説明

回転飾りおもちゃ

【課題】電力を使わずに、自然の風のほか、送風機などの一定に吹く風なども利用して、従来品よりも慣性質量があるが自由なデザインの物体を、常に一定方向に回動させた回転飾りを提供する。
【解決手段】回転飾りを磁石の吸着作用を利用して吊り下げる。また、容易に回転するよう、回転飾りの磁石との接触部に丸みを持たせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に室内インテリアとしての活用を目的とする、風力を利用した回転飾り装置である。
【背景技術】
【0002】
本発明に類似の技術に、特許文献1がある。この技術では、微風力を敏感に捉えるため、回転体の慣性質量を小さくする必要がある。更に回転飾りを糸により吊り下げているため、ある程度回転すると糸の弾性により逆回転が始まる。他に、このような回動式の吊り飾りに、主に幼児向けのおもちゃである「メリー」があるが、動力に家庭用電源、電池等を必要とする。
【特許文献1】特開2005−288078 (P2005−288078A) 公開日 平成17年10月20日(2005.10.20)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述のとおり、従来の風力を利用した回転飾り装置は慣性質量を小さくする必要があった。よって自ずと飾りのデザインや内容には制約がなされる。また、送風機などの風を利用すれば、より質量のあるものを回転させることができるが、吊り下げ糸の弾性による逆回転や糸の強度のため、常に一つの方向への回転は困難である。一方、人為的なエネルギーの電力を利用すると、回転方向やデザインの制約は無くなるが、配線や電池交換などの煩わしさがある。風力の利用はエネルギーの節約につながり、また、風が生み出す回転の自然なリズムは人間にとって心地よく、回転飾りのインテリアとしての効能をよくひきだすことができる。本発明は電力を使わず、自然の風のほか、送風機などの一定に吹く風なども利用して、従来品より慣性質量があるが自由なデザインの物体を回動させる方法について解決することを課題とした。
【課題が解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するため、本発明は、回転飾りを糸で吊り下げるのではなく、磁石による吸着により吊り下げることとした。更に図1に示すように上部への固定部、回動部とそれに付随する受風部から構成し、受風部で風力を受けるようにした。そして受けた力を効率よく回転力に変えられるよう、回転軸の支点である、固定部と回動部の接点を細くした。ここで固定部には磁石を設けており、それに引力で呼応する材質から成る回動部の上端が接触し、回動部と受風部が吊り下がっている。更に回動部の上端は、回転が容易になるよう、磁石との接触面積を小さくしながらも、磁石とは適度に引力が作用するよう、丸みを帯びている。
【発明の効果】
【0005】
回動部と受風部を磁石で吊り下げたことにより、常に一定方向への回転が可能となった。更に固定部と回動部との接点である回転軸の支点を細くしているため、回転運動がしやすくなっている。送風機などの風を利用すれば、自然の風よりも更に質量のある物体を回転させることができ、回転飾りのデザインや内容の自由度が広がる。なお、回転には風の力を利用しているため、電気配線や電池交換の必要性は無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は図1のように、固定部、回動部、受風部で構成される。固定部には磁石を取り付け、回動部の上端と接触させる(接点A)。また、回動部の落下防止のための受けを設ける。次に、回動部の上部は、磁性に呼応する材質とし、その上端は丸みを帯びた形状とする。これは固定部の磁石との接触面積を小さくし、回転摩擦を抑えながらも、接点Aを支点として傾斜した場合でも、固定部と適度な接触を常に保つためである。
【0007】
次に、回動部に受風部を取り付け、風の煽りを受けやすくする。ここで支点(接点A)から伸びる受風部の中心線の左右で、風の推力に差を生じると、回動部の支点(接点A)は細くなっているため、容易に回転運動のモーメントとなって、回動部と受風部は中心線を軸として回転運動をする。
【0008】
受風部の中心線の左右での、風の推力の差は、風自体が位置により強さが不均一であることや、回動部、受風部の中心線の左右での意匠、形状の違いから引き起こされる。ここで左右での推力の差を生じさせるための一つの実施例を述べる。回動部に図2のような形状のシーソーを設ける。シーソーは、中心線上を支点とし、両端に受風部およびバネを接続する。また受風半円板を設ける。シーソーが風による振動等により一方へ垂下すると、中心線の左右での半円板の面積に差を生じ、風から受ける推力に差を生じる。なお、垂下したシーソーは両端のバネの弾性力により復元する。これら一連のシーソーの上下運動による半円板の移動は、中心線左右で風から受ける推力に差を生じ、緩やかではあるが、受風体の回転の原動力となる。
【0009】
本作品の形態として,もう1つ,風による回転運動を発電作用に応用したものを図3に挙げる。これは固定部に,回動部を囲むように磁石を取り付け,回動部にコイルを取り付けると,回転によりコイルに電流が流れるというものである。
【産業上の利用可能性】
【0009】
本発明は、室内インテリアとして、一般家庭等でその装飾や運動の様子を観賞する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体図
【図2】 回動部に設けられたシーソー
【図3】 本作品に発電作用を持たせたもの

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体が磁石の接触で吊り下がっている回転飾りおもちゃ
【請求項2】
回転体が磁石の接触で吊り下がり,回転により電気を発生させる回転飾りおもちゃ

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate