説明

図書保管管理システム

【課題】より効率よく使用者に対して図書の貸し出しを行うことができる図書保管管理システムを提供すること。
【解決手段】管理装置は、図書の予約を受け付ける予約受付手段と、予約受付手段で受け付けた予約者毎の予約図書を所定のグループに分類するグループ分類手段と、を有し、書庫とステーション13との間のコンテナ搬送経路16上には、コンテナ6を収容可能な収容ユニット22を複数備えた移動棚14,15を設け、管理装置は、グループに分類した予約図書が収容されているコンテナ6を、収容ユニット22に一時保管する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置の指令に基づき、書庫に収容され、複数の図書が収納された複数のコンテナの中から、目的の図書が含まれているコンテナを取り出してステーションに搬送する図書保管管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多量の蔵書を有する図書館等において、図書館内の地下階に設けられ、複数の図書が収容されたコンテナを複数収容する書棚(書庫)と、この書棚からコンテナを取り出すスタッカークレーンと、スタッカークレーンによって書棚から取り出されたコンテナを図書館の地上階に搬送する垂直搬送機と、垂直搬送機からコンテナを受け取り、地上階に設けられているステーションユニット(ステーション)までコンテナを搬送する走行式移載台車と、を備え、ステーションユニット内で搬送されてきたコンテナから使用者が予約した図書を貸し出すものがある。このような図書保管管理システムは、書棚群から出庫したコンテナを一時的に保管するための水平方向を向く棚を備えるコンテナ待機棚(収容ユニット)を有しており、使用者が予め予約する図書と図書館への来館日時とを指定することにより、使用者の来館前に書棚から使用者の予約した図書が収納されたコンテナを取り出してコンテナ待機棚に保管することによって、使用者がステーションユニットに入室すると、コンテナ待機棚から走行式移載台車によってコンテナをステーションユニット内に搬送し、コンテナが書棚からステーションユニットまで搬送される出庫時間を短縮している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2008−30948号公報(第8頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の図書保管管理システムにあっては、使用者が予約した図書が収納されているコンテナが複数ある場合には、コンテナ待機棚(収容ユニット)の空いているスペースに対してコンテナを個別に一時保管するため、コンテナ待機棚からステーションユニット(ステーション)まで全てのコンテナを搬送するには時間がかかってしまい非効率的であるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、より効率よく使用者に対して図書の貸し出しを行うことができる図書保管管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の図書保管管理システムは、
管理装置の指令に基づき、書庫に収容されている複数の図書が収納された複数のコンテナの中から、目的の図書が含まれているコンテナを取り出してステーションに搬送するとともに、図書の貸し出しまたは返却作業後にステーションより前記書庫に前記コンテナを搬送する図書保管管理システムであって、
前記管理装置は、前記図書の予約を受け付ける予約受付手段と、該予約受付手段で受け付けた予約者毎の予約図書を所定のグループに分類するグループ分類手段と、を有し、
前記書庫と前記ステーションとの間のコンテナ搬送経路上には、前記コンテナを収容可能な収容ユニットを複数備えた移動棚を設け、
前記管理装置は、前記グループに分類した前記予約図書が収容されている前記コンテナを、前記収容ユニットに一時保管することを特徴としている。
この特徴によれば、予めステーションの近傍まで予約図書を搬送して、予約者毎に予約図書が収容されているコンテナを収容ユニット内に収容しておくことによって、予約者毎にコンテナを確実に纏めて移動棚に一時保管することができるので、コンテナを収容ユニットからステーションに搬送するまでの時間を短縮でき、予約者毎に効率よく図書の貸し出しを行うことができる。
【0007】
本発明の請求項2に記載の図書保管管理システムは、請求項1に記載の図書保管管理システムであって、
前記移動棚は、前記収容ユニットを上下方向に循環回動するように支持していることを特徴としている。
この特徴によれば、コンテナを収容する収容ユニットを上下方向に循環回動することができるので、収容ユニットを水平方向に配置するよりも小さい占有面積で移動棚を設けることができるばかりでなく、所望のコンテナを循環回動させて直ちに搬送位置まで移送することができる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の図書保管管理システムは、請求項1または2に記載の図書保管管理システムであって、
前記管理装置は、予約者毎の前記予約図書の貸し出し予定日時を入力する貸出予定日時情報を記憶可能であり、前記管理装置は、前記貸出予定日時情報に基づいて前記コンテナを前記収容ユニットに一時保管することを特徴としている。
この特徴によれば、常に収容ユニット内に貸出予定日時に応じたコンテナを収容して、予約者への予約図書の貸し出しを効率化することができ、返却済みの図書や貸出予定日時を経過した予約図書の収容されているコンテナを書庫に戻すことで、次の予約に備えることができる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の図書保管管理システムは、請求項1ないし3のいずれかに記載の図書保管管理システムであって、
