説明

回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システム

【課題】 探針の交換をせずに、探針の磁化の向きを変更することができる回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システムの提供。
【解決手段】 回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システムは、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸により規定される三次元空間のZ軸方向に配向された探針34とXYZ粗動調整装置31と、探針34と試料37との間に電圧を印加するバイアス電圧印加装置25と、探針34と試料37との間に流れるトンネル電流を測定する電流測定装置24と、探針34または試料37を相対的にZ軸の回りに回転させる回転ローター32と、制御装置2を備え、ローター32の回転によって探針34の磁化の向きを変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システムに関する。
【背景技術】
【0002】
探針と試料間を流れるトンネル電流の微分電気伝導率は両者のスピン偏極ベクトルの内積に比例する。すなわち両者のスピン偏極の大きさとベクトル間の角度に依存する。反強磁性試料では互いに逆をむいた層が観察されるので微分電気伝導率に差ができる。この差を和で割った量を非対称度という。この非対称度によって磁気構造によるコントラストが得られる。しかしこれは探針の先端の磁化方向で異なってくる。このコントラストがもっとも顕著になるのは探針と試料のスピン偏極ベクトルの向きが平行のときである。このことを利用して、従来のスピン偏極トンネル顕微分光システムでは試料の磁気構造を求めることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のスピン偏極トンネル顕微分光システムでは、探針の磁化の向きと試料の磁化の向きとの相対角度がわからない状態で測定を行うため、磁化の向きの異なる探針をいくつも交換して測定を行っていた。そして、それらの測定結果の中で最も非対称度の値が大きいものを探針と試料の角度が平行であるものとみなしていた。この方法では、探針と試料の磁化方向が正確に平行であると特定できないという問題があった。従って、探針の向きを変更し、測定を何度も繰り返しおこなうことで、より大きい非対称度の値を得ることができたとしても、その値が最適な値(非対称度が最大)であるかどうかは不確定であった。そのため、測定データの信頼性が低いという問題があった。また、より大きな非対称度を測定すべく実験を何度も繰り返すため、測定に時間がかかる上に、非常な手間と労力が必要とされた。
【0004】
そこで、本発明の目的は探針の交換をせずに、探針の磁化の向きを変更することができる回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸により規定される三次元空間のZ軸方向に配向された探針と、前記探針と試料との少なくとも一方をX軸、Y軸およびZ軸方向に沿って移動させる移動手段と、前記探針と試料との間に電圧を印加する電圧印加手段と、前記探針と試料との間に流れるトンネル電流を測定する電流測定手段と、前記探針と試料との少なくとも一方をZ軸の回りに回転させる探針回転手段と、前記移動手段、前記電圧印加手段、前記電流測定手段及び前記探針回転手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システムを提供している。
【0006】
ここで、前記移動手段は、前記試料載置面に載置された試料と前記探針との距離と、Z軸回りの回転角とを相対的に粗調する粗調手段と、前記探針と試料との距離を相対的に微調させて、試料をX軸およびY軸に沿って走査するための走査手段とを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システムによれば、探針と試料との少なくとも一方をZ軸の回りに回転させる探針回転手段を備えているため、探針軸回転手段が回転することで試料の磁化の向きと探針の磁化の向きがなす角度を連続的に変化させることが可能である。探針の回転角を連続的に変化させることができるので、探針の磁化の向きと試料の磁化の向きとを正確に平行にすることができる。よって、試料の磁気構造を正確に特定することができ、測定データの信頼性が飛躍的に向上する。また、測定は探針の交換なしに行われるため、測定の際の手間が著しく軽減され、測定時間も短くてすむ。
【0008】
請求項2に記載の回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システムによれば、移動手段は、前記移動手段は、前記試料載置面に載置された試料と前記探針との距離と、Z軸回りの回転角とを相対的に粗調する粗調手段と、前記探針と試料との距離を相対的に微調させることで、試料をX軸、およびY軸に沿って走査するための走査手段とを備えているため、探針と試料との少なくとも一方の位置および角度を粗調手段によって粗動調整し、試料を走査手段で走査することが可能である。このため、効率よく磁性体の磁気構造を測定領域全体にわたって特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態による回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システム1について図1から図3を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システム1の概略構成図である。