説明

回転軸を備えた機器でのかすめ個所又はコンタクト個所を検出する方法及び装置

【課題】機器と回転軸とのかすめ又はコンタクト個所の検出のために利用できる改善された方法、そのような方法の実施のための装置を提供すること。
【解決手段】回転軸を備えた機器でのかすめ個所又はコンタクト個所を検出する方法及び装置において、
軸の所定のアース接続を介してアースに流れる電流を全て測定することによって、軸のアース状態の検出を介して、軸のかすめ個所又はコンタクト個所を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機器の監視用の方法及び装置に関する。殊に、本発明は、例えば、発電機、タービン、モータのような回転軸を有する機器でのかすめ個所又はコンタクト個所を作動中に検出するための方法に関する。
【0002】
殊に、本発明は、軸摩擦、即ち、駆動軸とケーシングとのかすめ個所又はコンタクト個所の発生の検出に関する。特別な使用目的は、発電機での軸受けアイソレーションの監視である。
【背景技術】
【0003】
電気機器、例えば、自動車で使用されるような、殊に大きな電気機器は、摩擦なしで作動するために、連続的に監視し、及び/又は、時々解析して、エラー状態を適時に検出し、且つ、制御し得ない欠損を回避することができるようにする必要がある。
【0004】
ヨーロッパ特許公開第0271678号公報では、例えば、軸のアース乃至軸のアイソレーションの機能適性及び機能の安全性・確実性について情報を送出することができる装置が提案されている。その際提案されている、本来軸応力を低減するために設けられている装置は、電気機器の全アース状態について情報を送出することができる。
【0005】
機器の金属製回転軸が、当該回転軸を囲むケーシング部分に金属部分同士が接触又はかすめたりした場合、摩耗が生じる。発電機の場合に、更に著しく高い電流がコンタクト個所を介して流れることがあり、この電流により、加熱、浸食、溶融が生じることがある。それに相応して、作動中の、このような金属の接触を検出して、かすめ個所の場所を限定するようにすることは価値がある。
【0006】
従来技術では、例えば、かすめ個所の検出のために、各機器の軸受けを絶縁して、両絶縁層間に導電層が設けられている。この導電中間層が、軸又はアースとのオーミック導電結合個所を有しているかどうか監視される。この導電中間層が、軸又はアースとのオーミック導電結合個所を有している場合、絶縁層の1つが損傷している。この方法での欠点は、軸受けでの絶縁層が選択的にのみ検査されるにすぎず、軸のアイソレーション自体は検査することができず、即ち、軸全体の絶縁状態は特定することができない。従って、例えば、軸がケーシングに直接接触するかどうか確定することができない。この方法の欠点は、特に、軸受け内の絶縁層だけが検査されるのであって、軸のアイソレーション自体は検査されない点にある。軸が、例えば、ケーシングに接触しているかどうか検査することはできない。
【0007】
更に、軸を流れる電流がロゴスキー(Rogowsky)コイルを用いて測定される方法がある。ここでも、軸とケーシング又はアースとのコンタクト個所が直接検出されるのではなく、このコンタクトの結果だけが間接的に検出されるにすぎない。
【0008】
ヨーロッパ特許公開第0503846号公報には、発電機の軸と軸受け乃至当該各軸受けを案内するパッキンとの間のアイソレーションでのエラー個所の検出方法並びに装置が記載されている。測定のために、トランスが固定軸の周りに支承されており、このトランスが交流電流で制御される。続いて、一方では、アースに、他方では、エラー個所と思量される軸と結合される電圧測定装置を介して、電圧が測定される。そのような方法により、停止状態でエラー個所を良好に測定することができるが、専ら作動時に生じるかすめ又はコンタクト個所は、見つけることができない。
【特許文献1】ヨーロッパ特許公開第0271678号公報
