説明

回転成形法のための安定剤組み合わせ

【課題】優れた色及びガス劣化耐性を有する中空製品を得ることができる回転成形法を提供する。
【解決手段】(a)有機ホスフィット及びホスホナイトの群からの少なくとも一つの化合物、(b)(i)ヒドロキシルアミン誘導体、及び(ii)アミンオキシド誘導体からなる群から選択された一つ又はそれより多くの化合物、並びに(c)立体障害アミン安定剤の群からの少なくとも一つの化合物からなる安定剤組み合わせをポリオレフィンに投入し、この混合物を成形型内に充填し、安定化されたポリオレフィンが溶融するように前記成形型をオーブン中で280℃以上に加熱し、前記成形型を少なくとも二軸の回りに回転させ、可塑性材料を壁面に広げ、なお回転させながら前記成形型を冷却し、該成形型を開き、次いで得られた中空製品を取り出すことからなるポリオレフィン中空製品の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転成形法によるポリオレフィン中空製品の製造、以下の本文中に記載された使用される加工安定剤組み合わせに関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転成形法又は回転による成形及び/又は注型法は、ガラス繊維で強化され得る相当大きなプラスチック中空製品の製造のために使用される〔ポリマー科学及び工学大辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering) ,Wiler Interscience,1988,Vol.14,第659〜670頁〕。原則的に、前記方法は下記の如く行われる:プラスチック材料を成形型の半分に充填し、これを次いで他の半分と共に型閉めし、次いで、異なる軸の回りに回転された場合に溶融したプラスチック材料が前記成形型の壁面に広がるように、オーブン中で加熱する。冷却後、中空製品が得られる。このようにして、例えば、HDポリエチレン製の貯蔵及びトラック輸送タンクを製造することが可能である。前記方法は通常、300℃以上の範囲の温度を必要とし、時々は400℃以上の範囲の温度さえも必要とする。安定剤に対する要求は、それ故、例えば押出法における要求(温度は通常約280℃以上であることはほとんどない)と異なり且つ一層厳しい。
【0003】
ポリオレフィンに関する、ホスフィット又はホスホナイトと、立体障害フェノール及び/又は立体障害アミン(HALS)とからなる安定剤組み合わせの使用が知られている[とりわけ、アール.ゲヒター(R.Gaechter),エイチ.ミュラー(H.Mueller) ,“プラスチック添加剤ハンドブック(Plastic Additives Handbook)”,Hanser Publishers ,第40〜71頁(1990)参照]。
【0004】
ヒドロキシルアミン誘導体、例えばN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン及びN,N−ジベンジルヒドロキシルアミンは、例えば、アメリカ合衆国特許第4590231号,同第4668721号,同第4782105号及び同第4876300号(これらの関連部分は、文献として本明細書中に取り込まれている)に教示されているように、種々のポリマー状基材のための有用な安定剤として良く知られている。
【0005】
アメリカ合衆国特許第4649221号,同第4691015号及び同第4703073号には、ポリオレフィンを安定化するための、フェノール系酸化防止剤、立体障害アミン光安定剤、アルキル化ヒドロキシベンゾエート光安定剤、紫外線吸収剤、有機燐化合物、脂肪酸のアルカリ金属塩及びチオ相乗剤の群から選択された一つ又はそれより多くの化合物と一緒になったポリヒドロキシルアミン化合物、立体障害アミンから誘導されたヒドロキシルアミン及びアルキル化N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン誘導体の各々の使用が教示されている。
【0006】
アメリカ合衆国特許第4782105号には、ポリ(アリーレンスルフィド)及び不飽和エラストマーの安定化のための長鎖N,N−ジアルキルヒドロキシルアミンの使用が開示されている。実施例には、スチレン/ブタジエン・コポリマーにおいて、長鎖N,N−ジアルキルヒドロキシルアミンはホスフィット安定剤と一緒に使用されることが示されている。
【0007】
アメリカ合衆国特許第4876300号には、ポリオレフィン組成物のための加工安定剤としての長鎖N,N−ジアルキルヒドロキシルアミンの使用が開示されている。実施例
には、長鎖N,N−ジアルキルヒドロキシルアミンがホスフィット安定剤と共に使用され、そしてまた、それらが立体障害アミン安定剤と一緒に使用されることが示されている。
【0008】
アメリカ合衆国特許第4590231号及び同第4668721号には、ポリオレフィン組成物の安定化のための、脂肪酸の金属塩及びフェノール系酸化防止剤と一緒になったN,N−ジベンジルヒドロキシルアミン又は他のヒドロキシルアミン誘導体の使用が開示されている。前記組成物も、有機燐化合物又は立体障害アミン安定剤を含んでよい。
【0009】
アメリカ合衆国特許第5013510号には、直接酸化による長鎖N,N−ジアルキルヒドロキシルアミンの製造方法が教示されている。ポリオレフィン組成物の安定化に対して、長鎖N,N−ジアルキルヒドロキシルアミンが有効であることが述べられている。
【0010】
アメリカ合衆国特許第5596033号には、選ばれた立体障害アミンと、N,N−ジ(水素化獣脂)アミンの直接酸化により製造されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンとからなる二成分系を用いるポリプロピレン繊維の安定化が開示されている。
【0011】
アメリカ合衆国特許第5149774号には、既に開示されたポリオレフィン樹脂の再生中の着色を低減させるためのヒドロキシルアミン誘導体の使用が開示されている。
【0012】
アメリカ合衆国特許第5844029号及び同第5880191号には、熱可塑性樹脂の安定化のための飽和炭化水素アミンオキシドの使用が開示されている。前記熱可塑性組成物は、更にフェノール系安定剤、立体障害アミン光安定剤、紫外線吸収剤、有機燐化合物、脂肪酸のアルカリ金属塩及びチオ相乗剤からなる群から選択された安定剤又は安定剤混合物を含み得ることが開示されている。ポリオレフィンを安定化するためのアミンと他の安定剤との共同使用は例示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第4590231号明細書
【特許文献2】米国特許第4668721号明細書
【特許文献3】米国特許第4782105号明細書
【特許文献4】米国特許第4876300号明細書
【特許文献5】米国特許第4649221号明細書
【特許文献6】米国特許第4691015号明細書
【特許文献7】米国特許第4703073号明細書
【特許文献8】米国特許第4782105号明細書
【特許文献9】米国特許第4876300号明細書
【特許文献10】米国特許第4590231号明細書
【特許文献11】米国特許第4668721号明細書
【特許文献12】米国特許第5013510号明細書
【特許文献13】米国特許第5596033号明細書
【特許文献14】米国特許第5149774号明細書
【特許文献15】米国特許第5844029号明細書
【特許文献16】米国特許第5880191号明細書
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】ポリマー科学及び工学大辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering) ,Wiler Interscience,1988,Vol.14,第659〜670頁
【非特許文献2】アール.ゲヒター(R.Gaechter),エイチ.ミュラー(H.Mueller) ,”プラスチック添加剤ハンドブック(Plastic Additives Handbook)”,Hanser Publishers ,第40〜71頁(1990)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
有機ホスフィット又はホスホナイト及び立体障害アミン安定剤と一緒になったヒドロキシルアミン誘導体の組み合わせは、回転成形法において優れた安定性を示すことが今や判った。本発明に従って製造された中空成形品は、優れた初期色及びガス劣化耐性を示す。
【課題を解決するための手段】
【0016】
従って、本発明は、
(a)有機ホスフィット及びホスホナイトの群からの少なくとも一つの化合物、
(b)(i)ヒドロキシルアミン誘導体、及び
(ii)アミンオキシド誘導体
からなる群から選択された一つ又はそれより多くの化合物、並びに
(c)立体障害アミン安定剤からなる群からの少なくとも一つの化合物
からなる安定剤組み合わせをポリオレフィンに投入し、
この混合物を成形型内に充填し、安定化されたポリオレフィンが溶融するように前記成形型をオーブン中で280℃以上に加熱し、前記成形型を少なくても二軸の回りに回転させ、可塑性材料を壁面に広げ、なお回転させながら前記成形型を冷却し、該成形型を開き、次いで得られた中空製品を取り出すことからなるポリオレフィン中空製品の新規製造方法に関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
成分(a)が少なくとも一つの次式(1),(2),(3),(4),(5),(6)及び(7):
【化1】

