図書保管管理システム
【課題】搬送対象のコンテナが書庫からステーションに到着するまでの間の利用者の苛立ち感を低減させることができる図書保管管理システムを提供すること。
【解決手段】管理装置24は、搬送対象のコンテナ6のコンテナ識別情報を受付けるコンテナ識別情報受付手段23,29と、コンテナ識別情報受付手段23,29にて受付けたコンテナ識別情報が付与されたコンテナ6を搬送経路に沿って搬送させる搬送制御手段12,15,29と、搬送中のコンテナ6の搬送経路における現在位置を取得するコンテナ位置取得手段23,29と、コンテナ位置取得手段23,29にて取得したコンテナ位置に基づいて搬送対象のコンテナ6の搬送状況を表示する表示手段20と、を備える。
【解決手段】管理装置24は、搬送対象のコンテナ6のコンテナ識別情報を受付けるコンテナ識別情報受付手段23,29と、コンテナ識別情報受付手段23,29にて受付けたコンテナ識別情報が付与されたコンテナ6を搬送経路に沿って搬送させる搬送制御手段12,15,29と、搬送中のコンテナ6の搬送経路における現在位置を取得するコンテナ位置取得手段23,29と、コンテナ位置取得手段23,29にて取得したコンテナ位置に基づいて搬送対象のコンテナ6の搬送状況を表示する表示手段20と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置の指令に基づき、書庫に保管されている複数のコンテナの中から、目的の図書を収容するコンテナを取り出してステーションに搬送するとともに、コンテナを図書の貸し出しまたは返却作業後にステーションから書庫に搬送する図書保管管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の図書保管管理システムにおいては、書庫が図書館の地下に設置されているとともに、ステーションは地上1〜2階に設置されており、地下の書庫からステーションまでの間の搬送経路に設置されたリフターやコンベアなどによりコンテナが搬送されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−290622号公報(第6〜7頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の図書保管管理装置にあっては、地下の書庫から地上のステーションまでコンテナが搬送される搬送時間が平均で1分程度かかるようになっており、コンテナが書庫からステーションに到着するまでの間に、利用者はコンテナがステーションにいつ到着するか見当がつかず、待っている間に利用者の苛立ち感が増すという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、搬送対象のコンテナが書庫からステーションに到着するまでの間の利用者の苛立ち感を低減させることができる図書保管管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の図書保管管理システムは、
複数の図書を収容した複数のコンテナが書庫に保管され、該複数のコンテナには、各コンテナを識別可能なコンテナ識別情報が付与されており、管理装置の指令に基づき、前記書庫に保管されている前記複数のコンテナの中から、貸し出しまたは返却作業の対象となる目的の図書を収容するコンテナを取り出してステーションに搬送するとともに、該コンテナを図書の貸し出しまたは返却作業後に前記ステーションから前記書庫に搬送する図書保管管理システムであって、
前記管理装置は、搬送対象のコンテナのコンテナ識別情報を受付けるコンテナ識別情報受付手段と、該コンテナ識別情報受付手段にて受付けたコンテナ識別情報が付与されたコンテナを搬送経路に沿って搬送させる搬送制御手段と、該搬送中のコンテナの前記搬送経路における現在位置を取得するコンテナ位置取得手段と、該コンテナ位置取得手段にて取得したコンテナ位置に基づいて前記搬送対象のコンテナの搬送状況を表示する表示手段と、を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、利用者は表示手段を参照することで、搬送対象のコンテナの搬送経路における現在の搬送状況を把握することができ、搬送対象のコンテナがステーションにいつ頃到着するかの見当がつくようになり、搬送対象のコンテナが書庫からステーションに到着するまでの間の利用者の苛立ち感を低減させることができる。
【0007】
本発明の図書保管管理システムは、
前記複数の図書には、各図書を識別可能な図書識別情報が付与されており、前記管理装置は、前記図書識別情報と前記コンテナ識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記目的の図書の図書識別情報を受付ける図書識別情報受付手段と、をさらに備え、前記図書識別情報受付手段にて受付けた図書識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されるコンテナ識別情報が前記コンテナ識別情報受付手段に受付けられるようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、図書識別情報の受付によって目的の図書を収容するコンテナの搬送を行うことができ、かつ利用者は表示手段を参照することで、目的の図書を収容するコンテナの搬送状況を把握することができ、コンテナがステーションにいつ頃到着するか見当がつくため、コンテナが書庫からステーションに到着するまでの間の利用者の苛立ち感を低減させることができる。
【0008】
本発明の図書保管管理システムは、
前記表示手段は、前記ステーションにコンテナが到着したときに、前記搬送対象のコンテナの搬送状況の表示から、前記図書識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている図書に関連する図書関連情報の表示に切り換える制御を行うことを特徴としている。
この特徴によれば、搬送対象のコンテナの搬送状況の表示から、主に貸し出しまたは返却作業を行う際に用いる図書関連情報の表示に切り換える制御が、ステーションにコンテナの到着したときのタイミングにより自動的に行われるため、当該表示の切り換えに利用者の操作を必要としないで済むようになり、操作に不慣れな利用者であっても容易に図書保管管理システムを使用することができる。
【0009】
本発明の図書保管管理システムは、
前記表示手段は、前記搬送対象のコンテナの搬送状況の表示を前記搬送経路における複数の領域毎に行うことを特徴としている。
この特徴によれば、利用者は表示手段を参照することで、搬送経路におけるいずれの領域に、搬送対象のコンテナが存在するかを把握することができる。
【0010】
本発明の図書保管管理システムは、
前記表示手段は、前記搬送対象のコンテナが複数個搬送される場合に、前記各領域に存在する前記搬送対象のコンテナの個数の表示を行うことを特徴としている。
この特徴によれば、搬送経路におけるいずれの領域に、いくつのコンテナが存在するかを把握することができる。
【0011】
本発明の図書保管管理システムは、
前記ステーションが複数台設けられるとともに、前記コンテナ識別情報受付手段は、各利用者を識別可能な利用者識別情報に対応付けて前記コンテナ識別情報を受付けるようになっており、前記管理装置は、前記各ステーションに設けられる前記表示手段に、前記利用者識別情報に基づいて各搬送対象のコンテナの搬送状況を、前記各ステーションの利用者毎に表示させる制御を行うことを特徴としている。
この特徴によれば、それぞれの利用者は表示手段を参照することで、各利用者に対応する搬送対象のコンテナの搬送状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例における図書保管管理システムの全体像を示す側面図である。
【図2】ステーションを示す斜視図である。
【図3】ステーションを示す横断平面図である。
【図4】図書保管管理システムの構成を示すブロック図である。
【図5】タッチパネルに表示されるコンテナ取出しメニュー画面を示す図である。
【図6】タッチパネルに表示されるコンテナ搬送進捗画面を示す図である。
【図7】タッチパネルに表示される読取処理画面を示す図である。
【図8】タッチパネルに表示されるコンテナ返却メニュー画面を示す図である。
【図9】図書情報テーブルを示す図である。
【図10】コンテナ情報テーブルを示す図である。
【図11】利用者情報テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る図書保管管理システムを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0014】
実施例に係る図書保管管理システムにつき、図1から図11を参照して説明する。以下、図1の紙面左側をステーションの正面側(前方側)とし、図3の紙面下側をステーションの正面側(前方側)として説明する。
【0015】
図1の符号1は、本発明の適用された図書保管管理システムである。この図書保管管理システム1は、図1に示すように、例えば、図書館にて地上階に設けられ、利用者に公開されている開架書庫2と、図書館の地下階に設けられ、利用者に公開されていない閉架書庫3と、の間に亘って設置されており、閉架書庫3に収容されている図書4を利用者の要求に応じて開架書庫2まで搬送するシステムである。
【0016】
閉架書庫3には、図書4を収容するための複数の書棚5が配置されている。図4に示すように、これら書棚5には、複数の図書4が収容された複数のコンテナ6が収容されている。尚、本実施例における図書保管管理システム1は、コンテナ6毎に図書4を文学、スポーツ、評論等の分野毎に収容する固定ロケーション方式を採用している。
【0017】
コンテナ6に収容されている図書4には、各図書4毎に固有の図書ID(図書識別情報)や図書関連情報が記憶されているRFIDタグ7が貼り付けられており、このRFIDタグ7の図書IDは、後述する図書用タグリーダ8(図書識別情報受付手段)及び貸出返却用タグリーダ9(図書識別情報受付手段)によってID情報を読み取り可能となっている。尚、この図書関連情報とは、各図書4のタイトル、著者、出版社、ページ数等である。
【0018】
また、本実施例におけるRFIDタグ7は、内蔵したICチップを非接触方式(無線方式)で、後述する図書用タグリーダ8と貸出返却用タグリーダ9とで読み取らせる公知のパッシブ型のRFIDタグである。
【0019】
図1に示すように、図書保管管理システム1は、閉架書庫3にて書棚5から図書4が収容されたコンテナ6を取り出すための複数基のスタッカクレーン10と、地下階である閉架書庫3と地上階である開架書庫2との間を昇降可能とする搬送エレベータ11と、を備えている。そして、スタッカクレーン10によって書棚5から取り出されたコンテナ6は、コンベア12を介して搬送エレベータ11に受け渡されるようになっている。
【0020】
また、図書保管管理システム1は、閉架書庫3からコンテナ6を搬送可能であって、利用者が目的の図書4の貸し出し、若しくは返却を行うことができるステーション13と、コンテナ6を一時保管するためのロータリーラック14と、を備えている。搬送エレベータ11によって地上階まで搬送されたコンテナ6は、コンベア15を介してステーション13及びロータリーラック14まで搬送されるようになっている。尚、本実施例における利用者とは、図書館の司書や、図書館が設置された学校の学生や教授等である。
【0021】
また、開架書庫2に設けられたステーション13にて設定された指令に基づき、スタッカクレーン10は、各書棚5におけるコンテナ6の収容位置まで前後並びに上下方向に自動走行して、コンテナ6の出し入れを行うようになっている。