【特許文献2】ヨーロッパ特許公開第0503846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、機器と回転軸とのかすめ又はコンタクト個所の検出のために利用できる改善された方法を提供すること、そのような方法の実施のための装置を提供することにある。その際、機器の作動中回転軸の、かすめ又はコンタクト個所を測定する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、軸の所定のアース接続を介してアースに流れる電流を全て測定することによって、軸のアース状態の検出を介して、軸のかすめ個所又はコンタクト個所を求めることにより解決される。機器の軸は、通常、安全性・確実性の理由から、所期のようにアースされており、例えば、発電機は、両側で、相応のコンタクト装置を介してアースされることが屡々ある。つまり、このアース装置を介して流出する電流が測定される。
【0011】
従って、本発明の核心的技術思想は、アース装置に生じる、アースへの電流を介して、軸の絶縁状態について推定することができる点にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
従って、本発明の有利な第1の実施例によると、アース抵抗を介して、アースに対する電圧を測定することによって、軸と電気接続された少なくとも1つのアースモジュールを介して軸のアース状態を求める。有利には、その際、解析を簡単にするために、軸からアースに流れる電流を正と評価することが提案されている。
【0013】
特に有利には、本発明の別の有利な実施例によると、検出のために、少なくとも時間毎に、例えば、間歇的に、軸に量的に特定された検査電流を通電するとよい。軸に検査電流を通電することにより、特に、絶縁特性を量的に評価することができる。つまり、検査電流のどの程度の成分が、アース装置を介して流出し(この成分が測定される)、どの程度の成分が相応して不所望なコンタクトを介して流出しているのかほぼ検査することができる。検査電流は、有利には、10〜100mAの範囲内の既知の直流成分の電流、殊に、20〜40mAの範囲内の直流成分の電流である。
【0014】
有利には、その際、検査電流を、アース接続部を介して、殊に、軸とコンタクトし続けるアースブラシとして構成されたアース接続部を介して、又は、相応のスライドコンタクトを介して軸に通電するとよい。検査電流の通電のために、アースブラシを利用するコンタクト手段により、方法が著しく簡単になるような、別個のコンタクト装置を設けることができる。
【0015】
本発明の方法は、例えば、発電機に用いることができる。通常のように、発電機には、アース装置が設けられており、その際、この所謂アースモジュールは、典型的には、タービン側にも発電機の他方の側にも設けられている。別の有利な実施例によると、検査電流を、このアースモジュールの、少なくとも1つ又は2つを介して軸に通電すると、この方法を特に簡単に実施することができる。その際、検査電流は、アースモジュール内に結合することができるが、択一的に、検査電流を、アースモジュールと接続されたアースブラシを介して通電することもできる。設けられているアース接続では、少なくとも1つのアースブラシを介して軸並びにアースとコンタクト接続される、少なくとも1つのアースモジュールにすることができる。
【0016】
殊に、検査電流の断続的な通電時の量的な評価は、別の実施例によると、かすめ個所又はコンタクト個所の検出を、検査電流の大きさと、検査電流が通電されていない場合の、軸に設けられている終端結合部を介してアースに流れる電流(検査電流を通電しない時の全アース電流)と、検査電流が通電されている場合の、軸に設けられている終端結合部を介してアースに流れる電流(検査電流通電時の全アース電流)との差との比較を介して行うようにして達成することができる。このようにして、かすめ個所又はコンタクト個所の導電率を、検査電流の大きさと前述のような差との比較から求めることができる。
【0017】
別の有利な実施例によると、軸に設けられている終端結合部を介してアースに流れる電流のうち、典型的に、軸に形成されている交流電流成分を求めるために、直流成分だけを評価するとよい。軸に設けられている終端結合部を介してアースに流れる全アース電流を時間毎に求め、及び/又は、フィルタリングすると、評価を一層改善することができる。50〜60Hzの範囲内での軸の回転時に、5秒間に亘って、有利には、10秒間に亘って平均化すれば十分である。
