説明

固化食材の製造装置

【課題】 たとえばクリームコロッケなどの芯材として用いられるルウと具とを含む食材を調製し、固化、成形するに際し、工程を簡略化し、かつバッチ式を廃し、自動化することにより、製造工程の効率化するとともに、大量生産を可能にした固化食材の製造装置を提供する。
【解決手段】 移動する無端状チェーンコンベア1上に、同無端状チェーンコンベアに取り付けられた複数個のモールド3に加熱されたルーと具とを含む食材を充填する常温領域の充填ゾーンA、モールド3に充填された前記混合食材を冷却して固化する常温より低い温度領域の冷却ゾーンB、前記混合食材をモールド3から取り出す工程8、及び前記混合食材が取り出されたモールド3を洗浄、殺菌及び乾燥するゾーンCをこの順序で形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルウと具とを含む食材、たとえばクリームコロッケ等を冷却して固化した状態で大量生産を容易にした装置に係り、本発明装置の実現により、加熱するなどの簡単な調理によって、流動性を付与された温かいルーと具とを含む食品を食することを可能にするとともに、同食品の製造工程を短縮化してコスト低減を可能にした固化食材の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ルウを主材とし、これに牛乳、バター、フォン(出し汁)や、香味野菜、肉等の細片などの具を添加した粘ちょうな食材は、たとえばクリームコロッケなどの芯材として広い用途をもっている。
従来クリームコロッケを製造するに際し、クリームコロッケの衣に包まれた芯材は、小麦粉をバターで炒めて調理したルウを牛乳でのばしてホワイトソースをつくり、必要に応じて角切り状の野菜や粗流状の肉塊などの具を若干加えてなるものであり、これをニーダで約80℃に加熱して混練した後、バッチ式の容器に入れて、冷凍庫に約+5℃で保存して硬化させ、次いでそれを取り出して成形機のホッパなどから型に投入し、成形していた。
【0003】
成形した内容物は、衣を付してクリームコロッケとしたり、また衣を付さないで、たとえばパンや板状の白身魚・鶏肉などに挟んでサンドイッチにしたりするなど、種々の用途に用いることができる。
また特許文献1(特開平2002−171947号公報)には、クリームコロッケの製造方法として、バター、小麦粉、牛乳等から調製したホワイトソースを冷蔵庫で5℃まで冷却し、金属製の成形型に充填し、これを1昼夜冷凍庫に放置し、冷凍成形する方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−171947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに従来のクリームコロッケの製造方法においては、高温の食材を成形のため、一旦0℃近くまで冷却して、固化した後、型に充填して成形しているため、製造工程が煩雑となるとともに、加熱された食材を一旦冷却するための冷蔵庫が必要であり、食材が充填された型を冷凍庫に出し入れする作業を伴い、作業が煩雑化している。
また食材をある個数の容器ごとに充填し、バッチ式で各製造工程の処理を行なっているため、作業の効率化が進まず、大量生産には不向きという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、たとえばクリームコロッケなどの芯材として用いられるルウと具とを含む食材を調製し、固化、成形するに際し、工程を簡略化し、かつバッチ式を廃し、自動化することにより、製造工程を効率化してコスト低減を図るとともに、大量生産を可能にした固化食材の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、かかる目的を達成するもので、常温領域の充填ゾーンと、常温より低い冷却もしくは冷凍温度空間の冷却ゾーンとを有し、前記充填ゾーンにおいて加熱されたルーと具とを混合して型に充填する手段を備え、前記冷却ゾーンにおいて前記混合食材を冷却し固化し、冷却されて一定の硬さ以上に固化した前記混合食材を前記型から取り出す手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明においては、前記充填ゾーンで加熱されたルーと具とを含む食材を充填された型を、一旦冷蔵庫等に搬入することなく、そのまま前記冷却ゾーンに導入し、冷却、固化する。その後冷却されて一定の硬さ以上に固化した前記混合食材を前記取り出す手段により前記型から取り出して、製品として出荷可能となる。
