説明

固体撮像素子および画素補正方法

【課題】画質を向上することができる。
【解決手段】ラインメモリ2は、処理対象の画素の値と、処理対象の画素の値の周辺を取り囲む画素の値とを出力する。最大/最小値除去部4は、ラインメモリ2から出力された、処理対象の画素より後に処理対象となる画素の値のうち、最も大きい画素の値と最も小さい画素の値とを実質的に除去する。平均値算出部5は、最も大きい画素の値と最も小さい画素の値とを除去した残りの画素の値と、ラインメモリ2から出力された、処理対象の画素より前に処理された画素の値との平均値を算出する。比較処理部6は、処理対象の画素の値と平均値算出部5により算出された平均値との比較を行い、差分が予め定められたしきい値以上である場合に、処理対象の画素の値を、平均値に置き換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固体撮像素子および画素補正方法に関し、特に、欠陥画素を補正する固体撮像素子および画素補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等を備える固体撮像素子は、フォトダイオードの上に色フィルタが配置されており、色フィルタを通過した光がフォトダイオードで光電変換され、電気信号となって出力される。この際、信号出力の中に現れた欠陥信号をその前または後に出力された画素信号で置き換える処理(欠陥補正/ノイズ抑制処理)を行う(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
図10は、RGBベイヤ配列のフィルタを採用したイメージセンサを示す図である。
RGBベイヤ配列での注目画素(Blue)90の欠陥補正/ノイズ抑制処理では、同色周辺8画素91、92、93、94、95、96、97、98の平均値と注目画素90の値を比較し、差分がしきい値以上である場合は、注目画素90の値を同色周辺8画素91、92、93、94、95、96、97、98の平均値に置き換える。
【特許文献1】特開2001−307079号公報
【特許文献2】特開2002−300404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術には以下のような問題があった。
図11は、図10を便宜上、同色画素のみの配列に書き換えた図である。図10中、画素A90、A91、A92、A93、A94は、補正後の画素を示し、画素B90、B91、B92、B93、B94は、補正前の画素を示し、画素C90は注目画素を示している。
【0005】
図11に示すように、周辺8画素中、4つの画素B91、B92、B93、B94は補正前の画素であるので、ここに欠陥/ノイズが存在すると平均値が好ましくない値となるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、画質を向上することができる固体撮像素子および画素補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では上記問題を解決するために、図1に示すような固体撮像素子1が提供される。
ラインメモリ2は、処理対象の画素の値と、処理対象の画素の値の周辺を取り囲む画素の値とを出力する。
【0008】
信号処理部3は、最大/最小値除去部4と、平均値算出部5と、比較処理部6とを有している。
最大/最小値除去部4は、ラインメモリ2から出力された、処理対象の画素より後に処理対象となる画素の値のうち、最も大きい画素の値と最も小さい画素の値とを実質的に除去する。
【0009】
平均値算出部5は、最も大きい画素の値と最も小さい画素の値とを除去した残りの画素の値と、ラインメモリ2から出力された、処理対象の画素より前に処理された画素の値との平均値を算出する。
【0010】
比較処理部6は、処理対象の画素の値と平均値算出部5により算出された平均値との比較を行い、差分が予め定められたしきい値以上である場合に、処理対象の画素の値を、平均値に置き換える。
【0011】