図1に示されるように、回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システム1は、制御装置2、測定真空槽3を有する。測定真空槽3には、探針保持部30、試料37を保持するための試料ホルダー35、窓39が設けられている。測定真空槽3の外側で、窓39の近傍にCCDカメラ38が設けられている。試料ホルダー35は試料載置面351を有する。測定時には、試料載置面351上に試料37が保持される。以下では、試料ホルダー35の試料載置面351に直交する方向にZ軸を設定し、Z軸に直行する方向をそれぞれX軸、Y軸とする。すなわち、X軸、Y軸により規定されるXY平面は試料載置面351と平行である。探針保持部30と試料ホルダー35はZ軸方向に沿って配置され、互いに対向している。試料用端子36は試料ホルダー35の周辺に設けられている。探針保持部30、CCDカメラ38及び試料ホルダー35はそれぞれ制御装置2に電気的に接続されている。
【0011】
探針保持部30には、XYZ粗動調整装置31、ローター32、ピエゾスキャナー33、探針34がZ軸方向に沿って配列されている。すなわち、XYZ粗動調整装置31の下部にローター32が設けられ、ローター32の下部にピエゾスキャナー33が設けられ、さらにピエゾスキャナー33の下部に探針34が設けられている。探針34と試料37は対向している。探針保持部30は試料37を測定する際に探針34を移動、回転、走査させるための装置である。
【0012】
XYZ粗動調整装置31は探針34をX軸、Y軸、Z軸方向に移動させ、探針34と試料37との距離を調整する装置である。XYZ粗動調整装置31によって、数10μmの精度で探針34と試料37との間の距離が調整される。
【0013】
ローター32は、Z軸に平行な回転軸を中心に回転可能である。ローター32は、例えばattocube systems社のANR100を用いる。ローター32の回転によって探針34が回転される。
【0014】
図2に示すように、ピエゾスキャナー33は円筒形状をなす。ピエゾスキャナー33は探針34を保持し、探針34を走査させるためのものである。ピエゾスキャナー33のローター32が設けられている側の面を端部51とし、他端側の探針34が設けられた面を端部52とする。ピエゾスキャナー33の側面には、端部51と端部52をつなぐように4つのピエゾ素子、ピエゾ素子41、42、43、44が設けられている。ピエゾ素子41とピエゾ素子43とを結ぶ仮想直線はX軸に平行であり、ピエゾ素子42とピエゾ素子44とを結ぶ仮想直線はY軸に平行である。制御装置23によってピエゾスキャナー33に印加する電圧(後述)を制御することにより、各ピエゾ素子41〜42を伸縮させる。これによりピエゾスキャナー33に設けられた探針34の先端部のX,Y,Z軸方向の位置が変化する。このとき、ピエゾスキャナー33は探針34の先端部の位置を数nmの精度で動かすことができる。
【0015】
探針34の探針軸はZ軸に平行に設けられている。探針34の先端は試料載置面351と対向する位置に設けられている。探針34の先端は、XY平面に平行な方向に磁化している。例えば、磁化した探針34としてFe/W探針を用いる。Fe/W探針は、超高温真空、無磁場中で加熱したW探針に鉄薄膜を蒸着させることにより作られる。このように作成されたFe/W探針は、室温においてスピン偏極した電子を励起する探針となる。
【0016】
探針34の探針軸とローター32の回転軸とは略一致している。しかし厳密には、探針軸とローター32の回転軸とは完全には一致しない。このため、ローター32のZ軸回りの回転に際して、探針軸は若干平行移動をしてしまう。そこで測定に際しては、XYZ粗動調整装置31を適宜動作させ、ローター32の回転によって生じた平行移動を補正している。CCDカメラ38は試料ホルダー35および探針34の周辺の映像を撮影する。
【0017】
制御装置2には、粗動制御装置21、回転制御装置22、走査制御装置23、電流測定装置24、バイアス電圧印加装置25、カメラ制御装置28、パーソナルコンピュータ26(以下PC26)が設けられている。
【0018】
粗動制御装置21はXYZ粗動調整装置31とPC26とに電気的に接続されている。粗動制御装置21はPC26からの指示に従って、XYZ粗動調整装置31を動作させ、探針34をX軸、Y軸、Z軸方向に動かす。回転制御装置22はローター32とPC26とに電気的に接続されている。PC26からの指示に従って、回転制御装置22はローター32の回転を制御する。走査制御装置23はピエゾスキャナー33とPC26とに電気的に接続されている。走査制御装置23はピエゾスキャナー33に電圧を印加する。前述のように、ピエゾスキャナー33の電圧が変化することにより、探針34の先端をX軸、Y軸、Z軸方向に動かすことができる。
【0019】
バイアス電圧印加装置25は試料用端子36、電流測定装置24、PC26に電気的に接続されている。また、電流測定装置24は探針34とバイアス電圧印加装置25とPC26とに電気的に接続されている。測定に際しては試料用端子36と試料37とを接続し、バイアス電圧印加装置25は探針34と試料37との間にバイアス電圧を印加する。PC26からの指示に応じて、バイアス電圧印加装置25は印加するバイアス電圧を変化させる。探針34と試料37との間にバイアス電圧を印加することによって、探針34と試料37との距離が近づいたときに、探針34と試料37との間にトンネル電流が流れる。電流測定装置24は、測定の際に探針34と試料37との間に流れるトンネル電流を測定し、測定結果をPC26に送信する。