【0018】
更に、本発明は、上述のような方法を実施するための装置に関する。この装置は、殊に、少なくとも1つのアースモジュールに、軸と共にコンタクト接続部を形成するアースブラシ(又は、他のコンタクト接続部、例えば、スライドコンタクト)が設けられており、少なくとも1つのアースモジュールは、少なくとも1つのアース抵抗を有している。更に、少なくとも間接的にアースモジュールを介して、所定の検査電流の通電用のコンタクト接続部を軸上に有しているユニットが設けられており、該ユニットは、少なくとも1つのアース抵抗を介して印加される電圧を取り出し乃至測定し、又は、相応の測定値をアースモジュールから伝送して得る。
【0019】
有利な実施例によると、ユニットは、検査電流及びアース抵抗を流れるアース電流の大きさに基づいて、かすめ個所又はコンタクト個所の測定及び/又は評価用手段を有している。最適には、これは、測定及び評価モジュールとして構成されたユニットは、各アースモジュールの少なくとも1つの構成部品として構成されている。
【0020】
本発明の方法乃至装置の別の有利な実施例は、従属請求項に記載されている。
【実施例】
【0021】
以下、本発明について、図示の実施例を用いて詳細に説明する。その際:
図1は、アース及び測定装置を有する回転機器の略図;
図2は、図1のアース及び測定装置を有する回転機器の電気接続関係の略図
である。
【0022】
図1には、軸1上にタービン3並びに発電機2が設けられている構成が略示されている。軸は、2つの軸受け4及び5を介して支承されている。例えば、タービンの後ろ側の別の軸受けは、図示していない。発電機2の軸は、通常のようにアースされており、これは、所謂アースモジュールを介して行われている。具体的な場合、そのような2つのアースモジュール8及び9が設けられている。
【0023】
第1のアースモジュール8は、タービン側に設けられており、アースブラシ6を介して軸1とコンタクト接続されている。アースモジュール8及びアースブラシ6は、第1のアース接続部を形成する。
【0024】
第2のアースモジュール9は、発電機の他方の側に設けられており、アースモジュール9を軸1と電気接続するアースブラシ7を有している。アースモジュール9及びアースブラシ7は、第2のアース接続部を形成する。
【0025】
両アースモジュール8及び9は、アース10と接続されている。アースブラシ6,7の代わりに、スライドコンタクト又は他の手段も、軸のコンタクト接続のために用いることができる。
【0026】
このことは、本発明にとって必要ではないにもかかわらず、その際、アースモジュール8及び9は、極めて複雑な構成部品であることがある。つまり、例えば、駆動側に設けられたアースモジュール8は、所謂DEモジュールにするとよい(特に、世界知的所有権機関特許公開第2004/025316号公報に記載されているような)。そのようなDEモジュール(図1左下のはめこみ部分参照)は、高オーミック抵抗22(RDE,1,10Ω)を、軸でのコンタクト装置のために、ここでは、アースブラシ6のために有しており、例えば、アース抵抗11として使用することができる低オーミック抵抗23(RDE,2,1Ω)を有しており、この抵抗は、例えば、アース10に対するアース抵抗11として使用することができ、その際、高オーミック抵抗22に対して並列に、ヒューズ25が設けられており、その際、例えば、アースと低オーミック抵抗23との間に、測定抵抗24(0.1Ω)が設けられている。その際、診断のために、高オーミック抵抗とコンタクト装置及びアース端子との間の軸電圧、及び、測定抵抗を介して流れる軸電流を取り出すことができる。
【0027】
第2のアースモジュール9は、既述のヨーロッパ特許公開第271678号公報に記載されているユニットにするとよい。
【0028】
しかし、両アースモジュール8及び9と関連して重要な点は、両アースモジュール8及び9が、各々アース抵抗11乃至12を有していて、オーミック抵抗値が知られた、この抵抗11乃至12を介して測定された電圧によって、アース10に流れる電流を求めることができるようになる。
