説明

回路基板及び半導体装置

【課題】回路基板に形成されたボンディングパッドにボンディングワイヤーを容易かつ確実に接合できるようにする。
【解決手段】半導体チップ12と、半導体チップ12が搭載される回路基板11とを含み、回路基板11は、回路基板11の端面に開口し、当該回路基板11を貫通して形成される貫通孔113を有し、回路基板11は、各貫通孔13を塞ぐようにボンディングパッド111が形成されてなる半導体装置1において、ボンディングパッド111の表面の貫通孔113が形成されている部分に第1のソルダーレジスト1171を施すようにする。また回路基板11に、半導体チップ12が搭載される領域を囲んで第1のソルダーレジスト1171に連続する環状の第2のソルダーレジスト1172を施すようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回路基板及び半導体装置に関し、とくに回路基板に形成されたボンディングパッドにボンディングワイヤーを容易かつ確実に接合するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、機器の小型化や多機能化に伴い、半導体装置には実装効率のより一層の向上が求められるようになってきている。このため、半導体チップの基板への実装に際しては、回路基板の面積を変えずによりサイズの大きな半導体チップを搭載することが求められるようになってきている。
【特許文献1】特開2004−71898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、回路基板の面積を変えずに回路基板によりサイズの大きな半導体チップを搭載しようとすれば、ボンディングパッドの面積を狭くせざるを得ない。またボンディングワイヤーの接合位置が回路基板の端面に近づき過ぎるとダイシング時におけるボンディングワイヤーの切断や、接合部の脆弱化といった問題を生じることとなるので、ボンディングワイヤーのボンディングパッドへの接合位置は回路基板の端面からなるべく離間させる必要がある。
【0004】
ここで貫通孔が形成されている回路基板の場合、貫通孔の部分にボンディングワイヤーを接合してしまうとボンディングパッド表面の凹凸により接合不良が生じやすくなるためワイヤーボンディングは貫通孔が設けられている部分を避けて行う必要があるが、ボンディングパッドの面積が小さいと、貫通孔を避けてボンディングワイヤーを接合することが困難となる。またボンディングパッドは貫通孔に電気的に接続されるため、ボンディングパッドは貫通孔を塞ぐように設けられることになるが、この場合、ボンディングワイヤーの接合時に回路基板のボンディングパッドが形成されている面側から貫通孔の位置を確認することができなくなり、貫通孔を避けてボンディングワイヤーをボンディングパッドに接合することが困難となる。
【0005】
本発明は以上のような観点に基づいてなされたもので、回路基板に形成されたボンディングパッドにボンディングワイヤーを容易かつ確実に接合することが可能な回路基板及び半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明のうちの主たる発明は、半導体チップが搭載される回路基板であって、当該回路基板の端面に開口し当該回路基板を貫通して形成される複数の貫通孔と、前記各貫通孔を塞ぐように形成される前記半導体チップの電極と電気的に接続するためのボンディングパッドと、前記ボンディングパッドの表面の前記貫通孔が形成されている部分に形成される第1のソルダーレジストと、を備えたこととする。
【0007】
ボンディングパッドの貫通孔が形成されている部分は表面に凹凸が生じやすく、この凹凸はボンディングワイヤーの接合不良を引き起こす要因となるためボンディングワイヤーは貫通孔が形成されている部分を避けてボンディングパッドに接合する必要があるが、貫通孔を塞ぐようにボンディングパッドが形成されているとボンディングワイヤーの接合時に回路基板のボンディングパッドが形成されている面側から貫通孔の位置を特定することができなくなる。
【0008】
本発明ではボンディングパッドの表面の貫通孔が形成されている部分に第1のソルダーレジストが施されているため、ボンディングパッドが形成されていても、第1のソルダーレジストによってボンディングワイヤーの接合時に回路基板のボンディングパッドが形成されている面側から貫通孔の位置を容易に確認することができる。このため、貫通孔が形成されている部分を確実に避けてボンディングワイヤーをボンディングパッドに接合することができる。
【0009】
また前記ボンディングパッドは、前記半導体チップが搭載される領域の周囲に設けられ、前記貫通孔を塞ぐように設けられた第1の領域と、当該回路基板の端面に接することなく前記半導体チップの外形に沿って延出する、前記第1の領域に連続する第2の領域とを有することとする。