【化2】

〔式中、指数は整数であり、そして
nは2,3又は4であり、pは1又は2であり、qは2又は3であり、rは4ないし12であり、yは1,2又は3であり、そしてzは1ないし6であり、
1は、nが2である場合は、炭素原子数2ないし18のアルキレン基;酸素原子,硫
黄原子又は−NR4基により中断された炭素原子数2ないし12のアルキレン基;次式:
【化3】

で表わされる基又はフェニレン基を表わし、
1は、nが3である場合は、式−Cr2r-1で表わされる基を表わし、
1は、nが4である場合は、次式:
【化4】

で表わされる基を表わし、
2は、nが2である場合のA1 に対して定義されたものと同じ意味を表わし、
Bは直接結合、−CH2−基、−CHR4−基、−CR14−基、硫黄原子、炭素原子数5ないし7のシクロアルキリデン基、又は3,4及び/又は5位が1ないし4個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたシクロヘキシリデン基を表わし、
1は、pが1である場合は、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、そして、
pが2である場合は、−CH2 OCH2 −基を表わし、
2は、pが1である場合は、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
Eは、yが1である場合は、炭素原子数1ないし18のアルキル基、−OR1基又はハ
ロゲン原子を表わし、
Eは、yが2である場合は、−O−A2−O−基を表わし、
Eは、yが3である場合は、式R4C(CH2O−)3又はN(CH2CH2O−)3で表わされる基を表わし、
Qは少なくともz価のアルコール又はフェノールの基を表わし、前記基は酸素原子を介して燐原子に結合しており、
1,R2及びR3は互いに独立して、非置換又はハロゲン原子,−COOR4 基,−C
N基若しくは−CONR44基により置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基;酸素原子,硫黄原子又は−NR4基により中断された炭素原子数2ないし18のアルキル
基;炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;フェニル基又はナフチル基;ハロゲン原子,全体で1ないし18個の炭素原子を有する1ないし3個のアルキル基若しくはアルコキシ基により、又は炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基により置換されたナフチル基又はフェニル基;又は次式:
【化5】

(式中、mは3ないし6の範囲の整数である)で表わされる基を表わし、
4は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシ
クロアルキル基又は炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基を表わし、
5及びR6は互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基又は炭素原子数5若しくは6のシクロアルキル基を表わし、
7及びR8は、qが2である場合は、互いに独立して、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、又は一緒になって2,3−デヒドロペンタメチレン基を表わし、そして
7及びR8は、qが3である場合は、メチル基を表わし、
14は水素原子、炭素原子数1ないし9のアルキル基又はシクロヘキシル基を表わし、
15は水素原子又はメチル基を表わし、そして、二つ又はそれより多くの基R14及びR15が存在する場合は、これらの基は同一であり又は異なり、
X及びYは各々、直接結合又は酸素原子を表わし、
Zは直接結合、メチレン基、−C(R162−基又は硫黄原子を表わし、そして
16は炭素原子数1ないし8のアルキル基を表わす〕からなる群から選択される化合物である新規方法は重要である。
【0018】
炭素原子数2ないし18のアルキレン基は分岐又は非分岐基、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基又はオクタデカメチレン基である。炭素原子数2ないし12のアルキレン基、とりわけ炭素原子数2ないし8のアルキレン基が好ましい。
【0019】
酸素原子、硫黄原子又は−NR4−基により中断された炭素原子数2ないし18のアル
キレン基は、例えば、−CH2−O−CH2−基、−CH2−S−CH2−基、−CH2−N
H−CH2−基、−CH2−N(CH3)−CH2−基、−CH2−O−CH2CH2−O−C
2−基、−CH2−(O−CH2CH22O−CH2−基、−CH2−(O−CH2CH23O−CH2−基、−CH2−(O−CH2CH24O−CH2−基又は−CH2CH2−S−CH2CH2−基である。
【0020】
炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数5ないし7のシクロアルキリデン基(好ましくは、1ないし3個、とりわけ1又は2個の分岐又は非分岐アルキル基を含む)は、例えば、シクロペンチリデン基、メチルシクロペンチリデン基、ジメチルシクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、メチルシクロヘキシリデン基、ジメチルシクロヘキシリデン基、トリメチルシクロヘキシリデン基、第三ブチルシクロヘキシリデン基又はシクロヘプチリデン基である。シクロヘキシリデン基及び第三ブチルシクロヘキシリデン基が好ましい。
【0021】
18個までの炭素原子を有するアルキル基は、分岐又は非分岐基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、
第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基又はオクタデシル基である。
【0022】
ハロゲン原子(ハロ)は、例えば、塩素原子、臭素原子又は沃素原子である。塩素原子が好ましい。
【0023】
酸素原子、硫黄原子又は−NR4−基により中断された炭素原子数2ないし18のアル
キル基は、例えば、CH3−O−CH2−基、CH3−S−CH2−基、CH3−NH−CH2−基、CH3−N(CH3)−CH2−基、CH3−O−CH2CH2−O−CH2−基、CH3−(O−CH2CH22O−CH2−基、CH3−(O−CH2CH23O−CH2−基又は
CH3−(O−CH2CH24O−CH2−基である。
【0024】
炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基は、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基又は2−フェニルエチル基である。ベンジル基及びα,α−ジメチルベンジル基が好ましい。
【0025】
非置換又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基は、例えば、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基、第三ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基又はシクロドデシル基である。シクロヘキシル基及び第三ブチルシクロヘキシル基が好ましい。
【0026】
18個までの炭素原子を有するアルコキシ基は、分岐又は非分岐基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、デシロキシ基、テトラデシロキシ基、ヘキサデシロキシ基又はオクタデシロキシ基である。1ないし12個、とりわけ1ないし8個、例えば1ないし6個の炭素原子を有するアルコキシ基が好ましい。
【0027】
成分(a)が式(1),(2),(5)及び(6)〔式中、
nは数2であり、そしてyは数1,2又は3であり、
1は炭素原子数2ないし18のアルキレン基、p−フェニレン基又はp−ビフェニレ
ン基を表わし、
Eは、yが1である場合は、炭素原子数1ないし18のアルキル基、−OR1又は弗素
原子を表わし、
Eは、yが2である場合は、p−ビフェニレン基を表わし、
Eは、yが3である場合は、N(CH2CH2O−)3基を表わし、
1,R2及びR3は互いに独立して、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子
数7ないし9のフェニルアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、又は全体で1ないし18個の炭素原子を有する1ないし3個のアルキル基により置換された他フェニル基を表わし、
14は水素原子又は炭素原子数1ないし9のアルキル基を表わし、
15は水素原子又はメチル基を表わし、
Xは直接結合を表わし、
Yは酸素原子を表わし、
Zは直接結合又は−CH(R16)−基を表わし、そして
16は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わす〕から選択された少なくとも一つの化合物である新規方法が特に重要である。
【0028】
成分(a)が式(1),(2),(5)及び(6)〔式中、
nは数2であり、そしてyは数1又は3であり、
1はp−ビフェニレン基を表わし、
Eは、yが1である場合は、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基又は弗素原子を表わし、
Eは、yが3である場合は、N(CH2CH2O−)3基を表わし、
1,R2及びR3は互いに独立して、炭素原子数1ないし18のアルキル基、又は全体
で2ないし12個の炭素原子を有する2又は3個のアルキル基により置換された他フェニル基を表わし、
14はメチル基又は第三ブチル基を表わし、
15は水素原子を表わし、
Xは直接結合を表わし、
Yは酸素原子を表わし、
Zは直接結合、メチレン基又は−CH(CH3)−基を表わす〕から選択された少なく
とも一つの化合物である新規方法も同様に重要である。
【0029】
成分(a)が式(1),(2)及び(6)から選択された少なくとも一つの化合物である方法が重要である。
【0030】
成分(a)が少なくとも一つの次式(I):
【化6】

