説明

固体酸化物型燃料電池発電装置

【課題】集電構造が簡易であって製造コストが低く、電気的に並列接続または直列接続することが容易であり、且つ発電密度の高い開放型の固体酸化物型燃料電池発電装置を提供すること。
【解決手段】本発明の固体電解質燃料電池発電装置は、カソード電極層2とアノード電極層3とが固体電解質基板1の両面に形成された複数の固体酸化物型燃料電池Cを備え、隣り合う固体酸化物型燃料電池Cのそれぞれのアノード電極層3が対向するように、複数の固体酸化物型燃料電池Cが配置されている。対向する各アノード電極層3の間には、該各アノード電極層3に接触し、通気性を有する第1の導電体4が挟持されている。この第1の導電体4は、各アノード電極層3を超えて延出する第1の延出部41を有しており、該第1の導電体4がアノード電極層3の集電部となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体酸化物型燃料電池発電装置に関する。特に、カソード電極層およびアノード電極層が形成された固体電解質基板を有する固体酸化物型燃料電池を備え、密閉を必要としない構造を有する固体酸化物型燃料電池発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、種々の発電形式の燃料電池が開発されており、この中に、固体電解質を用いた形式の固体酸化物型燃料電池がある。この固体酸化物型燃料電池の一例を挙げると、イットリア(Y23)が添加された安定化ジルコニアからなる焼成体を酸素イオン伝導型の固体電解質層として用いたものがある。この固体電解質層の一面にカソード電極層を、そして、その反対面にアノード電極層を形成し、このカソード電極層側に酸素又は酸素含有気体が供給され、さらに、アノード電極層には、メタン等の燃料ガスが供給されるようになっている。
【0003】
この固体酸化物型燃料電池内では、カソード電極層に供給された酸素(O2)が、カソード電極層と固体電解質層との境界で酸素イオン(O2-)にイオン化され、この酸素イオンが、固体電解質層によってアノード電極層に伝導され、アノード電極層に供給された、例えば、メタン(CH4)ガスと反応し、そこで、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)、水素(H2)、一酸化炭素(CO)が生成される。この反応において、酸素イオンが、電子を放出するため、カソード電極層とアノード電極層との間に電位差が生じる。そこで、カソード電極層とアノード電極層とにリード線を取り付ければ、アノード電極層の電子が、リード線を介してカソード電極層側に流れ、固体酸化物型燃料電池として発電することになる。なお、この固体酸化物型燃料電池の駆動温度は、約1000℃である。
【0004】
しかし、この形式の固体酸化物型燃料電池による発電装置では、カソード電極層側に、酸素又は酸素含有ガス供給チャンバーを、そして、アノード電極層側に、燃料ガス供給チャンバーを夫々分離したセパレート型チャンバーを用意しなければならず、しかも、高温下で、酸化性雰囲気と還元性雰囲気とに晒されるため、固体酸化物型燃料電池としての耐久性を向上することが困難であった。
【0005】
一方、固体電解質層の対向した面に、カソード電極層とアノード電極層とを設けた固体酸化物型燃料電池を形成し、この固体酸化物型燃料電池を、燃料ガス、例えば、メタンガスと、酸素ガスとが混合された混合燃料ガス中に置いて、カソード電極層とアノード電極層との間に起電力を発生させる形式の固体酸化物型燃料電池が開発されている。この形式の固体酸化物型燃料電池では、カソード電極層とアノード電極層との間に起電力を発生する原理は、上述したセパレート型チャンバー形式の固体酸化物型燃料電池の場合と同様であるが、固体酸化物型燃料電池全体を実質的に同一雰囲気にすることができるため、混合燃料ガスが供給されるシングル型チャンバーとすることができ、固体酸化物型燃料電池の耐久性を向上できる。
【0006】
しかし、このシングル型チャンバーの固体酸化物型燃料電池による発電装置においても、約1000℃の高温下で駆動しなければならないので、混合燃料ガスの爆発の危険性がある。この危険性を回避するために、酸素濃度を発火限界よりも低い濃度にすると、メタン等の燃料の炭化が進み、電池性能が低下するという問題が生じた。そのため、混合燃料ガスの爆発を防止しつつ、燃料の炭化の進行を防止し得る酸素濃度の混合燃料ガスを使用できるシングル型チャンバーの固体酸化物型燃料電池の発電装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0007】
ところで、上述のシングル型チャンバーの固体酸化物型燃料電池による発電装置では、従来の固体酸化物型燃料電池の発電装置のように、燃料と空気を厳粛に分離する必要がない代わりに、気密封止構造を採用せざるを得ない。そして、高温下で駆動できるように、複数の板状固体酸化物型燃料電池が耐熱性高電気伝導性を有するインターコネクト材を用いて積層接続され、起電力を上げていた。そのため、板状固体酸化物型燃料電池によるシングル型チャンバーの燃料電池発電装置は、大掛かりな構造となり、コストが嵩むという問題がある。また、このシングル型チャンバーの燃料電池発電装置の稼動に際しては、高温になるまで徐々に昇温して、固体酸化物型燃料電池の割れを防止しているので、起電するまでの時間が長く、手間がかかるものである。
【0008】
そこで、固体酸化物型燃料電池を密封構造の容器に収容する必要がない、開放型の固体酸化物型燃料電池発電装置が提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2には、燃料電池排ガスによる防爆を図りつつ、排ガスの安全な処理を図れ、しかも、排ガスの燃焼によって、固体酸化物型燃料電池の近傍を燃料電池の駆動温度に容易に加熱することができる開放型の固体酸化物燃料電池発電装置が開示されている。
【0009】
特許文献2には、図10に示すように、複数の固体酸化物型燃料電池Cの各面を垂直に配置し、該固体酸化物型燃料電池Cを囲んで収納する容器11と、該容器11の上側から固体酸化物型燃料電池Cに空気及び燃料を供給する混合燃料ガス供給装置12と、該固体酸化物型燃料電池Cの下端から排出される排ガスを容器11の下側で燃焼した熱で、固体酸化物型燃料電池Cを加熱する燃焼装置13とを備えた開放型の固体酸化物型燃料電池発電装置10が提案されている。
【0010】
【特許文献1】特開2003−92124号公報
【特許文献2】特開2006−253090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、図10に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置10では、複数の固体酸化物型燃料電池Cが積層されてなる固体酸化物型燃料電池群C10が2つ備えられており、2つの該固体酸化物型燃料電池群C10の間は、電気絶縁性介在層100により電気的に分離されている。各固体酸化物型燃料電池群C10では、隣り合う固体酸化物型燃料電池Cの間に、ガス透過性の導電層101が挿入されており、全体として各固体酸化物型燃料電池群C10は、電気的に直列接続されている。そして、2つの固体酸化物型燃料電池群C10は、電気的に並列接続されることによって、出力容量の増加を図ることができる。しかし、その接続方法は、具体的に示されていない。また、用途によっては、出力電流を増加するために、各固体酸化物型燃料電池Cを並列接続する必要があるが、特許文献2には、固体酸化物型燃料電池群C10において、各固体酸化物型燃料電池Cを並列接続するための集電方法についても示されていない。