なお前記混合食材を前記取り出す手段は、前記冷却ゾーンに設けてもよく、あるいは同冷却ゾーンの外側に設けてもよい。
【0009】
このように調製された食材は、たとえばクリームコロッケなどの芯材として用い、衣を付してクリームコロッケとしたり、あるいはパンや板状の白身魚・鶏肉などに挟んでサンドイッチにしたり、あるいは解凍もしくは加熱して、味噌汁、スープ麺、カレールウ、具入りスープ等として食するなど、種々の用途に用いることができる。
【0010】
本発明の上記手段において、好ましくは、前記充填ゾーンの温度領域を10〜15℃に保持し、前記冷却ゾーンの温度領域を−40〜0℃、さらに好ましくは−40〜−20℃に保持する。
すなわち前記充填ゾーンにおいては、10〜15℃の常温領域であるため、特に密閉空間にして温度調節する必要がない。また作業員の作業に適した温度環境とすることができる。また前記冷却ゾーンでは、前記混合食材を冷却し、固化するため、0℃以下の温度とする必要があるとともに、対象食材を冷却のみならず、凍結した状態で出荷してもよく、そのため凍結温度の下限値として−40℃とする。すなわち対象食材を凍結したまま市場に出し、調理時に加熱などの簡単な調理で食することができる。
【0011】
また好ましくは、請求項1の構成に加えて、前記混合食材が取り出された型を洗浄、殺菌及び乾燥する手段を備える。これによって、食材の型への充填から洗浄、殺菌及び乾燥まで一貫して行なうことができ、製造効率がさらに向上する。
【0012】
また本発明において、好ましくは、移動する無端状コンベア上に、同無端状コンベアに取り付けられた複数個の型に加熱されたルーと具とを混合して充填する常温領域の充填ゾーン、前記型に充填された前記混合食材を冷却して固化する、常温より低い冷却もしくは冷凍温度空間の冷却ゾーン、冷却されて一定の硬さ以上に固化した前記混合食材を前記型から取り出すゾーン、及び前記混合食材が取り出された型を洗浄、殺菌及び乾燥するゾーンをこの順序で形成する。
【0013】
移動する無端状コンベア上に、同無端状コンベアに取り付けられた複数個の型に加熱されたルーと具とを混合して充填するため、前記混合食材の成形を連続的に行なうことができ、従来のようにある一定数の型を用いてバッチ式に行なう場合に比べて、製造効率が格段に向上するとともに、大量生産が可能となる。
また前記混合食材が取り出された型を洗浄、殺菌及び乾燥する工程も、移動する無端状コンベア上で行なうため、人手による作業が大幅に減少する。
【0014】
また好ましくは、前記充填ゾーンにおいて前記混合食材を充填された型を振動させて同混合食材を脱気する手段を備える。前記充填ゾーンにおいては、加熱されたルーと具とを含む混合食材を型に充填するが、その直後に加熱された状態で同混合食材に振動を加えることにより、効果的に脱気することができる。
型に振動を付与する手段としては、たとえばカム機構を用いた機械的振動付与手段、あるいはエアバイブレータを用いた手段、あるいは電動モータにより振動を付与する手段等、従来公知の手段を採用すればよい。
【0015】
また好ましくは、前記冷却ゾーンにおいて冷却されて固化した前記混合食材が充填された前記型を傾けるか又は反転させて同型から前記混合食材を取り出す。さらに好ましくは、前記型を傾けるか又は反転させる前に前記混合食材に暖気を吹き付ける手段を設け、同混合食材に暖気を吹き付けて、同型に接触している同混合食材の凍結部分を軟化させた後、同型を傾けるか、又は反転させる。
【0016】
なお前記暖気吹き付け手段は、冷却ゾーンの外側に設ければ、冷却ゾーンの冷却温度を阻害しないという利点があるが、一方前記反転手段を冷却ゾーン内に設けた場合には、食材取り出しゾーンの保安を容易に維持できるという利点がある。
なお本発明で対象となる食材は、ルウと具とを含む食材であり、たとえば前述したクリームコロッケ等のクリーム系食品、あるいは味噌汁、スープ麺、カレールウ、具入りスープ、プディング類、ゼリー類等が挙げられる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、常温領域の充填ゾーンと、常温より低い冷却もしくは冷凍温度空間の冷却ゾーンとを有し、前記充填ゾーンにおいて加熱されたルーと具とを混合して型に充填する手段を備え、前記冷却ゾーンにおいて前記混合食材を冷却し固化し、冷却されて一定の硬さ以上に固化した前記混合食材を前記型から取り出す手段を備えたことにより、ルウと具とを含む食材の固化食品を連続的に製造可能とすることができ、従来のバッチ式に比べて、製造効率を飛躍的に高め、コスト低減を達成することができる。
