説明

図形学習教材、その支援装置、並びに、そのプログラムおよび記録媒体

【課題】 難易度を変更しながら、楽しみ続けることができると共に、組み合わせ可能なものの数の増加に従って、組み合わせの数が増大し、多量の試行錯誤が必要になることと、多量の試行錯誤を効率よく処理するための理論的な考え方とを、ユーザに自然に理解させることが可能な図形学習教材、並びに、その支援装置を実現する。
【解決手段】 図形学習教材本体2には、複数のピース11…と箱12とが設けられている。箱12の概略形状は、蓋のない中空の箱において、壁面の一方を可動式にした形状である。ユーザは、上記ピース11…のうちの複数を選択し、それらを、当該ピース11…を、箱12の載置面21aに、可動部としてのゲージ23によって囲まれる領域ができるだけ狭くなるように載置する。さらに、残余の壁面としての枠22に形成された目盛り24により、ゲージ23の位置を読み取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに、ピースの組み合わせまたは数を変えさせながら、以下の動作、すなわち、予め用意されたピース群の中から任意の組み合わせを選択すると共に、当該ピースの組み合わせを可能な限り狭い枠内に入るように配置する動作を繰り返させることによって、自然に、ユーザによる組み合わせ問題の理解を深めることを可能とする図形学習教材、および、その支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ピース片の配置を工夫することによって、予め定められた枠内に、当該ピース片を収納するパズルが広く使われている。
【0003】
例えば、後述する特許文献1などに示すパズルでは、枠として、内部空間が立方体をなす箱であって、内部空間の互いに直交する3面と、これに対向する3面とがそれぞれ別体となるように分割された箱が設けられている。また、当該パズルには、ピースとして、直方体形状のブロックが設けられている。さらに、これらのブロックの中には、互いに直交する3辺の長さが全てLs(s=1、2、…、n;nは、2以上の自然数)であるn種類の立方体ブロックがそれぞれ1つずつ含まれている。また、上記ブロックの中には、互いに直交する3辺の長さが、それぞれ、Ls、LsおよびLt(t=1、2、…、n;ただし、sとは異なる)であるn 2 種類の正四角柱ブロックがそれぞれ3つずつ含まれている。さらに、上記ブロックの中には、互いに直交する3辺の長さが、それぞれ、Ls、LtおよびLu(u=1、2、…、n;ただし、sおよびtと異なる)であるn 3 種類の直方体ブロックが、それぞれ6つずつ含まれている。また、上記箱の内部空間の辺の長さが、L1+L2+…+Lnに設定されており、上記各ブロックを組み立てることによって、箱の内部空間と同一の立方体を構成し得るようになっている。
【0004】
これにより、ユーザは、ブロックを箱内に収納するように、当該ブロックの組み合わせ方を工夫して楽しむだけではなく、箱の内部空間の体積と、各ブロックの体積の合計とが等しくなることから、例えば、(a+b+c)3 =a3 +b3 +c3 +3a2 b+3b2 c+3c2 a+3ab2 +3bc2 +3ca2 +6abcの恒等式が成立することを自然に理解することができる。
【特許文献1】特開2001−276413(公開日:2001年10月9日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成では、達成すべき目標が、「予め定められた枠内に予め定められたピース片を収納する」という唯1つの目標であるため、一度解き方が分かってしまえば、そのユーザにとって、そのパズルの寿命が、そのパズルを解くという意味では無くなってしまい、後は、観賞用あるいはコレクションとしての価値しかなくなるという問題を生じる。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、難易度を変更しながら、楽しみ続けることができると共に、組み合わせ可能なものの数が増加するに従って、組み合わせの数が増大し、多量の試行錯誤が必要になること、および、多量の試行錯誤を効率よく処理するための理論的な考え方を、ユーザに自然に理解させることが可能な図形学習教材、並びに、その支援装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る図形学習教材は、上記課題を解決するために、複数のパズル片と、上記パズル片の少なくとも複数を載置可能な載置面が設けられた基板と、上記載置面のうち、上記パズル片が配置された部分を囲むように配置可能な枠を構成する1または複数の枠部材と、上記枠部材の少なくとも1つを移動可能に保持する支持部材とを備え、上記複数のパズル片には、形状または寸法の少なくとも一方が他とは異なるものが含まれており、上記枠部材および基板の少なくとも1つには、得点を導出する際に参照される上記枠の広さまたは周囲長を導出するための目盛りが設けられていることを特徴としている。
【0008】
また、上記構成に加えて、上記各パズル片は、それぞれ平面形状が矩形であってもよい。さらに、上記構成に加えて、上記支持部材は、上記基板であり、上記移動可能な枠部材は、上記支持部材としての基板から取り外し可能であり、当該基板の端部のうち、上記移動可能な枠部材を取り外し可能な端部は、端になる程、基板の厚みが薄くなるように形成されていてもよい。
【0009】
これらの構成によれば、枠部材の少なくとも1つが移動可能であり、しかも、複数のパズル片のうち、載置面に載置するパズル片を選択できる。したがって、いずれの組み合わせのパズル片を選択するかによって、選択したパズル片を、上記枠ができるだけ狭くなるように配置する際の難易度が大きく変化する。また、各パズル片には、形状または寸法の少なくとも一方が他とは異なるものが含まれているので、選択可能なパズル片の組み合わせの数を大きな値にすることができる。この結果、固定の枠内に決められた組み合わせのパズル片を詰め込む構成とは異なって、ピース片の組み合わせを変更することによって、難易度を変更しながら、楽しみ続けることができる。なお、枠または基板に目盛りが設けられているので、枠部材の少なくとも1つが移動可能であるにも拘わらず、当該目盛りを見ることによって、ユーザは、枠の広さまたは周囲長を容易に把握することができ、当該広さまたは周囲長に基づいて得点を導出することができる。
【0010】
また、ピース片の数が増えるに従って、各パズル片を配置する際の組み合わせの数が急速に増大し、上記枠を狭くすることを、ユーザに実感させることができるので、身近な組み合わせ問題であっても、組み合わせ可能なものの数が増加するに従って、組み合わせの数が増大し、多量の試行錯誤が必要になることを、ユーザに自然に理解させることができる。
【0011】
さらに、より効率よく(より少ない手間で)、枠の広さ(または周囲長)を狭く(短く)するためには、無駄な対称性を排除したり、場合分けしたりすることが有効である。したがって、無駄な対称性の排除、あるいは、場合分けといった論理的な考え方を、ユーザに自然に身に付けさせることができる。
【0012】
なお、これらの考え方は、図形学習教材を楽しむだけではなく、例えば、ロール鉄板からの板取り問題、VLSI設計におけるモジュール配置問題など、各産業の種々の問題に広く応用できる。したがって、上記図形学習教材のように、抽象化された問題によって、これらの考え方を自然に身に付けることができれば、これらの問題へ対処する際の素地を養うことができる。
【0013】
さらに、上記構成に加えて、上記各パズル片の表の面および裏の面とには、各パズル片を特定するための記号が記されており、表の面に記された記号の向きと、裏の面に記された記号の向きとは、互いに90度異なっていてもよい。
【0014】
