説明

回転型内燃機関

【課題】本発明は、圧縮機を出力軸から駆動せず、外部で得られた圧縮空気を利用し、従来のガスタービン式内燃機関で最も大きなエネルギー損失である圧縮損失を持たない回転型内燃機関を提供しようとするものである。
【解決手段】燃焼器とタービンとケーシングとで構成される回転型の内燃機関であって、前記燃焼器は、略球状の本体にエアーインジェクターと燃料インジェクターと点火プラグを備え、該燃焼器本体は所定の角度を有して前記ケーシング上方に取り付けられ、前記タービンは、逆回転する一次タービンと二次タービンの二対のタービンから構成され其々独立した出力軸を有し、所定の形状を有して成り、前記ケーシングは、上下に分割構造を有して前記二対のタービンを被覆し、前記燃焼器を所定の傾斜角で装着する構成手段を採用した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関に関し、詳しくは、圧縮機を出力軸から駆動せず、外部で得られた圧縮空気を利用し、従来のガスタービン式内燃機関で最も大きなエネルギー損失である圧縮損失を持たない構成の回転型内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による震災から、原子力発電システムに対する不安感が高まる中、計画停電の実施などと相まって、我が国国民の節電意識も高まり、原子力に代わる新たな発電システムに大きな期待が寄せられている。従来の我が国の発電事情は、全体の3割を原子力発電に頼っており、約6割はガスタービンによる火力発電である。
【0003】
また、船舶や航空機に用いられている原動機としてのガスタービンエンジンも、近年の技術開発により小型で高出力のものがつくられるようになっている。ピストンが往復運動をするレシプロエンジンに比べ、ガスタービンエンジンでは回転運動しかしないため、機械的損失が少ないという特徴がある。ガスタービンエンジンは、同一燃焼室内で混合気を燃焼させ、膨張する燃焼ガス(動作気体)によってタービンを回して回転エネルギーを得る内燃機関であり、重量や体積の割合には高出力のエネルギーが得られることから、主に航空機の動力源として広く用いられてきた。また始動時間が短く、非常用発電機の動力源としても一部に使われており、発生した高温高圧の燃焼ガスが遠心式又は軸流式タービン軸を回転させて動力源を発生させるものでる。該タービン軸は、圧縮機と連結していて圧縮機に圧縮動力を伝達して持続的に運動するもので、ガスタービンエンジンには燃焼ガスの熱エネルギーを全てタービンで回収して軸出力を取り出す方式と、燃焼ガスの熱エネルギーを残したまま膨張・排気し、推力を得る方式のジェットエンジンがある。広義的にはターボチャージャーも一種のガスタービンと言える。
【0004】
ガスタービンエンジンは、前述のガソリンエンジンやディ―ゼルエンジンなどと比較して軽量で比較的小さな体積で高出力が得られると共に、自動車等に用いる場合では加速性能値を表すパワーウエイトレシオ(出力荷重比)に優れ、さらに低速回転時と高速回転時の燃料消費率の差が少ないことや、低周波の振動が少なく高めの周波数の騒音対策で済むことや、燃焼効率が内燃機関の中でもディ―ゼルエンジンに匹敵する35〜42%の数値を示す。また、小型軽量であるため、定置型発電装置として今後その需要は高くなるものと予想される。
【0005】
しかしながら、従来のガスタービンエンジンでは、燃焼ガスの流れる方向が大きく変化することによる圧力損失や、排気損失、機械的損失などがあり、特に圧縮機を出力軸から駆動するため圧縮損失が極めて大きいという問題がある。近年の高効率化されたガスタービンであっても、正味発生動力と圧縮機駆動用に使われてしまう所要動力とはほぼ等しく、タービンから得られた出力の約5割もが圧縮損失となっている現状にある。
【0006】
