説明

回転可能なスパッタターゲット

本発明は、回転可能なスパッタターゲット及びこのようなスパッタターゲットを製造する方法に関する。スパッタターゲットは、ターゲット材料及びターゲット材料の内部に配置された磁石アレイを備えている。磁石アレイは、ターゲット材料の長さの大部分に沿って延在する中心区域を画定すると共に、中心区域の各端に端区域を画定している。ターゲット材料は、第1の材料及び第2の材料を備えている。ターゲット材料は、少なくとも中心区域において第1の材料を備えると共に、少なくとも端区域において第2の材料を備えている。第2の材料は、第1の材料よりも低いスパッタ堆積率を有している。好ましくは第2の材料は、溶射によって施される。第1の材料は、第1の元素を含み、第2の材料は、第1の材料の第1の元素の化合物を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された回転可能なスパッタターゲット及びこのようなスパッタターゲットを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
過去数10年にわたって、マグネトロンスパッタリングは、薄い被膜、例えば、金属被膜又はセラミック被膜をガラスのような大面積基板又は細長い柔軟基板に堆積させるための周知の技術になってきた。
【0003】
スパッタリングの技術は、通常、酸化珪素、窒化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫などを堆積するのに用いられる。
【0004】
スパッタ堆積率及びターゲット消耗度は、スパッタプロセスを経済的に興味深いものにするための重要な検討事項である。
【0005】
回転可能なスパッタターゲットの導入によって、いくつかの利点が実現され得るようになり、スパッタプロセスは、より魅力的になってきた。最も重要な利点は、ターゲット材料の消耗率が高められること、より高い電力密度を用いる可能性、従って、より高いスパッタ堆積率を得る可能性があること、ACスパッタリング中の陽極機能性が高められること、及び反応性スパッタリング中のアーク感受性が著しく減少することである。
【0006】
しかし、多数の利点を達成する一方、回転可能なスパッタターゲットは、問題も呈している。
【0007】
反応性スパッタリングは、反応ガス内における金属のスパッタ堆積率をヒステレシス曲線から知られるように生じさせ、かつ制御することを含んでいる。
【0008】
高スパッタ堆積率は、金属モードにおいて得られる。しかし、反応ガスがターゲット材料と反応するので、露出した非スパッタリング面の全てに、絶縁物質が堆積される可能性がある。
【0009】
より高いスパッタ堆積率を得るために、迅速フィードバックループによってターゲットを準安定の半汚染(semi-poisoned)状態に維持するシステムが開発されてきた。オペレータは、プロセスの感知可能な信号(例えば、分圧、ターゲット電圧、プラズマの光学的放射など)を監視しながら、不安定な状況からのどのようなずれをもフィードバックし、半汚染されたターゲット状態を維持することができる。
【0010】
回転可能なターゲットの消耗率は、平面ターゲットと比較して著しく高いが、依然として、かなりの量のターゲット材料が、スパッタターゲット及び磁石アレイの配置によって失われるので、回転可能なターゲットのターゲット材料の消耗率は、いまだに、検討事項として残っている。
【0011】
運転中、回転可能なスパッタターゲットは、静止したレーストラックの下を通って回転する。レーストラックのUターン部分では、より高い電力密度、従って、より高いスパッタ堆積が得られ、その結果、ターゲット材料のより高い消耗率がもたらされる。しかし、レーストラックのUターン部分において使用可能なターゲット材料の全てが消耗されると、かなりの量の有用な材料がターゲットの主要部分に残っていても、ターゲットを取り換えねばならない。
【0012】
これらの問題を解消するために、スパッタターゲットの両端により多くの材料を施すことが、当技術分野において知られている。こうして得られたスパッタターゲットは、ドッグボーン(dog-bone)ターゲットと呼ばれている。
【0013】
しかし、材料の脆弱さ及び製造上の問題から、このドッグボーンによる解決策が用いられる範囲は、制限されている。
【0014】
前述の問題は、十分なフィードバックループシステムを用いることによって、及びドッグボーン構造を有するターゲットを用いることによって、解消されるかもしれないが、新たな問題が生じる。ターゲットの消耗率が、例えば、典型的には平面ターゲットに対して知られている値にまで低下する。
【0015】
米国特許第5,470,452号及び第5,725,746号は、外面にターゲット材料を有する細長の管状材料を備える回転可能なターゲットを開示している。ターゲットは、管状部材の少なくとも一端に導電性材料のカラーを備えている。ターゲット材料は、カラー材料から実質的に独立している。カラー材料はアーキングを抑止する。しかし、この種の回転可能なターゲットは、多くの欠点を呈している。
【0016】
カラーとターゲット材料との間の熱的な接触が最適ではないので、カラー材料の熱応力が高くなる可能性がある。
【0017】
カラーは、ターゲット材料の残りと比較して、熱的に大きく膨張する。その結果、カラーと水冷ターゲット材料との間の熱的な接触が、さらに低減する。最終的に、スパッタリング中に、カラーが、回転しているターゲット材料を覆う徐々に大きくなる遊動リングとして機能し、ターゲット材料上に局部的な溶融区域を生じさせる可能性がある。
【0018】
この種の回転可能なターゲットのさらに他の欠点は、カラー材料からスパッタされた材料が、被覆される基板の縁にも堆積し、ターゲットからスパッタされた材料と混合される点にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、先行技術の問題を回避する、回転可能なスパッタターゲットを提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は、最適化されたターゲット消耗率を有する、回転可能なスパッタターゲットを提供することにある。
【0021】
本発明のさらに他の目的は、ターゲット材料の実質的に全長がスパッタリングプロセスに用いられる、回転可能なスパッタターゲットを提供することにある。
【0022】
本発明の他の目的は、回転可能なスパッタターゲットを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の第1の態様によれば、回転可能なスパッタターゲットが提供される。
【0024】
回転可能なスパッタターゲットは、ターゲット材料及び前記ターゲット材料の内部に配置された磁石アレイを備えている。磁石アレイは、ターゲット材料の長さの大部分に沿って延在する中心区域を画定すると共に、中心区域の各端に端区域を画定している。
【0025】
ターゲット材料は、第1の材料及び第2の材料を含んでいる。ターゲット材料の第2の材料は、第1の材料よりも低いスパッタ堆積率を有している。ターゲット材料は、少なくとも中心区域において第1の材料を含み、少なくとも端区域において第2の材料を含んでいる。
【0026】
第1の材料は、第1の元素を含み、第2の材料は、第1の材料の第1の元素の化合物を含んでいる。
【0027】
好ましい実施形態では、第1の材料は、中心区域及び端区域に施される一方、第2の材料は、少なくとも端区域において、第1の材料の上に施される。
【0028】
好ましくは、第1の材料から堆積された被膜スパッタ及び第2の材料から堆積された被膜スパッタは、実質的に同一の組成を有している。「実質的に同一の組成」という用語は、第1の材料から堆積された被膜スパッタ及び第2の材料から堆積された被膜スパッタは、少なくとも80%の原子組成が、同一であることを意味している。
【0029】
「実質的に同一の組成」という用語について、例を挙げて、さらに説明する。
【0030】
以下の組成を有する材料X及び材料Y、すなわち、
40原子%の成分a、30原子%の成分b、20原子%の成分c、及び10原子%の成分dを含み、(成分eを含まない)、材料Xと、
35原子%の成分a、40原子%の成分b、15原子%の成分c、及び10原子%の成分eを含み、(成分dを含まない)、材料Yと
は、原子組成の80%が同一なので、実質的に同一の組成を有すると見なされる。
【0031】
第1の材料及び第2の材料が、実質的に同一の組成を有する被膜を基板に堆積するのに用いられるので、ターゲット金属の実質的に全長が、スパッタリングに用いられることになる。
【0032】
「ターゲット材料の実質的に全長」という用語は、中心区域及び端区域を意味している。
【0033】
ターゲット材料の実質的に全長がスパッタリングに用いられるという事実は、当技術分野において知られているスパッタターゲットと比較して、本発明による回転可能なスパッタターゲットの大きな利点である。
【0034】
原理的に、第1の材料は、DCスパッタリング又は中周波ACスパッタリングに用いられるどのような材料を含んでもよい。
【0035】
前述したように、第1の材料は、少なくとも第1の元素を含んでいる。