上記構成によれば、ユーザは、ピース片を枠内に詰め込んでいる最中であっても、表の面に記された記号が正しい方向を向くようにピース片を配置することによって、当該ピース片を横向きに固定(限定)して配置できる。同様に、ユーザは、裏の面に記された記号が正しい方向を向くようにピース片を配置することによって、当該ピース片を縦向きに固定(限定)して配置できる。したがって、置き方を制限して、上記選択したピース片の配置を試行する場合であっても、ユーザは、記号の向きが正しくなるように、各ピース片を配置するだけで、正しい向きでピース片を配置できる。
【0015】
一方、本発明に係る支援装置は、上記課題を解決するために、上記図形学習教材による学習を支援するための支援装置であって、上記載置面に載置した上記パズル片の組み合わせと上記広さまたは周囲長との入力を受け付け、これらの入力から、上記パズル片を上記広さまたは周囲長の枠内に詰め込んだときの得点を算出して返答する得点算出手段を備えていることを特徴としている。
【0016】
ここで、上記図形学習教材では、上述したように、選択可能なピース片の組み合わせと、枠の広さまたは周囲長とによって難易度が変化し、それに伴なって得点も変化する。ただし、各パズル片には、形状または寸法の少なくとも一方が他とは異なるものが含まれているので、選択可能なパズル片の組み合わせの数を大きな値にすることができる。したがって、得点を導出するのに手間がかかってしまう。
【0017】
これに対して、上記支援装置は、得点算出手段を備えているので、載置面に載置した上記パズル片の組み合わせと上記広さまたは周囲長との入力を受け付け、これらの入力から、上記パズル片を上記広さまたは周囲長の枠内に詰め込んだときの得点を算出して返答でき、ユーザによる図形学習教材の学習を支援できる。
【0018】
したがって、固定の枠内に決められた組み合わせのパズル片を詰め込む構成とは異なって、ピース片の組み合わせを変更することにより、難易度を変更しながら、楽しみ続けることができる図形学習教材であるにも拘わらず、得点を容易に導出できる。
【0019】
また、上記構成に加えて、得点登録指示の入力を受け付けた場合、上記得点をデータベースに登録してもよい。当該構成では、得点をデータベースに登録できるので、複数のユーザによる得点の競い合いや、自らの得点の上昇の確認を支援できる。
【0020】
一方、本発明に係る図形学習教材は、上記課題を解決するために、上記図形学習教材による学習を支援するための支援装置であって、上記載置面に載置しようとする上記パズル片の組み合わせと、これらのパズル片を詰め込もうとする上記広さまたは周囲長との入力を受け付け、これらの入力から、上記パズル片を上記広さまたは周囲長の枠内に詰め込む際の難易度を算出して返答する難易度算出手段を備えていることを特徴としている。
【0021】
ここで、上記図形学習教材では、上述したように、選択可能なピース片の組み合わせと、枠の広さまたは周囲長とによって難易度が変化する。また、各パズル片には、形状または寸法の少なくとも一方が他とは異なるものが含まれているので、選択可能なパズル片の組み合わせの数を大きな値にすることができる。したがって、選択したピース片の組み合わせを、目標とする広さまたは周囲長の枠に詰め込む場合の難易度を、ユーザが把握することが難しい。
【0022】
これに対して、上記支援装置は、難易度算出手段を備えているので、上記載置面に載置しようとする上記パズル片の組み合わせと、これらのパズル片を詰め込もうとする上記広さまたは周囲長との入力を受け付け、これらの入力から、上記パズル片を上記広さまたは周囲長の内に詰め込む際の難易度を算出して返答でき、ユーザによる図形学習教材の学習を支援できる。
【0023】
したがって、固定の枠内に決められた組み合わせのパズル片を詰め込む構成とは異なって、ピース片の組み合わせを変更することにより、難易度を変更しながら、楽しみ続けることができる図形学習教材であるにも拘わらず、ユーザは、自らに適した難易度で楽しむことができる。
【0024】
さらに、上記構成に加えて、上記返答は、上記組み合わせのパズル片を上記広さまたは周囲長に詰め込むための配置をコンピュータが計算する際に必要な計算量に応じて算出されてもよい。当該構成では、得点または難易度が、上記組み合わせのパズル片を上記広さまたは周囲長の枠に詰め込むための配置をコンピュータが計算する際に必要な計算量に応じて決定されるので、上記組み合わせと広さまたは周囲長との対の全てに対応して、得点または難易度を記憶しておかなくても、何ら支障なく、得点または難易度を算出できる。したがって、選択可能なピース片の組み合わせの数が増大しても、得点および難易度を導出するために必要な記憶容量を余り増大させることなく、得点および難易度を返答できる。
【0025】
さらに、上記構成に加えて、上記図形学習教材には、上記移動可能な枠部材の位置を検出するセンサが設けられており、上記広さまたは周囲長の入力は、上記センサの検出結果の入力であってもよい。当該構成では、センサの検出結果の入力によって、広さまたは周囲長が入力されるので、ユーザが広さまたは周囲長を入力する際の手間を削減できる。
【0026】
また、本発明に係る支援装置は、上記課題を解決するために、上記図形学習教材による学習を支援するための支援装置であって、上記載置面に載置しようとする上記パズル片の組み合わせの入力を受け付け、当該入力に基づいて、上記広さをできるだけ狭くまたは周囲長をできるだけ短くするための各パズル片の配置を、予め定められた発見的手法、あるいは、最適解を求めるために予め定められた厳密計算法に従って計算する解算出手段を備えていることを特徴としている。
【0027】
ここで、上記図形学習教材では、上述したように、選択可能なピース片の組み合わせを変更すると、その場合に適切な配置も変化する。また、各パズル片には、形状または寸法の少なくとも一方が他とは異なるものが含まれているので、選択可能なパズル片の組み合わせの数を大きな値にすることができる。したがって、選択したピース片の組み合わせに適した配置全てを記憶しておくことが難しい。
【0028】
これに対して、上記支援装置は、解算出手段が設けられているので、上記載置面に載置しようとする上記パズル片の組み合わせの入力を受け付け、当該入力に基づいて、上記広さをできるだけ狭くまたは周囲長をできるだけ短くするための各パズル片の配置を、予め定められた発見的手法に従って計算でき、選択したピース片の組み合わせに適した配置全てを記憶しておく必要がない。したがって、選択可能なピース片の組み合わせの数が増大しても、適切な解を導出するために必要な記憶容量を余り増大させることなく、発見的手法で発見した解をユーザに提示できる。この結果、ユーザは、自らの詰め合わせ方の不備、あるいは、より適切な詰め合わせ方を学習し、より高得点の詰め合わせに挑むことができ、ユーザによる図形学習教材の学習を支援できる。
【0029】
ところで、上記支援装置は、ハードウェアで実現してもよいし、プログラムをコンピュータに実行させることによって実現してもよい。具体的には、本発明に係るプログラムは、上記支援装置の手段として、コンピュータを動作させるプログラムであり、本発明に係る記録媒体には、当該プログラムが記録されている。
【0030】
これらのプログラムがコンピュータによって実行されると、当該コンピュータは、上記支援装置として動作する。したがって、上記支援装置と同様に、ユーザによる図形学習教材の学習を支援できる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、枠部材の少なくとも1つが移動可能であり、しかも、複数のパズル片のうち、載置面に載置するパズル片を選択できる。したがって、いずれの組み合わせのパズル片を選択するかによって、選択したパズル片を、上記枠ができるだけ狭くなるように配置する際の難易度が大きく変化する。また、各パズル片には、形状または寸法の少なくとも一方が他とは異なるものが含まれているので、選択可能なパズル片の組み合わせの数を大きな値にすることができる。この結果、固定の枠内に決められた組み合わせのパズル片を詰め込む構成とは異なって、ピース片の組み合わせを変更することによって、難易度を変更しながら、楽しみ続けることができる。