このような問題を解決しようと従来からも種々の技術が提案されている。例えば、中心軸線に対する流体の流れが、第1の軸線方向の流れ、第1の半径方向外方の流れ、逆軸線方向の流れ、半径方向内方の流れ、第2の軸線方向の流れと第2の半径方向外方の流れとにより形成され、渦、ベクトルの変化、およびエネルギーを吸収するような向き変換を少なくするガスタービンエンジンが提案されている(特許文献1参照)。係る発明では、動作流体の向き変化を少なくして損失を少なくするものであるが、圧縮器を駆動しているため圧縮損失を大きく減らすことはできないため、ガスタービンエンジンにおいて最も大きな損失といえる圧縮損失を減少させるには至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−13484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、圧縮機を出力軸から駆動せず、外部で得られた圧縮空気を利用し、従来のガスタービン式内燃機関で最も大きなエネルギー損失である圧縮損失を持たない構成の回転型内燃機関を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、燃焼器と、タービンと、ケーシングと、で構成される回転型の内燃機関であって、前記燃焼器は、連続的に圧縮、燃焼、膨張、及び排気するための略球状の本体に、外部圧縮機から圧縮空気を断続的又は連続的に得るためのエアーインジェクターを底部に、燃料インジェクターと点火プラグを上部に其々備え、該燃焼器本体は、前記タービンを構成する多翼ブレードに与えられる傾斜角R1と同一角の傾斜角R2(5〜15度)と、前記タービンを構成する一次出力軸の長手方向から垂直方向を基準とする傾斜角R3(10〜25度)と、及び前記タービンの一次タービンを構成する多翼ブレード面を基準とする傾斜角R6(90度を超え130度まで)との其々の角度を有して前記ケーシング上方に取り付けられ、前記タービンは、相互に逆回転する一次タービンと二次タービンとの二対のタービンから構成され、其々独立した一次出力軸及び二次出力軸を有し、該タービンに備えられる複数の多翼ブレードは、内側取付部より緩やかなアーチ状の形状を描きながら傾斜角度R1(5〜15度)を有して外周リング部へと繋がり、一次タービンの上方は前記傾斜角R3と同一の傾斜角で面取りされ、一次タービンの多翼ブレードは、一次出力軸の長手方向から垂直方向を基準とする傾斜角R4(120〜150度)を有して設けられ、二次タービンの多翼ブレードは、前記一次タービンの多翼ブレード面を基準とする傾斜角R5(120〜150度)を有して成り、前記ケーシングは、上下に分割構造を有して前記二対のタービンを被覆し、上部側ケーシングには、前記燃焼器を前記所定の傾斜角で装着可能な燃焼器取付部を備え、下部側ケーシングには排気口が設けられ、ていることを特徴とする回転型内燃機関である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る回転型内燃機関によれば、出力軸から圧縮機を駆動する従来のガスタービンと異なり、外部の圧縮機により蓄積された圧縮空気を用いるため、ガスタービンで最も大きなエネルギー損失とも言える圧縮損失を直接有さず、工場の廃熱利用など、どのような形で造られた圧縮空気でも利用できるという優れた効果を奏する。
【0011】
また、本発明に係る回転型内燃機関によれば、一次タービンと二次タービンとの駆動力を其々独立した出力軸から得ることができるため、発電等に必要な大きな出力と、小さな出力でも駆動できる補機類への動力と分けて利用できるといった優れた効果を奏する。
【0012】
また、本発明に係る回転型内燃機関によれば、燃焼器の上方に設けられる燃料インジェクターとエアーインジェクターによって電子制御された燃料と圧縮空気を噴射させるため、種々のセンサーを用いて回転数や外気温度、或いは酸素濃度等といった諸条件から繊細な制御をさせて、より燃焼効率を上げることができるという優れた効果を奏し得る。
【0013】
また、本発明に係る回転型内燃機関によれば、燃焼ガスによる動作流体の流れ方向について、大きく方向変換しないため、従来型のガスタービンに多く見られた圧力損失も軽減できるという優れた効果を奏し得る。
【0014】
また、本発明に係る回転型内燃機関によれば、一次タービン及び二次タービンのいずれのタービンにも外周リングが設けられているため、燃焼ガスの膨張エネルギーを逃がすことなく利用でき、また、係る外周リングはフライホイールの役割を果たし、振動やトルク変動を少なくできるという優れた効果を発揮する。
【0015】