【0012】
特許文献2に記載の固体酸化物燃料電池発電装置10では、上述したような固体酸化物型燃料電池Cの積層構造により、体積当りの発電密度の向上が図られているが、より高出力な燃料電池発電装置が求められており、更なる発電密度の向上が期待されている。また、燃料電池発電装置の普及に向けて、製造コストの更なる低減も期待されている。
【0013】
従って、本発明の目的は、集電構造が簡易であって製造コストが低く、電気的に並列接続または直列接続することが容易であり、且つ発電密度の高い開放型の固体酸化物型燃料電池発電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以上の課題を解決するために、本発明の固体酸化物型燃料電池発電装置は、カソード電極層とアノード電極層とが固体電解質基板の両面に形成された固体酸化物型燃料電池の複数を備えた固体酸化物型燃料電池発電装置において、隣り合う前記固体酸化物型燃料電池のそれぞれの前記アノード電極層が対向するように、複数の前記固体酸化物型燃料電池が配置され、対向する前記各アノード電極層の間には、該各アノード電極層に接触し、通気性を有する第1の導電体が挟持され、前記第1の導電体は、前記各アノード電極層を超えて延出した第1の延出部を有し、該第1の導電体が前記アノード電極層の集電部となることとした。
【0015】
そして、隣り合う前記固体酸化物型燃料電池のそれぞれの前記カソード電極層が対向し、対向する該カソード電極層の間には、該各カソード電極層に接触し、通気性を有する第2の導電体が挟持され、該第2の導電体は、前記各カソード電極層を超えて延出した第2の延出部を有し、該第2の導電体が前記カソード電極層の集電部となり、前記第1の延出部と前記第2の延出部とは、該第1の延出部および該第2の延出部の面方向にずれた位置に形成されることとし、さらには、前記第1の延出部と前記第2の延出部は、互いに反対方向にずれた位置で延出することとした。
【0016】
また、前記第1の導電体および前記第2の導電体は、凹凸形状を有することとした。
【0017】
また、前記第1の導電体と前記アノード電極層との間、および、前記第2の導電体と前記カソード電極層との間に、それぞれ、通気性を有する第3の導電体が挟持されることとした。
【0018】
また、前記第1の導電体、前記第2の導電体または前記第3の導電体が、金属製メッシュまたは多孔質体により形成されることとし、さらには、対向する前記各アノード電極層の間に配置された前記金属製メッシュが、ニッケル、または、ニッケルと銅との合金により形成されることとした。
【0019】
また、複数の前記第1の延出部同士および複数の前記第2の延出部同士のそれぞれが、第1および第2の接続体を有することとし、さらには、複数の前記固体酸化物型燃料電池が前記第1の導電体および前記第2の導電体を挟持して積層された燃料電池積層体が形成され、該燃料電池積層体が複数配置され、複数の前記燃料電池積層体のそれぞれにおける前記第1の接続体と前記第2の接続体とにより、該各燃料電池積層体が、電気的に並列接続または直列接続されることとし、または、複数の前記固体酸化物型燃料電池が前記第1の導電体および前記第2の導電体を挟持して積層された燃料電池積層体が形成され、該燃料電池積層体が、一対の支持板により挟持され、該各支持板は、表面が無機酸化物で被覆された金属板であることとした。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明の固体酸化物型燃料電池発電装置によれば、電気的に集電構造が簡易であって、製造コストが低く、並列接続または直列接続することが容易であり、且つ発電密度が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の固体酸化物型燃料電池発電装置の実施形態について、その好ましい第1乃至第4実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。
【0022】
(第1実施形態)
本実施形態の固体酸化物型燃料電池発電装置10(以下、単に本装置とも称す)は、図1〜6に示すように、カソード電極層2とアノード電極層3とが固体電解質基板1の両面に形成された複数の固体酸化物型燃料電池Cを備えている。
また本装置10では、隣り合う固体酸化物型燃料電池Cのそれぞれのアノード電極層3が対向するように、複数の固体酸化物型燃料電池Cが配置されている。対向する各アノード電極層3の間には、該各アノード電極層3に接触し、通気性を有する第1の導電体4が挟持されている。この第1の導電体4は、各アノード電極層3を超えて延出する第1の延出部41を有しており、該第1の導電体4がアノード電極層3の集電部となっている。
【0023】
本装置10は、図1に示すように、複数の固体酸化物型燃料電池Cが積層されて形成された燃料電池ユニットC1と、該燃料電池ユニットC1が収納されている断熱性の容器11と、燃料電池ユニットC1へ燃料ガスと酸化剤ガスとの混合燃料ガスを供給する混合燃料ガス供給装置12と、容器11の下端において混合燃料ガスを燃焼する燃焼装置13とを備えている。
【0024】
本装置10について、以下にさらに説明する。図1(a)は、本装置10の縦断面を模式的に示しており、図1(b)は、本装置10の横断面を模式的に示している。
容器11は、図1(a)および図1(b)に示すように、下側に開口部を有した円筒形状を有している。容器11の上側は、密閉されている。容器11の内部に収納されている燃料電池ユニットC1の周囲には、断熱材11aが充填されている。
このように、本装置10は、複数の固体酸化物型燃料電池Cが積層された燃料電池ユニットC1を、いわゆるシングル型チャンバーに収納した開放型の燃料電池発電装置である。
【0025】
容器11の上部には、燃料電池ユニットC1の上方に、混合燃料ガス供給装置12が配置されている。この混合燃料ガス供給装置12によって、燃料電池ユニットC1の上端から、各固体酸化物型燃料電池Cへ混合燃料ガスが供給される。この燃料電池ユニットC1で消費されなかった混合燃料ガスは、燃料電池ユニットC1を通過して、その下端に形成された空間に排出される。混合燃料ガス供給装置12へは、容器11の上方側部に設けられた供給管を通して、混合燃料ガスが容器11の外部から供給される。
【0026】
燃料電池ユニットC1の下端に形成された空間には、燃焼装置13が配置されている。燃料電池ユニットC1の下端から排出された混合燃料ガスは、燃焼装置13により燃焼され、その空間に、火炎Fが生成される。
【0027】
この燃焼装置13と燃料電池ユニットC1との間には、通気性を有する平板状の電気絶縁性多孔質体15が配置されている。電気絶縁性多孔質体15は、その面の向きを混合燃料ガスの流れ方向と略直交するように配置されている。混合燃料ガスは、電気絶縁性多孔質体15を介して、燃料電池ユニットC1側から燃焼装置13側へ通過する。電気絶縁性多孔質体15は、混合燃料ガスの流れを整えて、安定した燃焼が生じる働きを有している。
【0028】
次に、本装置10の燃料電池ユニットC1について、以下にさらに説明する。図2(a)には、燃料電池ユニットC1が上方から見た上面図で示され、図2(b)には、燃料電池ユニットC1が一部破断による側面図で示されている。