前記ステーションの近傍には、少なくとも前記移動棚と前記管理装置とが設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、使用者はステーションで管理装置の入力手段から制御装置を操作して予約図書の貸出作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に係る図書保管管理システムを実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0011】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本発明の実施例における図書保管管理システムの全体像を示す側面図であり、図2は、ステーションを示す斜視図であり、図3は、ステーションを示す平面図であり、図4は、ロータリーラックの構成を示す概略図であり、図5は、図書保管管理システムの構成を示すブロック図であり、図6は、蔵書記憶テーブルを示す図であり、図7は、貸出記憶テーブルを示す図であり、図8は、貸出予約記憶テーブルを示す図であり、図9は、返却予約記憶テーブルを示す図であり、図10は、管理制御回路で行われる予約コンテナ一時保管処理のフローチャートであり、図11は、管理制御回路で行われる貸出処理及び返却処理のフローチャートであり、図12は、ディスプレイに表示される貸出処理及び返却処理の初期画面を示す図であり、図13は、ディスプレイに表示される貸出予約図書の貸出画面を示す図であり、図14は、ディスプレイに表示される貸出予約図書の貸出確認画面を示す図であり、図15は、ディスプレイに表示される貸出予約外図書の貸出画面を示す図であり、図16は、ディスプレイに表示される返却予約図書の返却画面を示す図であり、図17は、ディスプレイに表示される返却予約図書の貸出確認画面を示す図であり、図18は、ディスプレイに表示される返却予約外図書の返却画面を示す図である。以下、図1の紙面左側をステーションの正面側とし、図3の紙面下方側をステーションの正面側として説明する。
【0012】
図1の符号1は、本発明の適用された図書保管管理システムである。この図書保管管理システム1は、図1に示すように、例えば、図書館にて地上階に設けられ、書棚が利用者に公開されている開架書庫2と、図書館の地下階に設けられ、書棚が利用者に公開されていない閉架書庫3との間に亘って設置されており、開架書庫2に収納されている図書を利用者の要求に応じて開架書庫2まで搬送するシステムである。
【0013】
閉架書庫3には、図書4を収容するための複数の書棚5が配置されている。図5に示すように、これら書棚5には、それぞれに複数の図書4(図2参照)が収納された複数のコンテナ6が収容されている。特に、図書4は文学やスポーツ等の特定の分野毎にジャンル分けされており、1つのコンテナ6に対して同一ジャンルの図書4が収納されるようになっている。
【0014】
尚、コンテナ6に収納されている図書4には、固有の図書IDが記憶されているRFIDタグ7が貼り付けられており、後述するコンテナ用タグリーダ8及び図書用タグリーダ9によってID情報を読み取り可能となっている。本実施例でのRFIDタグ7は、内蔵したICチップを非接触方式(無線方式)で、後述するコンテナ用タグリーダ8及び図書用タグリーダ9にて読み取らせる公知のパッシブ型のRFIDタグである。
【0015】
図1に示すように、図書保管管理システム1は、これら書棚5から図書4が収納されたコンテナ6を取り出すスタッカークレーン10と、地下階である閉架書庫3と地上階である開架書庫との間を昇降可能とする搬送エレベータ11と、を備えており、スタッカークレーン10によって書棚5から取り出されたコンテナ6は、コンベア12を介して搬送エレベータ11に受け渡されるようになっている。
【0016】
また、図書保管管理システム1は、開架書庫2にてコンテナ6に収納されている図書4を受け取るためのステーション13と、コンテナ6を一時保管するための本発明における移動棚としてのロータリーラック14,15と、を備えている。これらロータリーラック14,15は、図書4を貸し出すためにコンテナ6を一時保管するように用いる貸出用ロータリーラック14と、使用者から図書4の返却を受け付けるためにコンテナ6を一時保管するように用いる返却用ロータリーラック15とする。搬送エレベータ11によって開架書庫2まで搬送されてきたコンテナ6は、コンベア16を介してステーション13及び貸出用ロータリーラック14又は返却用ロータリーラック15まで搬送されるようになっている。
【0017】
このうち、ステーション13と貸出用ロータリーラック14及び返却用ロータリーラック15との間には、ステーション13と貸出用ロータリーラック14及び返却用ロータリーラック15とを隔てる壁Wが設けられている。コンベア16によってステーション13に搬送されるコンテナ6は、壁Wに設けられた図示しない開口を通過して、壁Wの正面側であるステーション13に搬送されるようになっている。
【0018】
図2及び図3に示すように、ステーション13の上部は内部が中空である中空部17に形成されている。この中空部17内に搬送エレベータ11側からコンベア16が延設されており、図書4が収納されているコンテナ6を中空部17内に搬送可能となっている。更に、ステーション13の上部正面側には、左右方向に中空部17を開閉自在なスライド扉18が取り付けられており、このスライド扉18を開放することによって、中空部17に搬送されてきたコンテナ6から図書4を取り出せるようになっている。
【0019】
尚、中空部17内の左部には、コンベア16によって搬送されるコンテナ6に収納されている図書4のRFIDタグ7から図書IDを読み取るためのコンテナ用タグリーダ8が取り付けられている。このコンテナ用タグリーダ8は、図書IDの読取精度を高めるためにコンテナ6の上方及び前方(正面側)から読み取る略L字状に形成されている。
【0020】
尚、コンベア16は、壁Wの背面側である搬送エレベータ11側から壁Wの正面側であるステーション13の中空部17内に延設されているとともに、中空部17内から更に壁Wの背面側に延設されている平面視上向きU字状に形成されている。
【0021】
そして、コンベア16の終端近傍には、貸出用ロータリーラック14及び返却用ロータリーラック15が設置されており、搬送エレベータ11からコンベア16によってステーション13に搬送されてきたコンテナ6は、そのままコンベア16に搬送されることによって、これら貸出用ロータリーラック14及び返却用ロータリーラック15の何れかに一時保管可能となっている。
【0022】
また、図3に示すように、ステーション13のスライド扉18の正面側には、使用者がコンテナ6から取り出した図書4を載置するための天板19が設けられている。この天板19の左部には、ステーション13を使用する使用者に対して図書4の貸し出し及び返却作業の指示を行うためのディスプレイ20が取り付けられている。このディスプレイ20は、使用者が直接指等を接触させて操作可能なタッチパネル21を備えている。更に、天板19には、図書4に貼り付けられているRFIDタグ7から図書IDを読み取るための図書用タグリーダ9が埋設されている。
【0023】
図4に示すように、貸出用ロータリーラック14及び返却用ロータリーラック15は、内部にコンテナ6を収容可能な収容ユニット22を複数有している。これら収容ユニット22は、貸出用ロータリーラック14及び返却用ロータリーラック15内に上下方向に配置されたスプロケット23間に上下方向に循環可能に掛け渡された駆動チェーン24に支持されている。これらスプロケット23は、図5に示す駆動モータ25に接続されており、駆動モータ25が駆動することによって駆動チェーン24に支持された収容ユニット22が上下方向に循環回動可能となっている。