また、本発明に係る回転型内燃機関によれば、燃焼室の上方に設けられる燃料インジェクターにより燃料を燃焼室内に噴射するため、ガソリン、軽油、LPG、天然ガス、水素、メタノールなどの広範な燃料を使用することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る回転型内燃機関の全体構成説明図である。
【図2】本発明に係る回転型内燃機関の燃焼器説明図である。
【図3】本発明に係る傾斜角R1・R2説明図である。
【図4】本発明に係る傾斜角R3説明図である。
【図5】本発明に係る傾斜角R4・R5・R6説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の回転型内燃機関1は、圧縮機を出力軸から駆動せず、外部で得られた圧縮空気を利用し、従来のガスタービン式内燃機関で最も大きなエネルギー損失である圧縮損失を持たない構成にした点と、動作流体の流れの変化を少なくしたことを最大の特徴としている。以下、実施例を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る回転型内燃機関1の全体構成説明図である。本発明の回転型内燃機関1は、燃焼器10とタービン20とケーシング40とで構成される。タービン20は、逆回転する一次タービン21と二次タービン22の一対から構成され、ケーシング40は上部ケーシング41と下部ケーシング42の一対から構成される。
【0019】
図2は、本発明に係る回転型内燃機関1の燃焼器説明図である。燃焼器10は、連続的に圧縮、燃焼、膨張、及び排気するための装置であり、略球状の燃焼器本体16の底部に、エアーインジェクター13を備え、燃料インジェクター11と点火プラグ12を上部に其々備える。
【0020】
該燃焼器本体16の形状を略球状としているのは、底部に設けるエアーインジェクター13から噴射される圧縮空気15を下側から上側に回り込むようにスワールを作らせることで、燃料インジェクター11から噴射された燃料14が圧縮空気15と混合し易くすると共に、下方に流れる空気の壁を作ることで、排出口16から未燃焼ガスの排出を防ぐためである。
【0021】
燃焼器10による工程を説明する。図2に示すように、まず、底部に設けたエアーインジェクター13から圧縮空気15を反対側壁に向けて噴射する。圧縮空気15は反対側壁の略球面形状により、下側から上側に回り込むようなスワールを作りながら燃焼器本体16の内部圧力を上昇させる。圧縮空気が上方に到達するタイミングで燃料インジェクター11から燃料14を噴射して混合気を作り、燃焼器本体16内の圧力が、エアーインジェクター13から噴射される圧縮空気15の圧力に近づくと、前記スワール形成力が小さくなるため、燃焼器本体16内のよりも圧力の低い排出口16から排出し始める。この少し手前のタイミングで、点火プラグ12で点火する。係る圧縮空気15の噴射、燃料14の噴射、及び点火タイミングは、圧力センサー、温度センサー、O2センサー、或いはノックセンサー等、種々のセンサーからの信号を演算させて噴射タイミングや噴射量等をリアルタイム制御してもよいし、或いは予め燃焼実験により得られたタイミングデータをマップ化しておき、マップ制御してもよく、また、より好ましくは、演算制御とマップ制御を組み合わせた高度な電子制御により、燃焼状態やレスポンス向上を図ることが望ましい。
【0022】
なお、本発明に係る回転型内燃機関1では、圧縮機を駆動しない構成を採用しているため、外部から圧縮空気15を得る必要がある。例えば、大型コンプレッサーを備える工場などでは、係る設備から得られる圧縮空気の一部を用いる。また、工場内で発生する余熱エネルギーや残余動力を利用して駆動されるコンプレッサーから供給を受けられればエネルギーの有効利用に資することができる。さらに、太陽光、水力、風力等の小さな発電能力しかないものでも、長時間の発電によりバッテリーに蓄積すれば、断続的であってもコンプレッサーを駆動してエアータンク等に圧縮空気を蓄積しておき、ここから供給を受けることも可能である。仮に、どうしても外部から圧縮空気15の供給が得られない場合には、二次タービン22の出力軸31により外部圧縮機を駆動してもよい。いずれにせよ、少なくとも一次タービン21の出力軸30から得られる出力に圧縮損失を与えない構成を採用する。
【0023】