【0029】
この実施例の場合、測定及び評価モジュールとして構成された付加的なユニット13が設けられている。この測定及び評価モジュールは、一方では、抵抗11及び12を介して生じる電圧を取り出して、この電圧を測定する(参照番号14及び16で示されているように)。
【0030】
更に、測定及び評価モジュール13は、電流源21(図2)を有しており、この電流源は、軸1に給電される所定の、乃至、既知の大きさの検査電流を形成し、方法を量的に実施することができるようになる。典型的なDC検査電流は、20mA〜40mA、例えば、約30mAの強度を有している。測定及び評価モジュール13は、付加的に、後続の解析を可能にするハード及びソフトウェアを有することができる。更に、測定及び評価モジュール13は、両アースモジュール8又は9の1つの構成部品にするとよい。測定及び評価モジュール13も、アース10との接続部を有している。
【0031】
この方法を一層詳細に説明することができるために、図2には、図1の装置の電気接続関係が示されている。その際、摩擦個所コンタクト接続部が、オーミック抵抗値Rの摩擦個所抵抗18によって略示されている。絶縁部の、このエラー個所を介して、電流iがアース10に流れる。更に、第1のアースモジュール8を介して、電流iDEがアース10に流出する様子が示されている。この電流iDEは、値RDE(例えば、値1Ωの直流抵抗)の第1のアース抵抗11を介して測定可能な電圧を介して求めることができる。第1のアースモジュール8は、ブラシコンタクト抵抗19を軸1に対して有している。
【0032】
第2のアースモジュール9には、値RRCの第2のアース抵抗12が設けられており(例えば、値470Ωの直流抵抗)、アース10に電流iRCが流れる。この電流は、RRCの既知の値に基づいて、抵抗12を介して印加される電圧URCによって求めることができる。
【0033】
この方法は、アース個所8又は9のみを用いても機能することは強調する必要がある。
【0034】
この新規の方法は、特に、既知の大きさの検査電流iinが軸1に通電され、それと同時に、正常及び意図的なコンタクト(アースブラシ6及び7乃至アースモジュール8及び9)を介して流出する電流、即ち、iDE及びiRCが全て測定される。
【0035】
全電流量に亘って和を形成するには、理想的な軸アイソレーションの場合、値0が得られるようにする必要があり、即ち、測定された流入電流の和は、測定された流出電流の和に相応している必要がある。かすめ個所の場合、この均衡状態は崩され、流入電流の和は、測定された流出電流の和に等しくなくなる。
【0036】
この方法を実施するために、以下の手段が用いられる:
・意図的な全てのアース接続、即ち、両アースモジュール8及び9において、既知の大きさのオーミック抵抗、つまり、アース抵抗11乃至12が挿入されて、所定の電気状況が形成される。これは、かすめ個所の「強度」、即ち、かすめ個所の時間平均された抵抗Rの「強度」の評価のために使われる。
【0037】
・この意図的なアースコンタクトを介してアースに流される電流、即ち、iDE及びiRCが測定される。
【0038】
・有利には、その際、電流の直流成分(DC)だけが測定される。これは、付加的に流入又は流出される直流電流(容量性の偏移電流)の大きさは時間により変化し、極めて未知であって、通常測定するのが極めて困難である。付加的に流入する電流の直流成分は、未知であるが、短時間及び中期間の間一定であり、最初、タービン内で形成された静電気の量に相応している。直流成分は、比較的長い時間期間に亘って、例えば、1〜10秒の範囲内の時間期間に亘って時間平均することによって、乃至、信号をフィルタリングすることによって求められる。こうすることによって、それと同時に、測定ノイズに基づく測定の不正確さを非常に良好に除去することができる。
【0039】
