説明

回転渦電流探傷プローブ

【課題】一回の走査で、肉厚金属の深層部の全方向のキズを探傷できる回転渦電流探傷プローブを提供すること。
【解決手段】一対の励磁コイル31a,31bと他の一対の励磁コイル32a,32bにより第1励磁コイル群を形成し、一対の励磁コイル33a,33bと他の一対の励磁コイル34a,34bにより第2励磁コイル群を形成する。各対の2個の励磁コイルは、逆方向の磁界を発生する。第1励磁コイル群の励磁電流と第2励磁コイル群の励磁電流は、位相が90度相違している。第1励磁コイル群と第2励磁コイル群の励磁コイルは、被検査体M2に回転渦電流を発生する。被検査体M2の表面付近の渦電流は相殺して低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、回転磁界を用いた回転渦電流探傷プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の渦電流探傷プローブは、比較的肉厚の薄い鋼板等の金属の探傷に適しているが、厚い金属の深層部の探傷は困難であった。そこで肉厚の厚い金属の内部も探傷できる渦電流探傷プローブが提案されている(特許文献1参照)。
図7は、従来の肉厚の厚い金属の探傷に適した渦電流探傷プローブの構成を示す。図7(a)は、平面図、図7(b)は、図7(a)のX1部分の矢印方向の断面図、図7(c)は、図7(a)のX2方向のコイルの側面図である。
金属の被検査体M1の検査面に円形(パンケーキ状)の検出コイル13をそのコイル面が検査面と平行になるように配置し、検出コイル13の両側にコイル面が四角形の励磁コイル11a,11bと12a,12bを、夫々コイル面が検査面に垂直になるように配置してある。
励磁コイル11a,11bには、逆方向の励磁電流を流し、励磁コイル12a,12bにも逆方向の励磁電流を流す。そして励磁コイル11b,12bには、同方向の励磁電流を流し、励磁コイル11a,12aにも同方向の励磁電流を流す。
【0003】
4個の励磁コイル11a〜12bを前記のように励磁すると、4個の励磁コイルにより被検査体M1の表面に誘導する渦電流は、相殺されて低減するため、検出コイル13は、表面の強い渦電流の影響を受けずに被検査体M1の深層部の渦電流を検出することができる。
しかし図7の渦電流探傷プローブは、キズの方向がプローブの走査方向と垂直になる場合、検出が困難であった。
【0004】
一方キズの方向に関係なく1回の渦電流探傷プローブの走査で全方向のキズを検出できるプローブも提案されている(特許文献2参照)。
図8により全方向のキズを検出できる渦電流探傷プローブを説明する。図8(a)は、平面図、図8(b)は、図8(a)のX1部分の矢印方向の断面図、図8(c)は、図8(a)のX2部分の矢印方向の断面図であり、図8(d)は、回転磁界を説明する図である。
励磁コイル21bは、励磁コイル21a内に挿入してあり、両励磁コイルのコイル面は、直交し、被検査体(図示せず)の検査面に垂直になるように配置してある。励磁コイル21a、励磁コイル21bと検査面の間には、円形(パンケーキ状)の検出コイル22を、コイル面が検査面と平行になるように配置してある。そして励磁コイル21aと励磁コイル21bには、位相が90度異なる励磁電流を流す。検査面に発生する渦電流の方向は、図8(d)のように一周期Tの間に順次方向が変化して360度変わるから、渦電流探傷プローブの一回の走査により全方向のキズを検出することができる。
図8の渦電流探傷プローブは、被検査体の表面の全方向のキズを探傷できるが、深層部のキズの探傷は、困難である。
【0005】
【特許文献1】特開2006−10665号公報
【特許文献2】特開2002−131285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は、前記従来の渦電流探傷プローブの問題点に鑑み、被検査体に回転渦電流を発生(誘導)して全方向のキズを探傷する渦電流探傷プローブにおいて、肉厚の被検査体の深層部のキズを探傷できる回転渦電流探傷プローを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、その目的を達成するため、請求項1に記載の回転渦電流探傷プローブは、2対の励磁コイルのコイル軸が一致しコイル面が被検査体の検査面に垂直な励磁コイル群をN(2以上の整数)群とコイル面が被検査体の検査面に平行な検出コイルを備え、各励磁コイル群の2対の励磁コイルは夫々検出コイルの両側に配置し、各励磁コイル群のコイル軸は検出コイルの中心において交差し「2π/2N」度間隔で配置してあり、各励磁コイル群の各対の2個の励磁コイルは逆方向の磁界を発生し、励磁電流は位相が励磁コイル群毎に「2π/2N」度相違していることを特徴とする。