【0010】
ボンディングパッドが貫通孔の形成されていない部分にこのような第2の領域を有することで、ボンディングワイヤーを接合するための領域を確実に確保することができる。よって、ボンディングパッドに容易かつ確実にボンディングワイヤーを接合することができる。
【0011】
また前記回路基板には、前記半導体チップが搭載される領域を囲んで環状に第2のソルダーレジストが施されていることとする。
【0012】
半導体チップが搭載される領域の周囲に形成される第2のソルダーレジストによって、半導体チップの回路基板への接合を液状(ペースト状)の接着剤を用いて行った場合に半導体チップの周囲に流出する接着剤は第2のソルダーレジストによって堰き止められる。このため、接着剤によるボンディングパッドの汚染を防ぐことができる。
【0013】
また特許文献1に記載の技術では製造時に溝を形成するためのプロセスが別途必要となり製造工程が複雑化するが、本発明の第2のソルダーレジストは、例えば、第1のソルダーレジストの形成とともに行われるソルダーレジストの形成工程と同じ工程で形成することが可能であり、製造工程を複雑化させることがない。
【0014】
また前記第1のソルダーレジストは、前記第2のソルダーレジストに連続していることとする。
【0015】
このように第1のソルダーレジストが第2のソルダーレジストに連続していることで、ソルダーレジストの全体と回路基板との間の接触面積が確保され、第1のソルダーレジスト及び第2のソルダーレジストが回路基板から剥がれにくくなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、回路基板に形成されたボンディングパッドにボンディングワイヤーを容易かつ確実に接合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態につき詳細に説明する。図1A乃至図1Cに本発明の一実施形態として説明する半導体装置1の構成を示している。このうち図1Aは半導体装置1の表面側斜視図であり、図1Bは半導体装置1を下面側斜視図である。また図1Cは半導体装置1の側面図である。これらの図に示すように、半導体装置1は略正方形状の扁平な回路基板11と、回路基板11の表面2に搭載される電子デバイスである扁平直方体状の半導体チップ12(ベアチップ)とを含んで構成されている。
【0018】
半導体チップ12が搭載される回路基板11は、エポキシやポリエステル、ポリイミド等の樹脂を素材とするリジッド配線基板又はフレキシブル基板(FPC)等の有機基板である。なお、本発明は回路基板11がセラミック配線基板、金属配線基板、又はSiからなる実装基板などの無機基板である場合にも適用することができる。また本実施形態で説明する回路基板11は単層構造であるものとするが、回路基板11は多層構造であってもよい。上記Siからなる実装基板は、例えば、フレキシブル基板の樹脂の代わりにSiを採用するもので、半導体チップ12と熱膨張係数が一致するもので、熱応力が少ないものである。
【0019】
回路基板11の表面2には、回路基板11の端面112に沿って複数のボンディングパッド111が形成されている。ボンディングパッド111は、例えば、下層からNi/Au等の導体を無電解メッキ又は電解メッキすることにより形成されている。
【0020】
回路基板11の端面112には、端面112に開口する貫通孔113(Via Hall)が形成されている。図2に貫通孔113の周辺部分の拡大斜視図を示している。同図に示すように、貫通孔113の水平方向断面は、回路基板11の端面112から所定長さの直線部分を有する略半円状(長孔状)である。なお、貫通孔113の内側面には、下層からNi/Au等の導電体によるメッキが施されており、これによりボンディングパッド111は回路基板11の裏面3に形成された裏面電極114に電気的に接続されている。
【0021】
図3Aに回路基板11の平面図を示している。同図に示すように、回路基板11の中央には、搭載される半導体チップ12の平面形状に合わせた形のダイパッド115が設けられている。なお、ダイパッド115は必ず設けられるわけではなく、半田による接続に代えて半導体チップ12の搭載領域に接着剤が塗布されることもある。またダイパッド115に代えて導体による配線パターンが形成されることもある。
【0022】
ボンディングパッド111は、ダイパッド115の周囲に設けられている。同図に示すように、ボンディングパッド111は、回路基板11の端面112とその面を一致させるとともに回路基板11の表面2の貫通孔113が形成されている部分を塞ぐように設けられる第1の領域1111と、回路基板11の端面112と一致することなく半導体チップ12の縁に沿って延出して設けられ第1の領域1111に連続する第2の領域1112とを有している。
【0023】