【0018】
また好ましくは、前記混合食材が取り出された型を洗浄、殺菌及び乾燥する手段を備えることによって、食材の型への充填から洗浄、殺菌及び乾燥まで一貫して行なうことができ、また好ましくは、移動する無端状コンベア上に、同無端状コンベアに取り付けられた複数個の型に加熱されたルーと具とを含む食材を充填して成形するため、前記混合食材の成形を連続的に行なうことができ、従来のバッチ式に比べて、製造工程を短縮でき、製造効率が格段に向上するとともに、大量生産が可能となる。
また食材が取り出された後のモールドの洗浄、殺菌及び乾燥工程を無端状コンベアとともに移動させながら行なうことにより、大幅に省力化、効率化できる。
【0019】
また好ましくは、前記充填ゾーンにおいて前記混合食材を充填された型を振動させて同混合食材を脱気する手段を備えたことにより、加熱された状態を効果的に脱気することができる。
また好ましくは、前記冷却ゾーンにおいて冷却されて固化した前記混合食材が充填された前記型を傾けるか又は反転させることにより、特別な装置を必要とせず、簡単に型から前記混合食材を取り出すことができ、さらに好ましくは、前記型を傾けるか又は反転させる前に前記混合食材に暖気を吹き付ける手段を設けることにより、型からの食材の取り出しをさらに容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、本発明の第1実施例に係るクリームコロッケの芯材の製造工程を示す工程図、図2は、前記第1実施例において、食材を充填するモールドを上方から視た部分平面図、図3は、前記第1実施例において、強制排出部を図1と直角の方向から視た拡大断面図である。
【0021】
図1において、Aは食材の充填ゾーン、Bは冷却ゾーン、Cは自動洗浄・殺菌・乾燥ゾーンで、各ゾーンはそれぞれ隣接して設けられている。1は、上記3ヶ所のゾーンA〜Cに亘って、複数の支持ローラ1aに装架された無端状チェーンコンベアで、図2に示すように、間隔を置いて複数のモールドホルダ2が接続されている。3はモールドホルダ2上に取り付けられるモールドであり、モールドホルダ1個当たり4箇所に設けられている位置決めノッチ(オス型)2aに嵌合する位置決めノッチ(メス型)3aを具備し、これらによって、モールドホルダ2がチェーンコンベア1の動きに応じて反転してもモールド3が落ちないように互いに結合される。
【0022】
また3bは、モールド3の表面に刻設された、クリームコロッケの芯材を充填し、成形するための型で、ひとつのモールド3に2列に複数個設けられている。4a及び4bは、具材分注計量機で、具材分注計量機4aがモールド3の前列の型列に具を注入し、具材分注計量機4bがモールド3の後列の型列に具を注入するようになっている。
【0023】
5及び6は、無端状チェーンコンベア1の進行方向に2列に配置されたルウ充填器で、それぞれ1度に1個のモールド3中のすべての型3bにルウを充填可能である。5a及び6aは、チェーンコンベア1の移動速度に合わせて、ルウ充填器5,6の充填口5c,6cを移動可能とするカム機構で、充填口5c,6cを移動させながらルウを落下させることにより、ルウを型3b内に的を外さず充填できる。5b,6bはルウ充填器5,6にルウを移送するコンベアである。
【0024】
7は、充填ゾーンA内の充填器5,6の下流側に、型3b内に充填された食材を脱気させるために設けられた振動付与装置である。振動付与装置7の具体的な構造は、前述のように、たとえばカム機構を用いた機械的振動付与手段、あるいはエアバイブレータを用いた手段、あるいは電動モータにより振動を付与する手段等、従来公知の手段を採用すればよい。
【0025】
かかる第1実施例において、まず充填ゾーンAにおいて、モールド3の複数の型3b内に具材分注計量機4a,4bから具が充填される。すべての型3b内に具が充填されたモールド3は、次にルウ充填器5及び6により、約80℃に加熱され流動状態となったルウが、1度に2個のモールド3の型3b内に充填される。
ルウがモールド3の型3bに充填された直後、振動付与装置7によって、モールド3に振動付与し、モールド3に充填されたルウと具とを含む食材の脱気を行なう。
【0026】