【0020】
カメラ制御装置28がCCDカメラ38とPC26とに電気的に接続されている。PC26からの指示に従って、カメラ制御装置28はCCDカメラ38の位置を制御する。また、PC26からの指示に従って、カメラ制御装置28は試料ホルダー35および探針34の周辺の映像をCCDカメラ38に撮影させ、撮影データをPC26に送信する。
【0021】
上記の構成による回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システム1の測定方法の具体例を以下に示す。まず、試料37を試料ホルダー35に配置し、試料37に試料用端子36を接続する。また試料用端子36と試料37との間のバイアス電圧を所望の値に設定する。Fe/W探針34の酸化を防止するため、測定時には測定真空槽3を所望の到達真空度にする。例えば、測定真空槽3の到達真空度は5×10−8Paである。
【0022】
CCDカメラ38が撮影した映像はカメラ制御装置28からPC26に送信される。測定者はCCDカメラ38からの映像に基づいて、探針XYZ粗動調整装置31の移動量をPC26に入力する。測定者がPC26に入力した移動量は粗動制御装置21に送信される。粗動制御装置21はPC26から受信した移動量に基づいてXYZ粗動調整装置31を動作させる。XYZ粗動調整装置31の動作によって探針34と試料37との距離が数10μmの精度で調整される。
【0023】
次に図3を用いて制御装置2の動作を説明する。S1では、PC26は、走査制御装置23に信号を送りピエゾスキャナー33をX軸、Y軸の値を指定することで、探針34を測定開始位置に移動させる。
【0024】
S2では、PC26は、ローター32を所望の角度に回転させる指示を回転制御装置22に出し、探針34を所定の回転角で固定させる。これにより、探針34の磁化の向きと試料37の磁化の向きがなす角度が一定の値に固定される。前述のように、探針34の探針軸とローター32の回転軸とには微妙なズレが生じており、ローター32のZ軸回りの回転によって探針軸はXY方向に若干平行移動をしてしまう。そこで、ローター32の回転にあわせてXYZ粗動調整装置31を適宜動作させ、ローター32の回転によって生じた平行移動を補正している。
【0025】
S3では、PC26は走査制御装置23にピエゾスキャナー33の端部52をZ軸方向に移動させる指示を出す。これによって探針34と試料37との距離が変化する。
【0026】
S4では、PC26はトンネル電流の値を電流測定装置24から受け取る。すなわち、探針34と試料37との間にはバイアス電圧が印加されているため、探針34と試料37との距離が接近すると、探針34と試料37との間にトンネル電流が流れる。そして、トンネル電流は電流測定装置24で検出される。PC26はトンネル電流の値を電流測定装置24から受け取る。
【0027】
S5では、PC26はトンネル電流の値が予め設定された所望の値であるか判定する。トンネル電流の値が予め設定された値になるまでPC26は走査制御装置23を介してピエゾスキャナー33のZ軸方向の位置を調整する。すなわち、PC26はトンネル電流の値が予め設定された所望の値でなければ(S5:No)、S3に戻りスキャナーのZ軸方向の位置を調整する。トンネル電流の値が予め設定された値であれば(S5:Yes)S6へと移行する。
【0028】
S6では、PC26は走査制御装置23にピエゾスキャナー33のZ軸の値を固定するように指示する。これにより、探針34と試料37との距離は一定に固定されているとみなすことができる。
【0029】
次にS7では、PC26はバイアス電圧印加装置25にバイアス電圧を連続的に変化させる指示を出し、トンネル電流を測定する。すなわち、PC26からの指示に従って、バイアス電圧印加装置25は探針34と試料37との間のバイアス電圧を変化させる。バイアス電圧の値に応じたトンネル電流の値が電流測定装置24で測定される。測定されたデータは、電流測定装置24からPC26に送信され、PC26に保存される。以上より、バイアス電圧の値とトンネル電流の値との関係が測定され、その測定データが保存される。
【0030】
S8では、PC26は試料37のX軸、Y軸方向の測定範囲全体において上記のバイアス電圧の値とトンネル電流の値との関係が測定されたかを判定する。試料37の測定範囲全体について測定が終わっていなければ(S8:No)、走査制御装置23を介してPC26は、ピエゾスキャナー33の端部52のX軸ないしY軸方向の位置を移動させる指示を出す(S9)。この結果、探針34の先端がX軸方向ないしY軸方向に移動し固定される。さらに探針34と試料37とのZ軸方向の距離を調整するため、S3に戻る。試料37のX軸方向、Y軸方向を走査して試料37の測定範囲内全てでバイアス電圧とトンネル電流の関係が測定されていれば(S8:Yes)S10へと移行する。
【0031】
S10では、PC26は全回転角に関して測定を終了しているか判定する。全回転角に関して測定が終了していなければ(S10:No)、S2に戻りPC26は回転制御装置22に指示をだし、ローター32を所望の角度に回転させる。ローター32の回転により、ローター32の回転軸を中心にして探針34は回転する。全回転角に関して測定を終了していれば(S10:Yes)、PC26は測定を終了する。
【0032】