なお、図3Aにおいて、ボンディングパッド111に示している破線は第1の領域1111と第2の領域1112との境界を表す。但し、図3Aは本発明の一例に過ぎず、第1の領域1111や第2の領域1112の形状や大きさは同図に示すものに限られるわけではない。第2の領域1112は、必要本数のボンディングワイヤー20を接合可能な形状及び面積に設定されている。ボンディングパッド111は、以上の構成によってその全体が略L字状を呈する。
【0024】
ここでボンディングパッド111の端面が回路基板11の端面112と一致していると、ダイシング時の外力等によりボンディングパッド111が剥がれ易くなり、また回路基板11のダイシング時にボンディングワイヤー20が切断されてしまう可能性がある。しかしながら本実施形態の半導体装置1では、上記のようにボンディングパッド111の端面112に接する部分を第1の領域1111のみとすることでボンディングパッド111の端面112への露出を必要最小限としているため、ボンディングパッド111の剥がれやボンディングワイヤー20の切断を防ぐことができる。より具体的には、図3Aに示すL字のボンディングパッド111は6つの側辺を有しているが、このうち半導体チップ12の外周側辺と平行で、最も外周に設けられている側辺が、半導体チップ12側に面し半導体チップ12の外周側辺と平行に設けられている側辺の長に渡って設けられていない事が、ボンディングパッド111の剥がれやボンディングワイヤー20の切断を防ぐ上で重要である。なお、回路基板11の表面2の角隅部にはインデックスマーク116が設けられている。
【0025】
ボンディングパッド111の第1の領域1111の貫通孔113が形成されている部分には、貫通孔113に沿って略長方形状にソルダーレジスト(以下、第1のソルダーレジスト1171という。)が施されている。
【0026】
ここで前述したように、ボンディングパッド111の貫通孔113が形成されている部分は表面に凹凸が生じやすく、この凹凸はボンディングワイヤー20の接合不良を引き起こす要因となるため、ボンディングワイヤー20は貫通孔113が形成されている部分を避けてボンディングパッド111に接合する必要があるが、貫通孔113を塞ぐようにボンディングパッド111が形成されているとボンディングワイヤー20の接合時に回路基板11のボンディングパッド111が形成されている面側から貫通孔113の位置を特定することが難しくなる。
【0027】
しかしながら、本実施形態の半導体装置1にあっては、ボンディングパッド111の貫通孔113が形成されている部分に第1のソルダーレジスト1171が施されているため、ボンディングパッド111が形成されていても、第1のソルダーレジスト1171によってボンディングワイヤー20の接合時に回路基板11のボンディングパッド111が形成されている面側から貫通孔113の位置を容易に確認することができる。このため、貫通孔113が形成されている部分を避けてボンディングワイヤー20をボンディングパッド111に容易かつ確実に接合することができる。
【0028】
回路基板11の表面2のダイパッド115の周囲には、環状に矩形帯状のソルダーレジスト(以下、第2のソルダーレジスト1172という。)が施されている。そして、この第2のソルダーレジスト1172は前述の第1のソルダーレジスト1171に連続している。
【0029】
ここで後述するように、半導体チップ12のダイパッド115への接合は、ダイアタッチフィルム(Die Attach Film)(以下、DAF13という。)又は接着剤を用いて行うことができる。このうち上記接合を接着剤を用いて行った場合には、第2のソルダーレジスト1172によって半導体チップ12の周囲に流出する接着剤が堰き止められる。このため、接着剤によってボンディングパッド111の表面が汚染されることがない。
【0030】
また特許文献1に記載の技術では、製造時に溝を形成するためのプロセスが別途必要となって製造工程が複雑化するが、本実施形態の半導体装置1における第2のソルダーレジスト1172は、例えば、第1のソルダーレジスト1171の形成工程と同じ工程で形成することが可能であるため、製造工程を複雑化させることがない。また第1のソルダーレジスト1171と第2のソルダーレジスト1172とが連続していることで、ソルダーレジスト117と回路基板11との間の接触面積が確保され、これにより第1のソルダーレジスト1171が第2のソルダーレジスト1172によって抑えられ、その結果、第1のソルダーレジスト1171は回路基板11から剥がれにくくなる。
【0031】
なお、第1のソルダーレジスト1171及び第2のソルダーレジスト1172の材質は、例えば絶縁性のエポキシ樹脂である。また、第1のソルダーレジスト1171及び第2のソルダーレジスト1172は、例えば、回路基板11に、整面工程、印刷工程(印刷、露光、現像)を施すことによって形成される。
【0032】