【0022】
図2に示すように、ステーション13の上部には、その内部が中空である中空部16が形成されている。この中空部16内には、搬送エレベータ11側からコンベア15が延設されており、図書4が収容されているコンテナ6を中空部16内に搬送可能となっている。尚、本発明における搬送制御手段は、コンベア12,15と制御部29とから構成されている。
【0023】
図2及び図3に示すように、コンテナ6の内部は、複数の図書4を収容するための上方が開口する収容空間17となっている。この収容空間17は、磁性部材からなる磁性板18によって正面側と背面側とに分割されており、複数の図書4が前後2列に配置され、背表紙4aをコンテナ6の正面側または背面側に向けた状態で、かつ図書4の厚み方向である左右方向に並べられた状態で収容されている。
【0024】
図2及び図3に示すように、ステーション13の中空部16内の中央には、コンベア15に連続して設けられたターンテーブル19が配設されている。ステーション13に搬送されたコンテナ6は、このターンテーブル19上に載置されるようになっている。
【0025】
尚、ステーション13の利用者は、後述するタッチパネル20(表示手段)の操作によってターンテーブル19を回転させてコンテナ6を水平回転させることができる。そのため、コンテナ6は、その正面側及び背面側のいずれの側も利用者側に向けることができるようになり、コンテナ6の正面側及び背面側の両側に図書4を収容しておくことができ、コンテナ6内のスペースを有効利用できる。
【0026】
そして、ステーション13の上部正面側には、左右方向に中空部16を開閉自在なスライド扉21が取り付けられており、利用者は、このスライド扉21を開放することによって中空部16に搬送されてきたコンテナ6から図書4を取り出せるようになっている。
【0027】
また、コンテナ6の正面側と背面側の外面には、左右方向の略中央部に各コンテナ6を識別可能なバーコード部22が設けられている。尚、このバーコード部22には、各コンテナ6を識別できる固有のコンテナID(コンテナ識別情報)や前後のいずれの側かを示す情報が含まれた情報が書き込まれている。
【0028】
図3に示すように、ステーション13の中空部16内の上流側と下流側には、コンベア15の正面側と背面側の両側に、コンテナ6に収容されている図書4のRFIDタグ7から識別情報を読み取るための図書用タグリーダ8と、コンテナ6に取り付けられたバーコード部22からコンテナID等の情報を読み取るためのバーコードリーダ23と、が取り付けられている。本発明におけるコンテナ識別情報受付手段及びコンテナ位置取得手段は、それぞれバーコードリーダ23と制御部29とから構成されている。
【0029】
また、コンベア15は、搬送エレベータ11側からステーション13の中空部16内に延設されているとともに、中空部16内から更に搬送エレベータ11側に延設されている平面視でU字状に形成されている。コンテナ6は、ステーション13において紙面右側から紙面左側へと一方通行に搬送されるようになっており、図書用タグリーダ8は、ステーション13の上流側及び下流側にそれぞれ設けられている。
【0030】
また、同様のバーコードリーダ23が開架書庫2におけるステーション13外のコンベア15及び閉架書庫3におけるコンベア12近傍にも複数箇所に取り付けられている。コンテナ6のバーコード部22がコンベア12,15に設けられたバーコードリーダ23で読み取られることにより、各コンテナ6の搬送経路における現在位置情報などを後述する管理装置24が把握することができるようになっている。
【0031】
尚、前述のロータリーラック14は、内部に複数のコンテナ6を収容可能となっており、後述するコンテナ呼出処理によって閉架書庫3からステーション13に呼び出されたコンテナ6が複数ある場合などにコンテナ6をロータリーラック14に待機させることができるようになっている。
【0032】
搬送エレベータ11を介して地上階に搬送された複数のコンテナ6がロータリーラック14に一時保管された後、コンテナ6は所定の順序でロータリーラック14から運び出される。そして、ロータリーラック14から運び出されたコンテナ6は、平面視で右側のコンベア15から中央のステーション13に搬送され、ステーション13での処理が終わったコンテナ6は、左側のコンベア15に載せられて再び搬送エレベータ11によって地下階の閉架書庫3へと搬送されるようになっている。
【0033】
図2に示すように、ステーション13の正面側には、利用者がコンテナ6から取り出した図書4を載置するための天板25が設けられている。この天板25上には、ステーション13を利用する利用者に対して、図書4の貸し出し及び返却作業の指示を行うためのタッチパネル20が設けられている。このタッチパネル20は、利用者が直接指等を接触させて操作可能になっている。
【0034】
また、天板25には、図書4のRFIDタグ7から識別情報を読み取るための貸出返却用タグリーダ9が埋設されている。更に、特に図示しないが、ステーション13には、図書館の利用者が所有するICカード26から利用者の利用者ID(利用者識別情報)を読取可能なカードリーダ27が設けられている。尚、このICカード26には、RFIDタグが内蔵され、固有の利用者IDが記憶されている。
【0035】
一方、図書館の管理室(図示略)等には、図4に示すように、閉架書庫3からの図書4の貸し出し及び返却を管理する管理装置24が設けられている。この管理装置24は、図9〜図11に示す図書情報テーブルとコンテナ情報テーブルと利用者情報テーブルが記憶されている記憶部28(記憶手段)と、管理装置24内で各種制御を行う制御部29と、から構成されている。
【0036】
この制御部29には、ステーション13のバーコードリーダ23と、図書用タグリーダ8と、貸出返却用タグリーダ9と、ターンテーブル19と、タッチパネル20と、カードリーダ27と、が接続されている。また、制御部29には、コンベア15と、ロータリーラック14と、バーコードリーダ23と、が接続されている。尚、本実施例における図書保管管理システム1には複数のステーション13が設けられており、管理装置24は、各ステーション13とそれぞれ接続されている。
【0037】
更に、制御部29には、閉架書庫3のコンベア12と、スタッカクレーンと、搬送エレベータ11と、バーコードリーダ23と、が接続されている。尚、制御部29は、LAN回線等の通信回線30を介して図書館内部または図書館外部の複数の予約端末31に接続されている。例えば図書館の利用者は、予約端末31から管理装置24に対して所望の図書4の貸出予約を行うことができるようになっている。
【0038】
図9に示すように、記憶部28に記憶されている図書情報テーブルには、図書4の図書IDに対して、図書4のタイトルと、巻号、年次、厚さと、この図書4が収容されているコンテナ6のコンテナIDと、コンテナ6内における図書4の所在を示す配置位置と、図書情報テーブルの登録内容と実際の図書4の配置に差異が生じていないかを点検する点検作業を行うか否かを図書4毎に指定するチェック要否と、点検作業の結果を示す照合結果と、点検作業において照合不良となった場合にその理由が登録される照合不良情報と、図書4が現在収容されているコンテナ6のコンテナIDが登録される現コンテナIDと、が対応付けられて記憶されている。
【0039】
このうち、コンテナ6内の図書4の配置位置は、コンテナ6の前後をA及びBとして登録し、それぞれの側を正面側としたときの左右方向の位置を本実施例では3分割して左側、中央部、右側の位置を1〜3で登録するようにしている。すなわち、配置位置がB−2とあるのは、B側の中央部に図書4が収容されている、ということを示している。
【0040】
尚、図書情報テーブルに記憶されるこれらの情報は、図書4のRFIDタグ7を図書用タグリーダ8によって読み取った際に自動で図書情報テーブルに登録されるようにしてもよいし、管理者が手作業による入力をして登録するようにしてもよい。
【0041】
図10に示すように、記憶部28に記憶されているコンテナ情報テーブルには、コンテナ6のコンテナIDに対して、固定やフリーなどのロケーションの方式を示すアサイン方式と、コンテナ6が閉架書庫3内のいずれの書棚5にあるかを示すロケーションと、貸し出しまたは返却によって入出庫が行われた最新の日付を示す入出庫日付と、点検作業を行うか否かをコンテナ6毎に指定するチェック要否と、各コンテナ6の前後のいずれかをA及びBで示す前後位置と、図書保管管理システム1の管理者や図書館の司書が自由に入力することができるメモと、点検作業の結果を示す照合結果と、照合結果が不良であった場合にその理由が登録される照合不良情報と、からなるコンテナ関連情報が関連付けて記憶されている。
【0042】
図11に示すように、記憶部28に記憶されている利用者情報テーブルには、利用者が図書館を利用するために図書館に登録した固有の利用者IDと利用者が貸し出しを行う図書4の図書IDとに対して、貸出予定日が関連付けて記憶されている。制御部29が予約端末31から貸出予約を受けると、制御部29は、予約を行った利用者の利用者IDと予約がされた図書IDと貸出予定日を利用者情報テーブルに記憶させるようになっている。更に、利用者IDに対して所定のアクセス権限の有無も登録されている。
【0043】
次に、予約端末31によって貸出予約が行われた図書4の貸出処理について、図5から図7を参照して説明する。尚、本実施例においては、図書館が設置された学校の学生が貸出予約を行い、図書館の司書が学生のICカード26を用いてステーション13で図書4の貸し出しを行うものとして説明する。
【0044】
学生が予約端末31によって図書4の貸出予約をした際には、図11に示す利用者情報テーブルの貸出予定日に日付が入った状態になっている。また、司書がステーション13に設置されたタッチパネル20に表示された指示に従ってタッチパネル20を操作することによって、図書4の貸し出し作業を行うことができる。
【0045】
先ず、司書が学生からICカード26を受け取り、ICカード26をカードリーダ27にかざすと、ICカード26に内蔵されたRFIDタグに記憶されている固有の利用者IDが読み取られる。管理装置24の制御部29は、カードリーダ27が読み取った利用者IDに基づいて、図11に示す利用者情報テーブルを参照し、貸出予定日に日付が入っている、即ち貸出予約がなされている図書4の図書IDを特定する。更に、制御部29は、その図書IDに基づいて図9に示す図書情報テーブルを参照してタイトル等の情報を読み出すとともに、図書4が収容されているコンテナIDを特定する。
【0046】
図5に示すように、制御部29によって、タッチパネル20の表示がコンテナ取出しメニュー画面に切り替えられ、図書情報テーブルの情報を基に、貸出予約が行われた図書4のタイトル、巻号、年月次が図書4毎にリスト表示される。
【0047】
本実施例では、2冊の図書4が貸出対象となっており、貸出予約を行った図書4が複数ある場合は複数の図書4の情報が表示され、一画面で表示しきれない場合には、複数ページで表示し、図示しない前頁ボタンや次頁ボタンで照会可能に表示されるようになっている。また、画面右上には、貸出対象の図書4が収容されたコンテナ6の件数が表示され、本実施例では2件のコンテナ6が搬送対象となっていることが表示されている。
【0048】
コンテナ取出しメニュー画面には、詳細ボタンと取消ボタンが表示されている。詳細ボタンを押すと、その図書4の著者や出版社等の更なる詳細情報が表示され、取消ボタンを押すと、タッチパネル20のリストからその図書4の情報が非表示となり、コンテナ呼出を行わない、すなわち今回はその図書4の貸し出しを行わないように変更することができる。