このような固体撮像素子1によれば、最大/最小値除去部4により、ラインメモリ2から出力された、処理対象の画素より後に処理対象となる画素の値のうち、最も大きい画素の値と最も小さい画素の値とが実質的に除去される。平均値算出部5により、最も大きい画素の値と最も小さい画素の値とを除去した残りの画素の値と、ラインメモリ2から出力された、処理対象の画素より前に処理された画素の値との平均値が算出される。比較処理部6により、処理対象の画素の値と平均値算出部5により算出された平均値との比較が行われ、差分が予め定められたしきい値以上である場合に、処理対象の画素の値が、平均値に置き換えられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、未処理の画素について最も大きい画素の値と最も小さい画素の値とを実質的に除去するようにしたので、平均値に不要な欠陥やノイズの混入を回避することができ、補正効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の概要について説明し、その後、実施の形態を説明する。
図1は、本発明の概要を示す図である。
【0014】
固体撮像素子1は、RGBベイヤ配列のフィルタを採用したイメージセンサ(図示せず)とラインメモリ2と信号処理部3とを有している。
ラインメモリ2は、処理対象の画素の値と、処理対象の画素の値の周辺を取り囲む画素の値とを出力する。
【0015】
信号処理部3は、イメージセンサから出力され、AD変換回路(図示せず)によってデジタル変換された画素の値に対して処理を施す。この信号処理部3は、最大/最小値除去部4と、平均値算出部5と、比較処理部6とを有している。
【0016】
最大/最小値除去部4は、ラインメモリ2から出力された、処理対象の画素より後に処理対象となる画素の値のうち、最も大きい画素の値と最も小さい画素の値とを実質的に除去する。図1では、一例として処理対象の画素を取り囲む周辺8画素を処理する例を示しており、処理対象の画素の値より後に処理対象となる画素B1〜B4の値のうち、最も大きい画素の値と最も小さい画素の値とを除去している。なお、説明を分かり易くするために、各部の前段に、入力される値の大きさを数字で示している。例えば数字が2であれば、2つの画素の値が入力されることを示している。
【0017】
平均値算出部5は、最も大きい画素の値と最も小さい画素の値とを除去した残りの画素の値と、ラインメモリ2から出力された、処理対象の画素より前に処理された画素の値との平均値を算出する。
【0018】
図1では、この処理を実現するために、平均値算出部5は、加算部5a、5b、5cと除算部5dとを有している。
加算部5aは、最大/最小値除去部4によって除去された後に残った2つの画素の値を加算する。
【0019】
加算部5bは、処理対象の画素より前に処理された画素A1〜A4の値をそれぞれ加算する。
加算部5cは、加算部5aにより加算された2つの画素の値の和と、加算部5bにより加算された4つの画素の値の和とを加算する。
【0020】
除算部5dは、加算部5cにより加算された6つの画素の値の和を6で除算する。これにより、平均値が算出される。
比較処理部6は、処理対象の画素の値と平均値算出部5により算出された平均値との比較を行い、差分が予め定められたしきい値以上である場合に、処理対象の画素Cの値を、平均値に置き換える。
【0021】
図1では、この処理を実現するために、比較処理部6は、比較部6aと選択部6bとを有している。
比較部6aは、除算部5dにより除算されて得られた平均値と処理対象の画素Cの値とを比較し、比較結果を出力する。この比較部6aは入力された値の差分が一定のしきい値以上である場合に出力を反転する。
【0022】
選択部6bは、除算部5dにより除算されて得られた平均値と処理対象の画素Cの値とを、比較部6aの比較結果を参照することによって選択する。すなわち、比較部6aから反転出力が入力された場合は、処理対象の画素Cの値を、平均値に置き換える。
【0023】
このような固体撮像素子1によれば、最大/最小値除去部4により、ラインメモリ2から出力された、処理対象の画素より後に処理対象となる画素の値のうち、最も大きい画素の値と最も小さい画素の値とが実質的に除去される。平均値算出部5により、最も大きい画素の値と最も小さい画素の値とを除去した残りの画素の値と、ラインメモリ2から出力された、処理対象の画素より前に処理された画素の値との平均値が算出される。比較処理部6により、処理対象の画素の値と平均値算出部5により算出された平均値との比較が行われ、差分が予め定められたしきい値以上である場合に、処理対象の画素の値が、平均値に置き換えられる。
【0024】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図2は、実施の形態の固体撮像素子を示すブロック図である。