本実施形態の半導体装置1では、ボンディングワイヤー20は第2の領域1112に接合される。すなわち、製造時における貫通孔113の穿孔状態によっては、第1の領域1111にボンディングワイヤー20を接合するための領域を確保することができなくなる場合があるが、第2の領域1112を設けていることでボンディングワイヤーを接合するための領域が確実に確保されることとなる。また第2の領域1112にボンディングワイヤー20を接合することで、表面の凹凸により接合強度が充分に確保できない可能性のある貫通孔113の直上にボンディングワイヤー20を接合する必要がなくなり、ボンディングパッド111にボンディングワイヤー20を確実に接合することができる。別の表現をすれば、第2の領域1112は、これに対応する電極パッド121とずれた位置に設けられ、ボンディングワイヤー20が半導体チップ12の側辺に対して斜めに交叉するように配置されている。
【0033】
図3Bに回路基板11の裏面図を示している。回路基板11の下面のボンディングパッド111の第1の領域1111に対向する位置には複数の裏面電極114が設けられている。裏面電極114は一部切り欠きを有する略長方形状である。
【0034】
以上によって、回路基板11の端面には、ボンディングパッド111の第1の領域1111の断面、貫通孔113の内側面の断面、及び裏面電極114の断面が露出することとなる。
【0035】
ところで、回路基板11は、例えば、複数の回路基板11が形成された集合基板110から切り出されたものである。この場合の集合基板110の平面図を図4Aに示している。同図に示すように、この例では隣接する位置に形成された回路基板11のボンディングパッド111が連続して形成されている。また図4Bは集合基板110の裏面図であるが、同図に示すように、隣接する位置に形成された回路基板11の裏面電極114は連続している。このように、集合基板110の状態で隣接するボンディングパッド111や裏面電極114を連続して形成することで回路パターンが簡素化されて、パターン形成や貫通孔113の穿孔にかかる工数を減らすことが可能となる。
【0036】
一方、集合基板110自体は、例えば、複数の集合基板110が形成された連続回路基板120から切り出される。図5に連続回路基板120の一例(平面図)を示している。連続回路基板120は、例えば、基板樹脂の片面又は両面に銅(Cu)箔(Resin Coated Copper Foil)をラミネートするラミネート工程、貫通孔113が形成される部分のフォトエッチング工程、レーザー光照射等による孔あけ工程、レーザー光照射やプラズマ等のドライデスミア処理あるいは化学的処理によるウェットデスミア処理による樹脂残渣工程、表面に銅(Cu)メッキ(無電解/電解)等の処理を行う導体層形成工程、フォトエッチングによりパターニングすることにより回路を形成する回路形成工程などの、各種の工程を経ることにより製造される。
【0037】
一方、半導体チップ12の典型例は、半導体基板に熱酸化法やCVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタ、リソグラフィ、不純物拡散等の各種前工程を行うことにより製造されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)である。しかしながら、CMOSに限らず、半導体チップ12は、例えば、バイCMOS、MOS、リニア(バイポーラ)IC等の他の集積回路であってもよい。また半導体チップ12はトランジスタ、ダイオードなどのディスクリートな素子であってもよい。
【0038】
半導体チップ12の上面には、その周辺縁部に沿って所定形状の複数の電極パッド121が形成されている。各電極パッド121は、各電極パッド121に近接する位置に形成されているボンディングパッド111と、Au/Alなどの導体線を用いたワイヤーボンディングによって接続されている。なお、ワイヤーボンディングの方法としては、ボールボンディング(Ball Bonding)や超音波接合法などが用いられる。
【0039】
ところで、配線されたボンディングワイヤー20の曲率が大きいと、ボンディングワイヤー20の不良が生じ易くなる。そこで本実施形態の半導体装置1では、ボンディングパッド111の領域のうち電極パッド121の直近ではなく、ボンディングワイヤー20を電極パッド121の直近から斜めにずれた位置にある第2の領域1112に接合するようにしている。これによりボンディングワイヤー20の曲率の増大を緩和してボンディングワイヤー20の過剰変形を防ぐことができる。そしてこのことにより本実施形態の半導体装置1は、回路基板11のサイズにより近いサイズの半導体チップ12をボンディングワイヤー20の曲率を増大させることなく搭載することが可能となる。
【0040】