燃料電池ユニットC1は、図2(a)および図2(b)に示すように、複数の固体酸化物型燃料電池Cが第1の導電体4および後述する第2の導電体6を挟持して積層されて形成された燃料電池積層体C2が、絶縁性の一対の支持板91,92に挟持された構成を有している。また、燃料電池積層体C2および一対の支持板91,92は、電気導電性の複数の固定手段7で固定されている。
【0029】
燃料電池積層体C2では、図2(a)および図2(b)に示すように、複数の固体酸化物型燃料電池Cが垂直になるように、容器11の縦方向に面方向を揃えられ、且つ、それらの外形状の輪郭が揃えられて、厚さ方向に積層されている。そのため、燃料電池積層体C2および燃料電池ユニットC1の上下方向は、容器11の上下方向と一致している。これは、各固体酸化物型燃料電池Cに混合燃料ガスを均一に供給し易くし、燃焼装置13からの熱が上方に伝わり易くしている。なお、本発明に用いられる固体酸化物型燃料電池の詳細については後述する。
そこで、燃料電池積層体C2の上端から供給された混合燃料ガスは、図3(a)および図3(b)に示される構成を有する固体酸化物型燃料電池Cの面に沿って、燃料電池積層体C2の下端へ向かって通過する。
【0030】
燃料電池積層体C2では、隣り合う固体酸化物型燃料電池Cのそれぞれのアノード電極層3が対向し、且つ、隣り合う固体酸化物型燃料電池Cのそれぞれのカソード電極層2が対向するように、複数の固体酸化物型燃料電池Cが積層されている。燃料電池積層体C2において、対向する該アノード電極層3の間には、図4に示すように、該各アノード電極層3に接触し、通気性を有する平板状の第1の導電体4が挟持されている。同様に、対向する該カソード電極層2間には、該各カソード電極層2に接触し、通気性を有する平板状の第2の導電体6が挟持されている。
【0031】
なお、燃料電池積層体C2において、積層される固体酸化物型燃料電池Cの数は、用途に応じた出力特性に対応させて、適宜設計することができる。
【0032】
第1の導電体4は、図2(a)および図2(b)に示すように、該第1の導電体4を挟持する両側の各アノード電極層3を超えて延出した第1の延出部41を有している。同様に、第2の導電体6は、該第2の導電体6を挟持する両側の各カソード電極層2を超えて延出した第2の延出部61を有している。
【0033】
本装置10の燃料電池積層体C2では、積層された固体酸化物型燃料電池Cの両側にも、図2(a)に示すように、第1の導電体4および第2の導電体6それぞれが配置されている。このように、燃料電池積層体C2は、各固体酸化物型燃料電池Cが、第1の導電体4と第2の導電体6との間に挟持された構成を有している。
【0034】
第1の導電体4は、アノード電極層3に接触して集電部となっており、同様に、第2の導電体6はカソード電極層2に接触して集電部となっている。そして、第1の延出部41と第2の延出部61とは、図2(b)に示すように、第1の延出部41および第2の延出部61の面方向にずれた位置に形成されている。本装置10では、第1の延出部41と第2の延出部61は、互いに反対方向にずれた位置で、燃料電池積層体C2の上下方向(以下、上下方向ともいう)と直交する方向(以下、単に横方向ともいう)に延出している。
【0035】
また、本装置10では、第1の導電体4および第2の導電体6のそれぞれは、図2(a)および図4に示すように、凹凸形状を有している。具体的には、該凹凸形状は、例えば、周期的な波形状とすることもできる。
このように、第1の導電体4および第2の導電体6のそれぞれが、凹凸形状を有しているので、面方向および該面と垂直な方向における弾性および柔軟性が高められており、固体酸化物型燃料電池Cを面方向に適度に押圧する力が高められ、その凸形状において、アノード電極層3またはカソード電極層2の面に接触する。
【0036】
第1の導電体4および第2の導電体6それぞれは、図4に示すように、波形状の凸部が畝状に周期的に形成されており、該凸部同士の間には、溝状の凹部が該凸部と平行に形成されている。燃料電池ユニットC1として組み立てられた状態で、上記凸部と上記凹部それぞれの頂点間を、第1の導電体4または第2の導電体6の面と垂直な方向に測定した長さは、0.3〜0.5mmであることが、固体酸化物型燃料電池Cの保持性および通気性の観点から好ましい。
【0037】
次に、第1の導電体4について、さらに説明する。
第1の導電体4は、該第1の導電体4を挟持する両側のアノード電極層3と物理的および電気的に接している。第1の導電体4は、両側のアノード電極層3へ混合燃料ガスを供給する観点から、その面方向に通気性を有していることが好ましい。この面方向の通気性とは、第1の導電体4自身がその面方向に通気性を有していることと、第1の導電体4が両側に位置するアノード電極層3に挟持された状態で生じた隙間等により、面方向に通気性を有していることとを含む概念である。
【0038】
また、第1の導電体4は、第1の導電体4を挟んで対向する一対のアノード電極層3の間における燃料ガス等の移動を可能とする観点から、その面と垂直な方向に通気性を有していることが好ましい。
【0039】
この理由を以下に説明する。
燃料ガスとして炭化水素を用いる場合には、アノード電極層3では、燃料ガスが改質されて改質物質が生成され、消費されている。第1の導電体4を挟んで対向する一対のアノード電極層3のそれぞれにおいて、改質物質の生成速度または消費速度に差がある場合には、該アノード電極層3の間において、燃料ガスまたは改質物質の移動を可能することにより、燃料ガス濃度が高い方から低い方へ燃料ガスの移動が可能となり、また、改質物質濃度の高い方から低い方へ改質物質の移動が可能となり、結果として、固体酸化物型燃料電池Cの体積あたりの発電効率を高めることができる。
【0040】
第1の導電体4の寸法は、集電効率および固体酸化物型燃料電池Cの保持性の観点から、アノード電極層3の全体を覆う大きさであることが好ましい。図2(a)に示した例では、第1の導電体4の上下方向の寸法は、アノード電極層3のそれと同等である。第1の導電体4の横方向の寸法は、アノード電極層3の横方向の全体を覆っており且つ該横方向の一方へ向かって延出した大きさを有している。
【0041】
第2の導電体6については、アノード電極層3の間ではなく、カソード電極層2の間に挟持されていることを除いて、上述した第1の導電体4の説明が適用される。ただし、第2の導電体6が、対向するカソード電極層2の間の通気性を有することが好ましい理由は、酸化剤ガスの移動を可能とするためである。
【0042】
第1の導電体4および第2の導電体6の形成材料としては、固体酸化物型燃料電池Cを挟持した状態を維持できる剛性または弾性を有していることが好ましい。また、該材料は、固体酸化物型燃料電池Cの発電時に使用される温度および雰囲気における耐熱性および耐久性を有していることが好ましい。さらに、該材料は、上述した通気性を有していることが好ましい。
【0043】
このような観点から、第1の導電体4および第2の導電体6は、金属製メッシュ、金属発泡体、導電性の多孔質体、波形状を有する金属製板、波形状を有する金属製板であって多数の孔部を有するもの、またはカーボングラファイト製メッシュにより形成されていることが好ましい。
図4に示すように、本装置10では、第1の導電体4および第2の導電体6が、コストおよび加工性の観点から、金属製メッシュから形成されている。
【0044】
本装置10の周期的な波形状を有する第1の導電体4または第2の導電体6は、例えば、図4および図5(a)に示す波形状の押圧断面を有する一対の押型の間に、金属製メッシュを挟んで押圧成型して得ることができる。
【0045】