・非常に有利な手段は、異なった時間で測定することである:付加的に給電された電流iinなしにアースに流出された電流iDE及びiRCの和Sが測定され、その直後、又は、その直前にも、流出電流と付加的に給電される電流iinとの和Sが測定される。それから、両電流和の差S−Sが、給電電流iinの大きさと比較される。理想的なアイソレーション及び測定品質の場合、両方の値が同じである。このやり方は、未知だけど、時間的に一定の電流(例えば、タービンの静電気帯電によって生じた電流)を均衡状態から除去するのに使われる。
【0040】
従って、測定された電流に基づいて、以下のように判断することができる:
・iin=iDE+iRCである場合、理想的な軸アイソレーションが形成されており、摩擦個所は形成されていない(Rは、無限の大きさ)。
【0041】
・iin=iRCである場合、給電電流全てが、第2のアースモジュール9を介してのみアース10に流れるので、第2のアースモジュール9内のヒューズは焼き切れている可能性が高い。
【0042】
・URC>>UDEの場合、又は、表現し直すと、iRC>>iDE・(RDE/RRC)の場合、アースブラシ6,7でのブラシコンタクト接続が劣化している可能性が高い。
【0043】
・uDE/iDE=RDE,1の場合、即ち、具体的な事例で、uDE/iDE=10Ωの場合、第1のアースモジュール内のヒューズに欠陥がある可能性が高い。
【0044】
要するに、前述の方法乃至この方法の実施のための装置は、以下の要件によって特徴付けられる:
・機器の軸1は、1つ又は複数のアースブラシ6,7を介して電気的にアース10と接続されており、その際、このアース接続全てに、オーミック抵抗、即ち、既知の大きさのアース抵抗11,12が挿入されている。
【0045】
・測定及び評価モジュール13は、アースモジュール8,9を介してアース10に流れる全電流iDE及びiRCを測定する。
【0046】
・測定及び評価モジュール13は、この電流を、正しい極性で加算し、即ち、軸1からアース10に流れる電流を、例えば、正の値として加算し、従って、このアース接続を介してアース10に流れるアース全電流S(iDE+iRC)を求める。
【0047】
・測定及び評価モジュール13は、検査電流を通電しない時の全アース電流S0,0の大きさを、検査電流通電時の全アース電流S0,1の大きさと比較する。両方の大きさの差は、つまり、(検査電流17の通電時の全アース電流Sの大きさ)−(検査電流17を通電しない時の全アース電流の大きさ)は、続いて、給電電流iinの大きさと比較される。このアース電流差が、給電電流の大きさから偏移すると、このことは、軸かすめ及び軸摩擦が生じていることの証明として評価される。
【0048】
・かすめ個所を介して流出する電流iに相応する必要がある偏差の大きさから、続いて、かすめ個所の導電率(乃至抵抗R)が、各抵抗の電流分流の方式に従って評価される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】アース及び測定装置を有する回転機器の略図。
【図2】図1のアース及び測定装置を有する回転機器の電気接続関係の略図。
【符号の説明】
【0050】
1 軸
2 発電機
3 タービン
4 第1の軸受け
5 第2の軸受け
6 第1のアースブラシ
7 第2のアースブラシ
8 第1のアースモジュール
9 第2のアースモジュール
10 アース
11 第1のアース抵抗
12 第2のアース抵抗
13 ユニット、測定及び評価モジュール
14 11を介してのアース電流の測定
15 給電電流の測定
16 12を介してのアース電流の測定
17 給電電流、検査電流
18 摩擦個所抵抗
19 8のブラシコンタクト抵抗
20 9のブラシコンタクト抵抗
21 電流源
22 高オーミック抵抗、RDE,1
23 低オーミック抵抗、RDE,2
24 測定抵抗
25 ヒューズ
DE 11の抵抗値
RC 12の抵抗値
18の抵抗値
RC 8のアース電流
9のアース電流
in 検査電流の値
DE 11の電圧
RC 12の電圧
検査電流を通電しない時の全アース電流
検査電流の検査電流時全アース電流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を備えた機器でのかすめ個所又はコンタクト個所を検出する方法において、
