説明

図書保管管理システム

【課題】タグリーダが発する電磁波の読取不能領域に係わりなくタグリーダによる無線タグからの識別情報の読み取りを正確に行うことができる図書保管管理システムを提供すること。
【解決手段】図書の貸し出しまたは返却作業後にステーションより前記書庫に前記コンテナを搬送する図書保管管理システムであって、電磁波40を用いて無線タグ7の識別情報を読取可能なタグリーダ15を備え、タグリーダ15には、複数のアンテナ素子34,35が設けられるとともに、各アンテナ素子34,35にそれぞれ異なる性質の電磁波40を発生させるタグリーダ15が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書庫に収容されている複数のコンテナの中から、目的の図書が含まれているコンテナを取り出してステーションに搬送するとともに、図書の貸し出しまたは返却作業後にステーションより書庫にコンテナを搬送する図書保管管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の図書保管管理システムにおいては、各図書に図書コード(識別情報)が記憶された無線タグが取り付けられているとともに、各図書は、搬送方向である左右方向に向けて搬送されるコンテナ内で、互いに背表紙を外側に向けるようにして、厚み方向(前後方向)に2列に並んで収容されるようになっている。更に、コンテナをステーションまで搬送する搬送コンベアの片側には、無線タグと無線通信を行うためのタグリーダ/ライタ(タグリーダ)が搬送方向に沿って並設されており、これらタグリーダ/ライタによってコンテナ内の各図書の無線タグから図書コードを読み取っているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3990173号公報(第16頁、第24図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、タグリーダ/ライタ(タグリーダ)には、無線タグと通信可能な領域にあるにもかかわらず、読み取りができない読取不能領域(ヌル点)が生じる場合がある。この読取不能領域の発生は、リーダー/ライタが発する電磁波と、この電磁波が壁や床などに反射されて生じる逆位相の電磁波と、が互いに打ち消し合う干渉現象が原因となっている。特に、特許文献1に記載の図書保管管理システムでは、コンテナの搬送中にリーダー/ライタにより無線タグの図書コード(識別情報)を読み取っているため、読取不能領域の存在によりタグリーダ/ライタが無線タグから図書コードをうまく読み取れなくなる頻度が多くなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、タグリーダが発する電磁波の読取不能領域に係わりなくタグリーダによる無線タグの識別情報の読み取りを正確に行うことができる図書保管管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の図書保管管理システムは、
複数の図書が複数のコンテナ内に収容された状態で書庫に収容され、該複数の図書には、各図書を識別可能な識別情報が記憶されている無線タグが取り付けられ、管理装置の指令に基づき、書庫に収容されている複数の前記コンテナの中から、目的の図書が含まれているコンテナを取り出してステーションに搬送するとともに、図書の貸し出しまたは返却作業後にステーションより前記書庫に前記コンテナを搬送する図書保管管理システムであって、
電磁波を用いて前記無線タグの識別情報を読取可能なタグリーダを備え、該タグリーダには、複数のアンテナ素子が設けられるとともに、該各アンテナ素子にそれぞれ異なる性質の電磁波を発生させる電磁波発生手段が設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、電磁波発生手段により各アンテナ素子がそれぞれ異なる性質の電磁波を発生させるため、各アンテナ素子の電磁波に生じる読取不能領域の発生位置が異なるようになり、各アンテナ素子の読取不能領域が互いの読取可能領域により補われ、これら各アンテナ素子を有するタグリーダの通信領域の全体を読取可能領域とすることができ、タグリーダが発する電磁波の読取不能領域に係わりなくタグリーダによる無線タグの識別情報の読み取りを正確に行うことができる。
【0007】
本発明の図書保管管理システムは、
前記アンテナ素子が平面板状をなし、前記各アンテナ素子の面積をそれぞれ異なる面積とすることで、前記電磁波発生手段が構成されることを特徴としている。
この特徴によれば、平板状をなすアンテナ素子の面積を変えると、アンテナ素子が発する電磁波の分布範囲や通信距離が変化するため、各アンテナ素子の面積をそれぞれ異なる面積とすることで、各アンテナ素子にそれぞれ異なる性質の電磁波を発生させることができる。
【0008】
本発明の図書保管管理システムは、
前記各アンテナ素子は、前記コンテナの搬送方向に沿って並設されることを特徴としている。
この特徴によれば、一方のアンテナ素子の読取不能領域で読取ミスが生じても、コンテナの搬送により無線タグが移動され、他方のアンテナ素子の読取可能領域で読み取ることができ、かつ各アンテナ素子がそれぞれ異なる位置の無線タグの識別情報を読み取れるようになり、タグリーダの通信領域を広く形成することができる。
【0009】
本発明の図書保管管理システムは、
前記各アンテナ素子は、略上下方向に並設されることを特徴としている。
この特徴によれば、アンテナ素子が発する電磁波の分布範囲が平面視で重なり、上下のアンテナ素子により同一位置にある無線タグの識別情報を同時に読み取ることができ、読取ミスが生じ難くなる。
【0010】
本発明の図書保管管理システムは、
前記タグリーダは、少なくとも2つの前記アンテナ素子を有するアンテナユニットが設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、複数のアンテナ素子を一体的にアンテナユニットに内蔵し、タグリーダを構成する部品点数を低減できる。
【0011】
本発明の図書保管管理システムは、
前記タグリーダは、少なくとも1つの前記アンテナ素子を有する複数のアンテナユニットが設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、アンテナ素子を有するアンテナユニットの構成が簡素化され、タグリーダを容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1における自動書庫及びステーションを示す平面図である。
【図2】ステーションを示す斜視図である。
【図3】ステーションを示す横断平面図である。
【図4】図書を示す斜視図である。
【図5】(a)は、タグリーダを示す正面図であり、(b)は、タグリーダから発信される電磁波を示す平面図である。
【図6】ステーションの中空部内を示す平面拡大図である。
【図7】タグリーダ及びコンテナを示す正面図である。
【図8】タグリーダ及びコンテナを示す縦断側面図である。
【図9】(a)は、実施例2におけるタグリーダを示す正面図であり、(b)は、タグリーダから発信される電磁波を示す平面図である。
【図10】ステーションの中空部内を示す平面拡大図である。
【図11】タグリーダ及びコンテナを示す正面図である。
【図12】タグリーダ及びコンテナを示す縦断側面図である。
【図13】(a)は、実施例3におけるタグリーダを示す正面図であり、(b)は、タグリーダから発信される電磁波を示す側面図である。
【図14】(a)は、実施例4におけるタグリーダを示す正面図であり、(b)は、タグリーダから発信される電磁波を示す側面図である。
【図15】実施例5におけるタグリーダ及びコンテナを示す正面図である。
【図16】タグリーダ及びコンテナを示す縦断側面図である。
【図17】実施例6におけるステーションの中空部内を示す平面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る図書保管管理システムを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0014】
実施例1に係る図書保管管理システムにつき、図1から図8を参照して説明する。以下、図3及び図6の紙面下側をステーションの正面側(前方側)とし、図8の紙面左側をコンテナの正面側(前方側)として説明する。
【0015】
図1の符号1は、本発明の適用された図書保管管理システムである。この図書保管管理システム1は、例えば、図書館にて書棚が利用者に公開されている利用者室2と、書棚が利用者に公開されていない閉架書庫3と、の間に亘って設置されており、閉架書庫3に収容されている図書4(図4参照)を利用者の要求に応じて利用者室2まで搬送するシステムである。
【0016】
図1に示すように、閉架書庫3には、図書4を収容するための複数の書棚5が配置されている。これら書棚5には、複数の図書4が立てた状態で収容された複数のコンテナ6が収容されている。尚、本発明における図書保管管理システム1は、コンテナ6毎に図書4を文学、スポーツ、評論等の分野毎に収容する固定ロケーション方式を採用している。
【0017】
図4に示すように、図書4の表紙4aまたは裏表紙4bにおける背表紙4c寄りの箇所には、各図書4毎に固有の識別情報が記憶されているRFIDタグ7が貼り付けられている。本実施例では、RFIDタグ7は、全ての図書4の裏表紙4bに貼り付けられているものとして説明する。
【0018】
このRFIDタグ7の識別情報は、後述するタグリーダ15と貸出用タグリーダ20とによって読み取り可能となっている。尚、この識別情報には、各図書4を識別できる固有のIDが含まれている。この固有のID以外にも、各図書4の属性情報である各図書4のタイトル、著者、出版社、ページ数等も識別情報に含まれる。尚、この識別情報が、後述するステーション11に内蔵された所定の管理コンピュータ(図示略)のデータベースに登録されており、このデータベースに基づいて各図書4の管理が行えるようになっている。
【0019】
また、本実施例におけるRFIDタグ7は、内蔵したICチップを非接触方式(無線方式)にて、タグリーダ15と貸出用タグリーダ20とで読み取らせる公知のパッシブ型のRFIDタグである。
【0020】
図1に示すように、図書保管管理システム1は、閉架書庫3にて書棚から図書4が収容されたコンテナ6を取り出すための複数基のスタッカクレーン8と、スタッカクレーン8によって書棚5から取り出されたコンテナ6を搬送するコンベア9と、を備えている。
【0021】
また、利用者室2には、閉架書庫3からコンテナ6を搬送可能であって、利用者が目的の図書4の貸し出し、若しくは返却を行うことができるステーション11が設けられている。ステーション11にて設定された指令に基づき、スタッカクレーン8は、各書棚5におけるコンテナ6の収容位置まで前後並びに上下方向に自動走行して、コンテナ6の出し入れを行うようになっている。
【0022】
図2に示すように、ステーション11の上部には、その内部が中空である中空部12が形成されている。この中空部12内には、書棚5から連続したコンベア9が延設されている(図1参照)。このコンベア9は、平行に延設される前後2本のフレーム24,24と、このフレーム24,24間に並設される複数のローラ25と、から構成されている(図3、図6〜8参照)。
【0023】
コンベア9における隣り合うローラ25同士の間には、所定の間隔が設けられており、各ローラ25は、任意の駆動手段によって同一方向に回転可能になっている。このコンベア9によって、コンテナ6は、その左右方向をコンベア9の搬送方向に向けた状態で中空部12内の中央まで水平に搬送されるようになっている。
【0024】
図3に示すように、ステーション11の中空部12内の中央には、コンベア9に連続して設けられたターンテーブル13が配設されている。ステーション11に搬送されたコンテナ6は、このターンテーブル13上に載置されるようになっている。尚、ターンテーブル13にもローラ25が設けられており、ターンテーブル13上からコンベア9にコンテナ6を移動させることができるようになっている。
【0025】
ステーション11の利用者は、ステーション11の外面に設けられているコンテナ回転ボタン11aを押圧操作することで、ターンテーブル13を回転させてコンテナ6を水平回転させることができる(図2参照)。そのため、コンテナ6は、その正面側及び背面側のいずれの側も利用者側に向けることができるようになり、コンテナ6の正面側及び背面側の両側に図書4を収容しておくことができ、コンテナ6内のスペースを有効利用できる。
【0026】
また、図2に示すように、ステーション11の上部における正面側は、左右方向に中空部12を開閉自在なスライド扉14が取り付けられており、利用者は、このスライド扉14を開放することによって中空部12に搬送されてきたコンテナ6から図書4を取り出せるようになっている。
【0027】
図3に示すように、ステーション11の中空部12内には、コンベア9の正面側と背面側の両側に、コンテナ6に収容されている図書4のRFIDタグ7から識別情報を読み取るためのタグリーダ15が設けられている。このタグリーダ15は、コンベア9のフレーム24にブラケット16を介して移動不能に固定配置されている(図8参照)。
【0028】
図2に示すように、ステーション11の正面側には、利用者がコンテナ6から取り出した図書4を載置するための天板17が設けられている。この天板17上には、ステーション11を利用する利用者に対して、図書4の貸し出し及び返却作業の指示を行うための表示装置18が設けられている。この表示装置18は、利用者が直接指等を接触させて操作可能なタッチパネル19を備えている。
【0029】
また、天板17には、図書4の表紙4aに貼り付けられているRFIDタグ7から識別情報を読み取るための貸出用タグリーダ20が埋設されている。尚、ステーション11内には、表示装置18と貸出用タグリーダ20とタグリーダ15とコンベア9とスタッカクレーン8とに接続されている制御コンピュータ(図示略)が内蔵されている。
【0030】
この制御コンピュータ(図示略)は、利用者がタッチパネル19から図書4の貸し出し、または返却作業の操作を行うことに伴い、表示装置18と貸出用タグリーダ20とタグリーダ15とコンベア9とスタッカクレーン8とを適宜制御可能となっている。
【0031】
次に、図書4が収容されるコンテナ6について図6から図8を参照して説明する。図6から図8に示すように、このコンテナ6は、ポリプロピレン等の樹脂材によって構成され、上方が開口する略箱体に形成されている。左右の側壁26は、前後の側壁27よりも上下方向に長く形成されている。前後左右の側壁26,27及び底板28に囲まれたコンテナ6の内部は、複数の図書4を収容するための収容空間21となっている。
【0032】
図8に示すように、コンテナ6の底板28は、底板28の前後の側壁27から中央に向かって上方に角度θの傾斜をなす傾斜面29に形成されている。また、前後の側壁27は、その内側面30が下端部から上方に向けてコンテナ6の前後方向の外側方に向けて傾斜面29と同一傾斜角である角度θの傾斜をなして形成されている。
【0033】
そのため、前後の側壁27の内側面30と底板28の傾斜面29とのなす角が直角となり、図書4の角部を保持することができるとともに、図書4の背が正面側及び背面側の端部に揃い、コンテナ6がタグリーダ15の設置位置を通過する際に、図書4の裏表紙4bにおける背表紙4c寄りに貼り付けられたRFIDタグ7をタグリーダ15に近接させることができる。
【0034】
尚、本実施例では、これら傾斜面29と内側面30の角度θは、約2度に形成されているが、コンテナ6内に収容されている図書4が収容空間21から脱落する角度でなければ角度θは特に限定されない。更に、コンテナ6内には、前後の側壁27間で底板28の左右方向の略中央から上方に向かって隔壁31が立設されており、この隔壁31によって収容空間21は、左右に仕切られている(図6参照)。
【0035】
また、コンテナ6内には、収容空間21を正面側と背面側とに仕切る磁性板22が2枚設けられており、これら2枚の磁性板22は、スチール材や鉄材等の金属製材料、すなわち磁性部材によって構成されている。尚、この磁性板22に、フェライトシート等の磁性シート(図示略)を貼り付けるようにしてもよく、フェライトシートが貼り付けられていれば、磁性板22にRFIDタグ7が接触している状態であっても、RFIDタグ7の識別情報をタグリーダ15によって読み取ることができる。
【0036】
これら磁性板22によって、コンテナ6の正面側と背面側とに分割された収容空間21にて、コンテナ6に収容される図書4は、背表紙4cをコンテナ6の前後方向の外側に向けた状態で、かつ各図書4をコンテナ6の搬送方向に並べた状態で、収容されるようになっている。
【0037】
尚、コンテナ6の収容空間21は、磁性部材によって構成された磁性板22によって正面側と背面側とに分割されているので、コンベア9の正面側に設けられたタグリーダ15は、収容空間21の正面側に収容されている図書4のRFIDタグ7に限定して、その識別情報を読取可能となっている。同様に、コンベア9の背面側に設けられたタグリーダ15は、収容空間21の背面側に収容されている図書4のRFIDタグに限定して、その識別情報を読取可能となっている。
【0038】
このように構成されて図書4を収容するコンテナ6は、利用者が図書4の貸し出しや返却処理を行う際にタッチパネル19を操作することに伴い、ステーション11の指令に基づいて閉架書庫3の書棚5からスタッカクレーン8とコンベア9を介してステーション11内の中空部12の中央まで搬送される(図1参照)。
【0039】
具体的には、先ず、利用者はタッチパネル19を操作することで、目的とする図書4のタイトルや著者等の識別情報を入力し、目的とする図書4が収容されているコンテナ6を搬送するように操作指示を行う。
【0040】
ステーション11の制御コンピュータ(図示略)は、この搬送指示に基づいてスタッカクレーン8とコンベア9とに対して、利用者の目的とする図書4が収容されているコンテナ6を、閉架書庫3の書棚5からステーション11内の中空部12の中央まで搬送させる制御を行う。
【0041】
そして、コンテナ6がステーション11内の中空部12の中央に向けて搬送される際に、コンベア9の正面側と背面側とに設けられたタグリーダ15によってコンテナ6の正面側と背面側とに収容空間21内に収容されている図書4のRFIDタグ7の識別情報が順次読み取られる。
【0042】
ステーション11は、順次読み取った識別情報に基づいて、表示装置18に図書4のタイトル等を表示させる。これにより、利用者はコンテナ6の収容空間21内における目的とする図書4の収容位置を把握することができるようになっている。
【0043】
尚、利用者が目的とする図書4がコンテナ6の収容空間21の背面側に収容されている場合には、利用者がコンテナ回転ボタン11aを押圧操作することでターンテーブル13を回転させて、コンテナ6の向きを回転変更させることで、目的とする図書4を容易にコンテナ6から取り出すことができる。そして、コンテナ6の収容空間21から取り出した図書4は、貸出用タグリーダ20によってRFIDタグ7から識別情報を読み取らせることによって貸出処理を行うことができる。
【0044】
利用者は、図書4の貸し出しが終了した後、再びタッチパネル19を操作することで、ステーション11内から閉架書庫3の書棚5にコンテナ6を返却する操作指示を行う。ステーション11の制御コンピュータ(図示略)は、この操作指示に基づいてスタッカクレーン8とコンベア9とに対して、コンテナ6を書棚5に返却させる制御を行うことで、図書4の貸し出しから返却までの操作が完了する。
【0045】
次に、図書4のRFIDタグ7を読み取るためのタグリーダ15について、図5から図8を参照して説明する。図5(a)に示すように、タグリーダ15は、正面視で略四角形状をなす絶縁性の平面基板32を有し、この平面基板32には、この平面基板32よりも小の略四角形かつ平面薄板状をなす導体板(例えば銅箔)が貼り付けられており、この導体板は、その左右方向の略中央部が下方から上方に向かって切り欠かれて切欠部33が形成され、導体板の左右に第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とが形成されている。また、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35は、その上部の接続部36で接続されている。
【0046】
上下方向に延設された切欠部33は、左右方向の略中央部から外れて形成されており、第1アンテナ素子34の左右幅L1は第2アンテナ素子35の左右幅L2よりも小さくなっている。そして、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35の上下幅は略同一であるため、左右幅の小さい第1アンテナ素子34の面積は、左右幅の大きい第2アンテナ素子35の面積よりも小さく形成されている。
【0047】
このように切欠部33によって左右に区分された第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とから1つのアンテナユニット37が形成されており、本実施例におけるタグリーダ15は、このアンテナユニット37を1つ設けた構成となっている。
【0048】
タグリーダ15がアンテナユニット37により構成されることで、第1アンテナ素子34及び第2アンテナ素子35を一体的にアンテナユニット37に内蔵し、タグリーダ15を構成する部品点数を低減することができるようになっている。
【0049】
図5(a)に示すように、第1アンテナ素子34の下端部における切欠部33の近傍と、第2アンテナ素子35の下端部における切欠部33の近傍には、給電点38が設けられている。また、このアンテナユニット37には、電力を供給するための2本の給電用ケーブル39が設けられ、一方の給電用ケーブル39は第1アンテナ素子34側の給電点38に接続されているとともに、他方の給電用ケーブル39は第2アンテナ素子35側の給電点38に接続されている。
【0050】
第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35は、接続部36を介して擬似的に直列に接続された状態となっており、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35に流れる電流値は同じになっている。そして、第1アンテナ素子34は第2アンテナ素子35よりも面積が小さく形成されているため、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35は、分布範囲や通信距離などの性質が互いに異なる電磁波40,41を発生させる。尚、本発明における電磁波発生手段は、面積の異なる第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とによって構成されている。
【0051】
図5(b)に示すように、アンテナユニット37からなるタグリーダ15に電流を流すと、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35に加えられる電流値は同じとなるため、より面積の小さい第1アンテナ素子34の方の放射強度が強まり、第1アンテナ素子34から発せられる電磁波40の分布範囲は、第2アンテナ素子35から発せられる電磁波41の分布範囲よりも通信距離が長くなり、より遠くに届くようになる。
【0052】
また、第2アンテナ素子35は第1アンテナ素子34よりも左右幅及び面積が大きいため、第2アンテナ素子35から発せられる電磁波41の分布範囲は、第1アンテナ素子34から発せられる電磁波40の分布範囲よりも通信距離は短く、左右方向に大きく広がるようになる。
【0053】
このように、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35からなるアンテナユニット37によって構成されるタグリーダ15の通信領域は、分布範囲や通信距離などの性質が互いに異なる電磁波40,41が左右方向に連続され、かつ中央で重なり合って発生する領域となっている。
【0054】
図6及び図8に示すように、前後2つのタグリーダ15は、ステーション11における中空部12内の正面側と背面側とにそれぞれ対向するように取り付けられている。そして、コンテナ6が搬送されるときに、図書4がタグリーダ15の通信領域を通過する際に、図書4のRFIDタグ7がタグリーダ15によって読み取られるようになっている。
【0055】
尚、RFIDタグ7は図書4の裏表紙4bに貼り付けられており、図書4はコンテナ6内に立てた状態で収容されているため、RFIDタグ7は、タグリーダ15と略直交する状態で読み取られる。
【0056】
ここで、RFIDタグ7が通信可能な距離であるにもかかわらず、電磁波が干渉し合うことにより、タグリーダ15で読み取ることができないヌル点といわれる読取不能領域が発生することがある。この読取不能領域の発生は、第1及び第2アンテナ素子35,36が発する電磁波40,41と、これらの電磁波40,41がステーション11のローラ25などに反射されて生じる逆位相の電磁波と、が互いに打ち消し合う干渉現象が原因となっている。
【0057】
本実施例では、タグリーダ15に面積の異なる第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とを設け、異なる性質の電磁波40,41を発生させるようにしているため、各アンテナ素子35,36の電磁波40,41に生じる読取不能領域の発生位置が異なるようになる。
【0058】
そして、第1アンテナ素子34及び第2アンテナ素子35の読取不能領域が互いの読取可能領域によって補われ、各アンテナ素子35,36を有する1つのアンテナユニット37からなるタグリーダ15の通信領域の全体を読取可能領域とすることができ、第1アンテナ素子34及び第2アンテナ素子35が発する電磁波40,41の読取不能領域に係わりなくタグリーダ15によるRFIDタグ7の識別情報の読み取りを正確に行うことができる。
【0059】
例えば、図書4がタグリーダ15の通信領域を通過する際に、図書4のRFIDタグ7は、先に第1アンテナ素子34から発生する電磁波40の分布範囲内に入る(図7参照)。その図書のRFIDタグ7が第1アンテナ素子34の読取不能領域に位置した場合には、続いて第2アンテナ素子35が発する電磁波41の分布範囲内に入ったときに、RFIDタグ7は、第2アンテナ素子35の読取不能領域には入らずに読取可能領域を通過し、タグリーダ15によって図書4のRFIDタグ7の識別情報を確実に読み取ることができるようになる。
【0060】
このように、タグリーダ15は、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とがコンテナ6の搬送方向に沿って並設され、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35はそれぞれ異なる位置のRFIDタグ7の識別情報を読み取れるため、タグリーダ15の通信領域を広く形成することができるようになっている。
【0061】
尚、ステーション11は、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とで読み取った識別情報を比較し、一方のアンテナ素子で読み取れていない識別情報を他方のアンテナ素子で読み取れている場合には、それぞれのアンテナ素子で読み取れている前後の識別情報から一方のアンテナ素子で読み取れていない識別情報の読み取り順を把握し、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とで読み取った識別情報を補完する。更に尚、第2アンテナ素子35よりも第1アンテナ素子34で読み取った識別情報を優先して把握するようにしてもよい。
【0062】
このように、異なる複数の電磁波40,41を発生させるタグリーダ15を用いることにより、タグリーダ15は、第1アンテナ素子34及び第2アンテナ素子35のいずれかの電磁波の分布範囲内で図書4のRFIDタグ7を確実に読み取ることができるようになり、図書4のRFIDタグ7が読み取られずに図書4の貸し出しに支障が出てしまうようなことが解消される。
【実施例2】
【0063】
次に、実施例2に係る図書保管管理システムにつき、図9から図12を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
【0064】
図9(a)及び図11に示すように、本実施例におけるタグリーダ42は、後述する第1アンテナユニット43と第2アンテナユニット44が左右方向に並設されて構成されている。第1アンテナユニット43は、正面視で略四角形状をなす絶縁性の平面基板32を有し、この平面基板32に第1アンテナ素子45が貼り付けられている。
【0065】
また、第1アンテナ素子45の下端部における第2アンテナユニット44寄りの角部近傍には、給電点38が設けられており、この給電点38には電力を供給するための給電用ケーブル39がそれぞれ接続されている。
【0066】
第1アンテナユニット43と並設される第2アンテナユニット44は、正面視で略四角形状をなす絶縁性の平面基板32に第2アンテナ素子46が貼り付けられている。第2アンテナ素子46の下端部における第1アンテナユニット43寄りの角部近傍には、給電点38が設けられており、この給電点38には電力を供給するための給電用ケーブル39がそれぞれ接続されている。
【0067】
第1アンテナユニット43と第2アンテナユニット44は略同一の構成をなしているが、第1アンテナユニット43における第1アンテナ素子45の左右幅M1は、第2アンテナユニット44における第2アンテナ素子46の左右幅M2よりも小さく形成されている。第1アンテナ素子45と第2アンテナ素子46の上下幅は略同一であるため、左右幅の小さい第1アンテナ素子45の面積は、左右幅の大きい第2アンテナ素子46の面積よりも小さくなる。
【0068】
このように、本実施例におけるタグリーダ42は、第1アンテナ素子45を有する第1アンテナユニット43と、第2アンテナ素子46を有する第2アンテナユニット44と、が左右方向に並設されているため、各アンテナ素子34,35を有するアンテナユニット43,44の構成が簡素化され、タグリーダ42を容易に製造できる。
【0069】
前記実施例1と同様に、第1アンテナ素子45は第2アンテナ素子46よりも面積が小さく形成されているため、給電用ケーブル39からタグリーダ42に同じ電流値が加えられた場合には、第1アンテナユニット43における第1アンテナ素子45と第2アンテナユニット44における第2アンテナ素子46は、性質が互いに異なる電磁波40,41を発生させる。
【0070】
尚、本発明における電磁波発生手段は、第1アンテナ素子45を有する第1アンテナユニット43と、第2アンテナ素子46を有する第2アンテナユニット44と、によって構成されている。
図9(b)に示すように、2つのアンテナユニット43,44からなるタグリーダ42に電流を流し、第1アンテナユニット43における第1アンテナ素子45と第2アンテナユニット44における第2アンテナ素子46とに同じ電流値が加えられると、より面積の小さい第1アンテナ素子45の方の放射強度が強まり、第1アンテナ素子45から発せられる電磁波40の分布範囲は、第2アンテナ素子46から発せられる電磁波41の分布範囲よりも通信距離が長くなり、より遠くに届くようになる。
【0071】
また、第2アンテナ素子46は第1アンテナ素子45よりも左右幅及び面積が大きいため、第2アンテナ素子46から発せられる電磁波41の分布範囲は、第1アンテナ素子45から発せられる電磁波40の分布範囲よりも通信距離は短く、左右方向に大きくなる。
【0072】
このように、第1アンテナ素子45を有する第1アンテナユニット43と、第2アンテナ素子46を有する第2アンテナユニット44によって構成されるタグリーダ42の通信領域は、分布範囲や通信距離などの性質が互いに異なる電磁波40,41が左右方向に連続され、かつ中央で重なり合って発生する領域となる。
【0073】
図10及び図12に示すように、タグリーダ42は、ステーション11における中空部12内の正面側と背面側とにそれぞれ対向するように取り付けられている。コンテナ6の搬送により図書4がタグリーダ42の通信領域を通過する際に、図書4のRFIDタグ7がタグリーダ42によって読み取られるようになっている。
【0074】
前記実施例1と同様に、タグリーダ42は、第1アンテナユニット43と第2アンテナユニット44とを並設して性質の異なる電磁波40,41を発生させるようにしているため、各アンテナユニット43,44の電磁波40,41に生じる読取不能領域の発生位置が異なるようになる。
【0075】
そして、第1アンテナユニット43及び第2アンテナユニット44の読取不能領域が互いの読取可能領域によって補われ、各アンテナユニット43,44を有するタグリーダ42の通信領域の全体を読取可能領域とすることができ、第1アンテナユニット43及び第2アンテナユニット44から発生される電磁波40,41の読取不能領域に係わりなくタグリーダ15によるRFIDタグ7の識別情報の読み取りを正確に行うことができる。
【0076】
このように、第1アンテナ素子45を有する第1アンテナユニット43と第2アンテナ素子46を有する第2アンテナユニット44とを組み合わせてタグリーダ42を構成することにより、アンテナ素子45,46を有するアンテナユニット43,44の構成が簡素化され、タグリーダ42を容易に製造することができる。
【0077】
尚、コンテナ6の収容空間21には、前側と後側にそれぞれ図書4が30冊程度収容可能であり、最大60冊程度の多数の図書4が収容されている。従来技術では、タグリーダから電磁波を所定間隔置きに発生させ、タグリーダは、電磁波の発生により読取可能となったRFIDタグの識別情報をその都度全て読み取り、管理コンピュータのデータベースと照合することで既に読取済のRFIDタグと新規に読み取ったRFIDタグとを分別する処理を行っている。しかしながら、収容された図書4の冊数が多いと、図書4のRFIDタグ7から読み取った識別情報をデータベースと照合する処理に時間がかかり、読取速度が遅くなってしまうという問題がある。
【0078】
そこで、本実施例では、タグリーダ42における各アンテナ素子45,46のいずれか一方から電磁波40,41を一定時間継続して発生させる制御を行うことができる。例えば、第1アンテナ素子45から発生する電磁波40によってRFIDタグ7の識別情報が読み取られているときには、そのRFIDタグ7の識別情報は、そのとき停止されている第2アンテナ素子46よって読み取られないように制御することができる。
【0079】
このようにすることで、第1アンテナ素子45と第2アンテナ素子46のいずれか一方のアンテナ素子によってRFIDタグ7の識別情報が読み取られ、重複して読み取られることがなくなるため、タグリーダ42がRFIDタグ7の識別情報を読み取ったデータを処理する時間が短縮されるようになり、タグリーダ42によるRFIDタグ7の読取速度を向上させることができる。
【0080】
更に尚、本実施例では、タグリーダ42における各アンテナ素子45,46の両方から同時に電磁波40,41を一定時間継続して発生させる制御を行うことができる。そして、この電磁波40,41を発生させる制御を、各アンテナ素子45,46の読取可能領域にコンテナ6が進入してから通過が完了するまでの間、一定時間継続させるようにする。更に、タグリーダ42はRFIDタグ7に対するライト機能を有しており、このライト機能を用いることで、通信可能状態のRFIDタグ7を一時停止させて通信不能状態とする制御を行うことができる。
【0081】
例えば、各アンテナ素子45,46の両方から同時に電磁波40,41を一定時間継続して発生させ、このアンテナ素子45,46の読取可能領域をコンテナ6が通過する際に、アンテナ素子45,46と一度通信を行ったRFIDタグ7を通信不能状態とすることで、RFIDタグ7の識別情報が重複して読み取られることがなくなる。そのため、タグリーダ42がRFIDタグ7の識別情報を読み取ったデータを処理する時間が短縮されるようになり、タグリーダ42によるRFIDタグ7の読取速度を向上させることができる。尚、コンテナ6がアンテナ素子45,46の読取可能領域を通過した後は、電磁波40,41がRFIDタグ7に届かなくなるため、RFIDタグ7内の電力も無くなり、RFIDタグ7の通信不能状態が自動的に解除される。
【0082】
更に、このようにすることで、タグリーダ42にて2枚のアンテナ素子45,46が同時に制御され、データベースと照合する処理も同時に行えるため、各アンテナ素子45,46を切り換えながら制御して、アンテナ素子45,46毎にデータベースと照合する場合よりも、切換時間等のタイムロスが生じないようになり、タグリーダ42の処理速度を向上させることができる。
【実施例3】
【0083】
次に、実施例3に係る図書保管管理システムにつき、図13を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
【0084】
図13(a)に示すように、本実施例におけるタグリーダ47は、平面視で略四角形状をなす絶縁性の平面基板32を有し、この平面基板32に導体板が貼り付けられ、この導体板は、その上下方向の略中央部が右方から左方に向かって切り欠かれて切欠部33が形成され、導体板の上下に第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とが形成されている。また、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35は、切欠部33の左部の接続部36のみで接続されている。
【0085】
左右方向に延設された切欠部33は、上方寄りに形成されており、第1アンテナ素子34の上下幅N1は第2アンテナ素子35の上下幅N2よりも小さくなっている。第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35の左右幅は略同一であるため、上下幅の小さい第1アンテナ素子34の面積は、上下幅の大きい第2アンテナ素子35の面積よりも小さく形成されている。
【0086】
このように切欠部33によって上下に区分された第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とからなる1つのアンテナユニット37が形成されており、本実施例におけるタグリーダ47は、このアンテナユニット37を1つ設けた構成となっている。
【0087】
図13(a)に示すように、第1アンテナ素子34の右端部における切欠部33の近傍と、第2アンテナ素子35の右端部における切欠部33の近傍には、給電点38が設けられている。また、これらのアンテナ素子34,35には、電力を供給するための2本の給電用ケーブル39が設けられ、一方の給電用ケーブル39は第1アンテナ素子34側の給電点38に接続されているとともに、他方の給電用ケーブル39は第2アンテナ素子35側の給電点38に接続されている。
【0088】
前記実施例1と同様に、第1アンテナ素子34は第2アンテナ素子35よりも面積が小さく形成されているため、給電用ケーブル39からタグリーダ47に同じ電流値が加えられた場合には、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35は、分布範囲や通信距離などの性質が互いに異なる電磁波40,41を発生させる。尚、本発明における電磁波発生手段は、面積の異なる第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とによって構成されている。
【0089】
図9(b)に示すように、アンテナユニット37からなるタグリーダ47に電流を流すと、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35に加えられる電流値は同じとなるため、より面積の小さい第1アンテナ素子34の方の放射強度が強まり、第1アンテナ素子34から発せられる電磁波40の分布範囲は、第2アンテナ素子35から発せられる電磁波41の分布範囲よりも通信距離が長くなり、より遠くに届くようになる。
【0090】
また、第2アンテナ素子35は第1アンテナ素子34よりも上下幅及び面積が大きいため、第2アンテナ素子35から発せられる電磁波41の分布範囲は、第1アンテナ素子34から発せられる電磁波40の分布範囲よりも通信距離は短く、上下方向に大きく広がるようになる。
【0091】
このように、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35からなるアンテナユニット37によって構成されるタグリーダ47の通信領域は、分布範囲や通信距離などの性質が互いに異なる電磁波40,41が上下方向に連続され、かつ中央で重なり合って発生する領域となる。
【0092】
また、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35を略上下方向に並設することで、上側の第1アンテナ素子34と下側の第2アンテナ素子35が発する電磁波40,41の分布範囲が平面視で重なり、これらのアンテナ素子34,35により、同一位置にある図書4のRFIDタグ7の識別情報を同時に読み取ることができ、読取ミスが生じ難くなる。
【実施例4】
【0093】
次に、実施例4に係る図書保管管理システムにつき、図14を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
【0094】
図14(a)に示すように、本実施例におけるタグリーダ48は、第1アンテナ素子45を有する第1アンテナユニット43と、第2アンテナ素子46を有する第2アンテナユニット44と、が略上下方向に並設されて構成されている。
【0095】
第1アンテナ素子34の下端部における第2アンテナユニット44寄りの角部近傍には、給電点38が設けられているとともに、第2アンテナ素子35の右端部における第1アンテナユニット43寄りの角部近傍には、給電点38が設けられている。この給電点38には電力を供給するための給電用ケーブル39がそれぞれ接続されており、給電点38にも同様に給電用ケーブル39がそれぞれ接続されている。
第1アンテナユニット43と第2アンテナユニット44は略同一の構成をなしているが、第1アンテナ素子34の上下幅P1は、第2アンテナ素子35の上下幅P2よりも小さく形成されている。第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35の左右幅は略同一であるため、上下幅の小さい第1アンテナ素子34の面積は、上下幅の大きい第2アンテナ素子35の面積よりも小さくなる。
【0096】
そのため、給電用ケーブル39からタグリーダ48に同じ電流値が加えられた場合には、第1アンテナユニット43における第1アンテナ素子34と第2アンテナユニット44における第2アンテナ素子35は、性質が互いに異なる電磁波40,41を発生させる。
【0097】
尚、本発明における電磁波発生手段は、第1アンテナ素子34を有する第1アンテナユニット43と、第2アンテナ素子35を有する第2アンテナユニット44と、によって構成されている。
【0098】
図14(b)に示すように、2つのアンテナユニット43,44からなるタグリーダ48に電流を流し、第1アンテナユニット43における第1アンテナ素子34と第2アンテナユニット44における第2アンテナ素子35とに同じ電流値が加えられると、より面積の小さい第1アンテナ素子34の方の放射強度が強まり、第1アンテナ素子34から発せられる電磁波40の分布範囲は、第2アンテナ素子35から発せられる電磁波41の分布範囲よりも通信距離が長くなり、より遠くに届くようになる。
【0099】
また、第2アンテナ素子35は第1アンテナ素子34よりも上下幅及び面積が大きいため、第2アンテナ素子35から発せられる電磁波41の分布範囲は、第1アンテナ素子34から発せられる電磁波40の分布範囲よりも通信距離は短く、上下方向に大きく広がるようになる。
【0100】
このように、第1アンテナ素子34を有する第1アンテナユニット43と、第2アンテナ素子35を有する第2アンテナユニット44によって構成されるタグリーダ48の通信領域は、分布範囲や通信距離などの性質が互いに異なる電磁波40,41が上下方向に連続され、かつ中央で重なり合って発生する領域となる。
【0101】
第1及び第2アンテナユニット43,44を組み合わせてタグリーダ48を構成することで、アンテナ素子45,46を有するアンテナユニット43,44の構成が簡素化され、タグリーダ48を容易に製造することができる。また、上下のアンテナ素子45,46が電磁波40,41の分布範囲が平面視で重なり、同一位置にある図書4のRFIDタグ7の識別情報を同時に読み取ることができ、読取ミスが生じ難くなっている。
【実施例5】
【0102】
次に、実施例5に係る図書保管管理システムにつき、図15及び図16を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
【0103】
図15及び図16に示すように、本実施例におけるコンテナ6に設けられた2枚の磁性板22は、その上端が、左右の側壁26の上端と同じ高さとなっている。また、後述するように、本実施例におけるタグリーダ42’は、前記実施例2におけるタグリーダ42よりも左右寸法が大きく形成されている。
【0104】
そして、タグリーダ42’における第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とからなるアンテナ面49から電磁波40,41を送受信して図書4のRFIDタグ7の識別情報を識別するようになっている。
【0105】
尚、加えられる電流値が同じである場合に、面積の小さいアンテナ面では、面積の大きなアンテナ面よりも、電磁波40,41の分布範囲が狭くなるが、放射強度が強まって通信距離が長くなる。そして、2つのアンテナ素子34,35の面積を合わせた総面積が、タグリーダ42’、すなわちアンテナ面49の面積となっており、このアンテナ面49の面積を所定の面積とすることにより通信距離を確保することができる。
【0106】
図15に示すように、タグリーダ42’の左右寸法X1は、コンテナ6の左右寸法Y1の半分以上の長さ寸法を有するとともに、タグリーダ42’の上下寸法X2は、第1アンテナ素子34及び第2アンテナ素子35からなるアンテナ面49から発信される電磁波40,41が収容空間21の奥側に到達可能な程度の上下寸法に形成されている。そして、タグリーダ42’のアンテナ面49は、正面視または背面視において左右に長寸な略長方形状をなしている。
【0107】
図16に示すように、コンテナ6の底板28は、底板28の前後の側壁27から中央に向かって上方に角度θ1の傾斜をなす傾斜面29に形成されている。また、前後の側壁27は、その内側面30が下端部から上方に向けてコンテナ6の前後方向の外側方に向けて傾斜面29と同一傾斜角である角度θ1の傾斜をなして形成されている。
【0108】
タグリーダ42’は、コンテナ6の前後の側壁27の上下寸法Y2よりも上方位置から収容空間21内に電磁波40,41を照射する向きに配置されるとともに、アンテナ面49がコンテナ6の底板28に向く方向に所定の角度θ2の傾斜をなして配置されている。
【0109】
これにより、前後の側壁27がタグリーダ42’の障壁とならず、タグリーダ42’を収容空間21内の図書4に近接させることができ、かつタグリーダ42’から上下方向に電磁波40,41が広がらないため、電磁波40,41の照射に用いる出力値が所定値以下に制限されても、タグリーダ42’が発する電磁波40,41の通信距離を確保できる。
【0110】
更に、タグリーダ42’のアンテナ面49がコンテナ6の前後の側壁27の上端よりも上方位置から底板28に向かって収容空間21の上下左右全域の広範囲に渡って効率的に電磁波40,41が広がるため、RFIDタグ7が、図書4の裏表紙4bにおける上部側または下部側のいずれの位置に取り付けられていても、タグリーダ42’によりRFIDタグ7の識別情報を読み取ることができ、RFIDタグ7の読み取り漏れが防止され、コンテナ6の収容空間21内に収容される殆どの図書4のRFIDタグ7を読み取ることができる。
【0111】
更に、タグリーダ42’のアンテナ面49が底板28に向けられているため、コンテナ6内の磁性板22等の金属に、タグリーダ42’から発生する電磁波40,41を打ち消す渦電流が生じることを防止できるとともに、正面側と背面側とに対面するタグリーダ42’,42’から発生する電磁波40,41が互いに干渉することにより通信距離が短くなって読取精度が低下してしまうことが防止される。
【0112】
また、コンテナ6の底板28から磁性板22の上端までの上下寸法Y3は、磁性板22の上端がタグリーダ42’の上端よりも高くなるように形成されている。コンテナ6の収容空間21は、磁性板22によって正面側と背面側とに分割されており、タグリーダ42’から発信される電磁波40,41は、磁性板22によって遮断されるようになる。
【0113】
例えば、コンベア9の正面側に設けられたタグリーダ42’は、磁性板22によってコンテナ6の背面側に収容されている図書4のRFIDタグ7から識別情報を読み取れなくなり、収容空間21の正面側に収容されている図書4のRFIDタグ7のみから識別情報を読み取るようになる。同様に、コンベア9の背面側に設けられたタグリーダ42’は、コンテナ6の背面側に収容されている図書4のRFIDタグ7のみから識別情報を読み取るようになり、タグリーダ42’の読取動作の信頼性を向上させることができる。
【0114】
尚、コンテナ6の正面側に収容された図書4は、隔壁31によって左右に仕切られた収容空間21内で正面視で左側に寄せて収容され、背面側の図書4は、収容空間21内で正面視で右側に寄せて収容されている。
【0115】
コンテナ6の収容空間21の左側及び右側の位置に複数の図書4が離間して収容されていても、タグリーダ42’におけるアンテナ面49の左右寸法X1がコンテナ6の左右寸法Y1の半分以上の長さ寸法に形成されているため、タグリーダ42’は、左右に離間された複数の図書4のRFIDタグ7を同時に読み取ることができる。
【実施例6】
【0116】
次に、実施例6に係る図書保管管理システムにつき、図17を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
【0117】
図17に示すように、コンテナ6の正面側のタグリーダ15は、第1アンテナ素子34が紙面右側となるように形成されるとともに、コンテナ6の背面側のタグリーダ15は、第1アンテナ素子34が紙面左側となるように形成されている。即ち、面積がより大きい第1アンテナ素子34と面積がより小さい第2アンテナ素子35とが、正面側と背面側のタグリーダ15,15で左右逆に配置されるように形成されている。そして、正面側と背面側のタグリーダ15,15はそれぞれ対面する位置を互いにずらして配置されている。
【0118】
これにより、正面側のタグリーダ15と背面側のタグリーダ15は、電磁波40と電磁波41の発生部位が左右方向で逆になるとともに、電磁波40,41の分布範囲を正面側と背面側とで左右方向にずらすことができる。そのため、コンテナ6内の磁性板22等の金属に、タグリーダ15から発生する電磁波40,41を打ち消す渦電流が生じることを防止できるとともに、正面側と背面側とに対面するタグリーダ15,15から発生する電磁波40,41が互いに干渉することにより通信距離が短くなって読取精度が低下してしまうことが防止される。
【0119】
以上、実施例1〜6における図書保管管理システム1にあっては、電磁波40,41を用いてRFIDタグ7の識別情報を読取可能なタグリーダ15,42,42’,47,48を備え、タグリーダ15,42,42’,47,48には、複数のアンテナ素子34,35,45,46が設けられるとともに、各アンテナ素子34,35,45,46にそれぞれ異なる性質の電磁波40,41を発生させるタグリーダ15,42,42’,47,48が設けられることで、タグリーダ15,42,42’,47,48により各アンテナ素子34,35,45,46がそれぞれ異なる性質の電磁波40,41を発生させるため、各アンテナ素子34,35,45,46の電磁波40,41に生じる読取不能領域の発生位置が異なるようになり、各アンテナ素子34,35,45,46の読取不能領域が互いの読取可能領域により補われ、これら各アンテナ素子34,35,45,46を有するタグリーダ15,42,42’,47,48の通信領域の全体を読取可能領域とすることができ、タグリーダ15,42,42’,47,48が発する電磁波40,41の読取不能領域に係わりなくタグリーダ15,42,42’,47,48によるRFIDタグ7の識別情報の読み取りを正確に行うことができる。
【0120】
また、アンテナ素子34,35,45,46が平面板状をなし、各アンテナ素子34と35,45と46の面積をそれぞれ異なる面積とすることでタグリーダ15,42,42’,47,48が構成されることで、平板状をなすアンテナ素子34,35,45,46の面積を変えると、アンテナ素子34,35,45,46が発する電磁波40,41の分布範囲や通信距離が変化するため、各アンテナ素子34,35,45,46の面積をそれぞれ異なる面積とすることで、各アンテナ素子34,35,45,46にそれぞれ異なる性質の電磁波40,41を発生させることができる。
【0121】
また、実施例1及び2における図書保管管理システム1にあっては、第1及び第2アンテナ素子34,35,45,46は、コンテナ6の搬送方向に沿って並設されることで、一方のアンテナ素子34,45の読取不能領域で読取ミスが生じても、コンテナ6の搬送によりRFIDタグ7が移動され、他方のアンテナ素子35,46の読取可能領域で読み取ることができ、かつ各アンテナ素子34,35,45,46がそれぞれ異なる位置のRFIDタグ7の識別情報を読み取れるようになり、タグリーダ15,42の通信領域を広く形成することができる。
【0122】
また、実施例3及び4における図書保管管理システム1にあっては、各アンテナ素子34,35,45,46は、略上下方向に並設されることで、アンテナ素子34,35,45,46が発する電磁波40,41の分布範囲が平面視で重なり、上下のアンテナ素子34,35,45,46により同一位置にあるRFIDタグ7の識別情報を同時に読み取ることができ、読取ミスが生じ難くなる。
【0123】
また、実施例1及び3における図書保管管理システム1にあっては、タグリーダ15,47は、少なくとも2つの前記アンテナ素子34,35,45,46を有するアンテナユニット37が設けられることで、複数のアンテナ素子34,35,45,46を一体的にアンテナユニット37に内蔵し、タグリーダ15,47を構成する部品点数を低減できる。
【0124】
また、実施例2及び4における図書保管管理システム1にあっては、少なくとも1つのアンテナ素子34と35及び45と46を有する複数の第1及び第2アンテナユニット43,44が設けられることで、アンテナ素子34,35,45,46を有する第1及び第2アンテナユニット43,44の構成が簡素化され、タグリーダ42,48を容易に製造できる。
【0125】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0126】
例えば、前記実施例では、図書保管管理システム1を、コンテナ6毎に図書4を分野毎に収容する固定ロケーション方式として説明したが、コンテナ6内に図書4を分野を問わずに収容し、図書4の保管効率を向上させたフリーロケーション方式としてもよい。
【0127】
また、前記実施例では、図書4の裏表紙4bにRFIDタグ7を貼り付けたが、RFIDタグ7が貼り付けられる位置は図書4の表紙でもよいし、タグリーダ15,42,42’,47,48によって読取可能であれば、RFIDタグ7が貼り付けられる位置は図書4の表紙の裏面等であってもよい。
【0128】
また、前記実施例では、コンテナ6の収容空間21内に図書4を背表紙4cをコンテナ6の外側である正面側と背面側とに向けて立てた状態で収容したが、タグリーダ15,42,42’,47,48によってRFIDタグ7から識別情報が読取可能であるならば、背表紙4cを上方や収容空間21の前後方向の中央に向けて立てた状態で収容してもよいし、複数の図書4を収容空間21内で平積みして収容するようにしてもよい。
【0129】
また、前記実施例では、同一のタグリーダをコンベア9の正面側と背面側の両側に対向するように取り付けているが、異なる複数のタグリーダを左右方向または上下方向に並設してもよいし、正面側と背面側のタグリーダのうち一方のタグリーダをコンベア9の真上に設けるなどして異なる方向から図書4のRFIDタグ7から識別情報を読み取るようにしてもよい。
【0130】
また、前記実施例では、アンテナ素子の面積を変化させたタグリーダを用いてそれぞれ異なる性質の電磁波を発生させる電磁波発生手段を構成しているが、電磁波の出力を変えたり周波数を変えたりしてそれぞれ異なる性質の電磁波を発生させる電磁波発生手段を構成してもよい。
【0131】
また、前記実施例では、タグリーダを固定配置させてコンテナ6の移動とともにRFIDタグ7を読み取らせているが、コンテナ6の搬送を停止し、タグリーダを左右方向に移動させてRFIDタグ7を読み取るようにしてもよい。
【0132】
また、前記実施例では、2つのアンテナ素子を内蔵するアンテナユニットを構成しているが、3つ以上のアンテナ素子を内蔵してアンテナユニットとしてもよい。
【0133】
また、前記実施例では、アンテナ素子の面積を変化させたタグリーダを用いてそれぞれ異なる性質の電磁波を発生させる電磁波発生手段を構成しているが、放射電極と、電気的にフローティング状態に維持される複数の細条状のフローティング電極と、が交互に繰り返し配列された構造を有し、所望の広さの交信エリアを形成するアンテナパターンを形成した公知のアンテナ装置を本発明のタグリーダとして用いてもよい。
【符号の説明】
【0134】
1 図書保管管理システム
3 閉架書庫
4 図書
4a 表紙
4b 裏表紙
4c 背表紙
6 コンテナ
7 RFIDタグ(無線タグ)
9 コンベア
11 ステーション(管理装置)
15 タグリーダ
33 切欠部
34 第1アンテナ素子(電磁波発生手段)
35 第2アンテナ素子(電磁波発生手段)
36 接続部
37 アンテナユニット
40 電磁波
41 電磁波
42 タグリーダ
42’ タグリーダ
43 第1アンテナユニット
44 第2アンテナユニット
45 第1アンテナ素子(電磁波発生手段)
46 第2アンテナ素子(電磁波発生手段)
47 タグリーダ
48 タグリーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図書が複数のコンテナ内に収容された状態で書庫に収容され、該複数の図書には、各図書を識別可能な識別情報が記憶されている無線タグが取り付けられ、管理装置の指令に基づき、書庫に収容されている複数の前記コンテナの中から、目的の図書が含まれているコンテナを取り出してステーションに搬送するとともに、図書の貸し出しまたは返却作業後にステーションより前記書庫に前記コンテナを搬送する図書保管管理システムであって、
電磁波を用いて前記無線タグの識別情報を読取可能なタグリーダを備え、該タグリーダには、複数のアンテナ素子が設けられるとともに、該各アンテナ素子にそれぞれ異なる性質の電磁波を発生させる電磁波発生手段が設けられることを特徴とする図書保管管理システム。
【請求項2】
前記アンテナ素子が平面板状をなし、前記各アンテナ素子の面積をそれぞれ異なる面積とすることで、前記電磁波発生手段が構成されることを特徴とする請求項1に記載の図書保管管理システム。
【請求項3】
前記各アンテナ素子は、前記コンテナの搬送方向に沿って並設されることを特徴とする請求項1または2に記載の図書保管管理システム。
【請求項4】
前記各アンテナ素子は、略上下方向に並設されることを特徴とする請求項1または2に記載の図書保管管理システム。
【請求項5】
前記タグリーダは、少なくとも2つの前記アンテナ素子を有するアンテナユニットが設けられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の図書保管管理システム。
【請求項6】
前記タグリーダは、少なくとも1つの前記アンテナ素子を有する複数のアンテナユニットが設けられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の図書保管管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−20805(P2012−20805A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158048(P2010−158048)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】