以上のスピン偏極トンネル顕微分光システム1によれば、探針34の位置をX軸方向の位置、およびY軸方向の位置を一定にしたときに、コントラストの値が最大になる回転角が決定できる。すなわち、試料37の一点での試料37の磁化の向きが特定できる。そして、トンネル電流が最大になる回転角を試料37の測定範囲全体にわたって決定しているので、試料37の測定範囲全体にわたって試料37の磁気構造を特定することができる。
【0033】
また、上述のスピン偏極トンネル顕微分光システム1の構成によれば、ローター32が探針34の探針軸を中心に回転することで試料の磁化の向きと探針の磁化の向きが成す角度を連続的に変化させている。探針34の回転角を連続的に変化させることができるので、探針34の磁化の向きと試料37の磁化の向きとを正確に平行にすることができる。よって、試料37の磁気構造を正確に特定することができ、測定データの信頼性が飛躍的に向上する。また、測定は探針34の交換なしに行われるため、測定の際の手間が著しく軽減され、測定時間も短くてすむ。
【0034】
また、XYZ粗動調整装置31によって探針34の位置を粗動調整し、ピエゾスキャナー33で試料を走査する構成となっている。このため、効率よく磁性体の磁気構造を測定領域全体にわたって特定することができる。
【0035】
本発明による回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システムは上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。上記実施の形態では、XYZ粗動調整装置、ピエゾスキャナー、ローターを探針側に設けたが、XYZ粗動調整装置、ピエゾスキャナー、ローターの少なくとも一つを試料側、例えば試料ホルダーの下側にも設けてもよい。こうすることで探針と試料との位置関係を相対的に変更することが可能である。
【0036】
また、XYZ粗動調整装置、ピエゾスキャナー、ローターの少なくとも一つを試料側、例えば試料ホルダーの下側に設けた場合には、これらの装置を探針側には設けない構成にしても良い。こうすることで試料の位置や角度を変更することで探針と試料との位置関係を変更することができる。
【0037】
また、XYZ粗動調整装置はさらにZ軸回りに回転できる構成であってもよい。この場合、Z軸回りの回転を粗調した上でローターによって探針が回転するため、より効率的な測定を行うことができる。
【0038】
なお、上記実施例においてXYZ粗動調整装置31およびピエゾスキャナー33は本発明の移動手段に、ローター32は本発明の探針回転手段に、探針34は本発明の探針に、試料37は本発明の試料に、バイアス電圧印加装置25は本発明の電圧印加手段に、電流測定装置24は本発明の電流測定手段に、制御装置2は本発明の制御手段にそれぞれ該当する。また、上記実施例においてXYZ粗動調整装置31は粗動手段に、ピエゾスキャナー33は走査手段にそれぞれ該当する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の回転走査型トンネル顕微分光システムの全体構成を示す概略構成図である。
【図2】図1に示すピエゾスキャナーの斜視図である。
【図3】図1に示す回転走査型トンネル顕微分光システムを用いて測定を行う際のPCの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
1・・・回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システム、
2・・・制御装置、 3・・・測定真空槽、 14・・・試料用端子、
21・・・粗動制御装置、22 回転制御装置、 23・・・ピエゾ制御装置、
24・・・電流測定装置、25・・・バイアス電圧印加装置、
26・・・パーソナルコンピュータ、
28・・・カメラ制御装置、
30・・・探針保持部、 31 ・・・XYZ粗動調整装置、
32・・・ローター、
33・・・ピエゾスキャナー、
34・・・探針、 35・・・試料ホルダー
36・・・試料用端子、
37・・・試料、 351・・・試料載置面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸により規定される三次元空間のZ軸方向に配向された探針と、
前記探針と試料との少なくとも一方をX軸、Y軸およびZ軸方向に沿って移動させる移動手段と、
前記探針と試料との間に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記探針と試料との間に流れるトンネル電流を測定する電流測定手段と、
前記探針と試料との少なくとも一方をZ軸の回りに回転させる探針回転手段と、
前記移動手段、前記電圧印加手段、前記電流測定手段及び前記探針回転手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システム。
【請求項2】
前記移動手段は、試料と前記探針との距離と、Z軸回りの回転角とを相対的に粗調する粗調手段と、前記探針と試料との距離を相対的に微調させて、試料をX軸およびY軸に沿って走査するための走査手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の回転走査型スピン偏極トンネル顕微分光システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−205917(P2007−205917A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25655(P2006−25655)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(504388628)ロックゲート株式会社 (2)
【Fターム(参考)】