〔式中、
17及びR18は互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、シクロヘキシル基又はフェニル基を表わし、そして
19及びR20は互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わす〕で表わされる化合物である方法は特に好ましい。
【0031】
下記の化合物は、本新規方法における成分(a)として使用するために特に適する有機ホスフィット及びホスホナイトの例である:トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット〔イルガフォス(商標名:Irgafos)168,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーテッド(Ciba Specialty Chemicals Corp.)〕、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ第三ブチ
ルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット〔式(D)〕、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット〔式(E)〕、ビス−イソデシロキシ−ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジホスホナイト〔イルガフォス(商標名:Irgafos)P−EPQ,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーテッド(Ciba Specialty Chemicals Corp.),式(H)〕、6−イソオクチロキシ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン〔式(C)〕、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン〔式(A)〕、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット〔式(G)〕。
【0032】
特に好ましくは、本新規方法における成分(a)として、下記のホスフィット及びホスホナイトが使用される:トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット〔イルガフォス(商標名:Irgafos)168,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corp.)〕、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、次式で表わされる化合物:
【化7】

【化8】

【0033】
本新規方法における成分(a)として、下記の化合物を使用することは非常に特別に好ましい:トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット〔イルガフォス(商標名:Irgafos)168,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corp.)〕、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット〔イルガフォス(商標名:Irgafos)38,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corp.),式(G)〕、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット〔ウルトラノックス(商標名:Ultranox)626,ジーイー・ケミカルズ(GE Chemicals),式(D)〕、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジホスホナイト〔イルガフォス(商標名:Irgafos)P−EPQ,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemical
s Corp.),式(H)〕、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット〔イルガフォス(商標名:Irgafos)12,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corp.),式(B)〕、ウルトラノックス(商標名:Ultranox)641,〔ジーイー・ケミカルズ(GE Chemicals),式(J)〕、ドヴァーホス(商標名:Doverphos)S9228〔ドヴァー・ケミカルズ(Dover Chemicals),式(K)〕、又はマーク(商標名:Mark)HP10〔アデカ・アーガス(Adeka Argus),式(L)〕。
【0034】
前記有機ホスフィット及びホスホナイトは公知化合物である:それらの多くは市販されている。
【0035】
成分(a)の有機ホスフィット及びホスホナイトは好ましくは、安定化すべきポリオレフィン中空製品の重量に対して、約0.01%ないし約10%、特に約0.05%ないし約5%、代表的には約0.1%ないし約3%の量使用される。
【0036】
本新規方法で用いられる成分(i)のヒドロキシルアミン誘導体は次式(II):
【化9】

〔式中、
1は1ないし36個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、5ないし1
2個の炭素原子を有するシクロアルキル基、7ないし9個の炭素原子を有するアルアルキル基、或いは1ないし12個の炭素原子を有する一つ若しくは二つのアルキル基により又は一つ若しくは二つのハロゲン原子により置換された7ないし9個の炭素原子を有するアルアルキル基を表わし、
2は水素原子を表わし、又は独立して、T1に対して定義されたものと同じ意味を表わす〕で表わされる。
【0037】
36個までの炭素原子を有するアルキル基は直鎖又は分岐鎖基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基又はオクタデシル基である。
【0038】
炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基は、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基又はシクロドデシル基である。シクロヘキシル基が好ましい。
【0039】
炭素原子数7ないし9のアルアルキル基は、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基又は2−フェニルエチル基である。ベンジル基及びα,
α−ジメチルベンジル基が好ましい。
【0040】
ハロゲン原子(ハロ)は、例えば、塩素原子、臭素原子又は沃素原子である。塩素原子が好ましい。
【0041】
成分(i)の化合物が式(II)〔式中、T1及びT2は独立して、ベンジル基、エチル基、オクチル基、ラウリル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基又はオクタデシル基を表わす、又は式中、T1及びT2は各々、水素化獣脂アミン中に見出されるアルキル基混合物である〕で表わされるN,N−ジヒドロカルビルヒドロキシルアミンである方法が好ましい。
【0042】
成分(i)の化合物がN,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジドデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−テトラデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−ヘプタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、及びN,N−ジ(水素化獣脂)ヒドロキシルアミンからなる群から選択されたN,N−ジヒドロカルビルヒドロキシルアミンである方法がとりわけ好ましい。
【0043】
成分(i)が、N,N−ジ(水素化獣脂)アミン〔イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042,チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corp.)〕の直接酸化により製造されるN,N−ジ(アルキル)ヒドロキシルアミン生成物である方法が特に好ましい。
【0044】
成分(ii)のアミンオキシド誘導体は一般式(III):
【化10】