半導体チップ12をDAF13によってダイパッド115に接合する場合、DAF13としては、例えば、耐熱性及び接着強度を得るための熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を70〜80%、保持力向上及びテープ製造の適正化を図るためのバインダー樹脂としてアクリルポリマーを10〜15%、ピックアップ性及びダイシング性を向上させるためのUV硬化型樹脂としてアクリル樹脂を10〜15%を含む組成ものを用いる。
【0041】
なお、半導体チップ12をDAF13によりダイパッド115に接合するようにした場合、半導体チップ12を回路基板11に押圧した際に半導体チップ12の周囲に接着剤が流出するようなことが無く、ボンディングパッド111の汚染、ボンディングワイヤー20の接合不良、ボンディングパッド間のショートといった前述の問題を生じない。また回路基板11表面の状態は個体ごとに異なるため、液状(ペースト状)の接着剤を用いた場合には、接着剤の量のコントロールが難しいが、DAF13ではそのような問題も生じない。さらに、DAF13の厚みは通常は高精度で一定であるため、回路基板11に接合された半導体チップ12に殆ど傾きが無く、各電極パッド121と各電極パッド121が接続されるボンディングパッド111との間の距離の精度が確保され、ワイヤーボンディングによる製品間のばらつきが抑えられる。
【0042】
DAF13によって半導体チップ12を回路基板11に接合する工程の一例を図6に示している。同図における(a)に示す工程では、DAF13(20μm)を、複数の半導体チップ12が形成されたダイシング前の半導体基板15の裏面に透明な基材16(100μm)とともに貼付している(貼付工程)。続く(b)に示す工程では、DAF13にUV照射を行って、DAF13の弾性率を向上させ、回路基板11への接着性を向上させている。(c)に示す工程では、DAF13及び基材16とともに半導体基板15をダイシングしている。なお、DAF13層が完全に切断されるようにするため、ダイシングはフルカットダイシングで行う。またピックアップ時にDAF13を基材16から剥がしやすくするためにダイシング深度は基材16が20〜30μm切り込まれる程度としている。(d)に示す工程では、ダイシング後の半導体チップ12をDAF13ごと基材16からピックアップし、例えば120℃に加温した回路基板11上のダイパッド115に仮マウントしている。(e)に示す工程では、半導体チップ12が仮マウントされた回路基板11を例えば160℃に昇温(キュア処理)し、半導体チップ12を回路基板11に接合している。
【0043】
一方、半導体チップ12を接着剤によってダイパッド115に接合する場合には、半導体チップ12のダイパッド115への搭載は、例えば、導電性エポキシ樹脂や銀ペースト樹脂などからなる接着剤をシリンジのシャワーノズルからスポット状にディスペンス塗布し、次に半導体チップ12を搭載してスクラブすることにより接着剤を均一に広げ、その後、接着剤を加熱硬化する、といった工程により行われる。
【0044】
なお、以上の工程を経て製造された回路基板11、半導体チップ12、及びボンディングワイヤー20の全体は、絶縁性樹脂の被覆工程を経て、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、又はポリイミド樹脂やポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂によって樹脂封入される。樹脂封入は、例えば、トランスファモールド法やインジェクションモールド法等の金型モールド法、ポッティング法、シート接着法などによって行われる。なお、一般にはこのように樹脂封入が行われるが、樹脂封入は必ずしも行わなくてもよい。
【0045】
ところで、以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0046】
例えば、回路基板11の形状は、上述したものに限られず、ボンディングパッド111の第1の領域1111と第2の領域1112とが連続する部分に、図1Aの破線円C1に示すように、第1の領域1111及び第2の領域1112の幅よりも細幅の括れを形成するようにしてもよい。このようにすることで、ボンディングパッド111とボンディングワイヤー20を経路とする外部から半導体チップ12への水分の浸入を防ぐことができる。
【0047】
また以上の実施形態では、ボンディングパッド111の第1の領域1111が回路基板11の端面112に接していたが、例えば、図1Aの破線円C2に示すように、第1の領域1111は必ずしも回路基板11の端面112に接していなくてもよい。
【0048】
また半導体チップ12の回路基板11への実装形態は、フェイスアップ、フェイスダウンのいずれでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1A】本発明の一実施形態として説明する半導体装置1の表面側斜視図である。
