】シールド308とヒートシンク307とが一体化したものを、メイン基板381aと電源基板381bとではさんで、メインボード381を形成したものが前述の図6である。本図に示すようにシールド308の脚部がメイン基板381aの縁付近に図示しないネジで固定される。また、ヒートシンク307に設けられたスペーサに電源基板381bが図示しないネジで固定される。
【0034】図17は、メインボード381の断面図である。本図に示すように、ヒートシンク307と、メイン基板381a上の中央処理装置401、主記憶装置402、描画処理装置403とは、熱伝導部材420を介して接触している。中央処理装置401等の部品は、特に発熱が大きいため、熱伝導率の高い熱伝導部材420を介してヒートシンク307に熱を伝達するようにして、より放熱効果を高めるようにしてある。熱伝導部材420としては、例えば、シート状に形成された高熱伝導ラバーを用いることができる。このような、少なくとも厚さ方向に弾性を有する部材を用いることにより、中央処理装置401等との密着度を高めるとともに、中央処理装置401を保護することができるようになる。
【0035】このとき、図7に示すように、中央処理装置401は、描画処理装置403よりも前部、すなわち、冷却用の空気の吸い込み口である通気口190に近い位置にある。したがって、描画処理装置403の方が、中央処理装置401よりも位置的に冷却されにくくなっていると考えられる。このため、メイン基板381周辺の熱分布が不均衡になるおそれがある場合には、描画処理装置403に接している熱伝導部材420を分割して、中央処理装置401に接している熱伝導部材420よりも、熱伝導率の高い熱伝導部材を用いて、熱がヒートシンク307に伝わりやすいようにしてもよい。
【0036】こうすることにより、メイン基板381周辺の熱分布が不均衡になるのを防いでいる。また、熱分布が均衡することで、中央処理装置401付近に設けられている温度センサ404の測定温度を用いて、描画処理装置403付近の温度も予測することができるようになる。
【0037】なお、ヒートシンク307の熱伝導部材に接する領域には、放熱フィン306への熱伝導を促進するために、ヒートパイプ421を設けるようにしてもよい。図18は、熱伝導部材420とヒートパイプ421とを設けたヒートシンクを下側から見た図を示している。本図に示すように、ヒートパイプ421は、熱伝導部材420の沿って、放熱フィン306の位置に達するように設けると効果的である。本図において、破線部分(420)は、熱伝導部材420が配置される領域であり、破線部分(306)は、上面の対応する位置に放熱フィン306が配置されている領域である。
【0038】メインボード381と中間プレートとは、図19に示すような位置関係で固定される。メイン基板381a上に設けられた中央処理装置401等の動作により、熱が発生するが、この熱は、ヒートシンク307に伝導し、さらに放熱フィン306に伝導する。
【0039】このとき、筐体前面の通気口190および前面に設けられたスロットの隙間等から取り込まれた空気は、図の矢印で示されるように、放熱フィン306の各フィンの間を通って放熱フィン306の熱を奪う。そして、フード142dによって、メインボード381方向に集められ、冷却用ファン305から排気される。このようにフード142dによって、メインボード381に供給される風量が増加され、中央処理装置401等に対する空冷効率を高めることができる。もちろん、冷却用ファン305の効果によって、メインボード381の冷却に必要な量を確保できれば、フード142dを省略するようにしてもよい。このときは、中間プレート142の加工処理が省けるようになる。
【0040】なお、本実施の形態に係るエンタテインメント装置は、その一つの用途として、ゲーム装置として使用することができる。本実施の形態に係るエンタテインメント装置は、本体1と、それに付属するコントローラと、テレビ受信装置等のディスプレイ装置とでゲーム装置を構成する。なお、本実施の形態に係るエンタテインメント装置は、ゲーム装置に限らず、音響再生装置、映像再生装置、通信装置、計算装置等としても用いることができる。
【0041】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、電子機器の部品を、限られたスペース内に効率的に配置することができる。また本発明によれば、電子機器の部品を、効果的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、エンタテインメント装置の筐体100の3つの構成部材の形状を示す説明図。
【図2】は、エンタテイメント装置の筐体100の上部筐体を取り外した状態を示す斜視図。
【図3】は、エンタテイメント装置の筐体100の背面を示す斜視図。
【図4】は、エンタテインメント装置の全体構成を示す断面図。
【図5】は、エンタテイメント装置の筐体100の中間プレートを取り外した状態を示す斜視図。
【図6】は、メインボード381の側面図。
【図7】は、メイン基板381aの主要な部品の概略配置図。
【図8】は、電源基板381bの主要な部品の概略配置図。
【図9】は、ヒートシンク307を上から見たときの概略図。
【図10】は、ヒートシンク307を横から見たときの概略図。
【図11】は、ヒートシンク307を前から見たときの概略図。
【図12】は、L字型の放熱フィン306を使用したときのメインボード381を横から見たときの概略図。
【図13】は、シールド308を上から見たときの概略図。
【図14】は、シールド308を横から見たときの概略図。
【図15】は、ヒートシンク307にシールド308を覆い被せて一体化したものを上から見たときの概略図。
【図16】は、ヒートシンク307にシールド308を覆い被せて一体化したものを横から見たときの概略図。
【図17】は、メインボード381の断面図。
【図18】は、ヒートシンク307を下から見たときの概略図。
【図19】は、メインボード381と中間プレート142の位置関係と空気の流れを説明する説明図。
【符号の説明】
100…筐体、110…上部筐体
140…中央シャーシ、141…背面部、142…中間プレート