【0036】
好ましくは、第1の元素は、金属を含み、さらに好ましくは、Zn,Sn,Ag,Cu,Nd,Ni,Zr,Fe,Al,Si,Ti,Nb,Ta,Cr,Mo,Wからなる群から選択される金属を含んでいる。第1の材料は、第1の元素の化合物又は合金を含んでもよい。
【0037】
第1の材料は、他の元素がドープされた第1の元素を含んでもよい。
【0038】
さらに、第1の材料は、他の元素がドープされた第1の元素の化合物、又は他の元素がドープされた第1の元素の合金を含んでもよい。
【0039】
前述したように、第2の材料は、好ましくは、上記の材料の第1の元素の化合物を含んでいる。
【0040】
本発明の目的のために、第1の材料の第1の元素の化合物は、第1の元素を含む任意の材料として、規定されている。
【0041】
第2の材料は、例えば、第1の材料の第1の元素からなるとよい。
【0042】
代替的に、第2の材料は、第1の材料の第1の元素の合金を含んでもよい。
【0043】
さらに、第2の材料は、第1の材料の第1の元素の化合物、例えば、第1の材料の第1の元素の酸化物、窒化物、又は酸窒化物を含んでもよい。
【0044】
他の実施形態では、第2の材料は、第1の元素以外の少なくとも1つの元素がドープされた、第1の材料の第1の元素、又は第1の元素以外の少なくとも1つの元素がドープされた、第1の材料の第1の元素の化合物を含んでいる。
【0045】
本発明による回転可能なスパッタターゲットは、反応ガスを用いる反応性スパッタプロセスに用いられるのに、特に適している。
【0046】
好ましい実施形態では、第1の材料は金属を含み、第2の材料はこの金属と反応ガスとの化合物を含んでいる。
【0047】
本発明による回転可能なターゲットの好ましい実施形態として、
第1の材料としてZn及び第2の材料としてZnOを含むターゲット材料を有し、好ましくは、反応ガスとして酸素を用いる反応性スパッタプロセスに用いられる回転可能なターゲットと、
第1の材料としてTi及び第2の材料としてTiOxNy(0≦x≦2、0≦y≦2、但し、x又はyの少なくとも1つは、0と異なる)を有し、好ましくは、反応ガスとして酸素、窒素、又は酸素及び窒素の混合物を用いる反応性スパッタプロセスに用いられる回転可能なターゲットと、
−第1の材料としてSi:Al(10wt%Al)及び第2の材料としてSiを含むターゲット材料を有し、任意の種類の反応ガス、好ましくは、酸素又は窒素を用いる反応性スパッタプロセスに用いられる回転可能なターゲットと
が挙げられる。
【0048】
ターゲット材料は、自己支持形であってもよいし、又はターゲット基部に堆積されてもよい。
【0049】
可能であれば、ターゲット材料が施される前に、接着促進層がターゲット基部に施されてもよい。
【0050】
ターゲット材料の第1の材料及び第2の材料は、当技術分野において知られているどのような技術、例えば、注型、押出、焼結、熱間静水圧成形、溶射のような噴霧、又はこれらの組合せによって、得られてもよい。
【0051】
第2の材料は、好ましくは、溶射によって得られる。この場合、第2の材料が溶射によって施されると、第1の材料と第2の材料との界面に拡散層が形成される。この拡散層によって、第1の材料と第2の材料との間に優れた熱伝導率が保証される。
【0052】
拡散層の存在によって、第2の材料は第1の材料に係留され、スパッタターゲットの使用中、遊離することがない。
【0053】
これは、当技術分野において知られているスパッタターゲットと比較して、大きな利点である。
【0054】
本発明の好ましい実施形態では、第1の材料及び第2の材料のいずれも溶射によって得られる。
【0055】
本発明によるスパッタターゲットの第1のグループは、ターゲット基部の全長にわたって均一な厚みのターゲット材料を有するスパッタターゲットを含んでいる。
【0056】
ターゲット材料の厚みは、好ましくは、2mmから30mmの範囲内、さらに好ましくは、4mmから15mmの範囲内である。
【0057】
本発明によるスパッタターゲットの第2のグループは、ターゲット材料がドッグボーン構造を有するスパッタターゲットを含んでいる。
【0058】
ドッグボーン構造を有するターゲット材料の場合、端区域におけるターゲット材料の厚みは、中心区域に配置されたターゲット材料の厚みよりも大きい。
【0059】
ターゲット材料がドッグボーン構造を有する場合、中心区域におけるターゲット材料の厚みは、好ましくは、2mmから20mmの範囲内にあり、端区域におけるターゲット材料の厚みは、好ましくは、3mmから30mmの範囲内にある。
【0060】
本発明の第2の態様によれば、回転可能なスパッタターゲットを製造する方法が提供される。
【0061】
この方法は、
第1の材料及び第2の材料を含むターゲット材料を設けるステップであって、前記第2の材料は、前記第1の材料よりも低いスパッタ堆積率を有する、ステップと、
ターゲット材料の内部に配置される磁石アレイを設けるステップであって、磁石アレイは、ターゲット材料の長さの大部分に沿って延在する中心区域を画定すると共に、中心区域の各端に端区域を画定する、ステップと
を含んでいる。
【0062】
ターゲット材料は、少なくとも中心区域において第1の材料を含み、少なくとも端区域において第2の材料を含んでいる。第1の材料は、第1の元素を含み、第2の材料は、第1の材料の第1の元素の化合物を含んでいる。
【0063】
好ましい方法では、ターゲット材料は、中心区域及び端区域において第1の材料を含み、端区域において、第1の材料の上に第2の材料を含んでいる。
【0064】
第1の材料及び第2の材料は、好ましくは、注型、押出、焼結、熱間静水圧成形、又は噴霧によって得られる。
【0065】
さら好ましくは、第2の材料は溶射によって得られる。
【0066】
以下、添付の図面に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明による回転可能なスパッタターゲットの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
第1の試験では、先行技術によって知られている回転可能な金属チタンターゲットを用いて、二酸化チタン被膜を堆積する。
【0069】
ターゲットは、真っ直ぐな構造を有し、このターゲットに、十分なフィードバックループシステムが設けられている。ターゲットの消耗率は、14〜45%に制限されている。
【0070】
本出願人は、どのような理論にも縛られることを望まないが、以下のことがなされていると思われる。
【0071】
フィードバックループシステムは、ターゲットの長さの両端間の1つ又は複数個所において、変動する特定の迅速反応プロセスを監視している。
【0072】
フィードバックパラメータを適切に保つことによって、ターゲット面は、半汚染状態に保持されている。しかし、同時に、レーストラックのUターン部分は、異なる汚染条件下に位置することになる。
【0073】
本発明の目的のために、「レーストラックのUターン部分」という用語は、中心ターゲット領域(スパッタリング区域)よりもプラズマ密度が高い区域、又は中心ターゲット領域(スパッタリング区域)よりもプラズマ領域における滞留時間が長い区域として、定義される。
【0074】
より高いプラズマ密度又はより長いプラズマ露出によって、表面がより清浄化され、(すなわち、酸素が排除され、新鮮なチタンが露出され)、これによって、酸素がより少ない場合に匹敵する表面状態が得られる。
【0075】
その結果、レーストラックのUターン部分では、より酸化されない又はより汚染されないチタンが高堆積率でスパッタされ、その一方、スパッタターゲットの中心では、より汚染されたチタン又は(亜)酸化チタンが、低スパッタ堆積率でスパッタされることになる。
【0076】
従って、レーストラックのUターン部分では、プラズマ滞留時間が長いので、スパッタ堆積率がより高く、また、材料が、次々、より高いスパッタ堆積率でスパッタされる。
【0077】
両方の効果によって、レーストラックのUターン部分では、極めて高い堆積率がもたらされ、その結果として、全体のターゲット消耗率が、典型的には平面ターゲットに対して知られている値にまで低下する。
【0078】
図1は、本発明による回転可能ターゲット10を示している。回転可能なターゲット10は、ターゲット基部11、ターゲット基部の外側に施されたターゲット材料12、及び前記ターゲット基部内に配置された磁石アレイ13を備えている。磁石アレイ13は、中心区域14及び端区域15を画定している。磁石アレイ13は、中心区域14及び2つの端区域15を画定している。中心区域14は、ターゲット基部11の長さの大部分に沿って延在している。中心区域の端は、磁石アレイ13の端と略対応している。
【0079】
ターゲット材料12は、第1の材料16及び第2の材料17を備えている。
【0080】
第1の材料16は少なくとも中心区域14に施され、第2の材料17は少なくとも端区域15に施されている。
【0081】
第2の材料は、第1の材料よりも低いスパッタ堆積率を有している。
【0082】
第1の材料はTiを含み、第2の材料はTiOx(0≦x≦2)を含んでいる。TiOxは、溶射によって施されている。
【0083】
回転可能なターゲット10は、反応性プロセスにおいて用いられ、このターゲット10に、十分なフィードバックシステムが設けられている。
【0084】
端区域15に配置された第2の材料17は、中心区域14に配置された第1の材料の堆積率と同様の堆積率でスパッタされる。
【0085】
端区域15の第2の材料17も、良好な品質のTiO層を形成する。何故なら、(必要以上のエロージョンによる)ガス中の欠乏した酸素量が、第2の材料17に含まれる酸素の存在によって、補われるからである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット材料と、
前記ターゲット材料の内部に配置された磁石アレイと
を備える、回転可能なスパッタターゲットであって、前記磁石アレイは、前記ターゲット材料の長さの大部分に沿って延在する中心区域を画定すると共に、前記中心区域の各端に端区域を画定し、前記ターゲット材料は、第1の材料及び第2の材料を含み、前記第2の材料は、前記第1の材料よりも低いスパッタ堆積率を有し、前記ターゲット材料は、少なくとも前記中心区域において前記第1の材料を含み、少なくとも前記端区域において前記第2の材料を含み、前記第1の材料は、第1の元素を含み、前記第2の材料は、前記第1の材料の前記第1の元素の化合物を含む、スパッタターゲット。
【請求項2】
前記第1の材料は、前記中心区域及び前記端区域に施され、前記第2の材料は、少なくとも前記端区域において、前記第1の材料の上に施される請求項1に記載の回転可能なターゲット。
【請求項3】
前記第1の材料から堆積された被膜スパッタ及び前記第2の材料から堆積された被膜スパッタは、実質的に同一の組成を有する請求項1又は2に記載のスパッタターゲット。
【請求項4】
前記第1の材料の前記第1の元素は、金属を含む請求項1〜3のいずれかに記載のスパッタターゲット。
【請求項5】
前記金属は、Zn,Sn,Ag,Cu,Nd,Ni,Zr,Fe,Al,Si,Ti,Nb,Ta,Cr,Mo,Wからなる群から選択される請求項4に記載のスパッタターゲット。
【請求項6】
前記第2の材料は、前記第1の材料の前記第1の元素からなる請求項1〜5のいずれかに記載のスパッタターゲット。
【請求項7】
前記第2の材料は、前記第1の材料の前記第1の元素の合金を含む請求項1〜6のいずれかに記載のスパッタターゲット。
【請求項8】
前記第2の材料は、前記第1の材料の前記第1の元素の化合物を含む請求項1〜6のいずれかに記載のスパッタターゲット。
【請求項9】
前記第2の材料は、前記第1の元素以外の少なくとも1つの元素がドープされた、前記第1の材料の前記第1の元素を含み、又は前記第1の元素以外の少なくとも1つの材料がドープされた、前記第1の材料の前記第1の元素の化合物を含む請求項1〜6のいずれかに記載のスパッタターゲット。
【請求項10】
前記スパッタターゲットは、反応ガスを用いる反応性スパッタプロセスに用いられる請求項1〜9のいずれかに記載のスパッタターゲット。
【請求項11】
前記第1の材料は、金属を含み、前記第2の材料は、前記金属と前記反応ガスとの化合物を含む請求項1〜10のいずれかに記載のスパッタターゲット。
【請求項12】
前記ターゲット材料は自己支持形である請求項1〜11のいずれかに記載のスパッタターゲット。
【請求項13】
前記ターゲット材料は、ターゲット基部に堆積される請求項1〜12のいずれかに記載のスパッタターゲット。
【請求項14】
前記第1の材料及び前記第2の材料は、注型、押出、焼結、熱間静水圧成形又は噴霧によって得られる請求項1〜13のいずれかに記載のスパッタターゲット。
【請求項15】
前記第2の材料は、溶射によって得られる請求項1〜14のいずれかに記載のスパッタターゲット。
【請求項16】
前記第1の材料と前記第2の材料との間に、拡散層が形成される請求項1〜15のいずれかに記載のスパッタターゲット。
【請求項17】
前記ターゲット材料は、その全長にわたって均一な厚みを有する請求項1〜16のいずれかに記載のスパッタターゲット。
【請求項18】
前記ターゲット材料は、前記ターゲット材料の厚みが前記端区域でより厚いドッグボーン構造を有する請求項1〜16のいずれかに記載のスパッタターゲット。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかに記載のスパッタターゲットを製造する方法であって、
第1の材料及び第2の材料を含むターゲット材料を設けるステップであって、前記第2の材料は、前記第1の材料よりも低いスパッタ堆積率を有する、ステップと、
前記ターゲット材料の内部に配置された磁石アレイを設けるステップであって、前記磁石アレイは、前記ターゲット材料の長さの大部分に沿って延在する中心区域を画定すると共に、前記中心区域の各端に端区域を画定する、ステップと
を含み、前記ターゲット材料は、少なくとも前記中心区域において前記第1の材料を含み、少なくとも前記端区域において前記第2の材料を含み、前記第1の材料は、第1の元素を含み、前記第2の材料は、前記第1のものの化合物を含む、方法。
【請求項20】
前記第1の材料は、前記中心区域及び前記端区域に施され、前記第2の材料は、少なくとも前記端区域において、前記第1の材料の上に施される請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の材料の前記元素は、金属を含む請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記金属は、Zn,Sn,Ag,Cu,Nd,Ni,Zr,Fe,Al,Si,Ti,Nb,Ta,Cr,Mo,Wからなる群から選択される請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の材料は、前記第1の材料の前記第1の元素からなる請求項19〜22に記載の方法。
【請求項24】
前記第2の材料は、前記第1の材料の前記第1の元素の合金を含む請求項19〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記第2の材料は、前記第1の材料の前記第1の元素の化合物を含む請求項19〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記第2の材料は、前記第1の元素以外の少なくとも1つの元素がドープされた、前記第1の材料の前記第1の元素を含み、又は前記第1の元素以外の少なくとも1つの材料がドープされた、前記第1の材料の前記第1の元素の化合物を含む請求項19〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記スパッタターゲットは、反応ガスを用いる反応性スパッタプロセスに用いられる請求項19〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記第1の材料は、金属を含み、前記第2の材料は、前記金属と前記反応ガスとの化合物を含む請求項19〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記ターゲット材料は自己支持形である請求項19〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記ターゲット材料は、ターゲット基部に堆積される請求項19〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記第1の材料及び前記第2の材料は、注型、押出、焼結、熱間静水圧成形又は噴霧によって得られる請求項19〜30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記第2の材料は、溶射によって得られる請求項19〜31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記第1の材料と前記第2の材料との間に、拡散層が形成される請求項19〜32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記ターゲット材料は、その全長にわたって均一な厚みを有する請求項19〜33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記ターゲット材料は、前記ターゲット材料の厚みが前記端区域でより厚いドッグボーン構造を有する請求項19〜33のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−538986(P2009−538986A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512594(P2009−512594)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055281
【国際公開番号】WO2007/141174
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(505360498)
【Fターム(参考)】