【図1B】本発明の一実施形態として説明する半導体装置1を裏面側斜視図である。
【図1C】本発明の一実施形態として説明する半導体装置1の側面図である。
【図2】本発明の一実施形態として説明する半導体装置1の貫通孔113周辺部分の拡大斜視図である。
【図3A】本発明の一実施形態として説明する回路基板11の平面図である。
【図3B】本発明の一実施形態として説明する回路基板11の裏面図である。
【図4A】本発明の一実施形態として説明する集合基板110の平面図である。
【図4B】本発明の一実施形態として説明する集合基板110の裏面図である。
【図5】本発明の一実施形態として説明する連続回路基板120の平面図である。
【図6】(a)〜(e)は、本発明の一実施形態として説明する半導体チップ12を回路基板11に接合する際の工程を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 半導体装置
11 回路基板
111 ボンディングパッド
1111 第1の領域
1112 第2の領域
113 貫通孔
114 裏面電極
115 ダイパッド
116 インデックスマーク
117 ソルダーレジスト
1171 第1のソルダーレジスト
1172 第2のソルダーレジスト
12 半導体チップ
121 電極パッド
13 DAF
15 半導体基板
20 ボンディングワイヤー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップが搭載される回路基板であって、
当該回路基板の端面に開口し当該回路基板を貫通して形成される複数の貫通孔と、
前記各貫通孔を塞ぐように形成される前記半導体チップの電極と電気的に接続するためのボンディングパッドと、
前記ボンディングパッドの表面の前記貫通孔が形成されている部分に形成される第1のソルダーレジストと、
を備えたこと
を特徴とする回路基板。
【請求項2】
請求項1に記載の回路基板であって、
前記ボンディングパッドは、前記半導体チップが搭載される領域の周囲に設けられ、前記貫通孔を塞ぐように設けられた第1の領域と、当該回路基板の端面に接することなく前記半導体チップの外形に沿って延出する、前記第1の領域に連続する第2の領域とを有すること、
を特徴とする回路基板。
【請求項3】
請求項1に記載の回路基板であって、
前記貫通孔によって、前記ボンディングパッドと、前記回路基板の前記ボンディングパッドが設けられている面とは逆の面に形成されている他の電極とが電気的に接続されていること
を特徴とする回路基板。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の回路基板であって、
前記半導体チップが搭載される領域を囲んで環状に第2のソルダーレジストが施されていること、
を特徴とする回路基板。
【請求項5】
請求項4に記載の回路基板であって、
前記第1のソルダーレジストは、前記第2のソルダーレジストに連続していること
を特徴とする回路基板。
【請求項6】
半導体チップと、
前記半導体チップが搭載される回路基板と
を含み、
前記回路基板は、前記回路基板の端面に開口し、当該回路基板を貫通して形成される貫通孔を有し、
前記回路基板は、前記各貫通孔を塞ぐように前記半導体チップと電気的に接続するためのボンディングパッドが形成され、前記ボンディングパッドの表面の前記貫通孔が形成されている部分に第1のソルダーレジストを有すること
を特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体装置であって、
前記ボンディングパッドは、前記半導体チップが搭載される領域の周囲に設けられ、前記貫通孔を塞ぐように設けられた第1の領域と、当該回路基板の端面に接することなく前記半導体チップの外形に沿って延出する、前記第1の領域に連続する第2の領域とを有すること、
を特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項6に記載の半導体装置であって、
前記貫通孔によって、前記ボンディングパッドと、前記回路基板の前記ボンディングパッドが設けられている面とは逆の面に形成されている他の電極とが電気的に接続されていること
を特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか一項に記載の半導体装置であって、
前記回路基板には、前記半導体チップが搭載される領域を囲んで環状に第2のソルダーレジストが施されていること、
を特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置であって、
前記第1のソルダーレジストは、前記第2のソルダーレジストに連続していること
を特徴とする半導体装置。


【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate