説明

固体粒子担持繊維及び固体粒子担持繊維シートの製造方法及びそれらの製造装置

【課題】使用できる繊維又は繊維シートの種類に制限を受け難いと共に、固体粒子の表面特性を有効に保持したまま、繊維又は繊維シート表面に固体粒子を担持できる、固体粒子担持繊維及び固体粒子担持繊維シートの製造方法及び製造装置の提供を目的とする。
【解決手段】
本発明によれば、繊維又は繊維シート表面に、固体の熱可塑性樹脂を介して固体粒子を担持できるため、使用できる繊維又は繊維シートの種類に制限を受け難い。
また、繊維又は繊維シート表面に付着している固体の熱可塑性樹脂のうち、加熱された固体粒子と接触する固体の熱可塑性樹脂のみを溶融させて繊維又は繊維シート表面に固体粒子を担持することができるため、固体粒子の表面特性を有効に保持したまま、繊維又は繊維シート表面に固体粒子を担持できる、という効果を奏する、固体粒子担持繊維及び固体粒子担持繊維シートの製造方法及びそれらの製造装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体粒子担持繊維及び固体粒子担持繊維シートの製造方法及びそれらの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体粒子担持繊維及び固体粒子担持繊維シートの製造方法及びそれらの製造装置として、例えば、特開2004-3070号公報(特許文献1)に開示されている技術が知られている。
【0003】
特許文献1に係る発明は、表面が主として熱可塑性樹脂からなる繊維表面に、熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱された固体粒子を接触させることで、溶融した熱可塑性樹脂により固体粒子が覆われてしまうことを少なくして、繊維又は繊維シート表面に、固体粒子の表面特性を有効に保持したまま、均一に担持できることを開示している。
【0004】
しかしながら、このような方法によって製造される固体粒子担持繊維又は固体粒子担持繊維シートでは、使用できる繊維又は繊維シートの種類に制限を受けるものであった。
【0005】
つまり、高融点樹脂や非熱可塑性樹脂あるいは無機成分が表面に存在してなる繊維又は繊維シートに対して固体粒子を担持しようとする場合、繊維又は繊維シートの表面と固体粒子との接触部分が溶融しないため繊維又は繊維シートの表面に固体粒子を担持できない、あるいは充分に溶融しないため強固な態様で固体粒子を担持できないという問題があった。
【0006】
そのため、使用できる繊維又は繊維シートの種類に制限を受け難いと共に、固体粒子の表面特性を有効に保持したまま、繊維又は繊維シート表面に固体粒子を担持できる、固体粒子担持繊維及び固体粒子担持繊維シートの製造方法及びそれらの製造装置が求められている。
【0007】
別の、固体粒子担持繊維シートの製造方法として、例えば、特開平07-88774号公報(特許文献2)に開示されている技術が知られている。
【0008】
特許文献2に係る発明は、不織布などの下地材に、溶融状態の接着剤をスプレーコーティングして、この上に研磨材粒子を積もらせることで、下地材の種類に制限を受け難い態様で、研磨材粒子を下地材表面へ担持してなる塗工研磨材を開示している。
【0009】
しかしながら、引用文献2に係る発明では、溶融状態の接着剤を下地材にスプレーコーティングする必要があるため、下地材から研磨材粒子の固着に使用されない接着剤を除去することが困難であった。下地材から研磨材粒子の固着に使用されない接着剤を除去しない状態で研磨材粒子を下地材に固着させると、固体粒子の表面が接着剤により意図せず覆われてしまうことがあり、下地材の表面に、研磨材粒子の表面特性を有効に保持したまま担持できない恐れがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004-3070号公報(特許請求の範囲、0102など)
【特許文献2】特開平07-88774号公報(特許請求の範囲、0007、0031など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、使用できる繊維又は繊維シートの種類に制限を受け難いと共に、固体粒子の表面特性を有効に保持したまま、繊維又は繊維シート表面に固体粒子を担持できる、固体粒子担持繊維及び固体粒子担持繊維シートの製造方法及び製造装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、
「1.繊維の表面に固体の熱可塑性樹脂を付着させる工程、
2.前記固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維に、前記熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱された固体粒子を接触させ、前記熱可塑性樹脂を介して前記固体粒子を前記繊維の表面に付着させる工程、
を有することを特徴とする、固体粒子担持繊維の製造方法。」
である。
【0013】
請求項2に係る発明は、
「1.繊維シートの表面に固体の熱可塑性樹脂を付着させる工程、
2.前記固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維シートに、前記熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱された固体粒子を接触させ、前記熱可塑性樹脂を介して前記固体粒子を前記繊維シートの表面に付着させる工程、
を有することを特徴とする、固体粒子担持繊維シートの製造方法。」
である。
【0014】
請求項3に係る発明は、
「1.繊維の表面に固体の熱可塑性樹脂を付着させることのできる手段、
2.前記固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維に、前記熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱された固体粒子を接触させ、前記熱可塑性樹脂を介して前記固体粒子を前記繊維の表面に付着させることのできる手段、
を有することを特徴とする、固体粒子担持繊維の製造装置。」
である。
【0015】
請求項4に係る発明は、
「1.繊維シートの表面に固体の熱可塑性樹脂を付着させることのできる手段、
2.前記固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維シートに、前記熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱された固体粒子を接触させ、前記熱可塑性樹脂を介して前記固体粒子を前記繊維シートの表面に付着させることのできる手段、
を有することを特徴とする、固体粒子担持繊維シートの製造装置。」
である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に係る固体粒子担持繊維の製造方法は、「繊維の表面に固体の熱可塑性樹脂を付着させる工程」で得られた繊維を「熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱された固体粒子を接触させ、前記熱可塑性樹脂を介して前記固体粒子を前記繊維の表面に付着させる工程」へと供することで、繊維の表面に熱可塑性樹脂を介して固体粒子を担持できるため、使用できる繊維の種類に制限を受け難い。
【0017】
また、繊維の表面に付着している固体の熱可塑性樹脂のうち、加熱された固体粒子と接触する固体の熱可塑性樹脂のみを溶融させて繊維の表面に固体粒子を担持することができるため、固体粒子の表面が熱可塑性樹脂により意図せず覆われてしまうことを防ぐことができ、繊維表面に、固体粒子の表面特性を有効に保持したまま担持できるという効果を奏する、固体粒子担持繊維の製造方法である。
【0018】
本発明の請求項2に係る固体粒子担持繊維シートの製造方法は、「繊維シートの表面に固体の熱可塑性樹脂を付着させる工程」で得られた繊維シートを、「熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱された固体粒子を接触させ、前記熱可塑性樹脂を介して前記固体粒子を前記繊維シートの表面に付着させる工程」へと供することで、繊維シートの表面に熱可塑性樹脂を介して固体粒子を担持できるため、使用できる繊維シートの種類に制限を受け難い。
【0019】
また、繊維シートの表面に付着している固体の熱可塑性樹脂のうち、加熱された固体粒子と接触する固体の熱可塑性樹脂のみを溶融させて繊維シートの表面に固体粒子を担持することができるため、固体粒子の表面が熱可塑性樹脂により意図せず覆われてしまうことを防ぐことができ、繊維シート表面に、固体粒子の表面特性を有効に保持したまま担持できるという効果を奏する、固体粒子担持繊維シートの製造方法である。
【0020】
本発明の請求項3に係る固体粒子担持繊維の製造装置は、「繊維の表面に固体の熱可塑性樹脂を付着させることのできる手段」で得られた繊維に、「熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱された固体粒子を接触させ、前記熱可塑性樹脂を介して前記固体粒子を前記繊維の表面に付着させることのできる手段」を有しているため、繊維の表面に熱可塑性樹脂を介して固体粒子を担持できるため、使用できる繊維の種類に制限を受け難い。
【0021】
また、繊維の表面に付着している固体の熱可塑性樹脂のうち、加熱された固体粒子と接触する固体の熱可塑性樹脂のみを溶融させて繊維の表面に固体粒子を担持することができるため、固体粒子の表面が熱可塑性樹脂により意図せず覆われてしまうことを防ぐことができ、繊維表面に、固体粒子の表面特性を有効に保持したまま担持できるという効果を奏する、固体粒子担持繊維の製造装置である。
【0022】
本発明の請求項4に係る固体粒子担持繊維の製造装置は、「繊維シートの表面に固体の熱可塑性樹脂を付着させることのできる手段」で得られた繊維シートに、「熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱された固体粒子を接触させ、前記熱可塑性樹脂を介して前記固体粒子を前記繊維シートの表面に付着させることのできる手段」を有しているため、繊維シートの表面に熱可塑性樹脂を介して固体粒子を担持できるため、使用できる繊維シートの種類に制限を受け難い。
【0023】
また、繊維シートの表面に付着している固体の熱可塑性樹脂のうち、加熱された固体粒子と接触する固体の熱可塑性樹脂のみを溶融させて繊維シートの表面に固体粒子を担持することができるため、固体粒子の表面が熱可塑性樹脂により意図せず覆われてしまうことを防ぐことができ、繊維表面に、固体粒子の表面特性を有効に保持したまま担持できるという効果を奏する、固体粒子担持繊維シートの製造装置である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る固体粒子担持繊維又は固体粒子担持繊維シートの製造装置の一態様を示した、模式的構成図である。
【図2】実施例1に係る繊維シートの表面を、500倍に拡大した写真である。
【図3】実施例2に係る繊維シートの表面を、500倍に拡大した写真である。
【図4】比較例1に係る繊維シートの表面を、500倍に拡大した写真である。
【図5】比較例2に係る繊維シートの表面を、500倍に拡大した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係る固体粒子担持繊維又は固体粒子担持繊維シートの製造方法について、本発明に係る固体粒子担持繊維又は固体粒子担持繊維シートの製造装置の一態様を示した、模式的構成図である図1に沿って説明する。
【0026】
本発明に係る固体粒子担持繊維又は固体粒子担持繊維シートの製造装置(10、以降、製造装置と称する)は、繊維(1)又は繊維シート(1’)、繊維又は繊維シート(1,1’)の搬送手段(7)、繊維又は繊維シート(1,1’)に固体の熱可塑性樹脂(4)を付着させることのできる固体の熱可塑性樹脂の付着手段(5)、繊維又は繊維シート(1,1’)に加熱された固体粒子(3)を付着させることのできる固体粒子の付着手段(2)を備えている。
【0027】
また、固体の熱可塑性樹脂の付着手段(5)は、固体粒子担持繊維又は固体粒子担持繊維シートの生産方向(矢印線(A))における固体粒子の付着手段(2)の前に設けられている。
【0028】
なお、図1では、繊維又は繊維シート(1、1’)を連続的に各工程へ供することのできる態様を図示しているが、断続的に各工程へ供することもできる。
【0029】
本発明に係る、固体粒子担持繊維又は固体粒子担持繊維シート(6、6’)の製造方法では、まず、搬送手段(7)により繊維又は繊維シート(1,1’)を固体の熱可塑性樹脂の付着手段(5)へと搬送する。
【0030】
そして、固体の熱可塑性樹脂の付着手段(5)を用いて、繊維又は繊維シート(1,1’)の表面に固体の熱可塑性樹脂(4)を付着させる。
【0031】
このようにして調製された、表面に固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維又は繊維シート(1,1’)を、従来技術として挙げた引用文献1に係る製造方法と同様に、固体粒子の付着手段(2)へと搬送する。固体粒子の付着手段(2)を用いて表面に固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維又は繊維シート(1,1’)に、前記固体の熱可塑性樹脂(4)を構成する熱可塑性樹脂の融点より高い温度に加熱された固体粒子(3)を接触させることで、固体粒子(3)と接触した固体の熱可塑性樹脂(4)を溶融させ、固体粒子担持繊維又は固体粒子担持繊維シート(6、6’)を製造する。
【0032】
本発明によれば、繊維又は繊維シート(1,1’)表面に、固体の熱可塑性樹脂(4)を介して固体粒子(3)を担持できるため、使用できる繊維又は繊維シート(1,1’)の種類に制限を受け難い。
【0033】
また、繊維又は繊維シート(1,1’)表面に付着している固体の熱可塑性樹脂(4)のうち、加熱された固体粒子(3)と接触する固体の熱可塑性樹脂(4)のみを溶融させて繊維又は繊維シート(1,1’)表面に固体粒子(3)を担持することができるため、固体粒子(3)の表面が熱可塑性樹脂により意図せず覆われてしまうことを防ぐことができ、固体粒子(3)の表面特性が有効に保持された固体粒子担持繊維又は固体粒子担持繊維シート(6、6’)を製造することができる。
【0034】
次いで、本発明に係る各部材の詳細について、説明する。
【0035】
なお、本発明において固体粒子(3)を担持する繊維又は繊維シート(1,1’)は、高融点樹脂や非熱可塑性樹脂、無機成分が表面に存在している繊維又は繊維シート(1,1’)に限定されず、低融点の熱可塑性樹脂が表面に存在している繊維又は繊維シート(1,1’)であっても良い。
【0036】
本発明に係る繊維(1)は、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)、再生繊維(レーヨンなど)を構成する樹脂など、公知の樹脂から構成された繊維であることができる。
【0037】
これらの樹脂は、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、またポリマーがブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、またポリマーの立体構造や結晶性の有無がいかなるものでも、特に限定されるものではない。更には、多成分の樹脂を混ぜ合わせたものでも良く、特に限定されるものではない。
【0038】
あるいは、ガラス、セラミック、金属など、公知の無機化合物から構成された繊維や、綿、麻、シルク、羊毛などの天然繊維であることもできる。
【0039】
本発明に係る繊維(1)は、1種類の樹脂あるいは無機化合物からなる繊維であっても、異なる2種類以上の樹脂あるいは無機化合物からなる複合繊維であっても適宜選択して使用することができる。複合繊維の態様は芯鞘型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型などにすることができる。
【0040】
本発明に係る繊維(1)は、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法、紡糸原液と気体流を平行に吐出して紡糸する方法(例えば、特開2009-287138号公報)など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
【0041】
また、本発明に係る繊維(1)の断面形状はアルファベット型、略多角形型、丸型、だ円型、半円型、星型など公知の形状から、適宜選択できる。
【0042】
本発明に係る繊維(1)の平均繊維径は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01μm〜3mmの範囲であり、より好ましくは0.1μm〜500μmの範囲であり、最も好ましくは1μm〜100μmの範囲である。
【0043】
繊維の平均繊維径とは、500本の繊維を測定して各繊維の断面形状から求められる繊維径の平均値を意味し、繊維(1)の断面形状が円である場合には繊維断面の直径を繊維径とし、繊維(1)の断面形状が円以外の場合には繊維の断面積と同じ面積の円の直径を繊維径とする。
【0044】
繊維シート(1’)の構造としては、例えば、織物、編物、若しくは不織布などの布帛、又はそれらの組合せなどを挙げることができる。織物又は編物の場合には、例えば、前記繊維(1)を織機又は編機により加工することによって得られる。
【0045】
また、繊維シート(1’)が不織布の場合には、例えば、従来の不織布の製法である、乾式法、湿式法、又は直接法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法、紡糸原液と気体流を平行に吐出して紡糸する方法(例えば、特開2009-287138号公報に開示の方法)など)などによって製造される不織布を繊維シート(1’)とすることができる。あるいはこのようにして得られた不織布を機械的絡合処理(例えば、水流絡合又はニードルパンチなど)に供することもできる。
【0046】
また、前記不織布を、平滑なロール同士の間、凹凸のあるロール同士の間、あるいは平滑なロールと凹凸のあるロールの間に供することで、部分的に加熱結合あるいは厚さ調整された不織布とすることもできる。
【0047】
低融点の樹脂を含んでなることで接着性を有する繊維及び/又は融点の異なる2種類以上の樹脂が複合された複合繊維などを、混合して布帛を調製し、熱処理に供する、あるいは、布帛構成繊維をバインダで接着して、繊維同士が接合された繊維シート(1’)を調製することができる。
【0048】
また、繊維シート(1’)の外観も特に限定されるものではなく、例えば、長尺状(例えば、ロールに巻回した繊維シート)、又は非長尺状(すなわち、前記長尺状繊維シートを切断して得ることのできる繊維シート)等を挙げることができる。
【0049】
繊維シート(1’)の目付、厚さ、空隙率などの諸特性は、特に限定されるべきものではないが、1mあたりの質量である目付は1〜500g/mであるのが好ましく、3〜400g/mであるのがより好ましく、5〜300g/mであるのが最も好ましい。
【0050】
また、繊維シート(1’)の厚さは、0.01〜50mmであるのが好ましく、0.05〜40mmであるのがより好ましく、0.1〜30mmであるのが最も好ましい。なお、本発明において厚さは、厚さ測定器(ダイヤルシックネスゲージ0.01mmタイプH型式(株)尾崎製作所製)により計測した、5点の厚さの算術平均値をいう。
【0051】
そして、繊維シートの空隙率は、30〜99%であるのが好ましく、50〜95%であるのがより好ましく、70〜90%であるのが最も好ましい。なお、本発明において空隙率とは、繊維シートの総体積に対する空隙の存在比率を意味しており、{1−(目付÷厚み)÷比重}×100で求められる値(目付g/m、厚みμm、比重g/cm)のことをいう。
【0052】
本発明で使用できる搬送手段(7)は、繊維又は繊維シート(1、1’)を移動できるのであれば、限定されるものではなく、例えば、1本以上のローラ、エンドレス回転をなすベルトコンベアなどを使用することができる。また、前記搬送手段(7)はメッシュや布帛など多孔性の材料から構成することができる。
【0053】
本発明において熱可塑性樹脂は、繊維又は繊維シート(1,1’)および固体粒子(3)と共に接着することが可能な性質を有する必要があり、繊維又は繊維シート(1,1’)と固体粒子(3)の組み合わせをもとに、熱可塑性樹脂の種類を選択する。
【0054】
また、本発明において繊維又は繊維シート(1,1’)に固体粒子(3)を担持することが容易となると共に、得られる固体粒子担持繊維又は固体粒子担持繊維シート(6、6’)の形状が意図せず変化することを防ぐことができるように、繊維(1)を構成する成分又は繊維シート(1’)を構成する成分、および固体粒子(3)の融点よりも、低い融点を備える固体の熱可塑性樹脂(4)を使用するのが好ましい。
【0055】
固体の熱可塑性樹脂(4)は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン系ホットメルト樹脂など一般的に熱可塑性を供える有機ポリマーであることができ、1種類又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
【0056】
なお、本発明において融点はJIS K 7121-1987 に則して示差走査熱量分析計を用いて求める。
【0057】
固体の熱可塑性樹脂(4)の形状は、繊維又は繊維シート(1,1’)の表面に均一に付着できるのであれば限定されるものではなく、球形、長粒形などの粒子形状であることができる。
【0058】
固体の熱可塑性樹脂(4)が粒子形状である場合、その粒子径が大きくなるのに伴い粒子の体積が多くなる傾向があり、固体粒子(3)の付着時に固体の熱可塑性樹脂(4)が溶融して固体粒子(3)の表面を意図せず覆うおそれがある。また、その平均粒子径が0.01μmよりも小さいと、固体の熱可塑性樹脂(4)が繊維(1)の表面に付着し難くなる傾向がある。
【0059】
そのため、固体の熱可塑性樹脂(4)の平均粒子径は、0.01μm〜1mmの範囲内であるのが好ましく、0.1μm〜500μmの範囲内であるのがより好ましく、1μm〜100μmの範囲内であるのが最も好ましい。
【0060】
なお、本発明において平均粒子径の値とは、500個以上の粒子を測定して各粒子の粒子径の平均値を算出することで求めることができる。走査型電子顕微鏡等を用いて撮影した粒子の粒子径を測定し、粒子形状が球形である場合にはその直径を粒子径とし、粒子形状が球形以外である場合には粒子の外接球の直径を粒子径とする。
【0061】
本発明で使用できる固体の熱可塑性樹脂の付着手段(5)は、熱可塑性樹脂を固体状態で繊維又は繊維シート(1、1’)の表面に接触させて、付着できるものであれば、限定されるものではない。
例えば、
(1)固体の熱可塑性樹脂を含有する気流を繊維又は繊維シートに吹き付ける方法;
(2)固体の熱可塑性樹脂を繊維又は繊維シートに対して自然落下させる方法;
(3)固体の熱可塑性樹脂と繊維又は繊維シートとを装入した耐熱性容器を振盪する方法;
(4)固体の熱可塑性樹脂中に繊維又は繊維シートを浸漬する方法;
(5)固体の熱可塑性樹脂の流動層中に繊維又は繊維シートを曝す方法
などの方法を有する、固体の熱可塑性樹脂の付着手段(5)を挙げることができる。
【0062】
固体の熱可塑性樹脂(4)を繊維又は繊維シート(1,1’)の表面へ付着した時に、繊維又は繊維シート(1,1’)の形状や性質などが変化することを防ぐことができるように、固体の熱可塑性樹脂(4)は、繊維(1)を構成する成分又は繊維シート(1’)を構成する成分の、融点や分解温度よりも低い温度に保たれた状態で、繊維(1)又は繊維シート(1,1’)の表面に付着させるのが好ましい。
【0063】
本発明で用いることのできる固体粒子(3)は、固体の熱可塑性樹脂(4)を構成する熱可塑性樹脂の融点より高い融点又は分解温度を有する限り、無機質又は有機質のいずれであることもできる。このような固体粒子(3)の材質としては、例えば、炭化ケイ素、活性炭、ゼオライト、酸化チタン、吸水性樹脂、イオン交換樹脂、金属粒子、金属酸化物粒子、トルマリン、炭酸カルシウム、又は撥水性樹脂など、種々の材質を選択して又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
【0064】
なお、例えば、脱臭、ガス除去、触媒、吸水、イオン交換、電磁波放射、放熱、吸熱、イオン発生、抗菌、難燃、電磁波遮蔽、防音、又は撥水撥油などの機能性を有する固体粒子(3)を担持させると、繊維表面でその機能を有効に発揮することができる。
【0065】
固体粒子(3)の粒子径分布における累積高さ50%点の粒子径D50が、繊維(1)の平均繊維径の大きさを超えると、固体粒子(3)が繊維の表面より脱落し易くなる傾向があり、また、0.01μmよりも小さいと、固体粒子(3)が固体の熱可塑性樹脂に付着し難くなる傾向がある。
【0066】
そのため、固体粒子(3)の累積高さ50%点の粒子径D50が、0.01μm〜3mmの範囲内であるのが好ましく、0.1μm〜500μmの範囲内であるのがより好ましく、1μm〜100μmの範囲内であるのが最も好ましい。
【0067】
なお、本発明において粒子の累積高さ50%点の粒子径D50の値は、レーザー回析・散乱式粒度分布測定器((株)セイシン社製 LMS-30)を用いて、500個以上の粒子を測定して求める。
【0068】
本発明で使用できる固体粒子の付着手段(2)は、固体の熱可塑性樹脂(4)を構成する熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱された固体粒子(3)を、表面に固体の熱可塑性樹脂(4)が付着した繊維又は繊維シート(1,1’)の表面に接触できるものであれば、限定されるものではない。
例えば、
(1)加熱した固体粒子を含有する気流を、表面に固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維又は繊維シートに吹き付ける方法;
(2)加熱した固体粒子を、表面に固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維又は繊維シートに対して自然落下させる方法;
(3)加熱した固体粒子と、表面に固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維又は繊維シートとを装入した耐熱性容器を振盪する方法;
(4)加熱した固体粒子中に、表面に固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維又は繊維シートを浸漬する方法;
(5)加熱した固体粒子の流動層中に、表面に固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維又は繊維シートを曝す方法
などの方法を有する、固体粒子の付着手段(5)を挙げることができる。
【0069】
本発明の製造方法では、固体粒子(3)を固体の熱可塑性樹脂(4)を構成する熱可塑性樹脂の融点以上に加熱する必要がある。
【0070】
加熱した固体粒子(3)を含有する気流を、表面に固体の熱可塑性樹脂(4)が付着した繊維又は繊維シート(1、1’)に吹き付ける方法を採用する場合、気流の温度が固体粒子(3)の加熱温度よりも高い温度であると、固体粒子(3)が冷却するのを防いで、表面に固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維又は繊維シート(1、1’)へ効率よく付着でき、好ましい。
【0071】
加熱した気流を得るには、例えば、気流発生手段(例えば、ブロアー又はコンプレッサーなど)によって気流を発生させ、次いで、公知の加熱手段によって前記気流を所定温度に加熱する方法を用いることができる。また、加熱した固体粒子(3)を得るには、例えば、固体粒子供給手段(例えば、ホッパー又は供給容器など、図示せず)の内外にヒーターを取り付けて、固体粒子供給手段内の固体粒子(3)を所定温度に加熱する方法、あるいは、一般的に粉体の乾燥機として用いられる流動層型乾燥機などの装置を利用して、固体粒子(3)を所定温度に加熱する方法などを用いることができる。
【0072】
気流に固体粒子(3)を供給して混合気流を調製する方法としては、例えば、固体粒子供給手段(例えば、ホッパー又は供給容器など)から固体粒子(3)を気流中に一定量ずつ供給する方法、あるいは、流動層型乾燥機などの装置を利用して熱可塑性樹脂の融点以上の温度まで固体粒子を加熱した後、加熱された固体粒子(3)が分散混合されてなる混合気体を調製できる。
【0073】
本発明に係る製造装置(10)では、従来技術として挙げた引用文献1に係る発明と同様に、固体粒子担持繊維又は固体粒子担持繊維シート(6、6’)に対して、例えば、冷風を作用させる、低温空間に曝す、低温の部材と接触させるなどして、固体の熱可塑性樹脂(4)の融点より低い温度にできる冷却手段(図示せず)を備えていても良い。
【0074】
また、前記固体の熱可塑性樹脂(4)の融点が室温(例えば、25℃)よりも高い場合、固体粒子担持繊維又は固体粒子担持繊維シート(6、6’)を上述の冷却手段へ供する替わりに、室温下に静置することで、冷却を行うこともできる。
【0075】
特に、静置した状態で冷却を行うと、冷却中に熱可塑性樹脂が流動することや繊維(1)形状が意図せず変化することを防ぐことができるため、好ましい。
【0076】
また、本発明に係る製造装置(10)では、従来技術として挙げた引用文献1に係る発明と同様に、空隙に充填しているなど繊維又は繊維シート(1、1’)の表面に付着していない固体粒子(3)及び/又は固体の熱可塑性樹脂(4)を、例えば、振動により落下させる、気流で吹き飛ばす、液体で洗浄するなどして除去できる、除去手段(図示せず)を備えていても良い。
【0077】
上述の除去手段は、固体の熱可塑性樹脂の付着手段(5)と固体粒子の付着手段(2)の間に設ける、あるいは、生産方向(A)において固体粒子の付着手段(2)の後に設けることができる。本発明に係る製造装置(10)が冷却手段を備えている場合、生産方向(A)において冷却手段の後に除去手段を設けると、除去中に熱可塑性樹脂が流動することや繊維(1)形状が意図せず変化することを防ぐことができるため、好ましい。
【実施例】
【0078】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0079】
(実施例1)
市販のナイロン繊維(融点:220℃、平均繊維径:40μm)100質量%をカード機に供することで、ナイロン繊維不織布(目付:105g/m、厚さ:10mm)を調製した。
このようにして得られたナイロン繊維不織布の表裏面に、各々42.5g/mずつアクリル系バインダをスプレーすることで塗布し、その後、乾熱乾燥することで、ナイロン繊維シート(目付:190g/m、厚さ:10mm)を調製した。
次に、固体の熱可塑性樹脂として共重合ナイロン粒子(東レ社製、登録商標:アミラン842P-70、平均粒子径:45μm、粒子形状:不定形状、融点:130℃)と前記ナイロン繊維シートとを容器に装入して、これを室温(25℃)下で振盪した後、25℃の気流を当て、前記繊維シートの表面に付着していない共重合ナイロン粒子を取り除き、表面に固体の熱可塑性樹脂が付着したナイロン繊維シート(目付:220g/m、共重合ナイロン粒子の付着量:30g/m、厚さ:10mm)を調製した。
次に、220℃に加熱した市販の炭化ケイ素の研磨砥粒(ナニワ研磨工業社製、GC微粉、粒度:♯1200、累積高さ50%点の粒子径D50:9.5μm±0.8μm)を、260℃のエアと共に前記表面に固体の熱可塑性樹脂が付着したナイロン繊維シートの一方の主面側から吹き付けた後、室温(25℃)下に静置することで冷却処理して、表面に研磨砥粒が担持されたナイロン繊維シート(目付:270g/m、研磨砥粒の担持量:50g/m、厚さ:10mm)を調製した。
このようにして製造された、シートの表面を、500倍に拡大した写真を図2に示す。
【0080】
(実施例2)
市販のナイロン繊維(融点:220℃、平均繊維径:40μm)100質量%をカード機に供することで、ナイロン繊維不織布(目付:112g/m、厚さ:10mm)を調製した。
このようにして得られたナイロン繊維不織布の表裏面に、各々29g/mずつブタジエンゴム系バインダをスプレーすることで塗布し、その後、乾熱乾燥することで、ナイロン繊維シート(目付:170g/m、厚さ:10mm)を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、表面に固体の熱可塑性樹脂が付着したナイロン繊維シート(目付:195g/m、共重合ナイロン粒子の付着量:25g/m、厚さ:10mm)を調製して、次いで、表面に研磨砥粒が担持されたナイロン繊維シート(目付:235g/m、研磨砥粒の担持量:40g/m、厚さ:10mm)を調製した。
このようにして製造された、シートの表面を、500倍に拡大した写真を図3に示す。
【0081】
(比較例1)
ナイロン繊維シート(目付:190g/m、厚さ:10mm)の表面に共重合ナイロン粒子を付着させなかったこと以外は、実施例1と同様にして、表面に研磨砥粒が担持されたナイロン繊維シート(目付:191g/m、研磨砥粒の担持量:1g/m、厚さ:10mm)を調製した。
このようにして製造された、シートの表面を、500倍に拡大した写真を図4に示す。
【0082】
(比較例2)
ナイロン繊維シート(目付:170g/m、厚さ:10mm)の表面に共重合ナイロン粒子を付着させなかったこと以外は、実施例2と同様にして、表面に研磨砥粒が担持されたナイロン繊維シート(目付:171g/m、研磨砥粒の担持量:1g/m、厚さ:10mm)を調製した。
このようにして製造された、シートの表面を、500倍に拡大した写真を図5に示す。
【0083】
(評価方法)
実施例1-2に係る繊維シートの表面拡大写真(図2-3)、比較例1-2に係る繊維シートの表面拡大写真(図4-5)を比較した結果から、以下のことが判明した。
【0084】
図2-5に係る繊維シートの表面拡大写真において、繊維シート表面に担持されている粒子は、その粒子径が繊維径よりも小さいことから、いずれの粒子も研磨砥粒であることが判明した。
【0085】
また、実施例1-2に係る繊維シートを構成する繊維の表面には、固体の熱可塑性樹脂の存在が認められなかったことから、加熱された固体粒子と接触することで固体の熱可塑性樹脂が溶融し、固体粒子は前記溶融した熱可塑性樹脂を介して繊維シート表面に担持されていることが判明した。
【0086】
実施例1と比較例1とを比較した結果、実施例1に係る繊維シートに担持された研磨砥粒の担持量は50g/mであったのに対して、比較例1に係る繊維シートに担持された研磨砥粒の担持量は1g/mであった。
【0087】
また、実施例2と比較例2とを比較した結果、実施例2に係る繊維シートに担持された研磨砥粒の担持量は40g/mであったのに対して、比較例2に係る繊維シートに担持された研磨砥粒の担持量は1g/mであった。
【0088】
以上から、本発明に係る、固体粒子担持繊維及び固体粒子担持繊維シートの製造方法及び製造装置は、使用できる繊維シートの種類に制限を受け難いと共に、固体粒子の表面特性を有効に保持したまま、繊維シート表面に固体粒子を担持できる、という効果を奏することが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明によれば、使用できる繊維シートの種類に制限を受け難いと共に、固体粒子の表面特性を有効に保持したまま、繊維シート表面に固体粒子を担持できる、固体粒子担持繊維及び固体粒子担持繊維シートの製造方法及び製造装置が提供される。
【符号の説明】
【0090】
1、1’・・・繊維又は繊維シート
2・・・固体粒子の付着手段
3・・・固体粒子
4・・・固体の熱可塑性樹脂
5・・・固体の熱可塑性樹脂の付着手段
6、6’・・・固体粒子担持繊維又は固体粒子担持繊維シート
7・・・搬送手段
10・・・固体粒子担持繊維及び固体粒子担持繊維シートの製造装置
A・・・固体粒子担持繊維又は固体粒子担持繊維シートの生産方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1.繊維の表面に固体の熱可塑性樹脂を付着させる工程、
2.前記固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維に、前記熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱された固体粒子を接触させ、前記熱可塑性樹脂を介して前記固体粒子を前記繊維の表面に付着させる工程、
を有することを特徴とする、固体粒子担持繊維の製造方法。
【請求項2】
1.繊維シートの表面に固体の熱可塑性樹脂を付着させる工程、
2.前記固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維シートに、前記熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱された固体粒子を接触させ、前記熱可塑性樹脂を介して前記固体粒子を前記繊維シートの表面に付着させる工程、
を有することを特徴とする、固体粒子担持繊維シートの製造方法。
【請求項3】
1.繊維の表面に固体の熱可塑性樹脂を付着させることのできる手段、
2.前記固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維に、前記熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱された固体粒子を接触させ、前記熱可塑性樹脂を介して前記固体粒子を前記繊維の表面に付着させることのできる手段、
を有することを特徴とする、固体粒子担持繊維の製造装置。
【請求項4】
1.繊維シートの表面に固体の熱可塑性樹脂を付着させることのできる手段、
2.前記固体の熱可塑性樹脂が付着した繊維シートに、前記熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱された固体粒子を接触させ、前記熱可塑性樹脂を介して前記固体粒子を前記繊維シートの表面に付着させることのできる手段、
を有することを特徴とする、固体粒子担持繊維シートの製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−219391(P2012−219391A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83985(P2011−83985)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000229542)日本バイリーン株式会社 (378)
【Fターム(参考)】