〔式中、
1及びG2は独立して、6ないし36個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、6ないし12個の炭素原子を有するアリール基、7ないし36個の炭素原子を有するアルアルキル基、7ないし36個の炭素原子を有するアルカリール基、5ないし36個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6ないし36個の炭素原子を有するアルクシクロアルキル基又は6ないし36個の炭素原子を有するシクロアルキルアルキル基を表わし、
3は1ないし36個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、6ないし1
2個の炭素原子を有するアリール基、7ないし36個の炭素原子を有するアルアルキル基、7ないし36個の炭素原子を有するアルカリール基、5ないし36個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6ないし36個の炭素原子を有するアルクシクロアルキル基又は6ないし36個の炭素原子を有するシクロアルキルアルキル基を表わし、
但し、G1,G2及びG3の少なくとも一つはβ炭素−水素結合を含み、そして、
前記アルキル基、アルアルキル基、アルカリール基、シクロアルキル基、アルクシクロアルキル基及びシクロアルキルアルキル基は、1ないし16個の−O−基、−S−基、−SO−基、−SO2−基、−COO−基、−OCO−基、−CO−基、−NG4−基、−C
ONG4−基及び−NG4CO−基により中断されてよく、又は前記アルキル基、アルアルキル基、アルカリール基、シクロアルキル基、アルクシクロアルキル基及びシクロアルキルアルキル基は、−OG4基、−SG4基、−COOG4基、−OCOG4基、−COG4
、−N(G42基、−CON(G42基、−NG4COG4基、並びに−C(CH3)(C
2x)NL(CH2x)(CH3)C−基を含む5−及び6−員環から選択された1な
いし16個の基により置換されてよく、又は前記アルキル基、アルアルキル基、アルカリール基、シクロアルキル基、アルクシクロアルキル基及びシクロアルキルアルキル基は、上述の基により中断され且つ置換されており、そして
式中、
4は独立して、水素原子又は1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基を表わし、
xは水素原子又はメチル基を表わし、
Lは炭素原子数1ないし30の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基部分、−C(O)R基部分(式中、Rは炭素原子数1ないし30の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を表わす)、又は−OR基部分(式中、Rは炭素原子数1ないし30の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を表わす)を表わし、そして
前記アリール基は一つないし三つのハロゲン原子、1ないし8個の炭素原子を有するアルキル基、1ないし8個の炭素原子を有するアルコキシ基又はこれらの組み合わせにより置換されてよい〕で表わされる飽和第三アミンオキシドである。
【0045】
6ないし12個の炭素原子を有するアリール基は、例えば、フェニル基、ナフチル基、チエニル基又はピリジル基である。
【0046】
式(III)の好ましい構造は、式中、G1及びG2が独立して、ベンジル基又は置換ベンジル基を表わすものである。G1,G2及びG3の各々が同一の残基を表わすことも可能
である。G1及びG2は好ましくは、8ないし26個の炭素原子を有するアルキル基も表わし、そして最も好ましくは、10ないし26個の炭素原子を有するアルキル基を表わし、そしてG3は好ましくは、1ないし22個の炭素原子を有するアルキル基を表わし、そし
て最も好ましくは、メチル基又は置換メチル基を表わす。更に、好ましいアミンオキシドは、式中、G1,G2及びG3が6ないし36個の炭素原子を有する同一のアルキル基を表
わすものを包含する。好ましくは、G1,G2及びG3のための全ての前述の残基が、飽和
炭化水素残基又は少なくとも一つの前述の−O−基、−S−基、−SO−基、−CO2
基、−CO−基又は−CON−基を含む飽和炭化水素残基である。当業者は、本発明から逸脱することなく、G1,G2及びG3の各々のための他の有用な残基を予想することがで
きるであろう。
【0047】
成分(ii)の飽和アミンオキシドは、ポリ(アミンオキシド)も含み得る。ポリ(アミンオキシド)は、分子当たり少なくとも二つの第三アミンオキシドを含む第三アミンオキシドを意味する。“ポリ(第三アミンオキシド)”とも呼ばれる具体的なポリ(アミンオキシド)は、例えば、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,10−ジアミノデカン、及び1,4−ジアミノシクロヘキサンのような脂肪族及び脂環式ジアミン、並びに、例えば、ジアミノアントラキノン及びジアミノアニソールのような芳香族ベースのジアミンからなる第三アミンオキシド同族体を包含する。
【0048】
上述のジアミンのオリゴマー及びポリマーから誘導される第三アミンオキシドも成分(ii)に含まれる。有用なアミンオキシドは更に、ポリマー例えば、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン及び同種のものに結合したアミンオキシドを含む。前記アミンオキシドがポリマーに結合している場合には、分子当たりのアミンオキシドの平均数は、全てのポリマー鎖が一つのアミンオキシドを含む必要はないので広範に変化し得る。全ての前述のアミンオキシドは、所望により、少なくとも一つの−O−基、−S−基、−SO−基、−CO2−基、−CO−基又は−CONG4−基部
分を含んでよい。好ましい態様において、前記ポリマー状第三アミンオキシドの各々の第三アミンオキシドは炭素原子数1の残基を含む。
【0049】
式(III)の基G1,G2及びG3は、一つの立体障害アミンを含む一つの分子に結合
してよい。立体障害アミンは従来知られており、そして、本発明のアミンオキシドは何らかの方法で前記立体障害アミンに及び前記立体障害アミンの構造部分に結合してよい。成分(ii)の化合物の一部である場合の有用な立体障害アミンは、一般式(IV)及び(V):
【化11】

〔式中、L及びRxは上記において定義されたものと同じ意味を表わす〕で表わされるも
のを包含する。分子当たり一つより多い立体障害アミン及び一つより多い飽和アミンを含むアミンオキシドも含まれる。前記立体障害アミンは、上述の如く、ポリ(第三アミンオキシド)に又はポリマー状基材に結合してよい。
【0050】
成分(b)の化合物は、好ましくは、安定化すべきポリオレフィン中空製品の重量に対して、全体で、約0.0005重量%ないし5重量%、特に約0.001重量%ないし2重量%、代表的には約0.01重量%ないし2重量%の量使用される。
【0051】
本新規方法に用いられる成分(c)は、次式(VI):
【化12】

〔式中、Rxは水素原子又はメチル基を表わす〕で表わされる少なくとも一つの基を含む
少なくとも一つの化合物である。好ましくは、Rxは水素原子を表わす。好ましくは、成
分(c)は高分子量のものであり、そして、個別の化合物又はオリゴマー状混合物であってよい。
【0052】
成分(c)の特に好ましい立体障害アミンは次式:
【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

