説明

固形美爪料除去剤

【課題】液状等の美爪料除去剤では得られない携帯性、使用性、目的とする除去箇所への塗布容易性、安全性に優れ、部分修正も容易にでき、溶剤等の気化を最大限防止でき、しかも、使用による減り具合も分り易くなるため買い替え時期なども簡単に予測できる固形美爪料除去剤を提供する。
【解決手段】少なくとも炭酸プロピレン及び凝固点が48℃以上を示すポリエチレングリコールを含有する美爪料除去剤であって、45℃において固体であることを特徴とする固形美爪料除去剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪に塗布したネイルエナメル等の美爪料を効果的に除去することができる固形美爪料除去剤に関し、更に詳細には、安全に携帯でき、部分修正も容易にでき、溶剤等の気化を最大限防止できる固形美爪料除去剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、美爪料除去剤は、爪に塗布したネイルエナメル等の美爪料を効果的に除去することができるものである。
近年、美爪料を携帯する女性が多くなり、それに伴い除光液等の美爪料除去剤も携帯するようになり、出先での美爪料塗布及びその修正が頻発に行われるようになっている。
【0003】
一般に、美爪料の修正(はみ出し部)には、除光液等を脱脂綿などにしみ込ませて使用したり、ペン先から溶剤が出るペンタイプのもので修正している。
しかしながら、前者の除光液等を携帯するのは煩わしく、安全性に問題があり、また、後者のペンタイプではペン先に色材がしみ込み、着色して汚くなり目詰まりの原因になるため、長く愛用することができず、更に、溶液の減り具合が分らないなどの課題があり敬遠されているのが現状である。
【0004】
一方、従来の美爪料除去剤は、ゲル状、クリーム状、高粘性の液体タイプの組成が一般的である。例えば、(1)(a)プロピレンカーボネート20〜95重量%と、(b)エタノール、イソプロピルアルコール及びn−プロピルアルコールからなる群より選ばれる低級アルコール2〜75重量%と、(c)カルボキシビニルポリマー0.1〜5重量%と、(d)エチレンジアミンテトラポリオキシエチレンポリオキシプロピレン0.1〜5重量%とを含有することを特徴とするゲル状エナメルリムーバー(例えば、特許文献1参照)、(2)スメクタイト型粘土鉱物を特定の第4級アンモニウムイオンで処理した有機変性粘土鉱物とプロピレンカーボネートとを含有することにより得られる、外観が透明で、安全性、保存安定性、使用性に優れた特性を示す美爪料除去剤(例えば、特許文献2参照)、(3)ベントナイトと炭酸プロピレンを混合してなる除光クリーム(例えば、特許文献3参照)、(4)シリカを0.1〜50重量%含み、残分が湿潤剤を含む溶剤からなり、該溶剤に対する湿潤剤の重量比が4以下であるゲル状ネイルエナメルリムーバー(例えば、特許文献4参照)、(5)炭酸プロピレンを40〜80重量%と、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル及びコハク酸ジエトキシエチルからなる群から選ばれる一種又は二種以上を10〜50重量%とを含有するネイルエナメルリムーバー、このネイルエナメルリムーバーをマッサージ機能を有する多数の突起が配設されている容器に充填してなるネイルエナメル除去具(例えば、特許文献5参照)、(6)塗料用有機溶剤、メタクリル酸の低級脂肪族アルコールエステルの重合体あるいは共重合体、アクリル酸の低級脂肪族アルコールエステルの重合体あるいは共重合体またはビニルアルコールの高級脂肪酸エステルの重合体あるいは共重合体の少量と、所望により、白色ワセリン、ひまし油、ポリエチレングリコール等の脂質類及び(または)湿潤剤及び(または)シツクナー及び(または)ゲル化剤とからなるゲル状、クリームの爪塗料除去剤(例えば、特許文献6参照)が知られている。
【0005】
これらの各文献に記載される美爪料除去剤は、液体等によって美爪料を塗布した箇所(除去したい箇所)へ容易に塗布することができるが、これらを乾燥などにより単に固形状としても、組成面から液体等を前提としているので、固形化が不十分となったり、経時安定性が得られなかったり、除去操作が十分にできなくなることなどの課題がある。固形の美爪料除去剤は、先行する技術としては無いのが現状である。
【特許文献1】特開平4−164012号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】特開平10−182359号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献3】特開平11−139937号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献4】特開2000−95646号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献5】特開2005−206560号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献6】特公昭36−10500号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、液状等の美爪料除去剤では得られない携帯性、使用性、目的とする除去箇所への塗布容易性、安全性、部分修正も容易にでき、溶剤等の気化を最大限防止できる固形美爪料除去剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、少なくとも炭酸プロピレン及び特定のポリエチレングリコールを含有せしめ、特定温度において固体であることなどにより、目的の固形美爪料除去剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0008】