固体撮像素子10は、ピクセルアレイ11と、タイミング発生回路12と、垂直走査回路13と、水平走査回路14と、基準電圧発生回路15と、カラムCDS16と、カラムAMP17と、カラムADC18と、カラムカウンタ19と、ランプ波形発生回路20と、ラインメモリ21と、LOGIC回路22と、レジスタ23とを有している。
【0025】
ピクセルアレイ11は、画像を検知するための、MOSトランジスタやフォトダイオードを備えるピクセルが行列状(マトリクス状)に配列されている。
タイミング発生回路12は、垂直走査回路13および水平走査回路14に必要なパルスを供給する。
【0026】
垂直走査回路13は、列方向に画素を選択する。
水平走査回路14は、行方向に画素を選択する。
基準電圧発生回路15は、各部に供給する基準電圧を発生する。
【0027】
カラムCDS16は、ピクセルアレイ11のアンプ雑音とリセット雑音を除去する。
カラムAMP17は、カラムADC18の入力ダイナミックレンジにセンサ出力を合わせる。
【0028】
カラムADC18は、入力されるアナログ値をデジタル値に変換する。
カラムカウンタ19は、カラムADC18で出力するためのデジタル値をカウントする。
【0029】
ランプ波形発生回路20は、一定の傾きで増加するランプ波形を生成し、カラムADC18に出力する。
ラインメモリ21は、内部のメモリ領域が、ピクセルアレイ11の各ラインに対応するように設けられた半導体メモリであり、カラムカウンタ19およびLOGIC回路22からの出力画像信号を一時的に記憶してLOGIC回路22に供給する。
【0030】
レジスタ23は、ユーザが設定可能な各種の値を記憶して、LOGIC回路22に供給する。
図3は、LOGIC回路の内部構成を示す図である。
【0031】
LOGIC回路22は、ラインメモリ21を介して入力される、変換されたデジタル値(画素の値)のオフセット成分を除去して、最小値に黒を割り当てるデジタルクランプ処理部(clp)221と、シェーディング補正部(shd)222と、ゲイン調整部(lut)223と、欠陥補正処理、色補間処理、ノイズ抑制処理等を施すrgb処理部(rgb)224と、ホワイトバランス処理を施すオートホワイトバランス処理部(awb)225と、色差ゲインを調整するオートゲインコントロール部(agc)226と、像内のノイズ(チラツキ)を自動的に検出し、ノイズを除去するフリッカキャンセル部(flc)227と、カラー調整部(col)228と、エッジ強調、ノイズ抑制処理を施す輪郭強調処理部(apt)229と、ガンマ補正を施すガンマ補正部(gmm)230と、フォーマットを変換してデジタル出力信号を出力するフォーマット変換部(fmt)231とを有している。
【0032】
次に、LOGIC回路22のrgb処理部224の処理を、フローチャートを用いて説明する。
図4は、LOGIC回路のrgb処理部の処理を示すフローチャートである。以下、特に明記しない場合は、rgb処理部224の処理を示す。
【0033】
まず、ラインメモリ21から注目画素(処理対象の画素)およびこの注目画素の同色周辺画素の値を取得する(ステップS1)。
次に、取得した同色周辺画素の値のうち、rgb処理部224によって処理された(補正後の)各画素の値をそれぞれ加算して加算値akを得る(ステップS2)。
【0034】
次に、rgb処理部224によって処理されていない(補正前の)各画素の最大値および最小値を実質的に除去した後に、残りの値を加算して加算値bkを得る(ステップS3)。
【0035】
次に、加算値akと加算値bkとを加算する(ステップS4)。
次に、ステップS4の加算結果に、除去した2画素分の代わりとなる値を補完する(ステップS5)。
【0036】
次に、ステップS5の演算結果から1画素分の平均値PAVEを算出する(ステップS6)。この平均値PAVEが、ステップS1で取得した注目画素の同色周辺画素から、補正前の各画素の最大値および最小値を実質的に除去した値の平均値となる。
【0037】
次に、ステップS1で取得した注目画素の値(以下、値Pとする)から平均値PAVEを減算した絶対値が欠陥判定しきい値Thより大きいか否かを判断する(ステップS7)。
欠陥判定しきい値Thより大きい場合(ステップS7のYes)、平均値PAVEを注目画素の補正後の値P1とする(ステップS8)。
【0038】