170…下部筐体、190…通気口
301…スロットユニット、302…電源ユニット
304…スイッチ・インレットユニット、305…冷却用ファン
306…放熱フィン、307…ヒートシンク、308…シールド
310…ディスクユニット
381…メインボード
401…中央処理装置、402…主記憶装置、403…描画処理装置
404…温度センサ、405…コネクタ部、
411…システムコントローラ、412…コネクタ部
414…スペーサ、415…突起部
420…熱伝導部材、421…ヒートパイプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回路素子を搭載する回路基板ユニットであって、それぞれ回路素子を搭載する複数の回路基板と、少なくとも1のヒートシンク部材とを有し、前記複数の回路基板の少なくとも1つは、間隔を空けて積層され、前記ヒートシンク部材は、1以上設けられる、前記回路基板間に構成される空間の少なくも1つに配置されることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項2】 請求項1に記載の回路基板ユニットにおいて、前記ヒートシンク部材は、冷却を要する回路素子を搭載した回路基板に隣接する空間に少なくとも配置され、前記冷却を要する回路素子は、それが搭載される回路基板の、前記ヒートシンク部材と対向する面に配置されることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項3】 請求項2に記載の回路基板ユニットにおいて、前記ヒートシンク部材は、それを挟む回路基板とそれぞれ対向する面の少なくとも一方に、複数の突起部を有し、前記ヒートシンク部材と対向する面に配置される回路素子は、前記複数の突起部のいずれか1以上の突起部の先端と接触し得る位置に配置され、かつ、当該突起部の先端と接触する状態で搭載されることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項4】 請求項3に記載の回路基板ユニットにおいて、熱伝導部材をさらに備え、前記熱伝導部材は、前記冷却を要する回路素子と前記ヒートシンク部材との間に配置することを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項5】 請求項4に記載の回路基板ユニットにおいて、前記熱伝導部材は、前記ヒートシンク部材の突起部を有しない面と、前記回路基板のそれと対向する面に配置される、冷却を要する回路素子との間に配置されることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項6】 請求項4および5のいずれか一項に記載の回路基板ユニットにおいて、前記熱伝導部材は、シート状に形成され、少なくともその厚さ方向に弾性を有することを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項7】 請求項3、4、5および6のいずれか一項に記載の回路基板ユニットにおいて、前記突起部は、その先端に平坦面を有することを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項8】 請求項3、4、5、6および7のいずれか一項に記載の回路基板ユニットにおいて、前記複数の突起部のうち、一部の突起部は、対向する回路基板に搭載される回路素子と接触しない位置に配置されることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の回路基板ユニットにおいて、前記ヒートシンク部材は、その一部に、放熱フィンが設けられていることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項10】 第1の回路基板と第2の回路基板とが積層してなる回路基板ユニットにおいて、ヒートシンク部材およびシールド部材を有し、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板は間隔を空けて配置され、前記第1の回路基板と第2の回路基板との間に、前記ヒートシンク部材および前記シールド部材を重ねて配置したことを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項11】 請求項10に記載の回路基板ユニットにおいて、前記第1の回路基板は、第1の熱源となる回路素子と第2の熱源となる回路素子とを搭載し、前記ヒートシンク部材の第2の回路基板と対向する面には、放熱フィンおよび複数の突起部が設けられていることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項12】 請求項11に記載の回路基板ユニットにおいて、熱伝導部材をさらに備え、前記第1の熱源となる回路素子と前記第2の熱源となる回路素子とは、それぞれ前記熱伝導部材を介して、前記ヒートシンク部材に接触しており、前記第1の熱源となる回路素子が接する熱伝導部材は、前記第2の熱源となる回路素子が接する熱伝導部材とは、熱伝導率の異なる熱伝導部材が用いられていることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項13】 請求項12に記載の回路基板ユニットにおいて、前記熱伝導部材は、シート状に形成され、少なくともその厚さ方向に弾性を有することを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項14】 請求項11および12のいずれか一項に記載の回路基板ユニットにおいて、前記ヒートシンク部材の熱伝導部材が接触する領域には、ヒートパイプが設けられていることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項15】 請求項11、12、13および14のいずれか一項に記載の回路基板ユニットにおいて、前記第2の基板は、第3の熱源となる回路素子を搭載し、前記シールド部材には、貫通孔が設けられており、前記第3の熱源となる回路素子は、前記ヒートシンク部材に、前記貫通孔を通って接触することを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項16】 