すなわち、本発明は、次の(1)〜(3)に存する。
(1) 少なくとも炭酸プロピレン及び凝固点が48℃以上を示すポリエチレングリコールを含有する美爪料除去剤であって、45℃において固体であることを特徴とする固形美爪料除去剤。
(2) 少なくとも炭酸プロピレン及び平均分子量が2000以上であるポリエチレングリコールを含有する美爪料除去剤であって、45℃において固体であることを特徴とする固形美爪料除去剤。
(3) ポリエチレングリコールの平均分子量が6000以上であることを特徴とする上記(2)記載の固形美爪料除去剤。
【0009】
なお、本願発明で規定する「固形美爪料除去剤」とは、例えば、爪に塗布した美爪料その他の塗布物を固形の美爪料除去剤で除去するものをいい、より具体的には、ネイルエナメル、光沢物、飾り、ワンタッチネイル(付爪)などを貼り付けるための糊等を固形の美爪料除去剤で除去するためのものをいう。
また、本願発明で規定する「45℃において固体」とは、45℃において粘性が測定不可能であり、固体状のものをいう。
【0010】
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の美爪料除去剤は、少なくとも炭酸プロピレン及び凝固点が48℃以上を示すポリエチレングリコールを含有する美爪料除去剤であって、45℃において固体であることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に用いる炭酸プロピレン(別名:プロピレンカーボネート)は、美爪料の塗膜を溶解除去する溶剤であり、低毒性であり、分子式Cである。
用いることができる炭酸プロピレンは、特に限定されず、市販品、例えば、炭酸プロピレン(昭和電工社製)、プロピレンカーボネート(丸善ケミカル社製)、プロピレンカーボネート(日曹油化工業製)などを使用することができる。
【0012】
これらの炭酸プロピレンの含有量は、美爪料除去剤全量に対して、好ましくは、30〜80質量%(以下、単に「%」という)、更に好ましくは、50〜70%とすることが望ましい。
この炭酸プロピレンの含有量が30%未満であると、固形美爪料除去剤の除去成分としての効果を発揮することができず、一方、80%を超えると、ワックス成分が炭酸プロピレン全容を内包できなくなるか、固形化しても脆くなり形状を維持しにくくなるため、好ましくない。
【0013】
本発明に用いるポリエチレングリコールは、美爪料除去剤を固形化するための主成分であり、ポリエチレングリコールに上記炭酸プロピレンや後述する可溶化剤成分等を内包(固形化)することによって、経時安定性と炭酸プロピレン等の気化を最大限防止できる特性のもの、すなわち、凝固点が48℃以上のポリエチレングリコール、または、平均分子量が2000以上、好ましくは、6000以上、更に好ましく、6000〜20000のポリエチレングリコール等から選ばれる少なくとも1種(各単独又は2種以上の混合物、以下同様)を用いることができる。
用いることができるポリエチレングリコール(PEG)としては、例えば、PEG2000(48〜54℃、平均分子量2000)、PEG4000(53〜57℃、平均分子量4000)、PEG6000(56〜63℃、平均分子量6000)、PEG11000(56〜63℃、平均分子量11000)、PEG20000(56〜63℃、平均分子量20000)、PEG500000(100℃以上、平均分子量500000)などが挙げられる。
好ましいポリエチレングリコールとしては、更なる強度の点から、PEG6000、PEG11000、PEG20000が望ましい。
【0014】
これらのポリエチレングリコールの含有量は、美爪料除去剤全量に対して、好ましくは、10〜70%、更に好ましくは、20〜50%とすることが望ましい。
このポリエチレングリコールの含有量が10%未満であると、炭酸プロピレン全容を内包できなくなるか、固形化しても脆くなり形状を維持しにくくなる。一方、70%を超えると、固形美爪料除去剤の固形成分として効果を発揮することができなくなり、好ましくない。
【0015】
本発明では、美爪料を更に容易に除去する点、爪やその周りの皮膚の白化などを更に抑制する点から、好ましくは、可溶化剤成分を含有せしめることが望ましい。
用いることができる可溶化剤成分としては、例えば、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジエトキシエチル等から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
これらの可溶化剤成分の含有量は、美爪料除去剤全量に対して、好ましくは、0.01〜40%、更に好ましくは、0.1〜20%とすることが望ましい。
【0016】
また、本発明では、更に強度をアップさせる点、溶融点を高く維持させる点から、好ましくは、高融点の油性ワックス類を含有せしめることが望ましい。