欠陥判定しきい値Th以下の場合(ステップS7のNo)、注目画素の値Pを注目画素の補正後の値P1とする(ステップS9)。
次に、LOGIC回路22が、ステップS1〜ステップS9の処理を1ライン内の全ての補正前の画素に対して行ったか否か(1ライン分の処理が終了したか否か)を判断する(ステップS10)。
【0039】
1ライン分の処理が終了していない場合(ステップS10のNo)、同ライン内の補正前の画素を注目画素とし、ステップS2に移行し、ステップS2以下の動作を繰り返し行う。
【0040】
1ライン分の処理が終了した場合(ステップS10のYes)、LOGIC回路22が1フレーム分の処理が終了したか否かを判断する(ステップS11)。
1フレーム分の処理が終了していない場合(ステップS11のNo)、ラインメモリ21を1ライン分更新する(ステップS12)。その後、ステップS1に移行し、ステップS1以下の動作を繰り返し行う。
【0041】
1フレーム分の処理が終了した場合(ステップS11のYes)、処理を終了する。
次に、図4に示した処理を、具体例を用いて説明する。
<第1の具体例>
図5は、取得するラインを模式的に示す図である。図5中、a0、a1、a2、a3、a4は、補正後の画素を示し、b0、b1、b2、b3、b4は、補正前の画素を示し、c0は注目画素を示している。
【0042】
図6は、第1の具体例のrgb処理部の回路構成を示す図である。
LOGIC回路22が、カラムADC18およびカラムカウンタ19を介して1ライン分(ラインL1)、ラインメモリ21から2ライン分(ラインL2、L3)の画素の値を取得し、rgb処理部224に、補正前の周辺画素b1〜b4の値と、rgb処理部224によって処理され、フィードバックされる補正後の周辺画素a1〜a4の値と、注目画素c0の値とを入力する。
【0043】
rgb処理部224は、MAX/MIN除去器31と、加算器32、33、34、37と、除算器35、38と、選択器36、40と、比較器39とを有している。
MAX/MIN除去器31は、ラインメモリ21から出力される補正前の画素b1〜b4の値を読み込み、そのうちの最大値および最小値を除去する。
【0044】
加算器32は、MAX/MIN除去器31が除去して残った2つの画素の値を加算する。
加算器33は、ラインメモリ21から出力される補正後の画素a1〜a4の値をそれぞれ加算する。
【0045】
加算器34は、加算器32で加算された2つの画素の値の和と、加算器33で加算された4つの画素の値の和とを加算する。
除算器35は、加算器33で加算された4つの画素の値の和を2で除算する。
【0046】
選択器36は、加算器32で加算された2つの画素の値の和と、除算器35で除算された2つの画素の値の和とのうちのいずれか一方を選択する。どちらを選択するかは、例えば、工場出荷時やユーザ入力等によって予め設定されている。
【0047】
加算器37は、加算器34で加算された6つの画素の値の和と、選択器36で選択された2つの画素の値の和とを加算する。
除算器38は、加算器37で加算された8つの画素の値の和を8で除算する。除算器38によって得られた値が図4にて述べた平均値PAVEに該当する。
【0048】
比較器39は、除算器38で除算された結果とラインメモリ21から出力される注目画素c0の値とを比較する。
具体的には、比較器39は、除算器38により除算されて得られた平均値と注目画素c0の値とを比較し、比較結果を出力する。この比較器39は入力された値の差分が一定のしきい値(欠陥判定しきい値Thに該当)以上である場合に出力を反転(例えばLo→Hi)する。
【0049】
選択器40は、除算器38により除算されて得られた平均値と注目画素c0の値とを、比較器39の比較結果を参照することによって選択し、選択した値を注目画素c1の補正後の値として出力する。すなわち、比較器39から反転出力が入力された場合は、平均値を、注目画素c1の補正後の値としてラインメモリ21に格納する。一方、比較器39からの出力が反転しなければ、注目画素c0の値を、注目画素c1の補正後の値としてラインメモリ21に格納する。以後、注目画素c1は、補正後の画素a1〜a4のいずれかを構成することになる。
【0050】
このような回路構成によって、図4に示す処理を実現することができる。また、除算器38に入力される値は、2のべき乗であるため、除算器38の演算を容易なものとすることができ、例えばシフトレジスタ等で構成することができる。