【0049】
そして、制御部29は、表示されたリストの内容を確認してコンテナ呼出ボタン32を押す旨の指示を表示する。司書が表示されたリストを確認してタッチパネル20に表示されたコンテナ呼出ボタン32を押すと、制御部29は、リスト表示された図書4が収容されたコンテナ6を閉架書庫3からステーション13に搬送するコンテナ呼出処理を行うとともに、タッチパネル20の表示画面を切り替える制御を行う。具体的には、制御部29は、スタッカクレーン10によってコンテナ6を取り出し、取り出したコンテナ6をコンベア12,15や搬送エレベータ11によってステーション13に搬送させる。
【0050】
そして、図6に示すように、制御部29は、コンテナ6の搬送進捗状況を示すコンテナ搬送進捗画面をタッチパネル20に表示させる。具体的には、制御部29は、コンテナ6の搬送経路における「閉架書庫」、「コンベア」、「エレベータ」、「ステーション」の4つの領域を表示し、各領域毎に搬送対象のコンテナ6の搬送状況を表示させる。そのため、タッチパネル20の表示画面を参照することで、搬送経路におけるいずれの領域に、搬送対象のコンテナ6が存在するかを把握することができる。
【0051】
制御部29は、搬送進捗画面における画面左下に、閉架書庫3において書棚5からコンテナ6が取り出される状況を示す第1画像36を表示させ、画面右下に、コンテナ6がコンベア15で搬送エレベータ11へ搬送される状況を示す第2画像37を表示させ、画面左上に、コンテナ6が搬送エレベータ11でステーション13のある地上階へ搬送される状況を示す第3画像38を表示させ、画面右上に、コンテナ6がステーション13に搬送される状況を示す第4画像39を表示させる。
【0052】
即ち、第1画像36は「閉架書庫」領域を示し、第2画像37は「コンベア」領域を示し、第3画像38は「エレベータ」領域を示し、第4画像39は「ステーション」領域を示している。各画像36,37,38,39には領域名が付加されており、この領域名は画面中央部に上下方向に並設されている。尚、本実施例では、地下2階の閉架書庫3から地上4階のステーション13までコンテナ6が搬送されるようになっており、各領域名の後ろに「B2」や「4F」などの表示をして何階であるかも示される。
【0053】
前述したように、コンテナ6にはバーコード部22が設けられており、搬送経路の所定の複数個所に設置されたバーコードリーダ23によってコンテナ6のコンテナIDが読み取られる。制御部29は、バーコードリーダ23が読み取ったコンテナIDを基に、対象のコンテナ6の現在位置情報を取得し、取得したコンテナ位置に基づいて、コンテナ6がいずれの領域間を搬送中かをコンテナ搬送進捗画面に随時反映させるようになっている。
【0054】
また、前述したように、制御部29は、ICカード26から読み取った利用者IDを基に利用者情報テーブルを参照して貸出対象の図書IDを特定し、その図書IDを基に図書情報テーブルを参照して搬送対象のコンテナ6のコンテナIDを特定している。図書保管管理システム1には複数のステーション13が設けられているが、制御部29は、各ステーション13に設けられたタッチパネル20に、利用者IDに基づいた各搬送対象のコンテナ6の搬送状況を、各ステーション13で作業をする司書毎に表示させる制御を行っている。
【0055】
これにより、各ステーション13において作業を行うそれぞれの司書は、そのステーション13に設けられたタッチパネル20を参照することで、各司書に対応する搬送対象のコンテナ6の搬送状況を把握することができる。
【0056】
コンテナ搬送進捗画面に表示される各領域名の間には、コンテナ6の搬送の進捗状況を示す表示40が設けられており、搬送状況の進捗順に該当する表示が点灯するようになっている。例えば、制御部29は、バーコードリーダ23から取得したコンテナ6の現在位置情報を基に、コンテナ6が閉架書庫3から取り出されてコンベア15に移動させるまでの間の経路に存在すると判断した場合には、「閉架書庫」と「コンベア」の領域名の間の表示40を点灯させ、いずれの領域を搬送中であるかを示すようになっている。
【0057】
また、制御部29は、バーコードリーダ23から取得したコンテナ6の現在位置情報を基に、第1〜第3画像38,39,40の上部に、各領域に存在するコンテナ6の件数を表示させる件数表示部41が設けられている。
【0058】
図6に示すように、本実施例において搬送対象となった2件のコンテナ6のうち、閉架書庫3から取り出し中のコンテナ6が1件あり、コンベア15で搬送中のコンテナ6が1件ある場合には、画面左下の第1画像36の上部の件数表示部41と、画面右下の第2画像37の上部の件数表示部41と、にそれぞれ「1」と表示され、画面左上の第3画像38の上部の件数表示部41に「0」と表示される。これにより、司書は、搬送経路におけるいずれの領域に、いくつのコンテナ6が存在するかを把握することができる。
【0059】
尚、制御部29は、現在の搬送状況を示す画像に対して、動画によるアニメーション表示をするようになっている。例えば、図6に示すように、第1画像36と第2画像37の搬送状況においてコンテナ6を1件ずつ搬送中の場合には、第1画像36と第2画像37が動画によるアニメーション表示がなされる。
【0060】
更に、制御部29は、コンテナ6の現在位置に基づいて、コンテナ6がステーション13に到着するまでの残り時間を算出し、その残り時間を画面上部側の残時間表示部42に表示させるようになっている。そのため、司書は、あとどれくらいでコンテナ6がステーション13に到着するかを把握することができる。
【0061】
このように、司書は、タッチパネル20に表示されるコンテナ搬送進捗画面を参照することで、搬送対象のコンテナ6の搬送経路における現在の搬送状況を把握することができ、コンテナ6がステーション13にいつ頃到着するかの見当がつくようになり、搬送対象のコンテナ6が閉架書庫3からステーション13に到着するまでの間の司書の苛立ち感を低減させることができる。
【0062】
そして、コンテナ6がステーション13に搬送され、ステーション13内に設けられたバーコードリーダ23によってコンテナIDが読み取られると、制御部29は、対象のコンテナ6がステーション13に搬送されたことを把握する。また、このときステーション13の上流側に設けられた図書用タグリーダ8によってコンテナ6内の図書4のRFIDタグ7が読み取られ、制御部29は、図書情報テーブルに登録されている内容と照合して確認する確認処理を行う。
【0063】
コンテナ6がステーション13に到着すると、制御部29は、タッチパネル20の表示画面を、コンテナ搬送進捗画面から、図7に示す図書の取出し及び読取指示を行う読取処理画面に切り替える制御を行う。
【0064】
尚、呼び出されたコンテナ6が複数ある場合には、前述したロータリーラック14に一時保管され、先にステーション13に搬送されたコンテナ6に収容された図書4の貸出処理の終了後に、順次ステーション13に搬送されるようになっている。複数のコンテナ6のうち、いずれかのコンテナ6がステーション13に到着した時点で、制御部29によって画面が切り替わるようになっている。
【0065】
このように、コンテナ搬送進捗画面から読取処理画面に切り替わる制御が、制御部29によって、ステーション13にコンテナ6が到着したときのタイミングにより自動的に行われるため、利用者が表示を切り替える操作が不要であり、操作に不慣れな利用者が利用する場合であっても容易に図書保管管理システム1を使用することができる。
【0066】
図7に示すように、制御部29は、図書4のタイトル、巻号、年月次、コンテナ6内の図書4の配置位置を示す書籍の位置などの図書関連情報をタッチパネル20にリスト表示させる。また、制御部29は、図書4が読取済か否かの状態を示す表示もさせる。尚、ステーション13に搬送されたコンテナ6内に収容されている図書4の情報を最上列に表示されるようになっている。
【0067】
尚、コンテナ6のバーコード部22には、A側であるかB側であるかを示す前後情報が含まれており、制御部29は、ステーション13に搬送されたコンテナ6のバーコード部22の情報からコンテナ6の前後方向を判断し、ステーション13内で正面側となっている側がA側かB側であるかを判定する。
【0068】
そして、制御部29は、コンテナIDを基にコンテナ情報テーブルを参照し、タッチパネル20の書籍の位置に、コンテナ6内の図書4の位置を概略的に示す位置画像33を表示させる。この位置画像33は、前後2列に図書4が収容された状態を示すコンテナ6を簡略化した斜視図となっており、目的の図書4がコンテナ6の正面側に収容されている場合には、位置画像33の正面側の図書4の列を緑色に塗り潰した位置画像33を表示させ、目的の図書4がコンテナ6の背面側に収容されている場合には、位置画像33の背面側の図書4の列を緑色に塗り潰した位置画像33を表示させる。
【0069】
司書は、タッチパネル20に表示された図書4のタイトルや書籍の位置の位置画像33を参照し、対象の図書4が背面側に配置されている場合には、位置画像33の近傍に表示されたコンテナ回転ボタン34を押すと、制御部29によって、ターンテーブル19が回転し、コンテナ6の向きが180度回転される。ターンテーブル19の回転が完了すると、制御部29は、タッチパネル20の位置画像33における正面側の図書4の列を黄色に塗り潰して表示させ、コンテナ回転ボタン34を表示しないようにする。
【0070】
そして、制御部29は、コンテナ6から図書4を取り出して貸出返却用タグリーダ9に図書4のRFIDタグ7を読み取らせる旨の指示を表示する。司書がステーション13のスライド扉21を開放して目的の図書4を取り出し、貸出返却用タグリーダ9に図書4のRFIDタグ7を読み取らせると、制御部29は、タッチパネル20に表示されたリストにおいて読み取られた図書4の状態が読取待ちから読取済に表示が切り替わり、読取済となった図書4の情報が表示される列は色が反転して読取が完了したことが視認可能となる。
【0071】
読取が完了し、ステーション13にあるコンテナ6において貸出対象の図書4が他にない場合には、制御部29は、そのコンテナ6をステーション13からコンベア12,15や搬送エレベータ11やスタッカクレーン10によって閉架書庫3の書棚5に戻す処理を行い、貸出処理が完了する。
【0072】
尚、他の読取待ちの図書4が他のコンテナ6に収容されている場合には、そのコンテナ6がロータリーラック14に一時保管されており、制御部29は、ロータリーラック14からステーション13内にコンテナ6を搬送する処理を行う。司書は、前述したように再度タッチパネル20の表示に従い同様に貸出処理を行う。
【0073】
更に尚、複数のコンテナ6のうち、先に到着したコンテナ6の貸出処理が完了したときに、同時に搬送対象となった他のコンテナ6がまだロータリーラック14よりも閉架書庫3寄りの搬送経路を搬送中の場合には、制御部29は、先に到着したコンテナ6がステーション13から閉架書庫3へ向かって発進されたときに、タッチパネル20の表示画面を、読取処理画面からコンテナ搬送進捗画面に切り替える制御を行い、他のコンテナ6がステーション13に到着すると、コンテナ搬送進捗画面から読取処理画面に切り替える制御を行う。貸出予約が行われた図書4の全ての貸出処理が完了すると、司書はコンテナ6から取り出した図書4とICカード26とを学生に受け渡し、図書4が貸し出される。
【0074】