その後前記食材が充填されたモールド3は、充填ゾーンAに隣接された冷却ゾーンBに移送される。冷却ゾーンBは−40℃〜0℃、好ましくは−40℃〜−20℃の温度領域に保持され、この冷却ゾーンBに移送された食材は冷却され、固化する。あるいは凍結まで至る。
冷却ゾーンBを前記温度領域に保持する手段は、図1に図示されるように、チェーンコンベア1が冷却ゾーンB内で上下方向に多段に配置されている場合は、低温度の冷風を注入して低温雰囲気に保持する冷風注入方式を採用する。あるいは、本出願人等が先に出願した特願平10−342580号(特開2000−166495号公報)で提案したフリーザシステムが好適である。
【0027】
上記フリーザシステムは、上記先願の明細書に記載され、添付図面に図示されているように、冷熱熱交換器14aを具備する冷凍室13内に、被冷凍物の走行路を形成する往路17と復路18とよりなる往復循環路41を多段に形成する水平多段冷凍装置12が開示され、被冷凍物がこの往復循環路41を搬送されている間に冷凍されるようになっている。本フリーザシステムを採用することにより、前記混合食材の冷却又は冷凍による固化を高効率で安定して行なうことができる。
【0028】
なおチェーンコンベア1が1段に配置されている場合は、本出願人等が先に出願した特願2000−317470号(特開2002−130901号公報)の明細書及び図面に開示されているスチールベルト式フリーザが好適である。
この方式のフリーザは、図1〜4に図示されているように、断熱材よりなるトンネル式外郭構造物21と、構造物21内を縦方向に矢印A方向に貫通走行して軟質水産加工物等のワーク10を収納した穴開きトレイ15を搬送して、前記トレイとともに凍結状態で搬出するスチールベルト11と、穴開きトレイ15と、スチールベルト11の上側のワーク載置面と同載置面の反対側のベルト下面全域に亘りたとえば焼く−40℃の低温の高速噴流を垂直に吹き付ける複数の衝突噴流冷却部20とより構成される。
【0029】
さて、かかる冷却ゾーンB内をチェーンコンベア1に接続されて多段に搬送されているモールド3中の型3b内の食材は冷却又は凍結されて固化する。その後モールド3は、プレス型抜き工程8にさしかかると、モールド3にスチーム等の暖気を吹き付けて食材の固化表面を若干溶解させ、その後モールド3が反転して、食材を型3bから型抜きする。型抜き手段として、反転したモールド3の裏面に蒸気を散布させてもよく、あるいはモールド3の裏面に機械的に衝撃を与えてもよい。
【0030】
型抜きされたクリームコロッケの芯材kは、図3を参照して、強制排出部9において、正逆コンベア10上に落とされ、冷却ゾーンBの外に搬出される。この際成形不良な芯材が発生した場合は、正逆コンベア10は逆転して、不良品fは突起(サン)11aを有するサン付き傾斜コンベア11上に落とされ、傾斜コンベア11から台車12内に移送される。
なお正逆コンベア10の正方向から逆方向への切り替えは、不良品fを感知するセンサを設けて、同センサが不良品fを感知したら自動的に行なうようにしてもよいし、あるいは作業員が目視で発見して、作業員の操作で切り替えるようにしてもよい。
また不良品fは、充填ゾーンAに戻され、再度成形される。
【0031】
芯材kが型抜きされたモールド3は、冷却ゾーンBに隣接する自動洗浄・殺菌・乾燥ゾーンCに移送され、自動洗浄、殺菌及び乾燥処置される。
乾燥方法は、モールド3に温水を吹き付けて汚れを取除く温水洗浄方式か、あるいは空気を吹き付ける方式でもよい。また殺菌又は乾燥の方法は、従来公知の方法を適宜選択して実施すればよい。
なお第1実施例において、各ゾーンA,B,C内の空気を清浄化するため、同各ゾーンにたとえばプラズマクラスターイオン空気清浄機等の空気清浄機を設置してもよい。
またモールド3を交換する必要が生じた場合は、自動洗浄・殺菌・乾燥ゾーンで交換する。
【0032】
第1実施例によれば、移動する無端状チェーンコンベア1上に、同コンベアに取り付けられた複数個モールド3の型3bに加熱されたルーと具とを含むクリームコロッケの芯材kを充填して成形するため、芯材kの成形を連続的に行なうことができ、従来のバッチ式に比べて、熱交換器、攪拌工程等を省略でき、具材(エビ、アスパラ等)の形を保持できるとともに、製造工程が短縮され、製造効率が格段に向上するとともに、大量生産が可能となる。
またモールド3、その他装置の洗浄作業が大幅に削減される。また具材分注計量機4a、4bを使って、具材を分散投入するため、各芯材への具材投入が均一になる。
【0033】