【0032】
この結果、難易度を変更しながら、楽しみ続けることができると共に、組み合わせ可能なものの数が増加するに従って、組み合わせの数が増大し、多量の試行錯誤が必要になること、および、多量の試行錯誤を効率よく処理するための理論的な考え方を、ユーザに自然に理解させることが可能な図形学習教材、並びに、その支援装置として、広く使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の一実施形態について図1ないし図11に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、本実施形態に係る図形学習システムは、ユーザに、ピースの組み合わせまたは数を変えさせながら、以下の動作、すなわち、予め用意されたピース群の中から任意の組み合わせを選択すると共に、当該ピースの組み合わせを可能な限り狭い枠内に入るように配置する動作を繰り返させることによって、自然に、ユーザによる組み合わせ問題の理解を深めることを可能とするシステムであって、組み合わせ問題の学習に好適に用いられている。
【0034】
本実施形態に係る図形学習システム1には、図2に示すように、上記ピースなどを含む図形学習教材本体2と、図形学習教材本体2による学習を支援するための支援装置としてのクライアント装置3およびサーバ装置4とが設けられており、詳細は後述するように、クライアント装置3およびサーバ装置4は、例えば、あるピースの組み合わせを選択した場合の難易度などを回答したり、あるピースの組み合わせを特定の広さの枠内に収めたときの得点を回答したりして、図形学習教材本体2による学習を支援することができる。
【0035】
上記図形学習教材本体2は、図1に示すように、それぞれに定められた平面形状を持ち、予め定められた厚みの複数のピース(パズル片)11…と、当該ピース11の複数を載置可能な箱12とを備えている。
【0036】
本実施形態では、上記ピース11…の平面形状は、それぞれ矩形に設定されており、各ピース11の形状は、直方体になっている。また、上記複数のピース11…の中には、平面形状の形が他のピース11の平面形状の形と異なるもの(例えば、長辺と短辺との比率が異なるものなど)が含まれている。さらに、上記複数のピース11…の中には、平面形状の寸法が他のピース11の平面形状の寸法と異なるもの(例えば、相似形のものなど)も含まれている。なお、上記複数のピース11…の中には、平面形状の形と寸法との双方が、他のピース11と異なっているものが含まれていてもよい。また、上記複数のピース11…の中には、平面形状の形と寸法との双方が他のピース11と同じものが含まれていてもよい。
【0037】
また、図3に示すように、本実施形態に係る各ピース11において、表の面11aおよび裏の面11bには、各ピース11を特定するための記号Maおよび11bがそれぞれ記されている。本実施形態では、当該記号の一例として、シリアルかつユニークな番号が採用されている。
【0038】
さらに、表の面11aおよび裏の面11bに付された記号Ma・Mbの向きは、上記矩形の4辺のいずれかと平行になるように設定されており、表の面11aに付された記号Maの向きと、裏の面11bに付された記号Mbの向きとは、互いに90度異なっている。なお、記号が文字(番号を含む)の場合、記号の向きは、文字のベースラインである。
【0039】
一方、図1に示すように、上記箱12の概略形状は、蓋のない中空の箱において、壁面の一方を可動式にした形状である。より詳細には、箱12は、ピース11の複数を載置可能な載置面21aが設けられた底板(基板・支持部材)21と、載置面21aの3方を取り囲むように、底板21の載置面21aの周囲から、載置面21aの上方へ延設された枠(枠部材)22と、上記載置面21a上を、上記載置面21aの他方から上記枠22の対向する面へ向けての方向(α)へ移動可能なゲージ(移動可能な枠部材)23とを備えている。
【0040】
本実施形態では、上記載置面21aは、矩形状に形成されており、上記枠22は、当該矩形の3辺Sa〜Scに沿って設けられている。また、上記ゲージ23は、残余の一辺Sdから、上記枠22のうち、当該辺Sdに対向する辺Sbへの方向αへ移動可能に形成されている。
【0041】
また、上記枠22のうち、上記各辺Sa〜Scにそれぞれ沿った部分を22a〜22cとすると、上記方向αに沿った部分22aおよび22cには、上記ゲージ23の上記α方向における位置Pを示す目盛り24が設けられている。本実施形態では、上記目盛り24は、上記部分22aおよび22cへ単位長毎に埋設された真鍮線24aと、真鍮線24a間に埋設され、互いに異なる色目の木片24bとから構成されている。これにより、ユーザは、ゲージ23の位置の木片24の色目を見ることによって、ゲージ23の位置Pを把握することができる。
【0042】
さらに、上記底板21のうち、枠22が設けられていない辺Sd側の端部21dは、図4の断面図に示すように、辺Sdに近づくに従って厚みが薄くなるように構成されている。これにより、ゲージ23は、底板21および枠22に対して、上記方向αに沿って着脱し易くなっている。
【0043】
上記構成において、ユーザは、図形学習教材本体2のピース11…の中から、任意の数および組み合わせのピース11…を選択すると共に、各ピース11…ができる限り詰まって配置されるように、上記選択したピース11…を、箱12の載置面21a上に載置する。なお、一度、載置した結果、各ピース11…が充分に詰めて配置されていないと判断した場合、ユーザは、納得がいくまで、載置面21aにおける、各ピース11…の配置を修正する。これにより、上記選択された各ピース11…は、当該ユーザが可能な限り詰めた状態で、箱12の載置面21aに載置される。
【0044】
さらに、ユーザは、図5に示すように、上記ゲージ23を、方向αに沿って、底板21および枠22へ装着し、載置面21a上のゲージ23を、できるだけ方向αに移動させる。ここで、載置面21aには、ピース11…が載置されているので、上記ゲージ23は、ピース11…に接触すると、それ以上、上記方向αには移動できなくなる。
【0045】
この状態で、ユーザは、枠22に形成されている目盛り24を読み取って、ゲージ23の上記方向αにおける位置Pを特定する。ここで、枠22は、載置面21aの3方を取り囲むように固定されており、ゲージ23のみが、上記載置面21aの他方から上記枠22の対向する面へ向けての方向αへ移動可能である。
【0046】
したがって、上記方向αにおける位置Pによって、載置面21aのうち、枠22およびゲージ23で囲まれた領域Aの広さを特定することができると共に、ユーザは、当該領域Aの広さを狭くするように(ゲージ23をよりα方向へ移動できるように)、ピース11…の配置を再考できる。
【0047】
一例として、図6に示すように、ピース11…を配置した状態では、ゲージ23の位置Pは、図中、P1に示す位置にあり、未だ大きく改善する余地がある。ピース11…の配置を変更して、図7に示す状態にすると、ゲージ23の位置は、図中、P2に示すように、図6に示す位置P1よりもα方向に大きくなっており、ゲージ23の高さH2は、図6の場合の高さH1よりも低くなっているが、未だ改善の余地がある。さらに、ピース11…の配置を変更して、図8に示す状態にすると、ゲージ23の位置P3は、図中、P3に示すように、図7に示す位置P2よりもさらにα方向の位置になり、高さH3は、より低くなる。この状態では、各ピース11点間に隙間がないことからも明らかなように、どのように、ピース11…の配置を変更しても、これ以上、ゲージ23をα方向に移動させることができない。なお、以下では、どのように、ピース11…の配置を変更しても、これ以上、ゲージ23をα方向に移動させることができない状態のことを最適解と称する。また、ゲージ23の高さは、ゲージ23の下端(よりα方向の端)から、枠22の一辺22bの上端までの長さである。
【0048】
このように、上記図形学習教材本体2は、予め用意された複数のピース11…の中から任意の組み合わせを選択すると共に、当該ピース11…の組み合わせを可能な限り狭い領域Aに入るように配置する動作をユーザに繰り返させることができる。
【0049】
したがって、複数のユーザ間で、領域Aの狭さを競ったり、あるユーザが、より狭い領域A内に上記選択したピース11…を収納できるように努力したりして、図形学習教材本体2を楽しむことができる。
【0050】
また、より効率よく(より少ない手間で)、領域Aの広さを狭くするためには、無駄な対称性を排除したり、場合分けしたりすることが有効である。したがって、「ピース11…の配置に対称性があり、一方を試行すれば、他の対称な配置については、試行するまでもなく、領域Aを特定できる場合、他の対象な配置の試行を取り止める」という考え方、および、「ピース11…の配置方法を、複数種類に場合分けして、どの種類の配置が、他の種類の配置よりも領域Aの広さを狭くするかを推測し、当該種類の配置のみを試行する」という考え方などの理論的な思考を、ユーザに自然に身に付けさせることができる。
【0051】
なお、これらの考え方は、図形学習教材本体2を楽しむだけではなく、例えば、ロール鉄板からの板取り問題、VLSI(Very Large Scale Integration )設計におけるモジュール配置問題など、各産業の種々の問題に広く応用できる。したがって、上記図形学習教材本体2のように、抽象化された問題によって、これらの考え方を自然に身に付けることができれば、これらの問題へ対処する際の素地を養うことができる。
【0052】
また、上記図形学習教材本体2では、最初に選択するピース11…の数および組み合わせによって、どの程度、上記領域Aの広さを縮小できるかが大きく変化し、上記選択した数および組み合わせにおける最適解、あるいは、最適に近い解(準最適解)の例なども変化する。
【0053】
したがって、従来の「ピース噛み合わせタイプのパズル」のように、達成すべき目標が唯1つであり(例えば、隙間なく詰める、あるいは、所定の形に組み上げるなど)、一度解き方が分かってしまえば、そのユーザにとって、そのパズルの寿命が、そのパズルを解くという意味では無くなってしまい、後は、観賞用あるいはコレクションとしての価値しかなくなるパズルとは異なって、本実施形態に係る図形学習教材本体2では、ピース11…の数および組み合わせを変更することによって、難易度を変更しながら、楽しみ続けることができる。
【0054】
一例として、各ピース11の形状および寸法が互いに異なっている場合、7個程度のピース11…を用意すると、それらのピース11…の組み合わせの数は、10億以上になる。したがって、1セットの図形学習教材本体2であるにも拘わらず、人間の感覚から見ると、図形学習教材本体2は、無限に近い数のパズルとなり、難易度を変更しながら、楽しみ続けることができる。
【0055】
また、例えば、3個や4個程度の少数のピース11…を選択すれば、比較的容易に最適解を見つけることができるので、例えば、小学校の低学年など、余り理論的な思考に慣れていない者でも、楽しむことができる。このように、1セットの図形学習教材本体2であるにも拘わらず、ユーザに合った難易度での学習が可能になる。
【0056】
加えて、後述するように、ピース11…の数が増加すると、「コンピュータであっても、最適解ではなく、準最適解しか算出できなくなる」ことがユーザに通知される。したがって、「コンピュータが万能ではない」こと、および、「身近な組み合わせ問題であっても、実際には、多量の演算を行う必要がある」ことを、ユーザに自然に理解させることができる。
【0057】
なお、最適解を見つけるためには、各ピース11が取り得る配置の全てをシラミ潰しで探索すると共に、各配置における領域Aの広さを評価し、これら全配置の中から最適解を見つける必要がある。ところが、現在のコンピュータの演算能力では、各ピース11の平面形状が矩形であったとしても、ピース11の個数が7個までの場合にしか、最適解を見つけることができず、それ以上になると、コンピュータであったとしても、準最適解しか提示することができない。
【0058】
また、詳細は後述するように、本実施形態に係る図形学習システム1では、上記選択したピース11…の組み合わせおよび数と、領域Aの広さとに対応して、得点が付けられている。したがって、複数のユーザ間で、得点を競ったり、あるユーザが、より多くの得点が得られるように、努力したりして、楽しむことができる。また、ピース11…を複数のユーザで取り分けるなどすれば、複数のユーザが詰め方を競技することもできる。
【0059】
ところで、上記図形学習教材本体2では、上述したように、最初に選択するピース11…の数および組み合わせによって、最適解、あるいは、最適に近い解(準最適解)の例などが変化する。
【0060】
ここで、図8に示すように、各ピース11…間の隙間が全くなくなれば、最適解であることは明確であるが、ピース11…の組み合わせおよび数によっては、最適解の状態でも、隙間が残ってしまうことも多い。例えば、図5の例は、最適解の状態を示しているが、依然として、ピース11…間に隙間が残っている。
【0061】
したがって、ユーザが、ある組み合わせおよび数のピース11…を、ある広さの領域Aに収めることに挑戦する場合、当該ユーザは、当該挑戦の難易度を事前に把握し難い。同様に、ユーザが、ある組み合わせおよび数のピース11…を、ある広さの領域Aに収めることに成功した場合、当該ユーザは、どの程度の難易度の目標に成功したかも把握しにくい。また、ある組み合わせおよび数のピース11…を選択した場合の最適解あるいは準最適解の例も把握し難い。
【0062】
これらの点を支援するために、本実施形態に係る図形学習システム1には、図2に示すように、クライアント装置3およびサーバ装置4が設けられている。当該クライアント装置3は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどの装置であって、図形学習教材本体2のユーザによって操作可能な場所に配置されている。一方、サーバ装置4は、当該クライアント装置3と、例えば、インターネットなどのネットワーク5を介して通信可能な装置であって、クライアント装置3からの要求(例えば、問い合わせや指示など)に応えることができる。
【0063】
具体的には、図9に示すように、本実施形態に係るサーバ装置4には、クライアント装置3から送信されてきたピース11…の組み合わせに基づいて、最適解または準最適解を算出する解計算部31と、クライアント装置3から送信されてきたピース11…の組み合わせ、および、目標とする領域Aの広さに基づいて、ユーザが、当該ピース11…を選択し、当該領域Aの広さに収める場合の難易度を算出する難易度計算部32と、クライアント装置3から送信されてきたピース11…の組み合わせ、および、それらを収納した領域Aの広さに基づいて、ユーザが、当該ピース11…を選択し、当該領域Aの広さに収めた場合の得点を算出する得点計算部33と、上記各計算部31〜33によって参照されるデータおよびユーザの得点を記憶する記憶部34と、クライアント装置3によるユーザの指示に基づいて、当該ユーザの得点を当該記憶部34に登録する得点記録部35とが設けられている。なお、上記各部材31〜35は、CPUが記憶装置に格納されたプログラムを実行し、図示しない入出力回路などの周辺回路を制御することによって実現される機能ブロックである。
【0064】