次に、図書4の返却処理について、図8を参照して説明する。貸し出された図書4が学生から返却された場合に、司書がステーション13においてタッチパネル20を操作し、図書4の閉架書庫3への返却作業を行う。本実施例における図書保管管理システム1は、固定ロケーション方式を採用しているため、図書4が保管されるコンテナ6が一意に決められるようになっている。
【0075】
司書が返却対象の図書4を貸出返却用タグリーダ9にかざすと、制御部29は図書4のRFIDタグ7から読み取った図書IDを基に図書情報テーブルを参照し、タイトル等の情報を読み出すとともに、図書4が収容されるべきコンテナIDを特定する。尚、複数の図書4を連続して貸出返却用タグリーダ9に読み取らせることもできる。
【0076】
特に図示しないが、貸出処理と同様に、タッチパネル20には、図書4のタイトル、巻号、年月次等の情報がリスト表示されるとともにコンテナ呼出ボタンが表示される。司書がコンテナ呼出ボタンを押すと、制御部29は、リスト表示された図書4が収容されるべきコンテナ6を閉架書庫3からステーション13に搬送するコンテナ呼出処理を行うとともに、タッチパネル20の表示画面を切り替える処理を行う。
【0077】
具体的には、制御部29は、スタッカクレーン10によってコンテナ6を取り出し、取り出したコンテナ6をコンベア12と、搬送エレベータ11と、コンベア15と、によってステーション13に搬送させる。そして、貸出処理と同様に、図6に示すコンテナ搬送進捗画面をタッチパネル20に表示させる。
【0078】
コンテナ6がステーション13に到着すると、制御部29は、タッチパネル20の表示画面を、コンテナ搬送進捗画面から、図8に示す図書4の返却処理を行うコンテナ返却メニュー画面に切り替える制御を行う。
【0079】
コンテナ返却メニュー画面には、対象の図書4の図書IDに対応付けられて図書情報テーブルに登録されている図書4のタイトル、巻号、年月次、書籍の位置が図書4毎にリスト表示される。書籍の位置には、貸出処理の際と同様に、コンテナ6内の図書4の位置を概略的に示す位置画像33が表示される。
【0080】
ステーション13のバーコードリーダ23によってコンテナ6のバーコード部22が読み取られ、制御部29は、バーコードリーダ23が読み取った情報を基にコンテナ6の向きを判断し、返却対象の図書4の収容する位置、即ち図書情報テーブルに登録されている配置位置がステーション13内で正面側となっているか背面側となっているかを判定する。
【0081】
そして、コンテナ6がステーション13に搬送された際に、返却対象の図書4の収容箇所が背面側となっている場合には、制御部29は、位置画像33における背面側の図書4の列を緑色に塗り潰して収容箇所を示す表示をするとともに、コンテナ回転ボタン34を表示させる。
【0082】
司書がタッチパネル20に表示されたコンテナ回転ボタン34を押すと、制御部29によって、ターンテーブル19が回転し、コンテナ6の向きが180度回転される。そして、タッチパネル20の位置画像33における正面側の図書4の列が黄色に塗り潰されて表示され、返却する図書4をコンテナ6に戻して図書4のチェックボタン35を押す旨の指示が表示される。
【0083】
司書が図書4をコンテナ6に戻して図書のチェックボタン35を押すと、制御部29は、ステーション13の下流側にコンテナ6を搬送し、ステーション13の下流側に設けられた図書用タグリーダ8によって、コンテナ6に収容された図書4のRFIDタグ7を読み取り、コンテナ6内の図書4と図書情報テーブルに登録されている情報とを照合するチェック処理を行う。制御部29は、チェック処理が完了すると、コンテナ6をステーション13からコンベア12,15や搬送エレベータ11やスタッカクレーン10によって閉架書庫3の書棚5に戻す処理を行い、返却処理が完了する。
【0084】
以上、本実施例における図書保管管理システム1にあっては、管理装置24は、搬送対象のコンテナ6のコンテナIDを受付けるバーコードリーダ23及び制御部29と、バーコードリーダ23及び制御部29にて受付けたコンテナIDが付与されたコンテナ6を搬送経路に沿って搬送させるコンベア12,15及び制御部29と、搬送中のコンテナ6の搬送経路における現在位置を取得するバーコードリーダ23及び制御部29と、バーコードリーダ23及び制御部29にて取得したコンテナ位置に基づいて搬送対象のコンテナ6の搬送状況を表示するタッチパネル20と、を備えることで、司書はタッチパネル20を参照することで、搬送対象のコンテナ6の搬送経路における現在の搬送状況を把握することができ、搬送対象のコンテナ6がステーション13にいつ頃到着するかの見当がつくようになり、搬送対象のコンテナ6が閉架書庫3からステーション13に到着するまでの間の司書の苛立ち感を低減させることができる。
【0085】
また、複数の図書4には、各図書4を識別可能な図書IDが付与されており、管理装置24は、図書IDとコンテナIDとを対応付けて記憶する記憶部28と、目的の図書4の図書IDを受付ける図書用タグリーダ8及び貸出返却用タグリーダと、をさらに備え、図書用タグリーダ8及び貸出返却用タグリーダにて受付けた図書IDに対応付けて記憶部28に記憶されるコンテナIDがバーコードリーダ23及び制御部29に受付けられるようになっていることで、図書IDの受付によって目的の図書4を収容するコンテナ6の搬送を行うことができ、かつ司書はタッチパネル20を参照することで、目的の図書4を収容するコンテナ6の搬送状況を把握することができ、コンテナ6がステーション13にいつ頃到着するか見当がつくため、コンテナ6が閉架書庫3からステーション13に到着するまでの間の司書の苛立ち感を低減させることができる
【0086】
また、タッチパネル20は、ステーション13にコンテナ6の到着したときに、搬送対象のコンテナ6の搬送状況の表示から、図書IDに対応付けて記憶部28に記憶されている図書4に関連する図書関連情報の表示に切り換える制御を行うことで、搬送対象のコンテナ6の搬送状況の表示から、主に貸し出しまたは返却作業を行う際に用いる図書関連情報の表示に切り換える制御が、ステーション13にコンテナ6の到着したときのタイミングにより自動的に行われるため、当表示の切り換えに司書の操作を必要としないで済むようになり、操作に不慣れな司書であっても容易に図書保管管理システムを使用することができる。
【0087】
また、タッチパネル20は、搬送対象のコンテナ6の搬送状況の表示を搬送経路における複数の領域毎に行うことで、司書はタッチパネル20を参照することで、搬送経路におけるいずれの領域に、搬送対象のコンテナ6が存在するかを把握することができる。
【0088】
また、タッチパネル20は、搬送対象のコンテナ6が複数個搬送される場合に、各領域に存在する搬送対象のコンテナ6の個数の表示を行うことで、搬送経路におけるいずれの領域に、いくつのコンテナ6が存在するかを把握することができる
【0089】
また、ステーション13が複数台設けられるとともに、バーコードリーダ23及び制御部29は、各学生を識別可能な利用者IDに対応付けてコンテナIDを受付けるようになっており、管理装置24は、各ステーション13に設けられるタッチパネル20に、利用者IDに基づいて各搬送対象のコンテナ6の搬送状況を、各ステーション13の司書毎に表示させる制御を行うことで、それぞれの司書はタッチパネル20を参照することで、各司書に対応する搬送対象のコンテナ6の搬送状況を把握することができる。
【0090】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0091】
例えば、前記実施例では、搬送経路における「閉架書庫」、「コンベア」、「エレベータ」、「ステーション」の4つの領域がタッチパネル20に表示させるようにしているが、表示する領域はこれらに限らず、更に細かく領域を指定して表示させてもよいし、3つ以下の領域を選択して表示させてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 図書保管管理システム
4 図書
5 書棚
6 コンテナ
7 RFIDタグ
8 図書用タグリーダ(図書識別情報受付手段)
9 貸出返却用タグリーダ(図書識別情報受付手段)
11 搬送エレベータ
12 コンベア(搬送制御手段)
13 ステーション
15 コンベア(搬送制御手段)
20 タッチパネル(表示手段)
22 バーコード部
23 バーコードリーダ(コンテナ識別情報受付手段,コンテナ位置取得手段)
24 管理装置
28 記憶部(記憶手段)
29 制御部(コンテナ識別情報受付手段,搬送制御手段,コンテナ位置取得手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置の指令に基づき、書庫に保管されている複数のコンテナの中から、目的の図書を収容するコンテナを取り出してステーションに搬送するとともに、コンテナを図書の貸し出しまたは返却作業後にステーションから書庫に搬送する図書保管管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の図書保管管理システムにおいては、書庫が図書館の地下に設置されているとともに、ステーションは地上1〜2階に設置されており、地下の書庫からステーションまでの間の搬送経路に設置されたリフターやコンベアなどによりコンテナが搬送されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−290622号公報(第6〜7頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の図書保管管理装置にあっては、地下の書庫から地上のステーションまでコンテナが搬送される搬送時間が平均で1分程度かかるようになっており、コンテナが書庫からステーションに到着するまでの間に、利用者はコンテナがステーションにいつ到着するか見当がつかず、待っている間に利用者の苛立ち感が増すという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、搬送対象のコンテナが書庫からステーションに到着するまでの間の利用者の苛立ち感を低減させることができる図書保管管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の図書保管管理システムは、
複数の図書を収容した複数のコンテナが書庫に保管され、該複数のコンテナには、各コンテナを識別可能なコンテナ識別情報が付与されており、管理装置の指令に基づき、前記書庫に保管されている前記複数のコンテナの中から、貸し出しまたは返却作業の対象となる目的の図書を収容するコンテナを取り出してステーションに搬送するとともに、該コンテナを図書の貸し出しまたは返却作業後に前記ステーションから前記書庫に搬送する図書保管管理システムであって、
前記管理装置は、搬送対象のコンテナのコンテナ識別情報を受付けるコンテナ識別情報受付手段と、該コンテナ識別情報受付手段にて受付けたコンテナ識別情報が付与されたコンテナを搬送経路に沿って搬送させる搬送制御手段と、該搬送中のコンテナの前記搬送経路における現在位置を取得するコンテナ位置取得手段と、該コンテナ位置取得手段にて取得したコンテナ位置に基づいて前記搬送対象のコンテナの搬送状況を表示する表示手段と、を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、利用者は表示手段を参照することで、搬送対象のコンテナの搬送経路における現在の搬送状況を把握することができ、搬送対象のコンテナがステーションにいつ頃到着するかの見当がつくようになり、搬送対象のコンテナが書庫からステーションに到着するまでの間の利用者の苛立ち感を低減させることができる。
【0007】
本発明の図書保管管理システムは、