燃料インジェクター11は、内部に電気的に開閉するニードルバルブを備え、そのバルブがプランジャーコアと電磁石とスプリングの働きによって開くと先端の噴射口から燃料噴射ポンプ(高圧フューエルポンプ)から送られてくる高圧の燃料14を、前記の通り制御してエアーインジェクター13との関係から噴射タイミングを計って電子制御噴射する筒内燃料噴射装置である。
【0024】
エアーインジェクター13は、内部に電気的に開閉するニードルバルブを備え、そのバルブがプランジャーコアと電磁石とスプリングの働きによって開くと先端の噴射口から空気圧縮ポンプ(エアーコンプレッサーポンプ)から送られてくる高圧の圧縮空気15を電子制御によって噴射する筒内空気噴射装置である。
【0025】
図3は、本発明に係る傾斜角R1・R2説明図であり、図3(a)は一次タービン21を上方から見た状態を示し、図3(b)は二次タービン22を上方から見た状態を示している。
【0026】
タービン20は、内側取付部から外周リング部23に向けて緩やかなアーチ状を描きながら傾斜角R1(5〜15度)を有するブレードを複数備えており、該ブレードの傾きに対応して燃焼器10の取付けもR1と同一の傾斜角度R2(5〜15度)を有して取り付けられる。係る角度の存在により、燃焼器10が外側に配置され、複数の燃焼器10を用いる場合に、各燃焼器10間のオープンスペースを大きくすることができ、その分だけでも燃焼器10の数を増やすことも可能となる。一次タービン21と二次タービン22は回転方向が逆回転となるため、一次タービン21と二次タービン22の傾斜角は等しいが図3に示すように向きは反対向きとなる。なお、多翼ブレードの先端を周設するように繋ぐ外周リング23は、燃焼ガスの膨張力を逃がすことなく有効に回転力に変換するための遮蔽部であると共に、フライホイールの役割を果たし、振動及びトルク変動を少なくしている。
【0027】
また、傾斜角R1とR2が同角であるのは、平面視において、ブレードに向かう燃焼ガスは垂直が望ましいからである。なお、図面上では燃焼器10が4個配置されて表わされているが、係る個数に限定されるものではなく、配置可能であれば何個でもよい。
【0028】
図4は、本発明に係る傾斜角R3説明図である。傾斜角R3(10〜25度)は、燃焼器10を外側に配置させることでピッチ円直径を大きくし、燃焼器10をより複数配置できるようにしたものである。また、図4は、ケーシング40でタービン20が被覆されている状態を示している。
【0029】
ケーシング40は、耐熱性に優れた素材を用いてタービン20を被覆する形状に形成されている。図4に図示したケーシング40は一体に表されているが、上部ケーシング41と下部ケーシング42とは、上下に2分割できる構造である。上部ケーシング41の上面傾斜部には燃焼器取付部44が設けられ、燃焼器10を前記所定の傾斜角を有するように備える。なお、係る燃焼器取付部44が傾斜角可変構造を有する構成として、傾斜角R2・R3・R6の角度範囲内に応じて調整ができる構造とすることも有効である。また、図示はしていないが上部ケーシング41と下部ケーシング42には、其々出力軸30及び31に対応した軸受部を有することはいうまでもない。
【0030】
図5は、本発明に係る傾斜角R4・R5・R6説明図である。図5(a)は燃焼ガスの流れる経路を示し、図5(b)は一次タービン21における多翼ブレードの傾斜角R4(120〜150度)と、該傾斜角R4に対する燃焼器10の取り付け傾斜角R6(90度を超え130度まで)を示し、図5(c)は、二次タービン22における多翼ブレードの傾斜角R5(120〜150度)を示している。傾斜角R6が多翼ブレード面に対して垂直よりも広角としているのは、燃焼ガスが上方に逃げるのを防ぐためであり、二次タービンの多翼ブレードの取付角度が一次タービンの多翼ブレードの取付角に対し出力軸の長手方向に近い角度としているのは、燃焼器10から一次タービン21における多翼ブレードでの方向変換角よりも、一次タービン21における多翼ブレードから二次タービン22における多翼ブレードでの方向転換角を小さくし、更に前記方向変換角よりも二次タービン22における多翼ブレードから排気口43に向かう方向変換角を小さくすることで、徐々に燃焼ガスの流れる方向変換量を小さくさせている。係る構成は、膨張圧力の減少に伴って回転方向へのベクトルが小さくなることと、できるだけ排気口43に係る背圧を少なくするためである。なお、一次タービン21と二次タービン22が逆回転することはいうまでもない。