本実施形態では、クライアント装置3のブラウザによって、サーバ装置4への問い合わせや要求の送信、および、サーバ装置4からの応答の表示を行うことができるように、上記各計算部31〜33および35は、当該ブラウザが送受可能なプロトコル(例えば、HTTPプロトコルなど)で、しかも、当該ブラウザが解釈可能なフォーマット(例えば、HTMLなど)のデータを送受できるように構成されている。
【0065】
また、本実施形態に係る図形学習システム1では、図形学習教材本体2の購入時に、サーバ装置4へのアクセス権も購入されるようになっており、上記上記各計算部31〜33および35は、クライアント装置3からの要求を受けた場合に、例えば、アクセス権と共に渡されるアカウント名と、当該アカウント名に予め関連付けられたパスワードとの組み合わせで、クライアント装置3のユーザあるいはクライアント装置3自体を認証するなどして、当該クライアント装置3にアクセス権があるか否かを確認すると共に、アクセス権を持っていない第三者からの要求には、正しい応答(問い合わせへの回答など)を返さないように構成されている。
【0066】
さらに、上記解計算部31は、例えば、予め定められた数と比較するなどして、上記選択されたピース11…の個数が最適解を算出できる程度に少ないか否かを判定し、最適解を算出できる程度に上記個数が少ない場合には、上述したシラミ潰しのアルゴリズム(厳密計算法)で、最適解を算出することができる。
【0067】
なお、問い合わせがある度に最適解を算出してもよいが、算出された最適解を、ピース11…の組み合わせと関連付けて、上記記憶部34に格納しておき、問い合わせを受けたピース11…の組み合わせに対応する最適解が記憶部34に格納されている場合は、最適解を算出する代わりに、記憶部34から読み出した最適解を返答してもよい。また、最適解を算出可能なピース11…の組み合わせ全てについて、当該サーバ装置4または図示しない他のコンピュータによって、予め最適解を算出しておき、各最適解を上記組み合わせに関連付けて記憶部34に格納してもよい。この場合、解計算部31は、問い合わせを受けた組み合わせに関連して記憶されている最適解を記憶部34から読み出してクライアント装置3に返答する。なお、この場合であっても、上述したように、最適解を算出可能な組み合わせが限られているので、何ら支障なく、各組み合わせに対応する最適解を上記記憶部34に格納できる。
【0068】
一方、上記解計算部31は、上記選択されたピース11…の個数が最適解を算出できない程度に多い場合には、予め定められたアルゴリズムに従って、準最適解を算出することができる。なお、上述したように、選択可能なピース11…の組み合わせは、非常に大きく、記憶部34の記憶容量を大きく設定しても、全ての組み合わせに対応する準最適解を上記記憶部34に格納することはできない。ところが、解計算部31は、準最適解は、所定のアルゴリズムに従って算出するので、図形学習教材本体2に用意されたピース11の個数が多い場合であっても、何ら支障なく、準最適解を返答できる。
【0069】
また、上記難易度計算部32は、例えば、上記ピース11…の組み合わせと領域Aの広さとに基づいて、上記解計算部31が準最適解を算出するために必要な計算ステップ数を算出するなどして、「ユーザが、当該ピース11…を選択し、当該領域Aの広さに収める場合の難易度」を算出することができる。
【0070】
同様に、上記得点計算部33も、例えば、上記ピース11…の組み合わせと領域Aの広さとに基づいて、上記解計算部31が準最適解を算出するために必要な計算ステップ数を算出するなどして、「ユーザが、当該ピース11…を選択し、当該領域Aの広さに収めた場合の得点」を算出することができる。なお、当該得点計算部33は、ユーザの得点を返答する際に、上記組み合わせから算出される最適解または準最適解の得点を併せて返答し、クライアント装置3に最適解または準最適解の得点をユーザに提示させてもよい。
【0071】
なお、上記解計算部31が準最適解を算出するタイミングも、最適解を算出するタイミングと同様に、問い合わせがある度に限るものではない。例えば、難易度の問い合わせがあった時点や得点の問い合わせがあった時点など、他のタイミングで算出し、記憶部34に記憶しておくと共に、問い合わせがあった組み合わせに対応する準最適解が記憶部34に記憶されていれば、当該準最適解を読み出して返答してもよい。ここで、難易度や得点の問い合わせは、解の問い合わせよりも早い時点で行われることが多いので、難易度の問い合わせ時点で、準最適解を算出しておくことによって、サーバ装置4は、記憶部34に必要な記憶容量を余り増大させることなく、より速く準最適解をクライアント装置3に返答できる。また、準最適解を算出する際のステップ数に基づいて、難易度や得点を算出している場合は、難易度や得点の問い合わせ時点で、準最適解を算出することによって、準最適解を算出する手順の一部または全部と、準最適解を算出するために必要な計算ステップ数を算出する手順の一部または全部とを共用できる。したがって、双方を別々に算出する場合よりも、双方を算出するために必要な演算量を削減できる。
【0072】
また、上記得点記録部35は、クライアント装置3によるユーザの指示に基づいて、当該ユーザの得点を当該記憶部34に登録することができる。なお、クライアント装置3は、ユーザによる当該得点登録の指示と得点との双方をサーバ装置4へ送信してもよい。また、得点計算部33によって計算された得点が記憶部34に記憶されている場合は、両者のうち、得点登録の指示のみをクライアント装置3が送信し、得点記録部35が当該得点を登録してもよい。より詳細には、サーバ装置4の上記得点計算部33は、例えば、得点をクライアント装置3へ返答する際に、当該得点を登録するか否かを確認するボタンなどをクライアント装置3へ表示させて、ユーザに登録の要否の入力を促してもよい。この場合、クライアント装置3は、ユーザの操作に応じて、得点登録の要否をサーバ装置4へ送信し、得点記録部35は、得点登録の指示を受け付けた場合、得点計算部33が算出し、記憶部34に一時記憶されていた得点を、記憶部34から読み出し、当該得点を記憶部34の得点記録用のデータベースに登録してもよい。
【0073】
ここで、本実施形態に係る図形学習システム1では、サーバ装置4が複数のユーザを個別に支援できるように、各ユーザにユニークなIDが割り当てられており、得点記録部35は、各ユーザの得点を、当該ユーザのIDに関連付けて登録できる。
【0074】
さらに、本実施形態に係る得点記録部35は、クライアント装置3からの指示に応じて、記憶部34の得点記録用のデータベースに登録されている得点を返答できる。なお、得点記録部35は、検索条件の指定を受け付けた場合、記憶部34の得点記録用のデータベースから、当該検索条件に該当する得点を返答してもよい。また、得点だけではなく、ユーザに関連する情報(ユーザのIDや、IDに関連して記憶されたユーザの名前など)を返答してもよい。
【0075】
ここで、上記各部材31〜35を構成するためのプログラムは、常時同じプログラムであってもよいが、解などの算出方法として、より新しい算出方法が見つかる場合がある。したがって、図2に示すように、研究者用のクライアント装置6を設け、当該クライアント装置6から、ネットワーク5を介して、上記各部材31〜35を構成するためのプログラムを更新できるように、サーバ装置4を構成してもよい。この場合、サーバ装置4は、上記プログラムを常に最新のものに更新でき、上記各部材31〜36は、常に、最新の算出方法で、解などを算出することができる。
【0076】
なお、サーバ装置4および研究者用のクライアント装置6の運営方法としては、種々の方法が考えられるが、例えば、研究者が、図形学習教材本体2の販売およびサーバ装置4の運用を、教材販売会社に委託する場合は、サーバ装置4が教材販売会社によって運用される。また、研究者が、図形学習教材本体2の販売のみを教材販売会社に委託する場合は、研究者が、自らのクライアント装置6だけではなく、サーバ装置4を運営してもよい。この場合、サーバ装置4とクライアント装置6とが一体であってもよい。