〔式中、m及びnは2ないし200の範囲の数である〕で表わされる。
【0053】
立体障害アミン型の化合物は既知であり、そして幾つかは市販されている。
【0054】
チヌヴィン(商標名:Tinuvin)及びシマソルブ(商標名:Chimassorb)はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corporation)〕の保護された商標名である。サンデュボアー(商標名:Sanduvor)及びホスタヴィン(Hostavin)はクラリアント(Clariant)の保護された商標名である。シアソルブ(商標名:Cyasorb)はシテック・コーポレーション(Cytec Corporation)の保護された商標名である。ウヴィヌル(商標名:Uvinul)はBASFの保護された商標名である。ウヴァシル(商標名:Uvasil)はエニケム(Enichem)の保護された商標名である。ウヴァソルブ(商標名:Uvasorb)は3Vシグマ(3V
Sigma)の保護された商標名である。
【0055】
成分(c)の立体障害アミンは好ましくは、安定化すべきポリオレフィン中空製品の重量に対して、約0.01重量%ないし10重量%、特に約0.05重量%ないし5重量%、代表的には約0.1重量%ないし3重量%の量使用される。
【0056】
成分(a),(b)及び(c)からなる安定剤組み合わせは、回転成形法により製造されるポリオレフィン中空製品を安定化するために適している。
【0057】
ポリオレフィンの例は下記のものである。
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィンのポリマー、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋されていてよい)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、
低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE),(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0058】
ポリオレフィン、すなわち先の段落で例示したモノオレフィン、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンのポリマーは、異なる方法により製造することができ、そして、とりわけ下記の方法により製造することができる。
【0059】
i)ラジカル重合(通常、高圧及び高められた温度の下で行われる)。
ii)通常、周期律表の族IVb,Vb,VIb又はVIIIの1種又は1種よりも多くの金属を含む触媒を使用する触媒重合。前記金属は、通常1種又はそれより多くの配位子を有しており、代表的にはp−又はs−配位されていてよい酸化物、ハロゲン化物、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールである。前記金属錯体は、遊離の形態にあってもよいし又は基材上に、代表的には活性化塩化マグネシウム、三塩化チタン、アルミナ又は酸化珪素上に担持されていてもよい。前記触媒は、重合媒体に可溶性であってもよいし又は非可溶性であってもよい。前記触媒は重合の際に単独で使用してもよく、又は別の活性剤、代表的には金属アルキル、金属ハイドライド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシド若しくは金属アルキルオキサンを使用してもよい(前記金属は、周期律表の族Ia,IIa及び/又はIIIaの元素である)。活性剤は、別のエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル類を用いて都合良く変性されていてよい。前記触媒系は、通常、フィリップス(Phillips)触媒,スタンダード オイルインディアナ(Standard Oil Indiana)触媒,チーグラー(−ナッタ)〔Ziegler(−Natta)〕触媒,TNZ〔デュポン(DuPont)〕触媒,メタロセン触媒又はシングルサイト触媒(SSC)と呼ばれる。
【0060】
2.1.で記述したポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)及び異なる種類のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0061】
3.モノオレフィンとジオレフィンとの互いの又はその他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びその低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー及びこれらの一酸化炭素とのコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(イオノマー)、並びにエチレンとプロピレン及びジエン例えばヘキサジエン、ジシクロテンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンとのターポリマー;並びに前記コポリマーの混合物及び前記コポリマーと上記1.において記載したポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレン−コポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互又はランダムポリアルキレン/一酸化炭素−コポリマー並びにそれらの他のポリマー例えばポリアミドとの混合物。
【0062】
好ましいポリオレフィンはポリエチレン又はポリプロピレン、並びにモノ−及びジオレフィンとのそれらのコポリマーである。
【0063】
成分(a),(b)及び(c)に加えて、本新規方法は、例えば下記のもののような別の共安定剤(添加剤)を含んでもよい。
【0064】
1.酸化防止剤
1.1.アルキル化モノフェノール
例えば、2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノ−ル、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノ−ル、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、側鎖が直鎖状又は分岐鎖状であるノニルフェノール、例えば、2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0065】
1.2.アルキルチオメチルフェノール
例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0066】
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン
例えば、2,6−ジ第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0067】
1.4.トコフェロール
例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0068】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル
例えば、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0069】
1.6.アルキリデンビスフェノール
例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メ
チルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール−ビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0070】
1.7.O−,N−及びS−ベンジル化合物
例えば、3,5,3’,5’−テトラ第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル4−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0071】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート
例えば、ジオクタデシル2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0072】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物
例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0073】
1.10.トリアジン化合物
例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0074】
1.11.ベンジルホスホネート
例えば、ジメチル2,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0075】
1.12.アシルアミノフェノール
例えば、4−ヒドロキシラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、オクチルN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0076】
1.13.β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下の一価又は多価アルコールとのエステル
アルコールの例:メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0077】
1.14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と以下の一価又は多価アルコールとのエステル
アルコールの例:メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0078】
1.15.β−(3,5−ジシクロシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下の一価又は多価アルコールとのエステル
アルコールの例:メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0079】
1.16.3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と以下の一価又は多価アルコールとのエステル
アルコールの例:メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0080】
1.17.β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド
例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド〔ユニロイヤル(Uniroyal)社から提供されるナウガード(商標名;Naugard )XL−1〕。
【0081】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0082】
1.19.アミン系酸化防止剤
例えば、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン例えばp,p’−ジ第三ブチル−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イ
ル)ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール。
【0083】
2.紫外線吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル) ベンゾトリアゾール
例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換体;次式:[R−CH2CH2−COO−CH2CH22−(式中、Rは3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ
−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル基を表わす)で表わされる化合物、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0084】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン
例えば、4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクチルオキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2’,4’−トリヒドロキシ−及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0085】
2.3.置換及び非置換安息香酸エステル
例えば、4−第三ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ第三ブチルフェニル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート
、2−メチル−4,6−ジ第三ブチルフェニル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0086】
2.4.アクリレート
例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニル−アクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート及びN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
【0087】
2.5.ニッケル化合物