油性ワックス類としては、特に限定されず、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバロウ、キャンデリラロウ、パラフィンワックス、セレシン、ポリエチレンワックス、モクロウ、ミツロウ、(ステアリン酸、ベヘニン酸などの)高級脂肪酸、(ステアリルアルコール、べへニルアルコール等の)高級アルコール、(シュガーワックスなどの)ショ糖脂肪酸エステル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの油性ワックス類は単独または2種以上の混合物としても用いることができる。
これらの油性ワックス類の含有量は、美爪料除去剤全量に対して、好ましくは、5〜40%、更に好ましくは、15〜30%とすることが望ましい。
また、本発明においては、強度をアップさせる点から、更に、変性粘土鉱物を含有せしめることも可能である。
変性粘土鉱物としては、有機変性粘土鉱物などを挙げることができる。
用いることができる有機変性粘土鉱物としては、例えば、ベントナイトやモンモリロナイト等の有機粘土鉱物に、カチオン活性剤及び非イオン性の有機極性化合物を化学的に結合させた物質を挙げることができ、具体的には、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト〔具体的には、市販のベントン27、ベントン27V(以上、ELEMENTIS SPECIALITIES,INC.社製)〕、ジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト〔具体的には、市販のベントン38、ベントン38V(いずれも、ELEMENTIS SPECIALITIES,INC.社製)〕などの少なくとも1種が挙げられる。
これらの変性粘土鉱物の含有量は、美爪料除去剤全量に対して、好ましくは、0.1〜6.0%、更に好ましくは、0.5〜4.0%とすることが望ましい。
【0017】
更に、本発明の固形美爪料除去剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエチレン(樹脂)、上記油性ワックス類以外のワックス成分、香料、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、アセトン等を適宜含有することができる。
【0018】
本発明の固形美爪料除去剤は、上記炭酸プロピレン、凝固点が48℃以上のポリエチレングリコール、または、平均分子量が2000以上、好ましくは、6000以上のポリエチレングリコールを混合し、成形型に流し込んで成形することにより、各種形状となる固形美爪料除去剤が製造することができる。
得られる固形美爪料除去剤の形状は、特に限定されず、固形状態を維持できる形状であれば各種形状とすることができ、例えば、図1(a)に示すような円柱状の固形美爪料除去剤、図1(b)に示すような四角柱状の固形美爪料除去剤、図1(c)に示すような消しゴムタイプの角部を有する固形美爪料除去剤、図1(d)に示すような三角柱状の固形美爪料除去剤、図1(e)に示すような断面異形形状の固形美爪料除去剤などを挙げることができる。
好ましい固形美爪料除去剤の形状としては、美爪料の部分除去の容易性、使用時の強度、形状維持の点から、円柱状、楕円柱状、四角柱状、三角柱状の固形美爪料除去剤が望ましい。
【0019】
これらの形状の固形美爪料除去剤は、固形化粧料繰り出し具、保持具等に保持して使用することができる。図2は、本発明の固形美爪料除去剤を装着した繰り出し具の一例を示す斜視図である。
この繰り出し具Aは、繰り出し具本体10の取付部11に本発明となる円柱状の固形美爪料除去剤12が取り付けられており、下部となる回動部13を手等で回動することにより繰り出し具本体10内の回動ロッド部14か回動して取付部11が上下動自在となって固形美爪料除去剤12が繰り出し自在となるものである。なお、15は、キャップ部材である。
【0020】
このように構成される本発明の固形美爪料除去剤は、従来の液状、クリーム状等の美爪料除去剤では得られない携帯性、使用性、目的とする除去箇所への塗布容易性、安全性に優れ、部分修正も容易にでき、溶剤等の気化を最大限防止でき、しかも、使用による減り具合も分り易くなるため買い替え時期なども簡単に予測できる固形美爪料除去剤が提供されるものとなる。
【実施例】
【0021】
次に、実施例及び比較例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって何等限定されるものではない。
【0022】
(実施例1)
炭酸プロピレン 50%
PEG20000(凝固点56〜63℃、平均分子量20000) 50%
上記配合割合で混合し、70〜80℃で溶解し、成形型に流し込み図1(a)に示す固形美爪料除去剤(φ7.5×30mm)を得た。
【0023】
(実施例2)
炭酸プロピレン 46.9%
PEG6000(凝固点56〜63℃、平均分子量6000) 23.4%
ステアリン酸 23.4%
カルナバワックス 6.3%
上記配合割合で混合し、上記実施例1と同様の固形美爪料除去剤を得た。
【0024】
(実施例3)
炭酸プロピレン 41.7%
PEG6000(凝固点56〜63℃、平均分子量6000) 20.8%
ステアリン酸 20.8%
カルナバワックス 16.7%
上記配合割合で混合し、上記実施例1と同様の固形美爪料除去剤を得た。
【0025】
(実施例4)
炭酸プロピレン 54.8%
PEG20000(凝固点56〜63℃、平均分子量20000) 20.5%
ベヘニン酸 13.7%
カルナバワックス 11.0%
上記配合割合で混合し、上記実施例1と同様の固形美爪料除去剤を得た。
【0026】
(実施例5)
炭酸プロピレン 47.1%