【0077】
上記構成において、クライアント装置3およびサーバ装置4がユーザを支援する際の動作を、図10に基づき説明すると、以下の通りである。すなわち、ステップ1(以下では、S1のように略称する)において、ユーザがピース11…の組み合わせと目標にする領域Aの広さとを決定し、クライアント装置3が、例えば、図示しないマウスやキーボードなどの入力装置などを介して、ユーザから、これらの入力と、難易度の問い合わせ指示とを受け付けると、クライアント装置3は、S2において、サーバ装置4へ、上記組み合わせ、および、広さを含む難易度問い合わせ要求を送信して、「ユーザが、当該ピース11…を選択し、当該領域Aの広さに収める場合の難易度」を問い合わせる。一方、サーバ装置4(より詳細には、難易度計算部32)は、S3において、難易度問い合わせ要求を受け付けると、当該難易度問い合わせ要求に基づいて、難易度を算出し、クライアント装置3へ返答する。さらに、クライアント装置3は、S4において、例えば、クライアント装置3の図示しない表示装置に難易度を表示したり、難易度を示す音声を再生したりして、上記返答された難易度を、ユーザに提示する。
【0078】
ユーザは、提示された難易度を参照して、難解過ぎたり、容易過ぎると判断すると、再度、上記組み合わせおよび広さの選択、並びに、それらの入力を行い、クライアント装置3およびサーバ装置4に、上記S1以降の処理を繰り返させる。
【0079】
一方、提示された難易度が妥当と判断した場合、ユーザは、上記選択したピース11…を、上述したように、領域Aの広さができるだけ狭くなるように、各ピース11…を、図形学習教材本体2の箱12の載置面11aへ詰め込む。
【0080】
ユーザがピース11…の詰め込みの試行を繰り返し、充分に領域Aの広さを狭くできたと判断すると、ユーザは、クライアント装置3へ、詰め込んだピース11…の組み合わせと、当該ピース11…を詰め込んだ領域Aの広さとを入力する。クライアント装置3は、S11において、上記組み合わせと広さとの入力を受け付けると、S12において、当該組み合わせおよび広さを含む得点問い合わせ要求をサーバ装置4へ送信する。一方、サーバ装置4(より詳細には、得点計算部33)は、S13において、得点問い合わせ要求に基づいて、「ユーザが、当該ピース11…を選択し、当該領域Aの広さに収めた場合の得点」を返答し、クライアント装置3は、S14において、当該返答された難易度をユーザに提示する。
【0081】
例えば、ユーザが提示された自らの得点に満足しなかった場合など、ユーザが、再度、上記で選択したピース11…の詰め合わせを試行する場合、クライアント装置3およびサーバ装置4は、上記S11以降の処理を繰り返す。
【0082】
なお、サーバ装置4が、上記組み合わせから算出される最適解または準最適解の得点をユーザの得点と共に返答する場合、ユーザは、自らの得点だけではなく、最適解または準最適解の得点も参照して、ピース11…の詰め合わせを再試行するか否かを決定できる。
【0083】
一方、例えば、ユーザが提示された自らの得点に満足した場合など、ユーザが上記で選択したピース11…の詰め合わせを終了し、最適解または準最適解を要求する場合、クライアント装置3は、S21において、ピース11…の組み合わせの入力を受け付け、S22において、当該組み合わせを示す解問い合わせ要求をサーバ装置4へ送信する。これに応じ、サーバ装置4(より詳細には、解計算部31)は、S23において、最適解または準最適解を返答し、クライアント装置3は、S24において、上記返答された最適解または準最適解をユーザに提示する。
【0084】
これにより、ユーザは、提示された最適解または準最適解を参照して、自らの詰め合わせ方の不備、あるいは、より適切な詰め合わせ方を学習し、より高得点の詰め合わせに挑むことができる。
【0085】
なお、最適解または準最適解を参照するか否かに拘わらず、ユーザからの得点の登録指示を受け付けた場合、クライアント装置3は、得点の登録要求をサーバ装置4へ送信し、サーバ装置4(より詳細には、得点記録部35)に、ユーザの得点を登録させることができる。この際、クライアント装置3は、ユーザから、各ピース11…の配置の入力を受け付け、当該配置の情報も併せて送信することによって、サーバ装置4の得点記録部35に対して、ピース11…の配置も記憶部34へ入力するように指示できる。これにより、得点記録部35は、ピース11…の配置の妥当性を検証すると共に、新たな配置が発見された場合は、その配置も記憶部34に登録することができる。
【0086】
また、最適解または準最適解を参照するか否か、あるいは、得点を登録するか否かに拘わらず、ユーザが、再度、ピース11…を選択した場合、ユーザは、クライアント装置3およびサーバ装置4に、上記S1以降の処理を繰り返させる。
【0087】
なお、上記では、各問い合わせ毎に、ユーザがピース11…の組み合わせを入力する場合を例にして説明したが、これに限るものではない。一般に、ピース11…を選択し直さない限り、難易度問い合わせ時の組み合わせと、得点問い合わせ時の組み合わせと、解問い合わせ時の組み合わせと得点登録時の組み合わせとは、互いに同一である。また、得点問い合わせ時の領域Aの広さ、および、得点登録時の領域Aの広さも互いに同一である。したがって、クライアント装置3が、これまでに入力されていた組み合わせまたは広さを記憶しておけば、ユーザが再度入力しなくても、組み合わせまたは広さを送信できる。
【0088】
同様に、上記では、各問い合わせ毎にクライアント装置3が組み合わせまたは領域Aの広さを含む問い合わせ要求を送信する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、サーバ装置4が、ユーザを特定可能な情報(例えば、アカウントなど)と関連付けて、これまでに受信した問い合わせ要求に含まれる組み合わせまたは広さを記憶しておけば、ユーザが、これらを再度入力せず、クライアント装置3が、これらを含まない問い合わせ要求を送信してもよい。この場合、サーバ装置4は、問い合わせ要求を送信したユーザに関連して記憶されていた組み合わせまたは広さに基づいて、問い合わせに応答できる。
【0089】
また、上記では、ユーザが、ピース11…の組み合わせ、領域Aの広さ、あるいは、ピース11…の配置を、クライアント装置3へ入力する場合について説明したが、図形学習教材本体2に、これらの一部または全部を測定するセンサを設け、クライアント装置3が、ユーザからの入力に代えて、当該センサからの入力を受け付けてもよい。これにより、ユーザが、これらの情報を入力する際の手間を削減できる。
【0090】
ところで、上記では、ピース11…を載置面21aへ載置するときの向きを制限しない場合について説明したが、各ピース11…毎に、縦置きに置くか、横置きに置くかを決定した上で、各ピース11…を詰め合わせてもよい。
【0091】
この場合、ユーザは、ピース11…の組み合わせを入力する際、各ピース11…を横置きにするか縦置きにするかも併せて入力し、上記各ステップS1、S11およびS21において、クライアント装置3は、置き方の入力も受け付け、サーバ装置4への問い合わせ要求に、当該置き方も含めて送信する。また、サーバ装置4の各計算部31〜33は、各ピース11…の難易度、得点あるいは解を算出する際、指定された置き方で当該ピース11…を配置したときの難易度、得点あるいは解を算出する。
【0092】
これにより、図形学習教材本体2において、ピース11…の置き方(ピース11…を横置きに置くか縦置きに置くか)を制限しない場合と比べて、予め用意されているピース11…の中から、箱12へ詰め込むべきピース11…を選択する際の組み合わせの数を多くすることができる。
【0093】
また、このように、置き方を制限する場合であっても、上述したように、ピース11…の表の面11aおよび裏の面11bに付された記号Ma・Mb(図3参照)の向きが互いに90度異なっているので、ユーザは、ピース11を上記箱12に詰め込んでいる最中であっても、表の面11aに記された記号が正しい方向を向くようにピース11を配置することによって、当該ピース11を横向きに固定(限定)して配置できる。同様に、ユーザは、ピース11を上記箱12に詰め込んでいる最中であっても、裏の面11bに記された記号が正しい方向を向くようにピース11を配置することによって、当該ピース11を縦向きに固定(限定)して配置できる。したがって、置き方を制限する場合であっても、ユーザは、記号の向きが正しくなるようにピース11を配置するだけで、正しい向きでピース11を配置できる。
【0094】
また、上記では、図形学習システム1の一例として、クライアント装置3およびサーバ装置4を設け、サーバ装置4に各部材31〜35を設ける場合を例にして説明したが、これに限るものではない。
【0095】
図11に示す図形学習システム1aのように、クライアント装置3に、各部材31〜35を設け、クライアント装置3が解などを算出してもよい。なお、この場合、クライアント装置3の各部材31〜35は、クライアント装置3からの要求を受信する代わりに、例えば、図示しないマウスやキーボードなどの入力装置によって、ユーザからの入力を受け付け、クライアント装置3への提示指示を送信する代わりに、図示しないクライアント装置3の表示装置などを用いて、返答を提示させる。
【0096】
この場合、サーバ装置4は、特に設けなくてもよいが、解などの算出方法として、より新しい算出方法が見つかる場合がある。したがって、図11に示すように、サーバ装置7を設け、当該サーバ装置7が、ネットワーク5を介して、クライアント装置3に各部材31〜35を形成するためのプログラムを送信してもよい。これにより、クライアント装置3は、上記プログラムを常に最新のものに更新でき、常に、最新の算出方法で、解などを算出することができる。
【0097】
なお、上記では、各部材31〜35の全てをクライアント装置3に設ける場合について説明したが、これに限るものではなく、各部材31〜35の一部をクライアント装置3に設けてもよい。また、図2と同様、研究者用のクライアント装置6を設け、当該クライアント装置6から、ネットワーク5を介して、サーバ装置7のプログラムを更新できるように構成されていてもよい。なお、この場合のサーバ装置7も、サーバ装置4と同様に、教材販売会社によって運用されていてもよいし、研究者が運営してもよい。
【0098】
また、上記では、一例として、矩形状の領域Aの1辺を形成するゲージ23のみを移動可能にし、残余の3辺を構成する枠22を固定とする場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、枠22のうち、ゲージ23に直交する辺22aおよび22cの少なくとも1辺も移動可能に形成してもよい。この場合は、残余の辺22bにも、目盛り24を形成し、移動可能な辺(22aまたは22c)の位置を読み取り可能にすることが望ましい。
【0099】
さらに、上記では、一例として、各ピース11…の平面形状および載置面21aの平面形状の双方が矩形の場合を例にして説明したが、これに限るものではない。各ピース11…の平面形状および載置面21aの平面形状の少なくとも一方は、例えば、3角形など、他の多角形であってもよい。また、凸形状だけではなく、凹形状であってもよい。さらに、直線ではなく、曲線で囲まれた形状であってもよい。いずれの場合であっても、上記領域Aが、予め定められた数の辺で囲まれた領域であれば、同様の効果が得られる。また、上記では、枠22が変形しない場合を例にして説明したが、これに限るものではなく、例えば、枠として、紐のように可撓性を持ったものを用いてもよい。
【0100】
また、上記では、載置面21a上に、各ピース11…を配置し、各ピース11…を載置した領域Aの狭さを競う場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、箱12の深さを、複数のピース11を重ねて置くことができる程度の深さに設定し、ピース11…を重ねて置くことも許可すると共に、ピース11が含まれる直方体の狭さを競ってもよい。一例として、ゲージ23に代えて、蓋の高さ(載置面21aからの距離)を低くするように、ピース11…を配置してもよい。
【0101】
いずれの場合であっても、各ピース11…を収納する領域Aの狭さを競うために、載置面21aを囲む枠22または載置面21aに、領域Aの面積、周囲の長さ、空きスペース狭さ、あるいは、体積を測定するための目盛りが設けられているか、これらを測定するためのセンサが図形学習教材本体2に設けられていれば、同様の効果が得られる。
【0102】
なお、上記各実施形態では、サーバ装置4またはクライアント装置3を構成する各部材31〜35が、「CPUなどの演算手段がROMやRAMなどの記録媒体に格納されたプログラムコードを実行することで実現される機能ブロックである」場合を例にして説明したが、同様の処理を行うハードウェアで実現してもよい。また、処理の一部を行うハードウェアと、当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うプログラムコードを実行する上記演算手段とを組み合わせても実現することもできる。さらに、上記各部材のうち、ハードウェアとして説明した部材であっても、処理の一部を行うハードウェアと、当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うプログラムコードを実行する上記演算手段とを組み合わせても実現することもできる。なお、上記演算手段は、単体であってもよいし、装置内部のバスや種々の通信路を介して接続された複数の演算手段が共同してプログラムコードを実行してもよい。また、上記各部材のうちの記憶部34は、メモリなどの記憶装置自体であってもよい。
【0103】
上記演算手段によって直接実行可能なプログラムコード自体、または、後述する解凍などの処理によってプログラムコードを生成可能なデータとしてのプログラムは、当該プログラム(プログラムコードまたは上記データ)を記録媒体に格納し、当該記録媒体を配付したり、あるいは、上記プログラムを、有線または無線の通信路を介して伝送するための通信手段で送信したりして配付され、上記演算手段で実行される。
【0104】
なお、通信路を介して伝送する場合、通信路を構成する各伝送媒体が、プログラムを示す信号列を伝搬し合うことによって、当該通信路を介して、上記プログラムが伝送される。また、信号列を伝送する際、送信装置が、プログラムを示す信号列により搬送波を変調することによって、上記信号列を搬送波に重畳してもよい。この場合、受信装置が搬送波を復調することによって信号列が復元される。一方、上記信号列を伝送する際、送信装置が、デジタルデータ列としての信号列をパケット分割して伝送してもよい。この場合、受信装置は、受信したパケット群を連結して、上記信号列を復元する。また、送信装置が、信号列を送信する際、時分割/周波数分割/符号分割などの方法で、信号列を他の信号列と多重化して伝送してもよい。この場合、受信装置は、多重化された信号列から、個々の信号列を抽出して復元する。いずれの場合であっても、通信路を介してプログラムを伝送できれば、同様の効果が得られる。
【0105】