例えば、2,2’−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば1:1又は1:2錯体であって、所望によりn−ブチルアミン、トリエタノールアミン若しくはN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような他の配位子を伴うもの、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステル、例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルベンジルホスホン酸のメチル若しくはエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム例えば2−ヒドロキシ−4−メチル−フェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体であって、所望により他の配位子を伴うもの。
【0088】
2.6.オキサミド
例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ第三ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ第三ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサルアミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エチルオキサニリド及び該化合物と2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ第三ブチルオキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物及びo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0089】
2.7.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0090】
3.金属奪活剤
例えば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0091】
4.ニトロン
例えば、N−ベンジル−α−フェニル−ニトロン、N−エチル−α−メチル−ニトロン、N−オクチル−α−ヘプチル−ニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシル−ニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシル−ニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシル−ニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシル−ニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシル−ニトロン、N,N−ジ(水素添加された獣脂)ヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0092】
5.チオ相乗剤
例えば、ジラウリルチオジプロピオネート又はジステアリルチオジプロピオネート。
【0093】
6.過酸化物掃去剤
例えば、β−チオジプロピオン酸エステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール又は2−メルカプトベンズイミダゾール亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0094】
7.塩基性補助安定剤
例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート及びカリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレート又は亜鉛ピロカテココレート。
【0095】
8.核剤
例えば、無機物質、例えばタルク、金属酸化物、例えば、二酸化チタン又は酸化マグネシウム、好ましくはアルカリ土類金属の燐酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;有機化合物、例えば、モノ−又はポリカルボン酸及びその塩、例えば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;ポリマー状化合物、例えばイオン性コポリマー〔“イオノマー”〕。
【0096】
9.充填剤及び強化剤
例えば、炭酸カルシウム、珪酸塩、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、タルク、陶土、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、黒鉛、木材粉末、
及び他の天然産物の粉末又は繊維、合成繊維。
【0097】
10.ベンゾフラノン及びインドリノン
例えばUS4325863、US4338244、US5175312、US5216052、US5252643、DE−A−4316611、DE−A−4316622、DE−A−4316876、EP−A−0589839又はEP−A−0591102に開示されたもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン。
【0098】
11.その他の添加剤
例えば、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤、清澄剤及び発泡剤。
【0099】
共安定剤は、例えば、安定化すべきポリオレフィンの全重量に対して、約0.01重量%ないし約10重量%の濃度で添加する。
【0100】
充填材及び強化剤(前記リストの項目9)、例えば、タルク、炭酸カルシウム、雲母又は陶土は、安定化すべきポリオレフィンの全重量に対して、約0.01重量%ないし約40重量%の濃度でポリオレフィンに添加する。
【0101】
充填材及び強化剤(前記リストの項目9)、例えば、金属水酸化物、とりわけ水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムは、安定化すべきポリオレフィンの全重量に対して、約0.01重量%ないし約60重量%の濃度でポリオレフィンに添加する。
【0102】
充填材としてのカーボンブラックは、適切には、安定化すべきポリオレフィンの全重量に対して、約0.01重量%ないし約5重量%の濃度でポリオレフィンに添加する。
【0103】
強化剤としてのガラス繊維は、適切には、安定化すべきポリオレフィンの全重量に対して、約0.01重量%ないし約20重量%の濃度でポリオレフィンに添加する。
【0104】
成分(a),(b)及び(c)に加えて、更に別の添加剤、とりわけフェノール系酸化防止剤、光安定剤又は加工安定剤を含む方法が好ましい。
【0105】
とりわけ好ましい付加的な添加剤は、フェノール系酸化防止剤(前記リストの項目1.1ないし1.17)及び過酸化物掃去剤(前記リストの項目6)である。
【0106】
ポリオレフィンへの成分(a),(b)及び(c)並びに所望により別の添加剤の配合は、例えば成形前後に、或いは又、ポリオレフィンに溶解又は分散された安定剤混合物を塗布し、所望により、続いて溶媒を蒸発させることにより、公知方法で行われる。成分(a),(b)及び(c)並びに所望により別の添加剤からなる安定剤混合物は、例えば、約2.5重量%ないし約25重量%の濃度で前記成分を含むマスターバッチの形態で、安定化すべきポリオレフィンに添加してもよい。
【0107】
成分(a),(b)及び(c)並びに所望により別の添加剤は、重合前又は重合中に或いは架橋前に添加してもよい。
【0108】
成分(a),(b)及び(c)並びに所望により別の添加剤は、純粋な形態で、又はワックス,オイル若しくはポリマー中にカプセル化されて、安定化すべきポリオレフィンに配合されてよい。
【0109】
成分(a),(b)及び(c)並びに所望により別の添加剤は、安定化すべきポリオレフィンに噴霧されてもよい。それらは他の添加剤(例えば、上記の慣用の添加剤)又はそれらの溶融物を希釈することも可能であり、その結果、それらを前記添加剤と一緒に、安定化すべきポリオレフィンに噴霧することもできる。重合触媒の奪活中の噴霧による添加(例えば、奪活のために使用されるスチームを用いて噴霧を行うことが可能である)は特に都合が良い。
【0110】
球状重合されたポリオレフィンの場合には、例えば、成分(a),(b)及び(c)を、所望により他の添加剤と一緒に、噴霧により塗布することが都合が良いであろう。
【0111】
本回転成形法の間、温度は都合良くは、約200℃ないし400℃、好ましくは約280℃ないし400℃、例えば、約310℃ないし400℃の範囲に達する。
【0112】
本発明の好ましい態様は、回転成形法により製造されたポリオレフィンのための、成分(a),(b)及び(c)を含む安定剤組み合わせの使用に関するものである。
【実施例】
【0113】
下記の実施例により、本発明をより詳細に説明する。下記の実施例は、如何なる場合でも本発明を限定するものと考えるべきではない。本発明は、本発明の思想及び範疇から逸脱しない特定の実施例の全ての変化及び変形を含むことは明らかである。部及び%は重量による。
【0114】
実施例1:本回転成形法によるポリオレフィン中空製品の製造
ヘキセンと共重合された中密度ポリエチレン〔ノヴァポール(商標名:Novapol)TR−0735,公称のメルトインデックス6.8g/10分,密度0.935g/cm3〕100部を、ステアリン酸カルシウム0.050部及び付加的な添加剤の組み合わ
せとドライブレンドする(下記参照)。この混合物を、マッドドック(Maddock)ミキシングヘッドを備えた24:1L/Dスクリューを使用して、100rpmで、シューペリアー(Superior)/MPM押出機中で、232℃でペレットに溶融配合する。配合されたペレットを、本回転成形法に先立って、均質な粒径(150〜500μm)に粉砕する。前記粉砕工程は、粒子の表面積を増加させ、より迅速な熱吸収を促し、その結果、全体としてのエネルギー消費を低減させる。本回転成形法は、実験室規模の装置FSP M20“クラムシェル(Clamshell)”中で行う。粉砕された樹脂を注型アルミニウム成形型内に配置し、これをガス燃焼オーブン中で二軸方向に回転させる。熱い空気をチャンバー中でブロワーにより循環させ、一方、温度を4分以内に288℃まで上昇させる。この温度を所定時間保持する(下記表を参照)。続いて、前記オーブンを開き、まだ回転させながら、7分間前記成形型を強制空気循環により冷却し、続いて7分間水噴霧ミストを与え、次いで更に2分間冷却工程を設ける。全体の加熱及び冷却サイクルを通して、主軸の速度は4.5:1の回転比と共に6rpmに保持する。この冷却サイクル後、前記成形型を開け、次いで中空物品を取り出す。
【0115】
製剤A(比較例)は、ホスフィット加工安定剤イルガフォス(商標名:Irgafos
)168:0.10部、一次酸化防止剤イルガノックス(商標名:Irganox)1076:0.05部、並びに光及び熱安定剤チヌビン(商標名:Tinuvin)783:0.200部の組み合わせを更にブレンドする。
【0116】
製剤Bは、ホスフィット加工安定剤イルガフォス(商標名:Irgafos)168:0.100部、ヒドロキシルアミン加工安定剤イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042:0.050部、並びに光及び熱安定剤チヌビン(商標名:Tinuvin)783:0.200部の組み合わせを更にブレンドする。
【0117】
製剤Cは、ホスフィット加工安定剤イルガフォス(商標名:Irgafos)P−EPQ:0.100部、ヒドロキシルアミン加工安定剤イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042:0.050部、並びに光及び熱安定剤チヌビン(商標名:Tinuvin)783:0.200部の組み合わせを更にブレンドする。
【0118】
製剤Dは、ホスフィット加工安定剤ウルトラノックス(商標名:Ultranox)626:0.100部、ヒドロキシルアミン加工安定剤イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042:0.050部、並びに光及び熱安定剤チヌビン(商標名:Tinuvin)783:0.200部の組み合わせを更にブレンドする。
【0119】
イルガフォス(商標名:Irgafos)168はトリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィットである。ウルトラノックス(商標名:Ultranox)626はビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィットである。イルガフォス(商標名:Irgafos)P−EPQはテトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジホスホナイトである。イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042は、N,N−ジ(水素添加された獣脂)アミンの直接酸化により製造されたN,N−ジ(アルキル)ヒドロキシルアミンである。チヌビン(商標名:Tinuvin)783は式(H5)及び(H6)で表わされる立体障害アミンの組み合わせである。イルガノックス(商標名:Irganox)1076はオクタデシル3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートである。チヌビン(商標名:Tinuvin)、イルガフォス(商標名:Irgafos)、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)及びイルガノックス(商標名:Irganox)はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corporation)〕の登録商標である。ウルトラノックス(商標名:Ultranox)はジーイー・ケミカルズ(GE Chemicals)の登録商標である。
【0120】
製剤A〜Dは、6ないし14分の保持時間を有する一般的な方法に従って、中空物品に回転成形される。
【0121】
外表面の黄色度指数は、ASTM D1925に基づくDCI SF600分光光度計により決定される。黄色度の増加は黄色度指数の正の増加に相当する。製剤B〜Dは、前記加工条件における色安定性に関して、比較標準製剤Aよりも遥かに優れている。この結果を表1に要約する。
【表1】