請求項9、11、12、13、14および15のいずれか一項に記載の回路基板ユニットにおいて、前記放熱フィンは、前記ヒートシンク部材に対して平行な辺を有する複数のフィンから構成されることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項17】 請求項1〜16のいずれか一項に記載の回路基板ユニットを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項18】 請求項9、11、12、13、14、15および16のいずれか一項に記載の回路基板ユニットを備えた電子機器において、フード部をさらに備え、前記フード部は、前記放熱フィンの上部に被さる位置に配置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項19】 請求項18に記載の電子機器において、当該電子機器の構成要素を収容する筐体は、上部筐体および下部筐体と、これらを仕切るプレート部材とを有し、前記回路基板ユニットは、下部筐体に収容され、前記フード部はプレート部材に設けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項20】 請求項19に記載の電子機器において、冷却用のファンをさらに備え、前記フード部は、前記筐体の一方の面に開口部が向けられており、前記筐体の前記フード部の開口部が向けられている面には通気口が設けられ、その面と対向する面に隣接する位置に、前記冷却用ファンが設けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項21】 請求項17に記載の電子機器において、当該電子機器の構成要素を収容する筐体は、上部筐体および下部筐体と、これらを仕切るプレート部材とを有し、前記回路基板ユニットは、下部筐体に収容され、前記プレート部材には、前記放熱フィンの上部を前記上部筐体に突出させるための貫通孔が設けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項22】 請求項19、21のいずれか一項に記載の電子機器において、前記回路基板ユニットは、前記下部筐体の左右いずれか一方側の領域に配置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項23】 請求項22に記載の電子機器において、関連装置を収容するための空間を有し、前記空間は、前記下部筐体の、前記回路基板ユニットが配置された側の他方の領域に設けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項1】 回路素子を搭載する回路基板ユニットであって、それぞれ回路素子を搭載する複数の回路基板と、少なくとも1のヒートシンク部材とを有し、前記複数の回路基板の少なくとも1つは、間隔を空けて積層され、前記ヒートシンク部材は、1以上設けられる、前記回路基板間に構成される空間の少なくも1つに配置されることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項2】 請求項1に記載の回路基板ユニットにおいて、前記ヒートシンク部材は、冷却を要する回路素子を搭載した回路基板に隣接する空間に少なくとも配置され、前記冷却を要する回路素子は、それが搭載される回路基板の、前記ヒートシンク部材と対向する面に配置されることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項3】 請求項2に記載の回路基板ユニットにおいて、前記ヒートシンク部材は、それを挟む回路基板とそれぞれ対向する面の少なくとも一方に、複数の突起部を有し、前記ヒートシンク部材と対向する面に配置される回路素子は、前記複数の突起部のいずれか1以上の突起部の先端と接触し得る位置に配置され、かつ、当該突起部の先端と接触する状態で搭載されることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項4】 請求項3に記載の回路基板ユニットにおいて、熱伝導部材をさらに備え、前記熱伝導部材は、前記冷却を要する回路素子と前記ヒートシンク部材との間に配置することを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項5】 請求項4に記載の回路基板ユニットにおいて、前記熱伝導部材は、前記ヒートシンク部材の突起部を有しない面と、前記回路基板のそれと対向する面に配置される、冷却を要する回路素子との間に配置されることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項6】 請求項4および5のいずれか一項に記載の回路基板ユニットにおいて、前記熱伝導部材は、シート状に形成され、少なくともその厚さ方向に弾性を有することを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項7】 請求項3、4、5および6のいずれか一項に記載の回路基板ユニットにおいて、前記突起部は、その先端に平坦面を有することを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項8】 請求項3、4、5、6および7のいずれか一項に記載の回路基板ユニットにおいて、前記複数の突起部のうち、一部の突起部は、対向する回路基板に搭載される回路素子と接触しない位置に配置されることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の回路基板ユニットにおいて、前記ヒートシンク部材は、その一部に、放熱フィンが設けられていることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項10】 