また充填ゾーンAにおいて、食材を充填されたモールド3を振動させて食材を脱気する振動付与装置7を備えたことにより、加熱された状態において効果的に脱気することができるため、パンクのしにくいクリームコロッケが製造可能になる。
また冷却ゾーンBにおいて、冷却されて固化した食材が充填されたモールドを傾けるか又は反転させることにより、特別な装置を必要とせず、簡単にモールド3から食材を取り出すことができ、さらにモールド3を傾けるか又は反転させる前に食材に暖気を吹き付ける手段を設けることにより、型3bからの食材の取り出しをさらに容易に行なうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明によれば、たとえばクリームコロッケなどの芯材として用いられるルウと具とを含む食材を調製し、固化、成形するに際し、バッチ式を廃し、自動化することにより、製造工程を短縮し、製造効率を向上させ、かつ大量生産を可能にした固化食材の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施例に係るクリームコロッケの芯材の製造工程を示す工程図である。
【図2】前記第1実施例において、食材を充填するモールド3を上方から視た部分平面図である。
【図3】前記第1実施例において、強制排出部9を図1と直角の方向から視た拡大断面図である。
【符号の説明】
【0036】
A 充填ゾーン
B 冷却ゾーン
C 自動洗浄・殺菌・乾燥ゾーン
f 不良品
k 芯材
1 無端状チェーンコンベア
1a 支持ローラ
2 モールドホルダ
2a 位置決めノッチ(オス型)
3 モールド
3a 位置決めノッチ(メス型)
3b 型
4a,4b 具材分注計量機
5a,6a カム機構
5b,6b ルウ移送コンベア
5c,6c 充填口
7 振動付与装置
8 プレス型抜き工程
9 強制排出部
10 正逆コンベア
11 サン付き傾斜コンベア
11a サン
12 台車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温領域の充填ゾーンと、常温より低い冷却もしくは冷凍温度空間の冷却ゾーンとを有し、前記充填ゾーンにおいて加熱されたルーと具とを混合して型に充填する手段を備え、前記冷却ゾーンにおいて前記混合食材を冷却し固化し、冷却されて一定の硬さ以上に固化した前記混合食材を前記型から取り出す手段を備えたことを特徴とする固化食材の製造装置。
【請求項2】
前記混合食材が取り出された型を洗浄、殺菌及び乾燥する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の固化食材の製造装置。
【請求項3】
移動する無端状コンベア上に、同無端状コンベアに取り付けられた複数個の型に加熱されたルーと具とを混合して充填する常温領域の充填ゾーン、前記型に充填された前記混合食材を冷却して固化する、常温より低い冷却もしくは冷凍温度空間の冷却ゾーン、冷却されて一定の硬さ以上に固化した前記混合食材を前記型から取り出すゾーン、及び前記混合食材が取り出された型を洗浄、殺菌及び乾燥するゾーンをこの順序で形成したことを特徴とする請求項2記載の固化食材の製造装置。
【請求項4】
前記充填ゾーンの温度領域を10〜15℃に保持し、前記冷却ゾーンの温度領域を−40〜0℃に保持することを特徴とする請求項1又は3のいずれかの項に記載の固化食材の製造装置。
【請求項5】
前記充填ゾーンにおいて前記混合食材を充填された型を振動させて前記混合食材を脱気する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の固化食材の製造装置。
【請求項6】
前記冷却ゾーンにおいて冷却されて固化した前記混合食材が充填された前記型を傾けるか又は反転させて同型から前記混合食材を取り出すことを特徴とする請求項1記載の固化食材の製造装置。
【請求項7】
前記型を傾けるか又は反転させる前に前記混合食材に暖気を吹き付ける手段を設けたことを特徴とする請求項6記載の固化食材の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−25639(P2006−25639A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206074(P2004−206074)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000148357)株式会社前川製作所 (267)
【Fターム(参考)】