前記複数の図書には、各図書を識別可能な図書識別情報が付与されており、前記管理装置は、前記図書識別情報と前記コンテナ識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記目的の図書の図書識別情報を受付ける図書識別情報受付手段と、をさらに備え、前記図書識別情報受付手段にて受付けた図書識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されるコンテナ識別情報が前記コンテナ識別情報受付手段に受付けられるようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、図書識別情報の受付によって目的の図書を収容するコンテナの搬送を行うことができ、かつ利用者は表示手段を参照することで、目的の図書を収容するコンテナの搬送状況を把握することができ、コンテナがステーションにいつ頃到着するか見当がつくため、コンテナが書庫からステーションに到着するまでの間の利用者の苛立ち感を低減させることができる。
【0008】
本発明の図書保管管理システムは、
前記表示手段は、前記ステーションにコンテナが到着したときに、前記搬送対象のコンテナの搬送状況の表示から、前記図書識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている図書に関連する図書関連情報の表示に切り換える制御を行うことを特徴としている。
この特徴によれば、搬送対象のコンテナの搬送状況の表示から、主に貸し出しまたは返却作業を行う際に用いる図書関連情報の表示に切り換える制御が、ステーションにコンテナの到着したときのタイミングにより自動的に行われるため、当該表示の切り換えに利用者の操作を必要としないで済むようになり、操作に不慣れな利用者であっても容易に図書保管管理システムを使用することができる。
【0009】
本発明の図書保管管理システムは、
前記表示手段は、前記搬送対象のコンテナの搬送状況の表示を前記搬送経路における複数の領域毎に行うことを特徴としている。
この特徴によれば、利用者は表示手段を参照することで、搬送経路におけるいずれの領域に、搬送対象のコンテナが存在するかを把握することができる。
【0010】
本発明の図書保管管理システムは、
前記表示手段は、前記搬送対象のコンテナが複数個搬送される場合に、前記各領域に存在する前記搬送対象のコンテナの個数の表示を行うことを特徴としている。
この特徴によれば、搬送経路におけるいずれの領域に、いくつのコンテナが存在するかを把握することができる。
【0011】
本発明の図書保管管理システムは、
前記ステーションが複数台設けられるとともに、前記コンテナ識別情報受付手段は、各利用者を識別可能な利用者識別情報に対応付けて前記コンテナ識別情報を受付けるようになっており、前記管理装置は、前記各ステーションに設けられる前記表示手段に、前記利用者識別情報に基づいて各搬送対象のコンテナの搬送状況を、前記各ステーションの利用者毎に表示させる制御を行うことを特徴としている。
この特徴によれば、それぞれの利用者は表示手段を参照することで、各利用者に対応する搬送対象のコンテナの搬送状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例における図書保管管理システムの全体像を示す側面図である。
【図2】ステーションを示す斜視図である。
【図3】ステーションを示す横断平面図である。
【図4】図書保管管理システムの構成を示すブロック図である。
【図5】タッチパネルに表示されるコンテナ取出しメニュー画面を示す図である。
【図6】タッチパネルに表示されるコンテナ搬送進捗画面を示す図である。
【図7】タッチパネルに表示される読取処理画面を示す図である。
【図8】タッチパネルに表示されるコンテナ返却メニュー画面を示す図である。
【図9】図書情報テーブルを示す図である。
【図10】コンテナ情報テーブルを示す図である。
【図11】利用者情報テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る図書保管管理システムを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0014】
実施例に係る図書保管管理システムにつき、図1から図11を参照して説明する。以下、図1の紙面左側をステーションの正面側(前方側)とし、図3の紙面下側をステーションの正面側(前方側)として説明する。
【0015】
図1の符号1は、本発明の適用された図書保管管理システムである。この図書保管管理システム1は、図1に示すように、例えば、図書館にて地上階に設けられ、利用者に公開されている開架書庫2と、図書館の地下階に設けられ、利用者に公開されていない閉架書庫3と、の間に亘って設置されており、閉架書庫3に収容されている図書4を利用者の要求に応じて開架書庫2まで搬送するシステムである。
【0016】
閉架書庫3には、図書4を収容するための複数の書棚5が配置されている。図4に示すように、これら書棚5には、複数の図書4が収容された複数のコンテナ6が収容されている。尚、本実施例における図書保管管理システム1は、コンテナ6毎に図書4を文学、スポーツ、評論等の分野毎に収容する固定ロケーション方式を採用している。
【0017】
コンテナ6に収容されている図書4には、各図書4毎に固有の図書ID(図書識別情報)や図書関連情報が記憶されているRFIDタグ7が貼り付けられており、このRFIDタグ7の図書IDは、後述する図書用タグリーダ8(図書識別情報受付手段)及び貸出返却用タグリーダ9(図書識別情報受付手段)によってID情報を読み取り可能となっている。尚、この図書関連情報とは、各図書4のタイトル、著者、出版社、ページ数等である。
【0018】
また、本実施例におけるRFIDタグ7は、内蔵したICチップを非接触方式(無線方式)で、後述する図書用タグリーダ8と貸出返却用タグリーダ9とで読み取らせる公知のパッシブ型のRFIDタグである。
【0019】
図1に示すように、図書保管管理システム1は、閉架書庫3にて書棚5から図書4が収容されたコンテナ6を取り出すための複数基のスタッカクレーン10と、地下階である閉架書庫3と地上階である開架書庫2との間を昇降可能とする搬送エレベータ11と、を備えている。そして、スタッカクレーン10によって書棚5から取り出されたコンテナ6は、コンベア12を介して搬送エレベータ11に受け渡されるようになっている。
【0020】
また、図書保管管理システム1は、閉架書庫3からコンテナ6を搬送可能であって、利用者が目的の図書4の貸し出し、若しくは返却を行うことができるステーション13と、コンテナ6を一時保管するためのロータリーラック14と、を備えている。搬送エレベータ11によって地上階まで搬送されたコンテナ6は、コンベア15を介してステーション13及びロータリーラック14まで搬送されるようになっている。尚、本実施例における利用者とは、図書館の司書や、図書館が設置された学校の学生や教授等である。
【0021】
また、開架書庫2に設けられたステーション13にて設定された指令に基づき、スタッカクレーン10は、各書棚5におけるコンテナ6の収容位置まで前後並びに上下方向に自動走行して、コンテナ6の出し入れを行うようになっている。
【0022】
図2に示すように、ステーション13の上部には、その内部が中空である中空部16が形成されている。この中空部16内には、搬送エレベータ11側からコンベア15が延設されており、図書4が収容されているコンテナ6を中空部16内に搬送可能となっている。尚、本発明における搬送制御手段は、コンベア12,15と制御部29とから構成されている。
【0023】
図2及び図3に示すように、コンテナ6の内部は、複数の図書4を収容するための上方が開口する収容空間17となっている。この収容空間17は、磁性部材からなる磁性板18によって正面側と背面側とに分割されており、複数の図書4が前後2列に配置され、背表紙4aをコンテナ6の正面側または背面側に向けた状態で、かつ図書4の厚み方向である左右方向に並べられた状態で収容されている。
【0024】
図2及び図3に示すように、ステーション13の中空部16内の中央には、コンベア15に連続して設けられたターンテーブル19が配設されている。ステーション13に搬送されたコンテナ6は、このターンテーブル19上に載置されるようになっている。
【0025】
尚、ステーション13の利用者は、後述するタッチパネル20(表示手段)の操作によってターンテーブル19を回転させてコンテナ6を水平回転させることができる。そのため、コンテナ6は、その正面側及び背面側のいずれの側も利用者側に向けることができるようになり、コンテナ6の正面側及び背面側の両側に図書4を収容しておくことができ、コンテナ6内のスペースを有効利用できる。
【0026】
そして、ステーション13の上部正面側には、左右方向に中空部16を開閉自在なスライド扉21が取り付けられており、利用者は、このスライド扉21を開放することによって中空部16に搬送されてきたコンテナ6から図書4を取り出せるようになっている。
【0027】
また、コンテナ6の正面側と背面側の外面には、左右方向の略中央部に各コンテナ6を識別可能なバーコード部22が設けられている。尚、このバーコード部22には、各コンテナ6を識別できる固有のコンテナID(コンテナ識別情報)や前後のいずれの側かを示す情報が含まれた情報が書き込まれている。
【0028】
図3に示すように、ステーション13の中空部16内の上流側と下流側には、コンベア15の正面側と背面側の両側に、コンテナ6に収容されている図書4のRFIDタグ7から識別情報を読み取るための図書用タグリーダ8と、コンテナ6に取り付けられたバーコード部22からコンテナID等の情報を読み取るためのバーコードリーダ23と、が取り付けられている。本発明におけるコンテナ識別情報受付手段及びコンテナ位置取得手段は、それぞれバーコードリーダ23と制御部29とから構成されている。
【0029】
また、コンベア15は、搬送エレベータ11側からステーション13の中空部16内に延設されているとともに、中空部16内から更に搬送エレベータ11側に延設されている平面視でU字状に形成されている。コンテナ6は、ステーション13において紙面右側から紙面左側へと一方通行に搬送されるようになっており、図書用タグリーダ8は、ステーション13の上流側及び下流側にそれぞれ設けられている。
【0030】
また、同様のバーコードリーダ23が開架書庫2におけるステーション13外のコンベア15及び閉架書庫3におけるコンベア12近傍にも複数箇所に取り付けられている。コンテナ6のバーコード部22がコンベア12,15に設けられたバーコードリーダ23で読み取られることにより、各コンテナ6の搬送経路における現在位置情報などを後述する管理装置24が把握することができるようになっている。
【0031】
尚、前述のロータリーラック14は、内部に複数のコンテナ6を収容可能となっており、後述するコンテナ呼出処理によって閉架書庫3からステーション13に呼び出されたコンテナ6が複数ある場合などにコンテナ6をロータリーラック14に待機させることができるようになっている。
【0032】
搬送エレベータ11を介して地上階に搬送された複数のコンテナ6がロータリーラック14に一時保管された後、コンテナ6は所定の順序でロータリーラック14から運び出される。そして、ロータリーラック14から運び出されたコンテナ6は、平面視で右側のコンベア15から中央のステーション13に搬送され、ステーション13での処理が終わったコンテナ6は、左側のコンベア15に載せられて再び搬送エレベータ11によって地下階の閉架書庫3へと搬送されるようになっている。
【0033】
図2に示すように、ステーション13の正面側には、利用者がコンテナ6から取り出した図書4を載置するための天板25が設けられている。この天板25上には、ステーション13を利用する利用者に対して、図書4の貸し出し及び返却作業の指示を行うためのタッチパネル20が設けられている。このタッチパネル20は、利用者が直接指等を接触させて操作可能になっている。
【0034】
また、天板25には、図書4のRFIDタグ7から識別情報を読み取るための貸出返却用タグリーダ9が埋設されている。更に、特に図示しないが、ステーション13には、図書館の利用者が所有するICカード26から利用者の利用者ID(利用者識別情報)を読取可能なカードリーダ27が設けられている。尚、このICカード26には、RFIDタグが内蔵され、固有の利用者IDが記憶されている。
【0035】
一方、図書館の管理室(図示略)等には、図4に示すように、閉架書庫3からの図書4の貸し出し及び返却を管理する管理装置24が設けられている。この管理装置24は、図9〜図11に示す図書情報テーブルとコンテナ情報テーブルと利用者情報テーブルが記憶されている記憶部28(記憶手段)と、管理装置24内で各種制御を行う制御部29と、から構成されている。
【0036】
この制御部29には、ステーション13のバーコードリーダ23と、図書用タグリーダ8と、貸出返却用タグリーダ9と、ターンテーブル19と、タッチパネル20と、カードリーダ27と、が接続されている。また、制御部29には、コンベア15と、ロータリーラック14と、バーコードリーダ23と、が接続されている。尚、本実施例における図書保管管理システム1には複数のステーション13が設けられており、管理装置24は、各ステーション13とそれぞれ接続されている。
【0037】
更に、制御部29には、閉架書庫3のコンベア12と、スタッカクレーンと、搬送エレベータ11と、バーコードリーダ23と、が接続されている。尚、制御部29は、LAN回線等の通信回線30を介して図書館内部または図書館外部の複数の予約端末31に接続されている。例えば図書館の利用者は、予約端末31から管理装置24に対して所望の図書4の貸出予約を行うことができるようになっている。
【0038】
図9に示すように、記憶部28に記憶されている図書情報テーブルには、図書4の図書IDに対して、図書4のタイトルと、巻号、年次、厚さと、この図書4が収容されているコンテナ6のコンテナIDと、コンテナ6内における図書4の所在を示す配置位置と、図書情報テーブルの登録内容と実際の図書4の配置に差異が生じていないかを点検する点検作業を行うか否かを図書4毎に指定するチェック要否と、点検作業の結果を示す照合結果と、点検作業において照合不良となった場合にその理由が登録される照合不良情報と、図書4が現在収容されているコンテナ6のコンテナIDが登録される現コンテナIDと、が対応付けられて記憶されている。
【0039】
このうち、コンテナ6内の図書4の配置位置は、コンテナ6の前後をA及びBとして登録し、それぞれの側を正面側としたときの左右方向の位置を本実施例では3分割して左側、中央部、右側の位置を1〜3で登録するようにしている。すなわち、配置位置がB−2とあるのは、B側の中央部に図書4が収容されている、ということを示している。
【0040】
尚、図書情報テーブルに記憶されるこれらの情報は、図書4のRFIDタグ7を図書用タグリーダ8によって読み取った際に自動で図書情報テーブルに登録されるようにしてもよいし、管理者が手作業による入力をして登録するようにしてもよい。
【0041】
図10に示すように、記憶部28に記憶されているコンテナ情報テーブルには、コンテナ6のコンテナIDに対して、固定やフリーなどのロケーションの方式を示すアサイン方式と、コンテナ6が閉架書庫3内のいずれの書棚5にあるかを示すロケーションと、貸し出しまたは返却によって入出庫が行われた最新の日付を示す入出庫日付と、点検作業を行うか否かをコンテナ6毎に指定するチェック要否と、各コンテナ6の前後のいずれかをA及びBで示す前後位置と、図書保管管理システム1の管理者や図書館の司書が自由に入力することができるメモと、点検作業の結果を示す照合結果と、照合結果が不良であった場合にその理由が登録される照合不良情報と、からなるコンテナ関連情報が関連付けて記憶されている。
【0042】
図11に示すように、記憶部28に記憶されている利用者情報テーブルには、利用者が図書館を利用するために図書館に登録した固有の利用者IDと利用者が貸し出しを行う図書4の図書IDとに対して、貸出予定日が関連付けて記憶されている。制御部29が予約端末31から貸出予約を受けると、制御部29は、予約を行った利用者の利用者IDと予約がされた図書IDと貸出予定日を利用者情報テーブルに記憶させるようになっている。更に、利用者IDに対して所定のアクセス権限の有無も登録されている。
【0043】
次に、予約端末31によって貸出予約が行われた図書4の貸出処理について、図5から図7を参照して説明する。尚、本実施例においては、図書館が設置された学校の学生が貸出予約を行い、図書館の司書が学生のICカード26を用いてステーション13で図書4の貸し出しを行うものとして説明する。
【0044】
学生が予約端末31によって図書4の貸出予約をした際には、図11に示す利用者情報テーブルの貸出予定日に日付が入った状態になっている。また、司書がステーション13に設置されたタッチパネル20に表示された指示に従ってタッチパネル20を操作することによって、図書4の貸し出し作業を行うことができる。
【0045】
先ず、司書が学生からICカード26を受け取り、ICカード26をカードリーダ27にかざすと、ICカード26に内蔵されたRFIDタグに記憶されている固有の利用者IDが読み取られる。管理装置24の制御部29は、カードリーダ27が読み取った利用者IDに基づいて、図11に示す利用者情報テーブルを参照し、貸出予定日に日付が入っている、即ち貸出予約がなされている図書4の図書IDを特定する。更に、制御部29は、その図書IDに基づいて図9に示す図書情報テーブルを参照してタイトル等の情報を読み出すとともに、図書4が収容されているコンテナIDを特定する。
【0046】
図5に示すように、制御部29によって、タッチパネル20の表示がコンテナ取出しメニュー画面に切り替えられ、図書情報テーブルの情報を基に、貸出予約が行われた図書4のタイトル、巻号、年月次が図書4毎にリスト表示される。
【0047】
本実施例では、2冊の図書4が貸出対象となっており、貸出予約を行った図書4が複数ある場合は複数の図書4の情報が表示され、一画面で表示しきれない場合には、複数ページで表示し、図示しない前頁ボタンや次頁ボタンで照会可能に表示されるようになっている。また、画面右上には、貸出対象の図書4が収容されたコンテナ6の件数が表示され、本実施例では2件のコンテナ6が搬送対象となっていることが表示されている。
【0048】
コンテナ取出しメニュー画面には、詳細ボタンと取消ボタンが表示されている。詳細ボタンを押すと、その図書4の著者や出版社等の更なる詳細情報が表示され、取消ボタンを押すと、タッチパネル20のリストからその図書4の情報が非表示となり、コンテナ呼出を行わない、すなわち今回はその図書4の貸し出しを行わないように変更することができる。
【0049】
そして、制御部29は、表示されたリストの内容を確認してコンテナ呼出ボタン32を押す旨の指示を表示する。司書が表示されたリストを確認してタッチパネル20に表示されたコンテナ呼出ボタン32を押すと、制御部29は、リスト表示された図書4が収容されたコンテナ6を閉架書庫3からステーション13に搬送するコンテナ呼出処理を行うとともに、タッチパネル20の表示画面を切り替える制御を行う。具体的には、制御部29は、スタッカクレーン10によってコンテナ6を取り出し、取り出したコンテナ6をコンベア12,15や搬送エレベータ11によってステーション13に搬送させる。
【0050】
そして、図6に示すように、制御部29は、コンテナ6の搬送進捗状況を示すコンテナ搬送進捗画面をタッチパネル20に表示させる。具体的には、制御部29は、コンテナ6の搬送経路における「閉架書庫」、「コンベア」、「エレベータ」、「ステーション」の4つの領域を表示し、各領域毎に搬送対象のコンテナ6の搬送状況を表示させる。そのため、タッチパネル20の表示画面を参照することで、搬送経路におけるいずれの領域に、搬送対象のコンテナ6が存在するかを把握することができる。
【0051】
制御部29は、搬送進捗画面における画面左下に、閉架書庫3において書棚5からコンテナ6が取り出される状況を示す第1画像36を表示させ、画面右下に、コンテナ6がコンベア15で搬送エレベータ11へ搬送される状況を示す第2画像37を表示させ、画面左上に、コンテナ6が搬送エレベータ11でステーション13のある地上階へ搬送される状況を示す第3画像38を表示させ、画面右上に、コンテナ6がステーション13に搬送される状況を示す第4画像39を表示させる。
【0052】
即ち、第1画像36は「閉架書庫」領域を示し、第2画像37は「コンベア」領域を示し、第3画像38は「エレベータ」領域を示し、第4画像39は「ステーション」領域を示している。各画像36,37,38,39には領域名が付加されており、この領域名は画面中央部に上下方向に並設されている。尚、本実施例では、地下2階の閉架書庫3から地上4階のステーション13までコンテナ6が搬送されるようになっており、各領域名の後ろに「B2」や「4F」などの表示をして何階であるかも示される。
【0053】
前述したように、コンテナ6にはバーコード部22が設けられており、搬送経路の所定の複数個所に設置されたバーコードリーダ23によってコンテナ6のコンテナIDが読み取られる。制御部29は、バーコードリーダ23が読み取ったコンテナIDを基に、対象のコンテナ6の現在位置情報を取得し、取得したコンテナ位置に基づいて、コンテナ6がいずれの領域間を搬送中かをコンテナ搬送進捗画面に随時反映させるようになっている。
【0054】
また、前述したように、制御部29は、ICカード26から読み取った利用者IDを基に利用者情報テーブルを参照して貸出対象の図書IDを特定し、その図書IDを基に図書情報テーブルを参照して搬送対象のコンテナ6のコンテナIDを特定している。図書保管管理システム1には複数のステーション13が設けられているが、制御部29は、各ステーション13に設けられたタッチパネル20に、利用者IDに基づいた各搬送対象のコンテナ6の搬送状況を、各ステーション13で作業をする司書毎に表示させる制御を行っている。
【0055】
これにより、各ステーション13において作業を行うそれぞれの司書は、そのステーション13に設けられたタッチパネル20を参照することで、各司書に対応する搬送対象のコンテナ6の搬送状況を把握することができる。
【0056】
コンテナ搬送進捗画面に表示される各領域名の間には、コンテナ6の搬送の進捗状況を示す表示40が設けられており、搬送状況の進捗順に該当する表示が点灯するようになっている。例えば、制御部29は、バーコードリーダ23から取得したコンテナ6の現在位置情報を基に、コンテナ6が閉架書庫3から取り出されてコンベア15に移動させるまでの間の経路に存在すると判断した場合には、「閉架書庫」と「コンベア」の領域名の間の表示40を点灯させ、いずれの領域を搬送中であるかを示すようになっている。
【0057】
また、制御部29は、バーコードリーダ23から取得したコンテナ6の現在位置情報を基に、第1〜第3画像38,39,40の上部に、各領域に存在するコンテナ6の件数を表示させる件数表示部41が設けられている。
【0058】