【0122】
低温衝撃強さ試験は、備えられた落下重量(11.34kg/50.8cm)衝撃装置ダイナタップ(商標名:Dynatup)8250を用いて行う。試験片は、試験前に−40℃で12時間未満、空気循環フリーザー中で状態調整する。
【0123】
前記衝撃強さの結果(脆性%で示す)を表2に示す。製剤Bは、これらの加工条件下での低温衝撃強さ試験をベースとする脆化モードにおいて、比較標準製剤Aよりも優れていることが判る。
【表2】

【0124】
本発明の安定剤混合物(製剤B〜D)は、従来技術の安定剤混合物(製剤A)に比較して、本回転成形法により製造されたポリオレフィン中空製品の着色を防ぎ且つ安定性を与えることに関して優れている。
【0125】
実施例2:本回転成形法によるポリオレフィン中空製品の製造
製剤Bのチヌビン(商標名:Tinuvin)783を下記の立体障害アミンの各々に置き換えて、実施例1の如く中空製品を製造する。
製剤E:イルガフォス(商標名:Irgafos)168、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042及びチヌビン(商標名:Tinuvin)622〔式(H4)で表わされる化合物〕
製剤F:イルガフォス(商標名:Irgafos)168、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042及びシマソルブ(商標名:Chimassorb)944〔式(H5)で表わされる化合物〕
製剤G:イルガフォス(商標名:Irgafos)168、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042及びシマソルブ(商標名:Chimassorb)119〔式(H9)で表わされる化合物〕
製剤H:イルガフォス(商標名:Irgafos)168、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042及びチヌビン(商標名:Tinuvin)111〔式(H4)で表わされる化合物と式(H9)で表わされる化合物との混合物〕
製剤I:イルガフォス(商標名:Irgafos)168及びシマソルブ(商標名:Chimassorb)2020〔式(H10)で表わされる化合物〕
製剤J:イルガフォス(商標名:Irgafos)168、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042及びシアソルブ(商標名:Cyasorb)UV−3346〔式(H12)で表わされる化合物〕
製剤K:イルガフォス(商標名:Irgafos)168、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042及びシアソルブ(商標名:Cyasorb)UV−3529〔式(H13)で表わされる化合物〕
製剤L:イルガフォス(商標名:Irgafos)168、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042及びウヴァソルブ(商標名:Uvasorb)HA88〔式(H17)で表わされる化合物〕
製剤M:イルガフォス(商標名:Irgafos)168、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042及びチヌビン(商標名:Tinuvin)123〔式(H1)で表わされる化合物〕
製剤N:イルガフォス(商標名:Irgafos)168、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042及び式(H11)で表わされる立体障害アミン
製剤O:イルガフォス(商標名:Irgafos)168、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042及びホスタヴィン(Hostavin)N30〔式(H14)で表わされる化合物〕
製剤P:イルガフォス(商標名:Irgafos)168、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042及びウヴィヌル(商標名:Uvinul)5050H〔式(H15)で表わされる化合物〕
製剤Q:イルガフォス(商標名:Irgafos)168、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042及びウヴァシル(商標名:Uvasil)299〔式(H16)で表わされる化合物〕
製剤R:イルガフォス(商標名:Irgafos)168、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042及びウヴァソルブ(商標名:Uvasorb)HA88〔式(H16)で表わされる化合物〕
【0126】
イルガフォス(商標名:Irgafos)168はトリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィットである。イルガスタッブ(商標名:Irgastab)042は、N,N−ジ(水素添加された獣脂)アミンの直接酸化により製造されたN,N−ジ(アルキル)ヒドロキシルアミンである。イルガフォス(商標名:Irgafos)、イルガスタッブ(商標名:Irgastab)、チヌビン(商標名:Tinuvin)及びイルガノックス(商標名:Irganox)は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corporation)〕の保護された商標名である。シアソルブ(商標名:Cyasorb)はシテック・コーポレーション(Cytec Corporation)の保護された商標名である。ホスタヴィン(Hostavin)はクラリアント(Clariant)の保護された商標名である。ウヴィヌル(商標名:Uvinul)はBASFの保護された商標名である。ウヴァシル(商標名:Uvasil)はエニケム(Enichem)の保護された商標名である。ウヴァソルブ(商標名:Uvasorb)は3Vシグマ(3V Sigma)の保護された商標名である。
【0127】
本発明の安定剤混合物(製剤E〜R)は、従来技術の安定剤混合物(製剤A)に比較して、本回転成形法により製造されたポリオレフィン中空製品の着色を防ぎ且つ安定性を与えることに関して優れている。
【0128】
実施例3:本回転成形法によるポリオレフィン中空製品の製造
製剤B〜DのN,N−ジベンジルヒドロキシルアミンをイルガスタッブ(商標名:Irgastab)042に置き換えて、実施例1の如く中空製品を製造する。有機ホスフィット又はホスホナイト、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン及びチヌビン(商標名:Tinuvin)783を含む本発明の安定剤混合物は、従来技術の安定剤混合物(製剤A)に比較して、本回転成形法により製造されたポリオレフィン中空製品の着色を防ぎ且つ安定性を与えることに関して優れている。
【0129】
実施例4:本回転成形法によるポリオレフィン中空製品の製造
製剤Bのイルガフォス(商標名:Irgafos)168をホスフィット加工安定剤イルガフォス(商標名:Irgafos)38に置き換えて、実施例1の如く中空製品を製造する。チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corporation)〕から市販されているイルガフォス(商標名:Irgafos)38は、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィットである。イルガフォス(商標名:Irgafos)38を含む本発明の安定剤混合物は、従来技術の安定剤混合物(製剤A)に比較して、本回転成形法により製造されたポリオレフィン中空製品の着色を防ぎ且つ安定性を与えることに関して優れている。
【0130】
実施例5:本回転成形法によるポリオレフィン中空製品の製造
製剤B〜Dのイルガスタッブ(商標名:Irgastab)042をアミンオキシドであるゲノックス(商標名:Genox)EPに置き換えて、実施例1の如く中空製品を製造する。有機ホスフィット又はホスホナイト、ゲノックス(商標名:Genox)EP及びチヌビン(商標名:Tinuvin)783を含む本発明の安定剤混合物は、従来技術の安定剤混合物(製剤A)に比較して、本回転成形法により製造されたポリオレフィン中空製品の着色を防ぎ且つ安定性を与えることに関して優れている。ゲノックス(商標名:Genox)EPは、ジーイー・スペシャルティ・ケミカルズ(GE Specialty Chemicals)から市販されているジ(炭素原子数16ないし18)アルキルメチルアミンオキシド,CAS#204933−93−7である。
【0131】
実施例6:本回転成形法によるポリオレフィン中空製品の製造
製剤Bのイルガフォス(商標名:Irgafos)168及びイルガスタッブ(商標名:Irgastab)042をホスフィット加工安定剤イルガフォス(商標名:Irgafos)38及びアミンオキシドであるゲノックス(商標名:Genox)EPに置き換えて、実施例1の如く中空製品を製造する。チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corporation))から市販されているイルガフォス(商標名:Irgafos)38は、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィットである。ゲノックス(商標名:Genox)EPは、ジーイー・スペシャルティ・ケミカルズ(GE Specialty Chemicals)から市販されているジ(炭素原子数16ないし18)アルキルメチルアミンオキシド,CAS#204933−93−7である。イルガフォス(商標名:Irgafos)38、ゲノックス(商標名:Genox)EP及びチヌビン(商標名:Tinuvin)783を含む本発明の安定剤混合物は、従来技術の安定剤混合物(製剤A)に比較して、本回転成形法により製造されたポリオレフィン中空製品の着色を防ぎ且つ安定性を与えることに関して優れている。
【0132】
実施例7:本回転成形法によるポリオレフィン中空製品の製造
鎖状低密度ポリエチレン粉末(ヘキセン共重合体、公称のメルトインデックス3.3dg/分、密度0.938g/cm3)を、ステアリン酸亜鉛(0.05重量%)及び付加
的な添加剤とドライブレンドする(下記参照)。この混合物を、シューペリアー(Superior)/MPM 単一スクリュー押出機(24:1L/D)を使用して、ペレットに溶融配合する。配合されたペレットを、60−70℃の温度において、0.330mmのギャップサイズを備えたリダクションエンジニアリングモデル50粉砕機を使用して、均質な粒径粉末に粉砕する。
回転成形は、立方体(12面体)の注型アルミニウム成形型を備えたFSP M20 クラムシェル(Clamshell)タイプ成形機を使用して行う。前記成形型に粉砕されたポリマー粉末2020gを充填し、274℃(華氏525°)の温度で二軸方向に回転させながらオーブンで加熱する。この加熱は特定時間保持する(下記表を参照)。続いて、前記オーブンを開き、まだ回転させながら、7分間前記成形型を強制空気循環により冷却し、続いて7分間水噴霧ミストを与え、次いで更に2分間冷却工程を設けた。全体の成形サイクルを通して、回転の主軸の速度は6rpmに、また回転の副軸の速度は1.5rpmに保持する。この冷却完了後、前記成形型を開け、次いで中空物品を取り出す。
【0133】
製剤1では、ポリマーにホスフィット加工安定剤イルガフォス(商標名:Irgafos)168(0.12重量%)、アミンN−オキシドであるゲノックス(商標名:GENOX)EP(0.05重量%)及び立体障害アミン光安定剤チヌビン(商標名:Tinuvin)783(0.20重量%)の組み合わせを更にブレンドした。
【0134】
比較製剤1では、ポリマーにホスフィット加工安定剤イルガフォス(商標名:Irgafos)168(0.12重量%)、ヒンダードフェノール系酸化防止剤イルガノックス(商標名:Irganox)1010(0.05重量%)、及び立体障害アミン光安定剤チヌビン(商標名:Tinuvin)783(0.20重量%)の組み合わせを更にブレンドした。
【0135】
比較製剤2では、ポリマーにホスフィット加工安定剤イルガフォス(商標名:Irgafos)168(0.12重量%)、ヒンダードフェノール系酸化防止剤イルガノックス(商標名:Irganox)3114(0.035重量%)、及び立体障害アミン光安定剤チヌビン(商標名:Tinuvin)783(0.20重量%)の組み合わせを更にブレンドした。
【0136】
イルガフォス(商標名:Irgafos)168はトリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィットである。ゲノックス(商標名:Genox)EPは、ジ(炭素原子数16ないし18)アルキルメチルアミンオキシド,CAS#204933−93−7である。イルガノックス(商標名:Irganox)1010は、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]である。イルガノックス(商標名:Irganox)3114は、トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートである。
チヌビン(商標名:Tinuvin)783は、