【0024】
尚、特に図示しないが、これら貸出用ロータリーラック14及び返却用ロータリーラック15には、各収容ユニット22内にコンテナ6が収容されているか否かを判定する対物センサが設けられており、後述する管理制御回路29は、この対物センサによって収容ユニット22の空き状況を判断できるようになっている。
【0025】
一方、図書館の図示しない管理室等には、図5に示すように、閉架書庫3からの図書4の貸し出し及び返却を管理する管理装置26が設けられている。この管理装置26は、図6〜図9に示す蔵書管理テーブルと、貸出記憶テーブルと、貸出予約記憶テーブルと、返却予約記憶テーブルと、が記憶されている記憶部27と、現在時刻を計時するRTC(リアルタイムクロック)28と、管理装置26内で各種制御を行う管理制御回路29と、から構成されている。
【0026】
この管理制御回路29には、ステーション13のコンテナ用タグリーダ8と、図書用タグリーダ9と、ディスプレイ20と、タッチパネル21と、が接続されている。また、貸出用ロータリーラック14及び返却用ロータリーラック15の駆動モータ25と、コンベア16と、が接続されている。
【0027】
更に、管理制御回路29には、閉架書庫3のスタッカークレーン10と、搬送エレベータ11と、コンベア12が接続されている。尚、管理制御回路29は、LAN回線等の通信回線30を介して図書館内部または図書館外部の複数の本発明における予約受付手段としての予約端末31に接続されている。
【0028】
使用者はこれら予約端末31から管理装置26に対して所望する図書4の貸出予約と、既に借りている図書4の返却予約と、図書4の貸出または返却を行う予約時間の申請と、を行うことができるようになっている。具体手には、貸出予約がなされた図書4を収納しているコンテナ6は、本発明における予約コンテナとして貸出用ロータリーラック14の収容ユニット22に一時保管され、返却予約がなされた図書4を収容するコンテナ6は、予約コンテナとして返却用ロータリーラック15の収容ユニット22に一時保管されるようになっている。
【0029】
図6に示すように、記憶部27に記憶されている蔵書記憶テーブルには、各図書4が収納されているコンテナ6のコンテナIDと、コンテナ6の所在を示すコンテナ状態と、が関連付けられて記憶されている。更に、これらコンテナIDとコンテナ状態とに対して、コンテナ6に収納されている図書4の図書IDと、図書4のタイトルと、図書4の貸出状態と、がそれぞれ関連付けられて記憶されている。
【0030】
このうち、コンテナ状態の『閉架』とは、コンテナ6が閉架書庫3の所定位置に収容されている状態であり、『開架』とは、ステーション13に搬送されて使用者が図書の貸し出しまたは返却を行っている状態であり、『待機』とは、貸出用ロータリーラック14または返却用ロータリーラック15の収容ユニット22内に収容されている状態である。
【0031】
また、貸出状態の『在』とは、図書4がコンテナ6内に収納されている状態であり、『貸出』とは、図書4がコンテナ6内から貸し出されている状態であり、『貸出予約』とは、図書4がコンテナ6内に収納されているが、予約端末31によって図書4の貸し出しが予約されて、予約を行った使用者以外に貸し出すことができない状態である。貸出状態が『貸出予約』となるのは、図書4の貸出状態が『在』のときに予約端末31から貸し出しの予約がなされたときであって、管理制御回路29によって書き換えられるようになっている。
【0032】
更に、『返却予約』とは、図書4がコンテナ6内から貸し出されており、図書4を借りている使用者が予約端末31によって図書4を返却する日時を指定した状態である。貸出状態が『返却予約』となるのは、図書4の貸出状態が『貸出』のときに予約端末31から返却の予約がなされたときであって、管理制御回路29によって書き換えられるようになっている。
【0033】
また、図7に示すように、記憶部27に記憶されている貸出記憶テーブルには、図書4を借りた使用者の利用者IDに対して、図書4が収納されていたコンテナ6のコンテナIDと、コンテナ6内から貸し出されている図書4の図書IDと、図書4のタイトルと、図書4を貸し出した貸出日と、がそれぞれ関連付けられて記憶されている。
【0034】
尚、利用者IDは、例えば、使用者が図書館を利用するために図書館に登録した、図示しない利用者カード内に内蔵されているRFIDタグに記憶されている固有のIDであり、図書用タグリーダ9に読み取らせることにより、記憶部27に記憶可能となっている。この利用者カードは、大学や企業等の図書館であれば、RFIDタグを内蔵した学生証や社員証が兼用してもよい。
【0035】
図8に示すように、記憶部27に記憶されている貸出予約記憶テーブルには、貸出予約を行った使用者の利用者IDと、使用者が予約端末31によって予約した図書4を借りる予定の日時である本発明における貸出予定日時情報としての貸出予定日時と、が関連付けられて記憶されている。更に、これら利用者IDと貸出予定日時とに対して、予約端末31によって貸し出しが予約された、予約図書としての図書4の図書IDと、貸し出しが予約された図書4のタイトルと、がそれぞれ関連付けられて記憶されている。
【0036】
図9に示すように、記憶部27に記憶されている返却予約記憶テーブルには、返却予約を行った使用者の利用者IDと、使用者が予約端末31によって予約した図書4を返却する予定の日時である返却予定日時と、が関連付けられて記憶されている。更に、これら利用者IDと返却予定日時とに対して、予約端末31によって返却が予約された予約図書としての図書4の図書IDと、返却が予約された図書4のタイトルと、がそれぞれ関連付けられて記憶されている。
【0037】
管理制御回路29が予約端末31から貸出予約または返却予約を受けると、管理制御回路29は、予約を行った各使用者の利用者ID毎に、貸出予定日時と予約された図書4の図書IDとタイトルとを分類し、これら貸出予約記憶テーブルまたは返却予約記憶テーブルに記憶させる。つまり、管理制御回路29は本発明におけるグループ分類手段を構成している。
【0038】
次に、本実施例における管理制御回路29が実行する予約図書が収納されている予約コンテナの一時保管処理を図10に示すフローチャートに基づいて説明する。図10に示すように、予約コンテナ一時保管処理では、先ず、Sa01のステップにおいて、管理制御回路29は、図8に示す貸出予約記憶テーブルを参照して、各図書IDと関連付けられて記憶されている貸出予定日時とRTC28によって計時されている現在時刻とを比較してSa02のステップに進む。
【0039】
Sa02のステップにおいて、管理制御回路29は、Sa01のステップで比較した貸出予定日時と現在時刻とに基づいて、記憶されている貸出予定日時から所定時間(本実施例では1時間)が経過している図書IDがあるか否かを判定する。記憶されている貸出予定日時から所定時間が経過している図書IDがあればSa03のステップに進み、記憶されている貸出予定日時から所定時間が経過している図書IDが無ければSa04のステップに進む。
【0040】
Sa03のステップにおいて、管理制御回路29は、Sa02のステップにおいて貸出予定日時が所定時間経過している図書IDを有する図書4を収納している予約コンテナを貸出用ロータリーラック14から閉架書庫3の書棚5に戻す保管取消処理を行う。具体的には、管理制御回路29は、貸出用ロータリーラック14の駆動モータ25を駆動させることによって、貸出予定日時が所定時間経過している図書IDを有する図書4を収納している予約コンテナを貸出用ロータリーラック14内から取り出す。その後、管理制御回路29は、コンベア16と搬送エレベータ11とを介して予約コンテナを開架書庫2から閉架書庫3に搬送させ、コンベア12とスタッカークレーン10によって書棚5の元の収容位置に戻す。
【0041】
同時に、管理制御回路29は、図6の蔵書記憶テーブルを参照して、貸出用ロータリーラック14から閉架書庫3の書棚5に戻された予約コンテナのコンテナIDに関連付けられて記憶されているコンテナ状態を『待機』から『閉架』に書き換える。
【0042】
Sa04のステップにおいて、管理制御回路29は、図8に示す貸出予約記憶テーブルを参照して、各図書IDと関連付けられて記憶されている貸出予定日時とRTC28によって計時されている現在時刻とを比較してSa05のステップに進む。
【0043】
Sa05のステップにおいて、管理制御回路29は、Sa04のステップで比較した貸出予定日時と現在時刻とに基づいて、記憶されている貸出予定日時まで所定時間(本実施例では1時間)以内である図書IDがあるか否かを判定する。記憶されている貸出予定日時まで所定時間以内の図書IDがあればSa06のステップに進み、記憶されている貸出予定日時まで所定時間以内の図書IDが無ければSa08のステップに進む。
【0044】
Sa06のステップにおいて、管理制御回路29は、貸出用ロータリーラック14に空きの収容ユニット22があるか否かを判定する。貸出用ロータリーラック14に空きの収容ユニット22があればSa07のステップに進み、貸出用ロータリーラック14に空きの収容ユニット22が無ければSa08のステップに進む。
【0045】
Sa07のステップにおいて、管理制御回路29は、Sa05のステップにおける貸出予定日時まで所定時間以内の図書IDを有する図書4を収納している予約コンテナを閉架書庫3の書棚5から貸出用ロータリーラック14に収容する保管処理を行う。具体的には、管理制御回路29は、スタッカークレーン10によって書棚5から予約コンテナを取り出す。その後、管理制御回路29は、コンベア12と搬送エレベータ11とを介して予約コンテナを閉架書庫3から開架書庫2に搬送させ、コンベア16によって貸出用ロータリーラック14の空いている収容ユニット22内に収容させる。
【0046】
同時に、管理制御回路29は、図6の蔵書記憶テーブルを参照して、閉架書庫3の書棚5から貸出用ロータリーラック14に収容された予約コンテナのコンテナIDに関連付けられて記憶されているコンテナ状態を『閉架』から『待機』に書き換える。
【0047】
Sa08のステップにおいて、管理制御回路29は、図9に示す返却予約記憶テーブルを参照して、各図書IDと関連付けられて記憶されている返却予定日時とRTC28によって計時されている現在時刻とを比較してSa09のステップに進む。
【0048】
Sa09のステップにおいて、管理制御回路29は、Sa08のステップで比較した返却予定日時と現在時刻とに基づいて、記憶されている返却予定日時から所定時間(本実施例では1時間)が経過している図書IDがあるか否かを判定する。記憶されている返却予定日時から所定時間が経過している図書IDがあればSa10のステップに進み、記憶されている返却予定日時から所定時間が経過している図書IDが無ければSa11のステップに進む。
【0049】
Sa10のステップにおいて、管理制御回路29は、Sa09のステップにおいて返却予定日時が所定時間経過している図書IDを有する図書4が収納される予約コンテナを返却用ロータリーラック15から閉架書庫3の書棚5に戻す保管取消処理を行う。具体的には、管理制御回路29は、返却用ロータリーラック15の駆動モータ25を駆動させることによって、返却予定日時が所定時間経過している図書IDを有する図書4が収納される予約コンテナを返却用ロータリーラック15内から取り出す。その後、管理制御回路29は、コンベア16と搬送エレベータ11とを介して予約コンテナを開架書庫2から閉架書庫3に搬送させ、コンベア12とスタッカークレーン10によって書棚5の元の収容位置に戻す。
【0050】
同時に、管理制御回路29は、図6の蔵書記憶テーブルを参照して、返却用ロータリーラック15から閉架書庫3の書棚5に戻された予約コンテナのコンテナIDに関連付けられて記憶されているコンテナ状態を『待機』から『閉架』に書き換える。
【0051】
Sa11のステップにおいて、管理制御回路29は、図9に示す返却予約記憶テーブルを参照して、各図書IDと関連付けられて記憶されている返却予定日時とRTC28によって計時されている現在時刻とを比較してSa05のステップに進む。
【0052】
Sa12のステップにおいて、管理制御回路29は、Sa11のステップで比較した返却予定日時と現在時刻とに基づいて、記憶されている返却予定日時まで所定時間(本実施例では1時間)以内である図書IDがあるか否かを判定する。記憶されている返却予定日時まで所定時間以内の図書IDがあればSa13のステップに進み、記憶されている返却予定日時まで所定時間以内の図書IDが無ければ予約コンテナの一時保管処理を終了する。
【0053】
Sa13のステップにおいて、管理制御回路29は、返却用ロータリーラック15に空きの収容ユニット22があるか否かを判定する。返却用ロータリーラック15に空きの収容ユニット22があればSa14のステップに進み、貸出用ロータリーラック14に空きの収容ユニット22が無ければ予約コンテナの一時保管処理を終了する。
【0054】
Sa14のステップにおいて、管理制御回路29は、Sa12のステップにおける返却予定日時まで所定時間以内の図書IDを有する図書4を収納している予約コンテナを閉架書庫3の書棚5から返却用ロータリーラック15に収容する保管処理を行う。具体的には、管理制御回路29は、スタッカークレーン10によって書棚5から予約コンテナを取り出す。その後、管理制御回路29は、コンベア12と搬送エレベータ11とを介して予約コンテナを閉架書庫3から開架書庫2に搬送させ、コンベア16によって返却用ロータリーラック15の空いている収容ユニット22内に収容させる。
【0055】
同時に、管理制御回路29は、図6の蔵書記憶テーブルを参照して、閉架書庫3の書棚5から返却用ロータリーラック15に収容された予約コンテナのコンテナIDに関連付けられて記憶されているコンテナ状態を『閉架』から『待機』に書き換えて予約コンテナの一時保管処理を終了する。
【0056】
次に、本実施例における管理制御回路29が実行する図書4の貸出処理及び返却処理を図11に示すフローチャートに基づいて説明する。図11に示すように、図書4の貸出処理及び返却処理では、先ず、Sb01のステップにおいて、管理制御回路29は、図12に示すように、ディスプレイ20に図書4の貸出処理及び返却処理の初期画面としての、使用者が貸出と返却の処理を選択する選択画面を表示させてSb02のステップに進む。
【0057】
Sb02のステップにおいて、管理制御回路29は、使用者がタッチパネル21を操作して選択画面から貸出処理が選択されたか否かを判定する。選択画面から貸出処理が選択されていればSb03のステップに進み、選択画面から貸出処理が選択されていなければSb17のステップに進む。
【0058】
Sb03のステップにおいて、管理制御回路29は、使用者の図示しない利用者カードから利用者IDを読み取る利用者カード読取処理を行う。具体的には、管理制御回路29は、使用者に図示しない利用者カードを図書用タグリーダ9に近づけさせる。そして、図書用タグリーダ9に、利用者カード内に内蔵されているRFIDタグに記憶されている利用者IDを読み取らせてSb04に進む。
【0059】
Sb04のステップにおいて、管理制御回路29は、コンテナ6をステーション13まで搬送させる予約コンテナ呼出処理を実行する。具体的には、管理制御回路29は、Sb03のステップで読み取った利用者IDに基づいて、図8に示す貸出予約記憶テーブルを参照し、貸出予約がなされている予約図書の図書IDを特定する。更に、貸出予約記憶テーブルを参照して特定した図書IDに基づいて図6に示す蔵書記憶テーブルを参照し、予約図書が収納されている予約コンテナを特定する。このとき、図13に示すように、管理制御回路29は、ディスプレイ20に予約図書を表示させて使用者に確認させた後、使用者にコンテナ呼出操作を選択させて、予約コンテナを呼び出す。
【0060】
この予約コンテナが貸出用ロータリーラック14内に収容されている場合には、管理制御回路29は、貸出用ロータリーラック14の駆動モータ25を駆動させ、予約コンテナをコンベア12によってステーション13に搬送させてSb05のステップに進む。
【0061】
予約コンテナが閉架書庫3の書棚5に収容されている場合には、管理制御回路29は、スタッカークレーン10によって予約コンテナを取り出し、取り出した予約コンテナをコンベア12と、搬送エレベータ11と、コンベア16と、によってステーション13に搬送させてSb05のステップに進む。
【0062】
Sb05のステップにおいて、管理制御回路29は、予約図書を使用者に貸し出す貸出予約図書貸出処理を実行する。具体的には、管理制御回路29は、ディスプレイ20に使用者にステーション13に搬送された予約コンテナから予約図書を取り出させる旨の表示を行い、使用者が予約コンテナから取り出した予約図書のRFIDタグ7を図書用タグリーダ9によって読み取らせる。このとき、管理制御回路29は読み取った図書IDを基に図6に示す蔵書記憶テーブルを参照して、図書IDに関連付けられている予約図書を特定し、図書IDとコンテナIDとをタイトルをディスプレイ20に表示させる。
【0063】
そして、管理制御回路29は、図6に示す蔵書記憶テーブルを参照して、予約図書の貸出状態を『在』または『貸出予約』から『貸出』に書き換えるとともに、図7に示す貸出記憶テーブルを参照して、利用者IDに対してコンテナIDと、図書IDと、予約図書のタイトルと、貸し出しを行った貸出日と、を関連付けて記憶させてSb06のステップに進む。
【0064】
Sb06のステップにおいて、管理制御回路29は、図8に示す貸出予約記憶テーブルを参照して、Sb05のステップにおいて貸出処理した予約図書と、貸出予約記憶テーブルに記憶されている図書IDと、を比較してSb07のステップに進む。
【0065】
Sb07のステップにおいて、管理制御回路29は、Sb05のステップにおいて貸出処理した予約図書と、貸出予約記憶テーブルに記憶されている図書IDと、が一致するか否かを判定する。Sb05のステップにおいて貸出処理した予約図書と、貸出予約記憶テーブルに記憶されている図書IDと、が一致していればSb08のステップに進み、Sb05のステップにおいて貸出処理した予約図書と、貸出予約記憶テーブルに記憶されている図書IDと、が一致していなければSb12のステップに進む。
【0066】
Sb12のステップにおいて、管理制御回路29は、予約コンテナ内にまだ予約図書が収納されていると判断して、図14に示すように、ディスプレイ20に予約図書の貸出確認画面を表示させて使用者に予約図書の貸し出しを行うか否かを判断させて、Sb13のステップに進む。
【0067】
Sb13のステップにおいて、管理制御回路29は、使用者がタッチパネル21を操作することによって予約図書の貸し出しを行うか否かを判定する。使用者が予約図書の貸し出しを行うのであればSb05のステップに進み、使用者が予約図書の貸し出しを行わないのであればSb14のステップに進む。
【0068】
Sb14のステップにおいて、管理制御回路29は、予約コンテナ内に収納されている予約図書の貸出予約を取り消す貸出予約取消処理を実行する。具体的には、管理制御回路29は、先ず、図6に示す蔵書記憶テーブルを参照して、予約コンテナ内に収納されている予約図書の貸出状態を『貸出予約』から『在』に書き換えるとともに、図8に示す貸出予約記憶テーブルを参照して、この予約図書の図書IDとタイトルを削除してSb08のステップに進む。
【0069】
Sb08のステップにおいて、管理制御回路29は、使用者がタッチパネル21を操作して、予約コンテナ内から追加で図書4の貸出を行う追加貸出入力があったか否かを判定する。追加貸出入力があればSb15のステップに進み、追加貸出入力が無ければSb09のステップに進む。
【0070】
Sb15のステップにおいて、管理制御回路29は、Sb08のステップにおいて入力がなされた追加貸出によって予約コンテナに収納されている図書4の貸出予約外図書貸出処理を実行する。具体的には、管理制御回路29は、図15に示すように、ディスプレイ20に使用者にステーション13に搬送された予約コンテナから予約外図書を取り出させる旨の表示を行い、使用者が予約コンテナから取り出した予約外図書のRFIDタグ7を図書用タグリーダ9によって読み取らせる。このとき、管理制御回路29は、読み取った図書IDを基に図6に示す蔵書記憶テーブルを参照して、図書IDに関連付けられている予約図書を特定し、図書IDとコンテナIDとをタイトルをディスプレイ20に表示させる。
【0071】
そして、タッチパネル21から使用者が貸出終了操作をすることを条件に、管理制御回路29は、図6に示す蔵書記憶テーブルを参照して、追加貸出する図書4の貸出状態を『在』から『貸出』に書き換え、図7に示す貸出記憶テーブルを参照して、利用者IDに対してコンテナIDと、追加貸出する図書4の図書IDと、図書4のタイトルと、貸出日と、を関連付けて記憶させてSb09のステップに進む。
【0072】
Sb09のステップにおいて、管理制御回路29は、コンテナ用タグリーダ8によって予約コンテナ内に収納されている図書4の図書IDを読み取る予約コンテナ読取処理を実行する。具体的には、管理制御回路29は、コンベア16を駆動させることによって、予約コンテナをコンテナ用タグリーダ8の近傍を通過させる。このとき、コンテナ用タグリーダ8に予約コンテナ内の図書4の図書IDを読み取らせる。そして、管理制御回路29は、図6に示す蔵書記憶テーブルと図7に示す貸出記憶テーブルを参照して、予約コンテナ内で読み取られた図書IDと、貸出処理を行った図書4の図書IDとを比較してSb10のステップに進む。
【0073】
Sb10のステップにおいて、管理制御回路29は、Sb09のステップにおいて予約コンテナ内で読み取られなかった図書IDと、貸出処理を行った図書4の図書IDと、が一致するか否かを判定する。予約コンテナ内で読み取られなかった図書IDと、貸出処理を行った図書4の図書IDと、が一致すればSb11のステップに進み、予約コンテナ内で読み取られなかった図書IDと、貸出処理を行った図書4の図書IDと、が一致しなければSb16のステップに進む。
【0074】
Sb16のステップにおいて、管理制御回路29は、予約コンテナ内で読み取られなかった図書IDと、貸出処理を行った図書4の図書IDと、が一致していなかったと判断して、読取エラー報知処理を実行する。具体手には、管理制御回路29は、ディスプレイに予約コンテナ内で読み取られなかった図書IDと、貸出処理を行った図書4の図書IDと、が一致しなかった旨を表示させるとともに、管理装置26の記憶部27に予約コンテナ内で読み取られなかった図書IDと、貸出処理を行った図書4の図書IDと、が一致しなかった旨を記憶させてSb11の処理に進む。
【0075】
Sb11のステップにおいて、管理制御回路29は、貸出処理が終了したと判断して、コンベア16と、搬送エレベータ11と、コンベア12とスタッカークレーン10によって予約コンテナを閉架書庫3の書棚5に戻す、予約コンテナ戻し処理を実行して処理を終了する。
【0076】
Sb17のステップにおいて、管理制御回路29は、使用者の図示しない利用者カードから利用者IDを読み取る利用者カード読取処理を行う。具体的には、管理制御回路29は、使用者に図示しない利用者カードを図書用タグリーダ9に近づけさせる。そして、図書用タグリーダ9に、利用者カード内に内蔵されているRFIDタグに記憶されている利用者IDを読み取らせてSb18に進む。
【0077】
Sb18のステップにおいて、管理制御回路29は、コンテナ6をステーション13まで搬送させる予約コンテナ呼出処理を実行する。具体的には、管理制御回路29は、Sb03のステップで読み取った利用者IDに基づいて、図8に示す返却予約記憶テーブルを参照し、返却予約がなされている予約図書の図書IDを特定する。更に、返却予約記憶テーブルを参照して特定した図書IDに基づいて図6に示す蔵書記憶テーブルを参照し、予約図書が収納されている予約コンテナを特定する。このとき、図16に示すように、管理制御回路29は、ディスプレイ20に予約図書を表示させて使用者に確認させた後、使用者にコンテナ呼出操作を選択させて、予約コンテナを呼び出す。
【0078】
この予約コンテナが返却用ロータリーラック15内に収容されている場合には、管理制御回路29は、返却用ロータリーラック15の駆動モータ25を駆動させ、予約コンテナをコンベア12によってステーション13に搬送させてSb19のステップに進む。
【0079】
予約コンテナが閉架書庫3の書棚5に収容されている場合には、管理制御回路29は、スタッカークレーン10によって予約コンテナを取り出し、取り出した予約コンテナをコンベア12と、搬送エレベータ11と、コンベア16と、によってステーション13に搬送させてSb19のステップに進む。
【0080】
Sb19のステップにおいて、管理制御回路29は、予約図書の使用者からの返却を受け付ける返却予約図書貸出処理を実行する。具体的には、管理制御回路29は、図16に示すように、使用者に予約図書のRFIDタグ7を図書用タグリーダ9によって読み取らせる旨の表示を行い、ステーション13に搬送された予約コンテナに予約図書を収納させる。このとき、管理制御回路29は読み取った図書IDを基に図6に示す蔵書記憶テーブルを参照して、図書IDに関連付けられている予約図書を特定し、図書IDとコンテナIDとをタイトルをディスプレイ20に表示させる。
【0081】
そして、管理制御回路29は、図6に示す蔵書記憶テーブルを参照して、予約図書の貸出状態を『貸出』または『返却予約』から『在』に書き換えるとともに、図8に示す貸出記憶テーブルを参照して、利用者IDに対して関連付けられて記憶されているコンテナIDと、図書IDと、予約図書のタイトルと、貸し出しを行った貸出日と、削除してSb06のステップに進む。
【0082】
Sb20のステップにおいて、管理制御回路29は、図9に示す返却予約記憶テーブルを参照して、Sb19のステップにおいて返却処理した予約図書と、返却予約記憶テーブルに記憶されている図書IDと、を比較してSb21のステップに進む。
【0083】
Sb21のステップにおいて、管理制御回路29は、Sb19のステップにおいて返却処理した予約図書と、返却予約記憶テーブルに記憶されている図書IDと、が一致するか否かを判定する。Sb19のステップにおいて返却処理した予約図書と、返却予約記憶テーブルに記憶されている図書IDと、が一致していればSb22のステップに進み、Sb19のステップにおいて返却処理した予約図書と、返却予約記憶テーブルに記憶されている図書IDと、が一致していなければSb26のステップに進む。
【0084】
Sb26のステップにおいて、管理制御回路29は、予約コンテナ内にまだ予約図書が収納されていると判断して、図17に示すように、ディスプレイ20に予約図書の返却確認画面を表示させて使用者に予約図書の返却を行うか否かを判断させて、Sb27のステップに進む。
【0085】
Sb27のステップにおいて、管理制御回路29は、使用者がタッチパネル21を操作することによって予約図書の返却を行うか否かを判定する。使用者が予約図書の返却を行うのであればSb19のステップに進み、使用者が予約図書の返却を行わないのであればSb28のステップに進む。
【0086】
Sb28のステップにおいて、管理制御回路29は、予約コンテナ内に収納されている予約図書の返却予約を取り消す返却予約取消処理を実行する。具体的には、管理制御回路29は、先ず、図6に示す蔵書記憶テーブルを参照して、予約コンテナ内に収納されている予約図書の貸出状態を『返却予約』から『貸出』に書き換えるとともに、図9に示す返却予約記憶テーブルを参照して、この予約図書の図書IDとタイトルを削除してSb08のステップに進む。
【0087】
Sb22のステップにおいて、管理制御回路29は、使用者がタッチパネル21を操作して、予約コンテナ内に追加で図書4の返却を行う追加返却入力があったか否かを判定する。追加返却入力があればSb29のステップに進み、追加貸出入力が無ければSb23のステップに進む。
【0088】
Sb29のステップにおいて、管理制御回路29は、Sb22のステップにおいて入力がなされた追加返却によって予約コンテナに収納されている図書4の返却予約外図書返却処理を実行する。具体的には、管理制御回路29は、図18に示すように、ディスプレイ20に使用者に予約コンテナに収納する予約外図書のRFIDタグ7を図書用タグリーダ9によって読み取らせる旨の表示を行い、ステーション13に搬送された予約コンテナに予約外図書を収納させる。このとき、管理制御回路29は、読み取った図書IDを基に図6に示す蔵書記憶テーブルを参照して、図書IDに関連付けられている予約図書を特定し、図書IDとコンテナIDとをタイトルをディスプレイ20に表示させる。
【0089】
そして、タッチパネル21から使用者が返却終了操作をすることを条件に、管理制御回路29は、図6に示す蔵書記憶テーブルを参照して、追加返却された図書4の貸出状態を『貸出』または『返却予約』から『在』に書き換え、図7に示す貸出記憶テーブルを参照して、利用者IDに関連付けられて記憶されている、コンテナIDと、追加返却された図書4の図書IDと、図書4のタイトルと、貸出日と、削除してSb23のステップに進む。
【0090】
Sb23のステップにおいて、管理制御回路29は、コンテナ用タグリーダ8によって予約コンテナ内に収納されている図書4の図書IDを読み取る予約コンテナ読取処理を実行する。具体的には、管理制御回路29は、コンベア16を駆動させることによって、予約コンテナをコンテナ用タグリーダ8の近傍を通過させる。このとき、コンテナ用タグリーダ8に予約コンテナ内の図書4の図書IDを読み取らせる。そして、管理制御回路29は、図6に示す蔵書記憶テーブルと図7に示す貸出記憶テーブルを参照して、予約コンテナ内で読み取られた図書IDと、返却処理を行った図書4の図書IDとを比較してSb24のステップに進む。
【0091】
Sb24のステップにおいて、管理制御回路29は、返却処理を行った図書4の図書IDが、Sb23のステップにおいて予約コンテナ内で読み取られているか否かを判定する。返却処理を行った図書4の図書IDが、Sb23のステップにおいて予約コンテナ内で読み取られていればSb25のステップに進み、返却処理を行った図書4の図書IDが、Sb23のステップにおいて予約コンテナ内で読み取られていなければSb30のステップに進む。
【0092】
Sb30のステップにおいて、管理制御回路29は、返却処理を行った図書4の図書IDが、Sb23のステップにおいて予約コンテナ内で読み取られていなかったと判断して、読取エラー報知処理を実行する。具体手には、管理制御回路29は、ディスプレイに予約コンテナ内で読み取られなかった図書IDと、貸出処理を行った図書4の図書IDと、が一致しなかった旨を表示させるとともに、管理装置26の記憶部27に返却処理を行った図書4の図書IDと、Sb23のステップにおいて予約コンテナ内で読み取られた図書IDと、が一致しなかった旨を記憶させてSb25の処理に進む。
【0093】
Sb25のステップにおいて、管理制御回路29は、貸出処理が終了したと判断して、コンベア16と、搬送エレベータ11と、コンベア12とスタッカークレーン10によって予約コンテナを閉架書庫3の書棚5に戻す、予約コンテナ戻し処理を実行して処理を終了する。
【0094】
前述したように、管理制御回路29とディスプレイ20は、本発明における取出指示手段と、追加取出指示手段と、返却指示手段と、追加返却指示手段と、貸出取消指示手段と、を構成している。
【0095】
尚、Sb16とSb29で読取エラー報知処理がなされた場合は、使用者は図書館の司書等に読取エラー報知処理が発生した旨を説明することによって、司書に直接管理装置26を操作させて、貸出処理または返却処理の修正作業を行わせるようにするのが望ましい。
【0096】
以上、本実施例における図書保管管理システム1では、管理装置26は、図書4の予約を受け付ける予約端末31と、予約端末31で受け付けた予約者毎の予約図書を所定のグループに分類する管理制御回路29を有し、閉架書庫3とステーション13との間のコンテナ搬送経路であるコンベア16上には、コンテナ6を収容可能な収容ユニット22を複数備えた貸出用ロータリーラック14及び返却用ロータリーラック15を設け、管理装置26は、グループに分類した予約図書が収容されているコンテナ6を、収容ユニット22に一時保管することによって、予めステーション13の近傍まで予約図書を搬送して、予約者毎に予約図書が収容されているコンテナ6を収容ユニット22内に収容しておくことによって、予約者毎にコンテナ6を確実に纏めて貸出用ロータリーラック14または返却用ロータリーラック15に一時保管することができるので、コンテナ6を収容ユニット22からステーション13に搬送するまでの時間を短縮でき、予約者毎に効率よく図書4の貸し出しを行うことができる。
【0097】
また、貸出用ロータリーラック14及び返却用ロータリーラック15は、収容ユニット22を上下方向に循環回動するように支持しているので、コンテナ6を収容する収容ユニット22を上下方向に循環回動することができるので、収容ユニット22を水平方向に配置するよりも小さい占有面積で貸出用ロータリーラック14及び返却用ロータリーラック15を設けることができるばかりでなく、所望のコンテナ6を循環回動させて直ちに搬送位置まで移送することができる。
【0098】
また、管理装置26は、予約者毎の予約図書の貸し出し予定日時を入力する貸出予定日時情報を記憶可能であり、管理装置26は、貸出予定日時情報に基づいてコンテナ6を収容ユニット22に一時保管することによって、常に収容ユニット22内に貸出予定日時に応じたコンテナ6を収容して、予約者への予約図書の貸し出しを効率化することができ、返却済みの図書4や貸出予定日時を経過した予約図書の収容されているコンテナ6を閉架書庫3に戻すことで、次の予約に備えることができる。
【0099】
また、ステーション13の近傍には、少なくとも貸出用ロータリーラック14及び返却用ロータリーラック15と管理装置26とが設けられていることによって、使用者はステーション13で管理装置26の入力手段であるタッチパネル21を操作して予約図書の貸出作業を行うことができる。
【0100】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0101】
例えば、前記実施例では、貸出用ロータリーラック14及び返却用ロータリーラック15を、複数の収容ユニット22を上下方向に循環回動可能に収容させたが、貸出用ロータリーラック14及び返却用ロータリーラック15は、複数の収容ユニット22を水平方向に循環回動可能に収容させてもよい。
【0102】
また、前記実施例では、返却予約がなされた予約図書の返却の後に、予約コンテナに追加返却で予約外図書を返却するようにしたが、追加返却をおこなう予約外図書が予約コンテナ以外のコンテナ6に収容される図書である場合には、予約コンテナ搬送処理をした後、予約外図書を返却するコンテナ6をステーション13に搬送させるようにしてもよい。
【0103】
また、前記実施例では、移動棚を図書4を貸し出すためにコンテナ6を一時保管するように用いる貸出用ロータリーラック14と、使用者から図書4の返却を受け付けるためにコンテナ6を一時保管するように用いる返却用ロータリーラック15として説明したが、図書館の規模が大きい場合には、これら貸出用ロータリーラック14と返却用ロータリーラック15とを複数台ずつ備えてもよい。
【0104】
また、前記実施例では、移動棚を図書4を貸し出すためにコンテナ6を一時保管するように用いる貸出用ロータリーラック14と、使用者から図書4の返却を受け付けるためにコンテナ6を一時保管するように用いる返却用ロータリーラック15として説明したが、一台のロータリーラックを、貸出用ロータリーラックと返却用ロータリーラックとの機能を兼用させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の実施例における図書保管管理システムの全体像を示す側面図である。
【図2】ステーションを示す斜視図である。
【図3】ステーションを示す平面図である。
【図4】ロータリーラックの構成を示す概略図である。
【図5】図書保管管理システムの構成を示すブロック図である。
【図6】蔵書記憶テーブルを示す図である。
【図7】貸出記憶テーブルを示す図である。
【図8】貸出予約記憶テーブルを示す図である。
【図9】返却予約記憶テーブルを示す図である。
【図10】管理制御回路で行われる予約コンテナ一時保管処理フローチャートである。
【図11】管理制御回路で行われる貸出処理及び返却処理のフローチャートである。
【図12】ディスプレイに表示される貸出処理及び返却処理の初期画面を示す図である。
【図13】ディスプレイに表示される貸出予約図書の貸出画面を示す図である。
【図14】ディスプレイに表示される貸出予約図書の貸出確認画面を示す図である。
【図15】ディスプレイに表示される貸出予約外図書の貸出画面を示す図である。
【図16】ディスプレイに表示される返却予約図書の返却画面を示す図である。
【図17】ディスプレイに表示される返却予約図書の貸出確認画面を示す図である。
【図18】ディスプレイに表示される返却予約外図書の返却画面を示す図である。
【符号の説明】
【0106】
1 図書保管管理システム
2 開架書庫
3 閉架書庫
4 図書
5 書棚
6 コンテナ
13 ステーション
14 貸出用ロータリーラック(移動棚)
15 返却用ロータリーラック(移動棚)
20 ディスプレイ(取出指示手段,追加取出指示手段,返却指示手段,追加返却指示手段,貸出取消指示手段)
21 タッチパネル
22 収容ユニット
26 管理装置
27 記憶部
28 RTC
29 管理制御回路(グループ分類手段,取出指示手段,追加取出指示手段,返却指示手段,追加返却指示手段,貸出取消指示手段)
31 予約端末(予約受付手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置の指令に基づき、書庫に収容されている複数の図書が収納された複数のコンテナの中から、目的の図書が含まれているコンテナを取り出してステーションに搬送するとともに、図書の貸し出しまたは返却作業後にステーションより前記書庫に前記コンテナを搬送する図書保管管理システムであって、
前記管理装置は、前記図書の予約を受け付ける予約受付手段と、該予約受付手段で受け付けた予約者毎の予約図書を所定のグループに分類するグループ分類手段と、を有し、
前記書庫と前記ステーションとの間のコンテナ搬送経路上には、前記コンテナを収容可能な収容ユニットを複数備えた移動棚を設け、
前記管理装置は、前記グループに分類した前記予約図書が収容されている前記コンテナを、前記収容ユニットに一時保管することを特徴とする図書保管管理システム。
【請求項2】
前記移動棚は、前記収容ユニットを上下方向に循環回動するように支持していることを特徴とする請求項1に記載の図書保管管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、予約者毎の前記予約図書の貸し出し予定日時を入力する貸出予定日時情報を記憶可能であり、前記管理装置は、前記貸出予定日時情報に基づいて前記コンテナを前記収容ユニットに一時保管することを特徴とすることを特徴とする請求項1または2に記載の図書保管管理システム。
【請求項4】
前記ステーションの近傍には、少なくとも前記移動棚と前記管理装置とが設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の図書保管管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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