図6に示すように、本実施例において搬送対象となった2件のコンテナ6のうち、閉架書庫3から取り出し中のコンテナ6が1件あり、コンベア15で搬送中のコンテナ6が1件ある場合には、画面左下の第1画像36の上部の件数表示部41と、画面右下の第2画像37の上部の件数表示部41と、にそれぞれ「1」と表示され、画面左上の第3画像38の上部の件数表示部41に「0」と表示される。これにより、司書は、搬送経路におけるいずれの領域に、いくつのコンテナ6が存在するかを把握することができる。
【0059】
尚、制御部29は、現在の搬送状況を示す画像に対して、動画によるアニメーション表示をするようになっている。例えば、図6に示すように、第1画像36と第2画像37の搬送状況においてコンテナ6を1件ずつ搬送中の場合には、第1画像36と第2画像37が動画によるアニメーション表示がなされる。
【0060】
更に、制御部29は、コンテナ6の現在位置に基づいて、コンテナ6がステーション13に到着するまでの残り時間を算出し、その残り時間を画面上部側の残時間表示部42に表示させるようになっている。そのため、司書は、あとどれくらいでコンテナ6がステーション13に到着するかを把握することができる。
【0061】
このように、司書は、タッチパネル20に表示されるコンテナ搬送進捗画面を参照することで、搬送対象のコンテナ6の搬送経路における現在の搬送状況を把握することができ、コンテナ6がステーション13にいつ頃到着するかの見当がつくようになり、搬送対象のコンテナ6が閉架書庫3からステーション13に到着するまでの間の司書の苛立ち感を低減させることができる。
【0062】
そして、コンテナ6がステーション13に搬送され、ステーション13内に設けられたバーコードリーダ23によってコンテナIDが読み取られると、制御部29は、対象のコンテナ6がステーション13に搬送されたことを把握する。また、このときステーション13の上流側に設けられた図書用タグリーダ8によってコンテナ6内の図書4のRFIDタグ7が読み取られ、制御部29は、図書情報テーブルに登録されている内容と照合して確認する確認処理を行う。
【0063】
コンテナ6がステーション13に到着すると、制御部29は、タッチパネル20の表示画面を、コンテナ搬送進捗画面から、図7に示す図書の取出し及び読取指示を行う読取処理画面に切り替える制御を行う。
【0064】
尚、呼び出されたコンテナ6が複数ある場合には、前述したロータリーラック14に一時保管され、先にステーション13に搬送されたコンテナ6に収容された図書4の貸出処理の終了後に、順次ステーション13に搬送されるようになっている。複数のコンテナ6のうち、いずれかのコンテナ6がステーション13に到着した時点で、制御部29によって画面が切り替わるようになっている。
【0065】
このように、コンテナ搬送進捗画面から読取処理画面に切り替わる制御が、制御部29によって、ステーション13にコンテナ6が到着したときのタイミングにより自動的に行われるため、利用者が表示を切り替える操作が不要であり、操作に不慣れな利用者が利用する場合であっても容易に図書保管管理システム1を使用することができる。
【0066】
図7に示すように、制御部29は、図書4のタイトル、巻号、年月次、コンテナ6内の図書4の配置位置を示す書籍の位置などの図書関連情報をタッチパネル20にリスト表示させる。また、制御部29は、図書4が読取済か否かの状態を示す表示もさせる。尚、ステーション13に搬送されたコンテナ6内に収容されている図書4の情報を最上列に表示されるようになっている。
【0067】
尚、コンテナ6のバーコード部22には、A側であるかB側であるかを示す前後情報が含まれており、制御部29は、ステーション13に搬送されたコンテナ6のバーコード部22の情報からコンテナ6の前後方向を判断し、ステーション13内で正面側となっている側がA側かB側であるかを判定する。
【0068】
そして、制御部29は、コンテナIDを基にコンテナ情報テーブルを参照し、タッチパネル20の書籍の位置に、コンテナ6内の図書4の位置を概略的に示す位置画像33を表示させる。この位置画像33は、前後2列に図書4が収容された状態を示すコンテナ6を簡略化した斜視図となっており、目的の図書4がコンテナ6の正面側に収容されている場合には、位置画像33の正面側の図書4の列を緑色に塗り潰した位置画像33を表示させ、目的の図書4がコンテナ6の背面側に収容されている場合には、位置画像33の背面側の図書4の列を緑色に塗り潰した位置画像33を表示させる。
【0069】
司書は、タッチパネル20に表示された図書4のタイトルや書籍の位置の位置画像33を参照し、対象の図書4が背面側に配置されている場合には、位置画像33の近傍に表示されたコンテナ回転ボタン34を押すと、制御部29によって、ターンテーブル19が回転し、コンテナ6の向きが180度回転される。ターンテーブル19の回転が完了すると、制御部29は、タッチパネル20の位置画像33における正面側の図書4の列を黄色に塗り潰して表示させ、コンテナ回転ボタン34を表示しないようにする。
【0070】
そして、制御部29は、コンテナ6から図書4を取り出して貸出返却用タグリーダ9に図書4のRFIDタグ7を読み取らせる旨の指示を表示する。司書がステーション13のスライド扉21を開放して目的の図書4を取り出し、貸出返却用タグリーダ9に図書4のRFIDタグ7を読み取らせると、制御部29は、タッチパネル20に表示されたリストにおいて読み取られた図書4の状態が読取待ちから読取済に表示が切り替わり、読取済となった図書4の情報が表示される列は色が反転して読取が完了したことが視認可能となる。
【0071】
読取が完了し、ステーション13にあるコンテナ6において貸出対象の図書4が他にない場合には、制御部29は、そのコンテナ6をステーション13からコンベア12,15や搬送エレベータ11やスタッカクレーン10によって閉架書庫3の書棚5に戻す処理を行い、貸出処理が完了する。
【0072】
尚、他の読取待ちの図書4が他のコンテナ6に収容されている場合には、そのコンテナ6がロータリーラック14に一時保管されており、制御部29は、ロータリーラック14からステーション13内にコンテナ6を搬送する処理を行う。司書は、前述したように再度タッチパネル20の表示に従い同様に貸出処理を行う。
【0073】
更に尚、複数のコンテナ6のうち、先に到着したコンテナ6の貸出処理が完了したときに、同時に搬送対象となった他のコンテナ6がまだロータリーラック14よりも閉架書庫3寄りの搬送経路を搬送中の場合には、制御部29は、先に到着したコンテナ6がステーション13から閉架書庫3へ向かって発進されたときに、タッチパネル20の表示画面を、読取処理画面からコンテナ搬送進捗画面に切り替える制御を行い、他のコンテナ6がステーション13に到着すると、コンテナ搬送進捗画面から読取処理画面に切り替える制御を行う。貸出予約が行われた図書4の全ての貸出処理が完了すると、司書はコンテナ6から取り出した図書4とICカード26とを学生に受け渡し、図書4が貸し出される。
【0074】
次に、図書4の返却処理について、図8を参照して説明する。貸し出された図書4が学生から返却された場合に、司書がステーション13においてタッチパネル20を操作し、図書4の閉架書庫3への返却作業を行う。本実施例における図書保管管理システム1は、固定ロケーション方式を採用しているため、図書4が保管されるコンテナ6が一意に決められるようになっている。
【0075】
司書が返却対象の図書4を貸出返却用タグリーダ9にかざすと、制御部29は図書4のRFIDタグ7から読み取った図書IDを基に図書情報テーブルを参照し、タイトル等の情報を読み出すとともに、図書4が収容されるべきコンテナIDを特定する。尚、複数の図書4を連続して貸出返却用タグリーダ9に読み取らせることもできる。
【0076】
特に図示しないが、貸出処理と同様に、タッチパネル20には、図書4のタイトル、巻号、年月次等の情報がリスト表示されるとともにコンテナ呼出ボタンが表示される。司書がコンテナ呼出ボタンを押すと、制御部29は、リスト表示された図書4が収容されるべきコンテナ6を閉架書庫3からステーション13に搬送するコンテナ呼出処理を行うとともに、タッチパネル20の表示画面を切り替える処理を行う。
【0077】
具体的には、制御部29は、スタッカクレーン10によってコンテナ6を取り出し、取り出したコンテナ6をコンベア12と、搬送エレベータ11と、コンベア15と、によってステーション13に搬送させる。そして、貸出処理と同様に、図6に示すコンテナ搬送進捗画面をタッチパネル20に表示させる。
【0078】
コンテナ6がステーション13に到着すると、制御部29は、タッチパネル20の表示画面を、コンテナ搬送進捗画面から、図8に示す図書4の返却処理を行うコンテナ返却メニュー画面に切り替える制御を行う。
【0079】
コンテナ返却メニュー画面には、対象の図書4の図書IDに対応付けられて図書情報テーブルに登録されている図書4のタイトル、巻号、年月次、書籍の位置が図書4毎にリスト表示される。書籍の位置には、貸出処理の際と同様に、コンテナ6内の図書4の位置を概略的に示す位置画像33が表示される。
【0080】
ステーション13のバーコードリーダ23によってコンテナ6のバーコード部22が読み取られ、制御部29は、バーコードリーダ23が読み取った情報を基にコンテナ6の向きを判断し、返却対象の図書4の収容する位置、即ち図書情報テーブルに登録されている配置位置がステーション13内で正面側となっているか背面側となっているかを判定する。
【0081】
そして、コンテナ6がステーション13に搬送された際に、返却対象の図書4の収容箇所が背面側となっている場合には、制御部29は、位置画像33における背面側の図書4の列を緑色に塗り潰して収容箇所を示す表示をするとともに、コンテナ回転ボタン34を表示させる。
【0082】
司書がタッチパネル20に表示されたコンテナ回転ボタン34を押すと、制御部29によって、ターンテーブル19が回転し、コンテナ6の向きが180度回転される。そして、タッチパネル20の位置画像33における正面側の図書4の列が黄色に塗り潰されて表示され、返却する図書4をコンテナ6に戻して図書4のチェックボタン35を押す旨の指示が表示される。
【0083】
司書が図書4をコンテナ6に戻して図書のチェックボタン35を押すと、制御部29は、ステーション13の下流側にコンテナ6を搬送し、ステーション13の下流側に設けられた図書用タグリーダ8によって、コンテナ6に収容された図書4のRFIDタグ7を読み取り、コンテナ6内の図書4と図書情報テーブルに登録されている情報とを照合するチェック処理を行う。制御部29は、チェック処理が完了すると、コンテナ6をステーション13からコンベア12,15や搬送エレベータ11やスタッカクレーン10によって閉架書庫3の書棚5に戻す処理を行い、返却処理が完了する。
【0084】
以上、本実施例における図書保管管理システム1にあっては、管理装置24は、搬送対象のコンテナ6のコンテナIDを受付けるバーコードリーダ23及び制御部29と、バーコードリーダ23及び制御部29にて受付けたコンテナIDが付与されたコンテナ6を搬送経路に沿って搬送させるコンベア12,15及び制御部29と、搬送中のコンテナ6の搬送経路における現在位置を取得するバーコードリーダ23及び制御部29と、バーコードリーダ23及び制御部29にて取得したコンテナ位置に基づいて搬送対象のコンテナ6の搬送状況を表示するタッチパネル20と、を備えることで、司書はタッチパネル20を参照することで、搬送対象のコンテナ6の搬送経路における現在の搬送状況を把握することができ、搬送対象のコンテナ6がステーション13にいつ頃到着するかの見当がつくようになり、搬送対象のコンテナ6が閉架書庫3からステーション13に到着するまでの間の司書の苛立ち感を低減させることができる。