ここで、プログラムを配付する際の記録媒体は、取外し可能である方が好ましいが、プログラムを配付した後の記録媒体は、取外し可能か否かを問わない。また、上記記録媒体は、プログラムが記憶されていれば、書換え(書き込み)可能か否か、揮発性か否か、記録方法および形状を問わない。記録媒体の一例として、磁気テープやカセットテープなどのテープ、あるいは、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスクなどの磁気ディスク、または、CD−ROMや光磁気ディスク(MO)、ミニディスク(MD)やデジタルビデオディスク(DVD)などのディスクが挙げられる。また、記録媒体は、ICカードや光カードのようなカード、あるいは、マスクROMやEPROM、EEPROMまたはフラッシュROMなどのような半導体メモリであってもよい。あるいは、CPUなどの演算手段内に形成されたメモリであってもよい。
【0106】
なお、上記プログラムコードは、上記各処理の全手順を上記演算手段へ指示するコードであってもよいし、所定の手順で呼び出すことで、上記各処理の一部または全部を実行可能な基本プログラム(例えば、オペレーティングシステムやライブラリなど)が既に存在していれば、当該基本プログラムの呼び出しを上記演算手段へ指示するコードやポインタなどで、上記全手順の一部または全部を置き換えてもよい。
【0107】
また、上記記録媒体にプログラムを格納する際の形式は、例えば、実メモリに配置した状態のように、演算手段がアクセスして実行可能な格納形式であってもよいし、実メモリに配置する前で、演算手段が常時アクセス可能なローカルな記録媒体(例えば、実メモリやハードディスクなど)にインストールした後の格納形式、あるいは、ネットワークや搬送可能な記録媒体などから上記ローカルな記録媒体にインストールする前の格納形式などであってもよい。また、プログラムは、コンパイル後のオブジェクトコードに限るものではなく、ソースコードや、インタプリトまたはコンパイルの途中で生成される中間コードとして格納されていてもよい。いずれの場合であっても、圧縮された情報の解凍、符号化された情報の復号、インタプリト、コンパイル、リンク、または、実メモリへの配置などの処理、あるいは、各処理の組み合わせによって、上記演算手段が実行可能な形式に変換可能であれば、プログラムを記録媒体に格納する際の形式に拘わらず、同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、難易度を変更しながら、楽しみ続けることができると共に、組み合わせ可能なものの数が増加するに従って、組み合わせの数が増大し、多量の試行錯誤が必要になること、および、多量の試行錯誤を効率よく処理するための理論的な考え方を、ユーザに自然に理解させることが可能な図形学習教材、並びに、その支援装置として、広く使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、図形学習教材本体を示す斜視図である。
【図2】上記図形学習教材本体を含む図形学習システム全体の要部構成を示す構成図である。
【図3】上記図形学習教材本体に含まれるピースを示す斜視図である。
【図4】上記図形学習教材本体の底板の一端を示す断面図である。
【図5】上記図形学習教材本体を示すものであり、ピースが載置されている状態を示す斜視図である。
【図6】上記ピースの配置例を示す模式図である。
【図7】上記ピースの他の配置例を示す模式図である。
【図8】上記ピースのさらに他の配置例を示す模式図である。
【図9】上記図形学習システムのサーバ装置またはクライアント装置の要部構成を示すブロック図である。
【図10】上記クライアント装置およびサーバ装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】上記図形学習システムの変形例を示すものであり、図形学習システムの要部構成を示す構成図である。
【符号の説明】
【0110】
3 クライアント装置(支援装置)
4 サーバ装置(支援装置)
11 ピース(パズル片)
21 底板(基板・支持部材)
21a 載置面
22 枠(枠部材)
23 ゲージ(移動可能な枠部材)
24 目盛り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパズル片と、
上記パズル片の少なくとも複数を載置可能な載置面が設けられた基板と、
上記載置面のうち、上記パズル片が配置された部分を囲むように配置可能な枠を構成する1または複数の枠部材と、
上記枠部材の少なくとも1つを移動可能に保持する支持部材とを備え、
上記複数のパズル片には、形状または寸法の少なくとも一方が他とは異なるものが含まれており、
上記枠部材および基板の少なくとも1つには、得点を導出する際に参照される上記枠の広さまたは周囲長を導出するための目盛りが設けられていることを特徴とする図形学習教材。
【請求項2】
上記各パズル片は、それぞれ平面形状が矩形であることを特徴とする請求項1記載の図形学習教材。
【請求項3】
上記支持部材は、上記基板であり、
上記移動可能な枠部材は、上記支持部材としての基板から取り外し可能であり、
当該基板の端部のうち、上記移動可能な枠部材を取り外し可能な端部は、端になる程、基板の厚みが薄くなるように形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の図形学習教材。
【請求項4】
上記各パズル片の表の面および裏の面とには、各パズル片を特定するための記号が記されており、
表の面に記された記号の向きと、裏の面に記された記号の向きとは、互いに90度異なっていることを特徴とする請求項2記載の図形学習教材。
【請求項5】
請求項1、2、3または4記載の図形学習教材による学習を支援するための支援装置であって、
上記載置面に載置した上記パズル片の組み合わせと上記広さまたは周囲長との入力を受け付け、これらの入力から、上記パズル片を上記広さまたは周囲長の枠内に詰め込んだときの得点を算出して返答する得点算出手段を備えていることを特徴とする支援装置。
【請求項6】
得点登録指示の入力を受け付けた場合、上記得点をデータベースに登録することを特徴とする請求項5記載の支援装置。
【請求項7】
請求項1、2、3または4記載の図形学習教材による学習を支援するための支援装置であって、
上記載置面に載置しようとする上記パズル片の組み合わせと、これらのパズル片を詰め込もうとする上記広さまたは周囲長との入力を受け付け、これらの入力から、上記パズル片を上記広さまたは周囲長の枠内に詰め込む際の難易度を算出して返答する難易度算出手段を備えていることを特徴とする支援装置。
【請求項8】
上記返答は、上記組み合わせのパズル片を上記広さまたは周囲長の枠に詰め込むための配置をコンピュータが計算する際に必要な計算量に応じて算出されることを特徴とする請求項5、6または7記載の支援装置。
【請求項9】
上記図形学習教材には、上記移動可能な枠部材の位置を検出するセンサが設けられており、
上記広さまたは周囲長の入力は、上記センサの検出結果の入力であることを特徴とする請求項5、6、7または8記載の支援装置。
【請求項10】
請求項1、2、3または4記載の図形学習教材による学習を支援するための支援装置であって、
上記載置面に載置しようとする上記パズル片の組み合わせの入力を受け付け、当該入力に基づいて、上記広さをできるだけ狭くまたは周囲長をできるだけ短くするための各パズル片の配置を、予め定められた発見的手法、あるいは、最適解を求めるために予め定められた厳密計算法に従って計算する解算出手段を備えていることを特徴とする支援装置。
【請求項11】
請求項5、6、7、8、9または10記載の手段として、コンピュータを動作させるプログラム。
【請求項12】
請求項11記載のプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−98524(P2006−98524A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−282248(P2004−282248)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【Fターム(参考)】