【実施例1】
【0031】
本発明に係る回転型内燃機関1の実施例として、例えば発電機に用いるのであれば、一次タービン21の出力軸30と二次タービン22の出力軸31から得られる双方の出力を、トルクコンバーター等により連結し、燃焼器10で発生させた動作流体によるエネルギーを全て発電機駆動に当てる構成が考え得る。
【実施例2】
【0032】
また、本発明に係る回転型内燃機関1の他の実施例として、例えば自動車に用いるのであれば、一次タービン21の出力軸30を車体駆動用とし、二次タービン22の出力軸31をエアーコンプレッサー、オイルポンプ、カーエアコン、ラジエターファン、及びターボチャージャーなどの補助機類の動力源とすることで、一次タービン21から得られる出力に圧力損失を課すことなく有効に利用できる構成とするのも有効である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明に係る回転型内燃機関1は、小型軽量で高出力であることから、小型発電機の動力源としたり、小型の乗り物など、利用範囲は広く産業上の利用可能性は高いものと思量する。
【符号の説明】
【0034】
1 回転型内燃機関
10 燃焼器
11 燃料インジェクター
12 点火プラグ
13 エアーインジェクター
14 燃料
15 圧縮空気
16 排出口
20 タービン
21 一次タービン
22 二次タービン
23 外周リング
30 一次出力軸
31 二次出力軸
40 ケーシング
41 上部ケーシング
42 下部ケーシング
43 排気口
44 燃焼器取付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼器と、
タービンと、
ケーシングと、
で構成される回転型の内燃機関であって、
前記燃焼器は、連続的に圧縮、燃焼、膨張、及び排気するための略球状の本体に、外部圧縮機から圧縮空気を断続的又は連続的に得るためのエアーインジェクターを底部に、燃料インジェクターと点火プラグを上部に其々備え、
該燃焼器本体は、前記タービンを構成する多翼ブレードに与えられる傾斜角R1と同一角の傾斜角R2(5〜15度)と、前記タービンを構成する一次出力軸の長手方向から垂直方向を基準とする傾斜角R3(10〜25度)と、及び前記タービンの一次タービンを構成する多翼ブレード面を基準とする傾斜角R6(90度を超え130度まで)との其々の角度を有して前記ケーシング上方に取り付けられ、
前記タービンは、相互に逆回転する一次タービンと二次タービンとの二対のタービンから構成され、其々独立した一次出力軸及び二次出力軸を有し、該タービンに備えられる複数の多翼ブレードは、内側取付部より緩やかなアーチ状の形状を描きながら傾斜角度R1(5〜15度)を有して外周リング部へと繋がり、一次タービンの上方は前記傾斜角R3と同一の傾斜角で面取りされ、一次タービンの多翼ブレードは、一次出力軸の長手方向から垂直方向を基準とする傾斜角R4(120〜150度)を有して設けられ、二次タービンの多翼ブレードは、前記一次タービンの多翼ブレード面を基準とする傾斜角R5(120〜150度)を有して成り、
前記ケーシングは、上下に分割構造を有して前記二対のタービンを被覆し、上部側ケーシングには、前記燃焼器を前記所定の傾斜角で装着可能な燃焼器取付部を備え、下部側ケーシングには排気口が設けられ、
ていることを特徴とする回転型内燃機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−96263(P2013−96263A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237947(P2011−237947)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【特許番号】特許第5004373号(P5004373)
【特許公報発行日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【出願人】(511205356)