【0085】
また、複数の図書4には、各図書4を識別可能な図書IDが付与されており、管理装置24は、図書IDとコンテナIDとを対応付けて記憶する記憶部28と、目的の図書4の図書IDを受付ける図書用タグリーダ8及び貸出返却用タグリーダと、をさらに備え、図書用タグリーダ8及び貸出返却用タグリーダにて受付けた図書IDに対応付けて記憶部28に記憶されるコンテナIDがバーコードリーダ23及び制御部29に受付けられるようになっていることで、図書IDの受付によって目的の図書4を収容するコンテナ6の搬送を行うことができ、かつ司書はタッチパネル20を参照することで、目的の図書4を収容するコンテナ6の搬送状況を把握することができ、コンテナ6がステーション13にいつ頃到着するか見当がつくため、コンテナ6が閉架書庫3からステーション13に到着するまでの間の司書の苛立ち感を低減させることができる
【0086】
また、タッチパネル20は、ステーション13にコンテナ6の到着したときに、搬送対象のコンテナ6の搬送状況の表示から、図書IDに対応付けて記憶部28に記憶されている図書4に関連する図書関連情報の表示に切り換える制御を行うことで、搬送対象のコンテナ6の搬送状況の表示から、主に貸し出しまたは返却作業を行う際に用いる図書関連情報の表示に切り換える制御が、ステーション13にコンテナ6の到着したときのタイミングにより自動的に行われるため、当表示の切り換えに司書の操作を必要としないで済むようになり、操作に不慣れな司書であっても容易に図書保管管理システムを使用することができる。
【0087】
また、タッチパネル20は、搬送対象のコンテナ6の搬送状況の表示を搬送経路における複数の領域毎に行うことで、司書はタッチパネル20を参照することで、搬送経路におけるいずれの領域に、搬送対象のコンテナ6が存在するかを把握することができる。
【0088】
また、タッチパネル20は、搬送対象のコンテナ6が複数個搬送される場合に、各領域に存在する搬送対象のコンテナ6の個数の表示を行うことで、搬送経路におけるいずれの領域に、いくつのコンテナ6が存在するかを把握することができる
【0089】
また、ステーション13が複数台設けられるとともに、バーコードリーダ23及び制御部29は、各学生を識別可能な利用者IDに対応付けてコンテナIDを受付けるようになっており、管理装置24は、各ステーション13に設けられるタッチパネル20に、利用者IDに基づいて各搬送対象のコンテナ6の搬送状況を、各ステーション13の司書毎に表示させる制御を行うことで、それぞれの司書はタッチパネル20を参照することで、各司書に対応する搬送対象のコンテナ6の搬送状況を把握することができる。
【0090】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0091】
例えば、前記実施例では、搬送経路における「閉架書庫」、「コンベア」、「エレベータ」、「ステーション」の4つの領域がタッチパネル20に表示させるようにしているが、表示する領域はこれらに限らず、更に細かく領域を指定して表示させてもよいし、3つ以下の領域を選択して表示させてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 図書保管管理システム
4 図書
5 書棚
6 コンテナ
7 RFIDタグ
8 図書用タグリーダ(図書識別情報受付手段)
9 貸出返却用タグリーダ(図書識別情報受付手段)
11 搬送エレベータ
12 コンベア(搬送制御手段)
13 ステーション
15 コンベア(搬送制御手段)
20 タッチパネル(表示手段)
22 バーコード部
23 バーコードリーダ(コンテナ識別情報受付手段,コンテナ位置取得手段)
24 管理装置
28 記憶部(記憶手段)
29 制御部(コンテナ識別情報受付手段,搬送制御手段,コンテナ位置取得手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図書を収容した複数のコンテナが書庫に保管され、該複数のコンテナには、各コンテナを識別可能なコンテナ識別情報が付与されており、管理装置の指令に基づき、前記書庫に保管されている前記複数のコンテナの中から、貸し出しまたは返却作業の対象となる目的の図書を収容するコンテナを取り出してステーションに搬送するとともに、該コンテナを図書の貸し出しまたは返却作業後に前記ステーションから前記書庫に搬送する図書保管管理システムであって、
前記管理装置は、搬送対象のコンテナのコンテナ識別情報を受付けるコンテナ識別情報受付手段と、該コンテナ識別情報受付手段にて受付けたコンテナ識別情報が付与されたコンテナを搬送経路に沿って搬送させる搬送制御手段と、該搬送中のコンテナの前記搬送経路における現在位置を取得するコンテナ位置取得手段と、該コンテナ位置取得手段にて取得したコンテナ位置に基づいて前記搬送対象のコンテナの搬送状況を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする図書保管管理システム。
【請求項2】
前記複数の図書には、各図書を識別可能な図書識別情報が付与されており、前記管理装置は、前記図書識別情報と前記コンテナ識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記目的の図書の図書識別情報を受付ける図書識別情報受付手段と、をさらに備え、前記図書識別情報受付手段にて受付けた図書識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されるコンテナ識別情報が前記コンテナ識別情報受付手段に受付けられるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の図書保管管理システム。
【請求項3】
前記表示手段は、前記ステーションにコンテナが到着したときに、前記搬送対象のコンテナの搬送状況の表示から、前記図書識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている図書に関連する図書関連情報の表示に切り換える制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の図書保管管理システム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記搬送対象のコンテナの搬送状況の表示を前記搬送経路における複数の領域毎に行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の図書保管管理システム。
【請求項5】
前記表示手段は、前記搬送対象のコンテナが複数個搬送される場合に、前記各領域に存在する前記搬送対象のコンテナの個数の表示を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の図書保管管理システム。
【請求項6】
前記ステーションが複数台設けられるとともに、前記コンテナ識別情報受付手段は、各利用者を識別可能な利用者識別情報に対応付けて前記コンテナ識別情報を受付けるようになっており、前記管理装置は、前記各ステーションに設けられる前記表示手段に、前記利用者識別情報に基づいて各搬送対象のコンテナの搬送状況を、前記各ステーションの利用者毎に表示させる制御を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の図書保管管理システム。
【請求項1】
複数の図書を収容した複数のコンテナが書庫に保管され、該複数のコンテナには、各コンテナを識別可能なコンテナ識別情報が付与されており、管理装置の指令に基づき、前記書庫に保管されている前記複数のコンテナの中から、貸し出しまたは返却作業の対象となる目的の図書を収容するコンテナを取り出してステーションに搬送するとともに、該コンテナを図書の貸し出しまたは返却作業後に前記ステーションから前記書庫に搬送する図書保管管理システムであって、
前記管理装置は、搬送対象のコンテナのコンテナ識別情報を受付けるコンテナ識別情報受付手段と、該コンテナ識別情報受付手段にて受付けたコンテナ識別情報が付与されたコンテナを搬送経路に沿って搬送させる搬送制御手段と、該搬送中のコンテナの前記搬送経路における現在位置を取得するコンテナ位置取得手段と、該コンテナ位置取得手段にて取得したコンテナ位置に基づいて前記搬送対象のコンテナの搬送状況を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする図書保管管理システム。
【請求項2】
前記複数の図書には、各図書を識別可能な図書識別情報が付与されており、前記管理装置は、前記図書識別情報と前記コンテナ識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記目的の図書の図書識別情報を受付ける図書識別情報受付手段と、をさらに備え、前記図書識別情報受付手段にて受付けた図書識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されるコンテナ識別情報が前記コンテナ識別情報受付手段に受付けられるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の図書保管管理システム。
【請求項3】
前記表示手段は、前記ステーションにコンテナが到着したときに、前記搬送対象のコンテナの搬送状況の表示から、前記図書識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている図書に関連する図書関連情報の表示に切り換える制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の図書保管管理システム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記搬送対象のコンテナの搬送状況の表示を前記搬送経路における複数の領域毎に行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の図書保管管理システム。
【請求項5】
前記表示手段は、前記搬送対象のコンテナが複数個搬送される場合に、前記各領域に存在する前記搬送対象のコンテナの個数の表示を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の図書保管管理システム。
【請求項6】
前記ステーションが複数台設けられるとともに、前記コンテナ識別情報受付手段は、各利用者を識別可能な利用者識別情報に対応付けて前記コンテナ識別情報を受付けるようになっており、前記管理装置は、前記各ステーションに設けられる前記表示手段に、前記利用者識別情報に基づいて各搬送対象のコンテナの搬送状況を、前記各ステーションの利用者毎に表示させる制御を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の図書保管管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−35999(P2012−35999A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180516(P2010−180516)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】
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