【0051】
<第2の具体例>
次に、第2の具体例について説明する。以下、第2の具体例について、第1の具体例との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0052】
第2の具体例は、加算器34に入力する値の生成方法が、第1の具体例と異なっている。
図7は、第2の具体例のrgb処理部の回路構成を示す図である。
【0053】
第2の具体例のrgb処理部224は、MAX/MIN除去器31および加算器32の代わりにMAX/MIN抽出器41と、加算器42、43と、減算器44とを備えている。
【0054】
MAX/MIN抽出器41は、ラインメモリ21から出力される補正前の画素b1〜b4の値を読み込み、そのうちの最大値および最小値を抽出する。
加算器42は、MAX/MIN抽出器41によって抽出された2つの画素の値を加算する。
【0055】
加算器43は、画素b1〜b4の値をそれぞれ加算する。
減算器44は、加算器43によって加算された4つの画素の値から加算器42によって加算された2つの画素の値を減算する。これにより、実質的に最大値と最小値とが除去されることになる。
【0056】
このようにして得られた2つの画素の値が加算器34に入力され、以後、第1の具体例と同様の処理が行われる。
<第3の具体例>
次に、第3の具体例について説明する。以下、第3の具体例について、第2の具体例との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0057】
第3の具体例は、処理する画素の数が、第2の具体例と異なっている。
図8は、第3の具体例のrgb処理部が処理する画素範囲を示す図である。図8は、便宜上、同色画素のみの配列に書き換えた図である。図8中、画素a0、a1〜a12は、それぞれ補正後の画素を示し、画素b0、b1〜b12は、それぞれ補正前の画素を示し、画素c0は注目画素を示している。
【0058】
図9は、第3の具体例のrgb処理部の回路構成を示す図である。
LOGIC回路22が、カラムカウンタ19を介して2ライン分(ラインL1、L2)、ラインメモリ21から3ライン分(ラインL3、L4、L5)の画素の値を取得し、rgb処理部224に、補正前の周辺画素b1〜b12の値と、rgb処理部224によって処理され、フィードバックされる補正後の周辺画素a1〜a12の値と、注目画素c0の値とを入力する。
【0059】
第3の具体例のrgb処理部224は、MAX/MIN抽出器41aと、加算器42a、43a、33a、34a、37aと、減算器44aと、除算器35a、35b、38aと、選択器36、40と、比較器39とを有している。
【0060】
第3の具体例のrgb処理部224は、第2の具体例と同様に、最大値および最小値を実質的に除去し、代わりの値を補完する構成となっている。また、選択器36の前段には、減算器44aによって減算された10個の画素の値の和を5で除算して2つの画素の値の和を選択器36に入力する除算器35bが設けられている。なお、各器の機能は、それぞれ第2の具体例で示したものと同様であるため、詳しい説明を省略する。
【0061】
このように、処理する画素の数が増加しても同様の効果が得られる。
以上述べたように、本実施の形態の固体撮像素子10によれば、注目画素c0の値と比較する同色周辺画素中、時間的に注目画素より後、すなわち補正前の画素についてMAX値とMIN値を除去するようにしたので、得られる平均値に不要な欠陥やノイズの混入を回避することができ、補正効果を高めることができる。
【0062】
以上、本発明の固体撮像素子および画素補正方法を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。例えば、本実施の形態では、RGBベイヤ配列を例にとって説明したが、これに限らず、本発明を補色市松配列等にも適用することができる。また、実質的に除去するのは最大値、最小値のみではなく、これに加えて2番目に大きい値と2番目に小さい値とを除去し、代わりの値を補完するようにしてもよい。
【0063】
また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前述した各具体例のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の概要を示す図である。
【図2】実施の形態の固体撮像素子を示すブロック図である。