請求項2に記載の回転渦電流探傷プローブは、請求項1に記載の回転渦電流探傷プローブにおいて、前記Nは2であることを特徴とする。
請求項3に記載の回転渦電流探傷プローブは、請求項1に記載の回転渦電流探傷プローブにおいて、前記Nは3であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本願発明の回転渦電流探傷プローブは、プローブの1回の走査で被検査体の深層部の全方向のキズを検出することができ、かつキズの深さや方向も判別ができるから、肉厚の被検査体のキズを短時間で検出でき、かつ検出精度を高くすることができる。
本願発明の回転渦電流探傷プローブは、励磁コイル群が3群の場合には、励磁コイル群と励磁コイル群の中間部分においてもキズの検出感度が低下することはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1〜図6により本願発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0010】
図1は、回転渦電流探傷プローブの構成を示す。図1(a)は、回転渦電流探傷プローブを金属の被検査体の検査面に配置したときの平面図、図1(b)は、図1(a)のY1部分の矢印方向の断面図、図1(c)は、図1(b)においてコイル支持部材41を省略した図である。
励磁コイル部は、一対の四角形の励磁コイル31a,31bと他の一対の四角形の励磁コイル32a,32bからなる第1励磁コイル群と、一対の四角形の励磁コイル33a,33bと他の一対の四角形の励磁コイル34a,34bからなる第2励磁コイル群とからなる。励磁コイル31a,31b,32a,32bの4個のコイルは、コイル軸(中心軸)Z1が一致し、コイル面(巻き線に囲まれコイル軸と直交する面)が金属の被検査体M2の検査面と垂直になるように配置してある(コイル軸は検査面と平行になる)。同様に励磁コイル33a,33b,34a,34bの4個のコイルも、コイル軸Z2が一致し、コイル面が金属の被検査体M2の検査面と垂直になるように配置してある。そして第1励磁コイル群と第2励磁コイル群は、コイル軸Z1とコイル軸Z2が直交するように配置してある。
円形(パンケーキ状)の検出コイル37は、コイル軸が被検査体M2の検査面と垂直になり(コイル面は平行になる)、コイル軸Z1とコイル軸Z2の交点と一致するように配置してある。即ち検出コイル37は、コイル面の中心がコイル軸Z1とコイル軸Z2の交点になるように配置してある。
第1励磁コイル群と第2励磁コイル群の各励磁コイル及び検出コイル37は、支持部材41に取り付けてある。
【0011】
次に第1励磁コイル群と第2励磁コイル群の各励磁コイルに流す励磁電流について説明する。
まず第1励磁コイル群の場合、一対の励磁コイル31a,31bには、両励磁コイルの発生する磁界が逆方向(逆極性)となるように励磁電流を流す。他の一対の励磁コイル32a,32bも同様に、両励磁コイルの発生する磁界が逆方向(逆極性)となるように励磁電流を流す。そしてその場合、両対の検出コイル37に近い側(内側)の励磁コイル31b,32bは、同方向の磁界を発生し、両対の検出37に遠い側(外側)の励磁コイル31a,32aも同方向の磁界を発生する。
第2励磁コイル群の場合も同様に、一対の励磁コイル33a,33bには、両励磁コイルの発生する磁界が逆方向となり、他の一対の励磁コイル34a,34bにも、両励磁コイルの発生する磁界が逆方向となるように励磁電流を流す。そしてその場合、両対の検出コイル37に近い側(内側)の励磁コイル33b,34bは、同方向の磁界を発生し、両対の検出37に遠い側(外側)の励磁コイル33a,34aも同方向の磁界を発生する。
【0012】