前記軸(1)の所定のアース接続(6,7,8,9)を介してアース(10)に流れる電流(iDE,iRC)を全て測定することによって、軸(1)のアース状態の検出を介して、前記軸(1)のかすめ個所又はコンタクト個所を求めることを特徴とする方法。
【請求項2】
アース抵抗(11,12)を介して、アース(10)に対する電圧(URC,UDE)を測定することによって、軸(1)と電気接続された少なくとも1つのアースモジュール(8,9)を介して軸(1)のアース状態を求める請求項1記載の方法。
【請求項3】
軸(1)からアース(10)に流れる電流(iRC,iDE)を正と評価する請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
検出のために、少なくとも時間毎に軸(1)に検査電流(17)を通電する請求項1〜3迄の何れか1記載の方法。
【請求項5】
検査電流(17)を、アース接続部(6,7)を介して、殊に、軸(1)とコンタクトし続けるアースブラシとして構成されたアース接続部(6,7)を介して、又は、相応のスライドコンタクトを介して軸(1)に通電する請求項4記載の方法。
【請求項6】
検査電流(17)を、少なくとも間接的にアースモジュール(8,9)を介して軸に通電する請求項4又は5記載の方法。
【請求項7】
かすめ個所又はコンタクト個所の検出を、検査電流(17)の大きさと、前記検査電流(17)が通電されている場合の、軸(1)に設けられている終端結合部(6,7,8,9)を介してアース(10)に流れる全アース電流(S)と、前記検査電流(17)が通電されていない場合の、前記軸(1)に設けられている前記終端結合部(6,7,8,9)を介して前記アース(10)に流れる全アース電流(S)との差(S−S)との比較を介して行う請求項4〜6迄の何れか1記載の方法。
【請求項8】
かすめ個所又はコンタクト個所の導電率を、検査電流(17)の大きさと、前記検査電流(17)が通電されている場合の、全アース電流(S)と、前記検査電流(17)が通電されていない場合の、全アース電流(S)との差から求める請求項7記載の方法。
【請求項9】
軸(1)に設けられている終端結合部(6,7,8,9)を介してアース(10)に流れる全アース電流(S,S)の直流成分だけを評価する請求項1〜8迄の何れか1記載の方法。
【請求項10】
軸(1)に設けられている終端結合部(6,7,8,9)を介してアース(10)に流れる全アース電流(S,S)を所定時間に亘って平均化し、及び/又は、フィルタリングする請求項9記載の方法。
【請求項11】
設けられている終端結合部を、少なくとも1つのアースモジュール(8,9)にし、該アースモジュール(8,9)を、少なくとも1つのアースブラシ(6,7)を介して軸(1)並びにアース(10)とコンタクト接続する請求項1〜10迄の何れか1記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのアースモジュール(8,9)に、軸(1)と共にコンタクト接続部を形成するアースブラシ(6,7)が設けられており、少なくとも1つのアースモジュール(8,9)は、少なくとも1つのアース抵抗(11,12)を有しており、少なくとも間接的にアースモジュール(8,9)を介して、所定の検査電流(17)の通電用のコンタクト接続部を軸(1)上に有しているユニット(13)が設けられており、該ユニット(13)は、少なくとも1つのアース抵抗(11,12)を介して印加される電圧(UDE,URC)を検出することを特徴とする請求項1〜11迄の何れか1記載の方法を実施する装置。
【請求項13】
ユニット(13)は、検査電流(17)及びアース抵抗(11,12)を流れるアース電流(iDE,iRC)の大きさに基づいて、かすめ個所又はコンタクト個所の測定及び/又は評価用手段を有しており、前記ユニット(13)は、有利には、各アースモジュール(8,9)の少なくとも1つの構成部品として構成されている請求項12記載の装置。

【図1】
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【図2】
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