【図3】LOGIC回路の内部構成を示す図である。
【図4】LOGIC回路のrgb処理部の処理を示すフローチャートである。
【図5】取得するラインを模式的に示す図である。
【図6】第1の具体例のrgb処理部の回路構成を示す図である。
【図7】第2の具体例のrgb処理部の回路構成を示す図である。
【図8】第3の具体例のrgb処理部が処理する画素範囲を示す図である。
【図9】第3の具体例のrgb処理部の回路構成を示す図である。
【図10】RGBベイヤ配列のフィルタを採用したイメージセンサを示す図である。
【図11】図10を便宜上、同色画素のみの配列に書き換えた図である。
【符号の説明】
【0065】
1、10 固体撮像素子
2、21 ラインメモリ
3 信号処理部
4 最大/最小値除去部
5 平均値算出部
5a、5b、5c 加算部
5d 除算部
6 比較処理部
6a 比較部
6b 選択部
11 ピクセルアレイ
12 タイミング発生回路
13 垂直走査回路
14 水平走査回路
15 基準電圧発生回路
16 カラムCDS
17 カラムAMP
18 カラムADC
19 カラムカウンタ
20 ランプ波形発生回路
22 LOGIC回路
224 rgb処理部
23 レジスタ
31 MAX/MIN除去器
32、33、33a、34、34a、37、42、43、37a、42a、43a 加算器
35、38、35a、35b、38a 除算器
36、40 選択器
39 比較器
41、41a MAX/MIN抽出器
44、44a 減算器
A1〜A4、B1〜B4、C、a0〜a12、b0〜b12、c0 画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
欠陥画素を補正する固体撮像素子において、
処理対象の画素の値と、前記処理対象の画素の値の周辺を取り囲む画素の値とを出力するラインメモリと、
前記ラインメモリから出力された、前記処理対象の画素より後に処理対象となる前記画素の値のうち、最も大きい前記画素の値と最も小さい前記画素の値とを実質的に除去する最大/最小値除去部と、
最も大きい前記画素の値と最も小さい前記画素の値とを除去した残りの前記画素の値と、前記ラインメモリから出力された、前記処理対象の画素より前に処理された前記画素の値との平均値を算出する平均値算出部と、
前記処理対象の画素の値と前記平均値算出部により算出された前記平均値との比較を行い、差分が予め定められたしきい値以上である場合に、前記処理対象の画素の値を、前記平均値に置き換える比較処理部と、を有する信号処理部と、
を有することを特徴とする固体撮像素子。
【請求項2】
前記平均値算出部は、前記最大/最小値除去部から出力される前記画素の値をそれぞれ加算する加算部と、前記加算部によって加算された前記画素の値の和を除算して前記画素の値の平均値を算出する除算部とを有することを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記加算部は、前記除算部に入力する前記画素の値が2のべき乗となるように、前記最大/最小値除去部から出力された前記除去信号または時間的に前記処理対象の画素より前に処理された前記画素の値を用いて前記除算部に入力する前記画素の値を補完する信号補完部を有することを特徴とする請求項2記載の固体撮像素子。
【請求項4】
欠陥画素を補正する固体撮像素子の画素補正方法において、
ラインメモリが、処理対象の画素の値と、前記処理対象の画素の値の周辺を取り囲む画素の値とを出力し、
最大/最小値除去部が、前記ラインメモリから出力された、前記処理対象の画素より後に処理対象となる前記画素の値のうち、最も大きい前記画素の値と最も小さい前記画素の値とを実質的に除去し、
平均値算出部が、最も大きい前記画素の値と最も小さい前記画素の値とを除去した残りの前記画素の値と、前記ラインメモリから出力された、前記処理対象の画素より前に処理された前記画素の値との平均値を算出し、
比較処理部が、前記処理対象の画素の値と前記平均値算出部により算出された前記平均値との比較を行い、差分が予め定められたしきい値以上である場合に、前記処理対象の画素の値を、前記平均値に置き換える、
ことを特徴とする画素補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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