PEG20000(凝固点56〜63℃、平均分子量20000) 17.6%
ベヘニン酸 11.8%
カルナバワックス 23.5%
上記配合割合で混合し、上記実施例1と同様の固形美爪料除去剤を得た。
【0027】
(実施例6)
炭酸プロピレン 65.4%
PEG6000(凝固点56〜63℃、平均分子量6000) 7.0%
カルナバワックス 27.2%
ベントン27 0.4%
上記配合割合で混合し、上記実施例1と同様の固形美爪料除去剤を得た。
【0028】
(比較例1、特開2005−206560号公報記載の実施例1の固形化の試み)
炭酸プロピレン 45.0%
アジピン酸ジイソプロピル 40.0%
パルミチン酸オクチル 1.0%
ホホバ油 1.0%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0%
ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト 12.0%
上記配合割合で混合し、85〜95℃で加温し、更に炭酸カルシウムを外割りで10%添加したものを、φ7.5mmの成形型に流し込み、−10℃において1時間冷却して上記実施例1と同様の固形美爪料除去剤を得ようとした。しかし、室温即ち25℃において、10分程度でペースト状になってしまったため、固形のリムーバーとしては評価が出来なかった。上記配合に、更に炭酸カルシウムあるいは有機変性粘土鉱物を増量し、固形化を試みたが、固形化に成功することは無かった。
【0029】
(比較例2、クレームから外れるPEGの使用による比較例)
炭酸プロピレン 50%
PEG1000(凝固点35〜39℃、平均分子量1000) 50%
上記配合割合で混合し、上記実施例1と同様の固形美爪料除去剤を得た。
【0030】
上記で得られた実施例1〜6及び比較例1〜2の固形美爪料除去剤を用いて下記各評価方法により、経時安定性、除去性及び経時後の除去性を評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
【0031】
(経時安定性の評価方法)
各固形美爪料除去剤を25℃、湿度60RH%の恒温槽にて2日間放置した後、外観変化、重量変化を下記評価基準で評価した。
外観変化の評価基準:
◎:変化なし。
○:やや変化が認められるが良好。
△:表面に白化が認められる、又は吸湿による変化(水滴)が認められる。
×:全体に白化及び変形が認められる、又は吸湿による変化(水滴)及び変形が認められる。
重量変化の評価基準:
◎:1%未満
○:1%以上、2%未満
△:2%以上、5%未満
×:5%以上
【0032】
(除去性及び経時後の除去性の評価方法)
市販の美爪料(ブルジョワ株式会社製、「ブルジョワ(登録商標) ワン セカンド」ネイルエナメル)を専門パネラー5名により、爪(両手の指10本)に塗布、乾燥後、各固形美爪料除去剤を用いて除去のしやすさを下記評価基準で評価した。また、上記経時安定性の評価後の各固形美爪料除去剤を用いて、上記除去性の評価方法で同様に評価した。
評価基準:
◎:特に良好に除去できた。
○:良好に除去できた。
△:かろうじて除去が可能であった。
×:除去できなかった。
【0033】
(各固形美爪料除去剤の使用性の評価方法)
各美爪料除去剤を使用した時の、除去自体の使用性を下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:爪に擦り付けた時、抵抗感が無く、かつ、型崩れなく使用できた。
○:僅かな抵抗感、又は、微小な型崩れが認められた。
△:やや重い使用感、又は、少量の型崩れが認められ、やや使い難かった。
×:重い使用感、又は、大きな型崩れがあり、使い難かった。
【0034】
【表1】

【0035】
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜6は、本発明の範囲外となる比較例1〜2に較べて、経過安定性、除去性及び経時後の除去性、形状の保持性及び使用感に優れていることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】(a)〜(e)は、本願発明の固形美爪料除去剤の各形状を示す実施形態である。
【図2】本発明の固形美爪料除去剤を装着した繰り出し具の一例を示す内部構造を透視した斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも炭酸プロピレン及び凝固点が48℃以上を示すポリエチレングリコールを含有する美爪料除去剤であって、45℃において固体であることを特徴とする固形美爪料除去剤。
【請求項2】
少なくとも炭酸プロピレン及び平均分子量が2000以上であるポリエチレングリコールを含有する美爪料除去剤であって、45℃において固体であることを特徴とする固形美爪料除去剤。
【請求項3】
ポリエチレングリコールの平均分子量が6000以上であることを特徴とする請求項2記載の固形美爪料除去剤。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2009−256242(P2009−256242A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107367(P2008−107367)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(000005957)三菱鉛筆株式会社 (692)
【Fターム(参考)】