また、図5(b)に、金属製メッシュの変形例を示す。本変形例のように、第1の導電体4または第2の導電体6には、さらに細かい凹凸が形成されていても良い。本変形例では、図5(a)に示す波形状が、基本波形状の周期より短い周期を有する波形状が重畳された形状を有している。
【0046】
本変形例では、第1の導電体4または第2の導電体6が、細かな凹凸を有しているため、その柔軟性が増加すると共に、アノード電極層3またはカソード電極層2の表面が全くの平坦でなくとも、該両電極層との物理的および電気的な接触点が増加する。そのため、固体酸化物型燃料電池Cの保持性および該両電極層との電気的な接触状態が更に向上している。
【0047】
図5(b)に示す第1の導電体4または第2の導電体6は、例えば、図4および図5(a)に示す波形状の押圧断面を有する一対の押型よりも、さらに短い周期を有する波形状の押圧断面を有する一対の押型により、金属製メッシュを挟んで押圧成型した後、図4および図5(a)に示す波形状の押圧断面を有する一対の押型により押圧成型して得ることができる。
【0048】
上述した第1の導電体4または第2の導電体6は、周期的な波形状の凹凸を有しているが、第1の導電体4または第2の導電体6は、ディンプル状の凹凸が規則的またはランダムに形成されていても良い。
【0049】
金属製メッシュにおけるメッシュの寸法は、挟持される固体酸化物型燃料電池Cを固定することができる大きさであって、混合燃料ガスに含まれる燃料ガスおよび酸化剤ガスを容易に通す大きさであることが好ましい。
【0050】
具体的には、金属製メッシュにおけるメッシュの寸法は、メッシュを構成する金属線の線径が30〜150μm、60〜500メッシュであることが好ましい。特に線径が70〜130μm、70〜130メッシュであることが、固体酸化物型燃料電池Cの保持性、集電効率および加工性の観点から好ましい。本装置10では、線径が100μm、100メッシュの金属製メッシュを用いている。
【0051】
また、金属製メッシュの形成材料としては、ニッケル、ニッケル合金、ステンレススティールまたは耐熱耐腐食性合金が好ましい。ステンレススティールとしては、SUS310またはSUS430等が好ましい。
【0052】
特に、燃料ガスとして、C−H結合を有する炭化水素の燃料ガスを用いる場合には、固体酸化物型燃料電池Cの各アノード電極層3の間に配置された金属製メッシュが、ニッケル、または、ニッケル合金により形成されていることが、燃料分子のC−H結合を切断する触媒として働く上で好ましい。特に、金属製メッシュがニッケル合金により形成される場合には、該合金は、ニッケルと銅との合金であることが、ニッケルによる煤生成を促進しない観点から好ましい。
【0053】
金属製メッシュがニッケル合金から形成されている場合には、該合金中のニッケルの割合が、60質量%以上100質量%未満、特に80質量%以上100質量%未満であることが、触媒作用を有すると共に、煤生成を促進しない上で好ましい。また、該合金中のニッケルは、その表面に存在していることが好ましい。第1の導電体4または第2の導電体6が、上述した導電性の多孔質体または金属製板から形成されている場合も同様である。
【0054】
次に、燃料電池ユニットC1を形成するための一対の支持体91,92について、さらに説明する。
本装置10では、燃料電池積層体C2が、図2(a)および図2(b)に示すように、その両側に配置された絶縁性の一対の支持板91,92に挟持固定されている。一対の支持板91,92それぞれの寸法は、固体酸化物型燃料電池Cよりも大きいことが、燃料電池積層体C2の保持性を高める上で好ましい。本装置10では、一対の支持板91,92それぞれは、図2(b)に示すように、4角形状を有し、固体酸化物型燃料電池Cよりも大きな寸法を有している。そして、燃料電池積層体C2は、支持板91,92の縁から内方で挟持されている。
【0055】
一対の支持板91,92それぞれを形成する材料は、燃料電池積層体C2を挟持した状態を維持できる剛性を有していることが好ましい。また、該材料は、燃料電池積層体C2が発電時に使用される温度および雰囲気において、電気的な絶縁性、耐熱性および耐久性を有していることが好ましい。
【0056】
具体的には、一対の支持板91,92それぞれは、表面が無機酸化物で被覆された金属板により形成されていることが好ましい。無機酸化物としては、例えば、セラミックスや、柔軟性を有する無機酸化物シートが好ましい。セラミックスとしては、例えば、アルミナ系セラミックス、ムライト系セラミックス、コージライト系セラミックス、ホルスライト系セラミックスなどが挙げられる。また、柔軟性を有する無機酸化物シートとしては、例えば、石英、ガラス、アルミナベース系セラミックスの繊維から形成された布または不織布であることが好ましい。金属板を被覆する無機酸化物を、柔軟性を有する無機酸化物シートにより形成することは、耐衝撃性を向上する観点から好ましい。
【0057】
また、本装置10では、一対の支持板91,92それぞれは、金属板の表面に、上述したセラミックスを溶射して形成されていても良い。金属板は、セラミックスから形成されている固体酸化物型燃料電池Cよりも、熱伝導性が高いため、支持板の熱伝導性が、固体酸化物型燃料電池Cよりも高い。このような構成の支持板を採用することにより、後述するように、燃料電池ユニットC1の駆動に要する時間の短縮が図られている。
【0058】
次に、以上に説明された燃料電池ユニットC1に用いられるのに好適な固体酸化物型燃料電池Cについて、以下に、図3(a)および図3(b)を参照して説明する。
固体酸化物型燃料電池Cは、平板状の固体電解質基板1を有し、該基板の一方の面には、平板状にカソード電極層2が形成されており、他方の面には、平板状にアノード電極層3が形成されている。固体酸化物型燃料電池Cは、全体として、平板状である。
【0059】
固体酸化物型燃料電池Cの平面視形状は、用途に応じて任意の形状とすることができるが、所定の空間に複数の固体酸化物型燃料電池Cを積層配置する観点および加工性の観点から、本装置10では、固体電解質基板1、カソード電極層2およびアノード電極層3共に4角形状を有している。また、カソード電極層2およびアノード電極層3は、同じ寸法で形成されており、固体電解質基板1よりも若干小さく形成されている。
【0060】
また、図2(a)および図2(b)に示された例では、燃料電池ユニットC1において、燃料電池積層体C2が、その第1の導電体4および第2の導電体6を介して、一対の支持板91,92と共に、導電性の複数の固定手段7で固定されている。本装置10では、左右3ヶ所ずつ、計6ヶ所の固定手段7を用いている。これらの固定手段7は、ボルト71とナット72とから構成されている。
【0061】
本装置10では、図2(b)に示すように、第1の導電体4における第1の延出部41の横方向の端部と、第2の導電体6における第2の延出部61の横方向の端部と、一対の支持板91,92における横方向の両端部とに、それぞれ、上下方向に所定の間隔をあけて3つの孔が形成されている。そして、該孔のそれぞれにボルト71が挿通された状態で、一対のナット72をボルト71の両端部に螺合させて、燃料電池積層体C2および一対の支持体91,92を押圧固定している。また、支持体91、92とナット72との間には、絶縁性の座金74が介在配置されている。
【0062】
本装置10では、燃料電池積層体C2における各固体酸化物型燃料電池Cの間に挟持されている第1の導電体4および第2の導電体6の有する弾性によって、固定手段7による押圧力に対抗する力が生じており、燃料電池積層体C2が、一対の支持体91,92により挟持された状態が確実に維持される。
【0063】
一対の支持板91,92のうち少なくとも一方と、固定手段7とは、電気的な短絡を防ぐために、絶縁されていることが好ましい。本装置10では、一対の支持板91,92と、固定手段7とは、座金74により電気的に絶縁されている。本装置10では、図6に示すように、絶縁性の座金74には、支持体91,92側に延びる円筒上の垂直部741が形成されており、該垂直部741が、支持板91,92の孔に嵌合しており、この垂直部741の中をボルト71が挿通されている。
【0064】
本装置10では、前述したように、支持板91,92の内部に、金属板が配置されているために、上述した絶縁構成を備える必要があるが、支持板91,92に金属板等の導体が含まれていない場合には、このような絶縁構成を備えていなくても良い。
【0065】
固定手段7について更に説明すると、この固定手段7が、燃料電池積層体C2の電力の取り出し部となっている。第1の延出部41のそれぞれに挿通されているボルト71は、該第1の延出部41と電気的に接した状態が形成されている。そのため、各アノード電極層3は、電気的に並列接続されている。
【0066】
この電気的に接した状態を確実にするために、ボルト71が挿通されている第1の延出部41の孔の部分を、両側からナット72を用いて、ボルト71に固定しても良い。第2の延出部61とボルト71との電気的な接触状態についても、上述した第1の延出部41と同様である。
【0067】
本装置10では、このように複数の第1の延出部41および複数の第2の延出部61それぞれが、ボルト71に固定されて電気的に接続されており、燃料電池ユニットC1において、各固体酸化物型燃料電池Cが電気的に並列接続されている。
【0068】
本装置10では、上述したように構成された燃料電池ユニットC1が、図1(a)および図1(b)に示すように、容器11の内部に収納されている。
また、他の実施形態において後述するように、本発明の固体電解質燃料電池発電装置10では、燃料電池ユニットC1または燃料電池積層体C2を単位として、これらを複数接続することにより、容易に電気的な並列接続または直列接続を実現することができる。
【0069】
次に、固体酸化物型燃料電池Cの形成材料について、以下に説明する。
固体電解質基板1には、例えば、公知のものを採用でき、次に示す材料を使用できる。
a)YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、これらにCe、Al等をドープしたジルコニア系セラミックス。
b)SDC(サマリアドープドセリア)、SGC(ガドリアドープドセリア)等のセリア系セラミックス。
c)LSGM(ランタンガレート)、酸化ビスマス系セラミックス。
このように本明細書では、固体酸化物は、固体電解質を含む概念である。
【0070】
また、アノード電極層3は、多孔質体から形成されており、その形成材料としては、例えば、公知のものを採用でき、次に示す材料を使用できる。
d)ニッケルと、イットリア安定化ジルコニア系、スカンジア安定化ジルコニア系、又は、セリア系(SDC、GDC、YDC等)セラミックとのサーメット。
e)導電性酸化物を主成分(50質量%以上99質量%以下)とする焼結体。導電性酸化物とは、例えば、リチウムが固溶された酸化ニッケル等である。
f)また上記d)、e)に挙げたものに、白金族元素やレニウムから成る金属、または、その酸化物が1〜10質量%程度配合されたもの。
上述した中でも、特にd)、e)が好ましい。
【0071】
上記e)の導電性酸化物を主成分とする焼結体は、優れた耐酸化性を有するのでアノード電極層の酸化に起因して発生する、アノード電極層の電極抵抗の上昇による発電効率の低下、或いは、発電不能、アノード電極層の固体酸化物層からの剥離といった現象を防止できる。また、導電性酸化物としては、リチウムが固溶された酸化ニッケルが好適である。さらに、上記d)、e)に挙げたものに、白金族元素やレニウムから成る金属、またはその酸化物を配合することにより、高い発電性能を得ることができる。
【0072】
カソード電極層2は、多孔質体により形成されており、その形成材料としては、公知のものを採用でき、例えば、ストロンチウム(Sr)が添加されたランタンやサマリウム等の周期律表第3族元素のマンガン(例えば、ランタンストロンチウムマンガナイト)、ガリウム又はコバルト酸化化合物(例えば、ランタンストロンチウムコバルタイトやサマリウムストロンチウムコバルタイト)等が挙げられる。
【0073】
アノード電極層3とカソード電極層2とは、共に多孔質体で形成されるが、本装置10における固体電解質基板1も多孔質に形成されていてもよい。従来では、基板を構成する固体電解質層は、緻密質に形成されていたが、耐熱衝撃性が低く、急激な温度変化によって、ひび割れが生じやすかった。また、一般に、固体電解質層は、アノード電極層及びカソード電極層よりも厚く形成されているので、固体電解質層のひび割れが引き金となり、固体酸化物型燃料電池の全体にひび割れが発生し、バラバラになってしまっていた。
【0074】
本装置10においても、個々の固体電解質基板が多孔質に形成されることで、発電時に、火炎中、或いは、火炎の近傍に配置されて、急激に温度変化を与えても、さらに、温度差の激しいヒートサイクルに対しても、ひび割れ等がさらに抑制され、耐熱衝撃性がより向上される。また、多孔質であっても、その気孔率が10%未満のときは、耐熱衝撃性に著しい向上が認められなかったが、10%以上であると良好な耐熱衝撃性が見られ、20%以上であるとより好適である。
【0075】
なお、先に提案された固体酸化物型燃料電池に対しては、メッシュ状金属やワイヤ状金属を、アノード電極層やカソード電極層に埋設、あるいは、固着することが行われていた。これは、熱履歴等によってひび割れした固体電解質基板がバラバラになって崩れないように、補強する対策であった。この対策によれば、固体電解質基板がバラバラにひび割れした後においても、そのひび割れした部分は発電性能を維持しているので、メッシュ状金属やワイヤ状金属は、それらのひび割れした部分を電気的に接続し、1枚の固体酸化物型燃料電池として電力を取り出すことができた。
【0076】
ところで、本発明においては、メッシュ状金属やワイヤ状金属を、アノード電極層やカソード電極層に埋設、あるいは、固着させないで、固体酸化物型燃料電池Cを、アノード電極層3とカソード電極層2のそれぞれに接触して配置される第1の導電体4と第2の導電体6とで挟持する構成を採用しているので、例え、固体電解質基板1がバラバラにひび割れした場合であっても、それらのひび割れした部分は発電性能を維持したままで、第1の導電体4と第2の導電体6との間で保持される。そのため、第1の導電体4と第2の導電体6とが、それらのひび割れした部分を電気的に接続することとなり、1枚の固体酸化物型燃料電池として電力を取り出すことができる。
【0077】
従って、本発明に採用される固体酸化物型燃料電池Cの製造にあたっては、先に提案された固体酸化物型燃料電池の製造工程より簡略化でき、製造コストの低減を図ることができる。
【0078】
上述した本装置10は、例えば、以下のようにして発電することができる。
まず、燃料電池ユニットC1を駆動する際には、混合燃料供給装置12から混合燃料ガスを、燃料電池ユニットC1の上端へ供給し、該燃料電池ユニットC1の下端から排出された混合燃料ガスを、燃焼装置13により燃焼して火炎Fを生成する。この火炎Fによって、燃料電池ユニットC1が発電駆動可能な温度にまで加熱される。
【0079】
この際、燃料電池ユニットC1は、一対の支持板91,92に金属板が含まれているので、固体酸化物型燃料電池Cよりも熱伝導性が優れている。そのため、火炎により加熱されると、該固体酸化物型燃料電池Cよりも早く昇温する。その結果、昇温した一対の支持板91,92により、燃料電池ユニットC1の両側も下端から上端までが速やかに加熱されるため、本装置10は、燃料電池ユニットC1の駆動に要する時間が短い。
【0080】
燃料電池ユニットC1の発電開始後においては、燃料電池ユニットC1で消費仕切れなかった混合燃料ガスが、燃料電池ユニットC1の下端から排出されるので、排出された混合燃料ガスが、燃焼装置12により安全に燃焼処理されると共に、燃料電池ユニットC1が駆動温度に維持される。
【0081】
上述した本装置10によれば、集電構造が簡易であるので、製造コストの低減が図れる。また、燃料電池ユニットC1または燃料電池積層体C2を単位として、容易に並列接続または直列接続することが可能であり、出力電圧または出力電流を用途に応じて適宜設計することができる。
【0082】
また、本装置10では、通気性を有する導電体を介在させて、隣り合う固体酸化物型燃料電池Cのアノード電極層3同士およびカソード電極層2同士が対向配置されているので、体積あたりの発電密度が高くなる。
【0083】
さらに、本装置10は、開放型の構成を有しており、密閉構造を必要としないため、簡易な構造とすることができる。
【0084】
次に、本発明の他の実施形態の固体酸化物型燃料電池発電装置を、図7〜図9を参照しながら以下に説明する。他の実施形態において、上述の第1実施形態と共通する部分については、上述した実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図7〜図9において、図1〜図6と同じ部材には同じ符号を付した。
【0085】
(第2実施形態)
本発明の好ましい第2実施形態の固体酸化物型燃料電池発電装置10が図7に示される。本装置10では、図7の例に示すように、第1の導電体4とその両側に位置するアノード電極層3との間に、通気性を有する平板状の第3の導電体8が挟持されている。同様に、第2の導電体6とその両側に位置するカソード電極層2との間にも、通気性を有する平板状の第3の導電体8が挟持されている。本装置10の燃料電池積層体C2では、積層された固体酸化物型燃料電池Cの両側にも、第1の導電体4とアノード電極層3との間、第2の導電体6とカソード電極層2との間に、それぞれ、第3の導電体8が挟持されている。
なお、図7では、本装置10の構成を分かりやすくするために、一対の支持板および固定手段の図示を省略している。
【0086】
第3の導電体8は平板状であり、平面視が4角形状であり、その寸法は、固体酸化物型燃料電池Cの両電極層2,3と同じである。このように、第3の導電体8は、アノード電極層3およびカソード電極層2と高い接触面積を有しており、該各電極層との電気的な接触状態が良好である。
その他の構成については、上述した第1実施形態と同様である。
【0087】
各固体酸化物型燃料電池Cのアノード電極層3およびカソード電極層2と、平板状の第3の導電体8とは面接触しているので、該電極層2,3から第3の導電体8への電子伝導性が高い。一方、凹凸形状を有する第1の導電体4または第2の導電体6は、第3の導電体8と主に点接触または線接触しているが、どちらも導電体から形成されているので、両者間の電子伝導性は十分に確保されている。従って、本装置10では、アノード電極層3およびカソード電極層2から、第1の導電体4または第2の導電体6への集電効率が高められている。
【0088】
このような観点から、第3の導電体8が金属製メッシュから形成されている場合には、そのメッシュの寸法は、第1の導電体4および第2の導電体6よりも小さいものを採用することが、電気的な接触点の数を増やす上で好ましい。
【0089】
本装置10では、第3の導電体8も、上述した第1の導電体4または第2の導電体6と同様に、面方向および該面と垂直な方向に通気性を有している。
【0090】
第3の導電体8の形成材料としては、第1の導電体4または第2の導電体6と同様のものを用いることができる。また、スチールウールのような金属製ウールを用いて良い。本装置10では、第3の導電体8が、第1の導電体4および第2の導電体6と同様に、平板状の金属製メッシュから形成されている。
【0091】
燃料ガスに炭化水素を用いる場合には、アノード電極層3に隣接して配置された金属製メッシュは、ニッケルまたはニッケル合金により形成されていることが、上述したように、燃料分子のC−H結合を切断する触媒として働く上で好ましい。
【0092】
上述した本装置10によれば、両電極層2,3それぞれからの集電効率が向上している。
【0093】
(第3実施形態)
本発明の好ましい第3実施形態の固体酸化物型燃料電池発電装置10が図8に示される。図8には、3つの燃料電池積層体の上面図を示している。本実施形態では、図8に示す例のように、3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cを備えている。複数の第1の延出部41同士および複数の第2の延出部61同士のそれぞれが、第1の接続体42および第2の接続体62を有している。各第1の延出部41同士は、第1の接続体42により、電気的に接続されている。同様に、各第2の延出部61同士は、第2の接続体62により、電気的に接続されている。
【0094】
そして、3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cが配置され、3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cのそれぞれにおける第1の接続体42と第2の接続体62とにより、各燃料電池積層体C2a、C2b、C2cが、電気的に直列接続されている。
【0095】
3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cのそれぞれは、上述した第1実施形態と同様に、複数の固体酸化物型燃料電池Cが積層された構成を有しており、各固体酸化物型燃料電池Cは、第1の導電体4および第2の導電体6に挟持されている。
【0096】
3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cのそれぞれを構成する各固体酸化物型燃料電池Cは、図8に示すように、容器11の上下方向と面方向を揃え且つそれらの外形状の輪郭が揃えられて、全体として厚さ方向に積層されている。
【0097】
固体酸化物型燃料電池Cの積層方向(以下、単に積層方向とも称す)において、燃料電池積層体C2bは、燃料電池積層体C2aと燃料電池積層体C2cとの間に挟持されている。燃料電池積層体C2aと燃料電池積層体C2bとは、積層方向の端部に位置するアノード電極層3同士を対向させて配置されている。また、燃料電池積層体C2bと燃料電池積層体C2cとは、積層方向の端部に位置するカソード電極層2同士が対向するように配置されている。
【0098】
燃料電池積層体C2bにおける各第1の延出部41は、燃料電池積層体C2a、C2cとは、反対の方向に向かって延出している。また、燃料電池積層体C2bにおける各第2の延出部61は、燃料電池積層体C2a、C2cとは、反対の方向に向かって延出している。
【0099】
図8には図示していないが、燃料電池積層体C2aおよび燃料電池積層体C2cにおける積層方向外方には、上述した第1実施形態と同様に、一対の支持板91,92が配置されており、3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cを挟持して、燃料電池ユニットC1が構成されている。また、3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cおよび一対の支持板91,92は、上述した第1実施形態と同様に、複数の固定手段7(図示せず)により固定されて、燃料電池ユニットC1を構成している。
この燃料電池ユニットC1は、上述した第1実施形態と同様に、容器11(図示せず)に収納されている。
【0100】
そして、第1の延出部41および第2の延出部61それぞれは、上述した第1実施形態と同様に、固定手段7により固定されているが、該固定手段7と、第1の延出部41または第2の延出部61とは、電気的に絶縁されている。この絶縁の方法としては、各種公知の方法を用いることができるが、本装置10では、図6に示す座金74と同様の方法が用いられている。具体的には、ボルト71が挿通されている第1の延出部41または第2の延出部61の孔には、円筒状の垂直部を備えた座金が嵌合されており、その垂直部の中をボルト71が挿通されている。
【0101】
そして、図8に示すように、燃料電池積層体C2aの第1の接続体42と、燃料電池積層体C2bの第2の接続体62とが配線により接続されている。また、燃料電池積層体C2bの第1の接続体42と、燃料電池積層体C2cの第2の接続体62とが配線により接続されている。このようにして、3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cが電気的に直列接続されている。
【0102】
燃料電池積層体C2aにおける接続された第2の接続体62と、燃料電池積層体C2cにおける接続された第1の接続体42から、本装置10の電力の取り出し部が形成されている。
【0103】
また、本装置10では、燃料電池積層体C2aおよび燃料電池積層体C2bのそれぞれの対向するアノード電極層2同士の間に、図8に示すように、通気性を有する絶縁性のセパレータ14aが挟持されている。このセパレータ14aにより、燃料電池積層体C2aと燃料電池積層体C2bとは、電気的に絶縁されている。同様に、燃料電池積層体C2bおよび燃料電池積層体C2cのそれぞれの対向するカソード電極層2同士の間には、通気性を有する絶縁性のセパレータ14bが挟持されている。このセパレータ14bにより、燃料電池積層体C2bと燃料電池積層体C2cとは、電気的に絶縁されている。
【0104】
セパレータ14a、bは、上述した第1の導電体4または第2の導電体6と同様に、固体酸化物型燃料電池Cの面方向および該面と垂直な方向に通気性を有している。
【0105】
セパレータ14a、bの面方向の寸法は、電極層2,3よりも大きく、且つ第1の導電体4および第2の導電体6と同等以上であることが、各燃料電池ユニット間を電気的に絶縁する上で好ましい。本装置10では、セパレータ14a、bの寸法は、第1の導電体4および第2の導電体6と同等である。
【0106】
このセパレータ14a、bも複数のボルト71に固定されて、燃料電池ユニットC1内に積層されている。
【0107】
セパレータ14a、bの形成材料としては、固体酸化物型燃料電池Cが発電時に使用される温度および雰囲気において、電気的な絶縁性、耐熱性および耐久性を有していることが好ましい。このような観点から、セパレータ14a、bは、無機酸化物の多孔質体から形成されていることが好ましい。この多孔質体の細孔は、互いに連通していることが好ましい。
【0108】
燃料ガスとして、C−H結合を有する炭化水素の燃料を用いる場合には、アノード電極層3の間に挟持されているセパレータ14aは、その多孔質体の細孔表面に白金、ロジウムまたはニッケル等のC−H結合を切断する触媒作用を有する金属の原子または微粒子が分散配置されていることが好ましい。
【0109】
セパレータ14aの細孔内に侵入した炭化水素分子は、上記金属の原子または微粒子により、C−H結合が切断されて改質物質への改質が促進される。
【0110】
このようなセパレータ14aは、例えば、無機酸化物からなる多孔質体を、ヘキサフルオロ白金酸等の水溶液に含浸し、その後、この多孔質体を熱処理して、ヘキサフルオロ白金酸等を熱分解し、細孔表面に白金等の金属を析出させて製造することができる。
【0111】
上述した本装置10によれば、簡易な配線により、3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cが電気的に直列接続されている。また、改質作用を有するセパレータ14aを、燃料電池積層体C2aおよび燃料電池積層体C2bそれぞれの対向するアノード電極層2同士の間に配置することにより、発電効率が高められている。
【0112】
また、本装置10は、上述した実施形態では、3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cから構成されているが、用途に応じた必要な出力電圧を得るために、任意の数の燃料電池積層体を用意して、容易に直列接続することが可能である。さらに、このように構成した燃料電池積層体を、複数用意して並列接続しても良い。
【0113】
(第4実施形態)
本発明の好ましい第4実施形態の固体酸化物型燃料電池発電装置10が図9に示される。図9は、3つの燃料電池積層体の上面図を示している。本装置10は、3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cを備えている。そして、3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cが配置され、3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cのそれぞれにおける第1の接続体42と第2の接続体62とにより、各燃料電池積層体C2a、C2b、C2cが、電気的に並列接続されている。
その他の構成は、上述した第3実施形態と同様である。
【0114】
3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cは、各第1の接続体42同士が配線により電気的に接続されている。同様に、各第2の接続体62同士が配線により電気的に接続されている。
【0115】
図9では、各燃料電池積層体C2a、C2b、C2cにおける第1の延出部4同士および第2の延出部6同士が、第1の接続体42および第2の接続体62により接続されているが、固定手段のボルトとナットを用いて、接続しても良い。この場合には、絶縁性の座金を用いる必要はなく、第1の延出部4および第2の延出部6は、電気導電性のボルトにより固定されていて、電気的にも接続される。
【0116】
上述した本装置10によれば、簡易な配線により、3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cが並列接続されている。
【0117】
また、本装置10は、上述した実施形態では、3つの燃料電池積層体C2a、C2b、C2cから構成されているが、用途に応じた必要な出力電流を得るために、複数の燃料電池積層体を用意して、容易に並列接続することが可能である。
【0118】
本発明の固体酸化物燃料電池発電装置は、上述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、本発明の固体酸化物燃料電池発電装置は、各実施形態において、燃料電池ユニットC1内では、第1の延出部41同士または第2の延出部61同士が電気的に接続されており、各固体酸化物型燃料電池Cが並列接続されているが、燃料電池ユニットC1内においても、第1の延出部41と第2の延出部61とを直列接続していても良い。この場合には、第1の延出部41と第2の延出部61とが、面方向に重ならないように、同じ方向に向かって延出していることが、配線を簡易にする上で好ましい。
【0119】
また、各実施形態において、燃料電池ユニットC1の下方に配置された燃焼装置13により混合燃料ガスが燃焼されて、各固体酸化物型燃料電池Cが加熱されているが、この固体酸化物型燃料電池Cを駆動するために所定の温度に加熱できれば、燃焼装置13以外の公知の加熱方法を用いることができる。例えば、電気炉、ガスバーナまたは電気ヒータを用いることができる。
【0120】
また、上述した各実施形態では、燃料電池ユニットC1が、容器11に収納されていたが、燃料電池ユニットC1が、混合燃料ガス雰囲気中に配置されていれば、燃料電池ユニットC1は、このような容器に収納されていなくても良い。
【0121】
さらに、上述した第4実施形態では、各燃料電池積層体間に、セパレータ14a、bが配置されていたが、このセパレータ14a、bを取り除いても良い。
【0122】
前述した一の実施形態のみが有する部分は、他の実施形態とすべて適宜相互に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】図1(a)は、本発明の固体酸化物型燃料電池発電装置の第1実施形態の縦断面の模式図であり、図1(b)は、この発電装置の横断面の模式図である。
【図2】図2(a)は、図1の固体酸化物型燃料電池発電装置に組み込まれる燃料電池ユニットの上面図であり、図2(b)は、その一部破断側面図である。
【図3】図3(a)は、図2の燃料電池ユニットに使用される固体酸化物型燃料電池を示す平面図であり、図3(b)は(a)のX−X線拡大断面図である。
【図4】図4は、図2の燃料電池ユニットにおける要部の分解斜視図である。
【図5】図5(a)は、図2の燃料電池ユニットにおける導電体の部分断面図であり、図5(b)は、その導電体の変形例を示す。
【図6】図6は、図2(b)のY−Y線拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の固体酸化物型燃料電池発電装置の第2実施形態を示す図2(a)に相当する上面図である。
【図8】図8は、本発明の固体酸化物型燃料電池発電装置の第3実施形態を示す図2(a)に相当する上面図である。
【図9】図9は、本発明の固体酸化物型燃料電池発電装置の第4実施形態を示す図2(a)に相当する上面図である。
【図10】図10は、従来技術による固体酸化物型燃料電池発電装置における固体酸化物型燃料電池の積層した例を模式的に示す。
【符号の説明】
【0124】
1 固体電解質基板
2 カソード電極層
3 アノード電極層
4 第1の導電体
41 第1の延出部
42 第1の接続体
6 第2の導電体
61 第2の延出部
62 第2の接続体
8 第3の導電体
91,92 支持板
10 固体酸化物型燃料電池発電装置
11 容器
11a 断熱材
12 混合燃料ガス供給装置
13 燃焼装置
14 セパレータ
15 電気絶縁性多孔質体
100 電気絶縁性介在層
101 導電層
C 固体酸化物型燃料電池
C1 燃料電池ユニット
C2 燃料電池積層体
C10 固体酸化物型燃料電池郡
F 火炎

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード電極層とアノード電極層とが固体電解質基板の両面に形成された固体酸化物型燃料電池の複数を備えた固体酸化物型燃料電池発電装置において、
隣り合う前記固体酸化物型燃料電池のそれぞれの前記アノード電極層が対向するように、複数の前記固体酸化物型燃料電池が配置され、
対向する前記各アノード電極層の間には、該各アノード電極層に接触し、通気性を有する第1の導電体が挟持され、
前記第1の導電体は、前記各アノード電極層を超えて延出した第1の延出部を有し、該第1の導電体が前記アノード電極層の集電部となることを特徴とする固体酸化物型燃料電池発電装置。
【請求項2】
隣り合う前記固体酸化物型燃料電池のそれぞれの前記カソード電極層が対向し、対向する該カソード電極層の間には、該各カソード電極層に接触し、通気性を有する第2の導電体が挟持され、
前記第2の導電体は、前記各カソード電極層を超えて延出した第2の延出部を有し、該第2の導電体が前記カソード電極層の集電部となり、
前記第1の延出部と前記第2の延出部とは、該第1の延出部および該第2の延出部の面方向にずれた位置に形成されることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
【請求項3】
前記第1の延出部と前記第2の延出部は、互いに反対方向にずれた位置で延出することを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
【請求項4】
前記第1の導電体および前記第2の導電体は、凹凸形状を有することを特徴とする請求項2または3に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
【請求項5】
前記第1の導電体と前記アノード電極層との間、および、前記第2の導電体と前記カソード電極層との間に、それぞれ、通気性を有する第3の導電体が挟持されることを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
【請求項6】
前記第1の導電体、前記第2の導電体または前記第3の導電体が、金属製メッシュまたは多孔質体により形成されることを特徴とする請求項5に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
【請求項7】
対向する前記各アノード電極層の間に配置された前記金属製メッシュが、ニッケル、または、ニッケルと銅との合金により形成されることを特徴とする請求項6に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
【請求項8】
複数の前記第1の延出部同士および複数の前記第2の延出部同士のそれぞれが、第1および第2の接続体を有することを特徴とする請求項2から7の何れか一項に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
【請求項9】
複数の前記固体酸化物型燃料電池が前記第1の導電体および前記第2の導電体を挟持して積層された燃料電池積層体が形成され、
前記燃料電池積層体が複数配置され、
複数の前記燃料電池積層体のそれぞれにおける前記第1の接続体と前記第2の接続体とにより、該各燃料電池積層体が、電気的に並列接続または直列接続されることを特徴とする請求項8に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
【請求項10】
複数の前記固体酸化物型燃料電池が前記第1の導電体および前記第2の導電体を挟持して積層された燃料電池積層体が形成され、
前記燃料電池積層体が、一対の支持板により挟持され、
前記各支持板は、表面が無機酸化物で被覆された金属板であることを特徴とする請求項8に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−159448(P2008−159448A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348120(P2006−348120)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】