【化19】

で表される立体障害アミンの組み合わせである。
【0137】
各製剤は、10ないし17分までの保持時間を有する一般的な方法に従って、中空物品に回転成形される。
【0138】
中空物品の内表面の黄色度指数は、ASTM D1925に基づくDCI SF600分光光度計により決定される。黄色度の増加は黄色度指数の正の増加に相当する。製剤1は、より長い加熱時間(14分以上)における回転成形後、色安定性に関して比較製剤1よりも優れており、また加熱時間の全範囲にわたって、比較製剤2よりも優れている。この結果を表3に要約する。
【0139】
【表3】

【0140】
低温衝撃強さ試験は、ASTM D3763に基づき、備えられた落下重量衝撃装置ダイナタップ(商標名:DYNATUP)モデル8250を使用して行う。回転成形された箱から切り取られた試験片は、試験前に−40℃で少なくとも48時間、空気循環フリーザー中で状態調製する。試験片の外表面は衝撃の影響を受けやすい。
【0141】
前記衝撃結果(全衝撃エネルギーとして示す)を表4に示す。製剤1は、特に14分以下の加熱時間を有する回転成形後、低温度衝撃強さにおいて比較製剤1よりも優れていることが判る。製剤1はまた、13分以下の加熱時間を有する回転成形後、低温度衝撃強さにおいて比較製剤2よりも優れている。
【0142】
【表4】

【0143】
成形品の生産性を最大にし、エネルギー消費を減少させるために、最小限の加熱時間で耐衝撃性の物品を成形することが可能であることは重要である。前記物品は最小限の変色を示す。表5は最適な衝撃強さに達するのに必要な加熱時間及び加熱後の黄色度指数を要約したものである。最適な衝撃強さに達するのに最も短時間である点、及び最適な衝撃強さを備える物品に対し最も低い黄色度指数を示す点において、製剤1は比較製剤より優れている。
【0144】
【表5】

【0145】
本安定剤系である製剤1は、2つの最新技術の安定剤系である比較製剤1及び2(アミンオキサイド安定剤の代わりにヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)より明らかに優れている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式(1’)若しくは(5’)で表される有機ホスフィット又は式(2’)で表されるホスホナイトからの少なくとも一つの化合物、
【化20】

(式中、
1はフェニル基又は全体で1ないし18個の炭素原子を有する1ないし3個のアルキ
ル基により置換されたフェニル基を表し、
2は炭素原子数1ないし18のアルキル基、フェニル基又は全体で1ないし18個の
炭素原子を有する1ないし3個のアルキル基により置換されたフェニル基を表し、
3はフェニル基又は全体で1ないし18個の炭素原子を有する1ないし3個のアルキ
ル基により置換されたフェニル基を表す。)
(b)式(III)で表されるアミンオキシド誘導体から選択された一つ又はそれより多くの化合物
【化21】

(式中、
1及びG2は独立して、炭素原子数6ないし22の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を表し、
3は炭素原子数1ないし22の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を表わし)、及び
(c)式(VI’)で表される少なくとも一つの基を含む立体障害アミン安定剤の群からの少なくとも一つの化合物
【化22】

からなる安定剤組み合わせをポリオレフィンに投入し、この混合物を成形型内に充填し、安定化されたポリオレフィンが溶融するように前記成形型をオーブン中で280℃を超えて加熱し、前記成形型を少なくとも二軸の回りに回転させ、可塑性材料を壁面に広げ、な
お回転させながら前記成形型を冷却し、該成形型を開き、次いで得られた中空製品を取り出すことからなるポリオレフィン中空製品の製造方法。

【公開番号】特開2010−270343(P2010−270343A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203640(P2010−203640)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【分割の表示】特願2000−53525(P2000−53525)の分割
【原出願日】平成12年2月29日(2000.2.29)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】