第1の回路基板と第2の回路基板とが積層してなる回路基板ユニットにおいて、ヒートシンク部材およびシールド部材を有し、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板は間隔を空けて配置され、前記第1の回路基板と第2の回路基板との間に、前記ヒートシンク部材および前記シールド部材を重ねて配置したことを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項11】 請求項10に記載の回路基板ユニットにおいて、前記第1の回路基板は、第1の熱源となる回路素子と第2の熱源となる回路素子とを搭載し、前記ヒートシンク部材の第2の回路基板と対向する面には、放熱フィンおよび複数の突起部が設けられていることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項12】 請求項11に記載の回路基板ユニットにおいて、熱伝導部材をさらに備え、前記第1の熱源となる回路素子と前記第2の熱源となる回路素子とは、それぞれ前記熱伝導部材を介して、前記ヒートシンク部材に接触しており、前記第1の熱源となる回路素子が接する熱伝導部材は、前記第2の熱源となる回路素子が接する熱伝導部材とは、熱伝導率の異なる熱伝導部材が用いられていることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項13】 請求項12に記載の回路基板ユニットにおいて、前記熱伝導部材は、シート状に形成され、少なくともその厚さ方向に弾性を有することを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項14】 請求項11および12のいずれか一項に記載の回路基板ユニットにおいて、前記ヒートシンク部材の熱伝導部材が接触する領域には、ヒートパイプが設けられていることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項15】 請求項11、12、13および14のいずれか一項に記載の回路基板ユニットにおいて、前記第2の基板は、第3の熱源となる回路素子を搭載し、前記シールド部材には、貫通孔が設けられており、前記第3の熱源となる回路素子は、前記ヒートシンク部材に、前記貫通孔を通って接触することを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項16】 請求項9、11、12、13、14および15のいずれか一項に記載の回路基板ユニットにおいて、前記放熱フィンは、前記ヒートシンク部材に対して平行な辺を有する複数のフィンから構成されることを特徴とする回路基板ユニット。
【請求項17】 請求項1〜16のいずれか一項に記載の回路基板ユニットを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項18】 請求項9、11、12、13、14、15および16のいずれか一項に記載の回路基板ユニットを備えた電子機器において、フード部をさらに備え、前記フード部は、前記放熱フィンの上部に被さる位置に配置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項19】 請求項18に記載の電子機器において、当該電子機器の構成要素を収容する筐体は、上部筐体および下部筐体と、これらを仕切るプレート部材とを有し、前記回路基板ユニットは、下部筐体に収容され、前記フード部はプレート部材に設けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項20】 請求項19に記載の電子機器において、冷却用のファンをさらに備え、前記フード部は、前記筐体の一方の面に開口部が向けられており、前記筐体の前記フード部の開口部が向けられている面には通気口が設けられ、その面と対向する面に隣接する位置に、前記冷却用ファンが設けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項21】 請求項17に記載の電子機器において、当該電子機器の構成要素を収容する筐体は、上部筐体および下部筐体と、これらを仕切るプレート部材とを有し、前記回路基板ユニットは、下部筐体に収容され、前記プレート部材には、前記放熱フィンの上部を前記上部筐体に突出させるための貫通孔が設けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項22】 請求項19、21のいずれか一項に記載の電子機器において、前記回路基板ユニットは、前記下部筐体の左右いずれか一方側の領域に配置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項23】 請求項22に記載の電子機器において、関連装置を収容するための空間を有し、前記空間は、前記下部筐体の、前記回路基板ユニットが配置された側の他方の領域に設けられていることを特徴とする電子機器。
【図2】
【図1】
【図3】
【図5】
【図6】
【図4】
【図7】
【図8】
【図11】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19】
【図1】
【図3】
【図5】
【図6】
【図4】
【図7】
【図8】
【図11】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2002−134968(P2002−134968A)
【公開日】平成14年5月10日(2002.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−325992(P2000−325992)
【出願日】平成12年10月25日(2000.10.25)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年5月10日(2002.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成12年10月25日(2000.10.25)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
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