また第1励磁コイル群の励磁電流と第2励磁コイル群の励磁電流は、位相が90度相違している。例えば第1励磁コイル群の励磁コイル31aと第2励磁コイル群の励磁コイル33aは、励磁電流の位相が90度相違し、励磁コイル31bと励磁コイル33bも、励磁電流の位相が90度相違する。他の励磁コイルも同様である。
以上のように第1、第2励磁コイル群の各対の2個の励磁コイルは、逆方向の磁界を発生する。また第1励磁コイル群の励磁電流と第2励磁コイル群の励磁電流は、位相が90度相違している
【0013】
図1の回転渦電流探傷プローブは、第1励磁コイル群の各対の励磁コイルにより被検査体M2に発生する渦電流は、方向が逆になるから表面近くでは相殺されて低減する。同様に第2励磁コイル群の各対の励磁コイルにより被検査体M2に発生する渦電流も、表面近くでは相殺されて低減する。一方第1励磁コイル群の励磁電流と第2励磁コイル群の励磁電流は、位相が90度相違するから、被検査体M2に発生する渦電流は、回転渦電流になる。
したがって図1の回転渦電流探傷プローブは、被検査体M2に回転渦電流を発生するから、プローブの1回の走査で全方向のキズを検出することができる。また被検査体の表面近くの渦電流は相殺されるから、表面近くの大きい渦電流の影響を受けずに被検査体の深層部のキズを探傷することができる。
【0014】
なお各励磁コイル群の各対の2個の励磁コイル、例えば第1励磁コイル群の励磁コイル31a,31bに逆方向の磁界を発生させるには、両励磁コイルに巻線方向が同じものを用い、両励磁コイルに位相が逆の(180度異なる)電源を別々に接続してもよいし、巻線方向が逆のコイルを用い、両励磁コイルに同じ電源を接続してもよい。その他通常用いられている2個のコイルに逆方向の磁界を発生する方法を使用することができる。
【0015】
図2は、回転渦電流探傷プローブの複数の励磁コイル群の配置例を示す。
図2(a)は、2組の励磁コイル群を配置した回転渦電流探傷プローブの例である(図1の回転渦電流探傷プローブと同じ)。
図2(a)の回転渦電流探傷プローブは、一対の励磁コイル31と他の一対の励磁コイル32からなる第1励磁コイル群と、一対の励磁コイル33と他の一対の励磁コイル34からなる第2励磁コイル群を配置してある。両励磁コイル群は、コイル軸Z1,Z2が直交するように配置してある。したがって図2(a)の場合には、第1励磁コイル群の一対の励磁コイル31と第2励磁コイル群の一対の励磁コイル33は、コイル面も直交している。同様に第1励磁コイル群の他の一対の励磁コイル32と第2励磁コイル群の他の一対の励磁コイル34も、コイル面が直交している。
各励磁コイル群の各対の2個の励磁コイルは、逆方向(逆極性)の磁界を発生するように励磁する。また第1励磁コイル群と第2励磁コイル群の励磁電流は、位相が90度相違している。
【0016】
図2(b)は、3組の励磁コイル群を配置した回転渦電流探傷プローブの例である。
図2(b)は、図2(a)の回転渦電流探傷プローブにコイル軸Z3の第3励磁コイル群を付加してある。第3励磁コイル群は、一対の励磁コイル35と他の一対の励磁コイル36からなり、第1,2励磁コイル群と同じ構成のものである。コイル軸Z1,Z2,Z3は、角度60度で交差している。そして、第1,2,3励磁コイル群の励磁電流は、夫々位相が60度相違している。
図2(a)の回転渦電流探傷プローブは、コイル軸Z1,Z2の中間部分(45度付近)に発生する渦電流が小さいため、その部分のキズの検出感度が低くなる。しかし図2(b)の回転渦電流探傷プローブは、第3励磁コイル群を付加したことにより図2(a)の回転渦電流探傷プローブの検出感度の低下をなくすことができる。
以上励磁コイル群が、2群(組)、3群(組)の例について説明したが、コイル群がN(2以上)群の場合には、コイル軸を、「360度(2π)/2N」の間隔で配置し、各励磁コイル群の励磁電流の位相を、「360度(2π)/2N」ずつ相違させる。
【0017】
次に図3〜6により、図1の回転渦電流探傷プローブを用いて行った探傷試験について説明する。
探傷試験には、被検査体として肉厚25mmのSUS316Lを用い、その被検査体に幅0.5mm、長さ40mmで、深さ10,12,15,20mmのキズを放電加工したものを用いた。
回転渦電流探傷プローブの1個の励磁コイルの寸法は、長さ10mm、幅30mm、高さ30mm、検出コイルの寸法は、直径6mm、巻線断面積1mm2である。試験周波数は、10kHzに設定した。
試験は、回転渦電流探傷プローブをキズの方向にキズの中央に沿って走査し、またキズと直交する方向にキズの両端部を走査して行った。
【0018】
図3は、回転渦電流探傷プローブをキズの方向に(走査方向に対してキズの角度は0度)走査したときのキズ信号の0相成分と90度進相成分の振幅特性を示す。なお図は、正規化振幅を示す。
図3(a)は、図1の回転渦電流探傷プローブにおいて、4対の夫々2個の励磁コイル(例えば励磁コイル31a,31b)の発生する磁界が同方向となるように励磁した場合を示し、図3(b)は、その磁界が逆方向となるように励磁した場合を示す。
【0019】
図3(a)、図3(b)において、イは、キズの深さ10mm、ロは、キズの深さ15mm、ハは、キズの深さ20mmの場合である。
図3(a)の場合、キズ信号(検出コイル37の出力)の振幅及び位相は、キズの深さが変わっても大きな違いはない。一方図3(b)の場合、キズ信号の振幅は、キズの深さに対応して変わり、キズ信号の位相は、キズが深くなるほど遅くなる。したがって図3(b)の場合、図1の回転渦電流探傷プローブを、4対の夫々2個の励磁コイルの発生する磁界が逆方向となるように励磁した場合には、キズ信号の振幅及び位相は、キズの深さに対応していることが分かる。
【0020】
図4は、回転渦電流探傷プローブをキズと直交する方向に(走査方向に対してキズの角度は90度)走査したときのキズ信号の0相成分と90度進相成分の振幅特性を示す。なお図は、正規化振幅を示す。
図4(a)は、図1の回転渦電流探傷プローブにおいて、4対の夫々2個の励磁コイル(例えば励磁コイル31a,31b)の発生する磁界が同方向となるように励磁した場合を示し、図4(b)は、その磁界が逆方向となるように励磁した場合を示す。
図4(a)、図4(b)において、イは、キズの深さ10mm、ロは、キズの深さ15mm、ハは、キズの深さ20mmの場合である。
【0021】
図4(a)の場合、キズ信号の振幅及び位相は、キズの深さが変わっても大きな違いはない。一方
図4(b)の場合、キズ信号の振幅は、キズの深さに対応して変わり、キズ信号の位相は、キズが深くなるほど遅くなる。したがって図4(b)の場合、図1の回転渦電流探傷プローブを、4対の夫々2個の励磁コイルの発生する磁界が逆方向となるように励磁した場合には、キズ信号の振幅及び位相は、キズの深さに対応していることが分かる。
【0022】
図5は、回転渦電流探傷プローブをキズの方向に(走査方向に対してキズの角度は0度)走査したときのキズの深さとキズ信号の振幅特性(図5(a))、キズの深さと位相特性(図5(b))を示す。なお図は、正規化振幅と位相を示す。
図において、黒丸は、図1の回転渦電流探傷プローブにおいて、4対の夫々2個の励磁コイル(例えば励磁コイル31a,31b)の発生する磁界が同方向となるように励磁した場合を示し、白丸は、その磁界が逆方向となるように励磁した場合を示す。
【0023】
図5(a)の振幅特性についてみると、キズの深さの変化に対する振幅の変化は、2個の励磁コイルの磁界が同方向の場合よりも磁界が逆方向の場合の方が大きくなる。例えば、キズの深さが20mmと10mmの振幅の差は、磁界が同方向の場合約1.25倍であるのに対して磁界が逆方向の場合には、約2倍になる。したがって2個の励磁コイルの磁界が逆方向の場合には、キズ信号の振幅は、キズの深さに対応している。
また図5(b)の位相特性についてみると、2個の励磁コイルの磁界が同方向の場合には、キズの深さが変わってもキズ信号の位相はほとんど変わらないが、その磁界が逆方向の場合には、キズの深さが変わるとキズ信号の位相も大きく変わる。したがって2個の励磁コイルの磁界が逆方向の場合、キズ信号の位相は、キズの深さに対応している。
【0024】
図6は、回転渦電流探傷プローブをキズと直交する方向に(走査方向に対してキズの角度は90度)走査したときのキズの深さとキズ信号の振幅特性(図6(a))、キズの深さと位相特性(図6(b))を示す。なお図は、正規化振幅と位相を示す。
図において、黒丸は、図1の回転渦電流探傷プローブにおいて、4対の夫々2個の励磁コイル(例えば励磁コイル31a,31b)の発生する磁界が同方向となるように励磁した場合を示し、白丸は、その磁界が逆方向となるように励磁した場合を示す。
【0025】
図6(a)の振幅特性についてみると、キズの深さの変化に対する振幅の変化は、2個の励磁コイルの磁界が同方向の場合よりも磁界が逆方向の場合の方が大きくなる。例えば、キズの深さが20mmと10mmの振幅の差は、磁界が同方向の場合約1.25倍であるのに対して磁界が逆方向の場合には、約2倍になる。したがって2個の励磁コイルの磁界が逆方向の場合には、キズ信号の振幅は、キズの深さに対応している。
また図6(b)の位相特性についてみると、2個の励磁コイルの磁界が同方向の場合には、キズの深さが変わってもキズ信号の位相はほとんど変わらないが、その磁界が逆方向の場合には、キズの深さが変わるとキズ信号の位相も大きく変わる。したがって2個の励磁コイルの磁界が逆方向の場合、キズ信号の位相は、キズの深さに対応している。
【0026】
図5と図6のキズ信号の振幅特性と位相特性から、図1の回転渦電流探傷プローブは、プローブの1回の走査で被検査体の深層部の全方向のキズを検出することができ、かつキズの深さや方向も判別できる、ことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本願発明の実施例に係る回転渦電流探傷プローブの平面図、断面図である。
【図2】本願発明の実施例に係る回転渦電流探傷プローブの励磁コイルの位置関係を説明する図である。
【図3】図1の回転渦電流探傷プローブをキズの方向に(キズの角度が走査方向に対して0度)走査したときのキズ信号の振幅特性を示す。
【図4】図1の回転渦電流探傷プローブをキズと90度の方向に(キズの角度が走査方向に対して90度)走査したときのキズ信号の振幅特性を示す。
【図5】図1の回転渦電流探傷プローブをキズの方向に(キズの角度が走査方向に対して0度)走査したときのキズの深さとキズ信号の振幅特性、位相特性を示す。
【図6】図1の回転渦電流探傷プローブをキズと90度の方向に(キズの角度が走査方向に対して90度)走査したときのキズの深さとキズ信号の振幅特性、位相特性を示す。
【図7】従来の深層部のキズを検出する渦電流探傷プローブの平面図、断面図である。
【図8】従来の回転渦電流探傷プローブの平面図、断面図である。
【符号の説明】
【0028】
31a〜36a 励磁コイル
31b〜36b 励磁コイル
37 検出コイル
M2 被検査体
Z1〜Z3 コイル軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2対の励磁コイルのコイル軸が一致しコイル面が被検査体の検査面に垂直な励磁コイル群をN(2以上の整数)群とコイル面が被検査体の検査面に平行な検出コイルを備え、各励磁コイル群の2対の励磁コイルは夫々検出コイルの両側に配置し、各励磁コイル群のコイル軸は検出コイルの中心において交差し「2π/2N」度間隔で配置してあり、各励磁コイル群の各対の2個の励磁コイルは逆方向の磁界を発生し、励磁電流は位相が励磁コイル群毎に「2π/2N」度相違していることを特徴とする回転渦電流探傷プローブ。
【請求項2】
請求項1に記載の回転渦電流探傷プローブにおいて、前記Nは2であることを特徴とする回転渦電流探傷プローブ。
【請求項3】
請求項1に記載の回転渦電流探傷プローブにおいて、前記Nは3であることを特徴とする回転渦電流探傷プローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−257794(P2009−257794A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104145(P2008−104145)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年10月18日〜19日社団法人日本非破壊検査協会主催の「平成19年度秋季大会」において文書をもって発表、平成19年12月1日学校法人日本大学生産工学部生産工学研究所主催の「第40回(平成19年度)日本大学生産工学部学術講演会電気電子部会」において文書をもって発表
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【Fターム(参考)】